謎の堀切駅から柳原へ



えーと。やっとのこらさで1997年1月15日に、堀切駅の写真を再び撮影してきました。これはひとえに努力しなかったことのたまものであります。って、いえね。浅草方面へいくついでがちょっと前にあってね、そしたら、ホームが改装中で、イメージが違っちゃいそうなので、あわてて行ったまでのこと。しかし、撮影してからもかなり時間がたってしまった。イメージの処理って、面倒くさいんだもん。
さて、というわけで、写真をもとに堀切駅の不思議を説明していこうと思います。

あー。これは、南口の正面です。どうってことない駅です。しかし、これが東京都足立区千住曙町という、正々堂々たる都区内の駅である、というのに驚きませんか? JR田端駅の崖上の東口(ってまだあるのかな?)っていうのも、なかなかおつな風情で好きなのですが、あれはあくまでも、裏口だらからね。この堀切駅は、れっきとした正面。でも、自動改札になっちゃった。これも、時代の流れっていうものでしょう。そうそう。ここは、南口であるとともに、北千住方面のみの入り口であります。浅草方面へは、この写真を撮影した背後にある渡線橋、っていっても、駅の構内ではないです。なんか、歩道橋みたいのが、右手の土手に向かってありまして、それをわたって、東口へ行くのです。


これは、その渡線橋からの眺めです。見てください。駅前繁華街のにぎわいを。「ラーメンみゆき」。これ1軒です、商店街は。あ、となりに卸商みたいなのも、あったな。といった具合。ここと勝負できる駅があったら、教えて欲しいと思います。
紅い屋根の体育館は「金八先生」のモデルの中学校ね。


さて、これがその渡線橋からの眺めです。左手に、さっきの北千住行きの南口駅舎があります。なんて小さいの。便所ですね、一見して。で、入ってすぐのところが工事中。真新しいホームが、不似合いです。ここは、前はただのスロープで、ホームはなかったんじゃないかな。そのホームの手前に、線路をまたぐ黄色い縁取りの、かつての渡線橋が見えます。で、写真中央にある、これも便所みたいのが、東口の浅草行き駅舎なんですが、見にくいですね。で、歩道を挟んでのクルマが通っているのが、荒川の土手です。右手には河川敷が広がって、青年たちが野球やサッカーをしています。「金八先生」のロケも、このあたりで行なわれたのかな? 


面白くない写真です。すいません。左手が、南口の駅舎。そこから伸びる、昔の渡線橋。左端に、現在の青い渡線橋。その右手にある紅いのは、首都高速6号向島線です。その首都高の下は、荒川と隅田川を結ぶ、水路。つまり、駅前には何にもない、ということがいいたかった。


昔の渡線橋です。これを、昔はお客さんが行ったり来たりしていたわけですが、昔はホームの行き来は簡単でした。いまは、いったん駅を出て渡線橋をわたり、延々遠回りです。でも、この駅を利用する人でそんなトンマな人はいないでしょう。利用者限定、特定少数しかこの駅を使う人は、いないに違いない、と思いますから。


何を写そうとしたんでしょうね、まったく。わけがわからない写真ですね、これ。でも、しょうがないんです。浅草へ行くために乗る、東口の駅舎の写真なんですが、全景を撮ろうとすると、荒川土手の反対側に行かなくちゃならないんです。そうすると、駅は土手よりも下にあるので、駅の看板しか見えなくなっちゃうんですよ。あ、間違えなでね。正面の茶色い建物じゃないです。それは、中学校。その手前の、看板が見えている低い建物ですから。
えーと。右端にぽこんと頭を出している建物は、足立区最高の建造物である高級マンションシティ・ヌープであります。かの、尾崎豊がここに住んでいました。いま、奥さんと子供はどうしちゃったのかな?


じゃん。これが、浅草へ行くために入る東口の駅舎です。右手は、荒川土手です。びゅんびゅんクルマが走るので、たいていの利用者は土手下の植え込みの中をとぼとぼ歩いてきます。なんか、ホント、昭和30年代そのままの感じが、出ていますね。そう思いません? 南口もそうでしたが、こっちも利用者が少ないことは、券売機の数でわかりますね。電気がついているのは、1台ですもの。


なんの写真なんだ? こりゃ? と思いましたか。ふふふ。前の写真の、人がとぼとぼ歩いてきた植え込みの、反対側からの写真です。手前の、洗濯物が干してあるみたいな他人の軒先をかすめて、植え込み(これは、ちゃんと手入れしてありますね。立派)の間を利用者は東口に向かうのです。左手のクルマが降りてくる道を行っても行けるんですけどね、また階段を降りなくちゃならないし、交通もびゅんびゅんだしで、ほとんどの“通”の通勤利用者は、ここを利用するというわけです。え、正面は首都高速6号線ですね。


これは、駅の北側です。すでに紹介した南口と東口以外には出入口はありません。手前の黄色い階段は、運用・監視用です。で、向い側のホームが工事中です。どうも、ホームを延ばしているみたいなのですが、意図がよく分かりません。この駅、だって長い電車なんか止まったりしないんだから。ほら、電車が見えるでしょ。浅草側から来た千住方面への電車の顔が見えます。これでもう、発車しているんじゃないかな。あとの余分なホームは、ただの雨ざらしのはずなんだけれど。なんで、ホームを長くする工事なんかしていたのかな。不思議だ。

というわけで、足立区の奇妙な駅、堀切の紹介でした。繁華街もない、利用客も少ない(休日に荒川河川敷にくる利用客は、どのくらいいるんだろう?)、場所も分かりにくい、近くに何もない・・・そんな駅が、いままで廃駅の処遇にも会うことなく存続し、かつて「東京物語」に登場した頃とほとんど佇まいを変えることなくあることに、脅威の思いさえします。そして、現代の映画にもまた、登場することに。いったい、なにがそうさせるんでしょうか?

それでは、ここから昭和30年代をそのままに残した、堀切駅からもっとも近い商店街である柳原商店街へとジャンプしましょう。




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