2005DE耐!参戦記



 DE耐!とは、100ccのバイクを改造して、4名以上のライダーで7時間を走りきる耐久レースである。栃木県のもてぎサーキットで行われ、出走は150台という年に一度の大イベントだ。

 バイクの改造はクランクケースとフレーム以外は何をしても良い(ただし排気量は125ccまで)というかなり自由度の高い規則だが、7時間で21リットルのガソリンしか使えないという非常に厳しい燃費規制がある。更に一度の給油では3lしか入れてはならず、給油ストップすると10分間停止しなければならない。このため、バイク作成には、単に速く走れることだけではなく、燃費や耐久性も考慮しなければならない。チームとしても、速さだけではなく、知力・体力・戦略、全てが要求される極めてハイレベルなお祭レースである。

 出入りのバイク屋さんが、このDE耐!に出場するというのでお願いして参加させてもらった。参加チームは「propman.jp ハヤブサ組」。これはその参戦記である。


1.バイクが出来るまで


 今回のDE耐!参戦には準備期間として約1年を費やしている。その間に練習走行、車体のセッティング、エンジン作成、テスト、問題点の洗い出し、エントリーの電話かけ(熾烈だった!)、その他もろもろ。苦労トラブルもたくさんあったし、書いているとそれこそ本が一冊書けてしまうのでここでは割愛。

 とにかくプロップマン店長石井さん及びチーム員全員のの手により、「速くてかっこいいハヤブサ号」ができあがった!


2.ハヤブサ号


 一見かっこいいようで実はあちこち手が抜いてあったり、その一方で普通のショップでは出来ないような超先端技術が盛り込まれていたりする。詳細は書けない部分もあるし、実は筆者にも良く分かっていない(^^; 原型をまったくとどめていないが、とりあえずベースはオフロードバイクのXR100らしい。


3.最後の公開練習


 ハヤブサ号は完成してから、ミニバイクコースでナラシとパーツテストは完了しているが、もてぎフルコースをまだ一度も走行していない。したがって金曜日の直前練習はとても重要なデータ取りのチャンスになる。何しろまだ燃費データも取れていない。

 しかし例によって最終準備は前日深夜までずれ込み、徹夜の連続でなんとかハヤブサ号はもてぎに送り込まれた。

 まずは鈴田選手が様子見で一周。しかしここで各部のボルトの緩みが発見される。前日に車体を組んだ筆者、鬼監督に怒られる(^^;

 増し締めし、気を取り直して再度走行。なかなか速いがキャブセッティングがイマイチ。上の伸びを気にしながら数回ピットインし、トライ&エラーを繰り返す。一時間かけてそこそこ納得の行くセッティングを見つけた。燃費のため、全体としては薄めの方向。

 残り1時間の練習枠は、ピットインからピットアウトまでの全周回を計測する実戦シミュレーションが行われた。

 まずは自分が走行。ピットアウトしてアクセルを開ける。新エンジンは明らかにトルクが増しており、コーナーの立ち上がりが楽。更に裏のストレートでも良く伸びる。この日は路面コンディションもよく、とにかく飛ばす。10周走行してピットイン。ベストタイムは2分48秒。なんと自己ベストを10秒も更新!燃費もまずます。これはいけそうだ。

 次に鈴田選手の走行。これもレースシミュレーションなのでできるだけ飛ばす。昨年もDE耐!に出場している鈴田選手、既に昨年のベストタイムを上回っている。10周走った時点でのベストは筆者より2秒速い。そして燃費もまずます。これらの数値は本番に向けて貴重なデータとなった。


 そして鈴田選手は「もう一つ試したいことがある」と言って、再度ピットアウト。更に2秒タイムを縮めて44秒台に入れてきた。これは昨年内池選手がレース中に出したチームベスト2分45秒をも上回るタイムだ。

 今年のハヤブサ号は速い! 力強い手ごたえを感じた。


4.決勝前夜


 土曜日は他のPropmanチームのお手伝い。Propmanプロジェクトからは鷲、鷹、隼、鴎、雛と全部で5チームエントリーしている。この5チームのエンジンを全て石井社長一人で作っているのだから恐ろしい(笑)土曜日のレースは鷲組にトラブルが発生してすごいことになったが、鴎組が5位入賞と大健闘した。こちらのレースに関しては別レポートを参照していただきたい。

 さて、土曜のレースが終わり、隼組はいよいよ本番に向けての作戦会議。

 燃費がギリギリだが、最初は飛ばすだけ飛ばし、早めのピットインでガソリンを貯める作戦が採用された。燃料が足りない場合は最後の方でペース走行をしてツジツマをあわせる計画。

 今回燃料計算に関しては新兵器を用意してある。三菱重工謹製のタンク覗き窓である。これは本来ガスタンクなどの内部を見るためのもので、これを燃料タンクのコック真上に溶接し、燃料補給時に中を覗き込んで正確な残量を計ろうというものだ。事前にいろんなガソリン残量を試し、どの程度の残量でどのような見え方をするかも確認してある。ガス残量を正確に知ることはDE耐!では非常に有利なのだ。

 「こんなものを作る技術があるんだったら、オイルキャッチタンクもちゃんと作ってくださいよ」と車検担当のオフィシャルに嫌味を言われたが、「見た目は悪くてもちゃんと機能しているからいいじゃん」と鈴田選手が押し返した。車検にも気合が必要だと認識させられた一幕であった。

 しかしハヤブサ号にはもう一つ弱点があった。圧縮が高まっており、絶妙なキャブセッティングとあいまって始動性がとても悪いのだ。エンジンが温まっていてもなかなかキックがかからない。下手すると1分以上もかからないことがある。DE耐!では燃料補給後、タイムスタンプを押してからライダーが自らエンジンをかけなければならない。ここでのタイムロスはそのまま順位に影響する。このためチーム員全員によるキック練習大会が行われた。


 さらに、「迅速なライダー交替練習」も行われたが、4人のライダーが奇声をあげながら次々とバイクを乗り降りする図はハタから見てかなり異様に映ったであろう(笑)

 もてぎサーキットのパドックで、こうして決勝直前の夜は更けていくのだった…


5.スターティンググリッド


 DE耐!でのエントリーは150台にものぼる。これらのバイクが一斉に1コーナーに殺到するのは大変危険であるため、50台ずつ3グループに分けてのスタートとなっている。一番最初にスタートするAグループに対し、Cグループのスタートは1分以上後になる計算だ。
グリッド順は非常に大事。クジを引く内池選手も緊張。

鈴田選手「ドラゴン(内池選手の通称)、グリッドは?もちろんAグループなんでしょ?」
内池選手「もちろんっすよ」
鈴田選手「で、何番なの?」

内池選手「3番目です」

一同  「やったぁ!!」

内池選手「…後ろから数えて…」

一同  「なにぃ〜!!?」

ってなわけでハヤブサ組は48番グリッドとなった。1コーナーが遠い。つーかなんでこんなにたくさんバイクがいるの?という感じ。

しかしハヤブサ組はまだAグループでスタートできるからまだいい。タカ組は55番グリッドでBグループスタートだ。

スターティンググリッドにバイクを並べて緊張する石井鬼監督。エース坪川選手はただひとり、1コーナーを睨みつけ集中する。(もしかしたらその視線の先は1コーナーではなく、コントロールラインにいたもてぎエンジェルのお姉さんかもしれないが)


6.衝撃のオープニングラップ


 サイティングラップが終わり、いよいよ本番のスタートとなった。日章旗が振り下ろされると同時に、各ライダーがコースの対岸からバイクにかけよるル・マン式スタートだ。
 50台のバイクが一斉に轟音を上げる。うちのチームはどこだ?バイクが多すぎて何がなんだかわからない。

 石井鬼監督がダッシュでピットに戻ってきた。スタートはまずまずだったらしい。なんでも坪川選手がバイクに飛び乗ったとき、勢いが良すぎて反対側に倒れそうになり、それを石井監督が押し返したとのことだ(笑)とにかく無事にスタートできていればそれでいい。しかし今どこ走っているのだろうか?ただひたすらパドックのモニターを見つめる。

 コース上ではBグループ、Cグループのスタートが完了している。ぼちぼち先頭集団が戻ってくる頃だ。ピットクルーも緊張して最終コーナーを睨みつける。

 一台立ち上がってきた。赤いバイク… 細いタイヤ… ゼッケン91番…

 ハヤブサ号だ!!


 鳥肌がたった。つーかありえない。だって48番スタートだよ?一周で47台抜いた計算。すごい!すごすぎる。しかも二位のチームイワキに3秒以上差をつけている。場内放送もハヤブサ組のチーム名を連呼する。

 自分は今、すごいレースに参加しているんだ。今頃になって感動と共に実感がわいてきた。


7.前半戦


 先頭集団は40秒台後半でラップしている。ハイペースな展開だ。しかしハヤブサ号はもっと速い。坪川選手は42秒台のペースで毎周4〜5秒ずつ後続を引き離している。8周目、坪川選手は2分41秒5をたたき出した。今レース全チームの中での文句なしのファーステストラップだ。10周時点でピットインすると二位のチームイワキには40秒以上差をつけていた。ここで3リットル給油して二番手につなぐ。自分が燃料残量を確認。シミュレーションで計算した通りの燃費。作戦は順調だ。

 次のライダーは鈴田選手。給油後に坪川選手がエンジンをかける。キック一回目、二回目… やはりかかりづらい。4度目のキックでエンジン始動し、ピットインして鈴田選手に交代。このロスにより、チームイワキにだいぶ詰め寄られたが、鈴田選手も順調に飛ばし、再び首位に返り咲く。

 そして第三ライダー内池選手。しかし、その前に給油とエンジン始動をしなければならない。鈴田選手は昨晩の練習で、エンジン始動に一番心配を残していた。

 あまりにも鈴田選手が心配するので、自分が給油隊としてつきそうことになった。時間が来てエンジンをかけるとき、もしかからなかったら自分が手伝うという作戦だ。最初から手伝いたいが、ルールで始動はライダー自身がやらなければならないのだ。

 給油が終わり、時間が来て鈴田選手が思い切りキック!一発でエンジンがかかった!奇跡だ!(^^; いや、昨日の練習の効果だ!

 給油所を発進する鈴田選手。しかしすんなりとライダー交替するわけには行かなかった。振動でタンクのステーが折れてしまっている。ニューエンジンはパワーが上がっている分振動も強くなっているらしい。応急措置をしてピットアウト。耐久レースではこのような小さなトラブルも臨機応変に対応しなければならない。これでトップはまたまたチームイワキ。内池選手、これを追いかけて激走。


 ここで思わぬトラブルがまた一つ。コースに入った内池選手がたった4周で給油所に戻ってきてしまう。なんでもピットサイン「P1」をピットインサインと勘違いしたらしい。いきなり42秒台を出し、たった4周でチームイワキを抜いて首位に立つほどの激走だったのだが、まぁ仕方ない。順位は落ちてしまったが、どうせ早めの給油で燃料をためる作戦。十分修正可能でしょう。

 ここで自分の走行順。内池選手と交替してピットアウト。しかしピットロードで目の前に人が飛び出して来た。DE耐は初心者も多いので中には確認もせずにフラフラとピットロードに出てくるクルーもいるので注意しなければならない。びっくりして急ブレーキでこれをなんとか避け、そして急加速で再発進した。

 しかし頭に血が上って急加速したことで、ハヤブサ号はピットロードの60km/h制限を突破してしまう。後に監督がオフィシャルに呼びつけられて叱られたらしい。はい、私のミスです(^^; みなさん迷惑をおかけしましたm(__)m しかし始末書のおかげでなんとか訓戒で済み、ペナルティは免れた。とりあえず前半戦のトラブルはこれくらい。

 さて、コースに戻って。事前に鈴田選手から「熱ダレが起きてるから直線で無理に引っ張らずにコーナーリングスピードを稼ぐ方向で」と指摘を受けていた。実際走ってみると金曜の練習よりパワーが出ていない。言われたとおりコーナーを丁寧に走ってなんとか金曜のベストと同じ48秒台を出す。自分は他のライダーよりタイムが遅いが、耐久レースなのだから黙々と自分の仕事をこなすのみだ。

 しかしさすがに本番は台数が多く、イエローフラッグもあちらこちらで振られているのでなかなかペースが上がらない。そうこうしているうちにコースの一部で雨が降り出し、レイン旗が振られる。

 雨のおかげでハヤブサ号のエンジンはパワーを取り戻してきた。しかし雨旗でコース上のペースはがっくりと落ちている。特に遅いバイクのペースダウンは著しい。これに黄旗が加わると追い抜き出来ずに大名行列を作ることになる。

 順位は3位まで追い上げていたが、このペースではよろしくないということで一周早めに給油所に入る。雨の降り始めの微妙な時間帯を避けようという判断だ。給油して再び坪川選手に交替。燃料もだいぶたまった。

 しかしここで雨が急に大降りになる。予想外の大雨にペースカーが入る。ペースカーが入ったら即給油。これは事前に取り決めていたチームの作戦だったが、これにより坪川選手はコースに出てからわずか一周でピットイン。更に給油。これで5回目の給油だ。タンクはほぼ満タンとなった。

8.赤旗中断


 坪川選手が給油している頃、コースは大雨となり、なんと赤旗中断となってしまった。坪川選手的には「雨で燃費も大丈夫になるし、チームは雨とくいなライダー多いしヒャッホー」という感じだったのが実に残念なことだ。


 とにかくここで作戦を立て直さなければならない。この時点で順位は13位。給油に入ったためにトップのチームイワキとは4周の差がついている。しかしトップチームはほとんど4回ストップ。我々は一回分多く燃料が入っていることになる。

 現時点で残り時間は3時間ちょっと。さすがにこのまま無給油で走りきることは不可能だが、再スタートの時間と雨による燃費向上によっては、この先無給油で走れるかもしれない。チームのパソコンと相談すると、再スタートが1430(DE耐!のゴールは1700)以後なら無給油でいけそうなことが分かった。

 とりあえず雨でも走れるようにカウル下部に穴を開ける。カウル下部はオイル貯めになっているのだが、雨だと雨水がたまるのだ。これにドレンをあけて雨天走行でも安全に走れるようにする。

 時間は1430となった。まだ再スタートの気配はない。これなら残りの周回無給油でいける。上位チームはもう一度給油しなければ最後まで走れないので、そうすればハヤブサ組は自動的にトップに立てる。DE耐!ルールでは一度の給油で10分停止しなければならない。10分の停止の間にコース上では3周以上走れる。そしたら4周の差などほとんどないに等しい。

 しかし、あまりにもスタートが遅くなると、今度は他のチームも無給油で走れてしまう。そうしたらうちのチームの最後の給油は意味なしもいいところだ。「早くスタートしろー」とチーム員全員で祈る。

 1450、オフィシャルからローリングスタートの指示が出た。再スタート間近だ。これならうちのチームは給油のアドバンテージを保ったままいける!内池選手が再スタートの任務につく。

9.レース再開


 1510頃、再スタートが切られた。内池選手はここから飛ばす。チーム員はモニターに釘付けだ。3分10秒、3分8秒、3分4秒、内池選手は雨の中でも他のチームより5秒近く速い。どんどん順位を上げていく。

 そんな中、トップのチームイワキが急遽ピットイン。何かトラブルらしい。20秒ほどストップしてから再スタート。モニター上の順位は変わらないが、この後給油しなければならないことを考えると、ハヤブサ組との差はぐっと縮まったことになる。

 そしてハヤブサ組の最後のライダーは、雨大好き、オープニングラップでも飛ばしまくった坪川選手だ。現時点でもハヤブサ号と他のバイクのタイム差は歴然。このまま転倒さえしなければ間違いなく優勝できる。誰もがそう確信した。


10.悪夢のキャブトラブル


 悲劇の始まりはピットクルーの叫び声だった。

「ドラゴン(内池選手)が帰ってこない!」

広いもてぎではコースを見回すことができない。何かがあった場合、場内モニターを見るのが一番だ。ひたすらモニターを注視する。すると130Rでコース脇に止まっているゼッケン91番が映った。

 転倒ではないようだ。バイクはきれいに見える。しかしエンジンがかからないらしい。何度もキックしている。坪川選手はヘルメットをかぶり、いつでも交代できるように待機。鈴田選手がパドックパスを持ち、現場まで走った。

 そこからは長い時間だった。結局内池選手はエンジンを再始動できず、レッカーに引かれてピットに帰ってきた。すかさず鬼監督一同がバイクに群がる。どこが悪いのか?プロップマンチームに「あきらめ」という言葉はない。

 「キャブのニードルがない!」戻ってきた内池選手が叫んだ。スロットルを空けてみると本当にない。とりあえずキャブを開けると中にeクリップだけが残っていた。ニードルはどこにあるのか?クリップから外れてメインジェットの穴にそのまま刺さっていた。

 キャブのニードルが外れる

 この前代未聞のトラブルにより、ハヤブサ号は合計20分ものタイムロスをした。現在の順位は56位。トップとのラップ差は11周。優勝は絶望的な状況の中、坪川選手は最後のコースインをした。


11.Never give up


 坪川選手がコースインした後、雨は比較的小降りに変わっていた。しかし路面状況は相変わらずウェットで、各チームペースが上がらない。モニター上でほとんどのチームが3分10秒前後で周回している中、ただ一台ゼッケン91番だけが2分台でラップしていた。

 坪川選手はあきらめていなかった。雨の中でも飛ばすだけ飛ばす。タイヤがズルズル滑ろうともアクセルを緩めなかった。走れるなら少しでも上を目指す。それがチームプロップマンの精神だ。

 やがて雨は上がり、晴れ間が見えるようになってきた。気がつくとゼッケン91番は35位まで上がっていた。残りの時間を考えればもちろんトップに追いつけるような状況ではない。それでも坪川選手は飛ばした。

 坪川選手が目指していたのは30位以内だった。29位になればホームストレッチのシグナルタワーにゼッケン91を表示することができる。それをめざしての激走だった。


 レースは終盤を迎えていた。トップはチームイワキだったが、給油のタイムロスで二位に下がっていた。各チーム最後の追い込み。土曜日のレースは事故で赤旗中断、後味の悪い終わり方をしている。せめて今日は無事に終了して欲しい。そしていよいよチェッカーフラッグが準備された。

 トップにチェッカーが振られる。この瞬間は敵も味方もない。サーキットにいる全員がレースの終了を祝福する。

 やがて、坪川選手の赤いバイクも最終コーナーを立ち上がり、チェッカーを受けた。

 自分は何気なくシグナルタワーに目をやった。そしてタワーの一番下に、「91」の数字を見つけた。


12.エピローグ


 ゴール時点、われわれの順位は29位だったが、DE耐!では同一周回は同一順位として扱われる。このルールにのっとるとわれわれの最終順位は10位であった。しかしこの結果はそれ以上のものでも、それ以下のものでもなかった。

 こうしてハヤブサ組の2005DE耐!は終了した。非常に悔しい思いを全員がしたが、確実に何かを掴み取ったという実感もあった。そして、誰もが同じ思いを持ち、各々の日常に戻っていったのだと思う。「来年こそは…」



13.チーム員紹介


 最後に、良きチームメイトでもあり、人生の良き師でもあったチーム員全員を紹介してこのレポートを終わりたい。

  鬼監督 石井博幸
 2005DE耐!に向けて5台ものエンジンをくみ上げ、しかも自らも土曜のDE耐!に出走したスーパーマン。血液の代わりにホンダウルトラUが流れていると噂されている。その「絶対にあきらめない」というレース精神は、チーム員全員に深く浸透している。ただし、女好き。

  第一ライダー 坪川浩明

 ハヤブサ号(通称エリック号)のオーナー。孤高のエースライダー。オープニングラップ怒涛の47台抜きは伝説となった。ただし、女好き。

 
  第二ライダー 鈴田正義

 HRC勤務。その安定した走りと、豊富なレース経験はチームの牽引力となった。ただし、女好き。

 
  第三ライダー 内池竜太

 チーム最年少にして最軽量。ここ一発の瞬発力は坪川選手をも上回ることがある。チーム唯一の清純派を自称しているがオッパイは好きらしい。

 
  第四ライダー 張 思園
 筆者。もちろん、女好き。
 


 このほか、写真はありませんが、雨の中ピットレーンでがんばってくれたヘルパーの皆様、自分のレースが終わっても帰宅せずに応援してくれた他チームの皆様、そしてプロップマンDE耐!プロジェクトをサポートをしてくれたすべての人々に感謝の意を表します。



おまけの写真


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