営業への転身
やっぱりこれは、デザイナー有利ですね。
ある日突然「営業でもやってみない?」なんて上司にいわれてドキッ! として。
なこといわれたって、できるわけがない。でもこの点で、デザイナーとコピーライターではちょっと違うんだよね。デザイナー崩れの営業というのは、意外と多い。でも、コピーライター崩れの営業って、あまり聞かない。
思うに、デザイナーっていうのは仕事上いろんな人(カメラマン、スタイリスト、スタジオマン、レンタルフォト、イラストレーター、タレント、印刷業者、クライアント・・・)と接触していて人慣れしているし、意外と常識というのを持ちこたえているからじゃないだろうか。コピーライターっていうのは、交際範囲がとっても狭い。
たとえば仕事の流れを追ってみても
打ち合わせでクライアントと会う
取材する
コピーの直しや校正でクライアントと会う
これでオシマイなのだ。デザイナーが、仕事の始まりからオシマイまで時系列的にずーっと仕事を追っていくのと違って、非常に偏っているのだ。だから、たまに打ち合わせのときにカメラマンや印刷業の方々がいても、無視されたりする。
「誰だ? こいつ」
てなもんです。じつに哀しい。けれど、そういう、人と会うのが面倒とか嫌いな人種が選ぶんでしょうかね、コピーライターって職業は。そういう気がしたりしています。しかも、たかが企業メッセージの代筆業にしては、結構プライドが高かったりする。しかも、矛先を間違ったプライドっつーか。ひねくれているっていうのか。「屈折した自己顕示欲」と断言した人がいたな、昔。
そういうわけで転職の道を模索したりするのだけれど、中年オヤジは、使い道がなかったりする。はっきりいってビジネスマンとしては無能だったりする。
簿記も知らないし、営業行為も知らない。言葉遣いがダメ。おべっかがいえない。つきあいが下手。企業の広告という媒体のなかで表現行為をしてきたせいか、それ意外の表現行為の才能には欠けている。それでも自分のことを“くりえーたー”なんて呼んで、書いた広告やカタログなどを“作品”などと呼んでいる。こういう妙なプライドをもっていたりする。さらに、狭い業界でしか生活してこなかったので、常識に大いに欠けていたりする。
#ただのあほですね。
というわけで、この勝負はデザイナーの勝ち!
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