1999年10月8日(金)


■浅草-山谷-南千住



●かっぱ橋通りの、どぜうの飯田屋

浅草に用があったけれど、時間があるので遠回り。ビューホテル近く、かっぱ橋通りのどじょうの店飯田屋に行ってみた。1時だけど、まだ混んでいて少し待った。店を入ると土間があってテーブルがあるのだけど、これは待つ人のためのもの。この土間が広くて、客席と同じぐらい広いんだ。客席は、座敷。上がるときに下足係の姉さんが履き物を片づけてくれて、代わりに木製の下足札をもらう。それをもってテーブルに行く。どじょう鍋1500円を注文。ここで、配膳の姉さんに下足札をとられる。下足札がテーブルの番号と付き合わされ、伝票が作成される模様である。これは、賄いで伝票がつくられるのかな。帳場は別の、下足の近くにあったから。で、伝票は、テーブルには来ない。食事を終えて下足に行くと、配膳の姉さんからサインが行き、下足が出る。同時に、伝票も確認されるシステムだ。なんだか、面倒のようだけれど、なんとなく趣があっていい。ちょっと昼に座敷に上がるのに、これだけのシステムを駆使されるというのも、面はゆくて楽しい。
どじょうは、おいしかった。味噌汁が、ちょっと濃かった。うなぎの切り身がのったキュウリの酢の物と、漬け物がついた。昼間からビールやお酒をやっている人が、たくさんいる。どこかの踊り子みたいな人が、先輩格の人とリーダーだか先生だかの悪口というか、批判を隣のテーブルでしている。向こうには、葬式帰りらしいグループがいる。女同士3人組がいる。こういう雰囲気は、浅草だなあ、と思う。

●ROXで本を見る

時間つぶしに、ROXのリブロで本を見る。ここは、本がたくさんあるから、好きだ。といっても、めったに買わないんだけど。あちこちうろうろして本を見ているだけで、あっという間に30分以上たってしまう。

●つねに怪しい浅草界隈

五重塔通りを通って浅草寺方面へ。木馬館の手前あたりに、外車の回りにたむろする、そっち方面の方々みたいなみなさんがいた。なんか、偉そうな方が来たのかな。まあ、浅草では、なんてことない普通の人でも、あっち方面の方々のように見えてしまうのだけどね。実をいうと。木馬館。神田紅でたんだね。でも、浪曲が中心。うーむ。浅草寺はあいかわらず、賑わっている。花川戸。産業貿易センタービル前にでて、北上。足と靴の研究所へ。

●足と靴の研究所

頼んでおいたソール(靴の中敷)ができたので、とりにいった。最初に訪れたのは、1年前。足形をとって足の様子を見て、それでソールをつくり、靴をあつらえるというシステムの靴屋さん。どーやっても合う靴がないので、訪れた。ところが、足型を取るには会員になる必要があり、それには10000円かかる。それで、会員にはならずに、既製のソールが入った靴を去年買ったのだ。結局、あとから会員になって足型を取ったりしたんだけど。こんどは、自分がもっている靴に合わせたソールを注文した。それができたので、取りに来た。このソールだけでも9000円(税抜)するのだ。つまり、会員になって足型をとり、ソールをあつらえ、靴を買うと5万円以上かかる。私は、一気にそれをやらずに、小出しにしていったのだけど、結局、同じことをするはめになった。
靴を履いて、店内で歩く。右側の足が外股すぎるから、気をつけなさいといわれた。私の右足は内反しているようで、いくぶんねじれているのだろう。意識して右足だけ内側に向けてあるく必要があるという。ううう。辛い。

●千束通り商店街

ひさご通りからつづく千束通りを歩く。両側にアーケードがある商店街で、あまり活気はないけれど、ちゃんと商売は成り立っているような雰囲気だ。銅専門の店があったりした。スーパーも、地域によっていろいろ特色があるので、中にはいって見るだけでも面白い。せんべいの店で、揚げ煎餅を買う。小雨が降ってきた。右足を内側に向けながら歩くので、なんだか自分の重心がどこにあるのか分からなくなってきて、よろよろしてしまう。

●山谷を少し歩く

山谷が近いのか、雰囲気が次第に場末の観を呈し始める。天気がよくないので、南北が分からなくなって、北上しているつもりが東進。目前に高速道路が見えてきた。住居表示は、橋場。白髭ビルが左手に近く見える。このまま行ったら隅田川にぶつかってしまう。だめだ、戻ろう。で、引き返して、南千住につづくはずの道を北上。左手には吉原があるはずだけど、そういう雰囲気は見えず。むしろ、労働者の街の<色が濃くなっていく。通りに連なるホテル。一泊2000円。これに泊まれるのは、いい方なのかな。途中、公園には青いビニールテントもあったしな。はんこやが何軒かある。仕事を取るのに必要なんだろうな。広い通りを歩いているからいいようなものの、横道を見れば男たちが所在なげにうろうろしていたり、ただ突っ立っていたりする。そこに行く勇気は、なかった。

●回向院は今日も静か

泪橋。歩道橋を降りると、南千住。一杯飲み屋からは、酩酊の労働者ふらふら。地下鉄南千住の駅南口のすぐそばだ。これでは、いい印象はないよな。でも、とうぜんながら、普通の住人もちゃんと生息しているんだけどね。久しぶりに、回向院。鼠小僧。腕の喜三郎。高橋お伝。直侍。吉田松陰。橋本左内。腑分け。吉展ちゃん地蔵。なかなか壮観だ。ああ、あとは家まで帰るだけ。



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