2009年11月30日(月曜日)

 (14:56)今朝の午前8時20分くらいでした。日経CNBCをつけたらまだ英語放送の時間で、女性アンカーがよく見かける解説者と喋っていた。その口から突然「fujii」と出てきたのです。

 何の話かと聞いていたら、「藤井財務大臣の発言のぶれ」についてでした。それをアメリカのCNBCの女性アンカーが格好の話題にしていた。「ついこの前は異常な動きには適切な措置をとらなければならないと述べていたのに、この週末には介入を否定した。一体どう考えて、どのような立場を取っているのか」と。ちょっと解説者も困った様子。

 「介入を否定」というのは、毎日新聞の記事を指します。昨日の官邸での鳩山首相が招集した会合のあと、どうやら毎日新聞の記者が藤井さんに聞いた。そしたら、「介入という言葉を使ってはいけないというのは国際常識だ」「今の事態は静観しないといけない。(為替)介入はあり得ない」と述べたという。他紙にはないので本当かどうかは分からない面もあるのですが、新聞記者が想像で書くとは思えないので、他紙の記者がいないところで毎日新聞の記者が聞いたのでしょう。

 「為替)介入はあり得ない」の部分はCNBCの女性アナウンターは「unthinkable」と言っていました。意味不明の発言の連続にこのアナウンサーも「こまった」ということでしょう。ホントにそうですよね。日本人の我々から見ても、藤井さんの真意を測るのは難しいし、市場というくせ者に対処するにはいろいろと駆け引きが必要だと思うのに、何を意図しているのか分からない発言が多い。

 実は私は今回のドバイ危機は、民主党にとってチャンスだと思っているのです。今まではあまりにも”経済音痴””市場音痴”だった。考えようによっては、今回の危機は民主党に「政権を取ると言うことはどういうことで、危機に対してどう対処しなければならないのか」を学ぶ機会を与えたことになる。

 デフレ宣言を出す一方で、「では何をするのか、どういう政策で対応するのか」は語らない。不必要な発言を重ねて、「民主党の政策は基本的に円高志向」のイメージを定着させた。さらには、「中・長期の成長戦略」を示せず、しかし一方で個々の問題での世間の目耳を引くパフォーマンスは展開する。

 事業仕分けは何回も言っているが、良いことです。しかしもっと大きな図式が必要です。民主党政権が、発足した後の初の"危機"であるドバイ危機を契機に、「筋の通った大きな政策」を打ち出せれば、民主党にとって「災い転じて福となる」可能性がある。

 日曜日の午後にはさすがに「動かなければ大変なことになる」という認識に達したようで、鳩山首相は首相公邸で菅直人副総理・経済財政担当相、藤井裕久財務相、仙谷由人行政刷新相らと急激な円高や株安への対策を協議し、その席で首相は「ここ数日、市場がどう反応していくのかしっかり見てほしい」と述べ、今年度第2次補正予算案に盛り込む追加経済対策に、円高・株安対策を加えるよう指示したという。

 具体的に何を指すのか不明だが、輸出企業へのセーフティーネット(安全網)構築なども検討するという。平野官房長官はこれに関連して「首相が緊急に要請したのはアラブ首長国連邦(UAE)のドバイの信用不安などで円高、株安になっている状況を踏まえ、今までの雇用対策や経済対策だけでいいのか意見交換したいということだ」と記者団に説明し、「追加対策をやらなければいけないというところは一致した」と強調した。

 今日の東京株式市場は、先週の明らかな下げ過ぎから反発した。しかし問題は残っているし、そもそも市場が民主党の政策を不安をもって見ているという事情も変わらない。一時の反発に安心しないで、経済や市場に対する取り組みを本格化してほしいと思う。経済が良くなければ、今の民主党に対する高い支持率もいつかは低下してしまう。その前に動く必要がある。

 民主党がある程度うまく政権運営をしてこそ、自民党も自らを立て直す必要性を感じるだろう。つまり日本の政治のレベルが上がる。今のままでは自民党は、「黙っていれば政権がまた転がり込んでくる」と考える危険性がある。それは日本にとってあまりにも残念だ。だから民主党は頑張って政権担当能力を示さなければならない。


2009年11月29日(日曜日)

 (14:56)それにしても、「これはちょっと酷いよな.....」と。日本のゴルフ中継番組です。ゴルフ・レッスン番組ではなく、大きな試合の。

 土曜日は大阪に出ていたので、日曜日はPCへのCDからの音楽入れなどをして比較的静かにしていて、「そういえば女子も男子も賞金王争いが面白いから今日の午後はゴルフ番組でも」と思っていたのです。

 中継が何時かも見ずにいたら、午後2時過ぎに「横峰、逆転で優勝ー賞金女王に」と携帯メールに速報が。あららと思ってテレビをつけたらどこもやっていない。テレビ欄を見たら中継は午後3時からとある。「そりゃないでしょ」てなもんです。

 男子はどうなっているのかと思って見ても、どこにも情報がない。新聞にもほとんど出ていない。やはりケイタイ頼りかと見たら、朝日のサイトに「遼クン速報」というサイトがあったので、それを見たらニュースにはまだ前半のスコアで2位だと。しかしその上で「スコア速報」というところがあって、それだと既に午後も4ホールくらい進んでいる。各ホールの彼のスコアがある。しかし新聞や放送には何も情報がない。

 もしかしたら、大きな大会なのでアメリカやイギリスのメジャーのように大会のオフィシャル・サイトがあって、そこにスコア速報があるかもしれないと思って見たら、それもない。過去データばかりです。中継はいつからかと見たら、午後3時半からになっている。「それもないでしょう」。

 そう思ってケイタイの朝日の「速報」を見ていたら、午後2時37分には既に遼君の組はプレーを終えて速報サイトにその結果が載った。あがりの18番の「パー5」を「4」で回ってこの日「−4」のトータル「−18」の270。順位は2位とある。

 もう結果を知っていて中継を見ても仕方がないと思って、これから出かけちゃいます。あまりにもファン無視。やはりスポーツ中継はナマでしょう。新聞も記事を載せ始めて、それによるとどうやら池田は19位で遼君との賞金の差は2500万円に広がったようです。ということは、誰も確定的なことは書けないが、体調の悪い池田が次週に優勝と言うことはまずないでしょうから、「18歳の賞金王の誕生」でしょうか。

 しかしこういうことがあると、ツイッターでもやって現場のギャラリーの方から情報をもらうのもいいな、なんて考えちゃいます。


2009年11月29日(日曜日)

 (11:56)GMに勤めている従兄弟が言っていましたが、本当にリチウムイオン電池を使った電気自動車の性能がどこまで伸びるのかは、技術革新の進展具合で大きく変わってくる。今は大体どの電気自動車も、満充電にして160キロ程度。それを300キロに伸ばそうとすると、今の技術では電池の重さで車が走らなくなってしまう。

 しかし今朝のニュースには面白いものがある。日経のサイトに「日産、電気自動車の走行距離2倍に 電池新技術で300キロ」と。「300キロ走れば御上々」と思いながら、「でもなぜ」と思って記事を見たら、「従来に比べて充電できる電気の容量が2倍になる電気自動車用リチウムイオン電池の開発にメドをつけた」と。

 さらに「電池の心臓部である電極に充電容量が大きい材料を採用。これまで課題だった耐久性を解決した」と記事は続く。この新しい電池を実装した車は2015年くらいというのでちょっと先の話ですが、そうなれば電気自動車は大きな前進を遂げることになる。あとは電池の劣化との戦いですかね。消費者にしてみれば、5〜7年に一回高いリチウムイオン電池の買い換えを迫られるのはちょっと耐えられない。

 ところで、今夜の「世の中進歩堂」は、「拡張現実“AR”」です。ちょっと言葉は難しいのですが、要するに「ある現実にコンピュータを用いて情報を付加提示する技術、および情報を付加提示された環境そのもの」を示す。英語表記はAugmented Reality」で、つまりこれがあると現実をより楽しめるし、情報を得られるという話。

 番組は『魔法のような装置が続々登場! 拡張現実“AR”の可能性に迫る!』と銘打って東京大学工学部苗村健博士の話を聞く。博士は、撮影した人物をリアルタイムで透明人間にしてしまうという『Thermo−key』という技術を開発されており、これは人の体温と背景の温度差を利用して人物部分だけを切り出し、映像加工するというもの。

 さらに博士は、『Bloxel』という装置を開発。これは、箱を積み上げていくと、積み上げた瞬間に色が変わり、全体で一つのディスプレーになるというもの。また、メガネなしで立体映像を映し出し、さらにその映像と現実の物をコラボレーションさせることができる 『複合現実ディスプレー』や、日本地図の上に受信機を置くと置いた場所の都市の天気を表示する『EmiTable』も開発しておられる。

 現実とコンピューターの中の世界を結びつけ、魔法のようなことを可能にしてしまう最先端テクノロジーをお楽しみを。


2009年11月28日(土曜日)

 (23:56)土曜日としては珍しく大阪出張で、大手前大学に伺いました。公開講座での講義を頼まれたためでしたが、その後大学の施設をいろいろ見せてもらってなかなかおもしろかった。大妻女子大での2年ちょっとの講師経験以来の大学。

 私は関東の人間なのでちょっと不案内でしたが、この学校は学校法人「大手前学園」として大手前短期大学、大手前栄養学院、大手前製菓学院など各種の学校を抱える大きな、しかもちょっとユニークな教育機関でした。

 福井理事長に案内してもらったのですが、興味深かったのは「CELL」と名付けられたメディアライブラリーと、その地下にある教育関連メディア作成室かな。小さなスタジオまであって、放送局顔負けだなと思いました。

 これだけネットワークが高速化され、使い勝手の良いものになってくると、教育にもこのネットワークを使おうという動きは当然出てくる。アメリカなどはその傾向が強いのですが、日本はまだまだ。文科省の動向もあるのですが、この分野はまだ未開拓の興味深い分野だと思いました。

 ところで、昨日キンドルの事を書いたら、本を一緒に書いたこともある窮地、おっと「旧知」の木下さんから

 「Kindleですけど、私も日本発売と同時に購入して使っているのですが、Kindle自 体に英英辞典が入っていまして、何か読んでいて意味のわからない単語があれば カーソルをその単語の先頭にあてると、英英辞典の該当項目がページの下に表示 されるようになっています。単語力を維持するために結構勉強になりますよ。

 それからブラウザが入っていて英語サイトだと今のところタダで3G回線でWebが 見れます。FT(US版)が月額28ドルというのは魅力ですね。後は Foreign Affairsなんかも3ドルくらいですから、今までAmazon.comで送料払ってまで 買っていたのが馬鹿らしくなります。 」

 というメール。そうですか、英英辞典が既に入っている、と。ただし、私が見かけた人は明らかに木下さんではなかった。その方はかなりお痩せになっていましたから。実は私もキンドルは購入を一瞬考えたのですが、比較的いつもPCを持ち歩いているし、地下鉄でキンドルを読む時間もないと思ってやめたのです。日本語が出来るようになったら考えよう、と。

 いろいろなデバイスが出てくるのは良いことです。ソニーも対抗のマシンを出したようだし、スマートフォンもいろいろそろってきた。最後は消費者が「どれが使いやすいか」という事を決めることになる。まあ限りなき変化なんでしょうが。


2009年11月27日(金曜日)

 (23:56)今日初めて...........

1.地下鉄で立ったままキンドルを手のひらに乗せて一生懸命に英語の文章を読んでいる人を発見した。難しい顔をして。辞書を使っていなかったので(?)、英語がかなりできそうに見えた

2.今週初めて、溜池から六本木に抜ける道路でデモではなくロゴを付けて実際に道路を走っているアイミーブを見かけた。アイミーブは私も乗ったのですが、それはお台場でのデモ走行だった。お台場ではちょっと大きく見えたアイミーブだが、あの大きな道で見たらそれはそれは小さかった

3.そういえば、アイミーブは先週の週末にミッドタウンの地下駐車場に止まっているのも見た。これも非常に小さく見えた。隣にはベンツやBMWやレクサスが多かったので

4.今週初めて有名シェフ二人による和洋折衷の料理を食べた。それなりきに美味しかったが、ワインを用意した人は「どれが合うんだろうな」と悩んでいた。日本酒も出てきたが、悪酔いしそうなので止めた

5.VAIOの「Z」シリーズが非常に速いので、「X」シリーズ(ちょっととろい)に「Z」シリーズのCPUを乗せて作ってとVAIOカスタマーデスクに言ったら、「それは無理」と断られた。「Z」のCPUはインテルCore 2 DuoプロセッサーP9500(2.53 GHz)だそうで、「X」では冷却が無理で火を噴くと言われた

6.まあいろいろですわ................


2009年11月27日(金曜日)

 (10:56)株や為替の市場が大荒れになっている。背景は、「アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ首長国政府が25日、政府系持ち株会社ドバイワールドと、傘下の不動産開発会社ナキールが抱えるすべての債務の支払いを猶予してもらうよう債権者に要請する」と発表したこと。昨日のFTの一面トップだった。

 ドバイワールドもナキールもNHKのドバイ特集番組(「沸騰都市」)などで聞いたことのある会社の名前ですが、ドバイワールドの債務はナキール分を含め総額590億ドル(約5兆1000億円)に上る。この結果、ドバイの支払い能力への国際的な懸念が一気に高まる形となった。

 この情報に起因する市場混乱の拡大には、一つは情報の発信地である中東でも休みの所が多く、むろんアメリカも感謝祭休日で全般的に商いが薄いということと、もう一つはドバイで本当は何が起きているのか分からないという情報不足が背景にある。やや特殊な環境での混乱。

 しかしこうした特殊要因があったにせよ、今の世界の市場の動揺は激しい。特に欧州市場の動揺が激しく、こうした中でドル・円の為替相場は一時84円台を27日の東京外国為替市場で付けた。来週の半ばまで混乱は続く可能性があり、お金が豊かな湾岸の国々(サウジアラビアなど)がドバイの状況をどう見るのか、支援に向かうのか、それにアメリカが市場沈静化のために何をするのかが一つのポイントになる。

 ドバイは危険な状態にあることは、世界中の市場関係者は知っていた。自分のポジション形成にその懸念・観測をどのくらい滑り込ませていたかどうかは別にして。多分、「まあ大丈夫だろう」的な心理もあって、かなりリスクテークをしていた。その分が今回の情報で一気に巻き戻されている、と考えるのが妥当だ。

 外的要因が今回は強いが、東京の株が安く、為替が円高傾向だったのは民主党政権が成立してからずっと続いている。デフレ懸念やダイリューションなどの問題もあるが、「民主党政権の大枠での経済政策の方向性」が見えない、というのが一つの大きな背景。

 考えようによっては、今回の危機は民主党に「政権を取ると言うことはどういうことで、危機に対してどう対処しなければならないのか」を学ぶ機会を与えたことになる。例えばデフレ宣言したのだから、「では何をするのか、どういう政策で対応するのか」とか、市場に間違ったイメージを植え付けてしまった「民主党の政策は基本的に円高」の払拭をどうするのか、それに大きな意味での「日本の成長戦略」である。こうした課題に適切に対応できれば、災い転じて.....となる。

 それには民主党は、「司令塔はここにあります」と明確に示さなければならない。二重権力などと言われていたはダメで、一つ一つの政策を打ち出すことが大事だ。それが出来るかどうかが今正に問われていると言える。


2009年11月26日(木曜日)

 (10:56)今朝の日経には、「日経、電子新聞を来春創刊へ」というニュースがある。薄々聞いていたので、「とうとう発表ですか」と思って記事を読んだのですが、「あれ、重要な情報が抜けているな」と。

 何かというと契約価格、購読価格です。ネット上での。一番重要なものが抜けている。「クレジット決済」とだけ書いてあるに過ぎない。まあ一番重要だからこそ最後まで検討して、来年の春スタートの一ヶ月くらい前に景況も見て決めようとしているのでしょう。多分この価格決めは限りなく難しい。

やじうまのスタジオに持ち込まれた松方マグロ。綺麗な色をしていました  私がこの記事を読んでいて非常に面白いと思った数字は、ウォール・ストリート・ジャーナルの有料会員が120万人だ、という指摘です。私はずっと同紙が有料になってこの方の有料会員で、確か最初は50ドル前後だったと思った。年間金額です。そしてその時にネットの読者が急減したと聞いた。

 興味深いのは、今でも有料会員が120万人に過ぎないという点と、無料登録会員が2000万人いるという指摘です。今のウォール・ストリート・ジャーナルのサイトでは、非契約者も記事の見出しと最初の2パラグラフまでは誰でも読める。それが2000万人。しかし、今は年額103ドルを支払っている会員は今でも120万人に過ぎないという。私のような国外の人間を含めてもです。

 日本の新聞の読者数の単位は、「数百万人」です。本当の数字は知りませんが、読売や朝日は800万とかいう数字になっていると聞いている。その中のかなりの人がネットでも見ているのでしょう。

 しかしアメリカの例で分かっているのは、「有料にしたとたんに、ネット新聞の読者はいったんは急減する」ということです。私がもう一つ驚いたのは、やはり英語で全世界で見られている英フィナンシャル・タイムズの有料会員数が12万人にしか過ぎないことです。無料だと1140万人に膨らむ。私はこのFTの有料会員でもある。

 まあだから他の日本の新聞がどうするのか知りませんが、「固定読者が多い日経でどのような結果になるのか」を見ている状況かも知れない。各社とも昨日のワシントン・ポストではないが、全世界で新聞のビジネス・モデルは苦境です。だから有料にしたい。しかし有料にすると読者が減る。力のある新聞紙か有料に出来ない。

 この記事を注意深く読むと、「電子新聞は紙の新聞とのセット販売が中心です。朝刊・夕刊の読者には割引価格で提供します」とある。ということは2本建ての価格にするということでしょう。ネットだけ見る人は高く、紙を取っている人は安く。

 私は紙も取っていますから、どうでしょう。5000円くらいかな。紙の中でも朝刊だけと言う人もいる。その場合はちょっと高くなるのかな。ネットだけの人はウォール・ストリート・ジャーナルが103ドル、約1000万円なので、その前後でしょうか。ウォール・ストリート・ジャーナルも安く設定して、やっと100ドル台に乗せてきた。

 まあ社告を出した限り、来年春には日経ネットでフルに記事を読もうと思ったらそれは有料になる。一つの試金石ですね。日本の新聞業界全体にとっても。他社もそれに追随するのか。それともワシントン・ポストのようにコスト削減の方向に動くのか。

 それから、今日の注目ニュースは、「温室ガス、米が17%削減目標…COP15で表明へ」でしょう。甘いですよ。この目標は。しかし「やっと動き出したと言う印象はする。あとは中国です。インドは先でしょう。オバマもシンがいるときに発表した。インドへの誘い水 ? 記事は以下の通り。

 米ホワイトハウスは25日、米国が温室効果ガスの排出量を2020年までに05年比で17%削減するとの目標を発表した。 また、コペンハーゲンで12月9〜18日に開かれる気候変動枠組み条約締約国会議(COP15)で、オバマ大統領が出席してこの削減目標を表明すると明らかにした。

 ホワイトハウスの発表によると、25年は05年比30%、30年は同42%のペースで段階的に削減する。オバマ大統領は12月10日にノルウェーのオスロで開かれるノーベル平和賞授賞式に先立ち、9日にコペンハーゲンに寄ってCOP15で演説するという。米国の排出量は05年に90年比で16%増加している。このため、05年比17%削減は90年比で増減がほぼゼロとなる。

 ところで今日の一枚は、話題の松方マグロです。テレビ朝日のスタジオにあったのは、本当に上物でした。


2009年11月25日(水曜日)

 (14:56)気になる海外のニュースが二つ。一つはワシントン・ポストがニューヨーク、ロサンゼルスなど残っていた国内支局を全部閉止して、今後はワシントン以外の地域の記事は移動記者に書かせるようにしたという記事。

 同紙は今後もっぱらワシントンの視点から記事を売り物にするという。同紙はネットサイトで

 The Washington Post, in a significant retrenchment, is closing its remaining domestic bureaus around the country.

The six correspondents who work in New York, Los Angeles and Chicago will be offered reassignments in Washington, while three news assistants will be let go.

The money-saving move, coming on the heels of four rounds of early-retirement buyouts and the closing or merging of several sections, is the clearest sign yet of the newspaper's shrinking horizons in an era of diminished resources.

 と書いている。理由は「インターネットの普及や不況の長期化で新聞各社は広告収入が落ち込み、経営を圧迫している」というもので、実際に同社の新聞部門は大きな赤字を出している。発行部数公査機構(ABC)によると、ワシントン・ポスト紙の4−9月の平日の平均発行部数は6.4%も減少したという。

 気になったのでワシントン・ポストの海外支局はどうなっているのだろうと思ったら、ここにサイトがあって、こちらは結構やっているようです。日本もそうですが、新聞はネット時代に対応したビジネス・モデルの構築を迫られている。

 もう一つ気になったのは、ベトナムが通貨の引き下げと利上げを同時にやったということ。ベトナムの物価情勢はかなり危なくなってきていることは知っていましたが、利上げがとうとうやってきたという印象。ただ利上げするとドンが値上がりする。そこで、切り下げと利上げを同時にやったと言うことでしょう。記事は以下の通りです。、

By VU TRONG KHANH and NGUYEN PHAM MUOI HANOI ? Vietnam's central bank said Wednesday it will devalue the dong by 5.44% and narrow the trading band, while also raising interest rates from December.

The central bank's daily dollar exchange rate will be set at 17,961 dong Thursday, up from 17,034 dong Wednesday. The benchmark interest rate will be raised to 8% on Dec. 1 from 7%.

The benchmark interest rate was slashed in February from 8.5% to 7.0%, where it has stayed since. With the key interest rate at 8.0%, commercial banks' interest rates will remain capped at 12% a year.

The currency's trading band of the dollar against the dong will be cut to 3% Thursday from the current 5%.

The change will mean that commercial banks cannot buy or sell dollars at a rate that is 3% higher or lower than the daily rate set by the central bank.

The central bank said the latest changes in the foreign exchange rates are in line with "market signals' and take into account market interest rates, the consumer price index and the country's international payment balance.


2009年11月25日(水曜日)

 (07:56)もともと個性のあるおもしろい人ですが、「小沢さんとの距離」故に民主党の最高顧問を今は外されている渡部恒三元衆院副議長の発言がなかなか事の本質を突いていておもしろい。

 いわゆる亀井・金融担当大臣が強烈に押したいわゆるモラトリアム法案(「中小企業金融円滑化法案」)に関して、「そもそも国会空転を招くような強行採決で通す法案ではない」と指導部をばっさり。強行採決についても「恥ずかしい」と。

 私も金曜日のラジオ番組の際に結構調べたのですが、実際のところ元最高顧問の言っているとおりで、あれだけ騒いだ割には効果のほどはとんと分からない法律だと思う。なにせ金融機関に対する努力規定であって、罰則もあるがそれは「虚偽報告をした時」という代物。

 だいたいが法案の最終仕上げに関わった大塚耕平・内閣府副大臣(元日銀マン)が、「(効果のほどは)実際にやってみなければ分からない」と言っている。中小企業は金融機関を含めて複雑な取引関係のしがらみのなかで商売をしているのであって、ちょっと苦しくなったからと言って「では返済猶予を」とはなかなかいかない。評判もあるだろうし。私が直感的ですが思ったのは、「中小企業をうたっているが、この法律はローン返済に困った個人が使うケースが多いのではないか」という点。

 国会対応を含めて、今の民主党のやっていることは、政権獲得からまだ70日前後だということを勘案しても、非常にちぐはぐ。法案も通っていないし、普天間を含めて重要な決断も下っていない。何よりも心配なのは、株価が下がり続けていること。

 菅さんの「デフレ宣言」もなぜ今なのかが不明。「はっきりさせたかった」と週末のテレビで言っていたが、政府が宣言をあえてする以上は、「ではそれに対して何をするのか」「どういう対策を打つのか」が準備されていて宣言を出すべきでしょう。対策とのパッケージで。それがないから、デフレ宣言だけを受けた株式市場の心理は一段と悪化し、それがまたデフレ心理を強めるという悪循環。宣言しておいて、「日銀さんどうかしてよ」では何とも心許ない。

 どちらかというと民主党政権を応援していたように見えた日刊ゲンダイという駅売りの夕刊紙も、最近は「何をしている民主党」という論調が強くなった。あと一ヶ月で100日。国民の期待は大きかったし、今でも支持率は高いのだから、そろそろ民主党政権として景気対策にしろ具体的に打ち出していかないと、マスコミや国民のイライラは高まるばかりで、鳩山さんの政治資金問題の混迷・疑惑深化の中では、国会の勢力図は変わらないにしても、政権基盤は大きく揺らぐことにもなる。

 まあ正念場が近づいている、ということです。


2009年11月23日(月曜日)

 (23:56)一日中車が混んでいる日でした。移動したから分かったことですが、3連休の最後の、かつ非常に天気が良かった一日としては当然だったのかもしれない。

 私が行ったのは狭山湖の周辺でした。親戚の法事で。ところが西武球場のファン感謝デーとがっちんこになってしまった。その車の多いこと。法事の開始と終わりがどうやらこの感謝デーのスケジュールとちょうどぴったりだったようで、特に車が一斉に移動するお尻はすごい込みようでした。

 でも法事というのは久しぶりに親戚が会うという結構なイベントですので、それなりきに面白いことがある。例えば今回はGMに勤めている従兄弟が久しぶりに帰国したので、法事なのですがちょっと報告会を開いてもらいました。これが面白かった。

 今朝の新聞では、日経の「次世代蓄電池 充放電の実現 容量・リチウムイオンの5倍」が面白かった。この電池は「リチウム-硫黄電池」というそうで、これまでは充放電できなかった(?)そうですが、「主要部品となる正極材を新たに開発して克服した」ということで、「1回の充電でガソリン車なみに長距離走行する電気自動車を将来実現するのに欠かせない次世代蓄電池の有力候補になる」という。

 「正極に硫黄を使うと蓄電性能が飛躍的に向上する」ことは広く知られていたという。しかし電解質に硫黄が溶け出し、繰り返し充放電する蓄電池(2次電池)は作れなかった、と。しかし「電解質材料と硫黄、炭素を細かく粉砕して固めて正極を作り、これに対してリチウム・インジウム合金の負極と組み合わせてリチウム-硫黄電池を試作した」とある。

 今のリチウムイオン電池を上回る電池をいかに開発するかは、非常に重要な問題。「この電池はなかなか面白そうだ」と思いました。その他にも「金属-空気電池」、「多価イオン電池」などがあるそうだ。


2009年11月22日(日曜日)

 (12:56)あらら、正午のニュースで初めて知りました。高円寺の火事ということなのでどこだろうと思ったら、パル商店街のすぐ近く。どうやら燃えたのはこの店らしいのですが、昨日もチャリに乗ってその前を通りました。入ったことはありません。夕方からよるやっている店らしい。

 ところで、今日の世の中進歩堂は、田んぼ発電です。それは何かというと、田んぼの生態系を利用した新しい発電技術。東京大学先端科学技術研究センター開発中。土の中に住む微生物が有機物を分解する際に発生する電気を取り出して利用しようという研究です。

 研究の最終目的は、微生物の力を利用した“微生物燃料電池”の実用化。生ゴミなど食品廃棄物が微生物の“エサ”、つまり“燃料”になるこの電池が各家庭に普及すれば、家庭からのゴミを減らし、家電に使う電気もまかなってしまうのも夢ではない。環境にやさしい新時代のエネルギー生産技術を紹介します。お楽しみに。


2009年11月21日(土曜日)

 (00:56)寝る前にネットをちらっと見ていたら、産経新聞のサイトには「菅副総理 スパコン復活に前向き 事業仕分けには異論」という記事がありました。他の新聞には書いてないのですが、「委員会での発言」ということなので事実なのでしょう。だとしたら民主党政権の中にも、分かっている人がいるということで歓迎です。記事は以下の通り。

 菅直人副総理・国家戦略担当相は20日の衆院内閣委員会で、行政刷新会議のワーキンググループ(WG)による事業仕分けで「凍結」と判定された次世代スーパーコンピューター開発について「スパコンは極めて重要であり、もう一度考えなければならない」と述べた。WGの判定を覆し、平成22年度予算の概算要求額(約267億円)に沿った予算措置を前向きに検討する考えを表明したものとみられる。
 これはいろいろなところで申し上げているのですが、「仕分け人」に指名された民主党の議員は、「減らすことが仕事」「減らしてなんぼ」で仕事をまかされている。最初に「どのくらい仕分けたのか、減らしたのか」で評価される体系下にある。そこには、国の将来とか理想とか、戦略がないわけです。有識者議員8人が危機感を抱くのは無理もない。

 さらにどこかの新聞のサイトには、『川端文部科学相は20日午前の閣議後の記者会見で、行政刷新会議の事業仕分けで「予算計上見送りに近い削減」と判断された次世代スーパーコンピューターについて、「日本の科学技術立国の中で占める位置づけが極めて重いことは人一倍認識している」と述べ、予算確保を目指す意向を示した。』との記事もある。

 文科省は2010年度予算の概算要求で、同コンピューターの開発費などに267億5900万円を計上したが、これは他の科学技術予算の中でも重要なものだと筆者は思う。「二番じゃだめなんですか」というは全くの暴言。この問題に関しては、菅副総理や川端文部科学相の意見が通るように期待したい。


2009年11月20日(金曜日)

 (11:56)新しいエッセイが公開されました。今回は米中首脳会談での合意から、今後の両国の出方と、環境問題の進展を考えました。

 ところで、この一両日で私が「そうだ」と思ったのは、以下のニュースです。当然であり、民主党は真剣に考えるべき問題だと思う。私は月曜日に科学技術に対する対応の酷さを、すでにここで指摘しておきました。

 行政刷新会議の事業仕分けで、科学技術の事業に「予算縮減」などの評価が相次いだことを受け、政府の総合科学技術会議(議長=鳩山由紀夫首相)の有識者議員8人全員が19日、科学技術予算の確保を求める「緊急提言」を連名で発表した。

 科学技術振興費が概算要求段階で対前年度マイナスになったことを「(01年の)同会議発足以来、初めてのことで、極めて異例の事態」と分析。事業仕分けについて「短期的な費用対効果のみを求める議論がなされるなど、長期的な視点から推進すべき科学技術にはなじまない部分がある」とし、「国家の土台を揺るがしかねない」と訴えた。

 さらに「予算の減額となり、人材が散逸すれば、仮に数年後に復活しても元の水準に戻すのは非常に難しい」としている。

 議員を代表して記者発表した白石隆・元政策研究大学院大学副学長は「日本をどういう国にしたいのかが見えないまま予算を減らす議論が進んでいることに危機感を持っている」と訴えた。同会議は鳩山首相ら閣僚7人と有識者議員8人からなる。


2009年11月19日(木曜日)

 (11:56)昨日はすごく移動距離が長い一日だったのですが、その分いろいろなことが起きた。昼過ぎにN700待ちの時間の関係から地下でお好み焼き屋さんに入って焼きそばを食べていたら、「伊藤さん」と突然。

 振り向いても知らない人だったので、「誰だっけな」と思っていたら、「小松みどり会で......」と。ははは松井がMVPを取る前日に講演した会場に来ておられた方でした。彼は「満塁ホームランというのは違いましたが、松井が大活躍してMVPを取るというのは当たりましたね.....凄いですね....」と。

 あれは11月04日です。松井に所縁のある会社の会合ですからイントロで松井の話をして、「第二戦も松井で決まったようなものだし、明日松井は大活躍、多分満塁ホームランを打つでしょう。そしたらMVPですよ」と言っておいた。そりゃ会場の人たちは疑心暗鬼ですよ。

 しかし翌日の午前中の試合で松井は大活躍。4-3、三塁打欠如のサイクル一歩手前、6打点でMVP獲得。結構長い間松井の話をして、かつ松井の画像も見ていただいたので、来てくださった方々も覚えていてくれたのでしょう。あれだけ長い間松井の話をすれば。

 講演を聴いていた方が、「あの時聞いていました」とカミングアウトしてくれることはあまりない。「いつもポッドキャスト聞いています」が一番多くて、その次にテレビ、そして最後がラジオです。以前は新聞のコラムもあった。

 それにしても昨日は「若旅」という非常に珍しい名字の方に会いました。名字には昔から興味があって、かなりの数の名字は「どこの出身の人か」というのが分かる状態になっているのですが、この「若旅」は初めてでした。群馬県の大泉町の方です。

 いい名字じゃないですか。おもしろい名字の人がいると、名刺を交換しただけで話が弾む。昨日もそうでした。「またたび」から来たのでは、とか、「任侠だったのでは」とか。そうだ昨日の話の中で思い出せなかった名字は「阿久津」でした。栃木県のゴルフ場に行くとこの名前のキャディーさんがいっぱいいる。

 会社の若手に「阿久津君」というのが入ってきたので、「栃木だろう」といったらその通りで、「何で分かるんだろう」とその若者は怪訝な顔をしていましたが、何のことはない。栃木県に非常に特徴的にいらっしゃる名字の方々なので。この手の地域限定の名字はたくさんある。

 ははは、全国の伊藤には共通した特徴があるのですが、それはまた。


2009年11月18日(水曜日)

 (11:56)昨日分からなかった「音力の部品で微少な電気に変える」の意味が、二人の方からのメールでやっと分かりました。どうやら「音力」というのはそういう名前の会社であり、「音力の部品」というのはその会社の商品のことのようです。あの記事を読んだだけではそうは分からない。朝日新聞の整理部は分かって通したのかどうか。

 二人の方からいろいろなサイトを教えていただきました。
 電圧素子
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2009年11月17日(火曜日)

 (09:56)うーん、バーナンキがドルについてパラグラフを作ってまで喋るというのは珍しい。なぜなら、アメリカではドル政策は財務省の管轄ですから。彼の講演録から引用すると、最後の方に以下の文章があります。

 The foreign exchange value of the dollar has moved over a wide range during the past year or so. When financial stresses were most pronounced, a flight to the deepest and most liquid capital markets resulted in a marked increase in the dollar. More recently, as financial market functioning has improved and global economic activity has stabilized, these safe haven flows have abated, and the dollar has accordingly retraced its gains. The Federal Reserve will continue to monitor these developments closely. We are attentive to the implications of changes in the value of the dollar and will continue to formulate policy to guard against risks to our dual mandate to foster both maximum employment and price stability. Our commitment to our dual objectives, together with the underlying strengths of the U.S. economy, will help ensure that the dollar is strong and a source of global financial stability.
 ポイントはこの赤くした部分がどういう意味を持っているかです。「監視」ですから、当然「行動=介入」を意味するものではない。時期的にはオバマと胡錦濤の会談の直前。この二人はもしかしたら人民元問題を話し合う。話の中では、「ドル価値の安定」に胡錦濤は触れるに違いない。これに対して、オバマは「人民元の切り上げ」を求める。アメリカが先手を打ったようにも見える。

 バーナンキはもしかしたら喋る機会がなかったガイトナーの代わりに予定された講演で喋ったのかももしれない。普通はしないだろうが。しかし、FRB議長として喋る意味付けはあったはずだ。それたおそらく「to formulate policy to guard against risks to our dual mandate to foster both maximum employment and price stability.」の部分でしょう。

 雇用のためにはドル安が進んでも輸出が伸びることはよい。しかし一方でドル安は輸入物価の上昇という形でインフレを促進する。ドル安はアメリカにとって二つの意味合いがある。むろん他国からの圧力もあるが。

 週明け16日のニューヨークの金融市場では、ドルが円など多くの国の通貨に大きく下がる(ドル・円は88円台)中でも、株式市場は大幅に上昇した。それは株式市場がドル安を懸念すると言うよりは、歓迎しているという証拠である。

 過去の例から言うと、「ドル安」→「国内インフレ上昇予想」→「長期金利の上昇(予想)」→「株価の下落」→「金融市場の混乱」と進むと、アメリカは市場に容喙してきた。バーナンキの発言をしても、アメリカが行動するのはまだ先と考えたのは正しいと思う。まあ本音は発言より行動で分かる。実際にアメリカが何をするかです。ポイントは。

 今朝の新聞では朝日新聞の「リモコン 電池いらず」が面白い。いつも電池をリモコンに入れるときに、「(電池を)こんなことに使うのはもったいないな」と思っていたので。「リモコン操作でできる振動を、音力の部品で微少な電気に変える」ということですが、「音力の部品」ってなんなんでしょう。

 難点は「今のリモコンより一回り大きい」ということでしょうか。今でもテレビのリモコンからDVDリコーダーのリモコン、ネットテレビのそれ.....とリビングはちょっとリモコンの行列になっている。兼用もできるのですが、数があることは間違いない。それぞれが一回り大きくなったら、相当邪魔だなと。小さくして欲しい。

 それから気になったのは、「ドコモ、インドに専売店 タタ系大手と、10年100店目指す」でしょうか。記事の内容は、

 NTTドコモはインドで展開する携帯電話サービス「タタ・ドコモ」の商品を取り扱う専売店網を構築する。ドコモが26%出資するインド携帯大手タタ・テレサービシズ(TTSL)を通じ、2010年末までに100店の出店を目指す。タタ・ドコモは割安な料金体系が人気を集め、加入者が急増している。新規顧客の獲得やアフターサービスの拠点となる専売店網を整え攻勢をかける。

 専売店の名称は「ダイブイン・ストア」。このほどインド中南部のハイデラバード、チェンナイ、バンガロールの3都市に第1陣の店舗を開いた。デザインを統一した店内には、ゆったりとしたソファなどを配置。来店客はくつろぎながら、最新の携帯電話端末を手にとったり、タタ・ドコモが提供する「iチャネル」などの情報配信サービスを体験したりできる。

 内弁慶がやっと打って出ているという感じですね。タタ・ドコモの店舗はまだ見ていない。機会があったら見たいなと思っています。


2009年11月15日(日曜日)

 (23:56)実に実に久しぶりにゴルフをし、しかも実に実に実に久しぶりに「清澄ゴルフクラブ」を回りました。このゴルフ場、今でも建設会社に勤めている親戚が設計・建設に関わっていた関係で正式開場する前から来ていた。最近はご無沙汰だった。

 実に久しぶりなのですが、ほとんど建設当時の綺麗さを保っていて、5番の谷はさすがに埋めたものの、あとは当時のまま。むろん木は大きくなって、今は紅葉が実に綺麗でした。メンバーにも恵まれ、秋のやっと晴れた一日を堪能しました。今の季節は柿が美味しい。

 ところで、土曜日のオバマ演説はちょうどテレビを見ていたので聞いていたのですが、プラハの核廃絶演説ほどには劇的ではなかったものの、アメリカが今考えていることがはっきりしてまず面白かった。

 冒頭の鎌倉話の時には、「アイスクリーム」の前の単語が彼の発言では直ちには分からない気がしたのですが、もう一度聞いて「抹茶」と言ったんだ、と。「ありがとう」の発音も素晴らしかったし、言葉の魔術師だという風に改めて思いました。

 演説内容は、理念的と言うよりは現実に即した実際的な内容で、アメリカが今までのどちらかというと「大西洋国家」のイメージだったのを「太平洋国家」に舵を切りつつあると主張する印象を与えるものでした。成長センターがこちらサイドにあるのだから、少なくともスタンスとしてはそうなる。まあその生まれからして、アメリカが大西洋国家であることは「当然」として残しながらも、方向転換をしたいということでしょう。

 要するにアジアの成長にからんで、ビジネスや職が欲しいと言うことですが、それは当然で、日本もそうなのだから、アメリカにもそうする権利はあるし、それは歓迎すべきでしょう。

 そうした中で繰り返し「日米の礎」とか「古くからの同盟」を指摘していた。中国は台頭しつつある大国、市場であるわけで付き合わねばならないが、何せ民主と専制で国家体制が違う。「どうしてもアジアの第一の同盟相手国は日本になる」というメッセージでしょう。しかしそれは中国という新しいパートナーの台頭を許さないものではない。頭に残った単語は、「not zero sum game」でした。まあそうです。

 ただし普天間など日米間に刺さったとげを「早急に解決する」というのが同盟の前提で、その点まだ日米間に認識の差が大きいのが大いに気になる。そういう週末でした。


2009年11月14日(土曜日)

 (08:56)東京ミッドタウンで見つけたくつくつしたうーん、ただ漫然と歩いていたわけではない。昨日の夜7時からは後輩の赴任にかこつけた集まり(総勢7人かな)があって、その赴任者には昔四人組でお世話になったこともあったので、「何かないかな」と思って歩いていたことは確かです。しかしそれを見つけたときには、「街を探して歩けば、欲しいものはあるものだ」と本当に思いました。

 会合は六本木の竜土町のお店であったので、ラジオの収録を終えてまた45分くらいあったので、近くの六本木ミッドタウンを捜し物兼見回り(定点チェックと言うことです)で回っていたら地下のお庭に近い方のちっちゃな通路中の店で、「くつくつした」という表示を見つけた。

 最初意味が分からなかった。靴靴下で、靴の上に履く靴下かな、でもそれでは変だな、とか。説明を読んだら、「海外では家の中でも靴を履くのが習慣。でも日本人は靴を履くのが苦手。この靴下をはけば、靴を履いているように見えます.....」とか何とか書いてあった。

 その瞬間に、「hahaha、これだ」と思いました。写真の通り笑えるし、かつかわいい。 二種類が出ていた。ホワイト基調のちょっと厚手の靴下と、茶色基調のあまり靴の模様が目立たないやつ。サイズに「L」がなかったのですが、「M」と「S」はあって、いくつかの組み合わせで。

 まだありましたから、興味のある人は。そこの女の子が「今人気なんですよ....」と。最近は私も使っているのですが、いろいろな靴下が出てきている。5本指靴下なんて、気持ちがいいので使っている。「もう変化などないだろう」と思うものほど、ちょっとしたアイデアで新製品に生まれ変わる。面白いですね。


2009年11月13日(金曜日)

 (15:56)それにしても、どえらい警戒ですね。私がやっているポッドキャストの番組二つ(「日経ビズポッドキャスト」「伊藤 洋一の Roundup World Now」)は両方ともアメリカ大使館の直ぐ隣のビルに入っているラジオNIKKEIさんで収録しているのですが、その辺はかどっこごとに警察官が時に一人で、しばしば二人で立っている。

 今日は赤坂見附の地下鉄出口から反対側のエクセルホテルに渡っている陸橋の上でも警察官の方を見付けました。いくつかのイベントが重なっているとはいえ、これだけの厳しい警戒は見たことがない。私は一回もないのですが、こうした警察官に誰何された人が私の周りには多い。なぜ私が誰何されないかについては、そりゃきちんとしているからでしょう.....ハハハ(笑)

 もうオバマさんは着いたんでしょうか。普天間の問題が先送りになって、「ただ来ただけ」ということで終わらなければ良いのですが。そうだ、アジア演説には注目しよう。

 それにしても、この2週間くらい日経CNBCなど市場を主な対象とするテレビの面白くないこと。最大の原因は「市場が膠着状態」ということで、これは局側の責任ではないが、もう一つの要因は各メディアのマーケットの取り上げ方が「一つの視点」、つまり「東京市場はダメ」に偏りすぎている結果だと思う。

 アナウンサーから市場の解説者まで、「いわずもがなですが」「繰り返しになりますが」とかいいながら、東京市場の値動きのなさ、主体性のなさをこれでもかと繰り返し口の端に載せている。だったら、少しは動いている中国や香港、それにムンバイやニューヨーク、それにヨーロッパの市場に関する報道時間でも長くすれば良いと思うのに。相変わらずインドの市場などに関しては、SENSEXの数字を流しているだけ。

 大英帝国が衰退して久しいのに、市場関係者がずっとフィナンシャル・ タイムズを読むのは、そこには「世界」「世界の市場」があるからだ。この新聞はそのグローバルさがウリだ。しかし今のところ、日本のマーケットメディアには「世界」「グローバルな視点」はない。ニューヨーク市場に関する解説がほんちょちょっとあるだけだ。完全にマルドメ。これではいずれグローバルな投資を視点に置く日本の投資家から見限られる。投資家は個人も含めて本当に日本の市場が動かないんだったら、そんなのは相手にしないのだから。

 1980年代に「株式市場は死んだ」とまでいわれたところからニューヨークの株価が動き出したことは良く知られている。完全に死んでいるマーケットなどない。中では胎動があるはずだし、本当にないのならば投資家に海外の市場を紹介するのも役割だと思う。

 我々は新しい、気付かない情報や分析を求めて貴重な時間をテレビの前で過ごす。同じ情報や同じ不平不満を聞くためにテレビを付けているわけではない。いろいろな斬新な角度からの情報、多岐にわたる情報が欲しいのである。

 今の世界は、例えば自動車産業一つをとっても非常に大きな技術革新の中にある。ネットの世界もクラウドが出てきて大きく変わろうとしているし、人々がモノを買う経路も大きく変化している。

 新しい視点、見方がないのなら海外のあちこちのセンターの映像を翻訳付きで見せてもらうのも結構。このままだと市場からも投資家が離れつつあるが、それを報道する番組からも人々が、そして投資家が離れてしまうのではないかと心配だ。もっと工夫をして欲しい。


2009年11月12日(木曜日)

 (13:56)先日書いてアップした「20年後に振り返るベルリンの壁崩壊-直後の残像と今考えるその意味」に関して、二人の方からメールをいただきました。しっかり読んでいただけたようで、うれしい限りです。そのメールを今日は紹介します。最初が角谷さんの、次が馬場さんのメール。

その@=11月10日のDay by Dayと「20年後に振り返るベルリンの壁崩壊- 直後の残像と今考えるその意味」を拝見しました。 多くの人に読まれるべき文章だと思いました。友人にもこれを紹介 したいと思います。

 20世紀の「壁崩壊」の最大のものはベルリンの壁崩壊でした。一方、 21世紀に入って崩壊と言うか撤去された「壁」で現在最大のものは、 北アイルランドとアイルランド共和国との国境のフェンスと検問所では 無いかと思います。今年、8月にアイルランドをバスと鉄道で一周する 旅をしました。アイルランド共和国側から北アイルランドのデリーに入っ たときに、どこでかつての国境を超えたのか分かりませんでした。しかし、 超えた翌日、デリーのBogside出身の30代のガイドに北アイルランドのデリーからアイルランド共和国 側にある遺跡とFamine Villageを案内してもらった時に「ここには2年 前まで検問所と税関があって、テロの警戒のため双方の検問所とフェン スの間は何メートルも離れていたんだ。ここだけでは無いよ。国境沿い に延々とフェンスがあったんだ。今は、自由に行き来できるように なって本当に良かった。」と言われて、ちょっと衝撃を受けました。

 彼は同時に「北アイルランド問題と言うのは宗教対立の問題ではない。 17世紀にイギリスが入植者をアイルランドに送り込んだときに始まる 植民地問題なんだ。」とも言っていました。17世紀に始まった問題が 20世紀終わりからの10年にわたる和平プロセスにより何とか、「壁」の 撤去、自由往来の確立に至ったことは北アイルランドの人々には ベルリンの壁崩壊以上に自由の獲得と言う意味で本当に大きな ことだったのだなと思いました。では、
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 そのA=ベルリンの壁の思い出を読まさせていただきました。あの時、私がボストンに留学中で滞在していたアパートに、高校の後輩が大学卒業前の世界旅行の途中で立ち寄って、ノミで叩き割って取ってきた煉瓦のかけらを見せてくれたのを覚えています。彼のような行動力を持った若者も少なくなっているような気がしています。

 日本にとって「本当の開国」の時期が近づいているのではないかと思う今日この頃です。止めようのない大きな波として。

 「出入国管理」という、ベルリンの壁に相当する規制が厳格に存在する日本が変革期を迎える気配を感じます。それは、日本企業が国際的に拠点を世界に拡大して展開した延長線上で必然なのだと思います。

 かつて主要な米国企業が「多国籍企業」と呼ばれていた時代がありました。今日、日本の企業の中で、各業界の上位企業は全て「多国籍企業」となっています。世界から多様で有能な人材に集まってきてもらわなければ、ビジネス自体の継続が難しくなってしまいます。

 歴史的に見て、経営資源の「人物金」について、私は以下のように整理しています。

・明治維新は貿易(物)の自由化
・1990年代は金融(金)の自由化+IT(情報)の発達
・21世紀は人材(人)の自由化

 何がきっかけになるか、まだわからない状態ですが。日本の壁は静かに壊れつつあるように思います。新規事業として企業様の海外高度人材の採用のお手伝いに取り組んでいての実感です。

 角谷さんがおっしゃる「北アイルランドとアイルランド共和国との国境のフェンスと検問所」については、私はほとんど知識がありませんでした。メールをもらって良かった。ヨーロッパは民族移動が激しかったところで、スペインなども問題を抱えている。イギリスがある島の部分はアングロ・サクソンがあとから行きましたから、いろいろ問題がある。

 まあでも壁は崩壊の方向にあると思います。馬場さんではないが、「人物金」(ヒト、モノ、カネ)が時間を置いてですが動く状況が生まれてきたわけだから。日本が世界に人的に窓を開けなければやっていけない時期が来ているのはその通りです。まだそれに気がついている人が少ないし、気づいていてもどう動いて良いのか分からない向きが多い。

 しかし、競争条件の中で生活レベルを保とうとしたら、選ばざるを得ない道にはいずれ乗らざるを得ない。それにいつ、どうやって乗るかでしょう。


2009年11月11日(水曜日)

 (17:56)ほんまに日本の鉄道網に対する信頼感も揺らぎますよ。昨日今日と「危うく」番組に遅れ、そして約束に遅れそうになった。

 昨日は中央線の事故です。どうやら阿佐ヶ谷当たりで事故があったようで、中央線の快速が止まってしまった。中野から総武線で秋葉原に出て、山の手か京浜東北に乗り換えねばならない。考えていた時間の新幹線に乗れないことは明らかで、一つ遅いのにしたのですが、途中のどこかの駅でこれまた7分ほど無断停車した。新宿だったかな。

 何の説明もなし。説明があったのは、もう私が秋葉原で総武線を降りる直前でした。7分間の私を含めた乗客たちの不安そうな顔。いやね、何も予定がなければいいんですよ。しかしい大部分の人は予定で動いている。

 今日は新幹線です。西明石と新神戸の間で停電といっていたかな、とにかく電車が止まった。山陽新幹線の事故です。しかし山陽新幹線の列車がそのまま東海道新幹線の列車になるのだから、神戸方面から列車が来なければ新大阪から東京には向かえない。これは50分も遅れた。午後3時の約束が危うくなった。

 二日連続は酷いな、と思いました。JR東日本は一昨日も大きな混乱に見舞われた。JR西日本も問題が多い。リニアもいいが、従来の線をきちんと動かしてほしいな、と思っています。まあ不可抗力的に起きる人身事故もあるのでしょうが、なるべく人身事故が起きないようにする努力も必要だと思う。

 ところで、新幹線の中で二冊本を読み始めました。「この二人はどこで繋がっているんだ.....」と思って読み始めたのが、『邱永漢の「予見力」』
とここまではいい。この本の帯にも書いてあるのですが、「株の神様」ですから”予見力”はあるのでしょう。

 しかしこの本を書いているのが「玉村豊男さん」なんですよ。およそお金にはあまり興味がなさそうだし、株になど知識があるとは思えない方。いや存じ上げているのでそう書いているのです。で、「あらら」と思って読み始めた次第。

 まだ全部読んでありませんが、のっけから興味を持ったのは「いま私の頭の中をいっぱいにしているのは、中国人のこれからの食糧のことです」という文章。ははは邱永漢の関心事らしい。発想力には、バイクで世界を駆けめぐったジム・ロジャースを彷彿とさせる。「農」つながり、というわけです。

 まあでも本当に重要な問題ですよね。今の中国は石油とか資源を買っている。しかし実は世界中の農業用土地を買っているという説もある。しかしこれは危険でしょう。やはり中国の中で生産するようにならないと。今の中国の職業自給率は95%だそうですが、今後は不安です。

 中国はつい数年前まで石油も自給していたが、その後は大きな輸入国になった。今の中国は世界中で資源を漁り、資源価格を押し上げている。文章が読みやすく面白いので、あと1〜2時間で読めそう。同時に読み始めたのが、「市場は間違える、だからチャンスがある」で、これはいま著者の下で働いている秋山君から送ってもらった。

 この本は阿部さんの自叙伝ですな。同意できることが多い。マーケット関係者にはお勧めです。
 


2009年11月10日(火曜日)

 (09:56)ははは、世界のまだどこかが11月09日の間に、「チャットのコーナー」「20年後に振り返るベルリンの壁崩壊ー直後の残像と今考えるその意味」を書き終えてアップしました。久しぶりに必死で文章を打ちました。

 なんでしょうね。「地球アゴラ」にはちょっとショックを受けた。だってベルリンに行ったこともない人が司会をしていて、私なんかから見ると話がかみ合っていなかった。テレビ番組とはそういうものでしょうが。

 おかげで「自分なりきにベルリンの壁の崩壊を書き残す」必要を感じたのだと思う。いや、書き残してはあったのですが、ネットにないものは最近では存在しないのと同じなので。ネットに残せてハッピー。

 久しぶりに行きたくなりました。ドイツには何故か寒い時期に行くことが多い。今度はドイツが一番綺麗な初夏の時期に行きたいな。梅本君に連れて行ってもらったハンブルクの魚のレストランはまずまずおいしかった。シュベリーンはもう変わらないから、もういいかな。Citibankはまだあるのかどうか。

 2007年に私が取材したときと、また状況は変わっているようで、ビターフェルトのQセルズ(世界最大の太陽光パネルメーカー)は一時景況悪化に直面したそうな。まああの東ドイツサイドにある数多い風車は「対旧東独地域景気刺激策」でもあるわけです。

 ところで、昨日は久しぶりにフィスコの三木さんとメシを一緒に。仕事の話はほんのちょっとで、基軸通貨論なども。彼の基軸通貨論は面白かったな。今度資料を送ってくれるそうな。共通の友人に関する「その後話」も面白かった。「その後」が自分が知らないだけに面白いのです。


2009年11月09日(月曜日)

 (23:56)20年も前に自分が書いた文章を、ネットに載せるために打ち直しています。まだ途中ですが、その過程を皆様にお見せするとこんな感じになります。

 ご存じの通り、今日の11月09日は20年前にベルリンの壁が墜ちた日です。昨日の夜はNHKの「地球アゴラ」に呼ばれてスタジオ・ゲストをしていましたが、周りが皆「壁が墜ちたときは10代だった」(パックンを含めて)、「あまり良く覚えていない」という人ばかりで、その方が私にはショックでした。

 ドイツでも「壁の崩壊を知らない人が多い」「社会主義を懐かしむ人が多くなっている」とも聞いた。それはいかんと。私は壁崩壊の2ヶ月後の1990年1月の半ばにドイツに数日間出張で行き、このコーナーで続く文章の1990年の1月24日から数日間、自分のドイツ出張(壁崩壊から2ヶ月後のハンブルク、ベルリンなど)を文章にして分散して取り上げた。

 ネットへの打ち直しをしているのは、その時に私の見たドイツ(東ドイツ)、ドイツ人、壁崩壊に関する印象(当時の文章で)と、それに関する今の考え方です。「それをもう一度再構築してネットに載せる必要がある」と考えた。とにかく私自身にとって強烈な印象だったが、ネットが普及する前のことなので、今までは「ネット外」の文章だった。

 しかし私自身としてもネットに改めて残しておきたいし、皆さんにも読んで頂きたい。ということで自分で打ち直している。当時既にワープロで打っていたのですが、ディスクが残っていない。OCRでしたっけ、読み取ればよいのだが、あえて打ち直しているのです。

 インターネットが普及したのは、1990年代の半ばですかね。私がHPを作ったのは1996年です。その時からいろいろな文章がネットに今でも残っている。それはナイス。しかし1990年のベルリンの壁が墜ちた直後に書いた文章はネットには残っていない。だから私自身としても「いつかネットに移さなければ」と思っていた。

 ちょっと時間を下さい。2〜3日。改めて公開します。


2009年11月08日(日曜日)

 (11:56)今日の番組を二つ紹介します。一つは「地球アゴラ」(BS1 午後10時10分から)。ベルリンの壁崩壊から20年ということで、アゴラーはドイツに住む日本人4人。私はスタジオ・ゲストということで。いつもは川平さんが司会ですが、NHKから連絡があってどうやら今日はパックンが代わりをやるそうで。

 考えたらドイツには良く行ってます。80年代から。でもなんと言っても90年の一月に行ったドイツが印象深い。壁が墜ちた直後です。ハンブルクからシュベリーンという湖が綺麗な街に入った。朽ち果てつつある城、石敷きの道、痩せた国民。男はひげ面が多かった。西ドイツの裕福なドイツ人といかに違ったか。「まるで中世のようだ」と思いました。

 シュベリーンの街にはその後何回も定点観測に行っている。数年後にあの小さい街が大きく変わり、城も綺麗になって、Citibankが出来ていたことには仰天しました。直近は2007年の末でした。ライプチッヒとその近くのビターフェルトが思い出として残る。あと景観が変わるほどの風車。

 もう一本は、「世の中進歩堂」(BS7 午後8時半)です。今週はレスキュー・ロボットです。『ヘビが人類を救う!?最新型レスキューロボット登場!』と題して、 世界で初めて“ヘビ型ロボット”の開発に成功した東京工業大学の広瀬茂男教授に来て頂きます。

 このロボット、どこにでも移動できるヘビの動きを活かして危険な場所で活躍してくれるのです。たとえ火の中水の中。ははは、まさに人が入れないような危険な場所に勇猛果敢に入り込み、中の様子を探索、人命救助活動に活躍......。

 また番組では、ヘビ型以外にもたくさん活躍中のロボットを紹介。器用にドアを開けたり、10キロの物も持ち上げられるアームが特徴の アーム搭載型クローラーロボット“ヘリオス”や、世界の紛争地域での活躍が期待される、地雷探知ロボット“グリフォン”を紹介します。お楽しみに。


2009年11月08日(日曜日)

「夢のような出来事だった」

「何年、何十年もたってから振り返って凄い一日だったと思い返せると思う」

「何かいい事したって聞きたい.....自分にね」

「その代わり、勘違いするなよって自分に言いたい」

 土曜日のNHKの「A to Z」はちょっと荒削りだし寄せ集めのビデオの感もあったが、とにかくタイムリーで良い番組でした。ばっちりブルーレイで録画しました。PCで再生したときに精密度がブルーレイだと非常にいいんですよ。

松井秀喜ベースボール・ミュージアムの前にある少年の松井。かわいい。  一言一言が松井らしい正直な発言。イチローの発言とはやや違った、松井ならではの人柄が出ている。今頃イチロー選手は何を思っているのか。「うーん、俺もワールド・シリーズに出たい.....」。面白いのは三番目の発言です。一日6打点、あと一本の三塁打でサイクル安打の大活躍について、「自分に掛けたい言葉は」と聞かれて、すっごく考え、時ににやっとしながら絞り出した言葉が、「何かいい事したって聞きたい.....自分にね」でした。この辺は映像の魅力ですな。

 彼は言う。何かワールド・シリーズ第六戦が行われた2009年11月04日について「特別変わったことはなかった」「今日勝てばチャンピオンだと」「それは誰もが分かっているし、自分もそう思っていた」と。

 しかし私は思うわけです。「特別変わったことはなかった」のにあの大活躍。「降臨」したのだと。「ここ2〜3年自分としてはずっと不本意だったんですよ」というだけに、多分彼の努力と野球への熱意と思いがが降臨したのです。

 今の今まで自分を支えていたものに関して聞かれて、「支えていたもの?....野球が好きと言うことでしょう」とこともなげに。じゃあ、現役を終えても野球に携わるんだ、と思う。「だとしたら」と私は考えるわけです。契約でごたごたするくらいなら、自分で「ヤンキースでの自分の役割は終わった。他のもっと弱いチームで、自分の存在が大きいチームで戦ってみたい」と宣言するのも面白い、と。

 これは彼が以前言っていたことでもある。「自分がもっと大きい存在のチームでやるのも良いと思っている」と。それは4年前の契約更改期でした。もしかしたら、これからの彼の長い人生の中で、「巨人→ヤンキース」というエリートコースを歩んできた松井には、とっても良い経験になるだろう、と思うわけです。

 といっても、あまり弱いチームだと来年松井をワールド・シリーズで見ることが出来ない。それは寂しい。松井が加わってヤンキースを打ち破るようなチームにいて欲しいとも思う。うーん、そしたレフトが守りやすいチーム。ありますよね。

 松井は言う。成績が悪かったら出されると書かれ、MVPをとっても出される可能性を強く示唆される。「それがヤンキースですよ」と。主力選手が軒並み30歳代の半ばのチームが「若返り」をしなければならないのは当然です。松井の契約は最初が3年、次が4年で35才のところで更改が来てしまった。ちょっと中途半端でしたね。

 膝の調子次第という面もあるが、今は私は「出るのもまた良しだし、むしろ今後の長い彼の人生の中では、一仕事終えて他のチームでまた活躍・勉強」というの良いのかな、と。一所懸命は日本人の理想ではあるが、彼の場合はジーターと違ってもう一回移っているわけだから。そうだ松井君、自らヤンキースを出て行こう......

 Back to Japan.内海は良かったですね。あのままじゃ終われなかった。内海は突然出番が回ってきたから好投できたんですよ。私はそう思う。たしか「ゴン→オビ→ゴン」と来て、やっと日本人投手がジャイアンツで勝ち投手になった。キムタクの引退は当然でしょう。あの第二戦はなかった。

 来年は坂本や松本、それに亀井がもっと活躍するようなチームになれば、そして日本人投手がもうちょっと力強くなれば、ジャイアンツの力は増すんでしょうね。うーん、今年は敗北した中日がどういう補強をするのか、同じく高年齢化している阪神がどういうチーム編成をするのか、ははは今年は終わりましたが、まだまだ野球は面白い。

 そう言えば、先週金曜日に呉に行くときに広島空港行きの飛行機に乗ったら、隣が大野さんでした。来年は広島のコーチだそうです。立浪と同じくらいの背丈。彼はよく赤坂でパチンコをしていた。ははは、広島にも頑張って欲しい。


2009年11月07日(土曜日)

 (23:56)予想は9.9%で微妙なところだなと思っていたら、実際の発表は10.2%でした。これで為替はドル安に、しかし株価はレベルを保った。「やっぱし大台に乗ってきた」という印象。アメリカの10月の失業率です。日本の新聞はみなこの数字を使っている。

 しかし今日見たニューヨーク・タイムズなどアメリカの新聞には、「17.5%」という80年代初めのボルカーFRB理事長下の高金利時代にもなかった高い失業率が掲載されている。「Broader Measure」(広い定義の失業率)として紹介されているもので、中身は、「This includes the officially unemployed, who have looked for work in the last four weeks. It also includes discouraged workers, who have looked in the past year, as well as millions of part-time workers who want to be working full time.」。

 つまり、「広義の失業率」は「過去4週間職を見つけようとした人」(正式な失業率統計の対象)に加えて「過去一年に職を見つけようとしたが諦めた人」、さらに「フルタイムの職を得たいのに今はパートタイムで働いている人」まで含む。その合計の労働力人口に対する割合が「17.5%」で、これはこの定義で過去最高だった1982年12月の17.1%を大きく上回るという。

 10月の正式な米失業率の10.2%は1980年代の最高失業率10.8%を下回っているが、「広い定義の失業率」で見ると厳しい時代だった80年代を上回る深刻な雇用情勢がアメリカを襲っているということになる。

 これはおそらく現在は「パートタイムなど非正規雇用の労働形態に我慢せざるを得ない労働者が、80年代より遙かに多い」という状況によるものでしょう。これはオバマ政権にとって大きな脅威です。軍の基地での発砲事件もそうですが、アメリカの現政権には厳しい状況が続く。英語の原文は以下の通りです。

For all the pain caused by the Great Recession, the job market still was not in as bad shape as it had been during the depths of the early 1980s recession ? until now.

With the release of the jobs report on Friday, the broadest measure of unemployment and underemployment tracked by the Labor Department has reached its highest level in decades. If statistics went back so far, the measure would almost certainly be at its highest level since the Great Depression.

In all, more than one out of every six workers ? 17.5 percent ? were unemployed or underemployed in October. The previous recorded high was 17.1 percent, in December 1982.

This includes the officially unemployed, who have looked for work in the last four weeks. It also includes discouraged workers, who have looked in the past year, as well as millions of part-time workers who want to be working full time.

The official jobless rate ? 10.2 percent in October, up from 9.8 percent in September ? remains lower than the early 1980s peak of 10.8 percent.

The rate is highest today, sometimes 20 percent, in states that had big housing bubbles, like California and Arizona, or that have large manufacturing sectors, like Michigan, Ohio, Oregon, Rhode Island and South Carolina.

The new benchmark is a sign of just how much damage financial crises tend to inflict. A recent book by Carmen M. Reinhart and Kenneth S. Rogoff, two economists, found that over the last century the typical crisis had caused the jobless rate in the country where it occurred to rise for almost five years. By that standard, the jobless rate here would continue rising for two more years, through the end of 2011.


2009年11月06日(金曜日)

 (12:00)新しいエッセイがアップされました。

http://premium.nikkeibp.co.jp/em/column/itou/

 GNHという理想は理想、考え方は考え方として、私が見たブータンの現実が今回の文章の眼目です。ご一読ください。


2009年11月05日(木曜日)

 (23:38)これははっきり言って「降臨」です。松井に実力があることを十二分に認めた上で、今日は「降臨」したと私は思う。

 何が降臨したのは、それぞれの人が想像すれば良い。野球の神様かも知れないし、松井を今まで育ててきた松井自身の神かも知れないし、松井一家の神かも、教えを育んだおばあちゃんが神だったのかもしれない。見ていて、「今日の松井には何かついている」と思いました。各打席で、「打つんじゃないか」という予感がした。伊東さんも言っていました。

 これだけ打っても明確には来年の松井がどこにいるのかは分からない。それはそうなのだが、また考えれば良いじゃないですか。下のニューヨーク・タイムスではないが、仮に今日の試合が松井にとってヤンキーとしての最後の試合だったとしても、「he made it his best」であったことには変わりはない。

「努力こそ才能」、いい言葉じゃないですか  彼のインタビューは彼らしく素直なものでした。「最高ですね。この日のために1年間頑張ってきた。(ワールドシリーズMVPに)何か、夢みたいです。ヤンキースは僕が来るまで、毎年のようにワールドシリーズに出ていたけど、長かったですね。最も大きな目標だった」。

 目標を達成した松井は、「来年も同じ目標です」とも言っている。ということは、アメリカに残ると言うことです。そうでしょう。彼を取りたいチームは山ほどある。DH2試合、代打で3試合3打席、そして一試合でDH4打席。これだけの少ないチャンスでMVPです。ナイス。

 実は私は松井のMVPを強く水曜日の段階で意識した。その日に松井の生まれ故郷の建設機材の大手メーカーの為の講演会があって、私はその場ではっきりとあと一本、試合を決めるHRを打てばMVPと予測しておいた。聞いている人は懐疑的でしたが。しかし彼は打った。ナイス。

 おかげでいろいろ忘れちゃいました。毎回しているFOMC声明の解説もすっかり忘れてしまった。岸田さんに聞いたのですが、「今日は伊藤のFOMC解説はないのか」と言っていた人が結構いたという。すみませんね。今日はそれどこれではなかった。午後からは仕事が詰まっていましたし。寝坊はするし。

 だから、正午過ぎまで見ていたが、その後の松井の第四打席(三振)は見てないし、ヤンキースの連中が優勝の瞬間を祝っている場面もまだ見ていない。しかし、ビデオが回ってくる手はずになっている。ナイス。

 ははは、「降臨」ね。誰にでも有るものではないでしょう。松井ベースボール・ミュージアムには「努力こそ才能」(写真)とあった。そうですよね、降臨は努力したものに来る。去年イチローはオールスターでMVP。そしてこのところオールスターに出られていない松井は、ワールド・シリーズでMVP。ナイス。

 下のニューヨーク・タイムズの記事は面白い。そう、第二打席の松井のヒットはペドロが外した球だった。それを松井は打った。ははは、「降臨」ですよ。第三打席の右中間2塁打は、あと1メートル上ならHRでした。うーん、最後の第四打席に3塁打ったら.....と考えるのは、神への礼を欠く所作か ?

Matsui, of course, has done more than raise the Yankees’ profile in Japan. He has been steady and efficient for seven seasons. His ravaged knees have made him a full-time designated hitter and called into doubt his future as he comes to the end of his contract. But if this was his last game as a Yankee, he made it his best.

“I hope it works out,” Matsui said through an interpreter, referring to his future with the Yankees. “I love New York, I love the Yankees, and I love the fans here.”

Matsui won three Japan Series for the Yomiuri Giants and was the most valuable player against the Daiei Hawks in 2000. He did it again against the Phillies, winning the M.V.P. by hitting .615 (8 for 13) with three homers and eight R.B.I.

With one out and the bases loaded in the third, Martinez struck out Rodriguez on a pitch well off the outside corner. The Phillies were warming a left-hander, J.A. Happ, but Manager Charlie Manuel stuck with Martinez. Like Grady Little before him, Manuel paid for his faith.

Again, Martinez got ahead of Matsui, 0-2. Catcher Carlos Ruiz bounced from his crouch for a target up and away. Martinez hit the spot but Matsui hit the pitch, lining it into left field for two runs.


2009年11月05日(木曜日)

 (10:38)僕には夢があるひょっとして新ミスター・オクトーバー、いやミスター・ノベンバー。第六戦の2回裏の最初の松井の出番。Aロッドが4球で歩いたあとのノーアウト1塁。5番に座った松井の打席ですが、フィリーズ先発のペドロ・マルチネスとの戦いは見応えがありました。

 最初から芯に当たっていて、ホームラン性の大きなファウルと、ライト線を抜けそうなゴロのファイル。雰囲気はありましたよ。そして2−3からの確か9球目だと思った。バットの芯で捕らえた打球はライトスタンドの2階席に届く大きなホームラン。先制2ラン。

 良い当たりのファイルが続いた後だけにどうかなと思っていたら、最後にフェアフィールドに入った松井の当たりはすさまじい、空に高々と舞い上がる打球でした。ペドロがボストンにいる時から彼と松井の戦いは見応えがありましたが、今回もおもしろい戦いだった。

 うーん、私としてはかなり満足。試合は当然まだ終わっていませんよ。しかし、ワールド・シリーズに今までだけで3本のホームランを松井は打った。これはすばらしいでしょう。打率はこれで6割に達した。仮に彼があと一本打てば、松井のMVPも可能性がある。今日このままヤンキースには勝ってほしい。むろん、松井にはもう一本。

 写真は石川県の根上にある松井ベースボール・ミュージアムに行ったときに私が撮ったものです。彼が右打ちだったことがわかる。「夢」ね。かなえあげたい。試合は今3回の裏で2−1のヤンキースリード。
 ――――――――――
 (追記 12:00)その後の松井。第二打席にセンター前ヒットで2打点、第三打席で右中間の2塁打で2打点。合計6打点。打率は0.667。観客からはMVPコール。スタンディング・オベーション。


2009年11月04日(水曜日)

 (13:32)ははは、関西の人はよく知っていると思いますよ。二度漬け禁止のマークが独特な関西の串カツ屋しかしそれ以外の人はこの写真を見て「これはなんだろう」と思うでしょうね。私も最初は「これは何 ?」「何を意味するのか」と迷った。

 実はこれは大阪の新世界(通天閣近隣でしょうか)や、もうちょっと範囲を広げて難波や法善寺の「串かつ」屋さんで絶対見かける張り出しなのです。二度漬けてはいけないのは、「ソース」です。串カツ屋さんはもちろん関東にもありますが、ソースや塩、醤油、薬味などは小分けされている。しかし大阪では塩は自分でさらにのせるので小分けされているのですが、ソースは二人一つぐらいで大きな入れ物に入れられていて、そこに焼き上がった諸々をどばっと入れて食べるのです。

 この「どばっと」が重要です。控えめにソースに入れると、その部分を食べるともうソースが付いていないところしか残らない。またソースの入れ物に串の先を入れたくなる。「それは禁止よ」というのが、このダメ表示です。

 最初私はそれを見て、「ケチだな」と思った。だって、食材にソースが付いていなければおいしくいただけないものは串カツ屋には多い。しかしそれがダメだという。しかし関西の連中に聞くと、「それは衛生上の問題だ」と主張する。つまり、食べると食材には唾液とかが付く。それをまた皆が使うソースの海の中に入れるのは汚い」というのです。

 見ているとそのソースは、お客が入れ替わってもずっとそこに置いてある。継ぎ足しするのと、こし器を入れてやや濾しているだけです。ずっと使っている。まあそうなら、二度漬け禁止は理解できる。同じグループで行っても、そのグループだけのソースではないのだから、「二度漬け禁止」はその限りでは合理的だ。

 しかし私などは、そもそもなぜ一緒なのか、共通に使う大きな、しばしば金属製の角張った入れ物にソースを入れるのか、小分けにすれば良いのではないかと思うのです。まあ、歴史があるのかもしれない。大阪の新世界からこれはスタートしたらしい。

 でもちょっと不便なのです。二度漬け禁止なので、たとえばちょっとソースを漬けて食べたいものは困る。一応「隠し技」として、共通においてあるソースをすくって、それをさらに移し、それを漬けて食べれば良いとの示唆がある。うーん。

 まあ独特の雰囲気があって、私は嫌いではない。ちょっと揚げ方が乱暴なのはしかたないでしょう。でもおもしろいですよ、あの店の雰囲気は。私が連れ立っていったのは法善寺のそれでした。


2009年11月03日(火曜日)

 (13:32)ははは、新幹線の中でずっとMLBのワールド・シリーズを見ていました。 GAMEDAYで。一回からバーネットが打ち込まれて7回を終わったときにはフィリーズ8ー2ヤンキースで「今日はフィリーズの日」「ニューヨークに帰って松井がDHで4打席出場する中で決着が付いた方が良い」と思っていたのです。

 ところが、8回の表にまたアレックスが2塁打を打ったりなどして3点あげ、9回もポサダが2塁打で出た後松井が9番ピッチャーのところで代打で出てきた。ノーアウト2塁ポサダの場面で松井がどういう打撃を見せるかと思ったら、レフト前ヒット。これでノーアウト1、3塁。

 うーん、その後がちょっと残念。ジーターが内野ゴロでダブルプレーになってしまい、その間に1点入ったのだが、ランナーなしに。これがいたい。デーモンがヒットを打ってまたランナーが出て、「ここで一発出れば同点」という場面でタシエラがたぶん三振に打ち取られてTHE END。

 まあでも予定通りですね。これで一日空けてニューヨークに戻って試合。今日の試合の終わり方はニューヨークにとって必ずしも悪くない。追い上げての終わり。ニューヨークに戻っての第一戦はペティットでしょうから、また勝負強い投球が期待できる。そこで勝てば良い。ニューヨークに4年間住んだ人間として、久しぶりにニューヨークのチームのワールド・シリーズ優勝を見たいし、松井にもリングを持たせたい。

 それにしても、このワールド・シリーズでの松井の打率はすさまじい。0.556ですからね。5割を超えている。タシエラなど0.105ですからね。やっと当たってきたアレックスは0.222。ニューヨークのマスコミは私と同じ意見で、「松井を代打ではなく外野守備をさせて4打席立たせるべきだ」という主張が多かったそうだが、ジラルディはそうはしなかった。

 まあ確かに、「どのくらい守れるか」という不安はあったと思う。しかし松井も守って出たい、という気持ちだったと思う。結果的にヤンキースにとって敵地で2勝1敗だから悪くない。しかし、松井を出していたらどうだっただろうかと思う。

 まあバーネットはあんなもんでしょう。前回の投球が良過ぎた。フィリーズではハワードが相変わらず良くない。HRがまだ一本も出ていない。その代わりアトリーがいい。ヤンキースではタシエラがもうちょっと打ってほしいな、と。スイッシャーはムラがあって、「ここぞと言うときに打つ」という印象がしない。

 まあヤンキースとしては、ニューヨークの2戦のうち初戦で決めたいでしょう。初戦に負ければ3勝3敗の五分ではあるが、印象としては逆王手ということになる。まあ楽しみです。


2009年11月02日(月曜日)

 (23:32)今日夜食事をしていて面白い話題になりました。それは、レディーファーストの国・アメリカでなぜ女性大統領が一人も誕生していないのか、という点。

 日本は言うに及ばず、イギリス、中国、ロシアなどなど主だった世界の主要国はその歴史の中において女性をトップに頂いたことがある。しかしアメリカはすでにオバマで第44代にもなるのに女性が大統領に就いたことはない。ヒラリーも7年後ということになると難しい。

 いろいろな意見が出ました。正当かどうかは別にして意見として並べると

  1. アメリカを普通の国と考えるのは間違っている。せいぜい400年くらいの若い国であり、依然として安定よりはマッチョな前進を好む国である

  2. そもそもアメリカのレディファーストという考え方は、女性の数が圧倒的に少なかった西部開拓時代に培われたものであり、本当の意味で女性の指導者を頂こうというつもりはない

  3. ただし非白人男性を大統領に選んだアメリカは、徐々に普通の国になりつつあり、その過程で今後20年ほどの間には女性大統領が誕生する可能性がある
 などが出た。ヨーロッパでは女性トップは珍しくも何ともない。イギリスのサッチャーは記憶に新しいし、今のドイツは東ドイツ出身のメルケルだ。

 「普通の国」と「女性宰相」の話はなかなか面白いと思って話をしていた。今のアメリカは「帝国のコスト」に悩んでいる。それは世界で唯一の超大国になっても、自分から「核の削減」を言い出さねばならない経済的状況があるからです。すでにアメリカの財政はガタガタになっている。

 もう今日はこれ以上書きませんが、「なぜアメリカは女性大統領を持たなかったのか」「持つとしたらそれは何時になるのか」は面白い問題意識だと思う。


2009年11月01日(日曜日)

 (23:32)そろそろ最終権限を持つ司令塔としての総理大臣の出番の時かもしれませんね。

 単に私の印象ではなく、多くの方の印象だと思うのですが、鳩山内閣の一つの特徴は、閣僚、副大臣、政務官を含めていわゆる政治家がそれぞれ自らの見解を他との調整なしで述べて、それがマスコミで伝わることだと思う。その結果、「一体内閣全体としてはどういう見解なのか」が不透明なこと。

 これで一番怒っているのは、たぶん今だとアメリカだと思う。基地などの再編作業を国内外で進めているが、その重要な再編計画の一環である沖縄の普天間基地をどうするか、日本とのまとまったはずの交渉が新政権成立で著しく流動的になっている。だから、『米が対日政策で異例の協議、「普天間」で焦燥』といった記事(読売)も出てきた。

 この週末にびっくりしたのは、米国務省が「クリントン国務長官は6日午前(日本時間7日未明)に岡田外相とワシントンの国務省で会談する」と発表したにもかかわらず、わずかその数時間後にこの発表を取り消したこと。

 もともと岡田外相は、オバマ大統領来日を前に、沖縄県の米軍普天間飛行場の移設問題やアフガニスタン支援策などについて、クリントン長官と直接協議を行いたいとして米側にワシントンでの会談を打診してきた。アメリカ側としては、この日本側の要請を受けてセットしたつもりだった。

 しかしどうやら後になって、日本側で国会への外相出席の必要性などで日程調整がついていないことが判明したために今回の「発表→打ち消し」になったとみられる。日米双方は調整を仕切り直すそうだが、12日のオバマ米大統領の来日までに実現するかどうかは流動的だという。「アメリカ側の勘違い」という解説もあるが、何かギクシャクしている。

 また鳩山首相は、「マニュフェストは国民との約束。4年間にそれが実現できなかったら責任を取る」と言っている一方で、たとえばこの週末には古川元久内閣府副大臣がNHK番組で、衆院選マニフェスト(政権公約)で明記した政策について「選挙を戦った時とは経済状況の変化もある。どこまで実行するかは、国民と対話を続けるなかで最終的にご理解いただけるところを見つけていく」と述べた。これは税収の落ち込みなど財政状況の変化によっては一部実行を先送りする可能性を示唆したもので当然だが、どこか首相の発言とは齟齬する。

 景気対策もそうだ。片方ではブレーキを掛ながら、一方ではアクセルを踏み込んでいるような政策。これでは市場が鳩山内閣の経済政策を評価して、それをプラス方向で株価などの市場指標に織り込むなんてことは難しい。

 まだ政権発足から2ヶ月になっていない。ということはまだ50日だ。「100日はハネムーン」などと最近の日本でもアメリカ並みの対政府スタンス(マスコミや国民の)が強調されるが、市場もアメリカも相当いらいらし始めている。これは先週の「ザ・経済闘論」でも言ったのですが、もうそろそろじゃないでしょうか。びしっと鳩山さんが、「この問題はこうする」と決断するときは。

 そうすれば、優柔不断に見え始めてきている鳩山政権も、違って見えてくる。



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