2007年03月30日(金曜日)

 (22:25)金曜日ということもあったのでしょうが、やはり桜の花が咲いた影響。それとも東京ミッドタウンの開業 ?

 東京は歩くと異常に人の出が多く感じた印象でした。行く予定はなかったのですが、東京ミッドタウンには誘われて午前11時から午後1時前まで行ってみました。あちこち歩くのではなく、ユニオン・スクエア東京というニューヨークの店が発祥の店でちょっとランチを。

 従業員から何から今日から本格スタートですから、そりゃ手際は悪い。あそこ働いている人は皆どこかから集められている。一人一人は例え熟練でも、人人の間の連携はどう考えても一週間の訓練期間しかない。場所として落ち着くのは少なくとも半年はかかるんでしょう。その間は、あそこのレストランに入ったらあまりイライラしないことです。それが嫌なら、暫くたって行った方が良い。

 箱はなかなかいい。緑が多いのが素晴らしい。全敷地面積の4割が庭。その庭は、もう桜の木が綺麗に花がついている。苗木ではないのです。乃木坂の方から歩いて、桧町公園をしっかり見てから、2121を左手に見て入っていくのが良いのではないかと思いました。六本木交差点から入ると、ただのビルの固まりにしか見えない。

 夕方は渋谷で打ち合わせがあった後、麻布10番近辺で打ち上げが一つあったのですが、歩きで通りかかった六本木ヒルズでは、大勢の椅子に座った白い制服(ジャンパーですが)を着た人が、人の流れをカウンターで数えている。ピント来ました。「(ミッドタウン開業で)人の流れがどう変わっているのか数えているな....」と。

 午前中にミッドタウンを見ていたので、ヒルズの人の少なさは強く感じました。風がただ街を通り抜けている、という感じ。ほんとに風が強かったのですよ。打ち上げ後、午後8時過ぎだったと思います。近くの毛利庭園の桜を見に行きました。テレビ朝日のお天気キャストは大部分があそこから行う。綺麗そうだったので、全員で行ってみたのです。また白い服のおじさんがいる。

 で、聞いてみました。「人の流れの変化をカウントしているんでしょ...」と話しかけて。そしたら、「はい」ということなので、ヒルズとしてはミッドタウンの影響を測り、今後の対応を考えているのでしょう。

 ヒルズの展望階に上って、ミッドタウンを見てみました。上がブルーのランプであそこはホテルゾーンだと思います。リッツが入っているところ。下が白で、これがまたきらびやかなのです。特に右側が。住民から文句が出ないんだろうか、と思うほど。オフィスの部分なんでしょうね。ヒルズから見てミッドタウンで一番高いビルの右三分の一が、他の部分と光り方が違う。普通のビルは、階で明かりの量が違い、全体としては光りの量がビル全体に散らばっている印象ですが、ミッドタウンは明らかに変えている。つまりヒルズから見て右を輝かせている。綺麗に帯(縦縞の)を作って。

 「何時までライトアップしているのか」とか言う話になったのですが、10時前には解散したので、それは分からずじまい。何時なんでしょうか。ヒルズもミッドタウンも自然に人や店が集まったというより、構想し、人を集めようとして作った街。歩くんだったら、やっぱり銀座とか表参道の方が楽しい気がする。

 この隣接する二つの人工の街が、どう個性を高めあって人がいつまでも集まる街を作れるのかは、「これからの課題だな」と思いました。


2007年03月29日(木曜日)

 (22:25)今日は、悩んじゃいました。「こんなことでいいのかな.....」と。

 何かというと、バーナンキの発言についてです。最初に見たのは、日本の新聞(複数)です。揃って、「(米経済)先行き不透明感増す」といった表現になっている。バリエーションはあって、「米経済に不確実性」「(FRB議長)米経済先行きに不確実性増す」「米経済、不確実さ増す」と様々だが、要するにアメリカ経済の先行きに不透明性が高まったとある。これらを読んだ段階で私が思ったのは、「バーナンキはアメリカ経済に随分と弱気になったな」ということ。なぜなら、バーナンキは今までの証言、発言ではアメリカ経済の先行きにすこぶる強気だった。

 しかし、同じバーナンキ発言をウォール・ストリート・ジャーナルや英フィナンシャル・ タイムズでも読んでみたのです。見出しが全く違った。「Bernanke notes risks, but holds to outlook」(ウォール・ストリート・ジャーナル)、「”No need”for Fed rate cut」(FT)とある。明らかにトーンが違う。ウォール・ストリート・ジャーナルは見出しだけで、「バーナンキはアメリカ経済に対する見通しを変えていない」と主張している。

 この段階で私が不思議に思ったのは、「どっちが正しいんだい?」ということ。当然、証言全文に当たる。ここにあります。で、日本の新聞が「米経済に先行きに対する不透明感がここ数週間でやや増した」と訳している部分に相当する文章をバーナンキ証言の中に探してみる。キーワードはたぶん、uncertainties だろうと思って。

 一発で出てきました。最後の最後の方に、「However, the uncertainties around the outlook have increased somewhat in recent weeks.」とある。「ここか」と思う。直訳すれば、「その見通しに関する不確実性が、この数週間に若干増加した」と訳せる。そこで思ったのは、「the outlook」とは何かという問題です。そこで、パラグラフ全体を読んでみる。こう書いてある。

 In regard to monetary policy, the Federal Open Market Committee has left its target for the federal funds rate unchanged, at 5-1/4 percent, since last June. To date, the incoming data have supported the view that the current stance of policy is likely to foster sustainable economic growth and a gradual ebbing in core inflation. Because core inflation is above the levels most conducive to the achievement of sustainable growth and price stability, the Committee indicated in the statement following its recent meeting that its predominant policy concern remains the risk that inflation will fail to moderate as expected. However, the uncertainties around the outlook have increased somewhat in recent weeks. Consequently, the Committee also indicated that future policy decisions will depend on the evolution of the outlook for both inflation and economic growth, as implied by incoming information.
 つまりこの部分は、アメリカの金融政策に関して述べている。「In regard to monetary policy」という部分がそれを物語っている。つまり、そもそもパラグラフ全体としてアメリカ経済を論じた部分ではない。あくまでもアメリカの金融政策を論じている。では、「the outlook」とは何か。読み流すにしても、「the Committee indicated in the statement following its recent meeting that its predominant policy concern remains the risk that inflation will fail to moderate as expected.」の部分を指すと分かる。

 何を言っているかと言えば、「圧倒的に考慮せねばならない政策運営上の懸念は、インフレが予想されたようには緩和しないかもしれない」という懸念、見通しである、と言っているのだ。だからこそ、「consequently.....」以下の文章になるのだ。「Consequently, the Committee also indicated that future policy decisions will depend on the evolution of the outlook for both inflation and economic growth, as implied by incoming information.」。

 この「the Committee indicated in the statement following its recent meeting that its predominant policy concern remains the risk that inflation will fail to moderate as expected.」という文章は、3月21日に終わった出たFOMC声明の中にある。

 「the outlook」がそこを指すのであるから、「the uncertainties around the outlook」は、「インフレが予想されたように緩和しないかもしれないという見通しに対する不安感」と訳せる。アメリカ経済に関して述べているのではない。日本中の新聞読者が、日本の新聞の揃っての明確な、しかし非常に肝心な点での誤訳でアメリカ経済に対する間違った見方を持たされたとしたら、実に不幸なことだと思う。

 つらつらとバーナンキの証言を最初から改めて読んでみました。読めば読むほど、ウォール・ストリート・ジャーナルの「Holds to outlook」という表現が正しいことが分かる。つまり、バーナンキはアメリカ経済に対する全体的見方としては、依然として強気なのです。ですから、リスクの存在を挙げながらも、それらは統御可能だという意味合いの次のような文章が出てくる。

 At this juncture, however, the impact on the broader economy and financial markets of the problems in the subprime market seems likely to be contained.

 Thus far, the weakness in housing and in some parts of manufacturing does not appear to have spilled over to any significant extent to other sectors of the economy.

 これらを読み砕いたら、バーナンキが「米経済の先行きに不安だとか」「不確実性が高まった」などとは、とても言えない。

 加えて、日本の大部分の報道は28日のニューヨーク株価の100ドル近い(ダウで)下げに関して、「バーナンキのアメリカ経済に対する不確実性発言」が弱材料になっているし、加えての米経済指標の弱さが背景であると伝えている。これも違う。株が嫌気したのは、先のFOMC声明が「利下げ」を予感させたのに、今回議会証言に立ったバーナンキが金融政策のバイアスは依然として「inflationにある」と述べたことからです。つまり、バーナンキの「アメリカ経済には依然として強気」という部分に反応している。「なんだ、利下げはないのか」という点。180度違うじゃないですか。

 ほんまにどうなっているんでしょうね。同じ証言が、日米で全く正反対に受け取られる現実。しばし亜然でした。


2007年03月28日(水曜日)

 (22:25)大阪への行きは山形経由で飛行機で入ったので分かりませんでしたが、大阪から東京への移動は、特に東京が近づいた段階で咲き始めた桜を数多く見ることが出来て、なかなか楽しかったし、壮観でした。むろんまだ3分咲き、4分咲きが大部分ですが、中には満開に近い木もある。

 大阪はやっと火曜日が開花でした。大阪城公園の標本木に5輪の花びらが付くと、開花ということらしい。大阪の前に桜が関西で咲くのは、和歌山だという。関西はあと2週間が見所なんでしょうね。東京はこれから10日ぐらいでしょうか。東京は、どこに行っても桜はある。

 今日は食事が赤坂だったので、終わった後アメリカ大使館上からアークヒルズの裏側に出てどのような状況かを見てみました。結構綺麗に咲いていました。特に坂を上がった方の木がよく花を付けていた。溜池に近い方は、まだ2分、3分咲き。あと数日たつと、あの坂は凄い人出になるのでしょう。

 新幹線の中では、久しぶりに音楽を聴きながら二本の原稿を書きました。音楽は、ソニーが最近出したWalkman×videoで。このマシンは出て数日して買いましたが、きわめてスグレモノです。軽いし、機能に切れがあるし、音は良い。手の中にすっぽり入る。しばらく離せそうもありません。あと、W03Hのビスタ用ドライバーが出たので、これでビスタもほぼXPと同様に外で動かせるようになった。しかし、辞書変換が遅いなどまだまだビスタは問題が多い。


2007年03月27日(火曜日)

 (23:25)別に山形繋がりではないのですが、たまたま大阪場所で来阪している時津風部屋の年寄り・佐ノ山親方とまたまた会食。東京にも進出している六覚燈(ろくかくてい)で総勢5人で。ははは、しばらく山形の話で盛り上がりました。

 どのくらい正しいのかは知りませんが、関取名鑑では佐ノ山親方についてはこう書いてあるのですが、実際のところ相撲以外でも実に幅広い知識をお持ちで、冗談もちょっときわどいがなかなか決まる。話していた楽しい方です。

 今場所は、時津風部屋的には良い場所だったと。豊ノ島が勝ち越し。来場所には、小結くらいには進みそう。時天空は負け越してしまいましたが、あと一勝というところでの負け越し。当面の願いは、「優勝力士を出すこと」とのこと。来場所は東京、その次は名古屋、その次は東京で、地方は最後が福岡。

 去年の福岡場所は私も行きましたが、会場が1万人も入ることもあって、なかなな一杯にならない。若貴ブームの時には、まるで芸能人扱いで一杯になったものの、「あと必ず反動がくる」のが目に見えているので、今は「昔に戻った」という程度だという。

 私としては大阪場所の最後の2番についてちょっと意見があったので聞いたのですが、一番は勝ちたい一心で許せるが、もう一番は好ましくないと。私は二番とも「ちょっと」と思ったのです。やはり場所の最後は「横綱相撲」で終わった欲しいな、と。ファンの勝手な思いですが。

 大阪の六覚燈はカウンターとその後ろにテーブル席が5つくらい。店がウラとオモテで2軒あって、ソムリエなどは二つの店を行ったり来たりしている。串ですから、むろん油を使うのですが、結構食べても油っこくならないというのがミソかな。東京の店は、銀座6丁目の交詢ビルの確か4階にあった。

 それにしても、時代を作った人が次々に亡くなりますね。80歳と聞けば納得はするのですが。ちょうどケイタイにニュースが入ったのは食事中でした。確かお寺の子供さんだった。ニュースを見ると、「スーダラ節」と「無責任男」が象徴的に出てくる。しかし、そこに至る過程ではいろいろあったのではないでしょうか。葛藤もおありになったのだと思う。植木等さんのご冥福をお祈りしたいと思います。


2007年03月26日(月曜日)

 (20:25)山形の人は、「今日は最近では一番温かい」と言ってくれるのですが、日中はそうでもなくても夕方にはかなり寒くなる。やはり基本的に温度が違うんだなあ、と。でも気持ちよい寒さです。私は好きだな、このからっとした寒さ。

 多分初めてだと思うのですが、山形市に来ています。山形県でも、山形市から車で30分ほどの天童には真冬に来たことがある。その時は、凄い雪でした。そういえば、その時は鍋大会参戦というイベント絡み。ここがサイトです。しかし山形市には来たことがなかったと思う。

 今年の山形は全く異常だそうです。そういえば、全く雪がない。何でも何十年ぶりだそうです。天童も雪がないという。道を走っても、全く東京などと同じ。山形の街も歩きましたが、人口25万人という小型の都市ですが、小綺麗な印象を受けました。パチンコ屋さんも少ない。

 山形に来たのは、ITと地域興しに関するシンポジュームの基調講演のため。まあ私は消費者とエコノミストの立場から意見を開陳し、問題をかなり具体的に投げた。それを受けて専門家の方が意見交換を行っておられた。私もしばらくシンポを聴いていましたが、勉強になりました。ははは、私の講演の最中に警報ベルが鳴ったのには最初びっくりしましたが、しばらくして「何でもありませんでした」と。その後私はもう一回警報を経験。山形の警報機は鳴りやすい.....?

 終わった後は、せっかくなので山寺を見に行きました。芭蕉も足を運んだ寺だそうで、これを上まで上がったら大変だという気がしました。少し階段を上がってみました。空気がピリッとしていて、時間があればという印象。

 運転手さんが「見ていきましょう」というので、芋煮会に使われる川の近くにあった大鍋を見て移動。でも内陸で、夏は暑そうですな。


2007年03月25日(日曜日)

 (00:25)ははは、今日は夜中からフジテレビのニュースとスポルトを見ました。女子のフィギャーの絵は他の局では見られないようなので。実際の演技の時には見ていられなかったので、ニュースで見るしかない。

 スポルトでは各選手の演技をかなり長くやってくれたので、だいたい分かりました。キム・ヨナはジャンプを二つ失敗しましたが、表現力はあるなという感じ。腰が痛かったとか。アメリカの選手は全体に見るべきところがなかった。

 やはり圧巻は浅田選手と安藤選手の闘い。最終的にも僅差。確か194.45対195.05かな。浅田選手の聴衆を呼び込む、というか、惹き付ける力は素晴らしい。SPよりフリーで点が伸びる。彼女は今回のSP失敗に関して、「SPの重要性が分かった」と言っていたので、今後も非常に安定して強い選手になるという印象を持ちました。演技が終わった後の彼女の嬉しそうな顔が印象的でした。

 安藤さんは今までの奔放な印象が非常に変わった大会だったように思う。インタビューに対する答えも、「大人」を感じさせた。といっても、19才でしたっけ。「家族、その他にも喜んでくれる人がいて、ニコライにも、そしてファンの皆さんにも.....」と気配りのある発言。

 4回転をニコライの指示で封印して、3回転でほぼノーミスの演技。本人が「メダルはもらえたかな....でも順位は」と言っていたのが印象的。分からないんでしょうな、本当に。この時点の浅田選手の顔も真剣でした。

 まあ日本での大会ということもあるのでしょうが、ワンツーが日本人というのは、サッカーがペルーに勝ったことこととあわせて、なんとなく嬉しい一日でした。

 (追記 09:15)朝の東京新聞によると、オリンピック後の安藤さんは「美しい心を持って、人としても美しく輝きたい」と誓って、今季の公式練習では滑り終わると製氷係の一人一人に「ありがとうございました」と頭を下げて回った....という。姿勢はちゃんと現れるものということですか。過去の安藤ではない、と。


2007年03月24日(土曜日)

 (19:25)映画館で見るケイタイ電話警告や盗撮防止の絵を描いているのは誰だろうと思っていたら、水曜日の深夜のNHKテレビを見ていて、五月女ケイ子さんという人だとやっと分かりました。そういえば、彼女の絵はあちこちで見る。

 NHKを見ていたら、彼女は年間1000枚書くと言っていた。一日に3枚弱。興が乗れば、一日に10枚とか20枚書くんでしょうね。番組の中では15分で一枚仕上げていましたから。想像力・創造力を逞しくするのが作品を作るコツだという。なるほど。

 それにしも、世の中には才能のある人がいるものだ、と。絵が全く駄目の私などには想像もつかない。彼女の絵は実に特徴がある。今後も書き続けて欲しいものです。つい「さおとめ」と読んでしまうが、どうやら「そうとめ」という読み方のようです。

 今日笑った新聞記事と言えば、ウォール・ストリート・ジャーナルの「$25 MILLION FOR KIM」という記事の中に出てくる「pre-emptive concession」(先制的譲歩)という単語です。むろんこれは、「pre-emptive attack」をもじって使われている。ブッシュ政権はイラクに対して先制攻撃を仕掛けたのに、北朝鮮に対しては先制譲歩をしていると。

 この記事が言っているとおりですよ。アメリカはつい一週間前には、「金正日が2500万ドル全額を取り戻すことはない。取り戻したとしても三分の一か半分だ」と言っていた。このお金が不法に関わっていた疑いも濃い、と。しかし北朝鮮問題を早く解決したいが故に、アメリカは手続き問題を無視して北朝鮮と「全額返還」を約束してしまった。

 案の定問題が起こった。中国政府が過半の株式を持っていると言っても、香港市場に上場し、国際金融取引のルールに則って商売をしなければ国際金融界から締め出されかねない中国銀行が、バンコ・デルタ・アジアの北朝鮮資金の受け取りに難色を示した。それはそうだ。アメリカは、バンコ・デルタ・アジアに対して、国内銀行に取引禁止を命じている。もしそこからうかつに資金を受け取ったら、中国銀行が国際金融界で商売が出来なくなる。

 ヒル国務次官補は一生懸命やっていると思うが、北朝鮮の正体が見えていないように思う。体制の維持、不法でも何でも資金のゲットが出来れば良いと考えている今の体制が、「それでも常識の働く国なのではないか」と見誤っているのではないか。

 石油も電気も不足している北朝鮮では、まともな経済活動も行われていないと考えるのが自然だ。体制の維持ばかりに頭が言っている間に、北朝鮮の国力はますます弱っている。核だけが突出している。全体像を見れば体制の弱体化は進んでいると思うが、それにしても局面局面では他の諸国が北の手のひらに乗せられているようにも見える。こまったものだ。


2007年03月23日(金曜日)

 (00:25)木曜日は、二つの番組のためにちーと 勉強しました。一つはICタグについて、もう一つは中国の物権法について。分散 的な知識はありましたが、番組のためにはそれをもう一度知識としてまとめ上げ る作業をしないといけない。知識はあっても、必ずしもその知識がオーガナイズ されていないわけですから。そこに自分自身の体験や取材の時の思いを重ねれ ば、少しは語るに足るものになると思うのです。

 中国の物権法は、調べれば調べるほど何かを先導する措置と云うよりは、経済 の成長を持続させるためには追認せざるを得なかったものだということが分か る。現状追認です。日米欧で「中国の新たな改革」というのはちょっと持ち上げ 過ぎ。

 日本ではモノに対する私人の権利は当たり前であっても、当然ながら中国では この「物権法」には左派から激しい反発がある。「社会主義の骨抜きだ」と。先 頭に立つのは北京大学の恐献田教授など。

 それも無理からぬところで、中国の憲法は数年前に私有財産を保護する規定を 設けたものの、その地位は公共財産に比して非常に低い。また依然として土地の 私有制は許されていない。国民にあるのは使用権だけ。かつ国は公共の利益のた めに、法律の定めに従ってではあるが、私有財産に対して 収用または徴用を実行することが出来るとある。補償はあるが、国家の 裁量であり、補償の内容は国が決める。

 この補償の低さ故に、中国では何万という農民や住民の反乱行為が起きてい る。補償を決めるのが地方政府の役人だったりするため。彼等は安く土地を収用 し、それを高く外資などに売っていると言われる。

 問題は、市場経済にもう組み込まれたとも思いたがる人が世界では多い中で、 中国は依然として共産党一党が全てを支配する国会であって、憲法は依然として 社会主義が原則であり、国家のあらゆる機関の上に共産党が存在するという体 制。いつかその精算をしないと、本当の意味では中国は先進国の仲間入りをしな い、ということです。むろん、その間でも付き合ってはいかねばならないのです が。

 ICタグは、東京マラソンで注目されましたが、今後かなり利用範囲を伸ばして いくでしょうね。在庫管理などではもうかなり使われていますし、岸田さんによ ると銀座の三越では「シュー・サーチャー」という形でかなり具体的に利用され ているようです。刑務所内の囚人監視に使っている例もあるらしい。< P>  課題は一個一個がまだ高い点と、「ICチップ+小型アンテナ」という製品の基 本構成が持つ問題点。なぜならICチップの中には個人情報が入りますから、それ が無線に乗って出る。それで認証するわけですが、受け手から情報が流出しない ようにしなければ行けない。私はICタグが決済系と結ばれたときに一番大きな経 済的効果を出すと思うのですが、それはちょっと先ですかね。

 ICタグを推進している総務省の市場規模予測(昨年の8月時点の)では、2010年の市場規模は30兆円と予測されている。2010年でも、30兆円とは凄い。


2007年03月22日(木曜日)

 (15:25)ケイタイにフラッシュが入って、城山三郎さんがなくなったと。79歳ということなので、天寿を全うされたのかなという思いと、もうちょっとお元気で作品を残して欲しかったという気持ちと。

 城山さんの作品は、「毎日が日曜日...」といったサラリーマンものはあまり好きでなかったのですが、「落日燃ゆ」は好きだったし、読んだ後も長く記憶に残る作品でした。静かにその人物を描いている手法というか。本屋にまたこの本が並べられるのかどうか。出たら買っておきたい本です。

 「静かにその人物を描く」という意味では、今週見た善き人のためのソナタも良かったですよ。こちらは映画です。渋谷で単館上映している。壁が崩壊する5年ほど前の東ドイツ。盗聴が平気で行われ、市民が監視されていた時代。

 「戦場のピアニスト」と同じように、ここでもキーとなったのは美しい音楽です。当局の手先だった人物を変える。静かに、そして何も言わずにもう一人の主人公(脚本家といった設定)を救うのです。そしてそれに絡む悲しき運命の女優。

 郵便配達になった主役の一人を、もう一人の主役であるドライマンが見つけて車であとを追うものの、結局声をかけない映画の最後の方のシーンが一番記憶の残ります。すばらしい。そして壁崩壊後に発表された映画の題名の本。実話でしょうか。

 それにしても、想像していた、聞いていたシュタージの陰険さと、その権力を操る人間たちの醜悪な実態が見事に暴かれている。壁の崩壊後にいわゆる”ファイル”を見た人は愕然としたでしょう。いまあのファイルはどうなっているのか。

 1990年の年初にドイツに行って東に入ったとき、「ここは中世だ」と強く感じたことを思い出します。あの暗い町並みが映画では再現されている。壁は落ちたが、「wall in the head」は残っていると言われた統一ドイツ。東ドイツ出身の女性首相の誕生で、私はその「頭の壁」も消えつつあるとは思っているのですが、東の体制を経験した人たちの悪夢は残っているのでしょう。


2007年03月21日(水曜日)

 (28:25)ニューヨークの株が急騰しているのは、 「The extent and timing of any additional firming that may be needed to address these risks will depend on the evolution of the outlook for both inflation and economic growth, as implied by incoming information. 」と前回はあったtightening bias を今回落としたからでしょう。つまり金融政策を「中立(neutral)」にした。私がこれを書いている現在、ダウは150ドル、Nasdaqも37ポイント以上上がっている。引けがどうなるかは分かりませんが。

 もっとも、このバイアスを「中立に戻した」からといって、直ぐにFOMCが動く、つまり利下げに動くわけではない。6月も金利据え置きの可能性が高いと思う。「policy concern remains the risk that inflation will fail to moderate as expected.」とインフレ懸念を残している。

 まあ、このところのもやもやした気持ちを、ニューヨークのトレーダーたちは久しぶりに晴らしたかったのでしょう。FRBは「the economy seems likely to continue to expand at a moderate pace over coming quarters.」とアメリカ経済の拡大にお墨付きを与えた。21日に終わったFOMCの声明全文は以下の通りです。

Release Date: March 21, 2007

For immediate release

The Federal Open Market Committee decided today to keep its target for the federal funds rate at 5-1/4 percent.

Recent indicators have been mixed and the adjustment in the housing sector is ongoing. Nevertheless, the economy seems likely to continue to expand at a moderate pace over coming quarters.

Recent readings on core inflation have been somewhat elevated. Although inflation pressures seem likely to moderate over time, the high level of resource utilization has the potential to sustain those pressures.

In these circumstances, the Committee's predominant policy concern remains the risk that inflation will fail to moderate as expected. Future policy adjustments will depend on the evolution of the outlook for both inflation and economic growth, as implied by incoming information.

Voting for the FOMC monetary policy action were: Ben S. Bernanke, Chairman; Timothy F. Geithner, Vice Chairman; Thomas M. Hoenig; Donald L. Kohn; Randall S. Kroszner; Cathy E. Minehan; Frederic S. Mishkin; Michael H. Moskow; William Poole; and Kevin M. Warsh.


2007年03月20日(火曜日)

 (24:25)久しぶりに長い原稿を書きました。自分のサイト用以外で定期的に書いている文章は、東京新聞向けのエッセイ(毎週)、ゲーテとゲイナー(ともに男性月刊誌)向けの文章、それに一ヶ月ちょっとで一回の日経ビジネス用書評などですが、いずれも2000字未満。東京新聞用のエッセイはぴったり600字です。

 今回書いたのは、日立総合計画研究所が発行している機関紙「日立総研」向けのもの。インドに関する6000字弱という依頼だった。これが結構難しい。本の長さに比べれば、非常に短い。しかし、今通常に書いている文章の量からすれば、結構な量。

 は相当な長さですから、具体的な例を挙げたりしてじっくり書ける。しかし分量指定の中距離原稿では、具体性も必要だが、しかし足早で説得力のある結論も必要。本を書く感覚から頭を一端フレッシュしないといけない。

 ところで火曜日は、番組終わりで1時間以上待ち時間があったので、大阪の街歩きを実行。今回は、日航ホテルから道頓堀にかけての地域。御堂筋を挟んで大丸の反対側の地域です。一般に「アメリカ村」とか呼ばれている。

 結構面白い店がいっぱいあるんですよ。裏原ともちょっと違う。銀製品の店が多いと言うよりは、圧倒的に衣類の店。奇抜なTシャツのようなものが並んでいる。ちょっと年代が若いんですよ。御堂筋沿いと比べると。良い悪いの差ではなく、大阪のファッションはちょっと東京都は違う。色の使い方などがもっと原色です。だからある意味で見ていて面白い。

 思ったのは、「この集積はなかなかのものだ」ということ。御堂筋の向こうの二つのデパート(そごうと大丸)では、どちらかというと大人が買い物をし、その反対側ではそのジュニア達が買い物をする。親子連れが心斎橋で降りて御堂筋の右と左に分かれるといった状況です。新しい店を作る準備があちこちで進んでいた。またちょっと時間がたったら見に行きたい街です。


2007年03月19日(月曜日)

 (20:25)正直、三洋電機には早く元気になって欲しいと思っています。80年代の後半には、会社が研修生を受け入れていたし、私もその人々のお世話をしたこともある。守口の本社には何回もお邪魔したし、付き合った何人かの社員の方は気持ちの良い方が多かった。

 ただし、2000年代に入ってからの三洋電機の動きには解せないことが多かった。今回辞任を申し出た野中ともよさんが社外取締役になった02年には、「そういうのもありかな」「イメージ戦略だろうな」と思ったのですが、05年に取締役会長に突然就任したときには、正直ビックリしました。

 野中さんは確かNHKのスポーツ・キャスターで世に出て、その後ワールド・ビジネス・サテライトのキャスターを長くやった。その後体調を崩してあのハードな仕事を辞め、その後はニッポン放送の取締役などをやっていた時期もあった。本来は英語を得意とする方だったように思う。しかし、その経歴から従業員数万人の大企業の舵取りを出来る経歴ではなかった、と思う。

 正直私がその時(会長就任)に持ったのは、三洋電機の創業一族のドンである井植敏氏が、事業の息子への継承が早すぎることから、自分の意の通じる素人の野中さんを経営陣に入れて、結果的に井植家の事業継承を確実にしようとしたのではないか、との見方でした。そういう見方は私だけではなく、一般的に多かったと思う。井植さんの御子息の敏雅氏は、その前に社長に就任していた。「世襲人事」との批判を社の内外から浴びていた。

 だからこそ、野中さんは引き受けたからには三洋電機の舵を自ら取る決意を持ち、実際に同社で長く働いてきた人々との融和、アイデアの摺り合わせを図りつつ、会社を新しい方向に引っ張る必要があった。しかし彼女は、新製品発表の時の発表者、同社の環境保護姿勢のアピール者の役割に甘んじていたように見えた。社員の方からもそういう評価をもらっていたようです。私はやはり、井植さんの人事も、そして彼女の能力にも、取締役会長という席は最適なものではなかったと思っている。

 辞任理由には、「問題の追及を訴えた野中氏と、それに否定的な取締役会との対立」が本人の口から挙げられている。しかし、実態は井植敏前会長(現最高顧問)の肝いりで会長に就任した野中氏が、会社再建のアイデアも出せないまま、よって会社に新たな方向性を持ち込めないままに、創業家の影響力排除を意図として持っていた金融機関(外資内資)との戦いに敗れたという側面が強いと思う。彼女がもっと指導力を発揮していれば情勢は違ったかもしれないが、それは難しかったのでしょう。

 業績不振だけでなく、同社は不正決算問題を抱えている。今家電量販店に行ってもサンヨーの製品を探すのはなかなか難しい。新幹線から見えるあの大きなソーラーパネルは今でも健在ですが、オールスターのスポンサーから降りた後は、会社の名前もあまり聞かなくなった。

 やはりメーカーは、その社の製品がどのくらい消費者の身近にあるかでしょう。そういう意味では、サンヨーは今その存在価値を著しく低下させていると言える。

 ここ当面は、彼女を任命した人の責任が問われることになるが、やはり同社の再建の可能性は、消費者が歓迎する製品が作れるかどうかにかかっていると言える。


2007年03月18日(日曜日)

 (23:44)日曜日でしたが、夕方から新宿のサザンタワーで一つ送別会。レッドソックスの岡島選手を夫に持つ栗原さんが、いよいよ4月に渡米すると言うことで、去年の春まで番組を一緒にやっていた仲間が久しぶりに集まった。当時ゲストだった中東の高橋先生や、アジアやCSRが専門の新谷さんもいらっして。

 久しぶりだったのに、ふっと一年前が戻るのが良い。チームで雰囲気良く番組をしていたので、今でもワイガヤです。栗原さんは、子供が3才と1才半。引っ越しは結構大変みたいですな。彼女はアメリカは西海岸は一年間だけですがいたことがあるのですが、東は初めてらしい。みんなで、ああでもないこうでもないと色々話しました。

 岡島選手にも、松坂選手にも頑張って欲しいですね。二人とも、それぞれのやり方でまずまずのオープン戦を戦っている。岡島のあのカーブは、しばらく通用しそう。大リーグの打者が慣れるまで抑えられそう。大リーグの選手は今はipod で敵の投手の投球を見て研究するそうですから、その裏をかく研究もしておかないと。幹事の古宮さん、ご苦労様。

 今朝の新聞では、一番気に入った記事は日経のスポーツ面にあった「球界混濁」の「裏金問題の土壌」(下)です。私自身が野球少年(高校時代のかなりの部分は入寮していました)を子供に持つ立場だったので良く分かるのですが、有名大学への入試準備と同じように野球は結構お金がかかる。大部分の野球少年は高校時代は入寮するから寮費が必要だし、遠征もあれば、親も移動費がかかる。親の移動費は毎週ですから、ばかにならない。

 先週の木曜日にも朝のテレビ番組で言ったのですが、経済的に豊かでない親、病気を抱えた親を持つ野球少年は少なくない。続けること自体が苦しい。そういう土壌があることがプロ球団の裏金の背景にあると考えます。つまりもらう方はやましい気持ちがあるが、少年も親の置かれている立場を考えると....ということ。

 これを乗り越えるためには、私は「球界全体で一種の奨学金制度を設けるしかない」という意見です。この記事も「公的助成制度が必要」という竹内元監督の言葉を引用している。今の日本学生野球憲章は「球児への経済的な支援を一切認めていない」のだそうです。

 もちろん「奨学金制度」の対象に誰を選ぶか、基準はどこに置くかなど難しい問題はある。しかし才能はあちこちに生まれる。その才能は、本人が望むならなるべく育てられた方が良いと私は考えるのです。だから、この記事の主張には賛成です。あと日経では、サイエンスの「ボット」というウイルスに関心も持ちました。気をつけないと。

 朝日新聞がいわゆる「格差問題」を取り上げる特集を始めた中で、まず世界に目を向けたのは視点として良いことだと思いました。格差問題は日本ではことさら国内問題、政権の問題とされている。しかし大きな背景としてグローバライゼーション(経済の国際化)がある。

 だから本当は、格差の問題は国民政府の範疇を超えてグローバルに対処をしなければならない話です。しかしこの問題を取り扱う場は、今はない。国連は基本的に政治や軍事の対立の解消を目的としている。G7やサミットは先進国の機関です。WTOは世界における貿易の円滑化、拡大を後押ししている。

 だから、今のところ国民政府が出来ることは「やむを得ない現実(世界経済のグローバル化)の前で、国民の教育水準を高めよう」というようなことです。教育のある人、柔軟性のある人は、グローバル化に対処できるとの考え方で。だから世界中の指導者が「教育大統領」だったり「教育首相」になろうとしている。国に出来ることは国民を教育することだけだ、と。

 それは正しいのですが、ではその先はどうなるのかというと、誰も回答を持ち合わせていない。問題はそこなんですがね。


2007年03月17日(土曜日)

 (24:44)実に面白い本を読み始めました。今まで「何故?」と思っていたことに一定の回答を与えてくれるし、そにれは納得がいくことが多い。

 本の題名を「ロマンチックウイルス」と言うのです。この本の題名のことをWBS土曜版の塩田さんに言ったら、「ウイルスはロマンチックじゃないじゃないですか」と言われてしまったのですが、確かに最初聞いたらそう思うかも知れない。なんでウイルスがロマンチックなのか、と。

 しかし副題を見るとその謎が解ける。「ときめき感染症の女たち 」というのです。ヨン様、次々に来日する韓流のスター達、そして今はハンカチ王子。ジャニーズ事務所のタレント時代から今までの系譜を辿りながら、なぜ壮年から中年、そしておばあちゃんとなった女性まで、日本では大きなうねりとしてこのウイルスの罹患者が増えているか、というテーマです。

 正直言って、これは私の疑問でもありました。韓国が一つの国策としてスターを養成し、それを海外に出していることは知っていました。「国策なのに」という気持ちはあったし、実際に韓国のヒット作を見ても、テレビでのそれはおおよそ少し古く、少しかったるい。なのになぜこの日本での女性、しかも「やや」から「かなり」までの年の上の方までの心象風景を変えてしまったのか。

 多分男性では分析できないな、と思っていたので、この本を手に取ったときに女性ライターの本であったのを見て、「なるほど」と。ちょっと繰り返しが多い気がするが、今のところ納得的で良い。もちろん、分析とは突出した部分の選別、そしてトレンドの先鋭化を行った後の果実です。しかし、読みながらフムフムと納得しています。今のところは。


2007年03月16日(金曜日)

 (24:44)木曜日の午後でした。銀座4丁目のソニービルに立ち寄ってぶらぶらしていたら、3階だかに今まで見たことがないウォークマンが。今までのそれは窓がなかったのですが、これにはある。

 直感的に、「やっと出したのか」と思い出しました。ウォークマンの映像が扱えるバージョンです。つまりビデオ版。今見たら、サイトはここにある。

 手の持ったところ、軽い。うーん、この程度の大きさの、そしてこの程度の重さのケイタイ電話が欲しいのですが、ない。音を聞いてみました。綺麗でしたね。ただちょっと画面が小さい。映像を見せてもらいましたが、ちょっと角度によって見にくいが、それでも綺麗に動きます。ただし、容量が最高で8ギガしかない。入れられるデータはあまり多くないかも知れない。

 一歩も二歩も進んでいたiPodですが、ソニーの新製品がどの程度挽回できるか。聞いたら21日発売で、8ギガで3万円ちょっとでの発売だという。検討してみてもいいかな、という感じ。


2007年03月15日(木曜日)

 (23:44)アメリカのマカオの銀行に対する措置というのは、なかなかうまくできていますね。北朝鮮がどう対応するか見物。なかなか外交上手です。黒を認定しておいて、認定は終わったのでマカオ当局に対応を任せるというもの。

 ところで、インドからメールを頂きました。ご主人の仕事の関係で、デリーに住んでおられる方から。参考になりますので、ちょっと紹介します。

 はじめてお便りさせていただきます。(中略)現在夫の仕事の関係でインド デリーに在住しております。

 1999年に海外赴任に帯同する妻たちの情報交換の場としてサイトを立ち上げ、現在運営主宰者をしております。お陰様で現在では年間200万アクセスを超えるサイトになり、多くの皆様から支持をいただいております。

【転勤妻】 http://www.tentsuma.com

 先日、伊藤様の著書「ITとカースト・インド成長の秘密と苦悩」を拝読いたしました。共感する部分が多く、大変興味深く読ませていただきました。デリーに在住して一年となりますが、インドという国の複雑さを目の当たりにすることが多く、生活の当初は大変つらい日々でした。海外赴任は初めてではないのですが、このインドという国に他国とは違う特殊性を感じております。

 最近では日本のテレビなどでもインドブームで、成長著しい部分ばかりを取り上げて いるような感想を持ちます。その反面、伊藤様の記述にもあるとおり、経済成長の裏に完全に置いていかれている多くの人がいます。実際こちらで暮らしていると、この置いていかれる人たちが今後このインドに及ぼす影響は決して小さくはないと思います。

 あとがきに<「山あり谷あり」のインドを見続けていく>とありましたが、今後も伊藤様のインドに対する新しい視点をご教示いただけることを楽しみにしております。現在下記にて、僭越ながら私がインドに関する連載を担当しております。お忙しいこととは存じますが、お時間のあるときにでもお目通し頂けますと幸甚です。

【灼熱印度】 ttp://www.faminet.net/india

 長々と大変失礼いたしました。


2007年03月14日(水曜日)

 (23:44)気象庁の桜開花予想における「データ誤入力」という話しは、そもそもおかしい気がしますね。少し開花予想に携わってきた専門家なら、例えば気温が誤入力されたとされる静岡、東京などが5日から10数日も早かったら、他の地方との整合性がおかしくなるはずだと思うのです。

 各地によってバラバラの開会になるということはあるでしょう。しかし、例えば東京と水戸との開花の差などは毎年一定の差があるはずです。それが全く無視されて東京の開花が通常より5日以上、その他の地方はもっと早く出たというのは、ちょっと事情を知っている(今まで予測してきた)人が見れば「おかしい」と分かるはずです。

 ということは、新人が精査せずに入力して、それを経験者がチェックしなかったとしか思えない。桜の開花くらいで良かったとも言えるが、大きな気象の変化が起きている時期だけに、例えば台風とか気象異変の予測で大きなミスをして欲しくない物だと思う。


2007年03月13日(火曜日)

 (23:44)午前中にテレビを付けたらちょうど高知龍馬空港での全日空機の胴体着陸の様子を映していて、本当に無事着陸したときは「うまい」と手を叩きたい気持ちになりました。それにしても、あの飛行機に乗っていたら、上空旋回から後輪だけの着陸にいたる二時間弱はどのようなことを考えただろうか、とも思いました。

 高知には何回も行っていますから、あの空港を使った記憶はある。しかし東京から行くので、プロペラ機に乗ったことはなかった気がする。今回の飛行機は伊丹からでした。「機長が落ち着いていた話していたので、安心していられた」という乗客の話が紹介されていましたが、そうなんでしょうね。あれで機長(今里さんという36才の方だそうですが)が不安そうな話しを機中でしたら、飛行機の中も悪い雰囲気になっていたに違いない。

 それにしても何人かの人は最悪の事態を想定したのでは。飛行機に乗るときは、やはり頭の片隅に緊急時のことが頭をかすめる。しかしだからといって乗らないわけにはいかないし、地上の交通事故より事故率が低いことも確か。今後も乗り続けると思いますが、事故とは背中合わせだと言うことです。

 それにしても、ボンバルディアという会社製の航空機のトラック・レコードは悪い。カナダの、比較的新しい航空機製造会社です。番組に出た元全日空の機長が、「カナダという気候の中で作られた航空機なので、湿気の多い日本では当初問題は多いのかもしれない」とおっしゃっていたが、それ以上に製造過程のミスがあるような気がする。

 日本ではYS11の後継機種として導入されていて、全部で50機以上が飛んでいる。以前からこの飛行機の不具合は数々の雑誌が取り上げていて、中には「空飛ぶシンドラー」という表現もあったという。

 日本は部品のかなりの部分を世界の航空機製造企業に売っているのですが、それらの技術を統合して、安全な航空機を大量に生産する技術がない。残念なことです。YS11もいろいろ問題があったようですが、私などは「どうして国産が出来ないのか」とつい思ってしまう。

 ボンバルディア製航空機は、スカンジナビア航空など欧州の航空会社にも導入され、やはり数多くの問題を出しているという。当面はこの飛行機に乗るときには、ちょっと考えないといけませんね。


2007年03月12日(月曜日)

 (17:44)名古屋を出て凄い雪。米原周辺は本当に良く雪が降る。日本海側の雪が米原辺にまで伸びてきている感じ。日本海側と太平洋側の距離が比較的短く、狭くなっている場所ですから、その分だけ雪が運ばれてくるのでしょう。

 結局新幹線はそこでの徐行で数分間の遅れが出て、京都駅には3分遅れで到着しました。まあよくそれだけの遅れで済んだと思うほど酷い雪でした。新幹線を作るときに、「米原の辺はよく雪が降る。地下に埋めよう」という意見もあったと聞きましたが、見ている人はちゃんと居たんですね。

 それにしても今週後半にはもうかなり桜が咲きそうです。テレビ東京の番組を終えて、打ち合わせとちょっとしたインタビュー(インド関連)があった近くのホテルから東京駅に移動しているときに、運転手さんと「外務省のかどっこの桜は開花が速い」といった話をしていました。事実2本だけもう三分咲きなのです。さらに、「いや、あっちの方が早い」といった話しになりました。

 桜の開花は、いつも関西の方が遅いようで、今年も多分そうなるでしょう。そういえば、3月18日に一つ集まりがあったが、あれが花見の一番良い季節かもしれない。


2007年03月11日(日曜日)

 (23:44)あらら、テレビを見ていたら時津風部屋の幕内力士は全員が勝ったようで。しかも、時天空と豊ノ島は横綱と大関を破る輝かしい星。豊ノ島はよく手をつかずに、琴欧州の身体が落ちるのを待ったものです。琴欧洲の身体が綺麗に回った。ちゃんこを食べたときの私の隣は豊ノ島でしたから、嬉しい。時天空が勝ったのも嬉しい。以前から素晴らしい名前と思っていた。彼のパンツ姿と一緒の写真があります。

 それにしても、あの琴欧州と豊ノ島の身長差。35センチあるとテレビが言っていました。確かに豊ノ島は私より小さいくらいでした。23才と言っていたかな。高知県の高校を出て直ぐに時津風部屋に入った。高校の同期が大学を出て時津風部屋に入っていて、「この差」とか高校の同期に言っていました。

 相撲は厳しい階級社会。ちゃんこを作るのは下の人。大学を出て時津風部屋に入った豊ノ島の友人は、まだ何の階級もない。関取がちゃんこを食べているときは後ろに立って世話をする係。それを豊ノ島が「この差」と言ったのです。言われた方は「その代わり勉強しました」と言ってちょっと反論していたのですが、これには親方が「嘘言うな...」と。なかなか厳しい。

 それにしてもいろいろあった週末でした。久しぶりに栃木県のゴルフ場に行こうとしたら、氏家の駅前でもろにちょっとしたクルマの接触事故に遭遇したり(我々のクラブバスではなく)、ゴルフ場に行ったら私のバッグが隣のゴルフ場に到着していたり(スタートに間に合いました)、と。SM君(変なイニシャル)が最後の浮島渡りでのパー5で、見事なバーディを取ったのも、事件と言えば事件。彼の浮島乗せショットは素晴らしかった。

 それにしても、しばらく行かないうちに、ロぺもえらく安くしていた。3月だということですが、1万ちょっとでプレーできた。信じられない。競技会をやっていたころは、なかなか取れないゴルフ場でしたが。

 久しぶりにフェアウェー号で行って、フェアウェー号で帰ってくると言うコース。クルマで矢板は遠い。4人全員で電車の行き帰りは久しぶり。馬鹿話をしながら行きました。うーん、心残りなのはプレーが遅れ気味で、風呂をゆっくり楽しめなかったことかな。あそこの露天はいいんですよ。もっとも私は、クラブが到着するまで、朝風呂を浴びていましたが.....。

 今度は近くの別系列のゴルフ場に行こうという話になりました。ニューヨークから帰ってきたFA君とは実に久しぶり。彼は、ニューヨークで鍛錬したと聞いていたが、今回はそれほどではなかった。実力が見たいものだ。YM君は、本人が言っていたよりはましだった。


2007年03月09日(金曜日)

 (23:44)天の配剤のような微妙な指標が出ますね。注目されていた米2月の雇用統計。予想の非農業部門就業者数の伸び10万に対して、出てきた数字は9万7000人。少し弱い。しかしその代わりと言ってはなんだが、失業率は4.5%の改善。

 反応を見ると、為替は若干のドル高に動き、少なくともイニシャル・リアクションとしては株は軟調に。市場が話題にしている「アメリカ経済のかなりの減速」を裏付けるものではないが、だからといって強さを示すものではない。サービス産業では雇用は伸びたが、建設業で減少した。

 4.5%は微妙な失業率である。通常アメリカでは失業率が4.5%を下回ると、インフレ圧力が増大するとされているからだ。しかし、最近ウォール・ストリート・ジャーナルで「インフレを引き起こす失業率が、今まで言われていた以上に低いのではないか」というFRBの研究が進行中との記事を見た。後で探してみるが、このことは「失業率が4.5%を下回った場合に直ちにFRBが利上げするとは限らない」ということになる。

 それにしても、月曜日を除いて見事に円安が進行した一週間だった。発射台が4円以上下がりましたから、外貨を買うのに絶好のチャンスとばかりに買った人が多かったのだろう。今週欧州とニュージーランドが引き上げたことによって拡大した金利差の魅力は、多くの投資家にとってあまりにも大きいということか。


2007年03月08日(木曜日)

 (23:44)ポッドキャストのリスナーは本当に世界中にいらっしゃるようです。今週驚いたのは、なんとアフリカのザンビアからの応募のメール。

 アフリカのザンビアという国にて、Podcastで毎週楽しみに聴かせていただいております。ダウンロードするのに1時間以上かかるほど回線は不安定ですが、新鮮な情報が毎週手に入る喜びが勝ります。

 (中略)世界経済にはまったく取り残されているような所ですが、逆に言うとこう場所だからこそ、(需要と供給のバランスといったような)経済学の基本がわかりやすい形で実感できることが多々あります。

 アフリカもインドのように、伊藤さんが取材に訪れたくなるほど経済発展してくれ たらと願いつつ、毎日働いています。

 不安定な回線でのダウンロード、有り難うございます。その他、さまざまな国からメールが届いています。本への応募はいろいろなことを教えてくれた。実は私はアフリカに行ったことがあるのです。でもそれは、1982年ごろ。まだ南アフリカはアパルトヘイトの最中でした。

 そういう意味では、それから変わったアフリカを見たい気がします。もっとも最近アフリカを見たのは、ダーウィンの悪夢だったと思います。


2007年03月07日(水曜日)

 (15:44)朝はちょっと早く起きて、5人で時津風部屋の朝稽古を見に。名門の部屋だし、相撲部屋には行ったことがありますが、朝稽古は初めてなので楽しみでした。

時津風部屋のちゃんこ  春(大阪)場所の為に、業界こぞってこちらに来ているわけです。朝の7時半過ぎから、10時半ごろに稽古が終わるまでずっと見ていて、それから親方の好意でちゃんこを頂いて帰ってきました。

 徐々に序列の下の連中から上の連中に稽古が進む。早く稽古した下の方々は、切り上げてちゃんこを作りに行くのです。稽古を見ている最中にネットを繋いで時津風部屋のHPに渡り、「あ、あれがやっぱり時天空だ」とか、「豊ノ島」「時津海」「霜鳥」などと確認しながら。時天空と豊ノ島はテレビで知っていましたが、あとの方は知らなかった。「どこかで見たことがあるような」という程度。

 親方にあとでお聞きしたところ、「今は部屋が54もあって、私らの頃より倍ある。多い」ということでした。しかしこれからは、「一定の地位」、「一定の地位を一定期間以上」ないと部屋を開けないようになるらしい。「礼儀も知らない連中が部屋をもっても」ということだそうだ。

 写真は一杯撮ったのですが、松井のミュージアムとは違って協会の縛りが多いらしいので、ちゃんこ鍋の写真だけ。あとはここには掲載しません。稽古は凄まじい内容で、本場所を間近に見るより迫力があった。朝起きて稽古をし、昼頃昼飯を食べて、午後はごろごろして、夜はちょと飲みに行く、というスケジュールらしい。本場所のある期間は、朝の稽古は軽めで、午後3時半からの本場所に備える。

 まあ相撲漬けの一生。若い間は。我が家の祖父が言ったように、面白い商売です。でも見ていると強くなる人は分かる。どこの局か知りませんが、カメラが二台くらい来ていて、時天空に取材していました。部屋を見ると、俄然その部屋を応援したくなる。大阪場所は時津風部屋を応援します。

 時津風部屋の歴史を調べたら、「明治時代から関取を輩出していたが隆盛を極めたのは、元横綱・双葉山の12代目の頃。現役時から「双葉山道場」を創立し、横綱・鏡里、大関・大内山、北葉山、豊山(勝)など、多数の関取を輩出した名門中の名門」とあった。そういえば稽古場の壁に双葉山の写真とともに

一、本場所は稽古の如く
一、稽古は本場所の如く
 と記されていた。双葉山の言葉だと思いました。本場所だからといって、緊張してはいいが、硬くなってはいけない、ということらしい。


2007年03月06日(火曜日)

 (23:44)ちょっと表示を整えるのに苦労しましたが、松井を心から応援する会のブログに、5日に小松空港近くの根上(ねあがり)で撮った写真の一部をアップしました。本当に風の強い日でした。ご笑覧あれ。
 ――――――――――
 話しは変わりますが、本当にipod というのは面白いな、と。何故かというと、ポッドキャストにもなっている番組で私のインド本のプレゼントをしたのです。そしたら、申し込みがお隣の韓国から来たり、フランスから来たり。応募もものすごく多い。  

 はじめまして、李(イ)と申します。名前でわかるように私は韓国人です。1年前にこの番組(Round Up WORLD NOW 、ビジネストレンド)を見つけてずっと聞き続けています。最初は日本語の聞き取りの練習のために聞き始めたんですが今は日本の情勢について興味を持つようになりました。最近は伊藤さんの明快な解説と岸田さんのきれいな声を聞かないと眠れない病気にかかったような気がするくらいです。どうしましょう、、

 私は先月社会人になったばかりです。日本と貿易をする会社なので日本語でコミュニ ケイションすることだけでなく、日本の情勢について詳しいといろいろと役に立ちま す。伊藤さんと岸田さんのおかげだと思います。私がここに意見を述べるのは伊藤さ んの本をもらいたくてではないことをわかって頂きたいです。これからも宜しくお願 いします。

 ありがとうございました。 風邪など、引かないように気おつけてください。でも伊藤さんの風邪声、けっこうよ かったです。それでは、また〜!

 韓国の方から頂いたメールです。もちろん日本語が分かる方からですが、番組がポッドキャストを通じて日本という枠組みから出て行ってくれることは嬉しい限りです。これからも海外の聴取者が増えて欲しいと思っています。


2007年03月05日(月曜日)

 (16:44)日曜夜の天気予報を見たときから、いやーな予感はしたのです。で、「なんとかずれてくれ」と。しかしそうはいかなかった。予感通りのハードな一日でした。

ヒデキマツイ・ミュージアムの入り口にある松井像と  まず、羽田に着いたら頼みの小松行きの飛行機は、「小松が駄目なら福井に向かうか、場合によっては羽田に戻りますが.....」と手厳しい条件付き。まあでも、行くしかないですよね。昼頃の講演を約束している限りは。凄い揺れでした。まあ私は揺れは平気ですから、なんともないのですが、ただ「小松に着陸してくれ....」と珍しく祈ってました。

 ラッキーなことに小松に着陸。しかし凄まじい風です。まず空港から直ぐの松井ベースボール・ミュージアムに。風に吹かれそうになりましたが、なんとか中に入った。バスも何台か来ている。ミュージアムの中は、文字通り松井が詰まってました。

 五歳くらいでしょうか、右打ちのころの写真が一番可愛いな。根上(ねあがり)の時代、星陵のころ、ジャイアンツ時代、そしてヤンキース時代と並んでいる。一杯写真を撮りました。ついでにご両親が今も住まれている家も、その隣の教会も。

 私が一番気になったのは、大リーグ時代と日本のプロ野球時代の成績比較。打率は大リーグ時代0.300、日本0.302でほとんど変わらない。変わっていたのは、何打席で一本ホームランを打てるか。日本は18とちょっとの打席で打っている。しかし大リーグは21打席以上かかっている。正確には思い出せません。写真にとったので、あとで見れば分かるのですが。つまり大リーグの方がHRが出なくなっている。

 講演はつつがなく終わったのですが、そこから京都に行くのがまた大変。なにせ列車が軒並み遅れている。サンダーバードという特急があるのですが、32号を買ったら「一時間遅れています」と。ちょうど一時間遅れで金沢駅に入ってきた28号に乗ったら、ラッキーなことにその運行は金沢以降は順調だった。この列車はどこから出ている列車ですかね。きっと日本海の風の影響で遅れていたのでしょう。

 「春の雪」ならぬ「春の嵐」。これもあれも凄まじい。もっとも京都に着いたら、雨も風もやんでいました。


2007年03月04日(日曜日)

 (23:44)今日はちょっと面白いものを紹介しましょう。音楽好き、出張多しという人にお勧めです。私も最近買いました。ちょっと便利。

出張携帯に最適のスピーカー発見  最近はどういう形であれ、音楽を持ち運ぶことは容易になった。ipod もあるし、ネットワーク・ウォークマンもある。PCの中にitunes やソニック・ステージがあれば、何千曲と持ち運べる。海外も同じ事です。

 しかし、出張先のホテル、それが国内であれ国外であれ耳を完全にふさいで聞くことには抵抗がある、という人は多いのではないでしょうか。やはり耳は動物である人間にとっても外界の出来事を最初に察知する器官の一つですから、いくら好きとはいえ塞いでしまいたくない。また、イヤホンなどが顔の回りにぶら下がっているのもやっかいです。

 ずっと「良いものはないか」と探していて、先日六本木ヒルズのあるショップに写真のような三角形のスピーカーがあるのを発見しました。この三脚、使わないときは完全に一つにすることが可能です。写真ではラインでネットワーク・ウォークマンと繋いでいますが、ipod の小さいやつ(ナノなど)だったら、そのまま上に載せることも出来る。

 正直言って、それほど良い音ではない。まあまあです。しかし、何と言ってもコンパクトだし、何よりも「スピーカーは左右二つの方角から」という概念を打ち破っているのが良い。むろん、家ではこんなものは必要ありません。誰もちゃんとしたスピーカーを持っているでしょうから。

 しかし、出張先のホテルの部屋をより早くくつろげる空間にするためには、部屋に入って暫くしてシャワーでも浴びたら、このスピーカーで自分の好きな音楽・曲を聴くのが一番だということが分かりました。何よりも、いつも聞きつけている音楽は、空間を親しみのあるものにしてくれる。

 まあ値段も高くないし。私は最近は常に出張用の鞄やリュックにはこのスピーカーを忍ばせて移動しています。私が見つけたのは六本木ヒルズの店ですが、家電量販店にもあります。ディズニーのキャラクター付きや、黒や白のバージョンもある。白の ipod を持っている人はスピーカーも白がいいかもしれない。


2007年03月03日(土曜日)

 (23:44)ははは、映画の最後になって「そう言えば、ビヨンセっていう女性に番組で会ったな.....」と思い出しました。

 確か2004年くらいだったと思った。フジテレビの日曜の夜に毎週放送されていた森本さん、小島さん司会の「EZ!TV」に毎週出ていた頃。番組の担当者に、「今日は凄いお客様が」「デスティニー・チャイルドが」と言われて、「へえ」と思ってあまり事情も知らないまま番組の中でビヨンセさんと握手したことを。

 その時も「綺麗な人だ」と思ったし、その後「ビヨンセと握手したとは羨ましい」と何人かの人に言われていたのですが、その時の女性がこの映画の一方の主役なんですな。ははは、ちょっと気付くのが遅い!

 「一方の」と書いたのは、「Dream Girls」にはアカデミー助演女優賞を菊池凛子から奪った(?)ジェニファー・ハドソンが巨大な存在感でいるからです。その歌のド迫力。うーん、菊池さんは「バベル」の中では声を発することが出来ない存在としているので、「この声の迫力に負けたのかも」と思いました。むろん、バベルの二人(菊池さんとメキシコの女優)は票を割ってしまった可能性がある。そして、ちょっと風貌が変わったように見えた、そしてちょっと懐かしいエディー・マーフィが。

 もともと大ヒットしたブロードウェー・ミュージカルですから、映画の中にふんだんに音楽が出てくる。ちょっと長いが、映画は全体的には飽きさせない作りになっている。懐かしい印象がする映画で、それもその筈。もともとの話は主に60年代に活躍した「シュープリームス」という黒人女性グループに題材を取っているとされる。

 「シュープリームス」って、懐かしいですな。そうそう、そこから独立したダイアナ・ロスも。ジェニファーがダイアナ・ロスという設定 ?。ダイアナ・ロスは映画の主題曲とか日本のネスカフェのCM曲もやっていた。映画の中にジャクソン・ファイブが出てくるのも懐かしかった。時間の経過は人を変え、グループを解散させ、去っていく人、来る人。まあ、いろいろですな。


2007年03月02日(金曜日)

 (10:44)今朝の朝日新聞に載っている渡辺財務官の言葉が正しく伝えられているとすれば、政府の中にも日銀の利上げの正当性を理解している人は、当たり前ですがいるということです。財務官はロンドンで、利上げに関して「家計の利息収入となって消費増につながる。マイナスよりプラスが大きい」と述べたという。

 マイナス、プラスの話しは、「日本経済にとって」ということです。また財務官は、「企業の設備投資は、利上げによって負担増になる銀行借り入れではなく、自己資金などでまかなうようになっている」と指摘し、「日本経済の回復を阻害することはないだろう」とも述べたという。

 財務官は、ロンドンで開かれた日本国際の海外投資家向け説明会で質問に答えて上記のように述べたそうだ。だから正面から日銀を批判は出来なかったという状況背景はあったかもしれない。しかし、発言そのものは極めて妥当なものだと思う。

 ところで、一つ映画を見ました。幸せのちからと日本語名を言うのですが、原題は「the pursuit of happiness」となっていて、「幸せを求めて」が近い。レーガンが大統領になった年に話が始まる。貧しい黒人の一家。家賃も払えない。見ていてアメリカの貧困という問題をひしひしと感じる。

 実話に基づいている。話は単純です。まあそれが映画らしい。子供がかわいいのです。ウィル・スミスの実の子供らしいのですが。エンディングは結構印象的です。そういえば、登場人物の名前の証券会社は聞いたことがある。


2007年03月01日(木曜日)

 (13:44)あらら。ニューヨークが50ドル強の上げでしたが、今日の東京は予想外に安い。それも結構大幅に。やや予想外。強気が極細になるまでは売り方優勢か。

 上がったと言っても、ニューヨークの上げ幅は0.43%。前日の414ドルの下げに比べれば小さな反発。高いところで140ドル高近くの上げがあったにもかかわらず、引け際も不安定で小幅な上げだったことが東京にも響いたのでしょうか。一回大きく動揺した市場が安定するには時間がかかる。

 それにしもて、今朝はあちこちで日銀の水野審議委員の顔を見る。朝日新聞で見て、FTで見て。朝日の記事の書き方がなかなか良い。その場に居なかったので彼が本当に何と言ったのか知りませんが、見出しが「予測可能性低下」。何の話しかというと、1月に水野さんらが出した利上げ提案を退けた金融政策決定会合を指して言っている。

 私もそうだと思う。それまでの日銀のシグナルは非常に分かりやすかった。市場には「1月には利上げ」というコンセンサスが出来上がったのも、そのシグナルが鮮明だったからです。しかしそのシグナルを「据え置き」でブレークした。そういう意味では、市場から見た日銀の「予測可能性」は低下した。今後の日銀の出方はよく分からなくなる、ということです。

 それにしても今朝は番組の方々にご苦労をおかけしてしまった。昨夜報道ステーションの為に局に行ったときに「やじうまプラス」のデスクで、「番組の始まりがちょうどニューヨークの株式市場のクローズなので、インターネットが見れたら便利」と言ったら、田中さん、小田さんが「じゃ、用意します」と。

 各局ともそうなのですが、普通スタジオにはLANケーブルとそのアウトレットは設置されていない。番組でネットを使うことを想定していないからです。しかしこれは考えてみればおかしい。今は家庭にも入っているネットLANがスタジオで使えないなんて。私はEZ!TVのころから自分の前にネット接続(あの時は電話線でした)のPCを置いてもらっていた。ネットは常時更新の百科事典ですから、何かと番組の為に使えるのです。最新ニュースを拾ったり、検索を掛けて調べごとをしたり

 今朝について言えば、「やじうまプラス」の番組の冒頭で間違いなく視聴者が一番聞きたい情報の一つであるニューヨークの引値を伝えられたら、そして多少の私の解説を交えながらできたら良いと考えたのです。私が局に行ったのは午後9時30分ごろ。それが朝になったら、どこか遠くの部屋からLANケーブルを引っ張って、スタジオまで伸び、私の前のPCと繋がっていた。ナイス。

 私は以前から、デスクに付け込みのネットスクリーンと、その手前にキーボードを付けた仕組みを作って欲しいと思っているのです。あと、キューシートとか、資料などをシステムに入れて、省力化を行うという手もある。今はADさん達が「最終稿です.....」とか言って走り回っている。「稿」を何回も変えていくのがスタジオですが、あれにも電子化の余地はある。

 まあ各局はこれから、いろいろな試みをしていくのでしょうが。


2007年03月01日(木曜日)

 (04:44)グリーンスパン前議長が冷やしたニューヨークの株式市場に一息つく切っ掛けを与えたのは、バーナンキ現議長でした。

 バーナンキFRB議長は28日の下院予算委員会における質疑応答の場で議員が前日のニューヨーク、それに世界の市場での株価急落に関して聞いたのに対して、「There didn't seem to be any single trigger」「He added that the Fed is closely monitoring U.S. financial markets, and they seem to be "working well」と述べた後で、以下のように語った。

"My view is that ... there is really no material change in our expectations for the economy" since he last testified before Congress in mid-February, Mr. Bernanke added.

"We are looking for moderate growth in the economy going forward," he said, repeating the Fed's assessment in its semiannual monetary report to Congress released earlier this month. Equity markets climbed following Mr. Bernanke's remarks, recouping some of Tuesday's 416-point drop in the Dow Jones Industrial average.

 「経済見通しは変えていない」「アメリカ経済の穏やかな成長は続く」と。まそりゃそうだ。変わっているのは市場のレベルと、市場のアメリカ経済に対する見通しです。当局の見通しよりもはるかに素早く変わる。しかし市場は経済の一部だから、この相場レベルの変化は、経済の先行き見通しそのものも時に変える。人々の期待も変わる。短期で終わればその影響は少ないのですが。

 掲載した文章に書いてある通り、彼の発言でニューヨークの株価は上昇に向かった。一時はダウ平均で130ドル高もあったが、あと反落、その後再び100ドルアップを示現するものの、その後また上げ幅を半減させるなど不安定な動き。引けがどうなるかは、今の状態では分からない。

 ニューヨークが上がって終わるのか、下がって終わるのかで1日の東京はちょっと変わってくる。しかし全体にはウォール・ストリート・ジャーナルの一面の表記ではないが、世界の市場は27日の急落から、28日は「ようやく落ち着きを取り戻しつつある」ということだろう。



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