2011年02月28日(月曜日)

 (22:25)週初めだけに余計そう感じるんでしょうが、「もう月末!!!!」という28日。月末の証拠はずらっと多くの人が並んでいる銀行のATMなどに明らかでしたが、一言で言えば「2月の月末はいつも気ぜわしい」かな。

 今日もいろいろなニュースやなりかけが。リビアは片付きそうで、まだカダフィが粘っている。あの性格だから、「じゃ亡命」というわけにもいかないだろうし、本当に「自分はリビアにとって必要だ」と考えている可能性もある。最後の最後がどうなるか分かりませんが。

 しかし、一方で、リビアには注目すべき動きも出てきている。まず暫定政権樹立の動き。カダフィ政権と対立し司法書記(法相)を辞任したアブドルジャリル氏は26日に、北東部ベンガジを拠点に暫定政権を樹立する意向を表明した。

 別の反体制勢力もベンガジで27日、最高指導者カダフィ大佐が率いる現体制を打倒するため「国民評議会」を結成したと発表しており、これらが対立しては仕方がないが、ポスト・カダフィの「受け皿作り」は徐々に進行しつつある。

 アルジャジーラなどによると、アブドルジャリル氏が唱える暫定政権はカダフィ政権を離脱した高官や軍人で構成され、3カ月以内に選挙を実施するという。この暫定政権構想には、先ほど反カダフィの旗幟を鮮明にしたリビアの国連大使も支持を表明している。暫定政権の主な枠組みは

  1. 暫定政府は各都市の代表者らで構成、軍人も加わる
  2. 暫定政府本部は東部の拠点都市ベンガジに置く
  3. 3カ月以内に選挙を実施
 などと朝日ではなっており、国土の一体性は維持、首都は引き続きトリポリとし、政権崩壊後に新たな憲法や国旗、国歌を決めるという。つまり、原油輸出、ポスト・カダフィでもリビアは前進しつつあると言うことだ。一方、石油の輸出も始まったようだ。

 昨夜のウォール・ストリート・ジャーナルには、「Libya to Resume Oil Shipments From Rebel-Held Area」との記事があった。つまり、リビアの東部を制圧した反カダフィ派の地域から同国の原油輸出が再開された、というニュースだ。同紙によれば、リビア東部からの原油輸出は一週間ぶりだという。輸出量は70万バレルで、仕向地は中国と見られる。

 タンカーが一隻出ただけだが、今の分断されたリビアからも原油が輸出できる状態になってきた、それだけ事態が沈静化してきたということだろう。原油輸出国は原油を輸出して初めて代金が入ってくる。

 そういう正常な経済を営める情勢にリビアがなりつつある、ということは世界の市場にとっての安心材料だ。特に部族間の権益を巡る対立が生じるかもしれない、と言われている東部地域からの輸出であると言うことが重要だ。

 しかし無論情勢は流動的だ。カダフィ派がトリポリの西48キロにある都市ザウィーアを包囲しており、各地で反攻に出ているという報道もある。リビアだけでなく、オマーンも心配です。日本にくる石油のかなりの部分はあそこを通るからで、中東が落ち着くにはまだ相当時間がかかりそう。


2011年02月27日(日曜日)

 (23:25)「アイスプラント」という名前のその食用植物を初めて見たのは、2009年の8月でした。長浜バイオ大学で実験室で栽培されているのを取材し、その時に口に入れて食べてみた。

ソルトリーフの名で売られ始めたアイスプラント  太陽光線の入ってこないLEDライトの下で、しっかりと、静かに育っていた。見るからに瑞々しく、水滴が付いているように見える。実際そうなのですが、海水でも出来る植物で、実際に食べると直ぐに気付くほどに塩味がする。野菜も太陽の制約を離れて育つんだ、と思った。

 それから一年半以上がたって、徐々に街の八百屋さんにも出てきていることは聞いて知っていましたが、今日初めて我が家のサラダの中にもさりげなく入っていた。

 見た瞬間に「これは、あれ」「アイスプラント?」と私。ところが買ってきた本人は「ソルトリーフという名前で売っていた」と説明。「あれ違うのかな」と思ったが、どう見ても、そしてちょっと食べてみてもアイスプラントなのです。

 でしょうがないので、iphone の音声検索で調べたら直ぐに出てきて、リンク先に進む前の段階で

ソルトリーフは日本にはなかった新しい野菜です。品種名はアイスプラント。ダイヤモンドのような輝きを放つ、国立ファームオリジナル野菜
 と出てきた。「やっぱり」と私は思ったのですが、次に出てきた疑問は「これは植物工場のようなところで出来たのか、それともハウスなどで出来たのか」という点でした。しかしそりゃ食事が終わった後で良い。「あとあと」と思って、まずは賞味。うーん、なんだかサラダが新鮮でした。

 普段見かけるサラダの野菜とは明らかに色合いも、見た目も違う。食べれば塩味がほんのりして、これまた珍しく、かつ美味しい食感がする。「これはナイスなサラダ用食材だ」と思いながら食べました。

 あとで調べたのです。「国立ファームとは」「ソルトリーフとは」と。この会社、今の今まで知らなかったが、面白い会社で、面白い経歴の高橋さんという人が創業してやっている。テリー伊藤との関係とか、TVディレクターの経歴とか「オンデマンド事業」を過去にやっていたとか。「ユニークな会社やな」と。ここで「へえーーーー」と笑え、そして興味が持てる。

 で問題は農法です。Q$Aのサイトには、「どのような栽培方法ですか?→全て、ハウス内での水耕栽培です。養分や塩分濃度の管理を数値で行い、品質のバラつきをできるだけ減らしています。」と書いてある。

 私は逆にこの時点で、「へえ、ハウス栽培も出来るんだ」と思いました。なぜなら、最初に私は太陽光の入らない植物工場で出来ているのを見ていますから。しかし1年半前には取材の対象だった食材が、こうしてなにげに食卓に出てくるというのは、「商品化」に成功しているということで、「ナイス」と思いました。

 品種名「アイスプラント」は、サイトに書いているとおり「南アフリカの砂漠」が出生地。海水でも育つ珍しい植物。国立ファームは「高級食材として食されているフランスから種を取り寄せて、おいしさを追求して栽培」と宣伝。でも近くのスーパーで「100円玉三つでおつりが来た」値段で売っていたとのこと。「高級」といっても高くない。

 あ、断っておかなきゃ。掲載した写真のソルトリーフが二葉しかないように見えるのは、ほとんど食べちゃった後に「写真を撮ろう」と思いついたからです。あれしか入っていないわけではない。是非試すてください。私は美味しいと思った。


2011年02月26日(土曜日)

 (23:25)見ると悲しくなるんですよ。運転手さんにも、乗る側にとっても何もメリットがないのに、と。何のことかというと、タクシーのドア開け客待ち

 以前もこの問題については書きました。なんと札幌の冬にタクシーがドアを開けて客待ちしていた問題です。確か一昨年の私の経験。書いたらその時の情報では、旭川のタクシーの一部もそうだということが分かったのですが、私は「気持ちは分かるが反対」なのです。最近はそれを関西でも見つけてしまっている。

わざとボケ写真を載せています。寒い冬に客待ちする京都のタクシー  写真は寒い夜にドアを開けたまま客待ちしている京都のタクシーです。私が後ろから手を上げたからドアを開けたわけではない。写真の通り(わざと少しボケてしまった写真を載せています)私が接近するずっと前から開けていた。

 私がこれが悲しいと思う理由はいくつかあります。

  1. タクシーの運転手さんの体が冷えて風邪を引きやすくなるし、タクシー室内全体の室温が低下する
  2. ということは、客の座席も冷えるので、載ったときにひやっとして冬は良くない
  3. 汚い道路の空気が直ちに室内に蔓延する
 などです。むろん運転手さんがドアを開けて客待ちしているのは、「少しでも乗りやすい雰囲気を作って、多くのお客さんに利用してもらう」ということです。かつ関西、もっと具体的には京都のタクシーはすべてがそうしているわけではない。タクシー行列の先頭のタクシーがそうしているケースがある。

 しかし見ていると、列を離れてぽつんと一台で客待ちしている運転手さんにも広がっている。今年の冬の札幌のタクシーががどうなっているか知りません。ドアを閉めて客待ちしていてくれたらと思う。しかしそうではなくて、北海道から全国に広がりつつあるとしたら、それはちょっと寂しい。まあ東京ではほとんど見かけないので、まだ全国区ということではないでしょうが。

 理由は 1)乗客に対してタクシーが多く、客取りが競争になっている 2)そうした中で何とか多くのお客さんに乗ってもらおうとしているーーと札幌では考えました。京都の場合はタクシー列の先頭のタクシーが中心なので、「列の先頭」を示す意味もあると思う。「途中の車からは乗らないで」という。そりゃそうだ、せっかく並んで先頭に来たのだから。

 しかしそれでも私は運転手さんにとっても、我々乗客にとっても「ドア開け客待ち」は良くないと思う。もう終わりますが、2月の京都は特に後半は「何もないので暇」だったそうで、それもあったのかもしれない。しかし止めてほしいし、そうしなくても良い状況が生まれれば、と思います。

 3月になれば暖かくなるし、都おどりなど花街の踊りも近くなって、華やいでくる。


2011年02月25日(金曜日)

 (17:25)「そりゃまあ、そうだろうな」と。間 に合いませんよ。

 いえね、東京の温度が20度になるのを見て、そうだ久しぶりに「街歩き」を しようと思って出たのです。色々行った中で、デパートも二つあった。 で、メ ンズのコーナーを歩いていて、今日なら暑いし購買意欲はあるな、と思ったので すが。やっぱりまだ冬物がかなり残っている。春物は少ない。追 いついていな いんですよ。

 冬物を見てもしょうがないので、少ない春・夏物を見たのですが、全体の3割 くらいしかまだない。今日はデパートはちょっと損したのでは。今日こ そ早め に春・夏を出せば、消費者は食いついたかもしれないのに。

右上のガジェットが時
間と温度を示してい る  「20度」と言えば、ちょっと面白いことがありました。さすがにびっくりし たので、「今東京は20度です」とSNSに書き込んだのです。そした らまず札幌 のお友達から、「20度だとぉ〜 ひょぇ〜 <札幌より 札幌 0.6度  13時」と来て、その次にモスクワから「この桜本物ですか? もう満開です か?モスクワ、マイナス17度です」と。あの時点 で東京の温度は札幌と19度、モスクワとは 37度かい離していた。

 なぜ桜が出てきたかというと、私が「20度」の証拠を示すために 「ctrl+alt+ptrsc sysrq」の三点セットでwindows のカレントの画面(その時 はデスクトップ)をコピーして、それをワードに乗せ、それを「web 保存」し、 jpgを作ってアップしたのです。私のデスクトップは、実に見事な去年(いや一 昨年だったかな)の六義園のしだれ桜なので す。

 一部の方はそれを見て、「東京は20度→桜も狂い咲き 満開」と思ったようなのです。ははは、違いますよ。あれ(上 の写真で す)はあくまで私のデスクトップをいつも飾っている六義園の桜です。

 まあそれにしても、今日も街は面白かった。ダウンジャケットを着ている人か ら、半袖で出歩いている人まで。しかし街もちょっと華やいできてい た。


2011年02月25日(金曜日)

 (13:25)番組の予告です。今夜10時24分か ら。「世の中進歩 道です。今日はいわゆる「プリンタブル・エレ クトロニクス」を取り上げます。私がぞっこん惚れ込んだテクノロジー です。

 タイトルは『電化製品がもっと安くなる!?プリンター で電子部品を生む驚きのテクノロジー登場!』と 名付けました。テレビ やパソコンなど日常で使うあらゆる電化製品に使われている電子部品。この電子 部品をプリンターで作るという、画期的なテクノ ロジーを紹介します。

 いわゆる“プリンタブル・エレクトロニクス”といい、私は以前からこの名前は 知っていましたが、今回改めて専門の先生の話を聞い て、「世界の製造業に革命を起こす技術」と思いました。こ こで決定的に重要になってくるの は、インクで す。日本では多くの企業や研究機関が取り組んでいる。ナイス。この技術によっ て、 我々の暮らしは間違いなく劇的に変わります。お楽しみに。

 伊藤 洋一の Roundup World Nowはいつもの通り、午後10時45分からの放送です。こ の番組ではいつも評判の良い湯川さんを招いてのIT特集も近く予定してい ます。

 エッセイの公開のお知らせです。は第三十六回です。ギリシャと日本の違いについて考察 し、単純な「国債暴落論」に疑問を呈しまし た。

 昨日の 「マック、そしてwindows」に関しては、いろいろな方からレスポンスを頂 きました。あくまで「私の.....」でした が、「どちらに傾いた」といっ た反応も頂きました。

 その中で私が「tweetdeck」のマックバージョンが欲しいと書いた分に関して は、tweetdeck (ツイッターなど広範なSNSソフト)のデスクトップ版というのが あって、それがwindowsでもマックでもリナックスでも動くことを何人かの方か ら教 わりました。ナイスでした。直ちに入れて、私のair 上ですでに問題なく 稼働しています。

 ということは、air を持ち歩いて私が不便と感じることは「プロジェクターが らみのみ」となる。多分それは、私がair にwindows を入れれば解消するのです が、しかしマックとwindows の違いを今は楽しんでいるので、そこまではしない つもりです。直ぐには。だから併用します。

 しかし昨日も書きましたが、私の使い方(映像処理をあまりせず、設計図など を書かない)では「マックだ、windows だ」と目くじらを立てるような違いはも うない。「好きな方を選べばいい」ということに なりそうです。


2011年02月24日(木曜日)

 (09:25)ツイッターのお友達から、「伊藤さん、マックブックエアをだいぶ活用されていると思いますが、使い込んできての感想を是非、聞かせていただけませんか。例えば、WINDOWSマシンの利用頻度、画面の大きさやメモリ量、ソフトなどなど。宜しくお願いします」という質問を受けたので、それはさすがにツイッターがアプリソフトで140字超の表現が可能になりつつあると言っても長文になり過ぎるので、ここでお答えします。

 まず環境から説明すると、私が使っているマックはmacbook air の小さいサイズの方です。対して主に使っているwindows マシンはパナソニックのレッツノートのcf-j9です。この二つは「とっても起動が素早い」という点で非常に似ていて、それ故に私はいつも一緒に持ち歩いている。出張の時も。ころころで移動しますから、それほど荷物にはならない。薄いのでair はちょっとしたところに滑り込ませることが可能です。

 二つのマシンを持ち歩くのは、役割が違うからです。air は主に文章作成に使います。word を使って原稿を書いたり、テキストでHPの文章を作成したり。メールも主にこのマシンでチェックし、facebook もこちらのマシンでやりとりします。キーがシャローでものすごく打ちやすい。

 対してレッツノートを何に使うかというと、講演などでPCだけ持って行ってプレゼンに使うときです。日本のホテルなどの会場が持っているプロジェクターはwindows マシンとの相性がよいし、絵(主に動画)や音の送出がソフトウエア依存のマックよりも遙かに使い勝手が良いからです(少なくとも私には)。ツイッターは主にこのwindowsマシンに入れたtweetdeck でやります。慣れていて使い勝手が良いから。

 もう一つ環境として説明しておかねばならないのは、この二つを繋いでいるのはクラウドとしての dropbox であって、見ていると数秒でシンクします。ですから、タイプの違うマシンであっても、データソースは一緒と言うことになります。dropbox は私がコンピューターを使う上での絶対的な必需品です。だからバッファローのポケットwifi の必需品、常時携帯です。

 家には他のwindowsマシンもありますから、その場合にはcf-j9は使いません。なぜなら、やはりちょっとスクリーンが小さいからです。cf-j9は出張に持ち運ぶのには衝撃に強く最適です。皮カバーが付いてくる。このカバーが良い。ざっくりした私の印象を書きます。

  1. マック、windows と対立的に言われるほど、二つの異なった種類のマシンに使い勝手上で大きな違いはない。両方とも快適に使える
  2. それは私が両方になるべく同じソフトを入れたためとも思える。文章作成はword だし、メーラーはthunderbird だし、辞書はatok だ。この三つが同じだと、かなり両方のマシンは似てくる
  3. よく使うソフトで違うのは、まずテキストスタイルの文章作成はwindows が「秀丸」に対してマックは「mi」だが、「mi」の設定を「モード環境」で行って以降は、全く問題なく使えるようになった
  4. FTPもwindow マシンでは「ws ftp」を使いマックでは「transmit」を使っているが、慣れれば全く同様に文章送出は出来る
 です。私がマック使いの人の多くがそうであるように、映像処理をほとんどしないことも「同じじゃないか」印象を強めている要因かもしれない。

 なぜツイッターとfacebook でマシンを使い分けることが多いのかというと、ツイッターのtweetdeck 的なソフトをマックでまだ見つけられていないからです。あのカラムを3〜4個立てて、タイムラインとmentions と他に2〜3のキーワードを並べられるスタイイルが好きなのですが、まだマック用のツイッターソフトにそれを発見してない。どなたか教えてください。

 facebook はブラウザ依存ですから、見やすい方が良いからcf-j9よりはair でやることが多い、ということになります。家にはスクリーンがもうちょっと大きいwindows マシンもありますから、家などではそちらを使うこともある。しかし単独持ち運び(大体がプレゼンの時です)のマシンとしては、圧倒的にwindows OSの皮カバー付きのcf-j9が便利です。少々ぶつけても大丈夫。

 windows とマックではキー配列が違うという人も多いかもしれない。しかし慣れれば別にどういうこともない。windowsには「delete」と「backspace」があって両方を使えば余分な字を消すのには便利です。しかしそれに相当するのはマックでは「fn+delete」であり、「delete」であるので、手が自然に動いてくれる。マックのデリートで手を「fn」「delete」と指を渡すのは、時々運動になってよいと思えることがある。こんなのもありますから。いくつか覚えればwindows と一緒です。

 何時頃からか知りませんが、マックの一枚のタッチでも左クリック、右クリックなどなど場所を意識すれば全く問題なくできるようになっている。右クリックが出来ればwindows マシンとマックマシンの差は小さなものになる。あとマックが有利なのは、「英数」と「かな」の切り替えが一発で出来る事です。対して私のwindows では2ストローク必要です。

 だから、正直言ってプロジェクターを使うときの使いやすさ、tweetdeck に相当するツイッターソフトが出てくれば、私はair にマシンを一本化しても良いと考えているのです。ですから、マックの対プロジェクター対応をソフトウエア依存から外して欲しい。プロジェクターを繋げれば直ちにデスクトップが出てくるwindowsのようにして欲しいのです。

 air は私がこれまで使ったマシン(windowsを含む)の中で、もっとも文章作成が容易なキーの構造になっている。手の大きさにぴったりだし(cf-j9 ではすぼめなければできない)、「英数」と「かな」の切り替えも素早い。また薄いので、キーバードを叩くときに手首を上げる必要がない。windowsマシンではソニーのXが比較的薄くて良かったが、あれはマシンそのものが遅すぎた。

 正直言って、私にとって「マック」というマシンはまだ未知数なところがある。メーラー添付のファイルがzip が掛かっているときなど、そのまま展開しないこともある。「これはどうなっているんだい」と思うことも多い。しかしそれが楽しみで買ったので、それはそれで良い。あとはプロジェクター対応だけですな。

 そうですね、バッテリーは両方とも持ちが良い方です。数時間は対応してくれる。東京ー大阪間で「あもう充電しなければ」と思ったことはair でもcf-j9 でもないので、まあ大丈夫じゃないでしょうか。文書作成と言っても、3時間以上続けることはないので。

 そんなところですかね。ま、一長一短はあるが、両方とも快適ですよ。使用頻度ですか。air 対cf-j9 では70対30、air 対 windows マシン群では 45対55くらいですかね。


2011年02月23日(水曜日)

 (09:25)久しぶりにこのタイトルの映画を見て、いろいろなことを考えました。「greed と animal spirits の境目はどこに置くべきか」「バブルを人間社会の必然と考えるか、それとも抑止すべきものと考えるか」「それを風圧したときに、経済社会の活力は維持できるのか。いや一体発生を止めることは出来るのか」など。

 マイケル・ダグラス(ゴードン・ゲッコー)は収監人として、凄く歳を取った人間として最初から出てきます。はなから。誰も迎えに来ない。「おれはゴードン・ゲッコーなのに」と想いながら出てくる。調べたら旧作は23年も前だった。そりゃ、物理的にもマイケル・ダグラスも歳をとったはずだ。あの当時はぴちぴちしていた。

 旧作は明瞭には覚えていない。しかし基調はあの海岸で嘘をつく彼の姿を浮き上がらせることによって、あの当時のウォール・ストリートに関わっていた人間達を、「greedの塊」として非常に批判的に描いていたように思う。空が真っ黒になっているのに、彼は金融取引への入り口にいる若者(だったかな)に「晴れた、綺麗な空」の夢を描いて見せる。つまりウソをつく。

 今回の映画は、「バブルは止めようもなく発生するもの」という判断を下しながら映画を作ったのではないかと思われる部分が多い。そもそも今回のリーマン・ショックはアメリカが非常に世界から非難される形で起こした。

 それに追い打ちはかけたくなかったのだろうし、実際のところ「バブル→バースト」の周期は短くなっている。その事実をどう考えるのか、という点はあったと思う。「市場経済にとっては必然だ」という立場に立たざるを得なかったのではないか。

 かつ映画を見ていて笑えたのは、現世動物が爆発的にその形を与えられて多様化したカンブリア紀に関する説明が盛んに出てくることだ。カンブリア紀とは、5億4200万年前から5億3000万年前の間に突如として今日見られる動物の「門(ボディプラン、生物の体制)」が出そろった現象で、「カンブリア大爆発」と呼ばれる。

 今回のウォール・ストリートはそこ時期に、「バブルの起源」を求める。オランダのチューリップ・バブルの説明も出てくるが、「大きな流れの一環だ」というのがこの映画の立場だ。つまり、「生命には付きものだ」と言っているように見える。

 つまりこの映画は、バブルは忌むべきものだが「人間社会の必然」というとらえ方をしていると思う。その必然の中で、今回のウォール・ストリートは大きな混乱(リーマン・ショック)、勝者の入れ替わり(ゲッコーが復活する)の中で、彼の娘に命を宿らせた。そして、父親を忌み嫌っていた娘に対して、「私を再び君の父親にしてくれないか」とゲッコーに言わせる。娘はそれに心を動かす。今回もゲッコーは身内まで裏切りながら、脱法行為で再び勝者になったのに。

 制作者がそこまで考えていたのかは分からない。しかし私には、激しい金融の世界の勝者の入れ替わりの中でも、新しい命は生まれ、それがまたカンブリア紀以降の生命の躍動を担っていくと主張しているように思う。

 この映画を見たからと言って、「greed と animal spirits の境目はどこに置くべきか」といった私の頭に最近ちょくちょく生まれる疑問に答えが出たわけではない。今の日本は善し悪しの問題は別にして、この両方が弱いような気がする。国民性かもしれないが。

 それにしても、日頃見るCNBCのアナウンサーが「これでもか」と出てくる。これが笑える。まあ金融をあまり知らない人には分からない点もあるかもしれない。あの金融の混乱の時期を、「新しい生命の誕生」と「許し」の中で終わらせることに疑問を持つ人もいるだろう。

 まあしかし、私にはやや単純化の嫌いはあるが、面白い映画ではあったと思った。旧作を見ている人は、特に今のアメリカのムードが分かって良いと思う。


2011年02月22日(火曜日)

 (14:25)最近「日本でも良いワインが作れるようになったな」と本当に思っています。昨日は初めて行った店ですが、「おたるのデザートワインがある」と聞いてびっくりしました。日本でデザートワインが出来るなんて知りませんでしたから。

大阪の店でいただいた小樽のデザートワイン  ネットで調べたら、生産者さんのHPはなくて、ここにありました。書いてある通り、「若手醸造家が中心となり。北海道産ナイヤガラの最も糖度の高い葡萄を房撰りされ、冷涼な環境下で鮮度を保ったまま搾汁した良質か果汁を、雪の中のタンクで凍結凝縮」したもの。

 食事の後、ちょっとデザートワインが飲みたくなって店の方に言ったら、「最近はこれがお勧めです」と。まあはっきり言って2009年と言うこともあって、若い。ディケムやハンガリーのトカイのような深い味はないが、私にとっては日本産の初デザートワインなので、楽しめました。アイスワインに近い。

 日本各地でいろいろ新しいワインが作られているのも知っています。今私は大阪にいますが、柏原(かしはら 大阪から丹波に行く途中です)という地名の場所に、結構良いブドウ畑があって、そこから採れたブドウでワインが生産されている。大阪などに結構出回っていて、これが美味しい。山梨だけでなく、日本各地でもっともっと良いワインができればいいなと思っています。

 ワインの話になったのでついでに言うと、冬はやはり「Hot Red Wine」でしょう。ちょっと風邪気味の時など赤ワインをやや特殊な暖め方で作った赤ワインの温かいのは非常に良い。

 しかし、日本ではなかなかおいしく作ってくれる店がないのです。しかし最近、大阪の天王寺警察の並びにある「Souple」という店が、いつも種を持っていて、それをホットワインにしてくれることを発見しました。なかなかいいですよ。

 実は、「おたるのデザートワイン」を紹介してくれたのも、天王寺警察の直ぐ近く。斜向かいです。実はこの二つの店は、天王寺警察の直ぐ横にあるワインストアのワッシーズさんがやっている。料理もワインを念頭に置いていてなかなかいいのです。昨日 petit の方で食べた中では、「トリュフ・オムレツ」が最高だった。

 大阪にはいい店がいっぱいありますよ。全体的に私は、「大阪の店は過小評価されている」と思ってます。


2011年02月21日(月曜日)

 (23:25)日本の特派員ばかりでなく、世界の主要なメディアの特派員が国内の現場からではなくエジプトから報道しているリビア情勢はよくわからないところが多い。

 しかし、第二のエジプトに近い都市ベンガジ(旧王族が多いとされる)がほぼ反カダフィ派に占拠されているらしいこと、加えてトリポリでも大規模なデモ、騒乱が起きていること、司法相など有力な政権幹部、それにリビアで有力な部族がカダフィと一線を画する姿勢を見せていることから、既に山場は超えたと見るのが自然でしょう。つまりカダフィ体制の崩壊です。

 一部の報道によれば、政府軍は一時デモをする民衆に空爆までしたという。しかし今はトリポリでも対デモ作戦をしておらず、いくつかの拠点に立て籠もっていると伝えられる。カダフィ大佐の次男坊(カダフィの後を継ぐと目されていた)は、「内戦」(civil war)を警告しているが、これも軍の出方次第で、軍は徐々にカダフィから離反しているとの見方もある。

 既にカダフィが国外に出たという噂もあるなかで、もしリビアの長期政権が倒れたとなると、それはまたバーレーンにも飛び火するでしょうし、「中東の動乱」はまだまだ続くことになる。

 原油が2年半ぶりの高値になって、加えて金が久しぶりにオンス1400ドルを上回った。エジプトと違ってリビアが世界第八位の原油埋蔵量を誇ることなどから、エジプトの時よりも市場への影響は大きい。

 今回非常に面白いのは、世界の株価が「中東の動乱はあるが....」という形で上昇を続けていることだ。昨日の東京市場も午前は下げていたものの、午後には上昇に転じて終わった。日本市場の場合は世界の情勢に加えて、国内の政治不安もある。にもかかわらず上げ続けている。

 日本の市場は、「元々政治になど期待していない」という面があるが、中東情勢、さらには日本やイタリア、それにベルギー情勢の混迷などを含めて、世界のマーケットは「世界中の政治不安は織り込み済み」と言っているように見える。自律調整は近いでしょうが。

 ところで、「まあ、そうなんだろうな」と思いながら、この記事を読みました。あくまでアメリカでの話ですが、いわゆる「ミニブログ」と呼ばれるSNSが興隆してくると、何となく「HPやブログは古くさい存在」に見えるかもしれない。実際にアメリカではあまり読まれなくなった、という。

 しかし、数百字では伝えきれないことっていっぱいある。かつ、長い文章を残しておくと、後々「そのとき自分がどう考えていたか」の参考になるし、かつそこに書き込まれた文章が検索対象になって非常に便利です。私にとっては、それぞれ異なったメディアで面白い。


2011年02月20日(日曜日)

 (23:25)午後9時からの「NHKスペシャル ネットが革命を....」は面白かったな。今まで知らなかった事も多かったし、よくあれだけ撮影が出来たと思う。撮った方も、撮られた方も覚悟が必要だったのでは。

 チュニジアのあの投稿(焼身自殺した人を撮影)をした人、それをキャリーした女性。それにゴニムさんではなく、エジプトで4月6日運動をしていた若い人の話。興味深いものでした。全部顔出しだったので、ある意味ビックリ。

 それからアノニマス(「anonymous=無名、匿名」だと思うが)という謎の軍団。600人と言っていたが、NHKが接触を試みてそれに成功していたのには、なかなかの取材力だと感じた。カメラマンをアラブ系の人にしたり、接触にも細心の注視をはかったりだと思いますが。

 映像の力は強いし、ネットワークの波及力の強さも良く分かる仕組みに番組は出来ていた。ネットでの出来事を番組にするのはなかなか難しい(絵が面白くない)のだと思いますが、人々が動いた事件だったので、映像的にも良い番組に出来上がっていたと思う。

 ただしこのNHKの番組でも謎かけのように短く取り上げていたが、「その後」が大きな問題です。「その後」とは、体制を崩すところまで進んだ動きの「その後」です。つまり、新し体制をどうするのか、誰を指導者にし、何を理念とするのか。

 強権的な体制が崩れた後、支配的な思想が消えた後、の社会がどうなるかについては、ユーゴスラビア崩壊後で世界はその一端を見てきた。抑えられていた欲求が吹き出し、民族感情が噴出し、そしてそれが収まるまで対立や戦争が続く。「これじゃダメだ」でやっと収まる。その間は悲惨です。

 この問題に関しては、2月15日の文章でも書いたのですが、体制が崩れた国は今後この問題に直面する。しかしだからといって今の体制を続けて良いとはとても言えない。難しい試練がアラブ諸国を待ち構えているのです。今のままでもダメ、しかしそれが崩れても新しい体制は直ぐには出来ない。

 NHKの番組もそうでしたが、アラブ諸国を巻き込んでいるネット革命は、主に「主役はフェースブック」という形で取り上げられる。ツイッターが主役の日本のSNS(世界規模の)の世界ではやや意外に思われた方が多いと思うが、私には結構はっきりその理由が分かる。今は一応両方ともまずまずやっていますから。

  1. ツイッターはグーグルのリアルタイム検索の対象になっていることでも分かる通り、監視(例えば独裁体制)する方にも今何が起きているのか、誰が何を書いているのか分かりやすい
  2. 対して、フェースブックはグーグルのリアルタイム検索の対象にならないことでも分かる通り、基本的には検索対象外のネット内インサイドのSNSであって、その中でのやりとりは密で外に出ない
  3. またネットワークの仕組みの特徴として、ツイッターはフォローしている人が多い場合においては、タイムラインが流れてしまって実際にはどんな情報がやりとりされているかが分からないケースもある
  4. 対してフェースブックでは、個々の発言についてコメントが関連づけされていて、発言とそれに対するコメントの構図がはっきりしている
 などでしょうか。ツイッターはある発言をして、それに関連するレスが返ってくる平均限界時間、というかタイムスパンは20分でしょうか。それ以降めっきり減るのは、タイムラインが流れてしまうからだと思う。

 対して、フェースブックでは2〜3日前の発言に関しても、「私はこう思う」というコメントが付いてきたりする。それは、フェースブックの方が過去の発言を見つけ出すのが容易だからです。またフェースブックの発言は、メールでも確認できる。メールでツイッターで確認出来るのは、「フォロー関係」だけです。

 だからどっちが優れているといった問題ではないのです。明らかにツイッターの方が瞬発的なレスポンスは速い。比喩的に言えば、ツイッターは瞬発型。私は一時、『ツイッターが「直行型SNS」だとしたら、フェースブックは「絡み型SNS」』と考えたことがある。この見方についても、フェースブックでは多くの意見を頂いている。

 それにしても、SNSはキックオフには極めて有用です。問題はその収拾です。または体制作り。実はこっちの方が難しい。


2011年02月19日(土曜日)

 (16:25)プロ野球の試合が頻繁に行われる日本の球場で、唯一私が見ていないのが楽天球場でした。で、何時か見たいと思っていたのですが、今日やっと仕事のついでに。

こぶりの、落ち着いた球場でした  駅の東口からまっすぐ伸びた道。その先に、徒歩で15分くらい歩いたところですが、目指す球場はありました。例の深い赤い色が特徴的。この駅からの通りは、楽天球場(今はクリネックス宮城)のために作ったに等しいものだという。

 到着して直ぐに思ったのは、「うーん、ま小さいな」というものでした。いままで一番「これは大きい」と感じたのは福岡ドームですが、それは駐車場が球場の下に入り込んでいるため。しかし、楽天球場は収容人数が3万を切ることでも分かるとおり、小ぶりです。

 楽天スタジアムは客席が一塁側でも三塁側でもはみ出ている。確か神宮はそういうことはなかったし、収容人員も3万を超えていたので、まったくの印象ですが、宮城の球場の方が小さいのかな、と。しかしグラウンドは拾いそうな。ホームランがあまり出ない球場だと、運転手さん。

 球場の隣には陸上競技場かな。スポーツ公園の中にある。道路を挟んで室内練習場。ここで岩隈や田中が投球練習をするのかと。二軒茶屋などおもしろい地名の道路標識も見える。落ち着いた一帯です。

 以前は青葉城くらいしか見るところがなかった仙台に、もう一つの魅力が加わったのは良かったと。日本の地方の中核都市はもっともっと魅力にあふれて、人が集まるようにしなければならないといつも思っています。


2011年02月18日(金曜日)

 (18:25)最近街で見かけるのは、交通違反を取り締まる警察の方々の多さ。そして実際に捕まっている人の多さです。今日タクシーの運転手さんから、ちょっと悲しい話を聞きました。ゴールドを失い、罰金7000円を課された。

 事件(?)が起きたのは、青山一丁目だそうです。渋谷から赤坂見附に向かっていた。そしたら、青一の信号の少し手前で盛んに手を振っている人がいた。しかし他のタクシーは第二車線を走り抜けていく。どのタクシーも止まろうとしない。

 そのタクシーの運転手さんは、「手を振っている方の様子が少しおかしい」と気がついて、左側の車線に入って車を止め、「どうしました」と聞いたのだそうです。そしたら「親が赤坂の病院で危篤になってしまって」と。

 その方にとっては一大事。それは大変だということで、その車線で止まったところが既に「左折専用」になっていること、かつ信号の向こう側(交番がありますね)におまわりさんがいることを承知で発車・直進したのだそうです。お客さんの親が危篤ですから。何とか死に際に間に合わせてやりたいと。

 そしたら案の定交差点を渡ったところで、「ピーピー」と笛を吹かれた。運転手さんも乗客も理由を説明した。そしたら警察官は、「大変ですね、行きなさい」と言ったのだそうです。乗客に向かって。しかし運転手さんに向かっては、「乗客の方を送った後に戻ってきてください」と言ったそうです。

 で運転手さんは病院に乗客を送った後、青一の交番に戻ったのだそうです。そしたら、「あそこは左折専用車線だから、チケットを切ります」といわれたというのです。そりゃ、運転手さんじゃなくても怒るでしょう。親の死に際で、乗客の求めに応じてよかれと思ってやった。

 しかし警察官の方は、「法律違反だ」の一点張りだったそうです。悲しいですよね、自分は良いことをしたと思っているのに、罰金7000円。かつ昭和58年以来持っていた免許のゴールドを奪われたというのです。「でもあなたはあの時は”行って良い”と言いましたよね。杓子定規に言うなら、それも法律違反では」とも主張した。

 それでもダメだったそうです。1時間半も言い合いが続いたそうです。しかしダメだったと運転手さん。本当かどうか知りません。その運転手さんが言うのです。「一回交通違反を捕まえると30点。4人捕まえると表彰だそうです」と。それは悲しいな、と思うわけです。

 その警察官は若い方だったそうです。お年をめしたからなら違ったかもしれない。しかし運転手さんはゴールドを返上し、そして7000円を払った。タクシーの運転手の方はほとのど会社がその種の罰金は支払いませんから、自腹。

 うーん、と思うわけです。見逃してやれば良いのに、と。


2011年02月17日(木曜日)

 (16:25)番組やエッセイ、その他の紹介です。番組は、BSジャパン(BS7)の金曜日午後10時24分からの「世の中進歩堂」です。今回は、『知られざるトイレの秘密を大公開!驚異の節水を可能にした究極のエコトイレに迫る!』 です。

 “日本全国進歩発見の旅・九州編”ですが、今回は福岡県北九州市の小倉にあるTOTOさんの工場を訪ねました。TOTOさんのトイレには、皆さんもお世話になっていると思います。むろん、私も。

 小倉の工場で開発された最新のトイレは、4.8リットルという今までよりも少ない水の量でキレイに流すことができる、実に優れた節水トイレ。水の流れや便器表面の加工などに最新技術を駆使することで、驚異の節水が可能になった。

 まあ言ってみれば「究極のエコトイレ」なのだ。さらにその製造現場にも潜入。知っているようで知らなかったトイレ製造の秘密が次々と明らかになります。最新技術と匠の技を駆使したトイレ開発の全貌に迫りますので、お楽しみに。

 次はエッセイです。アラブが抱えた問題の第二弾。バーレーン、イラン、リビア、その他と事態は拡散の兆しを見せている。まさに激動の中東という形ですが、このほどその地域を含むイスラムの世界が、これから人口爆発期を迎えるというレポートを中心に、改めて問題の根っこを考えてみたいと思います。

 森本毅郎スタンバイ伊藤 洋一のRoundup World Nowはいつもの通りです。

 ところで雑誌や新聞のアプリ化は世界的に加速していますが、日本で「ついにここも」というところが出てきましたので、紹介します。私もまだ2回ほど使っただけですが、おそらく雑誌全体を開放はしていない。チラ見せの状態です。まあでも踏み切った。

 それは、日経ビジネスです。昨日の午後にメールで「日経ビジネスと日経ビジネスオンラインは、この度、iPhoneおよびiPod touchに対応した無料のアプリケーション『日経ビジネス・5ミニッツ』を、App Store にて2月15日(火)に公開いたしました。」と知らせてきた。もしかしたら、火曜日だったかもしれないが。

 「本アプリケーションは、日経ビジネス、日経ビジネスオンラインで掲載するコン テンツや旬の経済記事を祝祭日を除く月曜から金曜まで毎日掲載し、皆様にご提 供します。このアプリケーションを使えば、これまでオフィスやご自宅のパソコンで読んでいたコラムや記事を、通勤電車や外出先などで、快適に読むことができます。」と続く。

 私も昨日の夜にiphone に入れました。「あわせて、日経ビジネスの膨大な過去記事から抽出した至極の名言を、アプリケーションが起動するたびに提供いたします。」というのが不必要な気がしますが、まあしばらく使ってその有効性を試したいと思います。

 「ダウンロードはこちらから http://business.nikkeibp.co.jp/5min/」という親切なエンディングのメールでした。


2011年02月16日(水曜日)

 (16:25)今日は朝から午後3時まで大阪の南方面のロケでしたが、実に楽しかった。堺の和菓子屋さんを二軒周り、阪堺電車(チンチン電車です)に乗り、全国の商店街が寂れの問題に直面する中で頑張っている粉浜商店街の元気さに触れた。

大阪にもチンチン電車がありました。しかも荒川線との交流も  来週の火曜日の「おはようコール」で詳しくは流れますが、私としてはちょっと待てない、ちょっと今書かせてという感じ。というのは、「大阪の事は結構知っている」(もう4〜5年ほど毎週来ていますから)と思っていた私ですが、今日は「浅はかだった」と反省するほど勉強になった。

 山口女史の案内で、まずは「堺の和菓子」の名店二つに。堺の和菓子が良いことは知っていましたが、実際に伺うのは初めて。そのどちらの和菓子も、まだ堺からあまり出ていないものです。

  1. 芥子餅の本家小嶋
  2. 肉桂餅の八百源来弘堂さん
 関東の私のような人間には、どちらも実に珍しい品物です。和菓子屋さんは好きでよく入るのですが、この二つが関東の和菓子屋さんに並んでいることを見たことはない。それもそのはず、これらの和菓子は、堺が今より遙かに栄えていた15世紀、16世紀に起源を遡るもの。当時珍しかった「世界に開かれた貿易港=堺」だからこそ出来上がったお菓子だからです。

 本家小嶋さんなどは創業が1532年、今の当主が20代目という超老舗。おいしかったですよ、芥子餅。毎朝家族の方々で作っているそうで、「生ものだからあまり手を広げるな」という先祖の教えを守って、堺以外にはほとんど出していない。私が「珍しい」と思うのには理由がある。

 対して肉桂餅の八百源来弘堂さんは、やや「攻勢モード」にある。ご主人の方針で、肉桂カステラを製造し、それの販路拡大を狙う。JR伊勢丹三越にも出店と。肉桂餅も肉桂カステラも肉桂(ニッキ)の臭いがするのですが、それが口に爽やかに残る。どちらも名品だと思いました。

 恥ずかしながら、大阪にチンチン電車が走っているとは空耳程度は聞いていたと思いますが、はっきりは認識しておりませんでした。取材の話が持ち上がるまで。あるんですな。しかも驚いたことに、東京の荒川線(一方の終点が早稲田です 写真)との車両交流もしている。チンチン電車は大好きです。ほっとする。

 粉浜(こはま)商店街は、北ではあまり見かけない商店街です。かつ今でも非常に元気がよい。私が毎週通過する天神橋商店街とはまた違った趣があって、かつ

  1. 商店主の方々がそれぞれ自分の店が元気になるにはどうしたらよいか考え
  2. どんな一品を作れば良いのか試行錯誤し
  3. そして街全体としても何を生み出していくのかを商店街全体で一緒になって勉強している
 ことなどで、非常に印象に残る商店街でした。なんたって、商店街の鞄屋さんの奥が「多くの人が集まる足湯場」になっているのです。実に実に驚きです。元気な看板娘、リーダーシップあふれる豆腐屋さん、肉屋さんにもお話を伺いました。

 最後は再開発の槌音が聞こえる天王寺駅の周辺(日本一高いビルが建つそうな)でロケして終了しましたが、さて私の一日ロケの結論は..........。詳しくは番組で.......。


2011年02月15日(火曜日)

 (23:25)「夜の情熱と、昼の厳しい現実」を見ているような情景ですね。ジャスミン革命を成し遂げたチュニジアの国民が、何千という単位でイタリアの南の島・ランペドゥーザ島に押し寄せているという。

 この島。チュニジアから北へ100キロの沖合に浮かび、イタリア領。人口は僅かに約6000人という小さな島だが、チュニジアの政変から僅か1か月の間に、5000人以上のチュニジア人が船で続々と上陸しているというのだ。

 多くは政治的混乱から迫害を受けるおそれのある難民ではない。彼らの多くは、イタリアに職を求めて来たことを明らかにしている。島の収容所の定員は 850人にとどまるという。当然満員。しかしチュニジア人はさらに上陸するおそれが強く、イタリア政府は周辺海域の警備を強化しているそうだ。

 長期独裁者の政治の舞台からの引きずり下ろしは、それ自体当該国の国民にとっては非常に意義のあることだ。エジプトもそれに成功した。人々はそれを喜ぶ。しかし、それは直ちには「夢見た豊かな日常生活」を意味しない。

 海外からの資本、そして海外の旅行者は、その国が安全だから来ていた。そしてその安全には、「独裁体制」がむしろ寄与していた。「治安は良いだろう」という判断に繋がるからだ。

 チュニジアにも、ましてやエジプトにもまだ観光客は戻っていないという。国の一部の地域で展開していたことだとしても、世界中に放映されたデモの映像を見て、「これでも観光ができる状況だ」と判断する業者や観光希望者は少ないだろう。

 業者はもし何かあったら「責任問題」と考える。ということは、チュニジアに、そしてエジプトに観光客が戻るのは少し先ということになる。ところが両国の主な産業は”観光”である。エジプトのピラミッドなど観光地は「閑古鳥」だという。これは両国の国民にとってジレンマだ。「夢は実現したが、フトコロは寂しい」と。

 中東での反政府、反長期政権を求めた民衆の運動は、チュニジア発でエジプトに飛び火し、成果を上げながら今も中東各地に飛び火している。現状ではバーレーンとイランの展開が速く、ともに死者も出ているという。

 おそらくもっと広がりを持つだろう。バーレーンの国王が「国内の全ての家に22万円」を配ったと聞いたとき「火に油」と思ったが、その通りになった。今の中東の指導者達は、アラブ各国で広がる「抗議の波」の意味を全く分かっていない。

 彼らが欲しいのは「職」や「自由」であり、さらには「政治への参加」なのだ。しかし、共通の敵がいなくなれば、その時点ではまとまりに欠ける、秩序がある意味失われた現状が残る。この不安定感は、その国の国民にとっては”自由”ではあるが、海外の資本や観光客が求める安定・安心ではない。

 ということは、国家の再システム化、再安定化が必要だが、そのプロセスには時間がかかる。大きな革命が成功したあとの国では、しばらくして「これならあの当時の方が良かった」という声が必ず出てくるのはこの為だ。

 その国自体に強い産業、強い資源がある場合は違う。それ自信がパワーだからだ。製品を輸出して経済を回せる。しかし、チュニジア、エジプトを含めて、多くのアラブ諸国にはそれがない。あるのは、「観光」というイメージが非常に大きく関わる産業だ。

 そういう意味では、イランの反政府活動は周辺のアラブ諸国のそれとは性格が異なる。イランは国そのものがでかいし、私が次の動きとしてイランに注目する理由はここにある。


2011年02月14日(月曜日)

 (22:25)今日は日中、科学技術に関するこの番組の4本撮り。珍しい。日程的にこうなってしまった。30分番組を一本撮るのに大体打ち合わせ(先生との)を含めて2時間かかりますから、8時間のスタジオ縛り付けだったのですが、まあ興味を持っている分野が多かったので、それほど疲れない。

 各回はそれぞれおもしろく、番組はそれぞれ放映の少し前に紹介させてもらいます。今日撮った番組は今月末から3月にかけて放送されますが、その中で一番「今後の日本の産業競争力にとって肝になる」「こここそがもっとも日本に可能性がある」と思ったのは、「プリンタブル・エレクトロニクス」でした。

 「プリンタブル・エレクトロニクス」については、今週このような展示会も開かれるようで、私も参加が許されるなら行ってみたいと思っているのですが、全く目新しい技術ではない。すでに研究がかなり進んでいる。

 私も以前から、この技術については非常に興味を持ってきたが、ゲストの先生(産総研の方です)の話を改めて聞きながら、「実現可能性」という点で、そしてそれが技術として確立できた場合の影響度という点で、実に遠大・深甚な可能性を持つものであることを改めて痛感しましたしかも日本に非常に有利に働きうる。。

 家電から電子部品、エレクトロニクス製品などをはじめとして、この技術が応用できる範囲は実に広い。そしてその広い範囲の製品を、劇的に安価に、薄く、環境に優しいものに変換しうる。そしてそれは、建物の設計まで変えることになる、と考えました。

 しかもこの技術は、インク(導電物質を効率的に、かつ均質に要素として含む)にかかわる技術がポイントになるが故に、近隣で追いかけてくる諸国を決定的に離しうるパワーを持つものだと思いました。

 なぜなら、ハードは分解すれば直ぐに「中がどうなっているか」が分かるが、インクなど化学薬品に類するものは、確かゲストの先生が「消え物」と言ったと思うが、製品を持ち出したときに直ぐに成分が変化する種類の物であり、容易にその中味を分析、まねできないものであるからだ。

 繰り返しますが、「プリンタブル・エレクトロニクス」で一番重要なのは、電動物質をいかに効率よくプリンターのノズルから均質、効率的に対象に吹き付け可能なインクを作るかです。一番良いのはシルバー(銀)だそうですが、ちょっと高い。銅とかアルミを今は粉々にしてインクに混ぜ、それをたとえば紙などに吹き付ける(プリントする)。

 吹き付けたものが直ぐに「回路」として機能する、というシロモノ。プリントそのものは、我々が使っているプリンターをやや複雑系にした程度の物らしい。街の印刷屋さんにおいてある程度の。先生は、「原理はプリントゴッコ」そのものですよ、というような言い方をしていた。インクは用途によって、様々に作りうる。

 この技術が確立すると、あらゆる物が劇的に軽く、薄くなり、そして安くなる。名刺一枚値度の携帯電話も可能だし、壁紙のようなテレビも可能。うーん、今日は久しぶりにスタジオで興奮しました。はよ、Made in Japan のプリンタブル・エレクトロニクス技術として確立してほしい。

 日本にはこの分野で技術を持つ企業がきら星のごとく並ぶ。元気の出る話でした。(雪で大幅遅延の新幹線の中で)


2011年02月13日(日曜日)

 (23:25)そうか、明日は日本の新聞はないのか....とか思いながら、海外の新聞を読んでいたら、「週末も記事が豊富だな」と思いました。しかも速い。

 中国の劉志軍・鉄道相(58)の党要職の解任なども、最初アメリカの新聞で日曜日の朝に見つけました。「重大な規律違反があった」との理由だそうで、劉氏は鉄道相であると同時に鉄道省党組書記の職務に着いていて、今回その党の職を解かれたそうだ。何事にも党が優先する中国ですから、「相」より「省党組書記」の役職の方が重いのでしょう。

 もし劉氏が党中央規律検査委員会の取り調べで「黒」の心証が強まれば、鉄道相の職務も解かれる見通しだという。「規律違反」の中味は不明だが、中国で急ピッチで進む高速鉄道の敷設などを巡って汚職に関わった可能性も指摘される。

 記事を読んでいたら、彼の一族は結構数多く汚職の疑いを以前から持たれているようだ。日本も中国に新幹線を売り込もうとしているので、その影響も知りたいと思いました。

 その一方で、ちらりとウォール・ストリート・ジャーナルを見たら、またまたアップルが新しいラインの製品を考えているようです。新しいタイプのiphone とか、mobileme の無料化と新機能など。いろいろやってくれる会社です。

Apple Inc. is working on a new line of iPhones and a software overhaul that would make it easier for customers to access entertainment and personal photos and videos, according to people familiar with the matter.

One of these people, who saw a prototype of the new iPhone several months ago, said the new device-one of its codenames is "N97"-was intended to be sold alongside the current line of iPhones and would be about half the size of the iPhone 4. The phone would be available to mobile carriers at about half the price of Apple's main line of iPhones, this person said.

Alongside the development of the new line of iPhones, Apple is also exploring a major overhaul of its MobileMe online storage service, people familiar with the matter said. The service currently requires an annual subscription payment of $99 to $149.

Under plans Apple is considering, MobileMe would become a free service that would serve as a "locker" for personal memorabilia like photos and videos, so there would no longer be a need for a lot of memory on devices themselves, the people familiar with the situation said. MobileMe could become a focal point for an online music service that Apple has been developing for more than a year, the people said.

 「about half the size of the iPhone 4」ってどういう事だろう。日本のガラケーの代表的大きさのものより、小さくなるな。もっとも、アップルは一杯小さい製品は作っているが。ニューヨーク・タイムズの「Egypt’s Path After Uprising Does Not Have to Follow Iran’s」という記事も面白かった。


2011年02月12日(土曜日)

 (18:25)毎週予定のない土曜日は、一週間の間になんやかやで見れなかったNHKの各種番組をNHKオンデマンドで見るのが楽しみの一つで、今日は「トライ・エイジ 金田一家三代」とか「恋する日本語」、その他破天荒な将棋さし升田さんの番組とかいろいろ見たのですが、その中に「ITホワイトボックス」というのがあったのです。

 この番組は以前にも見たが、知っていることも多くあまり役立たなかった。しかし今回は「未来の検索」というのがテーマで、面白そうだった。その中で「リアルタイム検索」の話が出てきた。

 見ていると去年の秋くらいに始まったサービスらしい。毎日グーグルのサイトに行っているのに、そういえば「Web検索」と「カレンダー」くらいしか見ないなと思って、興味を持ったのです。どうらやツイッター検索に特別にサーバーとのパイプを作ったとか言っている。担当者が。

 で今日の午後天気も悪そうなので家にいて実際に自分でツイッターを打って、何秒後にこの専用ページに出てくるのか試したのです。専用ページに予め「エジプト」という検索語を入れ、その上でツイッターから「エジプト」が入った文章を打ち込んだ。

 そしたら、速い。今日はムバラクさんが辞めた直後が一番「エジプト」の単語が登場したようですが、それでも私が実験した時間も多かった。にもかかわらず、私が打った文章も直ぐにリアルタイム検索で引っかかってきた。5秒後くらいですかね。

 まあ優秀ですわな。グーグルの設定を優先する言語として日本語の他に「英語」を付加したら、それも検索してくれる。その場合は「egypt」ですが。「うーん、これは何か一つの事を追っているときに役立つかもしれないな」と思いました。というのは、ロイターやブルームバーグなどもヘッドラインをツイッターに流しているので、大きな関連ニュースがあれば、同時に拾ってくれる可能性が高い。

 まあそれだけだったらツイッターソフトで検索語を入れたカラムを作れば同じ事ですが、あれって一回作るとあと残るし、グーグルの担当者によれば内容検索でまともな文章かどうかチェックもしているということなので、リアルタイム検索の方が便利かな、と思いました。

 見ていて分かるのは、「Web検索」と「リアルタイム検索」は全く違うんだな。そりゃそうだ。HPやブログの単位時間はまあ「分」。対してソーシャル・ネットワークの単位は「秒」ですから。コンピューター対応も変わってくる。それにしても、グーグルもカネをかけているというか、ソーシャル・メディアの台頭に頭を悩ましている様子。

 見ていると、リアルタイム検索で引っかかってくるのは「twitter」ばかりで、facebook はなし。facebook はファンページなどは別にして検索に引っかからないと聞いたが、その通りでした。ま、状況は変わり得ますが。グーグルが自分の検索に引っかからないサービスに神経をそばだてるのは当然でしょう。しかも急拡大している。

 BINGの「その他」→「ソーシャル」も試してみましたが、こっちはbeta とあるだけに今後の展開はあるのでしょうが、やはり圧倒的にツイッター(その他のサービスも出てきます)で、facebook は一つもなかったような。まこちらは、「○○○に関する公開されている更新」となっている。


2011年02月12日(土曜日)

 (06:25)どうなっているかなと思って起きたら、やっぱりムバラクは辞めていましたね。

 そりゃそうでしょう、あれだけ世論とかけ離れた声明を2度3度出したら、デモに参加している人々だけではなく、国民全体も堪忍袋の緒が切れるでしょう。逆に怒りが高じ、11日のデモは過去最大の規模(100万人)だったそうだ。

 しかし、エジプトを巡る状況がクリアになったのかというそうではない。以下の非常に短いスレイマンが発表した声明がそれを物語っている。

“Taking into consideration the difficult circumstances the country is going through, President Mohammed Hosni Mubarak has decided to leave the post of president of the republic and has tasked the Supreme Council of the Armed Forces to manage the state’s affairs."
 問題は、後半です。「 has tasked the Supreme Council of the Armed Forces to manage the state’s affairs」といっても、では「Supreme Council of the Armed Forces」とは何か。

 一部報道によると、エジプト憲法では大統領が辞任して空位となったり、永続的に職務執行が不可能となったりした場合は、「人民議会議長」か「憲法裁判所長官」が権限を代行する規定となっている。声明では「人民議会議長」も「憲法裁判所長官」も出てこない。

 とどうなるかというと、今回の声明と食い違うために、権限を委譲された軍部が憲法を一時的に停止する可能性がある。まあ国民は今の憲法には反対でしょうから、それはそれで意味があることかもしれない。

 しかしそれにしても、ポスト・ムバラクのエジプトは、軍が国民の尊敬を集めているとしても、外国の元首が来たときも誰が会うのかという具体的な問題を含めて、選挙をどう行うのか、当面政府を誰が指揮するのかなどまだはっきりと決まったことがない。

 エジプト国民の要望を聞いていると、「自由」と「民主主義」。しかし軍が権限を握っている状況は非民主主義的である。軍は「民衆の希望に沿う」と述べているが、それは早急に権力を軍から選挙で選ばれた人に渡すと言うことでしょう。そのスケジュールの発表はこれからです。

 エルバラダイさんの名前は消えて久しく、ムバラク政権でナンバー2だったスレイマンさんはどうなんでしょうか。サダトが死んだときにナンバー2だったムバラクを選んだ国だからそういうこともあるかもしれないが、もしかしたら、選挙の結果イスラム原理主義を標榜するムスリム同胞団が大きな勢力を取るかもしれない。

 「ドミノ」と言いながら、チュニジアのベンアリ政権が倒れたときは「ド」くらいだった。時間はかかったがエジプトのムバラク政権の崩壊(時間はかかったが)はそれがまさに「ドミノ」になったということだ。

 まだまだ中東にはイエメン、ヨルダンなどなど独裁国家、王政、長期政権がかなりある。中東の政治情勢には良くなって欲しいが、動揺は続くでしょう。


2011年02月10日(木曜日)

 (21:25)今日の発見といえば、アプリソフトの世界の話ですが、ツイッターが「140字の制約」を脱しつつあることを発見したことかな。

 ツイッターの本来のHPはhttp://twitter.com/ですが、このサイトでは何も変わったことは見受けられません。しかし、私がいつも便利に使っているツイッターソフトであるtweetdeckに最新バージョンとして 「deck.ly」というのが出来たのです。求められるままにアップグレードしたら、ちょっとした仕掛けが出来ていた。

 それは、このソフトウエア上で概ね二倍の表示が出来、かつその先でもサイトが立ち上がってきて別メニューで長い文章が表示できるようになったこと。それを「http://twitter.com/」上で見ると、140字以降は別サイトでの表示という形になります。しかしシームレスに読めるので、「制約脱出」という印象がする。

 ツイッターはずっと「上限140字のミニブログ」と紹介されてきた。日本では。私は「ミニブログ」というならfecebook の方がそれに近いと思うが、それはどうでも良い。「140字の制約をアプリレベルでも超えた」というのが面白い。

 まあこれから、これはどう使うか、使えるかを考えます。ツイッターとfacebook の両方やっていると、なかなか発見もあって面白い。ツイッターについては、low level の話し合いだそうですが、facebook とグーグルが買収の予備交渉を行っているようで、また動きがあるかもしれない。

 午後は3時から「朝鮮半島勉強会」へ。講師の伊豆見さんがちょっと遅れるなどしたが、勉強会そのものは面白かった。「なになにの勉強会」というものにたまに出ると、その問題周りの思考が整理されるのでよい。

 その後は築地本願寺へ。三原さんの通夜でした。三原さんの家はお寺さんというのは聞いていましたが、従兄弟さんがおつとめをされていて、微笑ましいなと思いました。落ち着いた祭壇で、式も厳かだったと思います。


2011年02月09日(水曜日)

 (10:25)ちょっと面白いツイッターやfacebook の使い方を発見しました。朧気に何気なくこのところやっていたことですが、昨日はっきりと「そうだ」と思った。

 私の場合は特に出演待ちのテレビ局やラジオ局でその有効性が高まるし、滞在中のホテルなどでもそういうことが起きるのです。つまり「これは面白い。あとで読もう」と思った記事の、非常に有効な残し方です。物忘れ防止策。

 例えば昨日は午後3時からの打ち合わせで某テレビ局に居たのですが、出演者が陣取るコーナーの近くに比較的誰でも使える、基本的には社内ネットワークから隔絶されたコンピューターが置いてある。むろんインターネットには繋がっている。

 打ち合わせの前は、「世の中なにがおこっちょるの」とそのコンピューターの前に少し座ってチェックするのですが、そこで内外の新聞サイトに行く。そうすると、その中に「番組内容には関係ないので急ぎ読む必要はないが、自分が感心を持っている問題の記事、新しい動きの記事」「あとあと読んだら面白いだろう記事」というのが一回につき2〜3本ある。

 さてそれを、印刷しないで、かつ忘れないでどう残すか。だって、番組終了後直ぐに会合になんか行くときには、プリントした紙を持っているのは面倒くさいじゃないですか。かつ、その記事をどこかに書いておく、というのも面倒。かつ、自分のコンピューターではないから、メーラーを立ち上げることもできない。

 そこでです。最近は内外を問わず、私が直ぐに思いつく範囲では日経のサイト以外には、各新聞社や通信社の記事の見出しの下のライン、または横下のラインに、「mail」「print」などと並んで、「f=facebook」とか「ヒ=twitter」などのマークがある

 以前はその記事をプリントしないで自分の資料とするためには、自己メールしていた。しかし、最近はtwitter やfacebook に流すことにしました。例えば、twitter の起動すると、今まで全く自分が使ったことがないコンピューターだと、ユーザーIDとパスワードを聞いてくる。パスワードを記憶させないで、入れて進む。いろいろなパターンがあるのですが、要するにtwo words 入れるだけなので、直ぐに「Post to twitter」が出てくる。その記事のタイトルを伴って。通常はそこに書き込める字数が残る。備忘の言葉を入れて post です。

 facebook の場合もほぼ同じです。ただしface の場合は、FANページのウォールに行くのか、プロフィールの下のウォールに行くのかちょっと分からないときがあるのですが、どちらかに行く。確度はtwitter が確実です。

 記事は内外のどの記事でも、最初の2パラぐらいは読んで面白いかどうか判断する。それをポストすることは他の人も見られると言うことですが、こうした記事を結構私以外の読者の方々は興味を持って読んでいてくださるようなのです。ブラウザベースのサービスなので、どこでもそれは可能です。

 興味を持った方が、私が家とか部屋に戻る前って記事を読む前に、いろいろとレスを付けて下さるケースもある。記事が私とはまた別の角度から読まれていることが分かる、ということもある。「f=facebook」とか「ヒ=twitter」などのマークがある記事は、公表されている記事で何ら問題はない。かつ、私のような世界中の新聞をしばしば巡回している人間もあまりいないでしょう。

 そういう意味では、ツイート数はちょっと増えますが、続けて有用であろうと考えています。まあ私の予想では、「f=facebook」とか「ヒ=twitter」などのマークを付ける記事は今後も増えるでしょう。大学や研究機関のレポートにまで。

 日経のサイトの記事はよっこらしょとコピー&ドロップしないとtwitter や facebook の文章には利用できない。なぜ今のようにこの二つを拒否しているのか不明です。早く対応して欲しいと。私が知っている限り、世界中の新聞が「f=facebook」とか「ヒ=twitter」対応している。

 ま、興味を持った方はやって見て下さい。自分のtwitter 発言やfacebook 発言はあとで簡単に到達できる。その記録はいつまでも残る。そこからリンク先に飛べば、残しておいた記事や資料が読めるのです。紙も使わないし、有用な方法だと。


2011年02月09日(水曜日)

 (00:25)ケイタイで読めるメールで知らせていただいて、真っ先に思ったのは、「ウソでしょ。まだお若いのに」でした。存在感のある方でした。にもかかわらず火曜日の午前10時半に逝かれてしまった。非常に残念です。

 ここ3〜4年はお会いすることもありませんでした。お互いに忙しかったためですが、以前は年に数回は仕事にゴルフにとご一緒しました。ストレートな発言がウリの方で、つい最近までテレビ東京の朝の番組「モーサテ」やBS11の「東京マーケットTODAY」にお出になっていたし、翻訳、執筆、そして講演に活躍なさっていた。

 体調を崩されたのは、昨年の後半だそうです。脊椎炎を煩われて入院、その後回復されて「また仕事に戻る」というところまで行ったそうですが、昨日「急性肺炎」でお亡くなりになった。

 いろいろな武勇伝をお持ちでした。大学を出て最初日興證券に入られ、あとアメリカの大学(ノースウエスタン)に企業留学された。1937年のお生まれだから、企業が社員をアメリカの大学に学びに出した初期だと思う。

 その後、スイスのチューリヒ、ニューヨークなどに勤務。ロサンゼルス支店では支店長まで経験。しかし1976年に退社、80年に自分のオフィスを設立。その後はずっと証券業界関連の仕事をなさっていた。辞めても、勤めていた会社に友達が多い方でした。

 英語がおできになって、伝説的な米投資家ウォーレン・バフェット氏の著書の翻訳にも取り組み、何冊も本も出されていた。1999年には東証ペンクラブより永年証券界の為に尽くした功績で、東証ペン文化賞も受賞された。

 証券行政や日本の経済運営全般に関して、「こんなことではダメだ」という持論の持ち主で、それをテレビ、執筆などで最後まで主張された。骨のある人でしたが、自分の孫の小学校入学などに目を細め、それを周囲に話す人柄でもありました。

 三原淳雄さん。「もうすぐ74。なんとかバレンタインまでは」(事務所の南雲さん)という時だった。73はお亡くなりになるには若すぎるでしょう。ネット上にいくつかのサイトをお持ちでしたが、「三原淳雄の言いたい放題」がその代表だったと思います。

 私が個人的に知っている方でサイトを残したまま逝かれたのは、三原さんが初めてです。事務所の方が維持できるようですし、2年くらいは残して欲しいと思います。合掌。通夜・葬儀の予定は以下で聞いていますが、行かれる方は確認して下さい。

通夜 10日(木)18:00−19:00 築地本願寺 講堂
葬儀 11日(金)11:30−13:00 築地本願寺 講堂
 喪主は長男の淳一郎さんと聞いています。再び合掌。


2011年02月08日(火曜日)

 (11:25)サッカーではこのところ明るい話題が多い。今朝もサンケイのサイトには、以下の文章がある。

 『セリエA、インテル・ミラノの日本代表DF長友佑都(24)がホームの「ジュゼッペ・メアッツァ」(別称サンシーロ)で行われた6日(日本時間7日早朝)のローマ戦で移籍後初出場を果たした。後半30分に左サイドバック(SB)で登場し、2度の好クロスなど積極的な攻撃参加を披露。「心が震えた」と感激する長友にレオナルド監督(41)は「Complimenti(コンプリメンティ=お見事)!」と称賛するなど、上々の新天地デビューとなった。』
 ええですね。長友。得意の左突破が何発も出ている。あまり同じ展開だと敵に読まれる気もするが、それは今後の問題。とにかくあの最後まで走り回る姿が気持ちが良い。いつかインテルでもアシスト、得点に繋がると気がします。

 対して相撲は大変な展開が予想される。大の相撲ファンなのに。私は日本から相撲がなくなっていいなどとは決して思わない。相撲は何があっても残すべきです。

 「過去にはなかった....」と放駒理事長は言っているが、その一方では「過去もあった」という証言がいろいろ出てきている。今朝も共同通信の配信で「「勝ち、譲る」」という話が出てきている。

 もういろいろな新聞に出ているのですが、調査が長引いたり、逆に調査の結果が出てとても「公益法人」の名前にふさわしくないことが前面に出てきたりしたら、日本相撲協会は「公益法人」ではなくなって、いろいろな税制面などの特典がなくなる。これは今の相撲界にとっては厳しい。

 かつ非常に重要なことは、「公益法人」たる日本相撲協会が開催している相撲だから出ている「天皇賜杯」は、株式会社主催とかになると確実になるなるということです。白鵬が涙を流しながらもらった賜杯がです。

 「過去になかった」と言っても、なくなった玉の海さんでさえも「過去に一回....」と本に書いていた。つまり、頻度や関わった人の人数にかかわらず、「過去もあった」と考えるのが自然です。ですから、「(最近までも含めて)過去もあった」と認めた上で、「これからはこれこれなくするシステムを作ります、努力します」と言うしかないような気もする。その場合、公益法人格はどうなる、新公益財団法人格はどうなるという話になるが、そうでないと話が前に進まない。いつまでも、「過去にもあった」という話が出てくるに違いない。

 「パンドラの箱の蓋を開けた」という人がいる。そうだろう。しかしだからといって、今でも相撲の取り組みの大部分は全力でぶつかっての真剣勝負だと思う。そういう意味では、相撲は続ける価値があるというのが私の判断だ。

 それにしても、白鵬が引きこもりになってしまった。野球賭博の時には積極的に発言していたのに、白鵬の沈黙がちょっと心配です。

 ところで、日曜日に日曜討論に出たときに私が提起した分散錯圃(ぶんさんさくほ)の問題や、農地に関する情報が公開されておらず、今後の農業を発展させる方向での”おまとめ”が阻害されている問題に関して、今朝の日経の一面が一つの解決策とも思えるアイデアの検討を紹介している。

 『「農地バンク」政府検討 取引仲介で新規参入促す』がそれで、私もこのアイデアには注目したいと思います。本文をやや引用すると

 政府は農地の集約を進めるため、売買や賃貸借を仲介する「農地バンク」を設立する検討に入った。農地に関する情報を一括管理し、規模拡大や新規参入を目指す農家や農業生産法人に提供。農地の大規模化を促す。農地集約は環太平洋経済連携協定(TPP)をにらんだ農業改革の柱の一つ。規模拡大を進めた生産者への所得補償上積みや、参入規制の緩和とあわせ、農業分野の競争力強化を進める。
 番組でも紹介がありましたが、日本の個別農家の農地面積は非常に少ない(確か1.9ha)。それに加えて、一家の農家が持っている農地があっちこっちに分散している問題がある。例えば結構田圃を多く持っている農家でもです。散らばっている。それが分散錯圃の問題です。この問題を解決しないと、日本の農業は競争力を持ち得ない。農地を借地を含めて流動化し、「おまとめ」を進めるべきです。農地バンクの構想は注目です。

 それから、私が先週のBRICsの衝撃89回で取り上げたのとほぼ同じ問題意識の記事が、今朝の朝日新聞の3面にある。「中東政変 背景に人口増」。数字はこちらの方が紙面が大きい分充実している。併せて読んでいただけるといいと思います。


2011年02月07日(月曜日)

 (11:25)昨日の各地での地方選挙の結果は、投票した人々の心の中に芽生えてきたもの、そしてそれが向かう先を朧気ながら予感させるものであり、それが日本の政治のランドスケープを変えていくだろうという意味で、かなり重要だと思う。そしてこうした投票者の動きは、ある意味で世界的な出来事とも連動していると考える。

 昨日の地方選挙は、愛知県、名古屋市や陸前高田市などでで行われた。その結果は、中央の政治の枠組みから見れば、かなり異様なものだった。既成政党がなすすべもなく負けたのである。日本の政治の地殻変動が加速しているを伺わせた。

 そこにあったのは、中央の政治を担当している既成政党への不信、それら政党が何も出来ないことに対する不満、閉息感をなんとか乗り越えようとする選挙民の気持ち、それに古い権力に繋がる人間への忌避となって現れている印象がする。

 それはチュニジアやエジプトで見られる「民衆の権力に対する対抗、反乱」と共通している面がある。チュニジアやエジプトは民主的な手続きがないが故に運動はああいう形を取ったが、今の国のトップ、その支配システムに対する不信という意味では、共通である。賛否、議論はるが、河村さんは明らかにその形を変えようとしている。選挙民はそれを拒否できなかった。

 ですから、昨日の日本の選挙を見ると、選挙民が特に厳しかったのは今政権を持っている民主党に対する目です。何よりも「民主王国」(2009年の衆院選で民主が全15小選挙区で議席独占)の異名まである愛知県で、民主党推薦の県知事候補、市長候補がともに敗北した。

 では最大野党の自民党が勝ったかというと、県知事選挙では同党を離党した無所属の大村候補が勝った。圧倒的な票差で。自党の知事推薦候補も大敗したという意味では、自民党も敗者。河村市長が元民主党、大村候補が元自民党というやや複雑なねじれはあるが、いずれにしても「党を離れたこと」で二人とも今の人気(得票)がある。独裁批判もなんのその、市民もそれなりきの覚悟を持ったことでしょう。

 日本の中央部の都市(県)で、日本の国政を担う政党が全く勝てなかったという意味合いは重い。かつ、党籍が明確な人も多い名古屋の市議会は、住民投票で解散、選挙のやり直しとなった。日本でリコール投票によって地方議会が再選挙となったのは初めてだそうだ。日本を代表する民主、自民という政党は全くの形無しだったのである。

 別の形での地殻変動の兆しも見える。全国紙ではあまり取り上げられていないが、小沢一郎氏が地盤とする陸前高田市で同氏が支持する民主党推薦の無所属新人で元県議の菅原一敏氏(66)が負け、無所属新人で前副市長の戸羽太氏(46)が当選した。

 強制起訴されてから初めての地元・岩手県での首長選だったが、小沢一郎氏にとっては痛手となったが、これは「強固な地盤」と呼ばれたようなものが、例え小沢一郎氏の選挙区でも崩れてきていることを示している。

 これは考えてみれば、ある意味当然な面がある。戦後ずっと地方は中央からお金をもらっていた。日本という国のシステムが、「まず国にお金を集める」「それを地方に分配する」という形になっていたからだ。

 しかし、それが国の財政難で従来ほど潤沢には出来なくなっているし、子供手当などは国がマニュフェストに反する形で「地方の負担」を求めている。既に「中央に付き従えば良いことがある」という時代ではない。また中央政界が「希望が持てない状況」を続ける中で、地方の有権者は「地方では異なる形での政治の実験をしよう」という選択を行った可能性もある。

 世界の大きな流れを読むならば、「既成(政党、長期政権などなど)」が新しい時代の変化を読めていないことが大きな地殻変動を引き起こしている。新しいメディアのパワーで、人々はいつでも新しい大義、理想のもとに結集する。チュニジアのベンアリ前政権もそうだし、エジプトのムバラク政権も、国民の多くが貧しいことは知っていながら、それで自分たちが非難される筋合いではない、と考えていた。

 そしてそこには実際に長期政権に繋がる汚職、賄賂、腐敗があって、現象的には警察官の若者に対する暴力、それをキャリーしたフェースブックなど新しいメディアの力が、政権崩壊かその一歩手前までの事態をいくつかの国で引き起こしている。

 日本では汚職、賄賂、腐敗がそれほどあるわけではない。しかし「既成政党」が国民のニーズの変化に対応出来ていないのは確かである。経済は減速し、地方経済の衰退は進み、収入は減少傾向にある。すべきことはある程度分かっているのに、それが出来ない。

 多様化するメディアへの発信を怠っていることもあって、政党が国民の信頼を失っているのは日本も同じである。今では大阪と名古屋では「“政党”はあるのか」という状態になっている。

 この場合の“政党”は既成政党を指す。名古屋でも大阪でも、新しい政治団体は出来ているので。ランドスケープは中央ではなく、地方から大きく変わりつつある。それが法的枠組み(例えば政党中心の小選挙区制)が違う中央でどう具現化するかはまだ分からない。

 名古屋は「民主王国」とも言われる状況だったのに、河村さんという個人が抜けただけであっという間に「既成政党がほとんど力を持たない地域」になった。この状態は名古屋、大阪のみならず他の地域に広がる可能性がある。変化は素早い。

 なのに、中央の政界では動きは遅い。どうせ遅いのなら日本の5年後、10年後を見据えた議論が行われても良いのに、それもない。故に、マスコミの政治が抱える諸問題への報道量が増えれば増えるほど、「しかし実際には(政治と政治家は)何をしているのか」と国民は不信感を募らせ、実際には「中央の政治の無能」を悟って、政治に関心をなくしているか、むしろ怒りを抱いている。

 今の日本の不幸は、明らかに地方政治の分野で新しい動き(善し悪しは別にして)が始まっているのに、中央の政治家の多くがその変化に気付かず、「中央の政治の停滞」が誰の目にも顕著になっていることだ。

 中央でも新しい世代の指導者は現れていないが、といって橋本大阪府知事や河村名古屋市長が直ぐに国のトップになれるかどうかには、システム的にも疑問を持つことが多い。いろいろな意味で日本の政治はねじれている。しばらくこれが常態になるかもしれない。


2011年02月06日(日曜日)

 (23:25)木曜日以来ですが、結構機会を見てはフェースブックに取り組んでいて、その間には映画Social Networkも見たし、本(Facebook をビジネスに生かす....)も読んで、やっと「ああこうなだ」と思えるところまで来ました。

 皆さんがどこに書き込んでくるのか、どのような状況で返信する気になるのか、それがどう発展するのか。ツイッターとの違いは明らかです。ツイッターと似たところもあるし、似て非なるものもある。ツイッターをミニブログと表現することが多いのですが、ブログ的なのはフェースブックのように思う。

 ツイッターもフェースブックもやっていない人に説明が難しいのは変わらない。しかしそれぞれ特徴があって、私にとっては両方とも面白い。両方とも大切にしたいツールだし、今後も新しいサービスというかツールが出てくるのではないでしょうか。

 それにしても、あの映画は最近ではインパクトが大きい。あそこに描かれたいたことは、つい最近の話です。何よりも印象に残るのは、ザッカーバーグの感性の高さと、一直線に思ったことに突き進むパワーかな。それ故に裏切りとかいろいろ出てくる。古い発想を引きずる人たちとの軋轢。

 ナップスターの彼がああいう形で出てくるとは思わなかったな。まあフェースブックのやり方は「絡め手戦法」のようなものです。学長としてサマーズ(役の俳優)が出てきたのには笑えた。

 なお、私のページはhttp://www.facebook.com/ycastercomです。


2011年02月04日(金曜日)

 (00:25)エッセイと番組のお知らせです。まず伊藤洋一の『BRICsの衝撃』では、「“人口問題”抱えるイスラム世界 エジプトで長期政権が崩れたワケ」がリリース。今週初めに書いた文章です。最近このコーナーではベトナムを連続して取り上げていましたが、今もっともホットな話題を2〜3回ほど取り上げます。新しいレポートも出ましたので。

 次は「世の中進歩堂」です。BSジャパンの午後10時24分から。“日本全国・進歩発見の旅”はまだ続いていて、今回は『複数の音を聞き分ける聖徳太子のようなロボットが登場!』をお送りします。

 聖徳太子ゆかりの地、京都で誕生した驚きの最新技術を今回は紹介。京都大学奥乃研究室では、なんと聖徳太子のようなロボットが開発されたという。複数の人の声を聞き分けたという聖徳太子のように、同時に発せられた人の声や音を聞き分けることができるロボットなのだ。

 さらに奥乃研究室では、音の聞き分けに関する様々な研究を行っている。音を聞き分けるソフトやシステムを開発し、様々な分野で役立てようとする“聖徳太子コンピュータ”。その全貌に迫ります。


2011年02月03日(木曜日)

 (11:25)ツイッター(ycastercom、http://twilog.org/ycastercom)より遙かにFacebook(ycaster、http://www.facebook.com/ycaster)の方が複雑系でなかなか理解できないのですが、この事態を打開するために、「ファンページ」なるものを作ってみました。

 今までは「コミュニティページ」の名称だったのですが、どうも位置づけがよく分からなかった。フェースブックの本を読んでも、ファンページについては記述があるが、コミュニティページに関しては記述があまりない。

 実はこのところの私にとっての一つの悩みは(嬉しいことですが)、facebook 上で「友達リクエスト」を本当に数多くいただくことでした。一日で結構な数になる。facebook はその成り立ちから言って、小さなサークルがスタートです。

 しかし最初からHP(http://arfaetha.jp/ycaster/http://www.ycaster.com/)やツイッターで名前を公表している身としては、「ではfacebook ではここまでの方と」とは割り切れない。本も出しているし、テレビ、ラジオの番組もある。

 そこで、いろいろな人のアドバイスもあって、おこがましい名前ですがfacebook上に「ファンページ」というシステムがあり、それが私のニーズに合いそうなので、それに一部移行することにしました。

 気恥ずかしくて今まで「コミュニティページ」の名前にしていたのですが、さっきも書いたとおり位置づけが曖昧でした。今まで「コミュニティページ」だったものを、名称変更しただけなので本来のものとはちょっと違うかもしれません。そしたら直します。

 今朝とりあえず写真を37枚ほどアップしておきました。実は私はいつも「管理ページ から自分のサイトに入っているので、管理権限のない方々が見るとどうなっているのかは分からないのです。

 しかしグーグルで、「伊藤 洋一のファンページ」と検索すると、「伊藤 洋一のコミュニティーページ」という名前で(ついさっき名称変更したばかりなので)で上から4番目くらいには出てくるので、それで見られると思います。まあ、試行錯誤ですわ。私のファンページのURLは今短縮方法を教わって、http://www.facebook.com/ycastercomとしました。

 ところで、私が編集長をしている月刊CD「ビジネスボイス」は、日刊工業新聞社さんの後押しもあって、たいそうおもしろいものになっています。是非ご覧ください。今回はこの社長さんの話が特におもしろい。私も笑い、頷きました。


2011年02月02日(水曜日)

 (13:25)昨夜というか、今朝は劇的な展開でした。

 夜比較的早目に寝たら、喉が渇いて変な時間に目が開いた。自然体ですから、また眠ろうなんて努力しない。そこで最初締め切りが迫っていた原稿を書いていたのですが、それがエジプトがらみだったことから、「今どうなっているか」が気になった。

 テレビでCNNを見ていたが、どうもとろい。CMが入りますから。そこでネットでアルジャジーラのライブustream も見たら、どうやらムバラクが間もなく国営テレビで声明を出す、というところまで事が進んでいた。

 確か「solution」という単語を英語放送は使っていた。まあ「退陣」でしょう。カイロに100万人もの人間が集まって夜10時を過ぎても大声で「即時退陣」を迫っている。しかしアメリカのオバマが「次期大統領選挙には立つな」とムバラクを説得している、という情報も出てきた。

 「これは退陣といっても即刻じゃないな」と予想できる。ではいつか。「次の選挙」と言っているので、「それはいつか」という問題になる。実は、ずっとツイッターにいろいろ情報を書きながら事態の推移を注視していたのです。ツイッターのリスポンスが一番早い。いろいろ情報交換できるから便利なんです。世界中に参加者がいるので。私の場合、フェースブックのそれより、ツイッターの友達の数の方が遙かに多い。

 最初「選挙は11月では」と教えてくれた人がいた。しかしCNNやアルジャジーラを聞いているとどうやら9月なのです。そうした情報を交換しながら。ツイッターは最新の動きをツイートすると、必ずレスポンスがある。これがいい。

 でも「9月」と言えば今から8ヶ月も先。「即刻退陣」と言っている人々との主張とはやはり大きく乖離する。その段階では、「もしかしたら、ムバラクは大統領選挙の前倒し」を表明するかもしれない、と一瞬思った。

 そのうち始まったのが、録画したムバラクの短い演説です。英語の通訳の声が小さくてあまり聞こえないが、要するに「9月まではやる。自分は今度は立候補しない....」「権力の秩序だった移行に努力する」とか言っている。

 街頭に繰り出している人々も、寝たり食べたりしなくてはならない。だから深夜になれば一応解散ということになるのでしょう。問題は、ムバラクサイドが一応の「収集策」を出したので、それを民衆側が飲むかどうかです。「即時」と「8ヶ月先」では大きな違いがある。その間に軍がどう動くか分からない。

 しかし、群衆の側には「一体指導者は誰?」という問題があるらしい。エルバラダイ氏の名前がよく出てくるが、若者が圧倒的に彼の名前を叫んでいるわけでもなさそうだ。そうすると、ムバラクを追い出しても直ぐに若者が満足するような指導者が出てくるわけでもないかもしれない。

 DAY8まではものすごく盛り上がっていた。ムバラクが条件を提示した今後は、DAY9とか今週末とかで再び「即刻退陣要求」で盛り上がれるかどうかがポイントでしょう。そりゃ、世界中の関心の的ですよ。エジプトが小康状態になれば、他のアラブ諸国への波及は少し緩やかになるかもしれない。

 しかし再び「即刻退陣」の要求が高まって、実際にムバラクが9月を待たずに退陣させられたら、この動きは他のアラブ諸国には燎原の火のように広がる可能性がある。ニューヨークなどの株価が落ち着いたのは良いが、原油も上がってきたし、まだ当面エジプト情勢は最大の関心事項です。


2011年02月01日(火曜日)

 (14:25)CPUや回線速度にもよるのですが、エジプト情勢を見る一倍良い窓は、http://english.aljazeera.net/(アルジャジーラ英語放送)です。今のところ。サイトの右側のustream が一番カレントに近い。

 エジプト政府がアルジャジーラの国内からの中継を一時禁止したことで分かるとおり、また今のところ「事が中東で起こっている」こともあって、やはり中東の報道機関のエジプト報道が一番詳細です。

 エジプト軍は31日に今の市民の動きを正当なものと評価して、「(デモ隊や市民に)銃は向けない」と言っている。どうやら今から100万人デモが行われるようです。この一両日中に「ムバラク追放」という方向では市民運動は成功しそうな雰囲気。

 問題はその後です。打倒を叫ぶことでは一致した動きを示す勢力も、一皮剥け諸勢力の寄り集まり。イスラム同胞団もいれば、引き続き世俗的政権を望む勢力もある。エルバラダイさんがどの程度の指導力を発揮できるかも不明。明日の朝には何か動きがあるかもしれない。

 日本のサッカー選手が次々とヨーロッパの有力チームに移籍している。岡崎、長友などなど。長友はインテルと。すばらしい。実際に今回の大会でも長友の活躍は刮目だった。決勝戦への岡崎へのクロス、そして李へのクロス。

 次々に日本からいなくなるのは寂しいが、世界で活躍してほしいと。そのうち本田にも動きがありそう。ヨーロッパ→ヨーロッパの動きも顕著ですが。

 ところで、29日深夜に放送されたテレビ朝日系のサッカー・アジア杯の決勝「日本対オーストラリア」(同日午後11時54分〜30日午前2時40分)の平均視聴率(関東地区)は、33・1%だったことが31日、ビデオリサーチ社の調べでわかった、というニュースを見ながら「地上派だけでこの数字か」と思いました。

 というのは、私がBS放送で見ていたからです。そういう人はいっぱいいると思います。ということは、実際にあの試合を深夜にもかかわらず見ていたのは、実は日本人の半分近くに達したと言うことか、とも思う。。

 凄いことです。



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