2008年08月31日(日曜日)

 (23:55)親戚の法事があって諏訪に日帰りしたのですが、非常に珍しいものを食べました。それは、「食用ほうずき」です。「ほうずき」といえば、ふくらまして笛にした記憶しかないので、最初勧められたときにはちょっとひきました。躊躇していた。

 しかし「非常に珍しいもの」「フランスやイタリアでは盛んに栽培されている」「今ではジャムも作られている」と聞いて、ちょっと食べてみた。甘酸っぱい、それでいてフルーツの香りがする。なかなか面白い味なのです。食べた瞬間から、「これはジャムにしたらいいかもしれない」と考えました。

 その時もらった資料が調べたら「食用ほうずき」紹介サイトにそのまま載っていました。このサイトには「効能」が山ほど書いてある。私もそれほど足繁く行っていないのですが、近くのスーパーなどで売っているのかいないのか。ちょっと興味を持ちました。

 今日読んだ新聞記事で一番面白かったのは、「日経ヴェリタス」のトヨタに関する記事の中にあった非常に小さい指摘ですね。私はまだ読んでないのですが、最近でた本で「自動車産業の終焉」という本の中に、19世紀末のニューヨークの自動車産業の燃料シェアとして「三分の一が蒸気、三分の一が電気、三分の一が石油だった」という記述があるのだそうです。

 読み流せばそれだけの記述ですが、私がこの指摘を読んで思ったのは、「ガソリンが自動車のエネルギー源として広く認知され今の地位を確立したのは「それほど昔ではない」」という点です。ということは「今から100年後にはどうなっているか分からない」ということでもある。電気が今度は一番になっているかもしれないし、水素がその地位にあるのかも知れない。

 ガソリンが圧倒的な自動車用エネルギーの地位に就いたのは、20世紀に入ってからの大油田の発見による。石油は20世紀の大部分を通じて非常に安かった。しかしその石油は相当高いものになってきた。だとしたら、産業界全体として「脱石油」に走るのは自然です。今はその過渡期にある。ある意味では当たり前の認識ですが、案外忘れている。


2008年08月30日(土曜日)

 (03:55)このコーナーの7月30日の文章に「彼の副大統領候補の中にはHPの元会長である女性経営者のフィオリーナが入っているようで、私は面白いと思うのですが」とも書き、ラジオなどでも「共和党のマケイン大統領候補が女性副大統領候補を選べば面白いかも知れない」と喋ってきた私ですが、はっきり言って「Sarah Palin」という44才の女性アラスカ州知事については全く知りませんでした。

 調べると結構面白い。就任2年目の「新任女性アラスカ州知事」以外にいっぱい面白い経歴がある。アットランダムに並べると

  1. ダウン症の障害児一人(男子で、生まれたのは今年4月)を含む5人の子供達の母親。うち10代の長男(Track)は近くイラクに派兵される予定で、あと3人の女の子(Bristol, Willow, and Piper)がおり、ご主人(Todd)は油田開発や漁業を営むイヌイット
  2. 経歴は、1984年に自らが育ったWasilla(生まれたのはアイダホ州)というアラスカの近郊の市(人口8500人)の美人コンテストで優勝したほか、ミスアラスカ(アラスカ州の人口は70万人)での準優勝の経験あり。彼女の写真はボーグ誌に広く掲載された。その後は地元テレビ局のスポーツキャスターなども経験し、同市の市長も
  3. 42才でアラスカ州初の女性、そして最も若い州知事となったが、腐敗(同州共和党指導部のアラスカ石油・天然ガス管理委員会を巡る)との戦いでの実績などもありアラスカ州での支持率(7月調査)は80%に達する(最高水準は支持率83%)
  4. 同性婚に反対し、ガン規制に強く反対する保守派(全米ライフル協会の終身メンバーで、子供の頃は夜明け前からよく鹿の一種であるムース狩りに出掛けたという)だが、ゲイに対する差別に関しては批判的である
  5. 同州での腐敗に対する厳しい姿勢などから「saint Sarah」(聖女サラ)とまで呼ばれることもあるが、その一方で州の公共安全委員長であったWalter Moneghan(彼女自身が一年半前に任命)という人物の解雇を巡っては「権力濫用」の疑いで州議会から調査を受けている(詳細は避けるが、この問題はアラスカ州では troopergateと呼ばれているという)
  6. 彼女自身は自分を「average hockey mom」(子供のホッケーを応援する普通の母親)と呼び、スタンスはpro-environment(環境保全に熱心)、かつpro-life(中絶反対) である
 など。アラスカという希少な人口の、そして11月4日の本選挙で主要なバトルグラウンドにもなりそうもない州の州知事、それも2年弱の経験しかない女性知事が共和党の副大統領候補に選ばれるのは、アメリカのマスコミにとっても驚きだったようだ。

 しかし狙いははっきりしている。自分の副大統領候補に関してペイリン知事は、

It turns out the women in America aren't finished yet, and we can shatter that glass ceiling once and for all.
 と述べている。つまりヒラリーは民主党の大統領候補にもなれず、また副大統領候補にもなれなかったが、「私がアメリカの女性にとってのガラスの天井を打ち破ってみせる」と宣言して、Clinton die-hards(民主党の中の根強いクリントン支持層)を共和党に引き込む意向を示した。これはかなり有効な戦略かも知れない。

 もっとも、「オバマは経験不足」と言い続けたマケインにとっては、これは両刃の剣だ。なぜならペイリン副大統領候補は行政経験も明らかに不足しているし、外交経験もない。つまり民主党のバイデン副大統領候補の正反対のところにいる。民主党は既にこの点を攻撃材料に使っている。オバマ候補のスポークスマンは

John McCain put the former mayor of a town of 9,000 with zero foreign policy experience a heartbeat away from the presidency. Governor Palin shares John McCain's commitment to overturning Roe v. Wade, the agenda of Big Oil and continuing George Bush's failed economic policies -- that's not the change we need, it's just more of the same.
 と手厳しい。しかし民主党の正副大統領はマケイン候補が女性のペイリン知事を副大統領候補に選んだこと自体に関しては声明で
Her selection is another sign that old barriers are falling in our politics. While we obviously have differences over how best to lead this country forward, Gov. Palin is an admirable person who will add a compelling new voice in this campaign.
 と優しいエールを送っている。

 マケインとペイリンとの接点は、ペイリンがマケインに対するエネルギー問題のアドバイザーになったところから始まると言われる。ペイリンはアラスカなどでの石油採掘の進展をアドバイスしたという。マケインは彼女について

She's not from these parts and she's not from Washington, but when you get to know her you're going to be as impressed as I am.
 と述べている。ペイリンを副大統領候補にすべきだという声は、このサイト「palinforvp」などこれまでもいくつか存在した。しかし、大きな驚きであることは確かで、アメリカの政治のダイナミズムが感じられて面白い。


2008年08月29日(金曜日)

 (13:55)今日は面白い写真から紹介します。実はこの写真は2002年にフジテレビの番組で上海を訪れた時に手に入れたものです。その時の文章はここにありますが、その中に「将来の浦東地区」が図示されている。注目して頂きたいのは、今日の日本の新聞にも大きく載っている「Shanghai World Financial Center(上海環球金融中心)」の上部の形です。

2002年の時の上海環球金融中心の完成予想図、上部はその時は丸かった。完成した建物の上部は長方形になっている  当時の予想図では上部は丸くなっていた。だから「環球」なんだと私は思ったりもした。しかしその後「あの丸は日の丸を想起させる」という意見が出て、それであの丸い設計が今の長方形に修正されたと記憶している。ある人はこれを「栓抜きみたいだ」と表現した。中国でいろいろやろうと思ったら、こんなところにも気を使わないといけない。

 ところで、午前11時過ぎからはずっとCNNでバラック・オバマの使命受諾演説を見ていました。lofty(高邁)ではなく「workmanlike」(大統領らしさを前面に打ち出した)な演説になると事前にアメリカの新聞に出ていたので注目していたのですが、気になった点は以下のようなところでしょうか。まず具体的で面白いと思った部分。

その@=I will cut taxes - cut taxes - for 95% of all working families. Because in an economy like this, the last thing we should do is raise taxes on the middle-class.
And for the sake of our economy, our security, and the future of our planet, I will set a clear goal as President: in ten years, we will finally end our dependence on oil from the Middle East.

そのA=As President, I will tap our natural gas reserves, invest in clean coal technology, and find ways to safely harness nuclear power. I'll help our auto companies re-tool, so that the fuel-efficient cars of the future are built right here in America. I'll make it easier for the American people to afford these new cars. And I'll invest 150 billion dollars over the next decade in affordable, renewable sources of energy - wind power and solar power and the next generation of biofuels; an investment that will lead to new industries and five million new jobs that pay well and can't ever be outsourced.

そのB=Now is the time to finally meet our moral obligation to provide every child a world-class education, because it will take nothing less to compete in the global economy. Michelle and I are only here tonight because we were given a chance at an education. And I will not settle for an America where some kids don't have that chance. I'll invest in early childhood education. I'll recruit an army of new teachers, and pay them higher salaries and give them more support. And in exchange, I'll ask for higher standards and more accountability. And we will keep our promise to every young American - if you commit to serving your community or your country, we will make sure you can afford a college education.
Now is the time to finally keep the promise of affordable, accessible health care for every single American. If you have health care, my plan will lower your premiums. If you don't, you'll be able to get the same kind of coverage that members of Congress give themselves. And as someone who watched my mother argue with insurance companies while she lay in bed dying of cancer, I will make certain those companies stop discriminating against those who are sick and need care the most.

 高額所得者ではなく働く人々の95%に相当する人々への減税、今後10年間での中東原油への依存度終焉、天然ガス開発・クリーンな石炭利用技術・自動車メーカーに対する支援・今後10年間で1500億ドルを投じる再生可能エネルギー開発(風力、太陽光発電、バイオ燃料)、新規産業育成と500万人の職の創出、教育に優しい国家の建設、それに健康保険制度の改善などが経済政策の柱になる、と話している。

 次に今までの大統領候補とは違って、今までさんざんけなしてきたマケインに挑戦状をたたきつけた部分。立場は違っても、民主主義では議論をするのが当然といって「アメリカという国を第一にして」議論しようと呼び掛けている。既に支持率で逆転されているオバマはむしろ挑戦者。その意識が良く出ている部分だ。

So I've got news for you, John McCain. We all put our country first.

America, our work will not be easy. The challenges we face require tough choices, and Democrats as well as Republicans will need to cast off the worn-out ideas and politics of the past. For part of what has been lost these past eight years can't just be measured by lost wages or bigger trade deficits. What has also been lost is our sense of common purpose - our sense of higher purpose. And that's what we have to restore.

We may not agree on abortion, but surely we can agree on reducing the number of unwanted pregnancies in this country. The reality of gun ownership may be different for hunters in rural Ohio than for those plagued by gang-violence in Cleveland, but don't tell me we can't uphold the Second Amendment while keeping AK-47s out of the hands of criminals. I know there are differences on same-sex marriage, but surely we can agree that our gay and lesbian brothers and sisters deserve to visit the person they love in the hospital and to live lives free of discrimination. Passions fly on immigration, but I don't know anyone who benefits when a mother is separated from her infant child or an employer undercuts American wages by hiring illegal workers. This too is part of America's promise - the promise of a democracy where we can find the strength and grace to bridge divides and unite in common effort.

 演説のうまいオバマがどういう感動的な文言を入れるかも興味の対象だった。ずっと彼の演説を聴いていて、「あ、ここは(彼自身が)入っている」という部分は後半にいくつかあったのですが、私がうまい表現だと思ったのは
And you know what - it's worked before. Because it feeds into the cynicism we all have about government. When Washington doesn't work, all its promises seem empty. If your hopes have been dashed again and again, then it's best to stop hoping, and settle for what you already know.

I get it. I realize that I am not the likeliest candidate for this office. I don't fit the typical pedigree, and I haven't spent my career in the halls of Washington.

But I stand before you tonight because all across America something is stirring. What the nay-sayers don't understand is that this election has never been about me. It's been about you.

 演説直後にインタビューを受けた人たちは、彼の演説が「emotional」だと例外なく言っていた。最後を非難ではなく、「American Spirits」にまとめ上げた部分が人々を感動させたのでしょう。我々日本人からすると、「またこれかよ」と思うが、「私たちは別」と考えている、または考えたいアメリカ人には受ける。

 ポイントは、clinton die-hards の人々がどのくらい気持ちを変えたのか、オバマが「変える」と言ったことを聞いた人がどのくらいそれを「実現可能」と信じたのか、29日にも副大統領候補を発表する共和党にどのくらい素早く関心が移るか、などでしょうか。


2008年08月28日(木曜日)

 (16:55)それにしても、今朝の日経新聞の一面トップの記事(「ドル防衛 秘密合意」「日米欧、3月の金融危機時」)を読み直してみて、「不思議な記事だ」と改めて。「秘密合意していたことが明らかになった」と。誰がそう言ったのか、どうしてそれが分かったのか、全く触れていない。にもかかわらず、いやに詳しい。

 普通新聞記事というのは、「誰が発表したか」を明確に書くか、そうでなければ「筋」と少しごまかして「ああ、あの辺か」と読む側が予想できる書き方をする。しかし今朝の日経一面トップは一体国内で誰が喋ったのか、海外で誰が喋ったのか皆目分からない。「明らかになった」というのは、その記事を直接的に信用するには一番弱い書き方です。

 あえて察するに、日経の記者が一人、またはチームでこの問題を追っていて、日本の通貨当局者(財務、日銀やそのOB)に多少当たりをつけ、加えて海外の、特にアメリカに取材網を広げて「ほぼ間違いない」ということで書いたのでしょう。もしかしたら、この一連のドル防衛プロジェクトに関わってきた当局者からの、「当局は真剣ですよ」というリークかもしれない。

 しかし世の中は皮肉なもので、「真剣さ」は伝わるが、その一方で「ああ、当局はそれほどドル安を心配していたのか」という形で、改めてドルへの信頼が崩れる心理的効果も起きる。これが強くなれば、意図とは別にドル安に移行する。この記事が出て以降のドルの動きは弱い。午後3時22分現在109円を割っている。

 もっとも、この記事には違和感は私としてはない。今年の春の段階では「アメリカが介入に乗り出すことはない」という人が多かったし、今でもそうだ。しかし私はずっと、「(ドル安進行の場合は)介入もあり得る」という意見だった。アメリカはそれが自国のためになるなら、哲学など簡単に変える国だと考えて、「アメリカの介入の可能性」を春から指摘してきた。

 アメリカ政府当局者のスタンスや発言も大きく変わってきた。ドルが暴落する危険性の中で、管轄外の事であるドルについてバーナンキがドル価値の維持の必要性を時間を割いて述べたのは特徴的だった。非常に印象的だったので、良く覚えている。6月の初めだ。このバルセロナでの講演です。その時彼は、

In collaboration with our colleagues at the Treasury, we continue to carefully monitor developments in foreign exchange markets. The challenges that our economy has faced over the past year or so have generated some downward pressures on the foreign exchange value of the dollar, which have contributed to the unwelcome rise in import prices and consumer price inflation. We are attentive to the implications of changes in the value of the dollar for inflation and inflation expectations and will continue to formulate policy to guard against risks to both parts of our dual mandate, including the risk of an erosion in longer-term inflation expectations. Over time, the Federal Reserve's commitment to both price stability and maximum sustainable employment and the underlying strengths of the U.S. economy--including flexible markets and robust innovation and productivity--will be key factors ensuring that the dollar remains a strong and stable currency.
 と述べた。これはアメリカの金融当局を見ている私のような人間には異常に見えた。何か通常でないことをアメリカがしている証拠だった。日経によれば、「3月に秘密合意」とある。そしてバーナンキの発言が6月初め。詳細を詰めてもいたのでしょう。

 アメリカが基軸通貨の地位を失うことは非常に大きな損失です。アメリカ経済そのものが立ちゆかなくなる。外貨準備でのドル地位(シェア)は低下の一途で、今は63%だと言われる。金融システムががたがたで、人々が突然ドルに対する信用をなくす危険性は、今年の春には確かに強かったし、そのリスクは今でも漂っている。基軸通貨の地位を失うような場合には、「介入は最小限に」などというアメリカの、そしてブッシュの経済哲学など簡単にすっ飛ぶ、というかすっ飛ばすというのが私の考え方です。

 今年の春以降のドル反発は、明らかにアメリカ政府のこうした意向を受けたものです。1973年の変動相場制開始以降の為替市場の動きは、基本的にはアメリカ政府の意図です。この新聞記事には、アメリカがドル防衛をするのは珍しいと書いてあるが、カーターは私がニューヨークにいた1970年代の後半に大きなドル防衛策を打った。その後の主なドル高オペレーションはルーブル合意(1987年)です。もう今の記者は知らないかもしれない。

 もっとも、当局がそう意図していても世の中がその通りに動くかどうかは分からない。世界経済に占めるアメリカの地位も刻々と変わっている。今のアメリカは権力の移行期にあり、経済もガタガタだ。依然通貨市場を巡る情勢も不安定だ、と考えるべきだろう。


2008年08月28日(木曜日)

 (13:55)ははは、今回の民主党大会で非常に特徴的なのは、CNNなどが見たい絵を出してくれるのをじっと待つよりも、ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポスト、それにウォール・ストリート・ジャーナルなどの新聞のビデオファイルを起動して見た方がよほど早いと言うことです。大きな、それに予定された出来事については今後はVTRやDVDで録画しておく必要がない。サイトにいくらでも絵は残っている。4年前との大きな変化です。絵が綺麗で速い。

 この変化は歓迎できるとして、私が見たかったのはヒラリー・クリントンの「acclamation」の瞬間です。つまり、各州の票を読み上げる作業(roll call)の中断を求めて、満場一致の発声で候補者を選ぶ「アクラメーション」。辞書には「acclamation」について、

  1. 《形式》歓呼して迎える[かっさいする]こと;ウ《通例〜s》(歓迎・好意・賞賛などを表す)歓呼の声,拍手かっさい,大かっさい
  2. 《形式》(声や拍手によって満場一致の賛意を表す)発声投票;熱狂的同意;《カナダ》満場一致の選出
 とある。クリントンはニューヨーク州の代表と共に登場してまずニューヨーク州の票をオバマに投じた後に、
With eyes firmly fixed on the future in the spirit of unity, with the goal of victory, with faith in our party and country, let’s declare together in one voice, right here and right now, that Barack Obama is our candidate and he will be our president.

 I move that Senator Barack Obama of Illinois be selected by this convention by acclamation as the Democratic nominee for president of the United States.

 と述べた。日本時間の午前8時前だった。ではヒラリーが会議場に入ってくる前の民主党大会での「roll call」の模様はどうだったのか。ニューヨーク・タイムズには以下のような記述がある。
The roll call proceeded according alphabetically from Alabama, with Mr. Obama racking up a large but not decisive margin. California, with 441 delegate votes, and Illinois, with 185, passed when their turns came to cast their votes. When New Mexico’s turn came, Mr. Obama had a lead of more than 1,000 delegates but was still more than 500 votes short of the 2,210 needed to secure the nomination.

New Mexico ceded its position in the roll call to New York, whose delegation, led by Mrs. Clinton, entered the hall well after the count began.

 つまり、ヒラリーにかなりの票が投じられていたと言うことです。ヒラリーが自らの支持者に「自由投票」を促して、オバマに票を入れるように要請したのに「Clinton die-hards」が相当残っていたと。ヒラリーは存在感を示しながら roll call を中断して民主党大会を「オバマ一本」にまとめた。

 この文章を書きながらCNNを見ていたら、夫のビル・クリントンがなかなかうまい演説をした。バイデンに対する言葉を忘れなかったのはさすがです。まあでもオバマが明日何を言うかですね。ビル・クリントンは国内政策にしろ外交にしろ今はオバマが最適だと言っていたが、それを本気で聞いた人はいなかったでしょう。演説のうまさではなく、オバマは具体的な政策で国民を納得させ、期待させねばならない。

 とまれ、オバマは上院議員になってたった4年で民主党の大統領候補になった。以前のアメリカの政界では考えられないし、今の日本の政界でも考えられたない。オバマは過去に例のない「スピード出世の政治家」です。日本の政党の中でまず地位を築かないと。米大統領選挙はまだまだ長丁場です。


2008年08月27日(水曜日)

 (22:55)日中に新幹線の中で「私にはヒラリーが次を睨んでいる演説のように聞こえた」と書きましたが、「今回オバマが失敗したら」という前提の下では、どうやらそれはクリントン支持者やアドバイザーの間では共通の認識になっているようです。ニューヨーク・タイムズの記事の中に以下のような文章を見つけました。

Mrs. Clinton is almost certain to run for president in 2012 if Mr. Obama fails this time, several Clinton advisers said Tuesday, and any such plan could possibly founder if the Clintons’ negative feelings show through this year.
 クリントンは2012年の狙う為にも、今回は全力で民主党のオバマでの一本化に尽力しなければならない。なぜなら、「クリントンが力を貸さなかったとかクリントンが力を抜いた故に2008年にはオバマが負けた」となれば、2012年にオバマ支持者から支持を得られなくなるからだ。

 ヒラリー・クリントンの演説をワシントン・ポストなどの新聞サイトにアップされているビデオで確認すると、聴衆は相当興奮している。ヒラリー支持者からは、「彼女がこれまでに行った演説の中で一番良い」という批評も聞く。

 ただし同じ記事の中には、「それでも私はオバマには投票しない」(この手のクリントン支持者をアメリカでは Clinton die-hards というらしい)という声が多く掲載されている。選挙までにどう変わるか分からないが、演説は素晴らしかったが、クリントン支持の四分の一と言われる「ハードなクリントン支持でオバマには投票しないと公言している人々」の気持ちを大きく変えることは出来なかったようだ。

 オバマ候補はこうした人々の気持ちをも変えさせる具体的なプランを最終日の受託演説ではしなければならないだろう。主なフィールドは経済になるはずだ。


2008年08月27日(水曜日)

 (13:55)民主党大会2日目の最大の焦点は、オバマと激しく、時には非情に候補の座を争ったヒラリー・クリントンの応援演説でした。何を言うのか。クリントン支持者の間には、彼女が副大統領候補になることへの期待もあった。その道をオバマが選ばなかった以上、党をどうまとめるのか。

 彼女の演説の事前テキストを見て重要なポイントだと思えたのは以下の部分です。はっきりと、「オバマは私の候補者。彼はわれわれの大統領にならなければならない」と述べている。

My friends, it is time to take back the country we love.

Whether you voted for me, or voted for Barack, the time is now to unite as a single party with a single purpose. We are on the same team, and none of us can sit on the sidelines.

This is a fight for the future. And it’s a fight we must win.

I haven’t spent the past 35 years in the trenches advocating for children, campaigning for universal health care, helping parents balance work and family, and fighting for women’s rights at home and around the world … to see another Republican in the White House squander the promise of our country and the hopes of our people.

And you haven’t worked so hard over the last 18 months, or endured the last eight years, to suffer through more failed leadership.

No way. No how. No McCain.

Barack Obama is my candidate. And he must be our President.

 しかしそれを彼女の支持者達がどのくら共有するかは分からない。私にはヒラリーが次を睨んでいる演説のように聞こえた。

 彼女の演説の前ではあるが、民主党大会が始まった後に実施されたギャラップ調査では、共和党候補になるマケイン上院議員の支持率が46%で、44%だった民主党のオバマ上院議員を2ポイントリードしたことが明らかになっている。

 ギャラップが発表するこの調査でマケイン氏がリードするのは、6月上旬にオバマ氏が民主党指名争いを制して以来初めてだそうで、「オバマ氏が副大統領候補にバイデン上院議員を選んだことに失望したヒラリー・クリントン上院議員の支持者の一部がマケイン氏支持に流れた」(ギャラップ)とみられる。

 本来なら支持率が上昇するはずの党大会開催期間中にマケインにこれまでとは全く逆にリードを許したことは、今後にとっての大きな不安材料だ。クリントンの副大統領候補バイデンに対する言葉は少ない。

Americans are also fortunate that Joe Biden will be at Barack Obama’s side. He is a strong leader and a good man. He understands both the economic stresses here at home and the strategic challenges abroad. He is pragmatic, tough, and wise. And, of course, Joe will be supported by his wonderful wife, Jill.

They will be a great team for our country.

 とわずか2パラグラフだけである。私が見る限り、オバマ夫人のミッシェルの演説は良い出来だったが、「あの人達がホワイトハウスに入るのは当然」という気持ちに選挙民をさせたとは思えない。ビデオで見ていて聴衆が一番熱心に拍手を送り、スタンディング・オベーションをしたのはエドワード・ケネディ上院議員の演説の間だった。短かったのに聴衆は熱狂的だった。

 後はオバマ本人の演説がどうなるのか、その前のクリントン元大統領の演説がどうなるのか。しかしクリントン夫の演説内容はあまり選挙戦の先行きには影響しない気がする。もう昔の大統領ですから。ということは、オバマ本人の演説が劣勢を挽回するためには非常に重要だと言うことになる。


2008年08月26日(火曜日)

 (23:55)ロシアは「新冷戦を恐れない」(メドべージェフ大統領)として南オセチア自治州とアブハジア自治共和国の独立を承認する大統領令に署名したと発表し、北朝鮮は6者協議の合意を受けて寧辺の核施設で進めていた無能力化作業を中断すると表明。

 一方タイでは、タクシン元首相の意向をくんだ政権運営を進めていると見られているサマック政権の退陣を求める民主主義市民連合(PAD)のメンバーが、国営放送局に続いて首相府など政府施設を相次いで占拠したのに対して、サマック首相が辞任を拒否して「PADは流血を望み、クーデターを招こうとしている」と厳しく批判。首都バンコクは緊張が続いているという。

 ちょっと世界はきな臭い。個々の事態は密接には関連していない。それぞれが抱える問題がそれぞれの形で表面化してきただけだ。北朝鮮の「中断発表」は今までの北朝鮮の出方を考えれば、予想の範囲を出てもいない。

 しかしロシアのメドべージェフ・プーチン政権の出方は西側には予想外だっただろうし、タイで起きている事態の着地点は全く見えない。ロシアでは株価が急落したそうだが、それは今まで石油の富を背景にロシアの繁栄持続を見ていた資本、特に海外資本が急速に同国の先行きに不安定感を感じている証拠である。

 今の世界を考えると、明らかに経済はねじれている。アメリカでの住宅価格の低下は続いているし、北欧の国デンマークの中央銀行が中堅の銀行・ロスキルドを国有化したことで示される通り、金融不安は一人アメリカだけではなく世界に広がっている。ロスキルドはサブプライム問題の影響や国内の住宅ローンのこげつきで経営が悪化していたという。

 日本では中堅どころの不動産関連企業への懸念が高い。アーバン・コーポレーションや創建ホームズの経営行き詰まりが良い例だし、政府の経済の現状認識の変更は遅きに失した感があるほど景気閉息感が強い。株式市場の出来高の少なさを見れば、先行きに対する投資家の不安感の強さは直ぐに分かる。

 政治でも経済でも、世界は求心力よりも遠心力の増大の中に置かれているように見える。アメリカの一極支配と言われた時代は明らかに過ぎ、経済でも政治でも世界にはいくつものセンターが出来つつある。ロシアの動きはまさにそうした時代の特徴である。ロシアが強気なのは、そのエネルギーと市場の持つ力をヨーロッパ、特にドイツなどが無視できないという見方による。

 そのアメリカでは今が「権力の移行」の真っ最中だ。民主党大会が開幕し、同党がオバマ候補を選出するのは既定路線。しかし共和党のマケインに一部世論調査で支持率を逆転されるなど一時の勢いはない。私は以前から「マケインが選ばれる」と見ているが、一般的には次のアメリカ大統領は誰になるかはまだ分からない。

 初日に注目されたミッシェル夫人のスピーチを党大会のHPで探して読んでみたが、初日のテーマである「one nation」を明確に全米の国民に意識することに成功したようには見えなかった。立派な演説だったが、問題は全米の国民が彼女の演説をどう聴いたかで、それは私には分からない。

 今回の民主党大会は4日間続くが、各日にその日のテーマが設定されている。以下の通りである。

 Monday, August 25=「One Nation」
 Tuesday, August 26=「Renewing America's Promise」
 Wednesday, August 27=「Securing America's Future」
 Thursday, August 28=「Change You Can Believe In」

 という順序建てだ。大会全体を通したテーマではなく、毎日一つのテーマを設定して党大会で多様な国民のニーズを拾っていこうという趣向だ。しかし、毎日が違うテーマのこの党大会は、エドワード・ケネディが意外な短い演説をしようが、クリントン夫妻がオバマの下での結束を訴えようが、やや遠心的なものに終わる危険性がある。その結果は、民主党大会が終わっても、そして共和党大会が終わっても、当面は米大統領選挙の行方はかなり読みにくいものになる筈だ。

 そうした中では、北朝鮮のように「今はアメリカと真剣の取り組む時期ではない」と判断する国も出てくる。アメリカの外交政策も停滞を余儀なくされる可能性が高い。ロシアの行動には、アメリカの権力移行期入りに関係なく一つの台頭しつつある国としての意志が込められているように見える。しかしその外交上の着地点は見えない。あの二人の頭の中には先行きに対するアイデアがあるだろうが。

 筆者の予想によれば、世界的に経済がねじれている現状の中では、世界各国の政情は一段と不安定化する可能性がある。「現政権の無策」が浮き彫りになるからだ。それに例外でないのは日本である。一年以内に総選挙は必ず実施される。世界各国でも現政権への不満が強まる中では、タイで起きているような事態発生が十分に予想されるだろう。

 ということは、今後一年くらいの世界は、政治的にも経済的にも極めて不安定要素が強い展開になるということだ。

 しばらく世界は、「先行き不安」との共存を余儀なくされる可能性が高い。政治的にも経済的にも。


2008年08月25日(月曜日)

 (11:05)講談社の間渕さんから連絡があって、「日本力」が2000部の増刷になったという。嬉しいニュースです。

 最初12000部刷ったのかな。今年の1月に文庫本が最初に出て、その月の文庫としては最も印刷数が多かったそうですが、それでも増刷が掛かったのは嬉しい限りです。まあ爆発的に売れているとは言えない。しかしこの本が売れない時代に着実に売れ、増刷にまで行ったのは地道に読まれている、ということでしょう。

 ありがたいことです。


2008年08月23日(土曜日)

 (23:05)ははは、これで李明博政権の支持率が上がるかも知れないですな。実際のところ、オリンピック開始後の韓国選手団のメダルラッシュで、新しい大統領の直接的な功績でないにもかかわらず、最近の彼の支持率は一時のどん底から上がっている。野球の優勝でもう一段上に ? まあ一時的なんでしょうが。

 試合終了直前でキャッチャーが判定を巡って退場になるという大ハプニングがあったにもかかわらず、韓国野球チームの当面オリンピックでの最後の野球競技での金メダル。ちらちら見ていて、「個体が強い」と感じました。ゴルフでもそうですが、何かこう華奢な日本選手と比べると、「それぞれの個体が強い」印象を韓国選手については持つ。チーム編成方針の違いかも知れないが。

 日本にも「個体が強い」選手はいる。例えば北島選手など。吉田選手などもそうかもしれない。しかし例えば日本の星野ジャパンのメンバーを見ていると、細い、華奢、神経質という印象がする。あくまで私の印象ですが。男子サッカーでもそういう印象がする。

 星野ジャパンは3位決定戦でも敗戦。4勝3敗で決勝戦に入ったので、決勝戦で2敗した日本は4勝5敗で負け越した。まあ4位じゃその成績でしょう。あの選手の選別で良かったのか、投手起用は間違っていなかったのか、エラーを出した選手を使い続けたのは良かったのか。

 いろいろな反省が出来るオリンピックの野球競技だったと思う。野球は次のロンドンから正式種目ではなくなる。しかしWBCでの国際大会は続く。国内市場がそこそこ大きいことに慢心せずに、またMLBに有力選手を排出するだけではなくて、日本の野球の魅力を保って欲しいものだ。

ヴェリタス・トークでの収録風景。我々の前には1000人以上の方が熱心に聞いておられた。放送は月曜日の夜日経CNBCで  「なぜ故障した選手ばかり選んだのか」とか「主要な選手の気持ちが星野監督から離れていた」とか色々言われている。私はこのコーナーで何回も書いている通り、星野監督の「こだわり」が敗北の一因だったと思っている。いろいろ意見があるでしょうが。

 東京ビッグサイトでの日経CNBCの月曜日夜の番組「日経ヴェリタストーク」の公開収録は、実にたくさんの方々にご来場いただきました。私が数えたわけではないが、1000人以上の方がいらっしていたらしい。

 実は私は「今年は市場環境が悪いし、来場は少ないんじゃないの」と関係の方々に言っていたのですが、「去年より多い」と担当者の方。誰でも知っている日本企業から、あまり聞いたことのない会社までIRに来ていて、私も何社か回って話を聞きました。有名会社のIR担当者は、「株主のベースを拡げたい」と言い、小さな会社の方々は「我が社をもっと知ってもらいたい」と言っていた。

 公開収録というのは私にとってあまり経験がなかった。普段はスタジオですから。通常通りの進行だったのですが、時間出しの人がどこにいるのかわからなかったり、天井が抜けているような感じなので、隣の町田さんの声が聞こえにくかったり。

 まあ面白かった。会場を歩いていていたら突然知らない人から「どうなりますか」と聞かれたりして。びっくりした......


2008年08月22日(金曜日)

 (15:05)オリンピック準決勝の日韓戦。同点(2−2)で8回の裏を迎えた時です。岩瀬が告げられたことに本当に驚愕しました。私は直ちにケイタイを取って北京にいる永谷さん(スポーツ評論家)に

 「どうして岩瀬なんですか」

 と聞いてしまいました。だってそうじゃないですか。岩瀬はその前の2回の登板で本当に調子が悪かった。登板するたびに点を取られていた。

 解説をしていた与田さんは解説者らしく、アメリカとのタイブレークは日本としても初めてだったので岩瀬のせいにするのはちょっと違うのではと星野さんが考えたのではないかなど、弁護に近いことを言っていた。

 しかしあの同点の時点で出す選手としての岩瀬には私は納得がいかなかったし、大部分の人はそうではなかったかと。だから北京に電話したのです。永谷さんの答えは、「分からない」だった。永谷さんの頭も ??? だったのでは。

 電話を切って暫くしてからです。8回一死一塁から巨人の元四番のイスンヨブが岩瀬から打った打球がライトスタンドに消えた瞬間に、「やはり。あり得ない」と思ってテレビを消してしまいました。その後また2点取られて結局日本は2−6で負けたそうな。

 17日に私はこのコーナーに

 「星野監督というのは”思い”が強い人だな」
 「その思いの強さが、日本チームの命運を決めるかも知れない」

 と書いたのですが、その通りになってしまった気がする。岩瀬に対して星野さんは、「おまえはこんなもんじゃないだろう」という気持ちが最後まであったのではないか。その「強い思い」が伝わってくるだけに、星野さんは人気がある。しかしそれが故に、つまり「思い」が強いが故に、星野さんは判断を誤ることが多いと思っているのです。

 これはあくまで私の判断です。それでも星野さんを好きだという人はいるでしょうし、それはそれで良いと思う。しかし私は勝負にこだわり、星野さんが言っているように金にこだわるなら、あそこは田中でもダルビッシュでも他のピッチャーを出して欲しかった。岩瀬ではなく。

 ぜひ星野さんには解説をお願いしたいと。そう言えば星野さんが指揮した日本シリーズでも同じようなことがあった。


2008年08月22日(金曜日)

 (12:45)公開収録のお知らせです。実施日は明日、8月23日(土曜日)で場所は東京ビッグサイト

 「日経IRフェア」の一環で、《講演会 9》として行われます。サイトにもアップされていますが、いつも日経CNBCの月曜日夜の番組「日経ヴェリタストーク」のために行われているスタジオでの収録を、公開で行います。

 いつもはスタジオで行われている収録を公開で行うと言うことで、具体的にはどう行われるか私は知りませんが、まあスタジオが、そこでの人の動きがビッグサイトの会場で再現される。普段スタジオを見ることが出来ない方々には面白いかも知れない。

 司会進行は町田裕美さん、日経ヴェリタスの野村裕知編集長と私が出演者ということになります。時間のある方は、是非ご来場下さい。


2008年08月22日(金曜日)

 (10:45)スポーツのイベントが終わると、テレビはしばしば勝者しか映さない。昨日のソフトボールの決勝戦の後もほぼそうでした。アメリカのベンチはちらっと映っただけ。その分だけ日本の選手の表情を見ることが出来たので、我々は楽しかった。しかし勝者がいれば必ず敗者もいる。アメリカ・チームはどうだったのか。

 今朝のアメリカの新聞には様子が書かれている。やはり今までの3回のオリンピックのソフトボールで勝ち続けたチームの決勝戦での敗戦は、メンバーにとってもアメリカという国にとっても大きなショックだったようです。テレビのアナウンサーの口からは「stunning setback」(驚くべき敗北)という単語がしばしば出ていた。  

They walked around in a daze unsure of what to do next.

Andrea Duran leaned on a fence and cried.Lovieanne Jung sat alone on the charter bus.Laura Berg signed a few autographs for Olympic volunteers.Stacey Nuveman and Monica Abbott hugged each other tightly, almost afraid to let go.

The U.S. softball team never thought it would lose.Not here, not now, not in these Olympics.

”This isn't how it was supposed to end," pitcher Cat Osterman said.

 この短いAPの文章が、アメリカ・チームの試合後の悲しみに満ちた、混乱した雰囲気を良く伝えている。しかしその一方で、アメリカが勝ち続けたが故に、ロンドンの正式種目からソフトボールが除外されたという現実を見るならば、アメリカ選手の涙にもかかわらず、アメリカを日本が打ち破ったと言うことは良いことだったのです。この決勝戦には大勢のIOC関係者も来ていたという。

 以下に紹介する別の記事も、戦い終えた後のアメリカ・チームを追って、次のように述べている。自責点ゼロの投手陣を抱え、打率5割の四番打者が居たアメリカがなぜ負けたのか。「made two uncharacteristic errors」と言われれば、その通りでした。「らしくないエラー」。日本にリードされたあとのアメリカ・チームは浮き足立っていた。なにせそれまで一度も相手チームにリードを許したことがないのだから。

 日本選手に真っ先に歩み寄ったアメリカ選手がブストスだとは知りませんでした。彼女はアメリカ・チームの中でもちょっと異色に見えた。多分メキシコ系かプエルトリコ系。彼女だけが表彰式でサングラスをしていた。夜なのに。  

Another gold was certainly within reach. Instead, they walked off Fengtai Field with their heads bowed.

The U.S. team never led and made two uncharacteristic errors in the seventh inning to help the Japanese add an important insurance run -- one they didn't even need.

When Caitlin Lowe grounded to third for the final out, Vicky Galindo, who led off the U.S. team's seventh inning with a pinch-hit single, wrapped her hands over her helmet and cringed.

Moments later, U.S. coach Mike Candrea huddled his stunned players, many of whom couldn't even look up. Lowe choked back tears as slugger Crystl Bustos tried to console her overwhelmed teammates.

Ms. Bustos, who homered in the fourth for the Americans' only run, was first in line to congratulate the Japanese players. As she shook hands with the U.S. team, Japan catcher Yukiyo Mine was overcome by tears.

This wasn't how it was supposed to end for the Americans, who had lost just four of 36 in Olympic play.

Not this team. Not this time. Not this tournament.

The U.S. has dominated the sport since its Olympic debut in 1996, winning all three golds, rewriting the record books and setting a new standard for a sport considered too All-American by some.

 上野選手が2日間で投げた413球といい、「結局最後は気持ちが強いチームが勝つ」という上野選手の言葉と言い、日本チーム一丸の戦いと言い、心に残る試合でした。というか、心に残るオリンピックでの日本の女子ソフトボール・チームの戦いでした。


2008年08月21日(木曜日)

 (21:45)どえらいことですな。あのピッチャーが揃ったアメリカ、ブストス(6HR)のいるアメリカを破って日本の女子ソフトボール・チームが金メダル。何たって上野が昨日の2試合と今日の1試合を投げきって3試合完投。この二日間で彼女は500球近く投げたのでは。

 昨日まではアメリカのオスターマン、アボットとも打てそうではなかった。しかしその二人から今日はヒットあり、HRありで、足も絡めて3点。最後までハラハラしましたが、締めはサードゴロに。ちょっと送球が低くてハラハラしましたが、それでもアウトで勝利。ハハハ、ドキドキしたが楽しかった。女子サッカーがドイツに負けているだけにソフトには頑張って欲しかった。

 解説者が宇津木さんだったので、最後は絶叫していましたね。勝ったのは最後は「執念」ですな。昨日のオーストラリア戦もそう思いましたが、あそこまで行ったらもう「気持ち」しかない。

 別にプレッシャーを掛けるつもりはないが、これで星野ジャパンもうかうかしていられない。韓国戦は明日ですか。やはり応援しないと。しかし女子サッカーも見ていましたが、よく走りましたよ。あの狭いところを二つ通された。よく頑張ったんじゃないですか。

 日本のメンバーは皆笑顔。表彰台です。銀に終わったアメリカの選手の涙が印象的だった。あーあ、良かった。


2008年08月20日(水曜日)

 (11:55)もう皆さんお忘れでしょうか。オリン ピックで忙しいのは分かりますが、実は19日に2ヶ月ほど故障していたヤン キースの松井が試合復帰したのです。アウェイの トロントで。7番指名打者にて。ファンとしては嬉しい。

 でも寂しい復帰戦になりました。ヤンキースは隅1で1−0でリードしていた のですが、7回にトロントに1点、8回に一点取られて逆転され1−2に、9回 の表にはヤンキースは三者凡退。松井に打順が回らないまま The End。

 19日の試合では松井には3打席が回ってきたのですが、レストフライ、セカ ンドフライと凡退し、最後の打席は見逃し三振。あかん。かつての松井の復帰 は、4−4とかいう大爆発もあったのですが、今回は寂しい再スタート。打率も 復帰前は0.320を超えていたのに、今日の終わりは0.319。

 チームもまずい。うーん、今年はヤンキースはポスト・シーズンは無理かもし れないな。何せアメリカン・リーグの東地区には上に二つもいる。レイズとレッ ドソックス。ゲーム差も大きい。タンパベイとは18日現在で10ゲーム差、ボ ストンと5.5ゲーム差。この差はきつい。ボストン(0.576)で何とかワ イルドが可能というレベル。ヤンキースは19日も負けたので、状況は改善せ ず。

 ヤンキースがらみでは寂しい速報も。大阪府警が元阪神、元ヤンキースの伊良 部秀輝元投手を暴行容疑で逮捕と。伊良部は随分昔の人に聞こえるが、年齢を見 たらまだ39。若いんですよ。スポーツ選手のポスト・ピークは難しい。

 まあでも期待しています。残りの期間の活躍を。しかし医者も勧めた手術をし なかったのは良かったのか悪かったのか。来週応援する会があるので、その辺を 議論しようと。
                   


2008年08月20日(水曜日)

 (08:55)有楽町近辺を歩いていて、「あ、そうだ」と思い出してビッグカメラへ。10万円を切るPCが非常に多くなっているという先週ラジオ番組で取り上げた話題を思い出したので、実際にどうなっているのだろうか、と。

 ありました。一列ずらったと並んでいる。台湾のメーカーの製品が多い。しかし私の手や指にはちょっと小さすぎるものが多い。指がきっちり入らないのです。私が一つの目安にしている「DVDドライブが付いているかどうか」という点でも見たのですが、大部分の製品が付いていない。DVDやCDを再生することが多い仕事柄、これが付いていないとちょっと。

 探したらドライブが付いているマシンが二つほどあって、それは両方とも工人舎のものでした。この会社のPCは雑誌の特集で取り上げたことがあって、「なかなかいいな」と思ったのですが、ちょっと重い。重いなら今のPCでも十分と言うことで見るだけにしましたが、出張の多い身としては小さいPCに興味はあります。軽ければ良い。

 量販店に行くと必ずUSBメモリーも見るようにしている。だって一番持ち歩いているものですからね。PCを持って歩かない場合でも、時々信頼できるPCではメモリーを差して文章を作ることがある。資料をプリントすることもある。ちょっと心配しながら、短時間ですが。

 見たら、またまた容量が大きくなっている。今回私が見た一番大容量のUSBメモリーは8ギガでした。その中でも指認証が入っているものを探したら、ちょっと高い。4万円弱する。指認証が入っていないと2万円しなかったような。はっきり覚えていないのですが。「こんなに値段が違うんだ」と思ったことだけ覚えている。

右手人差し指で買い物ができるアメリカのスーパー  その世界に詳しい人の話によると、メモリーは何でもそうですが寿命があるらしい。書き込み回数が多いとやはり劣化する。だから今使っているメモリーもいつかの時点で代えないといけない。代えるタイミングは誰も教えてくれない。まあだからメモリーのバックアップは取っておかねばならない、ということです。

 このコーナーの文章もそうですが、私は書いた文章はほとんどネットサーバー(日本とアメリカの両方)に置いてあるので、まあそれをFTPで引き出してくればよいのですが、でもバックアップは必要です。その他ついでだからいろいろなフロアを見て回りましたが、あまり新しい製品ななかったような・・・・

 そうそう、ipod の売り場にも寄って、「どのタイプの具合が悪くなるの」と。だって私もいろいろipod は持っていますからね。電源に入れたままのモノもある。そしたら「(リチウム電池関連で問題が起きているのは)今のところナノだけです」と。良かった。ナノは持っていない。ナノをお持ちの方はご注意を。毎回思うのですが、家電量販店というのは見回る価値がある。今度は新橋のヤマダに行ってみないと。

 「指」で思い出したのですが、今朝の新聞では日経の「指で支払いok」が面白い。私は2006年にアメリカの中西部を取材したときに見ているので(写真)、この「指静脈マネー」に関する記事を読んで、「まだここまでしか来ていないのか」とちょっとがっかり。技術的には簡単に出来る筈です。まあ問題は「その人その人で違う指静脈イメージの管理」なんでしょうね。だって指紋を業者に渡すようなものですからね。ただし指紋と違うのは、指静脈紋は付着することはない。

 USBメモリーやPCは指認証にしているが、これは確か基本は指紋だった。指紋はあちことに着く。バンキングでは私はまだ指認証は使っていない。なんか気乗りがしないんです。指静脈認証だと分かっているのですが。対応している銀行の数は増えている。でも使えるようになったら便利です。体一つ持って行けば登録済みの店では買い物が出来る。銀行口座にお金さえ残っていれば。

 新聞記事で思い出したが、19日の朝日新聞の「経済気象台」にあった「中国に産業資本はあるのか」は非常に面白い視点だった。私はかねてから中国は「商」の国であって、日本人の「愚直にものを作る」という基本姿勢がベースの日本の製造業と中国資本の製造業は別物と思っていたのですが、この気象台子は短い文章で問題に切り込んでいる。

 いつも思うのですが、日本と中国は同じ漢字を使っていて人種的にもそれほど違わない印象がする。しかし、中味は相当違っていて、中国との付き合いではその点をしっかり把握しないといけないと思うのです。同じ「経済」と言っても、日本と中国では相当違うと考える必要がある。そう改めて思いました。


2008年08月19日(火曜日)

 (13:55)ははは、昨日ほどのとっちらかりはなかったのですが、今日もぶつり「スタンバイ」の森本さん代役第2日目の朝刊読み比べ。

 テーマは二つの引退表明でした。伊調姉妹と清原選手の。伊調姉妹を終え、桑田の引退発表(今年3月26日)に対して清原が残した言葉「お前らしい、いいやめ方だ。ぽっかり穴が空いたような気がした」を、そっくり清原選手の引退発表(8月18日、41才の誕生日に)への言葉として最後贈ろうと思ったのですが、清原の言葉を読み終わったところで終わってしまった。

 あーあ残念。あと10秒あったら入ったのに。でも続けられない、その10秒がどうにもならないんだそうです。時報がずれてしまう。そうすると放送事故なんだそうです。まあその他はまずまずかな。あーあ、疲れた。まあでも終わったらリスナーの方からいくつかメールを頂きました。tks。

 ところで、今朝の非オリンピック系の最大のニュースはムシャラフ辞任でしょう。辞任観測はこのコーナーでは先週の金曜日(8月15日)に取り上げました。欧米の新聞は非常にこの報道が速かった。「(辞任は)数日以内に」という報道だった。結果的にその通りになった。

 ムシャラフ辞任については、今朝の日本の新聞も記事として大きく伝え、解説に大きな紙面を割き、そして社説で取り上げていた新聞も多かった。良い悪いは別にして、体制(権力の源泉が何であろうと)がしっかりしているというのは地域にとっては安定要因です。

 そのムシャラフ政権を今まではアメリカは対テロ戦争の中心的国、支援勢力としてカウントしてきた。パキスタンはずっと対アフガニスタン対策、攻撃の基地だったのです。しかしその政権が崩壊した。

 今後生まれてくるパキスタンの新しい政権については、これといったアイデアは私にはないし、専門家の間でも諸説あるらしい。「アメリカもムシャラフを見限った」という見方が強いようですから、アメリカは何か感触を掴んでいるのかも知れない。しかし、親米的、抑圧的な今までの政権に対する国民の飽き、反感から今後の新しい政権が出来るとしたら、それほど親米政権にはならないでしょう。

 インドもそうですが、投票者が多い国の選挙は時として意外な結果が出る。酒井さんも言っていましたが、あまり軍部の意向と違う政権が出来た場合には、また軍が動く可能性がある。ムシャラフももともとは軍の統率者として政権に就いた。

 まあどちらにせよ、パキスタン情勢は不安定になると言うことです。「そこにあって当然」と思われていた体制が転換する。アメリカも政権交代期にある。常なる事ですが、世界は不安定です。


2008年08月18日(月曜日)

 (13:55)よう勝ちましたな。星野ジャパンの対カナダ戦。9回の表にノーアウト3塁になったのに追加点が入らなかったときは、「なにしとんじゃ」と思っていて、その裏に上原が出てきたときには「大丈夫かな......」と。完全復活 ?。私的にはまだ不安あり。

 予選通過は「これで大丈夫」とは思うのですが、今日の永谷さんによれば、「中国は強い」と。まあ仮に中国を一般の予想通り下せるとしたら、アメリカとは力試し。しかし考えてみれば、アメリカチームもカナダと同じくMLBのマイナー選手中心のチーム。そういう意味では勝てると思うのですが、まあそうは言っても野球の母国ですからね。

 ところで、テレビを見ながらちらちらと読んでいて面白かった本を紹介します。「江戸奉公人の心得帖」というのです。この本を読んでいると、199ページの左側に書いてある通り「商売の基本は何時でも変わらない」というのと、にもかかわらず「変わらないこと」「基本ルール」をそのまま出来る、守れる人が少ないのもまた確か、ということ。

 結構面白いですよ。この本は我々も名前は聞いたことがある白木屋(京都が本店で、日本橋店は江戸の中心ながら出店)を舞台に、それこそ「奉公人」がどう生活したか、どういうルールの下で日常を送っていたか、そのルールが嫌でどういう動機で奉公人が店から逃げたか、など白木屋の記録を丹念に追って記述している。中村嘉助というのはかなり大胆な奴です。

 一番驚いたのは、奉公人は店をやめるまで独身だった、ということでしょうか。支配役という奉公人では偉い人になってもまだ結婚しない。店をやめてから初めて結婚するというのです。台所も男がやっていたそうで、ということは江戸時代の大店というのは、テレビドラマで見るよりも完全に「男社会」だっということ。まあそうは言っても、20代の後半から30くらいにかけて、店をやめて所帯を持つ人は結構いたらしい。

 読んでいて思ったのは、商売の形は変わるし、商売のツールも変わるのですが、それをするのは人間であり、「(商売やお付き合いの)心得」は全く変わらないな、ということです。どうやら奉公何年目かで着るものもきっちり決まっていたようですが、「基本はそれよろも控え目に」から始まって、得意先や出入りの業者などどの人とも「ほどほどに付き合え」と教えていて、「癒着」を戒めている。

 また接待や贈り物などで過度にならないように奉公人を戒めている点で、報告、連絡、相談についてもこまめに、頻繁に行うように勧奨している。この本の面白いところは、「ということは、そういうことが出来なかった奉公人が多かったはずだ」と読んでいる点。 出来なかった人の記録も結構残っているようで、それが面白い。

 掛け金を取りに言って逃げた奴、父親が田舎から来てそのまま故郷に帰ろうとした奴、色町に入り浸った奴などなど。読んでいくと「何時の時代も人間は人間臭い」と。人間はあまり何時の時代でも変わっていないんですよ。「新吉原や深川に通う奉公人」という節がありますが、ここなどは「そうだろうな」と思う。

 それにしても、日本の登りと下りはいつ入れ替わったのでしょうか。政治の中心が江戸に移った時代でも、「登り」とは上方(京都、大阪)に行くことであり、「下らないもの」というのは、「江戸にも下らないもの」という意味ですが、ではこの登り下りはいつ変わったのか。明治維新以降でしょうね。

 でもその白木屋も、昭和7年の火事などがあったあと、戦後に東急の傘下に入って名前は消えてしまった。白木屋は私が聞いているところでは、今のコレド日本橋にあった。何代続いたのか知りませんが、本当に多くの人がそこで一時期にせよ、長くにせよ人生を送ったことになる。

 うーん、今を働くビジネスマン全員に読んで欲しいような本です。なかなか面白かった。


2008年08月18日(月曜日)

 (13:35)ははは、やっぱりちょっと。ちょっと何かというと、「とっちらかって」しまいました。朝刊読み比べをしていたら遠藤さんが、「あっ、終わちゃった」と。他にもありましたな。

 森本毅郎さんがスタンバイを夏休みということでお休みで、今日と明日を私が代役をやるのです。いつも、といっても毎週金曜日に森本さんの反対側に座っているのですが、こちとら毎週は午前7時から8時までの1時間、しかも実質30分くらいですかね。スタジオに入っているのは。

 しかし森本さんの代役となると、午前6時半から午前8時半まで。途中ちょっと抜けられるときもあるのですが、基本的にはずっとスタジオの中。しかもコンテンツ(喋る内容)とは別に、ケツカッチン(その時までに終わらなければならないという縛り)など時間との戦いがある。

 まあ慣れの部分はあると思うのですが、何せ初めてだから体についていない。朝刊読み比べも2分ちょいと聞いていたのですが、これが予想より短かった。オチに到着するはるか以前にタイムアップ。

 ははは、明日はちょっとましにやろ。それにしても、こんな微妙なタイミングを取りながらコンテンツを維持して20年近くもラジオで一番の人気番組を保っている森本さんという人は神様ですね。ほんとに。

 まあでも、北島選手に永谷さんと一緒に電話を通してですがインタビューできたのは良かったな。「メドレーリレーの後ハンセンとは何を話したのですが」という質問は、自分ながら良かった。何か言っていたじゃないですか。「200で会えなかったので....」と北島さん。お父さんのメンチカツ店に触れたら永谷さんに、「そんな質問が出来るのはお前だけだ」と。遠藤さんにはハラハラさせました。すんません。

 それにしても、世界経済の展開は速い。つい最近まではドル安・商品相場高と言っていたのに、今はもう「ドル高・資源相場安」が大きな動きとして存在し、「ドル高に基調は変わったのか ?」「石油など資源価格はどこまで下がるのか」という問題意識になっている。

 まあはっきりしているのは、ドルがどこまでも反発を続けるということはないし、資源価格がどこまでも下がると言うこともない、ということです。「天まで上がる相場もなければ、地獄に堕ちる相場もない」。かならず限界があり、相場の流れはまた変わる。

 夏特有な資金の流れ、動きもあると思うな。夏は多くの資金を動かす人が休んでいる。つまり商いは薄くなる。ちょっとした資金の動きで、相場が大きく動く。上がり過ぎた資源相場が世界経済の限界で反落したのは当然ですが、下がってくればまた需要は盛り上がる。

 それにしても、ドル高はアメリカのインフレ懸念を後退はさせるが、内需が弱い中でそうは言っても米景気の今のエンジンになっている輸出に打撃を与える。両刃の剣なんですな。


2008年08月17日(日曜日)

 (09:35)昨日の日本が負けた日韓戦を見ながら、「星野監督というのは”思い”が強い人だな」「その思いの強さが、日本チームの命運を決めるかも知れない」と思いました。

 星野さんの思いは、まずは上原と新井に対する思いです。「抑えは上原」「日本の4番は新井」と決めて、決してそれを変えようとはしない。新井は最初の2戦で結果が出なかった。それを使い続けてこの2試合は結果が出ている。しかしどこか顔に生気がない。

 上原は第三戦の台湾戦で6−1の段階で登板して、三人を切って取った。しかし5点の点差なので、私は復調かどうかはまだわからない、という印象です。本当に接戦の状態、つまり1点差のような段階で登板したらどうかは、最近の彼の日本での成績を考えると不安がある。二人が監督の「思い」をプラスに出来ればいいのですが。

 プロ野球に詳しい人の話を聞くと、「なぜ藤川を抑えにしないのか」というと、「藤川は直球勝負で出会い頭がある」「上原は微妙なところで球の出し入れが出来る」という違いがあるそうだ。しかしこの二人は昨日の試合で使えたはずなのに、星野さんは使わなかった。

 なぜ使わなかったのか。星野さんは自分が燃える投手だったこともあってか、「投手に対する思い」「投手はこうあるべきだ」という観念が強いように思う。ご自分でも試合後に言っていたが、新井のツーランで2点リードした直後に和田が最初の打者を四球にした段階では、17日に試合がないだけにピッチャーを潤沢に使うべきだった。

 にもかかわらず、多分星野さんの気持ちの中では、「投手だったらこのくらいのピンチを乗り切らなきゃ」という思いが潜在的にあったのではないか。「和田、頑張れ」「頑張って当然」と。だから続投させた。HRを打たれても投げさせた。韓国の監督については私は知らないが、あの日の投手の交代手順を見ていて「彼が日本の監督なら和田をあそこで代えただろう」と思った。

 岩瀬に対する姿勢にも「あるべき投手の姿に対する思い」があったのではないか。教え子の岩瀬に対する思いもあった。「なにをしているんだ」と。野手があれだけ酷い守備をしたら、投手も代えたやらないと。

 予選リーグは3敗まで出来るんでしたっけ。しかしもう2敗した。私は乗り切れると思っているが、4戦全勝のキューバや韓国に比べて、日本はまだ戦力がばらついている印象がする。星野さんの「思い」にチームが一丸となっていない。星野、山本、田淵という仲良し同期チームがどうこの苦境を抜け出すか。

 星野さんは、「思い」故に人気がある。その人気故に監督になった。しかし星野さんの過去を見ると、思いが先で勝負感がやや狂ったのではないかと思える局面が日本シリーズでもあったような記憶がある。名監督はしばしば人気はないが冷酷で、その判断力で勝った。

 星野さんの「思い」でチームが一丸になれば日本はまだ進める。今のバラバラ状態では厳しい。17日の休みに星野監督もチームもどう日韓戦の敗北を総括するのか。そこに今後に日本の野球チームの運命がかかっているような気がする。


2008年08月16日(土曜日)

 (18:35)この週末は力が入って仕方がない。金曜日の夜の女子サッカーの日中戦の時から、テレビを観る度に力が入る。日中のサッカー戦は最後は、「キープ、キープ」と叫んでいました。2−0は完全アウェイの中ではナイスな勝利。次はアメリカ戦ですな。

 こういうときはテレビが見れない移動の中にいるのが案外落ち着いていられるのですが、今日もそうで大阪からの移動の中で一冊本を読みました。『心と体の不調は「歯」が原因だった!』。なかなか納得性の高い本でした。

 歯の形状の変化が非常に大きく人間の心と体の不調に関連しているという本。戦後の日本人は咬まなくなった。その結果口が小さくなり、歯並びの形状がおかしくなって、それが体調不良に繋がっているという本。

 この本が指摘するとおり、もともと四つ足で歩いて類人猿が直立歩行の人間になったことで、膝や腰、それに首には非常に大きな圧力が掛かっている。一本筋が通っていなければ非常に大きな負担が身体のあちこちに掛かってくる。歯はそういう中で非常に大きな役割を果たしているし、咬み合わせが悪いと非常に大きく心り体の状態に悪影響を与える、とこの本は指摘する。

 この本の最初に出てくる「歯を治す、歯並びを直す、咬み合わせのずれを直すことによって体調を回復させた人々」の話は、なかなか強烈です。「そんなことがあるのか」という印象もするが、一方で「そうかもしれない」という気もする。私は今は体調も悪くないので医者に行こうとは思いませんが、原因はひょんなところに存在する可能性は確かにある。

 この本は後半は「どうしたら体調を保てるか」という話に入っていって、ここは非常に日常生活を送る上でも参考になる。要するに、背筋を伸ばして行動し、身体のバランスに配慮し、適切に少しずつ運動して体調を保ち、なるべく自然に近い野菜を食べ、カルシュームを潤沢に取ることが重要という話。

 この本の132ページに載っているような運動は、私は実は床屋さんで良くやっている。だって暇じゃないですか。足を静かに上げ続ける運動です。階段健康法もやっているな。エレベーターがあっても、階段があるところでは必ず階段を歩く、なるべく歩くというやつです。

 この本は凄く読んで得した印象がする本です。非常に身近なことが書いてあるので。体調の悪い方はこの本を読めばきっかけをつかめるかも知れない。そうしている中でも、伊調が銀、吉田が金。中村は昼間に銅。伊調のインタビューはカッコ良かった。「これが私にとっての金」とか。

 そうですよ。選手は皆一生懸命やっている。ああいうインタビューが出来るのなら、もうそれは彼女の思い通りの試合が出来たということでしょう。最後はちょっと疲れていましたね。しかし男子の柔道・鈴木選手を見ているときも思ったのですが、「足が止まったらスポーツ選手は終わり」ということです。素人目ですが。

 夜は野球の日韓戦ですか。ははは、こんなんが続くんでしょうね。暫く。


2008年08月15日(金曜日)

 (13:35)10月から始まる新番組の概要が固まりました。水曜日に続き、木曜日もえふぶんの壱の林さん、電通の池田さんなどと打ち合わせをして以下のように。

 番組の名称 世の中進歩堂
 放送局   BSジャパン(BSの7 171)
 放送時間  毎週日曜日の午後8時半から30分

 コンセプトは、「私たちが知らないところで世の中必ず新しい動きがあり、進歩している」「それらは、今後の経済の形を変えるはずで、それを読もう」という点。だから新しいことに次々に取り組みます。

 面白い番組にしますよ。篤姫に負けないようにしないと。歴史ドラマもいいが、新しい世界にも目を向けて欲しいな。先日少し書きましたが、ジョンソン&ジョンソンなどのコマーシャルに数多く出ている城間恵子さんと一緒に番組を組み立てます。ははは、楽しみ。

 BSジャパンとは久しぶりの番組。以前は「ネクスト経済研」という番組を一年半くらいやっていた。これは一時間番組で毎回ゲストを多数呼んでやっていた。今回の番組も多彩な構成にしようと思っています。お楽しみに。

 毎週ですから、週の中で定期的に取られる時間が増えるのですが、恐らく楽しい時間になるでしょう。番組はやっている人間が楽しいと思わなければ。しかし、一人の人間が新しいことを消化するにも限界がある。よって、このサイトでもいろいろと読者の方々に教えて頂きたいと思っています。よろしゅう。


2008年08月15日(金曜日)

 (05:35)パキスタンのイスラマバードから興味深いニュースが。ウォール・ストリート・ジャーナルに。「President Pervez Musharraf is expected to leave office in the next few days」という書き出しで、条件としては「 before Pakistan's Parliament takes up impeachment proceedings against him, following a breakthrough in secret talks designed to ease his departure from office, people familiar with the situation say.」となっている。

 つまり、「議会が弾劾手続きに入る前」に、ムシャラフというこれまでずっとパキスタンの政治の中心にいた人物を大統領府から退出させる.....となっている。ということは、パキスタン情勢は我々が慣れ親しんだ状況から大きく展開する、ということです。もっとも「消息筋の話」「事情に通じた人の話」となっている。

 正直言って、パキスタン情勢を追っているわけではないので、議会がムシャラフ大統領をどういう理由で弾劾しようとしているのかはこれから調べようと思うのですが、多分議会が手続きに入ったら弾劾まで進む状況なんでしょう。故にムシャラフは秘密交渉に入って、「"Musharraf will neither face impeachment nor be prosecuted」(弾劾手続きにも入らないし、起訴もされない)という条件で、大統領職を離れることに合意した、と読める。

 もう少し読み進むと、弾劾の理由については「in part based on his actions late last year when he declared a temporary state of emergency.」とある。そう言えば去年彼は「非常事態宣言」を発していた。それに関する弾劾の動きがあるんでしょう。アメリカの対テロ戦争の中核にいたパキスタンの情勢が大きく展開する可能性がある、ということです。日本の新聞には出ていないので、注目です。

 アメリカでは、物価上昇の波が食料品やガソリンの分野を超えて進みつつある中で、消費者物価の上昇率が17年ぶりの高水準になったと。今年7月分の統計。値段が上がったのは、二つに加えて航空運賃、アパレルなど。同月の対前年同月比上昇率は5.6%だったという。

 もっともこれがFRBの利上げに繋がることはないだろうとの見方だそうだ。それは石油などの原材料価格が既に下落局面に入っていること、加えてドルが強調を続けていることらしい。景気も不安だし、失業率も上昇傾向で、加えて消費者の消費態度も弱い。

 米消費者物価の対前年同月比上昇率5.6%は1991年1月以来の高率。変動の激しい項目を除いたコアの消費者物価上昇率で見ても7月は対前年同月比2.5%。これはFRBの目標である1.5%〜2.0%を上回っている。過去3ヶ月を見ると、アメリカのコア消費者物価上昇率は3.5%。

 もっとも昨日のニューヨーク市場はドルも株も強かった。株はダウで82.97ドル高、Nasdaqで25.05アップ。ドル高は特に対ユーロで凄まじく、ユーロの対ドル相場は1.4810ドル前後。私の記憶では、非常に久しぶりのドル高・ユーロ安水準です。


2008年08月14日(木曜日)

 (15:35)落胆があれば驚きと喜びがある。個々の選手はみんな一生懸命やっている。そういう意味では順位は結果にしか過ぎないのでしょうが、それでもやはりスポーツは結果が大事ですね。

 そういう意味では、何人かで「さあ」と見た柔道男子100キロ級で鈴木選手が一回戦敗退となったのはちょっとショックでした。私だけでなく全員が。モンゴルのナイダン選手が足を狙っているのが分かっていたと思うのに腰を引かないで捕まってしまって、そのままひっくり返された。おしりからですが。

 うーん、残念ですね。あるメンバーが、「はやり日本は女の国だな....」と。ハハハ、柔道の結果はちょっとそういう感じかな。鈴木は敗者復活できず、さらに明日ダメなら、日本の男子の柔道はメダルがたった一つと言うことになる。これは史上最低かな。それだけ柔道が国際的なスポーツになったということでしょうが。

 男子体操で10代の内村航平選手が銀を取ったのは、驚きであり、嬉しいですね。私は見ていなかったのですが、本人が「あん馬で落ちた」と言っていて、「その後はいつも通りと言い聞かせて」とインタビューで言っていた。金メダルの中国の楊威選手は94点台に対し、内村選手は91点台。ちょっと間がある。

 しかし失敗がなければ、楊威に接近できるし、4年後は円熟のレベルに達する可能性が高い。本人も「次は....」と言っていた。女子も団体で入賞したし、体操は今後も楽しめそうな競技です。

 今朝方、インドが非常に珍しく金メダルを取ったと書いたら、今朝のスポーツ新聞にもちょっと大きい記事が。それには「個人で初」と書いてある。そう言われればそうで、確か以前調べたときはインドが最後に金メダルを取ったのはモスクワ五輪のホッケーだった。ホッケーは団体競技です。

 朝の番組でもその話題が出たので、私が2004年以来取材している結果を短く喋ったのですが、日本でも「インドがオリンピックでメダルが取れない国」というのが知られてきたのは、ある意味でインドの実像を知る上では良かったと思う。

 エアライフルでインド史上初の個人金メダルを取ったアブナビ選手は、「国中が快挙に沸き返る中」(ちょっとほほえましい。インドの人口は11億人です)で、鉄道相から「インドの鉄道一生乗り放題」の権利をもらったそうな。ははは、私はインドの鉄道なんかには今の状態では絶対乗りたくないですが。

 朝のテレビ番組の中で、フェンシングの銀メダリストの太田選手、競泳の松田選手に直接話を聞けたのは面白かった。太田選手には、決勝の前に足がちょっとふらふらしていたという話を読んでいたので、疲れが取れて試合をしたら違ったかもと思って聞いてみたのです。だってそれ以前に、世界ランキング1位やアテネの銀メダリストを破っての決勝。精神的にも疲れていたのでは、と。

 「一日か二日置いて試合したら、(決勝で)勝てたと思いませんか」と。そしたら、確か「状態は良くなっていたと思う」と認めた後で、「でもあの足は、ちょっとそうした方が良かったと思って」といった答えだったと思う。つまり痛いふりをした、ということ。ははは、皆騙されていたということ。面白かった。

 しかし隣の山田さんと、「面白いキャラ。フジテレビのジャンクスポーツに出せば」というような話をしていた。松田選手もそうですが、「子供をスポーツに誘導する大人の存在」が大きい。インドにはそれがない。それにしても、今NHKテレビで太田選手の準決勝を見ていたのですが、SANZOというフランスの選手に最後の最後で勝っていたのですね。彼も精神力が強そう。

 北島は予想通り余裕の2冠。ワールド・レコードに0.13ですか。彼はそのことを言っていたのだが、それは彼を追ってこなかった他の選手の責任 ? ははは、素晴らしい。


2008年08月14日(木曜日)

 (04:35)朝ウォール・ストリート・ジャーナルを見ていたら13日現在の各国別メダル獲得数が掲示してあって、それを見ていたら面白いことに気が付いた。なんとインドが実に久しぶりに金メダルを取っている。

 「金  Abhinav Bindra  Men's 10m Air Rifle (60 shots) Final 」

 と。エアライフルが「運動」の定型的なものかどうかと言えば、「そうではない」のでしょうが、とにかく私の記憶だとインドがオリンピックで金メダルを取ったのは、実に久しぶりです。過去のオリンピックではほとんどメダルを取っていない。

 もともと11億も人口があって、インドは非常に運動が苦手な国なのです。「ITとカーストーー成長の秘密と苦悩」に詳しく書きましたが。

 あと気が付いたのは、

  1. 獲得メダル数ではアメリカが29で一番だが、金メダルの数では中国が17でアメリカの10を上回って圧倒的
  2. その次の金メダル数では韓国、ドイツの6が多く、日本はそれに続く4。今のところ、その間の「金メダルを5個獲得した国」はない
  3. 非常に不振なのはロシアで、今のところ金メダル獲得数は2に過ぎない(ロシアと紛争中のグルジアも2)
  4. ちょっと驚くのは北朝鮮も金1を含む7個のメダルを獲得しており、北と南を合わせると朝鮮半島のメダル獲得数は20個となって、これは日本の9を大きく上回っている
 などでしょうか。まああくまで開幕から数日間の結果ですか。総メダル獲得数では、アメリカの29に続いて中国が27、韓国が13、オーストラリアとロシアが12、イタリアとフランスが11、ドイツと日本が9個、イギリスと北朝鮮が7個など。


2008年08月13日(水曜日)

 (23:35)ゼファーに続き、巷の噂に上がっていたアーバンコーポレイションが東京地裁に民事再生法の手続き開始を申請ですか。日本の不動産業界が置かれている厳しい状況が浮き彫りになっている。まあそうした中でも、健全な企業はいっぱいあるのですが。

 悪いのは不動産業だけではない。景気全般が冴えない。今日発表された日本の4ー6月のGDPは、内需、外需とも悪かった結果、年率で2.4%の低下となった。一年ぶりのマイナス。

 今の世界状況の中では仕方ない面もある。アメリカ、中国とも景気は良くない。アメリカなどあれだけ減税したのに、自動車などの売れ行きが悪いことなどから、7月の小売売上高はもうマイナス0.1%の減少になった。これはアメリカ政府にとってちょっとショックでしょう。

 もっとも変動の大きい自動車関連を除くアメリカの7月の売上高は、前月から0.4%増えた。つまりアメリカ経済の今の一番の弱点は自動車ということになる。ガソリン価格が下がってきたことが今後どう影響するのか。大きなトレンドしては、アメリカ経済の「自動車依存」は徐々に形を変えていくのでしょうが。

 まあ世界経済の厳しい状況はしばらく続きますよ。問題は、どの国が、どの企業が、どんな形で今の苦境を乗り切って残るかでしょう。状況変化への対応力が試される局面が続くと言える。

 ところで今日と明日は、10月から始まる新番組の打ち合わせが入っていて、今日は一緒に仕事をすることになる城間恵子さんなどと食事をしました。写真で見たより明るい印象でいい感じの方でした。よかった。面白い番組にしますよ。ハハハ。チームワークは良くなりそうです。


2008年08月12日(火曜日)

 (09:35)日航ジャンボ機が御巣鷹山で墜落してもう23年がたつんですね。落ちたときの事は今でも鮮明に覚えています。ちょうど帰省してたときで、テレビにかじりついたことを。

 そう言えば最近クライマーズハイという映画を見ました。題名から中味が予想できない映画の典型のような例で、題名を聞いたときは登山の映画だと思った。しかし中味は御巣鷹山事故取材に直面した地元紙の記者達の苦悩、怒り、そして焦燥感、一人一人の思いを追った映画。

 一人一人の記者が取材をする過程でクライマーズハイに似た現象にとらわれる状況を良く表していると思った。私もその世界を見ているので分かるのですが、地方紙の抱える問題は機材から人材まで非常に大きい。その中でも報道にかけた人々の物語として非常に面白かった。まだ題名で判断している人は視点を変えていただきたいと。

 本では「心臓にいい話」が面白かったな。日曜日の諏訪への行き帰りに読んだのですが、細かい話は別にして「医者の心意気」といったものを感じました。

 最終章の「どうしても伝えておきたいこと」が一番この本で良い章です。それまではいろいろ細かい指摘があったり、その中には「ああそうだな」という部分があるのですが、テクニカルな話。しかし最終章は、今のお医者さんが置かれている立場へのお医者さんからの我々への発信という印象がする。一読を勧めます。

 オリンピックが行われている中国は、開催中も株が下がって上海株が2500(今年の高値は6000を上回っていた)を割るなど厳しい状況ですが、昨日のニュースは驚きでした。それは7月の工業品出荷価格指数(卸売物価)が前年同月比10.0%も上昇したというニュース。

 温家宝首相が北京の貧しい家庭を訪れて「こんなインフレ状況は克服します」と約束したのが去年の末。その時は豚肉や野菜など中国人の食卓に欠かせない食品の値上がりが焦点だった。しかし卸売物価が10%上がったと言うことは、食品に限らず物価全般がこれから上がってくると言うことです。

 中国の金融当局は、国内景気の悪化を背景にできたら金融政策を緩和気味にしたい意向と伝えられる。しかし物価が卸売り段階で10%も上がってきたら、そうは緩和は出来ないでしょう。オリンピック銘柄が軒並み売られる中での緩和見送りは、株価の低迷を長引かせることになるかも知れない。

 オリンピックは問題を抱えながら走っていますが、中国の抱える問題はオリンピック後に様々な形で表面化する可能性が高いと言える。


2008年08月11日(月曜日)

 (11:35)ははは、時間があって北島の決勝レース(100メートル平泳ぎ)を見ていたのですが、世界新記録での優勝。素晴らしい

 北島は予選から準決勝にかけてはタイム的にはあまり良くなかった。ノルウェーのダーレオーエンが59秒41(予選)、59秒16(準決勝)と五輪新を連発してトップを取ったのに対して、北島は59秒52、59秒55とちょっと下がり気味で2位に低迷。だから「ちょっと厳しい勝負かも」という専門家もいた。

 しかし決勝では北島のタイムはなんと58秒91の世界新記録での優勝。特に後半が強かった。前日の準決勝で延びなかった後半に伸びる力を残した前半の泳ぎにポイントがあったのでしょうか。北島のあの雄叫びが再び見れたのは嬉しい。アテネより派手でした。何と言っているのかは分からなかったのですが。

 気持ちが強いんですよ。多分彼は。持ち前である勝負強さをいかんなく発揮した。その気持ちが強い北島も、インタビューでは暫く言葉が出なかった。タオルで顔を覆って。万感極まったということでしょう。ナイス、ビューティフル。お疲れ様。表彰式でも彼は堂々としていた。


2008年08月11日(月曜日)

 (09:31)相変わらず暑い週末でしたが、私の記憶に残ったのは「雨」というか、空からの落下物諸々でした。日曜日は「施餓鬼会」があって諏訪にいたのですが、そこでは土曜日には大きな雹(ひょう)が降り、そして日曜日は大きな夕立があった。そして東京に帰ってきたら、とたんに大雨。

 「夏はこんなもんだ」というレベルを超えているような気がする。先週の水曜日には新大阪で1時間以上も足止めをくったのも京都との間で降った「一時間95_」という大雨。空から雨が落下するのは良いのですが、その落下の仕方が極端なのです。交通機関にも影響が出ている。ま、こんな状態が暫く続くのですかね。

 諏訪に土曜日に降った雹は、大きいのは直径2センチくらいあったそうです。ビニールハウスには穴が空き、蕎麦だったかな何かが全滅したとか。そして日曜日にも私が帰る一時間前くらいに真っ黒な雲が出たと思ったら、あっという間に大粒な雨が落ちてきて、ちょうど駅前のデパートの温泉湯に行くのに間に合ったから良かったものの、一階では大勢の人が立ちつくしていました。

 この温泉は昔は汚かったのですが、数年前に綺麗になった。デパートの5階にあるのです。一番手頃な温泉です。出たら雨は上がっていて、少し温度が下がってそれは良かったのですが、東京に帰ってきたらまたまたの大雨。

 オリンピックでの日本の成績も雨がちだったのですが、日曜日に少し晴れたような。柔道の金と銅の。しかしどうでしょうか。目標の「二桁の金」にはちょっと難しいような。野口選手も肝心の足を痛めてしまった。仮にフェルプスが金を8個取るとすると、それに日本全体の金が到達するかどうか。そもそも個人で金を8個狙うというのが凄まじい目標ですが。

 柔ちゃんがそうだったのですが、日本もちょっと新しい選手を育てないと。アテネの遺産で食べているようではいかん、と思いました。星野ジャパンもどうなんでしょうかね。セリーグとの試合は酷かった。オグシオはよく挽回しました。

 ハハハ、結構オリンピックは見ちゃいますね。開会式もビデオで見ました。なかなか素晴らしかった。発想が豊かだったと思う。世界的にも視聴率は良かったようです。しかしその外では色々な事件が起こっている。アメリカ人の観光客が死傷事件に巻き込まれたり、ウイグル自治区では期間を置かない爆発・殺傷事件が起きたり。

 オリンピックの評価は全体で決まるんでしょう。オリンピック時にいろいろなことが起きるのは別に北京に限らないのですが、国の体制そのものに関する根深い事件が多いような気がする。


2008年08月08日(金曜日)

 (15:31)ついに8のぞろ目の日ですか。2008年の8月8日の午後8時08分にオリンピックの開幕だとか。どんなオリンピックになるのか。もう行われているサッカーを見てもそうですが、殺人的に暑そうです。

 新たなエッセイがアップされました。引き続きベトナムを扱っています。ベトナムといえば、このコーナーでも紹介した倉木さん(2008年7月21日分参照)と神田の丸富水産で食事をしました。昼の短い間に。倉木さんの友人の高尾さんも一緒に。短い間でしたが、二人がベトナムに会社を作る意図がよく分かりました。

 その前木曜日の夜は、ボストン・コンサルティングの御立さんと。日経CNBCの夜の番組の出演者仲間。同社の本島さんとも一緒に。ははは、話が弾んで面白かった。御立さんが紹介してくれてこの日お邪魔した「Aux Six Arbres」 (オーシザーブル 港区六本木 7-13-10 宮下ビル 1F tel:03-3479-2888)という店も、落ち着いていて良かった。

 いろいろな人が話していると、アイデアが浮かんできたり、浮かんでいることが思い違いでないことが分かったり、方向違いだったりすることが分かるのが良い。人に会うのは勉強になるし、面白い。再見を誓いました。

 昨日の試合で日本はアメリカに男子サッカーで負け。あの森重の当てミスを見て、ワールド・カップの時の柳沢選手を思い出しました。落ち着いてやれば全く問題なく一点、しかも先制点が取れたのに。しかし昨日ABCスポーツを見ていたら、日本のリトルリーグの球団がアメリカのフロリダの球団を打ち破って、どうやら優勝していた。

 LLWSという文字で最初何かなと思ったら、リトルリーグ・ワールド・シリーズ。田中という日本のピッチャーがアメリカの選手から13とか14とかいう三振を取り、ホームランも他の選手と共に4本くらい打って、10対2か何かで勝っていた。野球では日本は強い?

 面白かったのは、日本の選手がHRを打つと、そのベースを走っているホームラン打者と、守りについているアメリカの選手(ショートとかサード)が回っている打者とハンド・タッチをしていること。プロ野球では見られない光景です。もっとも最後の日本の優勝シーンでは、アメリカの選手も歓喜の輪に加わっていた。カレントな映像なのかどうか知りませんが。

 昼から今までは、スタンバイの同録ファイルを聞いていました。18、19と朝のこの番組で夏休みの森本さんの代打ちをするので、番組の流れとシートとの相関関係を見ておこうと。18、19は早起きしないと。


2008年08月07日(木曜日)

 (14:31)ちらっとウォール・ストリート・ジャーナルのネットサイトを見たら、一番上に「Chrysler, Nissan in Talks To Team Up on Key Cars」と。へえ、と思って、「こんなニュースは日本であったかな」と。

 少し読みましたが、面白いニュースです。先日GMとフォードの提携報道(デトロイト・ニュース 低燃費エンジンの開発)があったのですが、今の北米自動車市場は参入している各社にとってもガタガタというか、過去に例のない惨状。年間1600万台が売れるのが健全とされているのに、直近の7月の統計は年率で1255万台だったかな。知恵が必要。

 日産とクライスラー(ファンドの下で再建中)が検討中とWSJが報じているやり方は要するにPC方式。よく知られているように、世界の主要PCブランドメーカーは実はその製造を台湾のEMS=Electronics Manufacturing Service企業(具体的にはホンハイ=鴻海やコンパル=仁宝電脳)に投げている。クライスラーはそれを日産との間でやろうというのです。WSJは以下のように報じている。

DETROIT -- Chrysler LLC is in talks with Nissan Motor Co. about jointly producing midsize cars, a partnership that would move the U.S. auto maker toward a radical new business model.

The two companies agreed earlier this year to team up on pickup trucks and subcompact cars. Since then, they have been discussing an agreement under which Nissan would produce midsize sedans that Chrysler would sell in the U.S. under its own name, people familiar with the matter say.

A Chrysler spokesman said the company has "no new alliances" to announce, and declined to comment on any discussions it might be having.

A deal would signal a dramatic change in the way Chrysler operates, at least in its passenger-car business. For decades, major auto makers have taken pride in marketing their vehicles as products of their own engineering. Chrysler plans to continue developing new trucks, sport-utility vehicles and minivans itself, from the ground up.

A partnership with Nissan on midsize sedans would put Chrysler on a path to becoming a marketer and seller of cars made by others. Under its earlier agreement with Nissan, which is based in Japan, Chrysler will start selling a subcompact car made by Nissan by about 2011. Chrysler also has a deal under which China's Chery Automobile Co. will make small cars for it.

 クライスラーのスポークスマンが何も言っていないので本当かどうか分からないのですが、この記事が指摘しているとおり、この日産とクライスラーのタイアップが実現すれば、日産が作った中型車をクライスラーが自社ブランドで売ると言うことになる。WSJはそれを「自社の車は自社で設計・生産するという永年のプライドを捨てることになるが.....しかし新しいビジネス・モデルだ」と指摘。

 まあ正直日産もトヨタやホンダのようにはアメリカで活躍できていない。エコに優しい車が少ないのが欠点。販売網を維持するのも大変でしょう。そういう意味では、製造はするが販売はクライスラーブランドで彼らのネットワークを使ってやるというのはありかもしれない。

 この記事によれば、クライスラーはトラックやSUVなどの設計・製造は今後も続けるという。しかしお金がかかる乗用車の設計、開発、製造を日産にアウトソースできれば、それはそれで大きな経費削減になる。クライスラー規模の会社だと、一社でフルラインの車を揃えるのは大変でしょう。

 リスクもありますよ。顧客が「ああこれは日産の作ったクライスラー車だ」と知ってしまえば、同じ仕様の日産車との違いはブランド名だけということになる。それでクライスラーの顧客を満足できるのか、ということもある。両社で競合関係をどう調整するかも問題だし、利益折半の方法も難しい。

 実現するかどうかも知りません。しかし、今までは自社設計・自社生産にこだわってきた自動車業界。そうした中で「自動車のアウトソーシング戦略」がはたして大規模にワークするのか、これは結構面白い。


2008年08月06日(水曜日)

 (21:31)「ただいま、大阪ー京都間で一時間当たり95ミリという過去に例を見ない非常に強い雨が降っております。運転を見合わせております。お忙しいところ......」

 「過去に例のないような非常に強い雨」は、私が大阪にいるときは東京で、東京にいるときは関西でいままでは降っていたのですが、ついに捕まりました。一日かかった大阪でのロケを終えて午後5時17分の「のぞみ92号」に乗ったら、その瞬間から列車が動かなくなった。一時間以上遅れて出発し、東京に到着したのも1時間10分遅れて午後9時10分を過ぎていた。

 東京では山手線など多くの列車が最近雨故にダイヤを狂わしている。在来線も、そして新幹線も。日本の列車はその「時刻通り」が売りだったし、我々もそれに信頼を置いてきていた。しかし、いろいろな面からその維持もなかなか難しいようです。最近は、大阪に行く火曜日の午前中には「新幹線は走っているだろうか」と考えるようになった。

 まあ今日の大阪ロケは非常に楽しかったので、新幹線が一時間遅れたぐらいでは不機嫌にはなりませんでしたが。放送前なのであまり書けませんが、面白かった。検査したが、体調もまずまずのようだし。ははは。

 ところで交通手段の話で思い出しましたが、今朝のウォール・ストリート・ジャーナルには北京のタクシーには盗聴器がつけられたと報じている。「タクシー運転手の安全を守るために」という理由ですが、GPSに取り付けられたマイクは乗客の会話を聞くことが可能。GPSも付いているわけだから、当局はタクシーの所在と会話が両方把握出来ると言うことになる。

 北京やその他の中国の都市に行ったら、タクシーに乗っても「会話を聞かれている」と考えなければならないようです。こうしたマイクがタクシーに取り付けられたのは過去3年ほど前からで、今では北京の7万台には確実に付いているという。私は北京に行く予定はないのですが、オリンピックなどで行かれる人はご注意を。

 まあ基本的に中国は「警察国家」ですから、いつホテルの部屋に警察が乱入してきてもおかしくないと考えなければならない。


2008年08月06日(水曜日)

 (04:31)「据え置き」という結果は同じでも、今回の声明が前回の声明(6月24〜25日)と一番違うのは、前回の声明にあった景気の先行き楽観論、すなわち「Although downside risks to growth remain, they appear to have diminished somewhat」という文章が消えたことでしょう。つまり、FOMCは前回の時よりも景気の先行きに対してより慎重になった。

 加えてFOMCは、「The Committee expects inflation to moderate later this year and next year」とインフレ圧力の先行き若干低下を予想しながらも、「the inflation outlook remains highly uncertain」と書いて、インフレ警戒感を強く残した。その結果は、「景気の先行きに対する懸念」と「将来のインフレに対する懸念」の相身互いであり、今回の据え置き決定と今後もそこから容易に抜け出られそうもないことを示唆した。つまり、「据え置き」の長期化の可能性の示唆。

 まあこれは世界中の中央銀行が直面している問題である。同じ日に政策決定会合を開いたオーストラリアは、隣国ニュージーランドが直近の会合で利下げしたにもかかわらず、政策金利の据え置きを発表した。景気は悪化しているが、同時にインフレも悪化している、というジレンマから据え置きを決めたものと考えられる。

 前回のFOMCと同様に、今回の決定には一人の反対者が出た。Richard W. Fisherで、前回のFOMC時と同様に今回の会合での利上げを要求した。しかしバーナンキを含む10人が「据え置き」に賛成。

 ところでこの文章を書いている時点で、ニューヨークの株価はダウで285ドル、Nasdaqで50.71ポイント上がっている。最近では大幅な続伸。原油相場が120ドルを割って118ドル台で推移していることが一因。当然ながら、「investors become more worried that economies around the globe are slowing down, likely curbing fuel demand」という見方が出てきている。

 FOMCの据え置き発表後の声明も好感されている模様。FOMCが利下げにバイアスをかけるよりも、景気とインフレに対する両睨みの姿勢を鮮明にしたため。引けはどうなるか知りませんが。声明全部は以下の通りです。景気悪化の要因の一つに、「労働市場」が入っているが、7月の雇用統計の弱さを見れば当然か。

August 5, 2008, 2:19 pm
Fed Statement on Interest Rates
The following is the Federal Reserve’s statement following the August rate-setting meeting.

The Federal Open Market Committee decided today to keep its target for the federal funds rate at 2 percent.

Economic activity expanded in the second quarter, partly reflecting growth in consumer spending and exports. However, labor markets have softened further and financial markets remain under considerable stress. Tight credit conditions, the ongoing housing contraction, and elevated energy prices are likely to weigh on economic growth over the next few quarters. Over time, the substantial easing of monetary policy, combined with ongoing measures to foster market liquidity, should help to promote moderate economic growth.

Inflation has been high, spurred by the earlier increases in the prices of energy and some other commodities, and some indicators of inflation expectations have been elevated. The Committee expects inflation to moderate later this year and next year, but the inflation outlook remains highly uncertain.

Although downside risks to growth remain, the upside risks to inflation are also of significant concern to the Committee. The Committee will continue to monitor economic and financial developments and will act as needed to promote sustainable economic growth and price stability.

Voting for the FOMC monetary policy action were: Ben S. Bernanke, Chairman; Timothy F. Geithner, Vice Chairman; Elizabeth A. Duke; Donald L. Kohn; Randall S. Kroszner; Frederic S. Mishkin; Sandra Pianalto; Charles I. Plosser; Gary H. Stern; and Kevin M. Warsh. Voting against was Richard W. Fisher, who preferred an increase in the target for the federal funds rate at this meeting.


2008年08月05日(火曜日)

 (09:31)移動の中で読んだ本を一冊紹介しましょう。「将軍家御典医の娘が語る江戸の面影」という長い題名の本です。江戸という時代、その面影、意味を追っている著者の最新作。

 登場するのは桂川みねさん(結婚後は今泉みねさん)という江戸時代末期から明治の時代を生き抜いた一人の女性と、彼女を取り巻く人々、それに彼女の記憶に残った桜田門外の変など当時の大事件。

 私は知らなかったのですが、彼女が晩年に聞き取り(インタビュー)に応じて語った内容が「名ごりの夢ー蘭医桂川家に生まれて」(東洋文庫)という本になっている(ネットサイトでもまだ売っています)のですが、その本をベースに彼女の生涯と残した言葉をベースに、江戸という時代、幕末から明治という時代をパーソナルに切り取った本です。

 これがなかなか面白い。有名な蘭学医で将軍の御典医だった桂川家に生まれて「お姫さま(おひいさま)」と呼ばれて育った彼女が、幕末から明治という激動の時代を何を感じ、何を思いながら生きたかが鮮明に蘇る。彼女の記憶は明瞭で、読んでいる人間を飽きさせない。言葉も面白い。

 いつも思うのですが、我々が学校で習った歴史は著しい切り取りの結果です。そこにはその時代を生きた人一人一人の歴史があり、思いがあり、今とは違う考え方の筋道があり、論理があった筈です。しかし多くの歴史書は、今に生きている人間が「ここは必要」と切り取っているだけ。

 上から目線に対して、その時代を生きた人一人を話の中心に据えて歴史をとらえるのは「下から目線」と呼べばよいのか。その両方をして初めて、私は歴史を理解する上での「厚み」が出ると思う。著者の作品では、「幕臣たちの明治維新」なんかも好きですが、この長い題名の本も面白い。

 またこの本に出てくる場所が馴染みのある場所なのです。築地とか浜離宮。浜離宮は4年ほど前の花見の場所で、本に出てくる離宮の作りもはっきり覚えている。みねさんが生まれ、その生涯のかなりの部分を生きた築地という場所も馴染みが深い。彼女が歩いた道も辿れそうな印象。

 彼女はいわゆる一般庶民ではない。今で言う格別なお嬢様ですが、その彼女にして時代の波に大きく翻弄される(だからこそか)。されるのですが、それを別に深刻に受け取って生きたようには想像されない。彼女は晩年にインタビュー受けながら、昔を懐かしみながら語りを続けたのではないか、と思う。

 面白かったのは、体制が変わり場合によっては「死も覚悟する」という状況の中でも、まだ20才前の彼女やその女友達の会話が最後は「お汁粉を何杯食べるか」に行き着くと言った部分かな。これは笑った。まあそんなもんなんでしょう。赤塚さんも最後は「酒の味」を思いながら逝かれたのかも知れない。

 時の移ろいは速い。思い返せばすべてが夢のように終わる人生。彼女は80過ぎまで生き抜いて、自分の過去を名残のように、夢のように思い起こした「名ごりの夢」を残した。いろいろあったんでしょうが、良い人生ですな。歴史にはそういう思いが一杯詰まっている。


2008年08月05日(火曜日)

 (08:31)一日遅れて毎日新聞や日本テレビなどの改造福田内閣への支持率調査の結果が出て、それらもまたバラバラでした。改めて新聞報道などを拾ってみると、各社の支持率調査の結果は以下の通りです。

  1. 毎日 25%(前回に比べ3ポイントの上昇)
  2. 日本テレビ 35.8%(前回に比べ5.8ポイント上昇)
  3. サンケイ・フジ 29.3%(前回に比べ7.6ポイントの上昇)
  4. 日経 38%(前回に比べ12ポイントの上昇)
  5. 朝日 24%(前回と横ばい)
  6. 共同 31%(前回に比べ4.7ポイントの上昇)
  7. 読売 41.3%(前回の面接方式は26.6%)
 ま一応並べただけですが、読売と朝日の支持率の差は15%以上に達している。これは大きい。今朝のサンケイ新聞のサイトによると、世論調査に詳しいと紹介された松本正生埼玉大教授(政治学)は2つの可能性を指摘している。
 一つは福田内閣のイメージだ。松本氏は「福田内閣の場合、小泉内閣のような明確なイメージがなく、世論調査の回答者も支持、不支持のどっちにするか、はっきりとした意見を持っていないためにぶれるのではないか」と分析する。

 また調査方法の違いが出た可能性もあるという。「福田内閣に対するイメージがはっきりしていない回答者を支持、不支持のどちらかに“追い込んで”回答を得るか、そうでないかでも変わってくる」

 しかし、改造前の福田内閣支持率には今回のような大きな変化はマスコミ各社の間ではなかったと思う。ということは、まだ改造福田内閣に対する評価は、国民の間でも定まっていないということか。一つ確かなのは、「不支持」が「支持」を上回っている、ということです。

 もう一つ今朝のニュースで面白かった記事は、サンケイ新聞の「証券会社サイト利用時間減少 ピークの6割 」というもの。中味は以下のようなものだった。

 証券会社が運営するインターネット上のサイト利用時間が、大幅に減少している。インターネット利用動向調査のネットレイティングス(東京都渋谷区)によると、今年6月の総利用時間は約6.2億分で、ピークだった平成18年1月に比べ、約6割の水準に落ち込んでいる。利用時間は日経平均株価の推移とも連動性がみられ、株価低迷による個人投資家の株式離れを改めて裏付けた格好だ。

 ネット社によると、証券会社サイトの総利用時間は、ライブドア事件が起き、新興市場で株価が大きく変動した18年1月に約10.6億分を記録した。その後、ライブドアショックなどで平均株価は下落したが、株価に連動するように、証券会社サイトの総利用時間も18年11月には約6.6億分に落ち込んだ。

 その後、平均株価が1万8000円台をつけた昨年6月には9.2億分まで回復したものの、米国の低所得者向け高金利型住宅ローン(サブプライムローン)問題などで再び株価が低迷し、昨年12月にはこの3年間で最低となる約6億分台を記録。今年に入ってからも、6億〜7億分台にとどまっている。

 ははは、まあそうなんでしょうね。株式投資をしている大部分の投資家は「株価の上げ」を見たがっている。下げ相場なんか見たくもないし、実際に含みか実損かは別にして「やられている」ということでしょう。出来高を見ても、日本の株式市場に対する興味の離散は深刻です。


2008年08月04日(月曜日)

 (14:31)不動と宮里がだらしないと思っていたら、私の先輩にとんでもない事をやり遂げた人が出現しました。エイジシュート。「歳の数で回る」という普通のゴルファーが決して出来ない事を70才の手前でやってしまった、と。その先輩とは金子勝男さんです。

 金子さんとは9月に同じチームで大阪でゴルフをするのですが、うーん、ちょっと引き締まっていかないといけませんな。金子さんには思い出がある。ある私の講演会に来てくださっていた。そこで私が「日本人でアメリカ人のように仕事で一段落つけたあともっぱらゴルフに身を投じる人はあまりいない」と喋っていたらその場で、「そんなことはない」と大きな声で言い切った人。好きだな、そういうのって。金子さんは基本的にゴルフ大好き人間です。

 でも聞いていると、やはり凄い練習量です。シニアの全日本のアマ選手権で決勝にまで残ったと。年に3回ほどお会いするのですが、まだまだスイングを研究し、パターを研究し、スコアとハンディが落ちてくるときちんと修正してアップに努める。以下は金子さんのメールです。私も元気が出ましたので、ここの読者の方にも元気が出るように。

 昨日猛暑の中、クラブのスクラッチ競技(1.5ラウンド)があり、ディフェンディングチャンピオンとして参加したところ、幸運にも自己ベストの68(34:34)が出て、生涯目標のエイジシュートが達成できました。

 クラブのメジャー競技で、しかも70歳での達成は想定外の出来事、公式競技のため、クラブのボードに名前が永久掲載されることになり、大変誇りに思ってます。

 自慢話でごめんなさい、酷暑の中元気の出るお知らせでした。 金子 勝男

 70手前でのエイジシュートというのはあまり聞いたことがないな。スコアの34:34というのも、私には「何かの間違い.....」という感じです。土曜日にゴルフを一緒にした仲間に聞かせたよ......って感じかな。ハハハ。


2008年08月04日(月曜日)

 (02:31)やることもあったので起きていてテレビを観ていたのですが、うーん、かなりがっかり。途中でテレビを消してしまいました。全英女子オープンです。最後の最後に不動、宮里ともボギー、ダボじゃ試合にならない。3位、5位も立派な成績ですが、それじゃ見ている方としては納得できない。3日目が終わった段階では1位と3位だったのですから。宮里の最終ホールの第二打、第三打はひどかった。

 それにしても、アジアの選手が上位に並ぶ全英オープンですね。台湾の19才の選手のことは失礼ながら知りませんでした。韓国選手は相変わらず強い。いつだったか、「韓国の選手はなぜ強いか」という番組をやっていて、「家族ぐるみで応援するからだ」というのが答えでした。その番組では。

 それにしても、この週末の不思議と言えば改造福田内閣の支持率である。「支持率」の一言なのに、新聞によって全く違う。私が気がついただけでも

  1. 日経 38%(前回に比べ12ポイントの上昇)
  2. 朝日 24%(前回と横ばい)
  3. 共同 31%(前回に比べ4.7ポイントの上昇)
  4. 読売 41.3%(前回の面接方式は26.6%)
 いくら何でもこの違いは大きい。これじゃどの数字で議論すれば良いのか分からない。朝日と読売の差は膨大です。支持率が上がった一つの要因は麻生幹事長ですが、これも朝日は「評価」が51%と出ているが、読売では66%となっていた。どえらく違うものですな。いつもは差はもうちょっと小さいのに。調査対象が相当違った ? のか。

 一つ共通点を探すと、「不支持率の方が高い」という事実。読売の41%の支持率も「上がった」とは言っても50%には遙かに届かない。読売の調査でも不支持率は47%と出た。他のどの世論調査でも福田内閣には「不支持」が依然として高い。

 ということは世論は自民、民主を問わず「新しい内閣」を欲していると言うことになる。しかし自民党はどうも選挙をやるのが怖いようで、早期解散論だった古賀選対委員長も「限りなく衆議院議員の任期に近く」とこの週末には消極発言。日本の政治に対するイライラは暫く続きそう。


2008年08月03日(日曜日)

 (03:31)全英女子オープンで不動が−13のトップ、宮里が−11の3位というのも驚きで、明日の夜は楽しみが増えたのですが、アメリカの自動車市場で日本車の合計シェアがアメリカの自動車メーカーの合計シェアを上回ったというニュースは驚きです。6月は結構大きな差が付いていたのに。以下は毎日新聞のネットサイトからの記事。

米新車販売台数:日本車、ビッグ3抜く 3000台差でトップ−−7月

 【ワシントン斉藤信宏】米調査会社オートデータが1日まとめた7月の米新車販売台数によると、米国内での日本車8社の販売シェアが43%となり、米大手3社(ビッグ3)の42・7%を上回り、国別の月間シェアで初めてトップに躍り出た。原油高騰に伴うガソリン価格の値上がりが、大型車を主力にしてきたビッグ3を直撃した。日本勢は米国進出から半世紀余りで、史上初めて頂点に立った

 業界全体の販売台数は、前年同月比13・2%減の113万6176台と9カ月連続で前年実績を下回った。92年以来の低水準という。低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)問題に伴う金融市場の混乱とガソリン高騰の影響で景気後退への懸念が強まり、消費者の買い控え傾向に拍車がかかった。

 特にスポーツタイプ多目的車(SUV)やピックアップトラックなど大型車の販売減が深刻で、ビッグ3は最大手のゼネラル・モーターズ(GM)が08年4〜6月期決算で155億ドル(約1兆6600億円)の大幅赤字になるなど経営危機観測も広がっている。

 日本車8社は計48万8226台、ビッグ3の48万5289台を約3000台上回った。6月はビッグ3が約7万3000台差をつけていた。 日本勢は、トヨタ自動車(2位)が同11・9%減と低迷したが、小型車の販売が好調だったホンダは1・6%減と健闘し、クライスラー(5位)を抑えて3カ月連続で4位を維持した。また、日産自動車(6位)は同8・5%増と好調で、クライスラーに2790台差まで肉薄した。

   まあこの勢いがこのまま続いて、今後もずっと「アメリカで最も車を売っているのは、国別で見ると日本」ということが定着するのかどうかは分かりませんし、もう一つ驚くのは7月の米新車販売を季節調整済み年率換算値(SAAR)で見ると1255万台で、6月の1364万台、昨年7月の1548万台から急減していて、7月の予想の1360万台をも大きく下回ったこと。つまりそれだけアメリカの自動車市場の落ち込みが激しい、ということだが、「各社がニーズの高い小型車の在庫を持っていれば、今年これまででは実売台数より30万台は多く売れた」と業界関係者。つまり、業界全体としてプロダクト・ミックスが全くなっていない、ということ。

 オートデータの資料はそれとして、私の手元に届いたDIRAさんの資料によると、7月の米自動車メーカー3社の販売台数合計は48万9000であるのに対して、日本車8社の合計は48万8000で、まだ1000台負けていることになっている。筆者にはどちらを信じていいのか分からないが(四捨五入の関係か)、「日本車メーカーがアメリカ進出を本格的に初めて半世紀でアメリカ史上で米メーカーと方を並べる存在になった」ということは確かです。DIRAさんのデータによると、シェアでは日本とアメリカが43.2%で方を並べている。

 なぜ米新車市場で7月の新車販売が大きく落ちたのか。DIRAの坂本さん(私はこの方に3年前にニューヨークでお会いしています)は、

  1. リース販売の抑制が影響した可能性
  2. 小型車を中心とした人気車種の在庫不足
  3. GMの販売促進キャンペーンの反動が出た
 の3点を挙げておられる。ウォール・ストリート・ジャーナルなどは加えて「住宅不況」「銀行の貸し出し姿勢の厳格化」などを指摘。DIRAの資料によりメーカー別の販売台数で面白い動きを追うと、GMのシェア20.6%に対してトヨタのシェアは17.4%で依然としてアメリカ最大の自動車メーカーはGMであること、6月に各社不振の中で14%も販売台数を伸ばしたホンダは、7月は小幅減少の販売台数となって勢いが止まったように見えるが、各社の落ち込み(GM32%減、フォード21%減、トヨタ19%減など)に比べれば、依然として落ち込みは少ない、などが明らかになっている。日本車のシェア43.2%に対して、現代とKIA の韓国2社のシェアは6.1%で日本よりも相当小さく、6月の6.6%からも低下した。

 アメリカ市場における日本車のシェアは全体のパイが減少している中ではますます大きくなっている。例えば6月の国別シェアを見ると、アメリカが46.4%だったのに対して日本は39.8%だったのに、7月は統計の取り方の違いを考慮に入れても肩を並べたか上回った。自国市場でも日本に最大の販売台数を取られたら、アメリカの自動車メーカーは日本の軍門に下った、と言わざるを得ないでしょう。

 日本車のシェアが伸びたことを別にすれば、7月の米新車販売はトータルの数字で見ると中味は酷かったのですが、アメリカでは雇用も悪かった。7月の雇用統計(季節調整済み)によると、失業率(軍人を除く)は前月比0.2ポイント上昇し、5.7%に悪化した。非農業部門の雇用者数も前月に比べ5万1000人減少し、7カ月連続でマイナスとなった。

 このことは、「下半期の急回復」のシナリオが無理になったと言うことです。雇用が不安定なうちは、アメリカのGDPの7割近くを占める消費が盛り上がる可能性はない。輸出は頑張っているが、それもアメリカにとっての海外諸国の景気が落ち込み始めているときには過度な期待は無理でしょう。

 もっとも、全く明るい面がないわけではない。51000人という7月の就業者数の減少は予想よりは少なかったし、6、7月の就業者数の減少数も「そんなに多くはありませんでした」の方向に改訂された。

 米失業率が5.7%まで悪化したのは、2004年3月(5.8%)以来、4年4カ月ぶり。市場予測の5.6%を上回った。7月の失業率は16―19歳で20.3%、20―24歳で10.2%に達し、若年雇用の悪化が深刻になっている。

 一方で、この週末にはアメリカで「今年8番目」の銀行倒産があった。フロリダの First Priority Bankで、同行はSunTrust Banks Inc.に買収される予定という。


2008年08月01日(金曜日)

 (14:31)まあ知ってはいましたが、現地の新聞をよく読むとレッドソックスはラミレスを出すタイミングを虎視眈々と、しかも熱烈に狙っていたようです。ファンは大勢いるが、彼の態度が気にくわなかったよう。要するにラミレスは「すねお君」だったとアメリカの新聞などには書いている。使われている単語は、「petulance」です。

 拾ったのは長くヤンキースの監督をしていて、今はドジャースの監督であるトーレ。球界で五指に入るバッターとマニー・ラミレスを買っていたと。レッドソックスはハンセン、モスという私も知っている二人の優秀な若手をパッケージにしても、ラミレスを出したかった。ドジャースとの相対では話がまとまらないので、パイレーツとの三角トレード。バイは

 レッドソックスはラミレスの存在が、今後二ヶ月のリーグ優勝争いに障害になる危険性を察知したと書いてある。対照的にベイは成績はラミレス並みだが、「he is not as intimidating or as established」と、安心できるという話。

 毎年「今年は優勝できるかどうか」の最終判断をして、「優勝は無理」となったチームから、優勝を狙えるチームに大物が動くMLBですが、今年は知っている選手が多く動いた。ちょっと面白いトレード話が多かったと思う。さて、成果を得られるのはどこか。

In their eagerness to unload Ramirez, the Red Sox paid the $7 million left on his salary and shipped reliever Craig Hansen and outfielder Brandon Moss, two promising young players, to Pittsburgh. The Pirates also received the Class AAA third baseman Andy LaRoche and the Class A pitcher Bryan Morris from the Dodgers, who did not shed any of their elite young players to add the slugging Ramirez.

Fatigued by Ramirez’s petulance and concerned that his presence could damage them over the next two months, the Red Sox worked furiously to coordinate a trade that moved him to the other league and the opposite coast. They were adamant about jettisoning Ramirez, whom they perceived as deserting them when he sat out two games recently.

As Thursday’s 4 p.m. deadline approached, the Red Sox pushed to complete a three-team trade with the Florida Marlins and the Pirates, or the Dodgers and the Pirates. Bay, who will replace Ramirez in left field, is a talented hitter whose numbers this season are comparable to Ramirez’s, although he is not as intimidating or as established.

Dodgers Manager Joe Torre, who studied Ramirez from the Yankees’ dugout during so many dramatic games, called him “one of the four or five best hitters in baseball.”

In another deal involving a likely Hall of Famer, the Cincinnati Reds sent Ken Griffey Jr. to the Chicago White Sox. Like Ramirez, Griffey has 10 years of major league service, including five with the same team, so he had to approve any deal. The move could give Griffey a chance to play in his first World Series. In exchange for Griffey, the Reds obtained reliever Nick Masset and a minor league second baseman.


2008年08月01日(金曜日)

 (08:31)REDSOX.COMからのメールにはやはり驚きました。ついさっきのメールです。そりゃ噂にはありましたよ。以前からもそうだった。しかし実際にそうなるとは。レッドソックスが不動の四番打者であるマニー・ラミレスを放出。ドジャースに。

 オルティースとラミレスは個性豊かなレッドソックスの中でも、非常に目立つ選手だった。あのだぶだぶのユニフォーム、混乱状態の髪型。まさにレッドソックスという雰囲気だった。今度来るジェイソン・ベイも優秀な選手だが、ソックスのファンはどう思うでしょうか。

 そう言えば、前日にはヤンキースがあのイワン・ロドリゲスを取った。ポサダが今年の残る期間出場できそうもないようなので、優勝を狙うにはやむを得ないのでしょうが。あまり選手が変わるのはファン心理にとって良くないとも思うのですが、まあアメリカ人はあまりそうは思わないのでしょう。

 まあでもボストンのテレビは今頃このニュースを大きく扱っていますよ。きっと。

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RED SOX NEWS ALERT
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:: JASON BAY HEADS TO BOSTON, MANNY OFF TO DODGERS

In the one of the most dramatic non-waiver Trade Deadline deals
in club history, the Red Sox sent Manny Ramirez to the Los
Angeles Dodgers in a three-way deal that brought Pirates left
fielder Jason Bay to Boston.

The Red Sox also sent pitcher Craig Hansen and outfielder Brandon
Moss to Pittsburgh, and the Pirates also obtained third baseman
Andy LaRoche and pitcher Bryan Morris from the Dodgers.

Bay, 29, appeared to be the only bat on the market who had
comparable numbers to Ramirez this season. The right-handed
hitting Bay has a .282 average with 22 homers, 64 RBIs and a
.519 slugging percentage. The 36-year-old Ramirez, who is
having what is basically a par year by his standards, is
hitting .299 with 20 homers and 68 RBIs.

The blockbuster move literally came down to the buzzer, just
like it did in 2004, when the Sox traded Nomar Garciaparra
to the Cubs.


2008年08月01日(金曜日)

 (00:31)ちっとも私も、そして私のごく身近な人も縁がなかったアイフォーンにやっと触って、いろいろと実験してみました。1時間くらいだったでしょうか。所有者から借りて。この番組収録の前に。

 まあ ipod touch をずっと使っているので、あれれというほどスムーズに使えるようになります。基本的には同じですから。このコーナーでも取り上げてきたように、タッチに電話、ブラウザ、カメラ、メールなどが付いていて、加えてapp store から購入したソフトが入れられるというイメージ。私が貸してもらったマシンには、所有者によって録音ソフトが入っていました。

 私が持っているipod touch よりはちょっと薄いかな。手に持った感触は良いし、相変わらず写真や文字の大きさを変えられるのが良い。ブラウザ(safari)も「よく落ちる」と聞いていたが、私が使っている間は問題なく使えた。ちょっと遅い感じがしたな。ワイファイがなかったところなので。

 一つ今まで誰も言わなかったことに気が付きました。所有者が静かに呟いたこともあったのですが、アイフォーン付きのカメラで写真を撮るときのシャッター音が極めて小さい。あれでは周りの人間に聞こえない。

 通常日本のケイタイの写真シャッター音はかなり大きな音がするし、その音を小さくできないようになっている。不法な写真撮影を防ぐためですが、アイフォーンの写真シャッターはちょっと小さすぎるんじゃないのかな。

 多くの人が言っていた「バッテリーの持ちが悪い」というのは、しばらく使ったくらいでは分からない。しかし本当に悪そうで、それが大きな課題でしょうか。あとはapp store でどのようなソフトが出てくるのか。例えばワンセグとか。

 まあでもあれはやはり革命的な商品ではありますね。私の場合はやはりフェリカを実に頻繁に使いますから、例えアイフォーンを買ったとしてもメールをいただいたどなたかのようにケイタイと併用ということになりそうです。

 それにしても、7月の中旬からもうどこで売っているかも調べてないので、購入のチャンスには恵まれませんが。



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