エヴァンゲリオン完結編を見て
7月19日の感想
7月19日、早速完結編を見に行きました。
まだ見ていない方もいらっしゃるのでシナリオにはできるだけ触れずに感想だけ簡潔に述べます
1.短期間であれだけのストーリーを作り上げたことは高く評価できると思います。
特にインターネット上であれだけ結末予想が出ていた中で、謎解きも含めてス
リリングな展開と、かなり納得できる数々のメッセージ(心の補完について等、
詳しくはここでは述べません)が発信されていたと思います。
2.サードインパクトの発生は予想どおりでしたが、EVAシリーズ9体があのような
形で儀式に関与するとは意外でした。
リリスの関与についても同様です。テレビ放映でのオープニングイメージとの整
合性は(かなり強引でしたが)とりあえずは保たれているわけです。
3.発信されたメッセージは観衆に向けられたものである一方、そのまま庵野監督
の心の叫びだったように思えます。非常に生々しくかつ人間の核心をついており
見応えがありました。
4."I need you"のBパート(ラスト)は私にはかなり異和感を残しました。見終わ
ったあと、そのあまりにも強烈なイメージが頭の中に残り、強い不快感と共に、あの
ストーリーの意味を考えさせられます。
思うに、サードインパクトの結果、人類は滅亡し、心の補完が失敗に終わったもう
1つのシナリオではないでしょうか。
どんなに憎い相手でも、それがこの世に生きている最後の人間だとしたら、それで
も自分にとっては必要な人なのかもしれない、という暗示ではないかと思います。
もう1つの解釈として、これも一貫したストーリーと捉え、サードインパクト後の補完
プロセスの中で、シンジが現実世界をあえて選択した結果が実はこうだった、とも
考えられます。
いずれにしろ、またもやインターネットの論争の種となりそうな強烈な置きみやげを
庵野監督は残してくれたものです。
5.実写の挿入は私は良かったと思います。
アニメによる描写に限界を感じたというよりは、庵野監督にとっての新たな表現方法
の実験の第一歩という感があります。
エヴァンゲリオンはこれまで試みられてきた表現技法の集大成であり、今後新たな
挑戦を強いられる庵野監督は初めて先駆者として前人未踏の道を行くことになるの
でしょう。
さて、一応の完結を見たことにより、今後EVA熱が急速に冷めるのか、それともさらに熱気を帯びる
かはわかりませんが、私自身は映画が終わって突然、現実に戻された気がしました。
今後、完結編がEVA関連サイト主催者のみなさまに与えた「サードインパクト」に注目したいと思います。