学生日本代表 vs ニュージーランド学生代表
2005年5月1日(日)

秩父宮ラグビー場


■結果

学生日本代表
29
12

13
31
ニュージーランド学生代表
17

18

■試合
日本A代表とは42-18、日本B代表とは38-23のNZU。B代表との試合も見に行こうかと思っていたのだけれど、あの日は映画を見てしまった。つまり、映画より期待が薄かったってこった。いや、学生代表の方がいい試合をするんじゃないかと期待していたから、日曜に出かけたのだ。結果は予想通り。いい試合になった。学生日本代表(といっても3月に卒業して実際は社会人ってのが半分ぐらいなんだけど)は、試合運びがいまひとつ。PGを狙うところで狙わなかったり、狙って外したり。ちょっとギクシャク。あまりトライにこだわらず加点していけば、NZUに対してプレッシャーになったと思うんだけど。実際、NZUはあまりの接戦に、PGでの加点という作戦を採った。着実に離していこうという作戦だろう。こういう決断が合理的にできないところに、学生日本代表の場当たり的なラグビーが見えてしまう。
前半3分過ぎ、クリスチャンのいきなりのなだれ込むようなトライでゲームが動いた。話題の、ついこないだまで高校生で、南米への日本代表に選ばれた選手だ。でかい。No.8かLOみたいな体格だよ。こんなのがWTBなんだからなあ。以後は20分過ぎにNZUがトライするまで、日本がリード。見ていると、これが日本代表A、Bに勝ったチームなのか? と思うぐらい精彩がない。ディフェンスはいいんだけどね、NZU、攻撃力がそれほど秀でているように見えないのだ。いやま、日本のディフェンスがいいのかも知れないけど、みていてどちらもそれほどのスピードを感じられなかったし、NZUに至ってはチャンスをノックオンなんかの単純ミスで随分つぶしていた。完成度は大して高くない。でも、接点でのやりとりは、見ていて面白かった。ラックに倒れ込んだりするのではなく、立ったまま、相手が手を延ばしてくるのを妨げるような、相手の手をはたいたりつかみ合ったり、半ばとっくみあいみたいな動きだ。
日本もそれほどチャンスがあったわけじゃない。たまに、ふ、とNZUにスペースができてしまい、その間をかいくぐるようにして走り抜けていくシーンがよく見られた。北川智規のトライもそうやって生まれた。北川は後半にも1トライで計2トライ。大活躍だ。
後半最初のNZUのトライは、日本のインゴールに転がったボールをNZUの選手が走り込んで押さえたもの。なんか、自陣にボールが転々とした場合に、日本選手は戻るのが緩慢。その背後をNZUの選手が全速力で走っているのに、のんびりしたものだ。こういうプレーがなくなるだけでも、だいぶ点差は縮まるはずだと思うぞ。
おかしいな、と思ったのは後半30分ぐらい。相手ゴール前でPGの権利を得たのに、蹴らない。スコアは19-26。入れば22-26となって1トライで逆転ということになるのに、なぜが執拗にスクラムにこだわり、チャンスを逃してしまった。ここは蹴るべきだったよな。だって、その後、蹴らずにスクラムを選んだときより遠い地点でのNZUのペナルティでPGを選んだのだから。このPGが外れたらざまあみろだ、と思ったのだけれど、入ったのでほっとしたぞ。いや、この日の学生日本代表は、キックが大不調。前半にもコンバージョンとPGを外してがっかりさせてくれた。安藤栄次が蹴ったのだけれど、とんでもない方に飛んでいった。五郎丸欠場が痛かったかも。そういやあ前半38分の北川の2つ目のトライの前に、NZUの不行跡によるペナルティで安藤がPGを外してがっかりさせてくれたのだけれど、そのボールがポールに当たってチャンスが生まれ、トライに結びついたのだった。怪我の功名ってやつだね。
その後NZUがトライして逆に突き放され、22-31。まあ、これが実力差かな、と思ったロスタイムに、ライン際をするすると駆け抜けてトライ。ゴールも決まって(このキック。安藤栄次なんだけど、角度があったにもかかわらずドロップで蹴って入ってしまった。これには驚き)、29-31となったので場内は騒然。ま、ロスタイムが2分でもう1分も残っていなかったんだけど、わくわくさせてくれたことには代わりがない。
日本がリードしてNZUが逆転し、離されずについていった日本。なんか見どころがあるような気がする。だけれど、核になっているのがNo.8のロトゥ、CTBのオツコロ、WTBのクリスチャンってなトンガの体格のいい選手なのが困った問題。日本選手も悪くはないんだけれど、軸となっているのが外国人ばかりじゃ、ねえ。
前半は大人しめのNZUだったけれど、次第に露骨な妨害行為が目立ってくるようになった。最初の頃は接点でのスウィープで、ラックに入っていない選手への絡みだったりしたんだけれど、後半では倒された選手(NZUの13番)が、ボールのある方に向かって行こうとした日本のNo.8の足を、倒れた姿勢のまま離さず握っているなんていうシーンがあった。明かな妨害行為だ。他にも、レフェリーに見えなけりゃいいや、ってな感じの動きがたくさんあった。点差が離れないことへの苛立ちなんだろうか。それとも、日常的にやってることなんだろうかね。
下井さんのレフェリングは、ちょっと細かなことに厳しすぎのような気がした。NZUはさかんにノット・ロールアウェイをとられて不満そう。その代わり、日本のスロー・フォワードは見逃していたり。まあ、多少の身びいきがあったのかもしれないけどね。NZUは、プレーをずたずたに中断させられて、ちょっとリズムが狂ったかも。

■出来事
芝生
試合前に、NZUがハカを見せてくれた。ところが、ハカはこれだけでは終わらなかった。
試合終了後、日本もNZUも円陣を組んでいて、先にばらけたのが日本。選手たちはぞろぞろとバックに行こうとしていたんだけれど、円陣をといて握手!の態勢をとっていたNZUに気づくと、日本選手は引き返してNZUと握手。で、その後に日本選手がバックにやってきて整列して会釈。その様子を、メインに向かいかけていたNZUが「?」てな感じで見ていて、「俺たちもバックに行く?」なんてな感じでだらだらとバックに近づいてきて、整列はしないけれど手を振って挨拶。で、戻りかけたんだけれど、さっさと歩かずにピッチ上を迷走している。どーしたんだ? と見ていたら、やおらハカの体勢を取って、見せてくれたのだ。おお。バックの観客は拍手でリズムを取って応えた。さーて、日本選手はメインに行って挨拶。ビクトリーロードを用意して待っていた日本選手の前にNZUが並んでメインの観客にハカを披露。やっとビクトリーロードに向かっていった。いや、1日に3回もハカが見られるとはラッキーだった。

■客の入り
4000人ぐらいかな。発表に寄れば、6104人だって。ふーん。そんなにいたかなあ。

■天気
晴れ。汗ばむようないい天気。

[2005.05.02]

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