どんなクライアントの仕事をしているか?



「おいしい」クライアントか、「最低!」なクライアントか、によって人生が変わる。こういうこと、あります。まあその、「最低」なといっても実際はそんなことなくて、
●10年前の制作料金体系をいまだに使っている
●電話で済むのに呼びつける
●深夜、土日祭日に仕事をさせる
●担当が上司の意見に弱くてコンセプトがくるくる変わる
●コンセプトがない
●直しが多い
●コピーもビジュアルもクライアントが考えてきてしまう などと、いろいろありますが、まあどのクライアントも同じです。
自分が受け持つことになったクライアントが業界最低に思えるのです。
で、一方の「おいしい」クライアントですが。洋酒メーカー、食品会社、遊園地、百貨店、ファッションブランドメーカー・・・なんていうところですかね。みなさんが広告と聞いて思い浮かべる、面白い広告をつくっている会社が、それです。
そういうクライアントの広告なら、
●タレントに会える(サインがもらえる)
●テレビやポスターの仕事ができる(人に自慢できる)
●冗談や遊びがクライアントの資金でできる
●有名スタッフと一緒に仕事ができる
●広告賞の対象になる仕事ができる
なんていう特典がついてくるというわけです。
暴言めいてきますが、売り物の商品に具体的な特長がないときは「イメージを売る」しかありません。というわけで、洋酒、ビール、遊園地、百貨店なんかは時代に適合したイメージを売るんですよ。カッコよかったり、しんみりしたり、お笑いだったり。まあ、好き勝手に遊べるわけです。インパクトがあって好感が持たれればいいわけですから。だから、自称クリエーターという人種はこういうところで創造力を発揮するんですね。30秒とか1分とか、B全ポスターで。で、こういうのばっかりが広告だと思って業界に入ったはいいが、毎日つくるのは販売店の店頭POPチラシ・・・なんていうギャップがあるというわけですね。
それはさておいて、こういう広告主=クライアントの広告をやっていると、目立つ。だから自分もやりたい。なんて思うのは当然。じゃあどうするか? 会社を変わるしかありません。でも、そう簡単には変われないし、たとえ制作している会社に入ったとしても担当させてもらえるか分かりません(多分無理でしょう)。というわけで、若きクリエーターたちはなにをするか?
●朝日広告賞
●毎日広告デザイン賞
を頂点とする自主作品のコンテストっていうわけです。
これは、広告主が課題とする商品の広告を擬似的につくるもので、学生や業界に入りたての人たちがほとんど必ず応募するものです。このコンテストでよい成績をとると、有名広告会社とかプロダクションから突然電話がかかってきて「うちの仕事、やる気はないですか?」なんていうことになって、会社を移っていく道が開けていきます。もちろん、自分で売り込みにいくケースもあるんでしょうが。
(注意)私個人はまったく縁がなかったです。
そうそう。こういう賞をとったり、手がけた仕事が雑誌に紹介されたりして自身がつくと、フリーなんかになりたがります。で、過去の仕事を紙袋に入れ、クライアントに直接売り込みにいく人もいるそうです。そのクライアントの仕事がどうしてもしたいからといって、毎朝その会社の朝礼に自主参加する、朝のラジオ体操に加わる、担当者に土下座して頼む、自分で金を出して広告をつくってあげる、媒体費まで払って開けてしまう・・・考えられることはすべて行なってでも、「おいしい」クライアントの仕事をする。これこそが、広告業界成り上がりのステップです。
えー。ここ出てで来る業界名、および、新聞雑誌名はたとえ実際のものと同じ、もしくは似ていても、あくまでも例であり架空のものです。(1996.9.30)






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