Elisabeth Season 2005 |
「エリザベート」 |
2005年9/23 於帝国劇場 |
トート:内野聖陽 フランツ:石川禅 ルドルフ:井上芳雄 ルドルフ(子):苫篠和馬 今回、唯一取れた井上君のルドルフ・・・。 いや、ホント、例え一回でも取れて良かったよ・・。 この3連休のどこかに見に行くしか社会人には無理だもんね。 さて。 ルドルフといえば井上君。 井上君といえばルドルフ。 井上君が現在、「ミュージカル界のプリンス」と言われているのも、帝劇の地下楽屋出口から有楽町線までの通路が「プリンスロード」と呼ばれているのも!全てはここから始まったわけで。 それでも、2000年の初演からもう5年。 これが多分最後のルドルフ皇太子なのではないかと思います。 実際問題。 青年ルドルフの出演時間ってすごい短いんですよね。 それでも鮮烈な印象を残す役です。 だからこの役を演じる役者は将来の成功の可能性があるし、脇役に留まっていてはいけない役でもあると思うのです。 さてさて。 久々に見た井上ルドルフは・・・『大人になったんだね・・』という印象でした。 初演の時に恋に落ちた(笑)時の印象が非常に強く、大人なルドルフにしばし戸惑ってしまいました。 実際のルドルフは自死した時30代で、十二分に大人だったわけですが。 この舞台でのルドルフは20代なイメージです。結婚もまだみたいな印象。そういう意味では、多分舞台上のルドルフと井上君は年齢も近いのだと思うのですが。 何せ、ルドルフといえば若くてナイーヴで神経質そうで・・な雰囲気を漂わせているもの。 その思いこみとここの所浦井ルドルフしか見ていなかったせいで、なかなか馴染めないまま終わってしまいました・・・ あああああ、最後の井上ルドだったのに! 思えば、浦井ルドルフはどちらかといえば、少年っぽさをかなり漂わせていて、18歳くらい?なルドルフなんですよね。 だから、井上ルドルフの若々しくていながら、どこか影や孤独さや国の未来を彼なりに憂えている様子など『大人』なルドルフというのは、本来この舞台に必要な「皇太子」だったと思うのです。 エリザベートの鏡の一方でありながら、彼女ほど我を通す強さもなく、がんじがらめにもがきながら結局トートの口付けを受け入れてしまうルドルフ。 そんな何層にも透けて見える彼の幾つかの顔を、井上君は今の年齢になって初めてきちんと演じる事が出来たんだなーと、後からしみじみ思いました・・。 いや、本当に見ている最中は、そこに井上君がいるって事や久々な戸惑いなどであっという間に出番が終わっちゃってさ・・。 声も落ちついてきていて、初々しさがなくなったものの、やっぱり井上君。 あの高音部での伸びがやはり溜まりません。思えばこの歌声にやられた訳だし。 上手いよなー・・・。 内野トートとのコンビネーションもぴったりでした。 しかし、マイヤーリンクワルツでのキスシーンが異様に長かったのはどういう訳でしょうか? それと、拳銃を握らされてから引き鉄を引くまでの溜めもものすっごい長かった。 どちらも彼らなりの演出なんでしょうけれど、後で友達も言っていたので気になったのは私だけじゃなかったようです。 あーあ。 そんなこんなで、私の今期エリザは終了しました。 またまた再演との話しもあるけれど、多分井上君はこれでおしまいまな。 まぁ、また他の舞台にいっぱい出てくれると思うし、ルドルフをステップに更なるステージを目指してほしいです。(って、今回が逆に同窓会に出たようなものなのかな?) 取り敢えず、大阪から通ったお友達はお疲れでした。 |
「エリザベート」 |
2005年9/11 於帝国劇場 |
トート:山口祐一郎 フランツ:石川禅 ルドルフ:浦井健二 ルドルフ(子):苫篠和馬 ちびルド以外は、3日と同じキャスト。 実はこの日は浦井君の楽日でした。 そして小泉劇場投票日でした。(笑) しかし、超寝坊した私は昼の部開演ぎりぎり。 友達との待ち合わせに地下鉄から直接劇場へ上がる階段に移動してもらい、全力疾走。 いやー。開演1分前くらいに到着したでしょうか・・・サイテー・・・ 落ち着いて見ようよ・・ホントに。 さて。 山口さんのトートを改めて見るにつけ、悪の帝王という感じがします。 そんでもある種、「トートLOVEエリザ」という構図を、シンプルな恋心として捕らえなければ、山口トートの愛し方というのも納得できるものなのかなと思いました。 内野トートは彼女に恋するが故に彼女に拒絶されれば切なく、やがて強くなっていく彼女を見る視線もどこか切なさ混じり。 けれど、山口トートは彼女に恋していながらどこか余裕を持っていて、どうにかして自由を手に入れようともがく彼女を翻弄している感があるように感じられました。 トートダンサーズ達を従えて、彼等に対してもルキーニに対しても絶対的な支配者で。 唯一彼の自由にならないエリザベートに執着し、翻弄され、それでいてそれさえもどこかで楽しんでいる。 そしてようやく彼女がこちらを向いてくれた時には、両腕を広げて迎え入れる・・・ トートとエリザベートというのは、鏡写しのような存在だと思うのですが、山口トートはそこに一種父性さえかんじさせる存在だと思いました。 うーん、キャストによって演じ方が違うのを見るのはやはり舞台の楽しみですね! さて。 今日で楽の浦井君。 最終日という事で、なんだかすごい気合入ってるのが舞台からも伝わってきました。 踊りが、それまで見た2公演よりも更にすごかった。ジャンプの高さとか・・・ 声もすごく大きかったし。 お客サンも浦井君ファンが多かったようです。友達の隣に座ってた人がなんだかある種凄くて・・・ 1人挟んでるのに、「ママは僕の鏡だから」で、啜り上げる声が聞こえてきて、「マイヤーリンクワルツ」で拳銃撃った後、タオルに顔を埋めて号泣。「ルドルフの葬儀」でもずっと号泣。 いや、今亡くなったのはルドルフであって浦井君ではありませんからっ!と、ついギター侍したくなった。 隣に座っていた友達は更に困ったらしい・・・。 で。 昼の部だったので、挨拶とか特にないんかなぁ?と思っていたら、ちゃんとありました。 何度かのカーテンコールの後、いつものように幕が上がりここで普通はトート&エリザになっていたりするのだけど、今回は全員で。 拍手が鳴り止まなかったら、山口さんや村井さんが 「はい、拍手一回止めてねー。」みたいな仕草をして、客席が静かに。 一路サンから、今日の来場のお礼等の挨拶。 そして 「私の1人目の息子、浦井君が今日千秋楽です。」 で、拍手の中、一路サンに真ん中に来るように促されて真ん中に。「えと・・」 と、結構最初はしどろもどろに話し始め。村井さんや高嶋兄などに小声で 「大丈夫か?」「大丈夫か?」と言われており、背後を振りかえっては 「え?え?」と聴き返していました。 まずは、挨拶とお礼の後「エリザベートはまだ1/3終わったところで、この後パク君、芳雄さんと続いていくわけですが・・」 (ここで、私は井上君が既に「芳雄さん」とか呼ばれる立場な事に感慨深く・・・初演の時はまだ現役芸大生だったもんで) 「僕は今日で終わりですが、『モーツァルト!』に出演される方々は平行して稽古もあるので・・」(『モーツァルト』九州公演は11月頃) ここで、出演する山口さんなどが苦笑い。 後ろに立ってる人達も笑ってる。 村井さん、何故かずっと笑ってる。(何がそんなに可笑しかったのか?) 場内からもクスクス笑いが。 その笑いをどう取ったか、フォローのつもりか 「えっと・・あの、なので、皆さん体調には充分注意して・・いえ、あの、ホント体に気を付けて欲しいです。」 ここで場内笑いの渦。 さすがにここでエリザの話題をしていない事に気付いたか。「去年、初めてルドルフとしてこの帝劇の舞台に立たせていただくことが出来、それ以来自分にとってはルドルフは非常に大切な存在で・・・」などなど。「そんな帝劇の舞台を次に踏めるのは・・えっと、『マイ・フェアレディ』ですか?」 ここで場内微妙な笑い。 舞台上はもう笑いを堪えきれない様子。 そして、宣伝しててもイカン!と思ったか。「あの、でもこれからもまた機会を与えられたらルドルフをやりたいです。『エリザベート』万歳。」 この辺りから既に場内が笑いに包まれてました。 もう収拾がつかなくなり「あの、選挙は8時までですので、投票には行きましょう。」で、締め。 大笑いな内に挨拶終了。 引き継いだ一路さんが「去年はこの子、最後泣いてたんですよー。それがしっかり宣伝までするほど育って・・・」 等と笑っていました。 その後幕が降りて灯りもついたのだけれど、スタンディングオベーションが止まらず、山口さん、浦井君、一路さんで、登場。 浦井君がお辞儀をして、その後二人に両側から手を繋がれて、両手万歳状態。 それでも最後はお辞儀をしたり手を振ろうとしたのに、何故か(多分ワザと)山口さんが手を離してくれず、ずっと左手だけ万歳状態。 しかも山口さんの身長なので、微妙に辛そう。(絶対ワザと) そんなんで妙な笑いが起こる中、それでも右手で手を振って(お辞儀はしたくても出来なかった)、幕。 いやいや、浦井君お疲れでした。 |
「エリザベート」 |
2005年9/4 於帝国劇場 |
トート:内野聖陽 フランツ:鈴木綜馬 ルドルフ:浦井健治 今日は初見の従姉が一緒でした。 うっちーはまた歌が上手くなってました。それに、自分なりのトートに自信が出てきたのか、以前の一杯一杯感がなくなり余裕すら感じさせるトートでした。 それに、やっぱりうっちートートはすごく切ない。 少女時代のエリザを助けて彼女が家族に取り巻かれている部屋から去る時の背中と横顔。 姑との諍いに疲れてフランツに手紙を突きつけた後の彼女に結局拒絶された後。 それは、綜馬フランツも一緒で、綜馬さんのフランツは立ち姿や容姿の高貴さも手伝って、本当に育ちのよさを感じさせるフランツでエリザベートを愛してる事がすごく強く伝わってきます。 そういう意味では最後まで夫よりも自己実現という名の自由を求め続けた彼女に『ど・・どうして?』という気持ちさえ浮かびます。 この二人が相手の時は、エリザは愛されまくりな印象ですね。 浦井君のルドルフも以前より役を近くに引き寄せた印象があります。 繊細で神経質なルドルフっぷりがはまってるなと思いました。 前シーズン、井上君じゃないという事だけで、ちょっと引き気味に見ていたのですが、最後大阪まで出かけた頃には声に色気まで感じられるようになってきていたので、今回楽しみにしていました。 従姉も「クウガ」見ていたので「ダグバ」君だよ、と事前に言ってはあったのですが。 まるで初見の私の時のように、舞台の幕が下りた瞬間にものすごい勢いで来ました。 「あの子、誰〜〜〜っ!?一人だけ日本人じゃないみたいなんだけど!」 そのまま、急転直下恋に落ちていったようです。 その後の話をすれば、彼女は平日の当日券GETの為通い続け、結局この日以来6回見に行ったそうな。 閑話休題。 そんな浦井君はやっぱりすごく踊ってると思います。 馬車から飛び降りるのも浦井君だけだし、マイヤーリンクワルツでトーとダンサー達に翻弄されるシーンでも本当に翻弄されてるようにくるくる回されているけど、ああいうのって基礎が出来てないと綺麗に踊れないもんだし。 まだ線が細い印象があるけど、やっぱりルドルフは出世役なんだなーと思いました。 |
「エリザベート」 |
2005年9/3 於帝国劇場 |
トート:山口祐一郎 フランツ:石川禅 ルドルフ:浦井健治 ルドルフ(子):塩野魁士 来た来た、来ました!エリザシーズン。 初演から数えて一体・・なミュージカルで、今回は何故だか一ヶ月のみの上演。 しかも、ルドルフが復活の井上君を交えてのトリプルキャストだった為にそれぞれのルドに一回ずつしか週末が回ってこないというスケジュール。 いきなり、井上君のファンクラブ優先チケットが私を含めて回り中で外れるという憂き目に遭いました。 今までファンクラブ優先でチケット取れないなんて事なかったのに・・・! それだけ井上君ファンも増えたんだろうし、そもそもこのミュージカルの人気が高いという事なんだと思うのですが。 あちこちでチケット争奪戦を繰り広げた挙句、なんとか4回分をGET。 年々チケットとりにくくなっていくよなー・・・ さて。 井上君がルドルフを離れていた前回にあったキャストですね。 やっぱり石川さんのフランツは喜怒哀楽がはっきりしているというか、ある種割と怒っているというか・・ そんな印象が強いです。 そして、前シーズン内野トートしか見なかったせいで久々の山口トート。 踊ってへんし。 ただ、マントを翻す事で誤魔化す(笑)という技を身につけていました。 なので、棒立ちっていうか電信柱かお前は!(すみません、愛ゆえです)な印象が大分薄れていました。 前シーズンとそれほど演出で変わった点はなかったような気がします。(見落としはあるかもしれないけど) やっぱり、私はこの演出に落ち着いてからが一番良いと思うんですよね。 あー、あ〜〜っ例の電光掲示板が無くなってましたわ! 幕が開いてしばらくして、気づきましたよ! 私上演中に人に話しかけるって滅多にないんですが、こればっかりはつい言いたくなって言ってしまいました。 そうそう。 この日はすごく珍しいことが上演開始間もなくあって・・・それでこちらの空気もちょっと抜けたというか。 それというのも、最初の方の「パパみたいに」のシーンで、一路さんが歌詞を間違えてしまい、こちらも「ん?」位のミスだったんだからそのまま続ければいいのに、今度はそれでパパ役の村井さんが歌詞があるべきところで歌詞を歌わず、何故か『はっはっはっは・・』と高笑い。 それで更につられたのか、一路さんが明らかに舞台上で吹いてしまい、吹きながら無理やり歌い・・で思わず私も客席で笑ってしまいました・・が隣の友達も笑っていた。 もう、初見の人にはわかんないんだからそのまま行っちゃえば良かったのに〜〜。 それから、「民族主義者たちの台頭」シーンで、 ルドルフがフランツに「良く見てください!!」と言い、ドラムの音とともに舞台上の開きがが開き市民達が出てくるあのシーンですが。 そこで、開きが片側開かずに引っかかってしまいました。 「お?」と思っていたら、戻してやり直し。 この舞台を長年見てきてこんな事1度もなかったから珍しかったです。 |