どんな会社にいるか?
会社は仕事を左右します。その会社が、制作者にとって「おいしい」クライアントであるかどうかで、人生が決定したりしてしまう。これ、あながち嘘でも大げさでもありません。ホントです。
広告代理店と制作プロダクションでも違うし、規模でも違う。はたまた、扱っている媒体でも違ってくるのです。
たとえば、ポスターや電車の中吊り、新聞・雑誌広告、ラジオCMやテレビCFなんていうのを日常的に手がけている会社なら、◎ですね。これ、当たり前。しかし、店頭ポスターや業界紙の広告、セールスマニュアルなんていうのばっかりつくっている会社もあるのです。「なにそれ?」ですか? いやその。店頭ポスターというのは、ほら、お店に貼ってあるポスターですよ。あまり大きくなくて、タレントが「いらっしゃいませ」なんて笑っているやつとか。
業界紙というのは、あまりご存じないかも知れませんが。業界には業界の新聞や雑誌があるのですよ。ほら、椎名誠さんが昔在籍していた「ストアーズレポート」なんかも、そうですね。自動車新聞とか電気新聞とか繊維新聞、工業新聞、株式新聞、金融新聞、ホテル新聞、貴金属新聞、音楽新聞、美術新聞、出版新聞、消防新聞・・・業界あるところに新聞雑誌はつきものです。こうした新聞を読んでいるのは、その業界の人です。ふつーの人は先ず読みません。たとえば、自動車新聞なら自動車メーカー、ディーラー、部品関連メーカー、修理業、レンタカー業、ガソリンスタンド、その他その他の方々なんかが読者です。で、そうした方々に広告を打つわけです。当然、一般紙に載っている広告とは違います。「○○○新登場。よろしく御拡売ください」「部品調達システム、新登場」「ナットが違う。ボルトが違う」「××セールスキャンペーン実施中!」なんていう広告がどかどか載っています。ダジャレや面白コピーなんて、まあ、ないでしょうね、めったに。
セールスマニュアルというのは、商品を販売する人に向けたノウハウをまとめたようなものです。この類は、一般の書店でも販売されています。「ファッション界」「そば・うどん」「商店界」といった雑誌なんかですね。これらは、潜在的な読者が市街地にも不特定多数生存しているので一般売りしています。が、業界が小さければ一般売りはムリですね。というわけで、メーカーなりが販売ノウハウを整理整頓して小冊子にし、販売店に配ったりするのです。そういう定期刊行物ばかりつくっている会社も、あります。まあ、たとえば、全国に展開する農機具販売店のセールスマンにとって、この時期農家が求めている農機具はどんなものがあるか。欲しがっている農家はどこにあるか。どう訪問するか。訪問したときの開口一番のセールストークは? さらに、お客さんの情報を収集して顧客カードにして管理しましょう。表計算なら、データ管理もらくらくです。なーんていう話を、いままでセールスマンもしたことのないライターが書いたりすることもある、ということなのですが・・・。
えー。ここ出てで来る業界名、および、新聞雑誌名はたとえ実際のものと同じ、もしくは似ていても、あくまでも例であり架空のものです。(1996.9.27)
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