ITとカースト:インド・成長の秘密と苦悩 日本の文化としてのカウンター
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 分析・解説記事としての「News & Analysis」、食道楽のための「EATING OUT」、勉強家のための「LINK」、そしてややまとまった意見・感想を載せた「CYBERCHAT」、友人達の論文を集めた「FRIENDS」のどこにもは当てはまらない情報や私自身の意見を、この「Day by Day」で拾っていきます。
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2010年02月09日(火曜日)

 (13:40)本当に感心し、これは凄いことだと。盲導犬の事です。

 いつもの通り大阪に行くので新幹線に乗ったのです。そしたら2列前に盲導犬を伴った目の不自由な方が東京駅で乗ってきた。その方が窓際に座り、犬はその横で床の上に横たわった。何にびっくりしたかと言って、その盲導犬が列車に乗ってくるところから大阪で降りるまで、全く音一つ出さないのです。鳴き声はむろん、うなり声も。まるでいないかのように。

 従来から「(盲導犬は)訓練されている」とは聞いていました。しかし、ここまでだとは思わなかった。最近は新幹線の中で着信音を鳴らしたり、ひどい例になると電話での会話までしている人間がいる。だから、「犬の方がよほど出来がよい」と思いました。訓練すればここまでになるのですね。

 話は変わりますが、最近「カティンの森」を見ました。神保町の岩波ホールで。しばらくの間、ナチスドイツの犯行か、それとも赤軍の犯行かで双方から議論があった大きな虐殺事件ですが、今では当時のスターリンが犯した犯罪と言うことになっている。政治的にもゴルバチョフが認めて、ソ連軍の犯行ということで今は決着した。

 それにしても、事件があったのが1940年、今から僅か70年前ですからね。そんなに近過去なのに、実に恐ろしい大量虐殺が行われていたことに改めて衝撃を受ける。最後の連続射殺の場面などは、一人一人が足跡を残してきた人間に対する所行とは思えない。

 実はドイツもポーランドの古都クラフクの大学教授達を連行して、結果的に死に追いやっている。つまり、ドイツとかソ連の犯行と言うよりは、ワイダ監督は「ポーランドの悲劇」を描いているのです。それにしても、強国に挟まれたポーランドという国が味わった悲劇は、想像を絶する。

 久しぶりに映画らしい映画でした。事実を積み上げ、時間を積み上げ、そして悲しい、衝撃的なクライマックスに。まだしばらく岩波ホールでやっているようです。時間のある方は是非ご覧ください。たった70年前の話です。


2010年02月08日(月曜日)

 (23:40)それにしても、「PIIGS」とはうまく当てはめたものだと。欧州の問題国、ポルトガル、イタリア、アイルランド、ギリシャ、スペインの5カ国を意味する。「PIGS」という表現もあって、その場合はアイルランドを除いて欧州南部の問題国四カ国を意味する。いずれにしても、「ブーチャン」と覚えれば良い。

 今日の東京市場が懸念したとおり、G7でのギリシャなどの問題に対する取り組みは、どう見ても甘い。しかし今見ると欧州の株価は反発に転じている。問題は残しながらも、相場のレベル的には買える水準に来たと考えている向きがあるのでしょう。材料とは別に、相場には必ず”レベル”という視点がある。

 ことばに関連して今朝面白いと思った記事は、「煮抜き、お造り、関東炊き…消えゆく関西たべもの言葉」という朝日の記事でした。ついこの間「にぬき」の話しをこのコーナーで書きましたから。その記事は以下のようなモノだった。

 煮抜き、五目ずし、関東炊(かんとだ)き……。「食」に関する関西ことばが日常生活から急速に姿を消している。武庫川女子大学言語文化研究所(兵庫県西宮市)の岸本千秋助手(44)の調査でわかった。「まずい」を意味する「もみない・あじない」は絶滅寸前だ。

 調査は2008年11〜12月、武庫川女子大の学生124人と、同研究所に普段から協力している一般の20〜60代の158人を対象にアンケート方式で実施。関西とそれ以外の地域で異なる呼び名を持つ「食」に関する言葉を並べ、どちらをよく使うか選んでもらった。一般の回答者には、子どもの頃どちらを使っていたかも答えてもらった。

 その結果、60代以上のほぼ半数かそれ以上が子どもの頃に使っていた「なんば」「ごんぼ」「関東炊き」「ばらずし・五目ずし」という単語が、それぞれ「トウモロコシ」「ゴボウ」「おでん」「ちらしずし」に変わっていた。学生は、これら四つの関西ことばを使う割合が1割に満たなかった。「もみない・あじない」は30代以下でほぼ消滅。「煮抜き」(ゆで卵)も50代以下ではほとんど使われなくなっていた。

 「かしわ」「お造り」は学生の1〜2割が今も使うと答えたが、すべての世代で「鶏肉」「お刺し身」を使う割合が拡大。60代でも「鶏肉」「お刺し身」が5割を超えていた。

 私は「にぬき」を覚えたばかりなので、消えてしまうのはちょっと寂しい。しかし、「かしわ」なんてのは逆に使われるようになっているのでは。方言もなるべく残すべきです。


2010年02月07日(日曜日)

 (08:40)番組の案内です。今日の午後8時30分からのBS7「世の中進歩堂」は、「自動作曲システム」です。先日収録が終わったのですが、「こんな事が出来るんだ」とびっくり。私も一曲作ってみました。

 番組のHPにある通り、『言葉が音楽に変わる瞬間!音楽業界に革命を起こす自動作曲システム』というわけで、 音楽業界の常識を覆す画期的なコンピューターシステムです。東京大学の嵯峨山研究室で開発されたこの自動作曲システムは、ソフトウエア上に文字を入力するだけであっという間に作曲ができてしまう。

 私は松井の歌を作りました。というか、ちょっと短い文章を作っただけ。それをコンピューターに入力するとすぐに曲になる。しかも、少し手を加えれば、自分好みのアレンジで歌声や伴奏までつけることができ、誰でも手軽に作曲家になれる。画期的なものだ。

 嵯峨山研究室は、工学の技術を用いて音楽を追求していく“音楽工学”最先端に立つ研究室。より音楽を楽しめ、理解を深めていく様々な装置を開発している。テクノロジーの進歩が、どのようにして音楽の世界に影響を与えていくのか、番組ではその可能性に迫ります。お楽しみに。


2010年02月06日(土曜日)

 (11:40)大荒れだった昨日の海外市場をチェックしていたら、「なんという見出しだ」という記事に直面しました。ウォール・ストリート・ジャーナルの記事で、「Is Greece Governable?」というのです。「ギリシャという国は、そもそも統治可能か?」と。どきっとするでしょう。

 今回の「欧州に対する市場の懸念」の出発点はギリシャです。政府は、膨らむ予算赤字を2012年にはGDPの3%にすると約束している。しかし問題は、その約束が履行される、それにギリシャ政府が成功するとは誰も信じていない点です。ウォール・ストリート・ジャーナルは以下のように書く。 

The Greek government has promised to cut its budget deficit to 3% of gross domestic product in 2012. But the cost of insuring Greek debt against default continues to rise. To many, that means the Greek government has a credibility problem.

But at the root of that problem is a deeper, more fundamental question: is Greece governable?

The citizens of any nation always retain the right to disagree with their government. Even so, most of the time they obey the laws made by that government, in spirit as well as in letter. Among those nations that have a sucessful track record of confronting and overcoming existential crises, that obedience and sense of common purpose is strongest when the threat is greatest.

As of yet, for bond investors the jury is out on whether Greece is governable-in particular whether its government is capable of delivering the budget cuts it has promised. That was clear from the reaction to events as they unfolded Wednesday.

Investors welcomed the EU Commission’s qualified endorsement of the Greek government’s budget plan, but sold bonds again when the country’s largest union announced it would call a general strike on Feb 24 to protest against the austerity measures. Those doubts about governability were reinforced Thursday as tax collectors and customs officers walked off the job, ahead of strikes by civil servants, doctors and Communist-backed workers on Feb 10.

 「The citizens of any nation always retain the right to ...」で始まるパラグラフと、ギリシャ人がEUをどう見ているかに関する記述が面白い。確かにこの危機の中で、「じゃあ切り詰めよう」ではなくて、ギリシャ最大の労組は24日にゼネストを計画し、それを待たずに税務署や税関の官吏が木曜日には職場放棄し、街で抗議のデモをしていた。10日には、公務員や医者のストが予定されている。

 つまり、ギリシャの労組の多く(多分国民もそういう気分なんでしょうが)は、「しのごの言わず、EUやIMFはギリシャを助けろ。我々の生活を保障しろ」ということでしょう。これではEUもIMFも簡単にはギリシャを助けられない。となれば、default の危険性は高まるという構図。ギリシャの国債は買い手が付かない状態。

 欧州では政府も危ないとなれば、それは飛び火する。ポルトガル、スペイン、それにイタリアなど。いずれもラテン系の国だ。ドイツやイギリス、それにフランスはこうした事態を懸念しているが、だからといって危機に直面した国の国民の自助努力なしには、簡単には自国民の税金でこれら諸国を助けることは出来ない。

 この週末にはカナダの北極に近い田舎町でG7が開かれる。なにもこんな時にどえらいところでG7を開く必要はなく、もっと都会でやればよいと思うが、それは別にしてG7が抱えた課題は大きい。アメリカが提示している金融制度改革、為替市場の混乱、世界経済に二番底懸念、加えての欧州での混乱。

 G20に主役の座を奪われたG7だが、依然として役割はある。G7が対応策の捻出に失敗すると、再び来週の世界の市場は荒れ模様になる。


2010年02月05日(金曜日)

 (11:40)海外の新聞を開いても、今日は異常に日本のニュースが多い。トヨタがあり、小沢さんの問題があり、FTには朝青龍の問題も取り上げられている。まあちょっと尋常ではない。

 それはそうと、新しいエッセイが公開されました。「伊藤洋一の『BRICsの衝撃』」です。不揃いに多極化した今の世界で、世界全体が関わる問題に取り組むには何が必要かを考えました。

 それはそれとして、金曜日に非常に興味深い画面を見ました。アバターを見たと書いたら、福岡の馬場さんから、「驚愕の360度の超立体映像」があるとの情報が。しかもお台場で見られると言うことで、昨日の午後行ってみたのです。

 それは、東京レジャーランド内のパレットタウンにあって、そうですね人が20人ほど入れる空間。どちらも向ける丸椅子が設置されていて、椅子設置面は床より高くなっている。実はそれが映像の運び具合で振動したりするのです。

 アバターもそうでしたが、普通の3D画面では例えば何かが接近するにしろ、目の前で折り返す。しかし、この360度のサラウンドの画面では、例えば拳銃の弾や槍がまさに自分の体を突き抜けていくように感じるのです。それはそれは迫力がある。私は各10分のお化け物、忍者物など3本を見ましたが、普通の映画よりは相当異空間体験をするせいか残像が残り、ある意味疲れる。不思議体験です。3D好きには一見の価値あり。

 360度に見えるのは、サラウンドに6つのパネルで映像を前後左右に見えるようにしているのです。どちらを向いているかで画面が違ってくる。この装置の特徴は

  1. 全周位スクリーン(これは確かに凄い)
  2. 超立体3D(映像が突き抜けて感じられる)
  3. ギミック効果
 など。最後の「ギミック効果」は、ステージ直下のスピーカー設置によるボディソニック(例えば花火の音などは非常にリアルです)と、手すりに噴出口を装備することによって生ずる「エアガン効果」を指す。これによって恐怖などが倍加する。

 目の前にいろいろな物が出現しますから、つい手を伸ばしたくなる。結構面白い。ただし、「6つのパネルで色が多少違う」「綺麗に見えているようで、実は映像がぼけている」(3Dの特徴だと思う)「コンテンツがまだ揃っていない」などの問題もある。

 しかし個人商店でここまでの製品を特許(第4166260号)を取って作っているのは、なかなかやるな、と思いました。貴重な体験でした。


2010年02月04日(木曜日)

 (11:40)やっと見つけたという感じです。ずっと探していて。

03日に再び天満宮に。「浪速」で鰻を食べて出たら、ノリ業者が天満宮で恵方巻きの1000人提供をやってました  何を見つけたかというと、関西風焼きの鰻。関東の一度白焼きにして蒸してからの蒲焼きではなく、蒸さないで蒲焼きにした鰻がずっと食べたかったのです。大阪でいくつかの店でトライしたのですが、今までは「これは美味しい」というのがなかった。

 しかし「この人は料理が出来る」と思っている「傘や」(新地)の女将から教わった店が、亀の池「浪速」でした。落語の常設小屋である「繁昌亭」の直ぐ左(正面から見て)の通りにある。わずか数メートルの距離です。

 しばらく「亀の池の向こう」の「浪速」の女将さんと話しをしたのですが、「ウチは普通は関西は腹開きするんですが、それは”腹切り”で嫌だと言うことで、背開きをするんですが、あとは一切蒸さない関西風です」と。食感が違うのです。東京で食べる鰻より、それが強い。なかなかいいと思いました。関東とは違った鰻を食べたい向きには、お勧めです。

 3日に行ったのですが、12時前にもう一杯。どうみても常連という人達ともいろいろ喋りました。その中には「世の中進歩堂」を毎週見ているという叔父さんが4人組で来ていて、これは嬉しかったですね。また来たいと思ったし、この辺には面白い店が多いと思いました。コロッケの中村屋とか、その反対にあるお好み焼きの店とか。

、  繁昌亭の右は「大阪 天満宮」で、私が行った3日はちょうど節分で「1000人に恵方まきを無料で配布」というイベントをやっていた。、ブルーの法被を着て、背中に「海苔」と白抜きで。右の写真です。上がっている風船は、恵方まきの太巻きです。

 一つ思ったのは、天神橋筋商店街は「昼は人が多い」ということ。ちょうど昼飯時でしたので。いずれにせよ、探していた物が見つかったのは良かったと。


2010年02月03日(水曜日)

 (11:40)去年の末くらいからですかね。講演会などの折に時々こういうことを私は言ってきたのです。小売り不況に関連して。

 皆さん、最近はジャガイモの一個、トマトの一個にまで、「このジャガイモは、トマトはどこの誰々が作りました」とトレーサビリティを示す表示がありますよね。食べ物でできて、例えば衣類などでもなぜそれができないのでしょうか。

 ユニクロは確かに売れている。販売に絡む雇用も日本国内で生んでいる。同社の製品には技術革新もあって、すばらしい。しかし縫製はほぼすべて海外、特に中国でやっている。いくら売れても、縫製という面では仕事は日本では増えない。皆海外に行ってしまう。

 ではそれだったら、デパートなどは「これはちょっと高いです。しかしこれを縫製したのは、例えば岡山県のどのメーカーの何々という人です。このジーンズには、この上着にはこういう心がこもっていますし、新しいこういう技術も使われています」という作り方がなぜできないのか。

 それをしたら、買う人が出てくるのに......

 と。いや本気で言っているのですよ。というのも、私はそれをPCで経験して、直ちに「国内産」を選んだからです。

 それは、ソニーのVAIOの「Z」という機種の話です。まだ「7」が出て間もなくの頃です。新宿のヨドバシに行った。いいマシンはないかと。そしたら「Z」が早くていい。「コア2デュオ」で。でも値段が二つあった。

 「なぜですか」と聞いたら、店員の方が確か「この高いのは信州で作っていて、一方安いのは海外で作っているのです」と説明してくれた。まじまじとボディーを見たりしたら、自分が長野県の出身であることもあって、「信州で作ったこっちの方がいいよね」という判断に達した。使い勝手も良かったし、長野県の雇用を応援したいという気持ちもあったのです。

 で、迷わずに「こっちを下さい」と信州で組み立てられたVAIO「Z」を買った。それが今の我が家のメーンマシンです。実際に使ってみて、最終的に買った方のマシンの方が良さそうだったこともある。加えて、「国内、それも出身の長野県で作っている」という安心感があったし、国内雇用に貢献できるとも思った。そもそも長野県は精密工業が盛んなところだから、間違いないと思ったのです。

 そういうことがあったので、デパートなど日本の小売り業が売っている衣類などにもそれが適用されるのではないか、とずっと考えていたのです。ちょっと高くなるが、日本の雇用を守ることができる、しかも品質は良い。

 そういう気持ちでいたら、私が毎週火曜日に出ているアンカーという関西夕方の大型ニュース番組で、「アーバン・リサーチ」という会社が紹介された。私と国定さんが担当しているコーナーで。すばらしい。もう私が考えているようなことを実践していて、しかも業績が良い。「やっぱり」と思いました

 番組の目を付け所が非常に良かった。私は自分の考え方を発展させると同時に、もうちょっとこの会社のことを調べようと思っているのですが、どうでしょうね。閉鎖に追い込まれているばかりのデパートなどの業界。少し頭を使ってみては。頑張っている小売りはいっぱいあるのです。


2010年02月02日(火曜日)

 (23:40)街というものは面白いところだな、と。改めて。

 空き時間があったので、大阪の天神橋筋商店街を4丁目から1丁目まで、最後の1丁目のアーケードを突き抜けるところまで歩いてみたのです。ゆっくりと往復で。片道30分もかからない。天神橋筋商店街は日本で一番長いアーケード続きの商店街です。

 面白いのは、「街歌」があって、それが私が歩くときはいつも流れていること。実に様々な商店が並んでいる。まあ、パパママ・ショップの大行列なんです。各種雑貨などモノ、そしてマッサージなどサービスも売っている。

 歩くと分かるのは、この全般的な不況下であることに加えて、いわゆる二八ですからまあ寂しい店、レストランが多い。夕方まだ早い時間ですからこれからなのかもしれないが、「この店は、今晩誰か入るのかな」という印象がする店もある。結構旨そうで立派なのに。

 驚いたのは、パチンコ屋さんです。10年ほど前は夕方のパチンコ屋さんと言えば、それこそ人で溢れかえっていた。しかし、それは店にもよるのでしょうが、大きな、設備の整った店でも、今はこの商店街では一列に一人、二人のお客さんしかいない。「こんなのが続いたら大変だな」と。

 街は冷え冷えとしているのです。まあ考えて見りゃそれもそうで、火曜日の日経夕刊の一面トップではないが、「昨年の従業員5人以上の労働者一人当たりの月間現金給与総額は前年から3.9%減少して31万5164円になった」といった状態なら、一般の消費者は厳しい。

 なぜなら、その減った3.9%は「可処分所得の残った縁」なんでしょうから。つまり、生活費、ローン返済、教育費などを引いた最後の糊代。それがなくなると、「自由がなくなる」という部分。

 「縁」がたっぷりあるうちは、皆誘い合って外に行ける。しかし、「縁」が人によってなくなると、縁が残っている人まで外に「誘い合って出る」ということがなくなる。「他の人には迷惑になる」という空気を読みますから。「一種の閾値」がそこにはある。「一人で行く」のだったらもうええ、「内食、家食」となる。

 普通サラリーマンは割り勘か、上司のある程度の奢りでしょう。外食するのは。しかし改めて書きますが、ある閾値を下回るとお互いに誘いにくい雰囲気が生まれる。会社の中でも。加えて、上司で十分な小遣いを持っていたり、自由に使える企業内部のお金を持っている人が今は少ない。だから、閾値を下回ると急激に街でお金を使って過ごす人が少なくなる。今はそれに相当するのでしょう。

 しかし、そうした中でも繁盛している店はあるのです。例えば天神橋筋2丁目、繁昌亭のすぐ近くには、大勢の人が列を作っているコロッケ屋があった。ほんの小さな店なのです。しかし、男女、老若入り交じって列を作っている。

 その反対側には、お好み焼きを売っている店があって、そこにも同様の列が出来ている。あと鯛焼き屋さんでもそういうのがあった。羽の生えた鯛焼きとか何とか書いてあった。確かに見たら、トビウオのように羽を大きく生えた鯛でした。

 ところで話は変わりますが、夜飯を男二人と食べながら、そこのマスターと3人で喋っていて、京都の面白い言葉という話になりました。出てきたのは

 「にぬき」
 「かしわ」

 など。「にぬき」は分からなかったですね。いくら考えても。奥さんが京都出身という人が教えてくれた。なんと「ゆで卵」の事を言うのだそうです。ちょっとネットを調べたが、「どして」がよく分からない。「かしわ」は鶏肉のことで、関東でも比較的用法としては見かける。あとは、ネット情報ですが「けんずい」=おやつ、「虫養い(むしやしない)」=軽食など。

 それで思い出しましたが、私は最近よく頭に浮かんでくる言葉としては「ましょくにあわない」というのがあるのですが、これが標準語ではないというのが最近わかりました。どうも「間尺に合わない・・・」から来ているらしい。

 私の感覚での「ましょくにあわない」は、「役立たない、足りない」ですが、「間尺に合わない」は本来は「割りに合わない 損益がつり合わない 損になる」らしい。ちょっとニュアンスが違う。いずれにせよ、私の頭の中では最近「これじゃましょくにあわんな」と言う声が聞こえる。景気対策を含めて。


2010年02月01日(月曜日)

 (23:40)久しぶりに見た”ぼた雪”でした。雪国の人がそう呼ぶかは別にして、それは実に重そうで、かつ大きかった。夜9時過ぎに車を運転したのですが、既に道には都心でも積もりかけていて、「2日に朝にはどうなっているのだろう」という印象。雨になれば積もりませんが。

 ところで、最近考えをまとめ切れていなかった中国経済に関して、非常に示唆に富む本を読みました。紹介します。「中国経済の真実」(沈 才彬著 アートデイズ)という本です。この本が良いのは、書いた人が徹底的に中国を自ら歩いていて、情報が新鮮であると言うこと。特に私が面白く読んだのは第二章です。いままでこういう視点で書かれた本はあまり読んだことがなかった。確かにそうだし、では今の中国で”政変”があるかと言えば、まずない。

 要するに、「中国という国が本当に危機になるのは内部の政変であって、リーマン・ショックのような外部危機には極めて強い」という指摘が面白かった。確かにそうだ、と。その理由もまたわかりやすい。それは、「中国は海洋国家の部分と内陸国家の部分という二つの部分を抱える奥行きの深い経済である」という点と、「外部危機があっても、政治がしっかりしていればある意味中国は非民主主義的に危機対応が機敏に出来る」という点。

 「非民主主義的に」という部分は、それにはメリットもあるという意味で書いている。「民主主義的に」ということは実は、「決定にまで時間がかかる」ということを意味する。例えば今回の危機でも、中国が40兆元もの景気刺激策を決めたのは極めて素早かった。議会を通す必要もありませんから。第五章も面白かった。中国経済に関してもやもやしている人にはお奨めです。

 ついでに、「クラウド・コンピューティング仕事術」(西田宗千佳著 朝日新書)も読みましたが、これはちょっと前のクラウド本というか、書いている時点では「Gメール利用術」のようなイメージで書いていたが、本を出す段になって「クラウド」という言葉が出てきたので、それをタイトルにした、という印象がする本。

 逆に言えば「クラウド」が実に進歩、変化の早い初期段階の概念であり、それがエボルビングしているという現実を思い起こさせてくれる。例えば今私が「クラウドの本、それを使った仕事術の本」を書くとしたら、全く違った本になる。違ったクラウド術を使っていますから。

 それから本ではありませんが、今日覚えた最も興味深い言葉は「力覚」(りきかく)でしょうか。「りきかく」と書いて変換しても、atok は変換してくれない。それほど珍しい言葉です。しかし、インターネットで「力覚」で検索すると、結構サイトはある。「世の中進歩堂」の収録の際に覚えました。追って放送されます。

 英語で、「force sensation」という綴るのだそうですが、例えばこのpdfには、「人がもつ感覚機能を大きく分類すると、視覚、触覚、聴覚、嗅覚、味覚という5つの感覚機能に分類される。力覚はこのうちの触覚に相当する。」という文章がある。

 しかし産総研のサイトには「力覚」を定義して「物体に触れた時の表面のザラザラ感などの皮膚感覚が触覚である。これに対して、物体を握った時に筋肉の緊張の具合からその硬さが理解でき、指関節の角度から物体の形状を知ることができる。この感覚が力覚である。広い意味での触覚は、これら両方を指すことがある。」とあり、触覚と「力覚」は別物(触覚の方が広い概念だが)と書いてある。

 英語の「force」は、言ってみれば「反発力」という意味でしょう。あえて訳せば「反発感覚」ということか。でも面白かったですよ。少し先の番組をお楽しみに。
 


謹賀新年



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