2011年06月30日(木曜日)

 (02:45)iphoneでこまめにアプリがアップデートできるのに慣れると、windows で突然「service pack」のような大きなファイルのアップデートが来ると、ちょっとどぎまぎしますね。久しぶりで。

 まだマシンとしてはwindows の台数の方が多いのですが、日常的に情報をチェックするという意味では、iphone ipad 依存度が高いので、慣れとしてはマック系になってきている。しかし入力はやはりPCです。windows も使いますが、mac airも入力マシンとしては優秀です。

 ナビでも思うのですが、必要なアップデートは簡単な手順で出来るようになって欲しいと思っているのです。ナビなどはディーラーに持って行かないと、新しい道さえ教えてくれない。あれはおかしいでしょう。日本の道路は依然として増えているので。

 大部分のwindows 7のマシンで、今回のサービス・パックはそのまま入れると長い時間がかかったあとで、「アップデートが完了しませんでした」と出てくる。これはしゃくに障るのです。

 で今日ロケに一緒に行った製作サイドの友人も、「出来ない」と悩んでいたので、ツイッターで聞いたら、このサイトから、「システム更新準備ツール」のサイトに渡る方法を教えて頂いた。32か64を確認してダウンロードするのですが、これもちょっと時間がかかる。windows は何やかやと時間がかかる印象。

 昨日は暑かったのに外ロケで疲れたので、一回寝て今全windows マシンのサービスパック更新を終えたところです。時間がかかる。セキュリティー・ソフトを一時的にオフにするという方法などもありそうで、「その方法が良い」と教えてくれる人もいましたが、今回は「準備ツール」で行った。

 ま、ソニーの例ではないがコンピューターネットワークのリスクはどこにでもある。時間がかかっても、その都度最新のソフトを入れておかなくてはいけないんでしょうね。ちょっと面倒ですが。


2011年06月29日(水曜日)

 (10:45)火曜日の昼間は、まだ行けていなかった大阪駅の「ルクア」を上から下まで足早に見て回りました。どんなお店が入っているのかと。

ロケバスの中で。音声の北野君は口を開けて爆睡。わかる....  知らない店も多くて、楽しかった。人も多かったですね。アーバン・リサーチという店にちょっと気になった七分袖があったので、それを買って。東京の専門店街と何か違っているかと思ったのですが、あまり違いは気づかなかった。その後三越伊勢丹にも行きましたが、レストランはどえらく込んでいました。その他は人影が少ない。

 改めて感じたのは、「女性パワー」。だって並んでいるのは95%女性。たまに奥様に連れられて濡れ落ち葉的男性がいらっしゃるが、それらの男性の顔はどこかおどおどしていて、積極性がない。

 きちんとした格好はしているが、平日の昼間に買い物しているという気楽さはない。むしろ、気兼ねして歩いているような気がするし、格好もよそ行き。その辺が、男性ファッションの限界なんでしょうね。

 帰りは三越伊勢丹の電気タクシー乗り場を使ってみようと思って2階に行ったのですが、タクシーが一台もいないし、来ない。少し待っていても来ない。一緒に並んだ女性(知らない方でした)と、「どうなっているんでしょう」と嘆き合った。

 結局本当に来ないので、一階に降りてやっとタクシーを拾いました。あれじゃいかんぜよ、三越伊勢丹さん。折角三越伊勢丹から電気自動車タクシーに乗りたかったのに。

 今日は朝大阪から移動して、「地球★アステク」の取材で、埼玉県南埼玉郡宮代町の日本工業大学にお邪魔しています。温泉発電、鳥翼型風力発電など、私にとっても初めての話題満載。楽しみです。

 ところで写真は、羽田から埼玉県への移動のロケバスの中で爆睡する北野君です。音声さん。ははは、分かる。


2011年06月28日(火曜日)

 (14:45)昨日の菅首相の記者会見を見ていて、「私を含めて日本の選挙民は結構難しい選択を迫られるかもしれない」と思いました。新聞には、菅首相がやっと「辞任の三条件」を明示した、となっている。しかし、そうだろうかと私は思うわけです。

 三条件とは、第二次補正予算、特例公債法案、それに再生エネルギー法案の三つで、菅首相はそれらの「成立」が辞任の目処だと言った。私の記憶だと岡田幹事長はずっと再生エネルギー法案については、「採決」が辞任の条件だと言っていたが、菅首相はそのハードルを上げた。

 これらの三法案が今の与野党の、というより菅首相と野党の不信頼関係の中で、すんなり通るとは思えない。浜田議員(参議院 自民)を一本釣りした経緯を考えると、メンツもあって自民党は二次補正以外の法案には抵抗するでしょう。

 ということは三条件を明示したようで、菅首相はその三条件が満たされる環境が整うのを自ら注意深く破壊しているとも思える。岡田、仙石、安住各執行部との確執も最近になく高まっていると言われる。今回の人事も殆ど相談なしだったと言われるから、菅首相の「非組織人ぶり」には磨きが掛かったと言える。

文章とは全く関係ありません。今朝大阪で見つけた面白いオブジェ。私が「壁を登る豚」と名付けました。  普通の人間ならこれだけ世論からも自分の党の要人からも叩かれれば、「それでは仕方ないので」となる。しかし、どうやらずっと非組織人である菅首相には、「違う常識」があるようだ。それは、常に苦境にいる状況(社会運動から小政党)の中で「どう切り抜けるのか」という菅的、経路依存的な発想だ。

 それを考えると、確実に私は彼の頭の中には「解散」があると思う。しかも小泉流の「一点争点の選挙」を。それは、例えば「日本から原発をなくそう」「日本を再生エネルギーの国にしよう」などかもしれない。いずれにせよ、選挙(もしあれば)では日本のエネルギー(源、電力を含めて)をどうするのか、を問うことになる。

 となると、例えば浜岡を止めたことについては世論は「評価」が多い。反原発の世論が当然強いからだ。しかし菅首相個人に対する国民の評価は低い。もし彼が、「私に賛成することは原発を止め、再生エネルギーの国に日本を導くことにつながる」と言った場合に、さあ投票者がどうするかです。

 たとえば、民主党と国会勢力で競っている自民党が、明確なエネルギー政策をもっていれば、その政策と菅政策の対決という形になって、それは争点が明確化する。しかし今の段階では、自民党の再生可能エネルギーと原子力の関係(時間軸を入れた)にかかわる考え方は明確とは言えない。

 とすると、国民は考えてしまうわけです。「菅さんは嫌いだし、指導力もない」「しかし、今のままの曖昧なエネルギー政策を自民党に任せるのも」となる。これは多くの真面目な日本人にとって、結構悩む問題だと思う。

 そうした事態になるのを避けるためには、最大野党である自民党が今まで自分達が進めてきた原子力政策をどう見直すのか、再生可能エネルギーをどう位置づけるのか、日本の電力供給の時間軸的変化をどう見通すか、電力の効率的利用をどのように現実のものにすべきか、など非常に重要なそれぞれのテーマについて今から固めておいて、菅首相の「一点突破」の戦略にどう対応するか準備する必要があるように思う。

 それはむろん、民主党にも言える。何につけ意見が割れる民主党も、実は日本の今後のエネルギーや電力をどうするかの明確なアイデアはない。ということは、今度菅首相が「選挙」を国民の前に持ち出したときには、二つの政党とも「右往左往」ということになりかねない。小泉さんの時がそうだったように。

 「非常識人」「非組織人」たる菅首相は、もしかしたらそこまで考えている可能性がある。今の日本の首相の権限の中には、そこまで事を運ぶ力がある。それはまた、そうなったときに国民一人一人が「どうするか」考えておく必要がある、ということだが。


2011年06月27日(月曜日)

 (23:45)午前中から午後の早い時間は、日野市のGEヘルスケア・ジャパンでインタビューの収録。工場、研究所など本格的な取材は30日に行うのですが、社長さんの川上さんの都合が付かずに、インタビューだけは今日になった。

 私は以前から、「日本の企業はなぜGEのように医療の分野に本格的に進出しないのか」という思いがあって、このインタビューは楽しみにしていました。詳しくは7月中に放送される番組で見ていただきたいと思っているのですが、「イマジネーション」「ソート(thought 思い)」「silver to gold」などのキーワードが出てきて、面白かった。川上さんのしゃべりの歯切れも良かった。

 今までの基準からは想像を超える小型の高性能機器が登場したりして、30日の取材が楽しみです。とにかく、高齢化が世界のどこよりも進む日本にあって、この企業が非常に積極的に医療に取り組んでいる姿が印象的だった。この番組で、「GEの日本におけるイメージ」は変わるのではないでしょうか。私もインタビューでGEの企業イメージを変えましたから。

 それから今週木曜日の地球★アステク(毎週木曜日BSジャパン 午後10時)は開始以来3ヶ月間の総集編です。番組が始まったばかりは見ることが出来なかったという方は、是非今週の総集編をご覧ください。面白いですよ。

 インタビューはすごくうまく行ったのですが、その前後の交通は酷かった。渋谷を午前10時半にロケ車で出たのですが、中央道は調布以降は通行止めと。ネットで何があったのか調べたのですが、わからない。迂回したので時間がかかりました。

 インタビューを終えて私は用事があってスタッフより一足先に豊田から電車に乗ろうとしたら「吉祥寺駅で人身事故」。当然電車は止まっていました。ま、それほど時間が経たずに動き出しましたが、「道路も電車も」と。うーん、行きでは電車、帰りは車だと難を逃れたのでしょうが。

 ま、日本の交通機関の中では、私の感覚だと「新幹線」が一番確かですね。今日も午後6時発に乗りましたが、快適でした。そのうち中国の新幹線にも乗りたい。最近で他国の新幹線と言えば、スペインのaveかな。正月に乗りました。


2011年06月26日(日曜日)

 (23:45)日曜日はゴルフで富士山麓にいたのですが、天気が朝の雨上がりの曇りから、その後ゆっくりと晴れになる中で、富士山周りの雲が非常に大きく、かつ激しく変化して、それを写真に撮ってフェースブックに二枚アップしたら、「非常に珍しい」と多くの人がコメントと「いいね」をしてくれたので、今日はそれをアップします。

最初かさ雲と教わりましたが、正確には”吊し雲”と言うらしい  まず最初の写真。やや怖い感じのする写真ですが、午前9時頃に撮った写真です。富士山を右手に見て、左手に幾重もの渦巻きのような雲がかかった。非常に珍しい光景なので、プレートを続けていたのですが、地元に10年ほど生活し、仕事をしている人に聞いたら、「珍しい。あれは”かさぐも”だ」と教えてくれた。

 珍しいとは私も思ったし、名前まで付いているのならと思ってiphoneで撮った写真がこれです。おぞましいというか、何かを予兆するような怖い雲という印象もしたし、しかし「これは自然の驚異だな」という印象もした。

 プレーの途中で時間を見つけて撮影(瞬撮なので助かる)し、アップロードしたのですが、最初フェースブックの私のサイトに「傘雲」と紹介してしまった。しかししばらくして疑問に思ってメンバーに、「”かさ”は傘 ? それとも笠?」と聞いたら「笠」だと。三度笠ですわ。

 もうそのときはコメントと「いいね」がいっぱい来ていたのですが、コメント返しで「笠雲」と訂正。その間にも、雲の形は刻々と変化していた。まあ全部を撮るわけにはいかない。形状が一番くっきりしていたのは、上の写真です。他にもありますが。

 しかしそれはどうやら、正確には「吊し雲」だったようです。私も調べたし、フェースブックにコメントをくれた富士山の雲に詳しい人もそう指摘してくれた。富士山の上に出来るのが笠雲。

 それから2時間ちょっとくらいしてまた富士山(いえ、常に気にしていたのですが)を見たら、今度は二番目の写真のように富士山をやはり右手に見て左手にブーメランが2個といった、今度は明るい雲に変わっていた。キャディーさんや地元の人に、「あれはかさぐもが崩れたやつですか」と聞いたら、「自信なさそうに”そう”」と答えてくれた。ま、綺麗だしまたカシャ。ブーメランが2個のような。これも吊し雲? それともこれが吊し雲

 今度は。明るい写真になった。ブーメランを2個投げたような。撮ったのは確か午前11時25分くらいだったと思う。プレーが途中やや詰まって、昼が午前11時30分開始で、その直前に撮ったので。「今日は2枚もいい写真が撮れた」と、そちらの方が満足。ははは。

 しかし、ずっと「かさ雲」とは「聞いたことがある」と思っていて、家に帰って自分のサイトを調べてみたのです。そしたら、2009年12月09日のday by day に「笠雲」の記述があって、「ここ」とリンクまで張ってあった。

 iphone で写真を撮ったら残るはずなのに、「ないのはおかしい」と思ったら、その頃はiphone を持っていなかった。自分の文章をよく読んだら、「その時は撮れなかった」と書いてある。多分ガラケーしか持っていなかった。それじゃ仕方がない。

 しかし、「笠雲」で調べても、ネットには「このサイト」のようにいっぱい写真がある。当然ながら、写真は二枚と同じものがない。富士山は刻々とその姿を変えていますから。そういう意味では、私が撮った2枚の写真も、なかなかいい写真だなと、ちょっと自分で満足。

 簡単に瞬撮が出来るようになって、最近は面白い写真がいっぱい撮れる。これがまた楽しい。このサイトをご覧の方々は、私が撮った2枚の写真を堪能下され。富士山も綺麗だが、単独峰のそれが巻き起こす雲もまた面白い。


2011年06月25日(土曜日)

 (06:45)写真の品物の数々。なんだと思いますか。これらは皆、プチベールという新しい野菜を使ったお菓子です。

プチベールを使って新潟市秋葉区のお菓子屋さんが作ったお菓子の数々 いただきました  昨日伺ったのは、新潟県新潟市の秋葉区。合併前は新津市。そこの商工会議所に頼まれて講演に行ったのですが、駅から会場に向かう車の中で、迎えに来てくれた方などと話していて、「産業は何ですか」(私)に対して「プチベール」の話が出てきて、それでもう盛り上がってしまった。

 私が最初にプチベールを食べたのは、西麻布のキッチン5でだったと思う。2年前くらいかな。いためて使っていて、「これは何ですか」と聞いたら、「新しい野菜よ」「芽キャベツ」というのが答えだった。

 旧新津市に来て「へえ、ここで作っているのか」というのが第一印象。プチベールはアイスプラントと並んで、東京などのスーパーなどでも売られ始めた新しい野菜(ケール+芽キャベツ)。ま、オリジナルの芽キャベツに似ている。プチベールは「小さな緑」(フランス語で)の意味らしい。

 キッチン5で食べたときに食感が良かったので、私の直感としては日本食に取り入れるなら春野菜が出る前の冬に、天ぷらに使えるのではないかと思ったのですが、ここでは「【新潟】「プチヴェール」で地域を元気に! 」で示されているように、お菓子を作っているという。

 発想としては「ユニークだな」と思い食べてみたら、美味しい。しかし次に思ったのは、「宣伝不足?」。だって、私も初めて聞きましたから。「天ぷらのアイデアもいいのでは?」ともずっと思っていた。会場の全員にアイデア披露もした。「(アイデアを)頂きます」と地元のトップの方が。

 私は自分の考えを是非取り入れてもらいたいと思って、最近は天麩羅屋さんに行くと、「プチベールは如何ですか?」「入れてくださいよ」と言っているのです。過去2年くらい。まだ取り入れてくれたところはない(と思う。試してくれたところはある)。

 ま、天ぷらで使われる野菜は、春を中心に決まっていますから。しかしプチベールもちょっと苦みを出せれば、春野菜に負けないと思いますが。天ぷらはやはり春野菜のそれですよ。

 でも、地域が何かをとっかかりに何かを始めるというのは、良いことだと思いました。私もしばらく、「小さな緑のお菓子」を応援しようと思っています。昨日は早速、帰りに寄ったレストランの従業員の方にお裾分けして、食べてもらいました。


2011年06月24日(金曜日)

 (11:45)今週のびっくりと言ったら、ドル・円相場の奇妙な安定でしょうか。これを書いている時点までのことですが、私の記憶では今週は80円00銭から81円00銭の非常に狭い範囲にはまって出ようとしない。

今年はシベリア鉄道に乗れそうです  いかにドル・円に関してポジションがないか、いや円相場全体についてポジションが小さいかが示されている。ま、動かない通貨は余計動かなくなる、の典型です。ベースとしては、他通貨で円にかかわるポジションも結構あると思うのだが、そうしたポジションもあまり短期の上げ下げでは動かない種類のもの(たとえば長期投資)なんでしょうね。

 世界経済そのものは動きが激しい。一時の楽観論は消えて、先進国、途上国ともどうなるのだろう、という懸念が強い。ま、心配すべき事がない経済なんてのはあり得ないのですが、それでも今の世界経済はやや不安定です。

 次のびっくりと言えば、金曜日に「さあ新潟」と思って東京駅の20−21番線で列車の掃除が終わるのを待っていたら、嶌信彦さんが向こうから。いつも新幹線移動していても、それほど知り合いとホームで会うわけではない。嶌さんとはつい先頃スタンバイの祝勝会で会っばかりだったので。

 ちょっと楽しみなのは今年の夏は、写真の列車に乗れそうなことです。まだ正式決定ではないのですが、去年のチベット青海鉄道に続いて、「鉄道」が旅の中心に座りそう。

 正直、ロシアはまだ行ってない国のなかで、「行きたい国」の筆頭です。あとはペルー。まだまだ行かねばならない国がたくさんある。チベット青海鉄道は24時間ちょっとの乗車でしたが、シベリア鉄道は長いですよ。たぶん3日くらいは乗りっぱなし。ははは。

 ところで、その南の中国に関しては、今日の夜10時45分からの「伊藤 洋一のRoundup World Now」を是非お聞きください。

 ご推察の通り、富士通総研の柯 隆さんを招いた「中国スペシャル」です。対談していて吸い込まれるほどおもしろかったな。次の中国の指導部体制に関しての、日本でまだ報じられていない動きも聞けます。

 中国に関心のある人は、お聞きのがしなく。もっとも、ポッドキャストであとで聞くことも可能ですが。


2011年06月23日(木曜日)

 (14:45)私が関わっているテレビとラジオの番組とエッセイのお知らせです。テレビ番組は、「地球★アステク」で、今回は「魔法のボールペン!誕生秘話」です。今日の午後10時BSジャパンです。

 名古屋は日本のへそであると同時に、日本の製造業の中心地です。そこで育まれた「消えるボールペン」が今回のテーマ。訪れたのは名古屋市昭和区にあるパイロットインキさん。この地から、「消えるボールペン」として世界で累計3億本の売り上げという大ヒット商品が生まれた。

FM東京ビルの玄関で、来日中のガガのポスターとともに  その製品群の名は「フリクションシリーズ」。今までのボールペンの概念を打ち破った。その核心は、メタモカラーと呼ばれる温度によって色が変わる新しいインキのテクノロジー。

 メタモカラーに隠された微細な驚くべきテクノロジーとは何か?その秘密に迫るとともに、メタモカラーのさらなる進化を紹介します。このボールペン、私も使っていますが実に使いごこちが良い。書き直しが効きますから。

 ラジオは、今日の午後6時45分から「東京FM タイムライン」です。今日のテーマは、「非言語コミュニケーションの可能性」です。私もよく知らなかったのですが、「お絵描きがもっと楽しくなる場所」というコンセプトで、イラストを自由に発表し、コミュニケーションするSNSとして急成長した「pixiv」などを取り上げます。

 この新しいSNS。現在会員数は320万人、24億PVを誇っているという。人気の理由は、自分が描いたイラストを発表する時の敷居の低さに加え、気に行ったイラストに評価やコメントができたり、タグを付けたりとすべてのコミュニケーションの中心にイラストがあることだそうだ。

 こうした「pixiv」や動画SNS「color」写真共有SNS「instagram」など、なぜ今「非言語SNS」が増えているのか。「非言語」が究極のハッピーなコミュニケーションを生むのか? を考えます。

 それから、エッセイはECO JAPANのサイトに今朝早朝からアップされた「ベトナム経済の弱点、資本と技術の外資頼み」です。

 引き続きベトナムを扱っています。高成長が望まれ、日本の投資家からも期待の高いベトナム。しかし色々な問題に直面している。今回は資本や技術の海外頼みを取り上げました。
 


2011年06月23日(木曜日)

 (09:45)予想以上の米景気の鈍化を認めながらも、6月末のQE2の完了計画は変えずに、しかしFF金利の水準は今までのまま低い水準に維持することを決めたFOMCでした。

 景気が鈍化したにもかかわらず「新たな措置」「QE2の継続」を決めなかったのは「今の景気の予想を上回る鈍化は一時的である可能性が高い(likely to be temporary)」と判断しているため。

 FOMCは景気の先行きにも、商品相場の上昇についても楽観論を崩していない。「鈍化」と「上昇」は一時的だと。それは一つの賭だが、FRBは自信があるように見える。財政が出動できない今は金融にかかる負担は重いはずだが、「The Committee will monitor the economic outlook and financial developments and will act as needed to best foster maximum employment and price stability.」として将来の政策変更の可能性を残しながら、既定方針の維持を決めた。

For immediate release

Information received since the Federal Open Market Committee met in April indicates that the economic recovery is continuing at a moderate pace, though somewhat more slowly than the Committee had expected. Also, recent labor market indicators have been weaker than anticipated. The slower pace of the recovery reflects in part factors that are likely to be temporary, including the damping effect of higher food and energy prices on consumer purchasing power and spending as well as supply chain disruptions associated with the tragic events in Japan. Household spending and business investment in equipment and software continue to expand. However, investment in nonresidential structures is still weak, and the housing sector continues to be depressed. Inflation has picked up in recent months, mainly reflecting higher prices for some commodities and imported goods, as well as the recent supply chain disruptions. However, longer-term inflation expectations have remained stable.

Consistent with its statutory mandate, the Committee seeks to foster maximum employment and price stability. The unemployment rate remains elevated; however, the Committee expects the pace of recovery to pick up over coming quarters and the unemployment rate to resume its gradual decline toward levels that the Committee judges to be consistent with its dual mandate. Inflation has moved up recently, but the Committee anticipates that inflation will subside to levels at or below those consistent with the Committee's dual mandate as the effects of past energy and other commodity price increases dissipate. However, the Committee will continue to pay close attention to the evolution of inflation and inflation expectations.

To promote the ongoing economic recovery and to help ensure that inflation, over time, is at levels consistent with its mandate, the Committee decided today to keep the target range for the federal funds rate at 0 to 1/4 percent. The Committee continues to anticipate that economic conditions--including low rates of resource utilization and a subdued outlook for inflation over the medium run--are likely to warrant exceptionally low levels for the federal funds rate for an extended period. The Committee will complete its purchases of $600 billion of longer-term Treasury securities by the end of this month and will maintain its existing policy of reinvesting principal payments from its securities holdings. The Committee will regularly review the size and composition of its securities holdings and is prepared to adjust those holdings as appropriate.

The Committee will monitor the economic outlook and financial developments and will act as needed to best foster maximum employment and price stability.

Voting for the FOMC monetary policy action were: Ben S. Bernanke, Chairman; William C. Dudley, Vice Chairman; Elizabeth A. Duke; Charles L. Evans; Richard W. Fisher; Narayana Kocherlakota; Charles I. Plosser; Sarah Bloom Raskin; Daniel K. Tarullo; and Janet L. Yellen


2011年06月22日(水曜日)

 (18:45)もちろんこれで梅雨が明けたということではないでしょうが、久しぶりの晴れで本当に気持ちがよい。暑かったですが、あの長期間の垂れ込めた雲の下で暮らすのはウンザリ。

22日の昼前の富士山 靄がかかっていた  9時過ぎに大阪を出るときからちょっと晴れ気味でした。しかしもやがかかっていて、それは富士山が見える沼津に来ても同じ。ところが東京に入ったら、非常に鮮明に晴れていた。沖縄に続いて奄美諸島が梅雨明けと。

 一方では昨日東北地方が梅雨入り、と。日本列島は長い。「梅雨明け」と言えば、アスレチックスの松井が昨年9月以来の守備で出場した、と。打撃も好調になってきたし、日本の本土よりは一足早く。いいね。

 ニュースによれば、「3回は左中間への深い当たりを走りながら捕って、うれしそうな表情」と。「守備範囲は昔より少し狭くなっているかも」と話していたそうだが、「その後もフェンスにぶつかりながら邪飛を捕るなど、好守を見せた」と記事には書いてある。

 今年は「どうかな」と思っていたのですが、阪神のアニキよりはまだまだ若い。「やれる」と思っていたので、ナイス。石川遼君も後半のラッシュで「梅雨明け状態」での帰国。

 明けないのは、日本の政治か。困ったものだ。


2011年06月21日(火曜日)

 (18:45)面白い一日でした。朝のテレビを終えたあとも、長めの原稿に追われて日中ずっと書き物をしていたら、「ちょっと頭が重い」という状況に。そのまま夕方のテレビはきついと思ったら、あにはからんや終わったら体調が良くなっていた。

 ゴールド・アンカーでめちゃうまいものが出たのと、中味も面白かったから? いや「うどん餃子」、それにご主人と奥様が出てこられた「川柳」さんのまぐろ丼がメチャ美味しかったのです。

 ともに番組の中で完食してしまいました。「うどん餃子」と聞いて最初「あり得ない」と思ったのですが、それが目の前に出てきて熱々で食べたら美味しい。将来は、B1グランプリに出場も検討とか。「まぐろ丼」は関東で言う「漬け」よりも処理をせずに新鮮なまままぐろの肉を出している。ほんとにビール、最低お茶は欲しかったのですが、そうはいかない。

 番組の相方の国定先生が那智勝浦の観光大使になられた。それと関連して番組のテーマは「完成 ご当地マップ」というテーマだった。ま、いろいろな街が「街興し地図」を作って、それがかなり魅力と効果を発揮し始めている、というのがポイント。

 ほんとににそうですよね。地図は私たちの回りに以前よりは非常に多く存在する。iphoneやipad などは地図だらけ。それがまた役立つんですよ。フェースブックの「スポット」ではないが、位置情報も重みを増す中で、おそらく今後の情報戦では「地図」が一つのポイントなんでしょうね。いろいろなものにとっての。


2011年06月20日(月曜日)

 (18:45)新幹線で東京から新大阪に向かっていますが、ずっと「分厚い雲」が空を覆っている。実に分厚い。「梅雨」で当然という見方も出来るでしょうが、これだけの雲を日本列島の上にびっしりと敷き詰めるパワーもなかなかのものだ。

 日本の国土に占める森林比率がフィンランドに次いで世界で二番目に高いのは、こうした雲がもたらす雨による。雨は集中すると豪雨となって悪さをするが、その一方で膨大な水分をこの国土にもたらす。大筋では「天の恵み」に感謝しながら、しかし「雨対策」にも知恵を絞る、ということなんでしょうね。

 ところで、今日嬉しいニュースと言えば、世界のスーパーコンピューターの性能を集計する「トップ500プロジェクト」が20日に発表した最新ランキングで、富士通が開発する次世代スパコン「京」が世界首位となったことでしょうか。

 日本のスパコンが首位となるのは2002年6月から04年6月まで首位となったNECの「地球シミュレーター」以来だそうです。私の記憶では、日本のスパコン事業からは次々と大手メーカーが抜けて、確か富士通だけが政府とのスパコン事業を行っていた。ナイス。

 「京」はそう遠くない時期に理化学研究所に納入予定だそうで、2012年に10ペタ(ペタは1000兆)フロップス(1秒当たりの浮動小数点演算回数)の性能実現を目指すという。ま、私にはそれ以上の事は分かりませんが、以前気象予報士の方が「天気の予報でも、スパコンに依存する部分、スパコンで進んだ部分がすごくあるんですよ」と言っていたのを思い出す。

 頑張れ、日本のスパコン事業、頑張れ富士通。


2011年06月19日(日曜日)

 (23:45)久しぶりに日曜日夜のテレビ番組に出ました。「いま世界は」という番組で、BS朝日の日曜夜7時から1時間54分の出演でした。

 私が出ていた当時に「やじうま」のMCを担当していた小松君がBSの日曜夜の番組に移ったことは知っていたのですが、今までは忙しくて「どれだろうな」と思っていた。先月は誘われたもののその日が親父の七回忌と重なって出られなかった。今月改めて今日に誘われて出て、「なかなか面白い番組だな」と思いました。

 むろんストレート・ニュースも拾うのですが、テーマを二つくらい決めていつもストレートから漏れている世界の話題を拾って、それを掘るという構成になっている。今週は「世界遺産」「(wikiで見た)世界一有名な日本人」の話。

 最初の話題は予想(平泉や小笠原諸島で)が付くと思いますが、後半は「えっと」と考える人が多いのではないでしょうか。「水木一郎」さんという方です。持ち歌1200曲という日本アニメの主題歌を歌い続けている方。マジンガーZなどなど、数え切れない。

 基準は、「何カ国語のwikiに登場するのか」という点で、水木さんの場合は実に91カ国語のwikiに日本人として登場する。日本人ではむろん一番多い、ということです。歴代の首相などの経験者など問題にならない。

 実は本人が出てきて、スタジオで生で3曲を歌ったのです。私よりは年齢的に2つ上の方ですが、懐かしい曲が多かった。最近は同年代の連中とカラオケをやると、やたらとアニメソングが全員の興味を呼ぶのですが、それです。ちょっと入ってしまいました。

 トークもうまくて、その中で面白かったのは、今中国でも日本の漫画やアニメは大人気なのだそうですが、上海万博で超満員になった会場でいろいろなものによじ登って、危険な状態になった。会場の責任者から「日本語でいいから上に上がっている人は危険だから降りて」と水木さん言ってください、と頼まれたのだそうです。

 水木さん自身は「日本語で言って大丈夫かな」と思ったそうですが、頼まれるままにそう言ったら会場が一瞬シーンとなって、危険なところに上がっていた人が皆下に降りた、と。その話が面白かったな。面白い番組なので今後是非ご覧ください。毎週日曜日午後7時からです。

 私は大河が嫌いなので、ちょうど良い。来月も下旬に出る予定です。その番組で紹介された「Unease in 'Happy Guangdong'」は読むに値する記事です。


2011年06月18日(土曜日)

 (23:45)原油相場がニューヨーク市場で久しぶりに急落し、93ドル台まで付けたことが、今回の危機の持つ意味を示していると思う。それは、ギリシャ問題がうまく乗り切れなかった場合の世界経済に対する影響の大きさ

 ドイツのメルケル首相はこの週末に、「リーマン・ショックのようなことを、欧州発で起こすわけにはいかない」と述べている。ということは、ギリシャの救済がうまくいかなかったら、彼女としては「リーマン並みの事が起きる」と考えていると言うことでしょう。「リーマン並の経済危機」を市場も予測したから、原油相場が落ちているとも言える。

 この週末から来週初めにかけては、”欧州”に関わる会議が多く、それらはギリシャを巡るものが多い。今のギリシャの危機は、「デフォルト」ないし「デフォルトと宣言される」危機です。この6月にもギリシャは過去の債券の借り換えがある。それが出来なければ「デフォルト」(国家の債務不履行)で、欧州はこれを避けようとしている。

 しかし、その為にはギリシャ自身が「国内での財政引き締めの一連の措置(法律)」を国会通過させなければならない。しかし、パパンドレウ首相率いる今の政権は、国民の一部からも国会の中でも根強い反対に遭っている。土曜日にも数千人がアテネでデモをし、「緊縮処置は我々を殺す」(The measures are killing us.)と気勢を上げたそうだ。

 「デフォルトと宣言される」の意味が分からないという方もいると思うが、今のリスクはたとえEUがギリシャをデフォルトから救う措置で合意しても、アメリカの格付け機関などがそれらを「一時しのぎ。結局ギリシャはデフォルト状態」と判断して、「実質的にはギリシャは債務不履行」と判断し、格付けをさらに引き下げる危険性です。マーケットはそれをもって「ギリシャはデフォルト」と判断する危険性がある。

 国家は破綻しない。ましてはEUという大きな組織が後ろについていてれば.....と多くの人が思ってきたことが、今裏切られる危険性に直面しているということです。「ギリシャの債務不履行が起きた後に、ユーロに何が起きるのか」はよくわからない。この「よく分からない」不安感が、今の世界のマーケットの最大の懸念材料であり、原油も一時の高値から大きく反落してた要因でしょう。

 もっとも、ギリシャが破綻しても世界が終わるわけではない。しかし、かなり世界が違って見えることは確かでしょう。昨日も書きましたが、ギリシャは「感染」の源。そういう意味では、never-ending story のまだ最初の方かもしれませんが。


2011年06月17日(金曜日)

 (13:45)欧州を扱った海外の新聞記事で「contagion」が極めて頻繁に使われる事態となっている。「contagion」は訳せば「感染」。その源はギリシャですが、それにポルトガル、アイルランド、スペインなどの国々を「危機の入り口」に引きずり込みかねない状況だ。

 むろん、これらの国々も罹患しやすい状況にあるからこそ、感染リスクが高いのだ。その状況とは、「税収を上回る財政の構造的な政府の支出構造」(これは日本もそうだ)、恒常的な財政の赤字を賄うための国際債券市場での借り入れ、国際機関、他国政府、それに商業銀行からの借り入れ」(日本にはこれが少ない)、にもかかわらずの国内での強い緊縮措置反対の動き、それに伴う国内政局の混乱。

 ギリシャではパパンドレウ首相が大連立をトライしたし、内閣改造で緊縮策の国会通過をはかろうとしているが、何よりも国民の一部に非常に根強い、時として暴力的な緊縮策反対運動がある。彼らが反対しているのは、「公務員の削減」「公務員特典の削減」「年金の削減」「各種福祉措置のカット・削減」など。

 ギリシャは観光しか目立った産業がないのに、EUに入ってこの方ドイツの経済力などを背景とする安い金利に目を付けて巨額の借り入れを行ってきた。海外の銀行の中でギリシャに貸し込んだのはフランスやドイツの銀行。むろん、同国は国際債券市場でも借り入れを続けてきた。

 しかし所詮10の収入しかない人が12の支出を続ければ赤が貯まる。貯まれば、今まで貸していた人たちも「返ってくるのか」と心配になる。その結果、現在のギリシャ国債の利回りは18.5%に達した。わずか数年で債務が倍増する金利だ。

 こんな金利で借りれば、突然国内に油田でも見つからなければ、返せるわけはない。しかし、ここでギリシャを破綻させたら、欧州が世界に誇りながら作り上げたユーロのシステムが崩れる。だから、EUはIMF(専務理事はずっと欧州出身です)と協力して1000億ユーロを超える支援策を決めている。

 しかし、ギリシャの人々はそれを見て「あ、北の連中が助けてくれるんだ」と思う。そして、今までの生活のバックボーンになっていたシステムの維持を計ろうとし、それを変えようとする政府に反旗を翻す。多分、ポルトガルやスペインも今のギリシャの状況に置かれればそうなる。

 ということは、徐々に欧州は分岐点に接近してきている、ということです。「だましだまし」が効かない状況が近づきつつあるように思う。今週の世界の株式市場は、再び欧州の「contagion」を背景に下げたが、その弱い地合いはしばらく続きそうだ。

 ところで、一つのサイトと一つのエッセイが公開されました。公開されたサイトは、

 「NIKKEI特集:新しい時代の経営考 経営と実務における事業継続の戦略的対応」

 です。私が一応イントロの文章を書いていますが、今後色々な方にインタビューして「事業継承」の問題に直面しているすべての日本企業に役立つサイトにしていく予定です。一方、公開されたエッセイは、日経のネットサイトからも渡れるのですが、

 「まなぼう man@bow」に連載している第43回「金融政策の有効性とは? PART2」

 です。世界的な新興国でのインフレ危機、先進国での債務危機の中で、政策運営は難しくなっている。そんな問題にまで今後入っていければと思っています。


2011年06月16日(木曜日)

 (07:45)昨日は、「地球★アステク」のロケで、東京慈恵会医科大学の高次元医用画像工学研究所に鈴木直樹所長を訪ね、ハイテク、特に”高次元”の医療用の画像処理(特に手術ための)や、胃カメラよろしく体内に入って手術をする超小型医療ロボットを取材させて頂きました。凄かったですよ。

研究所の中はこの格好をしなければはいれないところが多い。初めて着ました。蒼あんな れいなと一緒に  次元には、三次元、四次元など階層がありますが、工学博士、医学博士、工学博士の三つの博士号を持つ鈴木所長がわざわざ研究所の名前を”高次元”とされたのは、「五次元、六次元.....」と次元を上げた画像解析をして、患者の体を目に見えないところまで事前に見通し、手術をより正確に、患者に負担のないものにすることを目指しているため。

 「博士号」など一つも持たない私は、先生の「博士号三つ」に「凄いな」と。日本は縦割り社会。しかし先生はご自身がクロスオーバーしている。そこから出てくるアイデア(この三遊間が重要なんですよ)、そのアイデアで作られる新しい装置の数々が世界の医療、特に外科手術を変えようとしていた。その現場を見たわけです。

 実際に三次元、四次元のコンピューター支援画像で解析した人間の体を見て、それを手術に生かしているところを見せて頂きましたが、手術が事前予測型でオープンなものになるなという印象を受けたし、鈴木先生の技術を使って実際に手術をしている先生もそうおっしゃっていた。

 例えば肝臓癌の患者の肝臓を事前に目に見えないところまでコンピューター解析画像で見て、癌の部位やその周辺の血管の位置などを事前予測しながら、そしてその情報を手術室内にあるいくつかのスクリーン(私たちが入った手術室では5台ありました)で全員(何人もの医師、麻酔に関わる人、看護婦さんなど)が共有しながら手術を進める。手術室まで格好良かったな。実際にグッドデザイン賞をとられたとか。

 患者さんの体内に入って、部位を照らしながら医師の操作で体内手術をするロボットも見せてもらいました。いろいろな効果がある。ロボットを入れるためだけに体を開けば良いので、開腹が小さくてすむ。患者の負担が減るし、胃の壁から入ると、その周辺の臓器すべてを手術の対象に出来るなど。詳しくは来月以降に放送される番組を見て頂ければ良いのですが、非常に大きな可能性を見いだしたロケでした。

 そういえば、今日は夜10時からBSジャパン(BSの7)で、第11回目の放送として「次世代医療の鍵!ポリリン酸」があります。今日登場するのはリジェンティス株式会社の柴 肇一さん(代表取締役)。

 「ポリリン酸」。あまり聞いたことないでしょ。ポリリン酸とは、リン酸が3つ以上鎖状に繋がったとてもシンプルな構造の分子。生命誕生の起源と言われている物質の1つなんだそうです。

 全ての生物が持つ分子である事から人体に取り入れても安全であり、再生医療の分野で注目されている。ここがポイントです。で今回取り上げるリジェンティス社の技術の特徴は、リン酸が3つ以上という分類学上とても曖昧なポリリン酸を、特徴ごとに分割した事。中でもポリリン酸の効能が発揮されるのが、10個繋がりのポリリン酸と60個繋がりのポリリン酸だそうです。

 10個繋がりのポリリン酸の特徴には、汚れの除去効果と沈着防止効果で、歯磨き粉として製品化にも成功。さらに、60個繋がりのポリリン酸には、細胞の再生効果あり、毛乳頭細胞の再生から骨や血管の再生までありとあらゆる再生医療製品の応用が期待されているという。

 今回は、ポリリン酸の基礎知識から応用技術まで様々な角度から探ります。是非ご覧ください。今までBSがどう見るのか分からない、と思っていた方。デジタルになって、ボタン一つで切り替えられますよ。午後10時BSの7チャンネルです。

 今日は調布の電気通信大学にお伺いします。


2011年06月15日(水曜日)

 (17:45)最近、海外の新聞を読んでいて気になるのは「有料化」が足早に進んでいることです。以前は、ウォール・ストリート・ジャーナルが有料だっただけだが、最近は他の海外新聞にも広がっている。

 例えばフィナンシャル・タイムズ、エコノミスト、そしてニューヨーク・タイムズなどなど。ちょっと油断していると、「これ以上は有料です」というメッセージが知らないうちに出てくる。読みたいのに、ちょっと迷う。「毎日読んでないしな」と。「ちょっと高いな」とか。

 いろいろ事情はあると思う。紙が売れないので、経営が苦しくなって、副業・サービスのようにやっていたネット配信を有料にせざるを得なくなったと言うこともあるでしょう。実際に、紙の部数が落ちていないのは日本くらいで、海外では新聞の発行部数は劇的に落ちている。

 しかし数多い新聞を読んでいる私のような人間にとっては、やはり読んでいる新聞の数は落とせない。ネットは今まで私のような人間にとって非常に役立つ存在だったのです。無料でかなり幅広く読めた。しかし、これからは当然だが「対価」が必要になってくる。

 最近思うのは、例えば中国のニュースなどをフォローしようと思うと、日本の新聞ではどうも情報不足だということだ。やはり、海外の新聞に出ていても、日本の新聞には出ていないこと、分析が多い。最近の中国の政情不安については、日本に新聞にはあまり登場しない。なぜだろう。

 最近そのことが不思議に思って、中国の専門家に聞いたら「その通りです」「(日本の新聞は)脳死状態です」と。例えばサルコジが出席して中国で行われた国際通貨会議はほとんど報じられなかった、と。

 そういう意味では、海外の新聞が有料になるからと言ってそれを見ない訳にはいかない。情報がこれだけ増えても、やはり目を通した分しか自分の頭に入らないわけで、目を通しておく必要がある。

 フィナンシャル・タイムズ、エコノミストと英国の新聞、雑誌が次々と有料化される。しかし、付き合うんでしょうね。ウォール・ストリート・ジャーナルには付き合ってきましたが、ニューヨーク・タイムズもそうなる。今のところ、安心なのは、ワシントン・ポストかな。FTとエコノミストもお付き合いは当然か。

 日本の新聞はなんと言ってもこのところ3.11に忙しかった。しかし、多様な報道が欲しいし、これからも日本の新聞には幅広い報道をお願いしたいと。「このニュースは、海外の新聞にしかない」なんてことが最近あるが、そういうことはないように。

 日本では報じられていないが、今中国はいろいろな意味で動いている。私的には、目が離せない。


2011年06月14日(火曜日)

 (20:45)中国の金融当局がインフレ抑制に苦慮していることが分かる預金準備率の引き上げ発表となりました。本日午後。5月の消費者物価上昇率が今年最高の5.5%になったと公表した直後での0.5%の預金準備率引き上げ。「今年に入って実に6回目」と日経の速報には書いてある。

 ということは、今年に入って毎月引き上げを行っていると言うことになる。それだけ当局はインフレ抑制にかけているということだ。かつ今回の準備率引き上げはいつもの「週末を待って」ではなく、高いインフレ率の数字を発表したその日に発表が行われた。異例である。

 ウォール・ストリート・ジャーナルは、この引き上げによって中国の預金準備率がどのベルに達したかを書いている。

China's official reserve requirement ratio for most large banks will rise to 21.5% after the latest increase takes effect.

Since late last year, the central bank has ordered some banks to set aside additional reserves above and beyond the official reserve ratio.

 となっていて、大部分の大銀行について「21.5%」という数字が掲げられている。中国では銀行の規模や業態によって準備率が分かれているし、紹介した記事の後半で分かるように恣意的適用もあるので、良く分からない面があるのだが、しかし「インフレを抑制するために一生懸命引き締めを行っている」ことは絶対数字や準備率の引き上げ頻度から分かる。

 重要なのは、中国経済が既に景気鈍化のプロセスに入っているのに引き締めが行われていること。その理由は、「インフレの高進」の方が中国の今の体制(胡錦濤の率いる中国共産党の一党独裁)にとって、景気鈍化よりも脅威だと言うことを示している。

 つまり、今の中国の体制は景気後退や不動産バブルの破裂よりは、庶民の生活を危機にさらすインフレ高進を恐れている、ということだ。しかしそれをあざ笑うように、今日のウォール・ストリート・ジャーナルには 「騒擾の波が中国を揺さぶる」 という記事がある。

 最近ちょっと気になるのは、中国の騒擾に関するニュースが日本の新聞では少なくなっていることだが、それは差し置くとして警察の横暴、地方官吏の汚職などと並んで、中国でインフレの高進、その抑制が非常に大きなテーマになってきていることを示している。

 中国の今年のインフレ目標の上限は4%であって、今のインフレ率はこれを大幅に上回っているし、「今後さらに上昇する」「6.0%の大台に乗る可能性がある」との見方もある。中国の数字がどの程度信頼できるかは別にして、政府発表でも5.5%に達しているインフレ率は、今や世界第二位になった中国にとって最大の難問だと言えよう。

 なお利上げに関するニュースは、「加速する中国のインフレ」という記事の中にある。


2011年06月14日(火曜日)

 (12:45)反原発か、原発許容かで色分けした欧州の国別地図を見ながら、村上春樹のスペインのバルセロナでの 「非現実的な夢想家として」(上)(下)を読み、また新潮社の「復興の精神」(新潮新書)のページをめくり始めました。

 欧州の「反原発」と「原発容認」の地図はそのコントラストが明確です。ドイツ、ベルギー、オーストリア、スイス、そして今回のイタリアと、バルト海から地中海に抜ける大きな壁が出来た。結構横幅のある堅固な壁です。

 その両側に、どちらかと言えば原発に依存する、許容することを国の方針としているフランス、イギリスが西にあり、壁の東にはポーランド、チェコ、ハンガリー、スロベニアなどが並ぶ。その北には、同じく原発許容派のスウェーデン、フィンランド、リトアニアなどがある。

 東欧各国が原発を許容する方向に傾いているのは、ロシアのエネルギー政策との関連です。今でも東欧はエネルギーでロシアに首根っこを押さえられている。原子力発電をして、なんとかロシアの軛から逃れたい。政治的要請が強いわけです。美意識以上に切実な要請がそこにはある。

 それにしても、この「反原発の壁」が示す欧州全体としての悩みは大きい。選択として、原発を受け入れるのか、拒否するのか。拒否を決めたイタリアにしても、国内電力の10%以上はフランスやスイスから買って賄っている。ということは、この両国が電力不足になったら、即イタリアも電力不足になると言うこと。それをどう乗り切るか。

 そこで、村上春樹の「非現実的な夢想家として」と題する約22分の演説です。論点を外してこの文章の中で私が一番賛同できる世界観は、「結局のところ、我々はこの地球という惑星に勝手に間借りしているわけです」ですが、それは別にして、確かに「今回の事態は、我々の倫理や規範に深くかかわる問題であるからです」という彼の主張には一理ある。

 それは東電の想定の甘さとか、その殿様体質とかを非難するにしても、結局のところ戦後の日本にとって脱石油のスローガンの一番手は原発だったし、それは国民が承知するしないにかかわらず粛々と進んできた。日本はイタリアのように、「原発は是か非か」で何度も国民投票しているような国とは違う。

 しかし、事ここに至って、「じゃ、どうしたら良いのか」という大きな問題に直面している。私が村上さんの演説の中で一番同意できるのは、「我々は技術力を結集し、持てる叡智を結集し、社会資本を注ぎ込み、原子力発電に代わる有効なエネルギー開発を、国家レベルで追求すべきだったのです。」という部分です。しかし、これを過去形にしてはいけない、と思うわけです。

 つまり、これからの問題としても、「我々は技術力を結集し、持てる叡智を結集し、社会資本を注ぎ込み、原子力発電に代わる有効なエネルギー開発を、国家レベルで追求すべき」だと思うのです。そうすれば、「非現実的な夢想家」は、「現実的な夢想家」になれる。生産された電気は、これまた「効率的」に使わねばならないと思う。

 昨日も「どの新エネルギーが」という話を書きました。しかし、天然ガスから石炭、それに石油を綺麗に発電に使う技術は開発されているし、水力発電だって見直すことが出来る。加えて、太陽光、太陽熱、潮力、地熱などなどを組み合わせていけば、万が一の時に危険になる原子力発電所に代わる電力源を見つけられる、と思っているのです。

 ここでは詳しく述べませんが、「効率」は必ずしも村上さんが言うような一方的悪者ではない。効率が人間の社会を助けていることは一杯あるのです。そういう意味では、彼のバルセロナにおける演説は、彼の小説と同じように多くの ambiguity がある。

 「復興の精神」(新潮新書)は、最初の養老さんの部分を読んだだけですが、なかなか面白そう。まこれは、この本に登場するような有名な方々だけが考えねばならないような問題ではなく、等しく日本人一人一人が考える問題でしょう。

 それにしても、と今朝思いました。なぜ日本にはイタリアがやったような「重要事項に関する国民投票」がないのだろう、と。私は生まれてこの方、選挙以外は投票していない。重要問題については国民投票をすれば良いのにと思いました。

 ちょっと調べたら、今の憲法には「憲法改正の際の国民投票のみが予定されている」とある。としたら、残念ですね。例えば「浜岡をどうする」などの問題に関して国民投票が出来るシステムになったら、もっと議論が深まったような気がする。


2011年06月13日(月曜日)

 (23:45)今日の夜有る方からツイッターで「日曜日夜のフジTVに出演されてたころからのファンです。ヴェリタストーク見ました。伊藤さんの話し分かりやすいです。Round Upも聴いてますよ。これからも頑張ってください。」というツイートを頂きました。

 あ、そうだったんだと私も思いました。あの番組(EZ!TV)は確か、2001年の4月から2005年の9月末まで続きました。10年前ですか。私は第二週から出たのかな。最初の3年くらいは毎週。まあ長寿番組だった。確か出るきっかけは森本さんからのお誘いで、ゲストは除いて大部分において一人でコメントするという設定。

 最近はそういうのは少なくなったな。私が出ている番組でも、今は最低二人、普通は三人もコメントする人が居る。あまり好きなスタイルじゃないが、今はそういうのが多い。各局とも。あ、「コール」は違うな。

 毎回話題が面白くて、評判も良かった番組だった。一番「これは凄い」と思ったのは波照間(石垣の島)に行ったときに、そこではテレビ局が二つしか入らないらしいのですが、「毎回見ています」と言われたことかな。

 ところで、今日のヴェリタストークは、風力、太陽光、地熱などなど新エネルギーの中で「どれが本命」「どれが投資の対象になるか」というものでした。

 いろいろ新しいエネルギーを知っている私としては、難しい問題だな、と。というより、これらは一つで人類のエネルギー問題を解決できるというよう問題ではなく、結局は合わせ技なんですよ。

 ヴェリタスとしては、「風力」を本命に押したかったのでしょうが、私はいくつかの問題点と可能性を指摘しておきました。いずれにせよ、エネルギー生産の効率化を図るための技術革新が必要だし、加えて電力をどのくら効率的に使うかの「効率的電力使用」の視点がポイントになる、と思いました。


2011年06月12日(日曜日)

 (23:45)今年はちょっと大変な事になるぞ、と身構えてしまいました。夏の気温がどうなるか以上に、おそらくどのビルに、どのお店に入っても室温は今年の方が去年より確実に高いと思われるからです。何度高くなるかには差異が生まれるのでしょうが。

 いえ、まだ試運転の段階なので、今後どうなるかは分かりませんよ。あまりに暑いとお客さんから苦情がきて、下げてくるかもしれない。また今は季節柄、非常に湿度が高い段階なので、少しは今後の方が改善されるかもしれない。

 しかし、「15%節電」の呼びかけが全国的に広がる中で、どの建物も「節電協力」ということで、温度を高めに設定していると思われます。この週末に少し歩いた範囲では。その結果、建物という建物の中が異常に暑い。

 どこが、とか、このビルはというわけではないのです。この週末に行ったいろいろなビルが例外なく本当に汗が噴き出るほど熱い。少し歩いただけで。外の方が涼しいのです。昔は「夏だから、デパートに涼みに行く」とか言っていましたが、今年は無理でしょう

 テレビでは、「今年は熱中症に気をつけろ」みたいなことを言っているが、実際にその危険性はあると思う。あれではビルの中で気持ちが悪くなる人も出てきかねない、と思っています。やはり「一律節電」ではダメで、いろいろな形でメリハリを付ける必要があるとこの週末に思いました。


2011年06月10日(金曜日)

 (23:45)エッセイが一本公開されました。「強すぎる政府がベトナム経済の弱みに」です。引き続きベトナムを取り上げていますが、今は強みの検証を終えて、”弱み”について。ベトナムは中国と同じ悩みを抱える。

 それから、今日決断したことはソニーのシステムを荒らしていた3人のハッカーがスペインで捕まったというニュースもありますが、私が使っているクラウドであるdropbox を有料に格上げすることにしました。

 今までは2ギガに到達していなかったので「いいか」と思っていたのですが、この番組のスポンサーサイドの村田さんなどと話をしていて、無料と有料ではセキュリティ・レベルが断然違うと教えて頂いたから。

 月数百円の話で、自分のデータを危険に晒すことはない、という結論に達した。無料、有料ではデータの保管に関しては同じレベルのセキュリティだそうですが、サーバーとこちらとのデータのやり取りでより安全性が高まる、とのこと。具体的には暗号化。

 もう私のコンピューターライフでは、クラウドは欠かせないものになっている。相手方任せでなく、私のサイドでもクラウドで扱うデータのセキュリティを高める必要性を自覚した。


2011年06月09日(木曜日)

 (18:45)3時間近くもテレビの前でプロ野球中継を見る気はしないが、それでも中学生の時までやった野球は好き。記録をちょこっと眺めるだけでも、大きなトレンドが分かって面白い。

 最近は、「なぜパリーグはこれほど強いのか」が興味の対象で、「そのうちセリーグは人気もなくなる」というのが、私の見立てだ。

 とにかく、パリーグの強さは圧倒的だ。交流戦の成績を見ると、セリーグで勝ち越しているのは中日だけだ。11勝6敗。あとは全部パリーグに負け越している。広島に至っては3勝12敗。

 阪神も昨日勝ってやっと5勝12敗。優勝の可能性を語られたチームにしては、あまりにもふがいない。最高年俸球団は案外弱い。アメリカでも。今週関西に行ったら、「菅首相と真弓監督では、どちらが先に辞めるか」が話題になっていた。

 セリーグの惨状に対して、パリーグは交流戦で実に4チームが勝ち越している。ソフトバンクの14勝1敗(2分け)は傑出しているが、日本ハムも12勝5敗。ナイス。とにかくダルが凄い。unbeatable な感じ。西武(10勝6敗)、オリックス(12勝5敗)も強い。

 通算でも、パリーグの強さ、特にソフトバンクと日本ハムの強さは突出している。この二つのチームの貯金は実に34(ソフト20、日ハム14)。対して、セリーグの黒字(勝ち越し)チームはヤクルト、中日だけで合わせて10(ヤクルト6、中日4)しかない。

 なぜこれほど明確な実力差が出来たのか。最近数年間は常にそうだ。加えて今年ここまでこれだけ圧倒的な力の差が出ると、「パリーグは交流戦は頑張るから」とか言う問題ではないような気がする。同じようにドラフトで選手を選抜しているはずなのに、どうしてだろう。これは私には分からない。

 とにかくいいピッチャーは圧倒的にパリーグに多い。投げている姿がシャープだ。見ていて気持ちが良い。プロ野球と言えば人気は巨人、阪神が双璧だと言われた。しかし、ジャイアンツはその後人気低落。

 「人気のセ、実力のパ」と言われた。しかしもう昔の話のような気がする。


2011年06月09日(木曜日)

 (09:45)最近かなり嬉しいのは、「アステク、見てますよ」と言ってくれる人が多くなったことだ。つい先日は、よくお世話になっているホテルのフロントの受付の壮麗な女性から、「アステク見てます」と言われたし、その前は会社の先輩から、「お前の番組では、アステクが一番面白い」と。あんがとさん。大阪のうなぎ屋さんで、「アステクはいいね」と突然言われたこともあった。

風圧を調べる機会の前で。先端が気持ちよい流体型でした  ”アステク”とは、毎週木曜日の午後10時から30分間BSジャパン(BS放送の7)で放送される「地球★アステク」の事です。明日のテクノロジーを丹念に掘り起こしてお伝えする番組です。

 私の相方は二人。蒼あんな れいなの双子姉妹。帝王切開で生まれているので、1分差で生まれた一卵性双生児です。誰が見てもかわいいでしょう。

 先日NHKのサラリーマンNEOを見ていたら、沢村一樹と一緒にセクシーなんとかで突然この二人が出てきた。ビックリ。ほかにもいろいろレギュラーを抱えている。今一番ライジングな双子タレントではないでしょうか。この二人は見ていると楽しい。言い合っているようで仲がとっても良い。

 私の基本的な考え方の一つは、「テクノロジーこそ変化の原動力」というものです。政治が世の中を変えるのではない。今の日本を見ていればよく分かる。政治は浮遊しているだけです。テクノロジーの変化で、経済の形も大きく変わる。つまりテクノロジーが世の中を変えているのです。

 ところが、日本のテレビ番組の中でテクノロジーをまじめに扱っている番組は極めて少ない。数えるほどしかない。非常に残念です。そうした中で、「地球★アステク」は毎回私と蒼姉妹が毎回現場に足を運んで、毎回取り上げる技術の特徴、その意味、そして今後の展開を取り上げている。自分でやっていながら、「いい番組だな.....」と思う。先日は名古屋で二日間のロケを敢行。

 今日はたまたま木曜日なのですが、今日の「地球★アステク」が扱うのは、JAXAです。宇宙航空研究開発機構。今宇宙飛行士の古川さんがロシアのソユーズで宇宙に行って、その長期滞在予定に注目が集まっています。なんと古川さんはお医者さんでもある。そのJAXAを調布航空宇宙センターに取材しました。良いタイミングだと思います。

 JAXAと言えばロケットがまず頭に浮かびますが、実は超音速ジェット機に関わる開発も行っている。今回はそちらを取材しました。楽しかったですよ。三菱のMRJの受注が増える中で、日本の航空機産業も立ち上がってきた印象ですが、是非今晩の番組で日本の国産超音速ジェット機の進捗具合をご覧ください。

 夜10時からBSジャパン(7チャンネル)です。日本の未来が見える番組ですし、この政治的な混乱状態の日本にあって、「明日への希望が見える」と思います。


2011年06月08日(水曜日)

 (23:45)久しぶりにバーナンキの講演録でも読んでみようと思って、FRBのページに渡ってバーナンキのアトランタでの講演を読もうとしたのですが、その前に彼が日本について何回言及しているかと思って、「ctrl+F」で回数を調べました。

 三回でした。ウォール・ストリート・ジャーナルの記事で、バーナンキが日本に言及した、と知っていたので。中味に入った最初のパラグラフで2回出てくる。そして、この最初のパラグラフさえ読めば、グリーンスパンが今回言わんとしたことの大部分は分かります。

U.S. economic growth so far this year looks to have been somewhat slower than expected. Aggregate output increased at only 1.8 percent at an annual rate in the first quarter, and supply chain disruptions associated with the earthquake and tsunami in Japan are hampering economic activity this quarter. A number of indicators also suggest some loss of momentum in the labor market in recent weeks. We are, of course, monitoring these developments. That said, with the effects of the Japanese disaster on manufacturing output likely to dissipate in coming months, and with some moderation in gasoline prices in prospect, growth seems likely to pick up somewhat in the second half of the year. Overall, the economic recovery appears to be continuing at a moderate pace, albeit at a rate that is both uneven across sectors and frustratingly slow from the perspective of millions of unemployed and underemployed workers
 なんて書いてあるかというと、先週までにニューヨーク株価を大きく引き下げた「アメリカ経済の急減速」(彼はそうは言っておらず、「somewhat slower than expectedな米景気」と)は、「心配することはない、年後半にも戻る」、つまり成長率は回復する、よってQE2の6月打ち止めは変えない、しかし緩和政策は続ける、というものでした。

 バーナンキさんには悪いが、グリーンスパンの時代に比べて発言がちょっとseducing じゃなくて、あまり読む気がしない。一つには「これは何だ」という珍しい単語が出てこない。グリーンスパンの講演を読むと、一つくらいは必ずあった。

 まそれは別にして、今のアメリカ経済の予想外に弱い景況は「supply chain disruptions associated with the earthquake and tsunami in Japan 」が「are hampering economic activity this quarter」だと。邪魔している、と言っている。

 FRBの議長に言われるほどアメリカの生産に東日本大震災の影響があったという印象はなかったのだが、少なくとも彼の認識はそうだったということです。しかし彼は、年後半にアメリカ経済の成長率は戻るとする理由の一つにまた「日本」に言及し、「with the effects of the Japanese disaster on manufacturing output likely to dissipate in coming months」と言ってる。つまり、東北の部品工場が通常生産体制に入るなり、代替工場が生産を高めればアメリカ経済はokと言っている。

 ちょっと楽観的過ぎる気がするのですが、「彼の発言は本当かい」と思ったのは私だけではなく、株や為替もそうだった。株はあれだけ下げた後でも上げに転じること能わず、為替は対円、対ユーロ中心にドルが弱い。円は79円台です。私がこの文章を書いている瞬間は。

 もっとも今のポジションの偏りが薄い状況を反映して為替市場はどちらかに「走る」状況ではない。彼はインフレ見通しにも楽観的です。ちょっと長いが。こう言っている。

An important implication is that if the prices of energy and other commodities stabilize in ranges near current levels, as futures markets and many forecasters predict, the upward impetus to overall price inflation will wane and the recent increase in inflation will prove transitory. Indeed, the declines in many commodity prices seen over the past few weeks may be an indication that such moderation is occurring. I will discuss commodity prices further momentarily.

Besides the prospect of more-stable commodity prices, two other factors suggest that inflation is likely to return to more subdued levels in the medium term. First, the still-substantial slack in U.S. labor and product markets should continue to have a moderating effect on inflationary pressures. Notably, because of the weak demand for labor, wage increases have not kept pace with productivity gains. Thus the level of unit labor costs in the business sector is lower than it was before the recession. Given the large share of labor costs in the production costs of most firms (typically, a share far larger than that of raw materials costs), subdued unit labor costs should remain a restraining influence on inflation. To be clear, I am not arguing that healthy increases in real wages are inconsistent with low inflation; the two are perfectly consistent so long as productivity growth is reasonably strong.

The second additional factor restraining inflation is the stability of longer-term inflation expectations. Despite the recent pickup in overall inflation, measures of households' longer-term inflation expectations from the Michigan survey, the 10-year inflation projections of professional economists, the 5-year-forward measure of inflation compensation derived from yields on inflation-protected securities, and other measures of longer-term inflation expectations have all remained reasonably stable.2 As long as longer-term inflation expectations are stable, increases in global commodity prices are unlikely to be built into domestic wage- and price-setting processes, and they should therefore have only transitory effects on the rate of inflation. That said, the stability of inflation expectations is ensured only as long as the commitment of the central bank to low and stable inflation remains credible. Thus, the Federal Reserve will continue to closely monitor the evolution of inflation and inflation expectations and will take whatever actions are necessary to keep inflation well controlled.

 おーい、大丈夫かというほど景気とインフレの先行きに楽観的。ま彼がここで指摘している要素はあるのだが。ちょっと気になるのは私もそうだし、マーケットも彼の言うことをあまり聞いていない、ということか。


2011年06月07日(火曜日)

 (18:45)夕べの午後9時前の大阪のNHKローカル・ニュースが面白い数字を流していました。大阪駅に出来た新しい商業施設。この一ヶ月で「専門店街」を訪れた人が540万人に対して、「JR三越伊勢丹」を訪れた人の数が480万人だったというのです。

 総数は1000万人を超えて凄まじい数字です。しかし私は、新しい専門店街(ルクアと言った)を訪れた人の数が、新しいデパートを上回ったことに興味を覚えた。実は、月曜日は昼過ぎまで二子玉川のライズ(rise)の専門店街をちょっと上から下まで歩いていて、その人出の多さにビックリしていたのです。

 ライズは3月オープだから、冷やかしの人も多いのでしょうが、それにしても人が多い。同時刻に近くの高島屋を歩く時間は無かったのでわかりません。しかし、「デパートよりも専門店街を訪れる人が多い」現象が、全国的に進んでいるのではないかという気がする。

 なぜそうなのか。最近の私の印象ですが、デパートに行っても最近は驚きがない。ワクワクしない。しかし、専門店街は歩くだけで、「へえ」ってものが数多くある。「次の角を曲がると、どんな店があるのだろう」「どんな商品を並べているのか」という気がする。

 JRが作った大阪駅のデパートと専門店街は建物が並んでいる。床面積とか知りません。しかし、専門店街の方が集客した。今朝の新聞によれば、開店以来の売り上げでも、三越伊勢丹が年間予想の1/12で開店最初の一ヶ月にしては不振。対してルクアは予定額を相当上回る売れ行きだったとか。

 ところで、昨日は二子玉川のライズの中で、少人数のちょっとした講演会というか、談話会をしました。初めて講演会でHDMIケーブルを使って、会場中心のテレビにPCの絵と音を出して。

 反省点は二つです。HDMIケーブルが短かった。確かに量販店に行くと3メートルが多い。しかし家庭ではなく公共の施設では10メートルくらい欲しいな、という印象。あと、小さいPCをもっていったので、フルスクリーンでもテレビの中の場面が小さくなってしまったこと。

 本当は会場サイドがHDMIケーブルを埋め込んで欲しい。壁に。そうすると見栄えが良くなる。まあ普及するのには時間がかかるのでしょうね。テレビを大きくするのには時間がかかる。


2011年06月06日(月曜日)

 (18:45)しかし、本当に酷いですね。損害賠償を求めたい気持ち。朝から(午前8時27分から)のドコモの回線障害です。HPには障害の理由を「ドコモの通信設備の故障による輻輳」とある。

 珍しく朝から携帯電話をかける用事があったのに、全く通じない。日中ずっと続いて、午後5時台になっても、繋がったり切れたり。何時になったら常に使えるいつもの状態に戻るのやら。「圏外」の文字を見ると、腹が立つ。「関東及び甲信越地域でFOMA、Xi、mova及び衛星携帯電話をご契約された一部のお客様」といっても、数は相当多い。私もその一人。携帯電話網は既にインフラ。しっかりして欲しい。

 ”輻輳”をネットで調べたら、「物が1ヶ所に集中し混雑する様態」と来た。しかしそれにしても長く止まりすぎでしょう。大規模な花火での”輻輳”でも、花火が終わって1〜2時間で回復する。それとも今回の事故の原因はもっと複雑なところ。電気の次はケイタイと、日本にインフラも怪しくなった。

 ところで、『ベトナムの首都ハノイの中国大使館前で5日、南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島や西沙(同パラセル)諸島などの領有権を主張する市民や学生ら約300人が「中国は侵略をやめろ」などと抗議デモを行った。』というニュースには、驚きました。

 中国と同じで、ベトナムは共産党独裁下にある。 よって、デモは当局の黙認がなければ出来ない。ということは黙認していると言うことで、ベトナム政府はよほど中国の南沙諸島を巡る行動を不快に思っているのだろう。

 反中国のデモは、南部の最大都市ホーチミンでも千人以上が参加して市の中心部で行われたという。ベトナムでは中国による南シナ海での探査妨害行為などで、反中感情が高まっていた。

 中国とベトナム間では、南シナ海で中国の監視船がベトナムの探査船を妨害したと報じられた。これが先月の26日。また31日にはベトナム漁船が中国船から威嚇発砲される事件が発生している。ベトナムの主要2都市でのデモは、フェースブックや携帯メールで広がったとされる。

 中国に関しては、二日前に内モンゴルで今起きている事について触れた。そして今度は南のベトナムとの関係を巡るもの。中国の政府は、「将来13億の民が食べて行くには、何としても資源が必要」と考えているだろう。

 しかしそれは、他国の土地へ中国が勝手に領有権を主張できるということではない。


2011年06月05日(日曜日)

 (23:47)「行うは難し」ですよ。しかし、今まで混迷を極め、期待を持てなかった日本の政治に、一つのトライをし、そして可能性に賭ける時期が訪れたことは確かでしょう。

 「大連立」です。一杯壁はありますよ。誰がトップになるのか、ほんとうにまとまれるのか、期限を区切ってと言うがその「期限」とは。「大連立」の期間に何をすべきか。

 しかし私はこの日曜日になって急激に実現性が増した「大連立」の可能性を、日本の政治はぜひ試すべきだと思う。この可能性、状況の醸成は、菅首相の早期退陣への同意(実現するまでちょっと不安だが)が可能にした。菅首相には、結果的にそのくらいの可能性を日本に開いて退陣して欲しい。他に何も成果がなかったのだから。

 なぜそれが必要なのか。それは国民の意識の捻れ(時間的)が生んだものだが、今の衆参の国会情勢はどちらの政党にとっても運営が難しいからだ。民主党は参議院をもっておらず(今の連立状況では)、自民党は衆議院の圧倒的多数を民主党に取られている。つまり、法案が通る前提が崩れている。

 その結果は、「政策が進まない」ということだ。まだ日本の政党は、「この問題はok」「しかしこの問題では譲歩できない」において、それぞれの党として使い分けがなかなか出来ない。政党に政策策定能力が低いことや、政治の目的に何を置くかについての合意形成能力に欠けるからだ。その結果が、延々と続く政局政治だ。

 しかし今の日本は、「目的を共有しうる状況」が生まれている。何よりも東日本大震災の地震・津波からの復興は待ったなし状況だし、財政の赤字など日本が長期的に抱えている日本の問題の根は深い。日本が頼りにした経済力にも陰りが見える。強く。

 しかし何よりも、日本国民の日本の政治に対する怒りは、頂点に達している。この段階で日本の政治が日本の国民に「新たな枠組みでのトライ」「新たな枠組みでの成果」を出せなければ、日本の政治、政治家そのものが見捨てられる寸前まで来ている。

 顔ぶれは古くても、是非新しいトライをすべきだ。少しは見栄えのする芝居になるかもしれない。そのためには、この構想のフレッシュさが失われないうちに、今の首相が実際に退陣し、それまでに与野党が「期限を区切った大連立」のシナリオを素早く書き、日本の国民に希望をもってもらうことだ。そこでやっと日本の政治にスピード感が出てくる。

 短い、はかない光かもしれない。しかし、今までのヘドが出そうな「前に進んでいる感」がない政治からは、おさらばして欲しい。あらぬ方向に走り始めたら、国民が監視すればよい。今はそれが可能だ。


2011年06月04日(土曜日)

 (23:47)「遅くとも8月には辞任、9月に民主党が代表選挙」というシナリオに落ち着きつつあるようですが、菅首相ではもう政権運営が出来ないだけに辞任時期は前倒しに動くと考えた方が良いと思う。「また首相サイドがとんでもない変化球を投げてくるかもしれない」という気もちょっとするが、もう無理でしょう。

 木曜日からの一連の政局は、「うまくやった」と思った人が、そのうまさの”実態”が暴露されて人々の怒りをかい、一転して追い込まれていく典型だ。やはり人を欺いてはいけない。その怒りは必ず欺いた人に向くからだ。

 欺かれた鳩山前首相は「(菅首相を)ペテン師」とまで言ってのけた。一緒に民主党を作った人に対してのこの言葉。ご本人もいろいろ問題のある人だし、最近はこの人が出てくるだけで癇に障るが、よほど腹に据えかねたのだろう。

 個人攻撃は見るに堪えないが、事ここまで来るとそういう欠点がご本人にあったのだと思える。サンケイ新聞は、昔の同僚に「あいつが日本の首相になるなら、日本人を辞める」という友人達の昔の発言まで載せている。どうかとも思うが、それは置くとして、今はその人が首相だ。

 流れが決まった以上、本人は抵抗するでしょうが、多分6月中の辞任が既定路線で政治は動くのでしょう。ということは、民主党の代表選挙は前倒しされることになる。一杯食わされた人々は、当然だが菅首相の政権運営に協力しない。ということは、二次補正の話し合いも始まらないし、特例公債法案も通らないということだ。

 いずれにしても、「政治と政策の停滞」は目を覆うばかりだった。一番政治が活躍できる、しなければならない時に。国民の怒りを受けて自民党も民主党もそろそろアイデアを出して結果を出さなければならないと考えているでしょう。

 今回の一連の騒動の最中に、「全取っ替え」を考えた人が今回は多かったに違いない。わたしもそうだ。そのくらい日本の政治の”ダメ”、そして人々が首相に選んでしまった人のダメが見えた。2日に「何という茶番、何という惨状 何という非効率、何という絶望」と書いた通りです。

 しかし日本の首相選びはもう4人も失敗続きだ。もう失敗できないでしょう。議院内閣制なので、国民にはトップ選びは隔靴掻痒だ。しかし直接選挙が日本に馴染むだろうか、という問題意識もある。課題山積の2011年はまだ半分も終わっていない。


2011年06月03日(金曜日)

 (23:47)天安門事件は1989年の6月4日でした。つまり明日。あの事件は今でもよく思い出す。戦車の前に立った一人の男性の映像。戦車がエンジンをふかして「轢くぞ」と脅してもたじろがなかった。その絵を撮ったカメラマンである江袋さんを知っているだけに。

 今、内モンゴルの情勢が緊迫している。何せ情報が伝わってこないので、何が起こっているのかは断片的にしか分からない。中国政府はお得意の「徹底弾圧作戦」のようだ。

 去年の9月に見たチベットでの警備状況を見ると、今中国政府が内モンゴルでしていることはほぼ想像が付く。沢山の兵士を派遣し、それを街の角角に4人ないし3人で背中合わせに立たせ、360度を見張る。銃にむろん実弾を込めて、いつでも使えるようにして。

 周辺の民族にとって、漢民族は様々な問題を持ち込む。例えばチベットの人は魚を食べない。一定年齢以下の子供は、水葬にする。つまり遺体を川に流す。それを魚が食べると思っているから、チベットの人は魚を食べない。子供の遺体を食べる魚を畏怖している。

 しかし、そこに入ってきた漢民族はそんな現地の人達の慣習を無視して、池や川にいた魚を食べてしまう。池の鯉など絶滅状態になったと言われる。チベットの人達はそれに驚き、強い反発心を抱く。

 内モンゴルには行ったことがない。しかしその北に位置するモンゴルは綺麗な草原と、そお上を走る風を持つ国だ。あの草原を馬を駆って縦横無尽に走り回ること、そして放牧をすることがモンゴルの人々の誇りだ。

 しかし、内モンゴルでもモンゴルでも中国の企業はその草原を石炭探鉱開発、銅山開発の名のもとに穿り返す。草原はめちゃめちゃになる。しかもその掘り出した資源は、中国の南部に送る。開発には中国から労働者も連れてくるので、現地の人達に雇用も生まない。

 今回の内モンゴルの騒動の切っ掛けは石炭運搬のトラックにモンゴルの人が轢かれたことだ。その人は死亡した。多分内モンゴルの人達は、自分達の資源を収奪したトラックが、モンゴル人を殺したと考えたのだろう。反発が起こって当たり前だ。

 中国はアメとムチで内モンゴルを懐柔しようとしている。住宅建設を進めたり、いろいろなものを支給したり。しかし、チベットでも、中国は人々の心をとらえていない。チベットの人々は、中国に反発を強める一方だ。

 今の共産党の一党独裁体制が崩壊したら、チベットも新疆ウイグルも、そして内モンゴルも”独立”に動くだろう。成功するかどうかは別にして。内モンゴルはもしかしたら、北のモンゴルと一緒になる道を選ぶかもしれない。

 今の内モンゴルの反中国への動きが沈静化しても、火種は残る。不満が内向するだけだ。漢民族の振る舞いが状況を作り出しているだけに、それが変わらなかったら内モンゴルの人々の気持ちも変わらない。


2011年06月02日(木曜日)

 (17:47)見終わってどっと疲れました。何という茶番、何という惨状

 ”茶番”の意味は、自民党総裁の谷垣さんが本会議の直前の民主党大会に対して使った意味より遙かに大きな舞台に立ってみても、ですよ。日本の政治そのものが、非生産的な茶番の連続に見えるという意味の「茶番」です。

 だってそうでしょう。自民党・公明・たち日は民主党の小沢グループから数十人に上る賛同者が出るという「人の良い楽観論」から、「もしかしたら通るかも」と内閣不信任案を出した。幕を開けてみたら、民主党から内閣不信任案に賛成したのはわずかに二人。国会の議席通りの大きな票数差で不信任案は否決。出した方は大敗北です。

 それほど、午後12時からの民主党の代議士を集めた会合は有効だったのか ? 造反を防いだという点では。しかし中味はどうか。党内から賛成票が出ないような仕掛けを作るのには成功した。しかし、それは曖昧な「メドがついたらもっと若い人に責任を担ってもらう」という菅首相の意味があまりはっきりしない発言を、「賛成するかも」と脅していた連中が、「(まあ彼も)ちょっと動いた」と勘違いして納得しただけのもの。

 「メド」については、すでに岡田幹事長と鳩山前首相の間で解釈の齟齬が生じている。菅さんも曖昧にしている点だが、鳩山前首相の言う「復興基本法の成立、二次補正のメド」は、本当にそうだったのか、そうだったとしても菅首相がどの程度納得しているのか不明。だから、誰も時期は明示できない。

 一つはっきりしているのは、「メドが立てば辞める」と言った首相の指導力は格段に落ちると言うことだ。辞める人に使うのは気だけだ。だから、実は政治の進展にはメドさえ立たないかもしれない。

 今でさえ、官僚組織は菅首相の指示を後回しにしている、という説が強い。それは首相の指示に無理筋が多いからだと聞いている。ということは、今よりも政治は前に進まなくなる、ということだ。

 いつになる分からないが、菅首相がいずれ辞めるとしてその後はどうなるのか。誰も見通せない。その間に政界再編があるかもしれない。またまた日本の政治は、「前が何も見えない闇」の中に入ることになる。いや、今も入っているが。

 今回の事があって、「ああすっきりした」と野党が今の菅政権の政権運営に協力する手もあると思うが、そうは問屋が卸さなさそうだ。大島、石原両氏は菅首相の人格否定をしたのだから、野党がその人を支えることは無理だ。

 今後の日本の政治日程にとって一番の懸案は、「特例国債法案」だ。これは通らなければ、日本の財政は回らなくなる。菅政権は今回は奇策で乗り切ったが、まだまだ政権そのものの行く手は茨の道だ。まもなく辞めるにしても。

 ということは、今回は「大山騒動ネズミ一匹どころか、蟻も出てこなかった」ということだろう。日本の政界がすっきりしたわけでもなく、問題は山積のまま残り、民主党の党内対決はますます厳しいものになり、自民党の中でも「なぜ今不信任案だったんだ」「無残な敗北の責任は執行部のものだ」との声が出てきそうだ。

 菅首相は自分に対する不信任案が否決したのだから、勝者だろうか。いや、勝者が「メドがついたら辞める」というわけはない。では勝者は小沢さん? 勝者が戦場(国会)に出てこないということはないでしょう。うまく丸め込まれた印象もする。今後はまた、「じゃ、いつ辞めるんだ」闘争をするのだろう。

 では自民党が勝者。ノーだ。大敗北だ。執行部の責任が問われておかしくない。しかしもっと大きな敗北を喫したのは、日本の国民の政治に対する信頼だ。もうこれで全くなくなったと言って良い。

 それぞれの長たらしい演説を聴きながら、この数時間を震災復興のための議論、将来の日本のための議論に使っているなら意味があるな、と思いました。どの発言者も滑舌が悪く、時々何を言っているのか分からなかった。原稿を見ているのに。

 だから、最後に思った。何という非効率、何という絶望。あんな茶番をやるのに700人も必要か ?


2011年06月02日(木曜日)

 (12:47)民主党の代議士会をNHKテレビで見ていますが、本当によう分からない着地点ですね。首相自身は「一定のメドがついたら(若い人にいろいろな責任を負ってもらう)」と言っているが、菅首相は「一定のメド」に条件を明示していない。だからいつ何時辞めるのかが不明。

 菅首相の直ぐあとに発言した鳩山前首相は、「一定のメド」に関して復興基本法、二次補正の成立を挙げたが、それは鳩山前首相の理解だと思われる。また菅首相の「いろいろな責任を若い人に背負っていただく。私はお遍路の残りもある」という発言も、「いろいろな責任」に首相の座が含まれるのかよう分からない。

 一つ分かるのは、「若い人」には「自分より若い人」という意味でしょうから、自分より上の人間は想定していないことになる。例えば小沢さんとか。

 多分、鳩山さんは不信任案に反対するのでしょう。またかなりの民主党の「賛成意向」の議員も、反対に回るのでしょう。「賛成する」と言っていた鳩山さんが「反対に回る」と思われるのは、今朝この会合の直前まで話していて、二つの点で、つまり民主党の分裂を避ける、自民党に政権を渡さないで菅首相と合意している筈だからだ。

 しかし小沢さんのグループが「一定のメド」という曖昧な表現の中で、自民・公明・たに日提出の内閣不信任案に反対するかどうかは不明だ。なぜなら、菅首相の発言は「当面は続投」の意思表示だからだ。時間的に考える余裕のない菅首相の変化球にどう対応するのか ?

 今日の夕方にならなければ、これからの日本の政治がどう動くのかは不明。狸と狐の騙しあい。この騒動で民主党の支持率が上がることはないでしょう。


2011年06月01日(水曜日)

 (23:47)これはもう、ふた(票)を開けてみるまで分からないですね。内閣不信任案の行方です。小沢グループだけだと思ったら、鳩山さんも自民や公明が提出した内閣不信任案に賛成するらしい。しかし、鳩山グループの中では、同氏は孤立しているとも言われる。

 共産党が棄権するので(今夜発表した)、可決ラインは82とも伝えられる。つまり、民主党の中から82人が造反すれば、内閣不信任案が通ることになるというのだ。今現在で、新聞社の調査では造反議員は70人台と伝えられる。

 70人台は82に近い。夜の間に趨勢が変わる可能性がある。通ったら、菅首相は総辞職から解散のどちらかを選べねばならない。しかし解散して選挙をすると言っても、宮城や岩手、それに福島、その一部は選挙はかなり難しいでしょう。遠くに避難している人も多い。まあ、それでもやるかもしれませんが。

 では総辞職か。その場合誰が次の首相か。もうここまで来ると「分からない」というのが当たっている。民主党の議員の中でも、それが小沢グループでも鳩山グループでも、「どうしたらよいか」と思案している議員は多いに違いない。

 被災地から見れば、「不信任案? もっと他にすることがあるべさ」というものだろう。これは日本人の政治総体に対する不信感に繋がる。我々も、本来だったら今こそ政治には団結して一つの事を成し遂げて欲しいと思っているわけだから。

 政局は確かに面白い。しかし、これだけ政治が混乱してくると、「政治主導は棚上げだろう」と思わざるを得ない。この間には、官僚組織がこの国を回してくれなければいけないわけで、なんとも情けない状況だ。

 創造的破壊なら結構。しかし、今の政治の状況を見て、「創造的」はなかなか想定しにくい。



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