2007年06月30日(土曜日)

 (23:01)黙っていれば膨大に貯まる本。大部分買って増え、そしてもらっても増え。年に数回は「どうしよう」と悩む。

 今回もいろいろ考えた結果、ブックオフに買い取ってもらうことにしました。そのまま家に置いておけば、私の部屋がパンクする。荷もたれ感が凄い。どこかに送るわけにもいかない。図書館に寄付するにも、持って行ける冊数は限られている。図書館も迷惑だろう。私が買ったような本は既に図書館にもある。

 ネットで売りに出しにしても、一冊一冊出すのは写真をとったり大変な時間と労力がいる。本当は金銭的にも、一冊一冊丁寧に扱っているという気持ちになるにもその方がいいのでしょうが、ちょっとやってられない。

 で「どの本を手放すか」をここ数日で選別していてほぼ終わったのですが、本には皆思いが入っている。本を買うときはなぜか「何が書いているのだろう」「自分の知らないどんな世界や論理が展開しているのか」といつもワクワクする。そのワクワク感を手放すのは実に悲しい。一冊一冊に「いつ買ったか」の記憶があるものが多い。しかし、全部を保持し続けるのは無理。

 今回は相当思い切ってブックオフさんに持って行ってもらうことにしました。また別の読み人が手にとって新たな何か(知識や感動)を得てくれれば良いと。50冊以上が訪問の条件ですが、今回はちょっと多い。

 しかしふと思ったのですが、以前より本を手放すことの喪失感は低下しているように思う。以前は本は百科事典のようなもので、それを手放すことは知識の宝庫を手放すような感じもした。「調べたいときになかったらどうする....」みたいな。しかし今はその感じはない。

 ネットの影響もあるのかも知れない。何らかの専門用語を調べようとしたら、どんな本や事典よりもネットが容易で、かつ最新だ。自分の本を手放しても、図書館に行けば揃っているし、図書館でも以前よりは本を見つけるのは容易になった。

 だったらそれほど買わなければ良いのですが、やはり本を読んでいる時間は実に楽しい。良い本に当たればなおさらだ。新幹線で大阪に行き帰りしているのも、考えてみれば本を読みたいからだ。

 ブックオフが本をもっていってくれたら、部屋はスッキリする。増やそうとは思わないが、また一年たったら本はどっさり貯まる。「/(-_-)ヽ コマッター」という状況になるだろう。繰り返しだが、まあそれはしゃあない、と思う。


2007年06月29日(金曜日)

 (17:01)朝鮮総連本部を巡る事件は、分からない点が多い。検察は「詐欺事件」での立証を試みるが、緒方さんは「事件にはならない」と否認している。満井被告の役割、総連側の認識など今後解明される問題は多いだろう。否認はしても、実態のないファンドのトップになることを含めて、緒方さんがやったことの多くに問題があったことは間違いないと思う。

 こうした中にあって、筆者は二つの「一般的認識」について「それは違うかもしれない」との見方を持っている。その一つは、公安調査庁の長官までやった人間がそんなことをするはずはないし、やった場合に自分が陥る罪の世界は容易に想像できたはずだ、という意見。これは非常に常識的だし、広く見られる。もう一つは、あの朝鮮総連が易々と騙されるわけはない、という見方である。

 まず第一点。公安調査庁の長官までやったのだから法律のプロだろうと思うのは、部分的には合っているが、部分的には間違っている。大部分の検察の検事は刑事事件には数多く取り組んでいるから詳しいが、民事はとんと疎い。多分緒方さんもそれに近い。民事に疎いのに退官して弁護士になるとどうなるか。

 これは今朝の新聞にも書いてあるが、かつて検察の高い地位にいたから民間から尊ばれる弁護士になれるかというと極めて怪しいし、そうなってはいない。そもそも民事には疎いからだ。弁護士がお金を手に出来るとしたら、圧倒的にM&Aなどの民事である。なかには収入ががっくりと落ちる人もいるだろう。そこで怪しい事件に手を出し、そこで怪しい輩と手を組む人も出てくる。緒方さんがそうだったと言われる。

 かつ緒方さんは、様々な付き合いの中で大きな借金を負ったと言われる。公安調査庁の長官をやったからといって、世事に長けているとは言えない。怪しい輩は長官にとってかつては取り調べの対象ではあったが、一方退官後の現実の中で会えばお金を持っている輩でもある。退官後は黒い車もなくなるし、秘書もいなくなる。退官後、退職後もこれが欲しい人は山ほどいる。役職を退いた後もそれを確保しようとしたら、天下るか、お金を持つしかない。

 借金に追われていたという状況に加えて、様々な情報を総合すると緒方さんには「スーパーマン・シンドローム」(この言葉は、スタンバイの中で私が使ったもので、「自分は万能であり、決して捕まらないとう自信を指します」)に取り付かれていた可能性が強い。今朝の新聞によると、元長官は「公安調査庁の長官、高検検事長をやった人間を、誰が捕まえられるのだ」しばしばと嘯いていたという。

 役職中は借金に追われたこともなく、部下から傅かれていた緒方さんが、退職後の環境激変(巨額の借金、かつての役職への過信)の中で、「悪を犯しても大丈夫」という間違った思いに連れ込まれたとしても、私は不思議ではないと思う。大体が犯罪者は、「自分だけは大丈夫」と思って犯罪に手を染めるはずだ。かつての役職で今のその人を理解しようとするのは、その人が置かれた環境の変化を見落としていると思う。

 第二に、朝鮮総連がそんなに簡単に騙されるのか、という意見。私はこの機関とはいかなる接点もないが、かつて取り組んだ人の話しを聞いていると、確かに一昔前は相当強面な、そして時に極めて誘惑的な組織だったらしい。お金も集まっていたし、神秘性もあった。

 しかし今はどうだろうか。拉致の問題が表面化した後は、資金も集まらず脱会者も続出し、そしてある意味で北朝鮮指導部からの見放しにもあっていたと思われる。拉致の問題を引きずっている限り、総連には昔ほどのパワーはなくなったとも考えられる。そういう環境の中で今回の事件は起きている。

 この問題は、今後ともいろいろな新事実が明らかになるでしょう。もっともっと「裏」が出てくるかもしれない。しかし、折りにつけ思うのは、「そんな筈は」ということ自体を疑う目を持った方が良いのではないか、という点。今回の事件そのものが、「そんな筈は」の領域から出てきているからだ。


2007年06月29日(金曜日)

 (04:01)景気認識とインフレ認識をともに若干良い方向に変えた、というのが今回のFOMC声明なのでしょう。伝わってくる雰囲気は、現行5.25%の金利の維持。これを好感して、ニューヨークの株価は昨日上げた後も、この日も若干上げている。

 景気に関しては、前回の声明では「今年第一・四半期は鈍化した(economic growth slowed)」となっていたのを、「(住宅市場の進行しつつある調整にもかかわらず、経済成長はまずまずであったように見える(Economic growth appears to have been moderate during the first half of this year)」とした。これは印象が随分違う。「despite」(住宅市場の不振にもかかわらず)ですからね。

 インフレに関する記述は、「elevated」が外されるかどうかに注目が集まったのですが、これは外された。今回はどうなったかというと、「Readings on core inflation have improved modestly in recent months」となった。前回までは、「Core inflation remains somewhat elevated.」だった。

 実際にアメリカのコア・インフレ率はFRBが目標とする上限の2%近傍に下がってきているから、もう「elevated」とは言えなかった、ということでしょう。しかしその後にFOMCは興味深い一文を付け加えた。

However, a sustained moderation in inflation pressures has yet to be convincingly demonstrated.
 「インフレ圧力が今後持続的に低下していくかどうかの確信は、今後に得られる問題である」とでも意訳できる。裏返せば、「elevated」な状態からは脱したが、このままインフレ圧力が低下するかどうかは、まだ確信できないと言っている。であるが故に、従来通りFOMCの政策運営に関する主要な関心は、「インフレが予想通りに低下しないリスクと取り組むことである( the Committee's predominant policy concern remains the risk that inflation will fail to moderate as expected)」となる。

 実にうまく表現を変えるものですね。FOMCの前回の声明は、ここにあります。今回の声明の全文は以下の通り。

Release Date: June 28, 2007

The Federal Open Market Committee decided today to keep its target for the federal funds rate at 5-1/4 percent.

Economic growth appears to have been moderate during the first half of this year, despite the ongoing adjustment in the housing sector. The economy seems likely to continue to expand at a moderate pace over coming quarters.

Readings on core inflation have improved modestly in recent months. However, a sustained moderation in inflation pressures has yet to be convincingly demonstrated. Moreover, the high level of resource utilization has the potential to sustain those pressures.

In these circumstances, the Committee's predominant policy concern remains the risk that inflation will fail to moderate as expected. Future policy adjustments will depend on the evolution of the outlook for both inflation and economic growth, as implied by incoming information.

Voting for the FOMC monetary policy action were: Ben S. Bernanke, Chairman; Timothy F. Geithner, Vice Chairman; Thomas M. Hoenig; Donald L. Kohn; Randall S. Kroszner; Cathy E. Minehan; Frederic S. Mishkin; Michael H. Moskow; William Poole; and Kevin M. Warsh.


2007年06月28日(木曜日)

 (19:01)番組の関係で目を通し始めたのですが、このレポートはなかなか面白い。「2007年の世界の人口の状態」と題された国連人口基金のレポートで、人類の歴史始まって以来、2008年は世界人口の半分が都市に住むことになる非常に象徴的な年だと説く。

 なにせタイトルが、「Peering into the Dawn of an Urban Millennium」ですからね。日本の新聞の見出しは今日見た範囲では「66億」が多いように思う。しかし私はタイトル通り、「人類の半分が都市に住む」という方に興味があるな。東京が1200万とか足していって、いったいいくつの都市が必要かと数えてしまいますね。単純な計算ですが、300が必要。そんなに都市あったっけ、みたいな。

 このレポートはそれほど都市に世界の人口が集まることのデメリットにも触れているが、メリットにも触れている。日本もそうだが、先進国の経済成長は「都市化」とともに進行したと指摘し、成長と貧困からの脱出は都市化の中でなし得ると述べているのが特徴。

 私がいつも思うのは、日本は世界の中でも戦前、戦後を含めてスラムを持続的に作らなくて農村から都市への人口移動を行えたという点でやや特徴がある。インドでも中国でも南米でもアフリカでも、都市化のプロセスの中で都市のかなりの部分のスラム化(この報告書の言葉借りれば”貧困の集中”)が発生した。ムンバイのスラムを見れば一目瞭然です。

 だから都市化が直ちに「貧困からの脱出」を意味するわけではない。しかし、都市化の中に成長の種があることは確かです。もう少し読み込むことにします。


2007年06月27日(水曜日)

 (19:01)まだ最終ではないので日本の新聞に載ることもないのですが、今朝ウォール・ストリート・ジャーナルをチェックしたら以下の見出しが。

 「Dow Jones, News Corp. Agree On Set of Editorial Protections

 ということは、同紙を発行しているダウ・ジョーンズ社がウォール・ストリート・ジャーナルの編集権で保護を勝ち取った上で、オーストラリアのニューズ社にほぼ売り渡されることになる、ということです。この件に関する短い記事の書き出しは以下のようになっている

Dow Jones & Co. and News Corp. have agreed in principle on a set of editorial protections for Dow Jones, according to people familiar with the matter.

While there remained some "open items" to be resolved, the two sides had essentially finalized the last points on the agreement Tuesday morning, these people said. The accord paves the way for the sale of the publisher of The Wall Street Journal to Rupert Murdoch's media conglomerate for about $5 billion.

 なんか寂しいし、嫌か感じがするな。イギリスのメディアのいくつかも、そして今度はアメリカを代表する経済紙発行・情報発信会社のダウ・ジョーンズも、マードック帝国の軍門に下る。アメリカサイドの企業連合がダウ・ジョーンズ対抗買収に乗り出したのだが、結局うまくいかなかった。

 編集権の保護がどのような形でなされるのかが注目です。英紙に関する合意はあまり機能しなかった。ウォール・ストリート・ジャーナルの場合はどうか。世界的に進む資本の統合はある意味では資源の有効活用に役立つが、メディアのようなものについて言うと、危険な臭いがする。

 20世紀の初めからダウ・ジョーンズ社を支配してきたバンクロフト家の人々は何が欲しかったのか。まず株価の上昇が欲しかった。それがかなわないとなると、今度は売却を念頭にマードックなどとの交渉を進めた。結局お金が欲しかったと言うことでしょう。50億ドルという数字が出ている。

 ウォール・ストリート・ジャーナルの編集記者などは反対し、編集権の保護をある程度勝ち取ったが、その詳細は今後発表される、という構図。日本はそういう意味ではメディアの資本統合はあまり進んでいない。結構健全な姿かもしれない。


2007年06月26日(火曜日)

 (19:01)ビデオでとっておいた日曜日のNHKの「新シルクロード」(”祖国へ”でしたっけ)を見ましたが、素晴らしいドキュメンタリーでしたね。イントロの「なぜあなたはここにいるのか」に対する「一言では言えない」も、「あなたの祖国はどこですか」に対する「今それを探している」も、凄まじいタイミングでしか実際には撮れない映像。もしあれが自然だったとしたら、素晴らしい。ゆったりと、時間をかけて作った映像です。

 ストーリーの仕立ても感服するものでした。スターリンがもたらした歪んだ民族政策で意図せずしてカザフスタンに連れられてこられた人達、そしてほぼ強制労働に近い集団生活から中国へ脱走した男性の子孫達の故郷への旅。カザフスタンに住む朝鮮族の人々の悲しい物語も、気持ちを打たれるものでした。行ってみたいですね。民族の交差点でもあるし、そして歴史の中で無理矢理交差させられた人達が住む土地。チェチェン人のあのお父さんの気持ちは、立たされた立場の難しさ故でしょう。

 人間は一度そこに住み着くと、そこが故郷になる。しかし祖先はそこから何千キロも離れていたところに住んでいた。ではどこが故郷か。これからも期待したいシリーズです。これぞNHKという番組で、ああいうテレビ番組なら作ってみたいなとも思いました。

 ところで、新幹線の中で「現代の貧困」という本を読みました。なかなかまとまっていて良い本でした。格差論ばかりが注目される今ですが、問題の本質は格差の固定化が社会としても存在が容認できない貧困につながるということではないのか、その意味で「貧困こそ問題」というのは当たっている。

 「貧困」の定義は確かに難しい。経済状況から、多くのケースにおいて普通の社会生活から排除されることの多い人という説を私ならとるな。貧困が問題なのは、社会の分断をもたらし、最後には政治的不安定の原因になるからだし、この本が指摘するように常に「発見」する努力をし、できうる限り人道的にもなくする努力をする必要があると思う。ただただ援助するだけではなく、自立に繋げる形で。

 最後の3章(5、6、7章)がじっくり読める。その章が扱っている問題は、社会情勢の変化とともに変わる。「貧困とは何か」について漠然と考えていることを明確化できるのが良い。185ページの『貧困と社会問題との関連性が見過ごされて、「豊かさの病理」や中流家庭の事件ばかりに私たちの目が引き寄せられ、「心の闇」の解明ばかりに力が注がれ.....』というところは、なるほどと思いました。実際に起こっている様々な事件の件数からすれば、「貧困との関連」を無視するのはやはり無理でしょう。ただし中流家庭の問題がより多く取り上げられるのは、それが珍しいからと、メディアの対象がやはり「中」を狙っているからだと思う。

 職業訓練や学び直しの重要性を強調している点は、私も従来から主張していたことで、納得できる。今は世界中の政治指導者が「教育大統領」や「教育首相」になりたがっている時代です。それほど教育は重要。学び直しの期間は生活保護を、というのも頷ける。そうしないと、学び直しは不可能です。

 第5章の「不利な人々」のところは、「だからどうすればよいのか」という点が難しい。いろいろと考えさせられる本でした。


2007年06月25日(月曜日)

 (10:01)環境の問題と取り組んでいると、「どうしてこんなに欧州の立場が先進的で、大きいのだろう」と思うことがある。日本と欧州は似ているところがある。以前にも書いたが、ともに早い時期に公害に直面し、その解決を迫られた。狭い土地に多くの人間が住むという置かれた状況が同じだったから、人間の住んでいないところで処分すれば良いという考え方が出来なかった。

 アメリカも産業化では欧州や日本に劣らない。しかし廃棄物を処理する場所はいくらでもあったし、人口密度も高いわけではない。だから筆者はアメリカ人の環境に対する考え方は、やはり欧州、日本にはややラグしたと思っている(今はだいぶ違う)。欧州には酸性雨の問題が早くからあったし、当然この問題は国境を超えるから域内で凄まじい駆け引き、外交交渉が必要だった。

 日本はmade in Japan の公害だったから、外国との交渉といったことは必要ではなく、企業が、そして政府を含む公共団体がどう取り組むか、という問題が大きかった。だから日本は環境に関する技術の育成に集中したと言える。それ故に、外に出して役立つ技術が日本では大きく花開いた。

 欧州で花開いたのは「枠組み作り」だった。7月号の「Foresight」には、「”国際標準製造マシン”EUが世界を牛耳る」という記事がある。この記事には、欧州の先手、日本の後手という今の状況がよく表現されていて、その具体的例として欧州が今年の初めに打ち出した「GHG(地球温暖化ガス)の2020年までの20%削減(1990年基準)」提案の衝撃(霞ヶ関に与えた)が書き出しとなっている。

 欧州では簡単に国境を超えた公害。その公害にいかに取り組むかのノウハウが、世界の舞台での環境問題での取組で常に一歩進んだ、世界をリードする動きに繋がっている、という記事だ。安倍首相は「2050年にGHGを半減」という自分の提案がサミットで採用されたと自慢していて、確かにそういう面はあるが、最初から欧州とアメリカを妥協させるための曖昧な提案、という意味合いが大きかった。基準年も明確化していないのだから。世界がそれを評価したという記事を読んだことはない。

 欧州からは環境に関する次々の、日本の産業にも影響を与える提案が出ている。例えば Foresightにも出ている「REACH」だ。「Registration, Evaluation, and Authorization of Chemicals」から取った言葉で、今年6月に欧州連合(EU)が施行を決め,2008年に運用開始予定。英文を見れば分かるとおり、化学物質に関する規制のことで、欧州で流通する製品に含まれる約3万種類の化学物質の毒性情報などの登録・評価・認定を産業界に義務付けるというもの。

 重要なのは、日本企業であろうとアメリカ企業であろうと、欧州に輸出をしている企業すべてがこの規制を満たさねばならない、という点である。4億人の消費者を抱え、さらに拡大しつつある欧州の強みだ。企業は一端規制が決まれば、それに企業の基準をあわせようとする。その結果は、EUの基準が世界標準になる可能性が高い、ということだ。欧州はこの一連の流れを、欧州企業にとって有利と判断していることだ。

 「REACH」は化学物質だが、同じような規制はコンピューター、家電製品に適用される「RoHS」にも言える。「Restriction of Hazardous Substances(危険物質に関する制限)」から来た言葉で、より具体的には「the restriction of the use of certain hazardous substances in electrical and electronic equipment」となる。

 日本は当然欧州に大量のエレクトロニクス製品を出しているから、そこに

  1. 鉛 :1,000ppm以下              
  2. 水銀 :1,000ppm以下
  3. カドミウム :100ppm以下
  4. 六価クロム :1,000ppm以下
  5. ポリ臭化ビフェニル (PBB) :1,000ppm以下
  6. ポリ臭化ジフェニルエーテル (PBDE) :1,000ppm以下
 などが入っていてはいけないとなっている。これは今年の7月1日実施。これら以上の製品はEU全域で販売できなくなる。もし,有害物質が一定量以上含まれた製品を販売していることが分かれば,罰則が与えられる。ポイントは企業に立証責任がある、ということだ。EUが決めた規則で、日本やアメリカの企業も右往左往という状況が生まれているのである。欧州の力は強い。規制で先行することが、その国の企業の優位さに繋がるというのは、排ガス規制などでもあったことだ。

 欧州の強さに関しては、今朝の日経新聞の「核心」に興味深い記事がある。日経主幹の岡部さんが書いた記事で、『いまなぜ「欧州の時代」か』と題されている。最初から多極の中で生きてきた欧州は、冷戦が終わって多極化した世界では力を発揮できる、という分析だ。EU自身が外向きになったことも大きいと。確かにEU自身が拡大の最中にある。

 ユーロの信認も進んでいる。今朝は対円で166円85銭だ。80円台のユーロ・円を見ている人間いは信じがたい。「インフレ抑制、財政規律など加盟条件を満たすため各国がピアプレッシャーをかけ合いながら、改革努力を続けた」ことが大きいと。「ピア」とは「peer」でしょう。「peer pressure」とは「仲間内圧力」。日本にはないものだ。

 『「欧州の時代」から目を離すと、世界の潮流を見誤る』とこの記事。そうだと思う。今までは世界標準はアメリカが決めていた面があった。しかし欧州はパワーを付けている。中国からの汚染空気で光化学スモッグに直面する日本の「peer pressure」の鍛錬は、これからである。


2007年06月24日(日曜日)

 (23:01)「横領、全国で実態調査」という記事を見て、「ここまできたか」と。驚いたのは、社会保険庁関係で年金保険料の横領は既にかなり発覚しており、その総額は1億1000万円に達しているという。

 加入者から受け取った保険料を国庫に納付せずに着服していたり、架空の被保険者記録を職員が作って自ら開設した金融機関口座に年金を振り込ませていたケースなど。それらは、宙に浮いた年金とは別に問題になっている「消えた年金」の一因になっているというから驚きだ。

 改めて言うまでもなく、このことは社会保険庁という組織がいかにいい加減、杜撰だったかを端的に示している。保険料の徴収に当たっていた社会保険庁の市町村職員ばかりでなく、同庁の地方出先機関も今回「横領がなかったか」の調査対象になると言う。

 払う方からすれば、「横領される」なんて当時考えもしなかったでしょうね。だって市町村の一応役人なわけですから。銀行員が顧客から預かったお金を着服するというのはたまにある話でけしからん話ですが、年金を着服するとは。公社型の「機構」にした具体では、この組織は治らないんでしょうな。

 その上で、全被保険者の記録再調査が必要かも知れない。


2007年06月23日(土曜日)

 (14:01)いつも思うんですよ。日本で「ちょっと厳しい」と思われた選手がちゃんとメジャーリーグで活躍する。処変われば....ということか、と。

 岡島の防御率がついに0.98に。22日の対パドレス戦の8回に投げて、3人を危なげなく料理。前回1.0を切りそうだったときに跳ね返されて悪化していたのですが、今回はクリアにパス。試合を見ていたのですが、全く危なげない。岡島は日本にいるときは、見ていて「なんか危ない」と思える選手だったのに。

 防御率の1割れというのは、考えれば凄いことです。9回投げて1点取られないと言うことですから。つまり、自軍チームが最少得点の1点で勝てると言うこと。それだけ成功していると言うことで、むろんメジャーの中継ぎ投手の中で最高の成績。素晴らしい。

 見ていないが、桑田は今日も三分の二を無失点で乗り切ったらしい。一軍定着の可能性が高まった。桑田は考えれば昨シーズンもその前も、ほとんど使ってもらっていない。使ってもらっても打ち込まれていた選手。それがアメリカでは39才の年齢でちゃんと通用している。アメリカのマスコミも注目する選手になりつつある。

 日本でほぼダメ印(失礼)を押された選手が、なぜアメリカで成功するのか(すべてではありませんが)、は研究するに値する。目新しいと言うこと自体が、ある意味では力です。例えば昔からジャイアンツは初物に弱い、と言われた。ということは1年目はデータがない。両方がそうなのですが、ピッチャーの場合は特に最初は球筋が読めない方、つまり打者の方が不安なのかもしれない。むろん、最初から力がなければならない。その上で、という話です。

 一方で、現役で必ずしも力は落ちていないと思われる選手がいっても、通用しない場合もある。例えば、井川は22日の対サンフランシスコで4回の三分の二(2死まで)を投げて、「勝利投手」にあと一人のところだったのに、交代。冷酷だがしょうがいないかなという展開。

 5−0でリードしていたのに、ヒット、その次二塁打でまず一点。その後四球などでボンズを迎える時点で満塁。そこで押し出し。これで5−2。せっかく4回まで良かったのに、これでまた「信頼は戻らず」の状態。同時進行していた松坂とほぼ同時に勝利投手の権利獲得と思ったのに、一人は通過し、一人は交代。これが力か。松坂は2−1で結局勝ち投手。9勝目。

 まあでも心情的には、桑田であり、岡島が活躍してくれるのは本当に嬉しい。松坂クラスは実際に力があるから買って当たり前の面がある。井川も気持ちの持ち方一つだと思うのだが。松井にはもっと「爆発力」を期待したい


2007年06月22日(金曜日)

 (15:01)久しぶりに梅雨らしいしょぼふる雨の中、お昼は六本木ミッドタウンへ。ここのオーナーとの食事の約束があったため。

 ミッドタウンの中のガレリアに、人形町の今半が出した喜扇亭があり、そこが目的地でしたが、それよりも驚いたのはガレリアの各レストランにはほぼすべて例外なく長い列。しかもその列は90%以上女性が構成員となっていた。日本で時間とお金を使え、かつ好奇心があるのは女性というのがよく分かった。ミッドタウンは驚くくらい女性の”島”になっていた。

 むろん男性もいる。しかし彼らはどう見ても「女性に連れられてきた人」でした。東京駅の近くの新しいビルが開いたときもそうでしたが、日本女性の好奇心パワーは凄い。

 オーナーと久しぶりに昼飯を食べたのは、一つは仕事の話があったため。非常に大きな意味で投資教育に役立つようなビデオを作らないか、というあちらからの話。近々やろうという話になったが、何か具体的なことが決まったわけではない。まあそのうち実現するでしょう。

 ラッキーなことに、彼が出した最新の本資産設計塾 外貨投資編を頂いた。この本は ISBN:9784426103316 (4426103312)で、自由国民社から。まだ読んでないので何とも言えませんが、もっぱら本の内容を「外貨」に絞っている。そういえば最近は円安が進行している。

 今の相場を見ると、ドル・円が124円近く、スイス・円も100円に近く、ポンド・円は247円に近い。この円安がもっと続くのか、それもと反転して徐々に円高になると予想するのかが一番の分かれ目ですが、その辺についてなんて書いてあるのか。ちょっと読むのが楽しみです。

 喜扇亭での食事はちょうど座った席が桧町公園が丸見えの良い場所で、人形町の本店と同じようにカウンターで。ここでの昼飯は必ず「シェリー酒焼き」ですが、ミッドタウン店にもあって、久しぶりでした。本店は確か2800円くらいでしたが、ミッドタウンは3300円。オーナーがご馳走してくれるというので。ちょっと調理手順が違っていましたが、おいしさは同じ。

 同じ「シェリー酒焼き」のメニューが、夜は6825円とプライス表には出ていた。だとしたら昼の方がお得です。だいたいが昼のメニューは、「夜も来てくださいよ」ということで、サービス価格になっている。うーん、夜景があるから夜の方が綺麗かもしれないのですが.....


2007年06月21日(木曜日)

 (15:01)今月末から、月二回のペースでこの環境関連ページに約2000字のエッセイを掲載することになりました。昼に日経BP社の深尾さんと話をして決めたもの。

 実は私もこのページに関しては今まであまり知らなかった。深尾さんからのメールがあって初めて見たのですが、ページビューはもうかなり行っていると言うことです。言うまでもなく経済を見る立場の人間としても、これからは環境に配慮することによって可能になる sustainability(持続可能性)は極めて重要です。特に私は頻繁に行っているという意味で、「中国とかインド経済と環境」といった観点で定期寄稿していく予定です。

 ところで今朝の日本の一部の新聞には載っていますが、昨日のFTの一面に小さく載っていた「BlackBerry ban for French cabinet」は興味深い記事です。何かというと、フランスは、新しく誕生したサルコジ大統領府の人間、およびその支配下の内閣の閣僚に対して「ブラックベリーを使ってはならぬ」というおふれを出したというもの。

 ブラックベリーは私が知っている限りアメリカのビジネスマンの8割は持っているでしょうか。5月にアメリカに行ったときも、バスや電車の中では皆これを持っていた。ヨーロッパでも非常に広く使われている。たぶんフランスでも「大統領府の人間や閣僚までが使うツール」となっているのでしょう。それを禁止すると。

 理由は「interception」、つまり「盗聴やメールの覗き」です。第三者による。しかしこの場合に「第三者」と言えば、それは「アメリカと、その仲間のイギリス」を想定している。つまりエシュロン・メンバーです。フランス政府は、「ブラックベリーのサーバーはアメリカとイギリスに置かれている。よって仏閣僚同士のメールによる重要情報のやりとりなどが、筒抜けになる危険性がある」というもの。

 フランスではTOTAL(石油会社)なども従業員にブラックベリーの使用禁止を命じているというが、さて日本では最近使われ始めました。どう考えるべきか。また日本政府はどう考えているのか。私は使っていませんが。


2007年06月20日(水曜日)

 (22:01)大阪から帰ってきて知り合いの銀座の店で軽く食事した際に「大阪の新地は6月は酷いと言っていますが....」という話をしたら、「銀座もとんとだめ。酷いもんだよ」と。しばらく「何故か」という話になった。

 新地と銀座の店の景気は、一種の街角景況感だから傾聴に値する。20人弱は入る、まあ結構お客が入っている店なのですが、特に今週に入ってお客がほとんどこないのだそうです。新地も総じて悪いそうですから、東西の主要都市で6月に飲食店街の大幅ダウンが同時に生じていることになる。これは景気の悪化を意味するのか。

 まあ日本の経済指標を見ても、大企業の景況感などは悪くなっている。しかし今日も株価は上がって、市場は強い。そこでああでもない、こうでもないという話になったのですが、長く店をやっているご主人が面白いことを言っていた。

 選挙はよくないんだよ。長くやっているが、選挙が近づくと、さっぱりお客が来なくなる。ずっと昔からそうだよ....
 選挙だと人もお金も動くと思いがちだが、そうではないらしい。彼は「痛くもない腹を探られたくないからかな」と。彼曰く「株価は政治家が動かしているんじゃない」と。まあ私はそうは思いませんが、景気の若干のかげりの割には、日本の株価は元気です。今日も最後利食われたが、日経平均で50円弱上がった。

 たぶん株主総会のピーク前後に当たっている、ということも銀座や新地の飲食店の不振に繋がっているのかもしれない。総会に関わっている企業人は、皆忙しい。

 しかしこれは毎年のことなので、彼らが予測できていないはずがない。としたら、景況感の悪化の先駆けか。一つ考えられるのは、年金問題など非常に身近な問題が大きな話題になっているときだけに、「景気が良い」などと言っていられない雰囲気が出ているのかもしれない。

 いずれにしても、日本の代表的な二つの繁華街の、6月に入っての不振の意味は考えてみる必要がありそうです。


2007年06月20日(水曜日)

 (16:01)新幹線の中で、一冊また本を読みました。実はこの著者は、今週亡くなられた。その通夜に行かれた旧知の知り合いのAさんから大阪でもらったもの。

 「追憶の香港ーある商社マンの香港駐在三十年の軌跡」というのです。鉄鋼専門商社の駐在員として30年も香港におられた方の回想録。ほとんど自費出版のような形で出されたのでしょう。しかし、30年も香港におられた回想、追想、追憶を一冊の本にまとめられた、と私は理解しました。ある意味で間に合って良かった。何かを残すというのは重要なことです。

 水飢饉の話しなどは近未来の日本の都市でもあるかもしれない、といった感じで読みました。香港には以前は何回も行きましたが、最近は行っていない。中国への返還後はどう変わったか興味があったのですが、この本は日本がまだ経済大国になる前から海外で苦労された一人の商社員の歴史が刻まれている。夜の活動などは面白かったな。あれでも書かれていないことが多かったんでしょう。

 個人出版的な本を読むのも好きなんですよ。そこには飾らない、ある生きた人の歴史がある。自費出版などする人は、結構脚色しないで自分史を書き連ねるような気がする。それが良いのです。

 本を読んでいて、「香港の臭いがするな」と思いました。30年もいらっしたら、「香港吾郷」なんでしょう。それにしても、「50年は変わらない」後の香港はどうなるのか。ちょっと先の話しですが気になりますね。


2007年06月20日(水曜日)

 (08:01)関西は東京よりはちょっと梅雨空ですかね。火曜日の午後来たときには、「これこそ梅雨空」と思ったのです。雲が重くたれ込めて。しかし大阪の人に聞くと「午前中は晴れていた」ということで、そう言えば水曜日の朝も非常に綺麗に晴れている。その後少し曇ってきましたが。

 関西に来るといつも心配になるのが、「四国の水不足」。早明浦ダムはどうなったのだろう、と考える。貯水率は30%を割っていると思った。なにせ何年前か忘れましたが、松山に出張したらホテルでも「お風呂は控えてください」というくらい深刻だった。あとは福岡ですかね、水不足が起きやすいと言えば。

 日本は梅雨と秋の台風で水分を補給してきた。その片方が弱くなるのは各地方にとって大きな打撃です。日本は世界でも珍しい水の豊富な島ですから、いつまでも水の豊かな島であって欲しいと思います。

 ところで、火曜日から水曜日にかけてですから大阪に来ているのですが、どうも大阪の6月は元気がなかったらしい(まだ終わっていませんが)。日本の景気を見ている人間としては、「なぜ」とちょっと気になるのです。「パチンコ屋もない、飲食店だけの全国的にも珍しい街」とタクシーの運転手さんが表現する北の新地を代表地にするとです(そう言えば北新地にはパチンコ屋さんもない)。

 「そりゃようない。元気づけよう」ということで、火曜日は東京からの出張者二人と食事をしたので、その後揃って永尾さんに寄り、その後もう一軒そのビルの下の気さくな店に行きました。

 永尾さんは長い。もう20年くらいになる。思い出すと行っているのですが、ご主人は一回倒れたがその後また元気になって活躍している。トランプカードを使ったテーブル・マジックの店です。同様の店は私の知っている限りでは大阪にも少なくともあと一つ、東京でも以前は四谷、そして今では銀座八丁目にある。しかし私は永尾が好きだな。何回見ても分からない。初めての人を連れて行くと、びっくりしている。

 ところでまた最近新地でおいしい和食屋さんを体験しましたので、それを紹介しましょう。全日空ホテルの直ぐ近くです。ここで紹介した『八幡浜「はなれ」』と目と鼻の距離。店の名前を「月波」と言います。私も大阪の友人から紹介された。「この人は味が分かる」という人から聞いていくのが一番なんです。

 カウンターなんですが、座敷方式で足が抜けている。ちょっと落ち着きますよ。うーん、野菜の使い方が特徴的だな。火をうまく使う。丸鍋もあるし、それぞれの料理が非常によく考えられている。目の前にご主人がいるので、こうしたああしてとも言える。それがカウンターらしくて良い。料金もそれほど高くはない。住所は、「大阪市北区堂島1-4−25 和光ビル1階」ですが、全日空ホテルのサイドから行くとちょっと分かりにくい。回り込んで入るのが良い。電話番号は、06-6346-4234 です。


2007年06月19日(火曜日)

 (08:01)パリの航空ショーにプロトタイプが出品されただけですが、YS11の生産中止以降止まっていた「国産旅客機」製造への意欲が高まってきたのは、正直言って嬉しいし、日本の産業力にとっても非常に重要なことだと思います。

 完成品としての航空機を作る産業は、日本に欠けている大きな産業分野の一つで、私にとって最も気になることでした。ロケット産業もないが、それは国がかなりやっている。日本はボーイングなどの航空機のかなりの部分を作っているが、やはり完成品として仕上げるアイデアや技術がどうしても必要だと思っていたのです。

 出品されたのはMitsubishi Regional Jet。テレビでの報道でしかないのですが、座席の背もたれが非常に薄いのが特徴ですね。競争の激しい分野らしいのですが、最新技術を導入して日本らいしい性能の良い飛行機を作って欲しいと。形もかなり良かったように思うし、銀色に輝く機体もかっこよかった。期待できます。

 就航は2012年の予定だという。ちょっと先ですね。


2007年06月18日(月曜日)

 (14:01)今日から、ブログ形式の新HPを「http://arfaetha.jp/ycaster/」のURLで開始しました。この新サイトは、RSS機能(後述)などを備えており、web の最新技術を取り入れております。

 ご存じかと思いますが、RSS機能とは「Webサイトの見出しや要約などのメタデータを構造化して記述するXMLベースのフォーマットで、主にサイトの更新情報を公開するのに使われる」と解説され、これまでも「この機能を伊藤さんのサイトにも付けてください」とのメールを頂いてきました。今回それに対応したことになります。登録していただくと、更新情報が届くことになります。一段と読み易くなると思います。

 新サイトに「http://www.ycaster.com/」のURLをふろうと思ったのですが、新サイトには若干手を加えたい場所があることや、私自身HTMLを決して忘れたくなく、暫くはHTMLを使ってHPを更新し続けたいという気持ちもあって、「http://www.ycaster.com/」と「http://www2.gol.com/users/ycaster/」の従来の2サイトは残します。今後徐々にサイトを整理することになると思います。サイト更新時間は、従来より30秒ほど長くなるだけでしょうか。

 ブログ形式のサイトを立ち上げたことから、今後面白い試みに挑戦していきたいと思います。新サイトも宜しくお使い下さい。新サイト立ち上げに当たっては、このサイト運営会社の岸さんと岩坂さんに大変お世話になりました。有り難うございました。


2007年06月17日(日曜日)

 (21:13)「これは面白い」と思った記事が、日経ビジネスに。「ネットのあした」というコーナーですが、「ブログがテレビ番組に」とある。簡単な文章を書く。例として次のような会話が。

 マダム:ねえ、いつになったら奥さんと別れてくれるの?
 社長 :いやいや、もう少し待ってくれ。
 マダム:あなた、いつもそうね・・・
 この会話を直ちに動画にすることが可能になる魔法の言語がある、というのです。その言語の名前は「TVML」(TV program Making Language)。制作者は言う。「ブログがこんなに普及してきたのに、動画コンテンツを一般の人が作るのは難しい。何とか簡単に動画を作ることはできないものか」と。

 もっと驚くし、やる気が出るのは、プレーヤーが無償でダウンロードできること。http://www.nhk.or.jp/strl/tvml/japanese/player2/index.htmlからダウンが可能のようです。これにDMD(デジタル・ムービー・ディレクター)というソフトが加われば、容易に一本作ることが可能だとか。これも無償でダウンが可能で、http://www.movie-school.org/がURL。

 いろいろ面白いソフトが出てきますね。そのうち時間があったらやってみようと思っています。


2007年06月16日(土曜日)

 (24:13)今日のワールド・ビジネス・サテライトの光化学スモッグの話しは面白かった。というより、非常に深刻な話しです。何せ、壱岐や五島列島でも光化学スモッグが起きている。それが日本の国内要因で起きているのではなく、中国要因で起きていることは明確です。

 中国の都市に行けば、いかに彼の国の空気が汚染されているのかが分かる。重慶に行ったときには、「この都市の人はよく黙っているな」と思ったし、北京もあの映像の通りの光景です。とにかくそれほど遠くにないビルの上の方は霞んでいる。休日だったとはいえ、昨日土曜日の東京の空と比べると、汚染の進行は明らかです。中国では瀋陽の空気も酷かったし、海岸沿いの大連の空気も汚れている。上海も酷い。

 黄砂を見れば分かりますが、地球には偏西風がありますから中国の上空の空気は大挙して日本の空に飛来する。だから壱岐や五島列島でも光化学スモッグです。日本の光化学スモッグは都市を中心に起きた。今の光化学スモッグは九州や新潟で起きる。「because of China」。

 北京市の担当者がインタビューに答えて、「国から何も言われていないので、光化学スモッグに関連して北京の上空の大気の状態は調べていない。しかし間違いなく北京オリンピックの間の北京の空は綺麗になる」と言っていたのは笑えた。調べたくないのだろうし、逆にオリンピック以外の時はどうなのか。

 私はあの中で言ったのですが、日本はもっと怒って外交問題にすべきだと思います。「これが解決に向かわなければ、北京オリンピックへの参加を見合わせる」くらいのことは言ってもよい。なぜなら、中国の空の汚染は中国国民の健康にも影響があるのに加えて、韓国、ロシア、日本、それにアメリカの多分西海岸にまで影響する非常に大きな問題だからです。だから私はこれを日本は自信をもって外交問題にすべきだろう。国をまたいだ汚染に関しては、ヨーロッパにはノウハウがある。それを借りても良い。韓国や北朝鮮のそれも汚染されていることは間違いない。

 その時に重要なのは、ただ怒っていてもしょうがないので、共同研究のような形で話しを持ちかける。中国自身が国内の空気の悪化に悩んでいるはずですから、お互いに協力してよくしていこうという話しにすべきです。韓国やロシアを巻き込んでも良い。場合によってはアメリカも。

 中国は多分、「今時点の環境問題への取り組みは、成長抑制要因」だと考えている。そうじゃない、成長に真剣に取り組みからこそ健全な成長ができるということを、日本の経験から教えるべきです。成長の結果が住みにくい大気や環境汚染だったら、いったい何の為の成長か分からない。

 日本が汚染と、そして環境問題とどう取り組むのか、そしてそのためにどういった技術が必要かは相当世界でも進んだノウハウを持っている。それを使うべきでしょう。むろん、健全なビジネスの範囲でのものもあるだろうして、日中協力の証のような形でのものでよい。

 とにかく今の中国は発展の形を変えないと駄目です。国民の健康も著しく損なう。日本が40年前の公害問題にまだどのくらい多くの人が苦しんでいるかを見れば分かります。私は旧社会主義国で何回も見ていますが、社会主義という主義は綺麗なことを言っている割には、環境とかには全く興味なく生きてきている。東ドイツでゴミの巨大な山を見たときには驚愕しました。オウムの施設が汚かったのと似ている。思念先行で、身の回りの片づけも出来ない。

 北京オリンピック期間中だけ北京の空が綺麗になっても何の意味もない。言い逃れを許さず、中国自身の為になるのだから、中国の成長の形を変えさせる努力が必要だと思う。


2007年06月15日(金曜日)

 (21:13)今週記憶に残った新聞の宣伝は西友のものでした。「マイバッグの持参にご協力を」という内容で、「いよいよ広まりつつあるか」と明るい気持ちになりましたが、その中で一つ良い寓話が紹介されていました。南アメリカの先住民に伝わる「ハチドリの物語」というのです。次のような話しです。

あるとき森が燃えていました

森の生き物たちは
われ先にと逃げていきました

でもクリキンディという名のハチドリだけは
いったりきたり
口ばしで水のしずくを一滴ずつ運んでは
火の上に落としていきます

動物たちがそれを見て
「そんなことをしていったい何になるんだ」
といって笑います

クリキンディはこう答えました
「私は私にできることをしている」

 ははは、いい話じゃないですか。無論枠組み作りも大事だし、新しい技術の開発や企業の組織の変更も重要。しかしまずは心がけから、ということです。「私に出来ることをしている」というのは、「I am only doing what I can do.」の翻訳形です。

 ところで、来週月曜日にリリースされる日経ビズポッドキャストは面白いと思いますよ。まあ毎回面白いのですが、今回は久しぶりにゲストを迎えている。環境と企業の関係の変化を考える上で、非常に参考になると思います。私もゲストを迎えての番組は最高に好きです。なぜなら、自分が知らないことを知ることが出来るから。


2007年06月15日(金曜日)

 (05:13)ははは、愛あるムチというか、励ましの言葉は効くんですよ・・・・・と思っているのです。松井は昨日から大当たり。昨日の7号3ランのあと、この日は4打数3安打で打率を3割に乗せた。打点は今日だけで3打点で、39。良くなってきました。

 僕らの会合は水曜日。それから二日しか経ってないのに、打点は6を数える。HRを一本打ったし、なかなかの活躍です。ちょっと気になったのは、昨日のHR(7号3ラン)のあとの打席の3球三振(しかも見逃しで一球もバットを振らず)でしたが、今日は強打あり、うまいセンター前ヒットあり、内野安打ありで3安打。

 3安打、3打点。試合後アナウンサーが松井にインタビューしていたのですが、「今日は3に縁がありますね」に対して、「ははは、歳も33になりましたし.....」とうまい答え。試合はヤンキース7対アリゾナ1。試合終了時点でのボストンとのゲーム差は「8」。

 松井に対する励ましの指摘3点は13日のここのコーナーで書きましたし、松井に対する予測もしたと書きました。実は松井応援専用ブログには、その各時点予想を書き込みました。I君というのが私の予想です。うーん、予想の上を行ってくれるのには何も言うことはない。それにしても、対アリゾナ戦の第三戦は平日の昼間なのによく入っている。これで対アリゾナ3連勝で、トータル9連勝。貯金は「2」。

 ちょっと先の話なんですが、今後の理想を言えば別に首位を走るボストンを追い越すことはない。つまり地区優勝をする必要はない。ただしワイルドカードを取るのです。今まで数年のヤンキースは、ボストンを抜いて地区優勝することに全力を使ってしまって、〒、おっとポストシーズンでだらしなかった。ワイルドカードで行った方が、ワールドシリーズを制覇できる可能性が高まると思う。これは13日にもちょっと議論しました。

 そういえば、井川は何をしているのだろう。ちょっと上には上がれそうもないな。というこは不良債権 ? 明日からは「Subway Series」です。ちょっと楽しみになってきました。正直なところ、井川にも上がってきて勝って欲しい。


2007年06月14日(木曜日)

 (13:22)中国には国民広くを対象とする年金制度がなく、それ故に国民が皆必死に老後の備えとして貯蓄をしており、それ故に中国の貯蓄率は異常に高い、というのは常識です。私が最後に聞いた中国の貯蓄率は40%とも聞いた。むろん、その日暮らしをしている人が多い国ですから、これは丸めた数字でしょうが、異常なんです。その中国で、今までとは違った現象が起きているといるらしい。

 それは一般貯蓄者の預金引き出しと、その資金の株式市場への振り向け。今日のフィナンシャル・タイムズの一面下の記事は面白い。それによると、中国の中央銀行である中国人民銀行は、同国の家計貯蓄が5月に2784億人民元(364億ドル)減少して、17兆1000億人民元になったことを明らかにした。4月も中国の家計貯蓄は1674億人民元減少しており、これで2ヶ月連続の貯蓄減少。

 この記事によると、2001年5月以来中国の家計の貯蓄は一貫して増え続けてきたという。先に示したような貯蓄率なら、銀行に貯まる預金は多くなる。自然です。経済は10%を超えて成長している。この貯蓄過多(消費過小)が中国の対外黒字の原因なのですが、それが去年の10月に初めて減少し、今年に入っては4月、5月と二ヶ月連続して減少したという。

 「昨年10月の中国の家計の貯蓄減少は、ちょうど上海の株価が急騰した時期と重なる」とFT。それ以来の上海株の上げ幅は127%に達する。つまり2倍以上。そりゃ中国の人も「銀行の預金金利は低いので」と言っている状況では、「貯蓄から投資へ」が起きても当然です。

 しかしそこには日本と違った問題がある。日本の場合は今大きな問題となっている深刻な年金にからむ問題はあるが、もらえるべき年金が十分にはもらえないかもしれないという問題であって、掛けていた年金がゼロという事態は少ない。年金制度そのものは存在するのです。しかし中国にはそれがない。

 ということは、貯蓄を解約して株式市場への投資スタンスを強めている中国の貯蓄者だが、いったん株式市場が冷え込んだら元本が大きく毀損されるという事態になる、つまり老後の備えがなくなるということが起きる、ということ。遊び金で株式投資を楽しんでいるというのとは大いに違う。ある意味では、危険な動きです。

 当局もここが頭が痛い。株が上がるのは心配だ。しかし冷めさせると、民衆の怒りを買う。じゃどうしたら良いのか。時々冷ましながらも、基調は上げてやるということしかできない。今がまさにそれです。6月の初めに上海の株価は15%ほど調整したが(調整を導いたが)、その後はまた上がってきていて、もう高値更新に近いところにある。これを繰り返すと、「下がったところは買い」という認識の強まりとなる。しかしそれが永遠に続くことはない。

 仮に日本の株式市場で80年代の後半から90年代の半ばに起きたような株価の崩落が起きたら、それこそ中国ではちょっと政治的にやばいことが起きるかもしれませんね。なにせ、必死に貯めた虎の子が消えるわけだし、政府との暗黙の了解が切られることになる。うーん、危なっかしいな、と。最近の報道では、中国の株式口座の数が1億を超えたという。これも凄い数字だが、家計の貯蓄の減り方もちょっと速い。


2007年06月13日(水曜日)

 (28:22)あ、すみません。HPの移行は過去データが多いこともあってちょっと難渋していて、もうちょっと先になりそうです。当面は

松井がヤンキースタジアムで打ったファウルボール 荒井さん提供  http://www.ycaster.com/
 http://www2.gol.com/users/ycaster/

 の従来の二つのHPをランニングさせながら、新たらしいブログ形式のHPも走らせるという方法をとることになると思います。新らしいHPにはRSS機能が付きます。
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 ところで、昨日は久しぶりに麻布10番の通りから西麻布の方向に少し入った千栄という松井選手が帰国の折りには良く立ち寄る店で「松井をこころから応援する会」の会合。新人や旧人も加わって総勢6人で最近の松井の成績に対する不満の表明と、その立て直し策を検討した。

 もう不満はあまり言いたくない。要するに「松井の試合」が少ないと言うことです。オールスターのファン投票で日本人の投票があっても11位(外野)というのが皆不満。イチローは3位ですからね。満塁で打てないとか、HRが少ないとか。

 で、立て直し策を検討しました。私のかすかな記憶だと、次に三つだったように思う。

  1. もっと左を狙え。左に対するヒットが少ない。三遊間のヒットを増やせ。ついでにHRも

  2. もっとポイントで打て。線で打つのではなく。アブレイユのように柔らかに。あまりにものがに股はやめよう

  3. いい子をやめろ。最近見逃し三振が多いが、場合によっては判断が不当だと思ったら審判を突き飛ばして退場してもいいのではないか
 松井が使っているグローブ 井上さん提供と。むろん、6月12日で30代のぞろ目ですからね、結婚するとか、何か身辺に変化を起こした方が良いのではないか、という話になった。つまり、今の松井は静かに英雄になろうとしている。そうじゃなくて、もっとがちゃがちゃして動き回れ、試せ、そのためにはヤンキースを出てもいいじゃないか、という話になった。

 昨日はちょっと過激な話がいろいろ出て、これは私の以前からの持論ですが、「トーリの解任」の話もしました。松井はトーリの保護下から出ることが、大リーグでの大いなる飛躍につながるのではないか、といった話も出ました。集まった面々はみんな松井が好きだからこそ、「ああだ、こうだ」と言う。愛情からです<^!^>。

 結構なモノが集まりました。松井がヤンキースタジアムで打ったファウルボール(写真=右 荒井さん提供)、松井が使っているグローブ(写真=左 井上さん提供)、松井が中心の肖像になっている1ドル札。札はちょっと写真に撮れないな。私がロスで買ったものです。ちゃんと使えるので。今のヤンキースはボストンと9.5差。

 あああと、イチローの去就も話題になりました。私は「移る説」ですが、じゃあどこかということで意見が対立した。将来予想もしましたよ。たとえば、シーズンが終わったときの松井の打点、HR。次の松井の会を8月の末にやることにしましたから、その時点の彼のHRなど。

 私の予想は、シーズン後の打点予想は110。6人の中で最高値。一番低い予想を出したのはA君で89だった。HRは私は22。一番多かったのはIさんで33。低かったのはS君の20。ははは。8月末のHRについては、小生は17。一番多かったのはO君で20。整合性が取れていない予想もありましたが、まあそれはそれでいいでしょう。誰が当たるか楽しみ。


2007年06月12日(火曜日)

 (24:22)なんでこの三人が......とまず思う本です。私もそう思って本屋で手に取った。題名は「参議院なんかいらない」

 著者の名前の並びを見ると、まず「呉越同舟じゃないか」と。まあでも、自発的にせよ非自発的にせよ引退した方々、という点では共通点がある。その意味では、同族の人々の現在の参議院に対する嘆き、さらには指弾の本、ということになる。

 昔の参議院がどうだった、こうだったという真ん中の部分は飛ばして読める。興味深いのは最初の三章と最後の方にある参議院改革の話し。「いらないんだから、改革の話しなど必要じゃないんじゃないの」と思いながらも読んだのですが、この3人は「今のような参議院だったらいらない」と言っているのであって、それを本の題名にした。まあこれは多くの賛同を得られるでしょうね。タレント議員をどう考えるのか、とか。

 議員生活を長くしてきた人達だから、言ってみればすいも辛いも分かっている。それだけに、3人からしばしば発せられる人物批評や人物評価、非難は興味深いものがある。相手からからは当然反論があるでしょうが。

 思いこみや、「それは違うんじゃない」と思うことがいっぱいある本です。しかし、参議院議員を長くやった、一時は「実力者」と見られた人達の世を憚ることなき提案、それにつぶやきだけに傾聴に値することはいっぱいある。私はいろいろな意味で興味深く読みました。
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 ところで、ウォール・ストリート・ジャーナルに見付けた一つの記事を紹介します。グーグルとインテルが中心になり、さらにマイクロソフトやデル、HP、それにIBMなどのメーカー、さらに環境保護団体、そしてEPAが参加して、アメリカでコンピューターの電力使用量を減らす技術の採用を増やそう、という運動をするというのです。

 実はコンピューターの中でも24時間動いているサーバーの電力使用量というのは凄まじい。家で長時間コンピューターを使うときもそうです。それをより省電力のものにすれば、そもそも電力が相当節約できる。ということは、電力を生み出す段階でのGHG(温室効果ガス Greenhouse Gas)を抑制できる、という発想のようです。

 素晴らしい。日本のメーカーはどうなっているのでしょうか。省エネというと自動車などを直ぐ思い浮かべますが、むろんコンピューターやそのネットワークも出来ることはいっぱいある。

 技術こそが経済の発展とGHG削減の両方を実現する道を開く、という考え方の筆者には、アメリカにおけるCAFE(Corporate Average Fuel Economy)引き上げの動き(議会が相当活発に運動を行っている)と並んで、非常に勇気づけられるものです。私も最近は、不必要なコンピューターは切るということを心がけている。その面でコンピューターの起動にかかる時間を短縮するといった努力も必要だし、その点でもメーカーの皆さんには努力して欲しいな、と思っています。

Google, Intel Push Effort to Reduce
Power Consumption in Computer

MOUNTAIN VIEW, Calif. -- Google Inc. and Intel Corp. are spearheading an effort to get computer makers and customers to adopt technologies that significantly reduce energy consumption.

The initiative has been joined by companies that include Microsoft Corp., Dell Inc., Hewlett-Packard Co. and International Business Machines Corp., as well as environmental groups and the U.S. Environmental Protection Agency. It sets annual targets for reducing power usage on personal computers and server systems.

By cutting down on unnecessary energy consumption, participants hope to reduce carbon dioxide emissions from electrical generators that are believed to contribute to global warming. Participants in the program, dubbed the Climate Savers Computing Initiative, must commit to produce systems and components that meet the power-efficiency targets. Corporate customers commit to purchase power-efficient computing products, and use software that allows computers to waste less energy.

The EPA already runs a program called Energy Star, whose initial power-efficiency standards for PCs the new group is using as its baseline. Over the next few years, the group's proposed standards will become more stringent, leading to more significant energy reductions.

"Our common goal is to accelerate the movement of the industry toward energy-efficient computers," said Urs Holzle, a Google senior vice president, at a press conference here.


2007年06月11日(月曜日)

 (04:22)「桑田、晴れてメジャーのマウンドに.......」

 ははは、放送の関係で早起きしてMLBのHPを開いてピッツバーグ対ヤンキースの試合を見ていたら、8対6でヤンキースリードの5回裏の場面で回の初めから桑田が出てきました。昇格から直ぐに使われたことになる。最初に対戦したのは、カブレラ。センターフライ、次はカイロで、これは3塁ゴロ、そしてニエベスはショートゴロ。1イニングを無事に通過。

 偉いですよ。本当に偉い。そして凄い。夢を持ち、それに執着し、そして実現する。39才での初メジャー舞台。私はかねてから日本のスポーツプロの世界では3人が偉いと思っている。サッカーの三浦和、野球の工藤、そして桑田。最後まで諦めない姿が良い。桑田はいろいろ日本の球界ではあったが、嬉しいでしょうね。

 怪我もして、「もう出られる」というところで一回夢を諦めかけた。そしたまた掴んだチャンス。どこまでやれるか知りませんが。お、六回も出てきた。デーモンは右フライ、ジーターはショートライナーで打ち取ったが、アブレイユは4球で歩かせ。いよ、対ロドリゲス。もう一人で松井。

 あっら、ロドリゲスには桑田はHRを打たれてしまいました。初球を右翼席にもっていかれた。今日二本目。10対6ヤンキースリード。そのまま松井と対戦。初球ストライク、2球ボール、3球ボール、4球ボール、そしてまたボールで四球。松井は1塁に。次はカノー。これはレフトフライ。

 ここまでの桑田の成績は、40球投げて22球がストライク、18球がボール。そして防御率は9.00。うーん、最初にメジャーでHRを打たれたのがA-Rodというのも勲章かも知れない。桑田が投げたのは、この5、6の2イニング。ご苦労様。


2007年06月10日(日曜日)

 (23:25)少し前から気になっていた「とてつもない日本」をゲットして、興味深く読みました。政治家の本は一応目を通すのです。書いた人がどういう考え方かが分かる。

 まあ題名からも分かるとおり、前向きな本です。しかも国際感覚のある人だから、偏狭なところがない。「日本力」などでの私の主張と似たところがある。でも私よりアジアへの思い入れが強いかな。

 安倍さんと同じように祖父に時代を作った人を同じように持つ麻生さんですが、祖先をどう思っているかは相当違う感じがする。麻生さんはどこから見ても九州の探鉱主の孫で、経営者という印象がする。対して、安倍さんはどちらかというとおぼっちゃん。それが本にもかなり出ている。

 しかし読んでいて、安倍さんよりはかなり「頭の柔らかい人」という印象がやはりする。それは経営者としていろいろな局面で判断を下し、いろいろな人にも会っているからでしょう。外務大臣になってからも長いし、その間も世界中を飛び回っている。

 本を書くきっかけは、「前回の総裁選で予想外に若者に受けたからだ」と素直に書いている。日本のソフトパワーに触れている点でも、私は共感できる。靖国神社について、かねての持論をかなり長く述べていて、傾聴に値すると思う。

 政治家がこうした自分の思いを本に出してくると言うのは、なかなか良い。安倍さんに対する考え方も、あの本のおかげでかなり固まった。麻生さんの本はそれぞれの問題に対する具体的なアプローチはないが、全体的な考え方は分かる。読み始めるとあっという間に読める本です。


2007年06月08日(金曜日)

 (25:25)久しぶりにインドから日本に来たチャタルジー夫妻の話は強烈だったな。金曜日の午後着くというので、晩飯に寿司をご馳走したのです。最近よく行く六本木の巽寿司で。この寿司屋は北海道(特に小樽)の魚を揃えている。南から来た人々を、北の魚で迎え撃とうと。

 なんとなんと、今のニューデリーは日中の温度が45度に達するというのです。夫人の久美さん曰く、「外に止めた車のボンネットに卵を落とせば、目玉焼きが出来る....」と。経験したことがないので分かりませんが、えらいことですな。

 だから今はニューデリーの人は、「日中は外に出ない」そうです。もっぱらオフィスが家の中で静かにしている。「なぜそんなに暑いの」と私。チャタルジーさん曰く、「5月がいつもの年より涼しかったので」と。うーん、去年はちょうど今頃インドに行っていた。その時はそんなに暑くなかったのですが。

 農民暴動の話も含めて、インドに関していろいろな話をしました。面白かった。彼等が前回来たとき以降に東京が変わった場所ですから、その後はミッドタウンで軽く飲んでお別れ。久美さんのお里である富山に行ったり、大阪、名古屋、岡山に行ったりと忙しそうですな。最近NHKの仕事をして、その番組(パール判事に関するもの)は8月15日に放送されるそうです。

 考えてみたえら、今週はアジア・ウィークのような一週間でした。内田さんの話はタイを中心にシンドシナ7カ国くらいの話でしたが、金曜日の午後はプレスセンターで富山大学の今村弘子さんの「経済で見る中朝関係」という話を聞きました。

 北朝鮮経済のどん詰まり状態、資源を中国に搾取され始めている状況(森を伐採し、資源を持ち帰る方式で、北朝鮮経済への波及効果が少ない)、中国からもロシアからも生かさず殺さず状態の待遇、経済改革の失敗など、様々な話があった。中国が北朝鮮といえども関係を友好国段階から「暴発を防ぐ」だけの関係にしつつあり、様々な貿易商品の価格をむしろ高めに設定しているという話などが面白かった。中国が今の北朝鮮にそのままでいて欲しいのは、「崩れたときよりはコスト安」という意識だけだと考えられる、と。

 話が終わった後1時間近くあったQ&Aの時間が興味深かった。ははは、一番多く質問したのは私でしたが、印象に残った今村さんの話は、「金正日後」の北朝鮮。「息子が継ぐにしろ、集団指導体制になるにしろ、国として運営していくことは出来ないだろう」と。だとしたら、「ポスト金正日の北朝鮮」を、韓国、日本、中国、ロシア、それにアメリカでどう管理するかの構想が既に書けていなければならないはずなのに、それは全くない。それが問題だ、と。


2007年06月07日(木曜日)

 (25:25)世界的な長期金利の上昇の中で、ニューヨークをはじめとして株価が「調整局面」に入っている。バーナンキが市場変動のリスクに言及した直後での動き。それまでの世界的な株価の上昇を考えれば、筆者は今の動きはまだ健全だと思っているが、市場はどちらにしても行きすぎるケースがあるので要注意。

 政策金利も上がっている。ECBは今週政策金利を4%に上げたし、ニュージーランドも同金利を8%に上げた。アメリカでも利下げ期待は萎んだ。ゴールドマン・ザックスが唯一「次のFOMCの動きは下げ」としてきたが、この立場を変えた。日本でも日銀の利上げ時期前倒し論が勢いを増している。

 問題は、長期的なディスインフレ圧力が弱まっているかどうかだろう。今週ウォール・ストリート・ジャーナルには、長期的に見てもここ10年以上のインフレ抑制圧力が弱まっているとの見方を示していた。ただし筆者はまだ今の動きは、過去何回もあった「インフレの亡霊の短期的な起きだし」の域を出ないのではないか、と見ている。

 もっともインフレ懸念は強い。アメリカの10年債の利回りが7日の段階で5.0%を一気に超えてきた。既に超えている30年債は今ニューヨーク市場を見たら5.22%になっている。10年債利回りは5.12%。アメリカの長期金利水準は明らかに過去10ヶ月ほど慣れ親しんだ帯域から上に抜けた。問題はあとどのくらい上げるのか。

 この中でも日本の昨日の株価がしっかりしていたのは、「日本の長期金利上昇はむしろデフレ圧力の後退」を予感させるためでもあるし、日本の株価が世界の他の市場に比べれば出遅れたためとも考えられる。
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 ところで私の新しいHPの立ち上げは、目標を来週の月曜日に設定しました。RSS機能も付けるので、ご期待ください。どのような仕上がりかは乞うご期待です。ただし、http://www2.gol.com/users/ycaster/をリンク先にしていた方は、早めにhttp://www.ycaster.com/に変えておいて頂ければと思います。前者はある時点、たとえば6月末にフェードアウトさせる可能性があります。今まではこの二つをほぼ同時にFTPを書き換えてきましたが、今後は私のHPを「http://www.ycaster.com/」に統一することになりそうです。


2007年06月06日(水曜日)

 (27:25)私のリンク・ページにも入れさせて頂いている内藤俊雄さんのHPが更新を再開しました。内藤さんは最近本拠を東京(千葉)から徳島に移されて、その関係で今までのHPを一時閉鎖し、新しいプロバイダーでの再構築をはかっていた。それが完成したもの。

 新しいHPはhttp://www2.ocn.ne.jp/~hotian/stock.htmで、今後新しい書き込みの増加を期待したいと思います。新しいHPというと、私のHPの最終的仕上げに関する打ち合わせを今日します。たぶん来週には新しいHPでの登場となります。お楽しみに。

 ところで、内藤さんと言えばずっと以前からの私たちがやっている勉強会のメンバーでしたが、その勉強会がぞろ目の日の今日あって、講師はタイでの長期滞在を繰り返している内田さんでした。この話はインドシナ全員に関する話もあったし、なにせ自分が実際に体験していることを話してくれているので、非常に面白かった。

 最近私自身の目も中国とインドに偏っていたので、東南アジアに目をもう一度戻すきっかけになりそう。話は多岐に渡ったのでここでは一言では言い表せないのですが、勉強もかねて海外生活を展開するのは、なかなか面白そうだなと思いました。

 内田さんの資料に勉強会の最初の方の資料があって、忘れていたのですが見たら最初の会が1986年7月20日だった。ハハハ、20年以上続いている。そりゃ内藤さんのように田舎に移動する人、内田さんのように海外長期ステイを行う人も出てきます。それはそれでまた面白い。


2007年06月05日(火曜日)

 (27:25)多分初めてだと思いますが、神戸の下町と言える三宮の込み入った店舗街の中で数時間を過ごしました。同じごみごみと店が建て込んでいても、やはり東京とは違う。なんて表現したらよいのか分かりませんが、どこか懐かしいような雰囲気がする。

 驚いたのは、その店の数です。食べる場所、飲む場所、その他。実に多様な店があって、「これは競争が大変だ」と。神戸や三宮にくるのはそれほど珍しいことではないのですが、今まではたいていは用が済んだら直ちに帰る、例えば、大阪や東京に、というパターンが多かったので、ちょっと興味深かった。

 神戸に詳しい人に聞くと、予想通り店の盛衰も激しいらしい。その中で、「もう35年もフライパン握っている。もうやめたい」という女主人のいる店に連れられて行きました。蓬莱亭というのですが、店は狭いし、この女主人は一見愛想がない。

 しかし「私のおじいさんが台湾で仕入れてた料理を今でも出している。その意味では、100年前の台湾の料理」という今では東京でも、関西でも見かけない料理を食べました。料理というか、鍋料理。鍋物研究会の広報部長ですから。これが塩で味付けしただけなのに、メチャ美味い。サイトに載っている腸詰めなどもいただきましたし、マコモだけも良かった。火鍋の雰囲気だが、火鍋ほど辛くはない。

 一見愛想がないが、暫く話していたらお茶目な方で、「じゃ、やめて何するんですか」と聞いたら、「それがないから困る。だからずっとやっている」と。「じゃ、ずっとおやりになったら」といった会話になった。ははは、面白かった。

 「うまいでしょ」と見せかけるような中華の店が日本全国多い中で、変わった、珍しい店だな、と。ただし、あまい新しいお客さんが入ってくるのは歓迎しないようだし、なにせ店は確かテーブルが三つあっただけ。私は連れられていきましたが、もちろん予約が必要だし、新しいお客にこの女主人がどう対応するかは私は分かりません。

 それにしても、あの三宮にある店を探索するのは楽しそうだ、と思いました。なにせ半端じゃない。気が付いたのは、結構「お寿司」の店がある。鮨はもともと関東と思っている人間なので、神戸の鮨がどんなんかも後々知りたいと思いました。


2007年06月04日(月曜日)

 (24:25)ユーちゃんも、マー君も、良い道を選んだと言うことでしょう。ユーちゃんは神宮での優勝決定を決めた試合で先発して勝利投手になり、一年生ながらナインの胴上げを受けた。春だけで4勝し、六大学野球のベストナインに選ばれた。

 マー君は、最初に2〜3試合くらい不安定だったが、その後は投球も安定して勝ち星をあげられるようになって、チームの顔になりつつある。今年のオールスターのパリーグ先発投手の一番手にとファンからの声が強い。

 例に甲子園での再試合、斉藤投手が最後に田中選手を三振に打ち取ったシーンを見ている人間からすると、まだ一年もたっていない。あの暑い夏はこれからですからね。二人ともそれぞれの道を選び、そして今も輝いている。ナイスですな。

 それにしても北朝鮮からの脱北者4人の話は壮絶だ。2日に一回しか、それもパンをかじる程度の食事しか出来ず、このままだと餓死するという絶望感で日本海に漕ぎ出したのだという。回りが見えない霧の夜に。同じような境遇の人は2400万人と推察される人口の中で、かなりの割合を占めるのでは。

 もっとも、それでも脱北を決意し、それを用意する意志とお金があった点は注意に値する。北朝鮮では灯油は極めて高いそうで、それをなぜ準備できたのか、またそれは次男が持っていた覚醒剤と関係があるのか。その辺の調査が必要だろう。

 ミサイルや核を開発しても、それで国民が食べられるほど諸外国から様々なものを脅し取れるわけではない。結局は2400万人が暮らすには、その暮らしを支える経済活動がなければならないのに、そのノウハウが失われつつある。はっきりしているのは体制として行き詰まりの状態にある、ということです。

 それから残念ながら、岡島は昨日の試合で松井にヒット、その後のカノーに三塁打を打たれて自責点1。その結果、日本で言う防御率は1.30前後まで落ちてしまった。投げて一回ちょっとの中継ぎ投手は、「自責点×9」ですから厳しい。まあ、本人も言っているように「打たれることもあります」でしょう。


2007年06月03日(日曜日)

 (09:25)土日の楽しみは朝方は大リーグですが、今日も見てしまいました。ボストンでのヤンキース対ボストン。ボストンが後半に大量点を取って昨日の雪辱をしたのですが、「これは凄い」という記録が見えてきた。それは、岡島の防御率。

 防御率は英語では、Earned Run Average というのですが、この「Earned Run」というのは自責点。つまり、Earned Run Average (ERA)とは自責点率とでも訳せるのですが、日本では「防御率」とされる。計算方法は「(自責点×9)÷ 投球回 」。つまり、一試合9回を投げたとして何点取られたかの率。

 それが岡島は今いくつだと思いますか。この日も7回のツーアウトから出てきて一人を打ち取り、その時の防御率が1.01。そして8回も出て、3人を簡単に打ち取って、その時に出た防御率が1.00。もしかして0.99かと思っていたので、「ちょうどか」と思ったのですが、まあそれにしても今の岡島は、9回を投げも、「点を取られても1点」という割合ですから、これは凄い。

 あれだけ試合に出ていて防御率が1.00というのはアメリカの投手ではいないのでは。岡島の後を受けて9回を締めたパペルボンの防御率は1.77です。松坂の防御率はちょっとここでは書けない。次の試合が楽しみです。一回を自責点ゼロで抑えれば、岡島の防御率はポツ以下になる。

 松井はどうっだったのか。うーん、5打席で一二塁間のヒット一本。あとは冴えない。しかも最後の打者になった。最後は力なくショートフライ。ヤンキースの3番松井、4番ロドリゲスの打率を見たら「0.278」「0.290」。あら、ロドリゲスの打率は絶好調のころは、0.360くらいあったのでは。最近はHRをどちらからも見ない。


2007年06月02日(土曜日)

 (16:25)もう昨日で終わってしまったのですが、岩波ホールでやっていた約束の旅路は良い映画でした。名前も宗教も隠して「ユダヤ人」としてイスラエルに来なければ生きられなかったアフリカ難民の少年。本当の母親とイスラエルの母親の二人に「行け」と言われて人生の分かれ道での選択をする。

 題名の「約束」もそんなに簡単なものではない。特に賢いだけにこの子供(シュロモ)の心の葛藤はすざましい。新しい地に対する抵抗と、本当の母親を置いてきた、そして何よりも自分と宗教を偽っていることに対する悔悟の念。アフリカの難民が置かれた状況と、その厳しさが良く分かる。

 でも彼をイスラエルに送り出した本当の母親の判断も、そして彼をフランスに送り出した育ての母親の判断も正しかった。この少年は二人の母親の手の上で踊っているようなものです。しかし、踊ると行っても凄く悩みと苦悩の多い。

 いかにも「フランスの映画」という印象が強い。時々凄く話が飛ぶことがあるのですが、それでも2時間30分以上で、しかし見る価値はあるし、見て良かったと思う。そのうちDVDになるでしょう。岩波ホール以外の全国の映画館では、結構遅くまでやっている。


2007年06月01日(金曜日)

 (16:25)米大リーグのファン投票で、ア・リーグの外野部門を見ると、イチローが3位で松井が10位。残念ながら今はそれだけのアピール度の違いがあるな、と思いました。

 選手とすると、たぶんまだ日本では松井の方が人気は上です。親しみやすい性格、あの暖かそうな笑い顔、そして野球選手の憧れであるホームランの数。しかし、野球を極めようと言うプロ意識では、そしてそれを何としてもやり遂げる意志、方法を兼ね備えているのはイチローだと思う。だから、彼は玄人好みです。しかしアメリカのファンの視線は、かなり玄人チックだ。良い意味で。

 最近の大リーグの試合を見ていると、松井が打席にはいるときと、イチローが打席に入るときを比べると、「何かをしてくれる」という期待度では圧倒的にイチローが上です。今日の大塚との最終打席もそうだった。見事に外角の球をセンターに打ち返した。

 「松井に必要なのは何だろうか」と最近いつも思う。ファンですから。でもファンながら最近の松井には全く満足できない。成績以上に、最初の年のプレーオフでベースに駆け込んだ後に宙に舞ったようなエキサイティングなプレーに欠ける。一言で言えば、3番を打っていていても存在感が薄い。成績もそこそこ。アブレイユが当たってくれば、また下位に戻されてもおかしくない印象しか残していない。失礼かもしれないが、「オジさん臭くなった」と思う。30代のぞろ目も近い。

 最下位のチームの成績が上がれば松井の印象も良くなる ? 多分そうです。しかしそれだけでは足りない気がする。何だろうか、と考える。答えはまだ出ていない。来週か再来週に松井応援の会があるので、その時に討議しようと思うが、一つはっきりしているのは松井は大リーグに渡ったときの望みを達してはいない、ということだ。

 フリーエージェントの資格を得るイチローは、私は今年は必ず動くと見る。もうマリナーズにいる理由はない。WBCを制したイチローが最後に欲しいのは、ワールド・チャンピオン・リングだろう。今年それに一番近いチームは、ボストンにある。お金があるかどうかは知らないが。


2007年05月31日(木曜日)

 (13:25)今日の日経夕刊の一面トップは、「中国政府が同国輸出品(ペットフードなど)が世界中で引き起こしている”毒物疑惑”に関して、不安・懸念払拭にやっき」ということらしいが、一方でウォール・ストリート・ジャーナルで面白い記事を発見しました。

China Turns Away
Shipments of Evian,
Australian Seafood

By NICHOLAS ZAMISKA
May 31, 2007

HONG KONG -- China refused a shipment of Evian bottled water for what it said were unsafe bacterial levels and Australian seafood it said was tainted with heavy metals, even as the country struggles to control a crisis of confidence in the safety of its own food supply.

The role reversal comes after tainted wheat flour from China was linked to the deaths of pet dogs and cats in the U.S., prompting a huge recall of pet food. In late March, the U.S. Food and Drug Administration said it had identified a small Chinese manufacturer as the source of wheat flour contaminated with melamine, a chemical used in plastics and fire retardants, that turned up in the pet food.

The move highlights China's already strict safety standards and suggests it is their spotty enforcement -- rather than the standards themselves -- that may be behind some of the country's problems with food safety. The FDA, despite its own strict standards, also has had trouble with enforcement, given the massive amount of food imports it must deal with.

Five shipping containers of bottled Evian water, made by Groupe Danone, of Paris, have been held at the Chinese border because of bacterial levels, said a spokeswoman for Danone, which sells Evian around the world. China's import watchdog, the General Administration of Quality Supervision, Inspection and Quarantine, issued a report dated May 17 indicating that Evian water had failed to pass inspection, exceeding bacteria limits.

 つまり中国は中国で、自国に輸入される食料品に関して、「疑わしくは入れず」のスタンスをとっているというのです。驚くのは、輸入停止になっているのが誰もが知っているフランスのエビアンなどだということ。オーストラリアの海産物は日本にも大量に入ってきているのですが、これも中国は一部を止めているらしい。

 「中国の製品の一部は確かに粗悪だが、諸外国の輸出品にも粗悪なものがある」と主張したいかのような措置だ。エビアンは長く飲んでいるが、私には全く問題がない。荒々しい資本主義が跋扈する中国では、模倣を含めて何でもありの状態。中国製の漢方薬も気を付けないと大変な健康問題が起こりそうだ。

 中国関連では、昨日の上海株の下落は世界の市場にさざ波程度の影響しかなかった。もともと中国の国内市場は世界の大きな資金の流れからはワンクッション置いている。口座が1億を超えて過熱は知られているところで、言ってみれば二番煎じの今回の急落に世界の市場は「またか」で冷静だった。

 しかし一方で、少数民族の間で反中央政府に対する暴動が中国では増えている。政府の措置は、中国の資本主義と同じように荒々しい。政府や当局が荒々しければ、それに対する民衆の動きも荒々しくなる。大きなボールの中の動きではあるが、ここ数年の中国の動きは政府、市場、経済の形、民衆の動きを含めて、かなりよく見ていかないといけない気がする。

 そういえば、このところ中国に行ってないな......



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