2010年03月31日(水曜日)

 (16:10)国会での党首討論を見ていましたが、国民が日本の政治に対して抱いている閉息感、さらには怒りを背景にするように、中味の問題は別にして久しぶりに緊迫感のあるやり取りでした。

 三人ともそれぞれに政治生命がかかっているだけに、谷垣さんも褌を締めて取り組んでいる印象がしたし、山口代表の質問も今までの穏和な印象を吹っ飛ばす簡潔、かつ厳しい言葉使いの質問だった。山口代表が使った言葉では、「ていたらく」と「自覚がない」が印象に残り、50分弱を通じて、鳩山総理に笑顔はなかった。それは終わっても同じ事だった。

 良いことかどうか判らない。しかし二人の質問者に共通していたのは、本来ならそれでもあるべき日本の最高権力者に対する尊敬とか尊崇の念が消えているように思えたし、遠慮もあまりなかったように思う。特に山口・公明党党首の質問にそれを感じた。それはやはり国民の、「この人で大丈夫か」という気持ちをバックにしていたからでしょう。

 谷垣・自民党総裁は、身内から「31日の党首討論次第....」という言葉も出てくる中で、やや性格をきつめにして笑顔を消し、もっぱら鳩山総理からの「言質取り」に注力していた印象がした。言ってみれば地雷敷設だ。むろん、鳩山さんという人は自分が言ったことをあまり意に介さない面があるから、それがどのくらい先になって効果的かは不明だが、私が一番「鳩山総理にとっての政治生命にかかわりかねない」と思ったのは、「普天間移設問題での5月末の決着」の部分だ。鳩山総理は、谷垣総裁に「決着とは」と三条件を示されて聞かれたのに対して

  1. 政府案を作り
  2. 地元の了解も取り付け
  3. アメリカの同意も得る
 と答えていたように思う。それを文字通り取れば政治生命を掛けるかのような発言だ。「国民の皆さんには信じて欲しい。待っていて欲しい」とも。しかし常識的に考えれば、これは極めて難しい。私が一瞬その段階で思い出したのは、前原・前民主党代表が偽メール事件の際に、「証拠があります」と言っていて、その後結局何も出てこず、「すみませんでした」と言ったことだ。それを思い出していた。杞憂かも知れないが。

 鳩山総理は「史上5番目の速さで予算を上げた」事を挙げ、「子供手当も、高校の無償化も、そして農家に対する補償もこれから。皆さんに新しい政治を実感して頂く」と述べていたのが印象的だが、これらは議論が多い問題ばかりだ。国民が諸手をあげてという項目はない。

 全体を見ながら、依然としての日本の政治の混迷を感じた。これは私だけではないだろう。


2010年03月31日(水曜日)

 (09:50)日産のリーフの個人購入の実質的最低値段が「299万円」と聞いたときに、「電気自動車も価格競争の時代に入ったな」と思い、その直後に三菱がアイミーブを「284万円にした」と発表したときには、「これは壮絶」と。

 昨日のアンカーでも言ったのですが、リーフの最低価格が「376万円」と聞いて本当にビックリしました。もしかしたら500万円前後、最低400万円台だと思っていたからです。ではこの価格はどこから出てきたのか。そのポイントが299という最低実売価格です。

 今の日本政府の制度だと、リーフに適用される補助金は77万円。ということは、最初から300万を切る価格(つまり299)を設定した上で、それに77を足した数字をリーフの最低価格(376)にしたのだと想像できる。実にわかりやすい。最低価格が300台と、それを切るのではやはりかなり違う。昔ワープロが「298」などで売られていたのを思い出す。

 リーフは去年の東京モーターショーに出品されていたのでまじまじと見ました。結構大きい。ガソリン車換算で2000CCクラスと説明してくれた。当時の想定では、リチウムイオン電池だけで200万円近くすると考えられたので、299なんて言う実質最低価格は想像を絶した。だって他(車体、GPSなどなど)は99万円以下で出来ているということになる。これは厳しいか、さもなくば儲からない。

 どうやら日産は、「リチウムイオン電池の量産効果」を織り込んだようだ。つまり「12年に日米欧で50万台作る」と強気。これだと確かに量産効果はある。しかし実際にそれだけ売れるのかどうかは賭です。今年の国内販売台数を日産は6000台に置いている。社会的インフラが整っていない中では、こんなものでしょうか。だとしたら、「12年に50万台」はいくら世界が相手とはいえ野心的。

 5人乗り普通車のリーフが299なら、軽のアイミーブの300万円台(実質最低)は割高に見える。だから三菱は急遽アイミーブを299を下回る284にした。三菱は日産のリーフの価格体系を見てたぶん仰天したと思う。対処せざるを得なくなった。

 アイミーブには乗ったが、今度は一度リーフには乗ってみたい。何を付ければどのくらい価格が上がるのか、冬の暖房には事欠かない内燃機関の車に対して、エネルギーを使って暖めねばならない電気自動車の場合、走行距離は減少するのかなどなど。アイミーブに実際に乗っている人に聞いたら、「140キロ走る」というウリだったが、冬はフル充電にしても実質80キロ程度しか走りません、と言っていた。暖房に電力を食う。また夏の冷房、エアコンはどの程度電気を食うのか。

 正直、社会的インフラが整わない今の現状では、電気自動車のファクターを強くした(つまり電気だけで20キロ程度は走る)プラグイン・ハイブリッドが実際的な気もするが、それでも「リチウムイオン電池は大丈夫か」という問題もある。これで悩んでいたメーカーもある。

 リチウムイオン電池には二つ問題があって、一つは安全性。メーカーの人に聞くと2〜3年ほど前に起きたような事はない、という。発火とか、爆発です。製造技術も上がっている。まあでも、数年という単位で使ってみなければ分からない事もある。次に劣化の問題がある。リチウムイオン電池はケイタイのバッテリーもそうだが、放充電を繰り返すと電池が劣化する。ケイタイのそれだと新しいのをポイントでもらえば良いが、自動車用のリチウムイオン電池は「ポイントで買える」とはならない。

 いろいろ課題はある。しかし間違いなく2010年は「EV元年」だ


2010年03月30日(火曜日)

 (23:50)今日読んだ新聞の記事では、ニューヨーク・タイムズの「For Photographers, the Image of a Shrinking Path」が面白かったですね。アメリカの写真ジャーナリズムというか写真家業界で起きている、プロとアマの写真家を巻き込んでの地殻変動を取り上げている。

 片方はプロの写真家。しかし雑誌やメディアの退潮で仕事は減少。一方で、半ば趣味で写真をやっているアマチュア。しかし視点が良くて、何かとメディアに使われてそこそこの収入を得ている。以下の文章が印象的です。

 Mr. Eich and Ms. Pruitt illustrate the huge shake-up in photography during the last decade. Amateurs, happy to accept small checks for snapshots of children and sunsets, have increasing opportunities to make money on photos but are underpricing professional photographers and leaving them with limited career options. Professionals are also being hurt because magazines and newspapers are cutting pages or shutting altogether.
 そして記事は、「That has left professional photographers with a bit of an identity crisis. 」(プロはアイデンティティ・クライシスに陥っている)と。そりゃそうでしょう。いわゆる「写真家」というアイデンティティも、一眼レフの一般化や、カメラや現像システムのデジタル化で、「プロがいなければ駄目」という世界から急速に変化している。

 実は、プロとアマの壁崩しが進行しているのは写真だけではない。それは文章についても言える。昔は少なかった「書く場所」は今では山ほどある。ネットという字数制限のないメディアが登場しているからで、今話題の真鍋さんのようなネットでの登場のタレントも多くなった。

 もともとデジタルは壁崩しの技術だから、プロとアマの垣根を崩す存在だと予測できた。しかしそれが今、ジワリと、しかし広範な分野に強い影響力を及ぼしている。写真だけではない。影響はもっともっと広がるでしょう。

 ところで郵政改革で鳩山首相が与したのは「亀井・原口案」でした。預入限度額を2000万円に引き上げる案。私は反対です。「資金が集中した場合には引き下げも検討する」とか、「将来的にこの数字は動かす可能性もある」となっていますが、それが具体的に何を指すのかは不明。困ったものです。


2010年03月29日(月曜日)

 (10:50)今週は鳩山政権、それを率いる鳩山首相にとっては間違いなく正念場です。30日に郵政を巡る閣僚間の会議があり、その翌日には首相自身が期限とした普天間基地の移転に関する政府案の絞り込みがある。31日は3月末日ですから。

 それにしても、亀井郵政改革相と原口総務大臣が「鳩山首相の了承を得た」として発表した郵政の預け入れ限度額などを巡る改革案は、閣内からも一部閣僚を先頭に集中砲火。先頭に立つのが仙石戦略相と菅財務相でしょうか。日曜日のテレビを見ていたら仙石さんは顔をしかめ、下向き的に「(預け入れ限度額の2000万円への引き上げは)日本経済にとって良くない」という趣旨の発言を明確にしていたし、菅さんは亀井さんが同席するテレビで「(2000万という数字を)言った、言わない」の言い争い。

 言った言わないはその場にいなかった人間には分からないのですが、今のような貧しい運用実績、体制の組織にお金を集めれば、またまた国債にお金が回ってしまい、それは日本経済にとって良くないことは明確。郵政のバックに政府がいると知っている国民は、限度額が上がればそちらにお金を動かすでしょう。1456兆円の日本国民の金融資産が、今のレベルから400兆、500兆と郵政に集まるのはどうみても不健全です。しかし亀井さんの姿勢は頑なに見え、閣議決定できるのかどうかは不明。

 普天間も政府案が正式に発表されていない現段階では展開が読めない面があるが、沖縄の高まりつつある「県外」の民意を忖度しながら、かつ「一体運用」にこだわるアメリカの意向を汲む新たな案を持ち出すのは容易なことではない。選挙さえ勝てば何とかなるという姿勢で打ち出した「国内、少なくとも県外」の鳩山公約は風前の灯火だ。自ら開けたパンドラの箱は、今はすごみを持って「どうしてくれる」と首相に迫っている。

 政権発足から半年過ぎた際に支持率低下に危機感を覚えたのか、鳩山首相は「これからはリーダーシップを取る」と宣言したが、その後の政権の様相は全く逆に見える。閣僚がテレビで言い争いをするなど、混乱の極みだ。リーダーシップは全く見えない。

 そういえば、私の所に以下のようなメールが回ってきた。「永田町の謎の鳥」という題が付けられている。

中国から見れば「カモ」に見える。
米国から見れば「チキン」に見える。
欧州から見れば「アホウドリ」に見える。
日本の有権者には「サギ」だと思われている。
オザワから見れば「オウム」のような存在。
でも鳥自身は「ハト」だと言い張っている。
それでいて、約束したら「ウソ」に見え、
身体検査をしたら「カラス」のように真っ黒、
釈明会見では「キュウカンチョウ」になるが、
実際は鵜飼いの「ウ」、
私はあの鳥は日本の「ガン」だとおもう。
 そこまで言わなくてもという気持ちは私にはあるが、今の内閣の混乱ぶりを見ると、この文章の作者も持っているかもしれない「しっかりしろ」という気持ちは共有できる。

 3月の初めの朝日新聞の「時々刻々」には、「小鳩 細る求心力」という記事があって、その中に私が読んでショックだったのは、『政権の求心力は日々低下している。首相は官邸内で「ピヨピヨ鳩」というあだ名を付けられた。サービス感覚でものを言う首相の「八方美人」ぶりを揶揄したものだ。首相の側近ですら「いつまでもピヨピヨ鳩じゃしょうがないな」。』という記述があった。首相にはあまりふさわしくない呼び方。しかも側近からとは。

 衆議院で308議席を持つ民主党は、そう易々とは政権の座を降りない。ということは、今の難しい日本の舵取りは当面民主党に任せるしかないということだ。自民党もちっともアイデアが出てこない。このままでは誰でもが不満を募らせる形になってしまう。これは日本にとって良くない。

 そういう意味では、この火、水両日の政権の決断、首相の決断は、世に広まりつつある一般的なイメージを大きく変えられるチャンスではあるが、それを実際に出来るのかどうか。まさに正念場だ。


2010年03月28日(日曜日)

 (19:50)ちょっと早かったかな。時期的にも見ごろ的にも。なにせ寒かった。

目黒川沿いの桜  花見としては初めて目黒川沿いに行きました。昔の番組仲間を中心に。今はもう番組を制作していないGyaoがやっていた番組の。今でもなかなかまとまりが良いのです。栗原さんはボストンで参加できませんでしたが、総勢6人集まった。

 幹事が気の利く人で、寒くなるのを見越して川沿いの店を予約してくれていたので、そこで食べたり飲んだりして馬鹿話を展開させて時間を過ごした後、夕方になって外に出たら寒いこと。しかしライトアップが始まった直後で、結構綺麗だった。

 人出もすごかったですよ。若い人中心に。それに場所柄でしょうか、外国人が多かった。皆寒そうな格好をしていましたが。夕方には寒い中を雨がちらちら降ってきた。

 綺麗だったのですが、川の両端に桜が並び、ジャズの演奏会場などもあって商店街が努力したのは分かるのですが、私の印象は川の両端に桜の木があって、そこから道を挟んで直ぐに建物が並んでいる。そういう意味ではちょっと窮屈なのです。浜離宮とか、千鳥ヶ淵など水のある花見場所が好きなのです。まああと今年は2回くらいは花見がありそうで、それを楽しみたい。

 ところで、今まで日曜日の午後8時30分開始と坂本君とがちに重なっていた「世の中進歩堂」ですが、4月から毎週金曜日の午後10時24分からに移ります。引き続きBS7で。お楽しみに。


2010年03月27日(土曜日)

 (23:50)すべてが政治で決まる国、もしくは「政治要因で決めているのだろう」と思われる国。それが中国と言うことでしょう。

 今は千葉・鴨川で休暇中の鳩山首相も嬉しそうに「犯人が逮捕された」とツイッターした中国製冷凍ギョーザ中毒事件での逮捕劇は、その時期故に日中双方で、「あまりにも政治的な」との疑念を呼んでいるし、実際その通りだと思う。

 中国サイドのネットでは、「今頃注射器が見つかるなんて」とか「日本の執拗な要求に中国が折れた」との見方が出ているようだが、日本から見てもこうした指摘は頷ける点がある。一方日本では、「対欧米関係が悪化している今、中国は対日関係の改善に踏み出した」との見方が出ている。今後の日程を見ると、ここしばらく日中トップの相互訪問があり、中国が対日関係の改善に踏み出す理由はある。

 本当に製造元「天洋食品」の元臨時従業員・呂月庭容疑者(36)が犯人かどうかは日本にいる我々には分からない。なぜこれほど時間が掛かったのか。それなのに何故今突然逮捕できたのかは不明なままだ。

 深まった思いは、中国は「政治の都合で何事も動く国」ではないかということであり、少なくとも今後もそう見られる可能性が高いということだ。これは一つ一つの局面は切り開いているように見えて、実は中国にとってはあまり良いことではない。国内的にも国際的にもだ。

 政治が前面に出る国は、「開発独裁」のようなケースを除けば、本来は経済に弱いはずだ。なぜなら、経済原則がしばしば政治に曲げられるからだし、もしかしたら秩序を揺るがすような発明・発見は政治的な理由から押しつぶしにあう危険性がある。今の北朝鮮のようなものだ。

 そうした国の経済は、先進段階になると必ず成長速度が落ちる。なぜなら、自由な政治のないところに活力ある経済は長くは宿らないからだ。中国は、「すべてが政治的」と思われている今の延長線上では、経済成長と政治が必ず衝突する時期が到来すると考えられる。

 「政治が強すぎるのが問題」と言われる中国。改めて今回の逮捕劇は、今後の中国が抱える矛盾の深さを予想させるものだ。


2010年03月26日(金曜日)

 (23:50)今日でちょうど私がツイッター(私のID=ycastercom)を使い始めて一週間ですが、はっきり言ってメチャ面白い。このコーナーのタイトルは「day by day」ですが、ツイッターの印象を一言で言えば、「second by second 」だ。

 まずトラフィックが多い、ということが言える。時間が日中であれば、大体において書き込みから秒単位後にレスがある。それがまた的確なものが多い。衆知が集まってくる印象がする。つまり知識集約のvelocity が高い。時に議論とか見方は錯綜し、それが時間差で生ずるが、それがまた面白いのです。

 私の場合は、長くWeb(http://www.ycaster.comやhttp://arfaetha.jp/ycaster/)をやってきているし、様々な放送媒体にも出ているので名前を知られていて、それでレスポンスが早いという面もあるのかもしれない。しかし今のツイッターの世界の盛り上がりは、実は私がHPを開設してWebを始めた当時(つまり1996年春)に感じたことと良く似ている。あの時もWebになにか書けば、それはそれは素早いレスポンスが返ってきた。

 当時まだインターネットをやっていた人はそれほど多くなかったが、一種の「俺たちはやっている」という仲間意識もあって、相互が激しく、そして素早く意見のやりとり、情報交換をしたものです。今のツイッターには当時の一種の仲間意識があり、それが独特の盛り上がりに繋がっている。

 たった一週間だが、このサイトのような長い書き込みの中で発信したことよりは、ツイッターの短いやりとりの中で情報発信を行ったことの方がはるかに多く、また受け取った知識も多いように思う。何よりもいろいろな取り組みにおいて、ツイッターは他の媒体よりは背中をちょこっと強く押してくれる。

 例えば、私のここのところの課題の一つは、普通の紙手帳とケイタイのスケジュールで二重管理していたスケジュールを一元管理し、どこででも私が見れるようにすることで、それについてはソフトも検討していたのですが、ツイッターでこの問題を聞いたところ、あっという間に「とりあえずはGカレンダーが良い」という結論になった。皆さんからの色々な意見を総合して私が判断したのです。

 実はそのやりとりから直ぐに使い始めて、今はメチャ重宝している。Gカレンダーがいいのは、「説明」の部分の拡張性があって、その部分に予定のかなりの内容をメールなどからコピーandドロップできることだ。Gドキュメントは既にかなり長く原稿の執筆、プレゼンテーションに便利に使っていたが、Gカレンダーも確かに良い。こうしたスケジューラーの問題は解決した。

 むろんこまめな書き込みが必要です。長い文章にするのは適していないが、ちょこっと書き込めば他の人の役に立つかもしれないという情報というか知識というか、思いなどを書き込むようにしている。例えば今週の火曜日の大阪の夜に「トイレの神様」を聞いたのでそれをツイッターで紹介したら、多くの関西以外の方々には新しい情報だったようで、反響が大きかった。むろん、東京のFMでも流れ始めていたのか知っていた人もいたが、大部分の人が知らなかったからtwitterする価値はあった。

 その後の推移を見ると、このutube の映像にグーグルのコマーシャルが載り、朝日のWebが取り上げ、直近ではオリコンの9位(彼女のミニアルバム)に上昇したと展開している。こうしたプロセスを見られるのは面白い。このサイトにも書いたが、radikoを巡る問題も、サイトで書き込んだ以上にツイッター上ではいろいろな議論がたった数日間で進んでいて、私には面白い。

 実は今考えているのは、東京にいて大阪のラジオを聞くにはどうした良いか、という問題なのですが、これはなかなか難しいらしい。なぜなら、日本のシステムはどちらかと言えば東京をセンターにしているものが多いので、東京のradikoを大阪で聞けても、その逆はなかなか出来ないと言うところにあるらしい。IPアドレスの問題です。

 驚いたのは、Webから入ってくる人よりは、印象としてはポッドキャストの私の番組から入ってくる人、つまり「ycastercomのフォロー」に入ってくる人の方が多い印象があることだ。今までの局のサイトへの書き込みなどから、私のポッドキャストのファンのかなりの部分がツイッターに取り組んでいるであろう事は分かっていたが、これほどだとは思っていなかった。これは面白い現象だ。

 私の直感から言うならば、ツイッターには大きな発展性がある。そして何よりも、「メチャ面白い」という事実が重要です。


2010年03月25日(木曜日)

 (14:50)昨日も何回も会話の中に出てきた電気自動車ベンチャーの米テスラ・モーターズ(カリフォルニア州パロアルト市)がついに上場に向け動き出した。GMのボルトも出てくるし、昨日の取材の中でもそう思いましたが、今年は「電気自動車元年」ということです。

大阪の大川端でいつも最初にさく桜だそうな。帝国ホテルの近くにある  テスラは新規株式上場計画を米証券取引委員会(SEC)に登録。上場が実現すれば米電気自動車ベンチャーの中では初めて。これによって、米環境ベンチャー各社の上場計画に弾みがつく可能性がある。つまり、ブッシュのアメリカとは随分違う図式が見えてきたということです。

 この会社にはずっと注目していました。ホンダのCR-Zが売れているようですが、車というのは移動の道具であると同時に、「いかに移動するのか」という形、美意識を試すものですが、そういう意味では乗る人の気持ちを掴むものでなければならない。BMWもそういう哲学で車を作っていると強調していますが、その点でテスラの作る車は「魅力がある」という意味で群を抜いている。

 テスラは2003年設立で、従業員はかに500人前後。2人乗り電気スポーツ自動車「ロードスター」を販売するが、12年にはセダンを投入する計画を表明している。ドイツの太陽光発電の大手Qセルズも確か2000年の創業。日本は古い歴史を持つ会社が頑張っていて、それはそれでいいのだが、昨日の例えば淀川製作所のような会社が「一躍飛び出る」ような文化的な背景も欲しいな。戦後はあったんだけどな。

 その為には投資意欲という肝心なところで東京株式市場がアクティブでなければいけないが、郵貯の限度額を2000万円に上げようと言うような国ですから、なかなか難しい。上げればまた日本の国内貯蓄のかなりの部分が、国債に流れてしまう。自民党政府の時からそういう面があったが、今の民主党政権もやることなすこと「産業の活性化」とは別方向を向いている。それが残念だと思う。

 まあ2000万円を巡っては閣内不一致で今後の展開を見ないといけないが、それにしても鳩山内閣はバラバラ感が強い。建て直さないと政権維持は難しいでしょう。間もなく支持率も30%を割る。


2010年03月24日(水曜日)

 (17:50)ほぼ一日ロケでした。来週の火曜日の関西テレビ・アンカーの取材で。最初守口に行ってカート型電気自動車 meguruをこの目で見て、次に京都に移ってGSYUASAの電動バイクに乗り....

小倉社長と meguruの前で  守口で思ったのは、日本にもまだ立派な中小企業経営者がいるな、ということ。やはり不景気で大変だったそうです。しかし「止まったらいかん」という気概で、むしろ明るいことをやりたいと4社合同で「日本を明るくする、日本を元気にするプロジェクト」を開始。それが環境の「環」をmeguruと読むことにしたこのプロジェクト。

 詳しくは番組を見ていただければ良いのですが、車体には和紙や扇子を使い、色は日本の朱であり、ハンドルと床には竹を使い。気骨のある経営者でした。「あっぱれEVプロジェクト」はナイス。小倉庸敬社長にはエールを送りたい。

 次に伺ったのは、新幹線の窓から「ここはいつか取材しなければ」と思っていたGSYUASA。この創業者のイニシャルを持つ会社の今の形完成はつい7年ほど前。二つの会社が合体して今の形になった。言わずとしれた日本で最も名前の通った電池(今はリチウムイオン電池に注力)の会社ですが、その他にもいろいろ注目されることをしている。

電動バイクらくりん。今までずっと聞いたり見たりだけだったが、今回初めて乗車  自社製品の用途範囲の拡大の為に50台作った電動バイクは、同社としてはあまり外に出していないものの、私としては以前から知っていて、また3月4日のエクスポでも見かけて、「いつか乗りたい」と思っていた。雨で一般道路では乗れませんでしたが、私が同社の体育館で試乗。

 電気自動車がそうであるように、むしろ出るスピードを抑えている。フル充電で20キロ走り、最高時速は20キロ。でも後ろの車輪が補助を含めて3本あるので、安定感抜群。「売り出せば良いのに」と思いました、今のところその予定はないと。

 右の写真のデトロイト号もずっとみたい車でした。電気自動車はガソリン車よりも歴史が古いのですが、1920年頃を境目にいったい消える。ガソリンが安く生産されるようになったたからです。GSYUASA本社正面玄関においてあるデトロイト号は、1917年に日本のGSYUASAの創業者が持ち込んだ。鉛電池を使っている電池自動車です。

デトロイト号の中にまで乗せてもらった。私の手前にあるのがハンドルなど操作機器。今の車とは全く違う。

 何でも古いものを残すというのは大変なことです。創業者が乗って以降、どうもデトロイト号は同社の中でもあまり利用もされずにほっておかれたそうだ。その結果非常に劣化していた。それを2007年とおっしゃったかな、リノベートして「再び巡ってきた電気の時代」に蘇らせた、ということらしい。

 実際に再び走れるようにリノベートするので解体したときに、当時の運転手さんの運転日誌とかが見つかって、あとグリコの宣伝の紙なども記念の残っていた。これが結構面白い。実は、当時のモーターも飾ってあった。なかなか見るものが多いGSYUASA取材だった。

 まあ詳細は来週火曜日の番組をごらんください。長らく見たかったもの二つも見れて、かつ実際に運転し、手で触れることが出来た良い一日だった。


2010年03月23日(火曜日)

 (14:50)あらら、大阪に着いてPCをセットし、試しにradikoを「ダメだろうな」と思って開いたら、エリアがブラウザ上では「Tokyo Japan」のままになっていて、「もしかしたら」と思ったらこれが聞けるのです。綺麗な音で。

 TBSに回したら「キラキラ」をやっている。ということは、明日の朝は今まで絶対聞くことができなかった毅郎スタンバイが大阪で聞こえると言うことか。これはなぜでしょう。徳島の内藤さんは「あかんかった」という答えでしたが。

 PCを基本的に東京で使う手順で設定したからか。または試行期間のせい。内藤さん、東京で使っていたPCを使ったら懐かしい東京のラジオが聴けるかもしれませんよ。

 でもな、Q&Aには、「東京局(TBSラジオ、文化放送、ニッポン放送、ラジオNIKKEI、InterFM、TOKYO FM、J-WAVE)については、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県。大阪局(朝日放送、毎日放送、ラジオ大阪、FM COCOLO、FM802、FM OSAKA)については、大阪府、京都府、兵庫県、奈良県で聴くことができます。その他の地域は聴くことができません。」とあるので、ちょっと無理かな。それにしても、この説明だと、東京のラジオは大阪では聴けないはずなのだが。→→判明。IPアドレス依存でした。ということは、私は全国どこでも東京のラジオが見れる。将来はテレビもそうなって欲しい。むろん地方色のテレビ、ラジオは楽しみですが。


2010年03月23日(火曜日)

 (08:50)本日が創刊の日経電子版では、「ゲイツ、原発挑戦の真相 」がとりあえず面白い。この記事は電子報道部の村山恵一記者と産業部の佐藤昌和記者が書いているものだが、日経本紙の記事にはない。つまり紙にないものが電子版にある。

 その他の記事の比較はまだ出来ていないのですが、こういう記事が増えるのなら電子版には期待できると思う。ゲイツ・東芝問題で筆者が関心を持ったのは、電子版の以下の部分です。

 テラパワーが早ければ2020年代の実用化をめざすのはTWRと呼ぶ原子炉だ。一般の原発では使えない低品位の劣化ウランを燃料とし、一度稼働すると途中の補給なしで最長100年間の長寿命運転が可能とされる。構造は比較的単純で安全性も高い。長期間の利用に耐えられる材料の確保という課題はあるが、建設、運用コストが安く済む「夢の原発」といえる。

 地球温暖化を防ぐ有力手段として原発は世界的に建設機運が高まっている。テラパワーは出力10万〜100万キロワットの原子炉を研究中とみられ、特に小型炉は中国など新興国での需要急増が期待できる。TWRの基本設計は固まっているが、実用化にこぎつけるには、理論を形にする「もの作り」の能力が欠かせない。その担い手としてゲイツが目をつけたのが東芝だ。日本勢では最も世界シェアが高いパソコンメーカーであり、マイクロソフトにとっては基本ソフト(OS)の大口顧客。パソコン部門出身の西田はゲイツと旧知の間柄だ。

 この部分がないと、実はなぜビル・ゲーツが東芝と組んだのか分からない。紙の一面ではその点が何も書いてなかったのです。どの部分をどっちに書くのか。難しい選択ですが、こういう状態が続けば電子版の方が良いという考え方が出来る。まあ日経さんとしては、「両方取ってよ」ということでしょうが。

 時間があったら、他の部分もどうなっているのか比較してみます。しかし問題は気が張っている当初期間ではない。新聞記者さん達が「常時記事を書く」という大きな環境変化に慣れることが出来るのか、という問題でしょう。部署によっては過重労働の局面が出てくる危険性もある。

 一つお願いがある。日経電子版の上では右クリックが今のところ効かない。これは不便です。対処して欲しい。


2010年03月22日(月曜日)

 (23:50)明日の朝にはグーグルの対中国姿勢が明確になっているかもしれません。今見たウォール・ストリート・ジャーナルには、「Google to Act on China 」とあって、記事の頭は

Google Inc. is expected to announce its next steps in China this week, according to a person briefed on the matter.

The details of the Internet company's plan, reached after talks with Chinese officials failed to make progress, remain unclear. The person briefed on the matter said the announcement could come as soon as Monday.

A Google spokeswoman declined to comment.

 と。中国は既に先制攻撃に出ていて、「企業が国を動かすなんて」と言っている。体制維持意識が前面に出ている。双方の立場は非常に先鋭であり手打ちというわけには行かないでしょう。中国の中にグーグルを支援する動きが強まるのを期待したいが、事態はそう簡単には動かない。

 オバマ大統領は医療保険改革法案を219対212の賛成多数で下院を通すことに成功した。これは間違いなく政権にとっては勝利だ。しかし、気になったのはアメリカのどの新聞を見ても、「これはオバマにとっての大きな勝利」という書き方はしていないし、関連記事の見出しも小さい。

 恐らくアメリカの中でも、今回の可決はオバマにとっての勝利ではあるものの、それでもアメリカ人の心は割れていると言うことでしょう。ここには深い哲学的な考え方の違いがある。保険など全国民にあって当然という日本人的な考え方はアメリカにはない。

 日経の移行は午前零時なのか、それとも朝なのか。いずれにせよ紙を出しながらネットを充実するというのはちょっと想像しても至難の業でしょう。まず記者の頭の中を変えないといけない。編集局を分けているのかどうか知りませんが、社内は相当大変でしょう。てんてこ舞いというか。


2010年03月21日(日曜日)

 (12:50)忘れていました。先週末に新しいエッセイが公開されました。中国の全人代を取り上げています。


2010年03月20日(土曜日)

 (12:50)「あれ、もしかしたらこれは創刊号以来のフロントページの写真では....」と思って最後のページを見たら、「そうです」と書いてあった。全号載っている。

 郵便物に入っていた「Foresight」休刊前最終号には、さすがに感慨を覚える。この雑誌が発刊したのは確か1990年の初めだったと思う。その前の年にベルリンの壁が落ちて、世界が大きく動き始めた時期です。

 発刊前から初代編集長だった伊藤幸人さんとは何かの折に知り合いになって、第一号が出る前に会って、雑誌の名称をどうするかというような話しをしたりした。その年の1月にドイツに出張していて、その話が主だったと思うが。確か「前を向いた名前が良いですよね...」とか思いつきを言った記憶がある。その後にまた伊藤さんと会ったときに、「Foresight」になったと聞いて、「良い名前だ」と。しかしちょっと引っかかったのが、「英語名」だったことかな。

 筋のある良い雑誌だったと思う。私は創刊号から数年間コーナーを持っていたし、機会あるたびに長い文章を書いてきたので、20年間読み続けたと言うことになる。これは前月号から予告が入っていたのですが、「ウェブ版」が計画されているようで、楽しみ。来週23日からは日経本紙もウェブ版が出るし、いよいよ出版業界も web と紙の共存、両方からなんとか料金が取れないか、という世界に入る。

 ところで新潮社ということで思い出したが、「信念を貫く」を今朝読み終えましたが、「この新書にはニュースがいくつかあるな」と思いました。

  1. 契約年数の「1年」は、エンゼルスが提示してくれたものではあったけれども、僕自身の希望でもありました(21ページ)

  2. 2010年のシーズンは自分でも最高のパフォーマンスを披露し、そして再び新たな評価を得て、「自分を必要としてくれるチーム」を見つけたいという思いが強くあった→1年活躍できたらまた移籍する可能性あり

  3. オンとオフの切り替えは独身時代は熱いシャワーだったが、今は結婚指輪をシャワーのあと再び身につける時

  4. 本当は守備も出来ることを証明した後、またヤンキースに戻りたがっているのかもしれない。それほどニューヨークが好き
 などでしょうか。読んでいて思うのは、今まで7年間過ごしたからそうなるのでしょうが、これから行くアナハイムとかロスに関する記述は全くない(と思った)。むろん「4」は私の推測です。ニューヨークとロスでは同じ都市でも随分パターンが違いますからね。慣れることが出来るのか。

 それにしても、トーリ、ジーター、長島、高校時代の監督、両親、兄などなど、松井の気持ちの強さには改めて感心する。珍しく奥さんに関する記述があるが、なぜ奥さんを前に出さないかに関しては、長島監督と亜希子さんの関係だと述べている点が面白い。

 それにしても彼の「守備」に対する強いこだわりには改めて「そうなんだ」と思う。守って打って野球選手、守っていた方が試合にうまく入れる、などなど。DHをやっていても、今の彼の野球観から見れば決して楽しくはなかったのでは。MVPをとっても彼がちょっと「きょとん」っとしていたのには、訳があったと思う。

 だから、彼が今後をかけている2010年を展望すると、一番のポイントは「守備をどの程度できるのか」「加えてホームランを含めて打撃がどれだけ去年の後半の調子を保てるのか」でしょう。

 私は今年も松井を応援しますよ。NHKもなるべくエンゼルスの試合を中継して欲しい。ははは、それにしてもMVPをとった直後のNHKの番組に出たときに、「なんであんなに活躍できたの」といった質問に対して相当考えて、「オレ、何かいいことした?」は今思い出しても面白かったな。この本にも出てくる(P26)。正念場だ松井君。頑張ってね。

 明日の「世の中進歩堂」は、なんとなんと「折り紙」です。 登場するのは、新しい形の折り紙を開発中の筑波大学の三谷純准教授。今までに見たことのないような立体形をデザインできるソフト開発に成功した。

 このソフトを使えば、1枚の紙を切ったり貼ったりせず、折るだけで複雑な形や曲面まで作れてしまうというのです。実は、折り紙の技術は車のエアバッグの折りたたみ方など、工業製品のデザインを進歩させてきたという。そこで博士は、さらに折り紙の技術を広く応用しようと研究中なのです。

 車のハンドルに巻く革の型紙をデザインするソフトや、個人用の靴型を設計するシステムを開発した。折り紙をコンピュータグラフィックスで設計し、その技術を応用してどんな複雑な形もデザインしてしまおうという博士の研究を紹介します。

 うーん、この番組で私がぶきっちょであることが判明してしまうな。


2010年03月19日(金曜日)

 (21:50)「EUがクロマグロ問題で敗北を喫したのは偽善が根底にあったからだ」という英BBC放送の環境担当リチャード・ブラック記者の指摘は当たっているのでしょう。

 そもそも地中海でクロマグロを乱獲したのは、EUの沿岸漁業国(イタリア、スペインなど)だったと言われる。またICCATの科学委員会が提案した漁獲モラトリアム(一時中止)をロビー活動で退けたのは、ほかならぬEU加盟国。さらに、条件付きでの禁輸を求めたEU案は「EU域内の取引継続を前提」にしているとされる。

 どう見ても、EUにとって都合の良い話で、環境保護団体の後押しを得た今回の提案は、EUの正当性を訴えるには一貫性を欠いていた。環境保護団体も、国内に漁業を抱えないモナコを引き込んで、モナコも「クロマグロを国際取引禁止に導いた国」の称号が欲しかったのかもしれない。

 それにしても、予想外に大差がついての拒絶。やはり途上国も考えますよ。各国には文化に根ざした特殊な食材がある。それが希少になってきたときに、その食材を食べない国が「絶滅する」と確かな科学的根拠もなしに主張するのを許したら、それは将来に禍根を残すでしょう。韓国の人達は食用の犬を食べる。中国はフカヒレだ。

 それにしても、日本時間の昨日の夕方までの日本の報道ぶりは、「日本は敗北」で固まってしまっていた。どこを取材していたのか。夕刻に「大差でモナコの提案が拒絶された」と携帯が伝えたときには逆にビックリ。

 しかし私はいつも思うのですが、日本はマグロと鯛を他の魚の中で抜きんでた存在と考えすぎると思う。確かに優れた食材だが、他の魚だって調理方法を工夫すればおいしく食べられる魚はいっぱいある。江戸時代などはむしろ鰹が貴重品だった。特に初鰹。

 だからやはり世界で獲れるマグロの8割を日本人が食べていると聞くと、「そりゃやり過ぎだろう」と思うわけです。もっと地で獲れるいろいろな魚を、いろいろな形で調理して食べた方が良い。私は個人的には、マグロは赤身の漬けくらいですかね。サンマの方がよほどおいしいと思うことがある。寿司でも。

 まあこれは個人の趣味でしょうが、「今回は勝ったから良い」ではなく、もっと食材を豊かにする方法を考えた方が良いと思っていて、例えば琵琶湖のモロコなんて、丁寧にタレをを付けて何回も焼きを入れると本当においしくなる。昔大阪では雑魚として捨てていたようですが。それはあまりにももったいない。

 ところで、昨日始めた私の twitter (ycastercom)には、多くの方からフォローを頂いていて、有難うございます。フォローに関しては「している」と「されている」が私の場合現時点では酷くアンバランスになっていて、今後これを是正する必要があると思っています。

 、「甲府の駅回りがシャッター通りになってしまったと聞いたが、それは本当か」とか、「札幌や旭川のタクシーは、今でも夜の客待ちをドアを開けてしているのか」に関しては、色々な方から返信をいただいていて、有難うございました。ご意見は検索に「ycasterom」と入れていただければ分かると思います。有難うございました。

 FreeMind(http://www.freemind-club.com/でダウンロード可能)の色づけに関しては、右クリック→「書式」→「ノード色」で完全に出来ました。有難うございました。多分これはレジメではなく、プロジェクターを使って投影するときに役立つ。あと、ノードを多くしていくと紙の上でプリントしたときにプリントが小さくなってしまうと言う問題の解決策をご存じの方は........あら、これも twitter します。

 


2010年03月18日(木曜日)

 (18:50)今日は木曜日で早起きの日だったのです。通常は午前4時に起きる。この番組は午前6時に始まりますから。私たちの出番という意味では。

 しかし、今日は昨日早く寝たせいか午前3時30分に起きた。ちょっと異常な時間だったからかも知れませんが、「そうだ、やっぱりちょっと本気で発信してみよう」と思ったのです。twitter です。

 むろんITを領域の一つにしている私としては、見守ってきているし、今までもある程度関わってきた。しかしこのサイトをやっていて既に十分発信しているからいいのかな、またやるのも大変だな、と思っていたのです。

 しかし今朝は30分時間が余分にあった。で、急激に「ほんじゃやるか」という気分になった。で、一気に

 ユーザー名=ycastercom
 名前=伊藤洋一
 web=http://arfaetha.jp/ycaster/

 で登録して、スタジオに行く前に一発、あとも今までに6本ほどアップしておきました。このサイトにはちょっとまとまったことを書くことが多いのですが、考えてみれば140字程度で発信したい面白いことはいっぱいある。それを拾っていこうかな、と思っています。毎日いろいろな人に会い、いろいろなところに行っていますから。

 「ycastercom」の間にドットは入りません。まあそれを暫くちょっと熱心に発信して、いろいろな方と情報交換が出来ればいいかな、と思っています。今聞きたいことは、昨日の飲み会の中で、「甲府の駅回りがシャッター通りになってしまった」と聞いたが、それは本当か、ということ。

 もう一つあるな。「札幌や旭川のタクシーは、今でも夜の客待ちをドアを開けてしているのか?」です。あ、これは向こうで聞くべきだった。


2010年03月17日(水曜日)

 (14:50)ははは、マインドコントロールではないのでお間違えなく。「マインドマップ デザイン思考の仕事術」という本の紹介です。

 大阪の書店で新書を探していたらなにげに手が伸びたのです。なぜ伸びたのかその瞬間は分からなかったのですが、「あ、これは自分が最近使い始めたコンピューター・ソフトウエアの元になる考え方だ」と最初の数ページを見て思い出した。

 最近私が結構使うソフトに、「フリーマインド」があるのですが、そのベースになる考え方が、「マインドマップ」なのです。

 そもそも「マインドマップ」とは、「知識やアイデアを図式化する技法の一つです。 中心にテーマを置き、そこから放射状にツリーを派生させる」方法。通常は紙で色鉛筆などを使ってやるそうですが、私はそれはやったことがない。私がやっているのは、それをコンピューターソフトウエアにした「FreeMind」です。

 FreeMind(フリーマインド)とは、「GNU-GPL(ライセンス)により配布されているフリーのマインドマップ作成ソフトウェア」ということで、さらなる説明としては「2005年2月にはJavaVM非搭載マシンのブラウザ上でも動的なマインドマップを公開可能なFlashプログラムが公開されたため、ネット上でマインドマップを公開したい人には、有用なツールとなる」とある。

 私がこのソフトをコンピューターに入れたのは、確か2007年くらいだと思う。この私の公式HPを設計してくれた岸君が使っていて、私も入れてみた。しかしずっと使っていなかったのです。

 しかし去年の末ですかね、何かの折に思い出して、例えばブランチ(中心の課題、円)に「日本経済の抱える課題」とか「クラウド」とか入れて展開してみると、面白い図が出来た。それ以来、フリーマインドをいろいろな局面で使っているのです。

 使っているだけではなく、例えばパワーポイントなどよりもよほど使い勝手が良いし、大部分のケースにおいて一枚にまとまるのでレジメとしても使える。PDFファイルにして、プリントしてもらえば良いのです。

 「マインドマップ デザイン思考の仕事術」は、私の関心とはちょっとずれたところに狙いがある。しかし読んでいてなかなか面白い。ブザンという人物を初めて知りましたし、車の「ミニ」の物語性に関しても、「そうだったのか」と思った。58ページの「脳の7原則」も面白いな。それは、

  1. 相乗性
  2. 成功志向
  3. 模倣性
  4. 完全性
  5. 知識志向
  6. 事実志向
  7. 根気よさ
 だそうだ。マインドマップ利用者の具体的指摘は興味深く読めた。使っていてフリーマインドに注文があるとしたら、ノードを伸ばしていくと講演会などの時にプロジェクターを通して投影したときに字が小さくなること、プリントするとこれまた字が小さくなることでしょうか。何とか大きくプリントできないものか。改善して欲しい点はあるが、今のところ便利なソフトとして利用させてもらっている。本も面白かった。

 誰もが使っているパワーポイントなどより、よほどいろいろな局面で使いやすいソフトだと思う。


2010年03月17日(水曜日)

 (12:50)お店に入った瞬間に、「これは大きな挑戦だ」と思いました。想像もしなかったコンテンポな店の作り、そして規模。

 草木を想起させようとしているのだと思いますが、アルミの4〜5本の芸術的な管が4人掛けのテーブルとテーブルの間に間仕切りとしてあって、左側の一面には二人掛けのテーブルがずらっと並ぶ。ここには間仕切りがない。カフェの雰囲気。

 右方には一枚板の総勢10人くらいが座れる大きなテーブルがある。そしてさらにその右側には、個室を想起させるものの、ドアも引き戸もない簡単な間仕切りのコーナーが三つ。

 料理メニューを見てまた「これはこの店には挑戦」と思いました。夜のメニューにはコースが4つほど用意されていましたが、1万円を超えるコースは一つ。あとは5000円台から始まって刻んであるだけ。お昼には2600円台のお料理も見えるし、高くて5000円台。

 人によってはそれでも高いという人がいるかもしれない。しかし、ここは「吉兆の総本山」「高麗橋 吉兆」の出店ですから。それが高島屋なんばダイニングメゾンの「高麗橋 吉兆 なんばダイニングメゾン店」(リンク先で最初の私の説明がちょっと分かってもらえると思います)で、今回私が訪ねた店。

 「カウンターから日本が見える」を書いているときから、吉兆さんはかなり調べさせていただきましたし、機会があれば寄らせてもらいました。湯木さんに繋がる方ともお知り合いになった。

 それだけに、吉兆という料理・レストラングループ全体にとって、大きな挑戦に見えるのです。値段とか店の作り以上に、吉兆というお店全体が時代をのどう乗り切るのかという問題に、結果は分からないが正面から挑戦を始めたという意味で。

 高麗橋吉兆(本吉兆とも言う)は昨年末から帝国、新阪急、大丸など関西圏に四つ出していた支店を次々に閉鎖した。どうするのかなと思ってい見ていたら、出てきた回答が高島屋の増床部分に出来たこの「なんばダイニングメゾン店」というわけです。まあ正直言って吉兆を知っている人は面食らう。吉兆の出店は、それぞれの吉兆(東京、京都など)が店を出すことによって、日本全国のホテル、デパートに相当ある。しかし、今回の難波の吉兆は、そのどれとも大きく違う。

 まあ、社内でもいろいろ議論があったのだろうと思ったのですが、実はトップの決断で決まったと。歴史のある店は、経済環境や社会の変化の中で、皆呻吟する。従来のやり方だけでは店の存続も危うくなるケースもあるし、味覚や好みも徐々に変化する。その中で伝統の味をどう出し続けるのか。

 「高麗橋 吉兆 なんばダイニングメゾン店」の一つの特徴付けは、ワインかな。あれほどワインリストが充実している吉兆の、あの規模のお店はたぶん初めてではないか。

 デパートに入っているということもあって、お昼は行列が出来る繁盛ぶりだという。ただし夜は静かで、結構入れる。「吉兆」という老舗の挑戦を、興味深く、かつ応援する気持ちで見守りたい。


2010年03月17日(水曜日)

 (05:50)声明発表直前のウォール・ストリート・ジャーナル関連記事の見出しに「Fed's Words to Be Scrutinized for Hints of Policy Change 」と題され、最初の一パラに「The Federal Reserve is unlikely to make any major changes in monetary policy at today's meeting of the Federal Open Market Committee, but its statement this afternoon will be scrutinized carefully for clues as to when Fed officials expect to make a move to raise short-term interest rates or drain some of the massive amount of credit they have pumped into the economy.」と書かれたFOMCの発表声明文の全文は、以下の通りでした。

Release Date: March 16, 2010

For immediate release

Information received since the Federal Open Market Committee met in January suggests that economic activity has continued to strengthen and that the labor market is stabilizing. Household spending is expanding at a moderate rate but remains constrained by high unemployment, modest income growth, lower housing wealth, and tight credit. Business spending on equipment and software has risen significantly. However, investment in nonresidential structures is declining, housing starts have been flat at a depressed level, and employers remain reluctant to add to payrolls. While bank lending continues to contract, financial market conditions remain supportive of economic growth. Although the pace of economic recovery is likely to be moderate for a time, the Committee anticipates a gradual return to higher levels of resource utilization in a context of price stability.

With substantial resource slack continuing to restrain cost pressures and longer-term inflation expectations stable, inflation is likely to be subdued for some time.

The Committee will maintain the target range for the federal funds rate at 0 to 1/4 percent and continues to anticipate that economic conditions, including low rates of resource utilization, subdued inflation trends, and stable inflation expectations, are likely to warrant exceptionally low levels of the federal funds rate for an extended period. To provide support to mortgage lending and housing markets and to improve overall conditions in private credit markets, the Federal Reserve has been purchasing $1.25 trillion of agency mortgage-backed securities and about $175 billion of agency debt; those purchases are nearing completion, and the remaining transactions will be executed by the end of this month. The Committee will continue to monitor the economic outlook and financial developments and will employ its policy tools as necessary to promote economic recovery and price stability.

In light of improved functioning of financial markets, the Federal Reserve has been closing the special liquidity facilities that it created to support markets during the crisis. The only remaining such program, the Term Asset-Backed Securities Loan Facility, is scheduled to close on June 30 for loans backed by new-issue commercial mortgage-backed securities and on March 31 for loans backed by all other types of collateral.

Voting for the FOMC monetary policy action were: Ben S. Bernanke, Chairman; William C. Dudley, Vice Chairman; James Bullard; Elizabeth A. Duke; Donald L. Kohn; Sandra Pianalto; Eric S. Rosengren; Daniel K. Tarullo; and Kevin M. Warsh. Voting against the policy action was Thomas M. Hoenig, who believed that continuing to express the expectation of exceptionally low levels of the federal funds rate for an extended period was no longer warranted because it could lead to the buildup of financial imbalances and increase risks to longer-run macroeconomic and financial stability.

 1月27日発表の前回声明と比較して読んで全体的に感じることは、「大きな一歩を踏み出したわけではない。しかし慎重さを残しながら、着実に金融政策の正常化に動いている」ということだ。

 「大きな一歩を踏み出した訳ではない」という部分は、第三パラグラフの最初の文章だろうか。「are likely to warrant exceptionally low levels of the federal funds rate for an extended period.」という表現を維持したこと。

 FRBは前回と今回のFOMCの間、つまり2月18日に、公定歩合の引き上げ(0.50%→0.75%)を実施していた。それに関して、「these changes are intended as a further normalizationof the Federal Reserve's lending facilities.」と金融の正常化であると強調し、「The modificationsare not expected to lead to tighter financial conditionsfor households and businesses」と説明していた。つまり家計や企業にとっての利上げには繋がらないと述べていたのである。

 今回のFOMC声明は、この公定歩合引き上げ時の約束をFRBが守ったことを意味している。第三パラの最初の長い文章は、前回と全く同じである。「for an extended period」という表現を、反対者を抱えながらも残した。「低い設備稼働率、インフレ圧力が現時点で弱いし、今後のインフレ期待も安定している」が故に、「異常に低いFF金利水準をfor an extended period維持する」と。

 新聞によっては、この「for an extended period」を「長期間」と訳しているが、これはちょっとニュアンスが違う。「長」の中には絶対的な期間のイメージがあるが、「for an extended period」にはそう言う絶対的なイメージはなく、過去の緩和期間に比べればその期間が延びているだろうし、今後も伸びるだろうという相対的なイメージだ。だから、「長」といってしまった場合に我々が想像する期間より短いかもしれない。次々回のFOMC(6月22〜23日)くらいに0.25%程度の利上げがあっても必ずしもおかしくない表現だと思う。表現だけから見ると、だが。

 「慎重さを残しながら、着実に金融政策の正常化に動いている」と感じる部分に関しては、まずは景気認識である。前回のFOMC声明では「the deterioration in the labor market is abating」となっていた部分を、「the labor market is stabilizing」とした。deteriorationという単語を使わなかったこと自体、FRBの雇用環境に関する認識が若干でも上がっている証拠である。

 「Business spending on equipment and software」についても、前回は「appears to be picking up」となっていたのを今回は「has risen significantly」とし、さらに前回「investment in structures is still contracting」としていた建造物への投資に関しては、「investment in nonresidential structures is declining, housing starts have been flat at a depressed level」と非住居用と住居を分けて、非住居用(商業ビル)に関しては減少しているが、住居用建物に関しては「低水準で横ばい」とした。

 認識だけではなく、実際の措置でも緊急時措置の解除を行うことによってFRBは金融政策の正常化を進めようとしている。「To provide support to mortgage lending and housing markets and to improve overall conditions in private credit markets, the Federal Reserve has been purchasing $1.25 trillion of agency mortgage-backed securities and about $175 billion of agency debt; those purchases are nearing completion, and the remaining transactions will be executed by the end of this month.」の部分だ。

 これまで大規模に行ってきて住宅ローン資産担保証券(MBS)の買い取りなどについて、「are nearing completion」と「完了に近づいている」と指摘し、「残りの取引も今月末までに完了する」とした。

 前回と同様、今回の決定にも不同意だったのはカンザスシティ連銀のThomas M. Hoenigで、反対理由は「for an extended period」をワーディングから撤去すべきだというもの。声明に彼の反対理由が「who believed that continuing to express the expectation of exceptionally low levels of the federal funds rate for an extended period was no longer warranted because it could lead to the buildup of financial imbalances and increase risks to longer-run macroeconomic and financial stability. 」と書いてある。

 今回もそうだったが、次回からのFOMC声明も「for an extended period」が残るか、落ちるのかに関心が集まりそうだ。最初のウォール・ストリート・ジャーナルの疑問、つまり「いつ短期金利であるFF金利が上がるのか」に関しては、まず先物市場の今の動きから見ると「11月には0.5%に上がる」となっている。今の0.0〜0.25%という「異常に低い金利」は、2008年12月から続いている。ニューヨーク株式市場が底値を付けたのは、今から一年ちょっと前の2009年3月初め。

 まあ私の個人的な予想は、「失業率の動き次第」というもので、企業が依然として労働者の雇用に積極的ではない現状を見ると、「FF金利の引き上げはもしかしたら来年になるかもしれない」というものだ。


2010年03月16日(火曜日)

 (23:50)今日で政権発足ちょうど半年ですか。半年というタイムスパンの中で、政権支持率が30%割れ寸前まで落ちるとはなかなか想像できなかった。自民党のドタバタ治世の後で、「もう民主党に任すしかない」という国民の判断の中で生じた政権交代だったわけですから。

 最初から懸念されたのは、掲げたマニュフェストの中味だった。経済政策の柱がなかったし、少し見直せば8兆〜9兆円の財源は出てくるという前提だった。しかしその「簡単に出てくる筈の財源」が出せなかったことから、恒久的措置(子供手当、高校の無償化など)を一時的財源(埋蔵金)と借金で賄う形に。

 これでは市場も国民も不安になる。加えての「政治とカネ」の問題における自浄能力の欠如。民主党らしくない、というか「国民が民主党に期待するレベルを大幅に下回る対処方針」しか出てこない現実。これでは国民はがっかりする。政権への支持率低下は、経済・財政政策の柱の欠如と、民主党という新しい政権担当党が持つべき筈の清新さの、急激な低下の中で起きていると考えられる。

 自民党という長らく政権の座にいた政党の凋落の後に出来た政権だけに、民主党には期待したいという気持ちが国民の間にまだ強いに違いない。鳩山政権に対する支持率は半年の間に大幅に下がったが、一方で民主党という党に対する支持率は依然として相当高い。「まだ民主党という党にはまだチャンスを与えたい。自民党に政権を戻せる状況にはないのだから」という気持ちが国民の間で強いのでしょう。

 自民党の支持率は底這い状態だ。残念ながら「敗北を経て自民党が本当に変わったとは思えない」というのが国民の判断だろう。民主党にも自民党にも瑕疵ありとなれば、その結果として生ずるのは、国民の間での「政治に対する閉息感」だ。

 国民はいったい政治を誰に託せば良いのか。みんなの党か。まだまだ小さな存在だし、指導的立場にいる二人の政治家の足並みが今後も揃うかどうかに疑問がある。

 自民党を飛び出しても新しい政治を、という動きには評価できる点もある。しかし誰がどういう旗を掲げて新しい政治を希求していくのか分かりにくい。つまり政策が見えないのだ。「個性だけで私を支持してくれ」と言われても、国民は任せる気持ちにはなかなかなれない。最低、国民の負担と福祉の関係をどう考えるのか、日本経済再生のシナリオをどう考えるのかは示して欲しい。

 第三極の政治勢力の台頭を望みたい気持ちもある。しかし、その前に民主党と自民党の両方には「再生の努力」を真剣にして欲しいと思う。新しい政治家の台頭を期待したいものだ。


2010年03月15日(月曜日)

 (23:50)おお、これですか「radiko」とは。なかなかFMを聞いても綺麗に聞けるじゃないですか。もっとも、地域限定で私は東京にいるので聞けているのかもしれない。

 ラジオ受信機をonにして、ネット上の同じ局の音を聞いてみると、やはりラジオの方が10数秒早い。ネットが遅れる。そりゃそうでしょう。ラジオの新しい挑戦ですが、局の切り替えも素早いし、なかなか使えそう。明日は大阪なので、大阪は大阪で聞いてみます。


2010年03月14日(日曜日)

 (14:50)毎週金曜日のラジオ放送とその後のポッドキャストでリリースされる「Roundup World Now」は1998年10月からラジオが、その後ポッドキャスでも配信が始まって今に続いている番組。番組のHPには色々な方が投稿して下さる。

 番組もポッドキャストのビジネス部門で常にベストスリーに入りよく聞かれている番組ですが、いつも色々な方から番組HPに投稿があり、それらは感謝して読んでいるのですが、今回非常に面白い投稿がありましたので、私のHPでも紹介させていただきます。

 投稿者は、「nos_k_sp (のすけ_札幌)」さんで、「ははは、そういう聴き方もあるのか」とこちとらもビックリ。こちらとしても参考にある点がいくつかある。それは後で書くとして、まず「正しい Round Up World Now の聞き方と楽しみ方」を。

【正しい Round Up World Now の聞き方と楽しみ方】
  1. わからない言葉がたくさんあっても、落ち込まない・・・

  2. オンディマンド放送を聴きながら、自分のわからない言葉を片っ端から  twitterでハッシュタグを付け、つぶやく。私は、『イノベーションのジレンマ・・・ #nosnewwords 』のように、 つぶやいています

  3. 時間を見つけては、twitterで、そのハッシュタグを呼び出し、 わからない言葉を、ググり、声に出し会話に使えるまで、意味を理解する。

  4. わからない言葉を意識して、オンディマンド放送を、何度も繰り返し聞く。

  5. 『 Round Up World Now 』を絶対聞いていないような人を見つけ、 その言葉を使ってみる。そして、相手のこまった顔を楽しむ。 さらに、自分が博学になった錯覚を楽しんだ後、 『 Round Up World Now 』 の存在を誇らしげに伝える。

  6. 知らなかった言葉が、自分のものになったことを自覚できたなら・・・ 『 Round Up World Now 』 の配信に感謝しつつ、 次回配信予定日の金曜の夜を楽しみに待つ。
 こちらとしてはそれほど難しい単語を使っている思いはないのですが、そうですね自然に出ているものがあるのかもしれません。なにせ言葉として新しいディメンションを持つ新単語は、ぴたりと当てはまる日本語がないのが普通ですから、どうしても自然に他の人と意味ディメンションを共有するためにそのままの登場ということになる。

 「『 Round Up World Now 』 の存在を誇らしげに伝える。」という部分は感謝ですね。せっかく長く続いた番組。今後とも聞いて下さる方に役に立つ放送であろうと思っています。「nos_k_sp (のすけ_札幌)」さん、楽しい投稿ありがとうございます。

 それから今日の「世の中進歩堂」は、『もっと日常は楽しめる!身近な日用品がテクノロジーで大変身!』 をお送りします。楽しいですよ。バケツや傘、フライパンなど、身の回りにある日用品を、テクノロジーを使って驚きの発明品に変身させるという、とてもユニークな研究。

 「歩くディスプレー」と自ら名乗る慶応大学の稲陰教授が登場。天気を知らせてくれるバケツや、思い出を表示してくれる時計が登場。近未来の生活を予感させる、画期的な日用品を一挙公開します。この番組の「身近路線」の一環です。そうです、テクノロジーはまず私たちの身近を楽しく、便利にしてくれないと。


2010年03月12日(金曜日)

 (20:50)昨日からなのですが、NHKオンデマンドがうまくワークしなくなったので、NHKに電話して聞いたらメディア・プレーヤーに関するインターネット・エクスプローラーが何かの変更を行ったことが原因と判明。

  1. HPの左下の「動作環境の確認」に進み、「2」の中の「再生がうまくいかない方はこちら」から「動作確認」をする
  2. 次にその下にある「セキュリティ.....」と「上記セキュリティ....」の両方をアップグレードする
  3. 全部済ませてHPに戻って再生する
 という手順で再び動くことが確認できました。たった一つのソフトウエアですが、動作環境は刻々と変わる。4月1日からは再生メディアがまた変わって、もっと遅い回線でも再生が出来るようになるらしい。新幹線の無線LANでもNHKオンデマンドを見ることが出来るのかどうか楽しみ。

 ところで、昨日Intelの新しいCPUであるCore iシリーズについて書きましたが、平山さんという方からメールをいただき、「Intelの新しいCPUであるCore i7シリーズですが、小型のノートに搭載されるのが数年先と店員さんがおっしゃったそうですが、実はもうパナソニックの現行機種に搭載されています。」と次のサイトを紹介頂きました。

  1. http://panasonic.jp/pc/products/r9j/index.html
  2. http://panasonic.jp/pc/products/s9j/index.html
 「1」がCore i7が搭載されているRシリーズ、「2」がCore i5が搭載されているSシリーズだそうです。メール有り難うございました。時間があったらちょっと見に行ってみようかな、と。最近LET'S NOTEは動きが良い。

 今日読んだ新聞記事では、ウォール・ストリート・ジャーナルの「China's struggling 'ant' draw worry from officials」が面白かった。中国では卒業してもなかなか就職できない若者を「蟻族」と呼ぶらしい。「ant tribe」と表記されていた。経済成長著しい中国ですが、置いてきぼりを食った人々の悩みは深い。この記事によると蟻族の平均月収は300ドルだと。

 過去のテレビ番組では、「無料ビジネスの舞台裏」(クローズアップ現代)が面白かったな。確かに最近は「タダ」が多い。クラウドサービス初め。この番組で初めて、「フリーミアム」なる単語を覚えました。「free+premium」。


2010年03月11日(木曜日)

 (20:50)今日の新聞で一番興味をもって読んだ記事は、「絶縁体で電気信号伝達 夢の8割省エネ」(毎日)でしょうか。むろん大きさは違うが他の新聞にも載っている。しかし毎日は一面左上です。かつよくまとまっている。記事の内容は

絶縁体:電気信号伝達、夢の8割省エネ 東北大研究所、実験に成功

 電気を通さない「絶縁体」の物質に、磁気を使った方法で電気の信号を通すことに、東北大金属材料研究所の斉藤英治教授(物性物理学)らのチームが世界で初めて成功した。IC(集積回路)チップに使う場合、銅線に比べエネルギー消費量が8割軽減するとみられる。今後、革新的な省エネルギー技術の開発につながりそうだ。11日、英科学誌「ネイチャー」で発表した。

 金属や半導体に電流を流すと、電子の移動に伴い発熱してエネルギーが失われ、省エネ化の妨げになっていた。斉藤教授らは磁気を生み出す電子の自転「スピン」に着目した。斉藤教授は06年、電子から電子へスピンが伝わる「スピン波」と電流を相互に変換できることを発見。今回はその理論を応用した。

 研究チームはICチップなどに使われる磁石の一種の「磁性ガーネット」という絶縁体を用意。両端に白金(プラチナ)の端子を取り付け片方の端子に電流を流した。すると電流が白金と絶縁体の境界面でスピン波を起こした。スピン波は反対側の白金の端子まで到達し、電流を発生させた。この方法だと電子は移動せず、発熱によるエネルギー損失は激減した。斉藤教授は「パソコンが次第に熱くなるように、電流による発熱は大きなエネルギー損失を起こす。絶縁体を使う信号伝達はこの問題の根本的解決法だ」と話している。

 というもの。読んでいて、「電子が移動するからPCは使っていると熱くなるのか」と思いました。「電子から電子へスピンが伝わるスピン波」というのが面白いですね。スピンはその場で回転するわけだから、移動はしない。すると熱が出ない。

 実は今週も量販店に行って、既に「Core i3」「Core i5」「Core i7」という凄く早いマシンが出ていて、でもそれは特に「5」「7」については、私がいつも使っているような小型のマシンに乗るのは「数年先」(店員)ということで、それはそれで非常に寂しい。

 そういう状況を、この新しい発見が打破してくれれば面白いし、応用範囲は非常に大きいのではないかと思うのです。そういう意味で、私がやっている番組「世の中進歩堂」で早く取り上げたいなと思っています。番組関係者の方々、宜しく。

 私が今注目しているもう一つの研究は、小池さんのこの研究ですかね。実は彼は私が出た高校の後輩なのです。この研究も実に応用範囲が広い。ノーベル賞も取って欲しい。

 ところで、今までこのコーナーではあまり紹介してきませんでしたが、10代の方々向けに「金融そもそも講座」というのをやっており、その13回目がアップされましたので紹介しておきます。多くの方に参考になれば幸甚です。


2010年03月11日(木曜日)

 (14:40)今日は何故だか朝から鉄道の話しが多い。朝のテレビ番組で、「自分で700万円の訓練費を支払っても、鉄道の運転手になりたい人」と募集したら20人も応募があったという話しがあったのが切っ掛け。総額1億4000万円。

 なかなか剛気じゃないですか。千葉県の第三セクターの「いずみ鉄道」さんの募集ですが、「もう締め切り」とのこと。「自分で700万」でっせ。普通の人の年収より多い。うるさい資格試験をくぐり抜けて運転手になっても、「月収は10万ちょっと」と言うから、割に合う話しではない。趣味でないと。それでも応募が20人。

 そこでテレビでは私は、「超熱心なてっちゃん」の話しをしたのです。前原さんが「てっちゃん」である事などを引き合いに出して。「好きな人はそれでも満足なのではないか」と。

 実は「てっちゃん」は今日の昼飯の話題にもなった。というのは昼飯のメンバーの中に日経BPの滝澤さんという方がいて、その方は実家が「東京は北千住で鉄道模型店を経営している」という方だった。その店のオンラインショップが「鉄道模型〜たきざわ模型店ONLINESHOP〜」です。

 滝澤さんは、「そういう人は結構多いですよ」と。彼のお父さんの店は、おじいちゃんのころから鉄道模型を扱っていて、全国から「てっちゃん」が集まる、らしい。子供の頃からそういう人を見ているわけです。「お父さんを含めて話し込んで、お父さんが入れたコーヒーを飲んで.....買わないで帰っていく人が多い」と滝澤さん。ははは、ファンにとっても最高の店?

 ま、好きなことにはいくらお金を投じても....ということでしょう。私もペンやボールペンが好きなので、つい買ってしまう。そういうものじゃないですか。「実際の鉄道が運転できたら....」という人は多いに違いない。鉄道ファンの方は、是非北千住に「鉄道模型・滝澤」を訪ねて欲しいものです。

 あそうそう、鉄道と言えば私には昨日の経験が強烈でした。JR西には、新大阪と博多の間を走っている「ひかり」系のレールスターという列車があって、その電車の一つのウリは、「サイレント・カー」というのがあること。一両だけかな。なんでサイレントかというと、車内放送を切っているからです。その車輌だけ。駅に着いても、どこの駅だからその車輌だけは放送がない。というか、切ってある。お休み下さいと。

 で、「サイレントか。寝れるかな」と思って昨日新大阪から岡山の間で乗ったのです。ところがなんとなんと、私の席の直ぐ近くにアメリカ人の12〜3人の団体が乗ってきて、silent なんてものじゃない。うるさい、うるさい。

 「Silent Car」の表示は英語でもあるはずなのに、気にする様子はなく、まあ本当にうるさい。「こりゃだめだ」と思って、「楽しい日本旅行なんだし」と思って私は何も言いませんでしたが、頼みますよJR西さん。アメリカ人の団体を「サイレント・カー」には入れないで欲しい.......


2010年03月10日(水曜日)

 (19:40)今年は飛散している花粉の量は去年に比べれば少なめだそうですが、なぜか私の周りでは去年並み。時には去年より酷い。昼間は比較的軽いのに、夜になると症状が厳しくなる。ほぼ一ヶ月間の現象とは言え、なかなか辛い。その間は花粉のない場所に行くっていう方法もあるが、これはなかなか難しい。

 「日米の密約問題」に関する有識者委員会の報告書は、検証した4項目のうち一項目(朝鮮半島有事の際の事前協議なしでの在日米軍の自由出撃)では「狭義の密約」を、2項目(核搭載艦船の一時寄港、領海通過は事前協議の対象外、沖縄返還時の現状回復費の日本の肩代わり)で「広義の密約」を認定し、もう一つ(緊急有事の際に米軍が沖縄に核を持ち込めるとの密約)では「密約とは言えず」という結論だった。

 核搭載戦艦の一時寄港については、既にアメリカからラロック発言やライシャワー証言などがあって、日本政府の「事前協議がなかったのだからない」という立場が怪しいことは一般国民は十分認識していたと言える。「わざわざ積荷をおろすことはしない」(ラロック発言)というのが本当のところだったのだろう。しかしその後アメリカは艦船からの核を撤去した。

 問題は朝鮮半島有事の時でしょう。どうするのか。過去の問題が多い中で、朝鮮半島有事は今後も十分可能性が高い。非核三原則を堅持するのなら、そうした事態への対応を練っておかねばならない。逆に非核三原則の修正を図る意見もある。これは今後の日本外交の大きな問題です。

 それから映画を一つ。「新しい人生のはじめかた」というのです。ずっと昔ですが、「an unmarried woman」という映画があったのですが、それを思い出しながら見ていました。舞台は「an unmarried woman」がニューヨークだったのに対して、ロンドンです。

 内容には触れませんが、「日本の女性にもこういう人はきっといっぱいいるだろう」と思いながら。ダスティン・ホフマンの映画のようでいて、実はこの映画は相手の女性役の映画だと思いました。別に秀作でもないが、揺れ動く女性の心とか、家族の問題とかが浮き彫りにされて面白かった。


2010年03月08日(月曜日)

 (23:40)あらら、「ハート・ロッカー」がアカデミー作品賞や監督賞ですか。まあアバターよりは良い。リアルだし。女性監督のアカデミー監督賞というのは初めてだそうだ。しかし私の印象は一昨日書いた通りです。

 いよいよ鳩山内閣の支持率がいくつかの世論調査で40%を切ってきた。共同通信(36かな)とNHK(38)のそれで切っている。国民が一番気になっていることに関して、しっかりした対処を行っていないのだから、国民の怒りはたまってくる。この「たまり」はそうは簡単になくならない。「参議院選挙は別次元」と小沢さんは言っているようですが、それは違うでしょう。

 自民党が谷垣現総裁を代えてきたら、一気に事態が動き出すような気がする。私も自民党の現執行部は代わった方が良い、という意見です。何せ新鮮味が全くない。大島さんなどがテレビに出てくると「古い自民党」をあえて宣伝しているように思える。

 テレビで面白かったのは、数日前の「追跡A〜Z」。オンデマンドで見たら面白かった。いや、結論は「(食事は)脂ものを控える」、「(運動は)一日一万歩程度」という常識的なものでした。しかしその結論に至る道筋は非常に面白いものだった。「異所性脂肪」という耳慣れない言葉が記憶に残る番組だった。

 人間の脂肪には皮下脂肪、内臓脂肪という良く知られた脂肪の他に、心臓などに絡みつくたちの悪い「第三の脂肪=異所性脂肪」があるというのです。それが人間の健康を害す。面白かったのは、皮下脂肪や内臓脂肪の許容量が大きい形になっているケースは、肥満の人でも案外健康だという点。

 逆に皮下脂肪や内臓脂肪に許容力がなく、何かと言えば異所性脂肪がたまりやすい人は、痩せている人でも太っている人よりかえって不健康だという。重要なことは、日本人は一般的に皮下脂肪と内臓脂肪の許容量が小さい。つまり、健康そうにみえる痩せの人でも、異所性脂肪が多くて危険な人が多いという。これは意外でした。アメリカ人なんてあの肥満を見ると、「不健康な人が多いのだろう」と想像するのですが、そうでもないらしい。

 常識というものは何回もひっくり返るものですね。


2010年03月07日(日曜日)

 (14:40)金曜日の夜の放送だったのですが、今も、そして今後もポッドキャストでも聞くことが出来るのでなるべく多くの方に聞いていただきたいと言うことで、このコーナーでも紹介したいと思います。それは、「先端学際に迫る!」 というもの。リンク先のページの左にある3月5日分のところからも聞くことが出来ます。

 「学際」とは学問の際(きわ)という意味で、例えば「業際」などの熟語にも使われている。実は私は講演会の場などで言っているのですが、これからは「際」の時代だと思っているのです。先端(半導体から薄型テレビなどなど)は日本に揃っている。しかしそこは実は競争が厳しい。韓国も追い上げてきている。

 そこで重要なのは、先端を極めると同時に、先端と先端の”際”を学問でもビジネスでも追うことが重要で、そこに大きなチャンスがあると思っているのです。日本は大学での研究でもそうだし、企業が質量とも揃っているという意味では、先端(実に多くの)が揃っている。そのうえでその先端と先端をつなぐ”際”があれば、それは新たな研究、ビジネスに繋がると。その意味で、湯川さんの話は面白かったわけです。

 既にこの放送を聞いた方から番組の書き込みサイトに意見が寄せられているようで、私が見たご意見は以下のようにお褒めをいただけるものでした。

 毎回拝聴しています。前回のクラウド特集も良かったですが、今回もすばらいい内容でした。刺激的でした。ありがとうございました。

  日本人は学問といえばすぐに専門は何?と専門を規定したがります。 産業界でも自分たちは何の企業、とか、この企業は何の分野?と企業を 業種で分けたがり、そこから出ようとしません。大企業ほどその傾向が 強いです。今のシリコンバレーのように既存の枠組みにとらわれない 考え方が重要です。シスコのお話がありましたが、グーグルもアップルも アマゾンも、このような考え方に成り立っていると感じました。

 学際研究は重要であります。日本の企業経営者はこの放送を聞くべしで あります。

 是非多くの方に聞いていただきたいと思います。

 ところで、今夜午後8時30分からの「世の中進歩堂」は、『酒造りの技術で生ゴミからバイオエタノールを作る!驚異の発酵パワーが地球を救う!?』 と題して、東京農業大学醸造環境科学研究室の研究を紹介します。同研究室では、なんと生ゴミを発酵させてバイオエタノールを造る装置が開発されているのです。

 ご存じの通り、バイオエタノールとは次世代エネルギーとして期待されている液体燃料。世界中の様々な機関で研究が進められているのですが、同研究室では今までにない画期的な方法でバイオエタノールを作っているわけです。なんと原料は生ゴミ。ユニークでしょ。いよいよ夢のエネルギー出現か、というわけですが、大規模利用が可能になったら一石二鳥どころか、「三」にも「四」にもなる。

 利用する技術は、日本伝統である醸造、つまり「酒造りの技術」。アメリカなどでやっているトウモロコシからバイオエタノールを作る技術は、私も目撃してきましたから言えるのですが、すさまじい量の水を使う。しかしこの「醸造」の技術だと、生ゴミから水を使わずに直接バイオエタノールを作れる。廃液を出さず、生ゴミを無駄なく有効活用して、バイオエタノールや肥料などを作ることができる、というのです。実は既に実際に稼働している装置が出来ている。

 地球に優しいエネルギー作りを可能にした酒造りの技術。それを紹介します。お楽しみに。


2010年03月06日(土曜日)

 (22:40)今日が封切りだと言うことで、夜遅くなっての最終の回で「ハート・ロッカー」を見ました。

 正直言って、見終えてぐったり。疲れるのです。息が抜けないから。それほど緊張感が続く映画です。戦闘をしているか、そうでなくても常に緊張している。何せ相手が爆弾ですから。よく撮ったなと思う。

 「戦争は麻薬だ」と映画の初めの方に出てくるのですが、それを地でいっている主人公。見ていて気の毒にもなるし、しかしそういう展開しかできないような気もする。一回帰国しても、また戦場に帰ってきてしまう。楽しめるおもちゃが一つになってしまった段階で、戦場に帰るしかなくなるのです。帰国して戦争の話しをする夫を、冷めた目で見る奥さんの表情が頭に残った。

 戦争の悲惨さという以上に、それに飲み込まれていく人間が描かれている。アメリカの新聞の評価は非常に高かったようだし、それ故にアカデミー賞の多くの分野で候補になっている。しかし、私は良い映画だし、記憶に残るとは思うが、手放しで喜べるような映画ではないと思う。ちょっと重すぎる。


2010年03月05日(金曜日)

 (22:40)新しいエッセイが公表されました。今回のエッセイは、インドのチプコ運動を取り上げました。なかなかの「抱きつき作戦」ですよ。


2010年03月04日(木曜日)

 (22:40)GSYUASAが実証実験用に作っているリチウムイオンを使った電動バイク  今日の東京ビッグサイトでの最大の収穫は、この目で初めてGSYUASAが作っている電動バイクを見ることができたことですかね。右の荷物自転車のような二輪車(よく見ると四輪車 右の写真)がそれです。GSYUASAが試験的に50台を作って、そのうち何台か(確か5台と聞いたような)を京都信用金庫が集金に使っている。6時間の充電でフルになり、それで20キロを走るという。

 今朝のやじプラでの話題でもあったのですが、私は番組とは別の視点を持っていたので「FC EXPO 2010」に昼からの時間を見つけて実際に行ったのです。IWATANIの水素バイク(写真左)もむろん興味津々なのですが、IWATANIが作った水素を駆動エネルギーとする燃料電池バイクそれよりも去年の末からその存在を知っていたが見ていなかったGSYUASAの電動バイクが興味の中心にあった。IWATANIの水素バイクは今回初めてその存在を知った。

 何故興味があったのか。だってホンダもバイクから始まった会社じゃないですか。だから、可能性としたらGSYUASAだって電池がポイントになるこれからの車社会では非常に面白い存在になるし、場合によったら将来は自ら車を作るかもしれない。ははは、「可能性」ですが。それはIWATANIにも言える。

 まだYUASAもIWATANIも試験的に電動バイクを作っていて両方とも値段が付いていないが、世界のエネルギーの行方はかなり見える。やはり、「電池」の方向です。それを充電するのか、それとも何らかの化学反応で自ら電気を生産しながらなのかは別にして。

 会場には、本当に結構の数の人が来ていました。圧倒的に男性。女性は1割もいない。やあり技術の世界は男の社会だと思うと同時に、これまた外国人の存在の多さには「やはりな」と思いました。韓国の人たちとか中国の人たちが多い。台湾か香港か本土か知りませんが、ずいぶんと中国語、韓国語が聞こえた。

 会場ではいろいろなものを発見しました。つい先日NHKのプレミアム8で見たソーラーカーレースを勝った日本のレーシングカーもシャープのブースに飾ってありました。そのパネルの綺麗なこと。篠塚さんでしたっけ、彼が乗っていたポーションは非常に小さい。頭だけ出して運転したんだと思いました。シャープが現物支給し東海大学チームがオーストラリアでのソーラーカーレース(3000キロ)で勝った太陽光発電レーシングカー

 もう一つシャープのブースで見つけたのが、「世界最高変換効率35.8%」という表示。今の太陽光発電は良くても変換効率(太陽光を電気に変換する効率)は20%台なので、30%台の半ばというのはそれはそれは凄いし、太陽光発電パネルの発電効率が一気に高まる。

 今見たらシャープのサイトにリリースがあるのですが、「化合物3接合型太陽電池」でそれに成功したと書いてあって、あとは「化合物太陽電池とは、現在の主流であるシリコンを材料として用いた太陽電池と異なり、インジウムやガリウムなど、2種類以上の元素からなる化合物を材料とした光吸収層を持つ変換効率の高い太陽電池で、主に人工衛星に使用」と書いてある。しかしこれは何とか現実の世界で使いたいですね。どのくらい安くなるのかがポイントです。

変換効率(太陽光を電気に変える率)35.8%を達成した新しい太陽光発電素子  一つ勉強してやろうと思って、シリコン系ではない有機系(例えば色素増感法)の太陽光発電を勉強してやろうと、ちょうどまだ空いていたので「PV-8 注目を集める有機系太陽電池の実用化開発動向」というパネルに入ったのです。結構なお金を払わされましたが、分かったのは半分くらいですかね。ちょっと無駄使い?

 今の圧倒的大多数の太陽光パネルはシリコン系です。だからシリコンが高くなる。それを生産している中国の態度が大きくなる、という構造になっている。脱シリコンが太陽光発電にとって非常に重要だと思っているのです。

 まあでもこのパネルは技術者さん達のそれなので、私の基礎知識ではちょっとレベルが高かった。しかしじっと聞いていれば何か分かってくるもので、このパネルで二番目に話したフジクラの太陽光発電研究所の方の「大面積色素増感太陽電池の開発状況」という話は結構分かった。

 本当に多くの日本の企業がこの分野で開発努力を続けているというのが分かって、これは勇気づけられた。会場に「スマートグリッド展」という表示があったので、「ついでにそれも」と思ったら、それは来年開催予定のものでした。

 先日、「イベント屋はずいぶん先を考える」という話をある方々としたばかりなので、「随分タイムスパンが違うな.....」と思いました。まあそれにしてもよく歩きました。岡谷市の出展もあって、以前お会いした方もいらっした。面白かった。


2010年03月04日(木曜日)

 (05:40)強みが弱みになり、弱みが強みになる。今の世界は何でも流転気味だ。だから、今強いと言って必ずしも見習わなくてはならないというわけではない。しかし、なぜ今強いのかという分析は必要だし、取り入れることが出来るものは取り入れた方が良い。

 今朝の日経新聞は社説で「世界に躍進する韓国企業に学ぼう」となっている。特に目新しいことが書いてあるわけではない。常日頃私なども講演会などで言っていることだ。一番の違いは「経営判断の素早さ」。

 しかしそれを社説に持ってきたところが、逡巡のなさを感じて良い。良い物、良いことに学ぶ姿勢を持つのは非常に重要なことで、現時点では明らかにいくつかの点で韓国企業の方が日本企業より良い対処が出来ている。

 一方FTの短い分析だが、「Japanese fret over quality of manufacturing」は面白かった。日本の製造業が抱える問題を端的に分析していた。こういう記事が日本の新聞にも欲しい。

 日本の新聞では、朝忙しくて昨日の夕方に読み直した朝日新聞の「時々刻々」の「小鳩 細る求心力」が今の日本の与党で起きている問題をなかなかうまく解説していた。「政権交代の立役者だが.....今や最大の不安要因」と『続投に強い意欲示すけど.....「同時辞任」ささやかれ』となっている。

 今の日本経済の惨状を考えると、衆議院で308の圧倒的議席数を誇る与党にはしっかりして正しい政策を次々に実行に移してもらわねばならないが、カネの問題でも、参議院の予算委員会に有力閣僚3人が遅刻するなど態度でもいろいろ問題が多い。問題が多いから、政策が前に進まない。進んでいる政策も選挙用のものが多い。

 中でも私が読んでいてショックだったのは、『政権の求心力は日々低下している。首相は官邸内で「ピヨピヨ鳩」というあだ名を付けられた。サービス感覚でものを言う首相の「八方美人」ぶりを揶揄したものだ。首相の側近ですら「いつまでもピヨピヨ鳩じゃしょうがないな」。』という部分だ。

 首相が「ピヨピヨ鳩」じゃしょうがないでしょう。昔から「思いつきでものを言う癖」(弟の邦夫氏)があったそうだが、首相という職ではそれは致命傷になる。「発言がぶれる」原因になるからで、実際に相当ぶれている。これでは国民の信頼は積み重なることがない。


2010年03月03日(水曜日)

 (13:40)だいぶ暖かくなってきたので、3日の昼は繁昌亭の隣にある「大阪天神さん」に散歩に。既に桃と梅の花が結構咲き始めていて、綺麗でした。

大阪天満宮の中にあった紅梅。とても綺麗でした  最近は染井吉野の花の色があまりにも白くなって、紅梅とか八重桜のようなちょっとピンクがかった色の方が花としては綺麗に見える。だから天満宮の中で桃とか紅梅が8分咲きなのを見ると、「これは綺麗だ」と思える。桜はまだまだ2週間以上先ですが、地方によって、また木によって微妙に色加減が違う。

 ところで今日読んだ記事では、ニューヨーク・タイムズの「Scientists Taking Steps to Defend Work on Climate」が面白かったな。いわゆるクライメートゲート(climategate)疑惑に晒された科学者達が、ファイトバックを計っているという話。

 この話は今の世界にとって極めて重要で、疑惑をはらすというか真実がどこにあるのかを可及的速やかに明らかにする必要があると思う。なぜなら、アメリカなどでは既に地球の温暖化そのものに対する疑念や、それが人間の経済活動によって生じているという説を信じない人が増えているという報告がある。例えばこうだ。

But serious damage has already been done. A survey conducted in late December by Yale University and George Mason University found that the number of Americans who believed that climate change was a hoax or scientific conspiracy had more than doubled since 2008, to 16 percent of the population from 7 percent. An additional 13 percent of Americans said they thought that even if the planet was warming, it was a result solely of natural factors and was not a significant concern.
 私の考え方は、異常増殖した人間の活動が地球という星の環境に影響を与えているはずで、それは必ずも良い影響ではないというものですが、別に科学者ではないので常識の範囲をそれほど出ているものではない。だから実態を知りたいわけです

 次の文章にarrogance という単語が出てきますが、この単語はいろいろなところに登場する。問題が起きると必ず出てくると言うことは、人間が起こす問題のかなり根源的な背景になり得ると言うことです。

The e-mail episode, called “climategate” by critics, revealed arrogance and what one top climate researcher called “tribalism” among some scientists. The correspondence appears to show efforts to limit publication of contrary opinion and to evade Freedom of Information Act requests. The content of the messages opened some well-known scientists to charges of concealing temperature data from rival researchers and manipulating results to conform to precooked conclusions.

“I have obviously written some very awful e-mails,” Phil Jones, the British climate scientist at the center of the controversy, confessed to a special committee of Parliament on Monday. But he sharply disputed charges that he had hidden data or faked results.


2010年03月02日(火曜日)

 (13:40)「あらら」ってなものですね。今日の東京から大阪の新幹線で中島常幸さんを見かけたのですが、なんと松葉杖をついてやっと歩いていた。「そんなに急にお年を召したのかな」「いや、つい最近も活躍していたし」と不思議に。

 しかし見ていると、座席に座っても右足のズボンをちょっと上げて揉んでいたりする。「どうしたんだろう」と。彼が名古屋で降りた後に、ちょっとネットで調べたら、今年1月半ばに青森で交通事故に遭っていたのですね。ネットには以下のような趣旨の文章が。

 中島常幸・男子ゴルフプロが、青森県青森市内で車と車の間に右足を挟まれ 全治2ヶ月の重症を負っていた。中島常幸プロはスキー合宿で青森に訪れていた。

 交通事故が発覚 したのは1月31日で1月18日に飲食店の駐車場でタクシーのトランクから荷物を降ろしていた際に、背後から乗用車に追突された。幸いにも骨には異常が なかったが、内出血がひどく微熱が出たため、26日まで入院していたようです。現在中島常幸プロは千葉県の 自宅に戻って療養中で、大事をとって松葉杖を使用している。男子プロゴルフ ツアー が開幕する4月に間に合うかは不明。回復具合を見てトレーニングを始める。

 おやおや、大変だったんですね。タクシーに載せた荷物を下ろしていての事故ですか。突然後ろからでしょうから驚いたでしょう。後ろの車は雪で滑ったのかな。分かりません。早い復帰を期待します。


2010年03月01日(月曜日)

 (23:40)それにしても、韓国や中国とのスポーツに対する国の取り組みの差が出たオリンピックでした。

 今朝の朝日新聞によれば、2006年トリノ大会までの冬季五輪の通算メダル数は、最近数回のオリンピックでの中韓の追い上げにもかかわらず、中国33、日本32、韓国31で横一線だったという。しかし今回の大会では韓国14(金6)、中国11(金5)に対して日本は5。日本は金メダルがなかった。

 これはちょっと寂しい。人気のないスポーツは事業仕分けしている国だから、今のままでは今後もあまり期待できない雰囲気だ。しかしこのままで良いのか。4年に一回の「冬のスポーツ」の映像消費にとどめるのではなく、やはり国の力の象徴の面があるだけに、企業任せではなく国としての取り組みも必要なように思う。

 確かに「銀でもよく頑張った」「良かった」という国全体に漲る全般的な感情は分かる。テレビがそういう雰囲気だし、国民の間にあまり強い金へのこだわりは表面化していないように思う。しかしその一方で、「なぜ金にならなかったのか」という疑問も必要だと思う。一番を目指すのは自然だと思うからだ。

 話は変わるが、今日一番考えさせられたのは気象庁の「予測過大をお詫びします」という発表。お詫びも無理もないと思うのは、「警報」や「注意報」が解除されなければ、多くの人が自分の家に戻れなかったからだ。私の記憶では、今朝まで多くの地域で注意報は残っていた。新聞には25時間「警報」は解除されなかったとも書いてあった。その間は家に帰れずに、車の中などで一夜を過ごした人も多かったに違いない。

 確かに難しい作業だと思うし、「万が一」を考えたのだろうとも思える。しかし疑問なのは、ハワイとかチリとの中間点でいろいろ津波の影響に関する情報があったのに、「それは考慮に入れなかった」と気象庁が言っている点。

 朝日新聞によれば気象庁は今回、地震の規模や海外の津波の観測データをもとにコンピューターで津波の高さを予想。2月27日の地震発生時点では津波の高さを「1メートルいくかいかないか」と予想したという。

 しかし翌日になって気象庁は、「1〜3メートルの津波が来ると修正した」という。万が一を考えたのだろう。気象庁の関田課長は「シミュレーションと実際の観測結果を精査した上で、今後シミュレーションを改善したい」と話しているという。

 このことだけを持って、気象庁は狼少年的なことをしたとは言えない。津波の予想に多くの困難が伴うことは承知しながらも、しかしNHKを含め騒ぎすぎだったと思う。かなりの反省点だ。



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