2010年02月28日(日曜日)

 (12:40)オリンピックとチリ大地震に関するニュース一色ですが、ふっと気がつくと今日が2月の最後。2月は短い。もう週明けは3月です。

 ところで、今日の「世の中進歩堂」は、「遠くの物の感触がわかる!?」という世にも不思議な装置が登場します。その名も「テレハプト」

 「触感を伝送するシステム」を研究中なのが、慶應義塾大学の桂誠一郎博士。博士はこの研究の中でついに遠くの物の感触がわかる装置“テレハプト”の開発に成功した。この“テレハプト”を使えば、我々が日常的に使っている力のいれ具合、“力覚“を離れた場所に送ることができる。

 さらに博士は、その技術を応用して動作そのものを保存再生できてしまう“モーションコピーシステム”や、力覚を視覚化する“ハプトグラフ”、さらに、路面の状況までわかる車輪型ロボット“モバイルハプト”を開発した。

 「モーションコピーシステム」は、例えば「巧みの技」をある程度コンピューターのシステムとして保存することも可能になる。今までは身近でなかった力覚にスポットを当て、様々な分野に役立てようという博士の研究を紹介します。お楽しみに。


2010年02月26日(金曜日)

 (12:40)FOMA補助充電アダプタ私が最近使っていて、「これは超便利」と思っている製品を皆様にも紹介しましょう。ドコモのケイタイを使っている人には、大部分の方にとって「ポイントで十分に手に入れることが出来る商品」であるはずです。

頭がつぶれたネジでも引き出せるネジザウルス  その名前は「FOMA補助充電アダプタ01」です。先日ケイタイの電池(リチウム電池)が弱くなって、代えなければと思ってドコモのショップに行った際に、「こんなのもあります」と紹介され、電池と共にポイントでゲットしたもの。

 写真で白く映っている小さなボックスが補助充電アダプタです。これを充電しておくと、例えばこの補助充電アダプタをプラグから外した状態で携帯電話をつなぎ、白いボックスにたまった電気で携帯電話を充電できるという仕組み。

 私は先日は鞄も持ち運ばない日があったのですが、その直前に携帯電話の電源が怪しくなって、仕方がないので、というかここが利用の仕方としては面白いと思って、コートのポケットにこの補助充電アダプタを携帯電話につないで一緒に入れ、歩きながら携帯電話に充電できるかやってみました。ばっちり成功。非常に便利です。

 最近はどこに行っても電源プラグはあるのですが、例えば夜寝ている間に充電しながら自分の近くにケイタイ電話を置いておきたいというケースなどにおいて、非常に使い勝手が良いと思います。

 せっかくですから、もう一つ新商品を商品を紹介しましょう。左側の写真です。HPもあって、ここですが、要するに「潰れたネジ、錆びたネジ、固着ネジをガッチリつかんで外します」ということです。

 現物をよく見ると、ペンチの先が何かをすくうように出来ている。この傾斜が潰れたネジなどをうまく取り出すこつになっているようです。私がこのネジザウルスを知るきっかけになったのは、毎週火曜日に出ている関西テレビの番組ですが、こうした「狙いを絞った商品」は全体的にモノが売れない世の中でもかなり動いているようで、「世の中アイデア次第だな」と思います。


2010年02月25日(木曜日)

 (18:40)下院での公聴会を終わって米国トヨタの従業員に囲まれた豊田社長が思わず涙した姿を見て、「トヨタには本当に頑張って欲しいな」と思いました。なにせ日本の自動車業界において、やはり商業ベースに乗るハイブリッドを作り出した革命児だったわけで、また日本を代表する会社であるから簡単にはダウン・トレンドになって欲しくない。

 反省材料はいっぱいあると思いますよ。豊田社長が公聴会でも述べたとおり。成功体験が積み上がっちゃって、それが慢心を呼んだりしていた面があったとも思う。もう5〜6年前にトヨタの役員の人が、「人がついてきていない」と言っていた。2000年代のトヨタの成長はすさまじかったから、ほっておけばそうなる。

 成功しすぎると、どんな会社も緩むんですよ。リコールの指示の一極集中もそうかもしれない。90年代の上下闊達な企業風土に戻って欲しい、と。上も、下もお互いに言いたいことが言える会社じゃないと、「改善」は難しいでしょう。官僚的になっていたらいかんとも思う。昔の”野武士”に戻って、原点に戻って消費者をうならせる車を作って欲しいな、と思います。

 車と言えば、今日は青山を通りかかったので、ホンダの本社によって展示してあるCR-Zを見ました。どういうスペックかはあまり詳しく見る余裕がなかったのですが、確かプライス・リストには238万円前後の数字が並んでいたと思う。

 ということは、インサイトやプリウスよりもちょっと高めの層を狙っている印象です。スポーツタイプかな。ただし後ろの席が狭い印象。運転してないので分かりませんし、実際にころがしてみないと燃費は分からない面が多いのですが、リッター25kは走るという説も。一回乗ってみたいな、と思いました。

 


2010年02月24日(水曜日)

 (22:40)午前中に大阪から福岡に移動して降り立ったらえらく暑い。「なんだか凄い暑いな」と思いながら、所用があってタクシーに乗ったら「あれ、冷気が.....」。運転手さんに聞いたら、「冷房をしています」と。

 ついこの間には日本中のタクシーが暖房をしていたのに。あまりにも大きな気象の変化。タクシーを降りて街を歩いていたら、自分が余分なことを一杯持っていることに気づかされた。マフラー、コート。

 本当かどうか知りませんが、その時点で22度あったそうで(夜のニュースでは長崎が22.6度だったそうな)、そりゃ日差しもあるし冷房が必要だなと。タクシーの運転手さんが、「このまま暖かくなるといいんですが.....」と言うので、「それはないでしょう」と。

 真央ちゃんの演技はちょうど関門トンネルを渡って小倉に着いたくらいで、ナマでは見れないし、その後も所用で見れず。結局まともに見たのは東京に帰ってきてからでしたが、ナイスな演技でしたね。しかしそれ以上にキムヨナの演技が良い評価を得た。

 どうなんでしょう、男子でも4回転をトライしたプルシェンコが二番になって、リスクを犯さなかったライサチェックが金。真央ちゃんの三回転半は素晴らしかったのですが、その後の2回転がちょっと止まったように見えた。それは三回転半を行うとああなるのでしょう。

 対してキムヨナの三回転、三回転は確かに流れがあった。それが高得点になったのでしょう。技を選ぶか、流れを選ぶか。フリーまではちょっと時間がある。しかし真央ちゃんは自分の演技を変えないでしょうから、まあ頑張って欲しいと思います。むろんあとの二人にも。

 日本には三人も出られる選手が男子にも女子にもいるというのが凄い。


2010年02月23日(火曜日)

 (23:40)移動の最中などに、「おへそはなぜ一生消えないか」という本を読んでいますが、これも面白い。何しろ医者でありながら、この著者の文章のセンスがなかなかいいのです。

 「カラダは不思議の宝庫だ。」というのが副題で、「男の乳首はなぜあるのか、必要なのか」という前書きから始まって、食べる口と喋る口はなぜ別ではないのか」「年をとるとなぜ傷が治りにくくなるのか」などの疑問との取り組みが続く。原腸という言葉も初めて知りました。

 ユーモアたっぷりな、そしてよく考えられた文章構成で、一気に難しい本来は医学の話を読者に読み進ませる力がある。なかなか良い本です。

 ところで、今日気になった文章はウォール・ストリート・ジャーナルに掲載された「Back to Basics for Toyota」という文章かな。豊田章男社長がこれから始まる一連の公聴会を控えて寄稿したものですが、アメリカ国民に対する説明としてはちょっと弱い印象がする。

 今回の公聴会は、安全に対する米国民のトヨタ車に対する芽生えてきた疑念に応え、既に1月に相当落ち込み始めた販売を盛り返すための重要な証言。連邦大陪審の召喚状も出ている中での証言だけに難しさはあるが、アメリカではトップの言葉が非常に思い。

 トヨタ再生の出発点になるかどうか、がポイントになる。


2010年02月22日(月曜日)

 (00:40)実に実に面白い、私が好きなタイプの本を紹介します。「ん」という題名です。新潮新書で、副題が「日本語最後の謎に挑む」とある。

 実はこの本は、私も気付いてはいたがそのままにしていた問題から始まる。それは、地下鉄の駅名の英語表示で「日本橋」が「Nihombashi」になっている、という問題です。「日本」と「橋」だから、普通は「Nihonbashi」だと思う。しかし確かに地下鉄東西線の日本橋の英語表記は「Nihombashi」になっているのです。なぜか。私はそこまでの問題意識で止まっていたのですが、この本はまさにその点を出版点にして、「”ん”の不思議」を追っている。

 歴史をさかのぼり、古書の表記を確認し、実に丹念な仕事をしているので、私のように気の短い人間には、「もっと速く結論を」と言いたくなる部分がある。しかし、それを我慢して読んでいくと、我々が現在慣れ親しんでいる「ん」が実に長い苦難(?)と無視の歴史を経て現在に至っていることが分かる。そもそも表記されなかった期間が非常に長い。それは何故か ?

 「ん」は人々が日常的に使う方言に多いとか、「ん」は「保留」であるが、であるが故にイエスかノーをはっきりさせたいフランスなど西洋人には非常に人気がない、など実に興味深い点に指摘が及ぶ。一点突破の本の典型で、実に読んでいてスリリングです。最近読んだ本の中では、非常に面白い。

 ところで、今度は映画ですが、「インビクタス/負けざる者たち」を見ました。なかなかまとまった映画でした。クリント・イーストウッド監督の作品。

 南アの映画の特徴は、白人と黒人の対立をどうしてもテーマにせざるを得ないという点で、この映画もその範疇を出ていないのですが、「それをいかに乗り越えるか」に関してマンデラ大統領が苦心した苦労話と、それに応えた南アのラグビーチーム、特にその主将の苦闘を描いている。

 なかなか見応えがある。それにしても、マンデラをやったモーガン・フリーマンが本物そっくりで、まさにはまり役。マット・デーモンも良かった。映画の時は知りませんでしたが、南アチームは本当にあのオールブラックスに本当に勝ったことがあるそうで、その時の実話に基づいている。

 私が南アに行ったのは1983年だったと思ったのですが、ざらざらした印象はほんとに強かった。まだアパルトヘイトのあった時期でした。今も南アの治安には大きな不安がある。ワールドカップはどうなるのか。しかし、マンデラの功績は忘れてはならない。なにせ27年もの投獄生活に耐えたのだから、尋常な精神力ではない。

 かつ映画を見ている分かるのは、彼が非常に聡明だったと言うこと。なかなか良い映画でした。


2010年02月21日(日曜日)

 (00:40)今週はどこにいても”中国”を感じた一週間でした。ホテルのロビーでも新幹線のホームでも、そして街角でも。中国が一週間の春節だったからです。中国の人達全員が休み。あちこちに出かける。

高さ303メートルに達した段階のスカイツリー。土曜日とあって、大勢の人が詰めかけていた  中国と言っても広い。どうやら台湾や香港の人が多かったらしい。ホテルの人もそう言っていたし、身なりも大陸の人よりも大分垢抜けていた。ホテルの人が言うのです。「本当に助かります。日本で二八というくらい2月は普通はお客さんが少ないのに、中国の方々のおかげで部屋が大分埋まるんです....」と。

 たしかにそれはそうで、福岡のホテルのロビーなど一目で「ちょっと異様な集まり方をしているな」と思う人達がいると、それは中国の人達の団体旅行客。ロビーの人の流れが悪くなってもかまわないという集まり方をしている。もうちょっと避けて集まってくれたら良いのに。

 結構な現金や、元気、それに銀聯をもって来ている。先日は神田の岩波ホールの前を歩いていたら、中国人の女性の二人連れが後ろから。結構な格好をしているのですが、やはり雰囲気が違う。多分、神田の近くの秋葉原にはもっとたくさんの中国の方々が押し寄せているのでしょう。

 かつての日本人がそうであったように、結構なお金を落とす。どこかの国の調査だったと思ったのですが、一回の旅行で一人当たり40万円とか50万円のお金を使うらしい。私が知っている限り、日本のホテルは先週一週間、かなり中国(台湾や香港中心に)で、営業が潤ったはずです。ありがたいことです。

 ところで、土曜日の夕方ちょっと車のルートを変えて業平橋に。300メートルを超えたという東京スカイツリーをチラ見に。仲間はいっぱいいましたね。かなりの人が駅から歩いて、見晴らしが良い橋などの上で写真を撮っている。

 私が一枚撮った写真は、夕陽を背にする駅から少し離れた場所からのショットです。夕陽を浴びているのも良かったが、多くの人がそこから撮っていたので、私は車だったので移動して裏側から。今日はちょうど303メートルでした。正面の方に「今日は何メートル」という表示がある。

 よく見るとちょっと変わったタワーです。東京タワーのように左右対称ではないように見える。ちょっと歪んでいるような。今の倍近い高さになるのですから、そうしたもう近くからはまともには見ることが出来ない。凄まじく高いのです。

 今週末の「世の中進歩堂」は、なんと「赤ちゃん研究」です。ご存じの通り、赤ちゃんは直ぐに言葉を覚えたり、大人の行動をまねたりするようになる。それは何故か、ロボットに応用できないか、と考えた人がいる。

 登場するのは人間の指示で移動したり、顔や名前を覚えたりできる賢いロボット“イレイサー”。「イレイザー」じゃないですよ。それじゃ消しゴムだ。このロボットの賢さの理由が実は赤ちゃん。

 ロボットを開発したのは玉川大学の赤ちゃんラボ。そこでは実際の赤ちゃんを調査し、赤ちゃんの発達の過程を調べている。赤ちゃんが成長していく仕組みを調べることこそ、ロボットに知能を与える、一番の近道であるという。 赤ちゃんの研究を知的ロボットの開発に応用するという画期的な研究現場。知られざる赤ちゃんの能力とその可能性に迫ります。

 お楽しみに。


2010年02月20日(土曜日)

 (04:40)金曜日が忙しくて一日遅れてしまいましたが、FRBが木曜日の午後4時30分(米東部時間)、株式市場が閉まった後に発表した公定歩合の引き上げは、やはり私が第一報を聞いて怪訝に思った通り、最初は市場に不安を与え、アジアと欧州の市場で大きな株安とドル高をもたらしました。しかしここに来て、つまり日本の20日早朝になってニューヨークの市場が株価上昇(連騰)になるなど、その意図が市場に浸透しつつあるように見える。

 FRBの声明全文は以下の通りですが、「these changes are intended as a further normalization of the Federal Reserve's lending facilities.」「The modifications are not expected to lead to tighter financial conditions for households and businesses」と、「正常化」と「引き締めではない」ということを強調している。寄りつきのニューヨーク市場はやはり下げていたが、母国市場だけに「その意図」を読み(笑)、19日の午前11時くらいから上げに転じ、一時はダウで50ドル弱まで上げた。むろん、引けがどうなるかは不明。まだニューヨーク市場は午後2時43分の段階です。

 今回の措置を短く記せば以下の通りです。

  1. 公定歩合を引上げ「0.50%→0.75%」
  2. 公定歩合と政策金利のスプレッドを拡大「0.25%→0.59%」
  3. ディスカウントウインドウの最長貸出期間を短縮「最長時90日→O/N」
 ニューヨークの株価が東京市場関係者が懸念したほどマイナスに消化しなかったのは、「本格的な引き締めは相当先と読んだからでしょう。この文章を読むと、FF金利(0.0%〜0.25%)と公定歩合とのスプレッドが1.0%になるまでは、「normalization」と理解することが可能。また声明はFF金利の引き上げに関しては、何ら示唆を与えていない。

 筆者も「失業率が高い間は金融引き締めにFRBは踏み切れない」という意見です。今のFF金利の異常に低い水準からの引き上げを、「正常化」と呼ぶか、それとも「引き締め」と呼ぶかは微妙なところですが、それをどう呼ぼうと、FF金利の引き上げは公定歩合の引き上げとは比べものにならないくらい影響が大きい。が故に、FRBやFOMCも相当時間をかけ、景気状況を慎重に検討して再び景気が失速しないように行うと思う。しかし、いつかはそれをしなければならない。

 私がこの公定歩合引き上げの第一報を聞いたときの疑問は、「なぜFOMCが行われていない今週なのか」でしたが、声明文を読むと「 Board approval of requests by the boards of directors of the 12 Federal Reserve Banks to increase the primary credit rate (generally referred to as the discount rate) from 1/2 percent to 3/4 percent.」とあって、つまり全地区連銀からの要望があったと。それだけ引き上げ要請がくれば、次回のFOMCである3月16日まで待てなかった、ということでしょう。

 あとで調べなければなりませんが、0.50%で借りに来る商業銀行も減少したし、市場の安定度も増したし、制度を残す意味がなくなったと考えたのでしょう。だとしたら、FF金利を現状維持に据え置いたままの公定歩合引き上げは理解できる。外国為替市場もFRBの意図を理解するに従って、ドル高の程度を緩め、アジア・欧州で一時92円台に乗っていた為替も、今は91円台の後半で落ち着いた動き。  

Release Date: February 18, 2010
For release at 4:30 p.m. EDT

The Federal Reserve Board on Thursday announced that in light of continued improvement in financial market conditions it had unanimously approved several modifications to the terms of its discount window lending programs.

Like the closure of a number of extraordinary credit programs earlier this month, these changes are intended as a further normalization of the Federal Reserve's lending facilities. The modifications are not expected to lead to tighter financial conditions for households and businesses and do not signal any change in the outlook for the economy or for monetary policy, which remains about as it was at the January meeting of the Federal Open Market Committee (FOMC). At that meeting, the Committee left its target range for the federal funds rate at 0 to 1/4 percent and said it anticipates that economic conditions are likely to warrant exceptionally low levels of the federal funds rate for an extended period.

The changes to the discount window facilities include Board approval of requests by the boards of directors of the 12 Federal Reserve Banks to increase the primary credit rate (generally referred to as the discount rate) from 1/2 percent to 3/4 percent. This action is effective on February 19.

In addition, the Board announced that, effective on March 18, the typical maximum maturity for primary credit loans will be shortened to overnight. Primary credit is provided by Reserve Banks on a fully secured basis to depository institutions that are in generally sound condition as a backup source of funds. Finally, the Board announced that it had raised the minimum bid rate for the Term Auction Facility (TAF) by 1/4 percentage point to 1/2 percent. The final TAF auction will be on March 8, 2010.

Easing the terms of primary credit was one of the Federal Reserve's first responses to the financial crisis. On August 17, 2007, the Federal Reserve reduced the spread of the primary credit rate over the FOMC's target for the federal funds rate to 1/2 percentage point, from 1 percentage point, and lengthened the typical maximum maturity from overnight to 30 days. On December 12, 2007, the Federal Reserve created the TAF to further improve the access of depository institutions to term funding. On March 16, 2008, the Federal Reserve lowered the spread of the primary credit rate over the target federal funds rate to 1/4 percentage point and extended the maximum maturity of primary credit loans to 90 days.

Subsequently, in response to improving conditions in wholesale funding markets, on June 25, 2009, the Federal Reserve initiated a gradual reduction in TAF auction sizes. As announced on November 17, 2009, and implemented on January 14, 2010, the Federal Reserve began the process of normalizing the terms on primary credit by reducing the typical maximum maturity to 28 days.

The increase in the discount rate announced Thursday widens the spread between the primary credit rate and the top of the FOMC's 0 to 1/4 percent target range for the federal funds rate to 1/2 percentage point. The increase in the spread and reduction in maximum maturity will encourage depository institutions to rely on private funding markets for short-term credit and to use the Federal Reserve's primary credit facility only as a backup source of funds. The Federal Reserve will assess over time whether further increases in the spread are appropriate in view of experience with the 1/2 percentage point spread.


2010年02月19日(金曜日)

 (11:40)新しいエッセイがアップされました。今回は中国が大がかりな水質を中心とする環境調査を行ったことを取り上げました。

 中国が環境で取り組むべき仕事は多い。まだまだ成長重視ですから。


2010年02月18日(木曜日)

 (06:40)ワシントンの大雪情報で一日空いていましたが、水曜日の午前中は空き時間を利用して小倉から北上し、門司、さらには下関まで行ってみました。歴史が詰まった地域だと改めて思いました。

非常にレトロな門司港駅。平日でも観光客がちらほら  門司は九州という島の最北端に位置する。行って分かったのですが、門司から下関は手を伸ばせば届くのではないかと思えるほど近い。小舟でちょっと行けそうな。実際には非常に潮が速いのでなかなか難しそうですが、潮の目のちょうど変わり目には可能なように思える。

門司の高台から南に位置する小倉を見る  壇ノ浦の古戦場はまさにこの九州の北端、今は「めかり神社」(なんと”和布刈神社”と書く=わかめを刈るから来たとか)から下関を臨む当たり。ここで源平の最終決戦が行われたのかと思うと、まあ900年以上前の事ですが、感慨深い。潮の流れを最後は味方にした方、つまり源氏が勝ったのが良く理解できる。

 門司では「門司港レトロ」も一通り見ました。一時は全国に配送される輸入バナナはすべて門司港を通過していたそうで、往事の建物は面影があって良い。その始発駅となったのが、「JR門司港駅」で、これが今の東京駅も比べものにならないほどレトロなのです。こじんまりしていて東京駅の荘厳さはないが、それがまた良い。

 海峡が狭いので、門司から下関まではトンネルを通っても、橋を通っても直ぐです。下関サイドには、長州藩が外国船に対してぶっ放した大砲も4門だけ残っている。三菱の造船所もあり、また来たい地区だと思いました。

 それにしても、本州と九州は実に近い。近いが速い潮の海峡によって分かれている。この微妙な距離感が日本の歴史に残した足跡は大きいように思う。日本が朝鮮半島や中国との交易を中心に行っていた時期は、まさにこの地域が歴史の表舞台だったと思われる。

 今は小倉も門司も工場の移転や新しい港が出来たことで、ちょっと寂しい。小倉の鍛冶町も本当に人が少なかった。北九州市も出来たときは110万の人口を誇ったそうですが、今は98万くらいになったとか。新しい産業の誘致が急務に思われる。

 しかし福山から来てもう40年もこの地で住んでいる運転手さんが、「給料も安いが、ほんとに暮らしやすいよ....」と。「人ものんびりしているしね。タクシーなんて滅多に乗らない。みんなどんなに時間がかかってもバスを待つのよ.....」と。うーん、それをタクシーの運転手さんが言うところがいいな、と思いました。

 今度東京からゆっくりと西進して、この辺をゆっくり車で見て回るのも一興かなと。


2010年02月17日(水曜日)

 (18:40)ワシントンの片山さんから、「今回の雪がいかにDCに打撃であったか」を十分に伺えるメールをいただきました。ご自分のサイトに書き込んだ文章らしいのですが、私からも紹介します。あまりに長いので、興味深い部分を拾いましたが、ほぼ全文です。

 ワシントンDCでは、1898〜99年以来の111年ぶりの大雪、観測史上もっと多く雪が降り、この10日間街全体が機能しなくなり大変なことになっていました。天気予報では2月5日の金曜日午後からに大雪になると予報が出ていたので、4日木曜日の夕方に万が一のため3〜5日分の食料を買出しにスーパーに行きました(雪が降る前のDCの習慣です)。

 スパーはものすごい事になっていました。まず駐車場に車が一杯で車を止めるのに一苦労。そして入口までいくとショッピングカートがひとつもない。仕方がないので、駐車場に戻り、食料を車に積んでいる人の後ろに立ち「積み終わったらカートを下さい」とお願いして、カートを入手。中に入ると人、人、人でナカナカ自由に動きまわれない。しかも野菜・果物、肉、牛乳はほとんどなくなっていて、バナナ、水は完売していました。また7日日曜日はアメリカの一大イベント、スーパーボウル(アメフトの王者決定戦)があるため、ポテトチップ類もほとんどなくなっていました。

 必要なものをやっと調達し、レジに行くと長蛇の列、しかも一人一人がものすごい量の買物をするので、レジをクリアするのに1時間以上かかりました。連邦政府の職員である旦那は、オフィスが午後から閉鎖になり夕方には帰宅。その後雪は6日土曜日までぼたぼたと激しく降り、もう家からは一歩もでられないという状態でした。とは言ってもじっとしていられずちょっと外に出て近所の様子を探検しにいったら、レスランの屋根は雪の重みで崩れ、雪も膝より上の深さになっており、測ってみたら17.5インチ(45センチ位)になっていました。

 住宅街では、雪の重みで木が倒れ、枝が電線を引っ掛けてしまうため、この寒い中何千世帯が停電となり、停電になってしまった家の住人は暖炉の前でひたすら耐えたらしいです。インターネットもテレビの暖房もない家の中って、想像できますか? 寝る時もダウンジャケットに帽子をかぶって寝たとか・・・

 7日の日曜日は晴れたのですが、何せ雪が多く除雪車が一生懸命除雪して塩をまいても道路がなかなか出てこない。ニュースでも繰り返し「除雪車の邪魔になるので、緊急でない限り外出は避けるように」と言っており、車はほとんど出ていませんでした。地下鉄も(丸の内線の四谷のように)一部外に出る駅があり、そこは動いていない。我が家の近所の地下鉄のDC方面は2本とも外を通過しなくてはいけないので地下鉄は閉鎖され、この日も家にこもり近所を歩く位しかできませんでした。

 そして8日月曜日も9日火曜日も交通機関が復帰できず政府機関はお休み。「さあ明日はやっと・・・」というところに駄目押しの大雪ROUND2が来たのです。10日水曜日の雪はよこなぐりの猛吹雪。家から外を眺めていたのですが、6−7日の雪がスキーのゲレンデだとすると、この日の雪は映画『八甲田山』の雪という感じでした。

 ただこの時点でDCも雪に慣れたせいか(12月から3度目の大雪なので)除雪が上手になっていた気もしましたが・・・ 。このROUND2のせいで11日木曜日に政府機関はまた閉鎖となり、12日金曜日になってやっと復帰。それでも地下鉄のダイヤは乱れ、普段30分で行かれる所も1時間かかり(動いていない地下鉄車両を中に入れているため線路が一本しか使えない)、高速は大渋滞(3車線が雪で埋まり2車線になっていたりするため)で、普段30分かかるところが1時間半かかったそうです。

 そしてバレンタインデーの週末は、15日がPresident's Day(ワシントン初代大統領の誕生日)で3連休となり、また政府機関はお休み。本日16日火曜日にやっと政府機関が再開されることになりました。この10日間で旦那が出社できたのは、たったの1日ですよ・・・ すごいというか何というか・・・

 政府機関が再開したとはいっても、交通機関の乱れや、郊外の除雪作業が間に合わないことから、職員は2時間以内の遅刻が認められ、通勤が無理な人は休暇を使って休んでよいとなっています。ですから、まだ完全に通常の状態に戻ったとは言えません。

 除雪の遅れ(特に郊外や住宅街の細い道)は知事の人気にかかわる、つまり知事生命にかかわるようで、DC及びDC近郊は必死に除雪作業を行っています。しかし除雪した雪が歩道などにこんもりと積みあがり、これもいったいいつ解けるのか・・・といった感じです。歩行道路もまだ雪だらけで、信号を渡るのに雪の山を通過しなくてはいけないので一苦労。街が完全に復旧するにはまだ時間がかかりそうです。

 いずれにしても想像以上に大変な雪でした。DCの人は「もう雪はうんざり」という感じです。


2010年02月16日(火曜日)

 (23:40)夜9時前に、たぶん初めてかあっても二回目だと思うのですが、小倉に入りました。同じ北九州地方の街ですが、やはり博多とはかなり違う。

 10時過ぎに小腹が空いたので繁華街と言われた鍛治町に出てちょっとした小料理屋に入ったのですが、そこの女将が「博多は商業都市、小倉は工業都市。そりゃ違いますよ....」と。「今度の不況では、そりゃ小倉の方がやられが大きい」「同じ”ひま”でも、博多と小倉ではひまさ加減が違う.....」とおっしゃる。

 この街の以前を知らないので比較のしようがないのですが、確かに博多は華やかさがある街ですが、小倉にはその華やかさが少しないような気がする。繁華街にしても、こぢんまりしている。

 その小料理屋は女将さんが一人でやっている店でしたが、「ここが繁華街の中心なのに、この暇さ加減ですから」とも。ははは、お客さんは私一人でした。明日は仕事が午後なので、午前中はちょっと見学をと思っています。森鴎外旧居、松本清張記念とか小倉城とかを。


2010年02月15日(月曜日)

 (23:40)人間の能力・活動において遺伝の影響が大きいことは我々が日常的に感じることですが、その面でNHKの番組「追跡AtoZ」は「潜在能力とは何か」「才能とは何か」、その上で「努力とは何か」を考える上で面白かった。タイトルはたしか「金メダル遺伝子」

 冬のオリンピックの開始に合わせた番組で、世界の一流のアスリートを調べると、短距離走者、長距離走者などに特徴的な遺伝子があり、優秀な選手を育てるために言ってみれば「DNAハンター」まで活躍しているという話し。「ハンター」ばかりでなく、運動部の監督のような人にも部員をどの分野で伸ばすのかについて、このDNA情報を使っているという。

 その中でも面白かったのは、「ACTN3」という遺伝子。その中には、短距離走者に適している「CC型」と、長距離走者に適している「TT型」があるという。「CC型」は日本人の18%、ジャマイカ人の75%、 「TT」型は日本人が22%、ジャマイカ人の2%保有しているという。つまり、ジャマイカ人は一般的に短距離は得意だが、長距離はダメ。日本人は総じてその反対。その通りですね。現実は。

 しかし見ていて思ったのは、それはそれで根っこの才能や能力を見つけることに使うことは必要だが、人間を完全に遺伝子の産物だとすると、努力とか工夫は必要なくなってしまう。それはないだろう、と。「才能+努力」が成果を生むとしたら、この遺伝子情報はまだまだ全体像の一部に過ぎないと。

 運動だけでなく、遺伝が例えば文章作成の能力、言葉の能力などあらゆる分野である程度生きていることは確かでしょう。しかし潜在的な才能が開花するかどうかは、その人が後天的に置かれた環境や、その人自身のやる気、努力などに依拠すると思う。

 ただし、今まで分からなかった分野だけに、DNA情報の活用は賛否の議論を巻き起こしながら広まっていくのでしょう。それは世界において、新しい才能を開花させることになるのかもしれない。それは良いことです。しかし一方で、人生を運命論者的に考えてしまう人も多く出るでしょう。

 そんなことを思いながらこの番組を見ました。なかなか面白かった。


2010年02月14日(日曜日)

 (23:40)昼過ぎに紀尾井町のニューオータニに行ったら、凄い数の黒服のお客さんが。そしてその中にかなりの数のお相撲さんが。聞いたら、琴欧洲の結婚式だとか。

 夕方のニュースで聞いたら招待客が600人と。朝青龍は現れなかったそうですが、それにしても600人というのはさすがですね。皆さんいくらくらい包んだのか知りませんが。ははは。

 このカップルを見た人が、「えらく背丈が違っていた」と新郎新婦を評していましたし、「お袋さんは琴欧洲そっくり」と。そりゃ論理的には「琴欧洲はお母さんそっくり」ということでしょうが、気持ちは分かる。

 ニューオーターは都内のホテルとしては庭が広くて綺麗だし、駐車場が多い。そんなところから、この大きな結婚式の会場に選ばれたのでしょう。土日のホテルが人が多いのは当然としても、華やかなのは良い。

 ところで、今見ていた日本テレビの世論調査によると、鳩山内閣の支持率が39%になったそうな。40%を割ったのは初めてではないでしょうか。むろん聞き方、誰に聞くかにもよるのでしょうが、大体が無作為抽出でしょうから「そこまで下がってきたのか」という印象がする。

 まあでも私が心配なのは、自民党を含めて政治そのものへの日本国民の不信感が高まることです。民主党の政権に対する支持率が下がっていても、それに呼応して自民党の支持率が上がっているわけではない。「みんなの党」は頑張っていますが、この政党は英語名をどうしたら良いか考えないといけないのが難点。

 それは冗談としても、まだまだ受け皿としては小さい。ということは、日本の政治の受け皿の欠如という問題が生ずる。これは困った問題です。
 


2010年02月13日(土曜日)

 (23:40)ということは、TBSのスタンバイを大阪でもまんま聞ける、ということでしょうかね。それとも地域差は残す ?

 ipラジオとしてのradiko(ラジコ)の事です。大手民放ラジオ13社が、今年の3月からネット同時(サイマル)放送を解禁する。今のままでは受信機の数も減っているし、広告も減少している。じり貧になるので、ネットでの同時配信で勢いを取り戻そう、ということです。

 新聞記事によると、専用のホームページ「RADIKO」が開設されるそうですが、それをネット検索しても今は「under construction」と出る。そのHPができあがった上で、例えばTBSとか放送局を選べば、特別なソフトがなくても無料で音声を聴くことができる、という。著作権について関係団体と調整し、原則としてすべての番組を放送と同時に流すらしい。

 読み進むと、「地方局に配慮して、当面は聴ける地域を制限するとしている。在京局は首都圏の1都3県、在阪局は関西の2府2県のパソコンからしか聴けないような仕組みを工夫する」と書いてある。ということは、大阪ではやはりスタンバイは聞けない。

 3月から試験的にサービスをはじめ、9月に本格稼働する予定だという。朝日新聞には、「背景には、ネットや携帯電話におされてラジオを聴く人が減ったことや、高層ビルが多い都市部で電波の状態が悪化していること、広告収入の落ち込みが激しいことがある。電通の調べでは、2000年に2071億円だったラジオの広告費は、08年には1549億円にまで落ち込んでいる。 」という文章がある。

 ところで、明日の「世の中進歩堂」は、暮らしに役立つセンサーです。それも、今は通信線として使っている光ファイバーをセンサーに使って。

 その応用分野は広い。医療分野からセキュリティ強化まで。テクノロジーの進歩に欠かすことのできないセンサー技術の先端研究を紹介しようということで、東京工科大学の三田地研究室の研究成果をお伝えします。

 “光ファイバー”をセンサーとして利用して、睡眠時無呼吸症候群など病気の発見に役立てたり、新しい発想の防犯システムとして利用するというプロジェクトが進行中。我々の暮らしをより便利に変えてくれる最新のセンサー技術の最前線をお届けします。お楽しみに。


2010年02月12日(金曜日)

 (15:40)「ギリシャを支援する」ということは決まったが、では何をするのかというと何も決まっていない。

 EUが救済する、支援すると言っても難しいですよ。ドイツやフランスが自国のお金を使うとなれば、国内に失業問題を抱えているのに、「よその国の国民を助けるのか」と言うことになる。結局当面は他のEU加盟国が出来るのは「その国の政府の措置を支援する、応援する」しかない。あとはEU資金など、国の手を離れたお金を使うくらいしかないのではないか。

 EUは経済統合体としてはかなり前進した組織です。しかし政治的、軍事的主導権は国民が選んだそれぞれの国の政府が持っている。最後にその国の運命を決めるのは、その国の国民から選べばれた政治家です。EUは見守るしかない。

 問題は、ギリシャ政府が厳しい財政緊縮策を採ると言っても、それに国民が従うかどうかです。先日は私は「Is Greece Governable?」という記事を紹介した。国民は公務員を先頭に、「緊縮政策反対」を叫んでいる。24日にはゼネストもある。

 ギリシャが済んでもスペイン、ポルトガル、その次はイタリアが待っている。EUはある意味国の権威を低める措置を取っているが、それによってEU住民は従来に増してコスモポリタンになり、国の打ち出す政策を甘く、軽んじるように見る。

 これはある意味、パラドックスです。


2010年02月10日(水曜日)

 (13:40)東京や京都に押され気味の大阪の「食」に関わる人々がようやく動き出したようです。

 ゾロメの2月2日に、このような宣言が出された。会場は高麗橋・吉兆。私のように毎週大阪に来ている人間には、「大阪には頑張ってもらわねば」と思っており、応援したいと思っているのです。

 そもそも、日本の料理は東京でもなく、海のない京都でもなく、大阪で成熟した。この間の経緯は、「カウンターから日本が見える」に書いた。江戸は、参勤交代の為の料理は発達したが、町人の間に旨いものとして広まったのは寿司と天ぷらなど街頭もの。

 京都も交通の便が発達するまでは、なかなか海の新鮮な魚が届かない、あまり料理の美味しくない街だった。精進料理などは、とても美味しいとは言えない。対して大阪はこの宣言にもある通り、海の幸が豊富で、山の幸も多かったし、街としても栄えていて料理が育つ条件が整っていた。今では日本料理は京都がスタートと思っている人が多いが、それは違う。吉兆も大阪西区新町のスタート。

 鯖寿司など例外はある。しかし全般的に言えるのは、京都の料理にはパワーがない、ということです。まあ最初はお公家さんの料理ですから、どうしてもそうなる。しかし同じ日本料理でも大阪、または大阪スタートの店の料理にはパワーがある。それが私は好きなのです。

 東京にある割烹のほとんどは、スタートは大阪です。大規模に関西のパワーが東京に入ってきたのは大正から昭和の初期と、戦後。だから東京には「関西割烹」が多い。しかし、関西には「関東割烹」という店は私が調べた限りゼロです。

 大阪の一つの欠点は、「まとまりがない」ということです。商人町だから秩序よりは個々人が、一つ一つの店が利益を求める。御堂筋などは都市設計としても立派だと思うが、町並みは確かに雑然としているし、住んでいる人間のまちまち度も高い。

 しかしここまで街全体が活気がなくなりつつあると、「まとまって何かせねば」ということになったのでしょう。しかし私の一週間後まで人に聞くまで気がつかなかった。ちょっと大阪らしくない控え目。こういうことにころ、知事でも出して大々的に宣伝しないと、と思うのですが。


2010年02月09日(火曜日)

 (13:40)本当に感心し、これは凄いことだと。盲導犬の事です。

 いつもの通り大阪に行くので新幹線に乗ったのです。そしたら2列前に盲導犬を伴った目の不自由な方が東京駅で乗ってきた。その方が窓際に座り、犬はその横で床の上に横たわった。何にびっくりしたかと言って、その盲導犬が列車に乗ってくるところから大阪で降りるまで、全く音一つ出さないのです。鳴き声はむろん、うなり声も。まるでいないかのように。

 従来から「(盲導犬は)訓練されている」とは聞いていました。しかし、ここまでだとは思わなかった。最近は新幹線の中で着信音を鳴らしたり、ひどい例になると電話での会話までしている人間がいる。だから、「犬の方がよほど出来がよい」と思いました。訓練すればここまでになるのですね。

 話は変わりますが、最近「カティンの森」を見ました。神保町の岩波ホールで。しばらくの間、ナチスドイツの犯行か、それとも赤軍の犯行かで双方から議論があった大きな虐殺事件ですが、今では当時のスターリンが犯した犯罪と言うことになっている。政治的にもゴルバチョフが認めて、ソ連軍の犯行ということで今は決着した。

 それにしても、事件があったのが1940年、今から僅か70年前ですからね。そんなに近過去なのに、実に恐ろしい大量虐殺が行われていたことに改めて衝撃を受ける。最後の連続射殺の場面などは、一人一人が足跡を残してきた人間に対する所行とは思えない。

 実はドイツもポーランドの古都クラフクの大学教授達を連行して、結果的に死に追いやっている。つまり、ドイツとかソ連の犯行と言うよりは、ワイダ監督は「ポーランドの悲劇」を描いているのです。それにしても、強国に挟まれたポーランドという国が味わった悲劇は、想像を絶する。

 久しぶりに映画らしい映画でした。事実を積み上げ、時間を積み上げ、そして悲しい、衝撃的なクライマックスに。まだしばらく岩波ホールでやっているようです。時間のある方は是非ご覧ください。たった70年前の話です。


2010年02月08日(月曜日)

 (23:40)それにしても、「PIIGS」とはうまく当てはめたものだと。欧州の問題国、ポルトガル、イタリア、アイルランド、ギリシャ、スペインの5カ国を意味する。「PIGS」という表現もあって、その場合はアイルランドを除いて欧州南部の問題国四カ国を意味する。いずれにしても、「ブーチャン」と覚えれば良い。

 今日の東京市場が懸念したとおり、G7でのギリシャなどの問題に対する取り組みは、どう見ても甘い。しかし今見ると欧州の株価は反発に転じている。問題は残しながらも、相場のレベル的には買える水準に来たと考えている向きがあるのでしょう。材料とは別に、相場には必ず”レベル”という視点がある。

 ことばに関連して今朝面白いと思った記事は、「煮抜き、お造り、関東炊き…消えゆく関西たべもの言葉」という朝日の記事でした。ついこの間「にぬき」の話しをこのコーナーで書きましたから。その記事は以下のようなモノだった。

 煮抜き、五目ずし、関東炊(かんとだ)き……。「食」に関する関西ことばが日常生活から急速に姿を消している。武庫川女子大学言語文化研究所(兵庫県西宮市)の岸本千秋助手(44)の調査でわかった。「まずい」を意味する「もみない・あじない」は絶滅寸前だ。

 調査は2008年11〜12月、武庫川女子大の学生124人と、同研究所に普段から協力している一般の20〜60代の158人を対象にアンケート方式で実施。関西とそれ以外の地域で異なる呼び名を持つ「食」に関する言葉を並べ、どちらをよく使うか選んでもらった。一般の回答者には、子どもの頃どちらを使っていたかも答えてもらった。

 その結果、60代以上のほぼ半数かそれ以上が子どもの頃に使っていた「なんば」「ごんぼ」「関東炊き」「ばらずし・五目ずし」という単語が、それぞれ「トウモロコシ」「ゴボウ」「おでん」「ちらしずし」に変わっていた。学生は、これら四つの関西ことばを使う割合が1割に満たなかった。「もみない・あじない」は30代以下でほぼ消滅。「煮抜き」(ゆで卵)も50代以下ではほとんど使われなくなっていた。

 「かしわ」「お造り」は学生の1〜2割が今も使うと答えたが、すべての世代で「鶏肉」「お刺し身」を使う割合が拡大。60代でも「鶏肉」「お刺し身」が5割を超えていた。

 私は「にぬき」を覚えたばかりなので、消えてしまうのはちょっと寂しい。しかし、「かしわ」なんてのは逆に使われるようになっているのでは。方言もなるべく残すべきです。


2010年02月07日(日曜日)

 (08:40)番組の案内です。今日の午後8時30分からのBS7「世の中進歩堂」は、「自動作曲システム」です。先日収録が終わったのですが、「こんな事が出来るんだ」とびっくり。私も一曲作ってみました。

 番組のHPにある通り、『言葉が音楽に変わる瞬間!音楽業界に革命を起こす自動作曲システム』というわけで、 音楽業界の常識を覆す画期的なコンピューターシステムです。東京大学の嵯峨山研究室で開発されたこの自動作曲システムは、ソフトウエア上に文字を入力するだけであっという間に作曲ができてしまう。

 私は松井の歌を作りました。というか、ちょっと短い文章を作っただけ。それをコンピューターに入力するとすぐに曲になる。しかも、少し手を加えれば、自分好みのアレンジで歌声や伴奏までつけることができ、誰でも手軽に作曲家になれる。画期的なものだ。

 嵯峨山研究室は、工学の技術を用いて音楽を追求していく“音楽工学”最先端に立つ研究室。より音楽を楽しめ、理解を深めていく様々な装置を開発している。テクノロジーの進歩が、どのようにして音楽の世界に影響を与えていくのか、番組ではその可能性に迫ります。お楽しみに。


2010年02月06日(土曜日)

 (11:40)大荒れだった昨日の海外市場をチェックしていたら、「なんという見出しだ」という記事に直面しました。ウォール・ストリート・ジャーナルの記事で、「Is Greece Governable?」というのです。「ギリシャという国は、そもそも統治可能か?」と。どきっとするでしょう。

 今回の「欧州に対する市場の懸念」の出発点はギリシャです。政府は、膨らむ予算赤字を2012年にはGDPの3%にすると約束している。しかし問題は、その約束が履行される、それにギリシャ政府が成功するとは誰も信じていない点です。ウォール・ストリート・ジャーナルは以下のように書く。 

The Greek government has promised to cut its budget deficit to 3% of gross domestic product in 2012. But the cost of insuring Greek debt against default continues to rise. To many, that means the Greek government has a credibility problem.

But at the root of that problem is a deeper, more fundamental question: is Greece governable?

The citizens of any nation always retain the right to disagree with their government. Even so, most of the time they obey the laws made by that government, in spirit as well as in letter. Among those nations that have a sucessful track record of confronting and overcoming existential crises, that obedience and sense of common purpose is strongest when the threat is greatest.

As of yet, for bond investors the jury is out on whether Greece is governable-in particular whether its government is capable of delivering the budget cuts it has promised. That was clear from the reaction to events as they unfolded Wednesday.

Investors welcomed the EU Commission’s qualified endorsement of the Greek government’s budget plan, but sold bonds again when the country’s largest union announced it would call a general strike on Feb 24 to protest against the austerity measures. Those doubts about governability were reinforced Thursday as tax collectors and customs officers walked off the job, ahead of strikes by civil servants, doctors and Communist-backed workers on Feb 10.

 「The citizens of any nation always retain the right to ...」で始まるパラグラフと、ギリシャ人がEUをどう見ているかに関する記述が面白い。確かにこの危機の中で、「じゃあ切り詰めよう」ではなくて、ギリシャ最大の労組は24日にゼネストを計画し、それを待たずに税務署や税関の官吏が木曜日には職場放棄し、街で抗議のデモをしていた。10日には、公務員や医者のストが予定されている。

 つまり、ギリシャの労組の多く(多分国民もそういう気分なんでしょうが)は、「しのごの言わず、EUやIMFはギリシャを助けろ。我々の生活を保障しろ」ということでしょう。これではEUもIMFも簡単にはギリシャを助けられない。となれば、default の危険性は高まるという構図。ギリシャの国債は買い手が付かない状態。

 欧州では政府も危ないとなれば、それは飛び火する。ポルトガル、スペイン、それにイタリアなど。いずれもラテン系の国だ。ドイツやイギリス、それにフランスはこうした事態を懸念しているが、だからといって危機に直面した国の国民の自助努力なしには、簡単には自国民の税金でこれら諸国を助けることは出来ない。

 この週末にはカナダの北極に近い田舎町でG7が開かれる。なにもこんな時にどえらいところでG7を開く必要はなく、もっと都会でやればよいと思うが、それは別にしてG7が抱えた課題は大きい。アメリカが提示している金融制度改革、為替市場の混乱、世界経済に二番底懸念、加えての欧州での混乱。

 G20に主役の座を奪われたG7だが、依然として役割はある。G7が対応策の捻出に失敗すると、再び来週の世界の市場は荒れ模様になる。


2010年02月05日(金曜日)

 (11:40)海外の新聞を開いても、今日は異常に日本のニュースが多い。トヨタがあり、小沢さんの問題があり、FTには朝青龍の問題も取り上げられている。まあちょっと尋常ではない。

 それはそうと、新しいエッセイが公開されました。「伊藤洋一の『BRICsの衝撃』」です。不揃いに多極化した今の世界で、世界全体が関わる問題に取り組むには何が必要かを考えました。

 それはそれとして、金曜日に非常に興味深い画面を見ました。アバターを見たと書いたら、福岡の馬場さんから、「驚愕の360度の超立体映像」があるとの情報が。しかもお台場で見られると言うことで、昨日の午後行ってみたのです。

 それは、東京レジャーランド内のパレットタウンにあって、そうですね人が20人ほど入れる空間。どちらも向ける丸椅子が設置されていて、椅子設置面は床より高くなっている。実はそれが映像の運び具合で振動したりするのです。

 アバターもそうでしたが、普通の3D画面では例えば何かが接近するにしろ、目の前で折り返す。しかし、この360度のサラウンドの画面では、例えば拳銃の弾や槍がまさに自分の体を突き抜けていくように感じるのです。それはそれは迫力がある。私は各10分のお化け物、忍者物など3本を見ましたが、普通の映画よりは相当異空間体験をするせいか残像が残り、ある意味疲れる。不思議体験です。3D好きには一見の価値あり。

 360度に見えるのは、サラウンドに6つのパネルで映像を前後左右に見えるようにしているのです。どちらを向いているかで画面が違ってくる。この装置の特徴は

  1. 全周位スクリーン(これは確かに凄い)
  2. 超立体3D(映像が突き抜けて感じられる)
  3. ギミック効果
 など。最後の「ギミック効果」は、ステージ直下のスピーカー設置によるボディソニック(例えば花火の音などは非常にリアルです)と、手すりに噴出口を装備することによって生ずる「エアガン効果」を指す。これによって恐怖などが倍加する。

 目の前にいろいろな物が出現しますから、つい手を伸ばしたくなる。結構面白い。ただし、「6つのパネルで色が多少違う」「綺麗に見えているようで、実は映像がぼけている」(3Dの特徴だと思う)「コンテンツがまだ揃っていない」などの問題もある。

 しかし個人商店でここまでの製品を特許(第4166260号)を取って作っているのは、なかなかやるな、と思いました。貴重な体験でした。


2010年02月04日(木曜日)

 (11:40)やっと見つけたという感じです。ずっと探していて。

03日に再び天満宮に。「浪速」で鰻を食べて出たら、ノリ業者が天満宮で恵方巻きの1000人提供をやってました  何を見つけたかというと、関西風焼きの鰻。関東の一度白焼きにして蒸してからの蒲焼きではなく、蒸さないで蒲焼きにした鰻がずっと食べたかったのです。大阪でいくつかの店でトライしたのですが、今までは「これは美味しい」というのがなかった。

 しかし「この人は料理が出来る」と思っている「傘や」(新地)の女将から教わった店が、亀の池「浪速」でした。落語の常設小屋である「繁昌亭」の直ぐ左(正面から見て)の通りにある。わずか数メートルの距離です。

 しばらく「亀の池の向こう」の「浪速」の女将さんと話しをしたのですが、「ウチは普通は関西は腹開きするんですが、それは”腹切り”で嫌だと言うことで、背開きをするんですが、あとは一切蒸さない関西風です」と。食感が違うのです。東京で食べる鰻より、それが強い。なかなかいいと思いました。関東とは違った鰻を食べたい向きには、お勧めです。

 3日に行ったのですが、12時前にもう一杯。どうみても常連という人達ともいろいろ喋りました。その中には「世の中進歩堂」を毎週見ているという叔父さんが4人組で来ていて、これは嬉しかったですね。また来たいと思ったし、この辺には面白い店が多いと思いました。コロッケの中村屋とか、その反対にあるお好み焼きの店とか。

、  繁昌亭の右は「大阪 天満宮」で、私が行った3日はちょうど節分で「1000人に恵方まきを無料で配布」というイベントをやっていた。、ブルーの法被を着て、背中に「海苔」と白抜きで。右の写真です。上がっている風船は、恵方まきの太巻きです。

 一つ思ったのは、天神橋筋商店街は「昼は人が多い」ということ。ちょうど昼飯時でしたので。いずれにせよ、探していた物が見つかったのは良かったと。


2010年02月03日(水曜日)

 (11:40)去年の末くらいからですかね。講演会などの折に時々こういうことを私は言ってきたのです。小売り不況に関連して。

 皆さん、最近はジャガイモの一個、トマトの一個にまで、「このジャガイモは、トマトはどこの誰々が作りました」とトレーサビリティを示す表示がありますよね。食べ物でできて、例えば衣類などでもなぜそれができないのでしょうか。

 ユニクロは確かに売れている。販売に絡む雇用も日本国内で生んでいる。同社の製品には技術革新もあって、すばらしい。しかし縫製はほぼすべて海外、特に中国でやっている。いくら売れても、縫製という面では仕事は日本では増えない。皆海外に行ってしまう。

 ではそれだったら、デパートなどは「これはちょっと高いです。しかしこれを縫製したのは、例えば岡山県のどのメーカーの何々という人です。このジーンズには、この上着にはこういう心がこもっていますし、新しいこういう技術も使われています」という作り方がなぜできないのか。

 それをしたら、買う人が出てくるのに......

 と。いや本気で言っているのですよ。というのも、私はそれをPCで経験して、直ちに「国内産」を選んだからです。

 それは、ソニーのVAIOの「Z」という機種の話です。まだ「7」が出て間もなくの頃です。新宿のヨドバシに行った。いいマシンはないかと。そしたら「Z」が早くていい。「コア2デュオ」で。でも値段が二つあった。

 「なぜですか」と聞いたら、店員の方が確か「この高いのは信州で作っていて、一方安いのは海外で作っているのです」と説明してくれた。まじまじとボディーを見たりしたら、自分が長野県の出身であることもあって、「信州で作ったこっちの方がいいよね」という判断に達した。使い勝手も良かったし、長野県の雇用を応援したいという気持ちもあったのです。

 で、迷わずに「こっちを下さい」と信州で組み立てられたVAIO「Z」を買った。それが今の我が家のメーンマシンです。実際に使ってみて、最終的に買った方のマシンの方が良さそうだったこともある。加えて、「国内、それも出身の長野県で作っている」という安心感があったし、国内雇用に貢献できるとも思った。そもそも長野県は精密工業が盛んなところだから、間違いないと思ったのです。

 そういうことがあったので、デパートなど日本の小売り業が売っている衣類などにもそれが適用されるのではないか、とずっと考えていたのです。ちょっと高くなるが、日本の雇用を守ることができる、しかも品質は良い。

 そういう気持ちでいたら、私が毎週火曜日に出ているアンカーという関西夕方の大型ニュース番組で、「アーバン・リサーチ」という会社が紹介された。私と国定さんが担当しているコーナーで。すばらしい。もう私が考えているようなことを実践していて、しかも業績が良い。「やっぱり」と思いました

 番組の目を付け所が非常に良かった。私は自分の考え方を発展させると同時に、もうちょっとこの会社のことを調べようと思っているのですが、どうでしょうね。閉鎖に追い込まれているばかりのデパートなどの業界。少し頭を使ってみては。頑張っている小売りはいっぱいあるのです。


2010年02月02日(火曜日)

 (23:40)街というものは面白いところだな、と。改めて。

 空き時間があったので、大阪の天神橋筋商店街を4丁目から1丁目まで、最後の1丁目のアーケードを突き抜けるところまで歩いてみたのです。ゆっくりと往復で。片道30分もかからない。天神橋筋商店街は日本で一番長いアーケード続きの商店街です。

 面白いのは、「街歌」があって、それが私が歩くときはいつも流れていること。実に様々な商店が並んでいる。まあ、パパママ・ショップの大行列なんです。各種雑貨などモノ、そしてマッサージなどサービスも売っている。

 歩くと分かるのは、この全般的な不況下であることに加えて、いわゆる二八ですからまあ寂しい店、レストランが多い。夕方まだ早い時間ですからこれからなのかもしれないが、「この店は、今晩誰か入るのかな」という印象がする店もある。結構旨そうで立派なのに。

 驚いたのは、パチンコ屋さんです。10年ほど前は夕方のパチンコ屋さんと言えば、それこそ人で溢れかえっていた。しかし、それは店にもよるのでしょうが、大きな、設備の整った店でも、今はこの商店街では一列に一人、二人のお客さんしかいない。「こんなのが続いたら大変だな」と。

 街は冷え冷えとしているのです。まあ考えて見りゃそれもそうで、火曜日の日経夕刊の一面トップではないが、「昨年の従業員5人以上の労働者一人当たりの月間現金給与総額は前年から3.9%減少して31万5164円になった」といった状態なら、一般の消費者は厳しい。

 なぜなら、その減った3.9%は「可処分所得の残った縁」なんでしょうから。つまり、生活費、ローン返済、教育費などを引いた最後の糊代。それがなくなると、「自由がなくなる」という部分。

 「縁」がたっぷりあるうちは、皆誘い合って外に行ける。しかし、「縁」が人によってなくなると、縁が残っている人まで外に「誘い合って出る」ということがなくなる。「他の人には迷惑になる」という空気を読みますから。「一種の閾値」がそこにはある。「一人で行く」のだったらもうええ、「内食、家食」となる。

 普通サラリーマンは割り勘か、上司のある程度の奢りでしょう。外食するのは。しかし改めて書きますが、ある閾値を下回るとお互いに誘いにくい雰囲気が生まれる。会社の中でも。加えて、上司で十分な小遣いを持っていたり、自由に使える企業内部のお金を持っている人が今は少ない。だから、閾値を下回ると急激に街でお金を使って過ごす人が少なくなる。今はそれに相当するのでしょう。

 しかし、そうした中でも繁盛している店はあるのです。例えば天神橋筋2丁目、繁昌亭のすぐ近くには、大勢の人が列を作っているコロッケ屋があった。ほんの小さな店なのです。しかし、男女、老若入り交じって列を作っている。

 その反対側には、お好み焼きを売っている店があって、そこにも同様の列が出来ている。あと鯛焼き屋さんでもそういうのがあった。羽の生えた鯛焼きとか何とか書いてあった。確かに見たら、トビウオのように羽を大きく生えた鯛でした。

 ところで話は変わりますが、夜飯を男二人と食べながら、そこのマスターと3人で喋っていて、京都の面白い言葉という話になりました。出てきたのは

 「にぬき」
 「かしわ」

 など。「にぬき」は分からなかったですね。いくら考えても。奥さんが京都出身という人が教えてくれた。なんと「ゆで卵」の事を言うのだそうです。ちょっとネットを調べたが、「どして」がよく分からない。「かしわ」は鶏肉のことで、関東でも比較的用法としては見かける。あとは、ネット情報ですが「けんずい」=おやつ、「虫養い(むしやしない)」=軽食など。

 それで思い出しましたが、私は最近よく頭に浮かんでくる言葉としては「ましょくにあわない」というのがあるのですが、これが標準語ではないというのが最近わかりました。どうも「間尺に合わない・・・」から来ているらしい。

 私の感覚での「ましょくにあわない」は、「役立たない、足りない」ですが、「間尺に合わない」は本来は「割りに合わない 損益がつり合わない 損になる」らしい。ちょっとニュアンスが違う。いずれにせよ、私の頭の中では最近「これじゃましょくにあわんな」と言う声が聞こえる。景気対策を含めて。


2010年02月01日(月曜日)

 (23:40)久しぶりに見た”ぼた雪”でした。雪国の人がそう呼ぶかは別にして、それは実に重そうで、かつ大きかった。夜9時過ぎに車を運転したのですが、既に道には都心でも積もりかけていて、「2日に朝にはどうなっているのだろう」という印象。雨になれば積もりませんが。

 ところで、最近考えをまとめ切れていなかった中国経済に関して、非常に示唆に富む本を読みました。紹介します。「中国経済の真実」(沈 才彬著 アートデイズ)という本です。この本が良いのは、書いた人が徹底的に中国を自ら歩いていて、情報が新鮮であると言うこと。特に私が面白く読んだのは第二章です。いままでこういう視点で書かれた本はあまり読んだことがなかった。確かにそうだし、では今の中国で”政変”があるかと言えば、まずない。

 要するに、「中国という国が本当に危機になるのは内部の政変であって、リーマン・ショックのような外部危機には極めて強い」という指摘が面白かった。確かにそうだ、と。その理由もまたわかりやすい。それは、「中国は海洋国家の部分と内陸国家の部分という二つの部分を抱える奥行きの深い経済である」という点と、「外部危機があっても、政治がしっかりしていればある意味中国は非民主主義的に危機対応が機敏に出来る」という点。

 「非民主主義的に」という部分は、それにはメリットもあるという意味で書いている。「民主主義的に」ということは実は、「決定にまで時間がかかる」ということを意味する。例えば今回の危機でも、中国が40兆元もの景気刺激策を決めたのは極めて素早かった。議会を通す必要もありませんから。第五章も面白かった。中国経済に関してもやもやしている人にはお奨めです。

 ついでに、「クラウド・コンピューティング仕事術」(西田宗千佳著 朝日新書)も読みましたが、これはちょっと前のクラウド本というか、書いている時点では「Gメール利用術」のようなイメージで書いていたが、本を出す段になって「クラウド」という言葉が出てきたので、それをタイトルにした、という印象がする本。

 逆に言えば「クラウド」が実に進歩、変化の早い初期段階の概念であり、それがエボルビングしているという現実を思い起こさせてくれる。例えば今私が「クラウドの本、それを使った仕事術の本」を書くとしたら、全く違った本になる。違ったクラウド術を使っていますから。

 それから本ではありませんが、今日覚えた最も興味深い言葉は「力覚」(りきかく)でしょうか。「りきかく」と書いて変換しても、atok は変換してくれない。それほど珍しい言葉です。しかし、インターネットで「力覚」で検索すると、結構サイトはある。「世の中進歩堂」の収録の際に覚えました。追って放送されます。

 英語で、「force sensation」という綴るのだそうですが、例えばこのpdfには、「人がもつ感覚機能を大きく分類すると、視覚、触覚、聴覚、嗅覚、味覚という5つの感覚機能に分類される。力覚はこのうちの触覚に相当する。」という文章がある。

 しかし産総研のサイトには「力覚」を定義して「物体に触れた時の表面のザラザラ感などの皮膚感覚が触覚である。これに対して、物体を握った時に筋肉の緊張の具合からその硬さが理解でき、指関節の角度から物体の形状を知ることができる。この感覚が力覚である。広い意味での触覚は、これら両方を指すことがある。」とあり、触覚と「力覚」は別物(触覚の方が広い概念だが)と書いてある。

 英語の「force」は、言ってみれば「反発力」という意味でしょう。あえて訳せば「反発感覚」ということか。でも面白かったですよ。少し先の番組をお楽しみに。
 



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