2012年01月31日(火曜日)

 (23:25)「ユーロシステムとは何か。それはドイツの一人勝ちを担保するための制度だ」と思わせるような統計が出ました。いずれも今週に入って発表されたもので、その中味は

  1. 昨年12月のユーロ圏17カ国全体の失業率は10.4%で、統一通貨導入の1999年以来の高水準になった

  2. この中でもスペインの失業率は22.9%、ギリシャのそれは19.2%と異常に高い水準となっている

  3. 17カ国全体の失業者の総数は、2380万人に達し、それはオランダの労働年齢人口の約二倍に達する

  4. 対照的に、これとは別に発表されたドイツの最新統計によると、今年1月の同国の失業率は6.7%で、これは1991年のドイツ統一以来の低い水準となった
 というものだ。対象となった月は違う。しかし、ユーロ圏の昨年12月の平均失業率の10.4%は、それより遙かに低いドイツの統計を含んだものであることを考えると、いかにドイツ以外の16カ国の雇用情勢が厳しいものであるかが分かる。

 ドイツの低い失業率は、「他の国々の苦境を反映したユーロ安の恩恵を受けたもの」という面がある。ドイツが他の国々より多くの産業を揺籃していること、それがドイツの人々の努力の結果、そして明らかな国家的功績であることは間違いないが、その産業界の域外への輸出競争力はユーロ安の寄与が大きい。ある意味、南欧の国々の苦境がもたらしたものだ。

 ”メルコジ”と言われる「コジ」の国フランスの雇用情勢も厳しいはずだと思ってネットを検索したら、

 「フランス労働省が25日に発表した12月の本土での失業者数(登録求職者数)は、前月比2万9700人(1.0%)増の287万5000人となり、1999年9月以来の高水準を記録した。雇用情勢の悪化は、春の総選挙で再選を目指すサルコジ大統領にとり逆風となる。失業者数は前年比では5.6%増加した。

 失業者数は、2008年のサルコジ大統領就任以来、30%以上増加した。労働省の統計は雇用関連のデータとして最も注目度が高い。ただ国際労働機関(ILO)基準には準拠しておらず、失業率も発表されない。」

 とロイター電にあった。これではフランス国民の欲求不満は高まる。それに対応する力がないから、仮にサルコジが今年の春の大統領選挙に出たら不利だと言われている。有力な候補である社会党のフランソワ・オランド候補が今は優勢。この文章を書く少し前にブルーンバーグが以下のニュースを流している。
 ドイツのメルケル首相は、フランスの大統領選挙で現職のサルコジ大統領を支持する考えを表明した。3年前の選挙戦で自身がサルコジ氏から受けた支援に恩返しをした格好だ。

 メルケル首相は30日の欧州連合(EU)首脳会議後、サルコジ大統領が敗北した場合に独仏主導の危機対策が頓挫するのかとの記者団の質問に対し、2009年のベルリンでの選挙イベントに言及。メルケル首相とキリスト教民主同盟(CDU)の若手メンバーがソニー・センターで行った選挙活動にサルコジ氏が参加して首相を支持したことを引き合いに出し、「同じ方法で私もお返しをしたい。懸念されていることには全く関係なく、独仏両国間ではごく一般的な慣行だ」と語った。

 4月と5月に2回の投票で行われる大統領選挙に先立って実施された世論調査によると、サルコジ大統領は野党社会党のフランソワ・オランド候補にリードを許している。現職が敗れるかもしれない大統領選前にフランスは新たな財政協定を承認できないと懸念しているかとの質問に対し、メルケル首相は「政権交代のたびにわれわれの全ての決定について疑念が生ずれば、欧州は機能しなくなる」と述べ、「継続性」の原則に基づくことでEUは最も機能すると語った。

 これが内政干渉にならないのかちょっと不安になるが、メルケルの気持ちは分かる。しかし彼女の言う”継続性”とオランド候補が考えているそれは恐らく違う。オランド候補は候補で、「国民との約束」がある。

 今見たら、ユーロ・円はまた99円台と二桁になっている。イギリスとチェコを除く25カ国は財政規律強化で条約に合意したが、その合意の直後からユーロが下がっている事実を見れば、合意が形だけであることは明確だ。

 恐らく、ギリシャが銀行団と債務切り捨てとその後(新規債の発行条件、利率など)に関して合意し、IMFなどの融資が実行されても、危機の種は残る。雇用情勢の悪化の中で、ギリシャなどの国家財政は危機的情勢が続くからだ。

 私が興味あるのは、厳しい雇用情勢と消費の減退の中で欧州諸国がいかに景気刺激を計ろうとしているのか、だ。欧州諸国の中には、危機の中でも消費税の引き上げを実施し(フランスは10月に現行の19.6%から21.2%に上げ、イタリアも9月に21%から23%に引き上げる)、その税収を企業の競争力強化に使うことによって経済の活性化を図ろうとしている国がある。ドイツが手本となっている。しかしフランスやイタリアにはドイツに匹敵する産業力がない。

 常識で考えて、これはナロー・パスであり、その成功には長い時間がかかる。しかし、消費税論議の入り口で紛糾している日本よりは、欧州は一歩先の実験をしようとしているように見える。


2012年01月30日(月曜日)

 (23:25)米スタンダード・アンド・プアーズ社がNECの格付けを「投機的」の一つ手前の水準に落としたという。相次ぐリストラ、どの分野が今後の柱になるのか分からない今のNECの業務状況。格付け会社もその辺を見たのだろうな、と思う。

 「それにしても」という思いだ。一方で米アップルは3ヶ月で1兆円を稼ぐ企業になった。NECはかつての看板だったPCでも、レノボ51%・NEC49%の出資比率での業務形態で取り組む事態になっている。かつての勢いはと言えば、明らかにNECが上で、アップルは青息吐息だった。

 ブラックベリーのリサーチ・ィン・モーションの事も思い浮かべた。今はNECと似たような立場の会社として。オバマが大統領に当選した3年前が、この会社のピークだった。北米のアメリカ人男性が恋人のようにブラックベリーを抱えている姿を何度も見て、「これだけ彼らを虜にするのは凄い」と思ったものだ。しかし、そのRIMはもうよたよただ。

 コダックがデジタル化の波に乗り遅れて苦境に立たされたのとは違う。いずれもデジタルの会社が基幹技術の会社だった。しかし今生じているこの大きな差。多分ちょっとした違いなのだ。発想の差、技術の使い方の差、消費者のとらえ方。

 今まではコダックの苦境に示されるように、そもそも基幹技術が違うという状況が多かったが、これからは「同じ技術をベースにしながらも.....差が大きく出る」という状況になるのではないか、という気がする。

 チンパンジーと現生人類との遺伝子ベースの差は1%とも、あっても3%の範囲内と言われる。いずれにせよ、ほんのちょっとした差だ。その差が、大きな違いを生んでいる。NHKの最近のヒューマンという番組が、現生人類とネアンデルタール人の「生き残り」の鍵になった飛び道具を紹介していた。

 そうほんのちょっとした技術や、その使い方の差が大きな格差を生む。NECは全世界で11万人もの従業員を抱えるという。速く業務の柱を見いだして現在の苦境を抜け出して欲しいものだと思う。

 それには、多分従来のNECらしい「固い考え」では駄目だと思う。日本の家電業界のトップは皆背広姿だ。どうだろう、一度「役員こそが自由な服装で出社してみる」といった思い切った環境変化を起こしてみたら。

 ジョブズほどジーパンが似合う人はいないだろうから、「自由に」という発想だ。きっと会社の気分も違う。違えば、違う発想の商品開発が生まれる。今のNECの社長も「製品力が....」と述べたという。多分技術はある。発想が古くさいのだ。

 着るものの話は、「例えば」の話だ。しかし多分そのくらいの大きな発想転換が必要だ。頑張るだけでは駄目。我慢だけでも駄目。周りから、「この会社は変わった」と思われないようでは。ちょっとした違いなのだ。


2012年01月29日(日曜日)

 (10:25)今朝の新聞でメドベージェフが朝日新聞などに「アジア太平洋成長へ ロシアの決意」という文章を発表しているのを見て、また彼の明るいイメージの写真を見て、「イメージを変えたがっているんだな」と思いました。

 北方領土を訪問して日本人の心証を傷つけた頃のメドベージェフは、「二期目の大統領を狙っている」と言われた時期で、多分プーチンと次期大統領を巡って思惑のあった頃だったと思う。彼個人としては、プーチンの支持も得ながら大統領を二期続けたいと思っていたのではないか、と私は思っている。

 であるが故に、メドベージェフは国内向けのパフォーマンスを繰り返した。対日強硬姿勢もその一つだ。しかしどちらかと言えば親日派のプーチンが大統領に返り咲くに当たって、また中国の潜在的な極東での脅威に対処するためにも日本との関係改善が必須だと悟って、極東地域の「経済発展」に政策の重点を移したのではないか。

 極東地域を見ると、人口圧力が全く違う。中国が強烈に下から押している形だ。確か極東地域のロシアの人口は500万人程度に過ぎない。黙っていると浸透圧のように中国が北に進出してくる。

 それを避けるためには、ウラジオストックなどの地域を中心に経済の発展を図り、それを梃子にこの地域を強くする必要がある。経済の活発化がどうしても必要なのだ。今年はウラジオストックでAPECが開かれる。格好の機会と捉えたのだろう。

 ロシア外相と日本側との話し合いは領土問題では進展しなかった。しかしもしかしたら、政権が再び、というより大統領が再びプーチンになることによって、情勢は変わる可能性がある、とも考えたし、そう望みたい。


2012年01月27日(金曜日)

 (10:25)今朝の東京は気持ちよく寒かった。好きですね、この寒さ。刺すようなにビリピリする。ニューヨークのそれ、札幌のそれみたいで。空は雲一つなかった。

 いつもはスタンバイが終わると車で送ってもらうのですが、今日は「よっしゃ、歩こう」と思って歩いていたら、「うーん、この寒さはこの数年の東京では経験したものではないな」と。まあ、だから歩きたいと思ったのでしょう。ただし、帰着したら体を温めるのにちょっと時間がかかった。熱い風呂に入ったり。

 ところで、今朝おもしろい現象に気がつきました。数日前に紹介したように、LTEをループ的に使って仕事の効率を上げるようにしているのですが、ARROWS X LTE F-05DをUSBに差し込んだままにwiodows pc を立ち上げようとすると、立ち上がらないという現象です。

 読み込みが途中で止まるのです。それはたぶん私のPCの立ち上げ情報の読み込み順位が、USB接続先を優先しているために、ほとんどPCと同程度の能力を持つスマホの何かの情報が、PCの立ち上げを阻害しているのだと思う。

 これはiphone では起きない現象で、それは多分iphoneの場合はitunes との整合性がとれているからだと思う。それに思い至るまで「俺のPCは壊れたのかな」と思った。

 むろん機種依存の現象かもしれない。そのときに使ったPCはパナソニックのレッツノート(CF-J9)です。この問題をクリアするには、PCの立ち上げの時にはスマホに対する電力供給のためのUSBは外しておくことが考えられる。

 まあ私と同じような現象が起きている人に参考になればと思います。


2012年01月26日(木曜日)

 (10:25)今週二回目の大阪行きの新幹線の中ですが、最近の私のループ的な仕事環境をちょっと紹介しましょう。役立つ方もいらっしゃるかもしれない。LTEと3Gが頻繁に入れ替わるこの列車の中では無理ですが、LTEが安定している大きな都市ではこれが有効です。

 写真の通りなのですが、何がループかというと、スマホのテザリング利用は電池使用ペースが速い。で、PCからUSBを通して電気をスマホに供給し続けます。これだと電池の減少を気にしなくて済む。一方で給電してくれるPCにはスマホからLTEの速い電波を提供するのです。

PCは電力を、スマホはテザリングを提供  LTEが安定的に使えるところは、これが一番快適な仕事環境です。LTEの供給先はiphone であったり、ipad であったりもする。他のwindows pcもこれで快適に動きます。ま、これを全国どこでも使うには、LTEが安定的に(これが重要ですが)繋がる地域を劇的に増やさなければいけない。

 まだちょっとLTEの境目は不安定です。新幹線の中もLTE接続にして欲しい。まだポケットwifi があちこちで必要。これはちょっと残念です。あそうそう、スマホに電力を供給しているPCの電池の減り方は、そうでない時より速い気がする。だから、PCは電源に繋いでおいた方がいい。

 もう一つ。ガラケーをスマートフォンにして以来ちょっと「ややこしいな」と思っていたのは、電話帳が重複だらけになることでした。これは今までのドコモの電話帳を引き継ぐ一方で、グーグルの住所録などなどをスマホがクラウドから持ってきてしまっているため。

 重複も、二重ではなく何重にもなっていた。そのうちドコモショップに聞きに行こうと思っていたが、ちょっと考えて「電話帳」の設定をいじってみようと思ったのです。電話帳を開いて設定が入っている「その他」を開けた。

 その中に「表示オプション」というのがあって、私の場合は上から

 「docomo」
 「....@gmail.com」
 「ycastercom」

 となっている。一番最後は私がツイッターで使っているハンドルです。上二つにチェックが入っていたので、電話帳で同じ名前が重複するのは当然。上から二番目はgmail アドレス。  で、docomo以外のチェックを全部外した。そしたら見事、電話帳の重複はなくなりました。一つすっきりした感じ。


2012年01月26日(木曜日)

 (04:25)ちらっと目が覚めたらFOMC声明が発表されていたのでちょっと目を通したのですが、直ぐに気がついた点は二つです。そのうちの一つには凄くビックリ。

 第一にそのビックリの方は「are likely to warrant exceptionally low levels for the federal funds rate at least through late 2014.」という文章の中にある「late 2014」という期日の記述。読んだ瞬間に、「あれ、これまでは2013、それも半ばじゃなかったかな」と。

 調べたら、昨年12月のFOMC声明は以下の文章になっていた。そしてこの表現が昨年8月から12月まで暫く続いていた。「The Committee also decided to keep the target range for the federal funds rate at 0 to 1/4 percent and currently anticipates that economic conditions--including low rates of resource utilization and a subdued outlook for inflation over the medium run--are likely to warrant exceptionally low levels for the federal funds rate at least through mid-2013.」

 つまり一年以上「exceptionally low levels for the federal funds rate(FF金利の例外的に低い水準)」の期間が延長されたこと。これは今が2012年の年初であることを考えると、2014年は再来年であり、しかもその2014年の末(late)ですからね。まるめて言ってしまえば3年。「随分先までFF金利のターゲットレンジを「0 to 1/4 percent」にフィックスするんだな、と感じる。

 今回の当該パラグラフの表現は、「To support a stronger economic recovery and to help ensure that inflation, over time, is at levels consistent with the dual mandate, the Committee expects to maintain a highly accommodative stance for monetary policy. In particular, the Committee decided today to keep the target range for the federal funds rate at 0 to 1/4 percent and currently anticipates that economic conditions--including low rates of resource utilization and a subdued outlook for inflation over the medium run--are likely to warrant exceptionally low levels for the federal funds rate at least through late 2014.」

 つまり、「より強い経済の回復をサポートし、インフレ率をFRBの課された二重の使命(物価の安定と最大雇用)と整合性のとれたものにするために、FOMCは極めて緩和的な金融政策スタンスを維持する。特に、FOMCはFF金利のターゲットレンジを0〜0.25%にキープし、さらに設備稼動率が低水準であること、加えて中期的なインフレの見通しが低位安定であると見られることから、この例外的に低いFF金利の水準を少なくとも2014年末まで続けることが正当化される」と言っているのである。

 前回までも、そして今回も「at least」を使っているので、時間の経過の中でこの期日をもっと先延ばしする可能性がある、ということでしょう。「そんなにFRBはアメリカのインフレ見通しに安心しているんだ」と思う。「3年」は長いでしょう。新聞の見出し的に言うと、「米FRB、今後3年間弱の”例外的低金利政策”の維持を約束」となる。うーん、ちょっと長いかな......。

 第二の点は、あり意味当然です。「late 2014」という数字を見た瞬間に「そりゃちょっとやり過ぎじゃない、言い過ぎじゃない」と私が個人的に思ったら、同意してくれる人が居ました。

 声明の最後。昨年の12月までの反対意見は「もっと緩和すべきだ」というものでしたが、今回は当然「そんな事、つまりそんな先の期日まで言うべきではない」が出てきた。反対者の名前も変わった。当該文章は、

 「 Voting against the action was Jeffrey M. Lacker, who preferred to omit the description of the time period over which economic conditions are likely to warrant exceptionally low levels of the federal funds rate.」と。

 となっている。ラッカーね。日銀は絶対言わないでしょうね。そこがFRBの違うところ?

 FOMC声明の最初に示される景気認識は、12月時点と殆ど変わっていない。昨年12月には「business fixed investment appears to be increasing less rapidly and the housing sector remains depressed.」となっていたbusiness fixed investment への認識が、「 growth in business fixed investment has slowed」となったことぐらい。

 そんな先まで「超低金利」を約束されたら、普通は株は上がり、通貨は下がりますよね。実際そうなっている。この文章を書いている時点のニューヨーク株はダウで42ドルくらい上がり、昨日78円28銭まで言ったドル・円は今は77円87銭程度。引けがどうなるかは分かりませんが。


2012年01月25日(水曜日)

 (09:25)午前中には東京に戻らねばならないという制約があったので「やめよかな」と一瞬思ったのですが、体重計に乗ったら74もあった。昨日ちょっと食べたにしても「許せん」と思って40分ぐらい今まで通ったことのないエリアも含めてちょっと体を動かしました。「500くらい減らそう」と思って。

 桜宮からいつもは天満橋を渡って大阪城の方に行くのですが、そのまま大川沿いを走って「どこに行くのか」と思ったら、天神橋北詰に出た。ひょっと右を見たら、いつもは横切っている天神橋筋商店街のスタート地点(一丁目)。

大阪には興味深い看板が一杯  で筋に沿って移動して、「どの店が開いているか」と観察。弁当屋さん、喫茶店などが開いていてどの店が開いているか分かったのは面白かったな。ははは。でも静かです。人通りは昼間の5分の1くらい。通勤で通過する人が圧倒的に多い。

 それにしても、大阪は注意して移動していると、面白いことが一杯ある。例えばこの看板です。今宮戎神社の近くで見つけた。最初「意味不明」と思ったが、あとで「なるほど」と。聞いたら、以前は「自分の敷地に知らない人が寝ていた」ということもあったと、大阪育ちの人が述懐。

 ところで、今朝気づいたことと言えば円がほぼ全通貨に対して下がっていたと言うことでしょうか。ドル・円は77円の26銭くらいだったし、ユーロ・円は101円台。豪州、ニュージーランドに対しても円は下がっていた。その時点の話ですが。

 そう言えば昨日関テレの番組の前にウォール・ストリート・ジャーナルに「End of Era for Japan's Exports」という記事を見つけて、日経が数日前に出していた記事の焼き直しですが、フェースブックに投げておいたのです。

 長い目で見ると、こういう記事も円の基調を徐々に変えるんでしょうね。このまま円安に移動するとは思わない。しかしエネルギー価格の上昇の中で日本の貿易収支が今までのように真っ黒基調とはいかなくなるでしょう。暫くは赤字。

 ちょっと前に電力会社の人と話したら、「天然ガスや石油の輸入を増やさざるをえなくて、私たちが日本の貿易収支を赤にしているんですよ」と言っていた。今の状況だとそれは続きそう。一方で日本はもうかなり前から単品輸出黒字国に近い状態になっている。

 潮目は静かに変わりつつあるのかも知れない。無論長い目で見たときの話なのですが。


2012年01月24日(火曜日)

 (22:25)今日「そうだな」と思って、さらに「やっとか」と感じたニュースは、「ソニー有力 医療分野の取引拡大狙う」でした。講演の場などで日本の家電業界の苦境に触れる度に、ソニーなどの日本の電機メーカーが目指す一つの方向として医療分野を提案してきたからです。

 40インチのテレビが4万円で、一方今売っているスマホの多くが6万円を超える時代。日本の家電、エレクトロニクスのメーカーがテレビを主力製品に出来ない時代に入ったのは明確です。日立はテレビの自社生産をやめたそうですが、それは納得出来る。では何をメインにするか?

 私はずっと「医療分野」と指摘してきました。別にGEの真似ではなく、日本のメーカーが精緻な製品作りを生かせる場所は、医療の世界だと思ってきたのです。ソニーのような日本のメーカーのエレクトロニクスの会社が持つ技術が、医療業界で横串を指したように使えるからです。無論、規制とかややこしい問題は多いのですが。

 既に医療分野に深く関わっているオリンパスが苦境に直面しているので....というのは気に入らない。もっと積極的に日本のエレクトロニクスの会社は動くべきだったと思う。しかし、動くのに遅すぎると言うことはない。

 医療の世界は、まだその製品が「石」になっていないところが多い。かつ、世界的に高齢化が進む世界にあって、日本はその先陣を行っているわけだから、ノウハウの蓄積、その製品化が可能な分野が多いと思う。

 無論、ソニーはオリンパスに「(出資を)提案」している段階ですが、「正しい方向への一歩」と思う。


2012年01月23日(月曜日)

 (22:25)朝から東京大学の本郷キャンパスで「二酸化炭素をプラスチックにする」という新しい、工業的実用化に一歩近づく研究を取材。野崎京子先生のこの研究については、先生は「まだまだ小さな一歩です」と謙遜するが、嫌われ者の二酸化炭素(CO2)を有用なもの(プラスチック)に変身させる技術として、私は将来性が高いと踏みました。

 石油系の原料と二酸化炭素(半々)を触媒技術を用いてプラスチックにする技術は既に1968年に同じく東京大学の先生の研究で確立していたそうだ。しかし、それによって出来上がったプラスチックは、成形温度に達しないうちに気化したりして実用的な技術としては使い物にならない代物だった。野崎先生の研究は、それを成形可能な状態にした点で、実際に我々が使えるプラスチックが出来るという面で、面白いと思いました。

 ポイントはキラルコバルトという触媒にある。これが時間をかけながら、二酸化炭素を石油系の原料をプラスチックに変えていく。時間はかかるので(その他の理由もあるが)、今の状態ではそのまま安価なプラスチックを二酸化炭素から製造するという訳にはいかないが、その可能性が開けたという意味では面白いと思う。

 地球アステクは、その前身の世の中進歩堂ともども、私にとって非常に勉強になる、日本の可能性を感じることが出来る番組です。今回の技術も、アメリカ、ドイツ、日本、中国、韓国が覇を競うという側面があるという。

 私が感心するのは、日本が全く登場しない技術の分野はほとんどない、ということです。そういう意味で、日本の科学技術の研究分野は、その裾野が広い。それが素晴らしいことだと。

 今後ともこの番組を通じて、日本の可能性を伝えていきたい。


2012年01月22日(日曜日)

 (10:25)ある意味、度肝を抜いたかもしれませんな。誰の? アメリカ人の。ダルビッシュ有です。人を食ったような、しかしユーモアがある会見だった。

 私が一番笑ったのは、「ここの球場は外野(右中間)が狭いので.....」と言ったところ。「GMに1月に頼んだが、あれはどうにかなるのか.....」と。日本の球場が狭いと皆思っているところに、「テキサスの球場が狭い....」と文句を垂れる。アメリカ人も苦笑いしていました。それまで笑わなかった通訳もニヤリ。

 なるべく生に近い会見をみたいと思って探したら、CBSスポーツの映像があった。これも短縮してあるのですが、いろいろニュアンスが伝わってくる。カメラの照明で熱いんでしょうね。ダルは汗を拭っている。

 その他にも彼らしいやり取りが結構あったらしい。

  1. 「(強豪チームでのプレーすることのプレッシャーについては)「ベストを尽くすだけ。プレッシャーは頭が悪いのかあまり感じない。
  2. 「不安は何もない。すごい打者とか投手の中でできるのが楽しみ」
  3. 「(対戦したい打者について)あまりよく知らないので浮かばない。昨年のワールドシリーズは見ていました」
 と。笑える。196センチの彼は、アメリカ人の中に入れても大方背丈が抜けている。監督は小さいし、マネージャーも。自分で「練習してきた」と言っているのですから、体調も良いのでしょう。

 「速球は思われているほど速くないが、変化球は通用すると思う」と。自己分析もなかなかだと思う。米メディアによれば、ダルビッシュの契約は6年総額6千万ドル(約46億円)で、シーズンで最も活躍した投手に与えられるサイ・ヤング賞獲得など一定の条件を満たすことで5年目終了後に契約を解消できる条項が付いているという。

 同じリーグですから、ダルが投げてイチローが打つ、ダルと黒田が投げ合う、なんてのが実現しそう。楽しみ。


2012年01月21日(土曜日)

 (23:25)私が使っているものももそうですが、「スマホはバッテリーが長持ちしない」というのが「一番の悩み」と言う人が多いのではないでしょうか。ガラケーの頃に比べて。

 そうなのですが、一つ役立つ方法に気がつきました。それは、「自動ロック」「画面ロック」など、ほっておけば画面が暗くなってエネジーセーブモードに入るのを、自分で起動すると言うことです。

 簡単です。on、off スイッチを軽く一押しすれば、例えば2分とか3分とか設定してある「自動ロック」「画面ロック」の起動を待たずに、スマホをスリープ状態にすることが出来ます。私が持っているマシンは全部そうです。これで相当エネルギーの減少ペースを少なくできる。

 これがいいのは、その後の再起動にパスワード、パターンどちらにしろ認証アクションの入力を必要に設定しておくと、使い終えた瞬間から他の人がそのスマホを手にしても諸情報を見られる心配がない、ということです。

 私はこの方法を使ってかなりバッテリーのもちを長引かせることに成功しています。以前は「直ぐスリープになるだろう」と思っていたら、どこかが接触していてあっという間にバッテリーがなくなることもありましたが、意図的にスリープにするようになって、そういうこともなくなった。

 一種の「癖」にすることをお勧めします。


2012年01月20日(金曜日)

 (23:25)今週の水曜日に山口商工会議所にお伺いしたときに、「山口の外郎(ういろう)と蒲鉾(かまぼこ)は美味しいですよ」と言われたので空港で買って帰ったら、本当に美味しかった。外郎は名古屋などが有名ですが、それとは違って。蒲鉾は非常に腰があって、サビを付けて食べたら今までにない食感だった。硬めなのがいい。

 紹介して下さった方に、「関東では山口の外郎や蒲鉾が素晴らしいなんて、誰も知りませんよ」と言ったら、「そうなんですよ」「皆さん産地を見て相手にしてくれないだろうと思って、(関東では)宣伝もしてないんですよ」と。

 でもそれじゃ私たち関東の人間が山口の外郎や蒲鉾を知る機会さえないことになる。同じ商品名でも、産地によってかなり食感、味は違うものが多い。蒲鉾など、言ってみれば全国で造られていて、仙台に行けば仙台の蒲鉾があり、尾道には尾道の蒲鉾がある。むろん、小田原にも。

 関西にも美味しい蒲鉾がいっぱいあります。使う魚やその処理の方法、熱のかけ方などが違うからです。日本全国に産地ごと、メーカーごとの蒲鉾の味があって当然で、それらを消費者としては楽しみたいわけです。是非代表的地名に気持ちで負けている商品を抱えている地域があったら、名乗り出て欲しいなと思いました。

 今日読んだ記事の中では、朝日新聞の「GLOBE」の『日本海運支える「愛媛船主」 生き残りかけた正念場に』が面白かったな。松山、今治、伯方島、そして尾道など、瀬戸内海沿いのこの地域には、「船持ち」がいっぱいいる。今造(いまぞう)などを代表に造船会社も多い。

 何を思ったのか、「GLOBE」は愛媛船主に光を当てている。愛媛だけではなく、あの辺一体は海運業が自然に育った、日本でも私が好きな一帯です。その昔には「村上」という水軍がおり、物流の中心だったが故に、資本形成も進んでいた。小売業もこの辺がスタートの会社が多い。

 尾道にお寺が多いのは、海運を含めて商売をして財を成した人は、必ずと言っていいほど寺を残してこの世を去ったからです。その中にも、「日本でも一番の軒反り」と言わている寺もある。

 愛媛船主を含めてあの辺で海運会社を経営している人達の望む経済状況は、「金利安・円安」です。この記事にあるように、借金が多いので。その点では今はok。しかし、売り上げがドル建てなので、円高・ドル安は困る。今は困った状況です。

 この記事によると、船も今はちょっとだぶついているという。まあそうでしょうね。でも彼らはそうした苦境は何回もくぐってきた。あまり知られていない日本の隠れたパワーが力を取り戻すことは間違いないと思います。

 ははは、こんなことを書いていたら「船を落とす形の古い形の進水式」が懐かしくなったな。あれはいい。今のは海水を入れてしまう進水式が多いが、感慨が全く違う。


2012年01月19日(木曜日)

 (12:25)今朝早く起きたので、NHKオンデマンドに残っていた今年1月6日の「ドキュメンタリーWAVE スティーブ・ジョブズの子供たち」を見ましたが、良い番組でした。とってもとっても感じ入る。

 2005年の彼のスタンフォード大学の卒業式でのスピーチとそれを聞いた学生達のその後を描いている。それから今までは、アメリカが悩み苦しんだ数年でもある。有名大学を出たのに.....の現実があった。

 演説そのものは字幕付きならここにありますが、15分のスピーチでよくここまで言えたと思えるほど、飾りのない、本質にズパット切り込んだ。これだけのスピーチも珍しい。ユーモアもあり、そして何よりも訴えるものがある。

 登場するその時の卒業生達も直截です。飾りなくその後の自分の人生を語っている。過去の有名アメリカ大学を出た学生も挫折はしているんでしょうが、この5〜6年の卒業生の挫折確率は非常に高いに違いない。しかしジョブズは、例えば大学を辞めたこと、アップルを追い出されたことが、「(その後の人生にとって)最良の出来事だった」と語る。

 彼が言う「connecting the dots」は、いい言葉だと思う。重要なのは、「dot」を残すことでしょう。点がなければ繋がらない。そう「点」を作らなければ。スティーブ・ジョブズをアメリカン・ドリームの典型のような言う人がいるが、それは違うと思う。

 彼は自分の人生の中で「失敗」と思われるようなものを含めて「dot」を一杯作りながら、それらを最後は結実させてなくなった。ナイス。


2012年01月18日(水曜日)

 (12:25)山陽新幹線で新山口に向かって移動していますが、実に良い天気です。同新幹線はトンネルが多いので、あまり楽しい電車ではないが、トンネルを出たときに遠くまで見れるのはナイスです。

 しかし天気が良いのはいいが、東京もそうだし、大阪もそうなのですが、すっごく乾燥している。今朝ランニングしながら回った大阪城では、お堀の水が非常に低下していて、一部では底が出ていた。意図的に水位を下げているのかも知れないが、それにしてもこの乾燥は異常です。

 今朝大阪城の周りを回って気がついたことは、「皇居に比べて、やはり走っている人の数は少ない」ということです。半分以下。しかし散歩の方々は多い。出勤途中で意図的に城の近くを通る人の数が多いのは、皇居と同じです。

 走っていると不思議で、特に理由が見当たらないのですが、「何故か体が軽い」「結構走っても疲れない」時がある。今日がそうで、写真を撮りながら回った一週目が終わっても、何か物足りない。で、ほぼ2周しました。皇居でも一度2周した。ははは。

 今朝興味を持ったニュースは、「中国の都市人口が農村人口を上回った」というものです。北京発の共同電で

 【北京=共同】中国国家統計局は17日、2011年末の総人口が前年末より644万人多い13億4735万人となり、都市人口が6億9079万人と、初めて農村人口(6億5656万人)を上回ったと発表した。

 都市人口は総人口の約51%を占めた。ロイター通信によると、インドの都市人口は全体の30%で、米国は82%という。中国では都市部の急速な経済発展に伴い、農村から都市への労働者らの流入が進んだ。日本観測史上最大雨量の毎時187mmの豪雨を再現

 中国は政策としても「都市から農村への人口の移動」を進めていますが、そういう意味ではまずは政策意図の方向に事態は動いていると言える。しかし、その都市では農村と同じくらい問題が起きている。戸籍の問題もそうだし、貧富の格差、さらには失業。

 昨日発表になった経済成長率も少し低下した。無論、日本など先進国と比べれば高い数字ですが、「7%を下回れた失業が急増する」中国にあっては、比較的高い伸び率でも危険水域に接近したとも言える。

 番組のお知らせです。木曜日の地球アステクは、「科学の力で災害に立ち向かう」です。

 1.17(阪神・淡路大震災)が17年目を迎えたばかりですが、日本で暮らす我々にとって切っても切れないのが自然災害。独立行政法人防災科学技術研究所では、地震・火山・豪雨・積雪などの自然災害から人命を守り、災害に強い社会を実現するべく、様々な研究を行っている。

 その研究で実に凄かったのは、設備規模・散水能力ともに世界一を誇る大型降雨実験施設。ここで、1982年に長崎県長与町で記録した日本観測史上最大雨量の毎時187mmの豪雨を実際に体験しました。これは実に凄まじかった。また、予測困難だったゲリラ豪雨を察知する最新技術にも注目します。

 さらに、筑波山にある地震観測試験施設へも突撃しました。全長50mのトンネル内部では見た事もない地震計が日夜地球の揺れを見守っていました。日本全国の観測網で収集しているデータはリアルタイムで気象庁に送られ、緊急地震速報等に利用されているそうです。東日本大震災当日の観測データの再現には、思わず固唾を飲みました。地震の広がりが手に取るように分かる。

 全ての分野で更なる進化が待望される防災技術の未来に迫ります。お楽しみに。


2012年01月17日(火曜日)

 (23:25)1月17日その日に関西に居ることはあまりないし、今までその日に神戸に行ったことはなかったので、朝の番組終わりに式典が行われている神戸市役所の前の公園(東遊園地公園)に行ってみました。朝7時過ぎですかね。

 無論、もう5時46分からの祈りの時間は終わって、取材陣のカメラが中心のその場所でしたが、6000人以上もの方が亡くなった重みがずしりと伝わってきます。誰もが口数少なく、かつ話をするにしても落としたトーンで喋っている。

午前7時過ぎの神戸・東遊園地公園 一端人々が引いた後でした  去年の3.11後の最初の1.17の日ということもあって、東北地方から駆けつけた人も今年は多かったと聞く。3.11のあと何回も行って東北の惨状を見ているだけに、改めて当時の神戸を思い出しながら亡くなった方々のご冥福をお祈りしました。

 震災前も神戸は好きでした。はっきり言って、色艶のある街でした。神戸の大丸デパートに行くと「やま側」「うみ側」と書いてあるように、海と山に囲まれた規模は小さいが、国際色豊かで花隈、三宮など過去、現在の繁華街もある。いろいろなところから集まった人達の街なので、大阪とは違ったおしゃれ感があっていい。

 1995年の震災のほぼ一週間後だと思ったのですが、行った時は衝撃でしたね。津波はなかったので、阪神・淡路の場合は地震の脅威が顕著に表れていた。実は去年の東北の被害はおおよそ津波によるもので、地震そのものの脅威の痕跡はあまり残っていない。あったとしても殆どが流された。東北地方がもともと地震に備えていたという事情もある。阪神・淡路は違った。

 地震そのものの脅威を示した阪神・淡路と、津波の被害の大きさを示した3.11の東北の地震・津波被害。そしてその後の原発事故被害。共に時間的スパンを置きながら日本で起こったことです。

本当にリーゾナブルなお値段でした  会場を見たからといって、直ぐに神戸を離れがたく、ポートピアの上階の方から神戸の街をやや遠くに眺めたり、戻って元町や中華街を歩いたり。神戸らしいものを探していたら、大丸デパートの紳士用品売り場に「木製の腕時計」があって、本当にリーゾナブルな値段だったので、一つ頂きました。手に馴染む。しばらくこれをします。

 私は結局その場で買ったのですが、お店の方が調べてくれて、東京では銀座の博品館(8丁目の天国の前です)と初台オペラシティのインテリアショップ「木童」(こどう らしい名前ですね)にあるそうです。しかし、共に限定数だけ。まとまって期間限定で専門の店を出しているのは、神戸の大丸さんだけだそうです。(東京の大丸で展示の話もあるが決まっていない、と)

 夕方の仕事に備えて神戸を離れたのは、中華街でおかゆを食べたあとの午後1時頃でした。JRで直ぐに大阪に出られる。結構長い時間神戸の街を歩いたので、大分土地勘がついた。意味のある半日でした。神戸にはまた機会を作って行きたい。

 改めて「良い街だ」と思いました。


2012年01月16日(月曜日)

 (17:25)山形空港で大阪行きの飛行機を待っている間にこの文章を書いています。外は寒い。しかし空港の中は暖かく、そして白い環境の中で実に静かです。

 いつも思う。「雪国って、どうしてこう静かなのか」と。車も静かに走るし、人もあまり歩いていない。粉雪のように降っている雪が音を吸収する? でのこの雪国の静けさが好きなのです。

 小規模な講演会で『雪国で雪が降っているのを見ると「夢千代日記」を思い出す』と言ったら、聞いていた方の何人かが頷いていました。ははは。吉永小百合さんの名作の一つだと思う。無論舞台は山形ではありませんが。静かな、良いドラマでした。

 「いつもの年より雪が多く、寒い」と山形の人々が言う。実際、一面雪で真っ白。しかもその雪の量は圧倒的です。あちこちで機械を使って雪を飛ばしている風景に出会います。

 子供の頃からあまり雪に馴染みのない生活をしている身には、この雪の多さと作業の一つ一つが新鮮です。実際にやったことがないので、「楽しそう」と思う。実際にやっていた人の話を聞くと、「冗談じゃない」と言われる。

 それにしても思うのは、「日本の東北の冬は綺麗」だということ。雪見をしながら温泉に入るのは最高です。熱すぎたら雪をちょっと入れれば良い。白い景色の中の湯煙は最高です。夜は蔵王のスキー場の明かり煌々と見えました。

 一端東京に帰らなければ....と思っていたら、この飛行機を見つけた。ラッキー。しかしこの空港も最初はANAが入っていたそうだが、今はJALしか飛んでいない。地方は皆厳しいのです。しかしこの豊かな自然と温泉は売り物になるな、と思いました。

 今日の飛行機は50人乗りらしいが、果たして何人乗っているか。ははは。


2012年01月15日(日曜日)

 (20:25)ははは、ニューヨーク・タイムズの検索欄に「kuroda」と入れて検索してみたら、In Two Deals, Yanks Trade Montero but Bolster Pitchingという記事に当たって、読んでいくと「黒田」の名前が出てくる。本当なんでしょうね。黒田が来年はヤンキースでプレーするとのこと。

 ニューヨーク・タイムズには「最初黒田(その代理人かな)は1300万ドル(年俸)を要求したが、1000万ドルで合意した」とある。

 In a separate deal, the Yankees also agreed to a one-year contract with the Japanese right-hander Hiroki Kuroda, perhaps the best free-agent pitcher available. According to a baseball official with direct knowledge of the moves, the deals are contingent on everyone passing physicals, so the Yankees are not able to announce them yet.

Both the Yankees and the Boston Red Sox have been looking to add at least one starting pitcher this winter. While the Red Sox are still looking, the Yankees have come away with two.

Kuroda, who turns 37 next month, had a 3.07 earned run average last season with the Los Angeles Dodgers. He wanted a one-year deal, which was a perfect fit for the Yankees, who do not want significant multiyear contracts for the next few years because of the financial incentives they have under the new collective bargaining agreement to keep their payroll under $189 million starting in 2014.

For more than two months after the season ended, teams and agents were seeking exorbitant prices for their players. With the Yankees and other teams biding their time, prices fell dramatically in the last few days. Kuroda was originally said to be seeking $13 million, but settled on $10 million, and the Yankees will not have to give up a draft pick to sign him.

 松井とあまり変わらない年なのに、「いい年俸だな」と思う。引き続き日本の投手に対する評価は高い。対して、中島や川崎や青木のケースがそうなのですが、野手は「あらら」という感じ。松井は来年どこでプレーするのかも分からない。イチローだけかな、長期安定しているのは。

 大リーグ全体として、投手不足ということもあるのでしょう。読売には、以下の記事もある。

 「無事これ名馬」ではないが、黒田のように昨季までの4季連続で100イニング以上を投げ、防御率3・80を下回った先発投手は、今回同僚となる左腕投手、C・C・サバシア(31)らメジャー全体でも数えるほど。
 なるほどね。私自身としては黒田に関して「凄く勝てるピッチャー」という印象はないが、確かに松坂などに比べると、黒田は安定している。「黒田はメジャー4年目となる昨季、32試合にすべて先発登板し、13勝(16敗)、防御率3・07(ナ・リーグ9位)、161奪三振、202投球イニングと、ほとんどの項目で自己最高(メジャー移籍後)を記録。打線の援護があれば、勝ち星と負け数が逆転してもおかしくない投球を見せた。」と。

 なるほど。ヤンキースでは貯金が期待されていると言うことだ。彼には頑張って欲しい。


2012年01月14日(土曜日)

 (23:25)”噂”ではなく、正式に発表されたのがニューヨークの金曜日の引け後となったS&Pの「欧州9カ国の格下げ」は、警告が発せられ、それ故に予想され、市場では織り込まれていたものであるにしても、欧州が受ける打撃は大きなものとなる。決して「象徴的な動き」にとどまるものではない。

 欧州金融安定化基金(EFSF) は、もともとドイツやフランス、オランダなど最上級の「トリプルA」格を持つ計6か国の信用を裏付けとしていた。その合計が現在の実質的な支援能力4400億ユーロ(約43兆円)だ。これは6か国のEFSFへの政府保証にほぼ等しい。

 その「6カ国グループ」から、今回フランスとオーストリアが脱落を余儀なくされたことで、実際的な支援能力は2700億ユーロ程度に減る恐れがある。つまり欧州が危機に陥った加盟国を支援する原資が減るのだ。

 加えて、新興国を含む欧州外の国々から資金を集めるなどして、EFSFの支援能力を1兆ユーロに高める計画についても、一斉格下げを受けて資金が集まりにくくなる可能性が高い。なぜなら、銀行、それに投資家、国も「あまり信用できない」と本音では思っていても、機関内、国内手続き上、格付け会社の格に頼っている面があって、「トリプルA格」以下の国への貸し出し(債券購入)に制約を加えていることが多いからだ。今回の引き下げに関してS&Pは

  "Today's rating actions are primarily driven by our assessment that the policy initiatives that have been taken by European policy makers in recent weeks may be insufficient to fully address ongoing systemic stresses in the euro zone."
 と述べている。数日前に行われた独仏首脳会議の進展具合などが、「全く持って遅い」という同社の印象があり、それが今回の17カ国中9カ国の格引き下げとなったのでしょう。フランスなどは1ランクだが、イタリア、スペインなどは2ランクの引き下げとなった。もっとも「policy initiatives」が遅いのは、アメリカも日本も同じだ。

 「全体的に引き下げが進行すれば、相対的な信用度は同じ」という意見もあるが、実はそうではない。なぜなら、全体的に格下げが続くと、世界的にお金の回りが悪くなって、金融危機が深刻度を増す。なぜなら、過去との見合いもあるので、格付けが下がった先へのお金の融通はこれまでより減少するからだ。これが世界的に起きる可能性がある。

 それは、格を引き下げられた国の銀行の対外融資姿勢も厳しくなると言うことだ。なぜなら、調達が今までより条件悪化する。ということは、途上国に潤沢に回っていた開発資金などが減少する。欧州の銀行はずっとインドなど途上国融資に熱心だった。それが本国回流する危険性がある。そして中銀への預け入れやキャッシュとして滞留するのだ。

 日本ではあまり報じられないが、S&Pの格下げと同じくらい重要なのは、同じく金曜日に明らかになった「ギリシャと同国に融資(どういう形であれ)をしている銀行・投資家など債権者との話し合い」が一端決裂したことだ。

 ギリシャ救済のスキームは、メルケル首相の強い主張で「ギリシャに債権を持つ債権団が自主的に50%放棄に合意した場合に、ギリシャの対外債務全体のうち1000億ユーロ分を棒引きにする」というものだ。それが出来なければ、ギリシャは破綻の道を歩むことになっていた。

 しかし金曜日に明らかになったのは、その重要な「50%放棄」に関わる話し合いの「中断」とも言える状況だ。「自主的に」というところが肝心だ。ギリシャや周囲の国が銀行や機関投資家に対して強く「50%放棄」を求めると、ギリシャが実質的に破綻したことなってしまう。スキーム全体がおかしくなるのだ。

 オーストリアはイタリア、スペインとは違って今回1ランクの下げにとどまった。しかし隣国のハンガリーに同国の銀行が大量に貸し込んでいることを考えれば、事態は深刻だ。ハンガリーは財政再建策が不十分だとして、EUから抜本的な見直しを求められ、それが「協定による制裁」に発展する可能性がある。

 S%Pは、今回格付けを最上級に据え置いたドイツに関しても警告を忘れていない。今回格付けを据え置いたのはドイツが引き続き「competitiveness and financial rigor」(競争力があり金融面できっちりしている)からだが、「もし仮に現在GDPの80%に達している政府債務が100%になったら、ドイツの格付けも引き下げる可能性が高い」と述べている。


2012年01月13日(金曜日)

 (14:25)多分そら耳だとは思うんだけど、寿司屋のカウンターにいたら鯛と小鰭(コハダ)の小声での口げんかが聞こえてきました。確か.....

 鯛が小鰭に向かって上目線で: 「お前って、本当に煮ても焼いても食えねえ奴だな」

 小鰭が言い返して: 「なに! しめればちゃんとした寿司ネタだい。お前なんか、八方美人なだけだろ....」

 確かそんなような。あれ、やはりそら耳か.......。ははは。


2012年01月12日(木曜日)

 (09:25)今朝早起きをしてちょっと散歩しようとしたら、「福岡の夜明けは東京より45分遅い」ということで真っ暗。しかし、朝はいつでも気持ちが良い。40分くらい散歩しました。天神あたりを。暗くて写真はなし。

 昨日は小倉でTOTOさんにお伺いして、ウォシュレットの発展、最新テクノロジーを取材しましたが、今日は九州大学の福岡演習林で。ある特殊なキノコの栽培方法を取材します。

 ところで番組のお知らせです。今日の夜6時45分からの東京FM TIMELINE は、『読書の形を変えるかもしれない「ソーシャル・リーディング」』です。このほど投稿サイト「ニコニコ動画」を運営するドワンゴと角川グループホールディングスが、電子書籍に関する新たなサービスをスタートした。

 角川グループのサイト「BOOK☆WALKER」で電子書籍を買うと、「ニコニコ静画」というサイトにその感想を投稿したり、他人の投稿を参照しながら作品を読んだりできるというものです。いわば、ニコニコ動画の電子書籍版。

 新たな読書の形として注目されている「ソーシャル・リーディング」は、若者の読書離れを食い止めることができるのか、その可能性を探ります。

 夜10時からのBSジャパン地球アステクは、建築材料技術の中でも日本が世界を牽引する「コンクリート」を特集。3人が先ず訪れるのは竹中技術研究所。世界最強の呼び声も高いコンクリートの秘密に迫ります。1cm立方体で3tの重さに耐えられ、抜群の耐熱性も誇るとされるコンクリート。今後超高層ビル等での使用が期待されている「超高強度コンクリート」の性能を、圧縮強度試験機や加熱炉などを用いて徹底検証。

 次に向かうのは、東京大学生産技術研究所。ここで研究が進んでいるのは、何と、自己治癒するコンクリートだ。コンクリートが自分でヒビを塞いでしまうと言う。完成すればトンネルや地下建造物などへの使用が期待されている驚愕のテクノロジーとは!? 災害対策としても注目される2つの最新コンクリート技術をレポートします。


2012年01月11日(水曜日)

 (23:25)火曜日の夜に大阪を出た後、小倉に一泊し、そこでのロケを終えて福岡に来ていますが、私がずっと監視していたのはLTEの電波状況です。バッファローのポケットWIFIから、最近入手したarrows LTEのテザリングに実用的に切り替えが出来るかどうか?

 東京の固定地点(例えば自宅)でLTEを使う分には非常に便利なことは既に分かっている。しかし、移動体(新幹線など)を含めて、どのくらい安定的に使えることが出来るのか、は出張の多い私には重要な問題です。出張先でネットを使うことも多いので。プレゼンを含めて。

 これら都市、都市間を移動してこれまでに得られた結論は、

  1. 接続の安定度は、バッファローのポケットWIFI(3G電波の転換)の方が遙かに高い。LTE接続は良い場所も多いが、全体的には不安定である
  2. 重要なことに arrows のテザリングは、新幹線の中では非常に不安定で遅い。道中何回も切り替わり(LTE→3G、3G→LTE)、非常にいらいらするし、3Gで比較的安定しているテザリング状態でのネット接続でも、相対的な問題かも知れないが、非常に遅い印象を受ける
  3. 同じ移動体の中でも、タクシーでは各大都市の中では安定的に繋がっているケースが多い。多分ポイントの設定の仕方だろうと思う
  4. 一番問題なのは、大阪、小倉、福岡でそうだったのだが、路面を離れて特定地点(ホテルや建物の中など)で使っていてもLTEから3Gに、3GからLTEに切り替わる(勝手にそうなる)ときに、挙動(接続)が不安定になる
 というものです。繰り返しになりますが、東京、大阪、小倉、そして福岡(博多)では、路面ではタクシーの中を含めて非常に安定的にLTE接続が出来た。地図での現在地点検索など非常に素早い。これはナイスでした。

 しかし、特定のビルやその谷間、特定の階などではLTEが外れたり、LTEから3Gに勝手に切り替わったり、非常に不安定なことが分かった。大阪のホテル(私が宿泊した)ではダメだが、小倉で宿泊したホテルでは高層階でもLTEが問題なく使えた、といった感じ。ばらつきがある。

 小倉のホテルのLTE接続が高層階だったにもかかわらず非常に安定していたので、フロントに「高層階でも使えるようにお宅では何かしているの」と聞いたが、「分かりません」という答えだった。あちゃ。

 3Gの時も、以前は例えば16階以上は携帯電話の電波が来なかったりして、これが大きな問題だった。確か各ビルは、その対策に結構お金をかけた筈だ。LTEでもそれがあるのかないのかは、まだ分からない。高層階で使っている方どうですか? 

 ホテルなどの対応を見ても、LTEという電波の存在そのものがまだ良く知られていない印象がする。もっとも、各客室に付いている「1日1000円」ほどの接続料金が取れなくなるので、あまり積極的に対応は出来ていないのかも知れない。しかし、今後は「LTE接続が出来るかどうか」が、ホテル選びの一つのポイントになるような気がする。少なくとも私にとっては。

 まあ結論としては、プレゼンにこのLTE電波だけを使おうとしたら、「ちょっと運頼み」で危ない、ということです。「切り替わり」が勝手に起きますから。もっと安定しないものか。

 LTEのネット接続が安定的に出来ているケースでは、そりゃネットは速い。ナイスです。しかし3Gに切り替わった瞬間(勝手にマシンが決めます)に接続が不安定になり、その後3G接続が安定してもネット接続は遅い。まだまだ問題が多い、ということでしょう。

 arrows そのものに関しては、非常に満足しています。要するにwhole in one という感じ。お財布もあれば、ワンセグもあり、特にビックリしたのがLTE接続が出来る状態でNHKオンデマンドを見たら、それはまさにストレスフリーのテレビだった。

 もっとも、改善して欲しい点はある。バッテリーの問題は、スマホ全体の問題ですが、どこに行くにも充電器、それに類するバッテリー(付属で付いてくる)が必要である。特にテザリングを行う際は、バッテリーの減りは非常に早い。あとは

  1. phone に比べて画面のスクロールがとろい
  2. カメラが瞬撮ではない
 などか。LTE電波の各都市での安定化に加えて、上記の2点を是非改善ポイントにして欲しい。私にとっては防水などと言う機能はどうでもいいので。日本で最初に富士通がLTEテザリングが出来るスマホを出した。その点は素晴らしいが、次の機種では以上の点(電波の問題はドコモのサイドの対応次第でしょうが)をお願いしたい。


2012年01月10日(火曜日)

 (13:25)せっかく10日に大阪にいるのだからと思って、まず去年も夕方行った堀川戎神社(天満橋の近く)にまず行って、そこでさらに「よっしゃ」と思い立って今宮戎神社に移動しました。結構距離がある。ランニング姿のまま。

華やかな衣装を着た売り子がいっぱい  今宮戎神社にまで足を伸ばしたのは、日本の料亭としては名前の通った吉兆の創業者である湯木貞一さんが大正の終わりに商売を始めるときに、その名前を「今宮戎神社の吉兆笹からとった」と述懐していらっしゃるのを、カウンターの本で紹介して、「1度行こう」と思っていたからです。今回行けて良かった。気が済みました。

 ある人によると、堀川戎の方が「格が上」らしいのですが、ちょっと狭い。対して、今宮戎は場所が大きい上に、縁起物の売り子が写真のように皆若い女性で華やかなのです。「うーん、これはいいな」と思いました。

 「戎」はご存じの通り商売の神様で、神社に入ると「商売繁盛.....」とお囃子が入って華やかです。夕方からは小倉・福岡への移動があるので、今回は昼間来ましたが、夜の今宮は動けないほどの人だと聞きました。まあ、一年の初めに縁起を担ぐにはなかなかいい。今後は夜来たい。それに西宮にも行きたい。

 堀川戎の近くに、天満天神があって、そこにも「えびす」の文字があったので、「違うのにな」と思って境内の人に聞いたら、「うーん、2〜3年前からかな」と。ははは。


2012年01月09日(月曜日)

 (21:25)そうですか。明日から学校ですか。そして連休の最後の日。そりゃ、新幹線も混んでいるわけだ。

 ところでこの年末だけではなく、最近数年ずっと思っているのですが、日本の年末・年始はどうも意気が上がらない。「さあ年末だ」「さあ年初だ」と言うときに、必ず連休が入ってしまう。意気が沈むのです。

 この3連休もそうでしたが、「さあ年も明けたし...仕事だ」と思うと連休。年末・年始で行くところには行ったし、お金もあまりないし、と言う時に連休なわけです。ま、2日の土日の休みに一つくっついただけと言えばそれまでですが、どうもいかん。

 と思っているのは私だけではないようで、タクシーに乗れば運転手さんにどうにかなりませんか、と言われるし、他でもそういう話は一杯聞く。

 いっそのこと、三が日にからめてお休みにしても良いような気もする。少し長く。一生懸命働いて年末・年始。ゆっくり休んで、年初から仕事をフル回転。どうでしょうか。


2012年01月08日(日曜日)

 (09:25)今朝面白いと思ったニュースは、日経の社会面に小さく載っていた「盗まれたipad スマホで追跡」かな。ちょっと笑えた。

 福岡のパチコン屋で現金やipad の入った鞄を盗まれた男性が、鞄には入れていなかったのでしょう、自分のスマートホン(と書いてあるが、多分iphone4か4S)を取り出して盗まれたipad (従って鞄)の位置を特定して、警察官とともに盗みを働いた若者を探し出して取り押さえた、という話。

 アイクラウドの機能を使ったのでしょう。私も4Sをゲットして直ぐにPCのicloud を使って、自分の4Sが関西テレビにあることを新幹線の中から突きとめた。私の場合は、ただの物忘れでしたが。

 鞄を盗んだ少年は、ipad にそんな機能があるとも知らずに起動したら、一発で自分がどこにいるか持ち主に分かってしまった、という次第。まあicloud はそれほど知られていない機能ですから、そうなる。

 ICTの機能増大は、今まで出来なかったことを可能にする。つまりそういうことを知らないと窃盗も働けない時代に入ったと言うことです。これは技術の進歩が漸進的に、しかし大きく社会を変えていく良い例だと思いました。

 これは産業の世界にも起きている。年初にあった報道としては「コダックが危ない」(ウォール・ストリート・ジャーナル)でしたが、今度は「ブラックベリーが苦境」だそうだ。ニューヨーク発の共同が

 【ニューヨーク共同】多機能携帯電話(スマートフォン)の先駆け「ブラックベリー」を展開するカナダのリサーチ・イン・モーション(RIM)が苦境に陥っている。米アップルやグーグル陣営の製品に人気が集まり、販売が伸び悩んでいるためだ。株価はこの1年で約7割も下落し、他社によるRIM買収検討の報道が相次いでいる。

 ブラックベリーは1999年に発売。通信の安全性を売り物にして、欧米企業を中心に普及した。11年11月末時点で利用者は世界で約7500万人に達する。

 と伝えている。もちろんブラックベリーはデジタル端末ですが、使い勝手がスマホに比べてやはり制約が多いのと、拡張性の問題で落ちる。私も何回か検討したが(ドコモから出ていた)、やめた経緯がある。

 デジタルという技術ベースを違っても、使い勝手や拡張性で全く大きな差が付くのはアナログの時代と同じです。結局は製作者の思いがどのくらい詰まっているのか、製品にどのくらい消費者を魅了する力があるかでしょう。

 今年は、インターネットが普及を初めてほぼ20年。もっともっと大きな変化が出てきそうな一年です。


2012年01月07日(土曜日)

 (23:25)警視庁を右手に見ながら内堀通りを走っているときに、去年のある講演会の後にMRJ(三菱が独自に開発している)の部品を作っている中小企業の社長さんの発言・訴え(?)を思い出しました。

 MRJは日本がYS11での失敗の経験を生かしつつ近く就航を目指している中型旅客機で、私も期待している日本の国産飛行機(但しエンジン以外)です。日本の期待できる製品の一つとして講演会で挙げた。その中小企業の社長さんが私に「今日話にあったMRJですが、実は部品を作っています。でもちょっと聞いて下さい」と。話の内容は.....

 「MRJにからみたいんでしょうね、とにかく迷惑になるほど役所が聞いてくるんですよ」
 「でもね、伊藤さん、彼らは聞くだけ。何も情報をもたらしてはくれないんですよ」
 「それに、余計な口出しが多い。結局、私たちの邪魔をしているんでしょうかね。昔は違ったのですが....」

 実はこれは、日本のお役所についてあちこちで去年よく聞いた話でした。「聞くだけ」「情報を取るだけ」。そして、「一体何に役立っているのか」と関係者の話は続く。去年の原発事故でも同じようなことがあったらしい。「とにかく情報を上げろ」と保安院。

 日本の役所は、戦後の一定時期には明らかに日本の産業の成長に役立っていたと思う。戦後は混乱していたし、海外の情報を取れるのも、海外に出張できたのも役所の人が多かった。海外には、日本が目指すべき産業の形があった。

 しかしもうその事情が変わったのは20年も前でしょうか。私が金融の世界にいたころからです。一杯聞いてくる。しかし新しい金融商品は民間で生まれ、民間で広まった。ノウハウもテクも民間にあったのです。だから彼らは聞くしかなかった。

 しかも、日本の官僚はほぼ2年くらいで人事異動があって移動する。その異動する役所の人達に報告をしなければならない企業の担当者は大変です。代わるごとに一から始まる。本当は報告しなくても良いのだが、「あとで意地悪をされる」というのです。もしそうだとすると、日本の官僚機構というのは何のためにあるのか。

 警視庁を見たときにこの話を思い出したのは、多分重要指名手配の平田容疑者が警視庁を警備していた機動隊員に「平田です.....」と申し出たら、「悪質ないたずら」と思って追い返した、という話を聞いていたからでしょう。

 無論、果たしている役割、絶対欠かせない機能はあります。霞ヶ関には。しかし思われているほどではない、というのが私の印象です。日本を前向きに動かす力としては。縦割りで、日本の産業の縦割りの弊害の元凶にもなっている。

 だとしたら、変えるか、必要な機能だけに規模縮小しなければならない。なぜなら「邪魔になっている」という声が、現場の企業の方々から聞こえるのだから。企業の人は、余計な質問に答えている以上に、技術や製品を開発したいでしょうに。

 「情報を取るだけの役所」「指名手配の犯人を認知できない警察」ではいくらなんでもいかんでしょう。


2012年01月05日(木曜日)

 (23:25)「こんなに毎月支払っていたのか」とびっくり。全部で10数件に達し、合計およそ2400円にも達していました。年間ではけっこう大きい。imode 経由で新聞社などに毎月支払っていた小口支払いの合計です。ドコモを使っている人は、imenuから入って確かめられます。

 imode が始まったばかりは、新聞をケイタイ電話で読むにしてもこのimodeルートしかなかった。しかし、ブラウザを持つスマートフォンだとネットベースの情報をいくらでも取れるようになる。そこで、不必要な支払いを止めるために、一回月ぺースであまり検証もないし支払っていた支払いが気になっていて、今日それを検証したのです。結構時間をかけて。

 ははは、解約させまいといろいろな仕掛けが出来ていました。「本当に良いのか」「こんな新しい機能」もあるし、サービスもある、と。しかし、一回全部なくして、改めて必要ならまた、という考え方をしてみました。

 というのも、日本のメーカーからテザリングが出来るマシンが初めて富士通から出て、今までのガラケー(アマダナ携帯)をF-05D(製品名としてはarrowsかな)に今日切り替えたのが切っ掛けでした。simも一回り小さくなって、今までのマシンとは違う。

 また切り替えてから10時間も使っていませんが、テザリングの下には8台がぶらさがるそうで、あとは料金だけですかね。速い。あと、このマシンはエディー、スイカ、idが全部使え、お財布持ちなのが良い。

 あとは、新幹線の中、地方でどのくらい繋がるのか、クロッシーが使えないケースに3Gにうまく繋がるのかなどが課題。それがうまくいけば、バッファローのポケットwifiは不必要になる。
 


2012年01月04日(水曜日)

 (07:25)「ところで、今日は何曜日?」と思って調べるような年明けとなりました。通信事情が良くない海外にいたので、あまり発信も出来ませんでしたが、今年もよろしゅう。

 海外の、例えばニューヨークの株式市場などは、かなり堅調な展開となっているようでまずは順調な年明けと言えそうですが、まあでも今年も波風はあるのでしょう。ユーロなどは100円の前後で不安定な展開だし、今年は世界政治の面子も変わる。

 欧州は材料としては「去年からの」という既視感が今は強い。今年第一・四半期のファンディング(欧州各国の)次第という面もある。世界経済は英語で言うmuddle throughという展開になる可能性もあるし、そうではないかもしれない。谷はありそう。そこからの回復度が問題。

 ところで番組の予告です。木曜日の午後10時からの地球アステクは、「巨大火山の内部を透視せよ!」です。東京大学地震研究所の田中宏幸准教授を訪ねました。私にとって新しい単語を随分と覚えた、非常に興味深い回です。

 同教授が開発したのは、宇宙から降り注ぐミュー粒子という素粒子を利用して火山の内部をレントゲン写真のように透視する技術。従来の地震波による観測に比べはるかに詳細に火山内部の様子を捉えることができるものです。

 これまで、薩摩硫黄島、浅間山、有珠山などの観測を行い、既存の学説を覆す驚くべき成果をあげてきました。火山の噴火予知に必要な「いつ」「どこで」「どれくらいの期間」という3つの要素について、今後非常に大きな貢献が期待されるものです。

 火山大国日本で生まれた新技術。「ニュー粒子」というのが新鮮で良いでしょう。海外からの共同研究のオファーも多いと聞きました。お楽しみに。



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