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情報通信セキュリティ関連の書籍

日本語で読める情報通信セキュリティ関連の書籍が最近数多く出版されています。パソコン通信のフォーラムを始め、あちこちで機会があるたびに紹介してますが、ここでもセキュリティ関連、特にインターネット等を利用したり、企業・組織等でシステムに関係する管理者や技術者の方々等に読んで頂きたいものを中心にリストアップしました。勿論、これ以外にたくさんあると思いますが、できる限り自分で読んだ本を中心に紹介しました。

情報通信セキュリティ関連書籍
暗号関連書籍
 

 情報通信セキュリティ関連書籍  

署名 ISBN番号 著者名/翻訳者名 出版社 定価

独 断 と 偏 見 の 書 評

1. UNIXセキュリティ
 (Practical UNIX Security)
  ISBN4-7561-0274-3
  Simson Grafinkel/ Gene Spaford共著
  山口 英監訳 アスキー出版 4,800円

UNIXコンピュータの管理を行う人(システム管理者)が簡単なメーカー等の講習会に出席した後に読んでみて欲しいものです。こんな点に気を配らないといけないとかが良くわかります。

2. コンピュータセキュリティの基礎
 (Computer Security Basics)
  ISBN4-7561-0299-9
  Deborah Russell/G.T.Gangemi Sr.共著
  山口 英監訳 アスキー出版 4,800円

1と同様 UNIXのシステム管理者に読んでみて欲しいものです。こんな点に気を配らないといけないとかが良くわかります。また、米国国防省のセキュリティ基準(オレンジブックと通称されているもの)についての記述がありますので、セキュリティ基準等を参照したい方には便利なものです。(もっとも、最近はコモン・クライテリア[CC]が話題になってきましたので、そちらを参考にすることになるのでしょうが)

3. カッコーはコンピュータに卵を産む
 (The Cuckoo's Egg)
  ISBN4-7942-0430-2
  Cliff Stoll著 池 央耿訳
  草思社 上下:各1,900円

たった75セントの相違から、西ドイツのハッカー(ソ連に情報を売っていた)を逮捕するまでのノンフィクションです。システム的な話もありますが、わからない所は無視して読んでも面白いものです。

4.シークレット・オブ・スーパーハッカー
 (Secrets Of SuperHacker)
  ISBN4-8207-1133-4
  ナイトメア(The Knightmare)著
  松藤留美子訳
  日本能率協会マネジメントセンター 2,800円

コンピュータに多少とも関係する方々には是非とも読んで頂きたい1冊です。他を読む時間を割いても、ぜひこの本を読んで欲しいと思っています。こんな書籍を出版すべきでないとの声も一部にあるようですが、国内でも(悪い意味の)ハッカー達は当然この程度の事は既に知っているはずです。これを読んでショックを受ける人はむしろコンピュータ関係の人々ではないでしょうか? そのような方々の必読籍と言っても過言ではありません。

5.ハッカーを撃て!
 (The Cyberthief and the Samurai)
  ISBN4-483-96105-9
  ジェフ・グッデル(Jeff Goodell) 著
  杉浦 茂樹訳
  TBSブリタニカ 1,600円

伝説の大物ハッカーであるケビン・ミトイックを捉えた日系2世の下村努の事件を第三者としての立場から冷静に見つめた書籍です。6及び7で紹介している書籍を含めて、3冊を読んでみる事をおすすめします。 それぞれの立場での微妙な立場の違いがよく理解できると思います。

6.テイクダウン(Takedown)
  下村 努 ジョン・マーコフ(John Markoff)著
  近藤純夫訳  ISBN4-19-860501-7
  徳間書店
  上下 各1,500円

 伝説のハッカーケビン・ミトウィックを捕らえたセキュリティ専門家で、日系二世の下村努とニューヨークタイムズ記者のジョン・マーコフ共同で執筆した事件の内容。

7.FBIが恐れた伝説のハッカー
 (The Fugitive Game)
  ISBN4-7942-0727-1
  ジョナサン・リットマン著
  東江一紀訳 草思社 上下 各1,957円

 上記5,6が第三者、犯罪者を捕らえた立場からの記述であるが、こちらはケビン・ミトウィック側から記述されたと言えるもの。ケビンの立場が決して悪事を働く大物ハッカーでなく、仕組まれた事件の逮捕者だとの主張を述べている。

8.ハッカーは笑う(Cyberpunk: Outlaws &
 Hackers on the Computer Frontier)
  ISBN4-87188-387-6
  Katie Hafner, John Markoff著
  服部 桂訳
  NTT出版 2,800円

色々なハッカーの話がでてきます。ケビン・ミトイックの話、3で逮捕された西ドイツのハッカーの話、インターネットにワームを放ったコーネル大学院生とコンピュータセキュリティの大家である父との話等が書かれています。
 

 

 暗号関連の書籍も最近の電子商取引や電子マネー等の関連で大きく注目されてきました。

 暗号関連書籍          

署名 ISBN番号 著者名/翻訳者名 出版社 定価

独 断 と 偏 見 の 書 評

1. 情報セキュリティの科学
  ISBN4-06-257055-6
  太田 和夫 黒澤 馨 渡辺 治 著
  講談社 ブルーバックス 760円

暗号に関して身近な例を引きながら、解説している暗号入門書。色々な例を読む事により、暗号の仕組みが分かるが、暗号の難しさもまた読後に感じる書籍である。暗号について知りたいと思っている人が最初に読むものとしてあげられる。

2. 暗号
  ISBN4-06-258073-X
  辻井 重男著
  講談社 選書メチエ 1,500円

上記1を読んだ後に、読むのに向いている書籍。公開鍵暗号方式での具体例を実際に10進素数を用いて説明しており、この点等を含め暗号に関して初心者には格好の書籍と言える。(もっとも、著者からは1の次に読む書籍ではないとの指摘を受けているが・・・)