2010年06月30日(水曜日)

 (23:55)2010年のFIFAワールドカップ(南アフリカ)。日本は8強に入れなかった。試合は120分の死闘のあと、パラグアイと0−0のPKに。そこで負けたが、一連の戦いを終えた後の選手や監督、海外のメディアが残した言葉をここに記録しておきます。後々に改めて読み、感激を新たにするために。

 「チームが一つになって戦うことが大きな力になった」(中村憲剛選手)

 「批判してくれた人にも感謝したい。批判がなければ、ここまで来られなかった」(本田圭佑選手)

 「最後は一つのチームになれた。代表でこんな気持ちになったのは初めて。このチームでもっとやりたかった」(大久保嘉人選手)

  「悔いは残っていない。選手たちは素晴らしく、日本人としての、アジア代表としての誇りを持って最後までプレーしてくれた。そのことに誇りを感じている。彼らに何をしてやれたんだと考えると、私自身がもっと勝つことに執着心を持たなければいけなかった。W杯が終わったという非常にさみしい気持ちでいっぱいです」 (岡田武史監督)

 「ぜいたくは言わないが、あと1試合、このチームで試合をさせてやりたかった。無念」(同)

 「選手に『100%の力を出せば勝てる』と言い続けたが、100%を出したのに勝たせてやれなかった。ウソをついてしまった」「もう(分析の)映像を見なくていい。しばらくサッカーのことは考えたくない」(同)

 「1回のW杯の結果で判断せず、長い目で見ることが大切。次のW杯に出られるかどうかも、まだわからないんだし」「(続投は)ない」「(クラブの監督就任の可能性については)わからない。ちょっと落ち着いてからでないと」(同)

 「我々の攻撃には本田が必要だった。でも、彼は前線で相手を追い回せる選手ではない。それなら守備をどうすればいいか。全体的なことを考えての決断だった」「(今後の過ごし方は)まず家に帰りたい。当分、どこかへ消えます」(同)

 「五分五分の戦いだったと思う。悔しいけどPK戦(での敗戦)は仕方ない」(松井選手)

 「一つの大会でずっとベンチだったのは初めてだった。自分は若いわけではないからつらい。つらさと悔しさしか残らなかった」(中村俊輔選手)

 「もっと、このチームで試合をしたかった」(川口能活、長谷部誠両選手)

 「もっと、このチームで戦いたかった、という実感がわいてきた。今は本当に寂しい」(長谷部)、「4年後のW杯を目指す」(川口能活選手)

 「W杯の一瞬一瞬を楽しめた。あのピッチに立てて幸せ。素晴らしいチームだった。特に(同じセンターバックの)中沢(横浜マ)は最高の相棒だった」( 闘莉王、父が急病のため、チームと共に帰国せず、故郷ブラジルへ看病に向かう)

 「試合の間、私自身が緊張を感じていた。本当に難しい試合だった。試合内容が良かったとは思えない。控室で力を出し切っていないと選手には話した。次の準々決勝に向けて改善する必要がある。PK戦はアンフェアではあるが、これが現実。PKのときに単に我々が幸運だったということだ」(パラグアイ・マルティノ監督)

 「今日の涙を忘れてはならない。これからは、僕ら若い世代が日本サッカーを引っ張っていくつもりでやる」 (長友佑都選手)

 「個人的に、この大会で力不足を感じた。あらゆる面で、もっと強くならなければいけない」(岡崎慎司選手)

 「1点勝負だと思っていた。持てる力は出し切ったと思う。この1カ月間は楽しかった」(阿部勇樹選手)

 「W杯が終わってしまったんだということが、なかなか信じられない」(玉田圭司選手)

 「ぼうぜんとしている。このチームで、もっと試合をしたかった」(今野泰幸選手)

 「(正GKとして)こういう形でチームに貢献できるとは、W杯前は思わなかった。PK戦は1、2本目はいい形で反応できたのですが……。次のW杯を狙っていきたい」「自分が1本でも止めていれば……悔しい気持ちが大きいです。ここまで来たのはうれしいけど、やっぱり悔しい」(GKの川島永嗣選手)

 「互いにチャンスもピンチもあった。点を取らなければ勝てないということ。控え選手がチームを盛り上げてくれて、本当に心強かった」(遠藤保仁選手)

 「これほど大きな舞台で悔しい思いをした。今後のサッカー人生に生かしたい」(岩政大樹選手)

 「点を取れないからとパニックになることはない。日本は非常に規律正しく守り、我々にチャンスをくれなかった」「我々も賢く試合を運んだが、PK戦は運だ。日本の戦いぶりを評価しなければならない」(パラグアイ・サンタクルス選手)

 「(パラグアイに惜敗した日本の岡田監督について)試合には負けたが、堂々と振る舞うべきだ」「W杯で最も成功した国々には、ほとんど聞いたことがない監督に率いられたチームもあった」「(岡田監督や米国のブラッドリー監督ら7人を挙げ)素晴らしい印象を残した」「7人は、欧州の有名監督を上回る仕事をした。イタリアのリッピ監督やイングランドのカペロ監督たちよりも、大いばりで帰国すべきだ」(W杯開催国・南アフリカで発行されているW杯特集紙「シュート2010」)

 「血を流すような戦いの末、PK戦で涙を流した」(聯合ニュース)、「松井大輔選手が22分に放ったミドルシュートがクロスバーを直撃した」(同)、「(日本に)決定的チャンスが目立った」(同)、「南米の強豪と対等に戦った」(KBS)、「(好セーブを見せたGK川島永嗣選手について)波状攻撃をよく防ぎ、ゴールを堅守した」(同)、「(岡田監督が退任を示唆したことに関して)日本サッカー史に名を残した」(同)

 「(日本チームの)素早く、足を止めないプレースタイルが南アフリカのファンの心をつかんだ」「本田圭佑選手はブラジル代表のルイスファビアーノ選手らとともに大会前半の印象深い7選手の一人だ」( 米国内でワールドカップ(W杯)を中継するケーブルテレビ局ESPN(電子版)、「(パラグアイ戦を振り返り)試合を通じて日本の方がより素早く、創造的で、守備も良かったが、得点を挙げられなかった」(同)

 では最後に英インディペンデント紙が30日に掲載した「Blue Samurai show England how to play with pride in the shirt」という記事を。日本チームを賞賛した世界の論調の中で、一つの傑出した記事だった。

James Lawton: Blue Samurai show England how to play with pride in the shirt

While France and England were the despair of their nations, Japan showed how far you could go when you fight to the last bead of sweat

Wednesday, 30 June 2010

Japan are still in the margins of world football's elite. Indeed, between the Blue Samurai and the big yellow machine of Brazil there remains a vast gulf of history and technique.

However, between the team that departed the big stage so stoically here yesterday, who over these last few weeks have displayed impressively the wit and touch of a player like the now celebrated running, shooting brand name Keisuke Honda, and some other older powers of the game, you wouldn't begin to define the gap anything so graphically.

No prizes for guessing who we might have in mind. While France and England were the despair of their nations, Japan showed quite how far you could go when you are ready to fight to the last bead of sweat, when you bring to football's greatest tournament the shining quality of pride.

The culprit was 28-year-old Yuichi Komano, a full-back famed for his perfect defensive inclinations, a hard tackler of relentless application ? and, of course, moral courage.

That's what it takes to step to the line after 120 minutes of deadlock with a team of superior skill and deeper football culture. Komano's failure allowed Paraguay to go beyond their previous high-points of achievement, second-round defeats by England, France and Italy, but when Oscar Cardozo of Benfica swept in rather imperiously their fifth immaculate penalty, there was no sense that he had been separated from a team of wonderful commitment.

Paraguay had been unflinching against the crumbling world champions Italy in their opening group game but they made no easy assumptions about their ability to contain the force of football's rising sun. It is not one which is likely to blind us with virtuosity in the near future but there is, plainly, a level of resolve and eagerness to produce the very best of themselves which will not be quickly forgotten.

They also won the inscrutability award, perhaps not surprisingly, by the width of the Sea of Japan. When Komano blazed the wrong side of the woodwork, coach Takeshi Okada didn't move an eye-lid. The player was then helped from the field with a firm hand and an understanding that there is no cruelty in any theatre of sport to compare with the one imposed upon a man who will always know that he was, however arbitrarily, the reason for his team's exit from their finest moments.

For Paraguay's Argentine coach Gerard Martino the moment of success was a time of engulfing emotion. He had fretted for so long over the failure of his team to claim with more authority the few chances that came in action that was relentlessly pursued ? but without too much creative clarity.

Paraguay can claim, though, to have battled through plenty of turbulence of their own. Many fans argued that there were too many Argentine-born players in their squad but Martino defended the policy with some vigour. "It's not an easy problem. I see it less as a consequence of nationalism, more a matter of football taste. The discussion usually centres on whether the player is good enough, and in my mind there is no argument. The Argentine-born players qualify as Paraguayans ? they are blood descendents of families who moved from their homes for economic reasons. So they have emotion for Paraguay as well as the required level of football skill." That wasn't always blazingly evident, and certainly not in the anonymous performance of Manchester City's expensive Roque Santa Cruz. He was withdrawn before the nervy wind-down to the shoot-out.

Paraguay, finally, showed the composure that has marked so much of the South American effort here. They also completed their historic mission to reach the quarter-finals of the great tournament, a place at least a little closer to Brazil and Argentina. The crusade could scarcely have had a less encouraging start when their best forward, Salvador Cabanas, was in January shot in the head in a Mexico City nightclub at 5am.

The bullet lodged at the back of his skull and the star of leading Mexican team Club America hovered on the danger list for some time. So too did his former team-mates as the Blue Samurai made their last charge for unprecedented World Cup glory. It wasn't a great game and it never moved too far towards the centre of the stage. But it did have integrity and it did show how far you can go if you have a mind for the challenge ? and a seriously competitive heart.

The message was there for anyone inclined to receive it, but perhaps on this matter we should not hold our breath.


2010年06月30日(水曜日)

 Life goes on guys!!!

 ずっと見ていました。私はずっと興奮して見ていましたが、口さがない海外のメディアなどには、この試合を両チームに決定力が無くて「turgidだった」 と評す向きがあるかもしれない。

 しかし多分それは組み立ての問題だったと思う。knockout stage の戦い方の一つの典型でしょう。負けてはいけないのだから。両チームとも、120分の戦いでは実際に負けなかった。それが重要です。あれだけ走っての120分。消耗し、疲れたと思う。お疲れ様。

 対パラグアイ戦。改めて思うが、選手は本当によく頑張った。「PK戦は仕方がない。あれはサッカーではない」とオシムさんが言っているらしいが、駒野がたとえ入れていても、PK戦は続いていた。結果は保証されていない。駒野は大会を通じてよく頑張っていた。

 日本の活躍が記憶に残るワールドカップだった。今まで勝てなかった海外でのワールドカップの試合で二勝もして、得点も4を挙げた。本田が2、遠藤が1、岡崎が1。輝かしいFK、素晴らしいシュート。そして川島の素晴らしいセーブ。ナイス。控えの選手も出場した選手を支え続けた。

 これでアジア勢が消えたのは寂しいが、出場したレギュラーにとっても、控えに終わった選手にとっても、そしてじっと日本から見守った我々にとっても「life goes on......」。「Jリーグを盛り上げて欲しい」という長谷部の言葉にはジンときましたよね。

 岡田監督がこのワールドカップに向けて掲げた標語は「世界を驚かす覚悟がある」だった。十分世界を、何よりも日本を驚かせてくれた。選手、スタッフ、監督、関係者の方々に、「ありがとう」と言いたい。試合の詳報はここにあります。(01:55)



2010年06月28日(月曜日)

 (10:55)今朝ケイタイに入った速報で、「宮里...3位」となっていたときには、「あれ、美香ちゃんが前日の2位のままじゃ終われなかったのか」と思いました。しかしよく見ると、宮里の名字の後に付いていた名前は、「藍」。

 間違いかな、と最初思いました。だって、「藍」ちゃんは3日目が終わった段階では、あまり良くない成績で、よほどのことがない限り、上に大きく上がってくる可能性はないように思えた。

 で、LPGAのランキングボードを見に行ったのです。そしたら、間違いなく3位に「Ai Miyazato」とある。へえ、今日は凄かったんだと「today」を見たら「−6」と。そりゃ凄い、というわけです。因みに「Mika」を探したら13位にいて、「today」は「+4」と。一日で10打もスイングしたら入れ替わる。

 それにしても、藍ちゃんは頑張ってますよ。今年の各試合での成績はこうなっているし、公式マネーリストでも今回優勝したカーに追い上げられているが、それでもまだ一位。テレビの中継はありましたっけ。私はアルゼンチンとメキシコを見ていたので、気がつきませんでしたが。

 ところで、二つの声明はどちらもそれほどインパクトの大きい、記憶に残る代物ではない。ただ長いだけです。でも後で探すことを考えると、ここに備忘のためにリンクを残しておくことが賢明だろうということで、残します。2010年のカナダでのG8とG20の声明です。

2010年6月のG8声明
2010年6月のG20声明

 一つ注記しておくとしたら、後者の宣言の中に、「Reflecting this balance, advanced economies have committed to fiscal plans that will at least halve deficits by 2013 and stabilize or reduce government debt-to-GDP ratios by 2016.」と、「先進国の2013年までの財政赤字半減、2016年までの対GDPでの政府赤字比率の安定、または減少」がうたわれたことか。

 2013年の目標は量的なもので、現在に比べて単年度の財政赤字を2013年に半分にする、という意味でしょう。例えば日本だったら、50兆円近い現在の単年度赤字を、2013年には25兆円にするということ。対して、2016年の目標は対GDPでの財政赤字比率をゼロかマイナストレンドにするということ。

 後者については、財政の赤字をただ減らしていく方法と、経済の成長ペースを速める、パイを大きくする中で、財政の赤字額を増やさないことの二つの方法があると考えられる。しかしこの目標は、どの先進国についても難しい。なぜなら、国内で雇用が増えていないときには、政府はどうしても景気の刺激を優先せざるを得ない。欧州のようによほど財政を巡る懸念が高まれば別ですが。

 しかしG20声明は、菅首相がなんと説明したのか知らないが、次のように例外的に国名が登場してその対象除外国となっている。「Recognizing the circumstances of Japan, we welcome the Japanese government’s fiscal consolidation plan announced recently with their growth strategy.」

 「日本の置かれている状況を勘案し、我々は日本政府が最近、成長戦略とあわせて発表した財政緊縮化計画を歓迎する」と。国名がほとんど登場しないこの声明において、数少ない国名登場国となっている。日本が置かれている環境が例外的、または例外的に悪いと判断されたのでしょう。

 G8、G20の声明の市場へのインパクトは限定的だ。為替市場でも株式市場でも、特に材料になっている形跡はない。結局、個々の国がどういう政策を取れるかがポイントでしょう。


2010年06月27日(日曜日)

 (22:55)今日は、朝には全く考えてもみなかった場所に。多摩御陵・武蔵野御陵です。まるで伊勢神宮を思わせるような芳醇な、そして滴る緑に圧倒されました。

 八王子に住む父方の叔母に「紫陽花が綺麗だから、見にいらっしゃい」と数日前に誘われたのです。親戚数人とともに。日曜日はなにもなかったので、「ナイス」と思って出かけた。

 紫陽花はまさに梅雨の時期の花。ちょうど雨がちの天気だったので、5色の紫陽花は実に綺麗でした。マンション住まいが長い身には、羨ましいなと思う一方で、「この手入れは大変だぞ」と思った。叔母の家は、庭も凄いガーデニングが施されていて見ていて楽しい。

 ひとしきり花を見た後、食事に出かけて、終わって帰る途中に、「御陵が直ぐ近くなんだけど、行ったことでないでしょう」ということで立ち寄ることになったもの。

 まずはそのケヤキ並木に感激ですよ。高くてゲートになっている様の美しいこと、そして季節もあるのでしょうが、瑞々しいことにびっくり。良い場所に来れたな、と最初から思える。

 参道は砂利の道で、伊勢神宮と似たこところが一杯ある。深い緑といい。これで右手にあの綺麗な川でも流れていればそっくりです。しかし緑は見事でした。参道沿いの松の木は空間を作るためでしょうが、門から遠い方が疎にされている。

 多摩陵・武蔵野陵にはともに東陵があって四つが適度が空間をもって並んでいる。東京近郊にこのような場所があるのにはびっくりすると同時に、安心もしました。


2010年06月26日(土曜日)

 (19:55)やっと眠気が解消してきた週末ですが、一つ質問があります。iphone4 を買ったら、「fon」という無線ルーターがもれなくついてきました。無料でした。

今人気のラー油をゲット。どんな味か楽しみ  あまり説明もなく渡されたのですが、料金もゼロと言うことで、時間もあまりなかったので、そのままいただいて帰ってきたのです。この週末に空けてみると、要するにこれを使うと無線LANでiphone をネットにつなげる機器のようです。そしてサイトを調べたら、世界的な試みの対象になっていた。良いことです。

 販売店の方は、「普通は家庭に設置してネットをfonユーザーで共有する」と言っているのですが、我が家には無線LANがもう走っているし、壁がある部屋に関してはPLCもある。別に接続に困ったことはない。そこで考えたのです。

 例えば出張先のホテルの部屋に持って行って、このfon を有線LANのoutlet につないで稼働すれば、iphone はむろんのこと、ID とパスワードも発行されるようなので、その両方を使って、例えばPCやipadをつなぐことも出来ないのか、と思ったのです。

 モペラやmobilepoint は「二重ログインは出来ません」というメッセージが来る。だから、どちらかを切ってもう一方をつなげないと行けない。fon にはそういう制約条件はあるのでしょうか。もしなければ、ホテルの部屋でPCとipad とiphone をすべてfon の無線LANで動かせるという家と同じ環境を作れるのですが、どうでしょうか。

 またその場合のセキュリティ環境はどうでしょうか。やはり、3Gの電波と無線LANの電波では全く速度が違う。どなたか詳しい人がいたらこれらの点を教えていただければ幸甚です。

笑えるゴルフボール  ところで、今回は二枚の写真を。一枚は、今週の伊藤 洋一のRoundup World Nowで紹介した「ラー油」です。何か凄い人気だそうで、日経かなにかの今年上半期の人気ランキングの前頭などになっていました。私は全く知らなかった。

 「伊藤さんが知らないのでは....」ということで、金曜日に番組のスタッフが一つ買ってきてくれました。石垣島のやつは、ずっとまえから出ていたもので、桃屋のは一連のブームのきっかけになった製品のようです。まだ食べていませんので、どんな味がするのかはこれからの楽しみです。

 もう一つは、このサイトのゴルフボールです。最近行った食べ物屋さんに、「伊藤さん、面白いものを」と見せられて、「いいですよ、差し上げますよ.....」と。ははは、「mistress collection」というのです。笑える。

 日本にはあまりないのですが、アメリカにはゴルフボールには実に面白いボールがいっぱいある。このボールもその種の一つと言うことです。使うときが楽しみ。OBしないように。

 両方とももらっちゃいましたが、高くつくといけないので、早めにお返しをしておこうっと。


2010年06月26日(土曜日)

 (12:55)まず一つ訂正です。デンマーク戦が終わった直後に私がこのコーナーに書いた文章の中に、「FIFAの記録によると、ワールドカップの一試合で二つのフリーキックを決めたのは日本が最初」とありましたが、「1966年のブラジル以来」というのが正しいようです。

 私がそう書いたのはきっと何かで読んだのですが、今朝の朝日新聞に「また、デンマーク戦の本田、遠藤のゴールはいずれも直接FK。大会公式サイトによると、同じ試合で1チームが二つのFKを決めたのは、66年大会のブラジル以来」とある。そっちが正しいんでしょう。

 さらに記事は続いて、「このときは、ペレとガリンシャが決め、2−0でブルガリアを破った」と書いてある。ペレね。懐かしい。まあそれにしても、40年以上も前の話。極めて希有であることには間違いない。

 同じ66年つながりで朝日は、「アジアのチームがワールドカップで1試合3点とったのは、1966年のイングランド大会での北朝鮮以来2度目」との記述もある。また日本が一試合で3点とったのは初めてと。2点はある。日韓大会の時に、対ベルギー、対チュニジアで。

 ところで、関西で私が出る番組を見てくださっている方から、以下のようなメールをいただきました。とても興味深かったので、掲載させていただきます。

 ゴールドアンカー(私が出ている番組のコーナー名です)伊藤さん、おはようございます。

 さてフリーキックの件ツィートされていましたが・・・。

 実は本田選手の分はデンマークGKのちょっとしたことも手伝っているのです。 それはゴールのタオルです。

 本田選手か40Mぐらいありましたし壁もあるわけですから非常に遠い。しかしサイドネットに白いタオルがあればそこを目標に蹴る事ができるわけです。なので普通ゴールに目標物となるものは置かないのが基本なのですが、GKも今回のボールの動きに関しては非常にナーバスになっているせいもあってタオルをかけたのでしょう。

 GKはボールが滑るのを嫌いますのでグローブを拭いたりするんですよ。試合前には芝生に水も撒きますからね。

 色々な要素が働いてゴールって決まるものなんですよね。

 とのことでした。ま、いろいろな要因が重なって本田君のFKが成功したと言うことになる。でも要因はあくまで付帯条件。一番重要なのは、本田君にそれをするだけの技術と気概があったと言うこと。


2010年06月25日(金曜日)

 (15:55)いろいろあった6月25日。勝利に沸く日本では、日本の監督、選手、両親、ファンのインタビューがマスコミに溢れているが、私が備忘の為にここに残しておきたい言葉は他にも多い。それを幾つか。

 まず負けたデンマークのオルセン監督の言葉。「スタートは良かったが、全体としては酷かった。こういう結果になる必然はなかったが、サッカーとはこういうものだ。セットプレー二つで流れが決まった(共同)」

 デンマークの失望は大きいと思う。しかしデンマークが凄いのは、監督はちょっと名残惜しそうだったが、選手もファンも日本に対する賞賛を忘れていなかったこと。スタンドのデンマークファンの中には、試合終了後に日本のチーム(の綺麗な勝利)に拍手をしていた人たちもいた。

 日本が警戒したベントナーは、「まさか3点も取られるとはね。日本は勝利に値した」と述べた。選手もファンもナイス。「サッカーとはこういうものだ」というオルセンさんの言葉は記憶に残ると思う。

 では、日本が次に当たるパラグアイについて。サンスポのサイトを見ると、パラグアイについてこう書いてある。私も行ったことがない国です。「南米予選はブラジル、アルゼンチンと互角に戦い3位通過。18試合で16失点と、組織立った堅守を誇る。攻撃もMFリベロスが中盤を支配し、スピードとパワーを兼ね備えている。けがで1年以上欠場したFWサンタクルスが加わり、さらに厚みが増した。」

 外務省のサイトを見ると、パラグアイは人口は622万人、国民一人当たりのGNIは2180ドル。つまり、中国より遙かに貧しい国だ。主要産業の欄には「農牧業(綿花、大豆)牧畜業(食肉)、林業」とある。

 このパラグアイについて、今朝のスタンバイに電話出演したFC東京の城福浩監督が、以下のように述べていたのが私の記憶に残った。

「パラグアイのように、希望と喜びのすべてをサッカーに賭けている国に勝つことは難しい.....」
 そうかもしれない。そう言えばいつだったか、南米の選手でワールドカップでオウンゴールをした選手は、その後帰国して時間もたたないうちに殺された。今でも鮮明に覚えている。そういうぎりぎりのところで彼らはサッカーをしてきている。

 しかし私は今の日本には、このギリギリのサッカー国であるパラグアイを打ち破るチャンスが5割以上あると思う。あの二本の素晴らしいフリーキック(海外の新聞は、ゴージャス、スペキュタキュラー、スーパーといろいろな形容詞で呼んでいる)は、パラグアイをびびらせるに十分だ。FKは、時に防ぎようがない。ということは、可能域内でのファウルを気をつけるという展開になるはずだ。ということは、日本は比較的自由に的のゴール周りで動けるかもしれない。もちろん「かも」だが。

 ま、来週29日の夜11時。私は大阪ですが、絶対見ますよ。どう見るかは、これから考えます。


2010年06月25日(金曜日)

 (15:25)ははは、余韻消えぬままですが、新しいエッセイとラジオ番組、それに科学番組の予告です。

 まず日経ECOマネジメントのサイトに第74回として「中国が内包する弱点――(2)」として、「都市との格差で鬱積する農村の不満」を公開しました。私が農村地帯を車で移動したときに持った印象なども入れています。

 午後10時24分のBSジャパンでは、世の中進歩堂が始まります。四半期末と言うことで、3〜6月に放送した番組の中で、面白かったものを選りすぐって「特集」として放送します。まとめ方がうまいのか、毎回「面白くまとまっている」と思うことが多い。

 午後10時45分からは、伊藤 洋一のRoundup World Nowです。ラジオNIKKEIの番組で、むろんラジコでもお聞きいただけますし、翌日、翌々日でもpodcast でもお聞きいただけます。新しくiphone4 をゲットした方は、是非初ダウンロードのpodcast番組として私の番組を選んでいただければ幸甚です。

 この番組は、もうご存じの方も多いと思いますが、その継続性や人気から言って、podcast の世界では揺るがない地位を得ている番組です。でも、毎回新しい視点を入れていますよ。今後ともよろしゅう。

 itunes store のホームから右に展開するメニューのプルダウンの中から、「podcast →ビジネス」を選んでいただけると見つけることが出来ます。


2010年06月25日(金曜日)

 (05:25)世界を驚かした対デンマーク戦での日本の勝利でした。でもなぜ。

 日本の得点3のうち、最初の2点は本田と遠藤のフリーキック二つ。もちろん二人のキックが素晴らしかったこともあるが、二本ともデンマークのキーパーの初動が遅かったことが気になりました。本田のはちょっと遠いので違うが、遠藤のフリーキックはデンマークが誇るの高い壁が、逆にキーパーの視線の邪魔をしていたように思いました。

 FIFAの記録によると、ワールドカップの一試合で二つのフリーキックを決めたのは日本が最初だそうだ。つまり希有なことなのだ。その一つは、高地でボールの動きが平地とは違ったことだったでしょう。キックの手法にもよるが、明らかにボールの動きはおかしかった。

 しかしそれだけではないような気もする。つまり、自軍の選手の背の高さが、デンマークのキーパーの視線にボールが入ってくるのを遅らせたのだ。私にはそう思えた。メリットがデメリットに。

 それにしても、世界を驚かす対デンマークでの勝利でした。3−1。最後の岡崎のゴールの価値は高い。相手はPKでの一点ですから。

 特殊文字を使います。(\.Y/.)(\.Y/.)おめでとうだっちゅうの♪、岡田ジャパン。


2010年06月25日(金曜日)

 (03:25)デンマーク戦が始まるまでの短い時間の間に書いているのですが、昨日思ったのは、「プラットフォームを持つシステムの強さ」です。何の話かというと、iphone4。

 iphone4は、「すべてをまた新しく」という革新性を売り物にしたマシンとして登場している。しかし、この製品の一連の流れの中には、itunes というプラットフォームが実にどっしりとして存在感を持ち、すべての機能継続の中心に存在している。

 このプラットフォームとしてのitunes を日常的なバージョンアップの対象とすることによって(これはこれで面倒なのだが)、一連のipod 製品、touch、ipad、3G、3GS、iphone4と次々に登場する新らしいマシンをスムーズにグループに誘い入れてきている。

 アップルは、このiphone4を登場させるに当たって、itunes のバージョンを上げて、それを前提にiOS4をリリースして3GSをバージョンアップし、その上でiphone4をリリースした。itunes をコントロールすることによって、実にスムーズに新らしいマシンを管理下に置いている。

 そういう一連の手順はあるが、いざiphone4を買ってitunes でtameしようとすると、これが実に実に簡単に機能継続が可能なのだ。私が選んだルートが「復元」であるせいであるかもしれないが、僅か数十分の同期作業によって使えるようになり、それですべてのアセット(音楽、写真、動画展スケジュール、連絡帳など)が継承され、そこにいくつかのメールのパスワードを入れれば直ぐに問題なく使えるようになる。

 私の今までの経験では、新しいマシンの導入がこれほどスムーズだったことはない。windows の機械の継続には多くのいらいらと、手順がいる。iphone4 は何せ買って2時間もしないうちに新しいマシンの準備が完了し、外に持ち出しても全く新しいマシンの機能をフルに発揮できる。これはすばらしい。

 多分これは、部門ごとに競争意識の強い日本のような組織の中で出てくる製品群の中では、なかなか難しいのだろう。アップルのすべての製品は、一人の天才の頭の中にあって、それがシステム一体として、製品として具現化している。だから特殊だとも言える。

 しかし新製品の導入がこれほどスムーズだと言うことは、日本の企業にとっても大きな教訓になるのではないか。そう思って、iphone4を使い始めている。その第一の印象は、絵、画像が従来のマシンに比べて実に綺麗になった、というものだ。

 あとはいろいろな機能がサクサク動く、電池が持つようになった(今までは酷かった)、薄くなった.....などなど。

 まだ、使い始めたばかりです。


2010年06月24日(木曜日)

 (05:25)FOMC声明を読んで最初に思ったのは、「あ、このフレーズが消えていない」というものでした。むろん「このフレーズ」とは、「for an extended period」。第三パラグラフの最後にある。つまり、ゼロ近傍のFF金利の誘導目標を、ちょっと長引いてはいるが、このまま維持すると言うことです。

 次に見たのは、この「超緩和政策に反対する人」の数。前回もThomas M. Hoenig一人だったが、今回もそう。つまり、FOMC内の勢力図も変わっていないということ。この二つを見れば、FOMC内の政策運営を巡る勢力図が大きく変わっていないことを意味する。つまり、FRBのスタンスに大きな変化はない。

 小さな変化があったかと第一パラグラフを見ると、言葉使いから景気の回復ペースに関して、FOMCは比較的慎重な印象を受ける。声明は強気の見方の後には、必ずそれを打ち消す弱気の単語を並べている。

 市場にはアメリカ経済が上向きであることに変わりはないという印象があるのに、その見方を単純には採用せず、決してFOMCとしての”強気”を前面には出していない。しかも非住宅投資の低調持続、銀行融資のここ二ヶ月くらいの低調などをあえて指摘している。

 これにはいくつかの背景がある。例えばこの声明がもう一つ指摘しているのは「Financial conditions have become less supportive of economic growth on balance, largely reflecting developments abroad」と記述している「developments abroad」。ここで指摘しているように、アメリカとして引き締めに転じがたい事情もある。ここで金融を引き締めれば、ドル調達に困る欧州の銀行も出てくるだろう。

 こうした背景を考えると、「アメリカのゼロ近傍のFF金利水準は当面続く」と考えるのが自然だろう。今現在の為替相場は、89円台の後半とやや円高、株式市場は前日引値近辺。今は小幅高。

Release Date: June 23, 2010

For immediate release

Information received since the Federal Open Market Committee met in April suggests that the economic recovery is proceeding and that the labor market is improving gradually. Household spending is increasing but remains constrained by high unemployment, modest income growth, lower housing wealth, and tight credit. Business spending on equipment and software has risen significantly; however, investment in nonresidential structures continues to be weak and employers remain reluctant to add to payrolls. Housing starts remain at a depressed level. Financial conditions have become less supportive of economic growth on balance, largely reflecting developments abroad. Bank lending has continued to contract in recent months. Nonetheless, the Committee anticipates a gradual return to higher levels of resource utilization in a context of price stability, although the pace of economic recovery is likely to be moderate for a time.

Prices of energy and other commodities have declined somewhat in recent months, and underlying inflation has trended lower. With substantial resource slack continuing to restrain cost pressures and longer-term inflation expectations stable, inflation is likely to be subdued for some time.

The Committee will maintain the target range for the federal funds rate at 0 to 1/4 percent and continues to anticipate that economic conditions, including low rates of resource utilization, subdued inflation trends, and stable inflation expectations, are likely to warrant exceptionally low levels of the federal funds rate for an extended period.

The Committee will continue to monitor the economic outlook and financial developments and will employ its policy tools as necessary to promote economic recovery and price stability.

Voting for the FOMC monetary policy action were: Ben S. Bernanke, Chairman; William C. Dudley, Vice Chairman; James Bullard; Elizabeth A. Duke; Donald L. Kohn; Sandra Pianalto; Eric S. Rosengren; Daniel K. Tarullo; and Kevin M. Warsh. Voting against the policy action was Thomas M. Hoenig, who believed that continuing to express the expectation of exceptionally low levels of the federal funds rate for an extended period was no longer warranted because it could lead to a build-up of future imbalances and increase risks to longer-run macroeconomic and financial stability, while limiting the Committee’s flexibility to begin raising rates modestly.


2010年06月23日(水曜日)

 (23:25)どえらい時代になったものだと。都内で午後一つ講演をしたのです。この講座の関係で。200人くらいの方がいらっしてくださったのですが、何と一番前にはipadをメモ帳代わりにしている人が陣取っていて、さらに講演の最中に私のツイッターIDにツイートしてきた人がいた。

 なぜ分かったかというと、最初ちょっとお見せしたのです。ツイッターのサイトを。そしてもう30分ぐらいたってもう一度講演の中で見たら、「麹町の講演拝聴させていただいています。」と現在進行形。

 うーん、こういうことも可能だな、と思いました。日本人はシャイ。講演の最中に思ったことをツイートしておいてもらって(備忘の為にも)、あとで私がそれを見て、それにお答えするというようなことも可能かな、と。

 まあ今日はそんなことを考える暇もないほど、私が1時間喋った後に次々に質問が出た。質問はいいんですよ。その前の私の講演には私には何ら新味はない。だって知っていることを喋っているだけですから。

 しかし質問は、新しい、えって思うような発想のものがある。ものすごく面白いし、私にとっても勉強になるのです。私の講演では通常は質問が多く出る。しかしたまに、本当にシャイな人の集まりがあって、出ないときもある。そういうときに、ツイッターは利用できるかもしれないな、と。もっとも、今日集まった200人のうち、ツイッターをやっていたのは僅かに数人でしたが。

 ところで、今日の話題の一つはクラウドでした。日本企業は飛び道具としてこのツールを使うべきだという意見ですが、今日の大阪からの帰途では以前教えてもらったこの論文を読みました。この論文は、ツイッターがらみの英語、英単語を覚えるのは非常に便利です。

 読みながら、そして結論を読み終えて、私の考えと殆ど変わらないな、と思いました。結局多くの企業はクラウドをうまく使った方が良い。私の文章も、英語の論文も両方お読みいただけると良いと思います。

 ところで、先日大久保さんからメールをいただきました。例のturgidに関してです。

 やや、遅くなりましたが、サッカーのカメルーン戦でのNY Timesのコメント中の英語の意味です。娘の旦那(to beですが、、)の アメリカ人に聞いてみたものです。

 英国人が使う色々な表現のうちのひとつ、で、「だらだらした」「かったるい」「退屈な」「ピリッとしたところのない」 というような感じの言葉と見受けます。何れにせよ、余り良い意味ではなさそうです。

 Tommy, I have an Englishman in my office here and had to ask him about "turgid affair" Americans don't use that word....I think this was written by a Brit. Sports commentators in Britain apparently use very colorful language when describing sporting matches - according to my colleague. It means a very slow paced, drawn out, boring game....but congratulations none the less - as the old saying goes, "I'll take a victory anyway I can!"

 結論はこんなところのようです。まあ負けたけどオランダ戦はturgid ではなかった。デンマーク戦も楽しみ。


2010年06月22日(火曜日)

 (19:25)今日新幹線の中で「気にするな」(弘兼憲史著 新潮新書)を読み始めたら、早速二つの効果(?)が。

  1. 本当は注意しなくてはならないことを、二つとちった
  2. しかし、でも「今は”気にするな”を読んでいるから、神様が”そんなことは気にするな”」と言ってくれているのかもしれないとつい思ってしまった
 いえね、ちょっと大阪に早く着いたのでホテルに寄ったのです。そしたら、1時間あったので、ついうとっと。で、スタジオ入りはやや遅刻。いや勿論、打ち合わせと本番には間に合っていますよ。でも、これはいかん。次にプレゼン。松茸だと分かっているのに、なんとなんと口をついて出てしまったのが「筍」という単語。うーん、松茸より筍が好きなのがばれてしまった。

 ま「気にするな」を読み終えたら、「気にすべきは気にしよう」と。しかしこのコーナーの読者の皆さん、この本の為に支払う714円(消費税込み価格)なんて、「気にするな」

 それはそうと、中国の為替政策は巧妙です。昨日の中間値は動かさず、その後の切り上がりを容認、そして今朝の中間値では6.7980元と前日に比べて0.43%の切り上げ。その後はまた下落。まあこんな駆け引きをしながら、中国は今週末のG8、G20を迎えようというのでしょう。

 このコーナーに今週月曜日の朝に書いておいたのですが、中国は「弾力性強化」と言っているだけで、切り上げとは言っていない。あくまで「市場と政治の動向を見ながら相場を意図的に動かす」と言っているに過ぎない。

 「弾力性」というと、市場圧力に対して弾力化したと思うかもしれないが、あくまで中国は為替相場も中国共産党の意図で動かしている。その点を忘れてはいけない。その「意図」の中にはむろん、「中国経済をうまく運営したい。世界からもあまり標的にされたくない」という気持ちは入っていますが。

 今朝書いたiphone 用のiOS4ですが、改善点を付け加えると、1)メールに日時があると、そこがハイパーリンクしてそのままスケジューラーに予定を入れられる 2)あるメールを開くと、それに関連した過去のメールも一緒に表示されて、経緯を振り返るのに便利 3)マルチタスクは、下段を右左に動かせることで、幅広いソフトを対象に出来るーーなど。ただしラジコはマルチの対象にはなっていないようだ。メールを起こしても、カレンダーを起こしてもラジコは切れる。これは不便。

 機能は上がったが、バージョンアップ前に入っていた写真の解像度が落ちるなどの問題点がある。ひょっとしてこれは、iPhone4を際立たせるための戦術。あと、Wedgeに「なぜ日本はipad を作れなかったのか」という記事が。あとで読む予定。


2010年06月22日(火曜日)

 (12:25)今朝の早い時間でした。サッカーのスペイン戦もあったし、ちょっと起きてネットを見ていたらiphone 用の新しい「iOS4」がダウンロード可能になったと言うことなので、テレビだけを見るのも芸がない。で、テレビを見ながらiphone の新OSのダウンロード作業を進めたのです。

 私のiphone はこれまで「3GS」と呼ばれるもので、ちょっと不満があった。一番の不満は、シングル・タスク。つまり一つのことをやると他のことが出来ない。新OSダウンロードで少しでも使い勝手が良くなれば、そして少しでも面白い機能が付け加われば、それを確認できればと思って。どうせiphone4が来るので、少しばかり調子悪くなってもokだと考えて。

 そこで改めて気がついたのは、「これは日本の製品にはない特徴だ」ということです。つまり、itunes を起点にして製品のソフトウエアを書き換えて、端末そのものを新しいバージョンに変えてしまう、というある意味凄技。業界用の専門的なマシンではなく、実に多くの人が使っている汎用携帯端末での作業プロセスということろが面白い。

 思ったのは、「これはプラットフォームの勝利だ」ということ。日本の個々の製品は単品としては優れている。しかし、ケイタイ電話の課金対象ソフトの継続や電話帳、それにメールの継続はあっても、OSのバージョンは各機種ごとに違っていて、プラットフォームをベースにこれまで変えてしまうという発想はない。

 実は最近ソニーの副社長まで強めた人と芝の上の散歩でご一緒する機会がありました。いろいろ話したのですが、彼が「プラットフォームという考え方がなかったんですよ、我々には」とおっしゃっていたのが実に印象的でした。

 アップルの民生用プラットフォームとしてのitunes は、強烈な存在です。同社の製品はほとんどこのソフトウエアにリンケージし、それを起点に駆動し、そしてソフトウエア、バージョンアップ、曲やポッドキャスの購入・ダウンロードが行われる。

 ipad を買ってitunes につなげたら、今までiphone で使っていた資産が簡単に受け継げることには感動しました。これは良くできている、と。私はマックのPCは使わないので、アップル製品の中枢に陣取るitunes の凄さを、ipadの利用開始で買った。iphone より数年遅れて出たipad のプラットフォームでもある、というのが凄い。それは常にitunes そのものが更新しているからでしょう。

 ソニーも今はXアプリケーションと呼んでいるプラットフォームを今は持っている。しかし、ソニーのそれは名前も変わっているし、新製品がこのプラットフォームをベースに新たな展開を見せると言うこともない(と理解している)。多少あっても、その数は限られている。アップルのitunes は二週間に一度くらいアップグレードがあってある意味うるさいが、同社の製品がitunes さえ入れておけば機能すると言うことは、利用者にとっても極めて利便性が高い。

 スティーブ・ジョブズは、ソニーの創業者達に強いあこがれを持っていたと言われる。単品の製品ではどうしても勝てなかった。しかしアップルを勝利に導いたのは、すべてをitunes というプラットフォームのつながりの中で考えるという、一種のシステム思考だったのではないかと考えました。

 今後「プラットフォーム」はますます重要性を増す。そう思います。とにかく便利です。itunes も扱えない人にはアップルは優しくないと思う人もいると思いますが、それはそれで仕方がないかな、と。

 あ、それからウォークマンをソニーの社内で誰が一番推進したかという以前このコーナーでも、ツイッター(私のIDは ycastercom)でも話題になった問題については、その元副社長さんは、「それは井深さんが、飛行機の中でも音楽を聴きたいと言ったのがきっかけです」と応えてくれました。ご参考までに。わがままが作った世界的大ヒット、だった、ということです。

 ところで、iOS4で今のところ私が気に入っているのは、メールの「全受信」と、センターを二度軽くクリックすることで起動するマルチタスクです。メールできたスケジュールのスケジューラーへの転載などで非常に便利。


2010年06月21日(月曜日)

 (23:25)ポルトガルと北朝鮮の試合を見ていて、「前半の試合ぶりは北朝鮮がよくやっていたのに、後半だけでこんなに点差が開くものか」と思いました。流れは恐ろしい。力の差はあるにせよ、北朝鮮には穴が開いたダムの決壊を防ぐ方法はなかったのか。

 北朝鮮はこの試合を国内で実況中継したそうだ。非常に珍しい。44年前に北朝鮮はポルトガルに3点を先制しながら負けた経緯があったそうだ。「この試合で雪辱を」と思ったのだろうが、そうはいかなかった。ポルトガルもブラジル戦を控えて、北朝鮮との試合を落とすわけにはいかなかったし、順位争いから見れば、勝ち点を積み上げたかったのでしょう。

 点数がそれほど入らないと言われた今回のワールドカップ。しかし今回一挙に一試合で7点も入った。まあ本番として盛り上がるのはこれからでしょう。有力国の中では既にフランスが落ちた。ポルトガルも北朝鮮相手では7点取ったが、ブラジル相手でどのくらい通用するのか分からない。

 ところで、この2〜3日間でちょっと興味をもったニュースは、「オバマ米大統領がクリントン国務長官を副大統領に起用か 2016年大統領選にらみ急浮上」というもの。これは米紙ワシントン・ポストなどが報道しているもので、むろん”観測”の域を出ないが、ヒラリー・クリントンの副大統領説は、彼女が国務長官として「「予想以上の働きをみせている」ためという。

 一方バイデン副大統領は、外交に意欲を示しているとされ、必ずしも不満ではないという。実現すれば、国務長官と副大統領がスワップするという非常に珍しい人事になる。仮にクリントン氏が副大統領になれば、2016年の大統領選を狙うには絶好のポストになる。

 オバマが「ヒラリー・クリントンを国務長官に」との方針を明らかにしたときには、民主党の大統領候補選びでの戦いが熾烈だっただけに、意外感をもって迎えられた。今でも覚えているのは、「Obama,shame on you」で、仕事ぶりにも心配があったが、最近の彼女の働きは大きなミスもなく評価は高い。

 私にとって非常に不思議なことに、アメリカでは前回の大統領選挙の共和党候補だったマケイン氏が副大統領候補に選んだペイリン元アラスカ州知事の人気が非常に高い。16年の大統領選挙には彼女に出馬と取りざたされているという。

 この際には、共和党は無論のこと、減税や財政規律を求めて影響力を強めている保守派運動「ティー・パーティー」が同氏を支持する可能性があるという。こうした中で、「ペイリン氏に勝てるのは、実績のあるクリントン氏だけだ」という意見もあるそうだ。

 しかし日本にいると「ペイリン人気」の背景は必ずしもはっきりしない。私にとってちょっと分析対象です。


2010年06月19日(土曜日)

 (23:25)うーん、一つ不満が残るとしたら、後半に投入された中村など3人があまり目立った動きをしなかったことかな。せっかくピッチに立てたのだから、フォーメーションを崩さない範囲で、もっと思う存分フレッシュに動き回って欲しかった。継続して出ていて疲弊している他の選手をカバーして欲しかった。

標高が高いわけではないのに、重く立ち込めた雲にてっぺんを隠した桜島。19日朝撮影  まあでもこれで日本のワールドカップでの戦いが終わったわけではない。オランダ戦前半には多分日本が狙いとした戦いが出来ていたし、デンマーク戦はこれでまた楽しみが出来たし、得失点でもそれほど不利なわけではない。勝てば決勝リーグ進出です。まあ皆さん、応援しましょう。「殺し屋の本能に欠けていた」(オシム前監督)と言われないような一発必殺の心意気を持って。ゴールを決めて欲しい。

 ところで今日は非常に珍しい経験をしました。実は今鹿児島をへて指宿に居るのですが、その途中の昼休み。NHKの正午のテレビ・ニュースで一番に「鹿児島地方は大雨」と言っているのに、自分がいる場所では実は雨は降っておらず、傘もさすこともなく外を歩ける、という不思議。

 「鹿児島」といっても実際には非常に広いわけで、半島も二つあるし、島も多い。それを引っくるめれば「大雨」ということでしょうが、その地方、その場所によっては全く天気が違うことがある。最近多い局所的な大雨というのもそうですが、実は天気予報とか天気実況というのは非常に難しいんだなと思いました。と同時に、「天気予報、天気実況がそうだからと言って、その地方の天気は実は判らない」ということが重要だ、と。

 ところで、この文章を書いている途中で、中国人民銀行が人民元相場の弾力性を高める方針を表明した。微妙なタイミングで行ってくるものだと。日経新聞だったと思ったが、日本でも「アメリカの堪忍袋の緒が切れそう」という報道が出てき始めたところで、最終的な上げ幅も明らかにせずに中国は方針表明をしてきた。

 「弾力性を高める」ということは、2年近くほとんど動かなかった元相場が、週明けから上昇を開始する可能性が高い、ということだ。対米ドルで。日本円もそうだが、実は貿易加重平均で見て、人民元相場は既にかなりこのところ上昇している。それはユーロが大幅に下落しているからだ。

 ユーロは対円でも下げが厳しい。この上に中国が「人民元相場を弾力化する」ということは、「実は上げ余地はそれほど大きくはないのではないか」との見方も出来る。人民銀の金融政策委員を務める李稲葵・清華大教授は日本経済新聞記者の取材に対し「欧州危機で人民元の名目実効レートはこの1〜2カ月で大幅に上がっており、元相場の上昇圧力は弱まっている」と語ったという。「アメリカが文句が言えない程度に人民元相場を上げる」ということでしょう。

 いずれにせよ、過去の例を見ると、人民元相場に上昇圧力がかかっている時には、円相場にも上昇圧力がかかる。まあ私は、今の円には上昇圧力がかかると言っても、それほど強いものになるとは思っていないが。


2010年06月18日(金曜日)

 (16:25)日経からの連絡によると、『NIKKEI特集 ルフトハンザ ドイツ航空presents「伊藤洋一のReal Europe」 第5回(最終回)』が本日午後にアップされたそうです。

 http://nikkei.hi-ho.ne.jp/lufthansa/iphone/index.html (日本経済新聞 電子版)

 http://itunes.apple.com/podcast/id367774823  (iTunesのダイレクトページ)

 となっております。最終回は、海外旅行の経験も豊富なルフトハンザドイツ航空の石巻えりさんとの対談です。「ルフトハンザに受け継がれるドイツ品質」というテーマを設けましたが、話しはあちこちに飛んで、であるが故におもしろい対話になっていると思います。お楽しみに。

 一方、世の中進歩堂は、『地中を掘らずに探る!最新テクノロジーで人類の謎を解き明かすハイテク考古学』と題して、考古学も今やハイテクの時代。最新の科学技術を駆使して遺跡や遺物を探る研究が東京工業大学の亀井研究室の試みを取り上げます。

 この研究室では最新の探査装置を用いることで、地面を掘らずに地中を探り、地面の下に眠る人類の歴史の跡を調査。数々の歴史的発見にも成功している。しかも、3次元レーザースキャナーという最新の撮影装置を使って、時間と共に形が崩れてしまう貴重な遺跡を細かく記録してデータとして保存することも行っているのだ。

 古代の歴史の謎を最新の科学技術で解き明かし、過去の人類の知恵を後世に伝えていこうというハイテク考古学。その全貌を紹介するので、お楽しみに。


2010年06月17日(木曜日)

 (23:25)日本は人口比にして”ブログ”が非常に多いことはよく知られているのですが、どうやらそれはツイッターでも同じのようです。今週のニュースを整理していて、面白い記事を発見しました。

 それは今週日本で行われた「世界ICTサミット2010」(日本経済新聞社・総務省主催)で明らかにされた。ツイッターのグレッグ・パス最高技術責任者(CTO)が、「1日 6500万個のつぶやきのうち、12%が日本からのもの」だと明らかにしたのだ。

 言うまでもなく、60億を超える世界の人口の中で、日本は1億ちょっとを占めるに過ぎない。にもかかわらず世界のツイートの12%は日本からと言うのは、相対的に非常に多い。

 バス最高技術責任者はさらに、「2006年3月にサービスを始めてからコンテンツは急増。携帯端末などへの対応で使い勝手を高め、いつでもどこでも使えるようにした結果、コンテンツは政治、経済分野も含めすそ野が拡大。利用者も多様化している」と述べた。

 使っていて実際に感じるツイッターは、「良くシステムが落ちるな」というのが最初で、時々日本語検索も落ちるし、各参加者の総ツイート数も曖昧になるなど、随分と欠陥の多いシステムに見えるのですが、2006年の開始年度に比べれば、「よくここまで来た」という印象なのでしょう。

 実際に使っていて感じるのは、「よくここまで多様な意見をオープンに公表できるシステムを無料で作り上げたものだ。システムの負荷も相当なものだろうに」という印象だ。使っている思うのは、非常に現代的なツールだということだ。だから世界的に大成功した。

 その成功の秘訣について、パス氏は「オープンなシステムで、リアルタイム情報をいつでもどこでも利用できるようにしたのが成功の条件」と語った。「他の開発者による16万の関連機能(アプリケーション)がツイッター上で動いている」という。つまり多くの人のオープンな協力で機能しているということだ。

 でもなぜ日本は「ツイッター利用者が多いのか」は、今週のRoundup World Nowでも考えみようと思います。あと、若者向けのエッセイが公開されました。そもそも講座です。ご参考に。


2010年06月16日(水曜日)

 (21:25)最近システムがよく落ちるツイッターもそうだし、アップルのサイトダウン(iphone4に関連して)もそうですが、通信量の激増によるインターネットの通信障害(ユーザー側から見て)があちこちで起きてきた。

 これだけ発生すると、「通信インフラはこのままで大丈夫か」と思ってしまう。Roundpu World Nowで湯川さんが言っていた事態が既に発生しているとも言える。電気の場合は、停電が起きる確率を表現する言葉として「停電率」がある。日本は「世界でも冠たる低停電率国」だが、ネットの場合はどうか。

 「停通率」という単語でも作ろうかと思うが、これは捕捉が難しい。停電はエリアで電気の停止が起きるが、通信の場合はセクターで起きる。アップルの場合も多分 iphone4がらみだけ。しかし最近はいかにも障害が多い。将来は従量制による有料化ですかね。

 今日読んで面白いと思ったのは、地方紙の社説です。岩手県で一番の発行部数を誇る岩手日報。私はこの新聞が小沢一郎・元民主党幹事長に対して過去どういう態度を取ってきたか知らない。

 しかし、小沢さんにとっても有力な地元新聞であるはずのこの新聞の社説(名前入り)に「どうだろう。この辺で鳩山前首相と共に政界から身をひくことを考えてみては」と書かれた。これは政界の実力者にとっては、小さいけれども、一つの分岐点かもしれない。

 社説はこの通りで、『世論は鳩山、小沢両氏につきまとった「政治とカネ」に嫌悪感を抱いているのが明らかだ』と分析、文書の最後を『すでに十分に「使命」を果たしたのではないか』で結んでいる。

 私も「一兵卒」と言いながら、地元の支持者に対しては「今度は先頭に立って....」と言っているのを見て、「これは何を意味するのか」と不思議に思った。9月末の代表選挙に出ると言うことなら、自分が置かれている立場に対する認識が甘い。岩手日報の言う通りだ。

 「自分の代わりに誰かを立てる」「それを画策する」というのもおかしい。必ず二重権力となるので。小鳩政権がそうだった。ということは、小沢さんが国民の彼に対する印象を劇的に変える事態が生じない限り、「身を引くべき」という岩手日報の意見は当たっている、と思うのですが。

 それから、「turgid」ですが、いろいろ調べて、しかし「これ」という端的な訳は見つかっていません。少なくとも前向きな単語ではない。「退屈」だとか。日本人は驚喜しましたが、オシムさんなんかも言っていますが、世界には「面白くなかった」と判断する各国メディアもいる。まあそういうコンテクスト中の単語です。

 重要なことは、岡田ジャパンが少なくとも「世界を驚かす覚悟」の一端を見せてくれたことです。


2010年06月15日(火曜日)

 (02:25)日本がカメルーンに対して嬉しい勝利をあげた後、日本の監督・選手のインタビューはたくさん聞いたので、カメルーンの監督、選手の話を聞きたいと思ったのです。しかし、日本のメディアにはなかなかそれが載らない。

 で、海外のメディアにないだろうかと見ていたら、ニューヨーク・タイムズに面白い記事を見つけた。カメルーンの選手や監督の談話は結局なかったのですが。

In a turgid affair in Bloemfontein, South Africa, Japan beat Cameroon, 1-0, on Monday.

The goal came in the 38th minute, courtesy of Japan’s lone striker, Keisuke Honda, who sneaked in unmarked to the corner of the net and had the easiest of finishes from two yards away.

It was a valuable three points for Japan, which now could be in the mix for second place in the group, after the Netherlands.

By contrast, Cameroon is in deep trouble. The Lions showed very little offensively and will be fancied by few to get any points against Denmark or the Netherlands.

 と短い記事で日本のカメルーンに対する勝利が報道されている。オランダに次いで2位になったのは日本にとっても「valuable」なのは当然だし、「Cameroon is in deep trouble」なのは事実だが、「will be fancied by few to get any points against Denmark or the Netherlands」というのはどうか。日本に負けたカメルーンは頑張るでしょう。

 それはさておき、私が面白いと思ったのは「turgid」という単語が使われていることです。これは私にとって全く聞いたことがない単語。ブックシェルフで見ると、「1 〈言葉・文体などが〉大げさな,ぎょうぎょうしい 2 《形式》〈物・空想などが〉ふくらんだ;〈手足などが〉はれ上がった 3 〈水などが〉油っこい」となっている。

 その意味から、「In a turgid affair in Bloemfontein, South Africa」を理解しようとしても難しい。ネットを「turgid affair」で調べると、スポーツ記事の見出しに使われているケースが多い。そこまでわかっても、適切な日本語が出てこないのです。

 まあ、「勝って当然という」意味でないことは分かる。多分、南アフリカのブルーフォンテインの夢物語よろしく.....日本がカメルーンを破った」といった意味か。いや、正確には分かりません。または、「夢が膨らむ予想外なことに....」か。

 多分英語では、「turgid」はあまり使われない単語なのだが、「turgid affair」で結構使われるのでは。どなたかご存じでしたら、教えてください。

 ところで、ニューヨーク・タイムズの試合分析ページはなかなか面白い。この中のoverviewはこの試合がよく分かる。日本のポゼッション(ボール保有率とでも訳すのでしょうか)は42%に過ぎない。シュートも3だけ(カメルーンは10)。右のタッチ(ボール接触回数)を見ると、ベスト7の6人はカメルーン選手。唯一入っている日本選手は本田の3位。しかしEtooの名前がない。つまりエトーは仕事をしていなかった、させてもらえなかったということ。

 ところで、players rankingに入っている「balls won」って何でしょうか。ボールを奪った回数か、奪われた回数か。


2010年06月14日(月曜日)

 (22:25)まあ使えますかね。ipad に放送原稿を送っておいて、それをipad 内で展開(ワード文書)、その原稿を手でアップダウンさせながら。実際に3本の放送をスタジオでは紙なしで行いました。

 今回の収録は、「世の中進歩堂」の為のもの。7月前半放送分です。番組の性格上、昨日今日の出来事を扱ったものではない。よって一日前にはスタッフの手によって出来上がって私のメールアドレスに送られてきていた放送原稿に、私がさらに私にとって見やすいように手を入れた。

 キーワード部分に赤を入れたり、気になるファクトのところを赤くしてさらに下線を引いたり、字を強調してボールドにしたり。自分が喋るところのポイントを落とさないようにして。これでだいぶアクセントが付いた。

 もっとも番組の直前には最初に筆を入れたときには気がつかなかった事柄が出てくる。それはpages などに文章を移していないと新たに書き込みを入れることは出来ないが、枠組みのあるワード文書はなかなかうまくpages の中では展開しない。

 で今回は、追加ポイントは紙に書かずに丸々覚えることにした。スタジオでipad のほかに紙があると、ちょっと雑然としますから。番組の直前ですから、それはそれで追加ポイントは覚えられる。

 ただこれも事前に用意できる番組だから出来ることだろうと思いました。一瞬を争うライブ的な番組では、局のシステムとつながなければうまく機能しないように思う。ニュースとして機敏に展開しなければダメでしょう。新たな事実も次々に入ってこなければならない。

 まあでも、フューチャリスティクな雰囲気で放送を収録することが出来ました。まだまだ工夫すればいろいろな使い方が出来そうです。ipad が良いのは、PCほど機械じみていないこと。前から見れば、ちょっと盛り上がっているだけにしか見えない。


2010年06月13日(日曜日)

 (23:25)ははは、はやぶさの大気圏再突入とワールドカップでなかなか目が忙しい日曜日の夜。ナマの中継はあまりよく見えなかったが、この再生動画ではかなりよく見える。

 それにしても、「地球と太陽の距離の40倍に上る60億キロ・メートルの旅を終え、打ち上げから7年ぶりに地球へ帰還した」(読売新聞)というのはすさまじい。夢のある話です。

 中に石が入っているといいですね。有人飛行こそやっていないが、日本の航空宇宙分野も徐々に前に進んでいると実感することができる。以前名古屋の三菱重工さんにロケットの取材に行ったときのことを思い出しました。

 ワールドカップは今はセルビアとガーナがやっていますが、アフリカ勢はまだ勝利がない。アフリカでやっているのだから勝って欲しいが、まあそれが日本戦であっては欲しくないな、と。

 ところで、紙を大量に使用する放送の分野でipad を使えるかもしれない、それによって紙の量を減らせるかもしれないと使い方を探っているのですが、アイデアの書き込みができないなどいろいろ問題はある。

 しかし、かなり時間の余裕をもって事前にもらった放送原稿は、一回コンピューターに落として(例えばデスクトップなどに)、注目するところなどを赤にする、下線を引く、斜にするなどで印をして、ipadに送れば、それはそれで使えるかもと思って、明日はそれを試そうと思っています。収録があるので。

 どんなことになるのか、楽しみ。


2010年06月12日(土曜日)

 (16:25)湯川さんのIT特集を聞き直していましたが、やっぱりおもしろい。キーワードだけでも実にカラフルです。itunes store の podcastビジネス部門からもダウンロードできます。出てきたキーワードは

 「集合知の利用」
 「あと置きフィルター」
 「クラウド・ソース(crowdsource)」
 「user generated contents」
 「マス・コラボレーション」
 「web squared」
 「velocity とdivide」
 「ネットワーク維持の負荷増加と、その持続可能性」
 「network neutrality」
 「技術が変わり、制度が変わり、社会が変わる」

 話は「トイレの落書き」(伊藤)、「空っぽの洞窟」(湯川)論から始まり、今のネット技術やその利用の現状など。それぞれのキーワードは番組を聴いていただいたり、ネットで調べていただけばよいのですが、なにせ新しいキーワードが多いので、ネットにも端的な説明がないものが多い。そこでちょこっと。

 「集合知の利用」とは、このサイトが比較的詳しいのですが、

 『「専門家を追いかけるなんてことは間違いで、しかも大きな犠牲を伴う間違いだ」ということだと書いています。一握りの天才や専門家の判断よりも、普通の人が集まったごく普通の集団の判断の方が実は賢いことが往々にしてあることを示し、「専門家を追いかける代わりに、集団に答えを求めるべきなのだ」』
 という文章の中によく表現されている。すべてにではないが、これが当てはまる分野は多い。ある意味、裁判員制度というのもそういう側面があるのですが、社会のあちこちで始まっていて、ネットの世界ではそれがより可能になる、ということでしょう。つまり、「集合知を利用する」ということが。

 それに関連しては、「クラウド・ソース」も面白い単語です。それは、今はやりの「cloud(雲)」ではなく、「crowd(大衆)」の意味です。「crowd」を流行り物の選別で信頼するに足ると考えると、彼の言う「あと置きフィルター」設置が可能になる。彼は映画会社が最初に作品にフィルターにかけるのではなくて、まずは全部ネットにアップして、アクセスした人が「これは面白い」と選んでいって、結果的にフィルター選択できる、というシステムに触れている。考えてみればyou tube はそういう方式になっている。

 「ネットワークの負荷」と「その持続可能性」の問題に関しては、私と湯川さんの意見がちょっと違いました。しかし今聞いていて、湯川さんの意見の方に一理あるなと思いました。ツイッターで寄せられる意見も、そういう意見が多かった。つまり、「今のままではパンクする」と。

 まあでも私は、ネットが通信の道であるとしたら、いずれ道路を税金で造っているように、ある程度の政府からの補助金とか維持費が出ても良いと思っていて、あとは従量制との組み合わせの問題だと思っているのです。今の高速道路には、利用者の利用料金がかかる。当然の話だと思う。とすれば、google とかの業者には、ある程度の利用料を付加する。そうすれば、ネットワークの利用不可というのは当面はない、と。

 「(ネット社会の発展は)朝ご飯を食べたくらい」という彼の意見には私も賛成です。ということは、これから「昼飯」が出て、さらに「夕飯」が出てくる。今でさえ世の中のワーキングを変えているネットは、ますます経済、人間関係、社会、そして政治を大きく変えることになる、ということです。


2010年06月12日(土曜日)

 (11:25)ワールドカップが始まって、ついつい見てしまいます。私より熱心な人が多いようで、金曜日は夜は10時を過ぎたら店の客が少なくなったので、経営者の方に「今日はどうしたんでしょう」と言ったら、「しょうがないんですよ。ワールドカップだから」と。

 私もそれで、「ああ今日からか」と思い出した次第。この時期お店は大変なんですよ。2回前の大会の直前に店開きしたお店は、「開催期間中、思ったよりも夜のお客が激減して、ほとんど最初から経営が傾きました」と言っていました。その後そのお店は看板の書き換えを余儀なくされました。景気もあったのでしょうが。

 で、金曜日は家に帰ったらちょうど南アフリカとメキシコの試合の後半が始まった段階で、南アフリカが1−0でメキシコをリードしていた。「勝ったら南アには勢いがつくな.....」と思ってみていたら、メキシコがゴール。そのまま引き分けでした。

 寝ようと思ったが、次の中継が「フランスーウルグアイ」と聞いて、「うーん、見たいな」と思いながらうたた寝をしていたら、ちゃんと3時30分ごろに目が覚めた。これは不思議です。

 結局最後まで。それから寝て今起きても、眠い。ワールドカップ期間中はこんな状況が続くのでしょう。フランスも随分とメンバーが変わっていて、アンリが出てくるまでは顔を知っている選手はあまりいなかった。

 日本でも中村俊輔が控えに回りそうだと言うことで、調子が悪いとはいえアンリが出てこないフランスも世代交代が進んだ印象。問題はそれが成功しているかどうかです。見ていた印象では、フランスは迫力はなかった。ウルグアイが一人退場して10人になっても、結局攻めきれなかった。

 見ていて一つ思ったのは、日本国内試合の中継より、映像が全般に鳥瞰的な映像が多い。つまりカメラの視点が遠いのです。選手一人一人が小さく見えてしまう。それが試合全体をちょっと迫力のないものにしている可能性がある、と思いました。国際映像とはああいうものかもしれない。

 それにしても最初の2試合が「ドロー」で、ちょっと不満が残ったな。一次リーグはこんなものかもしれない。それぞれ勝ち点を考えますから。二次リーグは生き残り戦。フランスはウルグアイが10人になって初めて本気になっていたが、それでも点は取れなかった。はやり勝負は引き分けではあまりおもしろくない。

 それにしても南アフリカにはもう一度行きたい。私は南アフリカなどアフリカ大陸の南部には1983年に一回行ったことがある。はっきり覚えていないが3週間くらい居たと思う。まだアパルトヘイトの時期です。日本人は「名誉白人」というあまり受容したくない地位にいて、商社の人など日本人は数少ないがいた。

 記憶に残っているのは 1)ケープタウンのテーブル・マウンテン 2)喜望峰 3)キンバリーのビッグホール 4)エレベーターを何回も乗り換えて地下に潜って見た金鉱山 5)ナミビアのダイヤモンドーーなどです。それほど長い期間いたわけではないし、時代も全然違うが、今でも残っている印象は、「極めて緊張感の高い国」というものだ。今でもその事情は変わっていないような印象がする。それは高い犯罪率だったり、まだ残る人種間の対立感情にもよる。

 その後一回も南アに行ってないのでわからないが、映画を見ている限り、美しい話もある中で、まだまだ安定しない国情がありそうだ。今も昔も変わらないのは、とっても美味しい南アフリカワインでしょう。

 金曜日にも、「ワールドカップ関連ビジネスは南アフリカ・ワイン以外は不調」とありました。ま、行けないからワインでも飲みますか。


2010年06月10日(木曜日)

 (17:25)嬉しい電話は大阪からでした。「今日納豆が入りました」と傘やさんから。好きなんですよ。ここの納豆が。大阪なのにめちゃうまい。楽しみ。

 出来上がった原稿は、ここの第73回です。中国の今の政権には、非常に大きな弱点があります。それは、「統治の正統性の希薄化」という問題。それを扱いました。

 行ったセミナーは、野村ヘッジファンド・セミナーでした。ここで50分間喋りました。演題は、「再拡大を開始した世界経済〜その可能性とリスク〜」でした。

 珍しくグーグルのプレゼンテーションを使い、「今の市場が抱えるリスク」という大枠の中で、「世界経済が抱えるリスク」として、

  1. 拡大した財政をバランス方向に戻す必要性があるのに、それは最終的には各国の選挙民に依存している点
  2. 中でも、経済事情が違う多様な国を束ねて経済体、通貨圏を作っているヨーロッパの抱える問題
  3. 今の成長の核である中国が抱える諸問題(主要都市の不動産バブル、インフレ、民衆の不満の累積)
  4. 世界的な反”金融”感情
 を指摘し、さらに「市場自らが抱え込んだリスク」として
  1. ”のこぎり”マーケットの中で、市場が「値動き覚え」をした可能性がある。つまり、「ショートの方がワークする」という経験知の蓄積
  2. その中で、持続的上昇の”sustainability”に対する不安→むしろ上昇相場がしばらく続くと不安になるという現象
  3. マーケットが自ら生み出したvelocity に対応できなくなっていることのリスク(flash crashなど)
 まあ、市場に関心のない人にはちんぷんかんぷんかもしれませんね。メールによるお問い合わせはご遠慮ください。それにしても、今見たグーグルのバックが大きく変わっている。これは何?

 金曜日の「世の中進歩堂」は、「環境知能化研究」をお届けします。BS7の午後10時24分から。『生活空間が知的に変身!省エネに防犯!健康管理を徹底サポート!』と題して、家中にセンサーとパソコンを埋め込み、生活空間を知能化するという驚きの研究を紹介します。

 キッチンやコンセントなど身近なものが次々に賢く変身します。そして節約生活や、省エネをサポートしてくれるとっても便利なシステムとなって生まれ変わる。暮らしの中のあらゆるものを知能化することで我々の暮らしはどう変わるのか、ということで、その全貌に迫ります。お楽しみに。

 それから、同じく金曜日の伊藤 洋一のRoundup World Nowは、クラウドと先端学際の過去2回ですばらしい解説を展開してくれた湯川抗さんが登場です。通常の放送はありません。よろしゅう。


2010年06月10日(木曜日)

 (05:25)昨日の文章の最後に書いたquanp for iphoneは、私が寝こけている間に APP STOREにアップされたようで、早速iphone とipad の両方にダウンロードしてみました。

 iphone の方はダウンロードしただけで使える。しかしipad の方はもともとiphone 用のアプリだからでしょう、ダウンロードしただけでは駄目で、一回ipadをシャットダウンすると次から使えるようになる。ipad では最初のダウンロードでは画面が認証した後落ちます。ただし、リブート後に使えるようになっても、画面サイズはあくまでiphone 用で、ipad の画面の良さ、それに大きさが生かされるソフトウエアにはなっていない。ipad用は画質をもっと良くする必要がある。

 iphone に入れたquanp を説明も何も読まない段階でちょこちょこっといじった段階では、以下のことに気がつく。

  1. PCでの起こしよりも機敏にソフトウエア(quanp)の中味を見ることが出来る。ただし写真の解像度は落ちる
  2. 画面の下に「カメラボタン」があって、それによってiphoneのカメラを起動させ、写真を撮り、その写真をquanp の中のプレースを指定して放り込むことが出来る。名前を付けることも、コメントを付けることも出来る
  3. 「ボイスメモ」のボタンがあって、それによってiphon のボイスメモを起動することが出来て、音声を取り、それをそのままプレースを指定して放り込むことが出来る。再生は「右▲見る」を少し長押ししてiphone サイドにダウンロードすることによって可能。つまり音声ファイルをいながらにしてquanpに投げられる(一つプレースを作るのもアイデアかもしれない)
  4. quanp に入れてある文章ファイルのうち、doc またはdocx は問題なく開けるが、html で書いたテキストファイル(私の場合は秀丸)はガーブリングになって読めない
 などでしょうか。まあiphone によってquanpに入れた文章を読んだり、直したりしようとは思いませんから、写真が見れたり、iphone で撮った写真をそのまま自分のquanpの特定のプレース(windows のフォールダーに相当)に入れられるのなら文句はない。音声ファイル作成は面白いかもしれない。これまでdocomoのケイタイなどからの写真のquanp へのアップロードは、home に対してのみ可能だった。これは大きな改善だ。

  ipad に入れたquanp は不自由です。もともとipadにはカメラがないのでカメラボタンを押しても何も起動しない。ボイスメモはipad に入れたgoogle mobile では起動するのに(ipad でも音声検索できます)、なぜかquanp では起動しない。

 まapp store でもそう表示してありますが、これはあくまで「quanp for iphone」なので、それほど時間を置かずに発表されるであろう「quanp for ipad」では改善されているはずです。しかしカメラはipad にはもともとないのだから、どうしようもない。このボタンはipad 専用ではなくなるはずです。

 「quanp for iphone」としては新機能が付加された分だけナイスと言えます。ただし、iphone の次の世代はせっかく画像処理能力が非常に高くなったと伝えられているのだから、「qunap for iphone」で表示される写真の解像度をかなり上げて欲しい。でなければ、次の世代のiphone のニーズにはちょっと合わない予感がする。

 まあでもそれは将来の話。大きな改善がなされたと思う。このiphoneに入れたquanpソフトを使うと、今まで頭の上のかなり上空にある雲にファイッルを投げていた印象が、眼下の雲にファイルを投げ落としている印象になる。雲が日常に大接近。いいですよ。


2010年06月09日(水曜日)

 (18:25)今日はさすがの私も、そのまま実行すべきかどうか迷いました。タクシーの中だったからです。

 何かというと、数日前に入れた「google mobile」を使って大阪のレストランを検索しようとしたときです。iphone で。ふっと見ると、右上に「音声検索」とある。「ありゃ、声を発すれば検索が出来るんだ。やってみよう」と思ったのです。

 しかしそこで考えた。そのまま喋れば運転手さんが確実に「何ですか」と後ろを向く。どうしよう。一瞬考えて、「運転手さん、喋るけど気にしないでね」と言った。その上で、「大阪 マーブルトレ」とiphone に向かって喋ったのです。そしたらちゃんと出てきましたね。私が欲しい平野町の店ではなく、中之島の同系列の店が。

 「これは使える」と思いました。二つの単語の間をあけて喋ったら、ちゃんと二つの単語として認識している。私はfat fingers ではないが、これは楽でいい。まあちょっと周囲に気を遣いますが、絶対的に楽。同じアプリはipad にも入れてあるので見たら、ちゃんと「声を発せよ」のマークが出ている。ipad でも出来るんです。

 このグーグルのモバイル用の検索サイトは、めちゃ速い。今日は別の人の講演会を聞きながら、机の上にipad を置いて、知らない単語が出てきたらこれで検索していたら、その検索スピードに感嘆した。あれよあれよという間に調べられる。ネットは万能の辞書ですが、google mobile はそれを助けてくれる。どんな単語を調べたかというと、「NIST」「SSO」「HAAS」「SLA」「SFA」「CRM」「ERP」など。要するにクラウドがらみです。

 別の人の資料に入っていた言葉で、これは面白いと思ったのは、「ネットワークがコンピューターになる」というやつかな。実際の所、私の使い方はこれに近い。もうクラウドがなければ、私のコンピューターは非常に使い勝手が悪い重い機械に過ぎない。ネットワークがあってのコンピューターです。

 まあでもこれは他の方とも意見を共有したのですが、クラウドに関しても各社ばらばら、国も明確な指針を示していない中では、そしてガジェットでもアメリカの後塵を拝する今のような状況が続けば、「日本のコンピューター産業は駄目になる」「その危険性がある」というものです。各社も国もよほど相互協力体制を組んでいかないと、10年後が恐ろしい。

 今日のセミナーでの具体的な商品説明は、グーグル対抗のメールシステムだったのですが、もっと日本からこういうサービスが次々に出てこないものかと思って聞いていました。あと一つ面白いと思ったのは、「クラウドサービスは優れてグリーバル化」の最中にあり、多言語対応が求められる点でしょうか。

 クラウドといえば、ここ数日で期待が高いのはquanp for iphoneでしょうか。quanp はドコモのケイタイに対応しているので、「遅すぎた」と言えばその通りですが。今見たら、app store にはアップがまだない。


2010年06月08日(火曜日)

 (19:25)今週月曜日の朝でしたが、金融市場関係者向けのニュースレターの中で、概ね次のように書きました。

  1. 新内閣は7月に予定されている参議院選挙、その後の9月の民主党代表選挙と、すでに予想される政治日程的にも大きなハードルが二つある。前者は全国民による投票によって決まるが、後者は党所属の国会議員を中心に同党のサポーターによる投票で決する

  2. 二つとも容易な戦いではない。国民の民主党への期待は、鳩山前代表時代の迷走によって大きなダメージを受け、「新代表、新総理が生まれたからと言って、民主党の今までの迷走を許せない。騙された」という国民は多いだろう。これは政権党としては深刻な問題だ

  3. 鳩山政権時代の「政治と金の問題」は残ったままだ。それでも菅代表の登場と、彼が新総理に決まった今の段階での民主党への支持率上昇は、それまでの鳩山政権迷走で、国民のそもそもの民主党に対する期待度が低くなったが故の脚気反応の部分と、先週木曜日の株価大幅上昇など市場の動きに示される「(経済政策でも何でも)鳩山政権の9ヶ月よりはましだろう」という一種の期待によるものと考えられる

  4. こうした中で迎える参議院選挙では、菅新総裁はまずは一定の成績(国民を納得させる政策でも良い)を残さねばならない。本人はそうは思っていなくても、鳩山前総理をほぼ総意による辞任に追い込み、菅直人氏を代表に選んだ民主党所属議員、特に改選期を迎えた参議院議員の思いは、「とりあえず選挙の顔を代えたい」「鳩山前代表よりはましだろう」というものだったろう

  5. とすれば、菅新首班は、「目標は参議院で単独過半数を取れる60議席」(輿石・民主党参議院議員会長)という高いハードルは別にしても、「惨敗」と言われるような状況は回避しなければならない。鳩山・小沢の体制が続いていれば「30も危うい」と言われた中では、40議席、50議席でもいいはずだが、党首を代えたばかりの民主党としては不満が残る。菅新総裁には、「60に限りなく近い議席」が参議院選挙では望まれるだろう

  6. 9月末の「任期2年」の次期民主党代表を決める選挙は、参議院選挙の結果を色濃く反映するものとなる。惨敗すれば、「せっかく選挙の為に顔を代えたのに効果がなかった」ということで、新総裁、新政権への風当たりは強くなる。今回檜舞台から降りることになった鳩山首相は「次期衆議院選挙には出ない」と自ら影響力の低下を受け入れる意向を示しているが、一方の小沢幹事長は「9月には新しい候補を立てて戦う」ことを示唆している。樽床伸二氏の内容のない酷い立候補演説でも、423票のうち129票も彼に入ったのは、もっぱら党内力学による

  7. 中身はどうより、樽床候補は民主党内の小沢グループの支持票を集めたものだ。今の民主党でその所属関係だけで130近い票を集められるのは小沢一郎氏しかいない。7月の参議院選挙の結果が芳しくなく、菅新政権への国民の支持率が高まらない場合には、9月末には菅代表(総理)は改めてその資格を問われることになる
 と全体的状況を分析した。今日の午後5時からの記者会見は、「むしろ新しい政権が始まった」という高揚感が先に立っていたが、実際には厳しい。菅・新総理が挙げた「50議席」も、達成が確約されたものではないと考える。

 しかし私はそういう全体的な状況にもかかわらず、先週後半の日本の市場(特に木曜日)が示したように、マーケットの新政権に対する期待は低くないと考えている。前提は、衆議院で308を持つ民主党が総選挙に出る可能性は少ないという現実と、今の自民党では再び政権を預けるには力不足という点。その上で、「期待は低くない」と見るのには、いくつかの理由が考えられる。

  1. 4代も続いた「首相の孫」や「首相の子」の総理の時代が終わり、必ずしも「恵まれた家庭」(鳩山氏)ではない出身の首相が誕生したことで、「失敗の連鎖」がもしかしたら断ち切れるかもしれないし、少なくとも「庶民感覚」を持っていることは歓迎できるとの認識

  2. どう考えてもマーケットから見て空想主義と現実主義が"まだら模様"に入り交じっている鳩山首相に比べて、政策が地に足がついたものになる可能性が高いのは歓迎できるし、財務相時代の一連の発言を聞いていても、市民運動出身にしては「反マーケット」「反経済界」の様子は伺えないし、経済政策の理解度も高いと考えられる

  3. 鳩山由起夫氏の失敗は明らかに「後で責任をとらない言葉の連発」にあったが、菅直人氏には言葉を発するときの思慮深さが前任者より数倍はあると考えられ、円相場が日本経済に与える影響や非ケインズ効果、消費税の必要性などについても理解していると考えられる
 むろん、菅新総理はまだ記者会見しただけ。「人はその言葉ではなく、行動で評価しろ」という昔からの格言を重視するなら、実際に総理の仕事を始める前に判断できることは少ないかもしれない。鳩山内閣の閣僚名簿を見ながら、まずまずの仕事をした人は残り、口蹄疫でどう考えても対処を間違った赤松農相などは更迭されているという印象だ。何よりも官房長官の仙石由人氏は、前任の平野さんよりは賢い対処ができるだろう。知名度も高い。

 もっとも、二つの選挙ばかりか、例えば普天間の問題一つにしても新政権が抱える課題は大きい。菅新総理は「日米合意を重視する」と述べている。それは政治的には社民党が連立に戻ることが難しいことを意味している。日米合意はあくまで辺野古への普天間基地の機能の移設を前提としていて、今の福島同党党首のスタンスだと菅代表の下でも同党の連立復帰はないだろう。とすれば、参議院選挙で敗北すれば政策運営はきわめて難しくなる。菅新首相は必ずしも仲の良くない亀井・国民新党党首との連立を継続したが、それも政治的ニーズからだ。

 菅新総理も記者会見の中で少し触れていたが、市場が注目する新政権の課題は

  1. 世界的に財政悪化への懸念が高まっている中で、中期財政展望をどう組み立てるか。特に消費税の取り扱い。少なくとも議論には積極的な菅・仙石のコンビがどう対処してくるか

  2. 非ケインズ効果を考慮した上で、日本の成長戦略をどう組み立て、国民にどう提示してくるのか。身内である労働組合の要求をどう押さえ、国家公務員の定員削減・給与引き下げなどに踏み込めるか

  3. 法人税の引き下げなど企業の競争力を高める政策をどう打てるのか。中国や韓国など近隣諸国、それにヨーロッパ諸国やアメリカとの関係をどう組み立てられるのか

  4. 非現実的な目標を掲げた先の衆議院選挙の民主党のマニュフェストを「状況は変わった」と自らの論理で日本が置かれている状況下で手直しすることができるのか(それは参議院選挙のマニュフェストの形で修正できる)
 菅新総理の記者会見はテレビに出演しながらなので全部を聞いているわけではないが、現時点での印象は、「命」とか「新しい政治」といった鳩山語が影を潜めたこと、日本の目指すある種の国の理想形として具体的にはスウェーデンを挙げたこと、「強い経済、強い財政、強い社会保障」ということを強く思っていると思われること、財政の配分という言葉を使ったこと、「借金への警告」があったことなどです。まだ具体的に政策を見る必要がありますが。「最小不幸社会」っていうのも、彼の持論ですよね。

 3ヶ月間はどう考えても続く試練にどう立ち向かうのか。民主党新政権の苦闘は続くと言うことです。対外的にも、対内的にも。「修行の場」「奇兵隊内閣」ですか。


2010年06月07日(月曜日)

 (23:25)実に実に不思議な体験でした。キーボードを叩いているのに全く音がしない。全くの無音なのです。

 なんの話かというとipad。appストアのソフトウエアであるテキスト作成の為のソフト、Pagesを教えてもらってダウンロードし、今日初めてipadで文章作成をして、このコーナーにアップしています。正直言ってかなり順調に入力出来る。htmlのタグは辞書に覚えさせていないので、それは後回しにしたが、文章は全部ipad上で書きました。

 ipadを横立てにしてキーボードを大きくすると、半分くらいブラインドタッチに近い感覚で入力が出来る。これだけ順調に打てるのなら、1000字くらいのちょっとした原稿は問題なく打てるという印象。

 タッチスクリーン上のキーボードで打っているので、「設定」でのキーボード入力音をオフにするとキーボードを叩いているのにまったく音がしない。これは、不思議な感覚だ。普通のキーボードは物理的に音がする。これはかなりのメリットだ。自分もそうしているのでヒトのことは言えないが、新幹線のあの静かな車内では、キーボードを叩く音はチョット気になることもある。

 入力にはいくつかのコツがあることが分かってきた。候補の一番はそこにタッチしてもいいし、スペースキーで一回進ませて確定キーを押してもいい。後ろの候補の選択はスペースキーを何回も押して進むよりは、上の候補に見えたらそれに直接触った方が良いようだ。スペースキーは一回推して、次に入力を続けるのが携帯と同じで最も省力的だ。

 現実問題として出てきた可能性は、入力装置としてのPCは家やオフィス、それに頻繁な立ち寄り先には必要にしても、例えば新幹線の中などでは本当に要らないかもしれないと言うことだ。無論問題はある。タグは連絡先に辞書登録したり、atokの利用が可能になるまでを待つにしても、FTPが出来ないことだ。

 いくつかの課題はある。しかし、ダメだと思っていた文章入力でもipadが結構使えることが分かったことは収穫だったって。全く音がしない入力に、周りのヒトは不思議な顔をしていたな、ははは。


2010年06月06日(日曜日)

 (09:25)先週の「伊藤 洋一のRoundup World Now」でも少し取り上げましたが、その時は他の話題が多くて「ポイント」として取り上げて多くを語ることができなかったので、この問題を少し取り上げます。まず私が「へえ」と思ったニュースから。

 「クラウド利用、米の4分の1 日本企業の導入14% 基幹業務で遅れ」

 インターネット経由でソフトなどを利用する「クラウドコンピューティング」サービスを利用する日本企業の割合は14.8%で、米国の4分の1にとどまることが総務省の調査でわかった。電子メールやデータ保管など情報系システムで利用する割合は日米でほぼ同程度だが、受注販売や生産管理など基幹業務への導入で遅れている実態が浮かび上がった。

 調査は野村総合研究所などの協力で、インターネットを使ったアンケート方式で実施した。対象は両国とも500社。クラウドサービスの利用実績の有無や今後の導入予定、どのような業務に採用しているかを尋ねた。

 米国ではクラウドサービスを利用している(利用したことがある)と答えた企業は56.2%あった。どのようなサービスに利用しているか聞いたところ、購買システムでの利用は米国企業が25.6%に上る一方、日本企業は7.8%にとどまった。

 クラウドサービスを利用すると自社の外部に情報を保管することになる。日本企業は安全性などの面から基幹業務への導入に慎重になっているとみられる。

 実は先週の後半は講演も含めて「クラウド」を考えることが実に多かった。まず私の「日本でクラウドはどのくらい認知されているか、利用されているか」に関する印象を言うと、「みんな興味はある。しかし個人的にも利用している人は少ない。ましてや企業になると」ということでしょう。それが14.8%という数字になっている。

 私がもっぱらクラウドに関する話をした金曜日の講演会の主催者は、「タイトルを”クラウド”にするだけで、人が集まる」と言っていた。これは、日本において「クラウド」がまだ身近にはないが、「そろそろやらねばまずいもの」と考えられている証拠だ。20年ほど前の、インターネットに関する認知が少し進んだ状態に似ている。しかし、実際にはあまり多くの人がやっていなかった。

 私はクラウドの話をするときには、会場のどのくらいの人が実際にやっているかを調べるため、挙手をお願いしている。

 「dropbox は知っていますか」
 「ではevernote は」
 「quanp を使っている人」
 「グーグルのメールは使っている人はいるでしょう...」

 といった感じ。私が聞くのはもっぱら、パブリック・クラウドです。

 金曜日にもそれをしたのですが、挙手は実に実に希薄だった。パラパラ。一番手が挙がるのはやはりgmail ですが、次がカレンダー。その辺はまだ多い。といって、会場に居る人の10分の一以下。しかし、documentsやspreadsheets、さらにはpresentations になると数える程です。つまり、シャイで手を挙げない人がいたと仮定しても、そもそも日本では実際にクラウドを使っている人は少ない。

 まず考えられるのは、日本の多くの人がたとえばマイクロソフトのオフィス、特にパワーポイントやワード、エクセルなどに慣れてしまったので、ファイルの蓄積もあるし、そのフォーマットを例えばグーグルのドキュメントに変える意志を持ち合わせていない、ということが考えられる。そういう私も、「dropbox」や「quanp」を知ったのは、それほど昔ではない。私は実は先週の前半まで、「新システム嫌い」の日本人の性向が出ていると思っていた。

 しかし先週のちょっとした関係者の会話、具体的には講演の後の Q&Aから、日本の企業人のかなりの部分が、「やりたくてもやれない」状況にもあることがわかった。私は言ってみれば一人で動いているわけで、「これを試したい」と思えばすぐにできる。しかしどうやら、企業に席を置く人たちは社内規則、コンプラなど実にいろいろな制約を受けている。つまり、「やりたくてもできない」という状況がある。特にシステム採用においては。

 「過去5年間日本のIT業界は、そういう意味では独創的なサービスを考えついていない。あまりも縛りがきつくて」という人もいた。社内規則やコンプラ。いろいろ問題があることは理解できる。クラウドに出して何かあったら誰が責任をとるのか、社会にどう説明するのか....などいろいろあるでしょう。しかしでは、「なぜアメリカの会社は、”受注販売や生産管理など基幹業務への導入”を進められるのか」と思うわけです。だって、アメリカにだって社内規則やコンプラはあるでしょう。

 個人で使える限りのクラウドを使っている人間としては、

 「こんな便利なものはない」
 「もうUSBメモリーなんてもって歩けない」
 「ずいぶんとコンピューターの利用にかかるコストが安くなった」
 「ほかの人はなぜ使わないんだろう」

 と思っている。だって私が使っているクラウドはリコーさんのqunap 以外は全部ただ、またはただの領域のサービスです。私自身は漏洩をあまり心配しない。だって、HPサーバーで公表しているデータが多いのだから。ちょとややこしいデータは、名前を昔からよく知っているリコーさんのquanp に投げている。USBメモリーはほとんど友人にやりました。

 これは私の考えですが、企業もクラウドを使うべきだ、と。なぜならコンピューターやそのシステムに関わる固定費を大きく削減できて、企業統治の幅が増えるからです。麻生政権の時のエコシステムもセールスフォース・ドットコムという会社があったから、あれだけ短期間に稼働できた。

 この問題をツイッター(私のツイッターID=ycastercom)で議論する中で、二つの点を私から指摘しておきました。日本社会に根深く存在するクラウド消極論に対する私の考え方として。

  1. 情報やソフトウエア外出しのクラウドは心配だという人が多いが、実際には企業内システムでもいくらでも機密や個人情報は漏洩している。つまりこれは”確率論”の話ではないのか

  2. 加えて言えば、クラウド業者の方が秘密保持をしなかったら今後商売も出来ないという意味では、保持には随分と配慮するはずだし、機密保持の為のシステムにもお金をかけると考えられはしないか。よってセキュリティーは高まりはしないか
 中小企業が独自にコンピューターシステムを構築し、少ない予算でセキュリティーシステムも作る。私はそこにはシステム上の問題点に加えて、セキュリティー上の問題点も出てくると思う。なぜなら、そうした企業はセキュリティーに逆に多くのお金を掛けられないからだ。結局穴だらけになる。

 私が心配するのは、企業としてクラウドをうまく使えるのか、使いこなせるのかは企業の国際競争力に関わると思っているからです。50%を超す企業が基幹システムにまでクラウドを使っているアメリカ。対して日本は、「電子メールやデータ保管など情報系システム」を中心に14.8%では企業の運営コストに差がつくのは明らかです。

 総務省の調査には日本とアメリカしか出てこない。しかしおそらく、中国やインドでは有線電話よりも無線の携帯が素早く普及したように、コンピューター・システムといえば”クラウド”という展開になるだろう。ということは、彼らは随分と安いお金でコンピューター・システムを構築し、それを運用するはずだ。

 企業がクラウドに勉強はするが採用に躊躇している気持ちはわからないではない。しかし冷静に考えれば、世界のコンピューターの世界が進む道はクラウドでしかない。手元のコンピューターに膨大な資料や複雑なソフトウエアを入れきるのは無理です。日本のベンダーが日本の企業が安心できるクラウドシステムを品揃えしなければならないのは当然として、企業の方も「クラウドで何ができるのか」を考えてシステム展開を図るべきではないのか、と思うのですが。


2010年06月04日(金曜日)

 (15:55)まず二つの番組の紹介から。一本は、『ルフトハンザ ドイツ航空 presents 伊藤洋一のReal Europe 第4回パンツェッタ・ジローラモ氏編 』です。

 電子版
 itunes への直接ページ

 というリンク関係です。ご存じ、今回のゲストはちょい悪オヤジのジローさんです。ははは、その後いろいろ報道があったりして相変わらずお騒がせの方ですが、面と向かうと面白い。なぜ彼が「ちょい悪」と呼ばれるようになったかなどのサイドの話しも。彼の美意識がたっぷり聴ける番組になっていると思います。

 もう一つは、世の中進歩堂で、今回は「ワイヤレス給電」です。つまり、電気の供給をワイヤレスでやってしまおうという話し。

 「ワイヤレス給電」という最先端のエネルギー技術を研究しているのは、東京大学の堀 洋一教授。私と同じ名前。電源コードに繋がずに電球を点灯させられる“ワイヤレス給電”技術を開発した。このシステムを使えば、我々の身の回りにある様々な電気製品が、電源コード無しで使えるようになる、という。

 ワイヤレス給電を製品に応用する動きはすでに様々な分野で始まっている。携帯電話サービスでお馴染みのNTTドコモは、携帯電話用のワイヤレス充電器を開発中。また、大手電機メーカーのソニーでは、テレビをワイヤレス給電で動かすことに成功した。

 さらに、昭和飛行機工業が開発中の電動バスも、ワイヤレス給電で充電して走るのだという。携帯電話から交通システムまで。我々の生活を大きく変えてしまうかもしれない“ワイヤレス給電”技術を紹介する。

 ところで、午前中から昼にかけて民主党の代表(総理大臣になる)選出の為の両院議員総会を見ながら、「日本の総理大臣の選考・選出プロセスは実に脆弱だと思いました。これでは、候補者は選ばれる過程で大きな試練に直面することもなく、それを乗り越える経験を積むことは出来ない。従って良い人材が必ずしも選ばれないのではないか、と思いました。

 まず思ったのは、菅直人候補に対抗して出た樽床伸二候補の演説の内容のなさです。10分の限られた時間であることを勘案しても、「一つになろう」ということだけで、あとは地域主権に触れただけ。

 改めて思ったのは、「この人を総理にしたら大変なことになる」ということです。しかし、菅さんに対抗して出た人はこの人だけで、実際の得票も演説内容からは信じられない129票もあった。これと言った候補者を立てられなかった小沢グループの多くの人が入れたのだろうが、入れた人は「この人が総理に相応しい」と考えたのではなく入れているのだろうことが恐ろしい。

 もし仮に党内力学が大きく働いて彼が勝ってでもいたら、衆議院環境委員会の委員長を経ただけで総理大臣になってしまう危険性があった。怖いことです。菅直人さんの演説も、あちこちに気を遣いすぎてそれに時間を使ってしまった嫌いがあるが、自分の弱点である外交に関する言及もあったし、まだ良かった。

 それにしても、アメリカの大統領選挙における候補者は、「あらゆるところからのチェック」が働くようになっている。一つ一つの発言をチェックされ、過去が暴かれ、そして表情一つ一つが判断される。それに比べると、日本の総理候補者はあまりにも安易に出てこれる。

 確かウォール・ストリート・ジャーナルだったと思ったが、日本の総理に関して「easy come easy go」と。過去20年で16人も総理が替わったならそう言われても仕方がない。日本の政治のトップの選出プロセスは、実に脆弱で、簡単になれるから、簡単にすげ替えられるとも言える。


2010年06月03日(木曜日)

 (00:55)友遠方より来たる......と言ってもニューデリーだからそれほど遠くはない。しかし、「日中は47度になる。従業員にも外に出るなと言っている」という場所だから、やはりそれは遠方か。

 彼等は昨日日本に着いて、そのまま食事に駆けつけてくれた。彼等とはチャタルジーさんとその奥様。彼は、私がインドに行ったときには必ずご一緒願っている。2004年はこんな感じでした。その後も私が行ったときには世話になり、彼等が来たときには私がいろいろなところを紹介している。

 彼はニューデリーでキノコのエノキから名前を取ったenokisotutionsという名前のホスティング会社をやっている。ついでに言うと、彼は「enoki」という名前の検索サイトの立ち上げにも尽力。多彩な人材です。

 3時間弱いろいろと話しをしました。いろいろ面白い話しがあった。

  1. インドの成長は加速している。高速道路が造られているニューデリーからジャイプールまでの沿道は、マンションが林立する通りになりつつある
  2. もともと日本人が多かった新興住宅街のグルガオンでは、5億円もするマンションの部屋が売り出されている。人口も増えていて、日本人もますます増加している
  3. 街からは土が消えて、コンクリートの街になりつつある。それもあって、今年は異常だとは言え、非常に熱く、6月は朝が38度、昼は47度に達する
 など。あとおもしろかったのは、インドでも携帯メールなどが普及するプロセスの中で、「文章を文法通りに書ける人が少なくなった。単語の綴りも間違う人が多い」と。「日本と同じだ」と思いました。ということは世界的な現象?

 彼の仕事の話しもしました。今はBーTOーBが仕事の大部分だそうですが、かなり安く貸し出しているということで、取引は増えていると。私もサーバーをそのうち彼のホスティングにしようかな、と思っています。

 いろいろ話題が出ました。例えば、バンガロールのこのホテルのタンドリチキンが美味しかったことなど。私は今でもここのチキンを忘れられない。彼等がインドに帰る前に、もう一度食事をしようと思います。


2010年06月02日(水曜日)

 (05:55)発展途上なのはタブレット市場だけではない。最近注目されるツイッターも途上である。ここに来て目立つツイッターの不具合は、「検索機能」に見られる。最近特にぶれが大きい。

 例えばツイッターの公式ページ(各種のアプリケーション・ソフトではなく)で、今チェックしたら「伊藤」では検索結果が出るが、「伊藤 洋一」でも「伊藤洋一」でも「no updates」と結果が出ない。それはツイッター上に「伊藤洋一」かそれに類する単語が使われていないのではなく、検索できないからだ。私のツイッター上の「ycastercom」ではたくさん出てくるから、検知ができていないだけだ。

 多分これは、「検索機能」を魅力にツイッターをやっている人にとっては、非常に不便だろう。「英語では検索できるが、日本語では実質的に出来ない」「困った」という声に繋がる。これに関しては、Twitterの検索担当責任者、製品再編成のために辞職という記事を紹介してくれた方もいた。もしかしたらそうかもしれない。私がツイッターを始めたころには、「伊藤 洋一」での検索は出来ていた。それが止まったのは10日ほど前だ。

 ツイッター自体はどう説明しているのか。「検索機能について」という説明文章の中にこういう表現を見つけた。ツイッターも日本語検索では苦闘しているようだ。

 日本語の検索がうまく動いていないのはなぜ?

 Twitterの検索機能はまだ発展途上のものです特に日本語による検索結果はまだ皆さんに満足していただけるレベルに達していないと思います。最大の理由は、単語と単語の間にスペースがある英語と異なり、日本語はひと続きになっている文を単語に切り分ける必要があることにあります。

 われわれは既に日本語検索の改善作業に着手しています。これが完成すれば、Twitter上のツイート(つぶやき)を日本語で縦横無尽に検索できる環境をみなさんに提供できるようになります。それまでしばらくの間はご不便をおかけしますが、楽しみにお待ちください。

 特に長い単語や、漢字とカタカナが混ざっている場合等に反映しない場合が多いです。もし反映しない単語があったら、間にスペースをあけて検索すると反映する場合もありますのでお試しください。 (例:「ツイッター検索」→「ツイッター 検索」)

 つまり、「これからも日本語検索機能は不安定」「いろいろ試してください」と言っているに過ぎない。ネットは実は「検索が命」である。その機能が落ちていると言うことは、ツイッターの価値そのものにも響く。

 ツイッターについては、サーバーの能力不足など、いろいろな点が指摘されている。加えての「日本語検索機能の停止状態」。これは改善して欲しいのだが、まあこちら側にも「タダで使わせてもらっている」という弱味もある。

 しかし広告も取り始めたツイッター社であるが故に、「日本語検索機能」くらい充実して欲しいと。待ってますので。


2010年06月02日(水曜日)

 (05:43)おやおや、ipad に対抗する最初の顔出し商品は、日本からではなく台湾からですか。今覗いたウォール・ストリート・ジャーナルに「 Asustek Unveils Tablet, to Take on Apple's iPad 」という記事。

 サイトには写真、動画もあって、見るとipad よりもかなり大きい。タブレットとして売り出されるので、普通のPCのように開くことはない。最初から板状です。OSはwindows7で、アップルのようなソフトウエアを売る商店(アップルの場合は App Stores)も作るらしい。

 爆発的に売れているipad だが、実は使ってみるといろいろ不都合がある。私にとっての、です。アドビのフラッシュが拒否されているので、NHKのオンデマンドなど各種の映像放送が見ることが出来ない。USB接続端子がないので、プリントが直ちに出来ない。その他、どうもいくつかのJAVAが拒否されているので、表示できないページがあるなど。

 だから私は、「対抗馬が出てくる余地はある」と思って見ているのです。ソニーもグーグルなどと組んで、今年の末にはタブレット市場に新しい商品を出す予定だと聞いている。ただしどんなものになるかはまだ公表されいない、つまり顔出ししていないと思う。

 最初のipad 対抗商品として顔出ししたマシンの名前は、「Eee Pad」。「epad」では著作権の問題でもあったのでしょう。これを来年の第一四半期に出すと公表したメーカーは、ネットブックの草分けとも言われるAsustek Computer Inc.で、この会社に関するウォール・ストリート・ジャーナルの紹介記事に「the Taiwan company that pioneered the netbook」とあった。

 使っていて、ipad は便利だと思うことはいくつかある。

  1. ベッドに寝っ転がってipad の片面をついて画面固定で記事や本を読むのは案外楽で、「起きたくないが、これまではPCを起こさねば見れなかった文章をベッドの中で読みたい」という時には極めて便利
  2. その記事や文章、資料をあとでPCでの文章作成に参照するときには、部分コピーや全部コピーしてネットにメールで投げてPCサイドのメーラーで受ければ、参照が簡単にできる
  3. 普段仕事をする部屋ではなく、ゆったり時間を過ごすような場所に転がしておけば、音楽も聴けるし、写真も見れるし、そしてネットサーフィンも出来るので便利
 など。PCとは違った用途をタブレットはこなすことが出来る。だから、ケイタイとPCの中間に、そして新しい領域にニーズを生むと思う。そういう意味では、今後も参入が続くだろう。

 この問題に関しては、中国では「iped」というまがい物が既に出始めているという。「Eee Pad」は明らかにこれとは違う。早くソニーの製品にも姿を現して欲しい。まだまだ新しい企業の参入余地はあると思う。


2010年06月01日(火曜日)

 (23:43)今日は正直驚きました。こんな商売があるんだ、と。

 大阪で比較的人気のある繁華街のお店で飲んでいたのです。友人達と。10時半過ぎです。店のドアが開いた。「新しい客か」と思ったら、違った。パンの移動の為にパン屋さんに置いてあるような角張った白い入れ物を二段に持った白っぽい服装の女性が入ってきた。二段の箱を大事に抱えるように。

 何だろうと思ったら、入ってきた女性がお店の人に「いいですか」と聞いている。お店の人が頷くと、店に入ってきて我々お客さんに「ケーキはいかがですか」と箱のふたをとって中を見せたのです。驚くことに。覗くと、箱の中にはチーズケーキのようなケーキなど、いろいろなケーキ類が入っている。比較的振動や傾きにも耐えられるような種類の。殆どが中が見れるような包装がしてある。

 びっくり。「流しのケーキ屋さん」なのです。考えてみれば、面白い点に気がついたものです。お客さんの中には、家へのお土産を忘れたが、わざわざケーキ屋さんにケーキを買いに行く気にはならない人もいる。

 中には、お酒を飲んでいる最中であっても、「スイーツを食べたい」という人もいるかもしれない。お店が欲しいケースもあるだろう。値段を聞いたら、それほど高くはなかった。私は買わなかったが、お客の中には、興味を持って買っている人もいた。

 聞くと女性は、「販売委託」で売っているという。お店にマージンを払っているのかどうかなど、詳しいことは知らない。しかし、4〜5個くらい売って、その女性はお店を出て行った。最近このお店のある地域に出没し始めた商売だという。

 私は、「へえ、ケーキ屋さんまで歩き始めたのか」とビックリした。まあいろいろな問題があると思いますよ。商品の安全性をどうやって担保するのかなど。見ると問題が起きそうもないケーキが多かったが。

 大阪で見かけた、面白い商売の話でした。「流しのケーキ屋」



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