「キング・アーサー」 |
2004年8月29日於有楽町 |
予告を見ていたせいもあるし、何よりも「アーサー王物語」大好きなんです・・ 今でも大事に子供用の「アーサー王物語」持ってます。 それから、野上弥生子先生の「中世騎士物語」(岩波)なんかも随分耽溺しました。 てなわけで、行って来ました。当然。 なんか、私の知ってる(ていうか、多分皆の知ってる)アーサー王物語とは随分違いました。 もちろん、正しいアーサー王物語などあるわけもなく、色々なエピソードや民間伝承やキリスト教の影響なんかをうけてどんどん物語が膨張していったものです。 今回のアーサー王物語では、アーサーはローマから来ている軍人です。 そしてランスロットはじめ円卓の騎士団たちは所謂傭兵。 サルマート人という設定です。 このアーサー王サルマート人説は最近一部で唱えられているらしいです。 ともかく。映画ではアーサーはローマとブリテンの混血で、ローマ城壁を守る軍人という設定でした。 でもってアーサー育ての親魔法使いマーリンは、ブリテンの独立組織を率いる首領、後にアーサーの王妃となるグィネヴィアはこの組織の人間です。 まぁ、そんなわけで色々違います。 そうだ、ガラハトが最初から大人だったし(ランスロットの息子と言われています) 騎士たちの風俗や甲冑、馬や剣や弓。 はためく旗。 うわーん・・もうそれをいっぱい見られただけでももう嬉しいです。 満足・・ アーサーが今ひとつカッコよくなくても、ランスロットがイメージと違っても、トリスタンが妙なキャラクターでももう許す。 (いやそれなりに不満はあるけどな・・) ある意味、傍系の話が膨らみすぎたアーサー王物語をかなりコンパクトに、そして判りやすく纏めていたのではないかと思います。 まぁ欲を言えば。 アーサーと円卓の騎士団たちの出会いとかがまったく描かれていなかったので、何故彼らがあそこまでアーサーについていこうとするのかが観客には伝わってこなかった所ですか。 ランスロットの故郷のシーンから始まり、次のシーンではいきなりアーサーと円卓の騎士団が登場するので非常にわかりにくかったです。 エクスカリバーのシーンも半端でよく判らなかったし。 個人的には、馬に涙しました。 いや・・死んだ勇敢な騎士は馬になるっていう伝説があるらしく、台詞で出てくるんですが。 まず、ランスロットたち騎士たちがアーサーを残して故郷へ帰ろうとするシーンで、サクソン人の攻撃が始まろうという時に、馬達が暴れだすんですよ。 いやね、物音に驚いたというだけの場面なのかもしれないけれど、もしかしたら、あの馬達もかつての騎士たちの生まれ変わりで、故郷に帰るよりも義の戦いに赴く事を望んだんだろうか・・とか。 そして最後のシーンで、映画の中で死んだ騎士と同じ数の馬達がブリテンの緑の丘を駆けていくんですぅー。 先頭は白馬。 うわーん・・これって・・これって・・(ネタバレなので誰か言えない・・)。 なわけで、色々とご不満はあれども、個人的には楽しめました。 |
「トロイ」 |
2004年6月27日於池袋東急 |
話題作。ですね。 ギリシャの英雄アキレウスにあのブラピ。絶世の美男パリスにオルランドブルーム。ヘクトルにエリックバナ。 もともと、「イーリアス」「オデュッセイア」が大好きなんですよ。 そしてそれに付随するエレクトラやペネロペの物語などを耽溺していた私にとっては、色々細かい点で言いたいことはあるけれども。 これは本当に個人的な好みの問題なので置いておいて。 トロイ戦争といえば、アキレウス。 ええ・・あの辺りにはまった事のある女の子ならば皆そうだと思うんですけど、アキレウスは本当にかっこいい! それに、登場する数々の英雄や女神たち、武勇伝、友情や愛。 胸躍らせる要素がいっぱいの物語です。 いやいや。 CG技術が上がっていて良かったなぁと。 それに俳優達がよく身体を鍛えていて、すごいです。古代のオリンピアの彫像を思わせる、ブラピはじめ戦士たちの肉体美。 まー、あそこまで良くも体作って。 この時代の戦争は所謂肉弾戦なわけですが、それがきちんと描かれていて、ブラピホントものすごく身体を作ってきています。 わき腹の辺りの腹筋がすごくてびっくりでした・・・。 3時間もの内容にも関らず飽きませんでしたし、脚本もコンパクトに非常によくまとまってして、所謂エンターテイメント作品として、すごく良く完成された人間群像劇でした。 いや、群像劇であり、歴史絵巻であり、戦争ものであり、ある意味でのアクションものであり、恋愛ものであり。 それらが冗長でなく、本当に良く出来てましたわー。 鎧のデザインもすごく良かったし(特にトロイ側の鎧などの装飾が出色でした!)、女性の衣装や装飾品もすばらしい。 あの時代の戦闘が肉弾戦なので、それもものすごい見ごたえがありました。 まぁ。 そもそも、あの時代の歴史的事実なんてものは誰にもまだ判らない事ばかりなわけですし、こんなエンタな作品に仕上げてくれて、大成功だったんじゃないかと。 しかし、大好きなものを映像化されればそれなりにご不満もたくさんあるわけで。 なによりヘレナがあんまり美人じゃないっつう事があります。(笑) ま・・その。私の不満というのはですね。 最大のものはパトロクルスですぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ(号泣) いや・・おっさんとかじゃなくって良かったけどね。 でも・・。 だってだって! パトロクルスだって、「イーリアス」の中じゃ大分活躍しているのよ?アキレウスの盟友なのよ? 血気にはやるアキレスを常に傍にいて支える存在。 それでいて政治向きの事も判っていて、戦いを放棄しようとするアキレスと王の間で苦悩して。 なんか、まるでアキレスに庇護されるだけの少年みたいな存在だったのがイヤでした。 いや庇護してもいいよ。 「お前は戦うな・・」って言ってもいいよ。 抱き締めて、キスしてもいいよ。 でも、今回のパトロクルスがまるで子供のようで、彼の人格やどれだけ彼がアキレスの支えに、安らぎになっているのかが描けてなかった分、彼の死後アキレスがあそこまでの行為に及ぶ必然性が「イーリアス」を知らない人には判りにくかったんじゃないかと。 「最愛」なんだよー?パトロクルスは。 パンフにも「最愛の従兄弟」って書いてあったし! でも、あれじゃ全然!!わからないと思うの・・。 死んだ後は、ともにお空に行っちゃうんだよね、確か。女神が「もう、二度と分かたれる事のないように」って。 うわーん。 ・・けして不細工だったとは言わないけど。 微妙・・・。 あと、アガメムノンがただの悪役だったのがちょっと・・なぁ。 あの映画でしか彼を知る機会のなかった人は「悪役」な王のイメージしか持てない気がします。 彼のギリシャ小都市国家を統一しようとした功績とか(あれでもギリシャの英雄)、アキレスと対比させて「政治家」としての面をもう少し掘り下げて人物を描いてほしかったかな・・ ただの名声欲にとらわれた人みたいでした。 「義経」に対する「頼朝」のような存在だと思うのです。彼は。 あと、彼も結局留守中に(なんたって、トロイ戦争は10年以上やってますからね!)妻が不貞して国を乗っ取られそうになり、それが彼の娘「エレクトラ」の物語へとなっていくわけですが。(でしたよね?) せっかく「愛」や「女性」そして何よりヘレンの「不貞」を描いていたわけですから、彼の言葉の端々に本当は自分も妻と上手くいっていないとか、もしくは自分のうちは安心、みたいなうっかりぶりとかをちょっと匂わせてくれればもっと面白かったかな〜なんて、これは贅沢? ホントは争いのもとになった女神たちも象徴のように出してくれればなーなんて、思いましたが。 それは、省いて正解だったのかも。 あと、王の召集から逃げる為に女装して女性たちの間で隠れて暮らしていた・・というアキレスのエピソードも見れるのかとちょっと期待してたけど、これも無かった・・見てみたかったのに・・ブラピの女装。(笑) なんにせよ、面白かった事は確かです。 またホメロス読み返してみようかなぁ。 |
「コールドマウンテン」 |
2004年5月15日於池袋シネマサンシャイン |
えと。 ジュード・ロウ主演というので行ったんだよな・・多分。 友達はニコール・キッドマンが好きなので、それも・・。 なんというか、いい映画だったとは思うんです。 時代は南北戦争。 アメリカ南部の片田舎から出征した男が、戦争の悲惨さや無意味さに耐えかね、戦線を離脱故郷へとひたすらに向かうというなんと言うか、所謂「オデュッセイア」ものです。 故郷と残してきた恋人をひたすらに思い、ただ故郷を目指し続ける。 その道のりと故郷の様子が描かれていきます。 なんというか、もっと南北戦争そのものが描かれているんだと思っていたんですが、そういう映画ではありませんでした。 この「コールドマウンテン」は地名なのですが、ものすごーい田舎です。 どうやらアイルランドやイギリスからの移民が住み着いてそのままの古い共同体が生きている町らしく、そこへ新しい宣教師の父娘が移ってくるのですが、その娘がニコール。 ジュードロウは無口な男で、彼女に心惹かれていきますが、二人の間になにかあったかというとそういうわけでもなく。 とてもとても、「古い」恋の形です。 お互いを尊敬し、交わした言葉は少なく、けれど交わした眼差しは多く。 出征の日、彼女は意を決して彼に本と写真を届けます。 戦地に持っていってほしい。と。 そして、キスと約束を交わす。 それだけです。 それだけで、彼は一心に彼女を思いどんな苦境にも耐え、ひたすらに故郷を目指します。 なんていうのかな・・戦前の日本にもよくあった事なのかもしれないけれど、一瞬手を触れ合わせただけ。気持ちの絡まりあう言葉を交わしただけ。 「待っている。」という約束を交わしただけ。 それだけで、生き抜こう、生きていける。そういう想い。 一方、故郷の方にも問題は発生していて・・と、そこでお嬢様ニコールがどうにもならなくなって、彼女を支える為にレニーゼルヴィガーがたくましい女の子として登場します。 この二人がすごくいい! 何も出来ない・・裁縫といえば刺繍位。自分で働いたり何かを作るなんて考えたこともない。 作物や家畜の事は知らないけれど、フランス語は出来るんだから!と、キレてみたり。 こういうの・・すごく判ります。 だって、必要ないから。 「そんな事、教わってないのよ!誰も教えてくれなかったもの!」という台詞がありましたが、まさにその通り。 うちの祖母がそうです・・(笑) なぜなら、本当に必要ないからなんです。 よく、お嬢様は本当は色々仕込まれているはずとか言いますが、そんな事もないんだってー。 祖母は娘時代から 「そんな事は人を雇えばいいのよ。」 としか教わっていなかったそうで。 そういう時代、そういう家に生まれた人はホントに何も出来ない。(笑) そのお嬢様がどんどんたくましくなっていき、そしてひたすらに家路を目指す男も旅路の途中で色々な事に出会う。 風景やドレスが美しく、そしていつの時代の戦争でも有り得そうな悲劇に胸を痛めつつ、鑑賞しました。 特に男達が留守になった村での悲劇。 日本も戦争中、こんな事いっぱいあったんだろうなぁと思いました。 しかし、ニコールキッドマンが一体何歳の設定なのかがすごーくナゾで。 初登場の出会いのシーンなんか、きっと若い娘の設定なんだろうと思うんですけど、み・・見えない。 レニーの方はそれなりに若く見えるんですけど・・。 それだけが気になりました。 |
「グッバイレーニン!」 |
2004年4月17日於恵比寿ガーデンCINEMA |
ヨーロッパで興行成績が一位だとか、すごく評判だとかで行ってきました。 かなり満員。 でも、元々狭い劇場だしね。 すっごい面白かったです。 こういう映画、好きなんですよー。これは本当に超オススメです。 お話は・・東西崩壊前後のドイツ。 東ドイツの末期に、がちがちの東主義者で教師で共産党の委員だった母親が倒れ、意識を失っている間にベルリンの壁は壊れ、東西は統一され・・ が、しかし。 ずっと意識不明だった母親が意識を取り戻し、退院することから始まる騒動のお話です。 そもそも母親ががちがちの党員になったのは、西へ行った父親がそのまま帰ってこず、亡命の補助をしたのではないか、そのうちおまえ等も亡命するんだろうと当局に睨まれていた事からです。 母親は、よき東ドイツ人であろうと必死に努力するのです。 最後に、これにももっと他の事実があった事が判るのですが。 ともかく息子は心臓にショックを与えてはいけないという医師の言葉に忠実に、「資本主義化」しているアパートの部屋をかつてのように修理し、もう店頭から消えてしまっているソ連製や旧東ドイツ製の食糧を必死で探し、ラベルを張り替えて、ラジオは壊れている事にし、それはもう涙ぐましい努力をするのです。 その大騒動が笑えて、そしてどこか物悲しく、皮肉めいています。 確かに東西統一によって、生活が良くなった部分もあるでしょう。 けれど一気に流れ込んできた資本や思想や文化。 同じアパートの年配の住人達は母親の所を訪れる事により、心が癒されると言います。 偽のニュース映像を流すために協力する職場の友人は、映画制作の夢を持っており、その作業にのめり込んで行きます。 かつて人民の英雄だった、今はうらぶれた宇宙飛行士。 こんな生活バカバカしいと言いながら、母親を気遣い本当の事を言えない姉。 母親の為と言いながら、主人公はどんどんとかつての東ドイツの理想的な世界、そして自分なりの納得できる形での東西統一をもう一度最初から再現する事に夢中になっていくのです。 それは、統一による資本主義化から取り残された、どこか何か納得できないまま今日を生きている東ドイツの人々の日常であり、夢物語。 東西統一後の、‘90ワールドカップでドイツが優勝した夜。 彼らは「本当の意味」での統一を迎えます。 可笑しくて、そして寂しくて。 世の中がまるでひっくり返ってしまう出来事があったけれど、それでも力強く生きている。そんな普通の人々のお話でした。 |
「ロードオブザリング:王の帰還」 |
2004年3月28日於,マイカル板橋 |
いよいよやってまいりました。 指輪の最終章。 ついにここまで辿りついたか・・という感慨ですでに見る前からお腹いっぱいな気持ちでした。 内容はもう、いう事なしです。 もちろん原作と違う処なんかもたくさんありましたが(補完の方からエピソード持って来たりしているそうですね。) 違和感もなく、綺麗にまとまっていました。 旅を通して、それぞれの仲間たちの成長も見られます。 特にホビットたちの。 これはホビット達の物語なのだなぁと、今回しみじみ思いました。 ホビットに始まり、そしてホビットに終わる。 小さな、平和を愛する種族たちの手によって幕引きされる。 どんなにアラゴルンが強くても、レゴラスの能力が優れていても。 やっぱり主人公はホビットであり、フロドだったと思うのです。 そして。 サムが居なければ、確かにフロドは火口まで辿りつけませんでした。 だからと言って、サムを英雄視するのには疑問があります。 サムが指輪の預かり人になったとしたら、彼らはあそこまで行けたでしょうか? 指輪の重荷はフロドだけが背負った。 心や体を蝕まれながら、彼がずっとその重い荷物に耐え、足を進めた。 今でも思い出すのは、シリーズTでガンダルフが言った言葉です。 『僕が指輪さえ貰わなければ。』 『人は辛い事があるとそう言う。けれど、あの時どうすれば良かったという事はなんの意味もない。ただ、今どうすべきかという事だけだ。」 フロドは自分の為すべきことをした。 傷ついても、死んでも仕方ないと覚悟をしながら。 映画の最後の30分。必要なかったのではないか、アラゴルンの戴冠式で終わって良かったのではないかという意見もあると思います。 でも、これはあくまで小さな人達のお話で、そして重荷を背負ったフロドと彼の近くに居ながら、そうではなかった、彼の仲間たちとは決定的に異なる道が待っているのだと。 最後、船着場で振り向いて笑顔を見せるフロド。 その、万感の篭もった微笑みはあまりに素晴らしすぎて言葉を失いました。 本当に長い間、素敵な旅を見せてくれてありがとう。 家路につくサムのように、どこか寂しさを抱えつつ、この映画を見せてくれたことに感謝です。 さて。 話は前後しますが。 毎度の事ながらCGもすごかったです。 そして何より今回はアラゴルンの国、その首都「ミナスティリス」が圧巻でした。 白く聳えるその塔。Tで死に行くボロミアがアラゴルンの腕の中その美しさを口にしていました。 ここに、王として帰還するアラゴルンと共に帰るのだと。 CGだけではなく、精密な縮尺版も作り両方で撮影したそうですが、すごかったです。 レゴラスは相変わらずえっらい強いし(無敵かもしれないと思う今日この頃)、恐るべきはエオウィン。 つ・・つええええ。 時々、アルウェンとエオウィンの名前の区別がつかず困りますが(笑)、前回「ちっなんだよ、いきなりやってきたアラゴルンに一目ボレしやがって。」みたいな存在だったエオウィンがすごく好きになりました。 カッコいい女の人は良いですね。 国としては騎士の国「ローハン」が結構お気に入りの私です。 最後、映画では匂わせる位で終わってしまいましたが、確か原作の補完?か何かでエオウィンとファラミアは結婚するんでしたよね? とにかく、壮大な世界の創世記のようなこの物語を実写として観賞に耐えうる作品に出来る技術を持ったこの時代。 そして、それを見ることの出来た幸せ。 本当に良かったです。 |
「踊る大捜査線 レインボーブリッジを封鎖せよ」 |
2003年11月21日於品川プリンスシネ |
随分、遅く見に行って来ました。 品川プリンスシネマに初めて行ったんですが所謂シネコンで、結構綺麗でした。 さて映画。かなりの日本人が見たはずなので(笑)、今更なんですが。 内容的には、一作目の映画の方が面白かったかなー・・なんて。 今回、所謂官僚組と現場の対決図が描けなかった分(室井さんはじめとする官僚組は湾願署の現場の刑事にかなりの理解を示している設定になってしまっている。)、所謂ヒールを女性官僚に持っていったわけですが。 これがなぁ・・ なんか、私が女性だから思うのかもしれないですが、扱いがあんまりな気持ちがしました。 あれだったら、何も女性にしなくても良かったんじゃ。 でもって、今までのシリーズで延々描いてきた「組織」のどうしようもなさって、現場の指揮を取るのが室井さんに代わっただけであんなに簡単に「めでたし」になってしまうものなの・・? SATとか、あれでいいの? 前回から何年も経っているから、その間に警察に何か変化があったという設定なの? と、まぁ色々ツッコミどころはあります。 でも。 シリーズ初回から見ている人や(私だそりゃ)、増殖したコアなファンを満足させる色々なお約束事。 そして、小道具やコネタ。 登場人物たちの心情の変化など、それなりに楽しめました。 その後亡くなってしまったいかりやさん演ずる和久さんがもう見られないのが残念ですね。 今となっては、まるで最後に遺言のように、青島と室井さんへ語りかけていた言葉が胸に染みます。 |
「サハラに舞う羽」 |
2003年10月13日於銀座 |
映画館で予告編を見て、行きたいなーと思ったので行ってみることに。 砂漠での戦闘シーンなど、『アラビアのロレンス』を越える!とか、宣伝もすごかったし、映像もすごく見えたので。 結果。 失敗〜〜〜〜〜〜〜。 観終わった後、とにかく納得できないことがいっぱいで、登場人物の行動に至る心理も、スーダンの奴隷階層に置かれている種族の青年との友情も。 いいテーマもあるのに、ワケわからねー・・ しかも、あれだけの、英国の上流階層に属していた若者が、砂漠に飲まれ生死をさまよい、戦闘を知り、友を失い、捕虜となり・・なのに、映画の冒頭とラストで顔つきもわからないなんてありえなさ過ぎる。 例えば「プラトーン」ではラストでベトナムを去っていくチャーリーシーンの表情に、ベトナムに到着した時の彼の表情を重ねて、あまりの変貌ぶりに呆然としたものですが。 ・・なんて話を英会話の先生(英国人)にしていたら。 なにやら、エライ驚かれ方をしてしまいまして。 先生いわく、あの話はとってもとっても古い話で何回も何回も映画化されてきているそう。 「プラトーンはシリアスな話だけど、アレは違うからね。」 「は??」 私が思っていた歴史絵巻とか英国の植民地政策による感情の軋轢とか、そんなテーマではなく、元は少年向けの冒険譚なのだそう。 つまりは『冒険ダン吉』とか『少年ケニヤ』とかってぇ事か。 と、私は納得したのですが。(例えが古すぎる・・) そうと判っていれば、行かなかったのに。 先生にも『なる(仮名)が見に行ったっていうから、君の好みと違うのにおかしいなーと思ったんだよね。』と、言われてしまいました。 まぁ、ビクトリア朝時代の衣装や軍服など。それから砂漠のシーン(モロッコで撮影したそう)や騎馬による戦闘シーンは素晴らしかったです。 |
「ロッカーズ」 |
2003年10月12日於池袋シネリーブル |
陣内孝則初監督作品。伝説のバンド?自らが所属していたロッカーズをモデルに映画を作ったと言うことで、あちこちで話題になっていたし、ご本人も「いい映画になった!」と力説していたので、興味が湧いていってきました。 これがもう。すっっっごい面白かったです。 超お勧めだと、あちこちに宣伝して回ってしまうほど。最初から最後まで疾走感にあふれていて、久々に心の底から楽しめました。 私的には、2003年1番の出来な映画です。(ロード〜よりもパイレーツよりも!) 心から笑って、そして泣いて、切なくて、痛くて、でも幸せで。 誰にでもあった、でも無かった『青春』っていうものを描いてます。 旬の俳優さんたちも沢山出ているし。 それだけに勢いがあるし、現場が楽しかったんだろうなぁって・・もう、画面からびんびん伝わってくるあふれるくらいの若さとか、スピードとか・・ 素晴らしい出来です。 友達でもないくせに、 「いやー。陣内さん良かったねー。頑張ったねー。」とか、思っちゃいました。観客は出演者の若さと比例して若い子が多かったけど、案外年配のお客さんも多かったですよ。 ライブシーンは本当に迫力で。 みんな去年から練習したらしいですが、本気でかっこいいです。 陣内さん役の中村俊介君ははまり役だし、実質主役と言ってもいいタニ役の玉木君は本当にホレてしまいそうな位です。玉木君は朝ドラで、全国のおばちゃまたちもファンにつけたようですが、この映画では本当にカッコよかった。 ガオシルバーの玉山君も、はまりすぎる位、グルーピー付のビジュアル系バンドのボーカルやってたりして、いい味出してました。 昔、売れる前のビートルズと当時居たギタリストを描いた「バックビート」という映画がありましたが、少しだけアレを思い出しました。や、映画の内容自体は全然違うんですけど、あそこに出てきた早世のギタリストとタニが少し重なる部分もあって。ギターテクのスタイルなんかも。 何にせよ、もしご興味もたれた方は、是非お勧めです! 皆がマシンガンのようにしゃべりまくる博多弁が好いんですよーvv 博多弁をしゃべる男の子に、憧れてしまいました〜vv いいなぁ、博多弁。 |
「パイレーツオブカリビアン」 |
2003年8月15日於銀座 |
混んでたなり〜〜〜。 あんなに並んで映画見たのは久しぶりです。しかも、スンゲー前で、もしかして、「マトリックス」の悲劇再び?とか思ってしまいましたよ・・。 まぁ、公開直後という事と夏休みだった事もあると思うんですが。 いやはや・・ 私、これがディズニー制作だって知らなくて予告だけ見て、ジョニーデップが今まで出た「スリーピーホロウ」とか、ゴシックホラーみたいなものだと思ってたんですよー。 そしたら。 見ていると、そもそもジョニーデップ演じる海賊がコミカルな人物だし、オルランドブルームとの最初の丁丁発止な剣戟で・・「・・あれ?」と。 これって、もしかしてこの映画って・・単純に冒険活劇なのでは・・。 でした。 その通りでした。 でも、そう気付いてから見出すと、面白い! まさに、冒険&謎&剣戟&船&海賊。 そもそも海賊という存在自体子供達の憧れですよね。今「ワン・ピーズ」もおおはやりだし。長靴下のピッピのお父さんも海賊だったっけ? ハラハラな展開、知恵の応酬、出生のヒミツ。 お約束のように次々繰り出される展開に、目が釘付けでした。 難しい事なんか、要りません。 とにかく楽しくて、文句なしに楽しめます。 そうそう。ヒロイン役がちっとも守られているだけじゃなくって、勇ましくて強くて、最後には恋人を助けに乗りこんじゃうあたりが最近の脚本だなぁと思ったり。 でも、それも女の子が見ればきっと「カッコイイ!あんな風に綺麗で強くなりたい!」って思うんだと思います。 最後の最後まで楽しめました。(タイトルロール終わるまで席は立っちゃダメ!) 映画で退屈したくない、お子様にも大人にもお薦めです。 |
「マトリックス・リローデッド」 |
2003年5月20日於東京国際フォーラム |
プレビューで見てきました! それにしても、試写会だというのに、ものすごい大きなホールですんげー人です! ここ、普通にコンサートとかやる会場だろう!? 後ろの人、見えるのかな?と、心配していたのですが、それよりも重大な事態が(笑)。 私たち、チケットをくれた日テレの人のご好意で、すごい前に席を取っていただいていたんです。 このでかい広いホールで上映するからには、当然もんのすごいでかいスクリーンで・・・。 今だかつて見たことないよ、という位大きなスクリーン。 でも、席は前。 普通に映画見る時のような姿勢で、ちょと上向きな姿勢で座っても、スクリーンの下半分しか見えないのです! 一生懸命見上げました。 とほー。 そして、第二の失敗は、1作目をきちんと見直して行かなかった事です。 そんな複雑な話じゃなかった記憶があったので、なんとなく行ってしまったんですが。 わかんないエピソードだらけ。 「え?この人誰??」 「こんな街出てきたっけ?」 「ええーっそもそも、この世界の設定がわからないーっ」 状態。 しかもCGが凄過ぎて、ありえないアクションシーンの連続に、しまいに笑ってしまった私です。 笑うトコ?笑っていいトコ?と、思いつつつい。 これでもか、これでもかと続くシーンに、しまいに車酔いのような状態に(笑)。 視覚効果もすごくて、ちょっとふぇ〜〜んな状態になっていました。 いや、キアヌを久しぶりに見られて良かったですよ。うんうん。 しかし、意味不明に長いザイオンでのお祭りのようなシーンとかベッドシーンとか。 疲れるから、見るの止めよう・・。と、思うほどでした。 なんだか、今回のは、改めて「マトリックス」世界観の説明と、異様にパワーアップしたキアヌ演じる救世主の進化を描く事に終始した気がします。 しかも! ロードオブザリング以上に、「つ・づ・く」でした。 酷い!酷すぎる・・・っ そして、私は数日間首の激痛に悩まされることに。 ええ・・・。 おかげで首を捻挫したらしいです。 「どうしてだろうねぇ?」と、いうお医者さんに向かってまさか 「マトリックス見に行って、キアヌにケリを入れられました。」 とは言えませんでした。 |
「ロードオブザリング:二つの塔」 |
2003年5月10日於銀座 |
1年ぶりーっ♪そして、手術後初の映画、今年初めての映画です〜v 見に行く前に、前作をビデオで見ましたv 前作で3グループに離れ離れになってしまった旅の仲間ですが、今回もまた出会えないままです。 そして、フロドの姫度にさらに滑車がかかっている気がしました・・。 サム、大活躍です。前作ではちょっと鬱陶しい(失礼)なぁなどと感じてしまう事もあったのですが 今回は姫の暴走やら無茶やら頼りなさをフォローして余りありました。 そして、前回では『アラゴルン様v』となっていた私ですが、 今作では、レゴラス様、強いーっでした。レゴラス役に立つね・・。耳は遠くまで聞こえるは目は遠くまで見えるは。 エルフって不死身なんか・・?と思ってしまう位。傷ひとつ受けないし、泥とかで汚れた事もないのでは・・。 まさに「無敵の王子様」でした。 さて、3組に分かれたご一行さまですが、今回の見所はやはりアラゴルン様&ガンダルフご一行様の旅でしょう。 戦闘シーンが多いし、騎馬戦やローハン城での攻防戦などすごい見ごたえがあり、まさにCG使った甲斐があったねー。という感じでした。 ピピンたちご一行も、前作でのヘタレっぷりに比べ活躍!なんたってサルマンの塔を倒してしまうのですから。 ここで、古森の木たちと共同戦線をはった洪水のシーンに 自然破壊とか自然保護の視点から見ている人もいたようですが(解説だか何かの雑誌で読んだ) そういうのは、つまんないから止めようよー。 ちょっとこのシーンだけは、CGがうそ臭かったと感じてしまいました。 しかし、面白かったですー。 エルフたちが救援に来るシーンとかドキドキしたし、もう窮地では 「たすけてー。ガンダルフーっ」でした。(何のこっちゃ) ガンダルフが駆けつけてきたときは、ホント喝采したいくらいで。 でもでも、今回は前回よりもさらに、「続く・・」感があって、早く 部を見たくなりました。 しかも1部の時は2部の予告編もやってくれたのに、今回はなし。 編集が遅れているとかいう噂です。 ああああ。早く見たいです・・。 |