1998年6月20日(土)


■千駄木-白山-小石川植物園-教育の森公園-茗荷谷-後楽園-本郷三丁目-御徒町



紫陽花いっぱい白山神社

梅雨の晴れ間、午後2時出かける。第一目標は、白山神社。ここで、紫陽花祭りをやっているのだ。まず、営団千代田線で千駄木へ。出口をUターンするようにして団子坂を上がる。左手に汐見坂。まだ歩いたことがないんだが。つづいて鴎外記念図書館。どんどん歩く。この辺り、クルマの行き来が派手な割にはガードレールがない。ちと怖い。先だって高野玲子展(猫のエッチング)で訪れた千駄木画廊とつづく。右手に、お、門に像の狛犬が載っている寺がある。浄土宗だ。なんでだ? 向丘の住友銀行で、残高確認。いつ仕事がなくなるやも知れぬフリーの身の上ゆえ、つねにいまいくらあるか、どっかから振り込まれていないかと気になる。だれか間違って1億円ぐらい振り込んでくれないかしら。本日30度超。冷房の効いたキャッシュコーナーの片隅に制服高校生数人ベタ座り。やつらは快適な場所を知っている。猫のようだ。

戯作者大田南畝の墓前へ

都営三田線白山駅。道が入り組んでいる上、坂で地平が歪んでいるから、ここではいつも方向感覚がずれる。去年も来たのだが、どっちだっけ1秒迷うが、道なりに人のあとをつづく。右手に白山神社の参道。包丁研ぎ。紫陽花の鉢植え。カメラを下げたお姉ちゃん。オジサン、オバサン。賽銭10円。隣のオバサンは手を合わせたまま5分以上も祈っていた。家内安全か病気平癒か商売繁盛か。境内は紫陽花だらけ。裏手の公園みたいなつづきも紫陽花だらけ。もっとも、もう時期も終わりだから、すこしひからびているが。かき氷100円に食指が・・・。でもやめた。町内会らしきテントが並んで、Tシャツ飲み物食べ物折り紙教室その他その他。裏口の階段を降りて、広い通りへ出る。白山神社で入手した町内会の地図に、近くの本念寺に江戸狂歌のスーパースターにして戯作者の大田南畝(四方赤良、蜀山人)の墓があるというので寄り道。狭い墓地の真ん中に、せせこましく古ぼけた石があった。名前だけで、なにも書いていない。隣りにも大田姓の墓石があったが、そっちとの関係は? わからん。白山4丁目の住宅街。閑静だけど邸宅はないね。小石川植物園の壁が見えてくる。

昼なお暗い小石川植物園

小石川植物園は、相変わらず入園券(大人330円)を、正門前のタバコ屋で買うシステム。5年前に来たときはひなびた駄菓子屋風タバコ屋だったけれど、現在は小さなコンビニ風になっている。時は流れる。飲み物買おうと店内に入り冷蔵庫開けるけれど、みな冷えてない。あまり暑くて冷やすのが追いつかない様子。いま3時20分。閉門は4時30分。閉門までに戻らないと、出られなくなると書いてあるが、本当に出られなくて1泊した人はいるのだろうか? 園内はキレイ。わずかでも金を取ることで貧乏人を閉め出すシステム。その代わり、ホームレスはいない。ゴミもない。犬の糞もない。ちゃりんこのガキもいない。ベンチで寝ころぶジジイもいない。新宿御苑や庭園美術館の庭や、そういうお上品な発想に通じているのかな。もっとも、ここは東大の植物園だから、アカデミックな禁断の園? って、弁当食ってる人もいるけどね。でも、植生は、植物にきちんとつけられた名札とともに、厳密に区分けされているみたい。雑草のない、お上品な森だ。しかし、100年を超える巨木が密生しているなんざ、なかなかのもの。日も遮られ、そこら辺とは2度ぐらい違うような気がする。こういう庭があったら昼寝でもして・・・蚊に食われることだろう。ベンチで10分ぐらい休憩。小水。土の上を踏んで歩く快感。踵から、むしゅっと土にめり込んでいく。柔らかさが足につたわってくる。一番奥の、旧東京医学校本館(明治9年)へ。見るたびに思う。おもちゃみたいにチャチい。引き返して、正門。まだ4時だけど、出る。

春日通りをてくりてくり

小石川植物園の塀沿いに行くと、どこかの藩邸の庭だったという「占春園」というのがあった。陽も通らぬうっそうと繁った森。ぬめり気のある古池。妖怪でも出てきそうな雰囲気だ。隔絶された一隅。奥に、異人のカップル1組。そこを抜けると、旧東京教育大学敷地跡地の教育の森公園。スポーツセンターと解放グラウンドと。つまんねー。もう、茗荷谷駅だ。昔は汚らしいマーケットが引っ付いていたが、こぎれいな駅ビルになっちゃって。哀しいねえ。疲れたから地下鉄乗っちゃおうか、とも思ったけど、ええい、後楽園まで歩いてやれ! 途中のミニストップでペットボトル入り飲料買って飲みながら、春日通りを歩く。竹早高校付近、道路拡張中。しゃれた店もあったりして。儲かってるんだろうか? 心配になる。「みの家」がある。森下の本店は知らないが、北千住の店はたまに行く馬肉の専門店。新宿御苑近くにも支店があったはず。大きなメガネが看板になっている眼鏡店。伝通院への参道。中央大学工学部。もうすぐだ。しかし、茗荷谷と後楽園の間は長いね。

文京区民の税金の眺め

文京区役所。バブルの塔。休憩所あるや? と思いきや、1階は狭くてなにもない。おっと。25階に展望室。よーし。一気にエレベータ。 文京区役所25階は、自由に入れる展望室。ただし、東と北と西向き。南側は見えない。西南は、築地の聖路加。東南は渋谷方面。眼下には上野不忍池の緑。上野は近い。うちの方を探す。アクロシティとシティヌープが見える。あっち方面。椅子が、少ない。少し待って、空いたところに座る。喫煙所、って感じで、いまどき公共の場に灰皿はないんじゃないの、と文京区の精神構造を疑う。もっと、椅子を多く設置してもいいなあ。と、15分ほど。下を眺めるルーズソックスの女の子の、丸めた背中の後ろ姿がかわいい。幼児は走り回ってうるさい。さっさと降りて、春日通りを本郷三丁目から上野広小路へ。落語芸術協会の落語や、講談なんかが聞ける上野広小路亭の前を通過。6時だ。

そして、吉池

吉池地下食料品売場で買い物。仲御徒町から営団日比谷線。7時前帰宅。おお、疲れた。本日は20kmくらい歩いたかな。ぼわんぼわんしているぞ。



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