ねこぱぱ問題に挑戦!
 中学生にも解ける!
大学入試問題(数学)
 


第3話 ガウス君に挑戦! 合計いくつ?



●むかーし、むかしのことじゃった・・(TV「日本昔話」調で・・)

 ドイツのある街に、算数のたいそう得意な少年がおったそうな。

 ある日のこと、この少年の通っている学校の先生が、ちょっと楽をしようと
 思ったのか、次の様な問題を出したそうな。

 「1から100までの数字を全部足し算しなさい。できた子から先生と表で
  遊ぶことにしよう!」

 今も昔も何かと忙しい先生のことですから、
 「よしよし、これで職員会に出すプリントができるわい。」
 と言ったどうか定かではありませんが、とにかく当分できないだろうと高を
 くくっておりました。

 子どもたちはと言うと、「ニンテンドー64」も「プレイステーション」も
 ない時代のことですから、早く先生と遊びたくて仕方がありません。
 が、そこはまだ子どものことですから、計算はなかなか進みません・・

 ところが、この少年、あっと言う間に答えを出してしまったのです。

 どうしてそんなに早く計算できたのか不思議に思った先生がこの少年に計算
 の仕方を尋ねたところ、それはそれはエクセレントな解答でしたので、仕方
 なく先生はその少年とグランドで遊ぶ羽目になってしまいましたとさ。

 この少年の名はガウス君と言い、その後大変立派な数学者となったそうな。
 めでたし、めでたし。

 ♪ ぼおやー よい子で ねんねしな ・・・



●ガウス君はこう考えました・・

 さて、いきなり1〜100までの和を考えるのも大変ですから、とりあえず
 1〜10の和で考えてみることにしましょう。

 ちなみに、英語では『和、合計』のことをSUMといいますので、その
 頭文字をとって、和のことをかっこよくと表すことにします。

 つまり、

     =  +2+3+4+5+6+7+8+9+10 ・・・(ア)

 と表すことにします。

 さて、上の(ア)に出てくる数字を大きい順に書き直してみます。

     = 10+9+8+7+6+5+4+3+2+1  ・・・(イ)

 この時、足し算は順番を変えても結果は変わりませんから、(ア)(イ)の
 合計はどちらもSであることに気をつけておいて下さい。

 次に、(ア)(イ)の式を上下をペアにして足し算してみます。

     =  1+ 2+ 3+ 4+ 5+ 6+ 7+ 8+ 9+10
  +  = 10+ 9+ 8+ 7+ 6+ 5+ 4+ 3+ 2+ 1
  ────────────────────────────────────
   2 = 11+11+11+11+11+11+11+11+11+11

 すると、あら不思議! 11が10個できましたね。

   2 = 11×10 = 110
                 ↓両辺を2で割って
  ∴ S = 55
  ─────────


  というようにガウス君は計算したのです。



●1〜100も同じこと

  上の説明が分かった人は、1〜100までの和も簡単に求めることができます。

     =   1+  2+  3+ ・・・ + 98+ 99+100
  +  = 100+ 99+ 98+ ・・・ +  3+  2+  1
  ────────────────────────────────────
   2 = 101+101+101+ ・・・ +101+101+101

  101が100個できますから、

   2 = 101×100 = 10100

  ∴ S = 5050
  ───────────

 となりますね。



●この技(わざ)は、数字の間隔が一定ならどんな場合にも使えます。

 この技は、例えば2ずつ増えているとしても使えますよ!

 例えば、偶数を2から順番に10個足す場合を考えてみましょう。

     =  2+ 4+ 6+ 8+10+12+14+16+18+20
     = 20+18+16+14+12+10+ 8+ 6+ 4+ 2
  ────────────────────────────────────
   2 = 22+22+22+22+22+22+22+22+22+22

   2 = 22×10 = 220

  ∴ S=110
  ────────

 となります。(疑い深いあなたは、電卓で確かめてみて下さいね。)



●いろいろな場合にさっと使えるように、公式にしちゃいましょう。

 上の3つの例をよーく見比べてみて下さい。途中の数字はあまり関係なく、
 次の3つさえ分かれば合計が計算できることがわかりますか?

  (1)一番最初の数 (2)一番最後の数 (3)数がいくつあるか

 この3つの数字さえ分かれば・・・

   2={(一番最初の数)(一番最後の数)}×(数がいくつあるか)

  ∴ ={(一番最初の数)(一番最後の数)}×(数がいくつあるか)÷2

 で合計を求めることができるのです。

┌────────────────────────────────────┐
│公式                                  │
│                                    │
│ S={(一番最初の数)+(一番最後の数)}×(数がいくつあるか)÷2 │
└────────────────────────────────────┘

 わかっていただけましたか?????

 よくわからなかった人は、学校の先生やお友だちに聞いてみて下さいね。
 高校生以上の君は、いろいろな公式を習っていると思いますが、今回はこの公式
 だけで大学入試問題を解いてしまいましょう!


それでは、がんばって大学入試問題に挑戦してみましょう!
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