1 白い服の少女と青色のパジャマを着ている少年がいる。
少女はとても繊細な感じで、純白な服がよく似合う。それを少女はうまく着こなしている。
華奢な体を包んでいるといった感じだろうか。白い肌と統一している。
少女の顔立ちは整っており、微笑むと誰もが目を惹くだろう。肩ぐらいの長さのストレートの髪。
少し焦げ茶色がかかっているような色をしている。
まして、意外とするものは、右耳に2ミリぐらいの丸い透き通ったピンク色のピアスを1つ付けている。
髪が耳に覆い被さって見えないが、よく見るとうっすらと小さなピンク色が、さらさらの髪の奥からたまに見える。
それは、潜んでいるかのように見え隠れする。繊細な微笑みとよく合う。
少女は微笑む。とても嬉しそうに。
少女の隣に座る少年もとても嬉しそうに、少女に何か話をしている。
少年の目は輝いていた。
「僕は、先生になりたい!まだ、子供だけどたくさんの生徒をもって、たくさんの生徒に勉強を教えて、そいう毎日を過ごしたいんだ!」
輝きのある目は途絶える事はなかった。
元気いっぱいに自分の夢を話す少年。その言葉にはどれだけの夢が詰まっているのだろう。心の奥から込み上げてくる感情。
少年の夢は、無限に広がり続ける。
「頑張ってね。」
少女の一言。話す度に、少年は夢を語る。
少女は辛かった。
そして、少女は、悲しみを裏に隠し、にっこりと微笑んだ。
「ありがと!」
少年は無邪気に言う。満面な笑み浮かべて。少女に笑う。
少女と少年は、たくさんの事を話していた。
「あ、じゃあそろそろ帰るね。また来るね。」
少女は言った。微笑んで、帰る事を告げる。少年の隣から立って、歩き出した。。
「わかった!絶対来てね!約束だよ!」
歩き出す少女に、"絶対"とつけて、また来るように言った。笑みがまたそこにもあった。
「うん。絶対来るね。約束する。」
少女も"絶対"とつける。
『次来るまでにも、私に夢を語って下さい―』
心で強く願った。
そして、少女は向かった。それは決して、ドアの方じゃなくて、窓の方へ。
人が体を出せるくらいの大きさをもつ窓に少女は向かう。
少年は見る。なぜかうきうきとした感じ見ていた。
タッタッタ
と窓の方に行く。
太陽の光が少女の顔を照らし、眩しいと目を細くさせる。けど、向かう。帰るために。
少女は窓の前にたった。
「じゃあね」
と、後ろを振り返って少年に別れの挨拶をする。また、前を向いてゆっくりと窓を開ける。
「バイバイー」
少年も別れの挨拶を言う。
少年は少女をじっと見ている。
そして、少女の背中には―
1つの羽が生える。
ふわりとしそうな程、柔らかそうな無数のかたまり。服と合っている純白の羽根。
少女の背中全体を覆い隠すかのように、それは生えている。
「わぁ!」
少年はこの瞬間がいつもたまらなく好きで、いつも見ていた。
そして、少女は、白い壁、白いベッド、白い天井、この白い空間から飛び立った。病室と呼ばれる部屋から帰っていった。
1つの羽を持った少女は、消えてしまった。
"天使"は帰っていった。
部屋に散る一枚の羽根が、空中をふわりと舞っていた。
その羽根は床に近づく度に透けていき、しまいには跡形もなく消えてしまった。
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