2011年12月31日(土曜日)

 (07:25)備忘の為もあって書いておきます。2011年のニューヨークの大引け近くの為替相場は、ドル・円が76円90銭、ユーロ・ドルが99円70銭。

 ユーロ・円の年初来高値は123円32銭、ドル・円の年初来高値は85円53銭ですかね。ネットにあるチャートを見ると。いずれも今年の春です。円が比較的弱かった時期。

 それから見ても、今の為替相場は大きな円高です。日本の通貨の購買力が強くなった、日本企業が海外企業のM&Aがし易くなり、少ない円で海外旅行が出来るようになる一方で、日本の工場から出荷される製品の海外での競争力は、もし同一品質だとすると低下したことになる。

 円の主要取引通貨となっているドル、ユーロに関しては、今のところ強くなる要素が少ない。そういう意味では、円高は2012年まで続くと思われる。


2011年12月30日(金曜日)

 (07:25)朝6時からの風呂なのに、ちょっと過ぎにはもう結構多くの方が。一年の「疲れ落とし」「汗落とし」?。

 まあ私もそういう気持ちで箱根路に来ているのです。駅伝が通る直ぐ近くの宿ですが、改めて自分の足で歩いて思うのは、「この道を駆け上がるのは、または駆け下るのは容易なことではない」ということです。

 医者に言わせると、階段の場合は上りは体力、下りは運動神経ということですが、坂道の登り、下りはそれとはちょっと違うのでしょう。しかも階段は大体暖房が効いているところにあるが、箱根路は冬で寒い。

 今年もあの柏原君が5区を走るそうですが、彼など本当に特殊な能力を持っているのだろうと思う。本当は見たいのだが、まそれはテレビの方がいいのでしょう。

 「それにしても」と思う。「いつ練習するのか」と。だって、箱根の道は狭いですよ。車を運転していても、ちょっと遅かったり、運転があまりうまくない人が前を走っていると車が数珠つなぎになる。ということは、普段はあそこを練習に使えない筈です。

 しかしあの道をぶっつけ本番で走るというのは、ちょっと危険な気がする。どこかほかで練習しているのでしょうが。夜の間かな。でも雪が降ったケースでの対処などは、ちょっと練習のしようがない。しかし、板さんによると「正月の箱根は結構雪が降る」と。

 あと今日を入れて二日ですか。昨日から都内は非常に人が少なくなった。年末の雰囲気です。今年もあちこち移動しますので、このコーナーにどのくらい文章を寄せられるか分かりませんが、皆さんには良い年末・年始をお過ごし下さい。


2011年12月28日(水曜日)

 (17:25)ずっと不思議に思っていたのです。一体彼らはどういう”防寒”をしているのか?

ここにも寒そうな人が。クリスマス帽はもう外してやれば良いのに  東京に特に多いのですが、いろいろな場所で警察官の方が寒さにもかかわらず警備をしている。早朝もそうです。あの寒い中。そこで今朝思い切って聞いてみました。「何を着ているんですか?」と。気持ちよく返事が返ってきました。

 二人の方に聞いたのですが、上に着ている枚数は4枚と5枚。二人ともホカロンは付けていなかった。「なぜ?」と聞いたら、「だって今から入れると、1月や2月がつらいから」と。「うーん、そうかな」と私。だって、今が一番寒いかもしれない。

 そう言いながら、二人とも震えていました。私のように動いているならまだしも、ほぼ止まっているのはつらいでしょう。組み合わせとしては

  1. ヒートテック”系”の下着
  2. その上にワイシャツ
  3. カーディガンなど毛糸型の暖房
  4. そして支給のコート(結構厚い)
 全部で何キロになるんでしょうね。ワイシャツを着ているというのが、「そうかな」という感じ。5枚の人は、もう一枚着ている。しかしあまり着ると、身動きが鈍くなる。まあ、大変ですよ。野外で長い間冬立っているのは。ご苦労様、と思いました。


2011年12月27日(火曜日)

 (21:25)28日の東京での収録が比較的早いのと、今夜現在の新幹線が比較的順調に走っていることもあって、予定を変更して夜八時半過ぎの列車で東京に向かっています。今ちょうど新幹線が減速走行中。いつも米原の辺が東海道新幹線のネックです。

 大阪の二本のテレビは今日が最後。コールアンカーも、年末らいしい話題でおもしろかった。コールのコーナーで言い忘れたことは、来年早々に失業保険が切れると言うことと、漁港なんですが製氷、冷凍などの関連産業が稼働していないと港として機能しないと言うこと。ただ魚を捕ってくればよい、ということではない。

 私が行ったときも、鰹が終わって港は閑散でした。漁業が閑古鳥になれば、気仙沼はもう観光しかない。製氷、冷凍の産業が立ち上がってくるのでしょうが、それまでは厳しい状況が続く。また来年6月くらいには訪れたい。

 アンカーの特集でもあったのですが、来年はこれまた興味深い一年になりそうです。欧州はどうなるのか。一つ文章を書きました。そもそも講座の文章です。

 日本も一瞬先は闇の政治状況になってきました。年末までに新党が一つ出来るかもしれない。民主党政権も既に3年目になる。「次の選挙」を考える人が出てきても不思議ではない。次の選挙で試されるのは、国民のような気がする。


2011年12月26日(月曜日)

 (22:53)ははは、初めて瀬戸大橋線(通称)に乗って、瀬戸内海を列車で渡りました。どえらく高いところを、風の強い中。

 月曜日は高松で今年最後の講演があったのですが、大阪に出るのに少し迷ったのです。バスにするか、電車にするか。時間が短いのと、瀬戸大橋を通って岡山に出るルートを見つけて、これは面白いと。

 全国的にでしょうが、とにかく日曜・月曜と高松は風が強かった。駅前のサンポートの前など、人が立っていられないほど。タクシーの運転手の方も、「こんなのは初めて」と。

 なので、高松発のマリンライナー(確か13時40分発の36号だと思った)に乗るときに、「風が強いな。瀬戸内海の上は大丈夫かいな」と思いながら。怖いモノ見たさに。途中まで寝ていてはっと気がついたら、瀬戸内海の上だった。

 まあこれが高いところを走っていること。下を見れば瀬戸内海の海面ですから、結構スリリングです。あんなに下が丸見えの列車に乗ったのは、初めてだな。しかも長く続く。しかし気がついたのですが、殆ど揺れない。風が収まっていたのか、それとも風対策がよく出来た列車なのか。

 鉄橋のクロスのラインが邪魔なんですよ。写真を何枚か撮ったのですが、あまりうまくいかなかった。しかし、ずっと「この列車はなかなか迫力ある」と思いました。

 鉄道好きにはおすすめの「瀬戸大橋線」です。


2011年12月25日(日曜日)

 (07:53)今朝はなんか嬉しかったな。目が覚めてテレビをつけたらどこかで見た顔の人が「かまぼこ」の話をしている。明らかに職人です。しっかりした鼻。

 しばらく見ていて、「むかーし会った尾道の人だ」と思い出したのです。村上さんという。私は尾道が好きで、何も用がなくても、網を引きに行ったりしたこともあったのですが、確か1990年代の半ばに、私にとっての尾道案内人である石井さんや安保(あぼう)さんに紹介して頂いた方でした。

 そのときの話はまだ覚えていて、「東京の大学に行っていた蒲鉾屋さんの娘さんが好きになって、それで尾道の蒲鉾屋さんの養子に......」「毎朝4時起き。寂しいだろうに」(安保さん)という部分を非常に良く覚えていたのです。

 テレビが「村上さんは大学で尾道から来た芳子さんと知り合って.....」と解説したところで分かった。紹介されたときには知りませんでしたが、「お嬢さん(優美さん)がいらっして.....」と。ネットで調べたら、その方がこんなブログを作っている。

 彼女と結婚した人がまた桂馬を継ぐんだろうな。そした技術が伝承されていく。うーん、お嬢さん自身が職人の道を選んだので、その必要もないか.....。

 そうそう尾道の蒲鉾屋さんの名前は、「桂馬」でした。おいしかった。

 「かまぼこ」は好きですね。そば屋でも絶対かまぼこを食べる。かまぼこがない蕎麦屋はいかんと思います。かつその味、つまりかまぼこの味で、その蕎麦屋の格と味が分かる。かまぼこが不味い店は、ソバも不味い。

 まあでも思ったのは、「村上さんは、朝4時起きを続けて職人の道を究めた。それが偉い」と。だって何十年も休みなしですからね。当時はまだ技が会得できていなかったのでしょうね。ちょっと不安そうでしたが....。少なくとも10数年前です。

 でも正確な日時はと思ってネットで「ycaster 桂馬」と入れてみたら、1997年6月が出てきた。その中のページから検索したら、1997年のたぶん6月24日でした。また2001年の1月22〜23日には

 24日朝現在で尾道に居ます。久しぶりの当地。もう7年ぐらい前に一回頼まれて講演に来て以降二回目なのですが、そういう気はしない。というのは、ここの人たちとはメールリンクなどを通じてずっと「keep in touch」なんです。私もたまに書き込む。

 当時聞いた話は忘れていない。青山学院の学生の時に同じ大学にいた尾道の女性に惚れてこちらに嫁いできた(?)男性(桂馬という蒲鉾屋さんの社長さんなんですが)が、朝早い仕事が続いて疲れたときなど東京の方を向いて線路の上で泣いたとか、そういう話をよく覚えていたのです。エピソードが多い(?)街なんです。

 という記述もあった。これは明らかに村上さんについてです。うーん、この話を覚えていたのかな。でも今朝見た顔は、自信にあふれていました。ナイス。「二回目」というのは、覚え違いの可能性が大です。

 近く尾道に行って「桂馬の蒲鉾」を食べたい。尾道も好きな街です。寺が多い。昔は非常に商売で繁盛した街の証拠です。芸術を育む町でもある。ホリエモン騒動はちょっと余計でしたが。


2011年12月24日(土曜日)

 (07:53)年末年始に向けた企画収録が続いていますが、翌日に大晦日を控えた30日夜はラウンドアップ・ワールド・ナウ。今年9月以来の富士通総研の柯隆さんをお呼びした中国スペシャルですが、これが実におもしろい。

 来年は中国で政権移行が行われる予定ですが、首相の座はまだ決まっていないし、習近平が予想通り胡錦濤の後を取って国家主席になっても、その権力は限られたものになるかもしれない......という。興味深いでしょ。こうした政治領域の話から、後半は今後展開が難しくなる中国経済の話へ。

 中国は13億人でなにせでかい国です。対して北朝鮮はおそらく2000万ちょっとの国です。北朝鮮では、突然の権力移行があった。しかし中国のそれは問題にならないくらい、極東情勢に大きな変化が生まれる可能性を持つ。しかも中国の政情も決して安定しているとは言えない。

 なにせデモ・ストが多い。中央の命令が末端の地方段階まで届いていない、つまり国家としてうまく機能していない印象が強い。韓国の海洋警備隊員が刺された事件もそうです。インフレ対策と景気対策のバランスはどうするのか ? 中国の値下がりしているマンション市場の現状でも、興味深い話が出てきます。是非お聞きください。


2011年12月22日(木曜日)

 (17:53)新潮新書で面白い本を2冊読みましたので、紹介します。

 一冊は『「お手本の国」のウソ』です。ある意味、この本は私が待ち望んでいた本でもある。日本は何かというと「この点についてはあの国が優れている」という偶像を作り上げて、「であるから、日本はまだまだ」「ダメだ」という議論をする。

 より高いレベルを目指すのが悪いわけではない。しかし、直ぐその議論に乗って、すなわちあまり検証せずに、「やっぱり日本はダメだ」といった議論をする番組が多すぎる。クローズアップ現代などがその代表だ。

 この本はそういう単純な見方に警鐘を鳴らします。例えば日本のマスコミはずっと「欧州の福祉社会は素晴らしい」と賞賛した。しかしその福祉社会維持の為のコストは膨大で、であるが故に今の欧州の危機が起きているとも言える。全体像を見ることが必要です。

 そうした「固定化した見方の修正」にこの本は役立ちます。何人もの方が分担して書いているのも好感が持てる。それぞれの国に詳しい人達が分析している。

 次は、「テレビ局削減論」です。ま、今さらながらの感もある本ですが、比較的まとまっている。なぜテレビ番組(特に民放ゴールデン)がつまらなくなったのかとか、有力な競争相手(ネットなど)の登場の持つ意味など。

 これは局によって程度の差はあるが、「長崎の通販会社」に占拠されているような局もある。それぞれの番組では非常に頑張っているものがあるのですが、全体的に見ればテレビ局の番組制作能力が落ちてきているのは間違いないでしょう。その点をこの本は突いています。

 ただ、新聞と同じで私は日本のテレビ局の再編は結構時間がかかると思っています。というのも、”資産”を持つところが多いせい。しかし様々な試みをしなければ、業界全体が大きな変化に見舞われるでしょう。だって、すべては「デジタル」になっているのだから”特権”はない。

 そういう意味では、番組は特徴のあるものでなければならない。「地球アステク」は見てもらうに値する番組だと思います。前の「世の中進歩堂」に引き続き、日本では珍しくずっと”科学”に焦点を当て続けています。

 今夜の夜10時からのアステクは、「ようこそ!未来の映像世界へ」です。これはつい最近のロケだったので非常に鮮明に覚えていますが、面白かったですよ。「プロジェクション・マッピング」なんて最高でしたね。欲しい。

 映像技術の祭典である「ビジュアルメディアEXPO2011」への潜入記です。「プロジェクション・マッピング」はリアルとバーチャルを融合する話題の技術。お楽しみに。

 その前の東京FM TIMELINEは、本日は「絆と孤独」を愛する矛盾」です。お楽しみに。ラジオはいつもチャレンジングで面白いですよ。


2011年12月21日(水曜日)

 (14:53)今日はちょっと面白い数字をいくつか紹介しましょう。興味がある人の一つの目安にしていただければいいと思います。

 実は「もうこれは意思の問題だ」と思って体重を減らそうと決意したときから、結構頻繁に体重計に乗るようにしているのです。特に出張先のホテルに体重計があるときには、風呂に入る前、風呂から上がった後、走った後、寝る前、寝た後、仕事の前、仕事の後。直ぐに乗れるところにありますから。

非常に便利ですよ。包容力がある  で色々なことが分かった。私のコンディションは、

  1. 身長=169センチ
  2. 体脂肪=20.3
  3. 基礎代謝=1600前後
  4. 体内年齢=36才
  5. 比較的汗かき
 といった具合です。体内年齢は見る度に、「マシンがサービスしていてくれるのかな」と思う。その前提の下で、以下のことが判明してきた。
  1. 例えば一回の食事で私が食べる量は、ホテルのアメリカン・ブレックファスト(グレープフルーツ・ジュース、一個玉の目玉焼き、ソーセージ5本、トースト2枚、それにコーヒー2杯程度、それに水)を平らげたとすると、ほぼ1キロの摂取になる

  2. 朝ではなく、夜にかなり「食べた」という感じまで食べたり、ビールや水割り、日本酒を結構飲むと、簡単に体重は2キロ弱増える

  3. 対して、例えば5キロを歩いたり走ったりでかなり汗をかいても、それだけではせいぜい500グラムの体重減にすぎない

  4. 400〜500グラムの体重減は30分の半身浴でも生ずる(ともに夏はもっと減少すると思う)

  5. 実出演時間2時間のテレビ番組に一本出ると、打ち合わせやトイレ行きを含めると約400グラム体重が減る

  6. 外だし関係では、小は概ね200グラムであり、大はその時によって変動する
 などでしょうか。当たり前だが、体重は食べたり飲んだりした直後が一番大きく、それを徐々に発汗であったり、体内消費だったり、排出だったりして減らしていく。その繰り返しであり、一番体重が平均して低いのは朝食を食べる前の朝。それと気づかずとも、夜に汗をかいているからだし、摂取しない間にもエネルギーを静かに消費しているため。

 私の一日の体重のレンジは72キロの半ばから75キロ乗せまで非常に幅が広い。この間を常に変動している状況です。まあ一時は80キロにニアミスしましたから、それに比べれば大きな改善。

 体重を減らそうとしている人に助言があるとすれば、

  1. 食べる量を落とさずに運動だけで体重を減らすのは、至難の業である
  2. やはり食事を八分目にするとか、時々大食いしても、その後は少ない日を設けるなどしてやはり管理しなければ難しい
  3. 案外、運動よりは半身浴が効果があるが、一番良いのはある程度運動して、その後ある程度水分を採りながらの半身浴が望ましい
 でしょうか。私の場合は今はちょっと揺らして、あともう一段70キロ台平均にしたあと管理モードにする予定です。そんなにうまく行くかどうかは知りませんが。

 ところで写真は、今私が非常に重宝している物です。袋の部分もベルトの部分も自在に伸びる。よって、この中に例えばiphoneを入れて走っても、非常に体にくっついて安定している。お薦めです。


2011年12月21日(水曜日)

 (09:53)今朝は朝から笑えたな。いつも桜宮から大阪城の方向に歩いたり走ったりするのですが、「もう飽きた」と思って今日は大川を上流に向かって川の右側を走っていたのです。そしたら、面白い名称の店が出てきた。

少し行ったら大阪拘置所がありました  写真でご覧の通り、「差入屋」「さしいれ所」とある。「何だろう」と思いました。何を差し入れるのか、弁当か、お菓子か、そして誰に。「布団とも書いてあるな.....」と。ちょっと考えたのですが、わからなかった。「ま、あとで調べよう」と思ったのです。

 しかし調べるまでもなく、少し前進したら分かった。そこに「ここは国有財産。立ち入り禁止」とかいう看板が立っていて、その先に「大阪拘置所」と書いてあった。「そりゃ、誰も立ち入りたくないな....」と。ははは、拘置所に差し入れを持って行く人のためのお店でした。

 それにしても、朝早くからやっていました。恐らく午前7時半くらいです。オジさんがそれぞれの店に一人。なんか暇そうに新聞を読んでいました。この川沿いは、殆どがまだシャッターが降りている。昼でも空かないシャッターが多いに違いない。しかしこの二つの店だけは、まま若干シャビーだがやっていた。

 うーん、「ニーズがあるんだ」と。「大阪だけかな」と思ってネットを調べたら、東京拘置所の近くにも「池田屋」というのがあるらしい。うーん、今度中に入ってみよう.......。

 ま私の歩く、走るはほんとうにいい加減です。いつもiphoneを帯同する。面白い光景があれば撮影が優先です。走っていて疲れれば、直ぐ歩行に切り替える。


2011年12月20日(火曜日)

 (23:53)日本での北朝鮮報道を聞いていて、どうしても「そうじゃないだろう」と思うことがある。それは、あたかも金正日から金正恩への権力の継承が”スムーズに行く”ことが良い事であるかのような報道姿勢だ。今日のクローズアップ現代もそうだった。

 私の基本的な考え方は、「戦後の北朝鮮の政治体制は、日本にとって何一つ良いものではなかった」というものだ。日本を含む周囲の国に常に脅威であり、日本国民を拉致し、日本列島の上にミサイルを飛ばした。つまり邪悪な体制である。国内で何が行われているのかも分からない、閉ざされた国。

 多少の混乱が予想されるからと言って、その体制が崩壊することは悪いことではない。「混乱がなければ良いが」という懸念は分かるが、それでは今の体制が金正恩に継承されて、北朝鮮の国民にとっても抑圧的で、周囲の国に核だ、ミサイルだと脅威を与え続けることは、全く持って許容しがたい。

 つまり基本的な視点として、北朝鮮の今の邪悪な体制をいかに崩壊させられるか、望むらくはいかに「管理された崩壊」に導くのかが重要であって、体制の持続は何ら良い事ではない、という認識が必要であると思う。そのことを決して忘れてはならない。

 今年の世界史的な出来事は、ベンアリ(チュニジア)を倒し、ムバラク(エジプト)を政権の座から追いやった「アラブの春」であり、プーチンの強権的な政治に対峙しようとしている「ロシアの春」である。北朝鮮に「春」が訪れても何らおかしくない。それらの「春」が、新しい安定した政権を作ることに難渋しているとしても、それらは歓迎できることだ。

 繰り返すが、今の北朝鮮の体制は周辺国にとっても北朝鮮国民にとっても何ら良きものではない。「(権力)継承がうまくいくかどうか」などという視点は、かつて「金正日の後継者は誰か」と下世話な視点を提示し続けた放送の再現だろう。あの時に三男の金正恩だと誰が予想したか。全く持って意味がない。

 日本で金正日の死亡に「哀悼の意」を表すると言った官房長官がいたらしい。とんでもない話である。拉致を指令したのは、間違いなく金正日その人だと考えるのが自然だ。そのことを忘れてはならないと思う。

 三代世襲となって「統治の正統性」は確実に低下している。それを欲するが故に仕掛けてくる北の仕掛けには、安易に乗らないことだ。「世襲」ということは、北が体制側からは「これからも変われない」ことを意味している。

 北朝鮮の問題を考える時には、そうした視点が常に必要だと思う。


2011年12月19日(月曜日)

 (13:53)後継者は既に決まっていて、今回の金正日総書記死去放送でも「主体革命偉業の偉大な継承者である金正恩同志がいらっしゃる」と述べているので、北朝鮮政府が直ぐに無謀なことをすると言うことはないでしょう。問題なのは、軍隊や一般の国民の動きです。力による秩序が崩れた後では、予想外の動きが出てくる。時間の経過とともに。

準備が進む日枝神社  そう言う意味では、国境を接している国々(韓国、中国、そしてロシア)の北朝鮮との国境地帯では緊張感が高まっているに違いない。三カ国のうち、韓国は少数の避難民を入れるかもしれないが、大量の難民の受け入れには二の足を踏むに違いない。中国とロシアは拒否と思える。

 それにしても、金総書記に関する北朝鮮の放送内容には驚く言葉が並ぶ。全く現実を反映していない。「世界平和に貢献」とか「強勢大国」だとか。まさに虚構の国の虚構の放送です。現実には、首都の平壌でも電気が不足し、国民の少なからぬ数が「脱出したい」と思う国だ。

 「統治の正統性」は建国に全く関係ない3世になることによって、著しく薄れます。また金正恩は1983年1月8日生まれですからまだ30才にもなっていない。結婚もしていない。そういう意味では、今後の北朝鮮情勢は大きく動く可能性がある。

 まそれでも、少し時間がかかるでしょうが。


2011年12月17日(土曜日)

 (07:53)昨日は「人が今日入っていないお店はやばいよね.....」と皆で言っていました。というのは、来週の金曜日は23日で祝日。祝日に忘年会をやるところは少ないでしょう。だから22日と並んで、昨日は忘年会のピークだったはずです。

 実際のところ、昨日は地図を見ながら街を歩いている人を多く見かけた。4〜5人の集団で、一人が地図を見ながら。きっと、忘年会の会場に向かっていたのだと思います。

 そういう私も忘年会で、番組は森本毅郎スタンバイでした。いつもの年より大勢の人が集まった。面白かったですよ。宴会後の余興もあったし。「来年も一年頑張ろう」と。

 多くのタクシーの運転手さんに言わせると、この年末にかけての祝日は商売的には厳しいのだそうです。人が一番動くときに祝日になる。ある運転手さんは、「日本は祝日が多すぎませんかね」と。私もそう思うときがある。

 それにしても「昨日が忘年会のピークだったはずだ」と考えると、今年もあと僅かだと。まあそれにしても、課題多き年の瀬です。欧州は債務危機のまっただ中にあり、ロシアは「ロシアの春」を春を待たずに始めた。日本も震災や豪雨の記憶が消えない。

 まあ来年もいろいろある年になるのでしょうね。コンピューターの世界の「ドッグ・イヤー」が、世の中の出来事の短時間での発生をある意味加速している。もうこれは逃れようがない。ということは、来年は今年より多くの記憶に残ることが詰まるはずです。ははは。


2011年12月16日(金曜日)

 (14:53)公開された二つの文章がありますので、紹介します。一つは、「ロシア訪問記【5】これからのロシア、そしてBRICS」です。今年9月に行ったロシアを特集した文章も、今回が最後です。「資源枯渇後のロシア」を考えてみました。うーん、ロシアには5年後にもう一度行ってみたいな。

1時間当たり200mmの豪雨  ところで、今は更新停止されているECO マネジメントに「制約に直面する高成長=中国、インド」を2007年の7月5日書いて以来、4年以上に渡ってBRICSを中心とする途上国に関する考察を書いてきましたが、サイトの閉鎖とともにいったん終わります。

 しかしBRICSや途上国は私にとって非常に興味が尽きない分野です。今後とも足を運び、自分のサイトやラジオ、テレビを含めて、文章などでその動向を今後もお伝えしたいと思います。

 もう一本は、 第55回「苦悩する欧州」です。欧州の危機の根源を探ってみました。欧州の危機は、今年に限らず来年も大きなテーマになるでしょう。

 ところで、昨日の防災科学技術研究所の取材は、非常に興味深いものでした。3.11の地震の揺れがどのように広がったのかを含めて地震測定に関する取材も面白かったが、なんと言っても「1時間当たり200oの雨」が圧巻でした。

 今まで日本で降った1時間当たりの降雨で一番だったのは1982年の長崎県長与町で記録された毎時187mmだそうですが、それを上回る雨量が目の前で。すさまじかったですよ。気象庁が「強い雨」と表現するのは「15mm」程度だそうなので、「バケツをひっくり返す」という表現どころではない雨です。

 言ってみれば、「空から雨の壁が落ちてくる」という状況でした。実験施設での降雨ですから、当然エリア降雨です。雷も風もない。しかし、この凄まじい雨に雷と風が加わったら、もうそれは殺人的なものになると確信しました。

 最近の日本では、ゲリラ豪雨、集中長期豪雨が尋常でない威力をもって頻繁に発生している。都会では「強い雨は高いビルに逃げ込むしかない」という印象でした。放送は来年になってからです。お楽しみに。


2011年12月15日(木曜日)

 (09:53)昨日は東京大学生産技術研究所千葉実験所に午前中に、午後からは竹中技術研究所に伺って、我々にとって非常に身近な「コンクリート」に関して取材しました。コンクリートがこれほど進歩しているとは。全く知らなかったので、興味深い取材でした。

 「自己治癒するコンクリート」は、亀裂を水の力を借りながら自ら治癒するコンクリートです。まだ実用化はされていないのですが、実際にかさぶたのような物が出来て治癒していく様子(長い時間がかかるのですが)は、非常に面白かった。

 竹中工務店の研究所は成田の近くにあって、「史上最強のコンクリート」を研究中で、既に一部は使われている。コンクリートが強くなれば、建物の構造設計の自由度が増すことになります。下の階でも柱の数を減らすことが出来るし、より高い建物を建てることが出来る。地震国・津波国の日本には重要な研究です。

 説明してくれた三井さんという方が、私の高校の後輩だったりして、取材は外だったので寒かったのですが、非常に面白かった。「ゼネコンが研究所を持っているのは日本だけ」「フランク・ロイド・ライトが日本の職人に感心した」という話も面白かった。コンクリートの技術にも、半導体の集積度の向上に関する「ムーアの法則」的なものがあるという話も面白かった。

 今日は筑波の防災科学研究所に来ています。渋谷を出て約1時間20分の距離。集中豪雨と地震の観測・予知について取材します。いずれも興味深そう。

 それらの取材は「地球アステク」の為のものですが、そのアステク、今夜の放送は「素粒子激突!宇宙の謎に迫る」です。これは本当に面白かったし、こんなに大きな施設を取材したことはなかったですよ。取材したのは、KEK 高エネルギー加速器研究機構。今私が居る筑波にありました。

 KEKとは「大学共同利用機関法人・高エネルギー加速器研究機構」の事ですが、そこではノーベル物理学賞を受賞した小林誠博士がかつて理論物理学の研究を続けていたことでも知られている。あちこちに小林さんの実物大の写真があった。

 何をしているかというと、素粒子という最小物質を使って宇宙誕生の秘密を解き明かす壮大な研究。最近ヒッグス粒子が見つかった見つからないの話題が盛り上がっていますが、その関連です。

 巨大加速装置でほぼ光の速さにまで加速させた素粒子を衝突させて、宇宙誕生のはじまり「ビッグバン」を再現するもの。KEKで進められている想像を絶する研究も、実は身近な生活の進歩に繋がっていました。BSジャパンで今日午後10時から。

 その前の午後6時45分からは東京FMで、新しい政治モデルとしての『ニコ生』です。「政治不信」の高まりの中で、次世代の政治家養成をめざす日本政策学校が催したシンポジウムにおいて、哲学者の東浩紀氏が「民主主義の新たな政治モデル」として披露した斬新なアイデアを取り上げます。

 ネット時代の新たな民主主義の姿かもしれない動画配信サービス『ニコ生』。それが新しい政治モデルになる可能性を探ります。


2011年12月14日(水曜日)

 (04:53)バーナンキ議長の58回目の誕生日に当たった今年最後のFOMCで決まったことは、「様子見」というか「no action」でした。「もっと緩和すべきだ」として大勢意見の「金融政策の維持」への反対者も、前回と同じく一人(チャールズ・エバンス)。

 大方の事前予想は「現状維持」でした。しかし、ヨーロッパが混乱する中で何かFRBが打ってくる手があるかも知れない、とも思われていた。しかしFRBはオバマ政権がヨーロッパの混乱にうんざり感を強める中で、「様子見」「今アメリカが出来ることはない」という判断を下した。

 読んで特徴と思える箇所は、失業率の低下などに触れて「景気は徐々に良くなっている」との印象を振りまきながらも、その失業率の低下は「徐々にしか進まない」と書いた上で、「Strains in global financial markets continue to pose significant downside risks to the economic outlook.」という表現を残したこと。

 と言うことは、来年に向けてFRBが何かをする余地は残したと言うことです。それは「continue」とか「maintain」が使われている箇所の措置を、もしかしたら来年強化するかも知れない、と言っているように聞こえる。しかしそれが効果があるかどうかは不明だ。

 最近いくつか、「バーナンキはどうなの」という記事を読んだ。最終局面まで評価が高かったものの、最後に評判を落としたグリーンスパンの後のFRB議長であるバーナンキをどう評価すべきか、がアメリカでも議論になり始めている。

 「様子見」「超低金利の継続」をFRBが続ける中で、「金融政策の手詰まり感」が強まっていることは確かである。しかしバーナンキは、「あえて目立とう」とはしていないように見える。それだけ金融政策の有効性が落ちている、とも言える。

Release Date: December 13, 2011

For immediate release

Information received since the Federal Open Market Committee met in November suggests that the economy has been expanding moderately, notwithstanding some apparent slowing in global growth. While indicators point to some improvement in overall labor market conditions, the unemployment rate remains elevated. Household spending has continued to advance, but business fixed investment appears to be increasing less rapidly and the housing sector remains depressed. Inflation has moderated since earlier in the year, and longer-term inflation expectations have remained stable.

Consistent with its statutory mandate, the Committee seeks to foster maximum employment and price stability. The Committee continues to expect a moderate pace of economic growth over coming quarters and consequently anticipates that the unemployment rate will decline only gradually toward levels that the Committee judges to be consistent with its dual mandate. Strains in global financial markets continue to pose significant downside risks to the economic outlook. The Committee also anticipates that inflation will settle, over coming quarters, at levels at or below those consistent with the Committee’s dual mandate. However, the Committee will continue to pay close attention to the evolution of inflation and inflation expectations.

To support a stronger economic recovery and to help ensure that inflation, over time, is at levels consistent with the dual mandate, the Committee decided today to continue its program to extend the average maturity of its holdings of securities as announced in September. The Committee is maintaining its existing policies of reinvesting principal payments from its holdings of agency debt and agency mortgage-backed securities in agency mortgage-backed securities and of rolling over maturing Treasury securities at auction. The Committee will regularly review the size and composition of its securities holdings and is prepared to adjust those holdings as appropriate.

The Committee also decided to keep the target range for the federal funds rate at 0 to 1/4 percent and currently anticipates that economic conditions--including low rates of resource utilization and a subdued outlook for inflation over the medium run--are likely to warrant exceptionally low levels for the federal funds rate at least through mid-2013.

The Committee will continue to assess the economic outlook in light of incoming information and is prepared to employ its tools to promote a stronger economic recovery in a context of price stability.

Voting for the FOMC monetary policy action were: Ben S. Bernanke, Chairman; William C. Dudley, Vice Chairman; Elizabeth A. Duke; Richard W. Fisher; Narayana Kocherlakota; Charles I. Plosser; Sarah Bloom Raskin; Daniel K. Tarullo; and Janet L. Yellen. Voting against the action was Charles L. Evans, who supported additional policy accommodation at this time.


2011年12月13日(火曜日)

 (13:53)たまにですが、東京では皇居の周りを、大阪では大阪城の周りを歩いたり走ったりしていると、いろいろと面白いことに気がつく。

 これはいつも書いているのですが、東京と大阪ではいろいろなことが違う。例えばこれは良く知られているのですが、エスカレーターの立ち位置は東京では左ですが、大阪では右です。一番混乱するのは、新幹線が東京から大阪駅に着いた下りのエスカレーター。

 関東式に左に立つ人がいると思えば、大阪式に右側に立つ人もいる。結局急ぐ人は、右左のばらばらな立ち人の間を縫って行かなければいけない。だから、新幹線が大阪に着いたときに急いで下りのエスカレーターを下る人はあまりいない。

 しかし東京と大阪で一緒のこともある。例えば、皇居の周りでも大阪城の周りでも、ランニングの人が回る方向は「反時計回り」が8割で、時計回りの人は大体2割です。少ない。この比率はほとんど関西と関東では変わらない。

 時計回りで回っても良いと思うのだが、また関東と関西で違ってもいいと思うのだが、これは変わらない。何故か、とずっと考えていたのです。いろいろな意見を聞きながら。そして一つの結論に達した。それは、トラックが反時計回りだから、というもの。

 マラソンのエンディングを見ていても、必ずトラックは反時計回りです。なぜだか知らないが、それが世界的な傾向です。競馬はいろいろあるのに。ランニングをしている人の中には、過去、または現在においてトラック競技に参加している人がいるのでしょう。そうすると、自然とこういう人たちのランニングは反時計回りの走りになる。

 別にそれに意味があるわけではない。ただ私としては、これだけ違う東京と大阪がこの点では一致しているのがちょっと面白いな、と思っているわけです。それにしても面で歩いて都市を知ることは本当に面白い。時間のある方はタクシーばかりに乗っていないで少しいろいろな方面を歩くのが良いのではないでしょうか。

 あそうそう、先日桜ノ宮から天王寺まで歩いたとき、「大阪にも傾斜のある道は結構多い」という事に気がつきました。特に大阪城の南の上町筋とか谷町筋の周辺。しかし、これらの傾斜は、東京で言う「坂」というほどのことではない。私の見た範囲では「なるい傾斜」です。

 大阪にも「....坂」と着く高速道路のランプとかある。しかし行ってみると、それは明らかに坂ではない。傾斜です。大阪は昔は「摂津の国東成郡生玉の庄小坂村で“小坂”とも“大坂”とも書き、“おさか”と読んだ」そうです。

 「生玉」はまだ地名として残っているし、そういう名前の神社もある。谷町九丁目の近くです。この前通りかかって、「面白い名前だ」と思った。「大阪」の表記は、江戸時代までは「大坂」だった。一般的には「坂」の「土偏」が縁起が悪い(土に返る)からと「大阪に変わった」と言われている。

 しかし、一方では私には「大坂」と書いた割には「坂」がないので、「大阪」にしたのではないか、という気もする。ま、いろいろあるでしょうからこれからも探しますが。


2011年12月12日(月曜日)

 (23:53)予想通りではありますが、「厳しい判断」がアメリカの格付け会社から出てきました。ムーディーズは「Moody's said it still expects to reassess its ratings on European sovereign credit, as last week's fiscal agreement offered what it said were "few new measures."(目新しい措置はほとんどない)」と手厳しい。

 欧州諸国が決めた措置は以下の通りです。実際に私にもそう見えた。現下のマーケットの要請には何も応えていない。

  1. EU条約の改正の形ではなく政府間合意の形で各国の財政赤字のレベルをGDPの0.5%以内にとどめる。それを各国で法制化する

  2. 赤字が対GDPで3%を超えた場合は、EUとして自動的に制裁を科す

  3. 財政難に陥った国を資金面で支援する欧州安定メカニズム(ESM)については、当初の計画より早く来年7月に設立する

  4. 欧州各国がIMFに融資をして、IMFを通じて欧州各国が融資を受けられるようにする仕組みを作り、それに欧州以外の各国の参加を求める
 しかし「3%条項」に関しては、今までも欧州各国はドイツを含めて「違反常習国」だった。なぜ今後は守れるのかに関して、何の説明もない。”制裁”を課すと言っても、補助金の没収などあまり実効的とは言えない項目が候補に挙がるだけで、詳細は今後(来年の3月がメド)の詰めが必要だ。

 「4」については、アメリカのカーニー大統領報道官が先週末に、「EUがまとめた危機対策は不十分。IMFへの資金拠出にも応じない」と明言している。同氏は「進展の兆しはある」としながらも「一層の取り組みが必要なのは明白だ」と強調し、EU新基本条約制定やユーロ共同債で合意できなかったことに不満を隠さなかった。

 マーケットが期待していたのは、まさにこの「ユーロ共同債」や、“バズーカ”と市場で呼ばれる「ECBによる欧州各国債券の無制限の購入」である。この二つに関しては、合意そのものが見送られた。

 ともにドイツが強く反対したもので、ドイツの論理(節度や倫理が崩れる)は分かるが、市場としては「では欧州はそうした兵器なしで自己規律を達成し、危機に陥った国が再び出た場合に救えるのか」と問うている。

 週明けの市場を全般的に見ると、また「risk averse」になっている。先週末に上げた株も大きく下げ(ニューヨークは150ドル以上)、ユーロは下落し(102円台)、ヨーロッパの南の国の債券は「利回り上昇」となっている。今後のポイントは、SPを含めてムーディーズなど格付け会社がどのような判断を下すか(多分、ヨーロッパ各国の格下げになると思う)、そして欧州の北の方の国の債券相場がどう展開するか、です。

 ところで、今日上泉 ええなぁ!という番組の為の収録をしました。夕方から。梅田茶屋町のスタジオで。ちょっといつもより早く大阪入りして。大阪で長いラジオ番組に出るのは初めてでしたが、面白かった。関東のラジオとはちょっとテンションが違う。

 放送は、水曜日の午前11時過ぎから20分間が目処だそうですが、一杯喋りましたから、ちょっと長くなるかも。関西の方はお楽しみに。


2011年12月11日(日曜日)

 (14:53)「ない....ない....ない....」。それって、もの凄くもの悲しいですよ。

 ナビにしろスマホのマップにしろ、現在地点を指し示させて車を動かしたり歩いて移動するではないですか。地図上は、「ここには何々がある」と名称が出てくる。コンビニだったり、GSだったり、そして旅館・ホテルだったり。

 しかしそこには建物がなくて土台だけ残っていたり、建物が残っていても一階が見事に抜けていて上も誰も住まない無人のビルになっていたり。被災地の現状です。全部を見たわけではない。しかし、大部分の被災地はまだ「マップと実際の齟齬が極めて大きい状態」ではないでしょうか。

 齟齬は普通の都市でも起きますよ。入れ替わりが激しい世の中ですから、「あれ、なくなっている」というのが希有にある。しかし、被災地はそれが常態なのです。あったはずのものがない。気仙沼線なんて、そっくり川の上から消えていましたからね。

 地図を直して欲しいような、しばらくはそのままにして欲しいような。これは4月にも思ったのですが、ナビは忠実に「そこにあったもの」を表示する。南三陸町だったら、「ここは市役所」「ここは病院」と。ある意味、便利です。過去の位置を確認できる。

 今回気仙沼に行って、「(ナビやmapの)地図はどうなっているんだろう」と思ったら、そのままだった。つまり時間が止まっている。いいですけど、現実との齟齬があまりにも大きい。こうした地図情報はいつ現実に書き換えられるのでしょうか?


2011年12月10日(土曜日)

 (22:53)気仙沼駅の前にあるホテルに投宿しているのですが、時々ホテルの駐車場に出て月の状態を確認しています。もう少しで全部隠れるかな、という状況。

 本当に、雲一つない。薄オレンジ色になりかけた暗い月が私の真上近くにあるので、「そうか太陽は俺の足の下の方向か」と。東京で見るより、星の数が違う。月の周りの☆が明るく綺麗です。得した気分。

 気仙沼は曇りの予想だったにもかかわらず、この雲のない天気。ラッキーです。皆既月食を見るのは、記憶では初めて。不思議ですね。ほんのわずかな偶然なのに、ちゃんと起こるし、それが予測できる。昔の人は、これを怖がったでしょうね。神の怒りだとか。

人が集まる良い場所が出来たと思いました  ところで気仙沼ですが、4月に車で来たときには南三陸の方向から45号線で来て、右折し、そしてもう一回右折して、海が近づくにつれて見えてきた景色に震撼しながら移動していました。そして赤岩の橋で「通行止め」された。

 それ以上気仙沼に入ろうとしたら、警備の方に「車が壊れても良いなら....」と言われた。道が冠水していて、その道路上の水の中にタイヤにとって致命的なものが有るかもしれない、という意味でしょう。材木から出ている釘とか。で、引き返して南三陸町に行ったのでした。

 今回は初めて気仙沼の港から市場から、街から、そして駅から全部見れた。まだ海水が引いていない。だから道が本来のところから50センチくらい底上げされて、やっと冠水せずに車が走れている。警視庁のパトカーを使っている警察官がまだ交通整理をしているのが印象的でした。

 道の沿道は津波に見舞われたところも悲惨だし、津波の影響がなかったところも街が人口減などで寂れた面もあって、ある意味悲惨です。駅の前の通りでも、開けている商店を探す方が難しいくらい。街は昔の面影を取り戻すところまで行っていない。というよりも、震災・津波を切っ掛けに一段と気仙沼という街が勢いを失った雰囲気がある。

 それでも気仙沼は街としてところどころに息吹を吹き返しつつある。漁獲は鰹を中心に戻ってきたし、地元でとれる魚の種類も増えてきた。市場も開けるようになっている。見る魚見る魚が実に美味しそうなんですよ。

 加えて11月の末に、以前の飲食街だったところに「復興屋台村気仙沼横丁」が出来た。きさくで良い横丁です。あちこちに「がんばっぺ」と書いてある。大阪組の岡崎、平田、現地組の檜野、諏訪両氏と私の5人で、取材も食事も屋台村の中でさせて頂きました。

 取材する人する人が言うんですよ。「見に来て欲しい」と。ちっとも迷惑じゃないんですよね。見て欲しい、来て感じて欲しい、そして何か食べたり、買っていって欲しい、と。

 日本も捨てたもんじゃないと思ったのは、大阪から大島の復興にボランティアに来ている30人ほどの学生さんの団体に会ったときでした。番組のことも知っていてくれていて彼等も我々に遭遇して嬉しそうだったし、私たちも彼等に会えて嬉しかった。10日近くボランティアをしていて、「私たちが勇気をもらった」と彼等が言うのです。ナイス。

 放送は27日の朝の予定です。じっくり作り込みますよ。


2011年12月10日(土曜日)

 (06:35)もしかしたら「氷点下の露天」が楽しめるかも知れないと、早朝にホテルの最上階へ。内湯で温まってから露天に移動。気持ちがええですな。昨夜の街も活気があったし。

 部屋に戻って調べたら、仙台の今朝の最低気温は零度でした。残念。駅の近くの比較的規模の小さいホテルなのに、最上階に天然温泉がある。昨夜は国分町を取材してそのままだったので、行ってみたのです。結構まともな温泉でした。サウナもあって。

 露天は好きですね。温泉だけじゃ気に入らない。やはり露天がないと。最近行った良い露天は、浜松の近くの舘山寺温泉の花乃井かな。今日は気仙沼に移動しますから、むしろ温泉よりも街の復興がどうなっているか、に興味あり。4月に辿った道をもう一度、今度は専門のカメラマンを連れて行く予定です。

 付録としては、「気仙沼で見る皆既月食」です。曇らなければ良いのですが。


2011年12月09日(金曜日)

 (14:35)実に久しぶりに韓国の姜さんから昼間に電話。特に用事があってのことではないが、「どうしてますか」と。先日大阪で内藤さんやそのお友達と食事をしたと伝えたら、「この電話を切ったら直ぐに電話します」と。ははは。

 ちょっと話していたら、今でも講演を頻繁にやっているとのこと。「今は年間300回ほどですかね」と恐ろしいことを言う。私は講演はやっても月2〜3回ですから、10倍以上もある。よう疲れないなと思う。しかも移動付きですから。また韓国でも日本でもお会いしたい。

 今は仙台に向かって移動中です。実質的に今年最後の移動を伴う取材です。初日は仙台に、次の日は気仙沼に泊まります。被災地の今、復興の兆しはどうなっているのか、などがポイントです。

 ルートとしては、私は4月初めに自分で車を運転して移動した道を想定。ちょっと寒そうですが、暖かい格好をしましたから大丈夫でしょう。11月も仙台に行きましたが、気仙沼は半年ぶり。どうなっているのか。

 欧州のサミットは心配したとおり、波乱のようです。ウォール・ストリート・ジャーナルを見たら、「Tensions Rise at EU Summit」というタイトルの記事が。中味は

European Union leaders failed to get all of the bloc's 27 members to back a change in the EU treaty to tighten their fiscal coordination as a decisive summit in Brussels ended its first day in the early hours Friday, with leaders still deeply divided over key elements of their crisis strategy.

The leaders decided they would move to form a pact among at least 23 of the members to tighten rules on national fiscal policy. But details of the proposed treaty remained to be settled. Officials said the U.K. and Hungary wouldn't take part, while Sweden and the Czech Republic reserved their positions.

Some European officials said that an agreement that didn't include all 27 members would be weaker, but the proposed deal would include all 17 members of the euro zone.

 です。イギリスは予定通りの不参加。ハンガリーね。スウェーデンとチェコが留保。ま、まだ一日有りますから。詳細が分かるのは、明日の午前中ですかね。


2011年12月08日(木曜日)

 (23:35)今日はビジュアルメディアExpo2011アステク取材でパシフィコ横浜でしたが、私が一番興味を持ったのは「プロジェクションマッピング」ですね。このサイトにも例示がありますから、見て頂ければ良いと思います。

 面白いでしょう。つまり既存の建物なり壁なりに、計算された形で映像を映し出して、その綺麗さや奇抜さ、さらには映像変化を楽しむという手法。話を聞いていると、英国など欧州で始まって、今その可能性が広がっている手法らしい。例えばお城とか、古い建物とかを対象に。

 プロジェクターが一台あれば、あとは映像を投影したい対象物にあわせてソフトウエアで映像の展開を計算し、楽しさ、美しさを付加していけばよい。ただし対象物を動かすと大変なことになる。ソフトの組み直しが必要。家の壁が真っ白でなくてもプロジェクター一台で非常に何もかもが楽しいスクリーンに早変わり。椅子でも。

 お祭りのおりに街の大きな建物(例えば学校や寺)に大きな映像を映し出す、家でパーティーの時に壁や床に映し出して楽しむなど、いろいろと利用の仕方はある。可能性を感じましたし、あとは三次元映像の妖精にタッチした感覚を得られる舘先生の研究も面白かった。

 あとは驚いたというか、嬉しかったのはデジタル・カメラ、ビデオ・カメラなど撮像機器の分野では日本が依然として世界の86%のシェアを持っていると言うこと。薄型テレビなど映し出す方のAV機器の分野では日本の不振が伝えれているが、確かに個人用、業務用を含めて世界の人々が持っている撮影用の機器は、圧倒的に日本製です。

 正直「ちょっと人での少ないエクスポかな」と思って行ったが、どっこい。外国の方も多くて、その熱気に驚きました。「撮像」には、非常に強いこだわりがある人、技術を持つ人が日本には多いんだなと思いました。


2011年12月07日(水曜日)

 (23:35)通信に関してはwifi 接続が常態になってきたので、毎月の支払いも嵩んできていることもあり、3G回線を二つキャリアさんに返上しました。ipad やiphone に関連したもの。

 「必要かな」と再点検したのです。そしたら、「大丈夫だろう」ということになった。通話そのものはガラケーとかモバイルIP電話サービス「エスモビ」で十分。その他は必要なし。「ポケットwifi」などwifi 機器を常に携行するように心がけているし、公共施設ではいろいろなwifi電波を使うことが出来る。セキュリティーには気をつけますが。

 ケイタイがらみなので書くのですが、それにしても「延期」が多いな、と。何のことかというと、LTEがらみの日本メーカーの製品。乗り換えの対象として興味があるバッファローのポケットwifiのLTE版と、それに関連して富士通が出すLTEでテザリングが出来るall in oneのアローとかいう新しいマシンを「どんなものか」と待っているのですが、私が昨日までで得ている情報では、これも「延期」。

 バッファーのLTEポケットwifiなどもう夏から「延期」のまま。どうなっているのでしょうか。17日に発売予定だった富士通のスマホ(フェリカや防水まで。一番の売りはLTEテザリング)も最近ショップで聞いたら、「発売延期」と。いずれもライバルメーカーからは出ているのに。

 番組のお知らせです。木曜日の午後6時45分からの東京FM Timelineは、「終活」についてです。「え、その言葉、何を意味するんですか」という方は是非お聞き下さい。webラジオでも聴けます。「地球アステク」(木曜午後10時 BSジャパン)は、JAXA筑波宇宙センターから「きぼう宇宙飛行士に挑戦!!」です。宇宙服を着ちゃいました。重かったな。


2011年12月06日(火曜日)

 (19:35)昼過ぎに近くを通過したら、「今日の高さは153メートルです」と表示がありました。天王寺の近鉄デパートの横、阪堺電車の車庫の上に建設中のあべのハルカスです。

 といっても天王寺に用事があって行ったわけではない。「大阪を歩く」というテーマに従って、今日は桜宮から天王寺まで、谷町筋や上本町筋を通って四天王寺などに立ち寄りながら歩いたのです。えらくかかりました。しかし、ちょっとした道に入りながら大阪の街を歩くのは楽しい。ちょっと曲がると全く景色が違う。

 天王寺の駅から北を向いて左を見たら通天閣が見えて、「あそこまで行ってやろうか」と思いましたが、さすがに時間がなくてやめました。今後のターゲットです。

 ところで、「やっぱり一筋縄ではいかんな」という印象なのが欧州の債務問題。メルケルとサルコジがパリで会談し、決意を込めて「各国に強制的に課す財政規律」で合意したのですが、その安心材料が消化されないうちに、スタンダード・アンド・プアーズが独仏を含む欧州15カ国の国債格付けを引き下げる方向で検討と発表。集団格下げですか。ま、ユーロ圏で同じような重荷を背負っていますから。

 やはり、「ドイツも入っている」というのが衝撃でしょうね。機関投資家の中には、格付け機関が最上位の格付けを付けていない債券は買わないといったルールを持っているところもある。となると、集団格下げがあると、ヨーロッパ(特に大陸の)の国の債券はポートフォリオに入れられなくなる。

 メルケルとサルコジの合意は、比較的良く考えられていると思う。どの点かと言うと、「銀行など民間機関に債務切り捨ての重荷を被せたギリシャのケースは例外」として、ドイツが「民間も負担を」の旗を降ろしたこと。私はずっとギリシャのケースで民間にも負担を強いたことが欧州の債務問題を出口のないものにしていると主張してきた。

 なぜなら、ギリシャのケースが繰り返されるなら、民間の銀行や機関投資家は欧州各国の債券を持てなくなってしまう。だから「ギリシャを繰り返すべきではない」というのが私の考えでした。その辺については、

The French and German leaders also made a commitment to never again pressure private investors into agreeing to voluntary losses on euro-denominated bonds―a central element of Greece's second bailout that is still being negotiated.

The commitment marked a shift on the part of Germany from earlier plans to enshrine private-sector participation in any future bailout agreements. "Greece is and will remain an exception," Ms. Merkel said.

 と書いてある。これもあって、イタリア、スペインなどの各国国債は週明けの市場で値上がりした。問題は、各国をどうやって強制力のある形で財政の健全化に向かわせ、努力させるかです。「憲法に書き込む」とまで独仏は言っている。イギリスなどはそれを嫌がる。その場合は、ユーロ圏17カ国でトライを始めるとまで言っている。
Ahead of the meeting, a thorny issue separating France and Germany centered on how to enforce fiscal discipline on budget sinners. Mr. Sarkozy and Ms. Merkel said that sanctions would be applied automatically and that only a weighted majority of European countries would have the authority to reverse the punishment.
 もう多数決でも良い、と。こうなると、今週の木、金曜日のEUサミットは大荒れでしょうね。財政に関する主権は、重要な国家主権の一つですから、独仏の首脳の決めたことだからと言ってそこまで27カ国が同意するかどうか。

 ただし独仏が大枠で合意したことから、ECBが動きやすくなったことは確かです。しかし、依然として欧州が危機に直面していることは確かです。ここまで各国の力が如実に出てくるとは思っていなかったでしょう。まだまだ紆余曲折がありそうです。SP以外にも動くところが出てくる可能性がある。


2011年12月05日(月曜日)

 (21:35)それだけ関心が高いんですよ。イギリスのFTなどは、「Rolling blog: Eurozone crisis」なんてページを作りましたよ。これから一週間、独仏首脳会談(5日)、ECB理事会(木曜日かな)、EUサミット(8、9日)と続くユーロの将来が決まる重要な一週間をライブ感覚で中継しようという態勢。

 ポイントは5日のメルケル・サルコジ会談でしょう。「あまりにも意見が離れていて、会談後に声明は発表されない」との見方もある。まあ今のところそうなんでしょうね。意見は食い違っている。合意が出来たにしても、それを市場が評価するかどうかも不明。

 ドイツは財政規律を求めて、その強制を各国に求める意向。だらしのない国を許す気はないのです。しかしフランスは強制は避け、政府間協議を求める。財政主権を失いたくないのです。

 ユーロ共同債にはドイツは賛成しないでしょうね。最後まで。これを認めたら、メルケルの国内政治基盤が危うくなる。結局ECBに暗黙の了解の下で、各国の発行した国債の買い入れの増額を認める方向なんでしょうが、ドイツは上限を求めるでしょう。

 正直言って、この一週間でどのような動きになるのか分からない。しかし以前書いたように、ユーロという通貨が現実通貨になったのは、2002年の1月1日です。若い通貨。それ以前はマルクであったり、フランであったり、リラであったりした。

 ユーロがなくなるのは、実務的には非常に大変でしょう。しかしそれで世の中が終わるわけではない。もう企業はとっくに「ユーロが終わるケース」を織り込んでいる、とウォール・ストリート・ジャーナルの記事にあった。そりゃそうでしょう。事がここまで進んでいるのに、ユーロが終わるケースを考えていない企業なんてない。

 それにしても、今週は確かに緊迫の一週間です。


2011年12月04日(日曜日)

 (23:35)面白い集まりが銀座の趙揚で。

 全日本鍋物研究会のメンバーを中心とする「海外旅行」は、2000年の中国を皮切りにほぼ毎年続き、その後も長江下りなどがあって、最近5年間では4回でモンゴル、ブータン、チベット、そして今年のシベリア鉄道と続いているのですが、各旅行地のメンバーはその時その年によって変わってきている。

 で「一回年の垣根を越えて、集まってみたら」と、昨日の午後都合のつく人だけで集まったのです。ま皆さん年末で徐々に忙しくなっている。しかし万障繰り合わせて関西からも御三人方が来られて、総勢23人で。

 これは私の勝手な心の中での呼び名ですが、「僻地旅行会」と呼んでいるのです。食べ物にこだわるのは無論ですが、「普段行けないところ」に行くのが通例になってきているからです。

 つい最近国王夫妻がいらっしゃいましたが、ブータンはその景色や人々の衣装を今でもはっきり思い出します。まあそんな思い出話や、現在の状況を語り合ったのです。ミングルしながら。

 多い人では各年度の旅行すべてに参加している方もいる。一方で、一回だけ参加とか、旅行には行っていないが、鍋研のコンテストに参加した縁で今回の会合に参加した人も居る。

 「お久しぶり」とか「初めまして」が多い会合で、私自身も5年ぶり、8年ぶりと言った方にお会いできて良かった。一番久しぶりだったのは11年ぶりの人かな。その方その方の環境は変わっているし、ちょっと太ったり痩せたりはしていても、まあ皆さんお元気です。

 やっぱりその内に、「来年はどこに行くか」が話題になってアンケートを挙手で採ったのですが、ばらけましたね。トルコとかユカタンとか、「南極に行きたい」と言った人もいたし。アイスランド、スペインなんてのもあったな。南極ね。南米の南端からが一番近い。

 比較的多かったのは中央アジアかな。と言っても広いのですが、私はトルファンを含めて中央アジアに行きたい。までも、セキュリティの問題もありますから。それにしても思うのは、世界ではまだまだ行ってないところが多いな、と。

 最近5年間の旅行地では、以下のような文章を書きました。

 モンゴル(2007年9月)=http://www.ycaster.com/chat/2007mongol.html
 ブータン(2009年9月)=http://www.ycaster.com/chat/bhutan2009.html
 チベット(2010年8月末から9月)=http://www.ycaster.com/chat/2010tibet.html
 シベリア鉄道・サンクトペテルブルク(今年9月)=http://www.ycaster.com/chat/2011russia.html


2011年12月02日(金曜日)

 (23:35)そうか、来年は面白いことになるかもしれないんだ。iphone(多分「5」)がLTE(高速の通信規格、ドコモ名称で言うクロッシー)対応になったとして、今の段階ではそのLTEを実際に動かしているのは日本ではドコモだけ、という事態。

 実は昨日OSがアンドロイドで、LTEテザリングが出来るドコモのマシンをちょっと使わせてもらったのです。この番組の収録の間に。番組Pの土井君が最近使い始めたので。うーん、思ったより速かったですね。あれには魅力がある。

 私がLTEで欲しいのは、今使っている3Gのwifiマシンに代わるLTEのwifiマシンで、バッファローのそれは一体何時出るのかも分からない状態。LTEはあの速さを見ると、「かなり使いたい」と思う。近く富士通がドコモからLTE対応、アンドロイド、お財布ケイタイ付き、そして防水という強力マシンを出すそうだ。

 日本よりも海外の方がLTEへの歩みを始めている。遅かれ速かれiphone はLTE対応となるでしょう。今のままKDDIとソフトバンク経由だと、iphoneの機能としてはLTE対応なのに、日本では使えないという状況が生まれかねない。ということは、来年は組み合わせの変更あり?


2011年12月01日(木曜日)

 (15:35)ありゃ、もう12月ですか。実感がありませんね。今年はいろいろなことがありましたから、時間の過ぎるのが速い。

 ところで、昨日の東京大学地震研究所での取材は、非常に面白かったですよ。ミューオンを使って火山の内部をコンピューター上に造形する技術はそれ自体が素晴らしいし、日本が先端を走っていると言うことで、さらに興味を持ちました。一端動き出したらなかなか内部が見れないプラントの検証などにも使える。

 面白かったのは、ミューオン(ミュー素子)は、一晩寝ている間に私たち一人一人の体をあらゆる方向から100万個は通過している、という話。ま素粒子ですから、通過したって痛くも痒くもない。透過力は強いのに、やはり通過した物質によって消滅したりすることもある。物質の密度が関係します。その差異を補足するわけです。

 直接技術とは関係ないのですが、一番驚いたのは、山体崩壊という現象を田中先生が指摘され事。「火山などに代表される脆弱な地質条件の山体(山そのものです)の一部が地震動や噴火、深層風化などが引き金となって大規模な崩壊を起こす現象」と定義される。

 実は私はこの言葉を知らなかった。しかし今存在する大きなリスクとして、カナリア諸島(アフリカ大陸の北西沿岸に近い大西洋上にある)で山体崩壊のリスクが実際に存在し、その巨大な土塊が海に落ちた場合には米東海岸に10メートル近い津波が押し寄せる危険性があるという。

 その後調べたら、富士山も今のような綺麗な形になるについては山体崩壊が関係しているという論文をネットで発見しました。

 そうなんでしょうね。火山はもろい山です。山体崩壊は起きやすい。出っ張った部分が山体崩壊で落ちたからこそ、今の美しい山が出来上がっている。1月5日の年明け第一回の地球アステクです。BSジャパン午後10時。



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