2010年07月31日(土曜日)

 (21:55)今日は本当にびっくりしました。朝早いゴルフのために中央高速河口湖線から富士スバルラインを走って、もう少しでゴルフ場に着くと思った午前7時15分頃です。突然右手から鹿が出てきた。白い斑点が鮮やかな、一見子鹿に見えた。気付いたときには、もう目の前だったのです。

 カーブを曲がって、あと300メートルもすればゴルフ場入り口という場所なので、スピードは出していなかった。せいぜい時速30キロくらい。しかし「あ、鹿だ」と思ったときには、多分鹿は私の車の1メートルくらい前だった。

 ブレーキをかけようと思ったのですが、実際にかかったのかどうかは記憶にない。「あ、通過してくれる」と思った瞬間に、あまり大きな音ではなく「ゴツン」という音がした。「ありゃ」と思って、直ぐに車を止めて、「鹿さん、大丈夫だろうか」と思って、車をバックさせたのです。しかしどう探しても、そこには鹿の姿はなかった。

 だから、臀部打撲くらいで鹿は走り去ったと考えました。自分の車の左前を見ると、へこんでもなにもなっていないし、傷もない。ということは、痛いだろうけど、そこに倒れ込むほどではなかったということです。まあ良かった。

 ゴルフ場に行ってそのことを支配人に話すと、「うちの社員も6〜7人やられてます」と。「やられてる」とはどういうことかと思ったら、ぶつかって車が傷ついたと言うことを言っているようで、そこに居た社員の一人は、「私は修理に16万も払いました」と。

 うーん、私の車は別に高いものでも何でもないので、むしろ気になったのは「あの鹿がどうなったのか」だったのですが、けっこあの辺は鹿が出没するんだと改めて思いました。鹿には屋久島でしばしば遭遇していますが、屋久島の鹿は道を横切ったりはしなかった。私の前では。

 北海道などでも鹿が交通事故に遭うケースは多いんでしょうね。道路を走っていると「動物注意」とは書いてありますが、あれば高速道路だったらちょっと怖かっただろうな、と思う。低速の一般道路だから、落ち着いていられた。惜しむらくは急ブレーキがかけられて、鹿の臀部であってもヒットしなかったら良かったのですが。

 私の先輩には、「道路で大きな鹿に併走された」という人も居る。その人の話によると、その鹿は相当大きかったらしいので、仮に富士山麓に一種類の鹿しか生息していないとしたら、私の車の前に現れたのは子鹿です。このサイトをお読みの皆さん、富士山麓では鹿に気をつけましょう。


2010年07月30日(金曜日)

 (15:55)千葉法務大臣の突然の死刑執行に関連して「死刑」を巡る議論が再び高まっているが、どちらの立場に立つにせよ、「死刑絶対肯定論」(新潮新書)は一読すべき本だろう。

 この本の最大の特徴は、「無期懲役囚の主張」と本のサブタイトルにもある通り、無期懲役囚が書いている点。主張としては『死刑こそ「人間的な刑罰」である』(本のオビ)というものなので、「死刑を容認しない人」にはちょっと耳障りな本かもしれない。

 しかし私は読んでいて、「刑を執行される側」の一つのものの見方のようなものは分かったし、「執行猶予付きの死刑」などの提案もあって興味深く読みました。我々が頭だけ、理想論や観念論だけでこの問題を考えがちですが、「こういう視点もある」という点では、非常に参考になる本でした。

 それから、今週の「世の中進歩堂」(BSJAPAN午後10時24分)は、『洗濯用洗剤開発最前線!最先端技術が生んだ洗剤の秘密に迫る!』と題して、普段何気なく使っている洗濯用洗剤の開発現場、そこに使われている最先端のテクノロジーを紹介します。

 具体的には、洗濯洗剤の老舗メーカー、ライオン株式会社の研究所に潜入します。洗濯用洗剤に秘められた驚きの最新テクノロジーを紹介しますので、お楽しみに。


2010年07月29日(木曜日)

 (15:55)ははは、この記事はなかなか核心を突いているし、はっきり言って日本に優しい。ワシントン・ポストの「Japan, America's top Asian ally, seems adrift. But it's not time to panic」というエディトリアルのことです。だって、この文章読んでくださいよ。

 All of this has left many Japanese, and some of Japan's overseas friends, wondering if Japan's problems are simply too big for its politics. Such pessimism is understandable but wrong, or at least premature. Japan remains a wealthy, productive, stable society with the world's second-largest economy. The instability of its politics reflects a healthy debate on what is, after all, a daunting problem, and one humans have never had to face in this way: how to maintain economic prosperity while declining birthrates and increasing longevity produce an older and older population. If Japanese voters are unsure about whether it's better to raise taxes or cut spending, well, join the club.
 優しいでしょう。まあもっともこの段落しか読むに値しない文章(他の部分は既知のことが書いてある)ですが、この紹介したパートは日本人も忘れがちな部分です。あまりにも日本の政治が迷走しているので、ワシントンの方々も、「優しくなるしかないな」と考えたのかもしれませんが。

 あ、それから「伊藤 洋一のRoundup World Now」についてですが、この番組はいろいろな試みをしていて、それ故にいろいろな方からご意見を頂いていますが、すぐに終わってしまうと言う状況ではありません。その点はご心配なく。8月も、そして9月も続きます。

 ますます良い番組を目指します。楽しんでください。


2010年07月28日(水曜日)

 (15:55)新しいエッセイがアップされました。「どうやって金融情報をゲットするか」の第三回です。このシリーズも徐々に核心に迫ってきました。

 あと、昨日書いた関西地方の部外者には読みにくい地名に関しては、ツイッターやメールでいろいろな方に情報をいただいております。「他によく紹介される難読地名」として

 「交野(かたの)」
 「私市(きさいち)」
 「野江内代(のえうちんだい)」  「杭全(くまた)」

 などを挙げて下さった方もいますし、関西地方以外でも「不入斗」(いりやまず 横須賀)、「牛坂」(べごさか 秋田)、「桐原」(とげ 広島)などを教えて下さった方もいました。ありがとうございました。まあ覚えきれないのですが、それぞれの名前をインターネットなどで調べていくと、なかなか面白い。歴史もある。

 ツイッターで情報を教えてくれた方の中には、『若一光司著「大阪地名の由来を歩く」「大阪の地名の謎と歴史を訪ねて」は一時期本屋で平積みされてて人気でした。』という情報もありました。

 ありがとうございました。読んでみますが、私はどちらかというと本をずっと読んでしまうと忘れるので、「衝撃を受けたときに覚える」というのが好きです。


2010年07月27日(火曜日)

 (23:55)やはり、スタジオの全員(関西人達)がこの読み方を知りませんでした。関東から行っている人間(私)としては、ちょっと痛快、鼻高。

 今日関西テレビの「アンカー」で披露したのですが、関西には関東の人間から見て「想像を絶する」地名が一杯ある。

 スタジオの関西人達が全員知らなかったのは、私がもう20年近く前に出張の折りにタクシーでその名が付いた交差点を通りかかってひっくり返りそうになった京都の地名です。交差点の上の信号機の下に書いてあったのを見つけた。書き方は「一口」です。京都府南部の久御山町にある。で問題は、これをどう読むか。

 なんとなんと「いもあらい」と読むのです。私はそのときにその場所を通りかかったシーンを今でも良く思い出す。京都支店の人間に「これはなんでこう読むのか」と聞いた。当然知っていると思って。そしたらその人間から出てきた言葉は、「知りませんでした」だった。

 番組の始まる前にもう一度確認したのはこのサイトですが、この文章を書くに当たってまた調べたらこのサイトもあった。さらに確認したのですが、私のコンピューターに入っているatok で「いもあらい」で転換しても、「一口」は出てこない。「いもあらいざか」でも出てこない。実は「一口坂」は、東京のJR市ヶ谷駅の近くにある。本当に坂になっていて、しかし今では「ひとくちざか」と交通情報でも読み方を変えている。

 京都の「いもあらい」の読み方には諸説あるらしい。説明を読むと、京都の「一口」と東京の「一口坂」の間には、「昔の病気が取り持つ縁」があるらしい。

 で、番組の中で私が「関東から来ている人間として想像を絶する関西の地名」として紹介したのが、

 三田(兵庫)
 十三(大阪)
 枚方(大阪)
 放出(大阪)

 「一口」と違って、これらの読み方は関西の人だったら誰でも知っているらしい。しかし私から見れば、「なんで」となる。上から、

 「サンダ」
 「ジューソー」
 「ヒラカタ」
 「ハナテン」

 となる。番組が終わってから話題になったのは、「立売堀」。駅まである。だから、関西の人は誰でも知っている。でも関東の人間には読めない。「いたちぼり」と読むらしい。アンカーのアンカーである山本さんが、「伊達藩」から来ていますよ...と。

 そう言えば、今は「だて」になっているが、昔は「伊達」は「いだて」と読んだらしい。漢字からすれば「それはそうだ」ということになる。伊藤の「伊=い」ですから。これは本で読んだことがある。いつのまにか発音しにくいので「い」が落ちたと書いてあった。その「い」が「いたち」の「い」になったというのだから複雑です。

 あ、番組そのものは「夏休みをどう過ごすか」というテーマ。私は毎週関西に来て、「地名を見るだけでも歴史の宝庫」と関西の事を思っているので、「訳あり地名ミステリー・ツアーを」と提言し、スタジオに来ていた日本旅行の玉川さんに「作ってくださいね」とお願いした。ははは。実現したら、行ってみよう.....


2010年07月26日(月曜日)

 (23:55)

100

 区切りとなる、非常に嬉しい数字です。

 BSJAPAN「世の中進歩堂」(BSチャンネルの7)が、来月27日(金曜日)午後10時24分からの放送で、めでたく100回に達します。一年は52週で、でもお正月とかお休みもあるので、100回ということは、約2年の継続を意味します。この手の番組はそもそもあまりないし、長寿はさらに珍しい。

 「世の中進歩堂」は、主にこの日本の大学で、企業で、そして学生や主婦の間で生まれた、そして生まれつつある最新のテクノロジーを紹介し、その将来へのインパクトを考える30分番組です。決して一般の方々受けする番組ではないのですが、100回に到達し、今後も続く見通しです。

 今日はちょっと早いのですが、この100回目の記念の収録もあって、雑誌の取材などもあって、通常の収録よりは華やいだ雰囲気だった。この番組をやっていて楽しいのは、日本からは世界に誇れる優秀な技術が次々に生まれていることが確認でき、しかもそれを毎回多くの方々に伝えることが出来る、ということです。世間の目からはちょっと置いて行かれてしまったが、改めて光を当てると非常に重要な技術というものを含めて、日本には注目すべき技術が次々に生まれている。

 それを様々な形で発掘し、それに興味を持っておられる人々に届ける、という仕事にはやりがいがある。非常にコアな方々に見ていただいていると自負しています。もう半年前には、大阪の鰻屋さんである中小企業の経営者という方から、「あの番組はいいね。他にないからね」と声をかけられましたし、つい先日もある中央官庁の技術関連課長さんから、「第一回から見ています」と。

 スタッフが、記念のpdfを作ってくれました。記念に私のサーバに入れて、ここに100回記念リンクとして残しておきます。正直アイデア一杯の番組です。収録があると毎回、

 「あ、この技術は面白い」
 「これは将来インパクトある結果が生まれるな」

 と感心する技術が次々と日本から出てきていることに気が付く。思い出しても、「細胞シート」「シルクを使った人工血管」「イカロス」「触媒研究」などなど輝かしい技術を紹介してこれた。これは嬉しい限りです。その度に第一線の技術開発者の方にスタジオにわざわざいらっしていただいている。こんな番組はないでしょう。

 今日も東京海洋大学の先生に「借り腹養殖」という驚きの養殖技術(ヤマメがニジマスを生み、サバがマグロを生む)を、トイレタリーで有名なTOTOさんからは、「ハイドロテクト」という光触媒技術を存分に使った全く新しい技術(将来は地球環境の浄化にも役立つ)を紹介頂いた。

 ウェブの特徴は、紙面に制約がないと言うことなので、この際番組が過去100回の中で紹介したテクをすべて紹介しましょう。スタッフが作ってくれた過去100回の番組タイトル表を、私が打ち直しました。第1回から打っていきます。99回まで。

 ユビキタスコンピューティング
 お絵描きソフト
 人体通信
 触覚バーチャルリアリティ
 二次元通信シート
 バイオミメティクス
 におい再現装置
 ロボット特集
 ロボット特集
 ヒューマンインタフェース
 進歩する再生医療
 ウエアラブルロボット
 年末スペシャル
 驚異の疲労研究
 バイオメカトロニクス
 触媒研究
 バーチャル・トレーニング・システム
 農園監視システム
 昆虫操縦型ロボット
 温度差発電
 自律型海中ロボット
 手術支援ロボット
 社会シミュレーション
 超小型人工衛星
 進歩する太陽電池
 過去3ヶ月の総集編
 ディスプレイロボット
 次世代音楽鑑賞システム
 高感度地震観測網システム
 人工知能ロボット
 発光生物
 nano tech 2009
 筋電位ロボットハンド
 驚異の炭素研究
 細胞シート
 超微細世界
 医療福祉ロボット
 ツイスター
 過去3ヶ月の総集編
 マジックミラー
 レアメタルの再生
 フレクトリック
 たんぼ発電
 飛行ロボット
 人口知能ゴーグル
 波浪推進船
 お手伝いロボット
 デバイスアート
 粒子法シミュレーション
 血糖値ビーズ
 最新技術で宇宙の謎に挑戦
 過去3ヶ月の総集編
 みみスイッチ
 未来の発明王紹介
 ウエアラブルコンピューター
 大学見本市
 可視光通信
 レスキューロボット
 デジタルコンテンツエキスポ2009
 バイオミメティクス第二弾
 拡張現実”AR”
 ソーラーセイル
 空中描画
 驚異の雷研究
 年末スペシャル
 国際ロボット展2009
 DNAメモリ
 メタンハイドレード
 シルク研究
 最新技術で深海研究
 自動作曲システム
 進歩するセンサー技術
 赤ちゃん研究
 テレハプト
 地球を救う発酵パワー
 エンターテインメントデザイン
 折り紙
 過去3ヶ月の総集編
 主婦発明家に注目
 セキュリティーショー2010
 モンダージュボイス
 クラウド・コンピューティング
 ロボット研究サークル
 地球を救うミドリムシ
 植物工場
 ゴルフボール開発最前線
 ブレイン・マシン・インターフェイス
 ワイヤレス給電
 環境知能化
 最新技術で古代の謎に挑戦
 過去3ヶ月の総集編
 CAS冷凍
 イルカ型ソナー
 美肌研究
 洗濯用洗剤開発最前線
 花火の謎
 宇宙服研究
 驚異の養殖研究
 ハイドロテクト

 となります。私は全部この放送を行ってきたわけで、相当賢くなっていなければならない。(笑)さらに、ここに挙げたのはメインネタで、毎回海外技術を1ネタ、2ネタ紹介しているので、紹介した技術はさらに多くなる。つい一週間前に発売になった「空飛ぶ自動車」は、とっくの紹介でした。

 今までご覧になっておられなかった方々は、是非これを機会にご覧になってください。女性MCのカジマリ(日本テレビのズームインの月、金に出演中)もかわいいし、損はしませんよ。ははは。テクに強くなること請け合い。


2010年07月24日(土曜日)

 (23:05)凄まじい雨と稲妻で車を運転するのも危険なので、中央高速の談合坂サービスエリアに車を止めて、やることもないのでこのサイトを書いています。それにしても、すざましい稲妻。進行方向(東)にずっと見えていたのですが、突然それが接近して、かつ雨を伴ってきた。嵐の渦中にこっちから入ってしまった。

 雨量は車の中からでは分からないが、ワイパーではききれない状態。相当な雨量であり、これが続いたらやはりやばいでしょう。例えば溜池など。どこで降っているのかは知りませんが、ツイッターの情報だと埼玉はもう見舞われた感じらしいので、あちこち移動しているのでしょう。ゲリラ豪雨? こっちが移動したら、また遭遇する可能性がある。

 今はちょっとペースが落ちてきたが、一時は本当に凄かった。まあもっと落ち着いてから動き出す予定。非常に珍しく土曜日に仕事をしたら、この状態。どうしても頼まれて、断れなかった。生まれ故郷への社会奉仕のようなものです。

 それにしても、講演に使うのでポケットwifiをバッグに入れておいたら、車の中はオフィスみたいですな。テレビも見れるし、ネットも出来る。短時間なら、どうせやらねばならないことを処理する手もあるし、資料も読める。便利です。

 それにしても、日本の高速道路はおかしい。あまりやらないのですが、法定速度アラウンドでクルーズドライブをかけて左車線を走っていたら、すさまじい勢いで非常に多くの車に追い抜かれた。まあ実験と思ってやっているので、しばらく見ていたのですが、どうでしょう高速道路を走っている多数の車の平均走行速度は、90キロを超えているのではないでしょうか。渋滞がなければ。

 ということは、速度制限は暗黙の了解で無視されているということになる。最近は例のカメラもあまり稼働していないと聞く。覆面はけっこういますが。実際に追いかけれている車を見たことがあるが、あれはなかなか臨場感がある。私はまだ一回も経験がない。

 「暗黙の了解」と言えば、割り込みの時に両側のランプをフラッシュさせるのも、多分どこにも書いてないルールです。しかし結構皆これをやっている。ちょっと笑える。まあこれも変わるんでしょうね。以前は夜は車が止まるとランプを落としていた。前の車へのエチケットという説もあったし、省エネのつもりだったんでしょうが、今は誰もやらない。

 今の車のバッテリーはそれほど弱くないという知識が広まったからでしょう。しかし、建前としての「高速道路80キロ制限」というのは、相当現実から乖離した建前になった気がする。あまりの”乖離”はよくないんでしょうね。あ、雨がやんだ.....


2010年07月23日(金曜日)

 (14:55)面白いプロジェクトを、正確には昨日から始めました。「カウンターから日本が見える」の時の新潮新書の担当者と編集長に誘われて夕食をご一緒し、その時に「今年末頃を締め切りで文章をあげ、来年春に一冊本を書く」ことになりました。

 今見ると、「カウンターから日本が見える」を出してからもう4年近くがたつ。その間にも本を出してはいますが、「ITとカースト―インド・成長の秘密と苦悩」を書き下ろした以外は、以前の本の文庫版出版だったり、テレビ番組がベースの共著だったり。

 そろそろ一冊と思っていたので、以前からそういう話はあったのですが、新潮社さんの知り合いからの話でもあったので、「ほんじゃやりますか」という事になったのです。そして、そこには一つ私のやる気を誘う前提が出来た。

 それは、この新しい私の本を「電子書籍化し、例えば実物とネットの同時出版とか仕掛けを作る」という案。どちらともなくですが、その方向が決まった。実は新潮新書としても、電子書籍は近い将来の第一号が検討されていて、今年中にも出す方向のようです。だから、私の本が新潮新書として電子化される一冊目ではない。しかし来年の周年にあわせると言うことで、面白い企画だと思う。

 ははは、どんな本になるんでしょうね。「カウンターから日本が見える」は、日本の料理史をカウンターの一点から眺めた本でした。大勢の方から「とても面白かった」と。ははは、今度はスポーツ? まあ楽しみにしていて下さい。私もどんな本になるか楽しみ。中味も出版形態も。


2010年07月22日(木曜日)

 (17:55)今年の上半期に全5回でお送りした「NIKKEI特集 ルフトハンザ ドイツ航空presents 伊藤洋一のReal Europe」が、今年の後半に戻ってくることになりました。今ゲストの人選を進めていますが、今年前半に負けず劣らず多彩な方々をお迎えする予定です。お楽しみに。

 それから、エッセイの公開です。「第72回」として、「中国社会の砂状化」現象を取り上げます。「単位」が中心だった中国社会が砂状化してきていることから来るいろいろな問題。それを取り上げます。今後の中国の行方を考える上でも、非常に重要な問題です。

 それから、明日・金曜日の「世の中進歩堂」は、「日本人宇宙飛行士も着用!驚異の宇宙服研究を紹介!」極限環境でも快適な衣服を研究している日本女子大学家政学部被服学科の、多屋淑子博士が登場。

 博士は、世界で初めて宇宙船の中で着る専用の衣服を開発した方です。しかも自らの提案で。この衣服を着れば、宇宙船という特殊な環境でも保温性や清潔さを保つことができ、快適に生活できる。すでに何人かの日本人宇宙飛行士たちも宇宙で着用。

 その宇宙船用衣服の研究から意外な発見も生まれている。実は、靴下の暖かいはき方を科学的に実証しました。さらに宇宙船用衣服は、我々の身近なところにも活かされはじめている。開発された衣服の素材を、さらに一般向けに応用しようと開発。下着や枕カバーにして販売している。また、博士は、福祉の分野にまで応用しようと研究中。

 宇宙船という特殊な環境でも、快適に着られる衣服の開発を通し、どんな環境にある人にとっても、着心地が良いと感じられる服を提供しようという世界初の宇宙服研究を紹介します。面白いですよ。

 ところで、世の中進歩堂ももうすぐ記念すべき「100回」が近づいてきました。今週分が95回。週1のBSの番組が100回を迎えるのは誇らしい限りです。楽しい企画も用意していますので、お楽しみに。BSジャパン金曜日午後10時24分からです。


2010年07月22日(木曜日)

 (13:55)半年に一回のことなので、バーナンキFRB議長の法律に基づく議会証言の全文に目を通しました。全文に目を通すことによって、その人のway of thinking が分かって良い。

 グリーンスパンの時代には、議会証言を一回読むと、面白い単語を必ず一つは覚えられたので面白かったのですが、バーナンキの発言は至ってまじめ。あまり面白い単語を覚える機会もないが、まあそんなものでしょう。グリーンスパンが異常だった。

 まずまずの長さの議会証言の中で、気になったパラグラフは三つです。

 「An important drag on household spending is the slow recovery in the labor market and the attendant uncertainty about job prospects. After two years of job losses, private payrolls expanded at an average of about 100,000 per month during the first half of this year, a pace insufficient to reduce the unemployment rate materially. In all likelihood, a significant amount of time will be required to restore the nearly 8-1/2 million jobs that were lost over 2008 and 2009. Moreover, nearly half of the unemployed have been out of work for longer than six months. Long-term unemployment not only imposes exceptional near-term hardships on workers and their families, it also erodes skills and may have long-lasting effects on workers' employment and earnings prospects. 」

 「One factor underlying the Committee's somewhat weaker outlook is that financial conditions--though much improved since the depth of the financial crisis--have become less supportive of economic growth in recent months. Notably, concerns about the ability of Greece and a number of other euro-area countries to manage their sizable budget deficits and high levels of public debt spurred a broad-based withdrawal from risk-taking in global financial markets in the spring, resulting in lower stock prices and wider risk spreads in the United States. In response to these fiscal pressures」

 「Of course, even as the Federal Reserve continues prudent planning for the ultimate withdrawal of extraordinary monetary policy accommodation, we also recognize that the economic outlook remains unusually uncertain. We will continue to carefully assess ongoing financial and economic developments, and we remain prepared to take further policy actions as needed to foster a return to full utilization of our nation's productive potential in a context of price stability. 」

 日本の新聞の見出しになっているのは、最後のパラグラフの「we also recognize that the economic outlook remains unusually uncertain」の部分です。グリーンスパン的に言うと、欧州の金融危機である程度は説明が付くとはいうものの、今の回復ペースには過去に見られないコナンドラム(なぞ)が一杯ある。

 私が気になったのは、最初に紹介した失業の所です。2008年と2009年に850万人の人がアメリカでは職を失った、と書いている。これは凄まじい数字です。労働人口が1億5000万人ちょっとの国で、たった2年間で850万人が職を失うという。

 アメリカでは毎年20万人分くらいの職が増えないと、労働人口の自然増を賄えないと言われる。バーナンキの言うように今の「毎月10万ペース」では実質的には雇用は増えていない、と言える。失業の半分が「半年以上」と長期化しているのも問題。

 日本でも失業の問題は深刻になりつつある。一方で、途上国も失業が大きな問題。いろいろな形で職を生み出していかねばならないのだが、そうはうまくいっていない。


2010年07月21日(水曜日)

 (23:55)今日ある意味一番びっくりしながら読んだ文章は、「 May 6 'flash crash' is still a mystery to stock regulators」でした。USA TODAYのこの記事は、改めて私のアメリカの市場に対する不安感を呼び起こした。

 この記事に書いてある「 May 6 'flash crash'」とは、左下にあるチャートに明らかです。ニューヨーク・ダウの動きに示される「株価の急激な下げ」と、その後の「急激な戻し」を指す。その一部は「なかったこと」にされたが、この米株価の動きは世界中の市場に大きな影響を与えた。外国為替市場では、円相場の急騰、その後の反落の原因となった。

 こんな値動きは決してあってはならない。しかしそれが今でも「なぜ」の部分が、「is still a mystery to stock regulators」だというのです。監督当局に分からないのだったら、世界中の投資家がまた同じようなことが起きる危険性にさらされている、ということになる。

 「is still a mystery」ではなく、投資家の市場に対する不信感を払拭するためにも、徹底的に原因を追及し、二度と同じようなことが起きないような手立てを講ずるべきでしょう。この文章のリンク先には、SECの文章も残っているし、株価急落のチャートも残っているため、備忘の為に残しておきます。

 世界中の投資家が投資に確信が持てないでいる現在の状況は、世界経済への不信感ばかりではない。市場そのものへの不信もあると思う。


2010年07月20日(火曜日)

 (10:55)「悪いことは反省してもらう」「しかし伝統はしっかり守って欲しい」という気持ちで、月曜日は名古屋で9日目の大相撲を観戦しました。

 土日は入りが良かったそうで、連休最後の月曜日はどうかという気持ちと、「何が変わったのだろうか」という関心で愛知県体育館に。あの辺は緑が多くて良い。まあ月曜日も9割方の入りでした。

全体で15本くらいかな。懸賞金も少ないながら出ていました  でもとにかく暑い。体育館の中も少しは冷房している筈ですが、どうしても手元にあるものであおぎたくなる。友達と「暑い、暑い」と。言っても温度は下がらないのですが。気温も暑かったが、土俵の上も予想した以上に熱かった。とにかく8日目まで幕内でも全勝力士が3人もいましたから。

 特に印象に残った取り組みは、豊真将が強い当たりで猛虎浪に勝って全勝を守った一番と全勝対決の鶴竜と白鵬の一番は凄かったな。鶴竜はよく頑張った。場内からも拍手。白鵬はあの小さい目がいいですね。あそこに力が凝縮されているような感じがする。

 山口県豊浦郡豊浦町(現下関市)出身の豊真将は、日本人力士の中で「横綱になる素質を持った力士」と以前稽古を見たときから期待していたのですが、最近は行ったり来たり。うーん、歯がゆい。

 しかし今場所は体の張りも良く、月曜日も猛虎浪に対しても全取り組みの中で「この日一番」の頭での当たりをして、突き倒した印象(正式な決まり手は押し倒し)。いつも10日目を過ぎると豊真将には黒星が出る。気が緩むんでしょうか。今場所は頑張って欲しい。今場所良い成績だと、ぐっと番付が上がりますから。

 それにしても、見ていて思ったのは、「日本人力士同士の勝負」がほんの数えるほどしかない。逆に最後の一番もそうですが「モンゴル対モンゴル」や「欧州対欧州」の対決が結構ある。まあ今回の騒動で出られなくなった力士に日本人力士が多かったこともあるが、見ながら「それにしても、凄まじい国際化だ」と思いました。大相撲は揉めているが、着実に国際的な興行になりつつある。

 でも、勝負が始まるとどことどこの力士の勝敗だとか考えない。あの迫力はいつ見ても良い。相撲は最後は個人の戦いです。次々に登場する世界からの相撲取りを見ながら、そんな気がしました。それにしても、栃の心と豊真将の足は本当に太い。にもかかわらず、栃の心は今場所全く駄目。

 まあこれだけ国際化が進むと、白鵬が国内的な事情による生中継中止などなどに不満を表明した気持ちも分かる気がしました。モンゴル、ブラジルでは多くの人が相撲中継を楽しみにしているわけですから。相撲界も問題なく中継が出来る体質になって欲しい、と。

 それにしても、私が最初に相撲部屋を訪れたのは1998年でした。そのときに居た旭天鵬とかはまだ頑張っていますからね。昨日もつい応援してしまったな。

 あと好きなのは、時天空とか魁皇。昨日は相次いで負けてしまいましたが。あと笑えたのは、グルジア系の力士の背中にはどう見てもきっちりと毛が生えている。両サイドに。うーん、不思議だ。


2010年07月19日(月曜日)

 (23:55)世界的に、あちこちでえらいことになっていますね。「史上最も暑い7月。涼求め水死110人に(モスクワ)」、「ドイツ超特急列車の冷房利かず…車内50度!」などなど。今週一週間は暑い日が日本でも続くようで、まあ日中は用がなければあまり外に出ない方が賢明かもしれない。それにしても、ドイツで38度超とは想像しがたい。

 ところで、別に東京発の記事だからクオートする必要もないような気がしながらも、「お休みだった日本国内ではこの手の報道は無かったな」と思いながら読んでいたら結構面白いので、ここに今見つけたウォール・ストリート・ジャーナルの記事(一応一面トップの位置)を引用します。

 「85円がらみの円高が1〜2ヶ月続いたら、日銀は日本経済の悪化を防ぐために新たな緩和措置を検討するかもしれない」「それは恐らく外為市場への介入ではなく、日銀による「国債買い入れの増額」「金融市場への低金利融資増額」、またはこの手の融資の「融資期間の延長」などだろう、という内容。

 まあFRBも「出口戦略」どころではなく、米経済の成長率見通しを引き下げる中で、「新たな緩和」を検討しようかという状況。米緩和観測が出ている影響は「ドル安」となっており、日銀の新たな緩和策の見方には信憑性もある。記事の頭の部分は以下の通りです。

TOKYO -- The Bank of Japan may consider taking additional easing steps to prevent the economy from worsening if the yen falls to around 85 to the U.S. dollar and stays there for a month or two, a person familiar with BOJ thinking said.

In recent weeks, with Europe's sovereign-debt troubles still unsettling financial markets and concern growing that the global recovery is stalling, the yen has gained from about 89 against the dollar. On Friday the dollar briefly dropped to a seven-month low of 86.27 yen, and stayed around 86.65 yen on Monday.

The BOJ's view is that as long as the yen doesn't rise much from its current levels, Japan's economy should remain on the recovery track, a person familiar with the central bank's thinking said.

"But if the yen comes to stay around 85 against the dollar for one or two months, that could have an adverse effect on the economy," said the person. If that happens, the BOJ "may do something."

Financial market participants speculate that the BOJ may act whenever the yen rises strongly, but the central bank hasn't indicated a clear level at which it starts considering action. This is the first time persons familiar with the BOJ's strategy have suggested a concrete level, which could become a guideline for anticipating future monetary-policy changes in Japan.

Just what the BOJ might do isn't clear. Japanese authorities have stayed out of the currency market since March 2004, and few observers expect intervention now.

But the BOJ could provide the financial sector with extra funds by boosting the amount of Japanese government bonds it buys, increasing the amount of low-interest loans to the money market or lengthening the duration of such loans, BOJ watchers said.

 今この文章を書いている時点でも、海外の外国為替市場では86円台の円高。日本の株も先週金曜日は非常に大きく下がったし、円高だから仕方がないと言えばそうだが(円高でドル建ての日本の株価は落ちないので、海外からは利食いの対象になる)、日銀としては日本経済の実力にふさわしくない円と株価の水準は歓迎できないし、それを容認することは難しいでしょう。


2010年07月18日(日曜日)

 (23:55)普段の3連休は、「日本は不必要に休みが多すぎる」とか思うのですが、今週は「助かるな」という感じ。なぜかと考えたら、先週の日曜日は完全徹夜のようなものでしたから。開票特番からサッカーの決勝まで。その後も暑いし、土曜日はゴルフをしたし、体が休みを欲している。

 それにしても、日本の天気ってなんでこんなにある日突然に変わるんですかね。だって、ちょっと前は梅雨の空でどんよりしていたのに、この数日は梅雨明け宣言の直前から凄く天気が良くなって、空が澄んでいる。

 ところで、金曜日だったと思ったのですが、久しぶりに家電量販店をじっくり上から下まで巡回しました。時々やる。何か新し製品がないかどうか、店内にどのくらい人が入っているかとか。結局買ったのはipad 用の保護シートだけですが、関心は「3Dテレビ」にあった。

 新しモノ好きなのですが、この新しいテレビには全く興味がわかない。まあそれでも、最新技術が一般商品になったレベルでどのくらいに達したかチェックしようと思ったのです。本当は新しくできた新宿東口のヤマダ電機に行きたかったのですが、前後の都合で新橋の機関車の前の同電機に。

 2階にシャープやソニーの製品があって、その前には必ず特殊メガネスタンドがあるので、「ああ、あそこだ」と分かる。メーカーから派遣されてきている店員さん(最近まで開発をしていたそうな)としばらく話したのですが、一時宣伝された「メガネなし」の3Dテレビはまだ相当難しいそうで、先の話になると。

 その時点で私の3Dテレビに対する興味が少し落ちたのですが、それは「そもそも特殊メガネをかけなければ見れないテレビなんて....」という気持ちがある。以前に書いたが、私の場合はメガネの上にメガネをかけるというややこしさ。だから私は、機能を一緒にしたメガネを開発してくれと言っているのですが、そもそも3Dテレビは今のところ買う気にならない。

 なぜかと考えたら、以下のような理由だと気がつきました。

  1. メガネの問題を含めて、3Dテレビは「かまえる」必要があるテレビだが、これは通常は「ながら」で見る私のテレビ視聴習慣と相当違う
  2. 「かまえて」見るなら、相当な中身がなければならないが、それだけのソフトが揃っていない
  3. 3Dテレビだと「この部分はどう綺麗に見せているか」といった技術面に関心が行ってしまい、中身を吟味する時間が減少する
  4. 「ながら」見をソファーで寝っ転がってしていることが多い私としては、あのメガネをかけて横からチラ見するときにどう見えるか不安。また子供への影響は ?
  5. かつ、家族全員があの黒いメガネをかけてテレビの一番組を見ている姿が滑稽で、乗り気になれない
  6. だいたいソフト供給サイドの体制が整っていないのは、この新しいテレビの限界を物語っているのではないか
  7. メガネをかけないと、3Dテレビは画面がにじんでとても見れる代物ではなくなる。少なくとも「(2D、3Dの)切り替え」が必要に思える
 など。まあこれは私の直感なのですが、3Dテレビは売れ行きが大きく伸びるにはそうとう時間がかかる商品のような気がする。店員さんに聞いたら、「(売れ行きは)ぼちぼち」と言っていたが、印象としては売れていないと思えたし、当面爆発はないだろうなと思う。

 うーん、何か技術的ブレースルーが必要なんですよ、あの3Dテレビとやらには。


2010年07月16日(金曜日)

 (15:55)今朝は二つの記事が面白かったな。一つは「Google should be watched carefully」というFTの社説。その結論は、「Google is not obviously being evil but it is such a powerful technology company that it has the potential to go astray.」と。それだけグーグルが力があると言うことです。

主催者からパネリスト全員がもらった首枕。車内利用だな....  もう一つは、「Apple Knew of iPhone Antenna Risks」というウォール・ストリート・ジャーナルの記事。アンテナ問題を一年前から知っていたが、「ジョブズがあまりにもデザインを気に入ったので、そのままになった」というもの。金曜日にアップルは記者会見する。何と言うか。

 ところで、木曜日の夜にあった「WSJ日本版 ジョイント・ブロガー・イベント」は今でもネットに残っていて見られので、時間がある方には見ていただきたいのですが、私にとっても二つの意味で面白かった。一つは、ユーストには初めての出演だったのでどんなものか、ということと、もう一つはこの手の放送は何を用意し、どんな陣容で臨めば実施出来るのかという点。

 会場は50人ほどの方が入れる恵比寿ガーデンタワーの25階。カメラ(またはそれに類するもの)が3〜4台ありましたかね。ちょっとしたテレビスタジオより多い。ただしカメラは小型のものです。あとは、ツイッター部隊が3人ほど。主催者側で、ツイッターを促す部隊です。

 イベントそのものは、機器が沢山入っているだけで、通常の3−4人でのパネルと同様。議論もまあ面白かった。司会もうまかったし。違うのは、カレントで、または振り返りの形でネットを見る人が沢山いるということ。その方々のツイートが、「#japan2010」に今でも残っています。

 まあ、ちょっと動けばこういうイベントは自分でも出来ると改めて分かったことが良かった。


2010年07月15日(木曜日)

 (15:55)昨日のウォール・ストリート・ジャーナルの記事に加えて、今朝はフィナンシャル・タイムズが「US finds no fault in Toyota throttles」という記事を掲載している。正式発表はないが、多分「電子制御システムに欠陥はない」というトヨタの主張が最終的に認められるだろう。

 これはむろんトヨタにって非常に喜ばしいことである。豊田社長を迎えた公聴会での米議員の質問は、その殆どがトヨタの対応の遅れと、この電子制御システムの問題に集中していたから、「マットの敷き方次第では、アクセルペダルが戻りにくくなる」ということ以外は、トヨタの主張が認められることになりそうだ。

 このニュースにも出ているが、NHSTAの欠陥調査部門の責任者を代行するリチャード・ボイド氏は先月末の会合で、特にトヨタには言及せずに、「過去30年間に調査された意図しない急加速によると思われる事故のほとんどは、おそらくドライバーがブレーキの代わりにアクセルを踏んでしまったことによるもの」と指摘したという。同じような問題は、今大阪でも起きているが、これはどうだろう。

 人間にはどうしても思い違いがある。しかし機械にはそれはないし、機械にはあちこちに飛行機のボイス・レコーダーのような何が事実だったのかの証拠が残っている。大阪でも運転手の主張と違う証拠がいくつか出てきている。

 昨日のトヨタの株価は125円だったか上昇した。当然だろう。しかしあまり喜んでもいられないだろう。どうしても、「damage has been done」の面があるし、例の大騒動以来、メーカーが慎重に振る舞っているためかもしれないが、メーカー、特にトヨタのリコールが目立っている。中にはレクサスの最高級車のリコールもある。

 以前のトヨタはリコールなどの問題があまりない会社だった。だからこそ、「トヨタの車の品質は高い」ということで世界的評価が高まった。私は今でもトヨタ車の品質は高いと思う。しかし、その認識が再び人々の間で広まるには、「なぜ今になってリコールが多いのか」を自省的に総括して、今後の車作りに生かさねばならない。いつまでも、そしてだらだらとリコールが発表され続ける事態は避けなければならない。新車を出すスパンを少し長くするらしいが、結構なことだと思う。

 ところで、同じ日のFTに「Support surges for Japan’s new party」という記事があって、その第一パラグラフに「on the face of Yoshimi Watanabe, head of the much smaller but rapidly rising Your party」と。

 ははは、確かに「みんなの党」は「much smaller but rapidly rising Your party」だと。rising ね。いいですね、この単語は。

 しかしちょっと思ったのは、「Your Party」で海外の連中に分かるかな?ということ。


2010年07月14日(水曜日)

 (18:55)○○暑いですね。こういう時は、体の中から汗を流しましょう。すっきりします。なんと言っても、麻婆豆腐を食べることです。陳さん系の。そしてこの夏にぴったりの食べ物を、大勢の人で言い争いせずに食べる方法。

  1. お店への注文の辛さは、メンバーの中の辛さに弱い人にある程度合わせる(食べられなかったという後の文句を防ぐため)
  2. しかしそれとは別に、ラー油と山椒を別々にお店に頼んで用意してもらう
  3. それぞれの人が、ベースの辛さに加えて山椒でさらに辛くするか(私はこれが好きです)、ラー油で辛くするか、その組み合わせにするかを考えて、自分の味を付ける
  4. それを必要に応じて、時間の経過と共に、嗜好に合わせて調整する
   ははは。赤坂見附、お台場、新宿、横浜などにある陳麻婆豆腐の店は、ベースの辛さ加減は二種類しかない。しかしこうした手を使うと、いかようにも辛さを調節できる。宴会で緩い辛さに飽き飽きしている辛好きの人に最適です。

 ところで、麻婆豆腐と言えば、私は陳さん系(成都が本店で、行ったのはもう6年ほど前かな)よりも、実は銀座8丁目のコムズホテル(以前の三井アーバン)の二階に入っている「桃花源」が好きだな。サイトのごとく本店は熊本のキャッスルホテル内です。私はここにもわざわざ出張の折りに寄りました。

 しかし、銀座のコムズホテルの2階の「桃花源」が好きだな。味も抜群だし、何回食べても飽きないし、繰り返し美味しい。麻婆以外の料理も非常に良い。なによりも、天井が高い。爽快です。地下ではこうはいかない。おすすめです。

 え、一つの銀行で4人もトップが捕まった? 激辛の麻婆豆腐でも差し入れしましょうか。いろいろな意味で。社長の後任が江上さんとは。ははは、地球特派員仲間です。でも大変だ。どうするんだろう。


2010年07月13日(火曜日)

 (07:55)昨日は午後に電話。「萬久満」の戸田さんから。「入ったよ....」。

今年初の築地入荷の秋刀魚。もうちょっと.....  ははは、秋刀魚好き。数日前に「北海道で今年初めての秋刀魚漁....」のニュースがあったのですが、築地の魚河岸には昨日初めて入荷。それを戸田さんがゲットしたというのです。「入ったら、教えてね...」と頼んでおいたので昨日の電話となった。

 せっかく知らせていただいたなら、そりゃ行きますよ。午後の7時から、日経CNBCのヴェリタス・トークの打ち合わせが入っていて、その後も所用があったので、「じゃ、6時前にちょこっと行きます」と。本当にさっと食べる....という感じですね。というのは、電話の時から戸田さんが、「去年の8割」とおっしゃっていたので、最初から「またモノが良くなったときに仕切り直し」と思っていたのです。今日はこのくらい、という感じ。

 去年の秋刀魚は凄かったんですよ。去年はもう6月末に東京に入荷していたと思うが、何よりもできが良かった。入荷初日の秋刀魚からして、よく太っていて、脂もよくのっていた。いかにも最初からうまそうだった。

 数匹あるうち、大ぶりのものもあってそれを焼いていただいたのですが、まず脂(油?)の落ちが悪い。煙が出ないのです。かつ、それ以外の秋刀魚は明らかにやせている。小さい。焼き上がって食べたのですが、去年に比べるとジューシーさが違う。ちょっと今年のはまだパサパサしている。

 「もうちょっとしたら良いのが入るよ」と戸田さん。でも、やはり初物、焼きたてはそりゃ美味いのです。贅沢言っちゃ、せっかく地上に上がってきてくれた秋刀魚に悪い。申し訳が立たない。いや、ほんとうに美味しくいただきましたよ。うーん、あとしばらくしたらまた行こう。ちょこっと生姜とネギなんぞを添えてもらって、握り寿司もいいな。秋刀魚は。

 ところで、日経CNBCと言えば、日曜日の選挙特番はスタジオを二つに分けたり、論者が8人もいたわりには「面白かった」という視聴者の反応が多かったらしい。ま、結構盛り上がりましたからね。スタジオ対抗のような雰囲気もありましたし。中には「開局以来のおもしろさ」という視聴者の声もあったそうな。

 視聴者センターというのは大体がクレームが来る。しかし、そうした中であえて「面白かった」という反応があり、それが電話で寄せられたとしたら、それは局としても良かったと言うことでしょう。バラエティ化する地上波局の選挙特番の中で、経済専門局としての特徴が出せたとしたらそれは良かった。ところで、「日経CNBC 選挙特番」で検索したらこのページをヒットしました。「マサイマヤ族」ね。ははは。

 ところで、ワールドカップはスペインの優勝でしたが、株を上げたのは南アフリカだったようです。この懸念された国の試合運営ぶりを褒め称える記事が海外のメディアでは目立つのですが、以下に紹介するのはブルームバーグの記事の一部です。

South Africa Draws Praise as Soccer World Cup Ends

July 12 (Bloomberg) -- South Africa has pulled off what many said couldn’t be done: a soccer World Cup that filled stadiums and gave thousands of fans a party they won’t forget.

The month-long tournament, the world’s most-watched sporting event, ended yesterday with a victory for Spain at Soccer City stadium in Johannesburg. Foreign visitors to the competition may have numbered half a million, the Finance Ministry said, exceeding an earlier estimate by 200,000.

The absence of any serious crime, the tournament’s smooth operation and the publicity given to South Africa will help the country shed its reputation for murder and racial tension, said Pratibha Thaker, Africa director at the London-based Economist Intelligence Unit. Now, Finance Minister Pravin Gordhan says he hopes the country can use that drive to tackle unemployment, AIDS and poor educational standards.

“Before the World Cup, the news was all about crime and AIDS,” Thaker said in a July 5 phone interview. “What we’re seeing now is a very favorable image. This will help to boost tourism and boost the recovery. It’s crucial that the government keeps the momentum going.”

South Africa’s high school graduation rate has dropped for the past six years, more people suffer from AIDS than in any other country, 2.1 million people are on waiting lists for public housing and the 25.2 percent jobless rate is the highest of 62 countries tracked by Bloomberg.

If government, business and labor unions “can play as a team, we can scale up our collective efforts towards the improvement of all South Africans,” Gordhan told economists in Johannesburg on July 8. “What we’ve learned from the six years of preparation for the World Cup is that if we can focus our minds, we can put an end to poverty and unemployment in this country.”

 最後の赤くしたところが良いでしょう。unemployment, AIDS and poor educational standardsに加えて犯罪。しかし大会関係者は窃盗には遭っているが、そんなのは世界の他の多くの地域でもある。殺人は聞いていない。本当に良かった。次のブラジルも犯罪は多いが、犯罪者もサッカーが好きな気がする。彼の国は。

 南アには大会中、予想の20万の2.5倍に当たる50万もの人が海外から訪れたという。これは嬉しいでしょう。だからといってランドを買う気にはなれないのですが、一度でもこの綺麗な国を訪れたことがある人間としては、南ア諸都市でのワールドカップ開催成功は嬉しい。


2010年07月12日(月曜日)

 (13:55)人事は常に人にとって関心事項だ。誰が誰を好き、誰が誰を嫌いというのも、聞く話としては一瞬面白い。しかし、So what ?

 昨夜は午前3時まで選挙特番(夜は日経CNBC、早朝はFM東京)に出ていて改めて思ったのは、「政局を喜喜として話す人の話には、ほとんど興味が持てない」「持てても一瞬」ということだ。日本の政治報道の大部分は、この「政局話」の域を出ない。なぜか。

 まずなぜ私が「政局話」に今全く興味が持てないのかを考えた。考えたらそれは当然だった。例えば今伸び盛りの会社と誰が見てもちょっと先行き不安になってきた会社があるとする。伸び盛りの会社では「会社が伸びている」というのは所与のことなので、では「誰が舵取りをするか」に興味が行っても自然だし、それは新たな領域、新たな機会、新たな利益を生む方向なので、誰にとっても興味が持てる。

 しかし、会社の基盤が落ちてきているケースにおいては、重要なのは再建策であって、誰が社長をするかではない。必要なのは社長という人物ではなく、その人の手腕である。今の日本を会社に例えるなら、「基盤が落ちつつある巨大会社」というものだ。潜在力は山ほどあるのに、その力を出せないでいる。

 ということは、国民が欲しているのは政治家や、政党の「手腕」である、と言うことが出来る。しかし「政局」を好んで話す人たちは、この「手腕」について話さず、数と組み合わせを語る。「政界の一寸先は闇」というよく知られた言葉があるのに、一生懸命政界の先行きを語ろうとするが、多くの場合後講釈に終わる。だから私には興味が持てない。

 私が興味が持てないことを、日本の政治報道、記者報告は延々と続けている。記者の政治家に対する質問もレベルが低い。昨日は自分が出ていた局以外の選挙特番は見ていない。しかしちらっと見ると、「これはバラエティ番組か」と思えるような番組もあった。

 国民の政治への期待と、日本の政治の実態が明らかに乖離しているように思う。ではなぜ日本の政治番組には、政局番組が多いのか。その一つの背景は、政治記者がその部門だけで純粋培養されるからだろう。経済も、テクノロジーも知らずに、もっぱら「政界の出来事」「政界との付き合い」の関係の中で日本の政治記者は育つ。政局、政界話題は一瞬面白い。しかし、So what ? 「あの人のことは昔からよく知っている」が何の役に立つのか。

 経済と生活の基盤を脅かされている今の日本国民にとっては、「特定政党の人事でも、組み替え」でもない。それが結局何を産み出すのか、どうやって成果を出してくれるのかだ。要するに要望は切実なのだ。先日紹介した大阪のお好み焼き業者のように。しかし、選挙特番でも何でも日本の政治報道は、その面の議論が深まらない。これは不幸なことだ。昨日の日経CNBCなどよくトライした方だと思う。若干の政局話はあったが。

 日本の政治はまた”ねじれ”た。政治家の問題意識と、選挙民の意識がうまくリンクしていないからねじれるのだとも考えられる。ということは、選挙ごとに「今回は相手方の失敗(谷垣さんはそれをオウンゴールと呼んでいた)で、議席を頂戴した」というのを繰り返しているだけ、とも言える。つまり、政党は国民の気持ちの捕捉にそもそも失敗していて、風が来るのを待っているだけ、風が当たったときには「勝った」と喜んでいるだけ、ということが言える。これは悲しい。

 政治を最後に動かすのは人だから、当然人には関心を持つ。しかし、政局話に終始する今の日本の政治報道は、何らポジティブはものを生まないような気がする。どうだろう。

 ところ私としてはワールドカップの決勝戦の合間に今朝書いた文章で、評価はなかなか難しが、今回の選挙に関して次のような特徴があると分析した。

  1. 一般的には民主党(というより菅総理大臣)が消費税を持ち出したから負けたとなっているが、同じく同税を上げると言った自民党に票が流れていることから見ると、「党内議論もないなど、政権党として消費税の持ち出し方か悪かった」「その後の税還付の基準などで発言がぶれた」ために選挙に響いたと考えられる

  2. 参議院選挙の前に雨後の竹の子のように新党が乱立したが、議席を伸ばしたのは「みんな」だけであり、国民のムードは「新党歓迎」ではなく、大きな枠組みとしては民主、自民の枠組みの中で問題の解決に取り組んで欲しいという図式だった

  3. 中でも興味深いのは、民主党と連立与党を組んでいた国民新党、社民党とも議席を減らしたことで、このことは国民が両党を連立与党の相方(またはその過去)としては評価していなかったことが示された。特に国民新党については、そのことが言える(選挙基盤を持っていると考えられたのに、今回の獲得議席はゼロ)

  4. こうした点を考えると、国民には新党が相次いで登場する今の政治状況を好ましいとは思っていないし、政策の柱としては「バラマキ」よりは、「将来に繋がるしっかりした政策」を日本の政治に求めていると考えられる

  5. しかし、その為の受け皿が今の日本の政界にはない
 むろん、第一印象。引き続き分析が必要ですが。マーケットはこの結果は織り込みにくい。だって、何も新たな政策が生まれたわけではなく、今までの日本の政治の漂流状態がいっそう深まっただけなのだから。米ウォール・ストリート・ジャーナルが指摘する「創造的破壊」への道はまだ見えない。


2010年07月11日(日曜日)

 (12:55)いよいよ名古屋場所の初日ですか。いろいろあったのですが、始まったからには千秋楽まで続けられる展開を望みます。大相撲が生まれ変わる良い機会なのではないでしょうか。いままでうやむやにされていたことがここで出てくれば、改革の方向も見えてくる。出場禁止になった力士まで載っている2010名古屋場所の、希少な番付

 私はやっぱり、理事長代行がこの名古屋場所限りというのはおかしいと思う。他のスポーツ団体は、多くのケースにおいてトップを外から迎えて機構や協会の若返り、新しい風の取り入れを図っている。有力な団体では相撲協会がずっと内輪のトップを据えてきた。それでは過去の引きづりを払拭できない。

 ところで、表層崩壊に対する「深層崩壊」という言葉を、NHKのスペシャルで覚えました。去年の夏の台湾の山間の小さな村のほぼ全滅のプロセスを追った番組で、見逃していたのをNHKオンデマンドで見たのですが、ある意味衝撃的であると同時に、これだけ集中的豪雨があるとそういうリスクも高まっているのだろうな、と思う。

 日本もあの手の地形は山ほどあるわけで、あと崩壊で川がせき止められることによって生まれる「自然ダム」のリスクとあわせて、日本でも対策が必要だと思う一方で、「どこまで出来るのか」と疑問に思うこともある。

 サッカーのワールドカップは今朝3位決定戦があって、ドイツがウルグアイに勝ち。壮絶な試合でした。この結果、優勝がスペイン、オランダどちらになるにせよ、欧州勢がワンツースリー。

 珍しいと思ったのですが、前回イタリア大会も欧州勢のワンツースリーだったそうです。そこで、2大会連続して欧州勢がワンツースリーだったことがあるか調べたら、これは私の見た資料ではなかった。FIFAの歴史にない。欧州勢のこれまでの優勝は、必ず開催地が欧州だった。今回は違う。

 いろいろな見方ができる。南アは時差的に見て欧州の時間帯で欧州勢に優位だったという見方、またそもそも南アフリカはオランダ系のボーア人が最初に入植してその後も政治を担い、後で来たイギリス人がビジネスを担ったという歴史があるので、人口の9割が黒人であるにしても基本的には欧州色の濃い国だから、欧州勢には違和感はなかったとの見方。

 しかし私は、出てくる選手が圧倒的に欧州のサッカー界で活躍する選手であることを見ながら(朝日新聞によれば76%ほどが欧州で活躍しているという。南アフリカ大陸出身でも)、二重の意味で「サッカーのcapital marketは欧州だ」と思っていました。人材、資金で世界のサッカー界はやはり欧州が中心ですから、欧州出身の選手は技量を磨くのに有利です。南アメリカのブラジル、アルゼンチン(パラグアイ、ウルグアイを含めて)出身の選手も欧州でかなり活躍している。その逆は希有です。

 まあ、次のワールドカップはブラジルで開かれる。南米勢の活躍、それに日本を含めたアジア勢の活躍を期待したい。

 それと今日は参議院選挙。これから行きます。私は、今日の夜は日経CNBCで、また深夜午前1時からはFM東京で開票特番、選挙特集の番組に出ます。ともに2時間を超える番組。終わると午前3時半からはワールドカップの決勝。今夜は、眠れそうもない。


2010年07月10日(土曜日)

 (08:55)それにしても、これはめっちゃ便利だな、というのが実感です。

 何かというと、BUFFALO製のPortable Wi-Fiです。6月の末に売り出されたのですが、ずっと品薄状態だった。ネットで買ったという人もいたのですが、見てからと思っていて、昨日「よし変化球だ」と思ってラジオ収録を終えた夕方に、新橋のヤマダ電機に行ったのです。いつもはこの手のものは、ビッグかヨドバシに行くのですが、ヤマダの方が「なんかありそうだな」と思って。

 店員の方に「ありますか」と聞いたら、なんとなんと「2時間前に入荷しました....」と(ほんとかよ)。ははは、超ラッキーですね。既にドコモの「LO5A」を持っているので、そこからSIMカード(FOMA カード)を取り出して、新しいマシンに入れ替えれば良いだけの方を購入。なぜなら、ドコモのデータ通信定額コースをそのまま引き継いでくれるからです。つまり、通信コストは増大しない。設定はしっかりしなければなりませんが。

 その後食事・所用を済ませて、夜遅くなったのですが家に帰って使っている無線LANを停止して電波が飛んでない状態にし、使い勝手を調べてみました。まあ家の無線LANよりは遅いものの、まずまず十分なスピード。iphone やipad など無線LAN機能を持つマシンを繋げてみたら、全部ok。ナイス。

 何よりもこのPortable Wi-Fiが優れているのは

  1. 明らかに他社の通信網よりそのエリアの広さで評価できるドコモの「FOMA HIGH-SPEED」(受信最大7.2Mbps、送信最大5.7Mbps)に接続可能な通信モデュールを搭載している(つまりドコモの電波が使える)

  2. 無線LANルーターであるので、そこから発した電波をPC(当然複数も可)でもiphone でも、ipad でも等しく利用できる
 という点にある。説明書には、「公衆無線LANエリアではインターネット接続をFOMA回線から公衆無線LAN回線に自動的に切り替える」とか書いているが、これはあまり意味がない。なぜなら、私のPCやipad iphone は例えばMZONEでもMOBILEPOINTでも使えるように設定してあるので、逆にこのPortable Wi-Fiは必要ない。

 正直言って我が家にはもうPLCを含めて十分な有線・無線LANが走っているので、このマシンは必要ない。必要なのは、自宅外です。例えば、面白い使い方としてはドコモの電波のカバーエリアは広いので、これをロケ車など車の中に置いて、複数のPCを同時に使う、複数のipad を同時に使うと言うことが出来る。やるかどうかは別にして。

 このマシンはまた、下部にLANポートが付いているので有線LANとつなげて無線LAN電波を飛ばすことが可能です。ということは、例えば出張先のホテルなどでの利用が考えられる。なぜなら、二台、三台のPCを有線LAN優先のホテルで使って作業することは、今まではなかなか難しかったからです。今後それが可能になる。

 日本のホテルは客室でも宴会場でも大部分は有線LANで、そのLANの出口に一台のPCしかつなげない構造になっている。しかし打ち合わせの時など、部屋に二台、三台のPCが入ってくるときがある。その時が非常に不便なのです。しかしこのポータブルwi-fiでこの障害を除去できる。

 あと、日本のホテルが無線ではなく有線のLANを選好している結果、PCは有線LANがあるからいいにしても、ipad や iphone などソフトバンクの電波に依存している機器は、非常に使い勝手が悪かった。なぜなら、これらのマシンを持って移動するとよく分かるのですが、「ネットワークが切断されました」というメッセージが頻繁に登場する。それは、階数の高いホテルでも同じ事です。このマシンだと、その制約から脱することが出来る。

 考え方としては、この小さなマシンをONにして鞄に入れておいてiphone や ipad をwifi 受けにしておけば、データ通信が切れることはない(相対的な問題ではあるが)、という理屈になる。ドコモは地下でもかなり通じますから。まあ電話はダメなんでしょうな。相変わらず。

 少し先を考えれば、こうしたポータブルのwi-fi装置が普及し、電波の速度が速くなれば、そもそも今日本のホテルが大部分の客に課している、「有線LAN使用料24時間1000円」とかの今のシステムが時代遅れになる時が来る、ということです。この装置を持ち歩けば、今でもどこでもある程度のネット接続がPCでもその他のネット機器(iphoneやipad を含めて)でも可能になった。これは大きい。

 まあ、変化が起きるのにはいつでも時間はかかるのでしょうが。


2010年07月09日(金曜日)

 (13:55)「本の魂は細部に宿る」というこの本の副題を見て、思わず笑っちゃいました。なぜなら、今朝のスタンバイの出番の合間に、「真実は細部に宿る」という話を担当者らとしていたからです。

 それはさておき、「編集者の仕事」(新潮新書 柴田光滋著)は、「本とはモノである」の一点を理解すれば良い本です。その先は、読者が本に関してどのくらい細部にまで関心を持つかの個人的、相対的領域になる。しかし、「本はモノである」というポイントは「なぜ細部にこだわるのか」という問題とも相通じるし、デジタル書籍をどう考えるかという大きな議論とも関係する、極めて現代的な論点です。

 私もそうですが、普通「本」を考えるときには「中味だよな」と考える。しかし著者は、まず我々に「本とはモノである」とテーゼをぶつける。車やPCやいろいろな食品など、目で眺めて時に愛で、触ってみていいなと思い、そして重量を感じてみてしっかりしていると感じる「モノ」であると。モノに関しては、我々はしばしば「これはいいモノだな」と思う。その「モノ」です。

 これらは、普通我々が「本」に関しては忘れている点だ。しかし言われてみればそうで、どんなに中味が良い本でも、「モノとして優れていなければ魅力は半減」ということになる。つまり、「本とはモノである」という主張は、我々が忘れがちが本に関する真実の一面を突いているのだ。

 それはまた、ipad 上の「京極夏彦」の「死ねばいいのに」と、紙で印刷された本としての「死ねばいいのに」の違いをどう考えるかにも通じる。本は明らかに著者が言うように「モノ」である。そこに存在する。一方、ipad 上の京極夏彦の小説は、言ってみれば電磁情報の集積だ。むろん、見せ方などにはまた別の細部があるが、「残しておきたい」として多くの人が選ぶ道はモノとしての本だろう。「ちょっと読んでおきたい」というなら、電磁情報の集積としてのipad 上の本だろう。

 そういう意味では、今という時代は「モノ」としての優秀さを誇る本が「少ないのかな」「皆新書や文庫になってしまったし」という気がしないでもない。だからトレンドに逆らう形で、「モノとしての優秀さを持った本」がいつか爆発的な売り上げを上げるかもしれない、なんて思いながらこの「編集者の仕事」を読みました。

 普段は前に出てこない編集者がその思いをぶつけ、お父様(印刷所を経営されていたそうです)へのレクイエムを感じさせるこの本は、なかなか読み応えもありました。今まで知らなかった本に関する細部の用語もいくつか覚えました。ナイス。

 さて、今週の「世の中進歩堂」は、『魚は獲る前に知る時代へ!最新技術が海の資源を未来に残す!』です。何かというと、海の中に入らずに海中の魚の種類を判別することができる装置が開発されたのです。

 装置の名は「イルカ型ソナー」。イルカが超音波の鳴き声を発して周囲の状況を探る、というのはよく知られている。イルカの大きな特徴だ。このソナーは、そのイルカの鳴き声と同じように超音波を発して、海の中の状況を探ることが出来る探知機。

 そのため海の生物の生態や”魚の太り具合”などを、水の中に入らずに知ることができる。最新技術を駆使して水の中の音を聞くことで、水中の生物たちの謎に迫り、さらに水産資源の管理もでき、漁業にも役立てることが出来る。実に画期的な研究です。お楽しみに。

 それから、新しいエッセイがアップされました。伊藤洋一の『BRICsの衝撃』で、今回は中国の今の体制が抱える矛盾点が典型的に出ている例として、今年の春に連続発生した「小学校、幼稚園襲撃」を取り上げました。


2010年07月08日(木曜日)

 (12:55)「やっぱりそうだったのか」という思いです。早々に買ったiPhone4について。撮った写真がちっともPCなどに送れないという現象が起こっていた。今朝のニュースは以下の通り。

iPhone4:不具合 米AT&Tが公表

 米通信大手AT&Tは7日、米国で同社が独占的に扱っている米電子機器大手アップルの新型携帯電話「iPhone(アイフォーン)4」のソフトウエアに不具合があり、データ送信の速度が極端に遅くなる恐れがあることを明らかにした。(中略)

 AT&Tによると、フランス通信機器・通信大手アルカテル・ルーセントが開発した通信速度を制御するソフトに不具合があった。AT&Tは修正ソフトの開発に入っており、近く配布する予定。

 米国ではこれまで、写真などを送信する際に時間がかかりすぎるといった苦情が相次いでいた。ソフトはパソコン用の無線LAN装置にも搭載されており、AT&T契約者の計2%程度に影響があるとしている。(共同)

 iPhone4を巡っては、持ち方によって受信感度が悪化する、という問題も発生していた。しかし私は電話としてこの新しいスマートフォンを使うことはまずないので、関係なかった。しかしせっかくiPhone4が性能を向上させたカメラに関しては、静止画としても動画としても撮影能力そのものは満足していたので(特に瞬撮がいい)、送りがあまりにも遅いことに関しては、「これは何だろう」「これじゃiPhone4から写真を送れないな(ということは、撮る気がしないということ)」と思っていたのです。

 だって私の実体験では、撮った写真をメールに乗せて送ろうとしても、ちっとも出て行かずに、正直数日かかっていたと思う。もう忘れたころ、「あ、PCに付いているじゃん」と思ったくらいです。iPhone4サイドにはずっと、「メール送信中」のメッセージが下部に。

 一連の不具合があっても、製品に対する愛情を変えない人が多いのはiPhoneの大きな魅力なんでしょうが、それはそれとしてはやく一連の不具合に対応した修正ソフトをアップして欲しいと思います。

 なお、この問題に関しては、この文章が興味深い論考を展開している。


2010年07月07日(水曜日)

 (12:55)昨日の大阪での行きつけのお好み焼き屋での会話。ソース焼きそばが好きなので、時々行く。午後の6時半頃。そこのご主人(と言っても、まだ40前後かな)と一人の女性アルバイトという小さい店。主人とはよく世間話をする。茶色が主人、黒色が私。しばし言葉を交わしたあと...

 「最近、売り上げが落ちているんですよ...」

 「え、こんなに入っているじゃない」(ホテルが近く毎日欧州系航空会社の連中が夕方食べに来ている、この日も8人くらい。KLMなので盛り上がっていた)

 「彼ら頼みですよ。彼らはいいんですが、日本のお客さんが落ちているんですよ....以前に比べてだいぶ...」

 「あ、そう。」

 「たまに、今日は領収書で落とせるからと来てくれる人もいるんですが、その他は駄目ですね...」

 「会社も厳しくなっているし、働いている人も給料があまり増えないしね...」

 「そうなんですよ。あまり大きなお金じゃない筈なんですが。しかも遅い時間は全く駄目なんですよ。うちなんて、今は営業時間午後6時から8時っていう感じですよ。8時以降は毎日ほぼゼロ。いっそ、上海に支店でも出そうかと本気で考えているんです」

 「でも、体は一つだし、従業員管理とか大変だよ....」

 「でも、このままだとほんとに心配なんですよ。で、もしもの時のために、英会話を勉強し始めたんですよ.....」

 「うーん、そりゃいいね。楽天やユニクロの話もあるしね.....」

 「あれって、社員の人も大変でしょうね...でも私でもそう思っているくらいですから.....」

 「実際に勉強しているの....」

 「してますよ。これで消費税なんて上がったら、大打撃ですよ.....」
 ――――――――――

 それほど長くない会話だが、ポイントは三つもある。「上海への出店の検討」「英語の勉強開始」そして「消費税は大打撃との発言」

 私個人にとっては、この店で以前アルバイトしていた女性が「いつも伊藤さんのブログ読んでましたよ」とか、私のあとで入ってきたカップルが「なっちゃんと出ていた頃からのファンです」とか、いいこともあったが、それは置くとして、主人の話には考えてしまいましたね。「上海出店を考えている.....」と。嬉しそうじゃなく、心配そうに。

 やはり、成長戦略なき「消費税論議」は、ご本人も言っているように「唐突」なんですよ。


2010年07月06日(火曜日)

 (09:55)今朝何に一番驚いたって、清酒・真澄の醸造元での事故ですよ。だって土曜日の午後にはここで私は買い物をしていましたから。そこが全壊。ありゃりゃ。まあ午後8時前でけが人はいなかったそうなので、良かった。いつもは一杯買い物客が入っている店舗です。

 多分、霧ヶ峰から降りてくる道が国道20号線とぶつかっていて、その正面に真澄の店舗がある。信号待ちで止まっていた乗用車に後ろから下り坂を下りてきたトラックがドン。それで二台とも店舗に突入、という図式かな。想像ですが。

 なぜこの店に行ったかというと、従兄弟が真澄の大吟醸の七號 がうまいというので、「そりゃ飲まなきゃ」と買いに行ったもの。駐車場もあって、バスで乗り付けている連中もいて、それはそれは繁盛している雰囲気だった。まあ、店舗に飛び込まれたくらいでは、直ぐに立ち直るでしょう。

 今朝そうだそうだと思った記事は、「Toyota Is Changing How It Develops Cars 」というタイトルのウォール・ストリート・ジャーナルの記事かな。だっておかしいじゃないですか。トヨタ車はあれほど品質神話があるほどに良かったし、実際リコールも少なかったのに、今はリコールの嵐。今回はレクサスの最高級車まで。

 先日都内を走っていたら、「ソアラ」のスポーツタイプの車(ブラック)が走っていた。いかにも車が好きそうなおっちゃんが乗っていました。「ソアラ」はいい車です。「トヨタはこういう車を作っていたんだ」と思った。

 プリウスだって、今回の新型になる前は問題なく何年も売れていた。「どうして最近になって」と思うのが自然でしょう。ウォール・ストリート・ジャーナルには最初の方に以下のように書いてある。

 DETROIT-Toyota Motor Corp. is stretching out how long its new models are tested before they go into production and reducing the number of outside engineers it uses in a bid to overcome a spate of quality problems.

Randy Stephens, a senior Toyota engineer based in Ann Arbor, Mich., said company executives recognize that there were quality issues with the last generation of vehicles, which were developed while the company was in a global-growth mode. Executives began talking about making changes nearly a year ago, he said, but the recent recall problems have spurred the company to act.

"As we looked at this past generation of vehicles it did seem to be all about the growth of the company, and there were lapses," said Mr. Stephens, who works at the Toyota Technical Center near Ann Arbor and is currently in charge of the Toyota Avalon, a large sedan. "We are definitely reforming the processes to be ultracareful."

 そうですよ。多分コンピューター上でシミュレーションは山ほどやっていると思いますよ。しかしマシンは実際に繰り返し繰り返しテスとしないと、コンピューターではシミュレート仕切れないことが多いのではないでしょうか。だってコンピューターにすべての要素を入力することなど不可能なのだから。

 だとしたら、新車の開発期間を短くすると言うのは大きなリスクです。コンピューター上では「問題なし」でも、一杯問題を起きてくると思う。覚えきれないほど車種なんてあっても仕方がないとも勝手に思う。

 もっと丁寧な製品作りをトヨタにはして欲しいと思う。いえ、本当に応援しているのです。


2010年07月05日(月曜日)

 (23:55)先週の金曜日に、「韓国経済の実情〜V字回復・FTA急展開などへの評価」と題するジェトロ・アジア経済研究所の奥田聡さん(地域研究センターの主任調査研究員)の講演を聞きました。私も韓国経済を注目してみているのですが、奥田さんの講演、それに続くQ&Aには違う視点や、私が気づいていなかった点も多く、面白いものでした。その主な要点を以下に残しておきます。

  1. アジア通貨危機(1997年)からリーマン・ショックまでの韓国経済は、成長率は5%内外を維持し、日本などより良好なパフォーマンスを示していたが、これには「後発者の利益」(発展段階の遅い方が先に進んだ方より成長には有利)と「改革効果」(構造改革による不良企業の退出など)があり、この間に経済規模は拡大して国民一人当たりのGNI(国民総所得 2007年)は21695ドルと日本のほぼ半分に達した

  2. リーマン・ショック後は二度(2008年秋、2009年3月)ほど「通貨危機説」が流れたが外債発行などで乗り切り、その後は韓国にとっての主要輸出先の中国の経済が強いまま推移したこと、政府のよる諸策(自動車買い換え支援、河川プロジェクトなど公共事業)、原油安による貿易黒字、ウォン安もあって2009年後半からはプラス成長になり、その後は回復が加速。設備投資と輸出が牽引

  3. 今の韓国経済好調の背景には、世界的に韓国製品への評価が高まっていて、この結果韓国製品の中で一部は非価格競争力が高まっていること、その結果ドル建て価格の維持が可能になって韓国の輸出業者の手取りが増えていること、こうした中で韓国では雇用増を伴う回復が起きていて、賃金も回復傾向にあること、それによる内需増大が見られることなど

  4. しかし雇用情勢の好転による収入増は依然限定的で、低所得者層の消費増は鈍く、一方で富裕層の消費は活発化(家具、住宅関連支出、自動車、旅行費など)しており、格差の芽は広がっている。つまり、内需の伸びにもばらつきが見られる

  5. 韓国の産業地図を見ると、工学・精密が圧倒的に強く、具体的にはサムスン電子などのフラットディスプレーは世界的な競争力を持つ。2008年頃までの「安いから売れる」状況を脱しつつあり、これは世界からの対韓投資増加の背景になっている。一部の韓国製品の品質はかなり上がっている

  6. 韓国が非価格、価格両面で競争力を持つ産業としては、自動車、船舶、情報通信機器、半導体などで、それに関わる韓国企業は現代自動車、サムスン電子、現代工業、LG電子など。また船舶は世界でもシェア1位で圧倒的な強さを誇る。情報通信機器では、ケイタイ電話などに強い非価格競争力を持つ。テレビも強い。その一方で、非価格競争力がないのは、機械、鉄鋼など。韓国の機械輸出はほとんどが途上国向けである

  7. 当面の展望に関しては、6月30日の企画財政部の2010年下期見通しで、5.8%の成長を見込むが、6.0%の成長も可能との見方もある。そういう意味では、日本海を隔てているだけだが、発展段階の違いもあり今は韓国経済がrisingに見える

  8. しかし、少し長い目で見ると韓国経済が抱える問題は深い。資本・中間財だけでなく、技術や人材まで「世界最適調達」に乗り出している結果、今の激動の時代にはそれが最適解であるにせよ、国内に技術や人材など重要な産業基盤が残らない危険性が出てきている。また重要部材を日本に依存しており、韓国経済が好調になればなるほど対日赤字が膨らむ構造は変わっていない

  9. 韓国経済は日本や他の先進国が作ってきた製品をコモディティ化して敏速に(agile)、かつ大量に生産、世界に販売する方式で伸びてきたが、次に何をするのか、手がけるものがあるのか。「10年後に我々が作るモノはなくなる」というサムスン電子会長の言葉もある。韓国のグリーン産業の力は未知数である

  10. 韓国経済は日本を反面教師的に追ってここまで来たが、日本が地盤沈下する中で韓国独自のビジネスモデルを構築できるのか。その点に関しては、今の韓国は「人口ボーナス」の渦中にあるが、日本より低い出生率の中で、また優秀な人材が海外流出したり、人材が一つの企業に望ましい滞留をしないことから、経済の発展を支える基盤を維持できるのか

  11. 韓国では盧泰愚政権の1988年に国民年金制度がスタートしたが、高齢化の進展があまりにも急速なため2036年に給付(支出)が収入を上回り、2047年には積立資産が底をつく見通しになっていて、将来の破綻が懸念される状況であることなど将来不安が強い

  12. サムスン依存(時価総額、企業利益、全輸出、貿易黒字などに占めるサムスンの異常なシェアの高さ 目の子2割)が強い韓国経済だが、最近サムスンの「自己完結」ぶりが目立ってきて、サムスン好調の恩恵が韓国経済に波及しない傾向が強まっている

  13. 今の韓国が北との統合を望んでいるという事実はないし、その準備もしていない。「統一のコスト」に対する見積もりは見方によって極端に違う。よって真剣には考えていない。実際に北朝鮮で何かが起きて破綻したときに、韓国が背負わなければ負荷は非常に大きく、当面は「一国二制度」的な対応しかないのではないか。よって、韓国経済に与える影響も不確定である


2010年07月04日(日曜日)

 (19:55)最近泊まった宿の中で、印象に残ったものを紹介します。キーワードは「2」です。

 まず鹿児島県は指宿の秀水園です。なぜここが私の記憶に残ったかというと、朝ご飯の時に最初から味噌汁が二つ出てきたからです。写真の通り。本当にびっくりしました。

 最初仲居さんが間違えて置いたのかと思った。しかし他の2人にもちゃんと二つある。つまり3人に六個の味噌汁があるのです。当然こうなったら聞きますよね。私は汁好きなので良いのですが、「なぜ」と思うじゃないですか。

 仲居さんの説明はこうでした。「お客さんには、夜飲まれるせいか朝味噌汁をおかわりする人が多い。で、それじゃ最初から二つお出ししようと言うことになった」とのこと。うーん、なかなか優れた判断だと。

 この宿はおもてなしで有名な旅館らしい。歩いて3分で砂蒸し会館『砂楽』にも行ける。なかなか良い宿でした。

 もう一つは、長野県は諏訪の双泉の宿 朱白です。ここの「2」はお風呂です。「双泉」の意味はここにある。この旅館には「朱」と称する濁り湯(確かに赤く見える)と、全く透明無臭の「白」の風呂がある。深度が違う二つの源泉からお湯を汲み上げている。効能も違う。

 多くの温泉旅館がそうであるように、「朱白」も男湯と女湯を毎日入れ替えている。男湯と女湯の両方に白いお風呂と朱のお風呂がある。入れ替えで、片方が露天。夜入って、翌日「男女」でお風呂が入れ替わった段階でまた入ると、同じ旅館の風呂でも全く景色が違う。つまり、4回楽しめる。

 これはなかなかいい。私は結構あちこちに温泉に入っているのですが、一つの温泉旅館に全く違う2種類の温泉があるのは珍しい。屋上にある露天風呂からは、諏訪湖が一望できる。朝や夕方はええ気分ですわ。推薦です。


2010年07月03日(土曜日)

 (23:55)諏訪でドイツ対アルゼンチンを見ています。ドイツが開始直後に一点を取った状態のまま前半が終わった。やはり迫力がある。見ていてワクワクする。

 諏訪に来たのは、お袋のお姉さんの三回忌のため。いつも思うが、亡くなった人というのは、まだこの世に残っている親戚を定期的に引き合わせてくれるんだな、と。最初の2年間は年一回、その後は少し間隔を置いて。

 そして、そうしている期間がある程度過ぎると、それぞれの家族もまた別の家族との紐帯が深まって、また別の親戚関係が深まるという流れ。それが延々と繰り返すのです。人間の社会は面白い。

 法事の席で話題になったのは、このカメラでした。地元のCHINON という会社が作っているのですが、とにかく可愛いのです。三色あるのですが、黄色と赤がよく売れるのだそうです。

 あらら、また谷垣さんが出てきて、もう後半。後半はテレビに集中しよう。


2010年07月02日(金曜日)

 (19:55)番組のお知らせです。BSJAPAN(7)の夜10時24分からは「世の中進歩堂」で、「驚異の連騰技術」と題して、CAS(Cell Alive System)と呼ばれる全く新しい冷凍技術を紹介します。ゲストは、 最新の冷凍技術を研究している株式会社アビーの大和田哲男社長です。

 番組のタイトルが『2年後でも新鮮!?驚異の冷凍技術“CAS”が登場!』となっていることで分かるとおり、魚、野菜などあらゆるものを新鮮なまま長期間(目安が2年)保存することができる技術=“CAS(キャス)”が本日のテーマ。

 このシステムを使えば、採れたてや作りたての味を約2年間保存する事ができる。CASの導入は、すでに様々な所で始まっている。茨城県日立市の久慈漁協は、今年からCASを導入。港で水揚げされた魚をCASで冷凍し、全国へ出荷する予定。

 東京銀座の日本料理店では、 CASで冷凍した食材を使っている。従来の技術では保存が難しく、地元でしか食べられなかった食材を扱えるようになったという。これは嬉しい技術じゃないですか。人類が高いコストを支払わない冷凍技術をゲット出来たのはたった100年前くらです。

 しかもこの技術が面白いのは、歯の移植治療にも応用できる点。治療によって健康なまま抜いた歯をCASで冷凍保存し、将来必要になったときに移植できるという。食べ物から医療まで。我々の生活をより良く変えてくれそうな新冷凍技術“CAS”を紹介します。

 もう一つ、エッセイです。まなぼうの「10代で学ぶ金融そもそも講座」。今回は、いかにして情報をゲットするかをテーマにしました。このコーナーでは、しばらく「どうやって情報をゲットするか」という点を掘り下げます。私の経験などを含めて。


2010年07月01日(木曜日)

 (11:55)うーん菅さん、そりゃないぜよ、という話。30日に、焦点となっている消費税率を引き上げた場合の低所得者対策に関して。

 (山形市内での街頭演説で)「年収300万、400万円以下の人には(消費税の)税金分だけを還付する方式か、食料品などの税率を低い形にする」

 (青森市内での街頭演説では)「(税金の還付対象について)年収200万とか300万円」

 (秋田市内での演説では)「年収300万から350万円以下」

 新聞報道を拾っているのですが、これらの発言が本当だとしたら、消費税引き上げ論議も、その逆進性是正策もあまり真剣には考えていないことが明らか。街頭演説する場所によって、金額が全く違う。

 これは新しい税を提案する立場の人間としてはまずいでしょう。もっと緻密に詰めていかないと。選挙が近いので、発足時より人気が落ち気味の菅政権について、「弱いものの見方」と印象づけたいのかもしれない。が、これはあまりにも杜撰。これでは支持率が上がるどころか、下がってしまう。

 税還付対象を「200万円以下」とするのか「400万円以下」にするのか。これは圧倒的な差があります。400万円以下だと、世帯当たりだと正確には分からないが、多分日本の所帯の半分近くが対象になる。それは国民全体が負担すべき税の理想から見てどうなのか。「200万円以下」だと、相当限られてくる。

 そもそも、日本では所得の捕捉が非常に難しい。にもかかわず、「何万円以下には還付」となると、不正が蔓延する危険性がある。他にも難しい問題が沢山ある。「それはまた後で決めればよい...」というのなら、それは政権の政策立案能力に関わってくる。

 一年もたずに倒れた鳩山政権を引き継いだのだから、もうちょっと緻密に議論をしないと同じ事の繰り返しになりかねない。



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