2008年05月31日(土曜日)

 (23:29)あるニュースを見ながら、そのニュースと「自分自身の持っているものもそうだが、衣服が徐々に薄く軽いものになっている」との最近の印象を付き合わせて考えていました。ニュースとは以下のようなものです。

東京ヒートアップ、半世紀で気温2.6度上昇 1月平均

 東京の1月の平均気温は半世紀で2.62度上昇していたことが、気象庁が公表した調査結果でわかった。この10年で、最低気温が0度未満の冬日は年間9.5日減り、夜でも25度より下がらない熱帯夜は年間3.7日増えた。気象庁は、都市化によるヒートアイランドの影響が大きいと分析している。

 気象庁は、観測が70年以上続く全国の62地点について、半径7キロの円内で、建物や道路といった人工物が覆う率を「都市率」と定義し、気温の変化との関係を調べた。

 都市率が最高だったのは92%の東京で、過去50年で1月の平均気温が最も上昇し、過去10年で最も冬日が減った都市でもあった。

 都市率60%以上で、1月の平均気温の上がり方が大きかった上位10地点の2位は札幌(都市率72%)、6位は名古屋(86%)、7位が福岡(62%)。冬日が減った上位10地点では、3位が名古屋、5位仙台(68%)、7位福岡。熱帯夜が増えた上位10地点の1位は福岡、7位は名古屋、9位は京都(64%)だった。

 都市化の影響が少ない北海道網走市(8%)や山形市(26%)、千葉県銚子市(13%)など17地点でも1月の平均気温は半世紀で平均1.06度上昇。これには温暖化の影響もあるとみている。(神崎卓征)

 「都市率」ね。それだけ生の土が顔を出している場所、森がある場所が少ないと言うことでしょうか。大阪も相当生の土が少ない都市だと思うのですが、やはり東京だとは。

 実はこのニュースを見る前の31日土曜日の午前中ですが、ちょっとデパートに行って、店員の方と「最近は地球温暖化の影響で、自分が持っている衣服が薄く、軽くなってきている」「だから、日本人の着るものも変わってきますよ」「デパートも薄い種類を増やした方がいいのでは」というような話をしていたばかりでした。

 繊維がまるで紙のように薄いコートを初冬、初春用に買ったのは2年前でしたが、最近は春から夏にかけての私自身のジャケットも実に薄いのが多くなった。というか、同じ夏服でもちょっと厚い生地の衣類は着る気がしなくなった。

 なぜか、と考えていたのです。それはやはり身体が厚い衣類を拒否しているからだ、という結論に達した。見ていると、女性の夏用の衣類も、以前に比べて今年は特に薄くなっている印象がする。

 5月は今日で終わりですが、最後の方は実に暑い日があった。東京も大阪もです。繊維や生地も良くなってきている、ということもあるのかも知れない。しかし、地球環境の変化は明らかに人間の着るものにも変化を及ぼしつつある。最近私が久しぶりに買ったジャケットは実に薄い。


2008年05月29日(木曜日)

 (23:29)四川大地震をきっかけに、中国ではいろいろな変化が現れている。日本への自衛隊機を含む輸送手段でのテント、毛布の支援要請もそうだし、以下のニュースもそう。サンケイ新聞のそれです。

 【北京=矢板明夫】中国・四川大地震による校舎倒壊で死亡した四川省綿竹市の小学生の保護者らに対し、同市のトップの蒋国華党委書記が路上で土下座し、デモ行進をやめるよう懇願した写真(AP)が中国国内で話題となっている。

 中国ではかつて、土下座は皇帝や神仏への最敬礼を表した。中国人が土下座に感じる屈辱は日本人以上に強く、日常生活で目にすることはまれだ。日本と異なり、土下座に「謝罪」の意味合いはほとんどなく、全身全霊を傾けて懇願するときに使われる。

 地域の最高権力者である党委書記が一般民衆に対して膝を屈したことは、衝撃的な出来事で、インターネットの掲示板には「感動した」「書記がかわいそう」「所詮は保身のための演技にすぎない」といった書き込みが殺到している。

 テレビの生放送の継続も、中国にとっては大きな変化。ちょっと気が早いし、国の置かれた状況はかなり違うが、ひょっとして、かつ意に反して、胡錦濤はソ連のゴルバチョフになる可能性もある。少なくとも中国の共産党も「相対化」してきた。

 ウォール・ストリート・ジャーナルには面白い記事があった。この10年で起きた住宅ブームや所有権、物権に対する国民の法的権利保護の考え方の広まりと、今回の大地震との関係。最終的には国が所有している土地に、国民は戻れるのか? 住宅に対する保険の適用範囲は、そして政府の補償は。こうした山積する問題が、中国を突き動かす可能性がある。

 中国の四川大地震に関して、新しいエッセイが公開されました。


2008年05月28日(水曜日)

 (22:29)失礼。私が見ている間が0−3で負けていて、結果はボストンの3−4だったので、そのまま松坂が負け投手だと思ったら、どうやらいったんボストンが3−3に追いついた後、非常に珍しいことにマリナーズが最後の踏ん張りで一点入れて勝ったようですね。ということで、松坂に付いたかもしれない負けは消えている。

 しかし松坂がなぜ降板したのかは、腰痛と書いているところと、右肩と書いているところがある。ちょっと分からないのですが、まあ8連勝のまま様子見と言うことでしょうか。

 しかし今日は驚くことが続く。新宿のコマ劇場の閉鎖はやはり驚きです。新宿の代表的に有名な建物、広場でしたから。最後にあの中に入ったのはミュージカルを聞きに去年入ったときかな。確かに古かったことは古かった。

 驚きの追加は船場吉兆でしょうか。従来の6品目(あゆやさしみなど)に加えて、アワビ、タタミイワシ、笹巻きずし、枝豆、フルーツゼリーなどだという。枝豆ね。食べ残しの後を調べて、綺麗なのを拾い出したのでしょうか。


2008年05月28日(水曜日)

 (15:29)驚くことというのも続くものですね。一番驚いたのは、午後2時前に東京に戻ってきて会合であるホテルに行ったら、向こうからどこかで見た外国人が歩いてくる。

 似ている。「まさか」と思って改めて見たら、まさに昨日の遅くまで大阪で一緒に飲んだり歌を歌っていたハワイの弁護士、リチャード・ラックマンさんでした。別に以前から知っていたわけではない。店に行ったら知り合いの的場さん(彼とは旧知です)という偉い弁護士が彼を連れてきていて、そこで話しをして親しくなったもの。

 お互いにビックリ仰天ですよ。しばらく立ち話をして、名刺を交換してあるので、「keep in touch」ということで。ああ、びっくらした。ハワイのアメリカ人と言っても、完璧な日本語を話す。ですから、本を献上しました。

 新幹線の中では、ずっとネットをオンにしてMLBのサイトからヤンキースとボストンの試合を見ていたのですが、ヤンキースの試合がずっと雨で途中から中断していて、ボストンの試合を中心に見た。松坂が投げていたのです。しかし松坂は調子が悪そう。イチローに打たれたりして3点を先取された。その時点では、ボストンはゼロ。

 しかし4回までは確か65球しか投げていなかった。ところが、突然5回の裏のマリナーズの攻撃、先頭打者イチローというところで、突然ピッチャー・チェンジになった。松坂降板です。

 あらら、ってなものです。いくらこの日松坂がイチローに二本ヒットを打たれているといっても、「代えることはない」と思った瞬間に、「松坂に何かあったな」と思っていたら、「腰に異変」と。うーんそのままボストンは負けたので、松坂には初の負け投手が付いた。マリナーズはイチローが頑張ったんでしょうね。連敗を脱出。松坂の突然の降板が第二の驚き。

 ヤンキースの試合は、再開後に12回だったかな、表の攻撃でこの日5打席タコの松井が2アウト1,2累で出てきてヒットを打った。この段階で10対9(ボルチモア)。勝った.....かも、と思ったら、裏に出てきた投手がホーキンスだった。こりゃダメだと思ったら、ヒットを数本打たれて案の定サヨナラ負け。監督が良くない。これは想定内。

 第三の驚きは、東京にもうすぐ着くという段階でケイタイに速報が入ってきた「中国が自衛隊の派遣を要請」というフラッシュ。自衛隊は実体は軍隊ですからね。よほどせっぱ詰まっているのでしょう。テントがたりないとか、救助に慣れた隊員が少ないとか。

 1976年の唐山地震では3年もあったことすら発表せずにいたのに、今回は国営放送が生実況している。「おから工事」に対する国民の怒りも心頭に達している。中国側には自衛隊に助けてもらうことに関して、政治的な読みはいろいろあるのでしょう。しかし、今の四川省が置かれた状況で、断る理由を探すのは難しい。人道に間違いなく合致する。

 ネットの圧力、政府の実力の露呈などなど、中国は大きく変わっている。または変わってこざるを得ない、と感じた一瞬でした。


2008年05月28日(水曜日)

 (05:29)ネットを見た朝の段階で報じているのは、読売新聞だけです。何かというと、「船場吉兆の廃業」。読売新聞には以下のように書いてある。

牛肉産地偽装事件などで経営が悪化し再建中の料亭「船場吉兆」(大阪市、民事再生手続き中)は、廃業することを決め、27日、幹部従業員らに伝えた。

 28日に湯木佐知子社長(71)が全従業員に伝え、取引先の金融機関にも説明する予定。

 相次ぐ食品表示偽装に加えて今月上旬、客の食べ残した料理を使い回していたことが新たに発覚した。

 これ以降、急速に客離れが進み、収益確保の見通しが立たなくなった。同社関係者によると、吉兆グループ各社や他企業からの支援も取り付けることができず、再建断念を決めたという。

 読売はこれを朝の3時11分に自社サイトにアップしている。抜きだった、ということです。朝刊の締め切り時間(確か通常は午前1時半くらいで、午前3時を過ぎると物理的にも無理)を過ぎている。他社が追えない時間にサイトにアップした。しかし午前6時前の段階で朝日、日経、読売の共同サイトあらたにすの読売のパーツを見ても、吉兆のこの話しは載っていない。これが「(あらたにすは)こりゃダメだ」の背景です。

 まあこういうニュースの時は、「残念」という単語がまず出てくるのですが、船場吉兆の場合は出てきません。「当然」とか「予想された」ということでしょうか。「こういうことをすれば、こういうことになる」といった世の中の摂理がきちんと示されたような印象さえ受ける。

 まあ腕の良い職人は、そのうち声がかかるでしょう。しかし他に移ってもしばらくは肩身は狭いでしょうね。これは可哀想なことです。私も吉兆については、「カウンターから日本が見える」(新潮新書)で結構長く取り上げた。初代の湯木さんも、さぞかし怒っているでしょう。


2008年05月25日(日曜日)

 (10:29)ははは、周りから浮きまくっていたんでしょうな。新宿西口ビル内にある「天狗」で、男女入り交じった、若い人中心の中で、黒一色の男が4人。通夜帰りで昔の仲間が集まったというわけ。

 彼は若くして亡くなったんですよ。長浜君といって、若い頃によく卓を囲んだ。去年の11月に胃ガンが見つかって、半年後の先週半ばに亡くなってしまった。でも死んだ人は、今生きている人を葬儀の場で集めてくれるんですよね。30年ぶりの人とか一杯いました。

 今朝の新聞では朝日の「be」が面白い。「味の分かれ目 関ヶ原」という。卵焼きでも、つゆ蕎麦のつゆでも、味が天下分け目の戦いがあった関ヶ原が「分かれ目」がある、という記事。

 これはこのコーナーで書いたことがあるのですが、私の実感でもあります。大学生のころ、東京からずっと車で出雲神社まで移動しながら、ラーメンだけを食べたことがある。何を調べたかというと、つゆの濃い薄いがどこで変わるか、ということを一つのテーマにした。そして発見したのが、「関ヶ原が分かれ目」ということでした。

 もっと面白い分かれ目がある。これは私が調べたのではなく、TBSラジオのこの番組が調査した。私はこの番組を聞いていて、非常に面白いと思ったことを思い出す。

 それは、混雑時に急がない人はエスカレーターのどちら側に並ぶか、という問題。東京は左側に並ぶ。しかし大阪は右側に並ぶ。実に鮮烈に別れているのです。私が調べて限りでは、国際的には右側が多い。

 それは置くとして、では日本の東海道線の中でどこで分かれ目が出来ているのか、です。このラジオ番組は、「それは関ヶ原である」と結論づけていた。私が毎週経験している面白い現象は、大阪駅の新幹線ホームのエスカレーターです。

 上りは全員が右側に並ぶ。エスカレーターの上りに乗ると言うことは、少なくとも大阪に数時間はいた人が、大阪から出て行くということを意味する。大阪の慣習が身につく。しかし、下りのエスカレーターに乗っている人は、しばしば無秩序であり、そうは言っても左側に立つ人が多い。

 私が大阪駅の新幹線ホームで下りのエスカレーターに乗るときは、東京から移動したときです。私と同じような人が多いのでしょう。まだ東京の慣習を引きずっている。だから、左に立ちたがる。しかし、大阪からどこかに移動するときには、こぞって右側に立つ、というわけです。関ヶ原はいろいろな意味で、「分け目」なんですよ。

 あと小さい記事ですが、日経に載っていた「ソニーが新型太陽電池」も面白かったな。従来コストの10分の一で出来るという。従来電池は価格高騰を続けるシリコン依存でしたが、今回の電池はそれを使わない。「色素増感太陽電池」と表記されるという。

 半導体技術の変わりに印刷技術の応用で作れるという。変換効率(光りを電気に変える率)も10%に達したという。シャープなどがやっている従来の太陽電池は今良い製品で14とか15%かな。10%はまずまず。期待できる技術です。


2008年05月25日(日曜日)

 (09:29)私も頻繁に利用するUSBメモリーに取り憑くウイルスが広がっているようで、ちょっと心配ですね。まあ私は他の人と交換すると言うこともまったくしなし、定期的に新しいメモリーと交換するようにしていますが。しかし気をつけないと。

 毎日新聞だったかな。以下のような記事があった。

USBメモリー:ウイルスにご注意 「オートラン」被害増加

 差し込みタイプの記録媒体USBメモリーを介したコンピューターウイルスが流行の兆しをみせている。USBメモリーは文書や画像、動画を保存して読み書きできるが、感染に気づかず人と貸し借りをして被害が広がっている。パスワードなどの個人情報が漏れる恐れがあり、ウイルス対策ソフト会社などは注意喚起をしている。【中村美奈子】

 セキュリティーソフト大手のトレンドマイクロ(本社・東京都渋谷区)によると、同社サポートセンターへの感染被害報告数ランキングで、USBメモリーを介したウイルス感染被害が▽2月58件▽3月138件▽4月110件−−と3カ月続けて1位になった。ウイルスが多品種化し、大規模感染が少なくなったここ1〜2年では異例の多さだという。

 ウイルスは「オートラン」といい、USBメモリーに忍び込んでパソコンに差し込むと自動で動き出し、勝手にインターネットのサイトから別のウイルスをパソコンに呼び込む。呼び込んだウイルスが個人情報を盗んだり、ウイルス対策ソフトを止めたりする可能性がある。同社は、感染への警戒と対策ソフトでの駆除などを呼びかけている。

 USBメモリーを家庭と職場で使い感染した例もあり、同社は「対策ソフトでUSBメモリー内のウイルスを検索し、他人とUSBメモリーを共有しないように」としている。

 サイトには以下のように書いてある。ちょっと注意しているだけで、随分違うのです。 サイトの説明


2008年05月24日(土曜日)

 (10:29)マリナーズ対ヤンキースの試合を見ながら、「去年イチローが下したマリナーズ残留の決定はやはり間違いだったのではないか」と考えていました。やはり優勝が欲しかったら、イチローはどこかのチームに移るべきだった、と。

 私もそうだったし、専門家を含めて多くの人もそうだったと思うのですが、去年契約の更改期を迎えたイチローの去就については「移籍」を予想しました。既にイチローが欲するものは、「MLB優勝(アメリカではワールド・チャンピオンと言う)」しかなかったからです。去年イチローはランニング・ホームランを打つなどしてMLBオールスターズでもMVPを獲得するなど、安打(連続)記録を含めて「他のことはすべてゲットした」という状況だった。その前はWBCでも優勝した。で私も考えたのですが、「優勝」が欲しかったらマリナーズから他のチームに移るべきだ、と。

 しかしイチローが下した結論は、「残留」でした。表面的な彼の説明は「(去年はプレーオフにあと出られる状態だったことから)このチームでも(優勝を)狙えそうだから」というものだった。ただしその後の彼の発言を聞くと、最後の結論は「(このチームは)俺がいなければだめっしょ」というものだった。

 しかし今日の対ヤンキースでの試合結果で5月は「5勝16敗」となるであろう試合、、それも無惨なマリナーズの負け方(今現在2対13)の試合を見ながら筆者が考えたのは、「マリナーズはイチローがいてもダメ」なのではないか、というものでした。

 マリナーズは2〜3年前に大きな補強もしている。にも関わらず、マリナーズの選手には「戦う」という意志が見えない。今日の試合もイチローが激高したが故に監督が出てきて退場になった。もう終わったような監督を雇い入れるのがこのチームのここ数年の傾向です。前の監督など、「もう情熱ががなくなった」と言って辞めた。オリックスのコリンズの言い方とそっくりでした。

 選手も味が抜けたような人々が多い。セクソンを見ると、当たるようには思えない。ベルトレイも他のチームでは違うプレーが出来る選手に見える。覇気を感じないのである。イチローは今のチームの不振に関して、「選手が悪い」と言っている。彼の気持ちの中にあるのは「自分を含めて」ということでしょうが、より他の選手に対する批判が大きいことは当然でしょう。こうした発言が、いつかのようにイチローを浮かしてしまう。

 ま、本当の原因はオーガナイゼーションでしょう。もしかしたら、北米の西部にあるチームはここだけという慢心から、また優勝するにはコストがかかるという認識から、以前の日本のどこかのチームのように、「ほどほどで良い」と考えている可能性もある。考えていなくても、そう見えてしまう。それでは、イチローの「優勝したい」という夢は叶わない。

 これだけ弱いと、可能性としては選手にも地域にも、そしてオーガナイゼーションとしても、「このままじゃいかん」という認識が生まれるかも知れない。マリナーズは伝統的に、育った選手を高く売ってきた。A-ロッドもそうです。しかし優勝するためには、バランスを崩さないように逆に良い選手を育てるか、獲得しなければならない。

 NHKBS1がセンターで守っているイチローを映す度に、「彼は今何を考えているのだろう」と考えてしまった。


2008年05月23日(金曜日)

 (15:29)先日後部座席のシートベルトに関して一つ文章を書きましたが、それに関して香港のCyanicdelphisさんから、以下のようなメールを頂きました。各国がこの問題に関してどういう動きをしてきたかが分かるので、許可を得て掲載します。

 参考になる考え方と実体験が入っていると思います。まあ私も6月からは後部にいてもシートベルトをしようと思います。

 伊藤様、当方香港在住22年です。Podcastが始まってから、日本の情報に沢山触れる事が出来る様になりました。実際の生活に非常に役に立つ、大発明だと思いますね。

 後部座席のシートベルトについて一言。

 香港では遥か昔(80年代)から前部座席のシートベルトは一般道、高速道路にかかわらず義務づけられていました。自家用車の後部座席は1986年に義務づけられました。例外はタクシーで、後部座席は2001年にやっと義務となりました。

 それまではタクシー(ほとんどが日本車で、トヨタクラウンが80%?)の後部座席にはシートベルトは有りませんでした。現在は全てのタクシーに着いていて、シートベルトをしない客に対しては、運転手は乗車拒否して構わないという法律になっていて、客の真ん前に大きく書かれています。(罰金は全て運転手が払わせられます。)

 日本でもこれくらいしないと着用率が上がらないでしょうね。(大型バスにはシートベルトの設置は義務づけられていますが、着用は利用者に任されています。)

 数年前に、娘がアメリカの高校に通っている時に、先生が運転するワゴン車で8人程で移動した事がありました。みんな「近いからシートベルトなんていいや」という感じだったのですが、うちの娘だけが香港生活の習慣で、「シートベルトしないなら乗らない。みんなも着用!」と言い張って、むりやり着用させました。

 はたして、その車が正面衝突事故を起こしましたが、全員シートベルトの跡が体に残ったものの、けが人は出ないで済みました。その話を聞いて、娘に「よくぞむりやり着用させたね!」と言ったものです。(その前の週に、学校にボランティアの方が来られて、娘さんを交通事故で亡くされた話をして、シートベルトの着用と安全運転を説くという時間があったそうです。それがなければ、わが娘の主張も受け入れられなかったかも知れません。幸運でした。)

 今となっては、シートベルトなしで車に乗るのは、非常に気持ちが悪いです。シートベルトなしで平気なんて、とても信じられません。中国に行くと後部座席にはシートベルトがない上に、運転も荒っぽくて(みんながF1 ドライバー?)、タクシーでも敢てシートベルトのある前部座席に座る事があります。(これ中国の習慣で、中国人は一人だけだと、前に乗る人が多いですね。シートベルトはしてませんが。)

 シートベルトをするのが面倒だからといって、死亡する確率を何倍にもするなんて、愚の骨頂です!高速道路と一般道で一体どちらの死亡事故が多いのか、検証してみる必要があるかも知れませんね。一般道の方が、よほど死亡者が多いのではないでしょうか?100km/hで事故を起こした時にはシートベルトが有効で、40km/hだったらシートベルトなしでも大丈夫と思っているのでしょうかね?

 私は法律で義務づけられているかどうかが大きな要因だと思います。一般道でも着用を義務づけたら死亡者が半減するのでは? 法律の改正を強く望みます。


2008年05月22日(木曜日)

 (12:29)うーん、松井秀喜選手の打率がとうとう3割を割ってしまった。0.297。昨日は「もうダメ」という第四打席にヒットを打って大台を維持したが、今日は二ゴロ、四球、二ゴロ、四球、そして最後は三振だったかな。とにかくタコ。

 Aロッドが帰ってきて、二試合連続弾。しかしチームは不安定です。何せ投手がボストンのように豊富ではない。このままだと、ボストンの天下は当分続きそう。オルティーズとラミレスが打てなくても、全く関係ないのだから。今ちょっと岡島の調子がおかしい。それが心配かな。

 ところで、昨日公表された最新FOMC議事録の一番のポイントは、以下のところでしょう。

In the Committee's discussion of monetary policy for the intermeeeting period, most members judged that policy should be eased by 25 basis points at this meeting. Although prospects for economic activity had not deteriorated significantly since the March meeting, the outlook for growth and employment remained weak and slack in resource utilization was likely to increase. An additional easing in policy would help to foster moderate growth over time without impeding a moderation in inflation. Moreover, although the likelihood that economic activity would be severely disrupted by a sharp deterioration in financial markets had apparently receded, most members thought that the risks to economic growth were still skewed to the downside. A reduction in interest rates would help to mitigate those risks. However, most members viewed the decision to reduce interest rates at this meeting as a close call. The substantial easing of monetary policy since last September, the ongoing steps taken by the Federal Reserve to provide liquidity and support market functioning, and the imminent fiscal stimulus would help to support economic activity. Moreover, although downside risks to growth remained, members were also concerned about the upside risks to the inflation outlook, given the continued increases in oil and commodity prices and the fact that some indicators suggested that inflation expectations had risen in recent months. Nonetheless, most members agreed that a further, modest easing in the stance of policy was appropriate to balance better the risks to achieving the Committee's dual objectives of maximum employment and price stability over the medium run.

The Committee agreed that that the statement to be released after the meeting should take note of the substantial policy easing to date and the ongoing measures to foster market liquidity. In light of these significant policy actions, the risks to growth were now thought to be more closely balanced by the risks to inflation. Accordingly, the Committee felt that it was no longer appropriate for the statement to emphasize the downside risks to growth. Given these circumstances, future policy adjustments would depend on the extent to which economic and financial developments affected the medium-term outlook for growth and inflation. In that regard, several members noted that it was unlikely to be appropriate to ease policy in response to information suggesting that the economy was slowing further or even contracting slightly in the near term, unless economic and financial developments indicated a significant weakening of the economic outlook.

 下線を引いたところが、前回の0.25%の利下げの理由付けと、今後考えるべき微妙なポイント。そして、赤くしたところが今後を考える点で重要なポイントです。

 最初の赤くした文章を常識的に読めば、「もう利下げはしない」ということでしょう。考えてみれば当然です。いろいろな後遺症は残っている。しかし、市場を取り巻く環境は大きく改善してきた。「最悪期は過ぎた」というわけです。

 次に赤くした文章は、景気先行き見通しが大きく悪化しない限り、多少景気が悪くなったとか、多少景気が縮小したという情報があっても、利下げをすることは妥当ではないと一部のメンバーは考えた.....とある。財政や市場対策を含めて、当局としてはやることはやった、という認識です。

 まあそうなんでしょうね。あとは住宅とか、車とかの市場がどう落ち着くかです。


2008年05月22日(木曜日)

 (05:29)書きかけになっていてずっと気になっていた文章を完成しました。「chat」のページの一番上に掲載しました。

 本当はもっと書き込みたいのですが、とりあえずその時思ったことを中心に。「環境」、「しかし、これからのエネルギーをどうする」という二つのテーマが、2007年末にドイツとアメリカに行ったときの問題意識だった。これは2008年元旦の午後7時からのNHK地球特派員スペシャルで放送された。私の取材はその放送の為のものです。

 放送も終わったのでサイトにアップしようと思っていたのですが、いろいろあって文章を書き終えていなかった。今回も「書き終えた」とは言えないのですが、備忘の為もあってまとまった文章に一応して起きます。確か取材中はもっと他のことをいっぱい考えた筈ですが。

 いつかこうした一連の取材を背景に本を書きたいと思っています。ま、いつになるか分かりませんが。


2008年05月21日(水曜日)

 (02:59)比較的早く寝ていたら名古屋にいるのに大阪の飲み友から深夜に電話で起こされて、そのまま一本原稿を書いて・・・・と。ウォール・ストリート・ジャーナルを見たら、二つほど興味深い記事が。

 今はもうケネディ家の時代ではない。ブッシュ家、さらにはクリントン家のアメリカですが、アメリカ人にはケネディ家の時代に郷愁があるようで、今現在の最も大きな同紙のニュースは、「エドワード・ケネディ上院議員が悪性の脳腫瘍」という記事。

 もうちょっと検査して、その後手術をするかどうかを決めるそうですが、76歳だそうで、いろいろなことがあってもおかしくない年齢ですから。ちょっと心配ですね。この人くらい、「次の大統領選に出るのではないか....」と言われながら出なかった人はいない、と思う。最近はもうそういう話しはなくなりましたが。

 もう一本は、「REAR VIEW:Car Makers' Boom Years Now Look Like a Bubble」という記事。これがなかなか面白い。90年代に年間1500万台の大台だったアメリカの新車販売は、2000年以降に1700万台に移行していたのですが、「実はそれってバブルだったのでは」という記事。アメリカ経済に占める自動車産業の割合は大きいから、もしそうなら影響は大。

 確かに同紙も書いていますが、「They invited customers to buy cars at employee prices, extended no-interest loans for up to six years and sold unprecedented numbers of vehicles to rental fleets」と、従業員価格での提供、自動車ローンのゼロ金利販売、売れ残り商品のレンタルへの移し替えなど無理に無理を重ねてきた。その結果としての2000年の1740万台と、その後の同大台維持。

 しかし去年からアメリカの自動車市場の不振は、日本車メーカーをも巻き込む形で進行している。記事には「1600万台売れれば御上々」とあるが、そうなんでしょう。「This decade has already seen burst bubbles in tech stocks, homes and credit. Now, it seems, another segment has fallen victim to irrational exuberance: the U.S. auto market.」という記事には真実味がある。

 しかし良くしたもので、最近のNHKニュースは盛んにロシアの自動車市場が熱くなっていて、日本の自動車メーカーの販売が何十%増えた、ロシアの存在感が高まっている、といったニュースを流している。まあ規模が全然違うんですがね。

 住宅、車という二つの重要セクターでアメリカ経済がピンチということは、結構懸念される状況なのですが、別の記事には「Fed's Kohn Sounds Upbeat Note, Says Current Rates Are Appropriate」と。FRBとしては、当面金利を動かさない、という彼の意見でしょう。「upbeat note」ですから、まあ強気ということです。

 しかしその割には、最近堅調だったニューヨークの株は今現在ダウで230ドルくらい下げている。最近にない下げです。しかし、最近は強かったから、「調整」でしょう。


2008年05月20日(火曜日)

 (09:59)来月から後部座席シートにおける安全ベルト義務化が行われるというので、今日は実際にタクシーに乗ったときに「どうなるんだろう」とこの問題について運転手の方と話してみたり、実際に短時間シートベルトを締めてみました。

 前席シートベルトの着用義務化からは、もう20年以上もたつそうです。さすがにこれは日常化した。高速道路では95%以上の人がやっているという統計がある。しかし後部座席でシートベルトを締めている人は、高速道路でどうも12.7%と一割をちょっと上回ったところ。一般道路では一ケタ台。

 後部座席でシートベルトを締めていると、事故で死亡する確率はかなり減るらしい。シートベルトを締めていないと、事故率は4倍という統計もある。しかし運転手と話をしたら、「どうしましょうかね」という人が多かった。客が締めない場合は、「締めて下さい」と言うかどうか。

 というのは、罰則が曖昧なのです。高速道路で後部座席の乗員がシートベルトを締めていない場合は運転手に1点が課される。しかし一般道路では警察官が見た段階では、「ダメですよ。締めて下さいよ」と声をかける程度だというのです。

 まあだったら、運転手さんは客対して「絶対やってください」とは言わないでしょうね。高速道路を飛ばすとき以外は。特に酔っぱらっている人に対しては。運転手さんは、「大阪では喧嘩がいやでタクシーの禁煙もやってないんでしょう....」とも。

 実際に後部座席でシートベルトを探すと、全部で3本ある。左右は3点シートベルト、真ん中に2点シートベルト。2点というのは腹のところだけを締めるシートベルトです。しかしどうもこれは欠陥とも言えるらしい。やはり3点の方が安全性が高い訳です。日本の車の後部座席で、真ん中に座る人用が3点シートベルトになっているのは、ほとんどない。私が見た印象だけですが。

 実際にシートベルトを締めてみると、やはり締め付けられて圧迫される印象がする。夜などちょっと疲れてタクシーに乗って「ゆっくりしたい」という人には、「嫌だな」と思う人が多いのでは。身動きするのもちょっと不自由です。何かを落としたときに、それを取るというのもベルトを外さねばならない。その一方で、安心して寝れるという利点はあるかもしれない。

 しかし後部座席で起こる事故で結構多いのは、「追突」というやつです。私の友人の知り合いは、タクシーに乗っていて寝ていたら、大きな車に追突されて死んだと聞いた。どこにでもリスクはあるのですが、後部座席シートベルトがこうした追突にどのくらい有効かは私は知りません。


2008年05月19日(月曜日)

 (08:59)ニュースを聞いた時、「あれ、最近マルちゃんはどうなったのかな....」と思いました。今田竜二という選手が米ツアーで優勝。日本人の優勝は5年ぶりとか。

 日曜日の朝かな、外出のために早起きしてテレビを付けたらNHKBSが中継をやっていて、1位も大勢いたのですが、今田プロはその次の3位くらいに入っていて、見たらボギーなしで回っている。「へえ」、と。ボギーなしはゴルフが安定しているという証拠。3日目の終わりは2位だったような。

 しかし今朝はそのことを忘れていまいした。ニュースを聞いてびっくり。そのまま優勝するとは思いませんでした。うーん、2位か3位かな、と。

 この選手は昨年もこの大会で2位になっている。ツーオンを狙って池に....という展開だったとテレビが解説していた。解説していたのは、羽川豊プロだったかな。今回はプレーオフ相手のケリーが観客ギャラリーの中の木に当てた後に池ポチャ。池に落とさなかった選手が優勝する大会か。

 しかしこの今田という選手が気持ちがよいのは、14才で「俺はアメリカで修行する」とアメリカに渡ったこと。気持ちが良いというか、思い切りが良い。14才と言えば中学生です。この人はまたアメリカの大学も中退している。何にもこだわらないというか。本当に思い切りぶりがあっぱれ。

 三浦知良がとっととブラジルで修行生活に入ったことも賞賛に値するのですが、今田も気持ちよい。新しい日本人が生まれつつあるように思う。こういうことは出来る人と出来ない人がいる。出来る人が増えるのは良いことだと思う。

 今日の新聞では朝日の広告がびっくり。「サザンから重大発表」と。相変わらず派手で良い。質問もふざけている。そこがまたこのグループらしい。深刻ぶらずに。スタートからいろいろあったが30年、という歳月が凄いな。ミック・ジャガーのようになりながらも歌う桑田佳祐という図式も良かったのですが。

 アミューズには打撃かな。しかし今年一年はまだ活動するのでしょうから、年内は盛り上がる。大きな商売が出来るでしょう。サザンはずっと年越しライブをしてきたと思った。それを最終とするのかどうか。


2008年05月18日(日曜日)

 (07:59)夜家に帰ってきて日経ヴェリタスを見たら、オンライン面ではなく実物の一面トップはオーストラリアでした。

豪州 異次元の強国
資源高の勝ち組、成長18年目に
 この「18年目」というのが凄いですな。それだけ続けば、インフレ圧力も高まるでしょう。労働賃金だって高止まりする筈だし、と。まだ読んでないので、そういうことが書いてあるのではないか、と。

 最近はこの日曜日に届けられる新聞の一面トップの銘柄が月曜日に注目されることが多いらしい。一休とか、その後はソニーもあったかな。まあ何らかの理由があってこの新聞もこうした会社を扱っているのでしょうが、やはり「取り上げられた」ということが翌日の相場を動かす面もあると思う。

 投資家は皆「手掛かり」を求めている。こうした新聞に載ればそれなりきに材料視されることになる。まあ為替はプールが大きいのでどの程度材料になるのか知りませんが。しかしこうした材料を毎回見つけて一つの紙面にしていく、というのはなかなか大変でしょうな。

 毎週締め切りが来る雑誌もそうですが、編集長とかは出来たらやりたくない、と私など思ってしまう。やりがいはあるでしょうが。


2008年05月17日(土曜日)

 (07:59)新しいエッセイがアップされました。URLはhttp://premium.nikkeibp.co.jp/em/column/itou/22/index.shtmlとなります。

 今回のエッセイは、各国の環境度を指数化したエール、コロンビア両大学の研究所のランキングの中で、主に中国とインドのランキングが持つ意味を考えました。


2008年05月16日(金曜日)

 (13:59)本を二冊紹介します。一つはとっても美味しい、折に触れて中をめくってみたい本、もう一冊は読むのに少し難渋するが、最近のホリエモン・村上事件に繋がる日本の検察の「市場」を巡る考え方の変遷を、日米構造摩擦に絡めた私の友人の力作。

西さんが書いた日本の味の本  まずは、「日本のおかず」という顔がほころぶ本を。出たことを知って楽しみにしていて、買ったのは今週の水曜日でした。新宿の上海家庭料理の店「上海小吃」(この店も面白い)で「NHKBS1の地球特派員」の育ての親である佐藤さんのお疲れ様会の直前。ハハハ、皆に見せびらかしてしまった。

 最初からあまり知らない単語や物が出てきますよ。「鯖節」「血合い」「八方だし」など。西さんの写真がそのままなのが良い。「味を迎えに行く」は良い言葉です。日本料理には季節がある。春野菜はもう終わりです。

「和え物」
「煮物」
「焼き物・揚げ物」
「鍋物・汁物」
「ご飯物」
「甘味」

 の順に、それぞれ数多くのお料理(おかずというにはもったいない立派な物)が数多く並んでいる。見ているだけで楽しい。最初から特に食べてみたいというものを挙げていくと

「まぐろのからし酢味噌和え」
「赤貝とわけぎの酢味噌和え」
「たくあんの田舎煮」
「牛肉ごぼう」
「なまり節と焼き豆腐の煮物」
「高野豆腐の旨煮」
「鶏レバーの生姜煮」
「牛肉のかりかり焼き」
「やりいかとそら豆の揚げ物」
「とこぶしのかりんとう揚げ」
「たらちり鍋」
「水菜鍋」
「鯛にゅーめん」
「しがらき餅」

 とたくさんになってしまった。ははは、今まであまり食べてないものにやはり目がいく。美味しい本です。いつも部屋のどこかに置いておきたい。美味しい食べ物があっさり書かれているのがまた良い。
 ――――――――――
友人・村山君が書いた2冊目の本  もう一冊は対照的に重い。しかし、面白い。久しぶりに445ページもの大部の本を読んでいます。この本は著者謹呈で送ってもらった。今週水曜日に一緒に食事をしたのでサインまでもらっちゃいました。ハハハ。著者の村山治君は大学の親しい友人です。

 本の題名は、「市場 検察」文藝春秋の担当者に「グローバライゼーションと検察の関係を整理しては」と勧められたのがこの本を書くきっかけと本人が書いている通り、発想はそこにある。普段はあまり考えないポイントだが、検察も日本経済の中で世界の検察の姿と自らを照らし、また日本経済の形を変えていくグローバライゼーションの中で、何をターゲットに何を目的にという思いはあったのでしょう。そして検察そのものも変容を迫られた、ということです。

 日米構造協議を経て「日本的慣行」とまで言われた談合との検察との取り組みから始まって、最近のホリエモン・村上問題までの市場不正との取り組みまで。壮大なドラマを見せられている印象までする。生き生きした展開である。

 読み始めて最初に思ったのは、「ようこれだけ資料を残しておいたな」ということ。聞いたら、全部φ(..)メモメモを残してあるとのこと。膨大なデータベースだと言える。まあ長年の取材が実った本とも言える。

 この本が最後に取り上げている「検察が国民の審査を受けているのかどうかは」面白い着眼点だと思う。アメリカは検察官の地位は非常に政治的なポジションで、国民の目が常に行き届いているのである。彼は「(アメリカは)制度・運用ともに民主的なチェックが十分働いている」と書いている。

 一方日本はどうか。任官するとずっと検察一筋である。国民が検察官を選ぶことは出来ない。にもかかわらず日本の検察が首相まで捕まえてきた実績の残してきたことから、「国民から絶対的な信頼」を集めてきた、という経緯がある。

 しかし確かに「時代は変わった」。最近収監される元検察官がいたが、国民の検察に対する目も厳しくなったし、それはある意味で当然だ。「国民のチェックの利かない権力装置は胡散臭い」から、日本の検察システムが今のままで良いかというと、違うのだろう。検察が取り上げた案件は非常に大きな関心が集まる。しかし検察が見送った案件は、実際には日本国民の大きな関心を呼んでも良い問題でも、闇から闇に消えてしまう。

 いろいろな問題を考えさせられる良い本だと思う。一読をお勧めします。


2008年05月15日(木曜日)

 (23:59)ミャンマーでサイクロンにより4万3318人、中国の四川省の地震では「恐らくは50000人は超える」(中国政府)という死者。つまり合計10万人ほどの方が亡くなった、または亡くなりつつあることになる。

 二つの災害とも非常に大きな自然災害です。発生そのものは人間が防げた可能性は少ない。しかしその後の救助体制も含めて「人災」の側面はかなりあるのだと思う。両方の政府とも、「他の国々の支援オファー」を最初物資に限り、その後限定的に受け入れを表明した。

 確か日本も神戸の大地震の時に、外の支援も最初は断っていたと覚えている。それはボランティアの場合もそうで、無秩序に入ってこられたら逆に二次災害が起きるかもしれないし、入ってきた人には食料とシェルターを与えねばならない、など大きな問題が起きる。最初は食料とシェルターを自己調達できる自国の軍隊がまず活躍することになる。

 そういう意味で起きたらすぐに入るというのは、海外からの支援員にしろボランティアにしろなかなか難しいのでしょう。日本海側の地震の際にも、「ボランティアには少し待って」というケースがあったと思う。

 ミャンマーと中国両方とも、しばらくたって海外からの一部の国の人員受け入れを表明した。ミャンマーにはタイト中国から人が入るらしい。中国はまず日本の専門家の受け入れを表明し、その後は台湾からの人を受け入れるらしい。

 ミャンマーは明らかに数日後の選挙をなんとしてもやって、「結果的に92%が賛成」という国民投票をすませたかった、外の目に触れさせたくなかったという政治的思惑があって、「国民の命よりも政権の都合」が前に出た印象が強い。中国の場合は、「大国だから人を含めて自分で出来る」「海外の目に国内の不満をさらせたくなかった」という側面があると思われる。

 しかし特に中国の場合は、現地の人々のいらいらが政権批判に容易に繋がるのを見て、また人民解放軍の救済能力の限界を見て、海外からの救援隊が「sniffer dogs, fiber optic probes and other technology to locate survivors」(ウォール・ストリート・ジャーナル)を持ち込むのを認めた、という経緯のようだ。中国にもあるんでしょうが、足りないんでしょうね。

 地震の際の生死の分かれ目という「72時間」をほとのどまたいでの決定。日本の救援隊が北京に着いたのはその72時間が過ぎた15日の夜。これはどう考えても遅い。二日目くらいに入れていたら、日本の救援支援隊も大きな活躍が出来たのかもしれない。地震国である日本には、その種のノウハウを発揮する機材と人材が揃っていたと思われる。

 中国では、「杜撰な建築の責任者を極刑にせよ」とのネットの書き込みが増えているという。また一方で、地震を理由にした振り込み詐欺が横行しているという。杜撰建築については、学校、病院が倒壊して、役所だけは残っていると中国の現地の人たちが怒っている絵が届いている。

 中国の地震では、異常に「生き埋め」が多い。土砂崩れもあるのでしょうが、圧倒的に建物の倒壊の影響が強いと思われる。地震の威力も強力だったのでしょうが、倒れ方がいかにも芯のない、チープな建物のそれを想起させる。私も中国に何回も行っているので、「多分そうだろうな」と思う。

 人災の部分がどれだけあったのか、など誰にも分からない。最後は現場の人々がその印象を持って語ることになるのでしょう。だからまだ判断するには時期尚早だと思う。しかし、ミャンマーでも中国でも政府のメンツ、都合が先に出てしまったのは残念である。


2008年05月14日(水曜日)

 (17:59)成都、重慶、そしてジャイプール。ここ3〜4年で行ったことのある中国やインドの都市が大変なことになっている。中国はむろん地震で、ブンセンという震源地には行ったことがないが、近くの成都には2日間くらい居た。そしてインドのジャイプール。ピンクシティの異名がある。街が本当にピンクなんですよ。まあピンクと言っても曇っているが。2004年の正月に行った。こちらは恐らくテロ。

 中国からの地震報道の映像を見ると、無惨にも建物が倒壊している。役所はしっかりしているのに学校は数多くやられているといった報道も多い。実際に中国に何回も行っている身としては、大都市の大きな建物を主に訪問しているので、「あれが本当に崩れるかな」という気がするのですが、確かに田舎に行くと煉瓦と土、薄いコンクリートで出来ているような建物はいっぱいあった。

 見た目にはしっかりしていても、手抜き工事もあったのでしょう。中国ではつい昨年だと思ったが、大きな橋が落ちた。今回はそういう類の建物が集中的に倒れ、それが集中的に撮影されて世界に配信されているという状況でしょう。

 どこの地震でもそうですが、被害の出方は正に格差問題なんですな。しっかりした家に住んでいる人は比較的助かる。それに対して貧しい、貧しい構造の家に住んでいる人は簡単に崩れ落ちる家の下敷きになる、ということが起きる。中国では、「おから(豆腐殻)工事」という呼び方があるそうだ。かすかすの工事ということでしょう。

 それはあるかもしれない。批判が政府に向けば、結構大事になる。北京は上海では「遠い世界の話」くらいに思っている人もいるようだが、一方でネット界では、「こんな時に呑気に聖火リレーなどしている場合か」といった意見もあるようだ。

 急成長は良いことだが、あちこちに格差を残し、急ごしらえのビルが増えるし、そもそも中国の家は脆弱です。北京のプートンなどもそう見える。特に田舎は脆弱な家が多い。私が見たインドの田舎の家は多くは粗末なのですが、重要なのは上に重そうなものが何も乗っていない。多分気温が暖かいからです。しかしヒマラヤの北にある中国はそうはいかない。

 中国の今後、経済にどういう影響があるのかはまだ分かりませんね。この地震を契機に中国には同情が集まるかもしれない。国際的にはです。しかしそれでチベット問題が進展するわけではない。

 一つ言えるのは中国にとって華々しいオリンピック開催の年、輝かしい年になるはずだった2008年が、「受難の年」になったということです。英語で言えば、「year of troubles」というわけです。その一つ一つの「難」が大きい。

 インドのジャイプールで起きたテロは、「犯行声明」が出ていない。インドは複雑な国です。ヒンズー教徒の国ですが、国内には1億人以上のイスラム教徒がいる。国教をイスラム教に置かない国としては、世界最大です。インドの中心の都市ハイデラバードなどに行けば、実に大勢のイスラム教徒を見ることが出来る。大部分のイスラム教徒はおとなしく、ブッシュが「インドのイスラム教徒は模範生」と述べたこともある。

 しかし、独立時に豊かなイスラム教徒がパキスタンに逃げた後にインドに残ったイスラム教徒は全体的に貧困に苦しむ。ヒンズー教徒の人たちはしばしば「イスラム教徒は汚い」と言う。置かれた環境に反感を持つ一部のインドのイスラム教徒は、次第に過激化しつつあるとの見方もある。

 中国もインドも国は大きい。大きい分だけ、抱える問題も大きく、複雑です。


2008年05月14日(水曜日)

 (05:59)今週はFRBの関係者(理事や地方連銀総裁)が山ほど喋る一週間で、予定を見てもどれに注目して良いのか分からないくらい多いのですが、まあその中ではバーナンキに注目しなければならないでしょう。

 確かバーナンキは今週2回ほど大きな会合に出ると思ったのですが、第一弾がこれです。前半は面白くない。アメリカの流動性付与に関わる一応のことを説明しているだけ。面白くなるのは「Federal Reserve Liquidity Operations」からです。

 今回の危機の中でFRBが何をしたのかについて説明している。「stigma problem」(金融機関が公定歩合での借り入れを恥だと思っていた問題)にどう対処したのか、TAF(Tern Auction Facility)やPrimary Dealer Credit Facility (PDCF)がどう市場の緊張解除に役立ったのかについて、議長自身の口から説明している。

 彼の発言がもっとも核心に触れるのは、以下の部分です。特に赤くしたところは、今朝の日本の新聞の記事にもなるでしょう。

To date, our liquidity measures appear to have contributed to some improvement in financing markets. The existence of the PDCF seems to have bolstered confidence among primary dealers' counterparties (including the clearing banks, which provide the dealers with critical intra-day secured credit). In addition, conditions in the Treasury repo market, which became very strained around mid-March, have improved substantially. Liquidity is better in several other markets as well. For example, spreads on agency mortgage-backed securities have dropped in recent weeks after reaching very high levels in mid-March, as have spreads between conforming fixed-rate mortgage rates and Treasury rates. Spreads on jumbo mortgage loans have retraced a portion of their earlier large increases, but recent regulatory and legislative changes make it difficult to assess the impact of liquidity measures in that segment of the market. Corporate debt spreads have also declined somewhat from recent highs.

These are welcome signs, of course, but at this stage conditions in financial markets are still far from normal. A number of securitization markets remain moribund, risk spreads--although off their recent peaks--generally remain quite elevated, and pressures in short-term funding markets persist. Spreads of term dollar Libor over comparable-maturity overnight index swap rates have receded some from their recent peaks but remain abnormally high.4 Funding pressures have also been evident in the strong participation at recent TAF auctions even after the recent expansions in auction sizes, and, of late, depository institutions have borrowed significant amounts under the primary credit program for terms of up to 90 days.

 つまり、「歓迎すべき兆候はあるが、現時点では金融市場の状況は依然としてとても正常とは言えない」と。まあそうなんでしょうね。強い株式市場の動きを見ていると、また「最悪期は脱した」とする一部の人々の発言にも関わらず、バーナンキは楽観論を戒めた。

 ポールソンを含めて米金融当局が金融機関に促しているのは、自己資本の充実です。しかしこれには時間がかかる。依然として大きな損失が出ている状況で、どのくらい資本を充実すれば十分かも以前手探りです。

 私が興味を持ったのは、最後にある「Liquidity Regulation and Moral Hazard」の部分です。FRBはなりふり構わずベア・スターンズを含めてあれだけ助けた。ベアの救済の理由についてもバーナンキは説明しています。市場の混乱の拡大を恐れたからです。しかし、本来ならベアの置かれた状況は破綻であった方が良かった状況です。

 ベアを助けたのはモラル・ハザードではなかったのか。これは難しい問題です。この問題を最後にバーナンキは扱っている。彼が最後に発している言葉が以下です。

But, if moral hazard is effectively mitigated, and if financial institutions and investors draw appropriate lessons from the recent experience about the need for strong liquidity risk management practices, the frequency and severity of future crises should be significantly reduced.
 しかしこの文章を読んで頂ければ良いのですが、「if」が二つもある。この二つの条件が生きれば、将来の危機の頻度と厳しさは大幅に緩和されるだろう、と。第一の条件はまだしも、二番目の条件はなかなか難しい。「もし金融機関や投資家が、流動性リスク管理に関する強い措置や慣行の必要性に関する最近の経験から適切に学ぶならば」というもの。

 しかし実際には市場を構成する人は交代し、記憶は薄くなり、そして人々はしばしばその時その時の熱狂に踊る。それが人間の社会の定めのように思える。だからバブルは繰り返し起こるのです。

 それを抑える規制やルールの整備は重要です。しかし私はこの条件について言えば、また10年後くらいに昨年夏からの市場のきつい経験が忘れられるという気がする。ということは、モラル・ハザードの問題は別にして、また市場が当局の登場を待たねばならないような状況が生まれるのではないか、と考えている。残念ですが。


2008年05月13日(火曜日)

 (23:59)なんだか知らないが、次々に原稿の締め切りが来るここ数日で、頭を切り換えながらの毎日。今は本に取りかかっていないのでそれほど長い原稿はないのですが、その間にはテレビやラジオ、さらにはポッドキャストでのプレゼンやしゃべりもあるし。

 原稿というのはなかなか面白い。むろん、文章の仕上げというのはあるのですが、実際には書いているときが勝負ではないのです。連載が多いので、前回のを書き終えた段階から「次は何を書こうか」と時々ふと考える。実際にPCに向かっているのか、いないのかに関係なく。書いていない時も、頭の隅っこにずっと残っているのです。その間に材料を仕入れられるかなんですよ。

 そしていざ締め切りが接近した時にその原稿について「(何を書くかの)頭が仕上がっている」状態だと、時間をかけずにすぐに書ける。つまり、日頃何かと「仕入れている」事が重要で、勝負はそれができているかどうかです。書き始めてからはそれほど難渋することはない。まあ道を歩いていてもふと思いつくことを貯めておく、といったことが必要なわけです。思いつきをケイタイからPCに自己メールしたり。

 そういう意味では、何につけ「今までとの違い」に気付くことが重要。久しぶりの奴に会ったら、どこが変わったのかとか、どうして変わったのかと。まあ街でも同じですがね。街は本当にしばらく行ってないと変わる。ビックリするくらい。

 今日の大阪での発見は、地下鉄の長堀橋駅から心斎橋駅、さらにはその先まで地下道、というか商店街が続いていることを発見したことかな。今までは長堀橋で降りると地上にすぐに上がって、御堂筋の方向に歩いて、何本かある南に下る道を歩いて戎橋やその周辺(法善寺横町など)まで行っていた。今日は雨が降っていて嫌だなと思っていたら、クリスタとかいう地下商店街を発見。今までも目にしてはいたんですが、「これは心斎橋まで続いているのではないか」と思って、はじめて歩いたわけです。

 人は流れている。しかし両サイドの店は手持ちぶさたなところが多い。どちらかというと閑古鳥という印象。その後夕飯を食べた矢野君によれば、やはり今は元気がない部類の地下街だというのです。

 名古屋の地下道も分からないが、大阪の地下道も実はどう構成されているのかいまだもって分からない。長堀橋からずっと地下を通って戎橋まで続いている道はあるんでしょうか。難波駅から地下を通って法善寺横町の手前まで移動できることはちょっと前に知ったのですが。

 と思ってネットをちょっと調べたら面白いサイトが。ははは、探せばあるものだ。ついでに調べたらウィキペディアにも載ってました。これだとただ東西に延びる地下街で、難波には地下を通っては歩けないように見える。まあまた試してみます。こんな路線図もありました。

 そうですか、私が今日歩いたところは昔はお堀だったのですか。「長いお堀」だから「長堀 ?」。


2008年05月12日(月曜日)

 (23:59)被害が大きかったと言われる成都も重慶も行ったことのある都市ですから、心配ですね。成都はまとまった、綺麗な都市です。重慶は煙っぽい。成都のおばちゃんを含めた年寄りの方々が、昼から通りで麻雀していたのは鮮明に覚えている。

 日本ほどではないが、インド亜大陸が下から突き上げてヒマラヤを造山したくらい、あの辺は地殻変動があったし、今もあるらしい。神戸の時も被害は直ちには分からなかった。それほど連絡網が寸断されるからです。

 ところで今日は、入間市の郊外に出来た「三井アウトレットパーク入間」に行ってきました。特に大きな予定がなかったので、昼間の数時間を使って。土日は避けていました。もの凄く渋滞する、と聞いたので。

 しかし月曜日の午前中にずらしても、車が数珠つなぎ。高速の圏央道入間ICを出たところから渋滞したのには驚きました。月曜日ですよ。しかし車のナンバーを見ていると、「京都」とか「札幌」ってのもありました。

入間のコーチの店:off のサインが目立った  思っていたほど大きくはなかった。近くにコストコがあるので、それを含めればコンプレックスと言えるのですが、建物を取り囲む駐車場が立体を含めて全部で5つもある。郊外のモールはこうじゃなきゃお客が来てくれないんでしょうね。

 フロアは地上階と二階の2フロア。それが曲がりくねって繋がっていて、ぐるりと回れるようになっている。要するにブランド店の集合体です。よく知られている店は一階に多い。二階は、正直言って私があまり知らない店が多い。三井さんもよくこれだけ探してきたな、という印象。それぞれ業界の人が見たら、「ああ、これがここに」という感じなんでしょう。

 ただしプライスレンジはやはり都心の店に比べるとちょっと控えめにしてある。ハンティング・ワールドにちょっと入ってみましたが、時計は置いていなかった。面白かったのはその近くにあったコーチ。えらく人が入っている。

 中で見たら、ほぼすべての商品に30%から50%、場合によってはもっと値引きを宣伝している。それで大勢の人が入っているのです。ほぼ例外なく、店内のすべての商品がセール状態だった。

 店の人に聞いたのです。そしたら、商品として出て1年くらいがたつもの、そして在庫として多くなってしまったものをこの入間の店では中心的に並べているのだそうです。しかし別に安く売るために安く作っているわけではない、と。

 ということは、ちょっと最新バージョンではないかもしれないが、コーチのバッグが欲しい人は入間に行けば安く買える、ということになる。一回外に出て店を見たら、「Coach factory」となっていました。

 その他の店も見ましたが、コーチともう2〜3店、いずれも有名店以外はまだセール状態には入っていなかった。まあ各店によって入間のモール店の位置づけは違うんでしょう。しかし東京の新しいタウンもそうですが、凄まじい集客力。買い物をしている人も観察しましたが、「まずは見学」組が相当多かった。

 私もその一人で、結局何も買わずに帰ってきました。うーん、これがあったら買おうというものは決めていたのですが、なかった。


2008年05月11日(日曜日)

 (17:15)今日は昼飯はどこで食べるか決めていました。今日が最後の豊玉の田中屋に。朝サイトを調べたら田中屋のサイトから豊玉の店はもう削除されていた。寂しい。まあ事前に消したのでしょう。

明日からは消えてしまう豊玉の田中屋の正面。ケイタイ写真で失礼  「今日は混むぞ」という予感がひしひしとしたので、午前11時過ぎには家を出て同20分くらいには着きました。席はまだ空いていて、直ぐに入れましたが、半になったら店の中に人が並び始めた。

 ははは、従業員の方々の顔にも「今日は忙しいぞ」といった風情が漂っている。実は金曜日には赤坂の田中屋に行って、さんざん「豊玉がなくなるのは寂しい」と嘆いたのです。正直言って、やはり板さんが違いますから、何もかも味が少し違う。かまぼこまで味が違うのですから、こりゃ大変なんですよ。豊玉・田中屋ファンの私としては。

 豊玉の店の従業員については赤坂の店では、「それぞれ銀座、松屋、赤坂の各店に移ります」という話だった。今日豊玉の店で何人かの方と話をしたら、「私は行きません」という方もいた。「私は銀座に行きます」という男性の方もいたな。

 うーん、なぜあの店が好きだったのかという質問を受けますが、好き嫌いは説明がなかなか難しい。味が私にあったと言うこと、店が適度の規模で、いついっても快適だったと言うこと、広い駐車場に囲まれていて、店全体にゆったりしていたことなどかな。何を食べても少し抜け出て美味しかったこと、味が”おいしい”ところで安定していたこと、などでしょうか。

 もうあの店がないというのは寂しい。来週からあそこに行ってもあの店がないというのが寂しい。一番良く行っていた店なのに。また探さないと。
 ――――――――――
 ところで、田中屋に行く前はBSでボストン対ツインズ戦を見ていたのですが、松坂が投げ(六勝目)、岡島がつないで(防御率は0.5くらい)、パペルボン(2回連続の失敗から回復)が締めるという例の勝ち方だったのですが、一つ疑問が湧いた。「岡島は何を祈っているのだろう?」という点。別に宗教心が強い男だとは聞いていない。

 投げ始める前です。じっと帽子の中を見て、かつ最後に胸に手をやっている。こりゃ奥様に聞くしかないな、と思って以下のメールをボストンに打ったのです。岡島夫人の栗原さんとは一緒に番組をやったことがあって、当時の番組スタッフ、ゲストの方々とは今でも時々集まっている。今年も彼女がボストンに帰る前に、古宮さんの音頭で8人くらいで集まりました。

 午後メールを開けたらお返事が。ははは。「こいつ、のろけてんのか......」という感じの返事でした。家族思いは良いことです。

(質問) 質問。
 今もボストン対ツインズを見ているんだけど、
岡島が投げ始めるときに何か祈っているじゃない。
あれ何を祈って願掛けしているの。一回胸に手を当てて
もう一度祈る仕草をするじゃない。
 もし知っていたら教えて。外には出さないから。

(返事) こんにちはー。

帽子みながら、のやつですか?
帽子に私がメッセージ書いてるので、それを見て、
「今日も無事に投げられますように」ってことらしいですよ。
(we'll be always with you, Yuka, Yuki & Yumeって書いてます)
あと、胸のとこは、結婚指輪をネックレスにして下げてるので、
それをユニフォームの上から持って、ってしてるらしいです。

・・・のろけみたいな返事になってしまった(笑)。

あ、あと別に外に出しても大丈夫ですよー。

そういえばブログ始めました>http://ameblo.jp/kurihara-yuka/ 

 うーん「will be」ね。「are」でもいいと思うんだけど「将来も」という強調が存在しているとすれば、なかなか良いフレーズ。「Yuki & Yume」とは、お二人のお子さんです。Yuki君とは一昨年か何かに総勢10人くらいで桜を見る会をやって、その時遊んだ。そりゃもう岡島選手そっくりで、「絶対間違いない」と皆でからかったことを思い出します。

 おやおやブログも登場と。ボストンではなかなか仕事も出来ないでしょうが、大リーグの奥様達が何をしているのか、というのはなかなか面白いテーマだと思う。続けて欲しいですね。


2008年05月10日(土曜日)

 (21:15)季節による車の燃費変化、つまり夏はリッター当たりよく走るが冬になると燃費が落ちる、という件に関しては多くの方から返答をいただきました。その中から匿名希望さん、えもやんさん、岡さんの3人の方のメールを掲載します。ま、これではっきりわかりました。これだけで。やっぱり季節によって燃費は大きく違うということが分かる。

 連休中に訪れた高校時代の友達のお寺、山梨県小淵沢近くの高福寺の写真とともに。このお寺は面白いですよ。鐘が108つある。最後に訪ねたのは10数年前でしたが、境内がかなり整備されて、お花が綺麗でした。友達の水原に立ってもらって

その「1」=Day by Day 毎日楽しみにしております。本日(5/7)のプリウスの燃費と気温の件ですが、バッテリーの気温変化による性能変化と思います。ここにパナソニックのニッケル水素電池特性の資料があります。

 20℃での放電容量を100とすると0℃で85、−20℃で50となっています。 逆に高温下では部品の劣化を早めるとあります。 これから類推すると夏と冬では10〜15%程度の燃費の変化があるのではないでしょうか。モスクワでは厳しそうですね。

その「2」=こんばんは。Ycasterへは、初めてメールします。

 それにしてもプリウスの実力はすごいですね。私の父も乗っていますが、環境にやさしいだけでなく、静かで乗り心地もなかなかのものです。ハイブリッド車自体の価格がもう少しこなれてくれればと思うのですが。

 さて、気温が高いほうが燃費がよい件ですが、バッテリーの充電と放電の効率や自己放電特性が気温によって異なるためではないかと思います。一般に充電池は、充放電効率が温度によって異なりますので、気温が低い冬場はこの効率が下がり、エンジン駆動の割合が多くなるのではないかと推測します。私自身、自動車メカーに勤めているわけではないので、間違っていればご容赦願います。では。

その「3」=時差7時間のブリュッセルにてRound Up World Now, ビジネストレンド、TBSニュース・ズームアップ、マーケットトレンドで伊藤さんのポッドキャストを楽しませていただいています。

 さて、燃費のことですが、我が家でも冬場は若干燃費が悪いです。ちなみに趣味で軽飛行機(自然吸気の単発機)を飛ばしますが、高度が高くなるにつれ空気が薄くなるので同じパワーセッティングでも対地速度が速くなります。泥の中を進むより澄んだ水のほうが抵抗が少ないのと同じ理由です。逆に、同じ標高ですと冬場の空気密度が高い時期のほうが夏場よりも空気が濃いためにエンジンに得られるパワーは高いです(より一層、燃焼するため)。

 これに近いことが車でもおこっているのではないかと想像します。 ちなみに我が家はAudi A2・1.2L Dieselに乗っておりますが、冬場でおおよそリッター26キロ、夏場は28キロくらいです。真夏に500キロを14リッター(35.7km/l)で走ったのがベスト記録です。

 朝の地下鉄で"Hello everybody"を聞いたときはひとりで吹き出しました。確かに地球の反対側でポッドキャストを聞く者としては「こんばんは」だとピンときませんね。 「みなさまごきげんよろしゅう」など、時間帯にとらわれない挨拶などは如何でしょうか。

 今後もポッドキャストとブログで海外からも楽しませていただきます。 それではごきげんよう。

 田舎なEU首都ブリュッセルより。


2008年05月09日(金曜日)

 (13:59)「昨年後半から(世界経済の)潮目変わった」とは、8日に今年3月期と来年3月期の決算、決算予想を発表したトヨタ自動車の渡辺社長の言葉。それは同社の決算にも言えるし、日本経済にも、そして企業にも言える。「潮目が変わった」とは、なかなか良い言葉です。

 実は経済というものは常に「潮目を変えている」のですが、去年から今年にかけての潮目の変化は確かに大きく、激しい。同社の決算も今年3月期は

  1. 売上高 9.8%増(26兆2892億円)
  2. 営業利益1.4%増(2兆2703億円)
  3. 当期利益4.5%増(1兆7178億円)
 といずれも過去最高。驚くのはトヨタが増収・増益を8年以上も続けたという事実。「一人勝ち」とも言われ、今年3月期の決算を見ると同社がGMを抜いて「製造業で世界一」になった。

 しかし来年3月に終わる09年度の決算予想は厳しい、というか同社が厳しく予想した。今年の3月期に比べてです。内容は以下の通りです。

  1. 売上高 4.9%減(25兆0000億円)
  2. 営業利益29.5%減(1兆6000億円)
  3. 当期利益27.2%減(1兆2500億円)
 繰り返しますが、来年3月に終わる年間に対する数字は予想です。現時点で同社は「こう見ている」という。前提があって、例えば為替レートはドルについては1ドル=100円で平均推移するとか。ユーロやポンドをどう見ているのかは新聞に書いてないので知りませんが、とにかく前提がいっぱいある。しかし例えばこれが年間の平均が1ドル=105円になったら、1ドル当たり400億円程度違うらしいので、「2000億円の増益要因」となる。予約の取り方次第ですが。

 下の売り上げ、利益などの絶対値を見ると、一つの企業が出す数字としては依然として驚くほど大きい。しかし上と比べると確かに「潮目は変わった」と言える。

 「潮目の変化」は、その他のいろいろな分野に出ている。今朝見ていて非常に面白かった数字は、「この日本で普通車、軽自動車の別なく台数ベースで見てどの車が売れているのか」の統計です。普通は別々に発表されるのでなかなか比べられない。普通車を扱う日本自動車販売協会連合会と、軽を扱う全国軽自動車協会連合会が8日発表した4月分です。備忘の為に残しておきます。

  1. ワゴンR(スズキ)=15,480★(台数)
  2. フィット(ホンダ)=14,854
  3. タント(ダイハツ)=13,691★
  4. ムーヴ(ダイハツ)=12,260★
  5. カローラ(トヨタ)=10,577
  6. クラウン(トヨタ)=10,256
  7. ヴィッツ(トヨタ)= 9,103
  8. パレット(スズキ)= 8,177★
  9. ライフ(ホンダ)= 6,462★
  10. ミラ(ダイハツ)= 6,292★
 どの会社が頑張っているのかすぐに分かる。★が軽自動車です。頑張っているのはスズキとダイハツです。以前はあまり注目されなかったメーカー。しかし今は明らかにポイント地点にいる。特にスズキはインドではそうです。

 トヨタのクラウンは新車効果が大きいと見られる。しかし、「あれっ」と思うのは、日産の車が一つも入っていないこと。うーん、やっぱり一つくらい入れないと。

 ガソリン価格は相当高い状態が続くのでしょう。トヨタを含めて、世界戦略を練る各社としては数がはける「小型車」をどうするかを考えないといかんということでしょう。


2008年05月08日(木曜日)

 (23:59)いくつかの番組をやっていて良いと思うことは、その日その日のテーマについては従来の知識に加えて、やはり新しい知識を仕込まないといけない、それを半ば強制的に自分に課さねばならないという点にある。まあ勉強するわけです。資料も結構読む。

 来週月曜日にリリースされる「 日経ビズポッドキャスト」で取り上げる「マイクロソフトのヤフー買収からの撤退」を巡っては、いくつかの知識が増えて嬉しかったですね。知っていることだけを喋っているのでは面白くない。

 グーグルがからみでMSが脅威に感じているサービスとして、「SaaS」(Software as a Service)が大きな存在としてあることは、既にこの問題を番組で取り上げているので十分知っていました。しかしそれに加えて「PaaS」があり、加えて「クラウドコンピューティング」の存在があるということで、今回その言葉も覚えました。

 「PaaS」は、「Platform as a Service」の略です。従来の「SaaS」というモデルは、一つのアプリケーションを複数の企業や個人で共同利用するが、最近は様々なアプリケーション・ソフトをユーザー自身が組み合わせて利用することも出来るようになっているという。これを「PaaS」というらしい。確かに基盤ですからね。

 加えてクラウドコンピューティングとは、こうした「SaaS」や「PaaS」を機動的に利用できる分散型のデータセンターを提供する概念だという。常に新語を作り出すITの世界の話は尽きない。

 あと正直言いますが、始めてグーグルアップス(Google Apps)のサイトをまじまじと見ました。もし良いのがあればダウンしようかな、と。

 これも含めて結構面白い話が出来たと思うので、月曜日は是非ダウンロードしてお聞き頂ければ幸甚です。


2008年05月08日(木曜日)

 (13:59)うーん、だから私はなんといっても食事をする場所としてはカウンターが好きなんですよ。このことは、「カウンターから日本が見える」でも繰り返し書きました。私たちが食べる場所から遠く離れているキッチンでは、実は何が行われているか分かりはしないのです。お店の人たちの倫理観次第で。

 何の話かというと、船場吉兆の「使い回し」の話です。もちろん、これだけ倫理がゆるんだお店も珍しいでしょう。しかし私の感覚だと、同じようなことをしているお店は、日本には少なからずあると思う。「もったいない」という気持ちは分かる。しかしやっぱりやってはいけないのです。カウンターだと「それは出来ない」という前提が最初からある。客の目が前にあるわけだから。

 先代の湯木さんは天国で泣いているでしょうね。大正の末期、大阪西区新町に「まるでウナギの寝床」のような細長い店としてスタートした鯛茶屋さんが吉兆のスタートです。確か従姉妹の奥さんと湯木さんで店を大きくしていった。湯木さんは料理の天才だったから、次々と良いお客さんがついて、それで店が大きくなっていった。お客さんあっての拡大です。

 しかしどうなんでしょう。大阪でよく伺う吉兆の流れを汲む板前さんなどとも良く話しているのですが、「料理屋は一代きり。暖簾を分けたらろくなことにならない」、ということです。私もそう思う。寿司屋でもなんでも、チェーン店で良い店なんて例がない。料理の腕は一代で終わりです。あれは感性ですから。それを何十人も板前さんを抱えて良いはずがない。一店しかない店が美味しい。

 それにしても、船場以外の吉兆の方々は本当に頭を抱えているのでしょう。きちんとした商売をしているところもあると聞くのに。行ったこともないし、全く行く気もしないが、船場吉兆は出直すしか方法はないんじゃないでしょうか。

 今回の日中共同声明では、「4」の(2)が一番重要だと思うな。まあ認めざるを得なかったということでしょうが。これを認めれば、当然日中関係は未来志向にしようという話になるし、良い悪いの問題は別にして日本の安保理入りの問題にも道筋が見えてくる。

 まああとの問題ははっきり言って、オリンピックを前にお友達が欲しい胡錦涛さんと、支持率上昇が欲しい福田さんが、事前に練られたショーを展開した、ということでしょう。隣の国だからなるべく仲良くなった方が良い。しかしお隣だからこそ問題は常に起きる。

 しかも重要なのは、向こうは世界がとっくに捨てた共産党の一党独裁という実に問題の多い政治システムを依然として取っていると言うことです。仲良くしようにも齟齬は山ほどある。だからいろいろなことに目をつむって「戦略的互恵関係」が必要になるのです。

 「戦略的」という言葉は、良く考えると分かるのですが、戦略的にならなければお互いがあまり好きになれない、ということです。実際に日中間には国民感情の行き違いがいっぱいある。それは政治システムがもたらした面が強い。

 それにしても、あの短い声明にタイトルのそれを入れて私がちょっと数えただけで5回も「戦略的互恵関係」と出てきたのには驚きました。一番実質的に進展があったらしい東シナ海の油田開発に関しては、今朝の読売新聞などが「白樺(春暁)」に関してではないか、という記事を流している。東シナ海が「結局駄目でした」となれば、日中首脳会談はオリンピックを控えたショーに成り下がってしまう。

 まあ両方の政府は曖昧なことを言っていても、実態は動いているのです。日本の中国からの食品輸入は直近月で30%以上落ちたと報じられている。中国は対日輸出を復活させるためにもギョウザの問題を片づける必要がある。片づいたからといって、日本人の中国産食品に対する信頼感が戻るとは思っていませんが、まずそれが前提です。

 日本国内でも船場吉兆のような問題があるし。困ったモノです。


2008年05月07日(水曜日)

 (10:59)MLBのサイトに行って松井に一票入れたついでに、他の選手を選んでみたり、となかなかやることが多い。PHPから頼まれた環境と日本企業に関する8000字の原稿は、書き始めた昨夜のうちにほぼ完了。締め切りはちょっと先なので、数字や事実関係を精査します。

 ところで、昨日書いたプリウスの燃費の話に関して、川村さんという方から以下のようなメールをいただきました。非常に興味深い。「なぜか」が分かる方がいらっしたら、メールをいただければ幸甚です。

 伊藤さんのday by day を10年程前から愛読させて頂いています。勿論著書も。

 プリウスの燃費が昨年暮れには20キロを下回っていたのにこのところはずっと20キロを上回っているとのことですが、私も同じ経験をしています。これはどうも気温が原因のようです。私はプリウスの3年目なのですが、毎年冬場は燃費が落ちて暖かくなると上がります。クーラーをつけていても20キロほどです。クーラー無しで郊外を安定走行すると25キロから28キロになります。温度がどう作用するのかは確かめていませんが ご参考までにメールしました。

 なるほどね。燃費にも季節があるのですね。そうしたらモスクワでプリウスを走らせたら、燃費が日本で測るより悪い。素人考えだと、気温が低いと発するエネルギーを余分に取らねばならないので、燃費が悪くなるんでしょうね。エアコンを止めて夏安定走行するとリッター25キロから28キロになるというのも凄い話です。


2008年05月06日(火曜日)

 (14:59)ナイジェリアの油井爆破を材料に原油相場がバレル120ドルになったと聞いたので、「あれ?」と思って我が家のハイブリッド車の走行記録を見たら、リッター当たり20.2キロ走っていました

 これは直近の走行キロ550キロ弱での記録です。主に都内を走っていますが、連休中に山梨県を抜けて長野県まで行ったりしていますから、登りあり下りありの平均値。総走行距離は1万2000キロ位ですから、今の段階でリッター20キロ走るというのは、今後もそんな感じだと言うことです。

 買ったばっかりはそうじゃなかったな。もっと低かった。しばらくたっても、去年の12月17日の自分が書いた文章を見ると、「流れに乗った運転をして200キロ余を走りきったら、平均燃費はリッター当たり16.7キロと出た。上りだから比較的プリウスにしたら少ない。さて帰り。同じく200キロ余ですが、平均いくらだったと思いますか。19.8キロ。」と書いている。「流れに乗った....」と書いたのは中央高速の登坂、つまり諏訪行きです。

 しかし、親戚の車屋さんから「もっと行くよ....」と言われていた。「へえ、そうなんだ」と思っていたら、なんでしょうかね、ちょっとしたコツというか運転の仕方というか徐々にリッター当たりのキロ数が上がってきて、最近はずっとリッター20キロを上回っている。

 まあ考えたら急発進、急加速はあまりしなくなったな。それに急ブレーキはしないようにしている。スピードも必要なときには出しますが、そうでないときはクルーズを使ったりして比較的安定走行。となると、成績が上がってくると分かりました。

 最近はガソリンはリッター160円。もっと上がるでしょう。それでリッター7キロくらいしか走らない車はきついんじゃないでしょうか。リッター20キロ走ったら御上々じゃないでしょうか。

 といっても、ウィークデーは乗る機会もないんですがね。


2008年05月04日(日曜日)

 (8:59)大阪から帰ってきたら講談社から契約書が来ていて、韓国での「日本力」の出版が正式に決まったようです。契約日から5年の契約期間。

 韓国の出版社は「AMOONHAKSA」というらしい。漢字では「語文社」と。全く知りません。まあ講談社が相手にしている会社ですから大丈夫でしょうが。「言語/販売地域」のところを見ると、「韓国語/韓国」とある。うーん、韓国語ね。では北朝鮮の言葉はどうなるんだろう。「韓国」と記されている限りは、北朝鮮では販売されない?

 最初に印刷する部数は3000部らしい。日本では1万2000部最初に刷りましたから、そんなところでしょうか。著作権使用料も決まっていて、1万部までは6%、それ以上は7%とある。まあ翻訳家さんへのお金とかありますからね。前払い金というのもあるのですが、まあ雀の涙ですは。

 自分が書いた本が日本以外でも売られるというのは、それはそれで結構なことだと思います。また違った反応もあるでしょう。サムスンの韓国経済に占める地位は、私がこの本を最初に書いたときより大分落ちてきている。そんなこんなもあり、韓国の人がどう読んでくれるか楽しみ。日本と同じで、韓国でも本の売り上げは落ちているんでしょうか。

 そう言えば姜さんから、韓国の新聞への寄稿も頼まれている。それもやらなければいけないのですが、「今の日本をどう見ているか」という題目らしい。まあ「日本力」とのからみで書いてみようと思っています。

 うーん、韓国は4000万人の市場。台湾からさらに中国という大きな市場で売れる本という発想も面白いかも。でも出版社が動いてくれないと。まだ中国とはそういうルートも出来ていないんでしょうか。

 「スピードの経済」は韓国でも出版されましたが、「アメリカで出版したら」と言ってくれる人も結構いた。まあしかし、その時はアメリカがネット社会の先頭を走っていましたから。ちょっと躊躇しましたし、出版社の方に話も来なかったな。ハハハ。

 「日本力」の韓国語本の筆者、つまり私への献本は5冊らしい。5冊全部もっていてもしかたがないな。どうしよう。


2008年05月03日(土曜日)

 (07:59)ニューヨークのマーケットのリカバー力は凄まじいですな。ダウの引け値は13058ドルでしたっけ。木曜日に13000ドルに乗せたと思ったら、また続伸してきた。金曜日の引け値は年初来高値。今年これまでの下げ分をほとんど消した。今年の安値からの反発幅は11%以上。

 私の記憶だとニューヨーク・ダウの史上最高値は14000ドル台の下の方だと思った。つまりニューヨークの株はあと1000ドルちょっとでダウで見て史上最高値を更新できるところまで来たと言うことだ。

 金曜日に発表された米雇用統計(4月分)は、非農業部門就業者数で見て2万人の減少だった。これで減少は4ヶ月連続となった。しかし過去3ヶ月に比べて減少幅は小さいし、大方のエコノミストの予想(8万5000減という予想もあった)よりも少なかった。この点が市場では好感された。しかしこういう見方もある。ニューヨーク・タイムズから

Still, as Mr. Zandi and other economists noted, beneath the headline number in the Labor Department report are clear signs of widening distress for millions of American workers as the economy slows.

Companies are cutting working hours, even as many avoid layoffs. Those working part time because of slack business or out of failure to find full-time work swelled from to 5.2 million in April from 4.9 million in March. In percentage terms, employees working part time involuntarily climbed to the highest level since 1995.

The average weekly pay for rank-and-file workers ? about 80 percent of the American work force ? fell $3.55 in April, to $602.56 in inflation-adjusted terms. This figure has been generally falling since the end of 2006. Gains in pay have been canceled out by the soaring costs of food and energy.

 失業率も下がった(5.0%に)が、中身は良くないという見方だ。しかし市場はとにかく株の買いを急いでいる。ドルも買われている。ニューヨークの引けは105円台の半ばに近い。ドルは対ユーロでも高い。一時1ユーロ=1.6ドル前後だったのが、ニューヨークの引けは1.54ドル台である。この結果、債券も売られて利回りは上昇。

 出てきた見方は、アメリカが景気後退になるにしても、それは浅く、短い期間のものになるだろう、とも見方。shallow and short というわけだ。住宅価格の下落の幅などを見れば、そういくかなという気がするが、とにかく市場はそう見ているし、実際に資金を集めて株は上げ、ドルも反発している。

 この「乖離」がどちらの修正でマージの方向に向かうのかは長い目で見れば「両方」という見方が出来るが、当面はマージではなくより一層の乖離で進む可能性もある。その時の投資家の立ち位置はなかなか難しい。


2008年05月01日(木曜日)

 (03:59)30日に終わった米FOMCは現地時間の午後2時過ぎに、市場の大方の予想通りFF金利の誘導目標を0.25%引き下げて2.0%とするとの決定を下した。ただしこの引き下げ決定には二人の理事が反対を表明した。Richard W. Fisher and Charles I. Plosser。この二人は据え置きを主張。前者はダラス連銀総裁、後者はフィラデルフィア連銀総裁。

 この二人は前回のFOMC(3月18日、0.75%の引き下げを決定)の時に、「利下げ幅をもっと小幅にすべきだ」と主張し、0.75%の下げに反対票を投じていた。その二人が今回は「利下げをすべきでない」と主張したことになる。私の記憶では、2FOMC連続して二人が反対投票をしたのは過去にないのではないかと思う。それほど、意見が割れておかしくないアメリカの金融情勢になっている、ということだ。

 決定そのものは予想通りでしたが、ポイントは決定後の声明で何を言うかでしたが、その声明の全文をまず掲載すると、こうです。

For immediate release

The Federal Open Market Committee decided today to lower its target for the federal funds rate 25 basis points to 2 percent.

Recent information indicates that economic activity remains weak. Household and business spending has been subdued and labor markets have softened further. Financial markets remain under considerable stress, and tight credit conditions and the deepening housing contraction are likely to weigh on economic growth over the next few quarters.

Although readings on core inflation have improved somewhat, energy and other commodity prices have increased, and some indicators of inflation expectations have risen in recent months. The Committee expects inflation to moderate in coming quarters, reflecting a projected leveling-out of energy and other commodity prices and an easing of pressures on resource utilization. Still, uncertainty about the inflation outlook remains high. It will be necessary to continue to monitor inflation developments carefully.

The substantial easing of monetary policy to date, combined with ongoing measures to foster market liquidity, should help to promote moderate growth over time and to mitigate risks to economic activity. The Committee will continue to monitor economic and financial developments and will act as needed to promote sustainable economic growth and price stability.

Voting for the FOMC monetary policy action were: Ben S. Bernanke, Chairman; Timothy F. Geithner, Vice Chairman; Donald L. Kohn; Randall S. Kroszner; Frederic S. Mishkin; Sandra Pianalto; Gary H. Stern; and Kevin M. Warsh. Voting against were Richard W. Fisher and Charles I. Plosser, who preferred no change in the target for the federal funds rate at this meeting.

In a related action, the Board of Governors unanimously approved a 25-basis-point decrease in the discount rate to 2-1/4 percent. In taking this action, the Board approved the requests submitted by the Boards of Directors of the Federal Reserve Banks of New York, Cleveland, Atlanta, and San Francisco.

 この全文を読んでまず筆者が感じたことは、「景況感もインフレ観もあまりFRBは変えていない」ということです。3月18日の声明と読み比べても、使っている単語は少し変わった部分もあるが、全体のトーンは同じだと筆者には感じられる。景気は引き続き弱く、インフレは懸念しているし注意深く監視するが、今後数四半期のうちには穏やかなものになる。それはエネルギー価格とその他の商品価格が頭打ち(leveling-out)するからだ。

 しかし同じような景況感、インフレ観でも前回利下げ幅の0.75%ポイントを0.25%ポイントと三分の一の幅にした。それは、絶対的な金利水準がゼロに近づいたと言うことがあるのでしょう。そういう意味では、景況感、インフレ観は変わらなくても、引き下げ水準を抑えたし、今後は変わりうる(据え置き方向へ)ということでしょう。

 FOMCの声明発表を受けたウォール・ストリート・ジャーナルの最初の記事の見出しは「Fed Cuts Rate, Signals Pause Ahead」となっている。この「signals pause ahead」がどの部分を指すかと具体的に問われれば、「the substantial easing of monetary policy to date」でしょう。もう大幅にやった、と。しかも、これで2連続して二人もの反対票が出たということ、絶対レベルが2%という低いFF金利水準になったということを勘案すれば、「これからは様子を見るかもしれない」という同紙の見方も出来る。

 市場も「この声明は何も目新しいことを言っていない」と判断したのか、発表前とあまり変わっていない。ドルは104円の半ばだし、対ユーロでは1.56ドル前後。ニューヨークの株は発表前からダウで120ドル前後上げていたが、発表後もその程度。引けがどうなるかは知りませんが。まだ一時間以上ありますから。

 しかし遠くに来たものです。アメリカの政策金利。昨年の9月には5.25%でしたからね。それから7ヶ月で7回利下げした。こんなことは、アメリカの金融市場の歴史の中でも例がない、と思う。まあ批判はあったが、バーナンキのFRBは「一仕事終えた」と思う一方で、最近の預金準備に金利を付けるなどという動きを見ると、市場の先行きに警戒感を残しているな、とも思う。

 一方、30日の朝方発表になった米第一・四半期のGDP統計は、大方のエコノミストの予想通り0.6%のプラス成長になった。住宅不況や消費の低迷に悩みながらも、ドル安に支えられた輸出の伸び、それに恐らく意図せざるであろう在庫の積み増しが、かろうじて米経済をプラス成長にしたという展開か。

 この在庫の積み増し分は、次の、つまり現四半期にとってはマイナス要因で、「第二・四半期はマイナス成長になる」と見るエコノミストもいる。しかし一方では今週から国民一人当たり600ドル相当の戻し税が国民の懐に入っており、それがどのような使われ方をするかがポイントになるだろう。これが消費に回れば、一時的にも米GDPの7割を占める消費は第一・四半期以上に伸びることになり、まだGDP全体がプラスになる可能性も残されている。

 第一・四半期を見ると、全商品の在庫が18億ドル増加して、これがGDPを0.81%ポイント引き上げた形となっている。ということは、これがなかったらGDPはマイナスだったことになる。全商品の在庫は昨年第四・四半期に183億ドルの減少、その前の四半期に306億ドルの増加だった。

 では消費はどうだったのか。第四・四半期は2.3%の伸びだったが、第一・四半期はわずかに1.0%の伸びにとどまった。この1.0%の伸びというのは、2001年の第二・四半期(1.0%の伸び)以来の低いプラスだという。住宅価格が下がり、差し押さえも倍増し、かつ雇用の先行きに不安となれば、いくら消費大国と言っても仕方のない数字か。設備投資は2.5%の減少。



ALL RIGHTS ARE RESERVED.Copyright(c)1996〜2016 伊藤 洋一