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 美都の起業経営奮闘記〜新米ビジネスウーマンの挑戦 Vol.5  2003/5/31

       http://www2.gol.com/users/misana/mito.htm   by 佐成美都

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《今日の格言》
 
    「人生はマラソンなんだから
        百メートルで一等をもらったってしょうがない」

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  でも何ももらえないよりは、百メートルの一等でも嬉しいよね。(笑)

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今日のメニュー

 (1)初めての方へのご挨拶
 (2)読者メール
 (3)「マーケティング」
 (4)「コストアカウンティング」
 (5)「限界」

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《初めての方へのご挨拶》

はじめまして。
佐成美都です。
ご登録ありがとうございます!

このマガジンのバックグラウンドについて簡単におさらいしますと、
私は現在ボストンでMBAを取得中。
近日中に卒業し、日本に帰国した後は、
友人の建築家とともに設計事務所を始めます。
秋には株式会社として本格的にスタートする予定です。

6月中旬からは日々の葛藤・進展をリアルタイムでお伝えできると思いますが、
それまでは、起業を前にして私が考えていることや、
パートナーである建築家の友人との、
起業・経営についての議論などをお届けする予定です。

ナマの話を楽しみに登録したのに!という方は、
ぜひもうしばらく根気強くお付き合いくださいますよう、お願い申し上げます!

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《読者メール》

いつもたくさんの応援メールをありがとうございます。
今日はその一つ、
九州でログハウスに住みながら、
お花の教室、製造販売をお一人でされている方のメールをご紹介します。

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(前略)

> 庭には教室用のログのアトリエを造り、
> 自分なりに思案した結果、今大ブレーク中の枯れない花
> プリザーブド花の製作販売をしています。
> しかし・・ 経営などとは縁の無い主婦がこの販売をする為の
> プロデュース、マーケティング、・・モロモロがよく分からなくて、(>_<)
>
> 時代は変わってきましたね。グローバルな時代ですね。
> 田舎に居ますとなかなか受け入れてもらえません。
> だからこそ・・・
> 広めて行きたいと生意気ですが思っています。
> しかし、実際販売してみると・・・
> 花の予約販売はかなりあり成功したように思えたのですが、
> 利益が思ったほど上がらなくて
> 資材の在庫は少しなのに
> 何してるか分からない状態です。
>
> 利益も月にして、花での収入はトータルで5〜6万程度です。
> 一人での経営の限度ってどの程度なのでしょうか?
> 仕掛けて行かなくては何も変化はないのでしょうね。
>
> 「経営」って凄く難しいですね。
> トータルですべての事にセンスがなくてはいけない世界ですね。

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お一人で頑張っていらっしゃいますね。
尊敬します!
おっしゃるとおり、「経営」って簡単じゃないですよねー
たとえお花一つ売るにしても、隣の家の人に一つ売るのと、
知らない10人に売るのとでは雲泥の差がある。

じゃーどうするか?
いきなり何もないところから一人でそれを考え解決していくのは
さすがに難しいですよねー

今日はそのへんのお手伝いがちょっとでもできたらなーと思います。

このメールから質問をピックアップしてみると:
1)一人で商売を始める。何を勉強すべきか?
2)売上が上がってるのになぜ利益が上がらないか?
3)一人の経営の限度とは?

流れとしては、
どうやって売上を上げ、
そこからどうやって利益を増やすか。
そして、その利益には限界があるのか?

以上の項目について、本文中でそれぞれコメントしてみます。

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《マーケティング》

まず、さぁ商売を始めよう、というときに、すでに売るものが決まっていたら
次に考えることは・・・ま、いろいろあるとは思うけど、
例えば「誰に」「どうやって」売るか。
いわゆるマーケティングをかじってみるといいかなぁと思います。

私もMBAに行くまであんまりマーケティングなんて興味はなかったけど、
どんな商売でも絶対に欠かせない知識だと今は実感!
お客様を相手に商売をする以上、
お客様(マーケット・市場)を知らずに成功するわけないもんね。
(それでも成功できる例外は常にあるけどさ)

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ところで、「マーケティング」の定義ってご存知?

マーケティングの神様フィリップ・コトラー教授は
その一つを「Meeting needs profitably」と言っています。
「利益を得ながらニーズを満たすこと」とでも言うのかな。
誰かが必要としているものをその人に与えてあげつつも
自分もちゃんと利益を得る。
ここでビジネスが成り立つ。

美都がここから得た教訓はただ一つ。
ニーズ・需要がなきゃビジネスにならないんだな、ってこと。
もちろん、ニーズを生み出すことも可能なわけだけど、
それは機会があればまたいずれ・・・

基本は、誰が何を欲しがっているか。
別の角度から見ると、
自分が与えることのできるものを誰が欲しがっている?
そしてそれをどう利益を得ながら提供する?

マーケティングを語れるほど専門家じゃないし
世間にはゴマンと専門書があるので深入りは避けますが、
参考までに、
美都が以前、墓石のセールスで苦労していた知人に頼まれて
MBAの友人と考えた簡単な営業戦略をご紹介しましょう。

営業戦略とは言っても、マーケティングの授業で習ったことを
フルに活用して考えたプランです。

例えば、まずは自分とマーケットの分析。
自分の強み、他社との比較、自分の商品の強み、
ターゲットマーケットの特徴、行動パターン、などなど。

それらをよく知った上で、次に、じゃーどうやって売るか。

サイトに全文をアップロードしたので
よろしければご覧になってください。
目的は墓石を売ることだったけど、
これらのアイデアはどんな商品にも応用可能なはずです。

http://www2.gol.com/users/misana/mitosales.htm

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ここで参考までに
美都のお気に入りのマーケティングのコンセプトを一つご紹介。

「3R」という言葉があります。
 - Retention  「顧客保有率」--いわゆるリピーター
 - Related Sales「関連セールス」--ついでに買ってもらえるもの
 - Referrals  「紹介・推薦」−−いわゆる口コミ

例えばね、新しいお客さんを一人見つけて買ってもらうためにかかる費用と
リピーターの人にもう一回買ってもらうための費用を比べると、
新しいお客さんには5倍のコストがかかる、と言われているの。
それだけ、一度来てくれたお客さんは絶対に逃がすな!ってことね。

さらに、何度も来てくれたら「メイン」の商品だけじゃなく
他にもいろいろ買ってもらえるかも。
例えば、うちの設計事務所に家の設計を頼んでくれた人には、
インテリアコーディネーターや家具の販売の紹介もしやすいでしょ。
いきなり新しい人に家具の販売をするよりも、
はるかに買ってくれる確率は高い!

さらにさらに、他の人にも紹介してくれるかもしれないでしょ。
本当に気に入ってもらえたらね。
この「宣伝」はタダな上に、身近な人の推薦はパワーが違うからねー
例えば雑誌で「10歳若返る化粧品」を見るのと
10歳若返って見える隣の奥さんが「この化粧品を使ったの」と言うのでは?(笑)

ま、言われるとなるほどなーと思うことも、
知らないまま損をしている人もたくさんいると思うんだ。
ちょっとマーケティングの本とか読んでみるとけっこう発見があるかもよ。

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おまけ:マーケティングの3Rを男女関係に応用してみると・・・

1)Retention
女の子を初めてのデートに誘うためにかかるコスト(時間と労力とお金)は
二度目のデートに誘うコストよりはるかに高い

2)Related Sales
いきなり知らない子をベッドに誘うよりも
数回デートしてくれた子を誘う方がはるかに成功率が高い

3)Referrals
デートした女の子が良い評価を他の子に話してくれたら
後でその他の子とデートできる確率も高まる
(でも悪い評判には要注意)

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《コストアカウンティング》

さて、マーケティングの成功でセールスはそこそこ上がっているとする。
でもなぜか利益は伸びない・・・

まず思いつくのはコストだね、やっぱり。

大きな会社でも、小さな会社でも、個人でも、
何にどれくらいお金がかかってるかを知らなかったら、
コストダウンも何もあったもんじゃない。

友達にいたの。
お給料はそこそこもらってるのに、
なぜかお金が手元に残らない。
それほど使ってるつもりはないのに・・・

そこで1週間だけ「おこづかい帳」をつけさせました。(笑)
そして初めて気付く。
何気なく買っているタバコ、雑誌、スナック菓子、アルコールなどが
実はけっこうな出費になっていること。
記録をつけないと気付かないけど、「チリも積もれば山となる」。

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ま、会社組織の場合は出費は全部つけてるはずだからねー
そういう初歩的なミスはないだろうけど。
でも、今度は別の問題も出てくる。
コストを各商品にどう割り当てるか。

例えば、Aって商品とBって商品を作って売っている会社の場合。
Aを直接作ってるスタッフのお給料(コスト)はもちろんAに割り当て、
Bを直接作ってるスタッフのお給料(コスト)はBに割り当てる。
でも、AにもBにも直接は関わっていないマネージャーのお給料は?
どうやってAとBにそれぞれ割り当てるの?

一般に、経営スタッフのお給料や家賃や電気代やトイレットペーパー代など
いわゆる「経費」は
ある一つのレートで各商品に割り当てるのが普通らしい。
例えば、AとBの商品の場合、
Aの価格が500円でBが200円だったら、
経費のトータルを5対2でそれぞれにコストとして割り当てる、みたいな。
(実際は、値段じゃなく、
 スタッフの労働時間や機械の稼働時間をレートに使うことが多いらしい。)

でもね、それって全然現実的じゃないんだよね。
例えばさ、商品Aには常にスタッフが張り付いてないといけない。
一方、商品Bにはスタッフは必要ないけど機械が働いている時間が長い。
とすると、
AにはBよりも(スタッフのための)トイレットペーパー代がかかっていて、
BにはAよりも(機械のための)電気代がかかってるかもよ。

ようするに、商品によって必要な活動が異なり、
それ故にコストの内容・割合も商品ごとに全然違うかもなのよ。
そしたら、一定のレートで経費の合計をドーンと割り当ててると
とんでもないことになるかもしれないの。

何がとんでもないって、
もしかしたら、商品Bは赤字なのかもしれない。
マジメに「本当にBを作るのにかかったコスト」を追跡したらね。

この考え方に基づいて作られたのが
ABC(Activity Based Costing)という会計システム。
コストを一つのレートで割り当てるんじゃなく、
それぞれの活動ごとにレートを決める。
そうすることで、より正確に、
その商品を売るためにかかったコストを知ることができる。

そうやって正確なコストを知ることで、
最初に言ったように、
初めてコストダウンの話をすることができる。
あるいは、もっと正確に、その商品にふさわしい値段を決めることもできるし、
赤字の商品は思い切って生産中止にした方がいいのかもしれない。

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とにかく、何が言いたいかというと、
正確なコストを知らずして利益の改善は難しい、ってことね。

で、そうは言っても、現実には、
「正確なコストを知る」っていうのは“言うは易く行なうは難し”らしい。

一つの商品しか扱っていなかったり、
スタッフが自分一人だったりの場合は、
そういう意味でコスト追跡はより簡単なはずだから、
そこは間違いなく正確にコストを把握するようにしなきゃね。

正確な情報が、正確な意思決定には欠かせません。

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《限界》

一人の経営の限界?

結論:限界なんてないよ!

もちろん、先週も書いたように、自分の時間には限度があり、
一人で、自分に与えられた時間の中でできることは限られている。

でも・・・

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二人で年間に80万ドル(約1億円)を稼いでいる昨今話題の米国人がいます。
フロリダのマンションの一室で、たった二人で働いているだけ。
何をしてるかって?

ニュースを配信するWEBサイトの運営。

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インターネットの時代になって、「一人でできること」の範囲が
恐ろしく変わってしまったよね。

例えば美都が実感している超身近な例としては、このマガジン。
美都は今年の1月に一誌目を発刊しましたが、
そちらの読者は約1400名。
この起業経営記の読者は現在約1000名。
両誌共に読んでくださっている方もいらっしゃるので
おそらくユニークリーダーは合計で1800名くらいかなぁ・・・

インターネットがない時代だったら、
1800名の人に、ろくに広告費などの元手もかけないで、
毎週毎週こんな風に自分の書いた文章を読んでもらうなんて
まず考えられないでしょ。

インターネットの、底知れないパワーを実感します。

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様々な技術の進歩が、ビジネス環境も大きく変えてしまいました。

一介の主婦に何ができる、と言わず、
せめてこうやってコンピュータでマガジンを読んでいる貴方なら、
ぜひとも現代のテクノロジーの恩恵に与ってほしい。

例えばネット上での広告。
例えばWEBサイトの運営。
例えば顧客のデータ収集・管理・分析。
例えばeメールでのネットワーク作り。
例えば世界中からのタイムリーな情報収集。

こんなのはほんの一例だけど、
現代に生きる私たちが使えるツールは見回せば山のように転がっている。
チャンスは、誰の目の前にもある。

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もちろんそれ故に、競争が激しいとも言える。
IT系のベンチャー企業が一瞬で消えていったように、
誰でも手をつけられるからこそ、逆にそこで生き残るには「知恵」がいる。
「運」もかな。

でも、うまくすれば、前述の二人のように、
部屋の中でコンピューター二台使うだけで、
年間1億も儲けることができる。
ちなみに詳細は忘れちゃったんだけど、
売上と利益にほとんど差がないのがこの人たちの強み。
だってかかってるコストなんて家賃と通信費とパソコンの電気代くらいでしょ。

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ちなみに、従業員は自分だけだとしても、
アウトソースで大部分をまかなって「一人の経営」をすることもできます。
これは個人的に美都のオススメ。

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最後にウォルト・ディズニーの有名な言葉:

「If you can dream it, you can do it.」

夢見ることができるなら、実行することもできる。
限界は、あなたの心が作り出しているもの。

こんなキレイ事は現実を知らないから言えるんだ、と言われそうですが、
だからこそ、言えるうちに言っておかないとね。(笑)

冒頭の格言に戻ると、
百メートル走では一瞬で限界に到達して終わるけど、
マラソンでは「限界」を越えてからが勝負。
人間には、ある壁を越えてからでないと出てこない「力」があるんだよ。

どうやったらその力を見られるか?
「あーこれが限界だ」と感じたところで諦めたら当然見られるわけない。

夢見ることをやめないで。
あなたの可能性は、あなたが限界と思わない限り無限に広がる。

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発行者       : 佐成美都 
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《編集後記》

♪一つ個人的な宣伝をさせてください。
6月1日に新しいマガジンを創刊します。
その名も「♪恋の話をしよう♪」
美都の恋のお話も読んでみたいなーという方にオススメです。
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登録後5日以内に解除すると無料とのことなので、
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ぜひ試しに、美都の波乱万丈な恋愛模様もお楽しみください!
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 詳細は ⇒ http://www2.gol.com/users/misana/koi.htm


♪来週はボストンから東京への引越し等々でバタバタしているので
一回お休みをいただきます。
次回は6月の第二週の週末に発行させていただきます。
       

♪というわけで、梅雨の6月を迎えますが、
くれぐれもお体を大切に、
元気に明るく、前向きに頑張りましょう!!