2009年01月31日(土曜日)

 (23:48)金曜日は久しぶりに、全日本鍋物研究会の会合が午後7時過ぎから麹町であって、メンバーの方々と鍋を囲みながら時間を過ごしました。

楽しい鍋がいっぱい  といっても、従来のような大会の形式ではないので、こぶりに。一つこの間に本が出来上がっていますので紹介します。「毎日食べたいウチの鍋 鍋好き必読...」です。ページに使われている一つ一つの写真は、こうした本を専門とする写真家が撮っただけあって、それはそれは綺麗です。出来合いを撮ったのではなく、一つ一つ写真の為に作っているのです。

 恐らく世界中を含めると鍋の種類はほぼ無限大でしょうが、その中でも作りやすく、かつ美味しいものを選んでいるように思う。むろん実際の材料とかが揃うかどうかでその都度少しずつ違ってくる。それはその人、その家の独自の味ということになりそうです。

 良かったら本屋で手にとって下さい。8月にブータン旅行の計画もあるようで、私はまだ行けるかどうか分かりませんが、行けたら楽しいだろうなと考えています。


2009年01月29日(木曜日)

 (18:48)今日の読売新聞の一面トップ「万能ワクチン開発」は重要だと思うがな。他の新聞は書いていないのですが、「実用化には数年」という前提があるとはいうものの、将来の可能性という意味では非常に重要だと思う。

 万能細胞もそうですが、「万能」に日本は縁があるらしくて、そういう可能性が開けてきている。そういうものを大切にしないと思うのです。経済や社会を変えるのは結局はテクノロジーですから。

 その意味でも、今日あった某局の番組審議会での話は面白かった。そこでは「digital native」という単語が登場した。そう、生まれたときからケイタイ電話などデジタル製品に馴染んで育った連中を指す。まあ平成生まれあたりから、と考えても良い。

 私の記憶では、デジタルのケイタイ電話が日本で登場したのは1992年じゃなかったかな。富士通のマシンだった。もしそうだとすると(曖昧で済みません)、それからもう17年もたつ。

 そしてその「digital native」達の行動パターンとして、「テレビで知り、ネットで掘る」という言葉が出てきた。これが面白いのは、今まではテレビとネットは相性が悪いと思われている。ラジオとネットは相性が良いということは私も主張してきた。しかし相性が良いというのです。

 それは消極的メディアとしてのテレビで何となく見て、聞いていて、そこで「はっと」「これは」と思うモノについて「digital native」の連中はケイタイでもPCでもグーグルなどの検索サイト(能動的メディアとしての)で「掘る」、つまり調べるというのです。

 まあ私としては、テレビの番組の中にあっても「掘った」番組はいっぱいあるのだから、それの境目は曖昧だし、掘った先にサイトがあってもテレビ番組があってもいい「解け合いの世界」があるのではないか、と発言したのですが、とにかく使う側の意識は重なり合ってきている。

 実際の処、NHKオンデマンドなどでテレビ番組を見ることが多くなっている私のような人間からすると、ネットとテレビは非常に解け合ってきている。知らないうちに凄く、当たり前だが相互浸食的です。それがまた新しい世界を作っている。

 音楽業界の人からは、音楽はデジタルにやられたという発言をしていたが、しかし技術の進歩に歯止めは掛けられない。ということは、技術の進む方向、可能性が示される方向に向かって、それをいかに関係各者の要望に合ったものに出来るのか、がポイントだと思うのです。

 多分音楽で起きたことは、テレビ番組でも出来る。その場合CMはどうするのか。民放はNHKオンデマンドのようなことはしていない。それでいいのか、などなど。それにしても、今日がポッドキャストのために1月21日に8個も打ち上げられた人工衛星について勉強しましたが、なかなか面白い。

 人工衛星もぐっと身近になった。


2009年01月29日(木曜日)

 (08:48)あらら、FOMCだったのですね。前回のFOMCが「これでもか」という内容だったので、今回は「でがらしかも」と潜在的に思っていたのか、朝のニュースを聞くまで忘れていました。

 声明文を読んでまず目に付いたのは、「景況はアメリカもそうだが、世界的に一段と悪化している」という部分。まあそれは当たっている。株など先読みする市場を取り巻く環境は別にして、確かに悪い。実体経済悪です。

 次に気が付いたのは、「The Federal Reserve will employ all available tools to promote」で始まる決意表明の部分。もう新しい策(例えばヘリコプター・マネーなど)はあまりないが、資産を高水準に保ってその悪化のリスクを負うとしている。一番顕著な違い(前回とは)は、反対意見が出たことだろう。

 最終パラグラフには、「Jeffrey M. Lacker, who preferred to expand the monetary base at this time by purchasing U.S. Treasury securities rather than through targeted credit programs.」という文章があって、あまり良く知らない人ですが「ラッカーさん」が財務省証券をもっと買えと言っている。FOMCは今のところ「The Committee also is prepared to purchase longer-term Treasury securities 」と、仮定法で「準備が出来ている」とだけ言っている。

 まあ今の出番は財政政策だ、ということでしょう。

Release Date: January 28, 2009

For immediate release

The Federal Open Market Committee decided today to keep its target range for the federal funds rate at 0 to 1/4 percent. The Committee continues to anticipate that economic conditions are likely to warrant exceptionally low levels of the federal funds rate for some time.

Information received since the Committee met in December suggests that the economy has weakened further. Industrial production, housing starts, and employment have continued to decline steeply, as consumers and businesses have cut back spending. Furthermore, global demand appears to be slowing significantly. Conditions in some financial markets have improved, in part reflecting government efforts to provide liquidity and strengthen financial institutions; nevertheless, credit conditions for households and firms remain extremely tight. The Committee anticipates that a gradual recovery in economic activity will begin later this year, but the downside risks to that outlook are significant.

In light of the declines in the prices of energy and other commodities in recent months and the prospects for considerable economic slack, the Committee expects that inflation pressures will remain subdued in coming quarters. Moreover, the Committee sees some risk that inflation could persist for a time below rates that best foster economic growth and price stability in the longer term.

The Federal Reserve will employ all available tools to promote the resumption of sustainable economic growth and to preserve price stability. The focus of the Committee's policy is to support the functioning of financial markets and stimulate the economy through open market operations and other measures that are likely to keep the size of the Federal Reserve's balance sheet at a high level. The Federal Reserve continues to purchase large quantities of agency debt and mortgage-backed securities to provide support to the mortgage and housing markets, and it stands ready to expand the quantity of such purchases and the duration of the purchase program as conditions warrant. The Committee also is prepared to purchase longer-term Treasury securities if evolving circumstances indicate that such transactions would be particularly effective in improving conditions in private credit markets. The Federal Reserve will be implementing the Term Asset-Backed Securities Loan Facility to facilitate the extension of credit to households and small businesses. The Committee will continue to monitor carefully the size and composition of the Federal Reserve's balance sheet in light of evolving financial market developments and to assess whether expansions of or modifications to lending facilities would serve to further support credit markets and economic activity and help to preserve price stability.

Voting for the FOMC monetary policy action were: Ben S. Bernanke, Chairman; William C. Dudley, Vice Chairman; Elizabeth A. Duke; Charles L. Evans; Donald L. Kohn; Dennis P. Lockhart; Kevin M. Warsh; and Janet L. Yellen. Voting against was Jeffrey M. Lacker, who preferred to expand the monetary base at this time by purchasing U.S. Treasury securities rather than through targeted credit programs.


2009年01月29日(木曜日)

 (00:48)うーん、三年半ぶりの尾道でした。最後に行ったのは前回の衆議院選挙ですから。あの時は尾道は喧噪に包まれていた。特に駅前は。人が集まり、走る連中もいた。掲げた写真の真ん中のオフィスが亀井さんに挑戦したあの方の選挙事務所だった。

ホリエモンの事務所があった場所の今の状態  今回の尾道は法人会の新年会合だったのですが、お馴染みの方々もいてアットホームな状況で1時間ちょっとお話をしました。尾道は、造船がある分だけ自動車の広島、鉄の福山というお隣の都市に比べて景気はまだ良い、とのこと。

 一般的に日本の造船業界が抱えている受注は3年分と言われている。まあ日本の各業界の中で一番事業環境が良いのではないでしょうか。中国や韓国の造船業界はキャンセルの嵐になっているのだそうですが、日本の造船技術が高い分だけキャンセルはあまり出ていないという。

 尾道がその代表なのですが、しまなみ海道の周囲の地域は昔から好きな地域です。四国の周辺も含めて。昔から産業が興って資本の形成が進み、それがまた文化を育てた。尾道の寺の多さはそれを物語っている。

 市長の挨拶が良かった。今年のテーマと称して、「楽しみ」と「笑エネ」と。これはうまい、と。「笑」はエネルギーのもとですから、何をするにも笑いがあった方が活力が出る。

 まあ笑いが産業になって(吉本)久しいのですが、この産業は今後も伸びるでしょうね。もっともっと多くの産業が日本では起きてくる必要がある。農業とか介護とかに加えてです。3月には船の進水式でまた尾道にお邪魔しようかな、と思っています。

 それはそうと、今目の前のNHKテレビは、「なんちゃって制服革命」というのをやっている。カワイイTVはなかなか面白い。ははは。JKは「女子高生」の短縮バージョンだと。


2009年01月28日(水曜日)

 (09:48)今更ながら、「東京と大阪は違うな.....」と。

 大阪での話し。銀行の振り込み料金の高いことに私が文句を言っていたときです。特に窓口を利用するときの振込料金は、銀行にもよるが一件当たり500円前後と非常に高い。月曜日に私はそれを実感した。半分頭に来ていたのです。

 そしたら大阪出身の経済人が、「高いのは確かだが、大阪では振込手数料は向こう持ちが普通ですよ。特に新地なんかは」というのです。彼が言う「新地」というのは「北の新地」のことです。有名な大阪の飲屋街。

 これには驚きました。東京の場合は、振込手数料は普通は振り込む側が持つのが普通です。東京では支払い料金の別に、振込手数料がいる。しかし大阪の場合は、支払い料金から手数料を引いて振り込むのが普通だというのです。振込手数料がいくら高くても。

 ではそれで受け取る側は文句を言わないのか。「言わない」と彼は言うのです。それが普通だと。一般的に受け入れられている慣行だと。彼は付け加えて面白い話しをしてくれた。資本金の払い込みをある大阪の会社がするという時に、係の大阪生まれの女性事務員は支払わねばならない資本金から手数料を引いて払い込みをした、というのです。

 資本金の払い込みはきっちりと額が決まっているわけですから、東京サイドでは大きな問題になった。そりゃそうでしょう。払い込まれる資本金が欠落しているわけですから。ははは、この話しは面白かった。

 私もめったにないが、大阪や京都で支払いをあとでするケースに直面することがある。それを振込手数料を引いて振り込んでも文句を言われないものかどうか。京都はどうなんでしょうか。関西全体の慣行なのか、それとも東京が異常なのか。

 私の場合、普段は東京での振込は私はネットで済ましてしまうのですが、時々どうしても銀行から振り込まねばならないように用紙になっている振込のケースがある。そういう時は、「銀行の振り込み手数料は高い」と感じるのです。

 ところで今大阪から尾道に移動中です。好きな尾道での講演。確か初めてだったと思ったが、「Rail Star」という列車に乗っているのですが、チケットを買うときに「サイレント・カー」(4号車)というのを見付けた。なんだろうとこれに乗ってみたら、「一切放送はない車両です」と。この号車だけ、とのこと。

 ははは、東海道新幹線にはないな。この「サイレント・カー」というのは。なぜだが非常に混んでいるのです。「どうせ空いているのだろう」と思ったら大間違い。


2009年01月27日(火曜日)

 (09:48)Jフロントリテイリングの浜松の店の出店計画撤回のニュースを聞きながら、「日本はデパートが多すぎる」と考えていました。ロンドンにはいったいいくつのデパートがあるのか。私の記憶では数えるほどしかない。

 ニューヨークも北からバーグドルフ、ブルーミングデール、サックス、そしてメーシーズなどなど。しかし日本の場合にはそこら中にデパートがある。同じ名前の店があちこちに出店している。少し店の数の削減に踏み切らざるを得ないのは当然でしょう。

 もっと言うと、どのデパートも同じようなものを置いている。一階や二階、それに例外的に地下には見飽きたブランドショップが入り、その回りに化粧品やスイーツが配置してある。総菜も特にどこが面白いということはない。うーん、ちょっといいなと思うのは大阪の阪神デパートかな。地下は。その三つの階が比較的人が多い階です。

 しかし今は大部分のデパートで上の階の人の数は少ない。一昨日も書いた「アスピレーシン・コンシュウーマー」(ちょっと背伸びして高いものを買う消費者)がいなくなれば、デパートは直ちに売り上げ不振に直面する。やはりもっと生活に根ざした、しかし消費者を驚かす、消費者に「これ面白いんじゃない」と思うものを揃えないと。

 業界の再編はしばらく続くのでしょうね。もっとも「ただ規模を大きくすれば良い」というものではない。要するに個性と消費者への訴求力だと思う。


2009年01月25日(日曜日)

 (22:48)午後5時過ぎから出掛けて銀座にいたのですが、いつにも増して相撲の結果が気になったですね。ははは。店の人に時々報告してもらって。朝青龍が本割りで負けて、その後に決勝戦で勝ったと聞いた時は、「凄い男だ」と。白鵬は悔しいでしょうね。

 白鵬との二番を見たのはNHKのサンデースポーツでだったですが、ともに力相撲でなかなか良かった。この番組には朝青龍がゲストに出ていて、「集中力が良かった」「今年は頑張っていきたい」と。

 つまり格好良く引退なんかしないで、今年は相撲に集中するとの宣言。今の優勝回数は23ですか。大鵬は32回。まあでも、朝青龍は今後も朝青龍でしょうね。良い意味でも悪い意味でも。テレビに出てくると何故か「良い青年」という印象がする。

 その前のNHKの番組「沸騰都市」は久しぶりにヨハネスブルクが見られて良かった。私が行ったのは確か1983年だったと思った。四半世紀前。むろんアパルトヘイトの体制下だった。金鉱山やダイヤモンド鉱山を見学に行ったのですが、テレビにあった地下4000メートルの鉱山にエレベーターに何回も乗り換えて行ったのを思い出しました。

 ナミビアの海岸の砂の中に埋まっているダイヤモンドも記憶に残っているな。ヨハネスブルクは行きたいが、時間がかかるのと世界最悪の犯罪都市というのがどうも気に掛かる。私が行ったのは、東京から香港に行って、そこで乗り換えて南ア航空に乗ってセーシェルに行き、そこで給油してケープタウンというルートだった。まあでも機会があったら行きたい。

 一つ今まであまり知らなかった単語を覚えました。「black diamond」。南アで急速に豊かになっている黒人層を言うらしい。BEE(ブラック・エコノミック・エンパワメント)による強制的な黒人優遇措置で豊かになった層。

 しかしその一方で、その制度に乗れなかった貧しい黒人の存在。ヨハネスブルクでは黒人が黒人を襲うという危険な状況が生まれているという。2010年のワールドカップ開催地ですから、今後南アは注目されるでしょう。

 ところで、旧正月が始まったからか銀座にはたくさんの韓国人、中国人の方がいました。通貨は彼等にとって不利な動きですが、かなり前から予定していた人はあまり予定を変えないのかも知れないですね。

 それから備忘の為ですが、このレポートを読んでいて分からない単語がいくつか出てきて、それを調べたので書き残しておきます。

  1. SCHIP(State Children's Health Insurance Program)とは、「低所得層の子供を対象とした公的保険」

  2. COBRA (Consolidated Omnibus Budget Reconciliation Act)とは、会社を辞めた人や定年退職した人とその家族が、一定期間、辞めた会社で加入していた健康保険を、同じ団体用の保険料で維持できるという法律です。ただ、保険料は全額自己負担となりますので、会社に勤めていた時よりも出費はかなり増えます。家族ともども健康な人なら、COBRAよりも、個人保険に加入したほうが安くなる可能性も高いです。

  3. WIC(Women,Infant,Children program)とは妊婦さん、産後6ヶ月までのママ、5歳以下の子供に対して、シリアルや牛乳・卵・ジュース・チーズ・豆・粉ミルク・離乳食などのクーポンがもらえる低所得者向けのシステムです。

  4. TANF(Temporary Assistance for Needy. Families)とは、アメリカの公的扶助システム。子どものいる家族を対象とする。「貧困家族一時扶助」と訳される。

  5. Pell Grant とは、「The Federal Pell Grant Program provides need-based grants to low-income undergraduate and certain postbaccalaureate students to promote access to postsecondary education.」
 うーん、最近は本当に新語がよく出てくる。「half economy」「layaway」「アスピレーション・コンシューマー」。ははは、おわかりでしょうか。


2009年01月25日(日曜日)

 (07:48)オバマが就任後初のビデオ演説をしたというのでURLはブッシュ時代と変わっていないホワイトハウスのサイトに行ってみたら、オバマさんの顔がずーんと。実はサイトは就任の日(20日)からもう手際よく変わっていた。

 最初のビデオ演説は週刊ビデオアドレスとしてアップされていて、要するに今後オバマ政権が何をしていくかの概要を話しているのですが、どうやらそれはホワイトハウス24日発表のこのレポートをベースにしている。

 まあ今朝の日本の新聞にもいろいろ載っているが、原文で読むのが一番良いのでしょう。私はこのPDFをダウンロードして、後々の資料に残しました。PDFですから、簡単にダウンロードできる。

 ちょっと見慣れない単語があるとしたら、それは「weatherize」でしょうか。最初ブックシェルフを調べたらなかった。ネットで調べたら「To protect (a structure) against cold weather, as with insulation.」とあった。日本の新聞の訳では「断熱化する」というのがあったが、アメリカですから「断熱・保温化」が一番良いと思う。

 それから、就任演説で「これは良く分からないな」と思った「We will harness the sun and the winds and the soil to fuel our cars and run our factories. 」の部分の「soil」は、初ビデオ演説で同じ語順で「太陽、風、そしてバイオ燃料」と言ったことから、具体的には「soil」とは「バイオ燃料」を指すと判断しました。

 まあ確かに「バイオ」は土がなければ育たない。ただし彼が今のトウモロコシベースのバイオ燃料を良いと言っているのかどうかは分かりません。実は私が2006年に取材したエタノール工場の運営会社は、その後倒産したと聞きましたし、多くの途上国にとっての食糧であるトウモロコシからの燃料生産については批判も多い。私も反対です。

 オバマが非穀物系のエタノール燃料を支持していることを期待するのですが、まあそれは置くとして就任演説の「soil」の意味が分かったのは良かった。いずれにせよ、「The American Reinvestment And Recovery Plan--By The Numbers」と題したPDFはオバマの経済政策を考える上でベースですから、一度目を通しておいた方が良いように思います。


2009年01月24日(土曜日)

 (23:48)思い返したら今週も本当にいろいろな方に会いましたな。今までお目に掛かっていなかった。

 月曜日の収穫は、「世の中進歩堂」の為にアメリカでリサーチを担当してくれている高山さんかな。林さんと一緒に来日中の彼に会ったのですがナイスガイで、アメリカでどんな手段でリサーチしてくれているかを彼の口から聞けて良かった。

 ああいう番組は本当に「ネタが命」なんですよ。キラリと光るネタがあって、その上に映像や意味づけが出来てくる。シナリオが書かれ、スタジオがある。主なネタは、まあ予想通り専門誌でしたね。一般紙・誌が取り上げる前にいかに意味を見つけるのか。それが大事です。

 ニューヨークから来られたと言うことで、ひとしきり話したあとは、ニューヨークにある有名な店の東京の本店にお連れしました。「ラビット」の日本名でニューヨークでは有名な店ですが、東京では小さな店です。しかしその時は勘三郎さんの奥様がいたり、お姉さん(経営者なので時々いますが)がいたり。面白い店です。

 お姉様が、「(マスコミは)あまり不景気と言わないで欲しいな....」と言った後、「私の弟なんて再来年まで仕事がびっしり入っている。全然不況なんかじゃないから....」と。うーん、まあそういう人もいるんですが。

 ところで、明日の世の中進歩堂は、「バーチャルトレーニングシステム」がメインテーマです。キューポラのある街、埼玉県川口市生まれの「驚異の職人育成プログラム」です。

 最新のバーチャル・リアリティー技術を応用した装置が面白い。埼玉大学大学院理工学研究科の研究室で開発された。日本のものづくりの基盤である職人技術、“鋳物”作りの工程が、視覚、聴覚、触覚などの五感を通して体感できるところが味噌です。日本が誇る巧みの技を、未来に伝える為のトレーニングシステムで、他の工程にも使えます。是非ご覧下さい。

 木曜日の日テレNEWS24での「闘論」という番組は、テレビなどでは存じ上げてはいるものの今まで一緒に仕事をしたことがない人達との出会いの場となりました。talkbattleというのがキャッチフレーズですが、平野さんは日銀からトヨタのファイナンス子会社に移られた方で、最近は金融危機もあってよくメディアに出ておられる。共通の知り合いが多く、スタジオ以外でも話が盛り上がりました。

 手嶋さんはNHK時代とちっとも話し方が変わらないのが面白かったな。討論の席で喋っていてもリポートしているような感じでした。どこかにオフィスをお持ちだと思ったら、完全に一人で行動していると。

 五味さんはりそななどへの資本注入の時の金融庁長官でしたので、お顔は存じ上げていました。今は西村あさひで弁護士の方々にアドバイスのお仕事。慶応の櫻川先生のオフスタジオの言葉としては、「うーん、慶応もバブルですから」というのが面白かった。

 金曜日は、書評をずっと担当している「日経ビジネス」の担当者とそのデスクの方と。書評を担当してもう長いので、担当者は相当に代わっている。いろいろな方がいらっしゃる。最初のお二人くらいとは会っていろいろ話した。その後は、「代わりました」とメールをもらって、原稿のやりとりだけで、「今後代わります....」と。まあお互い忙しいからそれもありかもしれない、と思っていた。

 しかし今回の方は「是非一度」ということで、金曜日の夜に。それこそ会話がtalkbattle のようになって面白かった。今のようにいろいろと意見が割れる問題では、日経ビジネスの編集部でもいろいろな意見が出るのだそうです。そりゃそうだ。

 最近では原稿依頼でも講演依頼でもメール一本で話が来る。それはいいのですが、原稿がかなり続いても顔を知らない編集者がいる。いつも「それはどうか」と思うのです。まあそれでも仕事としての原稿の出稿は続けますが、何か味気ない。まあ一回くらいメシでも食べないと。

 講演依頼などもわざわざ会いに来る人と、システム化していてメールのやりとりで終わってしまって、会場にも来ない例も。仲立ちをしている会社が多い。まあそれもありなんでしょうが、やはり顔を合わせてちょっと情報交換でもしたいものだと。

 そういう意味では、金曜日は良かった。


2009年01月23日(金曜日)

 (14:48)何でも評判が悪いよりは、良い方が良い。 「地球特派員スペシャル 壁崩壊から20年 グローバル資本主義の未来」はNHKさんの中央番組審議会でも高い評価を頂いたそうで、私も番組に参加した人間としては嬉しい。なにやら、審議会の視聴者への報告(地上波で短くやっている奴ですかね)で20〜30秒取り上げられるそうです。

 まだ見れるかどうかは知りませんが、NHKオンデマンドのリトリーブ・ランキングでも高い位置にいるようで、ロングテールのように長く見てもらえるのだとしたらそれも良いと思います。あの番組で石川さんが、「今年はウクライナが大きな鍵を握る」と言ったら、そのままウクライナ情勢が非常に重要な年初のポイントになった。慧眼です。

 藤原さんお司会は素晴らしかったし、岡本さんのあのちょっとぶっきらぼうの取材態度や話し方も、私のそれなどと比べると面白かったのではないか(^-^)ニコ。江上さんのちょっと角度のある意見と質問も面白かったし、太田さんの説明もまとまっていた。

 ところで、私が20日のオバマの就任演説の2時間後に書いた文章がアップされました。二時間後に書いたのにアップが数日も遅れるなんて....と思いながら紹介しているのです。まあいろいろ校正とかありますからね。ECOマネジメントです。お読み頂ければ幸甚です。


2009年01月23日(金曜日)

 (08:48)おお、ガイトナーがやってくれましたね。これは中国は怒りますよ。「Geithner Says China Is Manipulating Its Currency 」

 まあ真実なんですがね。ポールソンとは違う財務長官だと。


2009年01月22日(木曜日)

 (15:48)クリントン国務長官はさっと承認されたようですが、ガイトナー財務長官は昨日CNNを見た限りでは議会でギリギリとやられていましたね。英語で「grill」と綴られていた。「網焼き」ですからね。

 税金にからむ問題ですからややこしい。財務省は税金が守備範囲ですから。それをいい加減にした人を長官に頂くのはちょっとまずい。随分と彼は謝っていました。「過ちがあった」と。

 それにしても、日本でも名前が良く知られた会社の苦境が続いている。昨日の夕刊で報道された三貴の民事再生法の適用申請は、同社があまりにも繰り返しコマーシャルに登場する存在だっただけに、「あれ、昨日まで盛んな宣伝活動をしていたのに」とビックリ。

 まあ経営戦略の間違いでしょうね。時代の風が大きく変わったのに、まだ今年の1月の末についても前橋店の開店を予定していたという。一方、今日昼に新聞スタンドの前を通ったら、夕刊フジの大きな見出しに、私もよく行く家電量販店の名前がデカデカと出ていて、「重大危機」と。もっとも有名企業の危機は、日本だけの話しではない。

 実体経済に激しい動揺があるときには市場も同様です。昨年来の金融市場の一時の落ち着きはどこかに行って、為替、株とも再び不安定な動きになってきた。夕べのドル・円のドル安値・円の高値は87円10銭。今はもう89円でも90円に近い。

 昨日のニューヨークも引けはかなり上げ(ダウで280ドル近く)ましたが、私がテレビ朝日に出かける直前は40ドル弱の上げに過ぎなかったですから。まあ暫く混乱した状態は続くのでしょう。オバマ政権が発足したからと行って直ぐに不安感がなくなるわけではない。テレビ朝日と言えば、下平さんは声がつぶれてしまったそうな。可哀想に。

 日経ビズポッドは相変わらずの人気を保ってくれていて嬉しい限りですが、もう一歩ステップアップしたいと思っているのです。話題も目新しいモノにしていきたい。

 そういえば、今夜日テレ24でアメリカや日本の経済危機を扱った特番として「闘論」という番組があります。うーん1時間では短いのでは。この番組には去年の秋から誘われていたのですが、私のアメリカ行きなどで出演は今回が初めて。楽しみ。

 この週末には「スタンバイ」の特別番組がTBSラジオの土曜日午後8:00〜9:00まであります。ともにお楽しみに。


2009年01月21日(水曜日)

 (09:48)もう一度就任演説を読んでみて、「これはちょっと面白い」と思ったのは、アメリカ国民に対する呼びかけではなくて、諸外国への呼びかけの部分、それに環境に触れた部分かな。環境に触れた部分に関しては、就任演説を読んだ直後にこのサイトに締め切りギリギリの原稿を送ったので(公開は明日)、ここでは「諸外国やそのリーダーへの呼びかけ」を。

 従来の大統領も海外への呼びかけはあったと思いますよ。世界に孤立して存在するアメリカではない。しかし、どう考えてもオバマはこの部分が長かったように思った。特に目を引くのは「イスラム世界」への呼びかけが最初に、かつきちんと入ったこと。

 就任演説の中には「to those」で始まる文章が5つある。もっとも回数多く繰り返しで始まっている部分で、その最初に出てきているのが「イスラム世界」へのメッセージで、以下順番に並べると次のようになる。

  1. To the Muslim world, we seek a new way forward, based on mutual interest and mutual respect.

  2. To those leaders around the globe who seek to sow conflict or blame their society's ills on the West, know that your people will judge you on what you can build, not what you destroy.

  3. To those who cling to power through corruption and deceit and the silencing of dissent, know that you are on the wrong side of history, but that we will extend a hand if you are willing to unclench your fist.

  4. To the people of poor nations, we pledge to work alongside you to make your farms flourish and let clean waters flow; to nourish starved bodies and feed hungry minds.

  5. And to those nations like ours that enjoy relative plenty, we say we can no longer afford indifference to the suffering outside our borders, nor can we consume the world's resources without regard to effect. For the world has changed, and we must change with it.
 イスラムに最初に語りかけたのは、やはりオバマ政権の外交が成功するかどうかはイスラム世界との協調が果たして出来るかどうかにあることを知っているからでしょう。国内問題は「change」で国民を一体化出来る可能性がある。しかし世界は多様で、オバマに善意があったとしても、その善意をそのまま受け取る向きばかりではない。

 ガザでの紛争にオバマは何も語っていない。「大統領は一人だ」と。しかし今は彼がその「一人の大統領」になった。実は内政よりもオバマが失敗するとしたら、外交の可能性があると私は思っているのです。

 ところで、就任式があったアメリカの20日の株価は、ダウで332.13ドル強落ちて7949.09ドルでの引け。厳しい数字ですが、これはオバマへの期待剥落というよりは米英の金融危機の再燃を受けたもの。為替もドル・円は再び89円台になっている。


2009年01月21日(水曜日)

 (02:48)うーん、19分。第44代の米大統領になった1バラク・オバマの就任演説は、思っていたよりかなり短く、内容は具体性に欠けていた印象を持ちました。素直なところ。もうちょっと中味に踏み込むと思っていたので、ちょっと拍子抜け。まあこんなもんなんでしょうかね。

 市場の反応を見ていたら、始まるときがダウで130ドル安程度。終わったら下げ幅を拡大して180ドル程度。むろん途中経過で、この先市場が閉まるまでにどういう動きをするのか分かりません。しかし朝方から下げていた株価を押し上げる具体的な力はなかったという印象。

 今のアメリカが危機にあり、それが「greed」と同時に「our collective failure to make hard choices」にあったので、一人一人の国民が立ち上がってこの国の「remaking」をして欲しい、新しい責任を背負って欲しい、と述べたくだりは、「その通りだな」と思ったし、会場に集まった、そしてテレビを見ていたアメリカ国民一人一人が「自分も何かしなければならない」と思ったでしょう。

 テレビで見る限り素晴らしい晴れという天候。そして見渡す限りに人で埋まった会場。そういう熱気は伝わってきた。「リセッション」と「イラクやアフガニスタンでの戦争」「潜在的に驚異としてあるテロ組織との戦い」など、アメリカは多方面での挑戦に直面している。その任務の重さに改めて自分を奮い立たせ、加えて国民にその困難な仕事に貢献と参加を求めた。

 アメリカの各紙の見出しの付け方が面白い。

  1. 「PRESIDENT OBAMA VOWS ERA OF RESPONSIBILITY 」(ニューヨーク・タイムズ)

  2. 「President Obama Says Americans Must Choose 'Hope Over Fear' to Take On Recession, Wars 」(ウォール・ストリート・ジャーナル)

  3. 「'The Challenges We Face Are Real' 」(ワシントン・ポスト)

  4. 「Obama: We must change with the world New president repudiates Bush era 」(フィナンシャル・タイムズ repudiate は「拒絶」)

  5. 「American milestone: Obama inauguration is a moment of celebration, reflection」(クリスチャン・サイエンス・モニター)

  6. 「'We have chosen hope over fear'」(シカゴ・トリビューン)

  7. 「PRESIDENT OBAMA  'We must ... begin again the work of remaking America' 」(LA times)

  8. 「Obama Urges Americans To Choose 'Hope Over Fear'」(サンフランシスコ・クロニクル)

  9. 「President Obama calls for 'new era of responsibility' 」(英タイムズ)
 まあそうなんでしょうな。「責任」と「恐怖に勝る希望」。前者があって後者があり、そして「アメリカの作り直しが始まる」ということでしょう。ちょっと先人達の話しが多かったかな。最後にオバマの就任演説をリンクしておきます。ドルは対円ではやや弱く、90円前後。


2009年01月19日(月曜日)

 (15:48)ははは、タクシーに乗って到着してから運転手さんに、「じゃ、これはIDで払います」と言ったら、既に現金処理で動き出していた運転手さんが大パニックになってマニュアルかなにかを取り出してきたのにはびっくりしました。うーん、最初に乗ったときに言っておくべきだったと。

 見ていると、大部分のタクシーの運転手さんはエディーやスイカ、それにIDが使える場合でも、「何でお支払いになりますか」とは聞かない。ということは、まだ現金出払う人が多いのでしょう。運転手さん達は、到着した瞬間に普通は現金処理の手続きを始める。

地球アゴラの収録後のスタジオで  その段階で「あ、すみません、エディーで」とか「IDで」とか言うと、処理のやり直しに運転手さんは入る。ところが今日乗った運転手さんはまだ日が浅いらしくてその「やり直し」をマニュアルを見ながら始めた。現金処理をキャンセルしてやり直すのですが、それが分からないようなのです。急いでいないので、「運転手さんの勉強にもなるし」と思ってみていたら、3分くらいかかりましたかね。

 でいつも思っているのですが、日本のタクシーではまだ支払いを現金以外でする場合には事前に「エディーで」とか「スイカで」とか「IDで」と言っておかねばならないな、と。特に急いでいるときはそうです。

 ところで、初めて出た地球アゴラという番組はなかなか面白かった。アゴラ(agora)とは「代ギリシャの政治的な人民集会」「またはその場所」という意味で、JALの雑誌の名前にもなっていると思った。地球の五カ所(今回はアイスランド、デトロイト、ウラジオストック、スペイン)をネットのスカイプで結んで、基本的には世界の情報を集める、という方式。番組の最初にはワシントン在住の方も繋がっていた。動きはぎこちないが、そこがまたいい。

 今回私が呼ばれたのは、「アゴラー(各地にいる人)からのスタジオへの質問」というのを最初の試みとしてやったのだそうです。普段はスタジオから地球各地のアゴラーに質問することが主。逆方向もやってみたい、という意見があったそうだ。それで呼ばれた。そう言えば以前ちらりと見た時にはスタジオは二人だった。私も一緒にアゴラーに質問もしてなかなか面白かった。

 今週のワシントンを「人民集会、その場所」と言えるかどうか。ちょっと違う気もするのですが、それにしても最低200万人が集まり、ワシントンのパレード沿道に住んでいる人は自分の家や部屋を貸して10万、20万の小遣いを稼ぐ人までいるそうな。

 男性キャスターは川平慈英さんは、最初はテレ朝のニュース・ステーションで見掛けたのですが、今でも記憶に残っているのは銀座の博品館の上の階で見たダンス。これが素晴らしかった。番組の合間にその話をしたら「ありがとうございます。9年間で終わってしまいました」と。今は日生劇場で藤原紀香さんなどと舞台をやっているそうな。


2009年01月18日(日曜日)

 (19:48)今日の午後8時半からの世の中進歩堂に出演される東京工業大学の原博士は触媒の専門家ですが、この番組で凄まじい予想を展開してくれます。是非科学好きの人には見ていただきたいと思います。きっとびっくりしますよ。

 それと今日は、私にとっても初めての地球アゴラという番組に、スタジオゲストとして出ます。どういう番組なのか、まあ世界とスタジオをネットで繋げて.....という番組なのですが。

 こちらはNHKのBS1で午後9時10分からです。59分までの49分の番組。初めてなので、どういう展開か。まあ多分面白い。時間があったら両方の番組をご覧下さい。


2009年01月17日(土曜日)

 (07:48)今の時期に相応しい単語を三つほど覚えました。昨日のパイロットの話にも関連して。やはり、「大英雄」「ハドソン川の英雄」として賞賛されているらしいですね。その名前は、チェスリー・サレンバーガー機長(Capt. Chesley B. Sullenberger III, 57)。

 まず最初の単語は、「double bird strike」。この機長自身が管制塔に言った言葉です。飛行機に鳥が衝突することは「bird strike」と言うらしい。しかし今回は左右両方のエンジンが鳥と衝突し止まってしまったことで飛行機は推進力を完全に失った。その瞬間に飛行機(US Airways Airbus A320 )はグライダーとして飛ぶしかなくなった。機長はグライダーの免許も持っていたらしい。

 飛行機がどう飛んだのかは、このニューヨーク・タイムスの記事にあるが、予想通りブロンクスとマンハッタンの北を通っている。ミッドタウンは避けているが、橋もいっぱいあるハドソン川に北から侵入して見事に着水。

 その見事な着水を表現する単語として使われているのが、「consummate」です。知らなかったな。形容詞としては、「完全な、至上の、神技の....」という意味らしい。動詞としては見たことがあるような。だからちょっと予想は出来た。動詞は「事業などを完成する、目的などを達成する」ですが、あまり使わない。形容詞の方が賞賛度合いが高い。確かに。この単語は、彼の奥さんがパイロットとしての彼を形容するのに使っている。

 さて、話は変わっていよいよ来週はオバマの就任式。20日火曜日です。それに関連したCNNのニュースを読んでいたら「supremacists」という単語が出てきてた。まあこれは予想は出来る。「supreme」と「racist」を合わせた単語に見える。

 ブックシェルフを開いたら、「(特定集団の優秀性を主張する)至上主義者」とあった CNNの記事にはこの単語の前に「white」が付いている文章ですから、つまりこの「white」まで入れて、「白人至上主義者」という訳になる。まあいますからね、そういう輩はアメリカには結構。就任式になにかこういう連中がしでかすのではないか、とアメリカの当局は懸念している、という話です。

 余計なことですが、先日ブックシェルフの最新版を量販店に買いに行ったら、「もうマイクロソフトが作っていません」と。便利な辞書だったのにビスタとの相性が悪くて新しいのを買いに行ったのに。しょうがないので他の辞書を買ってビスタには入れました。

 まあ最初の「double bird strike」は今後なかなか出てくる言葉ではないでしょうが、あとの二つは結構これからも出てきそうだ。オバマは「consummateな大統領になれるか?」とか。これはなかなか難しい。


2009年01月16日(金曜日)

 (13:48)パイロットは表彰ものですな。だってたった数百メートル不時着地点を間違えただけで大惨事ですよ。高層ビルが林立するマンハッタンですから。高度ない、時間ない、航行速度ないなかでのみごとな不時着。

 飛行機が鳥の群れに突っ込んでエンジンが二つとも止まったのがどこだったのかはまだ発表されていない。しかしあの航路からだとマンハッタンの上空だったのではないか。だとすれば、ハドソン川を不時着地点に選んだパイロットの判断は素晴らしかったし、しかもフェリーなどが航行していない場所があったことも幸運でした。グライダーのように滑ったのかな。

 私も近くに住んでいたことがあるから知っているが、あの川には船が多い。フェリーなど。そのフェリーが直ちに救助に駆けつけたというのも素晴らしいと思う。「(不時着機が)爆発するのではないか」といった不安もあったのに。

 ここで155人のも人が死んだら来週のオバマの就任には影が差したのに、そういう意味でもパイロットはまだ出てきていないが、素晴らしい判断力だったと思う。ぜひ、どういう経緯だったのか知りたいものです。

 ところで、以前このコーナーで私のビスタ・パソコンのできの悪さ、具体的にはNHKのオンデマンドもよく処理できない処理能力の窮屈さについて書いたのですが、新潟県のコンピューター関係の仕事をしている方からいろいろ教わり、HDDのCのインデックスを外したり、SDカードを入れてそれをHDDの一部と認識させたりで、かなり順調に動くようになりました。

 なによりも嬉しいのは、NHKオンデマンドがとぎれなくXPのように見られるようになったことです。いろいろやってみると道は開けるものだと。いろいろ享受して頂いた新潟県の方には感謝、感謝。まあビスタはもう買わないでしょう。


2009年01月15日(木曜日)

 (17:48)地下鉄丸ノ内線に乗っていたら、前に立った二人の男性(多分二人とも定年を過ぎている)が、「いつもは見ないんですが、今場所は相撲を見ていますよ....」と。対してもう一人が、「今は他のスポーツをやってないからね。WBCも先だし....」。

 ははは、二人とも正しい。しかし前者のオジさんの気持ちの方がよく分かる。最初は朝青龍はどうなるのかと思ってずっと見た。今は「安馬」改め「日馬富士」がどうなるかに関心が移っている。ともにモンゴルの力士だが、この二人の勝敗がやけに気になる。私は豊ノ島のファンなんですがね。

 タクシーに乗っていたら、またまた白バイがあちこちに止まって見張っている。運転手さんに、「白バイが目立ちませんか」と言ったら、「そう言われればそうですね」と。いや、最近本当に白バイが目立つんですよ。年度末で予算でも足りないのかな.....

 眼鏡の縁が大分劣化してきたので青山の眼鏡屋さんに「とっかえてください」と言ったら、「これはベルギーのやつですので、時間がかかります」と。年明けの話です。しかし今日電話がかかってきて、「もう出来ました」と。

 取りに行ったら綺麗になっている。こんな短期間にベルギーに行って戻ってきたのかと思って、さらに「おいくらですか」と聞いたら、「それが驚くことに向こうがタダで修理してきたんですよ。だからいいです」と。へえ、劣化が激しかったのは何か欠陥でも。それとも請求忘れ。ま、そのままですが。

 年が明けたので、去年の後半に海外出張などで行けていなかった店に結構意図的に行っている。腕が明らかに上がった店、去年よりちょっとお客さんが少なくなった店。いろいろある。時間の流れの中で店も変わる。

 書いていたら、5日目にして「日馬富士」に初日が出た。今場所一番稽古していた力士だそうなので、やはり応援したくなる。琴奨菊を押して、押しての勝利。嬉しいだろうな。朝青龍も勝った。今日は立ち会いで負けていなかった。5連勝。


2009年01月15日(木曜日)

 (04:43)シティバンクの実質的解体の開始、ドイツ銀行の赤字予想、HSBCの資本調達の観測.....と材料が続けば、金融株の下げは確かにきつくなる。加えて、全米小売業協会(NRF)が14日発表した年末商戦(11―12月)の売上高(自動車、ガソリン、外食除く)では、1995年以来の初めての前年割れ。前年同期比 2.8%減の4475億ドル(約39兆8800億円)、となればそりゃ株式市場は嫌気する。

 この文章を書いている現在では引けがいくつになるか分かりませんが、まあダウで200ドルを超す大きな下げでの終わりでしょう。ダウの水準そのものが8000ドル割れの水準に接近しているし、何よりもこれで6日連続の下げになりそう。

 年末年始の市場は「アメリカ経済は今後酷い状態になる」ということを分かっていながら、「新しい大統領を迎えるのだから」ということもあってラリーしてきた。

 しかし今の市場は実際のオバマの登場を前に、改めて米経済が陥った苦境の深さをかみしめている印象。ウォール・ストリート・ジャーナルには、株の下げを報じる記事の隣に、オバマ新大統領の景気刺激策の規模が、8500億ドルになりそうだという記事がある。少し前のドル・円だと直ぐにそれは90兆円とかになったのだが、今の89円台のドル・円では直ぐに一割くらい引かれて80兆円にも達しなくなる。為替の動きは大きい。

 もっとも昨年の一時期とは全く状況が変わってきた事がある。それはプライス・ムーブメント。昨年の9月、10月、11月は「一瞬先は闇」で上がったり下がったりどうなるか全く分からなかった。引け10分前で大きく上げていても、本当にプラス圏で終わるのかどうか分からなかった。実際に大きく下げて終わったこともある。

 しかしこのところのプライス・ムーブメントは印象としては落ち着いている。水曜日のニューヨーク市場の動きも、統計を受けてどーんと寄りつき下げたものの、その後は底這いの状況。市場の動きとしては落ち着いている。そういう意味では、市場環境は変わってきている。

 まあそれにしても、IT業界の一時は寵児として名をはせたノーテル・ネットワークスが破産法11条の適用申請とは、業界が業界だけに驚きました。ITの世界にも今の世界的な不況は及びつつあると言うことでしょう。発表されたばかりのベージュブックも悪い。


2009年01月14日(水曜日)

 (08:43)NHKが12日に放送したハイビジョンの放送かな、「ネアンデルタール人の謎 最新報告・ゲノム解読の試み」は面白い放送だったのですね。今デマンドで見終わりましたが、今まで考えられていたように現世人類ホモ・サピエンスがネアンデルタール人を駆逐したのではなく、一部では交配し、有利な遺伝子をむしろもらいながら徐々に吸収していったのかもしれないという内容。

 この放送は印象的なことに「すべての現代人の中にネアンデルタール人の遺伝子が含まれているかもしれない」と主張する。人の髪の毛を赤くするMCIRという遺伝子(第16染色体)の存在(だからネアンデルタール人は赤毛だったと)や、FOXP2という言語を司る遺伝子の存在を初めて知りました。この番組では、もしかしたらFOXP2をホモ・サピエンスはネアンデルタール人からもらったのかもしれない、とも。

 鍵はV80という3万年近い前のネアンデルタール人の骨にあるようです。ルーマニアかな、発見されたものの、長らく(20年近く)何の骨だか分からないということになっていたが、調べ直したらまごうことなきネアンデルタール人の骨で、しかもDNAが過去に発見されたネアンデルタール人の骨とは比べものにならない程のDNAが残っていた、というのです。それの解析が今進んでいるという。

 「異なった、しかし近い種の交配ほど突然変異を起こしやすい」というのは納得性があるな。現世人類は、前世代のいろいろな種(ネアンデルタール人など)と交わったからこそ、今のような多様な構成(肌の色、髪の毛の色、体型、形などなど)になっているともこの番組は主張していた。

 まあでも私がこの番組を見ながら思ったのは、ネアンデルタール人が仮に現世人種と極めて似ていて同じような能力(脳の容量はネアンデルタール人の方が多かったらしい)を持っていたとしたら

  1. なぜネアンデルタール人はヨーロッパにしか広まらなかったのか(だって現世人類はあっという間に世界に広まった。アジアを含めて)
  2. なぜホモ・サピエンスに吸収されてしまったのか(具体的に何が劣っていたのか。番組ではむしろ狩りの形態からネアンデルタール人の方がコミュニケーション能力に優れていたとされていた)
  3. ネアンデルタール人より現世人類が優れいていた点としてよく指摘されるのは喉の構造とされるが、それは本当か
 などです。でも面白かった。ヨーロッパにいたネアンデルタール人は赤毛で色が白かった、と。うーん、いろいろ考えさせられますね。古い人類を扱った本としては、「縄文人 はるかなる旅の謎」を読み終えましたが、これも面白かった。縄文土器が世界中で発見されているとは知りませんでした。

 ところで、以下にいっぱい最新の単語を並べますね。私も最近知ったばかりのやつです。

ダーマル・ディスプレー
電子化粧鏡
拡張現実
三次元お絵かきソフト
遠隔地恋愛支援システム
電脳フィギュア
人体通信
触覚バーチャル・リアリティー
フィトンチッド
立体映像
ペーパーフォー
二次元通信シート
超音波ディスプレー
バイオミメティックス
におい再現装置
ホログラフィー
バッタロボット
ハルク、ミミズロボット
マッスルスーツ
アクティブ歩行器
ランロボット
光学迷彩
メディアカート
歯の再生技術
ソーシャル・リテーリング
疲労研究
バイオメカトロニクス
触媒の最先端研究(光触媒)
バーチャル・トレーニング・システム
フィールド・サーバー
生命知能システム
発電床
温度差発電
海中ロボット
スマートペン
医療ロボット
遠隔手術支援システム

 いや何かというと、世の中進歩堂という番組をせっかくやっていて毎回勉強になるのに、その都度忘れては何にもならないと思って、今までに取り上げたか、これから取り上げるので今勉強している内容のキーワードを書き出して、それを改めて確認しようと思って書き出したのです。今までの資料から。そしたらちょっとやっただけでこれだけになった。備忘と思い出しの為に並べたのです。

 まあきっかけもあった。火曜日かな、朝のテレビ東京の番組を見ていたらニューヨークの佐々木さんがパワーマットというベンチャー企業の製品を紹介していたのです。しかしそれこそ番組が以前取り上げた「二次元通信シート」だったのです。「あれ、アメリカで実用化されている」(発売はちょっと先)と半分くやしい気持ちになった。このシートは便利ですよ。たこ足配線解消になる。私も欲しい。

 まあ人間、新しいことが一発で覚えられると言うことはない。こうしてたまに振り返ると、あこれをやった、ああこれはそうだったと思い出せるし、今後の記憶維持に役立つ。もしかしたら、番組に呼んでいる研究者は「その道」の人ですが、私のように横断的に見ている人間の方がそれらを横に結びつけて何か思いつくかもしれない、という、ははは、気持ちもある。

 まあたまにこうやって書き出したりしながら、新しい技術を頭に沈殿させます。結構面白い。


2009年01月12日(月曜日)

 (23:43)ははは、正直言ってこの二日間は「朝青龍の相撲」と「女と男」というNHKの番組に関心が集まっておりました。どちらも時間を見つけてその本来の放送時間に何とか視聴。

 初日、日曜日の朝青龍は彼らしさが出ていて面白い取組だった。一瞬「これで終わりか」と思ったところから一転して状況を切り開いた。稀勢の里の詰めが鋭かったら、朝青龍は負けていたと思う。最後の稀勢の里に対する一発は余計ですが、まああれが朝青龍でしょう。

 月曜日の琴奨菊との取組は余裕があったので、最後は相手の力士に余裕の手を伸ばして、相手をいたわっていた。余裕があるときの朝青龍と、ないときの朝青龍は全く違う。危機に直面したときの方が彼の本性が出る。良くも悪くも。しかしどんな時でも懸賞は右手で取れるようになってきている。「やっと」という意見はあるだろうが。

 しかし全体的に言うと、朝青龍の肉体は私の観察では限界に接近しつつあるように思う。まだ若いのに、多分相撲以外の事に興味が強いのでしょう。いつも相撲を考えている白鵬とは違う。良い悪いの問題は別にして。今は瀬戸際だから頑張っているし、改めて自分の力を示したいのでしょう。しかし勝ちだすと、また他のことに関心が行くように思う。

 「女と男」は、次回の最終回になぜスタンダールの順番での呼び方ではなかったのかが分かるようです。来週ですが。予告では「危機に直面する男」となっていた。まあそれはまだ見ていないので、この日月の2回のエッセンスは、要するに何百万年もの男は狩猟、女は採集の時のサバイブの記憶が女と男の差を作り出している、という内容だったと思うし、まあそれはそうなんでしょう。

 世界最古の文明と言っても、3000とか5000年前。その前に人類には長い長い歴史に残っていない長い期間がある。その長い長い期間が今の我々の遺伝子の中に色濃く残っているであろことは十分予測できる。番組はそれを改めて見ることが出来て面白かった。

 「地図が読めない女」の本当の意味も「そういうことなんだ」と。まあそうなんでしょうな。ちょっと単純化しているような気もしたが、半分は推論があったので納得性が高かった。ははは、最終回が楽しみですな。「危機に直面する男.....」と。


2009年01月11日(日曜日)

 (14:43)うーん、windows7 には興味があるな。というのはどうしてもビスタに良い印象を持てないのです。試験版のリリースはいつでしたっけ。

 昨年末にビスタマシンの大規模な点検をしたのですが、その後もいろいろ問題がある。例えばXPの最後の方に買ったマシンはNHKオンデマンドを全く問題なしに、バッファー時間もなしにダウンロードできるのに、ビスタマシンはダウンロードに時間がかかる上に、走り出しても時々止まる。新たなダウンロードをしているのです。これが迷惑。気になる。

 多分ビスタはメモリーを食いすぎるのです。私のPCのメモリー容量の問題かもしれないが、OSとしてはビスタはあまり感心しない。私だけでなく全般的にXPからビスタへの乗り換えが遅れていると指摘されることは理解できる。

 結局ビスタマシンは一台だけ、ということになりそう。「7」が出るのは来年早々ですか。まあそのくらいはなんなく待てますね。特に急ぐ必要もない。

 ところで、今夜の世の中進歩堂は、アメンボやミミズのロボットが登場します。お楽しみに。


2009年01月11日(日曜日)

 (13:43)うーん、この二日くらいで自分で気に入った自分の発想としては、「ユーフォリア指数」というのを作るというのはどうなんだろう、ということです。

 今の株式市場などでしばしば話題になるものとして、VIX指数というものがある。これは、「アメリカのCBOE(シカゴオプション取引所)が、主要株価指数の一つである「S&P500」を対象とするオプション取引の値動きを基に算出、公表している指数のこと。将来の投資家心理を示す数値とされており、恐怖指数とも呼ばれる」と定義されるが、その反対(「ユーフォリア指数」)を作って金融政策などに使うのはどうか、ということです。

 実は金曜日もメシを食べながら議論をしたのですが、金融政策がなぜ今回のような金融の行き過ぎ、経済活動の過熱をうまく調節できずにディレイしてしまうのか、何かそこにうまい方法はないのか、という話になったのです。これはグリーンスパンのバブルにかかわる立場と、それに反対の立場の議論の中では面白い論点なのです。

 グリーンスパンはずっと「バブルには中央銀行は事後的にしか対処できない」という立場だった。今は知りませんが。対して日銀などはこの見方にずっと批判的でそれは良いのだが、では日銀がバブルの発生に事前にうまく対処できたのかというと、それは高い点数は上げられない。なんとかしなければならない問題なのです。

 そこでの議論で一端落ち着きかけたのは、民主主義の世界ではなかなかみんなが喜ぶ不動産や株価の上げを「これこれこういう理由だから」と中央銀行が理由を明示してブレーキをかけるわけにはいかない、という議論には納得性がある、ということです。だから公的には説明できないことをやるのは「中央銀行の匠の技しかないのではないか」ということになりかけた。

 しかしそれも曖昧ですよね。最後は匠の技かよ、という気もする。私が知っている「匠の技」は料理でも、工業でも個人に着く。なかなか組織には根付かない。そこで私の頭に浮かんだのが「ユーフォリア指数」です。

 何を指数化するのか。例えばある特定期間の不動産や株価の上昇率、接待費の伸び率、タクシーやホテルの回転指数、小売りの売り上げ指数の伸びなどなど。マネーのベロシティーを入れるのも良いかも知れない。

 その指数が一定以上に上がったら、「今までの数々の失敗にはもう懲りました」と素直な反省の上に立って、中央銀行がやや引き締め的な政策に出ることを容認する社会的合意を作り上げる、ということです。不動産や株価が上がり始めると必ず出てくる議論は、「今回は違う」「パラダイムが新しい」という議論です。

 しかしそういう議論は大体が株価や地価の下落の中で「一体なんだったの」「追認理論じゃなかったのか」という失望の中で消える。だったら、人類は過去20年で繰り返しバブルとその破裂を繰り返しているわけだから、もう繰り返しません、という形で一定の指数を持つ、それを社会的にも「ちょっと行き過ぎですよね」という合意形成に使って政策を引き締めに舵切りすればどうか、という発想です。

 まあいろいろな意見があるだろうし、難しいかも知れない。しかしグーグルでも「ユーフォリア指数」ではヒットがなかった。と言うことは、ははは、ちょっと新しい発想かも。中央銀行の方などからご意見など頂ければ。

 最近本や新聞などを読んでいて面白いと思った言葉では、まず「さくばく【索莫・索漠】」かな。「(形動タリ)もの寂しいさま。荒涼として、気の滅入るようなさま。「索莫とした冬景色」「索莫たる孤独」ということらしい。今まで同じような発音の「殺伐」を使うことが多かったので、「さくばく」は新鮮でした。

 あとは「眼鏡男子」ならぬ「弁当男子」(読売新聞だったかな)は「へえ」と思ったし、「アラブ世界におけるユース・バルジ」という言葉も「なるほど」と思いました。ちょっと備忘のために。


2009年01月09日(金曜日)

 (05:43)ECOマネジメントのサイトに、新しいエッセイを提供しました。オバマ米次期政権の環境に関する政策も徐々に明らかになってきたし、お隣の韓国はエコ関連で今後100万人の職を創造しようとしている。

 韓国の職創造プロジェクトは、環境関連建設プロジェクトや他の”グリーン・プロジェクト”で、今年14万人、今後4年間に100万人の雇用を創出しようというもの。韓国の今の総雇用者数は2400万人、失業率は3.3%ですから、100万人の雇用創出は大きい。

 李博明政権が最初掲げた雇用創出プロジェクトは確か韓半島の真ん中に運河を造るというものだったが、まあそれは一端忘れようということでしょうか。世界中がエコに走っている印象がする。いわゆるグリーン・ニューディール。さて日本はどうするか、です。


2009年01月08日(木曜日)

 (13:43)ああ、それから忘れていました。昨日です。東京駅のOAZOに入ったら右側にある丸善で、ちょっと私としては驚いた企画をやっていて、つい本を買ってしまった。

 それは「バーゲンブック」というセールをやっていたこと。本屋には良く立ち寄る方ですが、ああいう企画は紀伊国屋でちょっと見たことがある程度ですが、丸善のそれは品数も多く大規模だった。

 ついつい「縄文人 はるかなる旅の謎」という本を買いました。正価1995円の本が900円で買えた。凄く得した気がしました。あの近くを通りかかる人は、品数も多かったと思うのでお勧めです。読み始めましたが、なかなか面白い。三内丸山遺跡で突然縄文人がいなくなったことから書き始めている。神隠し、と。

 タイムマシンがあったら行ってみたいですね。いったい何が起こったのか......。


2009年01月08日(木曜日)

 (13:23)海外諸国の株が上がっている最近でもインドの株が安いのが気になっていたのですが、どうやら「インド版エンロン事件」とも呼べる事件が起こっているようだ。ムンバイのテロは悲惨だったが、実はインド経済へのただちの不信には繋がらなかった。しかし今回の「インド版エンロン」事件は、テロよりもインド経済への打撃が大きいかも知れない。

 まず第一に、今回の事件がこれまでのインド経済の発展の正に中心、ソフト・通信産業で起きていることであって、インドでは繰り返して起きているテロよりも内外投資家の市場に対する信頼を大きく傷つけると考えられることだ。

 その会社は、Satyam Commputer Servicesという。日本語のサイトもこのような形で持っているので、多分日本でも大きな事業基盤を持っているのでしょう。

 Satyamとはヒンズー教で「真実」を意味するそうだが、重要なのはこの会社がインドのアウトソーシング業界に置いて非常に大きな地位を占めていたこと。私は正直知りませんでしたが、インドにとっては相当大きなショックらしい。アメリカ、イギリスの新聞などは非常に大きく扱っている。

 直接的に不正に関わったのは同社の創業者であり、会長でもあるRamalinga Raju氏。何をしたかというと同社の決算書類を粉飾(具体的にはありもしないキャッシュ・ポジションや資産などを10億ドルを計上)して投資家を欺いた。この告白をしたのが今月の7日。昨日です。そういえば、昨日のインドのSENSEXは随分下げていたな。

 まあインドの最近のニュースでもう一つ気になったのは、シン首相が「ムンバイのテロにはパキスタンの政府が支援した証拠がある」と述べたことで、そこまで述べたならインドとしてはパキスタンに対するある種の報復が必要になるので、その点が気がかりなのですが、インドの企業の財務状況に対する懸念も強まることになる。

 インドのSatyamの事件は今回の金融危機が発生する以前からの問題とされているので別に原因(資金調達の容易化、株価の維持など)があるのでしょうが、金融危機がらみだけでも世界ではいろいろな企業がらみの事件が起きている。ドイツでは複合企業グループの創始者でビリオネアと呼ばれた人物が自殺しているし、シカゴでも父親が起こした不動産会社を継いだ二代目が自殺したりしている。傷跡は深いと言うことです。

 オバマ政権は今のところ国内政策で打ち出す方向性では支持が高い。しかしガザの問題では立場を明らかにすることを避けている。国内政策では次々に今の大統領がいるのに政策を出しているが、外交政策、特に中東政策では慎重である。

 慎重と言うよりも、恐らく立場の明確化が難しいのだろう。ヒラリー国務長官とどのくらいの摺り合わせが行われているのか知らないが、「外交」がオバマ政権にとっての試金石になるような気がする。1000年の対立感情を引きずっている中東の紛争を収めるのは難しい。

 今できることは、オバマ次期政権としては「期待値を上げない」ということかもしれない。1000年の対立感情を一気にほぐす政策はなかなか見つからないと考えられるからだ。


2009年01月07日(水曜日)

 (19:23)NHKオンデマンドで「世界カイテンズシ戦争」を見ましたが、ちょっと驚きましたね。ザリガニが食材になっていて、中国ではザリガニ養殖面積が東京23区ほどもある、というのが一番の驚き。YO!SUSHIというイギリス初の世界チェーンも実際に入ったことはないし、知りませんでした。

 去年も二回アメリカに行って日本人の店主がやっている寿司屋に入りましたが、それでもちょっと違和感があるのですから、イギリスのイベント・プロデューサー上がりのヨーズシで食べたら違和感は相当大きいでしょうね。しかし世界の人々が食べているということから考えると、日本人が「これは寿司か?」というような寿司が世界に普及したとしても、それはそれで商品なんでしょう。

 映像という意味では、「わたしは貝になりたい」も見ましたが、これはあまり良い印象は残らない映画でした。実際に映画館にはほとんど人が入っていなかった。「おくりびと」は良かったのですが。

 今までこの有名な作品を映画でもドラマでも見たことがなかったので、「見ておきたい」という気もあった。しかし見始めて、出てくる登場人物のせいでしょうか、なぜか映画に気持ちが入れない。そのまま終わりまでいった印象。話しとしては深刻だし、「貝になりたい」という気分も分かるが、ちょっとがっかり。

 移動の最中に二冊本も読みました。「アフリカ農業と地球環境」と、「左利きの人々」。前者はアフリカが抱える深刻な問題と、その対処法を考える上では参考になった。「左利き...」は昔同じような本を読んだ記憶があるのですが、それでも面白かった。

 やかんの出口がちょっと左に寄っているなんて知らなかったな。私は右利きですからあまり気が付かないのですが、左利きの人は随分と苦労しているんでしょうね。それが推察できる本ですが、大阪から東京への飛行機の中で読めましたから、あっという間に読めます。ともに面白い本でした。


2009年01月06日(火曜日)

 (09:23)「保八」ですか。今朝の朝日新聞に今中国のメディアで頻繁に使われる言葉として紹介されている。「経済成長率で8%維持」ということだそうですが、その意味合いは「成長率が8%を割ると失業の大量発生など社会不安→政治不安が起こりかねない」というもの。

 しかし実際には中国の成長率に関しては7%台の予想も多くなっているし、「内需拡大」と言っても社会の大部分の人口に対して社会保障もない状況では民需はなかなか難しい。結局まだ主要国の中では収支状態が比較的良い政府に頼るしかないのでしょう。「保八」はなかなか難しい目標かもしれない。

 朝日新聞の記事では、昨日だか一昨日だかにあった仲代達矢さんの文章が良かったな。無名塾でしたっけ。まあ役者なんてのは究極の非正規労働者ですから、自分の生き方と重ね合わせて思うところを述べていて興味深かった。

 あと今朝の新聞で目立つ言葉としては、「草食」「草食系」でしょうか。各紙にこの言葉が出てくる。海外旅行、車、ブランド品、性などなどあらゆるものに対して欲望水準が弱い状態を指すらしい。

 日経には「もう今年は.....買わない」という27面の記事もある。この記事は「借りる」にポイントがあるので欲望はまだあるのですが、確かに「所有欲」は剥落、または低下している。車が売れないのも「草食系」の動きか。

 実は「常時持っているものを少なくしたい」という動きは、例えば離婚の増加、恋愛への欲望低下、定職保有への意欲の減退などなどでも静かに進行してきたように思う。今朝の日経には年賀状を出すのも慎重になっている人々の話が載っていて、その記事の見出しは「草食消費」となっている。

 では草食系人付き合いとはどういうことか。深入りしない、新しい関係ではなく、旧来の関係(家族とか古くからの友達など)を大事にする、ということらしい。心地よいだろうが、何か新しい展開に乏しそうに思える。まあでも若者が海外に行かない、海外への関心を失っている状況はそういう背景もあるのかも知れない。満ち足りた社会に起きそうなことだ。

 理解はできる。自分の卑近な例を引いても、しゃぶしゃぶを食べると、「やはり野菜が旨い」と思う。まあそれは半分冗談だが、私も草食派の側面がある。家なども持ちたくない、という気持ちが根っこにはある。人間は地球からの「借り物の生物だ」という考え方が根本にある。だから所有を喧伝するのは滑稽でもあると思っている。

 しかしまた卑近な例で恐縮だが、しゃぶしゃぶでも「やはり肉がないとだめ」という考え方だ。牛でも豚でも羊でも、はてまた白身魚でも良い。だいたいそれらが良い肉汁を出すから野菜が美味しくなる。味だしに使うだけではなくむろん肉も食べる。大きなものに対する所有欲はあまりないが、時計とかペンにはすごく愛着がある。

 ははは、変な方向に話が進んでしまいました。「草食系」ね。まあマスコににこの言葉が踊るようになったらその現象はダウンなのかもしれない。事実「職」に対する草食系の対応は「見直し期」に入っている。

 今年はうし年か。そう言えばアンカーの特集コーナーは、牛肉に関してだ。草食の時代に牛肉に関して論じるとはまた面白い。


2009年01月05日(月曜日)

 (12:23)何人かの方から「08憲章」については、このサイトの訳がこなれていて良いのではないか、とのメールを頂きました。皆さん良く読んでいらっしゃいますね。

 実は私も土曜日に「どこか良い訳がないか」と書いた後探したのです。で上記のサイトが一番良いかなと思い始めていたところ。多くの方から、「ここが一番」というお墨付きを頂きました。中味は何回読んでも当然のことが書いてある。

 ただし、「民主」をどのようなプロセスで行うのか、選挙はどうするのか、民度が都市と農村では相当違うし、選挙を実際にやるとそうとう歪んだ選挙になる危険性があるがそれをどうするか、などの細かい問題には触れていないのが「理念先行」の印象もする。理念だけでは、中国の場合はスローガン倒れになる危険性があると思っています。「ユーゴ化」の懸念もある。

 現共産党政権を批判する場合には、少なくとも国をまとめてきた実績を評価した上で、ではどういう体制を、どういうプロセスで作るかの議論が必要で、今の政権を批判しただけではダメでしょう。そういう意味では、もうちょっと詳しいシナリオが欲しい。

 もっとも「憲章」ですから、その後を具体的にどう動かしていくのかはきっと署名者の間でも喧々囂々の議論が行われているに違いない。侃々諤々と言っても良い。その中まで見たい気がする。一つ第17項目だったと思ったのですが、「環境」に触れているのは素晴らしい。この点を日経エコマネジメントのコラムに書く予定です。

 賀状を改めて見ていると、「世の中進歩堂」を見て下さっていて、「面白い」と言ってきて下さっている方が多くて勇気付けられました。BSの7チャンネルなので知らないと行かない人もいらっしゃると思いますが、是非一度ご覧下さい。


2009年01月03日(土曜日)

 (23:23)今年の目標というか基本的姿勢は、「あ、これは分かっている」と思考停止になることなく、そこからさらに「なぜそうなのか」と考えることかな。まあ姿勢として。

 とうこともあって、得意じゃない分野から取り組もうと思って、今年は中国とロシアの勉強から始めました。時間を見つけては、江上さんからもらった「08憲章」と、石川さんからもらったメドべージェフに近い経済学者達が書いたロシア経済改革論(英文A4で75ページもある)を読み始めました。

 「08憲章」は長くない。しかし問題は、江上さんからもらった翻訳が中国語が非常に色濃く入ったもので、日本語らしい日本語になっていないこと。例えば「われわれの基本主張」の二番目に「分権制御」という単語が出てくる。これを日本人の私が素直に理解すると、「三権分立をコントロールする」というように読める。しかしその後の主張を見ると「均衡の分権の現在政府を建設し、立法、司法、行政の三権分立を保証する」と書いてある。これだと、「分権制御」とは、「三権分立をしっかり守る」と理解しなければならないように思える。

 つまり、ちょっと翻訳があやふやなのです。で、内容をよくかみ砕きながらこの中国の知識人達が署名した憲章を読んでいるのです。可能性としては、この憲章は中国にとっての現在の独裁中国共産党への訣別宣言になりうる。

 この憲章への中国政府や共産党の動きは散発的には伝わっているのですが、全体の状況がどうなっているのかはなかなか分からない。良い翻訳と現在の動きが分かるサイトがあったら、ご存知の方は教えて下されば幸甚です。

 私は20世紀の半ばの全くの混乱状態から、今の統一状態に中国という国をもってきた共産党という党の役割はそれはそれで評価するのです。あの巨大な国がばらばらでユーゴ化した状態なのは、日本にとっても迷惑なことです。

 しかし今までの役割を評価することと、現在と今後の弊害から今後のあり方を論じるのは別問題だと思っているのです。そういう意味で、どのくらい今後の中国の形に影響を与えるのか分かりませんが、中国の内部から出てきた政治改革の動きは中国に値すると思っているのです。この憲章が主張するような姿の中国が実現するのは相当先でしょうが。

 ロシアに関する文章はまだ読み始めたばかりです。しかし、実に多岐に渡ってロシアの抱える問題を考えている。今のロシアは「一時はアメリカと世界を二分する勢力があった国だった」という郷愁だけで動いている面がある。それを脱しないと本当に力のある国にはならないような気がするのです。

 毎年70万の人口が減り、男の平均寿命が58才の国のままでは、石油価格が落ちたときのロシアは全くパワーのない国になってしまう。なにせ、鉱業以外にロシアに「これ」という産業はない。そういう意味で、メドべージェフの側近達がロシア経済をどうみているのかは興味があるのです。


2009年01月02日(金曜日)

 (18:23)年末年始は屋久島で過ごしました。去年は沖縄で、なぜか島が好き。まあ日本も島ですが、石垣、屋久、沖縄などもっと小さい島は一つにまとまっている感じがする。島での年末年始がいつまで続くか分かりませんが。日本には島がいっぱいある。まだ行けるところはいっぱいある、というわけです。

屋久島の尾之間から見た2009年の日の出。雲があった分7時13分から10分ほど遅れた  晦日の24時前には益救神社に。これで「やく神社」と読みます。「益々救う」という意味らしい。地元の太鼓保存会の人たちが太鼓を打ち鳴らす中での年越し。人口1万3000人の屋久島ですが、なぜか若い人も、そして外国人も多い。結構年末・年始を世界自然遺産の島で過ごそうという人は多いようです。神社はここですが、人が少ないわけでもなく、かといって多すぎることもなく。宮之浦港のすぐ近くです。

 得をしたと思ったのは元旦でした。ホテルの案内に従って午前7時13分の日の出を7時ホテルロビー集合で近くまで歩いて見に行ったのですが、ホテルの人も「本当に珍しい」という状況が出現した。それは、初日の出、虹、そして雪。

 どうしてそんな組み合わせになったのかというと、まず初日の出ですが、空に大きな雲の切れ間があるのに細かい雨が降っている中で早朝になった。さすがに日本一降雨量が多い島です。無理かなと言う気持ちもあったのですが、待っていると東の海上に低くたれ込めた雲の上に朝焼けを伴いながらお日様が登場した。そこだけ青空が抜けていた。朝焼けが刻々と変わって綺麗でした。太陽は上がる直前がいい。上がってしまうと眩しくて見られない。

 次に「虹」ですが、そのときもずっと小雨が降っていた。その小雨の中、ふっと気がつくと朝陽に照らされたのでしょう。私たちの後ろの虹ができあがっていた。写真にもうっすらと映っていると思います。雨粒に太陽の光が当たってできたと思われる。元旦の朝に虹を見ることができるとは。ラッキーなことです。

 そして最後の雪は、晦日の昼間で3度近くまで冷え込んだ空気の中で夜の間に降ったのでしょう。標高1900メートルある宮之浦岳ですから降ってもおかしくないのですが、ホテルの人も「珍しい」というのだから、そうなんでしょう。なかなかの組み合わせでした。

 屋久島は確か3回目ですが、くるたびに少しずつ変わっている。ホテルの人が「去年は本当に急がしかったです」と。統計的には年間20万人近い人が訪れる島になっている。やはり世界遺産の指定は大きかった。最近は台湾からチャーター便で乗り付ける観光客が来ていて、それを定期便にする話がほど出来上がったそうです。風呂には中国語の注意書きが。

 人口一万3000人の島にあまりにも多くの観光客が訪れると問題が起きる。特に観光客が多いのが連休だそうですが、そうするとトイレ不足が起きるというのです。特に山の上で。いちいち人間が担いでおろすようですが、それが間に合わなくなる。漏れ出て、それが生態系を壊すというのです。

 では観光客が来なければ良いのかというと、島の経済が回らない。誰も見ない自然遺産というのも寂しい。ということは、島の生態系に負担にならない観光客の数というのがあるはずですが、それを勝手に決めるわけにもいかない。市場原理で入山料というのをとることもトライされているようです。賛成。

仲の良い毛繕いをしているサルでした  そうそう、屋久島に来た一つの目的は猿や鹿に会うことでしたが、西部林道という比較的人家のない西側の道路をゆっくり走っていたら、猿5匹と鹿1匹と遭遇しました。猿はゆっくりと撮影できましたが、鹿はなかなか警戒心が強くて難しい。これまで見た鹿よりは皮膚の色が暗かったように思った。

 二回目の屋久島では猿、鹿には一回も会えなかったので、今回はラッキーでした。会えたという意味では、猿、鹿、日の出、虹、そして雪。温泉もいくつか回りました。特に尾之間の温泉郡は、愛媛は道後の温泉に湯質が似ている。まあ道後もいいが、湯質という意味では、愛媛では鷹ノ子温泉が好きですね。



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