ITとカースト:インド・成長の秘密と苦悩 日本の文化としてのカウンター
 Day by Dayのコーナーにようこそ。
 分析・解説記事としての「News & Analysis」、食道楽のための「EATING OUT」、勉強家のための「LINK」、そしてややまとまった意見・感想を載せた「CYBERCHAT」、友人達の論文を集めた「FRIENDS」のどこにもは当てはまらない情報や私自身の意見を、この「Day by Day」で拾っていきます。
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2008年07月06日(日曜日)

 (23:02)日米首脳会談の結果を受けた記者会見を見ていて、ブッシュ大統領が「今回のサミットは成功するような気がする。もう私は8回も出ているが、今回はそういう気がする」という発言したのを聞いて、もしかしたらアメリカは「長期目標としてのCO2の50%削減(2050年)」など一定の数値目標に賛成するかも知れない、と思いました。

 むろん、中国やインドの出方がその場合に非常に重要ですが。福田首相も「色々話をして、日米間の間の見方は接近している」というようなことを言っていた。私は今のアメリカの国内情勢から見て、いずれは数値目標に賛成せざるを得ないと考えていて、サミット本体に合意を残したのではないか、と。

 事前に日米首脳会談で結果が出てしまっては、他のサミットの参加者から「会議は何なんだ」と言われかねないし、会議での福田首相のイニシアティブで合意が出来た、という形にするのが福田首相の手柄にもなる。諸般の事情を考えれば、と。まあ、分かりませんがね。


2008年07月04日(金曜日)

 (06:02)ははは、トリシェもなかなか巧みですな。利上げは確実視されていて、事実ECBは4.0%の政策金利を4.25%に引き上げた。ただしその後の記者会見では、同総裁は「Starting from here, I have no bias」と言ってのけた。

 市場ではトリシェが「もう一段の利上げ」を示唆すると考えていた向きもあったので、ユーロがドルや円に対して急落。利上げの前に一時169円台に乗っていたユーロ・円は、トリシェ発言の後に167円台の前半に下落。

 まあトリシェもここであえて強硬姿勢を見せて、来週週明けからの市場の混乱を招くことを避けたのかもしれない。腹の中は分からない。ブラック・マンデーの記憶もある。それは今後指標を見て、ということでしょう。トリシェの発言を素直に受けた向きは、「次の利上げは来年の1月」と言っている。そうだろうか ?

 強く反発したのはドルで、ブッシュが前日に日本人記者団に表明した「強いドル。それには欧州も賛成してくれるのでは....」という文言通りになった。しかしインフレの強い時代は、どの国も強い通貨が欲しい。欧州も実はそういう面がある。一方で、フランスやスペインは利上げや強い通貨には良い顔が出来ない事情もある。複雑なのです。

 もう一つ注目された米雇用統計は、予想通り悪い。失業率が5.5%で横ばいだったのは良かったが、雇用がまた減少した。今回(6月 非農業部門就業者数)は6万2000人の減少。これで6ヶ月連続の雇用減少。人口が増え続けるアメリカでは、毎月20万弱の雇用の増加がなければ、自然増の求職人口を吸い取れないと言われているので、半年に及ぶ雇用の減少は米経済には非常に痛い。

 米雇用情勢の弱さは5月分、4月分の統計も大幅雇用減に下方修正されたことで分かる。4万9000人の減とされていた5月分は6万2000人の減少に、2万8000人減とされていた4月分は6万7000人の雇用減に下方修正された。雇用の削減に追い込まれている米企業にとっての悪材料は、石油価格の高騰、住宅市場の不振、銀行からの融資ゲットの困難さ、それに消費者の買い控え傾向など。

 ところが、半ドンだったニューヨークの株式市場では、ダウだけが73.03ドルの上昇での引けとなった。再開は来週。他のNasdaqとかSPなどの指標はほぼ横ばいなのに。このダウのみ上昇現象は、前日10ドルの水準割れという半世紀ぶりの安値に落ち込んだGM株の反発に依存するもの。この日GMは、1.4%上昇した。この結果のダウの反発である。構成銘柄が30しかない同指数ならではの現象である。市場は相変わらず弱い。

 小型車開発を怠ってきたツケが米自動車メーカーを再び襲っている。トヨタも6月は悪かったが、それはプリウスというエコ車の生産が需要に追いつかなかった面が強い。潜在的に売れる商品を持っている。しかし、GM以下の米自動車メーカーは、このガソリン高の時代にあって、「売れる商品がない」という深刻な事態にある。

 筆者は先にVOICEの論文に、GMを初めとする米自動車各社の先行きについて、ちょっと日本人がドキッとするような予想もしておいたが、メリルから出た今回のレポートを待つまでもなく、私が予想したような事態が起きてもおかしくない状況が醸成されつつある。


2008年07月03日(木曜日)

 (09:02)市場に携わっている人にとってはドキドキの7月3日ですな。珍しくアメリカでは木曜日の朝(日本時間の夜)に米6月の雇用統計が発表され、その前にはECBの理事会がある。多分ECBは利上げをする。問題はその後のトリシェの発言。

 市場も不安定です。昨日のドル・円の為替相場は午後にするすると上昇して106円70銭見当まで上がったが、その後は勢いを失ってまた106円がらみ。東京の株も昨日は弱かった。ニューヨークの株も私が朝起きたときは、ダウで50ドルくらいしか下げていなかったのに、朝の放送を終えて引け値を見たら166ドル以上下げて、年初来安値。

 昨日まで10営業日の株価下落は、日本では43年ぶりだそうで、要するに「買い手」がいない市場が続いている。下げていても出来高が多いと悪抜け感があるが、そこまでも行かない。一方でニューヨークの原油は上げ続けていて、穀物も大きく下げてはいない。

 もっともアメリカは7月3日は午前だけの市場取引。ということは、ECB決定や雇用統計に本当に世界の市場が反応するのは週明け。ということは、金曜日の東京市場はまた方向感を失うと言うことです。金曜日は独立記念日でアメリカは完全休場。

 それはそうと、昨日面白かったのはあるインターネット放送に参加したのですが、その中の質問に、短縮して言うと「自動車会社がエコとか言っているから売れないんだ」という質問があったこと。うーん、これは非常に面白い問題意識を含んでいる。

 では唱えなくて良いのかというと、これは違う。エコの社会的要請でもある。しかし一方で、車が持っていた荒々しい魅力は低下する。各社いろいろ取り組んでいますが、私が答えとして引用したのはBMWの取り組みでしょうか。

 面白い問題なので、また取り上げようと思っています。


2008年07月02日(水曜日)

 (18:02)関西から帰ってきたら、出版社の幻冬舎から「中田英寿」と「彼が主唱した6月7日のフットボール・マッチ」に関する資料がぎっしり。中田英寿の試合前のインタビュー、試合後のインタビュー、関連記事、それにDVDまで。

 このマッチが持つ意味をエコノミストでもある私の目から見て思ったことを文章にして下さい、という依頼。幻冬舎も面白いことを考える。私も「面白い」と思って引き受けました。チャリティーとか、ドネーションとかの持つ意味合いは複雑です。私も何か大きな災害があれば、郵便局などでやっている。

 災害の場合なら、「役だってくれているだろうな」という思いはある。しかしアフリカの貧困となると、直ちに役立っているのかと言われるとあまり自信がない。まあこの問題はいつもちょこちょこ考えているので、それを文章にしたいと思っています。

 こういう普段あまり取り上げない問題は、頭の違う部分を使うので面白いとも思います。マンネリ化した企画よりは良い。これから資料を読み込んで、来週初めには文章を書こうと思っています。中田英寿さんへの直接取材はないみたいですな...ははは。

 依然テレビ東京のキャスターだった内山さんから久しぶりにメールで、「あんた、NHKの大CMに出ていない」と。それは知りませんでしたが、「そうかもしれない」と言っておきました。今夜10時からちょっと面白い食の番組が。ちょっと面白いことが起きる。


2008年07月02日(水曜日)

 (10:02)中国、韓国で大きな騒動が起きていると思ったら、今度はモンゴルですか。モンゴルも非常に厳しい経済状態にあり、「マンホール・チルドレン」もあれば、ウランバートルへの人口の集中で都市そのものが爆発状態にあることもある。去年の9月に行ったときのことを思いだしていました。

 ところで、高速道路の舗装について先日書いたら、業界に詳しい方から以下のメールを頂きました。これで疑問が氷解。了承を得られたので、ここに皆様にも紹介します。

伊藤 様

 初めまして、いつも楽しくday by dayを読ませていただいております。今日の記述に雨の日の舗装に付いて有りましたが、危険な体験をなさったようで・・・無事に対処できて何よりでした。雨の日は安全運転でお願いします。

 伊藤様がお気づきのように舗装の種類が違うのです。判りやすく言いますと泡おこしのような構造で雨水を下部の舗装面に透過させて表面に雨水が残らないようにする舗装です。そうする事でタイヤによる雨水の跳ね上げ(水煙状態とよんでいます)がなくなり視界が良好になるのと、ハイドロプレーンが発生し難くなります。高速道路では雨の日の事故の発生が多い場所に優先的に導入された経緯が有ります。10年ぐらい前でしょうか(アバウトです)。

 最近は舗装の改良工事の際に基本的には高機能舗装を施行するようにしていると思います。

 有り難うございます。もう全く前の車の少し後を走るときの跳ね上がりが違うんですよ。「水煙状態」とは初めて聞く言葉ですが、言い得て適切、絶妙ですね。

 参考URLも教えて頂きました。http://www.e-nexco.co.jp/more_expressway/new_tech/safety/pave.htmlです。「舗装の種類」として

  1. 通常舗装・・・蜜粒舗装
  2. 排水性舗装・・高機能舗装
 があると。勉強になりました。それと昨日読んだウォール・ストリート・ジャーナルに面白い記事が。「不況には強い」とずっと言われてきたラスベガスに閑古鳥が鳴いている、という話。うーん、マカオはどうなんだろうな。まだ盛んなんだろうな。


2008年07月01日(火曜日)

 (01:02)メンバーがメンバーだったので、非常に面白かったですな。私自身、やっていて「こりゃ面白い」と。多分聞いておられる方々もそうだったのでは。

 東京駅は丸ビルの21階。ブルームバーグのセミナールーム。並んだのは、私の右手から

 武者 陵司さん(ドイツ証券副会長兼CIO)
 菅野 雅明さん(JPモルガン チーフエコノミスト)
 白川 浩道さん(クレディ・スイス チーフエコノミスト)

 私はパネラー兼コーディネーターという役回り。あまり時間がなかったので、どんどん話を進めました。当面の関心事項は穀物以外は全部やれたかな。為替、株、原油、世界経済の先行き、そして日米欧経済の動向、そして中央銀行の政策的行き詰まりなどなど。ははは、「off the record」ですから、内容は書けませんが。

 パネルディスカッションは、参加している身でありながらも勉強にならないと参加した価値がない。そういう意味では、今回の会合は面白かった。非常に興味深いワーディングもあって、私自身発想の原点をいくつか諸氏より頂いた。感謝です。
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 中国で直近では一番大きい騒乱が起きた貴州省は、毛沢東が生まれた湖南省に西隣、日本人が良く知っている都市では重慶の南に位置する。もっと南には南寧や広州がある。貴州省は確かに内陸の省だが、チベットや四川の一部など「辺境」と呼ばれるところよりはかなり中国の中心部。そこで騒乱が起きた。

 現場にいたわけではないから、詳しい情報は知りません。漏れ聞こえてくるだけです。しかし、15才の少女に対する乱暴・殺人事件で数万人が参加する騒乱に発展し、警察署と政府庁舎が焼かれる事態になったというのは、相当民衆の不満が高まっていたが故に、と考えるのが自然です。そうでなかったら、普通はここまでの大きな騒乱には発展しない。

 著しい発展を遂げる中国。オリンピックを40日後に控えた中国。しかし中味は相当めちゃめちゃです。まあやっぱり一番の矛盾は、民衆の権利意識の高まりに対して、共産党の末端行政組織、それを構成する人々が昔ながらの権威、権力を振りかざし、恣意的な行政を行っていることでしょう。中央の問題と言うより、地方、末端組織の問題です。

 一方で、成長に乗れない人々が大勢いて、かつ都市と農村の格差の大きさを目の当たりにしているし、差別も味わっている。これでは「きっかけ」さえあれば、権力と富を手に入れている、そして自分達に平気で暴力を振りかざす「悪代官達」に鉄槌が振り下ろしてやろう、と民衆が考えるのは自然な成り行きです。

 日本はサミットを控えて、中国はオリンピックを控えて警備が厳しくなっている。しかし、中国社会が抱えた矛盾は非常に大きいということでしょう。




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