2009年04月30日(木曜日)

 (05:15)米第一・四半期のGDPが予想(平均でマイナス4.7%前後)を上回る6,1%の減少(前期比年率)になったと発表された29日、FOMCは以下の声明を発表した。  目立つのは下線を引いた部分で、「(景気縮小のペースが)幾分鈍化」とか「(個人消費の)安定化の兆し」「(先行き見通しは)3月のFOMC時よりは若干改善」などの表現が出てきていることと、「for a time」という表現が二箇所で使われていることでしょうか。「for a time」を辞書で引くと、「一時は、当分」とあり、「for some time」よりは短いタイムスパンを指すと思われる。

 「for a time」は、「弱い経済活動の継続時間」と「インフレが最適レベルを下回る状態」について使われている。つまり、それらは「一時的な現象であって、間もなく解消する」というFOMCの判断が分かる。

 ということは、全体として今回のFOMC声明は、先週末のG7財務大臣・中央銀行総裁会議の「some signs of stabilization are emerging」という判断路線に乗った声明だと言える。バーナンキも出席していたでしょうから。全文は以下の通り。

For immediate release

 Information received since the Federal Open Market Committee met in March indicates that the economy has continued to contract, though the pace of contraction appears to be somewhat slower. Household spending has shown signs of stabilizing but remains constrained by ongoing job losses, lower housing wealth, and tight credit. Weak sales prospects and difficulties in obtaining credit have led businesses to cut back on inventories, fixed investment, and staffing. Although the economic outlook has improved modestly since the March meeting, partly reflecting some easing of financial market conditions, economic activity is likely to remain weak for a time. Nonetheless, the Committee continues to anticipate that policy actions to stabilize financial markets and institutions, fiscal and monetary stimulus, and market forces will contribute to a gradual resumption of sustainable economic growth in a context of price stability.

 In light of increasing economic slack here and abroad, the Committee expects that inflation will remain subdued. Moreover, the Committee sees some risk that inflation could persist for a time below rates that best foster economic growth and price stability in the longer term.

 In these circumstances, the Federal Reserve will employ all available tools to promote economic recovery and to preserve price stability. The Committee will maintain the target range for the federal funds rate at 0 to 1/4 percent and anticipates that economic conditions are likely to warrant exceptionally low levels of the federal funds rate for an extended period. As previously announced, to provide support to mortgage lending and housing markets and to improve overall conditions in private credit markets, the Federal Reserve will purchase a total of up to $1.25 trillion of agency mortgage-backed securities and up to $200 billion of agency debt by the end of the year. In addition, the Federal Reserve will buy up to $300 billion of Treasury securities by autumn. The Committee will continue to evaluate the timing and overall amounts of its purchases of securities in light of the evolving economic outlook and conditions in financial markets. The Federal Reserve is facilitating the extension of credit to households and businesses and supporting the functioning of financial markets through a range of liquidity programs. The Committee will continue to carefully monitor the size and composition of the Federal Reserve's balance sheet in light of financial and economic developments.

 Voting for the FOMC monetary policy action were: Ben S. Bernanke, Chairman; William C. Dudley, Vice Chairman; Elizabeth A. Duke; Charles L. Evans; Donald L. Kohn; Jeffrey M. Lacker; Dennis P. Lockhart; Daniel K. Tarullo; Kevin M. Warsh; and Janet L. Yellen.

 FOMC声明より早い時間に発表された米GDP統計の最大の特徴は、GDPの約7割を占める個人消費が2.2%も増加したこと。また改訂されるのでしょうが、これはちょっと驚き。前期のマイナス4.3%から一気にプラスに転じた。言えることは、このプラス転は昨年10―12月期の米個人消費が金融危機の直後で急ブレーキがかかったことの反動が出て、消費者がお金を使ったことが考えられる。値段も下がりましたから。

 この消費増はGDPを1.5ポイント押し上げた。自動車などの耐久消費財、日用品、サービスがいずれも減少が止まった。では何が不調だったのか。まず企業の設備投資が過去最大の下落幅である同37.9%減となった。輸出も同30.0%減と40年ぶりの低水準に落ち込んだほか、住宅投資も同38%減と29年ぶりの大きな下落幅を記録した。

 ただし6.1%という第一・四半期のGDP縮小幅は、前期(6.3%)より小さくなった。うーん、繰り返すようだがFOMC声明で「for a time」という表現は、FOMCの声明では余りお目に掛かったことがないような気がするな。非常に単純な単語の組合せ句なんですがね。


2009年04月29日(水曜日)

 (20:15)今週も関西への移動は新幹線だったのですが、「ど」が付くほど空いていましたよ。連休が既に始まっているところもあるというのに。どの車両も。その一方で、大阪も京都も非常に道路が混んでいた。京都のタクシー運転手さんが言うのです、「(5月の本格的な)連休が怖い」と。道路が動かなくなる。他府県の車が多い。

 どうみてもこれは、高速道路の通行運賃を週末や休みの日にはどこまで行っても1000円にする、という新しい措置の影響でしょう。その裏返しにETCはどこでも品切れ状態で、4輪車に対する補助はもう打ち切りと言うことになりそう、という。

 京都の運転手さんが、「家の息子は5月初めに九州まで行くと行ってましたよ」と。そりゃそうだ、どこまで遠出をしても1000円で高速道路を走れるのなら、行きたい人達は一杯いるに違いない。運転手さんも、四国に高速道路で行ったみたいと。

 一つ言えるのは、5月の連休では「予定を立てよう」と思ったら、列車の方がいいかもしれない。車は相当混むでしょうね。まあ5月の連休中はそりゃなんでも列車も少しは混むかも知れないが、少なくとも時間が読める。豚インフルがどうなるかにもよるが。

 帰りに京都に立ち寄ったのは「京都御所」の特別公開が今日までだったため。ちょっと寄ってみたのです。初めてだったし。

 紫宸殿を始めとし、清涼殿、小御所、御学問所、御常御殿などを比較的早足で。御常御殿は読んで字のごとく天皇陛下が東京に移られる前に日々を過ごしていた御殿ですが、どちらかというと質素という印象がしました。御常御殿の前にある御内池が豊かな緑と水で綺麗だった。また機会があれば是非行きたい。

 あれれ、メキシコ以外でも初めての死者ですか。「なぜメキシコだけ」というのが大きな謎だったですが、この死者がどのくらい、どの地域で広がるかが大きな不安要因になってきた。ヨーロッパでもドイツでもリスクのある人が見つかったようだ。

 ところで、火曜日のアンカーでは当然ながら豚インフルの話題が中心だったのですが、加藤さんという専門の方がスタジオに来てくださっていろいろ話を聞いたのですが、彼が話した中で記憶に残った言葉は以下の四つでした。

  1. ウイルス量
  2. super spreader
  3. 貧富の格差
  4. アクセス
 当時はまだメキシコでしか死者が出ていませんでしたから、メキシコでなぜ死者が出て、その他の国では軽微な症例しか出ていないのかという問題に関して加藤さんが使ったのが「もしかしたらウイルス量」という言葉でした。つまりメキシコのインフルエンザ・ウイルスの量が、圧倒的に他の国の症例より多い可能性がある、ということ。「ウイルス量」ね。まあそういうことはあるかも知れない。

 次の「super spreader」は確か以前聞いたことがある。SARSの時です。「spread」は「広める」「拡大させる」という意味ですから、「super spreader」は「超感染拡大者」ということで、ことさらウイルスをばらまく人がいるようで、その人を「super spreader」という。SARSの時は中国から来たお医者さんでしたっけ、香港のホテルに宿泊して彼一人でSARSをたくさんの人に感染させたという。

 super spreaderとは、エレベーターに乗り合わせただけ、廊下をすれ違っただけ他人にウイルスを感染させる力があるそうで、しかしでは誰がsuper spreaderかは分からないという。ネットで調べたら、「10人以上への感染拡大の感染源となった患者がスーパー・スプレッダーと定義されている」と書いてある。もっとも、ウイルスへの感染力が異常に弱い人もいるそうだ。この場合はそうありたい。

 貧富の格差はアクセスとも関連する。アクセスとは医療機関へのアクセスです。隣が病院だって、お金が無ければ有料の普通の病院には行けない。アクセスは遠い。メキシコの場合は貧富の差が非常に多きだけに、「(感染者の)アクセスの問題」(地理的条件を含めて)はアメリカやカナダなどに比べて非常に大きいと思われる。

 WHOが「途上国が問題」と言っているのは、このことを言っているのでしょう。そういう意味では、今のところメキシコ以外の感染者が主に先進国かそれに近い国、途上国を脱した国に多いのはラッキーかも知れない。

 まあアメリカでも死者が出ちゃいましたが。テキサス州に住んでいた生後1才11ヶ月の幼児だという。


2009年04月28日(火曜日)

 (08:15)予想されたとおり「ヒトからヒトに感染」のフェーズ4ですか。今までの鳥インフルにはなかった段階で、WHOとしても今まで宣告したことのないレベルだそうだ。

 ということは、メキシコ発の豚インフルがかなり警戒すべき状況になった、ということです。レベルとしての次は「集団感染」のフェーズ5、「世界大流行=パンデミック」のフェーズ6。フェーズ3「豚や鳥からヒトに感染」からの引き上げ。

 しかし患者は世界に拡大はしているが、明らかに豚インフルで出た死者はメキシコで20人強だけ。他の国では感染者は確認されているのに、死者は出ていない。なぜ ? メキシコでの全体の死者として報道されているのはもう150人に接近している。

 WHOとしても、迷ったでしょうね。死者がメキシコでしか出ていない。メキシコ特有なのか...と。今朝の東京新聞などには、メキシコでは死者が隠されているという疑惑も出てきているそうだ。感染者の数ではアメリカが一番多いが、それでも死者はいない。死者の数だけで言うならば、毎年のインフルエンザでの死者の方が世界ではよほど多い。

 一連の報道や専門家の話を聞いていて覚えた単語は、reassortant(遺伝子再集合体)でしょうか。今回の豚インフルは、H1N1亜型のウイルスだそうですが、これはもともと豚に結構昔から流行していたものの一部がヒトに伝播したもののようだ。ただし、現在豚に流行しているウイルスがそのままというわけではなく、アメリカの豚のウイルスとヨーロッパの豚のウイルスのreassortant(遺伝子再集合体)だというのです。

 ウイルスも集合・離散を繰り返しているということか。一部を入れ替えたり、豚に行き、そしてまた人間に戻ってきたり。しかし何と言っても「ヒト→ヒト」は新しい動き。一つはっきりしているのは、今の豚インフルは「新型」ではなく今ヒトに流行している「ソ連型と同じ亜型」だということらしい。

 ある伝染病に詳しい医師が2003年に世界を不安に陥れたSARS(新型肺炎)について、「日本や韓国で広まらなかったのは、おしぼりが普及していたことが大きかったのではないかと思っている」と何かに書いていたのを思い出す。

 「へえ」と思ったのですが、考えてみれば綺麗なおしぼりを使うというのは、手を洗っているのと同じ。日本のレストランでは寿司屋、和食屋さんを含めて2回も3回もおしぼりが出てくる。しかも熱した。ウイルスは75度で死滅するという。

 とすると、「日本人は食事中だけでも2度も三度も手を洗う」と言うに等しい。清潔なこと請け合いです。まあ加えて全体的な清潔な国、清潔な生活態度を保ち、マスクを多用し、健康な身体を保てば、広がっても対処可能なインフルエンザの一種という認識でよいのではないでしょうか。

 むろん、それも今後の展開次第で、一つの大きなポイントはメキシコ以外で死者が出るかどうか、ということか。


2009年04月27日(月曜日)

 (12:15)決められたときのヤンキースのジラルディ監督の顔が悲しそうでした。悔しい負け方を二日連続味わって、監督として「今日は....」と意気込んだであろう試合で、なんとペティットがエルスベリーにホームスチールを決められてしまった。

 局面はこうです。確か二死満塁。どういうプロセスでそうなったかというと、二死1(エルスベリー)、2塁(バリテック)でオルティーズがレフトに二塁打を打った。バリテックはホームインして、3塁エルスベリー、2塁オルティーズに。

 マウンドには左のペティットが初回から。良く投げていたのです。ちょっと四球が多かったのだが。そこで4番のユーキリスが打席に。当然ヤンキースは彼を歩かせた。5番のドリューが当たっていなかったので。

 何球目かは忘れましたが、カメラが追い切らないうちに、画面の右から走者(エルスベリー)が走ってきて、セーフ。ははは、確かこの目で今起こっていることとしてホームスチールを見たのは初めてだな。

 ビデオをNHKBSは何回もやったのですが、見るとペティットは3塁ランナーを全く見ていないばかりか、セットポジションもしていない。二死満塁だから良い球を投げれば良いとしか考えていなかったのでしょう。確かワインドで投げていた。

 むろんエルスベリーはサインなしで走ったと思える。まあオルティーズですから、2塁走者が動くことはないでしょうが。しかしもともと足の速いエルスベリーはずっと見ていたのでしょう。ペティットがセットポジションを取らずに目線も送ってこないことを。

 いや際どかったですよ。またペティットの投げた球が高い球だった。ポサダのタッチに時間もかかる。フェンウェイ球場はスタンディング・オベーションですよ。そりゃ。めったにあることではない。その中でドリューがまた二塁打をうった。当たっていなかった。

 まあ試合はまだ続いていますが、「ザルのようなチーム」というのが目原君のチーム評ですが、そうですね。ヤンキースの選手は、ヤンキースの選手であることが最終目標のようになっている。プレーもザルになる、というわけです。気持ちの問題は大きい。

 監督もこのチームを立て直すのは容易ではない、と思いました。その裏返しで、ボストンファンにはこたえられない試合だったでしょう。そう言えば日本のプロ野球の試合ではホームスチールはほとんど見ない。皆注意深いから ?


2009年04月26日(日曜日)

 (18:15)「高病原性鳥インフルエンザ」を世界中で心配していたら、実際のリスクとしてまず登場してきたのは「豚インフルエンザ」ということで、これは世界経済にとっての一つの脅威になる可能性があると思います。人の動きを止め、経済活動の不活発を招く危険性がある。今後の展開次第ですが。

 今日の午後のニュースによると、ニュージーランドでもメキシコに行った高校生の中から豚インフルエンザに似た症状をもった生徒が出たそうだ。読売のこの記事によれば、4月13日にメキシコの当局は「最初の症例」を見つけていたそうで、自分のところでは検査できずに、それをカナダに持ち込んだそうだ。

 ということは、それから2週間は何の措置も取られずに人の出入りがメキシコの首都を中心に行われていたと言うことだ。まあこれは危険と呼ぶには十分な期間でしょう。日本や日本人にもそのリスクはある。

 ただし致死率は国によってかなり違う。メキシコでは近く100人に達しようとの死者が出ているが、アメリカでは罹患しても症状は軽い、という。まあこれは少し冷静に見ないと、我々としてどういう行動を取るべきかは分からない面がある。

 ところで、この週末には興味深いメールを2通ほど頂きました。ニュースの本質を抉るメールなどなど。まず一通は江口さんから。

 先日来、地デジ大使にまつわる話題でマスコミは大騒ぎしてますが・・・。

 私はこのことには関心がないですがペルーが日本の地デジ方式をブラジルについで二番目に採用したことの方が関心があります。

 日本方式の普及は関連機器も踏まえてさらなる需要を呼び起こすことができるのは確実で政府も積極的に売り込んで欲しいですね。

 現在3方式がある中、日本は国際展開的に大きくおくれてますよね。同様なことが新幹線にも言えると思います。台湾で採用はされましたが各国の仕様に合わせたフレキシブルさやそのスピードでの優位性に加えて政府の売り込みも積極的なフランス。

 景気が後退すると「内需に展開しなかったからだ」といいますが私は少子高齢化著しい日本の生きる道は積極的な市場の開拓にあると思います。

 優秀な製品も国際展開しなければ伊藤さんのおっしゃるように「ガラパゴス化」してしまいますよね。

 まあ彼があれほどニュースになったのは、人気者だったからしょうがない面がある。しかし最初から、「彼でなかったら、ただの酔っぱらいの愚行」という見方はあったし、私もスタンバイでは、世の傾向が批判一方だったから、「それほどでは」という意見だった。

 江口さんが提起している問題は重要です。最近やっと日本政府も動き出したようですが。もうひと方、オーシャン・ブリッジの高山 知朗 (たかやま のりあき)さんから。なにやら金曜日のオラクルのビッグなコンファランスで私の講演をお聞きになったそうです。

 こんにちは。数年前、メールでご連絡させていただいたオーシャンブリッジの高山と申します。「長野県出身(伊那北)、早稲田政経出身のITベンチャー経営者」とご連絡させていただいたのですが、覚えておいででしょうか?

 実は先日のOracle OpenWorldで、伊藤さんの講演を聴講させていただきました。非常におもしろかったので、私のブログに書かせていただきました。講演内容についても少し書いていますので、問題等ございましたらご連絡いただければと思っています。

http://www.oceanbridge.jp/taka/archives/2009/04/post_406.html

 普段のビジネスでは、長野県出身の方と接する機会が少なく、寂しく思っているんですが(IT業界には長野県出身が少ない?)、伊藤さんのご活躍はいつも(勝手ながら)後輩として頼もしく思って拝見しています。

 彼のブログを覗かせてもらいました。twitter というのが面白そうだったので、ちょっと調べたらこんなサイトがあって、ちょっと興味を持ちました。自分でやるかどうかは別にして。

 それにしても、私の講演を実に効率的に捕まえている人が居るものですな。講演で使ったこのサイトは講演の1時間前くらいに、「そうだ作ろう」と思って作ったのですが、URLを言うのを忘れていましたが、見つけられる人には見つけられる、ということ。

 twitter ね。ちょっと考えよう。ところで高山さんが小生の出身大学の出身学部の後輩だったら、最近こういう会が出来たようです。この会は小生の知り合いの佐久間さんなどがやっているもの。興味があったら、入ったらいいのではないでしょうか。


2009年04月26日(日曜日)

 (11:15)そうそう、そう言えば今日の「世の中進歩堂」は、人工知能ロボットを扱います。

 番組では「好奇心や痛みを持つ」、「人間のように学習する」という優れた機能を持つ人工知能ロボットが登場します。これは、 筑波大学の人工知能研究室が研究を進めているもの。好奇心や、痛みの感覚をもった、より人間に近い人工知能ロボットを作ろうと研究の中で行なわれているものです。

 興味深いのは、この研究は本来ロボットにはない感覚という機能を持たせることで、ロボットに自ら学習させ、少しずつ賢いロボットにしていこうというもの。この人工知能ロボットにより、人間の感覚機能、身体機能、コミュニケーション機能などを支援することが目的である。


2009年04月26日(日曜日)

 (09:15)久しぶりに野球でもと思ってBSをつけたところですが、今日は松井君は出ているのだろうか。昨日のサヨナラ負けのヤンキース対レッドソックス、今季初対決では一度も出番がなかったようですが。

 それにしてもMLBに行っている日本の選手の数は多い。番組も大変ですな。これで黒田や松坂が戻ってくれば、各選手の活躍度を報道するだけで、相当な時間がたってしまう。もっとも日本テレビのように、MLBは一切報道しない、というか映像を使わないと決めてしまえば、それはそれで良いのでしょうが。まあでも寂しいでしょう。

 野球と言えば昨日の巨人ー中日も面白かった。亀井はWBCに行っていたのに最近は出場してこないなと思っていたら、最後に出てきて、逆転サヨナラ3ランと派手なことをした。一番コメントが知りたかった落合監督が、「岩瀬で負けたらしょうがない。うちはそういうチームを作ってきたのだから」は潔いが、岩瀬には重荷かなと思いました。結局に昨日の岩瀬は一死も取れていませんから。

 クローザー受難の一日だったようで、上原の勝ちもなくなったし、ヤンキースのリベラもユーキリスだったか、他の選手だったかにやられていた。そう言えば豊田もやられていたし。最後を抑えるというのは大変でしょう。

 あれ、放送の前にMLBのネットを見たら、もう試合は8回の裏まで進んでいて、ボストン13対ヤンキース11。凄い試合ですな。松井を見ると7番DHで入っているようで、今のところ5打数2安打。打率は0.261。まあ少しずつ良くなってきている。ああ、見ている間に16対11になった。こりゃまた負けですな。NHKの大リーグ中継は、MLBファンの誰にとっても不満なものになりつつある。あまりにも中継がばらけてきてしまったので。

 それにしても、今朝の新聞だと女子のフジサンケイは最終組が9ホールを終えた段階でサスペンドになったそうな。そんな時に、富士山の麓でワンラウンドしたがった連中がいたなんて今考えてもびっくりですな。

 もっとも私もそのメンバーだったのですが、「行くだけ行って...」と思ったのが失敗。行かなければ良かったのですが、私は帰ってくるつもりだった。しかし、こういうときは大体強硬派が勝利を収める。回りましたが、スルーで回してくれてなんとか。それにしても午後の雨は酷かった。中央高速を返ってきたのですが、前がよく見えない程。

 それと比べて、今日の天気の良さは......。ちょっと入れ替えて欲しかった。


2009年04月24日(金曜日)

 (23:15)Oracle Open World Tokyoという大きなイベントの最終日に、特別講演と鼎談をしました。講演が45分、その後の鼎談が35分くらいでしょうか。ちょっと残念なのは、ライトの関係で聞いている方々のお顔が見られなかったことでしょうか。

 鼎談は日本オラクルの遠藤社長、日経の関口さんと。関口さんとはこうしたIT関係の大きな会合で時々お会いする。日経のIT関係を代表する記者さんですから。最初は「何も資料はいらない」ということで用意していなかったのですが、あった方がいいだろうと思い直して1時間前くらいにちょこっとHTMLで文章を書いてレジメ的なモノを作ってポイントを指摘しながら。

 というのは私が講演の中で問題点を指摘して、それを鼎談のトークポイントにするという流れになっているのを発見したので、それを明示した方が良いのではないかと思ったからです。急いで作ったのでリンクなどを十分に張れなかったのですが。

 実はその二つが終わった後で、オラクルさんの社内報のために遠藤さんと今度は対談しました。これも面白かったな。遠藤さんは11ヶ月前に日本IBMから転職されたばかりと言うことで、その話も出てきた。

 こういう会合に行って楽しみなのは、自分のIT知識、問題意識が現場の方々と齟齬していないかどうかを確かめられる、ということです。ITは好きだが、常に一線に私がいることはないし、やはり私のIT知識はユーザーのそれで提供サイドのそれではない。だから、時々知識の摺り合わせが必要なのです。そういう意味でも面白かった。

 ところで、鳩山総務相は24日の閣議後会見で、公然わいせつ容疑で逮捕された草なぎ(弓へんに剪)剛容疑者を「最低の人間としか思えない」とした発言について、「取り消しを言明した」という。当然でしょう。

 まあ「彼はどうしちゃったんでしょうね。CM的にもうちは大被害」程度の発言だったら大人げがあったと思うのですが「最低の人間」とは穏やかではない。「地デジ(地上デジタル放送)に影響があることを強く懸念してはらわたが煮えくりかえり、言ってはいけないことを言った」と弁明したが、残念ながら一回口から出た言葉はなかなか消えない。

 政治家の発する言葉は、一つ一つが重いはずで、かなり軽率な発言だったような気がする。


2009年04月23日(木曜日)

 (23:15)ちょっと驚いたニュースが。私のようなヘビーユーザーには俄には信じられないのですが、NHKが22日に発表した数字によると、「NHKオンデマンド」の利用者数が3月末までの4ヶ月間で1万4000人にとどまったと。

 もう少し詳しく見ると、以下のようになると言う。

PC向けサービスで、無料の会員登録を行った人数は、3月31日時点で4万3436人。このうち、月額1470円で指定番組を視聴できる「見逃し番組 見放題パック」の契約者数は8805人だった。また、コンテンツが単品またはパック購入された件数は3万9893件。なお、4月20日時点の登録会員数は4万9151人だという。 (BBWATCHから)
 NHKは「知名度が低い」ということを理由に挙げているようですが、そう言えばちょっと宣伝不足かも。あとユーザーからすると、見られる番組の基準がちょっと揺れている印象もする。これは著作権の問題もあるのでしょうが。しかしもうちょっと多いと思っていた。目標は8万だったそうだ。

 驚いたと言えば、「韓国のファンがっかり」という反響ニュースが素早く来たことでしょうか。直接ニュースのあとにあまり遅れずに流れた。まあこの人の特有なことだったのでしょう。木曜日の昼過ぎに警視庁の前を通りかかったら、凄い取材陣でした。彼はいったいどうしたんでしょうか。「地デジの宣伝はどうするんだろう」が真っ先に頭に浮かびましたが。結局暫く中止らしい。

 ところで、ちょっと面白い文章をニューヨーク・タイムズに見付けました。

As Housing Market Dips, More in U.S. Are Staying Put

Fewer Americans moved in 2008 than in any year since 1962, according to census data released Wednesday, and immigration from overseas was the lowest in more than a decade.

The Census Bureau reported that the annual rate at which people moved dipped last year to 11.9 percent, compared with 13.2 percent in 2007 and a recent high of 20.2 percent in 1984-85. It was the lowest rate since the bureau began measuring mobility six decades ago.

The declines appeared to be directly related to the housing slump and the recession.

“It represents a perfect storm halting migration at all levels, since it involves deterrents in local housing-related moves and longer distance employment-related moves,” said William H. Frey, a demographer with the Brookings Institution.

Moves from one state to another plunged the most, to half the rate recorded at the beginning of the decade. There were fewer total moves than in any year since 1949-50, when returning veterans and others streamed to the suburbs and the nation’s population was about half of what it is today.

 景気が悪くなるとモノのそうだが、それよりも何よりも「人」が動かなくなる、ということでしょう。日本もそうなんでしょうな。


2009年04月22日(水曜日)

 (10:15)前回紹介させて頂いたときにはまだ表紙写真がアップされていなかった「グローバル資本主義の未来」ですが、いよいよ正式発売日を25日に控えてサイトも整ってきたようです。

「グローバル資本主義の未来」  本の写真は通常は「帯なし」が普通ですが、この本は参加者を明示することが重要だと思いますので、NHK出版から送ってもらったjpeg写真をNHK出版のサイトにリンクした状態でアップしておきます。サイトの写真もそのうち変わると思います。25日までは「先行予約」で25日からは「発売中」となります。

 この本には私としても思い入れがあります。去年の10月中旬と11月中旬に2回アメリカに出張したのは「地球特派員」の番組2本(一本は年始特集)を撮るためですが、この本はそこでの取材を中心に、ヨーロッパを含めて私がずっと危機の根元と今後を探る中で対象としてきた事柄。

 昨日も書きましたが、「良い兆候が出てきた」と言ったオバマ大統領が、直ぐその後に「危機は容易には去らない」と言ったりと、複雑な状況を呈している。危機が急激に起こったからと言って、その後の回復ばV字になることはありえない。日本でさえも10年かかった。

 まあこれから、「なぜあんなことが起きたのか」「二度と起こさないためにはどうすれば良いのか」という議論は続くのでしょう。後者はバブルが繰り返される現実を見れば、「また起きるだろうな」と思う一方で、「ちょっと先になってくれれば良い」とも思う。

 なかなか良い本に仕上がっていると思いますので、「23日くらいからは本屋には並ぶ」ということなので、手にとって頂ければ幸甚です。


2009年04月21日(火曜日)

 (23:15)和歌山県で98年に起きた毒物カレー事件の最高裁裁判では結局のところ、「動機の解明」ができないままの判決。殺人事件は「動機犯罪」と呼ばれて、動機の解明や立証に時間をかけてくるのが普通だったが、今回はこれがなし。被害者の近所の方々も「なぜ」が残ったままだ。

 「動機なき殺人」が増えているともいわれているなかで、その手の殺人事件に対する最高裁を含めた裁判所の立場が示された形。動機の解明は必ずしも必要ではないというのが明らかになった最高裁の立場だが、実際にそれはその通りかも知れないとも思う。犯人も認識できないケースがあるからだ。

 しかしそれでもその人がやったという証拠は必要だが、今回は直接証拠がないので、「状況証拠を積み上げ」て、それらが「合理的な疑いを差し挟む余地のない程度に証明されている」と判断した。まあこの辺は、裁判員制度になって自分が裁判に参加するときはかなり難しい判断になるのだと思う。

 週明け月曜日のニューヨーク株式市場の株価大幅反落(300ドル近い)は、急に景気へのスタンスを変えたオバマ政権に対する市場の不信感の表れでしょうね。先週まで「明るい兆し」(オバマ大統領など)と言っていたのを、この週末になって同大統領、サマーズ補佐官などが「いやいや先は長い」、「銀行のストレステストで悪い銀行があっても市場はそれを受け入れてくれるだろう」というような発言に変わった。

 むろん彼等のトーク全体をチェックするならそれぞれの発言はそれほど変わっていないと思う。だから火曜日のニューヨークの株式市場は反発して始まっている。一つ言えることは、景気に対する見方は今後とも揺れると言うことです。一直線で行くことはない。良い方を強調するのも、悪い方をいいつらうのも間違いです。

 ところで、今見たウォール・ストリート・ジャーナルには、珍しく日本の政局が左上の一番最初のニュースに。見出しは「Surprise in Japan: Aso Gains Support」で文章は以下のようになっている。

Two months ago, Aso was so unpopular that members of his own ruling party urged him to step down to avoid defeat in this year's election. But new opinion polls show Japan's leader is mounting a surprising comeback.
   海外でも自民党の復活は話題になり始めた。まあ民主党も機敏にやるべきことをしないと、そういうトレンドが固まってしまうかもしれませんね。


2009年04月20日(月曜日)

 (22:15)「日経CNBC」が使う日経スタジオが皇居端の日経新聞の新社屋の20階に完成、今日スタジオ開きのセレモニーがあったので呼ばれて行ってきました。

 まあ見間違うほど綺麗になりました。今までは狭かったのですが。テレビ東京の知り合いに会ったので、「お宅より綺麗になりましたね」と言ったら、「それはもう全然....」とちょっと複雑な顔。

 新スタジオは実際には5月7日から稼働するそうで、景色は抜群ですね。有楽町から歩ける日比谷交差点(かな)にある朝日生命ビルの一番上も良いのですが、日経の新社屋は皇居を右手に見ながら東京タワーを正面に見られる構造になっている。ちょっと皇居が見えすぎかな、と思えるほど。多分日比谷通りの車の流れが綺麗です。昼もですが、夜はもっと。

 日経CNBCは「日本の情報を世界に英語で」ということで、この24日から新番組を立ち上げるようで、「JAPAN REPORT」というのがその名前。そのメンバーの中に懐かしい方も。旧姓は笛田さん。記者さんだったが今は研究員。少しお話ししました。

 「ザ・経済闘論」というのはいままでもあった番組ですが、加えて「ザ・政治闘論」という番組を立ち上げるようです。通常は月一回。しかし緊急時には随時。元フジテレビアナウンサーの政井マヤさんがメーンのMCをなさると。彼女も来ていました。私の第一回の出番は、スタジオ稼働の5月7日です。ははは、楽しみですな。

 まあ私はいつも言っているのですが、テレビが散漫なメディアになっているなかで日経CNBCのようにターゲットを絞っている局はいずれ視聴率が上がってくること確実です。いやもう上がってきていると聞いていますが。「そこに行くとあれとあれの情報がある」というのは重要なことで、この局には新スタジオで一層羽ばたいて欲しいと思っているのです。

 今朝の新聞では、太陽電池を扱った「量産競争 スピードが命」の日経記事の中で、「シャープ 2位から4位へ」がちょっと驚きですね。シャープは去年でしたっけ、Qセルズ(シェア8.2%)に追い抜かれたばかりで今は2位だと思っていましたが、どうやらアメリカのファーストソーラー(同7.3%)とサンテック・パワー(中国 7.2%)が入って、シャープのシェアは6.8%で4位。

 その後はモーテック(台湾 5.5%)、京セラ(4.2%)となっている。Qセルズ自体が会社設立が2001年ですからね。ドイツ政府がとった育成策が大きい。あと最近の好調は、「原材料調達がたくみだった」ということ。具体的にはシリコンです。サンテックもよく頑張っている。まあ順位ばかりを問題にするのではないが、日本のお家芸だった太陽光発電装置の面でも、世界は急速に日本に追い付いてきて、抜いてもいる。

 最後に。小林君が面白い情報を送ってくれたので、それを。

商社で社食、運動会が復活 社員のつながり重視

 三菱商事が社員食堂を復活させるほか、他の大手商社でも社内の運動会を再開するなど、「社員のつながりを重視する」(大手商社)取り組みが始まっている。社内の相談相手を増やして、仕事に生かしてもらうことなどが狙い。

 大手で唯一、社員食堂がなかった三菱商事は22日、6年ぶりに社員食堂を再開。社内の運動会は、住友商事が07年6月に、伊藤忠商事は08年11月、三菱商事も今年3月に復活させた。

 商社マンの中には「休みの日まで会社に縛られたくない」という人もいるが、運動会を主催する伊藤忠の労働組合は「部署を超えた人材交流に力を入れるべきだ」としている。

 実はもう2年ほど前になるのですが、あるIT企業の若手と話をしていたら、「社員の間から社員旅行をやりたいという声が多く出てくる」と聞いたことがある。それと同じ流れでしょう。「もう古い」と言われたものが「また新しく」なる。和田秀樹的な世界がここにもある。

 「分化」の時代からインテグレーションに。企業のパワーはセクションの力がいかに総合的にインテグレーションするかでしょう。技術でもそう。だから縦割りの役所は今のままだと時代に取り残される。


2009年04月19日(日曜日)

 (07:15)実は新潮新書の中では「がんをどう考えるか」が結構面白くて読んでいたのです。時間を見付けては。しかし「人生の軌道修正」を読み始めたらもっと面白くて、抱腹絶倒となって一気に先に読み終えてしまいました。

 精神科医として有名な和田秀樹さんが、多分書き起こしたと言うよりは話起こした本なんでしょうな。脱線ありありの本なのですが、それがまた面白い。常識に挑戦し、時にはそれを挑発し、自分の置かれた境遇に愚痴を言い、変節を奨励し、反対論を唱えながらも「それもいつも正しいとは言えない」と混ぜっ返してみせる。間違いなく、最近読んだ本の中では一番面白かった。

 ははは、いろいろな人が登場しますよ。山本モナも、藤原正彦も、榊原英資(敬称略)も。あそうそう、彼にとってのライバルなんですかね。茂木健一郎も。「自分はもうテレビのレギュラーから全て外された」という文脈の中で、

 少なくともコンピューター業界では、ハードの会社は過当競争にさらされて、IBMすらパソコン部門を中国に売るご時世になりました。それに対してソフトの会社は、マイクロソフトにしてもグーグルにしても大繁盛で、いまやハードよりソフトの方が市場価値が高いことはあきらかです。それなのに、なぜ日本では、いつまでたっても脳科学ブームで、心理学ブームが来ないのか.......(141ページ)
 には笑いました。まあマイクロソフトもグーグルも世は変転、一時の勢いはないのですがね。「茂木健一郎は脳のハードを扱うの脳科学者」だという前提で。そう言えば、彼はテレビのレギュラーを数限りなくこなしている。

 でもこの本は面白いですよ。是非全ての世の中の階層の方に読んで欲しいと。げらげら笑えますよ。引用したいことは一杯ありますが、まあ皆さんお読み下さい。うーん、一つだけ紹介しておきますね。誰かが「ひらめき脳」という本を書いたのを意識したのか、「ひらめきより知識を」(158ページ)には、「どうすれば頭が良くなるか」という問題設定の中では四つがポイントだと主張する。

  1. きちんと知識を詰め込むこと
  2. 詰め込んだら引き出すこと
  3. 疑いを持つこと
  4. 理系の発想を持つこと
 ははは、その繋がりで「詰め込み教育」は絶対必要と言った後で、早稲田にしろ慶応にしろ日本の有名私立には「幼稚園レベルからエスカレーター式に大学まで上がれるシステムがある」が、これは「世界に例がない」と批判。

 うーん、私の一緒に働いた人間の中にも「エスカレーター組」が結構居ましたが、しばしばその基本的知識の欠如には驚愕しましたから、親は楽かも知れないが「知識の詰め込み時期」が無かった子供は不幸になるな、と私も思う。その点では和田先生には賛成。本を読んでいると、和田さんが相当な知識マニアで世の中の動きに関心を持っていることが分かる。当然ですが。ああ、この本は面白かった。

 新潮新書では、「がんをどう考えるか」の次ぎに読もうと思っている本は、「天皇はなぜ生き残ったか」です。興味があるし、興味深い問題意識だと思う。


2009年04月18日(土曜日)

 (23:15)ネットを見ていたら、ついに「太陽光発電ケイタイ」が発売されるという。なかなか面白い発想です。電源のないところでも、太陽光さえあれば使い続けられる、という優れ物。

 それによると、「太陽に10分→通話1分」というのが目安らしい。製品名は「ソーラーケータイ」といい、今年夏にKDDI(au)から発売される見通しという。

 このケイタイは防水機能も備えていて、太陽光で動くという点においては世界初だという。「キャンプやスポーツなどの野外活動のほか、充電用の電源が得られない災害時などでも威力を発揮しそう」と記事には書いてある。

 メーカーはシャープで、仕組みは電話本体の表側にある小型太陽電池パネルで充電する。太陽光を直接10分間当てると、待ち受けなら約2時間、通話なら約1分間分の充電ができる。むろん従来通りの家庭用電源での充電も可能で、価格は4万〜6万円程度となる見込みとも。

 うーん私としては、もうあるのかも知れませんが、太陽光発電PCなんてのもいいなと思います。電池が切れて困るのは、私の身の回りにあるものとしては、ケイタイとPC。太陽光に晒して1時間充電すればまた2時間使える、てな調子のPCが出たら買うかも知れない。


2009年04月17日(金曜日)

 (15:15)NHKの担当の方からの連絡によると、いよいよ25日に私も2章(アメリカ、ヨーロッパ)を担当したグローバル資本主義の未来が出るようです。「地球特派員」というNHKBS1の今年の年始特別番組をベースにした本で、自分の書いた部分は知っていますが、他の人がどんなことを書いているのか楽しみ。私もまだ読んでないので。

 今回の危機は、リーマンで始まったようにしばしば言われますが、制度の問題、歴史の問題、その時その時の政治の動き、社会力学、それに影響を与えるマスコミ報道、金融機関の報酬体型などいろいろな問題の上に立つ。実に複雑系です。その辺がどう解き明かされるのか。結構面白い本になっているという感触があります。

 今日の日経新聞の5面の下に比較的大きく宣伝が出ているのですが、「ビジネスVOICE講座」というので、一応編集長という名前で取り纏めをすることになりました。いろいろ方に登場して頂いて、今の読みにくい時代を解説して頂けたらと思っています。

 サイトを見て頂ければ結構ですが、単品売りもダウンロード版もあります。5月20日には私の講演会も予定しております。お楽しみに。


2009年04月16日(木曜日)

 (20:15)経済統計の見方が難しい時期に入ってきました。アメリカの消費者物価は対前月でも対前年同月でもマイナスになって俄然「デフレ懸念」が生じておかしくない状況になったが、下がっているのは主にエネルギーや食品など変動の激しい品目。だからデフレ懸念はまだ小さい。しかし対前年同月比では1955年以来とか聞くと、改めてその統計の意味と考えたくなる。

 中国の1−3月期のGDPも微妙な統計です。プラス6.1%。しかしこれは予想より低く、中国政府が堅持を意図している8%を大きく下回っている。中国では消費者物価も低下している。3月は1.2%の低下。二ヶ月連続のマイナスで6年強ぶり。悪いのだが、今日の日経の夕刊ではないが「さらなる景気減速には歯止めが掛かる兆し」がある。中国の景気の上向きの兆し、胎動については、ここに文章をアップしてあります。

 全体的には世界経済に関わる統計は悪いですよ。例えば今日の夕刊を見ると、「パソコン世界出荷7.1%減少」というのもある。しかし統計はあくまで過去の数字です。問題は今どうなっていて、この先どうなるか。それは感じて洞察するしかない。

 それにしても、日本の値下げ合戦も凄まじい。今ネットを見たら、『日本マクドナルドは、午後5時から閉店までの間に「バリューセット」と単品のバーガー類を一緒に注文すると、店頭で現金100円を渡すサービスを16日から全国で始めた』とある。200円台弁当といい、競争は熾烈を極める形になっている。

 まあはっきりしない景気とは別に、文句なく素晴らしいし運にも恵まれているのはイチローでしょう。復帰最初の試合で、張本の記録に並ぶヒットが満塁本塁打とは。なかなか出来ないことです。ナイス。

 ところで、二つのサイトがアップされました。一つはソニーのサイト。もう一つは日経エコのサイト。ご覧頂ければ幸甚です。


2009年04月15日(水曜日)

 (13:15)ありゃ、今日の日中神戸の山の中で「とんぼ」が。いや単独です。多数いたわけではない。しかし全員でビックリ。季節迷いの異常現象、それともそれほど珍しいことではないのか。

 今朝の新聞記事では、日経の最終面の「箸に学び楽しむ日々」というのが楽しくて良い。「箸ピー」ね。やってみようかな。まあ私は鍋物研究会のメンバーで、こんな箸論をアップしているので、箸にはそもそも興味がある。

 最近でもっとも私にとって新しい箸論は、権藤さんの「もしかしたら、日本や韓国の投手のコントロールがいいのは、箸を使う文化が影響しているのかもしれない」というものですが、日経に寄稿している小宮山さんの箸論の扱いもなかなか面白い。賛成できるな。

 「実際にその立場に立つと.....」という話は、ポール・クルーグマンですね。米プリンストン大教授には昨年の10月14日に会ったが、そのころから彼の自信は揺らいでいるのが目に見えた。「私が生きている間にこんなことが起きるとは」という言葉がそれだった。

 今回の彼の言葉は、外国人記者団との質疑応答の中でのもの。1990〜2000年代にデフレ不況に陥った日本政府や日本銀行の対応の遅さを批判していたことに関して、「日本の対応が遅く根本的な解決を避けていると、西欧の識者は批判してきたが、似たような境遇に直面すると、私たちも同じ政策をとっている」と述べ、「上昇する米失業率を見ると、失われた10年を経験した日本より悪化している」とも認めた。

 「西欧の識者」というのは実際には彼です。クルーグマンは、日本のデフレ不況時に、日銀に徹底的な金融緩和を促す論陣を張るなど、日本批判の急先鋒(せんぽう)に立っていたからで、加えて「日本の謝らなければいけない」とも言っている。政策の実施というのは、国民感情とかいろいろ難しい問題がある。一筋縄ではいかないから、同じようなルートを辿らざるを得ないケースが多い。

 それにしても最近のアメリカのニュースは、ホワイトハウスの犬に集中。ボー君だかなんだか知らないが、やはり彼の主人が何をしているかが問題でしょう。オバマは「hopes for recovery」があると述べたが、これはタイミングが悪かった。述べた瞬間に3月の小売売上高が予想外の大きな減少になった。

 アメリカ経済の落ち込みのスピードは落ちてきたが、消費者の消費意欲が低い中ではまだまだ紆余曲折がある。


2009年04月14日(火曜日)

 (13:15)久しぶりに国連のサイトをじっくり見ました。大きな機関だけに、どこに自分の見たいものがあるのかなかなか分からない。5常任理事国の言語が用意されていて、日本の外交官が「自国語のサイトも欲しい」と考えるのも分からないではない気がした。

 見付けていたのは、北朝鮮のロケット発射に関する安全保障理事会の議長声明です。直接的なサイトではないのですが、このサイト(うまくリンクするか分かりませんが)がそれに一番近い。

 声明の内容はむろん興味がありましたが、グリーンスパン並みの難しい、普段は使われていない単語が使われているというのに興味があった。それは、「contravention」です。辞書を引くと「違反(行為);反対,反駁(はんばく) in 〜 of the rule  規則に違反して」とある。普通はこういう時は、「in violation of〜〜」になるのですが、violationにはいろいろな意味がありますから、「contravention」の方が意味が特定されるメリットがあるらしい。

 議長声明では「the country “not conduct any further nuclear test or launch of a ballistic missile」と明言している。この声明を見た北朝鮮の国連大使が、「中国がまた裏切った」と思って怒っていたのは分かる。

 そういう意味では、決議ではなく議長声明だったので残念だったという議論は分かるが、結構強い意思表明にはなっているし、「It also said that it will adjust sanctions, imposed by the 2006 resolution, by the end of this month.」と宿題も残しているので、まずは日本としては行けるところまで行った、というところでしょう。

 ついでに、そもそもの決議をリンクしておきます。決議1718


2009年04月13日(月曜日)

 (11:15)ニューヨーク・タイムズが「The Masters delivered the show everyone wanted and a champion no one expected.」(今年のマスターズは誰もがこうあってほしいと期待したショーと、誰もが予想しなかったチャンピオンを連れてきた)と書いていますが、確かにタイガーでもなく、ミケルソンでもなく、全く下馬評にないアルゼンチン出身者が優勝。

 しかも優勝争いをした3人は、言ってみれば「メタボ対決」で、これがまたある意味滑稽で面白かった。試合もニューヨーク・タイムズの言うとおりどんでん返しありで見ていて飽きなかった。新聞がなかったので、朝の楽しみと言えば6チャンネルでマスターズを見ることぐらいでしたから。

 16番を終わって48歳8ヶ月のケニー・ペリー(米)が二位に二打差。普通は逃げられる打数だが、見ていると中島常幸さんがテレビで言っていたとおり彼はガチガチ。狙ったところに球が行かない。寄せだけだですね力を抜けて打てていたのは。

 いずれにせよ18番が終わってアンヘル・カブレラ(アルゼンチン)とチャド・キャンベル(米)がケニー・ペリーと並んだ。この3人が実に似た体型で、一言で言えば「メタボ系」。三人とも立派なお腹をしている。中でもカブレラは堅そうなお腹。キャンベルはちょっと緩い感じ。ケニー・ペリーは年相応かな。

 それにしても、女神があちらについたりこちらに着いたり。最初にピンチを迎えたのはアンヘル・カブレラで、林に打ち込んだとき。でもあれがよくフェアウェの真ん中に出ましたね。その後の第三打が良かった。プレーオフの最初のホールでキャンベルは落ちたのですが、彼が第二打でグリーンにピッタリ寄せていれば.....と。優勝のチャンスはあった。

 それにしても、日本の片山晋呉がトップと2打差のマイナス10で単独4位。これは素晴らしい。その上の3人がプレーオフに出ているわけで、本当に惜しかった。物理的にも日の丸を背負って、そして帽子にかざして頑張りましたね。ミケルソンやウッズの上ですからね。ナイス。

 うーん、私は見ていてあの3人の中ではケニーに優勝させて上げたかったな。苦労人だそうで、もう最後のチャンスだったんでしょうから。ま、でも分かりません。久しぶりに面白かったマスターズだった。

 あそれからちょっと話は変わりますが、NHKのハイビジョン特集の「ムーン・パニック」はなかなか面白かった。前編が一週間前の放送で、「後編はいつだろう」と思っていたのですが、夕べオンデマンドにアップされていました。月に流星(重力の凄く重い)が当たり、月が軌道を変えて地球に激突するかも知れないという話。結構真実味があったな。


2009年04月12日(日曜日)

 (17:15)今週の世の中進歩堂は、ちょっと面白いですよ。「サビ出し機能搭載の音楽システム」が登場します。

 開発しているのは、つくば市にある産業技術総合研究所。そこで新しい音楽鑑賞を提案するコンピューターシステムが次々と開発されているので、それを紹介します。

 中でも興味深いのは、楽曲の構造を分析し地図にするシステム「スマートミュージックキオスク」。このシステムで音楽を聴けば、好きなときにサビだけ聴くなんていうこともできるのです。さらに、声を録音すると、自動的にメロディがついた歌声に変化するシステムなど、音楽鑑賞から音楽制作まで、幅広く開発されている。

 音楽と能動的に関わっていくことで、音楽をより理解し、楽しんでもらおうという試み。これを知ったら、もう今までの音楽鑑賞には戻れないかもしれないですよ。


2009年04月11日(土曜日)

 (23:15)今日の新聞の記事で一番読んでいて嬉しかったのは、朝日の朝刊に載っていた「電気自動車 90歳再登板」でしょうか。まあ最近はエリーカとかアイミーブなどの電気自動車に取材で乗っているのでその繋がりもあるのですが、別の理由もある。

 アメリカの雑誌やヴェリタスで読んで知っていたのですが、「20世紀の初めには、ニューヨークで走っていた車の三分の一は石油(ガソリン)、三分の一は蒸気機関、残りの三分の一は電気を動力として走っていた」という点。

 シェアを分け合っていたのに、その後ガソリン車(内燃機関車)が圧倒的になったのはガソリンが安くなったからです。テキサスで大規模な油田発見が続いて。つまり、電気自動車は新しいのではなく、今100年ぶりにやっと復活してきている、というのです。しかしでは「電気」という場合に、どういう電気だったのか私には確認できていなかった。

 まず考えられるのは、当時にも電池があって、それで走っていたと考えられる。しかし100年も前に本当に電池があったのかどうか確認できなかった。そこで、もしかしたらトロリーバスのようにどこかに敷設した電線に沿って走っていたのかも知れない、とも思っていたのです。どうもスッキリしなかった。

 しかしこの記事を読み進むと、「自社開発の蓄電池を載せるために...」「蓄電池やモーターは腐食」「GSユアサの鉛蓄電池を載せ」という記述がある。つまり、この「デトロイト号」と名付けられた電気自動車は「電池」で走っていたのです。ということは、当時も電池があったということになる。

 この記事の書き出しはこうです。「90年前に京都の街を駆け抜けた電気自動車があった。島津製作所の2代目社長が米国から輸入した車だ。長く京都の電池会社で展示されていたが、エコブームで電気自動車に注目が集まる今、関係者がこの元祖エコカーを修復し、ほぼ完成した.....」と。

 最高速度は20キロくらいで、「8時間の充電で100分ほど走行できる....」とも書いてある。まあだから当たり前ですが、非常に力は弱かった。今のニッケル水素電池やリチウムイオン電池に比べれば。しかし当時から「電池で車を走らせる」という発想があったことは重要です。

 デトロイト号についてもうちょっとネットで検索していたら、デトロイト号復活プロジェクトといったサイトもあることが分かった。なかなか面白い。自動車業界は「石油の時代」を経て、再び「新たな動力源を探す」時代に入っている。

 ハイブリッドが今は次世代への橋のようになっているが、電気単独の時代をバッテリーとそれへの充電で乗り切ろうという考え方も、水素などを使う燃料電池で電気を作りながら走ろうという考え方もある。まだいろいろな考え方がある。

 取材した慶応の清水教授が「一時代一技術」といっていたので、そのうちどれかの技術が突出するのでしょう。それを考えるのはなかなか楽しい。


2009年04月10日(金曜日)

 (23:15)ロンドンに居たはずの「酒の肴」の今西がなぜか東京に出没したので、夕方から麻婆豆腐がうまい並木通りの「桃花源」で佐久間ちゃんと3人で。ははは、おもろい話が続出。

 それはそうと、4月はいつもそうなのですが、雑誌の締め切りが早い。連休があるからで、まだちょっと余裕があったのですが、それでも早めにと思って会食の前にはGainermisakiの原稿を仕上げました。アイデアさえきちんとあれば、書き出せば速い。

清水谷公園の近くの八重桜  misaki は先月創刊になったミソカツの雑誌です。三十路と活躍の掛け合わせかな。第一号が私の家にも送られてきたばかりですが、この雑誌廃刊の多い時期になかなか根性があってよろしい。女性誌にレギュラーを持つのは初めてですね。ちょっと書き方を変えたりして。

 既に書いてあった原稿では、Voiceの5月号が出来上がって、送られてきました。ネットサイトはまだ4月号になっているようですが、今朝の新聞にも5月号は大きく出ていたので、もう5月号に移行していると思うのですが。

 私が書いた文章はゾロメの66ページからです。人類の職業(!?)創造の歴史を紐解いて、今の危機をどういう考え方で乗り越えた方が良いのかを少し考察したものです。ご興味があったらご覧下さい。私の友人が書いた文章では、文藝春秋の橘・村山対論は面白そう。

 掲げた写真は、10日の夕方に清水谷公園の通りの八重桜が少し開花してきた状態を下から撮ったものです。近くにある赤プリの染井吉野が終わりになると、それを引き継ぐかのようにオーバッキャナルの前の八重桜が咲き始める。日本は本当に良くできている。

 僕は染井吉野よりも遙かに八重桜のほうがはっきりしていていいと思います。見栄えがする。儚さはないのですが。今後10日間は楽しめる感じがしますね。


2009年04月09日(木曜日)

 (23:15)毎週木曜日はテレビのニュース番組に出演する日なので全新聞に目を通します。今日はふっと思って、今の新聞はそれぞれが何ページになっているのだろう、と思って調べてみました。鯛の鯛。どの魚にもあるが、鯛のそれがもっともかわいらしい今日の場合は以下のようになっていました。

日経 36ページ
読売 34
毎日 28
朝日 28
東京 26
産経 24
 日によって変化はあるのでしょう。しかしトレンドが出てきている。日経が分厚いことは以前から気が付いていたのですが、朝日より8ページも多いとはびっくり。びっくりで言うと、朝日と毎日がともに28ページというのも驚きです。産経の24ページは納得ですが、この新聞は読む価値のある記事はいつも最も多いような気がする。

 アメリカを見るまでもなく、新聞業界は世界的に厳しい状況が続いている。広告宣伝費を企業が抑えているために広告が入らない。今年の場合は2月が特に酷かったらしい。その後も回復はしていないでしょう。

 実売部数も減っている。若い人達はあまり新聞を読まないと言われる。だってそれはそうで、記事の大部分はケイタイサイトやPCの各新聞のサイトで読むことが出来る。私のようにニュースの紙面での扱い方も見る人間以外は、「ケイタイやPCで十分」という人は多いだろう。

 コストは上がっている。聞くところによると、新聞紙は一時ひどく高騰したらしい。今は少しは高値から反落しているのではないでしょうか。しかしそもそも”入り”が少なくなっているのは、新聞社の経営にとっては痛い。

 それでも、アメリカの新聞が次々と廃刊になったり、ネット移行している中では日本の新聞は頑張っていると言える。しかし何らかの形でコストをまかなう経営を考えないと、日本の新聞も苦しいところが多くなる可能性がある。日経は実売は増えているが、広告が今はちょっと不振らしい。

 ところで写真は、たまたま行ったレストランでもらった「鯛の鯛」です。鯛の鯛とは硬骨魚の肩帯の骨の一部であって、ほとんど全ての魚にあります。ウナギとか穴子は知りませんが。しかし鯛の鯛が一番可愛い。

 前から知っていましたが、今は桜を撮るためにいつもカメラを持って歩いている。で、いろいろなものを写真に撮れる。今まで自分のサイトに写真をアップしたことがないので、掲載しておきます。

 探すとどの普通の魚にもありますよ。


2009年04月08日(水曜日)

 (23:15)造幣局の通り抜けはまだ来週の水曜日当たりからなようですが、大阪の桜は今が満開です。掲載したのは桜宮から帝国ホテルに移動した当たりの川沿い。

大阪・桜宮の川沿いの桜。通り抜けは15日から  火曜日に食事をした尾道の安保(あぼう)さんによると、尾道は「東京より一週間あと」ということで、日本は本当にいろいろな場所で桜がエンジョイできる。京都の山の方の桜ももっと時期的にはあとの方でしょう。

 そこからは東北、さらには北海道と上がっていく。水曜日の夜は通りかかったので千鳥ヶ淵を少し歩きましたが、ライトアップは終わっていましたが、まだまだ大勢の人が来ていた。

 お堀には本当にたくさんの花びらが落ちていて、木曜日の昼などは非常に綺麗な光景ではないでしょうか。


2009年04月07日(火曜日)

 (23:15)東京から大阪に着いてタクシーに乗ったら、「ぎょっ!」というものがこちらに向けられていました。それは、車の前方窓の中央上に付けられていた小型カメラ。

 直ぐに「タクシー強盗」などへの対策と分かりました。大阪では最近タクシーの運転手さんを襲う事件が何件も起きていた。運転手さんに、「対策ですか」とか「今も動いているのですか」と聞いたりして話していた。東京ではまだ見たことがない。

 運転手さんによると、常時撮影はしているのだが、撮影したものを再生し見ることが出来るのは警察が動いたときだけなようです。運転手さんが勝手に見るだとか、タクシー会社が勝手に見ることは出来ない。かつ「一日で消去される」そうです。

 まあどうなんでしょうか。皆さん、いろいろな用事でタクシーに乗る。中には一緒にいるところを見られたくない人もいるかもしれない。そういう人もカメラはじっと撮っているわけですから、それを簡単に再生できるようだと、それはそれは大きな人権侵害になる。芸能人などは映像を売られたら困るケースもあるでしょう。

 それにしても「カメラの目」はそこら中に増えている。気付かないうちに。そう言えば大阪のタクシー強盗は最近はあまりない。一時よりは減った。カメラの目が効果的に効いているのかも知れない。

 それは良いのだが、撮った映像の取り扱いには注意が必要だ。


2009年04月06日(月曜日)

 (23:15)日本という国は情報のハンドリングが下手なんでしょうかね。昨日書いた「800キロも日本に近いところに落ちた」という情報も間違っていたようで、結局「一段目は日本海に、二段目以降は人工衛星を発することなく2100キロ以上飛んで太平洋に落ちた」というアメリカ軍の発表が正しいようです。

 この数日間に政府発表の間違いが目立ちすぎるのがどうも気になる。情報は正確でないと、それを信じる人がいなくなる。MDやこの関連には日本は相当の予算を使っているのですから、今回の事件を教訓にして欲しいと。

 人口衛星だったとかそうではなかったという議論は別にして、一定の重さのあるもの(英語で言うpayload)を一定距離以上に運搬することが出来た、という意味では北朝鮮の今回のミサイル発射は成功と考える専門家が多いようです。少なくとも前回は大失敗だったわけだから。

 弾頭には衛星も核弾頭も載せられる。技術的には大きな違いはない。そういう意味では、アメリカが「人口衛星の軌道載せには失敗」という発表も、本当の懸念は隠している懸念もある。実は北朝鮮のミサイル技術は向上していると考えるのが自然です。問題は「ではどうするか」です。

 ところで、NHKオンデマンドを見ていたら、私が2007年11月18日にドイツで行ったビッターフェルトを取り扱った「暴かれた環境汚染」は非常に面白かった。聞いていたことがドキュメンタリーになっていましたから。

 「世界でもっとも汚染された町」の当時の様子が映像になって出てきている。今はQセルズの大きな工場などが出来てかなり綺麗になっていますが。「世界のドキュメンタリー」は1989年当たりの欧州の変化を一週間を通して扱っている。なかなかまとまったドキュメンタリーだと思う。


2009年04月05日(日曜日)

 (12:15)これを成功と呼ぶのか失敗と呼ぶのか。ブースターの第二段は北朝鮮が予告した区域を大きく外れて、それよりも800キロも日本に近いところに落ちたという。船が居た、航空機が飛んでいた危険性はある。北朝鮮はこの想定外の着水が被害を生んでいないことを確認した上で「成功」と言うんでしょうな。「失敗」では国威発揚にならない。

 それにしても、国民が飢えているのにミサイルにお金をかけて。まさに瀬戸際外交の国だと思う。金正日がいくら工場などを視察をしていても、経済が上向く兆しもない。システムが悪いのだから。また国民の創造力を抑圧しているのだから活力が出るはずがない。

 北朝鮮が中国に売っている資源の価格も急落している。喩え今回の”飛翔体”が人工衛星だとしても、それは北朝鮮が今必要としているものではないし、お金の使い場所ではない。北朝鮮の国民のうち何割が今回の飛翔体打ち上げを喜んでいるのか。国民の多くはそんな状況ではないでしょう。

 結局、体制維持とその観点でのアメリカとの関係改善が北朝鮮には狙い。そのために核弾頭を搭載できるミサイル技術を磨いている一環が今回の飛翔体打ち上げです。そういう意味では、アメリカの出方が重要ですが、日本も出来ることはある。それを着実にやっていくということでしょう。

 ところで、最近車で移動していて本当に思ったのですが、「日本というのはどこに行っても見頃の頃には桜が綺麗な国だ」ということです。有名でない場所にも本当にいろいろな角度で桜が楽しめる場所がある。どの街道を移動してもです。

 まあその中でも例えば井の頭公園とか千鳥ヶ淵とか水と溶け合った場所の桜が綺麗なのですが、この週末にはもう一つ都心とはちょっと時間差で攻められる良い場所を発見しました。それは、「狭山丘陵」だと思いました。あそこには狭山湖がある。しかも山全体に桜が散っている。固まっているところもあるが。

 狭山丘陵は恐らく来週末でもかなり見るに値する見所となっているのではないでしょうか。


2009年04月03日(金曜日)

 (16:15)今日はテレビ欄、ラジオ欄を見て、「ありえない」と思いました。あれだけ注目されるダルビッシュと岩隈が先発でぶつかる日本ハム対楽天の開幕試合の中継がまったくないのです。一番みたい試合がスカパー!しかない、というこの貧弱さ。

 この二人の対戦は、今シーズンでも最後かもしれない。勝てるピッチャーをぶつけませんから。WBCが盛り上がったが故の、シーズン初めのウリの対戦。それを宣伝しまくったあとで、「中継はありません」では。うーん、今年の日本のプロ野球はなんかちぐはぐですね。改善点は多い。

 ところで、G20のサミットのコミュニケですが、今朝のラジオ放送の前に全文を詳しく読んだのですが、G20ならではの表現があって興味深かった。例えば、「Ensuring a fair and sustainable recovery for all」といった一塊の文章。25から28までです。

 今回の危機が「最貧国のもっとも脆弱な人々に不釣り合いな打撃を与えている」という認識に立って、危機からの回復は「(こうした人々にも)公正で持続可能なものにならなければならない」としている。G8の声明には出てこないフレーズです。

 あと興味深いのは、声明に「green recovery」という単語が出てくることだ。green newdeal による回復だからそう呼ぶのでしょう。つい2〜3年前を知っている人間にとって、「green recovery」は随分と新しい言葉だ。


2009年04月03日(金曜日)

 (05:15)ロンドンで開かれていたG20のサミットは、ここにリンクしたようなコミュニケを出して閉幕しました。読んでみると、うまく米欧、途上国と先進国の対立点を覆い隠し、世界の8割のGDPを持つ20カ国がいかに協調し世界経済を浮揚させるかをある意味では曖昧な戦略として打ち出している。主な合意点は、

  1. 各国が2010年までに総額5兆ドル(約500兆円)の景気刺激策を行うことで、世界全体の成長率を4%押し上げる。もっと具体的には「2010年末までに世界経済の成長を2%以上の回復軌道に乗せる」
  2. 貿易の保護主義を回避し、自国の輸出企業を保護するための通貨切り下げは行わない
  3. 国際通貨基金(IMF)の資金基盤を、2500億ドルから7500億ドルまで増強し、金融危機に苦しむ新興国や途上国などを支援する。他にSDRなどを2500億ドル出して、IMFの規模を1兆ドルとする
  4. 金融政策では各国の中央銀行が引き続き現在の金融緩和を継続し、量的緩和やゼロ金利など非伝統的な手法も活用する。金融機関の貸し出し余力を回復させるため、資本の増強や不良資産の抜本的な処理に向け、あらゆる必要な行動を取る
  5. 金融危機再発防止策では、G20のメンバーを新たに加えた金融安定化フォーラム(FSF)を「金融安定化委員会」(FSB)に改め、国際的な規制・監督体制を強化する。脱税の温床として批判が強いタックスヘイブン(租税回避地)への監督強化
  6. 次回サミットを年末までに開く。開催場所について、麻生首相は「9月の国連総会に合わせ、ニューヨークで開かれる」との感触を述べた
 など。まあうまく纏めた、ということでしょうか。オバマが言うところのシェルパのなせる技ということになる。今までに各国が打ち出した財政刺激策を合わせても、私の計算では5兆ドルにはならない。しかし「どの国がどれだけ」という各国別の数字がないわけだから、まあ努力目標と言うことです。アメリカは「GDPの2%明記」を譲って、総枠で示した。ドイツ、フランスの顔を立てたということです。

 ヘッジファンドやタックスヘブンへの監視強化では、以下のように述べている。

・ to extend regulation and oversight to all systemically important financial institutions,instruments and markets. This will include, for the first time,systemically important hedge funds;

・ to endorse and implement the FSF?s tough new principles on pay and compensation and to support sustainable compensation schemes and the corporate social responsibility of all firms;

・ to take action, once recovery is assured, to improve the quality,quantity, and international consistency of capital in the banking system. In future, regulation must prevent excessive leverage and require buffers of resources to be built up in good times;

・ to take action against non-cooperative jurisdictions, including tax havens. We stand ready to deploy sanctions to protect our public finances and financial systems. The era of banking secrecy is over. We note that the OECD has today published a list of countries assessed by the Global Forum against the international standard for exchange of tax information;

・ to call on the accounting standard setters to work urgently with supervisors and regulators to improve standards on valuation and provisioning and achieve a single set of high-quality global accounting standards; and

・ to extend regulatory oversight and registration to Credit Rating Agencies to ensure they meet the international code of good practice, particularly to prevent unacceptable conflicts of interest.

 まあお念仏の面もある。コミュニケも言っているように今後詰めるという話です。フランスは金融機関規制強化で合意がなければサミットを退出とまで言っていたが、実際にはそんなことは出来るわけがなく、シャンシャンと手を打って、それを好感して世界の株式市場は今朝のニューヨークに至るまで堅調に推移していて、ニューヨークは一時8000ドルの大台を回復した。しかし引けは7977.84ドルで、216.24ドル高。上げ幅は 2.79%。しかしこの数字は引け直後の数字なので、あとで少し改訂されるかもしれない。


2009年04月02日(木曜日)

 (21:45)今週は暇を見ては中東の勉強をしています。月曜日に中東調査会主催の小杉 泰・京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科教授の講演を聴いたのがきっかけ。私の場合一番知識の蓄積、取材経験の弱い地域で、どうしても分析が散発的になる分野。この地域に関する勉強会があるとなるべく出かけるようにしているのです。

 小杉教授の話は、「最近のイスラーム復興運動の台頭」と題するもので、私にとって非常に面白かったのは

  1. イランのイスラム革命が起きたのが1979年で今年はちょうど30年になるが、重要な視点はその後もイランは革命状態を続けていることで、この”継続”ということが今のイスラム世界の大きな潮流を考える上で重要だし、その後のアルカイーダやタリバンの動きを考える上でもポイントになる(過激派に対する支持は減っているという現実を踏まえても)

  2. インドを中心にして考えると、インドの東(東南アジア、東北アジアなど)ではまず戦争が起こりえない状況が生まれているのに、インドの西について言えば紛争地帯が増える状況になっている。第二次世界大戦以降の推移を振り返れば、それは「危機の一重円」(パレスチナ問題とそれを契機とする戦争、イラク・イスラム革命以前)→「危機の楕円構造」(湾岸にも危機が起きてそれが二つ目の危機の源泉となって、二つの危機が楕円形で繋がった状態)→「危機の帯状化」(先生は「危機の楕円構造の三重中心化」と呼んだが、私は「帯状化」の方が良いと思う。二つの危機の源泉を残したままでのアフガニスタンでの危機の発生を指す)という動きになっている

  3. この「危機が帯状化した」中東での危機・問題の一気解決は非常に難しい課題となりつつあり、戦後一貫して中東の危機対処の先頭に立ってきたアメリカのオバマ政権は「まずはアフガニスタンでの危機脱出」を狙っているが、アフガニスタンやあえて言えばパキスタンでは「一体誰が誰なのか?」という問題を含めて非常に難しい対応を迫られている
 といった点だった。あと先生の話で非常に面白かったのは、イスラム教ではどの考え方、宗派が正統であり異端であるかを認定する機関がないので、要するに「思想の市場メカニズム」がウンマ(イスラム共同体)の中で働き、「どれが優勢であるか」で大きな流れが決まってきている、という話。イスラム思想の市場原理での盛衰ね。今はシーア派優勢。

 「テクノロジー(技術体系)としてのイスラム」という話も面白かった。イスラム金融やハラール・ビジネスに関わる部分で、シャリア法などが関わってくる。実はイスラム金融もハラール・ビジネスもイスラム社会の人口が増えて、また石油価格の大幅な上昇の中で世界における地位は非常に上がっている。それをどう考えるか、という大きな視点があった。

 私からは先生に二つ質問しました。「人口爆発、石油の富を背景とした今のイスラム世界の力のその後」と「インドが分水嶺になっているが、そのインドが1億人のイスラム教徒を抱えていることの問題点、特にムンバイの事件に関連して」でした。この二つは面白い視点を含んでいると思いました。

 私がイスラム世界を考える上で、繰り返し思い出す言葉があります。それは、マハティール前マレーシア首相のもので、彼は『逆行が「苦境」をもたらした』と指摘して、確か2005年11月26日の朝日新聞「私の視点」に次のように見解を表明していた。彼は「イスラム世界の苦境」を以下のように分析していた。

  1. 今やイスラムはかつて世界において担っていた役割を果たせずに、代わりに弱体化し迫害されている。スンニ派とシーア派の対立の根は深い。その他の宗派の数も多い
  2. 最大の問題は、イスラム教学およびイスラム式の生活が現代世界からますます乖離していることにある。コーランを解釈する者たちが宗教の枠内でその法や実践を学んでいるため、今日の科学的な事象を理解できないことが多い
  3. かつてイスラム教徒達は見識を積んだ故に力があった。ムハンマドの教えは、読めということだが、コーランには何を読むべきかは示されていない。実際、当時は「イスラム教学者」なる者は存在しなかったから、読めとは、すなわち何であれ読むようにと言うことだった。だから初期のイスラム教徒は偉大なギリシャの科学者や数学者、哲学者たちの著書を読んだ。ペルシャ人やインド人、中国人たちの著書からも学んだのである
  4. その結果、科学や数学の知識が開化した。イスラムの学者達は天文学、地理学、数学の新分野などの専門領域を発展させた。アラビア数字を発展させ、無限の計算でも簡単にできるようにした
  5. ところが、イスラムの有識者たちは15世紀ごろから科学的な研究を抑制し始めた。彼等は、特にイスラムの法体系を学ぶ者だけが死後の勲功を享受できると主張し、宗教のみを学び始めたのだ。一方、ヨーロッパでは科学や数学的な知識への信奉が始まり、ルネサンス期を迎えていくのに、イスラム世界は知的後退期へんと向かった。そうした視野の狭さが、今日のイスラム教徒の苦境を招いたのである
 こうしたマハティールが指摘した問題が、小杉先生の言うところの「イスラム世界の外縁」が外の世界とどう接触しているのかによって生じているかは分からない面がある。彼が文章を書いて4年後の今は、むしろイスラム金融やハラール・ビジネスによってイスラムの力は伸びている気配もある。しかし人口の伸びが止まり、石油が亡くなったあとのイスラム世界はどうなるのか、何を経済の柱にするのかは今もはっきりしない。私の関心はそこでした。

 マハティールが当時、今のイスラム世界に宗教指導者の知的怠慢に関して、「ある宗教指導者は、人が月に着陸したことを信じなかった。他の指導者は、地球は2000年前に生まれたと言い張る」と述べていたのは今でも思い出す。

 中東に関しては、ちょうど目の前に「まるごとわかる 中東経済」(日本経済新聞社)という本があったので、それも読み始めています。まあちょっと古い、情勢が変わってしまう前の本なんですが。

 あそれから、新しいエッセイが公開されました。風力発電に関するエッセイです。


2009年04月01日(水曜日)

 (14:45)エイプリルなんとかなので、一応身構えていたのですが、一通のメールには騙されました。ある中央区の飲み屋さんなんですけど、「24時間営業に移行しました....」とちょっとそれっぽく書いてあって、一瞬「ホントかな....」と。ははは、最後に「今日は4月1日でした」と。なかなか良くできていた。

 ここからは本当ですが、生まれて初めて名古屋から長野県の長野市に抜ける「しなの3号」という電車に乗りました。「しなの」には本当に生まれて初めて乗ったな。いつも「あずさ」なので。

 のんびりしていて良かった。一番前の車両に乗ったら、運転席が丸見えで、眺望も素晴らしく良い。ガラス張りなのです。かつ、多分運転手を始めてあまりたたないだろう若い女性の運転手さんが一生懸命先輩の男性運転手さんに教わりながら復唱を繰り返しながら運転していた。

 線路はほぼ登り一方で、その狭い渓谷には川があり、その周りには深い緑があって、まだ名古屋に近い地域には桜が3分咲きくらいになっている。列車も右左に揺れながらまずまずのスピードで。

 最前列に陣取って見ていると、日本が明治時代に採用した狭軌の線路はいかにも心許ない。まあでも、「狭い日本」と考えたんでしょうね。当時から広軌にしておけば随分違っただろうに。

 見ていると運転手さんは信号の場所に限らず、線路がちょっと曲がっているところではなにやかやと発生している。「なんとかOK」を繰り返す。なかなか面白かった。普通運転手さんが何しているかなんて知らないじゃないですか。彼らは、彼女らはいろいろやっているのです。

 長野県に行ったのは、岡谷市に講演を頼まれたため。中学時代の恩師から、高校の私の同級生、弟の同級生まで知り合いか、話をするとどこかで繋がっている人が大勢。まあ生まれ故郷ですから。

 どうもあれこれあってゆっくり出来なかった。今度はゆっくり来よう。季節の良いときに。



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