ホームレス



別に広告業にこだわらなくてもいいと思うのですが、それしかできない。知らない、という理由も手伝って、老後も広告業の端くれでいたいという“くりえーたー”は少なくありません。しかし、年をとればどうしたって能力は衰えます。そりゃあ休日にはゴルフで毎日酒ばっかり飲んで、カラオケしか趣味がないデザイナーなんていうのがいっぱいいるんだから。映画見ない、音楽聞かない、本読まない“くりえーたー”は、この世にごまんといるはずです。これじゃ新鮮な発想はできるはずがない。でも、大半の“くりえーたー”は自分の能力のなさや時代とのズレを認識しようとしません。どういう場合でも、自分に落ち度がなく、相手が悪いと考えます。ですから相手に投げつける悪口雑言のボキャブラリーだけは豊富です。こういう、柔軟性を保てない人々は転職や独立にも向いていませんが、どういう錯覚か堂々と転職していったり個人事業者になったりします。(それで、そこそこ偉くなったり食っていけたりしているから不思議なんだよな。ぶつぶつ。)
でも、どーしても受入口がない場合は、広告業以外の職種を選択しなければなりません。僕のしっている限りで、そういう人をほとんど知りません。デザイナーやめて運送業始めたとか、コピーライターやめて社会科の教師になったとか。そういうことを聞かないということは、細々ながら広告業を営み、生活しているか、それともホームレスになっているかのどちらかでしょう。そう考えています。






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