2011年04月30日(土曜日)

 (23:17)先日だったか、乗ったタクシーの運転手さんが面白い事を言っていました。

 いろいろ話していて、丁度一週間前の23日にこのコーナーで私が書いたこと、つまり「夜間は皆さん、なるべく明るい衣装にしましょう」に関して、「どうですか、タクシーを運転してらっしゃる身として」という話をした。そしたら運転手さんが、「私たちにとってもそうなんですよ」と

 どういう事かというと、「道が暗くなった上に日本人は総じて黒い服装を着ている。お客さんが分からないんですよ.....」と。でどうするかというと、左側車線を「ノロノロ走ることになる」というのです。

 私は常にそうしているのですが、左車線を走っているときに前に空車のタクシーがいたら気をつけます。車間を開ける。なぜならこれらタクシーはお客がいたら直ちに止まるわけです。ピタッとついて走っていたら、危ない。

 今はもっと危なくなっているというのが、この運転手さんの話です。「そうか気をつけなくては」と思いました。しかし私は、これらタクシーが左車線をちょっとのろのろ走っていても非難する気持ちにはなれない。なぜなら、それは仕事であり、今は運転手さんの仕事は厳しい。一人でも多くのお客さんが欲しいというのは、自然でしょう。

 結果を言うと、タクシーを安全に拾うためにも、「夜間は皆さん、なるべく明るい衣装にしましょう」ということになる。

 ところで、番組の案内です。今週の3日。「憲法記念日特集」ということで、NHK総合の午前10時から「大震災、そして政治は〜この難局を乗り越えるために〜」という討論番組に出ます。

  1. 大震災が日本人に突きつけたものは
  2. 大震災と政治の役割について
  3. これからの日本、政治は何をすべきか
 などを元内閣官房副長官の石原信雄さん(地方自治研究機構会長/災害救援ボランティア推進委員会会長)、ノンフィクション作家の保阪正康さん、ジャーナリストの鳥越俊太郎さん、精神科医の香山リカさん(立教大学教授)、弁護士の土井香苗さんなどと話し合いました。司会はNHK解説委員の神志名泰裕さんです。

 午前11時30分までの長丁場ですし、連休中ですが家におられる方はその時間に、お出かけの方は録画して見て頂ければ幸甚です。


2011年04月29日(金曜日)

 (12:17)昨日ですが、二つのエッセイが公開されました。「伊藤 洋一のBRICSの衝撃」は、「FukushimaがBRICsに与えたインパクト」の第三弾です。先の中国海南省の南の都市・三亜市で開かれた南アフリカも参加したBRICS (sが大文字です)首脳会談は、今後のこれら諸国の原発政策に関しても興味深い声明を発表。それを今回は取り上げます。日本になにが出来るのか。

 続いて、そもそも講座「動き出した"新G7"」です。まだ報道の段階ですが、今のG7ではグローバルな問題をカバーしきれない。インドや中国が入っていないからですが、G20では参加国が多く利害が錯綜して意志決定ができない、ということから、イタリアやカナダを外してインドと中国を入れた「新G7」を結成しようという動きを取り上げています。

 また、今日の夜の伊藤 洋一のRoundup World Nowは、恒例のIT特集です。湯川さんの登場。お楽しみに。

 ITといえば、今週日本でipad2が発売されました。私は今のところ見送っていますが、この番組の聴取者の方から、番組にさっそく手に入れた印象が寄せられています。私の印象ではないのですが、私が「今回はちょい見送り」という趣旨の発言をしたら、「では」ということで送ってくださった。今夜の番組では紹介できないので、ここで紹介します。

 さて、伊藤さんがTwitterやブログでiPad2見送り宣言をされていたので、発売日に購入し小一時間触ってみて、個人的に良くなったと感じた点をお送りします。バッファローのPocketWifiをTwitterでおすすめした時のように、何かご参考になれば幸いです。

○携帯性の向上
 …厚みが半部ほどになりました、鞄の中で以外にスペースを取っていたのでこれは嬉しい。ただし重さは「すごく軽くなった!」と実感するほどの変化はありません。

○カメラ
   …通常の手持ち撮影は、iphoneやスマートフォンに当然及びません。デバイスの形態として撮影に向いていないかなと思いましたが、大きい分安定して置きやすいので、咄嗟のプレゼンのムービーなど、本などで簡易的な支えを作っての定点撮影にはいいかもしれません。

○処理速度の向上
 …PDFファイルを表示するときにストレスフルだった処理速度が向上しました、これも非常に好印象です。ただし、大きいサイズのファイルに対しては、満足というほどの処理能力ではないようです。

○画面
 さらにきれいになった様な気がしますが、それほどこだわりのない私には、今一つピンとこない程度の変化です。

○総論として
 …新しいiPadとしては十分に面白いデバイスです。特にカメラと薄さは嬉しく、今後それらを生かした新しいアプリの登場を期待しています。ただし、「絶対に乗り換えるべきだ」と周りに進めるほどのインパクトがないのも事実です。私の様な新しもの欲しがりでもない限り、伊藤さんの様に「見送り」をするのは正解かもしれません。

 ちなみに購入時の状況ですが、乗り継ぎ駅である池袋の某量販店が9時開店で売ると言う事で、研究室に行きがてら様子を見たら、ほとんど人が並んでいないというありさまでした。「これは行けるかも!」と思いきって並んで見ると、20分強で手に入ったので、かなりスムーズな購入だったかと思います。

 私が購入して店を出た10時頃には、かなりの行列になっていましたが、前回の発売前夜から大行列というイメージとはだいぶ違いました。店員さんに話を聞いたところ、「やはり思ったよりは並んでもらえなかった。GW直前の平日発売と言う事もあるし、告知も今回はタイミングが良くなかったのか…」というような話をしてくれました。

 ユーザーとしても、今までのAppleの扇動に比べて、今回はちょっと物足りないなというところです。

 うーん、どうしようかな。


2011年04月28日(木曜日)

 (04:17)景気とインフレの先行きについて、「明と暗」を織り交ぜながら解説が進む今回のFOMC声明の着地点は、 「QE2は予定通り6月末で終了する。しかしゼロ金利は続ける」というものでした。声明は全文、次のように述べる。

Release Date: April 27, 2011

For immediate release

Information received since the Federal Open Market Committee met in March indicates that the economic recovery is proceeding at a moderate pace and overall conditions in the labor market are improving gradually. Household spending and business investment in equipment and software continue to expand. However, investment in nonresidential structures is still weak, and the housing sector continues to be depressed. Commodity prices have risen significantly since last summer, and concerns about global supplies of crude oil have contributed to a further increase in oil prices since the Committee met in March. Inflation has picked up in recent months, but longer-term inflation expectations have remained stable and measures of underlying inflation are still subdued.

Consistent with its statutory mandate, the Committee seeks to foster maximum employment and price stability. The unemployment rate remains elevated, and measures of underlying inflation continue to be somewhat low, relative to levels that the Committee judges to be consistent, over the longer run, with its dual mandate. Increases in the prices of energy and other commodities have pushed up inflation in recent months. The Committee expects these effects to be transitory, but it will pay close attention to the evolution of inflation and inflation expectations. The Committee continues to anticipate a gradual return to higher levels of resource utilization in a context of price stability.

To promote a stronger pace of economic recovery and to help ensure that inflation, over time, is at levels consistent with its mandate, the Committee decided today to continue expanding its holdings of securities as announced in November. In particular, the Committee is maintaining its existing policy of reinvesting principal payments from its securities holdings and will complete purchases of $600 billion of longer-term Treasury securities by the end of the current quarter. The Committee will regularly review the size and composition of its securities holdings in light of incoming information and is prepared to adjust those holdings as needed to best foster maximum employment and price stability.

The Committee will maintain the target range for the federal funds rate at 0 to 1/4 percent and continues to anticipate that economic conditions, including low rates of resource utilization, subdued inflation trends, and stable inflation expectations, are likely to warrant exceptionally low levels for the federal funds rate for an extended period.

The Committee will continue to monitor the economic outlook and financial developments and will employ its policy tools as necessary to support the economic recovery and to help ensure that inflation, over time, is at levels consistent with its mandate. Voting for the FOMC monetary policy action were: Ben S. Bernanke, Chairman; William C. Dudley, Vice Chairman; Elizabeth A. Duke; Charles L. Evans; Richard W. Fisher; Narayana Kocherlakota; Charles I. Plosser; Sarah Bloom Raskin; Daniel K. Tarullo; and Janet L. Yellen.

 第一パラグラフの景気・インフレ判断は、3月15日の前回FOMCのそれに比べて、景気判断で前進し、インフレ判断において懸念を強めている。景気では前回「 is on a firmer footing」(よりしっかりした足取りの状態)としていたthe economic recovery(アメリカ経済の回復)に関して、「is proceeding at a moderate pace」(まずまずのペースで進行中)と現在進行形にした。

 次に前回「 Commodity prices have risen significantly since the summer, and concerns about global supplies of crude oil have contributed to a sharp run-up in oil prices in recent weeks.」とした商品相場に関しては、「Commodity prices have risen significantly since last summer, and concerns about global supplies of crude oil have contributed to a further increase in oil prices since the Committee met in March. Inflation has picked up in recent months」と原油価格が世界的供給懸念で3月時点からさらに上がったと述べた後で、「インフレは最近数ヶ月で上昇した」と述べた。この「Inflation has picked up in recent months」の部分は前回FOMCでは全くなかった部分である。

 あえてこの文章を入れて触れたということは、FOMCがインフレを懸念しているということである。しかしここで一つの考え方を示し、一方的に引き締めに移行することに自らブレーキをかけた。その文章が第二パラの中の「Increases in the prices of energy and other commodities have pushed up inflation in recent months. The Committee expects these effects to be transitory, but it will pay close attention to the evolution of inflation and inflation expectations」の部分だ。

 つまり、最近数ヶ月のエネルギー価格やその他の商品相場の上昇は、transitory(一時的で長続きしない)と判断したのだ。しかし「it will pay close attention to the evolution of inflation and inflation expectations」で警戒はする、と。

 その結果は、「アメリカの失業率が依然として高い」という現実を勘案しながら、「QE2は予定通り6月末で終了する。しかしゼロ金利は続ける」という結論になった。前者についてはFOMCは、「will complete purchases of $600 billion of longer-term Treasury securities by the end of the current quarter.」とし、ゼロ金利の継続に関しては、「The Committee will maintain the target range for the federal funds rate at 0 to 1/4 percent」とした。「for an extended period.」というお馴染みの文言も残った。FOMC声明のマーケットへの影響は、まだ市場が終わらない段階で敢えて言うと、「ドルの高値からの反落」ということだった。

 今回のFOMCが声明よりも特徴だったのは、米東部時間の午後2時15分からバーナンキ議長が記者会見をしたことだ。その為に声明そのものがいつもより早く発表された。FRBはそのサイト(http://www.federalreserve.gov/)を通じてバーナンキ議長の記者会見を事前宣伝(写真を見て欲しい)し、ユースト(USTREAM)を通じて全世界の人間がライブで見られるようにした。私も見た。

 記者会見は日本時間の午前3時15分にピタリに始まり、議長の用意したステートメントの読み上げは11分間続いた。ここではFRBのアメリカ経済に対する中期見通しが主な内容だった。その後が記者会見。FOMCの声明発表の直後に議長が記者会見するというのは多分初めて。

 記者の質問は、今週発表される予定のGDPの速報値との関連(FOMC決定)に関して始まり、三番目の質問が「ドル」について。記者の質問は、「FRBの政策がドルを弱くし、それがアメリカ国民の生活水準を下げていないか」というものだった。それに対する議長の説明は

  1. むろんのこと、ドルに関する説明責任を持っているのは財務長官(今はガイトナー)だが、FRBとしてもstrong and stable なドル相場を指向している
  2. そこでは二つの視点が重要だ。一つはアメリカのインフレ率を低く保つことであり、これはドルの価値を高める
  3. 次にアメリカ経済に強い回復をもたらす(strong recovery)という視点を持つことだ
 と述べたと思う。ドルは対円での動きを見ると、それまでジリジリ下がっていたのが、このバーナンキの「strong and stable」で若干反発した。しかし若干で、今私がこの文章を書いている段階では、ドル・円は82円20−24銭。ドルのこの日の高値は、82円台の後半だった。ドルは弱含み。その後の質問は、QE2の正当性などに関して。

 日本時間の4時過ぎに、アジア人が手を挙げたと思ったら朝日新聞の記者さん(お名前は聞き逃した)で、綺麗な英語で日本の震災とFRBの政策などに関して質問した。バーナンキの答えは私が聞いていた範囲で言うと

  1. FRBはむろん、世界中の状況変化を見ている。中東、途上国、欧州などなど。日本に関しても白川総裁など多くの日本の金融当局者と緊密に連絡を取り合っている
  2. ご存じの通り、先の介入においてもFRBは日本の当局と緊密に連絡をとった
  3. 地震に対峙する日本の国民の勇気には感銘を受けているし、日銀は流動性の供給などで良い仕事をしていると思う。私は日本経済が回復すると考えている
  4. アメリカ経済との関係で言うと、むろんサプライ・チェーンの問題があり、ご存じの通り一部のアメリカ企業は日本から部品が届かずに生産を制限している
  5. この問題はしっかり見ていくし、アメリカ経済には「some moderate effect」があると思うが、私は一時的な問題だと考えている
 バーナンキの記者会見は、日本時間の4時12分に終わった。1時間弱、記者の質問に応じていたことになる。FRBのユーストの映像と音声は鮮明で、CNBCやブルームバーグのテレビを見る必要はなかった。


2011年04月27日(水曜日)

 (12:58)聞けば分かるな、と昨日は得した気 分。

 この一ヶ月ほどiphoneで一つだけうまく動かない機能があったのです。それ は、アプリで入れているtweetdeck がうまく写真を吸い取ってくれないことでし た。「picture error」とかなんとか出る。その場で撮った写真もアップロード できない。

 面白い写真はその場で撮って、そのままtwitter であれfacebook にアップ ロードするのが醍醐味ですが、twitter でそれが出来なくなって、「まいいや、 当分facebook だけに写真をアップ」と思っていたのです。しかし、「いつか理 由を解明しないとな」と思っていた。

 昨日の夕方番組 を終わって所要 があって御堂筋を歩いていたのです。「そうだ、アップル ショップで聞いてみよう」ということになった。まあ店員の方も、アプリまでは 詳しくないか もしれないが、と思いながら。

 事実アプリまですべて知っている店員さんはいなかったが、「それ写真を扱う サーバーの問題では」という人がいた。facebook での写真ハンドリングは問題 がないので、iphone の個体サイドの問題でないことは確か。で、tweetdeck を 起こして、セッティング(下にあります)を開き、その先のgeneral のsetting を開いたら、picture service というところがあった。私が知らずに選んでいた のは、「tweetphoto」だったのですが、それを「twitpic」に変えてみたので す。

滅
多に見ないかたくりの花。昔 はこの鱗茎から片栗粉を作った。今はジャガイモ
で代用  あらら、不思議。そしたら、今までエラーが出ていたtweetdeckの写真ハンド リング機能が回復した。ナイスですね。「もっと早く聞けば良 かった」と思っ た次第。

 ところで、今朝ちょっと早めに起きて日経のサイトを見たら『アップル「iPad2」、日本で28日に発売 』と。気 になっていたことなので、読み進むと

 米 アップルは多機能携帯端末「iPad(アイパッド)2」を日本国内で28日に発 売する方針を固めた。27日発 表する。当初は3月25日に売り出す予定だった が、東日本大震災に配慮して発売を延期。いつ発売するかが注目されていた。 アップルの直営7店舗や 一部のソフトバンクモバイルショップ、家電量販店で 販売する。

 米で発売中の「iPad2」  アイパッド2は初代機種に比べ本体を薄く、軽くしたうえ、両面にカメラを付 けるなど機能を高めた。今回、震災の影響で休業していた仙台市の直営 店が22 日に営業を再開するなど、日本での販売体制が整ったと判断した。価格は初代の アイパッドと同水準(4万円台〜)になる見通し。アップルの インターネット 直販サイトでも販売する。

 米国では3月11日に発売。販売店では売り切れが相次ぐなど、人気商品となっ ている。日本でも発売前から多数の購入希望者が予想され、品薄の状 態がしば らく続く可能性がある。

 ちょっと急過ぎじゃないですか、と思いました。今日発表で明日発売。予約と かないのか、という印象。まあ旧型があちこちで品切れになっていたこ とは聞 いていたので、「まもなく」と思っていたし、周りの人にも言っていたが、今日 の明日とは。ま、見てから考えます。というのは、mac airは大きさ的にはipad だし、旧型は持っているので。

 ところで昨日は、綺麗な、しかも珍しい花を見ました。「かたくりの花」で す。昔はこのかたくりの鱗茎から抽出したデンプンを片栗 粉としていたそうです。しかし今の、我々が口にする片栗粉はジャガイ モから作 るという。

 かたくりが希少な植物になった結果だと聞きました。本当にかたくりから片栗 粉を作ると、今はキロ100万円は下らないと。しかし、かたくりから 作った 昔ながらの片栗粉を作ろうとしている人がちゃんといる。いいですね。

 ところで明日の 「地球★アステク」(BSジャパン、午後10時から)は、お台場の産総 研・デジタルヒューマン工学センタ−を訪れて撮影したものです。人間の身体機 能をデジタ ル化し、コンピュータ上にモデル化できる“デジタルヒューマン”の 技術を紹介します。

 この技術の最大の特長は、生体の仕組みの複雑さから、今までは不可能とされ ていた“人間にとっての使い心地の良さ”を事前に評価し、それを作る 事ができ るようになったこと。ロボット側が人を知覚し、行動の意図またはその環境を認 識します。

 人間の生活環境に近い所でいかにロボットが行動できるか、人間にサービスす るロボットを実現するための研究開発が進んでいるわけですが、それを 紹介し ます。日本の製造メーカーがこだわってきた機能や性能価値と人々が求める使用 価値との差をいかに埋め、そして今後の人間生活にどのように標 準化していく のか。研究の現場を探ります。


2011年04月26日(火曜日)

 (12:58)結構新しいこと、新しいもの、新しいトレンドを探している部類の人間ですが、今朝だけで二つもあった。ラッキー。一つはEVTAXI、もう一つはBump

 毎週火曜朝はABC放送の「おはようコール」ですが、放送終わりで番組がタクシーで送ってくれる。今朝もそうだったのですが、なんと来ているタクシーを見たら電気自動車のリーフのタクシーバージョン。「おお!!」とそこにいた全員で。

大阪で初めて乗ったEVTAXI。なかなか良かった  そうは言っても珍しい。大阪で走っているとは聞いていましたが、実際に自分の目の前に来たのは初めてだった。局の地下では暗いので、表に出て局の若手に撮ってもらったのがこの一枚。左手の白いビルがABCの社屋です。

 一目で分かるのですがなかなか洒落た模様の車体をしていて、なにせ電気代というのはガソリン代や天然ガス代に比べてめちゃ安いので、「そのうちEVこそタクシーで広がるのでは」と思っていたら、やっぱしということですが、何せ初乗りなのでつい写真を何枚か撮ってしまった。

 リーフは発売される前に神奈川の日産試験場に行ってテストカーに載せてもらいましたから、乗り心地はある程度知っていたのですが、まあ静かですね。特に外で音がしないときにその静かさが際立つ。車体から音が出ていないのが分かる。プリウスが電気で走っている時と同じです。

 喧噪な街を走るときは、結構外の音が入ってくるので、それほど静かという印象はしない。ちょっと後ろが狭いかな。大きなタクシーに比べて。しかし、乗り心地は良い。たぶん市内を走り回るという前提で出来ている。急に「東京まで」と言っても運転手の方は「ノー」です。しかし、大阪周りを走る分には、今のリーフの航続距離でもokです。

 冬はやはりちょっと航続距離が落ちるかもしれませんね。何せ内燃機関がないので、社内を暖めないといけない。内燃機関がない分だけ、冷房は少し楽だそうです。しかし、まあなんでもそうですが、1〜2年使わないとそのものの本当の価値は分からないでしょう。リチウム電池の劣化など。しかし、なにげに走っているというのがナイス。

 電気が貴重な時代。しかし充電は、電力が余っている夜間にしておけばOKです。揚水発電と同じ考え方です。依然として電気自動車は時代にニーズにマッチしていると思う。

 ――――――――――

 もう一つはBumpです。これはちょっと説明が必要です。Bumpは私が知っている限りでは iphone にのみ入っているアプリで、相互にこのアプリが入っているスマートフォン(ですから、iphone )同士を軽くぶつけると、どちらかのアプリに取り込まれている対象(写真、音楽、カレンダー、連絡先、アプリなど)を、もう一方のケイタイ(スマートフォン)に送ることが出来る、というものです。

 というのは、私が撮ってもらった後悪いと思って「じゃ、君のも撮ってあげる」と若手とEVTAXIを撮ったのです。その写真を私が持っていても意味がないので、送り方を考えた。そこで思いついたのがBumpです。

チャリティに提供した品々。やはり、時計とペンが多くなる  「ところで君のケイタイは.....」と。iphone であることが分かったので、「Bump知っている」と私。私は入れていたが使っていなかった。彼は知ってはいたが、「まだダウンロードしてないので」と。「じゃ、ちょうどいいからして」と私。というのは、私の忘れ物(ABCのチャリティーに出す品々)を付け馬状態で一緒に取りに来てくれる途中だった。タクシーの中で一緒でした。時間があった。

 彼もすぐダウンロードできましたね。そこで両方のiphone でアプリをおこし、私のサイドのBumpに写真(当該写真)を追加して二回くらい軽くぶつけたが、「接続」に成功しない。ちょっと考えたら、私のiphone はポケットwifi (いつも携帯)で、彼の携帯は3Gでつながっている。「そこじゃないかな」と思って、私のiphone もwifi を切って3Gにした。

 そこでぶつけた。軽く。そしたら一発で私のiphone に入った「彼とEVTAXI の写真」が彼のiphone に移った。これはナイスだな、と。ま、肝心なことは転送したい写真なりをきっちりBumpのアプリの中に入れることです。私も最初それを忘れていた。

 全行程、つまり彼がアプリBumpをダウンロードするところから5〜6分で、全行程が完了。目的地に着く前には終わりましたから、まあまあでしょう。

 ところであとで考えたら、「なんだ、iphone交換して写真撮ればなんの問題もなかったのに.....」と。まあ一つ機能が勉強できたのだから、ナイス、ナイスと思わないと。


2011年04月25日(月曜日)

 (23:58)ちょっと日にちが経ってしまったのですが、BRICSの連中は何を話し合ったのだろうか、と新華社の英語サイトに載っていた三亜宣言を少し丁寧に読んでいました。

 例のBRICs4カ国(中国、インド、ロシア、ブラジル)に南アフリカ(SA)を加えて中国の海南島の南の町=三亜市で開かれていた「BRICS」首脳会談から出てきた声明です。英語では、「Sanya Declaration of the BRICS Leaders Meeting」というらしい。自分達で「BRICS」と言っている。

 「action plan」以外の最初の部分で32項目が書き連ねられいて、内容を読んで特に「これは凄い」という部分はない。結構当たり障りのないことを書いている。まあBRICSと言っても、その内部でも分裂要因、対立要因を抱えているので、「大船、直ぐに大海に出でる」という雰囲気ではない。どちらかと言えば、「船、船頭多くして山に....」という印象。

 しかし凄いと思ったのは、まずはありとあらゆる問題に途上国として発言しようという意欲と、国連の場などでは徹底して協調路線を取ろうとしている姿が浮かび上がってくること。私がさっと読んだ段階では、先進国に関する記述はゼロ。徹底して「自分達の世界」に入っている。ま、「眼中になし」といった風情。

 会議は「形式的だった」とよく言われる。しかし何でもそうですが、「一同に会する」ということには意味がある。介入を決めたG7は別ですが、今までのG7にしろG8にしろ、「顔を合わせないよりはまし」「何かの時に話が通じる」というメリットはある。

 BRICSの首脳会談は、この声明を見ると再来年まで決まっている。開催が。来年がインドで、再来年がロシアかな。一方では、G20があり、一方で新G7の設立に向けた動きもあるという。どこかの政権の危機対応ではないが、いろいろフォーラムが出来ている。リーダーシップが誰も発揮できない状況になっていることを示しているとも言えるが、今まで世界の中心にアメリカを頂点とする先進国があって、それが極を構成していたのと、今後は随分と変わってくる可能性もある。世界の構造。

 つまり、多極化とその極のエリアの重なり合いだ。世界経済のGDPの各国別構成比を見ても、もう戦後とは全く異なっている。アメリカは25%を割ったんでしたよね。あらら、今見たら20%を割りそう。一つ言えるのは、BRICS首脳会議の持つ重要性は、おそらく年々重くなってくるだろう、ということです。


2011年04月24日(日曜日)

 (23:58)統一地方選挙の後半戦の結果がかなり出てきましたが、「民主退潮」の流れは変わっていない。この間、成果がないのだから当然でしょう。一番酷いのは、衆院愛知6区補欠選挙で民主党が候補者擁立を見送ったこと。政権与党としては過去に例がない、と思う。愛知は「民主王国」と呼ばれたが、最近の二つの選挙では見る影もない。

 選挙での勝ち負け、不戦敗ではなく、やはり菅政権の行き詰まりを端的に物語っているのは、震災関連の法案が国会で一本も通っていない、という事実でしょう。もう一ヶ月半にもなる。阪神・淡路の地震の時には、既にかなりの立法が国会でなされていたと思う。

 法律が通らなければ、震災に関連した資金の流れも担保されない。実際には政治が動いていないと言うこと。一番上の政治が動いていないので、地方選挙の迫力も伝わってこない。週明けから、日本の政治に新たな動きが出てくることを期待したいところです。

 それと、今日の日経に「節電で暗い駅 障害者困惑」という記事があって、「なるほどな」と思いました。私が昨日書いた、「夜間はなるべく明るい服を着ましょうと」いう話と底辺では繋がっているからです。

 この記事によると、弱視の人などが駅が暗いために階段や障害物に気が付きにくいなどのいろいろな問題が生じているというのです。動いているエスカレーターを探すのも大変という話でした。

 私が昨日書いたのは道路での話ですが、この記事の対象は駅などの公共施設。確かに、駅での節電努力は「駅まで節電している」という広報目的では価値があると思いますが、一方で公共施設だけに問題が多い。こちらは明るい衣装を着れば少しは解決するという問題ではない。

 「だからかつてのように明るくしよう」ということではなく、焦点を絞った照明、いろいろな障害物が浮かび上がりやすい照明、それでいて総電力使用量を抑えられる方法を考える、ということでしょう。


2011年04月23日(土曜日)

 (23:58)「夜間は皆さん、なるべく明るい色の衣装にしましょう」という話です。

 今日夜東京の道を走っていたのです。そして、「ほんとに暗いな」と思うと同時に、横断歩道を渡っている人の姿がなかなか見えないな、と思いました。ご存じの通り、東京を含む関東の東京電力管内は電気の消費量をなるべく抑えるために、道路での照明をかなり落としている。高速道路も一般道も。

 その結果何が起きているかというと、以前は簡単に認識できていたものが、今は車のヘッドライトが当たってやっとはっきりと見えてくるものが多い、ということです。当然それには一般道では人間も含まれる。特に黒など暗い色の衣装の人がそうです。なかなか夜は見えない。

 女性は多くの場合は、足が白く出ていたり、着ているものも全般に男に比べて明るい色調が多いのでまだ良い。しかし、男性はスーツもそうですが黒基調が多く、実に見にくいのです。闇に溶け込んでしまう。3.11以前の照明だったら簡単に認識できたものが、今は「あれ、人だ」という感じになる。

 これは、歩行している人や、自転車に乗っている人にとっても、運転している人にとっても危なく、出来れば回避したことだなと思いました。事前に「人がそこにいる」と分かっていれば、車のアクションも違ってくる。

 道路が全般に暗くなってから、その管内での交通事故にどのような変化が起きたのか、統計はまだ出ていないように思う。しかし、私の印象ではなんか事故が増えているような気がする。あちこちに移動していてです。車で道路交通情報を聞いていても、そう思う。

 暗くしたから、ガードレールもやや見にくくなっている。今日は高速道路でガードレールに接触している車を見ました。また交差点を右折、左折する時の人が本当に見にくい。今は私はたまに運転するときは、この左右から出てくる人にもっとも気を遣っています。スピードも従来より落としている。

 これも私の印象ですが、今年の春は多くの日本人が去年に比べてちょっと暗めの衣装を着ているケースが多くなっているように思う。全くの印象ですが。そういう統計はないので、記憶力との比較です。

 それによって、夜間の道路での危険度はさらに上がっていると思う。道路も衣装も暗くなった。そこで、特に男性ですが、少し明るい色のモノを何か持つことが必要なかなと思います。鞄でも、なんでも良い。横断歩道を渡るときは、手のひらを車に対して大きく広げて見えやすくするという手もあるかもしれない。

 揃いの上下のスーツにしてジャケスラにしろ、男性はなかなか黒基調から抜け出せない。闇に溶け込む黒で交差点の横断歩道で走ったりしたら、それはそれは運転手にとっては危ない。自分で運転している場合だけではなく、それはタクシーに乗っている時もそうです。

 ちょっとした工夫で身を守れるなら、と思う。夜間に歩行するときには、なるべく明るい色のアタイアにしましょう。身が守れる。


2011年04月22日(金曜日)

 (23:58)リビア、シリアなど中東の一部の国が、深刻な事態に陥っている。今見たニューヨーク・タイムズ(http://www.nytimes.com/2011/04/23/world/middleeast/23syria.html?_r=1&ref=global-home)の記事によると、シリアでは治安部隊のデモ隊への実弾での発砲で、少なくとも43人(ダマスカスなど諸都市の合計)が死亡したという。実質的に内戦状態のリビアでは、死者の数ははかり知れない。

 チュニジア、エジプトと中東での市民革命は足早に進んだが、その後は泥沼化しつつある。リビアでは反政府軍に対する欧州諸国やアメリカの支援にもかかわらず、軍が大部分まだカダフィ側についているため、反政府軍は軍事的に圧倒的優位に立てないでいる。

 シリアも軍が政権側についているというのが同じ構造で、デモは5週間も続いているのだが、市民の盛り上がりもチュニジアやエジプト程ではないと報じられており、よって軍も政権側で動いていると言われる。チュニジアとエジプトでは、軍は政権に距離を置くか、どちらかと言えば政権打倒に加わった。

 リビア、シリアの両政権とも「政権維持・権力維持の為には国民への実弾使用、武力使用を躊躇しない」という点が同じで、それに軍が荷担しているのために、死者が増えているし、リビアではアメリカやヨーロッパのジャーナリストも巻き添えか意図的か殺されている。

 アメリカはともに軍の直接介入を慎重に避けている。既にアフガニスタンやイラクでの戦争で、国民の間には「これ以上戦線を拡大すべきではない」との意見が強い。議会もそうだ。

 その結果何をしているかというと、無人の武器(ヘリコプターなど)を使っている。しかしこれは誤攻撃が多い。あとあと非常にその国の人々から反感をかう方法だと言える。問題がなさそうで、今後世界では反発が強まるだろう。安易な介入の方法だと言える。

 チュニジアやエジプトのその後の動きに関しては、あまり報道がない。チュニジアに関しては私の弟が実際に先頃ビジネスで行ってもいて、その報告をもらっているので、「まずまず民主化に向けて動いている」と思っているが、エジプトがその後どうなっているのかについてはあまり日本でも報道がない。

 中東は歴史的に見ても、そこでの出来事が世界史を変えてきているだけに、リビア、シリアの状況悪化とエジプトのその後は、しっかり見ていきたいと思っている。


2011年04月21日(木曜日)

 (11:58)番組のお知らせです。今夜10時からのBSジャパン(7チャンネル)地球★アステクの第三回は、「ガン治療最前線に直撃!」です。

 千葉の亀田メディカルセンターはそうでなくとも有名な病院ですが、我々が取材したのは3.11の大震災からそれほど時間がたっていないとき。海辺の同病院のペリポートには、東北地方からの患者さんを乗せたヘリコプターが忙しく離着陸を繰り返しているときでした。そんな時でしたが、予定通り対応してもらって収録したのが今回の「ガン治療最前線に直撃!」レポートです。

 今や日本人の三人に一人がガンで死ぬ時代。そんなガンとどんな風に対応していったらよいのか、などなど参考になるレポートが多いと思います。新番組も今回が三回目。スタッフの息もピタリと合ってきました。是非ご覧ください。


2011年04月20日(水曜日)

 (05:58)世の中ってのは、行きすぎるものだなと改めて思いました。それは伊豆の懇意にしている万大醸造の佐藤さんに電話したことから判明しました。

 この醸造さんは伊豆で代々お酒を造っていて、私は「この人はお酒のことが分かる」という人にお酒を贈るときに、この醸造さんに頼むのです。世話になった人、親戚など。稽古を見せてもらった相撲部屋に送ったこともあるな。凄く喜ばれた。日本酒を飲み慣れた人達に、「うまかった」と言われるのはなかなかなものです。

 特に他にないお酒でお薦めは「にごり」http://www.maroon.dti.ne.jp/banndai-jozo/osusume/nigori.html)で、これは秀逸で、贈るといつも喜ばれる。銀座の和食屋さんに送っても喜ばれる。いや、他のも美味しいですよ。「にごり」は本数に限りがある。その酒蔵さんから久しぶりにお酒を数カ所に送ろうと思って電話したら、次のようなメールが。

 ご無沙汰しています。
東電範囲の観光地は伊豆や箱根を
はじめ全滅です。地震、自粛、原発
計画停電と続き2次災害で青息吐息・・。東北の蔵元は災害特需で全国から応援注文が舞い込み、酒が無くなるほ
どの状態だそうです。ユチューブで評判の南部美人などは最たるものです。また、流通などが商売の材料
にしている面もあります。一方その他地域は弾き飛ばされ花見の酒さえ注文がありません。
 確かに私もこの一ヶ月半、かなり東北のお酒をことさら飲んだ。宴会の席もそうだし、数人での飲み会でも、お店の人に「東北のお酒は置いてないの.....」てな感じで。しかし、考えたらお酒を造っている人達は全国にいる。特に関東の醸造さんが「一方その他地域は弾き飛ばされ花見の酒さえ注文がありません」というのはよろしくないな、と思いました。

 今回の東日本大震災の余波を受けている業界は幅広い。私は無論東北地方の打撃を胸に刻みながら、もうちょっと幅広に考えて、今まで通り「これは美味しい」と思った酒を飲もうかな....と思っています。万大醸造さんからは、今回は5カ所ほどにお酒を贈りました。


2011年04月19日(火曜日)

 (14:58)雑誌社の担当記者の方と次号 原稿についてやり取りしていたら、私が書いたのではないデータの部分に彼 が面白い資料を入れていてくれることに気がつきまし た。「2012年は世界的にも リーダーが注目される年に」とい う資料で、確かにそれによると来年は世界の指導者のかなりの部分が改選期に入 る。

アメリカ 大統領選挙
ロシア 大統領選挙
フランス 大統領選挙
韓国 大統領選挙
中国 国家主席の交代
 この表の下に付いている解説は、「2012年は、多くの国々で大統領選などが行 われる。リーダーが変われば、その国の国家戦略にも変化が現れる もの。これ だけ多くの国の首長が変わるということは、国家間の関係にも変 化が起こる可 能性がある。日本も強いリーダーシップをもって、各国の新しい政府に臨まなけ ればならないのだ。」と書いてある。

 つらつら見て、「確かに多いな」「しかも米中露仏が入っているのか」と思い ました。隣国韓国も。日本にとって重要な国々のトップが改選期という わけで す。中国はほぼ見えている。しかし、他の国のトップはアメリカを含めてまだ不 確定要素が多い。

 それにしても、来年の日本の首相は誰になっているのか 。菅さんは「財政にメドがつくまで」と言っている が、それは相当先の 話です。それまで今の政権が長続きするとは思えない。最近の世論調査はそれを 物語っていると思う。

 ところで、今日嬉しかったニュースは、「築地で魚の取引、持ち直し 自粛 ムード和らぎ」(東京新聞が引用した共同の記事)でしょうか。印象より も数 字で裏付けられているのが良い。記事を引用します。

 東日本大震災後、落ち込んでいた東京・築地市場の鮮魚の取 扱数量が、震災前の水準に回復してきた。需要の減少で 下落した卸売価格も上 昇傾向。自粛ムードが和らぎ、計画停電もなくなったことで、外食産業を中心に 魚の消費が徐々に戻っていることが背景 だ。

 同市場の鮮魚の1日平均取扱数量は、4月の第2週(8〜14日)が746ト ンと、震災直前の3月第2週(4〜10日)の741トンを上回った。 被災地 の漁業が壊滅的な被害を受けたことや物流網の混乱で、3月第4週(18〜24 日)には448トンまで減少していた。

 三陸産の魚はまだほとんど入ってきていないが、他の地域からの入荷が増えて いる。  卸売価格の変化を見ると、マグロ(輸入品を除く)1キロ当たりの価格は、震 災直前が4193円だったものの、下旬には3328円まで下落。それ が4月 の第2週には4122円まで値を戻した。

 震災後の消費低迷に苦しむ外食産業からは「先週ごろから、個人客が少しずつ 戻り始めた」(東京都鮨商生活衛生同業組合)との声が上がる。消費は 行き過 ぎた自粛ムードの反動もあって徐々に回復するとみられ、市場は活気を取り戻し つつある。


2011年04月18日(月曜日)

 (23:58)栃木のクレーン車事故は、酷い話ですね。「ハンドルを抱えて下を向いていた」(運転手を目撃した人)というので「居眠り」かと思ったら、車庫から出て直ぐの話だったというし、酒も飲んでいないと。どうしたんだろう。

 それにしても、テレビで見ると本当に広い歩道で、自転車用の内側に歩道があって、子供達はそこを歩いていた。それでも6人もの子供が死んだ。運転手はどうやら気を失っていたのではないか、ということです。そうでなかったら突っ込まない。人の命のはかなさを感じざるを得ない時期ですが、特に本来ならこれからの人生が長い子供の死は心が痛む。

 それにしても、知り合いでも親戚でもなんだかんだで原発事故の影響を受けた人がけっこう出てきている。私の周りの話ですが。福島の原発からそれほど遠くではない場所に住んでいた娘さんがexpecting なので郷里に帰した親戚の話も今日知った。

 親父の七回忌の知らせの返答で、出欠のメールの中にいろいろな情報が入っているのです。「やっぱり人ごとではないな」と思う。にもかかわらず「とりあえずの終息」と言える状況が生まれるのは6〜9ヶ月ですか。長いですよ。自分の家を追われた人には。

 それにしても、今横目で見ているウォール・ストリート・ジャーナルのトップ記事は、「Eerie Hush Descends on Japan's Nuclear Zone 」というもので、中味は「Images of desolation and desperation are seen in Futaba and other evacuated towns near the troubled Fukushima Daiichi nuclear plant. 」というもので、日本のテレビでも滅多にお目にかかれない映像がある。

 私はずっと気になっていたのです。3月12日には避難指示が出た地域はいまどうなっているのか。この映像はそれを垣間見せてくれる。人がいなくなったら、街ではなくなる。二度とあってはならない、と思う。


2011年04月17日(日曜日)

 (23:58)日経新聞の「震災復興財源、7割が増税容認 本社世論調査」という記事を見ながら、「思っていたよりやや高い支持率だな」と思いました。と同時に、国民は安易な国債の増発には抵抗感があるのではないか、とも思いました。

 まだ当然正確には予測できないが、巨額のお金が必要な津波・地震からの復興に関しては、民主党の政策の全面的な見直し(かなりの部分の廃止)から復興国債発行、復興税の時限創設などいろいろな案がある。どれが良いか、どの組み合わせにすべきかに関しては、いろいろな意見がある。

 私は無論当面は組み合わせにしても、最後は「日本が有事にきちんと対処できる」ことを示す意味でも、期限を区切った、かつ無駄な資金流用を許さない復興税の設定が良いと思っていて、それを3月13日以来折に触れて指摘してきた。

 今回の日経とテレビ東京の世論調査は、国民の多くの方もそうした考え方をしていることを示している。記事は以下の通りです。

 日本経済新聞社とテレビ東京が15〜17日に共同で実施した世論調査で、東日本大震災の復旧・復興策の財源について、増税を容認する意見が69%に達した。子ども手当や高速道路の無料化などの民主党マニフェスト(政権公約)を巡っては、88%が「見直す必要がある」と回答した。菅内閣の支持率は27%と、2月末の前回調査から5ポイント上昇したが、なお低い水準にとどまっている。

 東京電力福島第1原子力発電所の事故への内閣の対応は「評価しない」が70%だった。「評価する」は19%。

 大震災の復旧・復興や被災者への対応については「評価しない」が56%で「評価する」が34%だった。原発事故に関する政府の情報開示が「適切か」と聞くと「そう思わない」が71%で「そう思う」の20%を大きく上回った。

 震災の復旧・復興策を賄う財源を「震災復興を目的とする増税が必要」「国債の増発が必要」「増税と国債増発の両方が必要」の中から1つ答えてもらったところ「増税」が38%、「国債増発」が13%、「増税と国債増発の両方」が31%になった。

 朝日でも、東日本大震災の復興財源にあてるための増税については「賛成」59%が「反対」31%を上回っている。まあ税金を時限を区切って上げるにしても、「何税を上げるのか」の議論もある。早くしないといけないが、まだ議論は続きそうだ。

 それにしても、菅政権の人気は低い。これは他の新聞でも、菅政権に対する低い支持率として出ている。今日日曜日のNHKの番組ではある政党の幹部が公共の電波で総理に関して、「人間として問題がある」と述べていた。普通は一国のトップに対して使わない言葉だ。


2011年04月16日(土曜日)

 (04:58)夕べは少なからずショックでした。あんなに暗い銀座の中央通り、特に5丁目当たりから1丁目を見たときの暗さは、私の記憶には全くない。

 関西の人に、「今の東京」を分かってもらおうという「アンカーの企画」で午前10時過ぎからラジオ収録があった夕刻の1時間ほどを除いて、「東京」という街を改めて取材で動いたのです。

東京タワーの150メートルの展望台の内部から  商店街、六本木ヒルズ、新宿のFOREVER21、そして夜になって銀座、そして東京タワーと。商店街は、大阪の天神橋筋商店街とやや似た趣がある(長さなど)ということで、戸越銀座を選んだ。中華料理屋さん(百番さん)、たばこ屋さん、床屋さん、魚屋さん、そして電気屋さん。

 私もそこまで詳しく取材する暇も今までなかったので、改めて見させて頂いて「皆さん努力されているな」という印象。軒並み店内の明かりを落とし、しかしみすぼらしくない努力をしている。夏のビールジョッキの冷やしを別にすれば、このまま行こうと思っているのです」といった言葉(百番の白井さん)も聞かれ、今回の電力不足を変化の切っ掛けにしようという動きも。

 電気屋さんは、セブンイレブンやローソンの「ライトのLED化」を引き合いに出して、「これからはLEDライトなど、エナジーセーブな商品を柱に」といった話も聞けた。六本木ヒルズは、六基のガスタービン発電機(今は五基稼働の状態で既に施設内で使った上に、東京電力に提供できるほどの発電能力がある)の威力を聞き、新宿のFOREVER21では商品陳列の妙を。

 しかし私のかってかもしれないが、やはり夜の7時前の銀座の状況は、そう言えば夜に銀座の4丁目付近を一ヶ月以上歩いていなかっただけに、ショックでした。東京在住のカメラや音声さんとともに、逆お上りさん状態。だってあんなに暗い銀座の中央通りは見たことがない。

うっすらとタワーの姿が確認出来る  そりゃ電通通りも暗いですよ。しかし、銀座はなんと言っても中央通りが中心です。そこが暗いのは、「東日本の夜の街並みの景観が大きく変わってしまった」という印象がした。いつ戻すのか、いや戻さないのか。どちらでもないとして、街全体として照明をどこに着地させるのか。東京電力も5200万キロワットまで発電能力が回復としているので、今後議論になるのでしょう。

 まあ、「どの程度の照明度が良いのか」に関しては、昔から議論があった。ロンドンなんて、いつも暗い。明るくなるのは、クリスマス・シーズンのハロッズなどなどなど一部の商店だけ。ああいうやり方もある。ただ復旧するだけでは意味がない。

 勇気づけられたのは、東京タワーの内側と外側から見た「GANBARO NIPPON」ですかね。いろいろな意味がある。ただ「頑張る」はよく言われるように良くないが、心持ちとしては今の日本はやはり「頑張ろう....」でなければ良くないと思う。

 増上寺からタワーの望みながら、そんなことを考えた。
 


2011年04月14日(木曜日)

 (10:58)二つのエッセイがアップされましたので、お知らせします。

 一つは、「伊藤 洋一のBRICsの衝撃」です。BRICsが「BRICS」になりつつあるという話を書いたばかりですが、タイトルはしばらくはこのままです。

 サイトは、「“FUKUSHIMA”がBRICsに与えたインパクト(2)」です。原発の今後については、日本でもそうですが色々な意見が出てきている。「豊かさ」を求めるBRICsでも当然議論は起きている。今回はその問題を取り上げました。

 もう一つは、MAN@BOWのサイトにある、「第39回「緊急時の経済政策、重要なのはスピード」 です。東日本大震災への経済対策は、今の政府のやり方では「時間がかかり過ぎる」「効果が低減してしまう」と思う。お楽しみに。


2011年04月14日(木曜日)

 (01:58)久しぶりにウォール・ストリート・ジャーナルやFTなどの英字紙をゆっくり読んでいますが、ちょっと見落としていると世界は動いているなという印象。

 今まで「BRICs」と書いていたのが、今後は「BRICS」になるかもしれない、という話はウォール・ストリート・ジャーナルにある。というのもあまり日本では報道されないのですが、今中国の海南島でお馴染みのBRICsの首脳により会合が開かれているのです。BRICsと言えば、中国、インド、ロシア、ブラジル。首脳による会合は2009年くらいからやっているらしい。先進国グループ(G7)に対する途上国の発言力を高める狙い。

今日取材に行った東京大学駒場生産技術研究所  しかし今年は開催国の中国が南アフリカを呼んだ。South Africa ですから、新聞の見出しが今までのBRICsとか「BRIC countries」から「BRICS」になった。「s」が大文字になったのです。

 もっともこの記事によれば、この5カ国はむろん一枚岩ではない。インド、ブラジル、南アフリカはちゃんとした民主主義国家です。対して、中国とロシアは権威主義的な、どちらかと言えば権力主義的な国家体制にある。中国は明確に、ロシアはやや民主主義を拒否している面がある。

 工業化の度合いも違う。中国の安い人民元と強い競争力は多くの先進国の頭痛の種ですが、それはブラジルや南アフリカにとっても同じ。しかし、通貨制度などで先進国に一言言いたいということでは共通の利害を持っている。

 直ぐに国際世界、国際経済に大きな影響力を持つというわけではないが、「BRICS」の動きには注意しておいた方が良い。同紙の見出しは、「China seeks heft for BRICS :Emerging-economy group's summit faces pitfall」とある。

 ウォール・ストリート・ジャーナルにはちょっと気になるニュースとして、インドネシアが軍のパイロットの練習機の優先サプライヤーに韓国の国営航空機メーカーを選んだ、というニュース。知りませんでした。韓国が「国営航空機メーカー」を持っているなんて。

 両紙とも、福島第一原子力発電所の原発事故の深刻度が「レベル7」に引き上げられたことは取り上げているが、どちらも違和感を残しながらと言ったところでしょうか。FTには「Fukushima rating: bad but not worse」とある。

 日本国内の新聞には、「やっと認めたか」という論調の新聞記事・社説などが多いが、海外の見方は「チェルノブイリと同じじゃないだろう」というのが多い。過小評価に振れていた針が今度は過大評価に振れた、という見方もある。

 私にとって違和感があるのは、最初レベル4で始まって、長くレベル5に据え置かれていた暫定評価がなぜ突然「レベル7」なのかという点です。ところが政府部内では「レベル7」は3月末で意識されていたらしい。ではなぜその時にそう言わなかったのか。時期を遅らせたのには理由があるのではないか、と思わせる。

 そういったときに、「当面住めないだろう。10年住めないのか、20年住めないのか。そういう人を内陸部に住まわせるエコタウンのような都市を考えなければならない」などという首相発言が伝わると、「関連があるのでは」と思ったりしてしまう。ここでも「言った、言わない」の泥試合。日本の政治の機能不全は、「困ったものです」では済まない段階になりつつある。こっちこそ「レベル7」か。

 ところで、今日からちょっとドキドキする本を読み始めました。JAPANの遠藤が書いた「信頼する力―ジャパン躍進の真実と課題」という本です。岡田監督がサッカーワールドカップ南アフリカ大会の直前に遠藤を部屋に呼んで、「そのために、俊輔を外す」と言った場面がのっけから出てくる。

 「ゲームキャプテンを祐二からハセ(長谷部)にする」という部分もある。なぜ岡田ジャパンは南アフリカ大会で躍進できたのか、と肝の部分が遠藤の本に書かれている。あと2日くらいのうちに読み終えたいが、のっけからドキドキさせてくれる本は久しぶりです。


2011年04月13日(水曜日)

 (01:58)3.11の東日本大震災のあと暫くお休みを頂いていた日経CNBCヴェリタス・トークですが、今日放送局から連絡があって、ゴールデンウィーク明けから「月曜日午後10時01分」スタートで再開するらしい。

 いえ間違わないでくださいよ。私が休んでいたわけではなく、「番組が休んでいた」のです。まあこの間、各放送局とも特番とかいろいろありましたから、通常の番組がお休みしていたのは別にそれほどおかしいことではない。

 確か今年の3月第一週までは午後10時15分からの番組だったと思ったので、時間が14分ほど早く始まることになったのだと思う。中味は多分、3月初めまでとあまり変わらないと思いますが、またHPを覗いて頂ければ幸甚です。キャスターは小川さん。

 番組の話になりましたから、先週から始まったBSJAPANの毎週木曜日午後10時からの「地球★アステク」 は、川崎にユニオン産業さんを訪ねました。ここの新素材がまた面白い。社長さんが苦労して作り上げた、非常に面白い素材が一杯登場します。お楽しみに。

 「地球★アステク」が面白いのはロケ中心の番組になっていることで、毎回その現場に行って取材しますので、私も非常に勉強になる。ゲスト一人をスタジオに招いて収録するより非常に「科学技術の現場」が分かりやすい仕組みになっているのです。

 しかしまあ、ロケは増えた。実は今週は今後三日間ロケ続きです。水、木は「地球★アステク」のロケですが、金曜日は関西テレビが「今の東京」という感じでロケをする。私が案内役です。関西の方々に、今東京で何か起きているのかをお伝えしようというわけです。あちこち伺う予定。

 そう言えば、火曜日の「アンカー」に出てこられた神戸協同病院院長の上田さんの話は興味深かった。上田さんは阪神・淡路大震災の時に「災害関連死」の問題をいち早く訴えられた医師で、今回も震災後に二度も現地を訪れておられる。

 上田さんの話の中で興味深かったのは、今回の東北地方を襲った震災後の「災害関連死」としては、阪神・淡路の時には見られなかった「低体温症」による死亡が見られることだそうです。

 阪神・淡路の時には地震発生から数日で「ストーブががんがん」という状態だったのだそうですが、今回はガソリン、灯油が不足する中、折りからの東北の厳しい寒さで、被災した老人の方が体温20度といった極端な体温低下に見舞われた、という。

 もともと、大きな災害の後というのは、「ストレスによる交感神経の緊張」→「血液の凝固傾向」→「血管の詰まり」→「心筋梗塞や脳梗塞の発生」という流れが見られ、いかにして「ストレスの解消」をするかが重要だという。その解消方法に関して先生は

  1. 休息・睡眠の確保
  2. 風呂
  3. 避難所への救護班
  4. 情報伝達
  5. ボランティア支援
 を挙げられた。しかし今回の場合はそもそも「1」が確保できていなかった。寒いですから。しかし暖かくして寝ていれば良いというものではないそうで、被災者に「自分一人じゃない」と思える環境作りをすることが必要だそうです。適切に情報を提供してやる、そして話し相手になってやるのが重要だと。子供だったら、遊び相手。

 あと興味深かったのは、お年を召した方の「誤嚥性肺炎」について。これは歯を磨かなかったり、入れ歯を掃除しなかったりすることによって発生するらしい。被災地は水がないですから、この両方をその都度きちんと行うことは難しかったはずですし、今でもそうかもしれない。しかしこの二つをきちんとするだけで、ご老人の死亡はかなり防げるのだという。


2011年04月12日(火曜日)

 (11:58)今年も「まあ、しゃあない」と思って、119ドルというプライスでMLBのフル・サブスクライバーになりました。非常に綺麗な動画で、MLBの全試合を観ることができる。加えて、Gameday などのデータ画面も。

 驚くのは、MLBのネットでの試合提供サービスは毎年確実に進歩していることです。去年はなかったと思ったが、試合の中継中にも「その試合のこれまでのハイライト」が見ることができる。カレントの画面を流しながらです。右上に窓が出る。これがまた動画で出るので、これまでの試合を振り返るのに良い。

 加えて、Gameday の画面がめちゃ綺麗になっている。支払った価格は年間ですからね。「これは価値がある」と思いました。日本のプロ野球は今日開幕でしたっけ。この手のサービスはあるんでしょうか。去年まではなかった。今年も各新聞社のちょっとした努力頼み? 

大阪の桜は今が満開  日本のプロ野球は、「地上波で見られないスポーツ」に徐々になっているので、MLBが提供しているようなネットでのサービスが必要だと思うのですが、市場規模が違うのか「努力している」という気配がない。開催日論争などより、こちらの方が重要だと思うのですが。

 それにしても、MLBの日本選手は出足が低調。今日の松坂など先発して6点かな、7点かな。二回かなにかに大量点を取られて2回と三分の一かなにかで降板。昨日ホームランを打った松井は、今日はダメ。最後の打席も三振。西岡はケガ ?。まあ、これからでしょうが。

 今日はちょこっと時間を見つけてアスレチックス(松井所属)とホワイトソックスの試合を見ました。「6番 松井 7番 スズキ」と並んでいると初めて知りました。試合は2-1でアスレチックスの勝ち。しかし試合を決めたのは松井ではなく、その後のスズキの10回表のソロでした。

 ところで、昨日のロボットの話ですが、ツイッターでもフェースブックでもいろいろな方が取り上げてくれて議論になっているのですが、「結局は日本の技術は箱庭」といった指摘もあって、それは当たっている面もあるのですが、以下のようなメールをもらいました。

 ロボットの話ですが、東電は日本製の原発災害用ロボットは出動を検討したようです。ただ、「現場が出動できるような状況ではない」ということで断念した、ということでした。現場が混乱して投入できない、混乱というのはがれきの山になっている現場だとのことでした。

 http://www.jaea.go.jp/jaeri/jpn/open/press/010314/

 最初、フランスがロボット支援を言った時、日本政府が拒否したことも、ある一角では、「巨額の研究開発費を投入したロボットがあるのに出せないから、フランス製を使ったとなると後で問題になるから」との声もありました。

 また、グローバルホークなどの無人飛行機を使わなくても、日本製の産業用無人ヘリもあります。ヤマハ製なんですが、原子力関係者は「なぜあれを入れないのか」という声も当初はありました。

 まあ最初から諦めていたわけではないが、結局は役に立たなかったということでしょう。何年に一度使えるかどうか分からない、ということはあると思う。しかし、なんか悔しい。R&Dのやり方を変えないと。


2011年04月11日(月曜日)

 (23:58)私のケイタイの受信メールボックスが、地震のニュース(速報 読売)で埋め尽くされました。今日の午後5時ちょっと過ぎからの地震の数は凄かった。そのうち最初の方の大きいのは、大阪にいる私でも感知できました。すさまじいエネルギーです。

 そういえば、あれから一ヶ月ですか。既にいろいろなところに書いているのですが、3.11の午後2時46分のことはしばらく忘れないでしょうね。初震が巨大だったので、余震も長いと気象庁。しかしもうそろそろ収まって欲しい。「福島浜通り」と盛んに出てくる。

 ところで、「日本のロボットはなぜ原発事故で活躍できないのか」と4月1日に書きましたが、今日の日経の記事で理由が多少書いてある。つまり、「(原発)安全神話」があって、開発が途中まで進んでも、その後の商品化が行われてこなかったというのです。それじゃ立ち枯れになってしまう。

 4月1日に筆者は、「今回のFUKUSIMAの事故で、番組(既に終了した「世の中進歩堂」)で取り上げられた各種のロボットが活躍してくれれば良いと思っているのですが、どうも海外のロボットの方が実際には登場してくる」と書きました。

 だって悔しいでしょう。日本は世界に冠たるロボット大国なのに、肝心なところに出番がない。『「安全神話」に葬られた日本製災害ロボット』という記事は、そのなぜを紐解いてくれている。

 私が興味を持ったのは、「高い放射濃度の中では、普通の半導体は誤作動を起こすので、特殊な半導体を原子炉事故対応のロボットでは使う」という点。それを聞いて、日本のロボットが活躍できない理由が分かった。つまり、日本が強いのは工場用、そして家庭用のロボットの世界。

 つまり、「ロボット大国も限定条件付き」というわけです。残念だなあ。本当に。


2011年04月10日(日曜日)

 (23:58)日本の政治構造は、面白いねじれサンドイッチ構造になっているな、と開票速報をちらりと見ながら。県議選などの結果を見ると、「無所属」もかなりいるが「政党所属」が圧倒的に多い。「自」とか「民」「み」がかなりある。しかし市長や県知事など地方自治体のトップは圧倒的に「無所属」が多い。そして国政は選挙制度もあって依然として政党中心。

 なぜ地方自治体のトップに「無所属」が多いのか。自民、民主の両党がそれなりきの人材を立てられずに「相乗り」になるケースが多いのと、市政や県政のトップになると、「所属」を前面に出さない方が仕事がやりやすいのでしょうか。

 テレビはこれといった争点がなかったからか、「民主」と「自民」の対立構造が残っているところを特に取り上げている。しかし実態を見ると「無所属」同士の争いですからね。地方自治体のトップを巡る選挙は、「共」以外は全員が「無所属」。「無所属」ということではければ、時流に乗っていないような雰囲気さえある。

 しかしそのサンドイッチの下部構造を見ると、県議選レベルの議席配分は圧倒的に自民党有利。対して、国会の議席数を見る限り、国政は今は圧倒的に民主党有利。ということは、サンドイッチの左の(下)のパンには「自民党」と書いてあって、右の(上)のパンには民主党と書いていることになる。これは食べづらい。

 そして、”無所属”が支配する地方自治体の中には、大阪の維新の会や名古屋の減税日本など、上下(左右)のパンとは違うハムの動きも見える。これもなかなか味が複雑だ。しかも、今回の地方選挙を見る限り、「大阪維新の会」は勢いがあり、「減税日本」には勢いがないように見える。

 つまり、日本の政治はいろいろな面で衆参のねじれだけではなく、あちこちで「捻れ」が生じていることになる。この捻れが今回のような「日本は一つのチーム」というようなキャッチフレーズがあるなかでも生じているので、相当長く続くのでしょう。

 それにしても、「争点」のない、どの候補者の話を聞いても、「安全・安心」「震災対策」「防災都市」などで、「これじゃ政策では比較できない」という印象がした。名古屋や大阪のように争点を持つ地域政党の台頭はありましたが。

 一つ明らかなのは、「民主党は大敗」ということでしょう。NHKが盛んに「対立構造」と言っている三都県では、民主党推薦が全敗。県議選レベルでも、民主党の議席の数は、「中央で政権を取っている政党の数字か」と思う程低い。

 まあ民主党は県議選などのレベルでは、議席は最初から少ないんですが、本当は政権を取っている間に議席を増やさねばならないのに、そうなっていない。菅政権の不人気、それに政権を取ってからの政策の人気のなさが背景でしょう。

 「大阪維新の会」の伸びは注目されるが、国政には全く議席を持たない政党ですから、そこのトップだからと言って、国政に出て大きな勢力を占めるというのはなかなか難しい。時代と要請の変化が激しい時代には、「国政の変化を縛っている仕組み」は当面続きそうで、日本の政治の混迷は続きそう。

 あとは世論をどのように動かせるのかでしょうか。


2011年04月10日(日曜日)

 (08:58)土曜日に忙しくて読めていなかった『部品枯渇に身構える世界 日本、改めて存在感 ー「オンリーワン」企業が被災、復旧へ懸命』という日経記事を読み直していますが、サプライチェーンが抱える脆弱性がよく表現されていて興味深い。

 リーマンが「信用の枯渇」だとしたら、今回の震災ショックは「部品の枯渇」の恐ろしさを見せつけた、と。この記事は、日本に「オンリーワン企業」が多いことを示し、それは「改めての日本の存在感」だが、一方で世界経済に「緊張が走った」と表現している。

 そりゃそうだな、と思いました。内燃機関の自動車など一般に部品は3万点と言われる。そのどれが欠けても完成車としては出来上がらない。トヨタもホンダもアメリカでの生産の一時停止を検討しているようですが、それはそうでしょう。

 日本の部品は、無論韓国の完成品メーカー(車であろうと、家電製品であろうと)でも、アメリカのメーカーにも使われている。だからGMも一部工場の操業停止に追い込まれた。

 日本の部品メーカーは、かつての下請け、横並び主義から、急速に「オンリー・ワン」を目指していた。努力すればそれが出来てしまうのが日本の企業の凄さだが、そうした企業の革新の成果としての「サプライチェーンの中で占める存在感」が、今回はチェーンの脆弱性として世界経済を揺さぶっているというわけだ。

 では、「オンリーワン企業」であることをそれぞれの企業がやめれば良いのかというと、それは違うと思う。やはり日本の企業、特に中小企業はそれを目指すべきだと思う。無論、一工場への依存度の増大などは避けながら、また天災のより少ないところでの工場稼働などを前提としながら。

 オンリーワン企業になったプロセスには、「職人の腕」とか「現場力」がある。だから、この記事が指摘しているように「海外のメーカーに取って代わられる」危険性はあるが、それほど簡単ではないと思う。それが「存在感」というものだ。

 しかし、サプライチェーンの中での存在感は、その中にいてこそ発揮できる。日本のメーカーも工場修復を生かして、なるべく早く工場再開を目指すべきでしょう。「経路依存」といって、工場でも技を持つ労働者の存在、地域が持つノウハウなど、簡単には他に移転できないからだ。今まであった工場の地域での再興が一番良い。

 しかし、レアメタル騒動で日本が脱レアメタルの努力を始めたらいろいろな部材ができはじめていることでも分かる通り、技術革新の波は着実に押し寄せている。油断はしてはならない。

 ところで、先週サカタ(種子大手)で坂田社長とのインタビューで、「”現場力”という英語はない」とお聞きして以来、そのことに興味を持っていろいろ考えています。確かにない。フェースブックで知恵を借りましたが、なかなか良い表現がない。

 各民族、各国あると思うんですよ。その他の言語には訳せない言葉が。言葉は全部ディメンションが違いますから。でも、「日本は現場力はあるが、リーダーシップは弱い」と言ったら、喜ばしくも、悲しくもある。日本のリーダーシップ、どうにかなりませんかね。

 まもうちょっと調べる予定です。それからもう一つ。この記事が良かったのでプリントしようとしたら、ツーアクション必要だった。サイトの「印刷」を押すと、1,2,3ページは一緒にプリントできる。文章です。しかし貴重な地図が抜ける。で図表の「拡大」を押して「ctrl+p」でプリントしたのですが、うーん、ワンアクションでプリントできないかな、そういう方式にして欲しいな、と思っています。

 というのも海外の新聞などでは、写真は別にして図表などを特別なプリント画面の対象としているところがあるので。


2011年04月08日(金曜日)

 (23:58)夕刻でしたか、銀座のアップルストアに行くために有楽町から4丁目方面に歩いていたら、「間もなく東国原が到着いたします。交通渋滞でやや遅れておりますが、間もなく.....」と比較的低い音量で。

 「ああそうだ、今週末は東京都知事選挙の投票だ」と思い出しました。とても都知事選挙どころではなかったし、まだ分かりませんが、世論調査結果などによると「勝負は決まっている」風情。

 選挙カーから「東国原が来る」と呼びかけている女性の声も、いつもの選挙の時より抑え気味。私は全く見る気も、待つ気もせず通り過ぎて、買い物を終えて出てきたら、東国原さんが選挙カーの上から和光の横で演説していた。これも声を抑え気味。

 信号待ちで少し聞こえたので、何を言っているかと思ったら、今になって「なぜ出たか」を言っていた。負けを覚悟しているような演説に私には聞こえた。選挙は水物ですが、今回ほど盛り上がらなかった都知事選挙も珍しい。新聞にも載らない。各候補が何を目玉政策にしているかもあまり伝わってこない。

 面白かったのは、実際の演説をカーを取り囲んで聞いている人の数は、待っていた人の数を大幅に下回る。あまりいない。有名人を見るためにちょっと集まったが、見たら去っていった人が多かった、「演説は聴きたくない」人が多かったのではないでしょうか。

 「東京ディズニーランド、15日再開 夜間は当面自粛 」などと「通常通り」に向かっては動いていますが、まだまだ「尋常でない時期」が続いていると言うことでしょう。

 尋常でない、という意味では、日経の「パソコン価格が史上空前の急落 17万円の高機能ノートが9万2000円 」という記事が面白い。この間PCには興味がなかったので見ていなかったのですが、この記事には「パソコンの価格が急落している。その下がり方はまさに前代未聞、衝撃的なプライスが付いている」と書き出しである。

 昨日少しツイッターに書いたのですが、ふと『被災地では「せめて写真を」と探しておられる方が一杯いらっしゃるが、中には写真をクラウド化して助かった人もいるのかな』、なんて昨日は考えてました。

 多分いると思う。そういう報道がないので分かりませんが、あの広大な地域で例えば赤ちゃんの写真や自分の家の過去の写真をいろいろな形でデジタル化して、それをクラウドに投げていた人は少なからずいたと思う。

 数日前に書いた「絵の力」ではないが、「一枚の写真」は重要です。六本木から渋谷に抜ける道の左側には、確か「一枚の絵」という看板が見えたと思いますが、「一枚の写真」も重要。

 わたしはもうかなり写真のデジタル化、クラウド化を終えている。「被災地のより多くの人が写真をクラウド化していてくれたら」と思いました。大勢の方が瓦礫の中をアルバムを探しているのを見ると、胸が痛む。


2011年04月07日(木曜日)

 (23:58)エリアメールも鳴ったし、揺れも大きかったので、「地球★アステク」の第一回を見た後ちょっとうとうとしていましたが、さすがに目が覚めました。しかしはっきり目が覚めた時にはもう揺れが収まりつつあったので、テレビを付けて状況把握中。

 当初の報道によるとマグニチュード7.4で、私が先週行った宮城県の東部などは震度6強というのは、東日本大震災後の余震(?)としては最大級の一つだったのではないでしょうか。

昨日取材したデジタルヒューマン工学研究センターで見つけた石川遼の靴底  今回の大地震は、余震が収まるのに時間がかかっている。東京なども今回も揺れました。初震が大きかったので、余震がそれだけ収まるのに時間がかかっているということでしょうか。東京などに比べて、もっと震度が強かった被災地の方々の安否が心配です。今後も気をつけましょう。

 ところで今日は慶応大学で岡田先生の研究室で臭覚センサーを取材した後、同じ横浜のサカタ(種子大手)で坂田社長のお話を1時間半ほどお聞きしたり、その後東京に戻ってFM放送を1時間したりとちょっと忙しい一日でしたが、それぞれ興味深かった。

 坂田社長とのインタビューは、前回は日産の小枝名誉会長と行った「先進企業に学ぶグローバル戦略」シリーズの第二弾。あまり一般認知が高くない会社ですが、今回取材して「日本においてもグローバル戦略の最先進企業の一つ」と感じました。

 実にお話は面白かったですよ。詳しくは今後アップされるサイトで見て頂くことになりますが、多くのビジネスマンにとって大きな気づきがあることは保証付きです。海外に子会社を多く持ち、そのすべてを現地の人に任せている、また「種子」という世界的に寡占化が進んでいる業界のお話、その中での成長戦略は非常に面白かった。乞うご期待。

 今日から東京FMのタイムラインは1時間番組として模様替えしましたが、放送中に電話インタビューが二つあり、専門家の方々の話が聞けたことなど、楽しかったですね。

 私としても新たな発見があって、3月の放送でもちょっとそういう感じがしていたのですが、リスナーから頂いたメール読みや気づいたツイッターの紹介、それに曲紹介が実に楽しいと改めて感じたことです。ちょっと「萌え」状態

 メール紹介は、ラジオネームなどの確認、文章中にある漢字の読みで確認が必要なもの(地名などが多い)のチェックなどありますが、あとは書いた人の気持ちになってやや抑揚をつけて読むのが楽しい。曲紹介は、昔からやってみたかったことの一つで、特に番組のエンディングで行う曲紹介はちょっと力を入れて。今日はマイクロ・ジャクソンの「heal the world」でした。

 ところで今日紹介している写真は、昨日取材したデジタルヒューマン工学研究センターの一角で見つけた石川遼君の実際使用の靴底です。右と左が違う。体の壁がうまく出来るようになっている。右効き用。このセンター、思いもかけないものを研究している。

 放送は今のところ、4月の末か5月の初めです。こちらもお楽しみに。


2011年04月06日(水曜日)

 (11:20)「絵」というのは、時に非常に有効だなあ.......と今週は改めて思いました。言葉で説明すると非常に長くかかることでも、「絵」はいっぺんで見る人に事情を説明し、納得してもらえる。だから最近はなるべく「絵」を撮るようにしています。静止画(スチール)でも、動画でも。

 3月11日の地震以降、何か興味深い現象があれば写真をとったり動画をとったりしていたのです。むろん、先週の土曜日に宮城県の海岸地方の被災地を訪れたときには、動画を中心に現実を「絵」に納めた。

 その動画や静止画のかなりの部分は、いろいろなテレビ番組で結構有効に利用された。納得性が非常に高いのです。「絵」は。フェースブックにアップしたあの長い11分以上の動画も、火曜日に私が出演している二つの大阪のテレビ番組(「おはようコール」)、「アンカー」できっちり役割を果たした。あと地震の直後に私が撮った赤坂見附の何枚もの写真も役だった。

 驚いたのは、iphone4で撮った写真は無論のことですが、動画が全く問題なくテレビの画像基準を満たして何も処理しないで使えること。これはテレビ局の人もびっくりしていました。じゃ一体何のためにあの巨大なテレビ用のカメラがあるのか、と。無論、手振れがないことやズームなどの機能がふんだんにあるのですが。しかしテレビ用のカメラも徐々に小さくなってきている。

 ただし、iphone4で撮った絵は、ハイビジョン基準には到達しない。それをハイビジョンレベルの引き上げる技術もあるのですが、まあ基本はそこまでということです。それにしても、iphoneは写真でも動画でも、本当に使える

 いくつかあるSNSの中でフェースブックが非常に特徴的なのは、「写真」や「動画」が非常にコミュニケーション手段として有用だと言うことです。ツイッターやブログよりも、フェースブックにその傾向が強い。その影響もあって、私も少しは以前よりは「絵」を残すようにしている。SNSドリブンです。

 そうすると、世の中には結構面白い「絵」が結構あることに気づく。人の手が届きそうもない木の枝にCDが引っかかっていたり、ちょっとした写真や動画が人々の関心を呼ぶのが面白い。

 そういえば今週は水曜日に「独立行政法人 産業技術総合研究所 デジタルヒューマン工学研究センター」でユーザ・インタフェースの高いIT機器に関して、そして木曜日には慶応大学の理工学部で嗅覚センサーに関して取材します。これはプロのカメラマンが来るので、絵を写す人間としての私はお呼びではない。

 ともに「地球★アステク」の少し先の回の収録です。そういえば、今週木曜日の午後10時からの回が、「地球★アステク」という新番組の初回の放送となります。BSJAPANで。お楽しみに。


2011年04月05日(火曜日)

 (23:20)フェースブックやツイッターでの書き込み、それに番組へのメールなどを通じて、多くの方の「自粛を自粛」への、また「あえて普通の生活を続ける」ことへの賛同意見を頂き、心を強くしているところです。

 その中で、「不謹慎の壁」の打破への決意、「便乗自粛」への懸念が書き込まれていて、「面白い言葉だが、その通りだな」と思いました。一つ番組へのメールを紹介します。「九州・熊本在住のサラリーマン」の方からです。

 伊藤さん、岸田さんこんにちは。毎週、ポッドキャストで拝聴させていただいております。

 4月1日の「気になる作品」で紹介された九州新幹線についての伊藤さんのコメントを聞いてい痛く共感し、メールしました。

 4月2・3日、九州・山陽新幹線で1泊2日大阪へ家族旅行にいってきました。午前6時半に熊本発の新幹線に乗って、午前中海遊館、午後から新世界で串カツ、通天閣、難波でよしもとを満喫、夜は道頓堀でお好み焼き、たこ焼き。2日目は9時から19時までUSJでみっちり遊び、19時59分大阪発。熊本着は夜11時になりますが、1泊2日でも大阪を十分満喫できました。

 何よりも乗り心地が最高です。http://twitter.com/yu_takata#

 震災で自粛ムードの中旅行することに若干の躊躇はありましたが、やはり、ありがたく震災の影響が少ない西日本では「普通の生活」を送ることが大切だと思い行くことを決めました。無駄遣いはいけませんが、経済活動を停滞させるよりも普通にお金を使い、税金を払い、これまで通り普通の生活を送っていかなければ、日本の経済は本当に力を失ってしまい、ひいては復興への活力も失ってしまうのではないかと思います。異論もあるかもしてませんが、私はそうして平和のありがたさをかみしめながら生活をして行こうと思 います。話の趣旨がずれてしまいましたね、すいませんでした(笑)。

 これを聞いている関西の皆さん、ぜひ九州に遊びに来て、「うまかもん」いっぱい食べて、たくさんお金を使ってください(笑)

 これからの放送も期待しています。がんばってください。

 というものです。躊躇を乗り越えたお気持ちが良く出ていると思います。ま、良い兆しも出てきています。大阪道頓堀の有名なグリコの照明。震災以来消していましたが、この一両日で再びライトがともりました。良いことです。関西には頑張ってもらわないと。京都タワーもライトアップ。

 また今見た日経サイトには、『東電の計画停電、月内「廃止」 夏場は大口25?30%制限 』という時期があります。中味は、

 今夏の電力需要の増大をにらんで、経済産業省が策定した電力需給対策案が5日に明らかになった。地域ごとに電力供給を停止する計画停電について、4月のできる限り早期に原則廃止する方針を明記。電力需要を抑えるため、東京電力管内で工場などの大口事業者による夏のピーク時の瞬間最大電力を平年に比べて25?30%制限する。小口事業者には20%、家庭には15%程度の節電目標を設ける。これによって電力需要が急増する夏場も計画停電の回避を目指す。
 計画停電はやむを得ない場合もありますが、経済活動を大きく制約しているだけに、「電力需要が急増する夏場も計画停電の回避を目指す」というのは、良いことだと。この際、貴重な電力の使い方を考える、というのは必要ですが、「電気を安定的に、常に使える」という確信、安定感が、今の首都圏には必要だと思います。

 全国で見られる「便乗自粛」がなくなることを期待しつつ。


2011年04月04日(月曜日)

 (22:20)今週の金曜日だと思っていたのですが、今日発表されたんですね。東日本大震災発生の3月12日以降の企業からの回答を再集計した日銀の短観(3月調査分)です。

 それによると、大企業製造業の業況判断指数(DI=「良い」から「悪い」を引いた割合)は震災発生前の3月11日回収分までがプラス7だったのに対し、発生後の回収分はプラス6と悪化。しかし直近の下げ幅は少ない。景気はそこそこ良かったんですよ。

 対して、先行き(6月)は11日回収分までがプラス3だったのが、発生後の回収分はマイナス2と落ち込んだ。これは大きい。プラスがマイナスですから。多分、これが私が今見ている日本経済の実感に近い。

 なぜなら、私が歩く関東のデパートも家電量販店もがらがら、ホテルや旅館も特に東京を含めて東日本では大幅な空きが目立つ。宮城の帰りに立ち寄った天童のホテルも、「キャンセル続きで」と嘆いていました。

 「こんな状態で、被災地に近いところでどうやって雇用を広げられるのだろう」「被災した人は特に仕事が欲しいのに」と思いました。経済が強くなければ、被災地、被災者も救えない。なのに日本の経済活動は、明らかに大幅に低下している。

 その背景の一つが一種の「自粛ムード」。花見まで自粛しよう、というような声も聞こえる。しかし夜桜見学で大量の電気を使うならいざ知らず、昼間の花見は良いだろうし、それまで「自粛」というのはどうでしょうか。企業も新製品を発表し、コンベンションもやるべきです。

 毎年大勢の方が見に来る京都の都踊り(4月1日開演)も、会場の座席は「キャンセル続き」で後ろはかなり空いているという。筆者が景気ウォッチャー調査的に歩いている中で見て、震災後は日本の各種経済活動は明らかに萎縮している。日曜日に新宿の西口を歩いたのですが、人が少なくてがっかりしました。

 印象だけでなく統計を見ても、3月の日本の新車販売は37%も減少した。日本自動車販売協会連合会のまとめ(国内で販売された軽自動車を除く新車の台数)では、各社とも大幅な販売減を記録し、三菱自動車工業が47%の減少となったのをはじめ、富士重工業が46%、トヨタ自動車が45%の減少。日産自動車とマツダが各37%の減少となったと言う。

 日本の新車販売は、エコカー補助金が終了した去年9月以降は落ちこみが続いていたものの、3月上旬には前年を上回る水準まで持ち直していた。しかし、震災発生後は大幅な減少になっているもの。経済の中で占める車の比率は高いだけに、新車の販売に急ブレーキがかかったのは大きな懸念材料である。

 軽乗用車に乗り換えがあったのならまだ良いが、実際には軽自動車の3月の新車の販売台数も31%減少して15万8210台と大幅な落ち込み。気持ちは分かる。しかし、「自粛」を「自粛」しないと、次の日銀短観はかなり困ったことになりそうだ。


2011年04月03日(日曜日)

 (21:20)日曜日の午後に東京に戻ってきました。でも2日に松原、石巻、気仙沼、南三陸で見た風景は当面頭を離れないでしょう。あの壊滅的な東日本の太平洋岸を立て直すためには、時間とお金がいる。

 しかし帰ってきた後直ぐに、、MACエアの電源コードをどこかに忘れてきてしまったので、新宿のヨドバシカメラに買いに行ったのですが、びっくりするほど人が少なかった。西新宿全体で、「ドイツの日曜日」のような雰囲気でした。ドイツの日曜日は本当に人出が少なくて静かなのです。以前は。

 このまま日本の景気がダウンしたら、被災地を助けることさえできない、と思いました。「自粛自粛」ではダメなのです。今年は都内で花見をしているグループを見ると、「偉い」と思うようになりました。

 地震の被害は残っていますが、津波を免れた地域は比較的復旧は早いだろうと言うことです。旅館もホテルも震源地に近いところは建物は部分的にやられてはいる。しかし全館が休むほどの被害はない。被害も少なく営業もしているところが多い。

 大部分は営業はしているのです。しかし、「自粛で誰も来ない」と嘆いていました。被災地から相当離れた山形県の天童でもそうなのです。これでは周辺地域の経済もやられてしまう。雇用も吸収できない。被災地の近くの経済圏を活性化することも必要だな、と思いました。その為には、我々がそこを訪れることが必要です。

 今回の宮城県行きに関しては、結構長いビデオを何本か撮ったのですが、非常に長いもので、アップするのがためらわれました。しかし、サイトに残しておこうと思い直しました。二つの形をとっています。

 一本はそのまま。撮影したときのままです。非常に重いので、ダウンロードを覚悟して行ってください。

 4月2日現在の気仙沼

 もう一つは、フェースブック用に「最適化」を経たものです。その分軽い。私のファンベージの中にあります。「2日の気仙沼です。実際に走ると、いろいろなことに気がつきます」というタイトル文の下にあります。ちょっと下です。フェースブックにサインアップしてなくても見られます。

 facebook 伊藤 洋一のファンベージ

 です。


2011年04月02日(土曜日)

 (23:20)木曜日の番組のゲストに、「ボランティアは、最低一週間、望ましくは2週間くらい続けて働ける人でないと」「だって、土日に来て頂いたってスケジュールが立てられないじゃないですか」と言われた瞬間から、今週は「ボランティアは難しい」と決めていました。

 しかし「seeing is believing」がモットーの私としては、角度が限定されるテレビの画面からではなく実際に自分の目で見なければという気持ちから、金曜日の夜8時過ぎに東京を出て東北道を北上、宮城県に入った白石近辺で一泊。

 朝を待って仙台に入り、その後塩竃、松島、石巻、そこから北に片道高速の三陸自動車道(私のナビには入っていなかった)を使って気仙沼に出て、そこから海岸線を南三陸町に下って、というルートで被災地を移動しました。

 ルートは大学生の時に友達と東京を夜8時に出て朝の4時に松島に着いた時とほぼ同じ。その時は夜通し運転して8時間かかった。高速道路が無く、4号線でしたか、ひたすら走った記憶がある。仙台は2月にも講演会をやった場所だし、何回も来ているので、思い入れもある。

ちょっとした高さの差が大きい。上の家は一軒なにも津波の被害を受けていない  それにしても被災地を走っていて、ほんとに涙が出てきました。壊れたものはみんなここに住んでいた人が必要だったり好きだったりしてお金を払って買ったものです。家でも車でも、家具でも、ふとんでも。しかしそんなことはお構いなく津波は無残にそれら全部を破壊した。か、使えなくした。全部に思いが入っているのに。

 ビデオにとってありますが、気仙沼はまだ港や市場(いちば)のあった辺は入れなかった。川の手前で止められた。まだ潮が引いていないそうで、人が一人歩けるくらいの幅の通路しかない、という。警備の人に「車が壊れてもいいんなら入って良いよ」と言われて、諦めました。

 家や車の残骸が延々と続く場面はテレビで見ていたのと同じですが、実際に自分で走ってみると、いろいろなことに気がつく。

  1. 津波の被害に遭うか遭わないかは、ほんの少しの高さの差だということ。気仙沼から南三陸を海岸線をずっと走ってみましたが、あの道は高低を繰り返しているのです。で、津波は一定のところから上には全く影響をしていない。当然ですが、道を走っていると、津波の被害が酷いところと、ちょっとそれより上で何も被害のないところ(地震の被害はあったでしょうが)が入れ替わり出てくる
  2. 神戸・淡路はもっぱら地震の被害でしたが、そもそも地震の多い三陸地方など東日本の太平洋側は、地震によってはそれほど痛んでいないように思う。仙台の街などしっかりしていたし、既にかなりの部分に最後まで通じなかったガスが戻りつつある
  3. そういう意味では、今回の被害はかなりの部分津波によるものであって、特に南三陸町などは本当に街の奥まで津波が侵入しているのが分かる。山際の家がかろうじて床下で済んでいるくらい
  4. 神戸・淡路の時に比べて、本当に被災地域が広い。既に電線の設置やがれきの後片付けなどがほんの少し始まっているが、復興には本当に時間がかかると思う。「災害派遣」「災害支援」の自衛隊の車、消防や警察(警視庁の車もあったな)が一杯出ているが、それらの存在感は大きいと感じた
  5. 地震そのものからの立ち直りは素早いと感じる。仙台市のかなりの部分は既に十分都市機能を回復しているし、町並みも綺麗だ。問題は津波のあった海岸の土地で、どのような街作りをするかを含めて、早急に「復興・復旧のガイドライン」作りが必要に思えた
 車で走ると、今自分が走っている右に、そして左に何があったのかを表示してくれる。だから南三陸町を走っていると、ナビに「南三陸役場」とか出てくるのです。海岸から内陸に向かう道の左側です。津波が到達した山際までの距離と海岸とのちょうど真ん中くらいでしょうか。「誰もここまで津波がくるとは思っていなかったんだろうな」と思いました。しかし来てしまった。凄い勢いで。。

 神戸の復興をした人が、後片付けの時の「アスベスト問題」を指摘していましたが、それを含めてあの膨大ながれきをどうやって、どこに片付けるのかが非常に大きな問題だと思いました。燃やすと有毒なガスを出す物もあるでしょうし、所有権の問題もある。特別立法しかないのではないでしょうか。

 南三陸を離れた後は、距離にして170キロほど離れた天童に移動しました。2001年の鍋大会以来、何か天童には親しみがあって、その後も何回も訪れている。今回も天童のホテルに泊まりましたが、それにしてもガラガラ。地震の影響の「自粛」でキャンセル続出だそうです。

 山一つ超えているし(まだ道のすぐ脇は雪でした)、天童なんて津波と関係ないし....と思うのですが、世の中そうではないらしい。困ったものです。こんな「自粛続き」だと、今年の日本のGDPは大幅マイナスになってしまう。

 なお物資全般はまだ非常に不足していて、お弁当やおにぎりはたくさんあるが、その他の物資の棚が半分くらい何もないコンビニも多かった。東北道で一杯トラックを見ましたが、まだまだ物資不足は続いているようです。

 ガソリンは現地では非常に長い列ができているスタンドと、そうでもなく給油しているスタンドの両方を見ました。私は仙台に入る前に高速道路のスタンドで一回満タンにし、その後は宮城県を出てからまた一回入れました。早め早めの満タンがいいと思います。こういう時にハイブリッドは役立つ。

 今回はご迷惑になってはいけないので、避難所はどこにも寄りませんでした。何か他の形で貢献したい。


2011年04月01日(金曜日)

 (13:20)それから新しいエッセイのお知らせです。「伊藤 洋一のBRICsの衝撃」ですが、今までは日経BP ECOマネジメントのサイトで掲載されてきましたが、4月から日経BP ECO JAPANのサイトにアップされることになりました。

 旧来の回数で数えると第93回の「BRICsの衝撃」は、伊藤 洋一のBRICsの衝撃「“FUKUSHIMA”がBRICsに与えたインパクト」としてアップされています。

 今回の東京電力福島第一原子力発電所の事故は、世界的に見られた「原子力ルネサンス」の趨勢に大きなインパクトを与えました。世界の国の中には、それまでの積極的な原子力発電計画を見直す動きを見せているところもある。積極的な原発増設計画を持つBRICs諸国がどう動くのかを考えてみた。

 それから、今夜10時24分からは、「世の中進歩堂」の最終回です。今回は総集編ですが、今回のFUKUSIMAの事故で、番組で取り上げられた各種のロボットが活躍してくれれば良いと思っているのですが、どうも海外のロボットの方が実際には登場してくる。日本の、我々が番組で取り上げたものではなく。

 なぜだろうと思っているのですが、どうやら運用の問題もあるようです。研究は進んでいるのですが、それを恒常的に実用ベースに仕上げる、そしてそれを運用する技術・人材に欠けるようです。

 番組で災害用を含めてロボットを盛んに取り上げてきた側としてはちょっと残念です。こんな事故が頻繁に起こるわけはないが、しかしせっかく研究しているなら本当に活躍の場を与えられたらと思う。

 来週から始まる「地球★アステク」ではそういう問題も取り上げて行きたい。



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