2012年08月31日(金曜日)

 (23:35)ウルムチから南東に高速道路を走って4時間弱。途中事故で一般道を暫く走ったのでちょっと時間がかかって、トルファンに来ています。午前中はほど一直線の道の移動中心でしたが、午後は観光もしました。しかし目に入ってきたものの95%は、青い空を除けば土色をしていました。

 高速道路の直ぐ脇から延々と続く砂と土の入り交じった大地、天山山脈の雪解け水が僅かにちょろちょろと流れている小さい川の流れのほとりを除けば、緑とてない。トルファンのある州の名前は、「火州」(中国で一番暑いから 過去の計測最高温度は47.6度らしい)といい、そして我々が行ったベゼクリク石窟寺院(千仏洞)のある山、山脈は「火焔山」「火焔山脈」と呼ばれる。実際に強烈な陽に焼けて赤くなっている。山全体が。「火焔山」とはよく言ったものだ。

 そこでは地表は夏の日中は70度以上に達し、砂の中に卵を入れるとゆで卵になるとか。それこそ火焔山は「灼熱の緑とてない世界」です。「山」と言えばどこでも豊かな緑に覆われる日本から来た人間にしてみれば、それは異様でさえある。

 人が昔から住んでいたのは、粘土に藁をかませて固めて天日乾燥させた煉瓦で出来た家、「日乾し煉瓦の家」です。外見は「土で造形した家」に見える。埃っぽいだろうに。しかし涼しく、合理的でもある。覗かせてもらうと、お部屋はさすがに壁から天井に掛けては白塗りなどにしてあり、土間の上に50センチほど上げて板張りし、その上に絨毯を引いてベッドとしたりしている。

 この板張りのキングサイズ以上のベッドは、村だったら葡萄棚の下などにある。しかし下は殆どが乾燥した土が土埃を上げる道です。確かに中国の山には緑が少ない。それは日本から数時間のところ、海岸沿いもそうだ。しかし、「火州」トルファンの山々は強烈です。木が一本も生えていない。

 「高唱古城」(このサイトの写真がいい)にも行きましたが、地面に張り付いて生きている野生のスイカがごくたまにある以外は、土の世界です。三藏法師が活躍した頃の城です。この城壁の中に14〜15世紀まで何千、何万という人が暮らしていたのだから、不思議です。

 トルファンとは漢字で「吐魯番」(英語ではTurpanと綴っていたところがお多い)と書きます。実際にここはチベットを中心に勢力を拡大したことがある吐蕃の勢力下になったこともある。ガイドさんの説明を聞いていると、本当にいろいろな勢力が、国が、そして宗教が行き交った場所だと分かる。何百年単位で。むろんモンゴルも来た。チャガタイの世界です。

 仏像を拝む仏教と偶像崇拝を禁止するイスラム教が時代とともに交差したこの場所。そして欧米や日本の探検家の格好の探検、宝物探しの対象となった近過去(200年以内を指して言いましょう)。華麗に描かれた仏様、涅槃像が切り取られた無残な過去も目にすることが出来ました。悲しい。

 多くの民族が行き来したこの地方の過去は、子供の頃から私にとっては夢舞台でした。タイムマシンが出来たら、絶対に行ってみたい場所です。そした時間短縮で諸民族の興亡を見たい、とずっと思っているのです。最後は日本にたどり着くいくつかの民族も、もしかしたらこの辺を通ったかも知れない。

 トルファンのある火州は「中国で一番暑い」ばかりでなく、「中国で一番低い場所にある盆地」です。そんな実感はあまりしないのですが。一番低い地点は「海抜マイナス154メートル」と聞いた。火州の30%は海抜がマイナスで、平均海抜はプラス38メートルだそうです。あんなに山が多いのに。

 昔石坂浩二さんが朗読をやったNHKのシルクロードという題名だったような気がするテレビ番組。そのころから強烈に「行きたい」と思っていた場所に立っている、そこを移動している興奮はずっと続きました。良くを言えばホータン、カシュガルにも今度行きたい。どえらく遠いのですが。

 冬はこれまた寒いらしい。マイナス15度くらいは普通。夏でも日中は軽く30度を超えるが、夜は20度に下がる。つまり日本の大都会よりよほど過ごしやすい気候は、「果実」にとっては理想の世界。噂に聞いていた葡萄の畑はところどころにあり、桃(平べったり)やスイカに似た果物もふんだんにある。

 「ワインがうまい」と聞いてきました。確かに葡萄は良さそうです。しかしお酒を飲めないイスラム教徒が畑を持っていて作っている。ウイグル族のやっているレストランでワインの相談をしてもとんちんかんなんです。今のところボトルに入ったワインで、「これはすごい」というのには当たっていない。

 ウルムチ(200万都市)の人口の75%近くは漢民族でしたが、トルファンはウイグル族が逆に70%を以上占める、従って落ち着いた、夜になっても人がゆったりと歩いている街です。ウルムチの街には夜は人っ子一人いなかった。

 新疆ウイグル自治区には、1949年の時点では漢民族の人達は30万しかいなかったそうです。今は700万人。その大部分はウルムチなど大都会に住む。人口の半分以上を占めるウイグル族や回族などのイスラム系少数民族の人々は、主に農村部にいて農業に携わっている、という構造だそうです。

 新疆が「石炭で中国一」であることには昨日触れましたが、トルファン(人口は市としては20万人)の中心からベゼクリク石窟寺院に向かう途中の道路の左側には、まるでテキサスのような風景が広がっていました。

 油井で石油をくみ上げるマシンが動き続けているのです。中国の石油生産の30%は今は新疆からだそうです。「こりゃ、手放すわけないわ....」と見ながら思いました。明日も午前中はトルファンです。写真は

  1. 「日乾し煉瓦の家」から出来た村をやや高いところから見ました。人が住んでいる家と、捨てられた家が入り交じっている
  2. 「火焔山」と書かれた標識の前で一枚。ラクダが寝そべっていました
  3. ベゼクリク石窟寺院(千仏洞)の前で
  4. 夜8時過ぎから全員で夕食。葡萄棚の下は涼しかった





2012年08月31日(金曜日)

 (07:35)ははは、作戦変更です。私が通常使っている交流サイトがどちらも非常に接続しにくい。何故か ? 他のサイトは問題なく繋がるのですが。

 なので、「その一つ」を使ってちょっと綺麗な、かつ面白い写真をアップしようと思っていましたが、作戦変更。だって接続そのものが出来ないのですから。で、HPのこのコーナーにアップします。写真は上から

  1. ウルムチの夜景(2012年08月30日)
  2. この果物は何? ブドウの隣です
  3. トイレでのおもしろ警告(Your Big John is not so long as you expected の類ですが、ちょっと中国らしい)





2012年08月30日(木曜日)

 (23:35)北京空港での乗り換えの数時間を経てウルムチまで来ています。もうすっかり深夜です。「東京→北京」(約3時間)よりも「北京→ウルムチ」(約4時間20分)が時間がかかる。しかも「北京→ウルムチ」の飛行機は3時間10分出発が遅れた。全く一日仕事です。

 まだ夜しか見ていないのですが、ウルムチは大都会ですよ。人口200万と言いますから農民工の方々などなどを入れると250万くらいはいるでしょう。名古屋が226万人くらいですから同等の大都市と言うことになります。

 中国においては新疆ウイグル自治区は資源の宝庫。石炭(埋蔵量中国一に最近なったとか)の一大産地ですし、石油・天然ガスも次々に見つかっている。街も潤沢に電気を使っています。高速道路沿いの照明灯の支柱にまで鮮やかな灯りが灯っているし、特に道路沿いのビルはみなイリュミネーションで縁取りしている。

 やはり今までの道程で気がついたのは、北京空港の、従って北京でしょうが、空気の悪いこと。6時間くらい滞在しましたが。全員で、「体調はおかしくならないのか」と話していました。

 兎に角100メートル先を見渡すのが難しい感じ。空気の綺麗な東京から来ると信じられない。黒くくすんでいるのです。太陽は必ずしも夕刻のせいではなく赤く見える。以前の東京も空気は汚かったが、「ここまで悪くはなかった」と思う。

 北京に来たのは最後は一昨年でチベットの帰りだったのですが、その時の北京の空気も相当酷かった。ちっとも改善していないということです。北京で唯一青い空が見えたのは空港からウルムチに向かって飛行機が飛び立って10分以上たって、飛行機の高度が相当高くなってからです。

 その後は綺麗な空でした。ずっと西に移動しますから、私は飛行機の左側の席だったのですが、ずっと月が左上に見えて「もうすぐ満月」という感じで良かった。空から見たウルムチの夜景も綺麗でした。

 また北京の空港の話に戻りますが、空港内を移動してウルムチ行きのゲートに来ると、「イスラムの世界に向かうのだな」という光景が。北京時間の午後2時半過ぎに、イスラム教の教徒の皆さんだと思うのですが、急に小さい長方形の絨毯を広げて、多分メッカの方向だと思うのですが、5分ほどお祈りを捧げた。

 トルファンやサマルカンドに住む人達がどんな顔をして、どんな生活をしているのか。今まで見たことのない世界なので楽しみです。明日は午前中にトルファンに移動します。

 ところで、北京空港ではウルムチ行きの飛行機が予定より3時間近く遅れたと書きましたが、「まあそういうこともあるかな」といったところ。いつもこの手の旅行でご一緒する久井さんに、「最近書いた本です」といただいた本を読んだり、文章を書いたりで時間を過ごしました。

 久井さんに頂いた本は、「プロジェクトマネジャー・リファランスブック」というその業界の人向けの本ですが、素人の私が読んでも「そうだよな」というところが多い。

 IT関係でPM(プロジェクトマネジャー)を目指している人には最適なんではないでしょうか。


2012年08月30日(木曜日)

 (05:35)ちょっと遅めの夏休みで10日ほど日本を離れます。行く先は、新疆から入ってトルファン、ちょっと飛んでウズベキスタンのサマルカンドなどです。

 ずっと行きたかった場所で、どんな旅になるか楽しみです。通信状態は分かりません。まあ多分ホテルは大丈夫でしょう。しかしその他は不明です。このコーナーの更新は途切れ途切れになるかも知れませんが、よろしく。

 写真を一杯撮ろうと思っています。このコーナーにも掲載しますが、多分アップはフェースブックが中心になると思います。お楽しみに。


2012年08月29日(水曜日)

 (16:35)新しいコラムが公開されました。今回は第72回「経済は“祭り”だ PART1」を書きました。オリンピックにちなんで。今回と次回に続きます。是非ご一読を。

 加えて番組のお知らせです。明日木曜日の「地球アステク」(BS7チャンネル 午後10時)は、第74回として「毛が生える!歯が再生する!最新の再生医療技術!」をお送りします。東京理科大学は総合研究機構器官再生工学プロジェクトの辻孝先生の研究室から。

 今年4月に新聞・ラジオで大きく報道されたので覚えていらっしゃる方も多いと思います。「世界で初めて(ほ乳類の)毛がほぼ完全に再生した」というニュースがありました。これがヒトに応用されれば男性の薄毛の悩みが根本から解消されるかもしれない最先端テクノロジーですが、今回はその最先端の研究現場をレポートします。

 毛の再生に成功したのは東京理科大学・総合研究機構の辻孝教授。毛を作り出す器官である「毛包」を他のマウスから取り出して培養。その毛のタネを、毛のないマウスに植えると毛が生え、血管、神経、筋肉などが繋がり、ほぼ完全にマウスの毛になった。我々がそのマウスを手に取り、まじまじと成果を確かめました。

 これは単なる移植ではない。取り出したタネを培養し、いくらでも増やせる点で画期的な成果なのです。実はこれまでタネを取り出しても、器官にすることは困難でした。それを世界で初めて、画期的な器官育成法により成功させたもの。その全貌が明らかにされます。

 さらに、世界初の歯の再生にも成功。毛と同様に血管、神経、筋肉に繋がった「本物」の歯となりました。しかし、ヒトに応用するにはどうすればいいのか?通常、歯のタネ(器官原基)は胎児の頃までにしかない。

 そこで注目されるのが「親知らず」。ヒトには8歳くらいまで「親知らず」のタネが残っている。それが使えるかもしれないという。将来、培養で増やして使えば、一生自分の歯でいられる社会が来るかも!? そのような人間に応用する場合の可能性についても伺います。


2012年08月28日(火曜日)

 (19:35)あらら、ある意味バーナンキの発言より「何を言うのか」と注目していたのですが、ドラギECB総裁は「ここ数日間の多忙」を理由にジャクソンホールの中銀総裁の会合(31日からだと思った)に出席しないと。出て1日に講演する筈だったのに。ウォール・ストリート・ジャーナルの報道です。

European Central Bank President Mario Draghi won't attend the annual conference of central bankers in the Wyoming resort town of Jackson Hole, the ECB said Tuesday.

"ECB President Mario Draghi had hoped to attend the annual economic symposium in Jackson Hole organized by the Federal Reserve Bank of Kansas City, but has decided not to go to Jackson Hole, due to the heavy workload foreseen in the next few days," an ECB spokesperson wrote in an email.

No one from the ECB's executive board will attend the conference, which kicks off Thursday, the spokesman added.

 うがった見方をすれば、「言うに値する目新しいこともないし、市場をまた失望させてはならない」と思ったのかも知れない、とも思います。「何でもする」と言った手前、ドラギ総裁の次の機会での発言には注目が集まりますから。確か来週はECBの理事会があったような。

 それにしてもヨーロッパの景況は厳しい。今日はスペインの統計局が第2四半期のGDP統計を発表した。ウォール・ストリート・ジャーナルの記事を引用します。

MADRID―Spain's economic recession deepened in the second quarter as gross domestic product contracted at a faster pace both on an annual and a quarterly basis amid a steep downturn in domestic spending.

The euro zone's fourth-largest economy contracted 0.4% from the first quarter and by 1.3% compared with the second quarter of last year, Spain's statistics institute INE said. The quarterly reading is in line with preliminary INE estimates released last month, but the annual reading is worse than the previous estimate of a 1% contraction.

INE added it now estimates the economy contracted 0.6% on an annual basis in the first quarter, compared with a previously estimated 0.4% contraction. It confirmed the economy shrank 0.3% on a quarterly basis. An economy is deemed to be in recession after two consecutive quarters of contraction.

INE's numbers provide a picture of an economy that continues a quick deleveraging process after a decade of debt-fueled expansion, but is unable to use government spending to compensate for the loss of private activity due to an austerity drive that seeks to meet tough budget deficit reduction targets.

 その後の文章によれば、スペインの第2四半期には家計消費が2.2%減(年率 前期は1.5%減)、政府消費が3%減(同 3.5%減)減少したという。企業の設備投資も悪いわけで、こうした中で同国は650億ユーロの財政支出削減を予定している。これは厳しい。

 この財政支出削減は今後2年半での実施が約束。この結果財政赤字の対GDP比は昨年の8.9%から2014年には2.8%に低下する見通しだが、税収も落ちるのでその通りになるのかどうかも不明。ギリシャも暫くがヤマ場です。


2012年08月28日(火曜日)

 (13:35)昨日午後6時45分頃です。打ち合わせがあったニューオータニから大手町の日経CNBCのスタジオに向かうためにタクシーで半蔵門のFM東京とグランドアーク半蔵門の間の道を通っていたのです。そしたら内堀通りから凄い勢いで消防車が来た。続いて救急車。

 すっと国立劇場の方向に曲がったのです。タクシーの運転手さんと、「あんなところに民家あったっけ」(私)とか「いやいや、2〜3軒ありました」(運転手さん)とか、「国立劇場の楽屋かも知れないね。煙草吸う人が多いから」(私)とか言っていたのです。

 「国立劇場」までは当たっていましたが、あとでニュースで「歌舞伎俳優市川染五郎(39)が27日、舞台セリから約3メートル下の奈落に転落して大けがを負い、救急車で都内の病院に搬送された。」と聞いて、「ああ、あの救急車か」と。

 それにしても最近「シアターオーブ」を取材したばかりなので、「舞台の奈落は相当深い」と知っていたので、大変なことだなと思いました。誰のミスなのか。多分、上がっていなければならないセリが下がったままだった、または下がったということでしょう。早期の回復を期待します。

 それにしても、松坂が今季初勝利とは嬉しい。大リーグ50勝。先にアメリカに渡ったのに、既に黒田に勝ち星で先を越されている。「1勝」ではファンの気持ちは戻らないでしょう。2勝、3勝と重ねて欲しい。

 それにしても、来年は松井、松坂など日本から出た大リーガーにとって試練の年です。皆最後まで力をふるって欲しい。


2012年08月27日(月曜日)

 (18:35)アップルがサムソンとの戦いを「特許とか賠償金などマネーの問題」ではなく、「価値観を巡るものだ」と表現しているのはアップルの考え方を体現しているし、心から応援したくなる。

 アメリカでの裁判でアップルはサムソンから10億ドルという巨額の損害賠償を勝ち取った。そこから出てきたアップルのスポークスマンの声明が良い。

 We are grateful to the jury for their service and for investing the time to listen to our story and we were thrilled to be able to finally tell it. The mountain of evidence presented during the trail showed that Samsung’s copying went far deeper than even we knew. The lawsuits between Apple and Samsung were about much more than patents or money. They were about values. At Apple, we value originality and innovation and pour our lives into making the best products on earth. We make these products to delight our customers, not for our competitors to flagrantly copy. We applaud the court for finding Samsung’s behavior willful and for sending a loud and clear message that stealing isn’t right.
 ええですな、この文章。「not for our competitors to flagrantly copy」とはサムソンの事を言っているのでしょう。「ちまちまと真似してけしからん」し、「サムソンは我々が知っている以上に深く我々の真似をしていた」(went far deeper than even we knew)とアップル。

 これに対するサムスンの反論は、この文章の中に掲載されているが、説得力に欠ける。アップルが何よりも大事にしたのは、「we value originality and innovation and pour our lives into making the best products on earth」の「独創性」と「革新」でしょう。それがあってこその企業の繁栄。アップルが時価総額で世界最大の会社になったことの背景でしょう。

 難しいかもしれない。しかし世界中の企業が目指すべき価値観だと思う。だから私は絶対にケイタイでもスマホでもサムソン製を買わないのです。


2012年08月26日(日曜日)

 (08:35)久しぶりに皇居周りをした後、ちょっと北の丸公園に足を伸ばしたら、凄い人。なんだろうと思って武道館の看板を見たら、「24時間テレビ......」と。「へえ、まだあんなことやっていたんだ」。

 祭りは好きだから人が集まるのは良いのですが、人の波が千鳥ヶ淵緑地にまで伸びていて、前夜から人が多かったのでしょう、ゴミが普段はほとんどない所なのに、今朝は凄く多かった。

 どうな趣旨でやっているのか知りませんが、周囲のゴミを増やしてもやるようなことなのか。あとの始末はどうするのか。日本の祭りが素晴らしいのは、数時間の祭りの終了とともにゴミ一つ落ちていない街に戻ることです。

 24時間テレビというのは24時間やるのでしょうが、その終了を待っては街がきたなくなってしまうと思うのです。皇居周りには一生懸命袋を持ってゴミを集めていた人がいた。

 私も気がつくとゴミがあったらゴミ箱に入れるタイプの人間ですが、催事や祭りの主催者には「ゴミを出さない」「ゴミを出すような参加者には遠慮してもらう」という最低限のマナーを守って欲しいものです。


2012年08月24日(金曜日)

 (23:35)アメリカもどうしちゃったんでしょうね。ニューヨークはマンハッタンのヘソの一つであるエンパイア・ステートビルの近くでの銃乱射事件。二人死亡との報道。

 とにかく多いですよ。大体において、犯人は警察官(隊)によって「射殺」される。それがまたもの悲しい。むろん気の長い人も落ち着いた人も多いのでしょうが、職の喪失などでショート・テンパーになっている人も増えているのでは。銃は山ほどある。私も住んでいたことがあるマンハッタンでの事件だけに、また一段と気になる。

 夜家に帰ってきて知ったのですが、「韓国が島根県・竹島を不法占拠している」と述べた野田首相の言葉聞いて、韓国側も自分達(のトップ)が引き起こした騒動の先行きを懸念し始めたのではないか、と思います。首相が「不法占拠」と言った意味は重い。

 もともとは、李明博大統領の無思慮な行動と発言が引き起こした日韓関係の緊張。今後交流や人の往来などいろいろなところに影響が出るでしょう。同大統領が日本に対して複雑な感情を持っていることは容易に想像は出来る。しかし、「島に最初に行った大統領」などという実績の残し方は、何とも的外れだし、情けない。

 首相の記者会見をカレントで聞けなかったのは、如水会館でかんべえさんのパーティーがあったため。懐かしい人、初めての人。ネットで意見交換していただ昨日初めて会った人もいたな。「今度一緒に走りましょう」という人も。

 ああいうパーティーにたまに顔をだすのもいいと思いました。「かんべえ」の今後ともの活躍を祈りつつ。


2012年08月23日(木曜日)

 (08:35)下がっていたニューヨークの株価も全般は反発に転じてNASDAQとSP500の引け値は上げ(各6.41、0.32ポイント)に転じた。しかし指標として一番注目されるダウ工業株30種平均は30.82ポイント下げたままで終わった....というのが市場の評価ですが、妥当じゃないでしょうか。

 何の評価というかというと、直近発表のFOMC議事録での「新たな緩和示唆」。具体的にはこの部分です。

 The Committee had provided additional accommodation at its previous meeting by announcing the continuation of the maturity extension program through the end of the year, and more time was seen as necessary to evaluate the effects of that decision. Nonetheless, many members expected that at the end of 2014, the unemployment rate would still be well above their estimates of its longer-term normal rate and that inflation would be at or below the Committee's longer-run objective of 2 percent. A number of them indicated that additional accommodation could help foster a more rapid improvement in labor market conditions in an environment in which price pressures were likely to be subdued. Many members judged that additional monetary accommodation would likely be warranted fairly soon unless incoming information pointed to a substantial and sustainable strengthening in the pace of the economic recovery. Several members noted the benefits of accumulating further information that could help clarify the contours of the outlook for economic activity and inflation as well as the need for further policy action. One member judged that additional accommodation would likely not be effective in improving the economic outlook and viewed the potential costs associated with such action as unacceptably high. At the conclusion of the discussion, members agreed that they would closely monitor economic and financial developments and carefully weigh the potential benefits and costs of various tools in assessing whether additional policy action would be warranted.
 ちょっと長かったのですが、赤くした二つの文章とその後の文章が重要だと思う。言っていることは次のようなことです。
  1. かなりの数のFOMC理事は、物価上昇圧力が押さえられている状況下では、追加緩和は労働市場環境の足早な改善を促す(つまり有効)と示唆した
  2. その上で多くの理事は、大幅で持続的(a substantial and sustainable)な景気回復ペースのアップを示す指標が入ってこないケースでは、かなり早い時期での追加金融緩和が正当化されると判断した
 と書かれている。ということは、何か景気の大幅改善を示唆する指標がなければ、来月12〜13日の次回FOMCでは「追加金融緩和がある」と考えるのが自然で、それが下げていた株価を反発に導く原因となった、ということです。具体的な”追加緩和”の作としては、「a new round of bond buying, known as quantitative easing」がテーブルに上がっていると思われる。

 むろん、追加緩和の有効性に疑問を投げかける意見も出たようだ。「理事の一人」(One member)と断っていて、それは今までの投票行動から容易に分かるが、その方の判断は、「additional accommodation would likely not be effective in improving the economic outlook and viewed the potential costs associated with such action as unacceptably high」というもの。後半のunacceptably high には賛成できないが、前半の意見には賛成できる。

 アメリカの中銀当局にとっては、「労働市場環境の改善」がマンデートの一つですから、ある意味置かれた状況はより厳しい。忙しいですね来月の12日。ドイツの連邦憲法裁判所の判断が出るのか。9月はいろいろありそうだ。


2012年08月22日(水曜日)

 (08:35)朝一番の新幹線で神奈川県中原区にあるNEC玉川事業所に向かっています。「画像認識技術」など様々な映像処理技術に関するロケのため。映像処理に関わるテクノロジーは、依然として他国を寄せ付けずに日本が誇る分野です。どんな新しい技術が見られるのか、楽しみ。

 ところで、明日の「地球アステク」は、「近未来のコンピューター技術!量子ドット」です。難しいタイトルに見えるかも知れませんが、実は日本が世界を牽引する近未来コンピューター設計や超効率的太陽電池開発に関わる先端テクノロジーです。

 取材したのは東京大学ナノ量子情報エレクトロニクス機構の機構長・荒川泰彦教授。世界に先駆けて量子ドット・コンピューターを提唱。実用化への開発も世界トップ級にある。

 「量子ドット」技術の核心は、量子レベルで電子を扱うことによって僅かな電気をレーザー光に変換できる点にある。それをLSIなどのチップに組み込めば、従来、電気でやり取りしていた情報を「光」で伝送することが可能になる。

 実際に私たちは研究室でDVD約100枚分の情報量の3.5テラビットをたった1秒で伝送する世界最高速レベルのチップを見せてもらった。また、情報を「光」で伝送するために、電気による伝送とは違い今の電子機器にはつきものである“熱”の発生を抑えることができる。

 この結果何が可能になるかというと、新幹線移動の時などにラップトップを膝の上で仕事をしていると熱くなるために雑誌などを挟まないと使えない今のPCが、ほとんど熱を出さなくなるし、非常に薄くなるということだ。

 量子ドットは高効率の太陽電池にも応用できる。一般的な太陽電池の限界を遥かに超える変換効率75%〜80%が理論上可能になる。今はせいぜい20%だから、これは革命的な効率化だ。

 「量子ドット」は、一言で言えば「現在のコンピューターを更に高速化でき、スーパーコンピューターもひと抱え程度に小型化できる」というもの。夢が広がる画期的な、そして日本が先導している技術をこくとご覧あれ。


2012年08月21日(火曜日)

 (14:35)両方とも日本の会社ではないのでいまいち力が入らないのですが、それでも両方の会社とも非常に近い、身の回りの会社です。アップルとフェースブック。その両者の株価の動きがあまりにも対照的。

 まずアップル。20日のニューヨーク株式市場で同社の株価は先週末より17.04ドル(2.63%)高い665.15ドルで取引を終えた。この結果、発行株式残高に株価を掛けた時価総額は約6240億ドル(約49兆5千億円、トヨタの3倍以上)に達し、上場企業では1999年のマイクロソフトを抜いて史上最高になった。せいぜい5〜15万の製品を作っている会社なのに、凄い。

 対してフェースブック。上場の時にはあれほど騒がれてIPO価格が38ドル、高値は確か45ドルだったと思う。しかし同じ20日のニューヨーク株式市場で株価はついに19ドルを割った。つまりIPO価格に対して半値以下になった。

 何がこの株価の違いをもたらしているのか。フェースブックのIPO価格が高すぎたとか、発行株式数をIPO直前に増やしたのが失敗だったとか、アップルの株価が過大評価とか、いろいろな見方ができると思う。しかしあまりにも違いすぎる株価動向には、それなりきの理由があると思う。

 私の身の回りにはアップルの製品が沢山あり、その端末(PC、iphone)を使ってフェースブックを盛んにやっている身としては、次のようなことを思う。

  1. アップルの製品(PC、タブレット、それにiphone)は、もはや私の日常にはなくてはならないものとなっている。PCはスリープ状態でもUSBを通じてケイタイを充電できるし、キーはシャローで打ちやすい
  2. ipad やiphone はいつも身の回りに置いておくと限りなく便利である。ベッドでニュースを確認するにはタブレットがいいし、iphone は瞬撮が必要な写真撮影には欠かせない
  3. 対して、フェースブックは絶対なくてはならないというものではない。写真をアップするには非常に優れているし、お友達も上品な方々が多くて良い。しかしだからといって、フェースブック・ページの右にあるコマーシャルへの入り口をクリックすることは殆どない
 という位置づけた。両方ともとても重宝に使わせてもらっている。しかしアップル製品はモノとしての出来具合もいいし、触っていて気持ちが良い。そういう意味でも世界中で愛される十分な理由がある。

 アップルが新製品を出すのと同じようにフェースブックも盛んに中味の出し方、表示の仕方の変更を行う。しかしそれは使い慣れた人間には、「また変えたのか」という以上の意味を持たない。慣れると「これは便利だ」と思うが、それだけだ。

 しかし、アップルの製品は「今度は今まで出来なかったどんな機能が使えるようになるのか」とワクワクする。ましてやタブレットもiphoneもアップルは新製品の発表を控えていると言われているし、多分近々出てくるだろう。

 やはり「ハードの存在」が両者の株価の違いをもたらしている一つの要因だと思う。そう言えば、マイクロソフトもグーグルも、「ハード参入」の入り口にある。日本企業にも出番のチャンスがあるはずだが。


2012年08月21日(火曜日)

 (07:35)6月19日にこのコーナーで書いた橘正清さんを偲ぶ会を月曜日の午後から夜にかけて大阪で2段階に分けて行いました。午後3時から菩提寺に9人ほどが集まり、夜からはその倍の人間が集まって梅田で映写会を含めて食事会。

 菩提寺は阿倍野の西教寺というもっぱら橘の家名に通じる檀家さんだけのお寺。多分イソライトの社長時代のものでしょうか、元気そうな橘さんの写真が飾ってあって懐かしかった。

 お嬢さんや息子さんも来て下さった。お嬢さんはオペラ歌手ですが、ずっと前から一度舞台にお伺いしたいと思っていましたが、お会いするのが先になってしまった。

 思ったのは、親というのは子供には「その一面」しか見せていないのだな、ということ。いい意味でも。私たちは勝手に思い出を語ったのですが、お二人には「そうですか」という事も多かったようです。

 でも改めて思ったのは、亡くなった人が今を生きている人間を時々こうして会う機会を与えてくれる、ということ。第一に子供さん二人と会えたのは、橘さんのおかげでしょう。

 また夜集まった18人は皆何らかの形で橘さんに御世話になった方々。むろんこちらも御世話しましたが(ははは)、明るい性格の橘さんの人柄が出ていたような明るい、時々涙も顔を出すという良い会合でした。

 映し出されたのは全編20分弱の、故人の生前の写真や動画を編集したビデオでしたが、これはできが良かった。テレビ局でビデオ編集やそれへの音当てをしていた渋谷さんの作でしたが、素晴らしかった。

 PCとプロジェクターは店に借りて、スクリーンだけを持ち込んだ。皆コピーディスクを一枚もらって、またいつでも橘さんに会えるというわけです。そして、その中に写っている自分と対話する。良いものを頂きました。


2012年08月19日(日曜日)

 (07:35)今年も夏の週末は最後か、と思って海岸に来ています。茨城の。天気が崩れそうで崩れず、総じて良かった。ちょっと良い写真がとれましたので、掲載します。





2012年08月17日(金曜日)

 (14:35)久しぶりに雑誌の取材でした。徳間書店の雑誌「GoodsPress」このリポートの背景となっている日本の老舗企業の経済的・社会的背景について。

 インタビュー内容は9月に発売される号に出るそうなのでそれを見て頂ければ良いのですが、思ったのは

  1. インタビューアーが問題の背景を知っている
  2. こちらのことも調べてくれている
  3. 手際良い質問が出来る
 となると、インタビューされても非常に楽しい、話が通じると言うことです。今日はそういう意味では順調だったし、かつ楽しかった。どんな記事になるか楽しみです。


2012年08月16日(木曜日)

 (19:35)番組のお知らせです。今晩夜10時のBSジャパン「地球アステク」は、72回として「うまい!ビールのテクノロジー」をお送りします。

 珍しく番組の中で(最後の最後ですが)ビールが飲めるという、結構楽しい回でしたが、それにしても「ビール作りにもこれだけのテクノロジーが使われているのか」と感心しました。皆さんがいつも飲んでいるビールの秘密。お楽しみに。


2012年08月15日(水曜日)

 (17:35)昨日は新幹線のダイヤが乱れていたので、今朝の早い新幹線で帰ってきたのですが、時間(07:37分新大阪発)が時間だったせいか、とっても空いていました。車掌さんもビックリ。その後混んだんでしょうが。

 それにしても今日は大学時代の二人の友人に電話したのですが、「みんな”お盆”してるな」と思いました。一人は出雲の親父さんのところにいて、「90だけど元気だよ」と。

 もう一人は「嫁さんの実家の福井の山の中」と。この一人がこの本の著者で、電話の切っ掛け。新潮社から本が送られてきて、「ああ、書いたのか」と思って電話した。

 ちょっと時間があったので読み始めましたが、専門外の人間にはなかなか難しい問題ですが、優しい語り口で入れる。また読み終えたら改めて紹介します。

 もうひとつ「それにしても」ですが、「未来志向」と言っていた人が手のひらを返したような発言の連続。彼の頭の中で何かがフラッシュバックしたのか。政権が末期になって支持率を失うと必ず対日カードを持ち出すのは韓国の政治の悪弊。盧武鉉前大統領もそうだった。最初は彼も「未来志向」と言っていた。

 それにしても韓国の政治は苛烈だ。最側近から実兄まで。次々と逮捕されて、大統領としては任期切れも近いなかで、苦境だったのでしょう。あの国の歴代の大統領がなぜ必ずそうなるのか不思議です。

 改めて経歴を調べら、大阪にいたのは生後から4才くらいまで。とするとあまり幼少期の悪い思い出はなかったはずですが。それとも何かあったのか。一連の発言は日韓双方にとって非生産的です。


2012年08月14日(火曜日)

 (22:35)お盆で大阪の大方の店はお休み。人通りも少ない。街に出ても面白くなさそうなので、NHKの午後7時半からの「なでしこ特集」を見ました。

 オリンピックが終わった直後のスペシャルとしては、まずまずな感じがしました。特に大儀見選手と宮間選手の絆が固くなっていく過程の話は良かった。そういう内部まで私たちには分からないじゃないですか。ワールド・カップの時、大儀見選手はあんなに泣いてましたっけ。二人の生証言も良かった。

 改めて考えてみても、シンクレアに仕事をさせずにカナダを破り、マルタのいるブラジルを撃破し、そして直前試合で完璧に負けたフランスに勝った。もうそれだけで特筆に値する。今回の男子のスペインを見てもそうですが、「どこにだって落とし穴」はあった筈です。しかしそれらをかいくぐって決勝まで進んだ。

 私は決勝は決勝で、「誤審」(主審の米サイドのハンド見逃し)があったのでNHKにもそれには触れて欲しかったが、ストーリーを一貫したかったんでしょうね。NHKはそれには触れなかった。しかし、別の機会には取り上げて欲しい。

 「サッカーはそういうもんだ」という意見は分かります。しかしそれは誰が見ておかしい判断が繰り返されて良い、という事ではない。やはり少ない方が良いわけです。ですから、敢えて問題にする、問題提起をすることは必要だと思う。

 それはそうと話は変わりますが、今月末から海外に出かけるので、ドコモが今起こしている障害には関心がありますね。でも一体ドコモさん、どうしちゃったんでしょうか。ウリの「通信の信頼性」は、相当揺らいでますよ

 今回の障害は、海外でドコモの携帯電話・メールが通じにくくなっているというもの。実際に海外にいないのでどの程度か知りませんが、海外で日本のケイタイがいつでも繋がる、国内と同じに繋がる、というのは非常に大きな安心感です。

 多分それがちょっと不安になるほど繋がらない状態になっているんでしょうね。私のスマホの一つはドコモなので、海外滞在中に同じ事が起きれば、「通信障害」となるわけですし、やはり不安になるのでしょう。

 ドコモは最近こういうことが多い。今月の初めにも、TBSの若手が夜の10時頃に私宛に打ったケイタイメールが、私の所には朝の5時ごろ着いた。「ネットを使っているので延着は当然ある」と主張する人も居るが、じゃなぜドコモはこの件で謝ったのかと思うわけです。やはり異常だったからでしょう。

 今月初めの障害と今回のそれとは原因は異なるようですが、問題なのはいずれの障害でも完全な復旧や原因究明に時間がかかっていること。同社の中で、何かがおかしくなっているんでしょうね。

 恒常的にはドコモは電波の繋がりは良い。しかしこういう事が続くと、顧客の信頼が失われるのではないか、と心配です。海外の接続も早く復旧して欲しい。


2012年08月13日(月曜日)

 (20:35)ロンドン・オリンピック最終日にレスリング男子フリースタイル66キロ級で金メダルを取ったのは、ご存じの通り日本の米満達弘選手。むろん私も米満選手を応援していたのですが、実はその相手がインドのクマールという名前の選手だという事にも強い関心がありました。その理由は二つです。私がインドで会ったクマール兄弟

  1. ”クマール”という名前は、私がラマヌジャン数学アカデミーを取材したときに対応してくれたクマール兄弟と同じだったことで、当時を思い出したこと
  2. 加えてもしインドのクマール選手が米満を破れば、それは今回のオリンピックでインドにとって唯一の金メダルになることを知っていた
 からです。12億の人口を抱えながら、インドは本当にオリンピックでメダルが取れない。確か北京でも射撃で一つ金が取れただけだと思う。しかし久しぶりの金で、もうインド中大騒ぎでした。北京の時はあと銅が二つ。米満選手が勝った瞬間に、「ああ、今回もインドは金なしか」と思った。今回のオリンピックでインドが取ったメダルは以下の通りです。(ウォール・ストリート・ジャーナル紙から)
Bronze Badminton Women's Singles Nehwal, Saina
Bronze Boxing Women's Fly (51kg) Hmangte, Chungneijang Mery Kom
Bronze Shooting 10m Air Rifle Men Narang, Gagan
Silver Shooting 25m Rapid Fire Pistol Men Kumar, Vijay
Bronze Wrestling Men's Freestyle 60 kg Dutt, Yogeshwar
Silver Wrestling Men's Freestyle 66 kg Kumar, Sushil
 今回も射撃は良い。最後の銀がクマール選手です。ややインドより人口で大きいものの、中国が取っているメダルの数は90近く(87)。インドは今回は多い方で6個ですから、これは大きな差です。

 「なぜ」は私にとって昔から疑問の一つで、「それは親が子供にスポーツを勧めないから」「最近は変わってきている」というのがインドの友人達の解説ですが、多分インドはそう遠くない将来にオリンピックをやりたいのでしょう。

 ただし、このメダル獲得数では盛り上がらないと思うのです。あと「暑さとの戦い」という面も残る。ニューデリーなどは随分北で冬など寒いので、秋も深まった頃には出来るかもしれない。しかしインド全体は、一年を通じて暑い。

 英連邦大会などではインドも随分メダルを取れるようになっている。しかし、その歩みは早くはない印象が私にはする。だから、インドは今後もオリンピックでのメダル獲得で苦労するのではないか、と思う。


2012年08月13日(月曜日)

 (19:35)今日も朝からいろいろありましたな。まだ人影も少ない霞ヶ関。ちょい歩行者信号を見落として赤なのに車道に2〜3歩出てしまったら、突然

危ない。信号は赤です。渡らないで下さい
 と女性の声で強い口調の警告。「ああ」と思いました。人間を感知し、歩行者信号が赤の場合は警告を発するようになっているのです。いつからだろう。英語ではなかった。日本語でした。朝の本当に車も走っていない時間。

 こういうときは普通は外国の人が平気で渡るんですよね。私など真面目なので(?)滅多に信号無視はしない。このときもたまたま2〜3歩車道に出ただけでした。しかし「この警告は初めて聞いたな」と思いました。

 その後、パレスホテルの前に来たときです。大きな亀が多分のお堀の石垣を上がってきたのでしょう。歩道の手前にうろうろしている。見ていたら結構素早いスピードで歩道を横断して内堀通りを突っ切ろうとする勢いだった。

 そりゃ危ないでしょう。最初パレスホテルを臨むようにしていたので、「誰か知り合いでもいるのか」「ずっと見ている建物なので、入館したいのか」と冗談で思ったのですが、とても交通量の多い内堀通りを渡すわけにはいかない。で、余計なお節介と思いながら、結構重い彼を両手で持ち上げて、内堀通りの内側のお堀に返してやりました。

 亀がお堀から上がってきて大手町方向に歩いているのを、私は初めて見た。多分かなり大きな亀だったので、石垣を上れてしまったのでしょう。小さい亀にはあのほぼ直角の石垣を上ることは出来ない。

 でもあとで考えてしまったのです。実は皇居のお堀には実に多数の亀がいる。いろいろな種類の。しばしば通るので、「凄い数だな」と思う。もしかしたら内堀通りを無事に横断できたかも知れない。私がアシストすべきだったかも知れない。三井物産の池のカモのように。

 しかし大混雑になることは目に見えているし、ここは我慢してもらい、お堀に戻ってもらいました。うーん、良かったかどうか......


2012年08月12日(日曜日)

 (08:35)オリンピックも残すところ1日と最終盤ですが、またまた嬉しいニュース。あまり期待も(私は)していなかった村田諒太選手が、”ミドル”というクラスが重い方でエスキバ・フロレンティノ(ブラジル)を判定で破って、金メダルを獲得。

 日本選手が五輪のボクシングで金メダルを獲得したのは東京五輪のバンタム級で桜井孝雄が手にして以来。48年ぶりだそうですが、「ミドル級」というのが一段と光る。もしかしたら、今回のオリンピックで最後に日本が取ったメダルは金だった、ということになるかも。

 今年のオリンピックは「XX年ぶり」というのが多いのも特徴で、女子バレーの28年ぶりも特筆にあたい。男子のサッカーの44年ぶりはなりませんでしたが、日本がスポーツの面で確かな存在感があることを感じた2週間でした。

 各国のメダル獲得数をつらつらと見ていると、いろいろ面白いことが浮かんでくる。やはりアメリカは強かったとか、イギリスのところを見ると、「本気で強化すれば、選手はメダルを取れるようになるんだ」と思う。だって前々回のアテネではイギリスの総メダル獲得数は30で、今回の半分以下でしたから。

 日本はアテネがめちゃよくって、金16を含む37個。今回のオリンピックの総メダル獲得数は37(北京は25)で同じだが、金メダルは10個少なくて今のところ6個。まあでも、メダル獲得がなかった日がないくらい毎日「日本がメダル」でしたから、今回のオリンピックは楽しめた。

 今年のメダル獲得数を見ていると、国別で30以上のメダルを取っている国は、アメリカ(102)、中国(87)、ロシア(78)、イギリス(62)、ドイツ(44)、日本(37)、オーストラリア(35)それにフランス(33)しかない。その下が韓国の27です。

 各国別で見ると、フランスに比べるとスペインのメダルが16とちょっと少ない。2020年のオリンピック開催を東京と競っているトルコ(イスタンブール)は金2個を含む5個。私がずっと注目しているインドは、金なしの5個でした。

 まだ男子のマラソンなどいくつかは残っているが、昨日今日はちょっとオリンピック疲れ。高校野球を見ると新鮮な気分になる。


2012年08月10日(金曜日)

 (11:35)やっぱしあれは”疑惑”ではなかった。真実だったんです。で、あの時日本にPKが認められていたら......と私は思うわけです。

 前半に宮間が打ったFKがアメリカ人選手(私は最初モーガンかと思ったが、ヒースだったようだ)の手に当たり、さらに絡んだ。しかし主審は見えなかったのか、プレーを続行した。日本にPKを与えなかった。

 この件に関して昼前になってアメリカ選手の発言が入ってきた。サンケイ新聞によると日本戦で二本の素晴らしい足を使ったシュートでのゴール(これは文句なし)を決めたロイドは、「彼女の腕に当たっていたからラッキーだった。すごく微妙な場面だったから自分が主審じゃなくてよかったわ」と話し、ラピノ(カナダ戦で2ゴール)も「ハンドだったと言えるだろう」と認めた、という。

 日本と戦う前のカナダ戦で、アメリカはハンドと判定されたカナダ選手の行為でPKの権利を貰い、それをワンバックが決めて3−3に追いついた。しかしカナダが抗議したように、私にはあれはハンドに見えなかった。

 つまりカナダ戦を裁いていた審判が日米決戦を裁いていたら、あれは即座に「ハンド」と宣告したはずだ。ハンドに厳しいわけだから。一方で日米決戦を審判していた今回のドイツ人の方が、アメリカーカナダ戦を審判していたら、「それはハンドではない」とし、結果的にカナダがアメリカに3−2で勝っていたかも知れない。

 つまり私が知っているだけでアメリカは今大会で二つも「ハンドを巡る判定で得をしている」のです。アメリカの選手が「ラッキーだった」と言っているのは、準決勝、決勝と二戦続けてアメリカに有利な判定(ハンドを巡って)が出たことを指しているように思う。

 サッカーは好きだが、同じ行為でも審判が見ている見ていない、認める認めないで判定が大きく左右されるのが理不尽だと思うわけです。もうちょっと合理的な、誰もが納得する判定方法はないのかと。(その点フェンシングは優れていると思う)

 むろん、「ゲームが止まる」「1人か二人の人間が20人以上の動きを見ているのだから、誤信は付きもの」という意見は分かる。しかし....しかし....と思うわけです。さらに言えば、あの熊谷(だったと思う)に対するアメリカ選手の”抱きつき”もPK相当でしょう。だから私は、それらを足せば日本はアメリカに「3−2」で勝っていた可能性もある、と思うわけです。

 しかし、歴史に残る事実としては今回のオリンピックで日本はアメリカに負けた。しかしここまで来たことが凄いことだと思う。去年から今年に掛けての「なでしこ」は偉業の連続です。ほんの数年前を思い起こせば、対戦成績を見てもわかるがアメリカは歯が立つ相手ではなかった。それを一年間アメリカ人選手を本気にさせた。

 この一年間のアメリカ人選手の思いは、あっちの新聞に一杯出ている。本当に悔しかったようだ。「一年間胸が痛み続けた」という選手もいた。ワンバックは北京に出られなかった故に、今回は結果的に金がとれて本当に嬉しそうだった。今回のオリンピックのサッカー女子は、この競技につきものの”疑惑”と”もし”を孕みながら終わった。

 私はただただ「なでしこ」を賞賛したい。立派な銀だと。そして今年のなでしこは、将来の、来年からの「なでしこ」に立派な、そして未達成の目標(オリンピック制覇、ワールドカップとの連覇という課題)を残してくれた、と思う。


2012年08月09日(木曜日)

 (09:35)今日は筑波に来ていますが、昨日は渋谷の「シアターオーブ」で午後の遅い時間からロケでした。まだオープして一ヶ月もしていないほやほやの、主にミュージカルを扱う劇場。

 凄いところに作ってありますよ。下の商店街が「ヒカリエ」(光へ)として有名になりつつありますが、その11階から16階までを使っている。だから、渋谷の雑踏音(車の音を含めて)が新しい工夫、テクノロジーもあって全く遮断されている。ニューヨークのブロードウェーの劇場のようにタクシーのクラクションが聞こえると言うこともない。

 一番驚いたのは、ヘッド・マウント・ディスプレーかな。視界の邪魔にあまりならずに今演じている役者の言葉が翻訳されて表示される。ナイスです。舞台の袖に縦に表示される今の方式だと、顔を動かさないといけない。これでニューヨークから来たミュージカルを存分に楽しめる。

 中空(orb)の劇場だけに、工夫があちこちに。機材を揚げるエレベーターはどでかいし、奈落も深く、かつ天井もビル3階分くらい空いていて、大きなモノ(例えば象)も収容できる(吊しておける)。自由度の非常に高い劇場です。

 劇場として優れているのは、舞台と客席が近いということ。2階席のフロントなど、実は最高の席に見えました。通常はちょっと舞台から遠いが。また椅子の配置が互い違いになっていて、前の人の頭が邪魔になるということが少ない。

 映画館でもそうですが、前の人の頭って、特に大きくなくても気になるじゃないですか。席が半分ずつずれているので、それがないのです。ナイスでしょ。あと傾斜がいい。

 ヒカリエはこれまで何回も行っていますが、これまでは「あまり縁がないな」と思っていた。だって、「SORA」のごく一部にしかメンズがない。あとは全部といって良いほど、「女性の関心があるもの」です。

 しかし「シアターオーブ」の存在で、「今後何回か行くかも知れないビルになるな」という気がする。渋谷駅の東は、今まであまり縁がなかった。しかし今後駅ビルなども大きく変わるようなので、今後の渋谷の変化が楽しみです。オーチャード・ホールは音楽用、そしてシアターオーブはミュージカルなど劇場用。

 放送は、9月6日木曜日の夜10時BSジャパンです。お楽しみに。劇場好きにはこたえられないと思います。私も興奮しました。だって、「せり上がり」でコンパスを撮りましたから。

 今日は一転して、飼料用稲(コメじゃないところがミソ)の改良についてです。


2012年08月08日(水曜日)

 (09:35)ははは、触りました。というか、握りました。銀メダルと、銅メダルに。厚く、重かった。そして大きかった。

 火曜日の「アンカー」に、アーチェリーのメダルを取った日本人4選手のうち、実に3人の方がいらっしたのです。男子の古川高晴選手、女子の蟹江美貴選手、川中香緒里選手。

 インタビューも一巡してちょっと長めのCMに入ったので、古川選手に「ちょっと触らせてもらって良いですか」と聞いたら、「どうぞどうぞ」。すっと差し出してくれたので、しばらく感触を。

 いや、思っていたよりも大きく、厚く、そして重かった。「メダルが欲しい」「メダルを持って帰りたい」という気持ちが良く分かった。あの重いものを首に掛けたいですよ、選手なら誰でも。手ぶらは嫌かな。

 金メダルは触ってないので分からないのですが、古川選手の銀メダルに触った後に、蟹江選手の銅メダルに触ったら、「わずかに軽い印象」がした。私の印象だけです。蟹江選手に、「銀よりちょっと軽いんですか」と言ったら、「銀に触ってないので知らないです.....」と。いつも笑っているひょうきんな感じの蟹江選手でした。

 うーん金にも触ってみたいが、今回の日本は2個しかとってないので、チャンスはあまりないかも知れないな。でも生まれて初めてオリンピックの直後に、選手が取ったメダルに触れて、何か御利益がある感じ。

 ところで、明日の「地球アステク」(毎週木曜日午後10時 BSJAPAN)は「この夏注目の都市型水族館!」ということで、東京スカイツリーの足下に出来た「すみだ水族館」を取り上げます。

 海岸ではない、湖の近くでもない水族館。「海水はどうしているの」など疑問がありますが、この番組でそうした疑問の全て答えます。それにしても、ペンギンの共鳴する鳴き声は凄かった。お楽しみに。

 それから、その前の毎週木曜日午後6時55分からの東京FM TIMELINEは、今回は「首相が理想とする”三丁目の夕日”。あの時代は良かったか?」などを放送します。”首相”ね。ま、木曜日はまだ野田さんでしょう


2012年08月07日(火曜日)

 (19:35)「あれれ」と考えたのです。2020年の次の次のオリンピックに候補地として残っているのはイスタンブール(トルコ)、東京、マドリード(スペイン)の3都市。大会の成功の一要因は、今回のイギリスのように「開催国が活躍すること」。としたら、マドリード(スペイン)やイスタンブール(トルコ)のメダルはどうなっているのだろう、と思ったのです。

 で調べました。トルコは今までのところ、「レスリングで銅1」がすべて。スペインは悲惨でした。カヌー・スラローム(Kayak)女子で銅メダルが一つ(Chourraut, Maialen)、女子200メートルバタフライで銀(Belmonte Garcia, Mireia)、女子800メートル自由形で銀(同)。つまりメダリストは二人。

 スペインは確かに人口ではフランスなんかより一回り小さい。しかしフランスが今のところメダル獲得総数で日本に続く26(8,9,9)なのに比して、いかにも少ない。やはり経済危機の影響もあるのか、と思ってしまう。

 多分ヨーロッパの危機は10年単位で続く。ということは、大会の運営、加えての盛り上がりという意味で、なかなかマドリードというのは難しいのではないか、と思う。イスタンブールはどうか。仮に今回の大会で僅かなメダルしか取れず、多くの競技での参加(メダル争いという意味で)がないとしたなら、聴衆は盛り上がらないと考えることも出来る。これもどうかなと思う。

 私は特にオリンピックが東京に来て欲しいとは思っていないし、イスラム圏最初のオリンピックというのは国際政治の力学から言えば「魅力的」だと思う。しかし、今回の大会のこれまでの成績からすると、なかなか日本以外の2カ国でオリンピックをするというのは難しいようにも見える。


2012年08月07日(火曜日)

 (12:35)アメリカ対カナダの女子サッカー準決勝の記事を読んでいたら、カナダの選手が怒っている。「主審は、結果を決めていた」とまで言っている。見てないから、「何があったのだろう」と思っていたら、11時過ぎからNHKのBSがその試合の短縮版を放送した。

 凄い試合です。得点経過を選手で示すと

 シンクレア(カナダ)
    ↓
 ラピノ(アメリカ コーナーが直接)
    ↓
 シンクレア
    ↓
 ラピノ
    ↓
 シンクレア

 と来て、カナダが後半の半ば過ぎまで3−2でリード。つまりシンクレアはハットトリックです。問題はここからです。確かにカナダのキーパーがボールを持ちすぎていた印象はした。1点リードですから。しかし私には通常よく見られるシーンに見えた。

 しかし主審はそこで「長すぎる」と思ったのかペナルティ・エリア内での間接フリーキックを与えた。キーパーから見て右斜めです。アメリカの選手も「今まで見たことない」という判断だった。

 そりゃカナダの選手は怒る。加えて、ラピノが打った関節フリーキックがカナダの壁の1選手の手に当たったと判断して、主審はアメリカに今度はPKを与えた。私にはカナダの選手は「よけただけ」に見えた。

 その主審が与えたPKを決めたのがワンバックです。左はじギリギリに。これで3−3。そのまま延長に入って、延長後半の15分も終わって、最後の最後のPK戦に移る直前の「ロスタイム3分」に入った。

 そこで最後に試合を決めたのが、モーガンです。ヘッドで。その時のロスタイム経過時間は「2:25」だった。つまり、残り一分もなかった。サッカーでの120分は壮絶です。アメリカの選手の疲労はたまっていると思う。審判の判断が正しかったのか、カナダの選手はちょっと引きずると思う。

 それにしても、今朝の日本対フランスはドキドキした。日本は良い時間帯に少ないチャンスを得点に結びつけた。後半はフランスの怒濤の攻め。よく耐えたと思う。番組に出かける前に試合が終わりましたが、もうその時にはまだ心臓ドキドキ鳴っていた。ははは。

 なでしこに対するアメリカの選手の発言は、

 「一年間ずっと待っていた」
 「(ワールドカップでの敗戦は)私たちにとって、心の傷だった」

 などなど。あれからちょうど一年ですか。準決勝と同じように、そしてワールドカップの決勝と同じように、厳しい試合になるでしょう。「頑張れ、ニッポン!!!!」


2012年08月06日(月曜日)

 (18:35)淡路島でのほぼ一日のロケを終わって大阪に戻る車の中です。島の中を「淡路島カレー」が出来るまでを探って一日移動。工場、農園、そしてお店。ははは、面白かった。

 結構大きいんですよ、淡路島って。高速で抜けるにも一時間かかる。ヨーロッパでは一つの国になってもおかしくないな、と思いました。淡路島カレーを実際に食べましたが、美味しかった。「甘さ→コク→辛さ」の三要素。

 「淡路島」と付いているのに、今は食べられるのは東京中心。18店舗。その訳は来週火曜日のゴールドアンカーで。大阪でも8月中旬には食べられる店が出現します。淡路島のタマネギの美味しさを存分に乗せて。

 ところで、オリンピックに熱くなっていれば良いものを、日本の政治はあらぬ所で”政局”に熱くなっている。お互いに「向こうが折れるだろう」という”チキンゲーム”を展開しているが、両党に対する国民の信頼は修復しがたいほど地に落ちつつある気がする。

 それが良いかどうかは別問題にして、”一体改革という政策”で結んだ3党合意を、「解散を確約しないなら破棄する」という脅しの姿勢は、私には「政策よりも政局を優先した」と見える。多分それは谷垣・自民党総裁の党内スタンディングの弱さがもたらしているものです。

 自民党が「選挙を急ぎたい」という気持ちは分からないではない。「今やったら勝てる」という気持ちが強いのだろう。しかし、政策での重い合意を半ば反故にして与党を解散に追い込んでも、はたして国民は「自民党は正しいことをした」と思うだろうか。政局を利用した、と考えるだろう。

 むろん、民主党の政治もむちゃくちゃである。2009年の今月に政権をとってからは、失望続きだ。しかし日本の政治が与野党の枠組みを超えて政策で合意して一本前進したと思ったら、またぞろ出てきたのが”政局オンリー”の考え方。

 今の時点で改めて自民党は、「今自分達がやろうとしていることは、国民の目線からはどう見えるだろう」ともう一度考え直した方が良い。ゲームにしても、あまりにもみっとも悪いゲームだ。


2012年08月06日(月曜日)

 (05:35)早く寝たので早く起きて、ついついテレビを見てしまいました。

 フェンシング男子フルーレ団体や女子の卓球団体(一部)。フェンシングは面白かった。ルールもあまり分からないのに見入ってしまいました。やはり中国(ランキング2位)とドイツ(3位)を破って決勝まで進んだのが特筆でしょう。日本はなにせランキング7位ですから。惜しくもランキング1位のイタリアには負けましたが、一時は王者のイタリアをリードした。輝く銀です。

 なんと言ってもフェンシングですからね。無論ヨーロッパ生まれのスポーツ。日本が柔道で浸食されてきている一方で、日本はヨーロッパ生まれのスポーツで進出。いいじゃないですか。いつか金を取れるような気がする。

 女子の卓球も3ー0でシンガポールに勝って銀以上が確定。ナイス。日本の金が2個と少ないことは確かに気になる。柔道が一つじゃね。体操ももうちょっと金を生んで欲しかった。米中を別にして、金で目立つのは開催国のイギリス(16)と韓国(10)です。途中経過ですが。

 日本(2)とロシア(4)、それにオーストラリア(1)が金獲得では苦闘している。卓球女子団体も金は難しいかも知れない。しかし、フェンシングもそうですが、日本はあまり"日本でのメジャー"と今までは思われてこなかった競技で結構良い成績を残している。それが良い。

 中国のように選手丸抱えで国が育成しているところも多い中で、日本の選手は厳しい環境の中でもメダルに届いている人が多い。日本はこの文章を書いている段階で総メダル獲得数は26個で世界の5指に入っている。今のところ。何よりも、楽しめる種目での勝利が続いているのが良い。サッカーがその代表です。日本は”団体”が総じて強い。

 加えて思うのは、競技を終わった後の日本の選手のコメントがまた良いことだ。「コースケさんを手ぶらじゃ帰せない」がその典型ですが、皆短い言葉でなかなか良いことを言う。「コメントが手慣れてきていて、かつ活字になるものが多い」と思う。

 面白いと思ったのは、ウィンブルドンでのテニスでイギリスのアンディ・マリーが104年ぶりに優勝したこと。ちょっと前に"ウィンブルドン現象"(イギリスは場を提供しているが、そこで活躍しているのは外国勢ばかりという意味で)という言葉がよく使われましたが、やっとイギリスの選手がトップに立ったのか、と。


2012年08月05日(日曜日)

 (18:35)月曜日が朝から淡路島ロケなので、一日早く日曜日の夕刻から大阪に移動の最中です。

 それにしても思うのは、今が夏休みの真っ盛りだと言うこと。東京駅の八重洲口を出て行くバスは、どこ行きも超満員、駅に入ればものすごくいつもより子供が多い。いろいろな格好をしている。

 道路を走れば、どこに行ってもご当地県以外の車が異常に多く、時々迷っている様子が分かる。まあでも、ナビがなかった時代よりはどの車もスムーズに走っている。朝と夕方の番組をしている身なので、「着実に日は短くなっている」と敏感に感じるのですが、暑さはそのまま。

 オリンピックね。日本、なかなか頑張っているじゃないですか。金が今までで二つと少ない。それはそうなのですが、総メダル獲得数は24個で世界の5指に入っている。今のところ。何よりも、楽しめる種目での勝利が続いているのが良い。サッカーがその代表です。

 思わぬ競技でも予想外のメダルが取れたりしている。ラッキーもありますが。選手丸抱えで国が育成しているところも多い中で、日本の選手は厳しい環境の中でもメダルに届いている人が多い。それがなかなか良いと思う。

 あと本当に暑いのは2週間くらいですかね。今は涼しい気持ちでいられるのは、朝の6時くらいまでですか。実は明日の淡路島ロケは「暑いやろな」と心配なんですが、大好きなカレーの取材。楽しみでもある。

 この週末は、「淡路島カレー」の東京の店をいくつか探してました。私にとって外で食べるカレー(日本の)と言えば「CoCo壱番屋」が圧倒的でしたが、「ここもいいな」と思い始めています。ただし、「淡路島カレー」は酒に合うカレーで、CoCo壱番屋のそれとはちょっと違う。


2012年08月03日(金曜日)

 (02:35)マーケットもそもそも期待し過ぎだった。ECBが完全なフリーハンドで動ける筈がない。しかし期待させたECBのドラギ総裁も「軽はずみな言葉遣いだった」と言える。

 なにせ「Within our mandate, the ECB is ready to do whatever it takes to preserve the euro. And believe me, it will be enough.」(ユーロ価値維持の為に、何でもする用意がある。私を信じてくれ。それは十分なものになるだろう)ですからね。

 そりゃ「Within our mandate」(権限内)という限定語句はあるが、彼がそこまで言ったら期待が高まるのは自然でしょう。ECBが直接スペインなどの国債を買うなり、資金供給オペ(LTRO)を再開してマーケット経由で買われるなりで、上昇を続けるスペインなど南欧の国債利回り上昇に歯止めをかけるだろう、と市場関係者は読んだ。というより期待を高めた。

 しかしドラギ総裁が「金利据え置き発表」後の記者会見で言ったことは、開始時期や規模に言及することなく、またユーロ圏諸国の協力を前提に、「南欧国債の買い入れを再開する方針」だけだった。市場はそれを「NO ACTION」と捉えた。

 その結果は悲惨である。先週のドラギ総裁発言故に上げてきたヨーロッパの株価は、軒並み大きな反落に見舞われた。各市場の下げ幅は、私がこの文章を書いている時点でスペインが5.16%、イタリア(ミラノ)が4.64%、フランスが2.68%、ドイツが2.20%となっている。

 また取引真っ盛りのニューヨーク株式市場ではダウ平均が一時192ドルも下げたあと、引けまであと2時間ちょっとという時点で、150ドル前後の下げとなっている。ユーロは下げ、スペインの国債利回りは再び7%台に戻った。ドラギ総裁はさらに次のように語ったとされる。

 

 Mr. Draghi also said that the E.C.B. would only buy bonds if governments kept promises to restructure their economies, and only after the European bailout fund bought bonds first. In addition, a country such as Spain would have to request relief, which none have done yet.
 ドラギ総裁にとっては、一つの大きな失敗でしょう。常識的に考えても、

 「中央銀行はオールマイティではない」
 「何かをするにしても前提条件がある」

 が、彼はそれを捨象して、マーケットを勇気づけようとしすぎた。ドイツ連銀は反対の姿勢を貫いていたし、ECBが出来るとしてもトリシェのころにした規模の南欧債の購入だったはずだ。また各国政府の財政再建に関する約束も必要なことは明らかだ。

 ドラギ総裁にとっては、大きな教訓だったと言えるが、これでまた市場の「落ち着きどころ」が見えなくなったと言える。


2012年08月02日(木曜日)

 (05:35)ドラギ発言(ready to do whatever it takes to preserve the euro)故に限りなく注目される木曜日のECB理事会を前に、今朝はFOMCの声明が出ました。結論を言えば、「より強く新措置導入の意思は示した。しかし今回は慎重に見送った」というのが当たっていると思う。

 FOMCが景気認識を厳しくしているのは文章を見れば分かります。「economic activity decelerated somewhat」とのっけから出てくるし、「Growth in employment has been slow in recent months」と雇用者数が伸びない現状を嘆いている。

 しかし、FOMCが決めたのは「待ち」でした。「the Committee expects to maintain a highly accommodative stance for monetary policy」という基本姿勢を堅持しつつも、新たな措置は取らなかった。その有効性への疑念も、新カードを切ってしまえばその後はなくなるという懸念もあったのかもしれない。ECBの措置も見たいという気持ちもあっただろうし、この週末の雇用統計を見たかったのかも知れない。しかし、見送った。次回のFOMCは9月の12、13日です。

 また反対者が一人。Jeffrey M. Lackerさんです。今回は「who preferred to omit the description of the time period over which economic conditions are likely to warrant an exceptionally low level of the federal funds rate.」とのこと。

 この方は前回は、「who opposed continuation of the maturity extension program.」という理由だった。反対理由を頻繁に変える人だ、と思う。

Release Date: August 1, 2012

For immediate release

Information received since the Federal Open Market Committee met in June suggests that economic activity decelerated somewhat over the first half of this year. Growth in employment has been slow in recent months, and the unemployment rate remains elevated. Business fixed investment has continued to advance. Household spending has been rising at a somewhat slower pace than earlier in the year. Despite some further signs of improvement, the housing sector remains depressed. Inflation has declined since earlier this year, mainly reflecting lower prices of crude oil and gasoline, and longer-term inflation expectations have remained stable.

Consistent with its statutory mandate, the Committee seeks to foster maximum employment and price stability. The Committee expects economic growth to remain moderate over coming quarters and then to pick up very gradually. Consequently, the Committee anticipates that the unemployment rate will decline only slowly toward levels that it judges to be consistent with its dual mandate. Furthermore, strains in global financial markets continue to pose significant downside risks to the economic outlook. The Committee anticipates that inflation over the medium term will run at or below the rate that it judges most consistent with its dual mandate.

To support a stronger economic recovery and to help ensure that inflation, over time, is at the rate most consistent with its dual mandate, the Committee expects to maintain a highly accommodative stance for monetary policy. In particular, the Committee decided today to keep the target range for the federal funds rate at 0 to 1/4 percent and currently anticipates that economic conditions--including low rates of resource utilization and a subdued outlook for inflation over the medium run--are likely to warrant exceptionally low levels for the federal funds rate at least through late 2014.

The Committee also decided to continue through the end of the year its program to extend the average maturity of its holdings of securities as announced in June, and it is maintaining its existing policy of reinvesting principal payments from its holdings of agency debt and agency mortgage-backed securities in agency mortgage-backed securities. The Committee will closely monitor incoming information on economic and financial developments and will provide additional accommodation as needed to promote a stronger economic recovery and sustained improvement in labor market conditions in a context of price stability.

Voting for the FOMC monetary policy action were: Ben S. Bernanke, Chairman; William C. Dudley, Vice Chairman; Elizabeth A. Duke; Dennis P. Lockhart; Sandra Pianalto; Jerome H. Powell; Sarah Bloom Raskin; Jeremy C. Stein; Daniel K. Tarullo; John C. Williams; and Janet L. Yellen. Voting against the action was Jeffrey M. Lacker, who preferred to omit the description of the time period over which economic conditions are likely to warrant an exceptionally low level of the federal funds rate.


2012年08月01日(水曜日)

 (16:35)ははは、今日は「そのうちやりたい」と思っていたことのいくつかが出来てハッピー。

 家を出るときに、自分のPCを3台持ち出しました。OS別で言うと、windows 8、windows 7、それにOS ] MOUNTAIN LION。ずっとwindows 8 と「山のライオン」を同時に使って講演(プレゼン)できるんならしようと思っていたのです。だって新しいOSの新しいトレンド(私は”ループ”だと思う)を示すには、その両方を使った方が来て頂いた方々に理解してもらえる。

 依頼主は大手の情報ベンダー。200人くらいの方がいらっしゃると聞いていました。会場は六本木のアカデミーヒルズ(ヒルズの49階)。近代的な施設です。「揃っているに違いない」と思った。windows 7を持って行ったのは、「8」のプロジェクターとの相性が悪かったときのため。

左にwindows8 右にOS ] MLの共演  アカデミーヒルズの会場は教室型で、写真の通りスクリーンは2分割になっていた。それぞれに別のコンピューターの絵(動画を含む)を出せることが分かった。まずwindows 8 を実験。ビックリ。うまく行きました。今までは失敗するケースがあった。要するにプロジェクターとの相性の問題。windows 8はまだ正式リリースされていませんから、今まで使おうとしても相性の問題があった。

 一方、OS ]にもちょっと設定に時間がかかった。設定をいじったりしました。しかし共に「再起動」などをして成功した。二つが成功したときには、ちょっと満足でした。あとは二つのOSに共通する機能などを説明しながら。

 二台をいろいろな形で動かして。これが結構大変です。物理的に。手を移動しないといけないので。考えれば、別にどうってことをしているわけではない。が、施設とかいろいろな条件が揃わないと出来ないことなので、私としては「うーん、ついにやったか」という感じだったわけです。

 OSは時代の鏡です。実際に目の前で展開すると、来て頂いた方々に理解してもらいやすくなる。今までやろうと思っても出来なかった。スクリーンが2分割されていたなど、ラッキーな面もありました。

 ところで、今週の「地球アステク」(木曜日BSジャパン 夜10時)は、本当に「快適な入浴を徹底追及! 浴室の先端テクノロジー」です。

 「本当に」と書いたのは、先週予告したこの回が実は一週間先の今週木曜日だった。実際には先週は新日鉄さんの回でした。ちょっとHPが先に行き過ぎていたので、私が間違えてしまった。申し訳ない。しかし製鉄所のシステムやテクノロジーは凄かったでしょう。今週こそ「浴室の先端テクノロジー」です。
 


2012年08月01日(水曜日)

 (07:35)ちっとも金メダルが取れないな。メダルの総数も各国に比べて少ないだろう、と思っている方。この表を見てください。日本は活躍していますよ。

 各国の総メダル獲得数 WSJ

 午前7時過ぎ現在、日本は中国とアメリカの23に続いて3位の13個。そりゃ、あの僅差での1,2,3で松田選手が金を取っていれば良かったが、総メダル数では同じ。立派です。

 最終的にどうなるかは不明ですが、「日本選手団はよく頑張っている」と言える。この表を見て「あれ」と思うのは、主催国イギリスの不調です。まだ銀2銅2の4個しか取っていない。100年ぶりの男子体操銅は凄かったが。

 分かりませんが、英国のオリンピック委員会はちょっと焦っているのでは。凄い選手団だった。大会は、主催地、主催国が活躍することが成功の一つの条件とされるので、もうちょっとイギリスには頑張ってもらわないと。

 ドイツも不調です。対してフランスが良い。東ドイツの当時の活躍は「違反がらみ」だったことは既に明らかになっていますが、もうちょっとメダルを取っても良い気がする。まドイツは経済でメダルを取っているからいいか。

 さらに全体的に言えるのは、「朝鮮半島」の二つの国は金メダルを取るのがうまい、ということと、リトアニア、スロベニア、グルジア(かな)などメダルを一つ取っている国があって、それが金一つとなっている点。個人的にはインドのメダル一つにも興味がある。

 まだまだ面白い試合がある。楽しみ。それはそうと、昨日の女子サッカーは見ていてちょっといらいらしましたが、今朝理由が分かった。「一位通過だと移動が640キロ」という事情があって、「引き分け」を狙ったのだと。

 「二位通過」で移動はなし。同じ地で二日後にブラジルと対戦。佐々木さんはよく考えて決断したと思う。



ALL RIGHTS ARE RESERVED.Copyright(c)1996〜2016 伊藤 洋一