2007年05月31日(木曜日)

 (13:25)今日の日経夕刊の一面トップは、「中国政府が同国輸出品(ペットフードなど)が世界中で引き起こしている”毒物疑惑”に関して、不安・懸念払拭にやっき」ということらしいが、一方でウォール・ストリート・ジャーナルで面白い記事を発見しました。

China Turns Away
Shipments of Evian,
Australian Seafood

By NICHOLAS ZAMISKA
May 31, 2007

HONG KONG -- China refused a shipment of Evian bottled water for what it said were unsafe bacterial levels and Australian seafood it said was tainted with heavy metals, even as the country struggles to control a crisis of confidence in the safety of its own food supply.

The role reversal comes after tainted wheat flour from China was linked to the deaths of pet dogs and cats in the U.S., prompting a huge recall of pet food. In late March, the U.S. Food and Drug Administration said it had identified a small Chinese manufacturer as the source of wheat flour contaminated with melamine, a chemical used in plastics and fire retardants, that turned up in the pet food.

The move highlights China's already strict safety standards and suggests it is their spotty enforcement -- rather than the standards themselves -- that may be behind some of the country's problems with food safety. The FDA, despite its own strict standards, also has had trouble with enforcement, given the massive amount of food imports it must deal with.

Five shipping containers of bottled Evian water, made by Groupe Danone, of Paris, have been held at the Chinese border because of bacterial levels, said a spokeswoman for Danone, which sells Evian around the world. China's import watchdog, the General Administration of Quality Supervision, Inspection and Quarantine, issued a report dated May 17 indicating that Evian water had failed to pass inspection, exceeding bacteria limits.

 つまり中国は中国で、自国に輸入される食料品に関して、「疑わしくは入れず」のスタンスをとっているというのです。驚くのは、輸入停止になっているのが誰もが知っているフランスのエビアンなどだということ。オーストラリアの海産物は日本にも大量に入ってきているのですが、これも中国は一部を止めているらしい。

 「中国の製品の一部は確かに粗悪だが、諸外国の輸出品にも粗悪なものがある」と主張したいかのような措置だ。エビアンは長く飲んでいるが、私には全く問題がない。荒々しい資本主義が跋扈する中国では、模倣を含めて何でもありの状態。中国製の漢方薬も気を付けないと大変な健康問題が起こりそうだ。

 中国関連では、昨日の上海株の下落は世界の市場にさざ波程度の影響しかなかった。もともと中国の国内市場は世界の大きな資金の流れからはワンクッション置いている。口座が1億を超えて過熱は知られているところで、言ってみれば二番煎じの今回の急落に世界の市場は「またか」で冷静だった。

 しかし一方で、少数民族の間で反中央政府に対する暴動が中国では増えている。政府の措置は、中国の資本主義と同じように荒々しい。政府や当局が荒々しければ、それに対する民衆の動きも荒々しくなる。大きなボールの中の動きではあるが、ここ数年の中国の動きは政府、市場、経済の形、民衆の動きを含めて、かなりよく見ていかないといけない気がする。

 そういえば、このところ中国に行ってないな......


2007年05月30日(水曜日)

 (23:58)自分が以前このサイト(http://www.ycaster.com/)に書いたことを調べるには私はグーグルに「○○○ ycaster」と入れて調べます。そうすると、私がこの day by day のコーナーであれ、chat コーナーであれ書いたことがある記事、文章が直ぐ現れる。おかげさまで我がサイトはアクセスの非常に多いサイトなので、こう検索すれば一発で私自身が昔書いた文章が現れる。他に劣後することはない。非常にこれが便利なんです。そのことがいつ起こったか、どう書いたのか、そしてどう考えたかが分かる。

 たとえば火曜日のアンカーの私の隣には崔洋一監督が「洋一 洋一」コンビで座っていた。名前も同じ、生まれたところも同じ、そして年も近いと言うことでもうかなり親しいのですが、監督と「せっしゅう」の話になった。VTRの間ですが、「せっしゅ」「せっしゅう」とは、背の低い俳優にゲタをはかせることです。

 いつ書いたかなと思って、番組の中でも目の前に置いてもらっているPCのグーグルサイトで、「ycaster せっしゅ」と入れて押したら、見慣れないサイトが出てきた。「あれ、自分のサイトかな」と一瞬思った。なぜなら、私が自分で作っているファイルは月ごとのファイル(たとえば 2007may.htmlなど)で、日にち単位では出てこない。また色も違う。

 しかしちょっと見て、「あ、これは私の新しいサイトの過去分の転換文章が既にアップされているのだ」と気が付きました。ちょっと作業が遅れているのですが、年始からずっとサイトのモダナイズ化をかつて知り合いの岸君の会社に進めてもらっている。私のサイトの過去データは膨大ですから、その転換には相当な時間がかかっていたらしい。

 アメリカに出張に行く直前に「出来ました」とメールが来たのですが、「じゃ詰めは、出張空け」ということになっていた。で私もどうなったのか詳しくは知らなかったのですが、今週自分のサイトの過去データを探して、「ああ、こうなったのか」と少しアイデアが浮かんだ次第。

 たぶん今週か来週に最終的な打ち合わせをして、6月の半ばには新しいサイトでの運用にします。私もどうなったか明確には分からないが、今のネットの最新の技術をかなり取り入れて、斬新なサイトにしたいと思っています。乞うご期待。


2007年05月29日(火曜日)

 (25:58)成田からの飛行機出発に遅れそうになったことは一回もないのに、羽田発の飛行機には本当に「滑り込み」が多い。なんでしょうかね。成田発は頭の中で、出発時間からまず2時間を前倒しして、そこを起点に考える。しかし羽田発は、まるで列車のように考えがち。出発予定時刻しか頭にない。

 多分これです。実際は、羽田発の飛行機も30分は前倒しして出発時間をリセットしなくてはいけない。15分前になると、自分の席は人に売られてしまうのかもしれない。実は今日もネットで予約しておいて、手荷物検査のところに直接行って、読み取り機にカードをかざしたら、「予約が確認できません」と出た。出発8分前でしたから。15分前に予約記録は一端消されてしまうのだそうです。ま、システムだから機械に当たっても仕方がない。

 そこからまた近くのカウンターに行って、運良く座席は残っていて、滑り込みセーフ。空港の中をちょっとランニング。ああ、国内便を遅れない感覚を詰め込まないと、また一便待ちということになりそうで怖い。リセットが必要です。

 珍しく飛行機での大阪となったのは、時間をセーブするため。飛行時間は45分ですから。しかし、帰りはまた新幹線にします。なにせ、2時間半の長さがちょうどもろもろをするのに良い。半分は寝て、半分は本を読んだり。この時間を取られると、本を読める時間が著しく少なくなる。

 今日はリッツ・カールトンで講演だったのですが、ブロードバンドやモバイルに関する会合だったのに、会場に回線が引かれていない。で、「無線LANはないの」と聞いたら、「あります」と。会場使用者(主催者が集めた人数は200人弱でしょうか)くらいタダで無線を拾えると思ったら、「有料」だと。主催者に払ってもらったら、カードを渡されて、それにパスワードが刻印されているのは良い。しかし、「1時間、1500円」と書いてある。

 「冗談だろう」と思ったのですが、ホテルを会場としている主催者でも、1時間1500円本当に取られるのだそうです。でカードが最初から2枚用意されていた。「ありえない」と思いました。最近はネット接続はサービスの一環としているホテルが多いのに、一日1000円ではなく、1時間1500円もネット接続料を取るホテルはない。初めてです。

 そういえば、何らかの関係で以前に一回だけリッツ・カールトン大阪に泊まったことがある。ネットをしようと思ったら、「すみません伊藤さん、うちは電話回線しかないんです」と言われて、「ありえない」と思ったことが再び起こった。凄いホテルですよ。そういう意味では。90分の講演をするのに、ネット接続を2時間3000円で買わざるを得なかった。うーん、多分こんな経験は空前絶後。

 番組終わりで一休みして、久しぶりに大阪に帰ってきているY君と飯。「八幡浜 はなれ」で久しぶりに。ちょうどカウンターが空いていて、二人でちょっと食べ過ぎるくらい。遅かったので、我々の食事が終わる頃には他にお客はいなくなり、最後は店の人達を交えて結構飲みました。

 この店、最近は大阪でうまい魚が食べられる店の筆頭に推薦されたらしい。えらく客が入っていた。ないす。行き付けリストに入っている店の客が増えるのは、自分がまだ入れるという前提で賛成できることです。

 Y君のこの3年ほどの間に起きたことは、ちょっと凄まじかったな。


2007年05月28日(月曜日)

 (22:58)ロスに行くのは8時間台ですが、帰ってくるのは11時間台ですからね。偏西風に乗るか逆らうかで3時間も違うとは。徹底的に映画を見ました。全部で4本見たかな。「Blood Diamond」と「涙そうそう」「バーバー吉野」それに「釣りバカ日誌17」。ということは4本でした。

 「Blood Diamond」が一番面白かったな。英語で聞いたので詳しいところで分かっていないと思うので、また字幕付きで見ようと思っています。「Blood Diamond」で英語に疲れて、あとは日本の映画を見たという印象。アメリカにいる間も思ったのですが、英語はまた会話を中心にしっかり勉強しないと。インタビューから何から殆ど英語で過ごしたのですが、時々「ああ、出てこないな」とか「ひどい英語を使っているな」と自分で思う。長沢まさみさんの映画は初めて見たと思う。

 飛行機が他の交通機関に比べて嫌いなのは、遅れるからです。ロスからの便も遅れた。早く着くこともあるのですが、帰りの交通機関の予約はまずしない。時間が不規則ですから。今回一番印象として酷かった遅れは、ワシントンDCからロスで使ったユナイテッド。30分ちょっと遅れた。その時の機内アナウンスが凄かった。ロスからの乗り継ぎ客に対して

 「None of your airplanes have waited for you, so.....................」
 はははつい大声で笑ってしまった。他のアメリカ人達も顔を見合わせていました。もうちょっと言い方があるのに。そう言えばユナイテッドはロスからワシントンDCへの移動時も、我々のメンバーの関係するオーバーブッキングをして、直前まで行けるかどうか分からない状態。酷い航空会社です。

 成田に着いてケイタイでニュースを確認して最初に知ったことは松岡農水相の自殺でした。悲惨なことです。もろもろの疑惑が分かる以前に。なんであんなにお金が必要だったのか。任命権者にとって打撃だと思う。


2007年05月27日(日曜日)

 (08:58)ははは、考えたらよく動いた一週間でした。土曜日にまたロスに戻ってきて、今朝はもう帰国の準備です。同じアメリカに居ても、西から東へ、そして東から西に。東はワシントンだけでニューヨークやボストンには行きませんでしたが、西は同じ西でもサンフランやサンタモニカまで行きましたからね。そう言えば、飛行機の中で一泊もした。別に疲れもしませんでしたが。

 何が収穫だったかといって、「アメリカの多様性」を確認したことでしょうか。グラスルーツで実にいろいろな動きがある。掘り起こしてみると、実にこの国は面白い。政府に反旗を翻して退職し、まったくお金にもならない団体を作って暗中模索の中で生活している人、5年前から試行錯誤で普通の人が想像もしないもので車を動かす事に成功し、顧客急増の中でも「俺は車のメカニックが好き。IPOはしない」と言い切ってTシャツで日々過ごしている人。まあその他にも一杯記憶に残る人に会えた。

 私の記憶では今までは行っても数日のアメリカ西海岸に比較的長く滞在できたことが嬉しい。東はそこで4年間も生活していましたから、どこに行っても比較的デジャブーなのですが(しかしベセスダは行けて良かった)、西は新鮮なことが多い。しかし、アメリカで「どちらに住むか」と聞かれれば、まだ東ですかね。

 最初から比較的意識は高いだろうと思っていた高校生の授業にも参加しましたが、授業内容は高度でしたね。エネルギー経済と食料経済のクロスといった問題を、エタノールやバイオ燃料との絡みで行っていた授業は、今の日本の大学でもなかなかできないカレントで意識の高い問題だと思いました。先生も実に良く勉強している。敬服しました。まあでも、同じ生徒の中でもシャイでなかなか話せない子とか、先生が何も言わなくても実に積極的に話す少数の子がいて面白かった。

 また時間はお知らせしますが、私が経験したことの一部を含めて、面白い、そして興味深い映像や、私と他の出演者との対談などは、7月初め(確か8日だったかな)のNHKの番組で流れる予定です。お楽しみに。期間中のアップはなかなか時間がなかったので出来なかった。それが残念。

 日本は猛暑ですか。大分で「猛暑日」と。これって日中の温度が35度以上 ? 出かけるときは長袖でしたが、帰りは飛行機の中がちょっと問題ですが、Tシャツくらいが良さそうですね。


2007年05月25日(金曜日)

 (23:58)今日見て、「あ、これだ」と思ったのは、Bethesda Navalでしょうか。日本の新聞などでは、「ベセスダ海軍病院」と出たり、「ベセスダの海軍医療センター」と訳されて登場する。

春の陽気真っ盛りのワシントン  なぜここが記憶に残っているかというと、ワシントンの近くにあるということもあるのですが、暗殺されたジョン・F・ケネディーの解剖がここで行われたことでも分かるのですが、大統領を含めて歴代のアメリカ政府要人が入院したり、手術を受けるときには必ずと言ってよいほどこの病院を使い、そのことが日本で報じられ、それ故に私の記憶の中にこの病院の事はずっと残っていたからです。

 振り返ってワシントンの地図を見ると、495のナンバーが振られたCAPITAL BELTWAY(首都環状道路)を降りて少し入ったところにある。その通り、車で走っていたらベルトウェイを降りて暫くして、突然「Bethesda Naval」と看板が見えた。一瞬通り過ぎてしまったのですが、「あ、これだ」と。

 ベセスダは、かつて日本の新聞社の特派員や外交官が数多く住んでいた場所としても有名だが、今までは一回も行ったことがなかった。聞いてはいたが行ったことのない場所というのは、なんとなく初めて来ても、「ああここか」といった懐かしさがある。

 黒人の多いことで有名なワシントンDCの近くにありながら、街を歩いてみると圧倒的に白人の街だと分かる。まるで、中規模なアメリカ中西部の街のような。一つ特徴的なのは、まあ職業柄でしょうが太った人がほとんどいないということ。うーん、最近見かけたアメリカの街の中では、私の全くの印象ですが、太めの方の比率が一番低い街に見えた。まあ職業柄でしょうかね。政府のオフィシャルとか、弁護士とか、企業のロビイストが住んでいると思われる。

 思い出しましたが、ブッシュもこの病院に入院したことがあるし、チェイニーは何回も入院している。確か安倍総理大臣も4月にアメリカに来たときに立ち寄ったのではないでしょうか。ただそれだけの話しですが、昔からワシントンのニュースは多かったので、「ああ、ここか」と。

 それにしても、話は変わりますが、松坂は良いチームに入りましたね。4−0でリードしていたのに、またしても4回の裏に2本のホームランで5点を取られたのに、次の表の攻撃で直ちにチームが2点を松坂にプレゼント。そしてここが偉いと思うのですが、5回裏のレンジャースの攻撃をゼロに抑えて、最近では最短で降板したのですが、チームは結局その後も点を取り続け10−6で勝って、「勝ち星競争でリーグトップに並ぶ7勝目」

 うーん、ゲーム後のアメリカのマスコミも、週間最優秀選手をとった割には「良くなかった」との評価。まあゲームの開始が1時間57分も遅れましたがね。ちらっと見たところでは、一回の裏のピンチを最後ソーサ三振(ランナーは三塁)で逃げずに切り抜けたのが、神様が勝利をプレゼントした印象。まあ、勝ち星が重なってきたのはナイス。これでボストンは32勝15敗。これでは他のチームが追えない。


2007年05月25日(金曜日)

 (07:58)イラク戦争の戦費法案論議に隠れてしまっているのですが、「法案になったら署名する」とブッシュ大統領が明言している最低賃金の引き上げ法案が議会を昨日通過したことは重要です。これによって、アメリカの最低賃金は従来の時間5.15ドルから今後2年間に7.25ドルになる。

 今私の手元にある資料では、日本の平均最低賃金は659円で、これは5.15ドルのアメリカよりもわずかに高かった。しかしアメリカが今後7.15ドル(858円)に引き上げると言うことは、日本の最低賃金は大きくアメリカよりも低くなる。フランスの今の最低賃金は為替次第ですが、手元資料では750円前後となっていて、それよりも高い。日本でも野党を中心に最低賃金の引き上げ議論が多いが、このアメリカの引き上げは日本での議論の活発化につながるだろう。

 アメリカの国内政治で視点で重要なのは、最低賃金の引き上げは議会を制した民主党が「最初の100日で実施する最重要項目」の一つだったこと。それが通って、ブッシュも署名すると明言しているこの引き上げは、ワシントンの政治の重心が民主党ペースにいずれなることを示唆もしている。

 今朝のワシントン・ポストには、女性問題で辞任の方向が決まったウォルフォウィツ世界銀行総裁の後任には二人が有力だと報じている。世銀創設以来の「IMFはヨーロッパ、世銀はアメリカからトップを出す」という勝手な慣習が続けばという話しなのですが、その二人とはロバート・ゼーリック(2005年までブッシュ政権の通商代表)とロバート・キミット(財務次官補)の二人。

 今日からアメリカは3連休です。メモリアル・デイで。道は混みそうです。


2007年05月24日(木曜日)

 (23:28)ははは、移動が多くてコンピューターを開く暇もありませんでした。ま、たまのことなのでokですが。

 今日笑ったのは、ワシントンDCの中心にあるBordersという本屋に入った時のことです。えらくワシントンは良い天気で、タクシーに乗ると「今日は天気がいいね」が合い言葉だったのですが、さらに時間が出来たことから市内を歩いていたら綺麗な本屋さんがあって、「これはお歴々が入りそうな本屋だな」と思って入ったのです。それがBordersだった。

 アメリカの本屋というのは入り口の所にまず今話題になっている本が並んでいる。堆く。それを見るのが楽しみなのですが、その店の一押しはジョージ・テネット前CIA長官のAt the Center of the Stormで、「ああ、また出たな」と。

 日本の政治家で回想本を出す人はむしろ少ない。小泉首相の秘書官だった人は本を出していますが、小泉さん本人は出していない。その前の首相でも例えば橋本さんなんて何も残さずに逝ってしまわれた。言い残したいことがあっただろうに。しかしアメリカの政治家は違う。必ずといって良いほど回想本を出して、それを退職後の最初の収入となる。そう言えば、「Reagan Diaries」という本も出ていました。政治家は出す前から凄い契約金を出版社と結ぶ。だから読む側がそういう本が好きなんでしょう。テネット長官の本は手には取りましたが、買わなかった。

 ずっと見て回っていたら、カメラを持っていなかったので写真は撮れませんでしたが、突然「Otaku Accessaries」というコーナー表示が見えた。一瞬、「オタクかよ」と思ったのですが、何せ一つの小さなコーナーになっている。例のマンガとか、短いスカートをはいた女性の人形とかが並んでいる。あとは戦士と怪獣かな。他は全部本なのに、「アクセサリーズ」ですからね。笑いました。「オタクがワシントンを席巻か」みたいない。まあ大げさですが。

 興味があったので、英語綴りで「otaku」をグーグルで調べてみました。そしたら英語版Wikipediaのこれを先頭に、実に749万件も見つかった。こうなればもう国際語ですよ。ワシントンの本屋に一つのコーナーを作るはずだ。そういえば、この一連のトリップの中でカリフォルニアで大気汚染除去に尽力している団体の代表に「mottainai」を教えました。彼はこの言葉を知らなかったな。でグーグルを調べてみたら、54万件しかない。「otaku」の方が遙かに国際語なんですよ。「mottainai」よりも。

 本屋に入る前にはMacy'sに寄りました。ニューヨークに居たときは随分とお世話になったのですが、ワシントンのメーシーズに入るのは初めて。ちょっと買い物があって行ったのですが、これがまた驚いた。日本のデパートに行くと、「これでもか」というほど特に一階は店員がいる。しかし、ほとんどいないのです。実際に買い物の対象物を特定してその売り場に行ってもだーれもいない。こちらが店員を捜さねばならない。

 仕方がないので、店員を呼んだのです。えらく大きな黒人の女性でした。移動も困難そうな。何をするかと思ったら、「ああそのコーナーね」という感じで、鍵をもってきた。何をするのかと思ったら、カウンター全体を閉めていたんでしょう、その鍵で私が目指すモノがあるコーナーのカウンターを開けたのです。ははは、日本のデパートではあり得ない。一階ですからね。しかも売り場に鍵を掛けて、「用があったら呼んでくれ」という態度。

 サービス業を含めて、日本では製造業以外の産業の生産性は低いとされる。この日本のデパートの一階とアメリカのデパートの一階を比べただけで、「そりゃ生産性は違うはな」と思う。統計を取ればです。実は私は日本のデパートの売り子の多さにも閉口し、驚きますが、このアメリカの徹底した省力化にも驚く。生産性は上がるんでしょうが、買い手が売り子を捜すアメリカのデパートの方式が良いとも言えない。

 それにしても、何を売っているのかと思って全体を回ってみたのです。分かったのは、「徹底的にそぎ落としている」ということです。一階は日本のデパートに似ている。そういう意味では2、3、4階もそうだったかな。婦人服、子供服、紳士服と。しかしそれだけ。地下も家庭用品をちょっと売っているのですが、食べられるものは確かゴディバのチョコレートしかない。その他は何にもない。実はメーシーズに入ったのは、水が欲しいこともあった。水も売っていない。

 結構不便です。日本では「日本に行けば、家電以外は何でもある」と思っているので。結局水を相当探し回りました。どこで見付けたかと言えば、友人と会いに行ったNational Press Buiding(F 14)の一階の売店。ははは、ニューヨークと違って水を探すのにも苦労した。

 考えたら、ワシントンDCに来たのは9.11の直後。このコーナーの記録を左で調べたら、9月25日だった。ということは、6年ぶり。ちょうどあの大きなテロから2週間目だった。その時のワシントンもすえた感じでした。70年代のワシントンもそう。ホワイトハウスの直ぐ近くで殺人事件が起きるような都市でした。しかし今は本当に綺麗で、すえた感じがしない。歩いている人も裕福そうです。恐らく新しい大統領が就任する2009年の1月には、この政治の街の住民はかなり入れ替わる。


2007年05月22日(火曜日)

 (27:28)下を見ながら、隣のアメリカ人と「サンフランシスコは綺麗だな....」と。いや、夜景です。夜10時ごろの。空気がロスに比べて非常に綺麗なことが分かる。あのちょっとオレンジのライトの行列が綺麗なのです。

 今まで見た飛行機からの夜の都市の景色、つまり夜景と言うことですが、一番今でも記憶に残る綺麗さは1976年の11月末のニューヨークでしたが、ロスから夜に移動した今夜のサンフランシスコも綺麗だった。海が直ぐ隣にあるし、風もあったのでしょうな。

 ところで「綺麗な空気」との関連で面白いと思ったのは、ニューヨーク市のブルームバーグ市長が昨日NBCテレビの「TODAY'S SHOW」で発表したプラン。同市長は、「2030年までに排ガスを30%削減する」という、「PlaNYC」(PLAN とNY をひっかけていますね)と名付けた計画を持っている。その一環として、市を走る13000台のイエロー・キャブを全部ハイブリッドにする計画だと表明。日本でもあまりハイブリッド車がタクシーになっているのを見ないのですが、ニューヨーク市の市長は早々に発表。

 これは私も知らなかったのですが、以下に一部抜粋したニューヨーク・タイムズの記事によると、ニューヨークのタクシーの90%以上はフォードの「Crown Victoria」という車らしい。私は乗り心地は悪いと思うのですが、まあアメリカ人には広いから良かったんでしょう。しかし燃費が悪い。ガロン10〜15マイルしか走らない。それをハイブリッドにして、例えばガロン34マイルにしようと。そうすれば「PlaNYC」も一歩前進、と。

 今のニューヨークには375台のハイブリッド・タクシーがあるという。Toyota Prius sedan、Toyota Highlander Hybrid、Ford Escapeなど。それを2008年までに3倍にし、その後は毎年約20%を代替、5年でニューヨークのタクシー全部をハイブリッドにするという。

 ということは、ニューヨークのタクシーはちょっと狭くなる。しかし環境には良いということ。ニューヨークというアメリカを代表する都市がそうすることは、結構大きなインパクトを持つだろう。

 The spacious but gas-guzzling Ford Crown Victoria, long the emblematic vehicle of the city's yellow cab fleet, would be replaced by cleaner, more fuel-efficient hybrid vehicles under a five-year plan proposed by Mayor Michael R. Bloomberg yesterday.

 The move, which requires approval by the city's Taxi and Limousine Commission, is part of the mayor's ambitious environmental agenda for the city, PlaNYC, which calls for reducing greenhouse gas emissions by 30 percent by 2030.

 There's an awful lot of taxicabs on the streets of New York City obviously, so it makes a real big difference,・Mayor Bloomberg said on NBC's Today・show yesterday. These cars just sit there in traffic sometimes, belching fumes. This does a lot less; it's a lot better for all of us.・

 Replacing the city's 13,000 yellow cabs, more than 90 percent of which are Crown Victorias, with hybrid vehicles would have the same impact on air quality as removing 32,000 privately owned vehicles from the road, the mayor said. Hybrids, which run on a combination of gasoline and electricity, emit less exhaust and are far more fuel-efficient; a hybrid Ford Escape, for instance, is rated at 34 miles per gallon in city driving.

 Environmentalists have long complained about the poor gas mileage of the Crown Victoria, which gets 10 to 15 miles to the gallon in city traffic. But taxi owners and drivers say they like the vehicle's spaciousness, dependability and safety.

 In the last two years the city has added about 375 hybrid vehicles to the yellow cab fleet, including models like the Toyota Prius sedan; Toyota Highlander Hybrid, a sport utility vehicle; and Ford Escape, another S.U.V.

 Under the mayor's plan, that number would triple by October 2008 and would grow by about 20 percent each year after that.


2007年05月21日(月曜日)

 (22:28)カリフォルニア州を回っていて、「これはいいな」と思うのは、実はトイレの大きさなのです。前からそうなんでしょうが、あまり西海岸は今回のように長くいたことがないので、初めてのことのように気が付いた。

5車線の一番左側にある高燃費車専用のレーン  なぜこんなに統一的にトイレが大きいのかと思っていたら、「身障者のためにトイレを大きく作らねばならない」といった法律があると聞きました。これは非常に納得できる。日本のレストランなんかのトイレだと、「もうここには居たくない」という圧迫感があるところが多いのですが、カリフォルニアではそういうことはない。ニューヨークのレストランのトイレなんてのは、日本並みの小さいのがあったと思ったのですが。

 同じアメリカでも私が4年間住んだそのニューヨークとカリフォルニア州の諸都市では、かなり文化が違う。ニューヨークは全米一の経済・文化の街ですが、そういう意味ではロサンゼルスと似ている。ここも経済と映画を中心とした文化の街です。しかし、アメリカが始まった東部にあって、ボストン、ニューヨーク、ワシントンと続く東部のラインは、どちらかと言うと「establishment」の臭いがする。

天麩羅を揚げた後の廃油で走るベンツ  しかしカリフォルニアは、ヒッピーの文化が栄えた州であることでも示されるように、街のあちこちに「拭えないメキシコ色、ラテン色」があって、どちらかといえば東部に対する意識、「anti-establishment」の空気が強い。まあ一言で言えば雰囲気が違う。太陽の光の強さも違う。それをトイレだけに見たわけではないのですが、カリフォルニアはいろいろなことを全米を先駆けてやることでも有名です。

 燃費効率が一定以上か、一台の車に乗っている人数が複数かに限られる。つまり、燃費効率が悪く一人乗りの車は走れない。走れない車が走っていたら500ドルの罰金だそうです。

 燃費効率の良い車は、車種で言えばホンダのシビックとトヨタのプリウスだけだという。これは凄いことです。この2車種がアメリカで売れる理由の一つがここにある。アメリカは州の経済規模だけで言うと、フランス並みという説もある。人口もフランスは5500万くらい(私の記憶が正しければ)ですが、カリフォルニア州は確か4000万人弱。ほぼ韓国一国です。重要なのは、特にカリフォルニアの南は全米から人がまだ集まってきている、ということ。この燃費効率の高い車優先レーンは、少なくとも私はニューヨーク(昨年10月にも行きましたが)では見かけたことがない。

 面白い車も走っていますよ。もっともこれは家庭の車庫で見付けたのですが、後ろには「植物油で走る車」と書いてある。日本では見かけたことがないな。ま、新しい試みがいろいろ行われるのがカリフォルニア州だということです。


2007年05月20日(日曜日)

 (25:28)ああ、ああ。テレビを付けたら日本のNHKが突然映って見たら大相撲をやっている。最近、大相撲には興味があって、確か先々週だと思ったのですがある都内某所のレストランに垣添が奥さんを連れてきていた。直ぐ近くだったので最後の方にちょっとお話ししたのですが、今日で9連敗ですか。心配。

 これはその場にいた人間全員で意見が一致したのですが、「あの奥さんはいい」と。うーん、懐がでかい感じがいいんですよ。相撲取りの奥さんに相応しい容姿もしていらっしゃる。その奥さん、「expecting」だと分かる。いつが予定日と言っていたのかな。忘れましたが、生まれてくる赤ちゃんのためにも、垣添には頑張って欲しい。白鵬のように、実際に生まれなければ駄目かな ?

 8時間ほどの時間があったので、飛行機の中で2冊の本を読みました。

 「江戸の躾と子育て」
 「カーボンリスク」

 前者はこのところ本屋に寄ると「買おうか、買うまいか」とずっとちょこっと迷っていた本。でも読みたかったので、成田の本屋で。江戸の出産風景、特に女性は江戸時代は天井からつり下げられたロープにつかまって出産しただとか、その後は7日間も正座していただとか、江戸時代の子供達も寺子屋を初めとして結構お稽古ごとに忙しかったなんてのが面白かったな。ロスで見かけたブルーの花。ロスらしくなく落ち着いた色調の花だった

 後者の本は、「これでもか」と警告している本ですが、地球温暖化問題で頭を整理するのにはちょうど良い本でした。この本で一番好きな一文は、232ページにある『カーボンリスク社会の主役は、そこに生きている「個人」である』だな。今までの議論は、排出権の取引がどうのこうの、企業の社会的責任の行方、そしてブッシュ政権はけしからんと言った議論。

 しかしよく考えてみると、消費者である我々一人一人の地球温暖化への気持ちが強いものになれば、企業は体制を変えざるを得ない。そういう事情は、車の販売傾向にもう出ているし、企業の社会的責任意識の高まりでも示されている。むろん、運動の主役は必要ですが、最後は企業は消費者に弱い、ということが重要です。消費者が変わるから、企業も変わらざるを得ない。

 投票者である消費者としての個人の意識が大きく変われば、政治も動かざるを得ない。ブッシュ政権が今置かれている苦境はそのことをよく物語っている。カトリーナの問題やアメリカの特にカリフォルニア州で起きている山火事を見れば、アメリカ国民の環境やCO2に対する意識の変化はよく分かるし、ブッシュの次を狙う次期共和党の大統領候補は、ブッシュとは全く違った姿勢を示さざるを得ないでしょう。だから私はアメリカは劇的に変わる、と考える。アメリカは「はしる国」です。今は禁煙に走っていて、映画でも「R指定」の話が出ている。

 要するに「他人事」のように思っている地球温暖化も、実は我々の意識次第ということになる。地球上のCO2の20%は個人が家庭生活などで出しているものだし、企業が出している大部分のCO2は最後は消費者にわたる製品の生産で発生している。そういう意味では、最後は「個人の意識」なんですよ。

 しかしこの本もそうですが、まるで他人事のように、または政治家の意識を比較している、企業の出来具合を比較しているだけのような議論が多い。「どこどこは進んでいる」「(政治家の)だれだれは意識が高い」といった。そこでとどまったら最後は「他人事」になってしまう。この本ももうちょっと「個人に出来ること」に焦点を当てて欲しかったと思う。

 ロサンゼルスは久しぶりです。去年の秋にメキシコからの帰りに乗り換えをしましたが、その時はそれだけ。その前は随分前です。あまり変わった印象はしない。うーん、ビル建設が活発かな。あとは、車が非常に綺麗になった。しかし道路沿いのゴミは昔のままです。しばらくアメリカ各地をかなり激しく移動します。


2007年05月20日(日曜日)

 (13:28)特にこれって事はなかったのですが、なんだかばたばたしていたら日曜日になってしまいました。

 面白かったことと言えば、金曜日のラジオの収録は面白かったな。柯隆(か りゅう) 富士通総研経済研究所上席主任研究員を迎えての半年に一回くらいやっている「中国は今」的な番組。こっちものっけから直球を投げたら、柯さんも投げ返してくれた。毎週の番組とちょっと毛色が変わって良い。

 彼もオリンピックと万博後の中国は、いろいろな意味で曲がり角を迎えるという見方でした。経済でも政治でも。昨日の新聞でも中国株の上昇に関して東京新聞だったかが取りあげていましたが、当面は株式市場ですが、その後は中国の政治体制そのものが大きなポイントとして挙がってくる。この番組で、多分金曜日リリースの筈です。

 そう言えば、東京新聞に新幹線の検札について「時代遅れ」と書いたら、先週末でしたか「もうすぐなくなる」と。当たり前です。直ぐ寝たいのに、検札が来ることが分かっていると多少は気になる。まあ実際には、寝るときは直ぐ寝てしまいますがね。今は、東海道線、総武線などで既に自動検札をしている。新幹線だけなぜと思っていました。そういえば、各JRのカードが共通しようになるとも伝えられている。これも便利です。

 今日の夕方から時差を伴う移動です。


2007年05月16日(水曜日)

 (18:28)ははは、PCに付いているワンセグの録画・録音機能を本当の意味で今回初めて利用しました。今まではあることは知っていたし、試したことはあったが「これは役立つ」と思ったのは初めて。

 小沢代表がずっと拒否していたことから、実に久しぶりの党首討論が国会で行われた。午後3時からでしたが、その時間にちょうど打ち合わせが入っていて見られない。しかし明日のテレビ朝日の番組でこれが取り上げられることはほぼ予想できる。となると、やはり見ていないでコメントするのは失礼。家に帰ってDVDをセットする時間はないしどうしようと考え出したら、「そうだワンセグがある」と思いついた。いつも持ち歩いているPCにはワンセグ機能がある。

 で思い出しながらセットしたのです。PCをONにしたままチャンネルと時間を設定し、そしてソフトウエアはダウンして外出。帰ってきて見たら、実に綺麗に録画されていた。うーん、「これは役立つ」という感じ。出先で、そして日本国内の出張中に、必要な番組をPCに録画し、それを後で見ることが出来る。ナイス。
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 ところで今日は面白いタクシーに出会いました。乗ったら窓にこう書いてある。「7000円超分3割引」と。見た瞬間に「大阪のノリだ」と思いました。実は大阪は、「5000円超分5割引」というタクシーが実に多く走っている。実際には私は大阪市内で5000円以上もタクシー代を払ったことはないのですが、タクシーの運転手に聞くと、「じゃ、東京まで行って」と言われて、通常の約半分の値段で東京に行ったことが実際にあったらしい。すっごく安くなる。特に4人も乗っていたら。

 で運転手さんに、「これって、大阪のノリなんですが」と言ったら、「そうなんです。社長は大阪の人です」との答え。3年前に進出して、今は台数80台のタクシー会社になっているらしい。会社の名前は領収書では、「東京中央タクシー梶vとなっていた。大阪の会社も「中央」が付くらしい。

 で運転手さんに、「夜なんかよく(無線で)呼ばれるでしょう」と言ったら、「そうなんですが、実車の時が多いんで....」と。そりゃそうですね。遠くに行く人にとってはラッキーです。11時過ぎは3割り増しが東京のルール。そこから3割引になるので、実際には昼間の料金で夜も乗れるということになる。

 大阪のタクシー戦争が関東に流入という感じもするが、まだ80台の会社では影響力はちょい弱い。今後どう展開するか。


2007年05月15日(火曜日)

 (23:28)仕事の関係で、今日も大阪日帰りを余儀なくされたので、それじゃ...ということで新幹線に乗る前に一番大阪らしいものを食べて帰ってきました。新大阪の駅から遠くない十三(じゅうそう)にある「お好み焼き やまもと」に。

 番組が終えて直ぐ行ったのです。早い時間だったので空いているのかと思ったのですが、やはり並びました。しかし美味しいものを頂くには我慢が大事。でもあそこは回転が速い。まもなく座れて、「すじねぎ」と「焼きそば」を。

 見ていると同じ「ネギ焼き」にも、いか、豚、すじ、かき(季節もの)などいろいろあるのですが、圧倒的に人気があるのは「すじ」。私もこれが好きで、豚にも興味があったのですが、今日も「すじ」。なんでしょうね。他にない味なのか。

 「ネギ焼き」はこの店の商標登録なのですが、今では大阪で広く同じようなものが作られている。ネギは優れた食材です。これに最初に目を付けたこの店のご主人は素晴らしい。たまにこの店では、「山本」と名札を付けた女性の方が焼きをやっている。ご親戚だとお聞きしました。
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 ところで、これは月曜日だったと思ったのですが、新宿を通りかかり、かつ待ち時間が1時間あったので、改装なったと聞いていた新宿高島屋を一回りしました。まあ随分変えましたね。今まで「ここにはこれがあった」という印象は2階やメンズのフロアを中心にあったのですが、それが全く変わってしまった。以前よりかなり小さくされてしまった店、大きくなった店。

 一番の変化は、渋谷よりの一階がルイ・ビトンになったことでしょうか。東急ハンズは2階からになった。それと今まで極端に冷遇されていた男性用の衣類などを、4階から8階までの建物の半分を充てた。エレベーターを挟んで片方が女性用、片方が男性用。フロアごとに「トレンド」「キャラクターズ」「ワードローブ」などテーマが決まっている。

 印象ですが、これの方がすっきりした。以前はフロア全体がワンフロアちょっと男性用だったのですが、回るのに疲れた。しかし、言ってみれば伊勢丹のメンズ館を建物の中に入れてしまったという印象にしたことで、「このフロアは何 ?」と興味をそそられる形になった。

 まだ見学の人が多い印象でしたが、新宿はデパート激戦区ですから、改装がどう成果につながるのか。上のレストランもかなり動いていました。高島屋の経営になった(と聞きました)鼎泰豊は、「小籠包」を作っているのを外から見れるようになった。これはそそられると思う。ま、あと二〜三回行かないとまだよく分かりませんが。


2007年05月14日(月曜日)

 (23:28)どこかでデジャブーな感じがするのですが、今年の3月1日発売だから、そんなはずもない。面白い本です。「戦国時代の大誤解」

 これも電車に乗る直前に本屋さんで何気なしに手に取った一冊。かねて私は、例えばNHKの大河ドラマ(ほとんど見ませんが)が、「どのくらい歴史に忠実なのか」はかなり怪しい、と思っていた口です。今英雄とされている人が、本当にその時代にそうだったのかは分からない。江戸時代の講談本なんかで持ち上げれてそのままという人も多いのでは、と疑っていた。そして英雄話が拡大していっている。今でも拡大中.....なのではないかと。

 この本は、そういう事例を「(私のように)思っていた」ではなくてある程度実証的に扱っている本です。私が特に面白いと思ったのは、第三章の「ウソっぱちの名場面」と第四章の「おかしな風景」。第一章の「怪しい人達」と第二章の「歪められたヒーロー達」は、あまり意外感はない。山本勘助なぞ、ドラマが始まる前から「怪しい存在」でした。

 ま、ヒーローとは歪められるものです。どちらか一方に。しばしば良い方に歪められるからヒーローになれる。でも人間は両方持っている猛々しさと臆病さと、剛胆さと慎重さと。それを片方だけ強調するから、ヒーローです。

 しかし、「日本の古来の馬は、今のポニーの大きさだった」といった実証的な例を示されると、膝を打つしかない。これは発掘で出てきますから。そうすると、黒澤明監督が撮影した馬は、当時の実際の日本の馬よりかなり大きかったと分かる。大きいから見栄えが良かったのに。とすると、騎馬戦なんてのは今我々がテレビ、映画で見るほど勇壮ではなかったし、この本によればそもそも騎馬戦なんてのはほとんど存在しなかったと言うことになる。甲冑をつけて移動するシーンも「ありえない」ということになる。

 実際の戦闘では「刀(かたな)」があまり役に立っていなかった、役に立っていたのは弓であり、その後は鉄砲だったし、意外なことに石とか礫が案外大きな役割を担っていたというのはその通りだと思う。刀を両手では構えなかったというのも本当だと思う。

 軍隊を動かす、ロジを行うという意味では、武将は経済に明るくなくては出来なかった、というのも間違いない。我々が今考えている以上に、戦争に参加するかどうかの決定は武士一人一人、武将一人一人にとって「チャンスかどうか」「損得」だったはずで、また後日談が「そうならざるを得なかった」と必然性を強調するのは虚構であり、歴史がかなり偶然の重なり合いというのも確かだと思う。

 ま、歴史を複眼的な目で見るためにはちょっと読んでおいた方が良い本です。歴史ドラマを見ながら、「本当はこうじゃなかったんじゃない」と疑り深くなることは確かですが、それもまた楽し.....です。


2007年05月13日(日曜日)

 (17:28)ははは、このサイトに写真の一枚でもと思ったのですが、カメラを持って行ったのに直前に充電に回したバッテリーを忘れて、結局私の網膜に式の美しい絵を残しただけとなりました。すみません。

 写真はありませんが、良い結婚式でした。お嫁さんは去年の2月05日の鍋大会の時に会ったときよりも綺麗だったし、サンプラザ中野さんの「大きな玉ネギの下で」も凄く良かったし、嫁さんの最後の両親に対する挨拶には泣かされた。両家を代表したシノビーの最後の挨拶が、「親孝行」のところで一時停止、停滞し、本人の涙を誘ったのもご愛敬。パークの食事は良かったし、式に携わったホテルの方々も素晴らしかった。

 「私は今まで好きかってやって....」と最後に反省の弁。本当に反省しているのかな。人間生き方はあまり変わらないし、今までもそれほど間違っていなかったし、今のままブレークしてくれてもいいのにな、と思っているのです。シノビーの今後についてです。ははは、まあいろいろあって、私のテーブルでは「あいつが羨ましい」という声がかなり強くあった。かなり若い嫁さんですからね。

 全般には良い結婚式だったのですが、二つ気になった。式が始まったのが午前11時過ぎ、披露宴まで終わったのは午後4時過ぎ。全行程5時間。これはちょっと長い。福岡から来ていた馬場ちゃんなんて、途中で「帰らざるを得ません。こんなに長いとは...」と言って帰って行った。あと、ビデオを映すスクリーンがもう1メートル以上上に設置されていないと。

 ビデオの肝心の台詞のところが遠くからだと全く読めない。ざわついているので、声もよく聞こえない。どうもあれはホテルサイドの設計ミスだな。でも、記憶に残る一つの結婚式でした。
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 ところで、今日は一つ私が最近好きでよく行っている寿司屋を紹介します。といっても江戸前ではない。北海道の魚をふんだんに使った寿司屋です。本店は小樽にある。その小樽の寿司屋が六本木に店を出している。

 寿司屋の名前を「おたる巽寿司」という。目の前にある素材が北海道そのものなことです。北海道に出張に行ったときにしか食べられないような素材が並ぶ。私がよくやるのは、まず蟹の足を軽く焼いてもらってビールのつまみにし、はらすや鯖、大きな時期の貝をちょっと切ってもらってお造り的に食べ、そして握りに行くという順番。

 最後はこれも東京の寿司屋ではなかなかやってくれない「ウニ丼」「いらく丼」という選択肢。その間に身体が温まるものを一、二回。繰り返しますが、「江戸前」ではないので、「ヅケ」など江戸前の前処理が必要な寿司はない、ということ。江戸前の寿司屋を念頭に、「あれ」「これ」というのは間違い。

 代わりに江戸前の寿司屋にはないものがいっぱいある。ブドウエビなんてのは、本当にブドウ色をしているのですが、そのままでも握っても美味しい。最近ではハラスでも「時知らず」が良かった。

 実は土曜日もワールド・ビジネス・サテライトが終わってからかなり小腹が空いたので、ちょこっと寄って美味しい寿司を頂きました。午前2時までやっているというのが嬉しい。月曜日が休みで、土日もやっている。

 場所は分かりやすい。六本木の鳥居坂下。この地名を知らないタクシー運転手はもぐりです。住所は、「港区六本木5−11−25 鳥居坂アネックス3F」。坂下から見るとよく目立つ店です。電話番号は、「03-5474-5963」。


2007年05月13日(日曜日)

 (09:28)金曜日の午後には大阪に行って帰り、土曜日は諏訪に行って帰りと最近行って帰りが多い。大阪には毎週火曜日に行くのですが、今回は東京証券取引所とか読売新聞が主催している投資セミナーのイントロの45分のお話のため。合計大阪には3時間いましたかね。

 大勢さんにいらしていただき感謝ですが、投資に対する関心が高まっているという印象を受けました。そういえば、今週はこの会合を東証さんと読売さんは一週間連続してやっているのでした。日本全国各地で。変な投資話に乗らずに、皆さんには賢い選択をしていただきたいな、と思います。

 土曜日の諏訪は親父の三回忌。去年一周忌をやったばかりという印象があるのですが、どうしてか知らないが、一周忌の次の年が三回忌。これが済むと七回忌で、そこまでは4年という時間があるのですが、一周忌と三回忌の間は短い。

 まあでも、回忌は「あの世に行った人がそうでもなければ会わない親戚・縁者を集めてくれる日」と誰かが言っていましたが、全くその通り。親戚の子供はよく育つと言いますが、回忌ごとにたまに縁者と会うと、そのステータスや風貌の変化は時間の流れを感じる。一番目に見えて変化していくのは子供達です。があがあその辺を走り回っていた連中が、やれ就職だ、やれ歯科医学部の最終年だ、それ大学に入っただとか変わっていく。結婚して子供が出来た甥もいる。

 まあでも大人でも「へえ、それは面白い」というコースをこれから取ろうとしている人もいる。親父のサイドの私よりいっこ上の従兄弟ですが、大手自動車メーカーに長く勤め、その後部品会社に行っていたと思ったら、「GMの誘いがあったので、来月からデトロイトに行く」と。驚愕しましたね、この話を聞いたときには。ハハハ、是非頑張って欲しい。そのうちこの従兄弟を取材しようかと。

 私より上の親戚の人達は、家電、カメラ、デジタル、建設などの各種のメーカー、会社を退職した人達が多い。先生もいるな。まあそれぞれいろいろやっている。そういう話を聞くのも面白い。でも総じて元気が良くこれでもかと会話を続けているのは女性ですね。

 そう言えば今日はこれからシノビーの結婚式がパークハイアットで。長い付き合いでっせ彼とは。年によっては2回くらいしか会わない年もあるが、でも決して遠い存在ではない。確か相方の彼女には去年の2月5日に会っている。東京ガスの新宿本社ショールームでの鍋大会で。「一言」と。ちょっと考えたら幾筋もの話のルートが出来た。どれを選ぶかは会場の雰囲気次第です。

 最近は結婚式といっても、いろんなのがある。まあ当然として、仲人さんはいないでしょう。テーブルありかな。それくらいが予想できて、後は不明。ハハハ、どんな式になるのか楽しみ.........。


2007年05月11日(金曜日)

 (11:28)昨日のライブのラジオで、「円安の限界」といった感じで話しをしたら、今朝はかなり円高の方向に修正。ま考えると、240円のポンド、100円の豪ドル、90円のニュージーは相当久しぶりの(約10年ぶりの)外貨高・円の安値ですし、163円のユーロは2000年だかに88円台があったことを考えると、「かなりの所まで来た」と言える。

 といっても、「では大幅な円高になるのか」というと、そういう感じはない。なにせ非常に大きな金利差がある。しかしこの数週間の相場の動きを見ていると、いろいろな面から、「円安のペースが鈍ってもおかしくないレベル」に来ていることは確かで、市場がそういう見方を共有するならば、時に大きな円高への修正が起きてもおかしくない状況であると思います。
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 今朝の新聞記事で非常に興味を持って読んだのは、日経のスポーツ特集です。30代のゾロメを迎えた松井に関する記事。この記事が良いのは、「今の彼に俺だったらこう聞きたい」と思うことを聞いていてくれること。というのは、去年、そして今年の松井について、私は何回かネットに思いを書いているからです。

 一週間くらい前に、『6月12日で、松井も33才ですな。「チームにとっても、自分にとっても4月は良い月ではなかった」と松井。ゾロメか。次のゾロメは44。33だと、あと完璧にやれて4年かな。はよHRをばしばし打って、にこやかにホームに帰ってくる姿を見たい』と書いた。その次には、  

 いや、今日は良い当たりが2本ありましたよ。センターのエラーを誘う強い当たりのライナーと、セカンド真っ正面だったが、強い当たりのゴロ。

 しかし結果はノーヒット。気になるのは、松井がバッターボックスに入ると、スタジアムが沸くのではなく静かになるのです。そして、松井はその中でこちらが切れそうになるほど、待つ。今日なんか5回打席に立って2−3まで待ったのが4回ですからね。

 根気良く待つのも良いが全く積極性が感じられない。やはり成績よりも、「その選手が入ったら、スタジアムが沸く」というのが非常に重要なプロ選手の要素だと思うのですが。 ちょっと心配だな........

 昨日の試合も松井は4−1。よって打率は0.25台。低いし、この日経の記事が言っているような『いつか己を超え「感動させたい」』というプレーをまだ見ていない。去年の怪我の後遺症がまだ残っているのか。

 「松井がバッターボックスに入ると、スタジアムが沸くのではなく静かになるのです」というのは私の印象で、各試合で違う。しかし、何か「こいつは何をするか分からない」という不気味さが松井から消えている印象がする。ちょっと残念だし、松井には早くその階段を一段上に上がって欲しい。


2007年05月11日(金曜日)

 (06:28)退任表明が予想されていたイギリスのブレア首相は、次のような記憶に残る、そして「正直な人だった」という印象を改めて感じさせる言葉を残して労働党の党首退任、よって首相辞任を表明しました。

 I ask you to accept one thing. Hand on heart, I did what I thought was right. I may have been wrong. That’s your call. But believe one thing: I did what I thought was right for our country.

 This is the greatest nation on earth.It has been an honor to serve it. I give my thanks to you, the British people, for the times I have succeeded, and my apologies to you for the times I have fallen short.

 何せ首相になったのが43才。10年たった今も53才の若さ。出てきたときは鮮烈でしたね。確か首相になってから最後のお子さんが出来たと思った。ご夫人も人気があった。躓いたのはイラク政策でのブッシュ支持だったと思う。「I did what I thought was right for our country」(この国にとって正しいと思ったことをした)といいながらも、「my apologies to you for the times I have fallen short」(至らなかった時に対する陳謝、反省)を口にした。

 もっとも退任は6月27日であり、その間のブレア首相の日程は詰まっている。フランスに行き、アフリカを訪問し、最後の訪米をして、その間にサミットにも出席する。議会では法案通過を目指す。その7週間の間に労働党は党首選びをして、ほぼ確実にブラウン蔵相がブレア首相よりも年上の首相(56才)になる。

 ブラウン蔵相は、長年ブレア首相の下で蔵相をしており、党内では政敵だったが、内閣では言ってみれば片腕だった。政策は内外ともに変わらないとみられる。しかし違うのは印象だ。ブレアが出てきたときには鮮烈な、そして若い首相という印象だったし、労働党を人気政党にした立役者で、保守党から政権を奪った人物だったが、ブラウン蔵相は「改革者」のイメージはしない。

 最後はイラク戦争で躓いたが、「ブレアの10年」はイギリスがほぼ一貫して景気が良かった時代でもあり、その内政に対する評価は高いままだろう。ただし、イラク戦争に突き進んだことと関係あるのだろうが、この間イギリスは何回もテロ、テロ未遂に見舞われた。

 ブラウンが首相になったからといって、イギリスが直面している問題の深さは変わらない。イラク政策の見直し、アメリカとの関係見直し、イラクからの撤退をどうするのか。そしてEUとの関係の立て直し。私が注目するのは、ドイツでメルケル政権が出来たのが去年であり、今年はこの時期になって相次いでフランスでシラクさんが代わり、イギリスでブレア首相が替わったことです。つまり、ヨーロッパ主要国の顔が全部変わった

 シラクにしろコールにしろ、「自分が率いたこと」、具体的にはEUやユーロに対する思い入れは非常に強かったに違いない。ブラウンはそれを横目で見ながら、イギリスという老大国の舵取りをしてきた。ブラウン、サルコジ、メルケルの英仏独の新トップ3人が、どのようなハーモニーを、そして不協和音を奏でるかはまだ分からない。

 私には、「ブラウンは何をするのか」ということ以上に、この3人の関係がヨーロッパをどう形作っていくのかに興味がある。さらにはこの3人が、対米、対日、対中関係をどう築くのか。

 それにしてもイギリスのテレビは、「ブレアはまだ若い。今後彼は何をするか」といったテーマで話題を進めている。

 「党内の支持がないのでクリントンにはなれない」
 「ゴアと一緒に環境問題への取り組みをするのではないか」

 といった。他の政策ではブッシュ支持のブレアだったが、確かに環境問題への関心はひときわ高かった。「ゴアーブレア」。確かに強烈なタッグだ。


2007年05月10日(木曜日)

 (11:28)松坂の井川化の危険もある試合だと思っていたのですが、今回の対ブルージェイズ戦は良かった。相手の先発は大家だったが、大家は当初から不調。四球が多かった。

 対して松坂は出足はランナーを1,2塁に置くところまで行ったが、ここを乗り切ると2回と3回の最初のバッターまで4人を連続三振。ヒットは5本打たれて、うち1本がHRでそれが失点となったものの、8奪三振と三振の数も多く、安定感もあった。まあきっちり修正できましたという状況。走り込み、投げ込みの成果か。

 ただしロイアルズと同じように、ブルージェイズも言ってみれば弱いチーム。やはり強いチームに断然優位で勝って欲しいと思っているのです。次に当たるタイガースは今比較的強い。それが一つの目安か。この結果、松坂は4勝2敗となった。

 しかし松坂らしいと思ったのは、最初はNHKにインタビューOKのサインを出していたのに、土壇場になって「今日は満足できないので」とインタビューをけっぽった。ハハハ、彼の笑顔が見たいファンも多いのに。

 代わりにバリテックが「今日の松坂は良かった。制球も良かったし、安心感があった」と。これまでの松坂の不調に関しては、フランコーナ監督などは、「特定の打者に気をとられすぎる」「多い球数をバランス良くコントロールできていない」などと述べていた。

 今日は勝ったが、まだまだこうした問題は残っていると思う。ただし着実に勝ち星が増えているのは結構なことだと思う。松井のヤンキースも勝ちで5割復帰。松井は1安打で、ライトへの2塁打。打率は0.258。相変わらず「左」への安打が出ない。


2007年05月10日(木曜日)

 (01:28)火曜日の夕方に大阪から福岡に行き、一晩泊まって昼に仕事を終え、その後新幹線で移動して名古屋にちょこっと寄り、そして帰ってきました。ははは、移動の多い二日間。

 帰ってきたらちょうど月曜日だかの最初の放送を見逃していたNHK特集(新日鐵とミタル)を夜零時過ぎから見ました。三村さんが英雄のように出ていましたね。でも見ていて思ったのは、「真にグローバル化した経済が始まった」ということでしょうか。

 カナダのトムソンがロイターに買収提案をし、もともとはオーストラリアのニューズ・コーポレーションがイギリスのマスコミを席巻した後ニューヨークのダウ・ジョーンズに触手を伸ばす。  今のところ特徴的なのは、ワークしている買収案件や、盛んに検討されている買収案はアングロ・サクソン圏内、または英語圏の動きだと言うことです。言語の壁を越えようとした合併、例えばダイムラー・クライスラーは明らかに失敗している。だから、ミタルが新日鐵を買ったとしてうまくワークするのかな、という気はする。

 ミタルからすれば新日鐵が持つ高い技術は欲しい。それは番組の中にも出ていました。しかし買収したら全て手に入れられるかというと、新日鐵の技術者が「ミタルは嫌いだ」と、例えば住金に逃げれば、長い目では手に入れられないことになる。その辺は微妙だと思うのです。

 むろん、三村さんの懸念には充分な正統性がある。この番組では新日鐵の個人株主比率は24%になっていた。アルセロールは40%だった。ミタルはこの個人株主の株を素早く、いろいろな人を通じて買ったから、アルセロールの買収に成功した。株価が上がったことでも、それは成功と言えるのでしょう。

 しかし、この先ミタル・アルセロールは需要家が本当に欲しい鉄を供給し続けられるのだろうか。それはこれからの問題だが、きっちりとモノを作ることに美意識を持たないメーカーが末永く栄えられるのかどうかはよく分からない。

 まあどの業界を問わず、市場規模がグローバルになった以上、そのグローバルな市場での製造、営業、そして研究開発を行うには、それに相応しい規模が欲しいというのは、当然出てくるでしょう。だから製薬会社でも、化学会社でも大きくなろうとする。自動車もそうです。

 そう言うときに、「日本語」という特殊な言語を持つ日本の会社が、どういう位置づけて行くのかは、まだ試行錯誤のところがある。結構壮大な実験だと思うのです。
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 ところで、米FOMCは09日の会合後に以下の声明を発表した。予想通り、5.25%の短期金利誘導目標は据え置き。注目された声明は、

The Federal Open Market Committee decided today to keep its target for the federal funds rate at 5-1/4%.

Economic growth slowed in the first part of this year and the adjustment in the housing sector is ongoing. Nevertheless, the economy seems likely to expand at a moderate pace over coming quarters.

Core inflation remains somewhat elevated. Although inflation pressures seem likely to moderate over time, the high level of resource utilization has the potential to sustain those pressures.

In these circumstances, the Committee's predominant policy concern remains the risk that inflation will fail to moderate as expected. Future policy adjustments will depend on the evolution of the outlook for both inflation and economic growth, as implied by incoming information.

Voting for the FOMC monetary policy action were: Ben S. Bernanke, Chairman; Timothy F. Geithner, Vice Chairman; Thomas M. Hoenig; Donald L. Kohn; Randall S. Kroszner; Cathy E. Minehan; Frederic S. Mishkin; Michael H. Moskow; William Poole; and Kevin M. Warsh.

 というものでした。前回(3月21日)から変わったのは第二、三パラグラフ。前回は
Recent indicators have been mixed and the adjustment in the housing sector is ongoing. Nevertheless, the economy seems likely to continue to expand at a moderate pace over coming quarters.

Recent readings on core inflation have been somewhat elevated. Although inflation pressures seem likely to moderate over time, the high level of resource utilization has the potential to sustain those pressures.

 となっていた。全体に言えることは、前回は議事録から「追加利上げ」の可能性が論じられていたことが分かったのですが、今回の声明からはそれは感じられないものになった、ということ。この結果「現行金利は相当の時期続くのではないか」というのが、今朝のアメリカの新聞の共通の見方になっている。これを受けてか、ニューヨークの株価も上げに転じている。


2007年05月09日(水曜日)

 (07:28)新幹線の中で読もうと思って、限られた種類の中から(駅の売店だったので)ちょっとタイトルが気になった本をランダムに3冊買い、そのうちの一冊「中国社会のとことん深い闇」という本を読みました。ハハハ、結構強烈な本でしたが、実はあまり違和感はない。

 重慶に行ったときに街角に、「この辺は人さらいが頻繁に出没するから、気を付けてください」という看板を見ていて「中国では子供の誘拐、女性誘拐は頻繁に発生しているのだろう」と思っていたし、そうも聞いていた。そして中国ではどの都市でも小学生くらいの子供が学校に行くときには必ず親かおじいちゃんか、それとも家政婦が付き添って学校まで送るというのも目撃している。誘拐を気にしているのだ。

 商売をしている人からは、中国が酷い上納金社会、ヤミ献金社会、賄賂社会であることを聞いているし、2005年の重慶の暴動事件は広く世界に伝えられて、その他でも大きな事件、民工や農民の反乱が起きていることは確かです。宗族という名字を同じくする人々の一種の闇結社が中国各地、各村で結ばれて、劣化しつつある共産党組織(行政組織)との対立抗争をしているというのも聞いていました。

 既に「統治の正統性」を失いつつある共産党が、無理な成長を急ぎ、そして国外に敵(しばしば日本が標的に)を作って国内統一を持続させようとしているというのも事実でしょうし、中国に中華思想があることも確か。そういう意味では、中国の悪しき面をこれでもかと連ねてある本であまり好印象ではないが、あまり意外感はない。

 この本にも何回も出てくるが、「どの国にも闇はある」というのは確かである。日本にも悪しき面は山ほどあって、それを書き連ねれば一冊の本が出来る。ただしいつも私が思うのは、日本の場合は悪しき面はあるし、政治不信はあるが、「体制への不信」はないということだ。私も含めて多くの人は、今の民主主義を捨てて別の体制を思考せざるを得ないとは考えていない。

 しかし中国は、「今の体制ではもう駄目だ」と考えている人が多いし、実際にそれが大きなうねりになる可能性がある、ということでしょう。体制転覆の可能性がある。だから先日紹介した「北京炎上」というような近未来小説となって本が出てくる。この近未来の中国に対する予測は、各国で出版されている。フィクションを意識しようが、「予測」を意識しようが。

 この本は、「北京オリンピック後が危ない」と言う。危ないのは、今の体制に対する反対運動が多くなる、ということです。そうかもしれない。「北京炎上」が指摘するように、中国が大きな動乱もなくいくつかの共和国になるかもしれない。考えてみれば、ベルリンの壁は歓声とシャンパンを開ける音の中で落ちた。天安門の毛沢東の肖像がそういう形で落ちても不思議ではない。もっと深刻な動乱になるかもしれない。

 しかし私がいつも問題だと思っているのは、「その後」です。中国に民主主義がいったい根付くのか、この本に繰り返し出てくるような中国人の特質が、国が新しくできるにしても、酷く歪んだものにならないか、そして民衆はそうした変化が起きる中でおとなしく国の中にとどまっているのか、という問題だ。この本は、「中国人には自由、平等などは馴染まない」と言っている。しかし、台湾はそれをある程度実現している。小さければ出来るのか。

 この本はそうした問題意識には応えていない。中国の悪しき面を並べているだけなのが物足りないが、それは実際に中国の一面なのだろう。しかし一方で、そういう悪を取り締まる当局も頻繁に登場する。逮捕者がそれだけ多いと言うことは、悪(汚職、賄賂、国家資産の横領など)も多く発生しているが、まだそれを取り締まる意識は当局にはあるということだ。

 しかし今週の日曜日もNHKが「シリーズ中国激流」で報じていたような国の分裂をももたらしかねない都市と農村、豊かな人間と貧しい人間、共産党員と非共産党員の分断が進んでいることは、隣国の13億を抱える国が大きな変化の縁にいることを示している。この本を読んで改めてそのことを思った次第だ。


2007年05月08日(火曜日)

 (07:28)サルコジ当選の記事の見出しを「Sarkozy's battle begins」としていたアメリカの新聞があって、「バトルか。その通りだな」と思っていたら、サルコジに対するバトルをもうフランスの、またはフランス居住の若者達が開始したようです。

 各地で6日夜から7日朝にかけてサルコジ当選への抗議行動が繰り広げられ、フランス警察当局は592人を逮捕したという(産経新聞)。車両への放火は、730台に達したとも。AFPによると、パリ東部のバスチーユ広場には、ロワイヤル氏の支持者らが氏の敗北が決まった後も残り、約300人の若者らが「サルコ、ファシスト」と叫んだ、と。加えて、石やビンなどを警官隊に投げつけ、これに対して警官隊は催涙弾や放水銃で対抗した。南部のトゥールーズなどの地方都市でも反サルコジ派と警官隊が衝突したと伝えられる。

 昨日の朝書いた文章でも指摘したのですが、今回のフランスの大統領選挙は両候補のイデオロギーが真っ向から対立するという極めて政治色の強い選挙でした。だから見ている我々にも興味深かったし(フランスはどちらの道を選ぶのだろう、という意味で)、フランス国民も85%という羨ましい投票率で「次の指導者」選びに参加した。しかしそれはまた、フランス社会に深い対立の火種を残した、ということでもある。

 得票率で53%(サルコジ)対47%(ロワイヤル)というのは、国民の mandate をもらったという意味では十分といえるし、民主主義のルールに従えばロワイヤル支持層が選挙の結果に不満を抱いて抗議行動をするというのは筋が違う。多分、抗議行動を行っているのは、「ロワイヤル支持層」と言える人々ではないのでしょう。もっと外れた。

 しかし多分、サルコジ当選に対して直ちに抗議行動を起こした若者の気持ちの中に去来するものは、「(3年前がそうだったように)彼は我々を抑圧してくるだろう。それだったら今から抗議行動を」というパーソナルなものもあるに違いない。

 ここからがまさに「サルコジのバトル(闘争)」の開始です。まずは思ったように国を改革できるのか。日本でもそうですが、何かを変えようとすれば二つのものと闘わなくてはいけない。一つは既得権者、一つは「昔は良かった」とか「今のままで良い」という国民の潜在的安定志向意識。既得権者とサルコジ当選を良く思わない一部の若者は、本来は立場が違うはずです。しかし、政治の世界ではしばしば敵の敵は味方ということになる。

 多分「社会のクズ」と呼んだり、抑圧するだけでは一部の若者の抗議行動は収まらないでしょ。ということは、サルコジ新大統領は出足から非常に大きな試練に立たされると言うことになる。私は正直言って、サルコジがこのフランスという国に強く残った「意識の分裂」を乗り越えられるのかどうか五分五分ではないか、と思う。

 問題が複雑なのは、どうみても歴史の中で輝いていた存在だったし、それを国民も隠れた誇りにしていたフランスが、経済力や文化など様々な面で発信力を弱めている、世界での存在が弱くなっていて、国民がそれの打破を目指しながら、処方箋が書けていないということだと思う。フランス国民はやや劇薬と言えるサルコジを選んだ。しかし、サルコジが国民を広く帯同してフランスの存在感を高められるのかどうかは不明だ。

 EUの存在もフランスの「普通の国化」を進めている。2005年のEU憲法拒否もその流れに対するフランス国民の抵抗だろう。EUの体内にいながら、一方では「フランスの個性」の発揮を進めるのは至難の業でもある。来週にはブレアが政権を去り、既にコール、シラクが政界を引いた欧州では、指導者から見るとEU第二世代に入る。第一世代に比べると、明らかに紐帯は弱い。

 「サルコジのフランス」の誕生は、フランスにとっても、EUにとっても大きな曲がり角になる可能性がある。市場もまだ迷っている。欧州の株が全般に高い中で、フランスの株価は大統領選後初取引の7日はほぼ横ばい。抗議行動などがなければ、サルコジ当選は本来は株式市場に歓迎されたのでしょうが。ユーロも動けず。


2007年05月07日(月曜日)

 (12:28)どのくらい活躍できるかは分からないのですがね........でも大ニュースです。

 ヤンキースにロジャー・クレメンスが戻ってくる。契約切れ後、「どこかな」と言う話は前からあって、3球団が候補だと言われていた。アストロズ、レッドソックス、そしてヤンキース。今年の春にカノーが背番号を22から24に変えた時から、「ヤンキースに戻るのでは」と言われていた。22はロケットの背番号でした。

 発表が粋だったのです。7回裏に入る直前。これからヤンキースが攻撃を開始すると言うときですが、一端は「Take me to the ballbame」の演奏が始まった。しかし直ぐに中断されて、「オーナー室に注目。アナウンスメントがあります」と例のおじいちゃんの声でアナウンス。

 出てきたのがクレメンスで、その時から凄い拍手になった。彼は私の耳ではこういったのです。

 「Thank you all.They came and got me out of Texas, and I can tell you it's a privilege to be back. I'll be talking to yoll soon!」
 つまり戻ってくると言うこと。その後に電光掲示板に「今やクレメンスはヤンキースの一員」と示された。その後のカメラがヤンキースのベンチを追っていたのが面白かった。まあそりゃ、クレメンスの親友のペティットの顔をまず追いますよね。みんな驚いて笑っている。ペヒットも。

 クレメンスの短い声明放送の直後にペティットに近づいたのは、退場となったトーリ監督の代わりに監督代行をしていたコーチかな。「聞いていたのか」と聞いていたのでしょう。ペティットに。私にはペティットは首を振っていたように見えた。

 NHKBS1で見ていたのですが、その段階で放送を英語放送に切り替えて聞いていたら、現地の放送は野球の実況などせずに、ずっとクレメンスのインタビューを放送していました。インタビューで一番面白かったのは、たぶん解説者が笑いながら、「ところで3年契約 かい.....」と聞いたとき。クレメンスは「ははは、3年後ね。たぶんシニアでソフトボールかな」と。

 まあ今年もう44のぞろ目ですから、3年後になると47。ナックルボールの投手ならいざしらず、ロケットの異名を取る選手はちょっと難しいかも。一説によると、メジャー昇格後のクレメンスの年俸は2800万ドル。33億円かな。

 「優勝するためにきた」と。「ヤンキースはこんな状態で出遅れているが」との質問に対して、「昔のチームメートもいるし、友達も多い」と。難しくなったのは井川かな。先発の枚数が揃ってくる。加えての「試合を作れない」投球の連続。クレメンスはマイナーで投げた後、5月の下旬には一軍に上がってくるとされるから、あと井川がチームに存在感を示せる確実はチャンスは2回、3回かな。しっかり投げないと。

 ところで、松井は劇的展開があったこの試合で、日米通算2000本ヒットを達成。もっとも2000本目は当初「エラー」と判断されたシロモノ。イバニエス(マリナーズの左翼手)が太陽を目に入れて落球したもの。彼ももうひとつ同じような打球を落としていた。

 公式審判は、このプレーを最初エラーと判断。しかしその後「二塁打」と判定し直し。それが日本でも「松井、2000本達成」と伝えられた。この経緯を松井が知ったのは、次の回、だから7回表に守っているときにデーモンから聞いたらしい。本人が試合後のインタビューでそう言っていた。

 一つ許せると思ったのは、松井は第四打席には実に綺麗なライト前ヒットを打ってい る。打率も0.269。調子が上がってきているような、でもしっかり活躍している印象はしないと変な感じ。彼も6月には33のぞろ目ですからね。33のぞろ目が来ると、「あと何年?」ということになりかねない。しっかりしてよ。

 それにしてもクレメンスの通算戦績は348勝 178敗。3回登板して2回は勝つ。こんな投手はなかなかいない。繰り返すが、クレメンスはマイナーで数回投げた後に5月の下旬に復帰。井川はそれまでに実績(試合を作れるという)を残さないと、もしかしたら「一回マイナーも」ということになりかねない。


2007年05月07日(月曜日)

 (08:28)あまり出掛けませんでしたね。都内で食事をしたり。ラジオやテレビでレギュラー番組を抱えている身としては長いお出掛けが出来ないのです。だから、基本的には東京近郊にいました。

 しかし面白かったこともある。日曜日でしたが、あの雨の中茨城県のゴルフ場に行ったのです。雨はシトシト降っていましたが、ちゃんと回れたのですが、それが言いたいのではなく、そのゴルフ場に竹林があちこちにあったこと。そこで非常に短い時間ですが、筍(たけのこ)取りをしたのです。竹林の中で、タケノコがぼこぼこと出ていた。キャディーさんの案内で何本かとったのが面白かった。

 見ていたら、キャディーさんは別に掘るではなく足で蹴ったりして根本からぼきっととるのです。「少し乱暴だな....」と。それが食用の筍取りの方法かどうか知りません。食用はちゃんと掘って取るのでしょうが、それが結構面白い。ゴルフ場にしてみれば、あまり竹が増えても困るので出来るだけ筍は採って欲しいのだそうです。一緒のパーティーにレストラン経営者がいたので、全部差し上げました。使うのか、または使えるのかどうか ?


2007年05月02日(水曜日)

 (24:28)新幹線の下り上りで、「北京炎上」を読みました。面白かったな。今の中国の共産主義体制が崩壊するとしたらどういう形でだろう、その後は中国はどうなるだろうという気持ちが自分の心の中にあるから、局面局面で自分のシナリオを重ねながら読める。

 中国には何回となく行っていますが、いつも「いつだろうな」と思うことがある。それは、天安門の毛沢東の肖像がなくなる時はいつか、という問題です。たぶん私が生きている間にそうなる。それには自信があるが、いつかは分からない。

 しかしこの小説は2017年という年を提示する。そしてそれがいつ起きるかを大胆に予測している。シミュレーションしているのである。賛成できるところ、もっと詰めた方が良いと思うところも一杯あるが、しかし最初にシミュレーションを提示したと言うことで非常に大きな価値がある本だと思う。

 今の中国の体制がいびつであることは間違いない。経済的自由を最大限許容しながら、実は政治体制は非常に窮屈。経済成長すればするほど、矛盾は拡大すると思う。その矛盾は既に、貧富の差の極端な拡大、農村と都市の戸籍が違うことに根を持つ大きな格差、そして地位を利用した官吏の汚職の多さ、そしてそれを反映した各地での暴動やスト、デモで象徴される。だから問題はいつ、どのようなきっかけで今の体制が転換するかである。

 大騒動になるという人もいる。しかし東西のドイツが合体したとき、大きな衝突があっただろうか。だから私は「案外静かに進行するかもしれない」と思っている。「北京炎上」の著者は、その中間を選んだと思う。天安門事件の再発という形で。

 小説としては、ナイストライだと思う。著者の今までの作品より、ハードボイルドとセクシーさがかなり入れられている。全体にバランスを欠いているところもあるが、それがまたシミュラフィクションの面を際だたせている。一気に読みました。中国の政治の冷徹さも出ている。一読をお勧めします。


2007年05月01日(火曜日)

 (24:28)今週の日経ビズポッドキャストは、来週と二週続けてセカンドライフを特集しました。ゲストを迎えて。この番組でゲストに来てもらったのは初めて。

 セカンドライフは、ネット上に生まれた仮想世界。今登録者は全世界で600万くらいかな。そのうち過去半年にアクセスした人が200万弱、カレントに参加している人が常時変わっているのですが、2万〜3万。

 私はまだ入って直ぐですが、3Dのなかなか面白い仮想社会です。実はこの世界はクレジットカード決済を通じて現実世界と繋がっていて、仮想社会での儲けを現実社会に引き戻すことが可能。例えば、ネット上でアタイアなどデジタル製品を売った場合には、その分の儲けがリンデンドルの儲けとなって、決められている為替レートに従って米ドルに変換可能。土地の売買も行われていて、デジタル的才能や商感覚に優れた人は別世界での経済活動の可能性あり。

 仮想社会ながら、いろいろな取引が行われている。土地売買もそうです。私はたまにしか入っていないので、やっとアバター(仮想社会における自分)の体を自由に動かせる段階かな。初回に入ったときには、ニュージーランドの医療関係者としばらく会話しました。ははは、面白かった。その後も何人かと会話。世界中から参加しています。共通言語は、まあ英語かな。

 ゲストとはかなり長く話しましたし、面白かった。今は訳も分からずに賞賛されている面がある。しかしアバターの動きが鈍いなどいろいろ問題もある。新しい仮想社会も生まれそうで、まあでも最初に生まれて非ゲーム型の仮想社会なので、もうちょっと極めようかな、と思っているのです。

 多分今週に来週の放送は面白いと思うので、是非お聞きください。



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