2012年06月30日(土曜日)

 (06:20)あらら、今日が半年の最後の日ですか。6月30日。本当に time flies ですね。何をなしたのか、何が出来なかったのか。

 ふっと思い浮かぶ印象としては、「ロケを一生懸命やったな」というものかな。この半年。一年は52週。そのうち私と蒼ツインが出て番組として作らなければならない回は、四半期に一回総集編がありますから、48回でしょうか。

今週の大阪からの帰り、空から見た富士山  月4回分です。放送時間30分の一回分を撮るのに本当に丸一日かかる。月に4日はロケ、となる。私の場合大阪などに行っているので、自由になる時間がそれほどあるわけではない。月8日ある水木のうちの4日を当てることが多い。

 大変ではあるが、ロケは楽しいですよ。スタジオに先生を呼んで番組を作っても良いのですが、それだと現場感がない。やはり時間をかけ、場所を移動して現場に行かないと。

 それにしても、今週の「量子ドット」の現場のような先端研究室に行くと、カメラさんは大変ですよ。私たちでも狭い研究室で体を動かすのに気を遣う。だって精密・高額な機器が一杯詰まっていますから。普通は私たちの背の高さ以上に色々な機器が出っ張っている。

皇居端の木の下に綺麗な紫陽花が咲いていました  そこで大変なのは、大きなカメラを方に担いでいるカメラさんです。カメラの振りが精密機器に当たってしまうかも知れない。中には「一台2億」といった機器もあるわけです。いつも、それをうまく回す。「この人達はプロだな.....」と思う。音声さんもそう。世の中には一杯電波が飛んでいる。周波数を変えながらの作業が多い。

 ロケがない週は「ちょっと自由がきくな」と思う一方で、「寂しいな」と思うのが常なのです。自分が担当している、出ている番組はそれぞれ面白い。でもまあ、作るのに時間がかかる番組、反響の多い番組ほど作る側としてはいつも気合いが入る。

 うーん、半年ね。そうだ、フェースブックに今までになく写真をこまめにアップした半年かな。このプログで紹介しているのは、その中のほんの一部です。しかし、私の場合お友達が3000人に近づいていてもうあまり「お友達」を増やせない。

 「フィード購読」を皆さんにはお願いしています。今の段階で1000人くらいの方にフィード購読者になって頂いています。本当に申し訳ないと思うが、「お友達に」と言われても無理がありますので、宜しくお願いします。

 フェースブックは私にとってはまずは自分が撮った写真公表の場として重要です。それに載せなかった分も含めて、二枚ほど写真を紹介します。


2012年06月28日(木曜日)

 (21:20)東京大学の駒場キャンパスの「ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構」に伺った今日のロケは、めちゃめちゃ面白かったですよ。

 太陽光発電、レーザー、そして半導体の各技術分野で革新的な前進をもたらす「量子ドット」の技術。将来は「医療分野も」というのですから、実に楽しみな技術です。

 それを特に強調したくはないのですが、荒川教授が30年前に発想し、理論化し、今でも実用化の為のエンジニアリングの最先端にもある「日本発」の未来技術です。それを証明するように先生の研究室には、実に沢山の国から学生さんが来ていました。

荒木先生が手にするのは量子ドットウエア  半導体技術の分野で言うと、電子ではなく光を働かす量子ドットを使う故に熱くならないコンピューターが可能になりますし、今のLSI技術との”ハイブリッド”な形での利用でも、データ送信量を劇的に増加させ、ストレスフリーのコンピューター処理の世界を実現できる。

 昨日も書きましたが、量子ドットの半導体を使えば、将来的には「京」などの巨大なスーパーコンピューターをノートパソコンくらいのサイズにすることが可能になる。目から鱗でした。実に楽しみです。8月放送の「地球アステク」(毎週木曜日午後10時BSジャパン)をお楽しみに。

 ところで、一つエッセイが公開されました。「10代で学ぶ金融そもそも講座」です。「マーケットにとっての真の危機とはなにか?」を前回に引き続き取り上げました。


2012年06月27日(水曜日)

 (23:20)一つ何かあったら人命にかかわる事故が起こる現場。よって、社員同士が工場敷地内で会うと「安全に!」と声を掛け合う。工場内の標語は「ABC」(たり前のことを鹿にせずゃんとする)。

 ええですよ「現場」は。ずっと言っているのですが、日本語の「現場」に相当する、バチッとはまる英単語はない。例えば「現場主義」としてもおかしくないような。その”現場”で、ほぼ丸一日ロケをしました。

 強烈ですね。時に1000度を越える厚さ25センチの分厚い、真っ赤に再加熱された鉄板が時速100キロ前後のスピードで走っていく。向こうが見えないような長い、長い製鉄工場の中で、時に冷やされ(鍛錬され)、時に新しい材質を獲得しながら「シート」(薄板)などとして仕上がっていく。

 そこは限りなく”ハイテク”駆使の生産現場でした。だから、「これ以上は撮影禁止」「これ以上は説明不可」が結構出てくる。それだけ競争に晒されている業界ということです。

 日本の鉄鋼メーカーの”ウリ”は、多様な能力を獲得した高張力鋼(業界では”ハイテン”と言うらしい)です。これがまた強いんですよ。薄いのに。知らないうちに、例えば車の中などにしっかりと使われている。

 延ばされた熱い鉄板は、徐々に冷やされて一度はコイルに巻かれたりしながら、更に冷間圧延処理され、製品化されて、自動車に加えて橋梁、ビルの支えなどに。パイプなんかも鉄製が多い。要するにインフラを支える製品になっていく。

 強烈に熱い、真っ赤な鉄の塊に水をかけるので、熱間圧延工場の中は言ってみれば「サウナ」です。しかし私は見学者通路で眼下に広がる「熱い現場」を見ながら「ここがやっぱり経済の支えだよな」という確信を持ち、ベースの工程は変わっていないのに「この業界は技術も激しく変化し、よって企業の興亡も激しい」という思いを持ちました。だって私がアメリカにいた頃の会社はほとんどない。

 「地球アステク」の特徴は、「とにかく現場に行く」ということです。現場でしか聞けない会話、気付き、そして絵を撮る。新日鉄君津製鉄所で今日撮った回も非常に面白いと思います。7月26日BSジャパン午後10時から放送の予定です。

 いや、正直製鉄所の中に入ったのは初めてなので感動しましたよ。いつも飛行機で関西から帰ってくるときは上空を飛んでいるのに。私にとっても勉強になる一日でしたし、私たちの取材に根気強く付き合って下さり丁寧に説明して下さった白神さん、北島さんなど新日鉄サイドのスタッフの皆さんには感謝します。

 明日は東京大学の駒場キャンパスの「ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構」「量子ドット」の取材に伺います。

 将来的には「京」などの巨大なスーパーコンピューターをノートパソコンくらいのサイズにすることが可能になるかも知れない量子ドット技術。電気の代わりに光を使って情報を伝達したり計算を行うことができるためと聞いていますが、はて。実に楽しみです。

 渡されているシナリオには、「量子ドットとは簡単にいうと、半導体の素材で作った極微小な構造物」と書いてありますが、はて。しっかり研究現場で理解して、皆様にお伝えしたいと思います。放送は8月に入るかも知れません。

 今日の「地球アステク」は、先端科学技術大集合!/春の特撰集です。はやぶさ、地下鉄、新東名などが次々に登場します。今夜10時BSジャパン。

 おっと、その前の東京FMタイムラインは、「なぜ、ネット募金にはお金が集まるのか」を特集します。むろん、ニュース、その解説も充実。お楽しみに。


2012年06月26日(火曜日)

 (22:20)民主党の政治で一番嫌なことは、「政治の言葉が軽くなった」ことでした。「最低でも県外」(鳩山元首相)では、唖然とすることに「最低(彼の言葉を借りれば)の上」ではなく(本来はそうでしょう)、結局は「最低の下」を着地点にしようとした。

 言葉として華々しく並べた、そして彼等が「これで政権をとった」と主張する「マニフェスト」は、かなりの部分が「実現不可」であることが分かってしまった。今回名目に使われたのは「国民会議」であり、それは別の言葉で言えば、「すべて先送り」です。

 今日という日も、「軽い言葉」の連続でした。「政治生命をかける...」(野田首相)だったら、自分の党内からあんな大勢の造反者が出たら、本来もっと怒るべきでしょう。そうじゃなかった。

 だとしたら少なくとも強く自省しなければならないはずです。しているのかも知れないが、何時処分を出すのかも明らかにしない。「政治生命」という単語が、今回で非常に軽くなってしまっている。少なくとも子供はそう感じた筈だ。

 一方、「我々に正義がある」とまで言ったのだから、小沢元代表は造反した後はとっととそんな党には見切りを付けるのかと思ったら、「当面は残って党を正す」「参議院での通過を阻止する」と仰る。出て行く勇気もないのか、と思った人も多いでしょう。私もそうです。

 民主党は「マニフェスト」と今更偉そうに言うが、3年前を振り返ってみれば民主党のマニフェストが素晴らしい、と思って民主党に入れた人は極僅かです。少なくとも私の理解では。その前の自民党があまりにも酷かった。「一つお灸を」と思った人が多かった。

 今回の前例を見ない茶番劇で、日本の政治への希望を高めた人はゼロでしょう。皆唖然とした。大山騒動......ゼロ。振り回されたマスコミもしばし言葉を失っていた。言葉を紡げなくなったら、政治は終わりです。

 「厳正な処分」ね。この言葉は民主党では既に「大甘」に限りなく接近している。「ぐずぐず」「ぐじゃぐじゃ」。インタビューに答える国民はよく見ている、と思いました。それにしても久しぶりに議場を見たら、「国会議員ってこんなにいるんだ」と思いました。知らない人があまりにも多い。


2012年06月25日(月曜日)

 (09:20)オリベッティという会社がありました。今はその名前さえもほとんど聞かないし、見ない。何度かの危機の後、テレコム・イタリアに買収されたからだ。タイプライターやコンピューターで有名だった。

 我が家の親戚にこのオリベッティの日本法人に勤めていた人がいるのです。告別式後の精進落としのテーブル(中華でした)で一緒だったので、いくつかの話題の後で、「ところで、あの会社はなぜ潰れたのですか」(私の言葉で)と聞いてみたのです。答えは以下の通りでした。

 「会社が危機になったとき、イタリアの本社の社長に銀行から人が来た。メーカーのことは何も知らない。その銀行社長がやったことは、徹底したコストカット。特に金融の世界にない”研究・開発部門”は格好のターゲットになった。

 それから3年くらいして、オリベッティには”売れる商品がない”という状況になった。新製品を開発していないだからそうなる。時間をおかずして会社は行き詰まった。簡単ですよ。今の日本の企業にも同じようなことをしているところがある。今後が心配」

 私の親戚の話です。しかしこの話には納得出来たな。外から来た経営者はあせって数字を良くしようとする。製造業を知らない銀行出身の新しい経営者なんてそうでしょう。「私で数字は良くなった」と言いたい。

 しかし、メーカーの場合3年も研究開発をしなければ、そりゃ市場が欲するような新製品は出てこなくなる。あとの業績は釣瓶落とし、というわけです。私も今の日本企業のいくつかが行っていることには非常に批判的です

 短期の数字を良くするために「聖域なきコストカット」は聞こえが良い。しかし今のように技術も消費者の嗜好も足早に変わっているマーケット環境で研究・開発をしなければ、「数年後には新製品が全くでなくなる」のは当たり前だ。かつて次々に新製品を出しており、それが注目された会社の中に、今は殆ど注目されなくなった会社もある。危ないと思う。

 その他の日本の企業の中にも、優秀な技術者をまだ若い段階で結果的に追い出してしまっているところがある。彼等を欲しがっている韓国や中国の企業は一杯ある。中には「ソウルへの週末出稼ぎ」を迫られるほど待遇を落としている会社もある。

 日本の政治の世界にも、技術開発の重要性を知らないかのような発言をするアホな連中が多い。政治は資源配分が仕事ですから、将来に繋がらないような資源配分が進むとしたら、それは日本の将来に関わる。研究開発の面で国は企業を支援しなければならないのに。今の日本で新たな雇用を生み出せるのは企業だけだ。

 研究・開発に力を注がないような会社は過去がどうであれ、4〜5年先はないでしょう。オリベッティのように「過去に存在した会社」になってしまう。同社も私が社会人になったころは、非常に有名な、輝いていた会社でした。時は失敗した会社を確実に過去のものにしていく。早く間違いに気がついて欲しいのだが。


2012年06月24日(日曜日)

 (06:20)朝、「そうだ、写真印刷用のL判の用紙100枚を買ってあったはずだ」と思い出して、「昨日の通夜の時に撮ったiphoneの写真をプリントしよう」と思い立ちました。だって、今日また親族には会いますから。

 本当に御世話になった叔父さんだったんですよ。諏訪の写真館の息子さんで、ご自身も千葉大学の写真学科(?)を選んで出て、勤務先は富士フイルムだったと思ったが、いずれにせよずっと写真をやってきた人でした。

 根っから写真が好きで、伊藤家のあらゆる式典の写真もこの方がほぼ全部撮って、あとで丁寧に一軒一軒に送ってくれた。一族全員が感謝、感謝の叔父さんでした。しかし79才で急にこの世を去られた。

 式場に向かう車の中で、「今度は誰が写真を撮るんだ」と思ったのです。親父やお袋の式典の写真もこの人が撮ってくれた。式典の写真はやっぱり何枚かあった方が良い。「うーん、俺か」とちょっと思ったのです。もちろん、他に候補は一杯いますが。

 その時「あれ、iphoneしか持っていない」と気がついた。確か200万画素でそれほど精彩ではない。しかしまあまあ綺麗には撮れる。ま「これでいいや」と思ってiphoneで撮った通夜の写真が7枚ほどあった。

 式典での写真撮影はなかなか勇気が入りますね。タイミングとか。私は一応「ご遺族」の中に入っていますから、あまり目立って動いてはいけない。しかし写真を撮るには動かない訳にはいかない。中に、残された私の叔母さんと従兄弟(私より相当若い)に渡したい写真があった。

 そういう方は多いと思うが、私はファイルを自分でプリントしたことはほとんどない。そのままPCなどに残っているか、quanp に投げる。だから「今日はプリントしてみよう」と思ったのです。一番簡単そうな方法を選びました。iphoneのairprinterなんとかはやめた。時間がない。SDカードに移しました。

 プリントして出てきたものを見ると、写真専用紙ですからまずまずに仕上がる。「良かった」と思った。「これで渡せる....」と。

 ま、いつも思っているのですが、お葬式というのは逝った方が親戚一同を再会させてくれるのです。今回はお坊さんも諏訪の方で、そのお相手を勤めていたら、懐かしい話が一杯出てきた。

 私が卒業した旧男子校(私の時は一クラス女性は3人ほどだったが、今は男女ほぼ同数)と、その隣の旧女子校(諏訪二葉高校)の間にそのお寺はある。(地蔵寺と言うのですが、その名前自体が懐かしい。お坊さんによれば、「旧女子校の野球部の方が甲子園の可能性がある」のだとか。

 親戚が、「高校(諏訪清陵高校)の卒業生名簿で同じ”伊藤洋一”に東京大学の先生がいた」とも教えてくれた。「伊藤洋一という東京大学の先生がいる」というのは以前から知っていました。だって、ネットで出てきますから。しばしば。しかしその人が同じ高校の後輩だとは知らなかった。もしかしたら、この人かも。高校が書いてないので分かりませんが。

 それにしても、会葬者の数が半端じゃなかったですよ。79才ですから、普通はかなり会葬者は減るはずです。しかし、本当に会社関係の方を中心に多かった。付き合いの良い叔父さんで、横好きでゴルフをつい最近まで昔の会社仲間を中心にやっていたし、大学とか高校の同窓会にも出ていた。だからでしょうね。正直、親族一同で驚いていました。

 プリンターが動いているのを見ながら考えたのは、「なんだ、これを持って行ってそのままその場でプリントすれば、ファイルでもらっても困る人には喜ばれるじゃん」という事です。写真はプリントでもらいたい、という人はまだ一杯いる。自然でしょう。

 車で行くので、可能ではあります。しかし「重いな」とも思う。エプソンの本格的複合機ですから。本当は、式場にそういったプリンターがあれば一番良い。L判用紙も売ってくれたらなお良い。「その場でプリント」っていうわけです。ははは、消極的に考え中。

 まあ今日は最低ちょっと「カメラらしいカメラ」を持って行こうかな。といってもちょっと旧式のルミックスですが。


2012年06月23日(土曜日)

 (17:20)フェースブックをやっていない人には全く関係ないのですが、最近盛んに「マイカレンダーに登録しても良いですか」とかなんとか一杯聞いてくるメッセージが届くのです。無視していたのですが、あまりにも多いので今日私の friends 達に聞いてみたら、やっぱり「無視」が正解のようです。

 同じ問題に悩んでいる、というか気になっている人は、ツイッターにもフェースブックにももう情報が一杯あると思いますが、要するにアメリカのある大手ゲームサイトが提供しているアプリを承認すると、その人の friends 達にメッセージを勝手に送るらしいのです。つまりアプリ依存のメッセージ。

 つまりその人はそのアプリはokしたが、メッセージは勝手に送られているということらしい。好ましくない。ま、私はその手の事に全く興味がないので、返信しようとも思っていないのですが、とくにかメッセージが来ること自体が面倒。そうい事になっていることに気付いていない方は、その旨認識して頂ければ幸甚です。

 それにしても、今朝のユーロ、ギリシャ対ドイツは結構関心をもって見つめました。ギリシャの人達がドイツに抱いている感情は複雑なのです。欧米の新聞には、事前に結構記事が多かった。

 ギリシャも頑張りました。1−0と先行されたあと1−1に追いついたのです。圧倒的にドイツが攻めていましたが。その後バタバタと3点入れられたが、ギリシャは89分のPKで一点返した。ユーロはこの次も面白い。ドイツが対戦するのはイギリスとイタリアの勝者です。

 この週末は結構忙しい。自分の家のそれではないのですが、親戚の通夜、告別式で。でも思うのは、一日が長い。まあ今週が夏至でしたから長いのは当然ですが、これだけ曇っていて明るい時間が長いのだから、晴れていたら相当だろうな、と。

 そういう意味では、6月の末は日本はかならず梅雨ですから、夏の陽の長さを堪能はできない。ちょっと残念ですね。そうそう。金曜日でしたが、私の友人が「作ったから」と5−7−5を送って着ました。俳句ではない。季語がないので。

 「造反に 右往左往の 民主党」
 「茶坊主も つくのをやめた 闇将軍」
 「敵失を 喜ぶだけの 自民党」

 まあ、ちょっと唖然とする展開です。世界中どの国もそれほどまともではないが。それにしても、日本の政治も乱れている。今後の着地が難しい。


2012年06月21日(木曜日)

 (04:20)FRBが選んだ金融的景気下支え措置は、「Operation Twist」の今年末までの延長でした。3年未満の債券を売って、同額の6年から30年という長いタームの債券を買う。その結果、FRBの債券保有残高は変わらなくても、長期金利が下がるという緩和効果を期待してのもの。

 文章を読んで、FRBが気にしているなと思ったのはやはり失業率の高さ、アメリカ経済が雇用を産み出す力の弱さです。文章の中には「 Consequently, the Committee anticipates that the unemployment rate will decline only slowly toward levels that it judges to be consistent with its dual mandate.」という一分がある。

 であるが故に、物価が安定しているという状況の中では、もし必要なら今回は見送った新たな量的緩和を含む措置を講ずると述べている。文章は「The Committee is prepared to take further action as appropriate to promote a stronger economic recovery and sustained improvement」である。

 前回同様に今回の措置に意義を唱えたのはジェフリー・ラッカーで、反対理由は「who opposed continuation of the maturity extension program.」となっており、前回とは反対理由が変わっている。前回は、「who does not anticipate that economic conditions are likely to warrant exceptionally low levels of the federal funds rate through late 2014.」だった。

 FRBとしては、ヨーロッパがどうなるか分からない中で、カードを残したという印象です。ギリシャの再選挙が緊縮派が勝って、一応心配したような事態にはならなかった。それも大きい。

 もっとも今回の声明を読みながら、「.Fed Wrestles With How Best to Bridge U.S. Credit Divide 」というウォール・ストリート・ジャーナルの記事を思い出していました。日銀がそうであったように、一度興奮を味わった後の景気の安定と成長軌道への戻しは極めて難しい。この記事が言っている「credit divide」もそうです。多分それを癒してくれる一つの要素は”時間”なんでしょうが、政治家はそれを待てない。

Release Date: June 20, 2012

For immediate release

Information received since the Federal Open Market Committee met in April suggests that the economy has been expanding moderately this year. However, growth in employment has slowed in recent months, and the unemployment rate remains elevated. Business fixed investment has continued to advance. Household spending appears to be rising at a somewhat slower pace than earlier in the year. Despite some signs of improvement, the housing sector remains depressed. Inflation has declined, mainly reflecting lower prices of crude oil and gasoline, and longer-term inflation expectations have remained stable.

Consistent with its statutory mandate, the Committee seeks to foster maximum employment and price stability. The Committee expects economic growth to remain moderate over coming quarters and then to pick up very gradually. Consequently, the Committee anticipates that the unemployment rate will decline only slowly toward levels that it judges to be consistent with its dual mandate. Furthermore, strains in global financial markets continue to pose significant downside risks to the economic outlook. The Committee anticipates that inflation over the medium term will run at or below the rate that it judges most consistent with its dual mandate.

To support a stronger economic recovery and to help ensure that inflation, over time, is at the rate most consistent with its dual mandate, the Committee expects to maintain a highly accommodative stance for monetary policy. In particular, the Committee decided today to keep the target range for the federal funds rate at 0 to 1/4 percent and currently anticipates that economic conditions--including low rates of resource utilization and a subdued outlook for inflation over the medium run--are likely to warrant exceptionally low levels for the federal funds rate at least through late 2014.

The Committee also decided to continue through the end of the year its program to extend the average maturity of its holdings of securities. Specifically, the Committee intends to purchase Treasury securities with remaining maturities of 6 years to 30 years at the current pace and to sell or redeem an equal amount of Treasury securities with remaining maturities of approximately 3 years or less. This continuation of the maturity extension program should put downward pressure on longer-term interest rates and help to make broader financial conditions more accommodative. The Committee is maintaining its existing policy of reinvesting principal payments from its holdings of agency debt and agency mortgage-backed securities in agency mortgage-backed securities. The Committee is prepared to take further action as appropriate to promote a stronger economic recovery and sustained improvement in labor market conditions in a context of price stability.

Voting for the FOMC monetary policy action were: Ben S. Bernanke, Chairman; William C. Dudley, Vice Chairman; Elizabeth A. Duke; Dennis P. Lockhart; Sandra Pianalto; Jerome H. Powell; Sarah Bloom Raskin; Jeremy C. Stein; Daniel K. Tarullo; John C. Williams; and Janet L. Yellen. Voting against the action was Jeffrey M. Lacker, who opposed continuation of the maturity extension program.


2012年06月20日(水曜日)

 (12:20)勘違いというのはあちこちで起きるものですね。今週面白かったのは、「チャチャ」と「ちゃっちゃと」

 捕まった高橋克也容疑者の警察への証言が、多分担当の警察官の口からマスコミ各社に伝えられて、それが報じられている。不思議なことに警察官は一つの事を言っているのに、二つの相容れない理解・表現が出てくる。

 一つは高橋容疑者が井上死刑囚から「『チャチャを運べ』と指示された」と供述していることが分かった、という報道。この報道には、「チャチャとはサリンを指すと思われる」という解説まで付いている。

 もう一方は、高橋容疑者が井上死刑囚から「『サリーちゃん』をちゃっちゃとまけ」と指示されたと供述している、と伝えている新聞やテレビ報道。前者の理解に立つ報道も有力報道機関が含まれる。数的には、「ちゃっちゃと」の理解の方が多い。

 むろん私はその場にいなかったのでどちらを担当者が言ったのか知らない。しかし、どうやら後者が正しいようだ。江川さんに確認したら、オウムの中でサリンを「チャチャ」と言っていた事実はないし、井上死刑囚は京都出身で関西では「”ちゃっちゃと”を”手早く”」の意味でよく使うらしい。

 それにしても、月曜・火曜と各メディアの報道を読み比べている私としては、「一体どっちなんだい」と思ってしまう。

 人のことを言えない面もある。先日長い付き合いの内田さんから、『「第一党にボーナスの50議席」というのはギリシャ総選挙全部に適用されるルールですよ」とのメール(多分フェースブックだった)を頂いた。私は、再選挙の時のみのルールだと思い込んでいた。

 調べたら内田さんの言う通りで、そもそも250の議席を争い、第一党になったら残りの50を貰えるというシステムのようだ。「最初から傾斜なんてありえない」と思い込んでいることが間違いでした。

 ま、いろいろある。


2012年06月19日(火曜日)

 (12:20)とっても悲しい知らせでした。大阪でのすっごく親しい飲み友達だった橘正清さんがなくなられた、とのメールを渋谷さんから頂きました。本当に悲しい。

 知り合ったのは、むしろ偶然でした。仕事は全く関係ない。たまたま食事をしたり、飲む店が一緒だった。もう6〜7年前のことでしょうか。それ以来大阪に来て橘さんに会えないと、なんか物足りなかった。

 寂しいので時々彼に電話をかけて向こうに行ったり、こっちに来てもらったりしてお店で一緒に酒を飲んだ。歌も歌った。彼も相通じるところがあったらしく、しばしば私に電話してきて、「なにしてんの」だった。私と橘さんは、周りも認める「仲良し」だった。

 豪快な人でした。「がはは」と笑い、大きな声で喋り、しかし非常に記憶力がよい。起きたことを全て覚えているくらいの勢いでした。私も悪くはない方だが、学生時代に覚えた歌などはうつろです。しかし彼は全部覚えていた。表も裏も。

 なぜかすっごくうまがあった。誕生日も一日違いの近さだった。社会的にも成功した人でしたが、全くそんなそぶりは無かった。日本板硝子に入社し、その後イソライトに移って社長さんもなさっていた。知り合った頃はそうでした。人間として”社長”の枠を超えていて、それが魅力でした。

 皆で「タッチー」と呼んでいました。声が大きく、私もその口なので、4人でワイワイ食事をしていたらお店の人に、「うるさすぎるんで.....勘弁して下さい」と言われて、店を出されたこともある。本当の話です。お互いに「お前のせいだ」と言い合ったっけな。

 こまめでもありました。気配りなんでしょうね。ガンであることは暫く前に打ち明けてくれましたが、お見舞いだけは頑なに断った。だから、私の回りの人は誰も彼の病室に行ってない。美学なんでしょうね。

 しかしメールを出すと、しんどい治療が続いていたでしょうに、必ずメールを返してくれた。例えば短くとも。「今は断食状態....」だとか。不思議にすっごく魅力と幅のある人でした。

 ハンサムだったし、ほんとに多才だったな。科学的発明もしているし、音楽の才能もあった。確かお嬢さんはオペラ歌手。会話もうまかった。私より片手以上年上ですが、むろん年齢差は感じなかった。というより、感じている暇がないほど活動的な人だった。

 あーあ、一杯いろいろしたけど、もっと一緒に遊びたかったな。「なにしてんの」って今度はこっちが聞きたいよ。うーん、彼が行ったらあの世もちょっと騒々しくなるかな。ははは。

 「タッチー、いろいろありがとう」というのが私の今の気持ちです。合掌。


2012年06月18日(月曜日)

 (20:20)ギリシャに関しては土曜日にも書きましたが、緊縮派が勝ったと言ってもそれは当面の安心材料にしか過ぎない。長い目で見れば同国の先行きは厳しいままだ。それが、「Post-Greek vote rally fades」(FTの日本時間18日の夕刻)という株価の反応となっている。

 当初(月曜日のアジア市場で)のリスクアセットの相場を押し上げる動きは、夕刻、ヨーロッパの昼には萎えた。あそこでも書いたとおり、knee-jerk reaction としては株などが上がるのは自然だ。しかし、持続するのは難しい。スペインの国債利回りはまた7%を上回った

 そもそもギリシャの今回の再選挙だが、5月の初めの総選挙から一ヶ月と10日余り、何をしていたのかという感じもする。その間の時に激しい選挙運動にも関わらず、ギリシャの人々は殆ど考え方を変えなかった。

 上位二党に票が集まる傾向が強まりはしましたが、各党が得た票の割合は、5月初めのそれと殆ど変わらなかった。ドイツのお節介な新聞の社説も、テレビの生番組でのある出席者による女性殴打も、結果的にあまり関係なかった。

 勝ったのは前回と同じ“緊縮派”と呼ばれる新民主主義党(得票率は30%弱)であり、それから僅かに3ポイントほど少ない得票率(27%弱)で急進左派連合が2位になった。

 新民主主義党のサマラス党首は勝利を宣言し、急進左派連合のリーダーであるツィプラス氏は敗北を認めた。しかしそれにしても国論の二分状態は続いている。依然として国民のかなりの割合の人が、急進左派連合を支持した事実は重い。

 5月初めの選挙と違うのは、今回の場合は勝利政党に50のボーナス議席が与えられたこと。この結果まだ最終的には確定しないが、新民主主義党の議席は129議席に達する可能性がある。しかしこれは全300議席の議会での過半数(151)には達しない。

 今回の一連の選挙の前に同党が連立を組んでいた全ギリシャ社会主義運動が33議席ほど議席を確保する見通しであり、もしこの2党の合意ができれば、いわゆる“緊縮派”と呼ばれる連立政権が出来上がることになる。多分そうなるだろう。これは今の金融市場にとっては、「当面の懸念の後退」ということになる。

 しかし“緊縮派”と言っても、新民主主義党は急進左派連合の勢いに押されて「ギリシャがEUから受け入れた緊縮策に関して、修正を求める」と選挙戦で国民に約束してしまっている。

 対してドイツのメルケル首相は「修正は基本的には認めない」という立場だ。多分メルケルはこの立場を少しは和らげるだろうが、マーケットとしても手放しでは安心できない状況である。

 勝利した政党は“修正”を約束した。ということはギリシャの新政権が“緊縮策”の中味を交渉で変えることに成功しなければ、国内の政情は悪化する危険性が高い。急進左派連合は連立への参加を拒否する見込みである。

 ギリシャが当面抱えている問題も大きい。今回の再選挙という時間がかかる手続きの中で、EUに約束した当面の緊縮策(115億ユーロ相当)が既に遅れている。この遅れについてはEUが大目に見る可能性がある。

 しかし、ギリシャにとって待ったなしの状況は続く。ボーナスの50議席を得ても過半数がとれないという状況の中で、新民主主義党の「統治の正統性」に対する疑念も強い。

 一つの可能性としては、再び連立交渉に時間がかなりそうななかで、「政治家ではないテクノクラートに政治を当面任せる」という案も浮上してくる可能性がある。しかしそれでは「なぜ再選挙をしたのか」という問題に直面する。

 ギリシャという国の国庫は枯渇しつつある、と伝えられる。速ければ今月末。自国の国民の貯蓄を食べるのならまだしも、海外からの借り入れでそれをやるのはきつい。ヨーロッパの苦境はまだちっとも終わっていない、と思う。


2012年06月17日(日曜日)

 (20:20)「ぼったくりXX」というのはかなり無くなったと思ったのですが、見つけました。とんでもない。

 所要あって銀座に行ったのです。銀座には機械式の民間駐車場やデパートの駐車場、それに西銀座なんとかなど結構駐車場があるし、並木通りなどに1時間300円の駐車スペースもある。

 しかし私が目指した店は、そのどこともちょっと離れていた。そこにたった1スペースだけですが、コイン・パーキングがあった。「料金はそれほどでもないだろう」と思って(というのは、最大限なんとかというのがそれほど高くはなかったので)、そこに駐車したのです。

 戻ってきました。番号を押して(押す必要はないように思うが)料金を見たら、目が飛び出た。一時間ちょっとでしたが、見たら1800円となっていた。「ありえない」と思いました。

 しかし、コイン・パーキングなので誰にも文句を言えない。お金を入れないと車止めが降りないので、車を出すこともできない。ほんとにに頭に来ました。売り文句が「一日の最高がこの値段」で売っている駐車場は、実は危ないと実感。

 そりゃ、スペースが一台分しかない駐車場ですから、装置を設置するにもコストは高かったと思いますよ。しかも場所的希少性はある。しかし、短時間にあの値段はないな、と思った。その駐車場には絶対車をもう止めませんが。皆さんも「ぼったくり駐車場」には気をつけて下さいね。


2012年06月16日(土曜日)

 (23:20)いよいよ明日がギリシャの再総選挙ですか。どうなることやら。しかし根っこを見ると、どちらが勝っても「問題は残ったまま」と言える。

 ギリシャが抱える最大の問題は、

 「産業力の欠如」
 「国民一人一人の生産性の低さ」

 です。EUという域内での最適生産地を求めるシステムがそれを加速した事実も指摘できる。ギリシャの人達が言うので間違いない。「産業がみんな流出してしまった」と。

 実際の所、ギリシャには観光以外に「これ」と言った産業が今はない。その観光は凄いですよ。タクシーの運転手さんが言うのです。「ギリシャというのは、ホテルや土産物屋などで職があって働いていさえすれば、ちゃんと家が持てる国なんだ」と。土地、家を含めてモノの値段が安いからです。

 ところがその「職」に付いている人は、働ける国民10人の中で8人いない。若者は10人に5人が職に就けないでいる。今の危機の中でギリシャには観光客もかつてほど来なくなった。かつ、今は最大の輸出産業の一つになっているオリーブ油輸出が、特に南ヨーロッパの経済危機で不振だ。「南欧版オイル危機」と言う人も居る。

 「ユーロ圏残留をかけて再選挙」とか言う見出しを日本の新聞で見かけるが、ちょっと違うんだよな。なぜなら、緊縮派も反緊縮派も「ユーロ残留」という一点では全く意見を異にしていない。

 では問題は何か。反緊縮だと政治的に直ちにユーロ残留が難しくなる可能性が高い、ということだ。何せ左翼急進連合を率いるツィプラス氏(37才)は、「公務員を10万人増やす」「緊縮策以来減った年金や給与を元に戻す」と言っている。これはギリシャに約束の履行(全部でなくても大部分の)を迫る他の欧州諸国は絶対飲めない。

 危機の始まる前に政権の座に付いていた緊縮派(NDとか全ギリシャ社会主義運動)も実は、「約束通り緊縮策を実施する」とは必ずしも言っていない。だって、今のギリシャで厳しい緊縮策を実施し続ければ経済がもっとシュリンクすることは明確だからだ。結局「緊縮策の中味を”成長”を加味してEUと再交渉」ということになる。恐らくEUもこれは飲まざるを得ないが、厳しい交渉になる。先例となるので。

 しかし実はギリシャ危機の問題の本質、つまり「産業力の欠如」「国民一人一人の生産性の低さ」という問題は、政治的妥協とか合意の中では解決しない。かつ方向転換するには非常に時間がかかる。どちらが勝つか、という問題とは全く別である。

 ギリシャでは当然だが税収が落ち込み続けている。行くと分かるが、「富」はある。多くの人が良いレストランで食事をしている。ギリシャの人々がだ。

 しかし徴税システムが不備だし、国民に納税に関する義務意識が薄い。よって、既にギリシャの国庫はカラに近い状態だと言われる。カラになったら、ギリシャ政府が発行する債券がEUなどによって保証されない限り(そしたら売れる)、またEUなどから新たな資金借り入れをしない限り、ギリシャ政府は国家公務員の給与さえ払えなくなる。

 もしそこまで考えるならば、17日の再総選挙で「どちらが勝つか」という問題は、実は「表面的なことである」「knee-jerk reactionとしては面白いが、長続きする相場を惹起するモノではない」と考えることができる。実は残るギリシャと残らないギリシャの両方を考えて、今の相場はななりの程度「ギリシャ問題」を織り込んでいる可能性が高い。

 「knee-jerk reaction」とは脚気反応です。観察すると、ギリシャの人達は仕事をする気持ちがないわけではない。あるけれども、自分のペースで、会社に支配されずにやりたいだけだ。長い休暇もその中にあるが、ギリシャの暑さの中にいるとそれも「分かる」と思ってしまう。

 結果判明は日本時間の18日の午前中ですか。脚気反応を見るのは当然だが、隠されている問題の本質を忘れないようにしないといけない。


2012年06月15日(金曜日)

 (23:20)17年間も逃げられたという側面と、世間の注目を浴びたら一般の人の目から逃れることは出来なかった、という側面と。

 やはり17年というのは重いですね。しかも首都圏をずっと離れなかったという事実。大阪に逃げ込むとか、海外に行くと言うこともなく、ずっと日本最大の都市圏である東京のマージナルな場所に潜んでいた。埼玉、神奈川、そして東京の南の蒲田。

 面相が大きく変わったという意味では、あの街々に張ってあった写真が邪魔したのかも知れない。菊池のお顔はパンパンだった。当然体もそうかと思う。しかし捕まった今の本人は、想像も付かない超やせ形。腰の肉なんかそげ落ちていた。顔もパンパンの状態から風船が萎んだ状態。

 高橋も、眉毛が濃いのが特徴だったが、加齢か措置したのか眉毛は細く、薄くなっていた。人間は変われば変わるものだ、と思う一方で、モンタージュ写真とか手配写真はいくつかのケースで出しておくべきだ、という印象がした。

 菊池容疑者が逮捕されて以降は、「包囲網は狭まっている」という印象であり、「いつかは捕まる」という確信はあった。何よりも、今は「目」が凄い。監視カメラがあちこちにあり、道路には監視システムが埋め込まれている。

 しかし一番恐いのは「市民の目」だった。オウム事件に対する人々の関心が再び高まった、特に逃亡犯に対する関心が強くなった(懸賞金もあったのかもしれないが)が故に、誰もが何回も発表された「高橋の顔」を覚え、知らず知らずのうちに「違うだろうか」と時に思うようになった。また、昨日までは本当に「どこにでも警官がいる」と言うのが首都圏の状況だった。しかし配置された警官が彼を見つけることはなかった。

 社員寮を出た段階から、高橋が立ち寄れる場所は限られた。ホテル? これは目が厳しいでしょう。一部にはフロントと顔を合わせなくても入れるホテルがあるが、むしろここはターゲットになる。お金も「直ぐ無くなったら困る」と考えたのだろう。

 彼が逃げ込んだ、最後に捕まったのは漫画喫茶というのは今後の参考になる。逃亡に熱心だった高橋が考えに考えて、「都市に隠れるならここ」と決めたのが、漫画喫茶やビデオボックス。しかし、今回はそこの店長に「あれ、似てる」と思われてしまった。

 逃亡犯が次々に捕まった。一緒に逃げていた仲間が次々に捕まっている、という事実が彼等の逃亡意欲を削いだ面もある。しかし、一方で「目が山ほどある世の中」において、本当にそこにいながら自分を消すことが難しくなったことが今回分かった。


2012年06月14日(木曜日)

 (09:20)昨日、今日でこれはほぼ確実だと思ったこと:皇居周り、その公園などのトイレには必ずペーパーが入っているが、大阪城周り、その周囲の公園のトイレにはほぼ確実にペーパーがない。財政事情?

 昨日、知らなくて反省したこと:銀行のATMでも「収納機関番号→納付番号→確認番号→給付区分」の順で入れれば、あとは現金でも当該銀行のバンクカードでも納税(例えば固定資産税など)が出来る。昨日初めてやってみました。

 今朝思ったこと:早朝の魅力は、涼気や静けさというよりは”音”である、と。早朝には、その時にしかない音が多い。新聞配達の自転車のブレーキや牛乳配達のバイクの音などもあるが、何よりも「鳥の鳴き声の重なり」が良い。昼間も鳥の鳴き声は聞こえるが、まず重ならない。朝の鳥の鳴き声の重なりは、何にもまして情緒がある。

 少し日本が良くなりつつあると思うこと:早朝に限って言えば、東京でも大阪でも犬を連れて散歩する人とランナー、早足で歩いている人と警官など、いろいろなところで挨拶が交わされるケースが増えている。あたかも山登り人同士のそれのように。


2012年06月13日(水曜日)

 (13:20)そう言えば、明日(14日)は面白い取材に付き合います。BS朝日に「美味しさの物語 幸福の一皿」という番組があるのですが、そこに私が推奨する「随園別館」の「水餃子」が登場します。

 番組予定を見ると放送は7月6日の金曜日のようですが、この私のサイトをBS朝日の人が私を見つけて、「取材に付き合って下さい」というので、明日ちょっと新宿に。私とこの店は長い。多分1990年頃からずっと行っている。番組の打ち上げもこの店でやったことが何回もあったし、芝公園スタジオなどでの収録の後に店が閉店間際によくお邪魔した。

 この店で好きなのは、「水餃子」「羊肉のしゃぶしゃぶ」「野菜の卵包み」(というのだろうか)。好きな店の一品を紹介できるとは、客冥利に尽きるというものです。

 ところで来週は、「パナソニック PC Stage 2012」に出ます。法人対象なので、一般の方は入れないと思いますが、私としてはどんな話をしようとか楽しみです。

 番組のお知らせです。毎週木曜日BSジャパン午後10時からは「地球アステク」です。今回は「老舗企業驚きのカプセル技術!」と題して、森下仁丹を取り上げます。取材には同社大阪テクノセンターを訪れました。

 「古い名前を残しているが、実は会社の中味はがらっと変わっているという企業に生命力があり、伸びる会社だ」というのが私の一つの判断基準ですが、森下仁丹はまさにそうした会社です。

 社名に”仁丹”とは付いているが、現在”仁丹”の売り上げは同社の売り上げ見通し全体の3%ほどに過ぎない。主軸は、仁丹に端を発した独自の『包む技術』を進化させた製品で、その売上が同社総売上高の大半を占めているという。その代表が「シームレスカプセル」。

 どうやって継ぎ目が見えないシームレスカプセルを作るのか、その開発機をじっくり観察しながら、カプセル作成技術の核心に迫ります。

 さらに金属たわしをも溶かす胃酸と同じ酸性の溶液を使い、胃の中では溶けず、腸で溶けるという最新カプセルのスゴ技や、シロアリの駆除、レアメタルの回収、絶滅する恐れがある生物を救う人工種子等にも応用される数々の魔法のカプセル技術を紹介します。お楽しみに。

 その前の毎週木曜日の午後6時55分からの「東京FM TIMELINE」は、「”日本人”を使い分ける日本人」です。面白い日本人論が展開できると思います。これもお楽しみに。


2012年06月12日(火曜日)

 (23:20)対豪州戦ね。店で見ました。みんなで 盛り上がりながら。知らないグループ同士で。点が入ったときにはハイタッチ の交差、PK判定では大ブーイングで。

 お店はタイ料理屋さんでした。もしかしたらとスポーツバーを探したが、どこ も一杯だった。しかしたまたま店内で中継をやっていることが外からも分かる 店を見つけて、そこが空いていた。ははは、ナイス。

 away の試合はあんなものかも知れない。審判のジャッジを含めて。PKにお驚 いたが、これから最後のフリーキック.....という時に、試合終了のフエが 鳴ったときには全員呆然。ま、勝ち点1は貴重だと思わなければ。

 ところで、私が今日一番気になった記事は、 「Americans saw wealth plummet 40 percent from 2007 to 2010, Federal Reserve says」というワシントン・ポストのそれです。その現発表はこのFRBのPDFで、長いし面倒だが結構勉強にな る。グラフが充実している。この記事の最初の2パラが、事実の重みを指し示 している。

The recent recession wiped out nearly two decades of Americans’ wealth, according to government data released Monday, with-middle-class families bearing the brunt of the decline.

The Federal Reserve said the median net worth of families plunged by 39 percent in just three years, from $126,400 in 2007 to $77,300 in 2010. That puts Americans roughly on par with where they were in 1992.

 2007年から始まったアメリカ経済の減退を「the Great Recession」と呼んでいるが、なんとそこから2010年までの間に、アメリカの 家庭のネット(資産-負債)での資産が中間値で39%も減少して、12万 6400ドル(80円換算で1011万円 2007年)から7万7300ドル (618万円 2010年)になった、それは1992年の水準にほぼ等し い、としている。

 つまりアメリカ人の資産状況はほぼ20年前に戻ったということだ。無論、” 資産”と言っても、アメリカは格差の大きい国だから何を持っているのか、基本 的な資産はどのくらいあるのか、によって大きく違う。しかしこの数字は、 2007年からの経済不振が、アメリカ人の資産状況に大打撃を与えたことを 示している。

 FRBのPDFには豊かなグラフ、チャートが用意されているからそれを見て頂きた いが、資産のありなしは消費への影響が大きい。消費は、「将来自分が得られ る所得」にも影響されるが、同時に「今現在の資産がどのくらいあるか」にも影響され る。その資産が大幅に減少して、「失われた20年」状況になっているとなれ ば、アメリカ人の消費行動、特にその持続性(今は結構好調だとしても)に疑念 がつくと言うことだ。

 こんな文章を書いているうちに、スペインの国債利回りが危険水域の7%に接 近して、「6.8%超え」という報道が。そりゃそうだ。手当てしたのは銀行 だけ。スペインでは経済そのものが弱いし、失業率も非常に高い。ということ は、ギリシャのような徴税システムの不備が無くても、税収の伸びは期待でき ないということだ。となれば、財政の先行きには不安が残ると言うことになる。

 そういう中でも、ニューヨークの株は12日は高い。「FRB期待」と解説記 事。まあアメリカ人の資産が守られるという意味ではアメリカの株高は歓迎す べきです。しかし、足下は薄い氷の印象もする。


2012年06月11日(月曜日)

 (19:20)今日の午後東京の街を歩いていてリンゴのマークを見つけたので、「あれ、今日だったな」と思って店に入り、店員の方に聞いたら「はい、今日です。日本時間の深夜.....」と。発表はサンフランシスコですから、そりゃそうだ。

 夕方ウォール・ストリート・ジャーナルを新幹線の中で見ていたら、「Apple to Announce Updates for Products」という記事が。世界で新製品を発表する企業はあまたあっても、これだけ注目される発表会も珍しい。

 アップルも徹底的に出席者を喜ばせるために努力するそうだ。「Apple is working hard to please the attendees. Executives have been preparing for months and rehearsing throughout the weekend, according to people familiar with the matter.」と。だから5000枚のチケットは1時間43分(記録)でなくなったと。

 ただの人気だけではない。同紙には以下の文章もある。

The event comes as Apple's influence among developers and the technology industry at large has never been higher. Despite the growth of competing devices that use Google Inc.'s Android operating system, software developers say they tune their products to Apple and the features it offers.

For every 10 apps developers build, roughly seven are for Apple's mobile platform, according to recent data from mobile analytics service Flurry.

 アプリを作っている関連IT企業サイドとしては、アップルの動向を探ることが今までになく重要になってきている、ということらしい。私個人的には、「ジョブズなきあとの発表のスタイルと中味」に注目しています。彼は無類のプレゼンターだった。では中味は? 以下の文章がある。
The announcements are expected to include the next version of Apple's operating system for iPhones and iPads and updates to the company's MacBook portable computers. (Apple, known for its ability to craft buzz, late last week erected an "iOS 6" banner at the San Francisco convention center hosting the event.)

Apple Chief Executive Tim Cook, world-wide marketing head Phil Schiller and Scott Forstall, Apple's senior vice president for iOS software, are among those planning to take the stage at the Worldwide Developer Conference, according to people familiar with the matter.

 iphone やipad の次のオペレーティング・システム(iOS 6)や新しいMacBookね。ははは、楽しみ。明日の朝には明確に。何ができるようになるのやら。


2012年06月10日(日曜日)

 (23:20)EU(など)によるスペインの銀行支援(資本金の提供)は、ややこしい手順ですな。直接的に政府への融資ではない。しかし、政府が保証する形なので、間接的に政府も返済に義務を負うという。

 沈静化への一歩ではあります。先週の海外市場は、おそらくここまでは織り込んでいた。ギリシャなどと一緒にして欲しくないと支援要請を渋っていたスペイン政府も、この週末になってようやく一歩前に進み出た。しかし先に動いたのは、周囲の国だ。

 EUサイドも、来週のギリシャの再選挙の結果を受けた混乱と、スペインの銀行を巡る騒動が一緒に起きるのは避けたかったのでしょう。スペインにまず形を付けたかった。IMFが4兆円と言っているときに最高10兆円(というより1000億ユーロ)の支援を約束したのだから、当面はokでしょう。

 しかし根本問題はギリシャでもスペインでも何ら解決していない。ギリシャでは、「税収が途絶えている」「経済がますます落ち込んでいる」という問題がある。今のままだと、EUがギリシャの基本歳出まで面倒を見ないと、「ギリシャ救済」を完遂できない危険性がある。

 スペインは当面という意味では良い。しかし、日本のケースもそうだが、「一体不良債権はどこまで増えるのか」という疑問の中にある。かつ経済活動は低迷の方向を向いている。ここでも景気を良くして企業活動を活発にしなければならないが、失業率20%以上、若者の失業率50%以上では、それも容易ではない。

 ま、今週から来週にかけてが一つの山場なんでしょうね。今週はフランスの総選挙が行われていて、関連の選挙は来週もある。そしてギリシャの再選挙。今でもギリシャの国内では犯罪が激増している。例え緊縮派が勝っても、先行きは厳しい。

 もっとも、だからといって市場が落ちると言っているのではない。市場には「織り込み」という重要な機能がある。


2012年06月09日(土曜日)

 (23:20)忘れていましたが、4月中旬にギリシャに行った際の印象を記した文章を、http://www.ycaster.com/chat/2012greece.htmlにアップしましたので、興味ある方はお読みください。


2012年06月08日(金曜日)

 (23:20)なんかホームでの二試合を見ると、「日本の男子も強くなったのかな」という印象がしました。今回は6点もとった。しかも失点はこれまで二試合でゼロ。

 男子もうかうかしてはいられないでしょう。女子はランキングで、アメリカ、ドイツに次いで3位。対して、男子は上がったと言っても23位。まだまだ上はある。

 経済危機のスペインが一位ですか。「サッカーでも俺たちが一番だ」と思っているスペインは、なかなかプライドが高い。ユーロ2012でどういう結果が出るのか、楽しみです。

 日本の選手を見ている思うのは、皆感情が良く抑制さていて団結心が強いことでしょうか。あの勝手に見える本田にしても、「(ハットトリックが出来たのは)仲間が良いところにパスを出してくれたり助けられた結果。PKも譲ってもらったし」と謙虚。

 まだまだ一対一では体格的に負けているし、本当にボール際のうまさは海外の選手に感じる。しかしパスの精度は結構上がってきていて、独創的なものも目立つ。特に遠藤。

 今の日本にとって今回の最終予選で本当の試練は、次のアウェイでのオーストラリア戦なんでしょうね。ランキングも近いし、高さもある。オーストラリア選手のかなりの部分は欧州組。

 と言っても日本も海外組が増えた。うろ覚えで覚えている海外組の選手の数は12で、半分に近い。変わったものだし、どーんと順位を上げる理由はある。


2012年06月07日(木曜日)

 (23:20)今週の取材などで驚いたことは、二つかな。

  1. アメリカの子供達に虫歯はない。なぜなら、アメリカでは虫歯予防効果のあるフッ素を必要分だけ水道水の中に入れているから
  2. 世界60カ国では、法制化や積極的推奨によって”葉酸”をパンやパスタの中に入れていて、それにより脳卒中や認知症などの患者を大きく減らしている
 驚いた理由は、私がこの二つを知らなかったからです。ともに私が携わっている番組である「地球アステク」のロケの最中に知った。この回の番組は、7月の上旬のBSジャパン木曜午後10時の「地球アステク」で放送されます。

 「アメリカには虫歯の子がいない」という女子栄養大学の香川先生の言葉には一瞬耳を疑った。でも本当らしい。ではなぜ日本もそうしないのか。「自然には手を加えない」が日本の役所の哲学だそうだ。しかし子供に虫歯がなくなることは、子供にも良いし、日本の医療費削減にも役立つと思う。

 懸念は、そのフッ素がどこかにたまって、それが何らかの問題を惹起しないか。私は医者ではないので、その辺の議論の詳細は知らない。しかしアメリカは実施している。虫歯予防の水道水に入れられたフッ素によって、アメリカ人の体調が変になったという話も聞かない。としたら、検討の余地があると思う。

 葉酸はビタミンMとも言うらしいが、日本でも「妊婦は通常の倍以上摂取するように」という厚生労働省の推奨はあるという。しかし、基本的な食品(パンとかコメとかパスタ)の中に入れられ、常に摂取していることが望ましいそうだ。妊娠してからでは遅い、と。

 妊婦に葉酸が必要なのは、健全な胎児と幼児の生育には葉酸が非常に大きな役割を果たしていることが明らかだから。しかし”葉酸”の効果は高齢者にも大きいという。脳卒中を予防し、認知症の発症を減らす効果があることが多くの国で立証されているらしい。

 だから世界60カ国が、国の制度や法制の中で国民に”葉酸”を摂取してもらう措置を執っている。私の母親もそうだったが、脳卒中は日本人にとって非常に身近で、それ故になんとか防がねばならない病い。”葉酸”がそれを防げるなら、もっと積極的に摂取する仕組みを作っても良いと思う。

 ところで”葉酸”についてはこのサイトなどに詳しいのですが、要するに「ほうれん草を始めとする葉物野菜・果物」に入っているのですが、これを食べた鶏のレバーなどにも入っている。”葉酸摂取”は、まあ個人でもできる事です。

 考えたら私は大の野菜好き。天ぷらも基本的には野菜天ぷらしか食べませんし、今は焼き野菜のサラダなどが好き。うーん、知らない間にちょっと”葉酸”に前向きだったかな。


2012年06月06日(水曜日)

 (09:20)それにしても、最近テレビでお見かけして「この人はいいな」と思うのはサッカー日本代表の香川真司選手です。

 23才だそうですが、よく自分で自分のことも周囲のことも考えていて、様々なことの手順が頭の中で整理されていて、周りに振り回されることも無く、そして奢ることもない。加えて実力もある。26か27才に見える。とても23には見えない。

 イギリスのプレミア・リーグの星マンチェスターに入ることになるそうですが、よく考えて移籍を決意したのでしょう。ドルトムントに入ればずっと英雄ですが、新しいレベルの高いチームに行けばレギュラーも保証されない。それでも「行く」と決意したのは、それなりきの決意と「やれる」という自信があったのでしょう。頼もしい。

 彼の試合後のインタビューを聞いていても、「気持ちが良いな」「頭がよく整理されているな」と思う。運動選手も最後は賢くないと。石川遼君もインタビューは印象が良いが、どこか「出来過ぎている」という印象を私など持ってしまう。

 健康診断などを通過して本当にマンUに入ったら、毎試合出て活躍して欲しいと思ってます。

 ところで、今日と明日はロケです。今日は「葉酸」について。正直今まで知らなかった。明日は過去にも取材したことがある色素増感の太陽光発電装置です。両方とも楽しみ。


2012年06月06日(水曜日)

 (06:20)笑いましたね。アリバイ工作で終わりですか。アメリカが「もっと早く動け」と言い、欧州は「じゃ、もっと素早く動くようにします」と答えた。日本は、「円高を止めることは、世界にとっても意義がある」と述べた。声明を出せず。

 成果は、「協調した」の一言です。あと敢えて言えば「欧州に約束させた」ということ。しかし日米の時間軸と欧州の時間軸は違う。昨夜行われたG7財務相・中央銀行総裁による電話会議です。

 それでもマーケットがニューヨーク市場の小幅高(26ドル高)になったことで示されるように下げなかったのは、相場の自律要因でしょう。どんな相場も、地獄には堕ちない。世の中はギリシャがユーロから離脱しようがちゃんと(ちょっと変化はするが)回っているわけですから。

 しかし事態は依然としてアラーミングです。今見たウォール・ストリート・ジャーナルの一面トップは、「Spain Warns It Is Losing Market Access Spain's budget minister said」でした。まあそうだ。だから、国内の銀行はEUが直接助けてくれ、と同国は言っている。

 しかし当該国の銀行を助けるのは、日米でもそうですが当該国です。当該国の政治です。国民のお金を使うわけだから。だから、「国境を越えて銀行を助けるのなら、主権(ソブリン)の一部を放棄すべし」というドイツの主張には一理ある。

 しかし南欧州の国々はフランスを含めてそれが嫌なのです。「なんとか助けてよ」の一点張り。これではアメリカや日本に「敏速に動きましょう....」と言っても、マーケットは納得しない。「ギリシャの選挙が終わってから」とも考えているのでしょう。これが欧州の時間軸です。

 ま、終わってみれば「何が変わったの」といういつもの風景。電話会談でもした、という事実は残った。それだけです。心配だな。ま、世の中は終わりませんが。何が起きても。


2012年06月05日(火曜日)

 (19:20)「開催する」って言ったからには、「なにがしかの成果」が求められます。今夜のG7電話会合です。

 FTの「G7 to hold emergency eurozone talks」という記事がとってもよくまとまっているのですが、要するにヨーロッパの南の国々で「a bank run」にならないようにするにはどうしたらよいか、という非常に緊急の課題です。

 bank run とは「特定の金融機関や金融制度に対する信用不安などから、預金者が預金・貯金・掛け金等を取り戻そうとして急激に金融機関の店頭に殺到し、混乱をきたす現象のこと」とネットには説明があるが、要するに「取り付け騒ぎ」ということです。

 何度が書いているように、ギリシャやスペインの銀行からの預金引き出し・海外への資金の移転は既にかなり進んでいる。ただしこれまでは静かに。それが騒ぎになったら大変です。過去の例を見ても、これは何が切っ掛けで起こるか分からない。直近ではポルトガルが銀行に資本を注入するらしい。

 ヨーロッパの銀行の問題にアメリカや日本が口出しできることは少ない。要するにヨーロッパの問題です。EUレベルでヨーロッパの主要銀行を直接監督・資本管理するのか、各国政府のクッションを置くのか。ドイツはスペインに「政府を通して要請すべし」と言っている。しかし、どうやらスペイン政府は「助けて下さい」とは言いたくないらしい。

 とにかくEUの首脳の動きは遅い。ECBのドラギも驚くほどだ。ヨーロッパは金融危機の恐ろしさが分かっていないようだ。やっと今になって動き出しているが、制度変更は非常に時間がかかる。それが今の緊急の問題にどれだけ効果があるのか分からないところに不安がある。

 日本の円が上がっていると言うことは、日本の株は外貨建てで見て「割高」であり、「売るに値する資産」ということだ。過去の経済危機にはずっとそれが起きてきた。今回もそうだろう。しかし安くなった株を国内で買う勢いが必要だが、それに欠ける。

 一つの方法は、円高を阻止することだ。今回もその必要があると思う。ヨーロッパがぐずぐずしている間に、「当局はちゃんと市場を見ている」と示すことには価値があると思う。


2012年06月04日(月曜日)

 (23:20)色々な方から、windows8の使い勝手をアップして下さいと言われているので、気付いたことから書きますが、今日起こった問題は「PDF作成」でした。ソフトウエアがうまく機能しなかった。

 以前サンダーバードの受信機能の不具合を報告しましたが、実はこれは2日後くらいに突然回復した。つまり今は私が使っているメーラーはwindows8上でも問題なく動くようになった。誰かが対応したのでしょうね。プロバイダーか。

 全体的に言うと、XPや7の時よりも「引き継ぎ」はうまく行っていると思う。ずっと前から使っているwindows対応の各種ソフトはテキストエディターうまく引き継がれているし、quanp dropboxなどのクラウド系も問題なく動く。

 今見たウォール・ストリート・ジャーナルには「Acer, Asustek to Launch Windows 8 Products」という記事もあって、徐々に製品化の動きも出てきているようです。


2012年06月03日(日曜日)

 (09:20)はははは。私にとっても非常に良い経験になりました。目の前には50人の小学校3年から6年のお友達。都内やその周辺の方が多いと思ったら、「茨城から来ました」という方もいた。

 その後ろには、この50人のお友達のお父さん、お母さん方。ユーストで中継をしながら、この子供達に実質2時間半のインタラクティブな授業をする、という企画です。名前は「親と子の才能発掘塾」。無論、私にとっては過去に例のない出来事というか授業(というか講演)。

 でも楽しかったですよ。別に凄く準備したと言うことはないが、「来て頂いた親御さんにとっても、インフォーマティブで面白いものにしたいな。子供と同時に楽しんでもらいたいな」という気持ちがあった。

 で、「せっかくダウンロードしたからwindows8 の画面でも見てもらうか(プロジェクターで)」と思ったりしていた。しかし、万が一のためにマックも持って行ったのです。別のwindows マシンも持って行く予定だったが、それは忘れた。

 やはり会場に設置されていたプロジェクターとwindows8との相性はゼロだった。とにかく絵が出てこない。これを出せるとのっけから目新しくて面白かったのに。しかたがないので、マックairを繋げて、フェースブックの画面から見てもらって、昨日の朝私が撮った写真などを見ながら、

  1. なぜ二重橋は”二重”って言うの?
  2. なぜ大阪城には天守閣が再興されているのに、江戸城(今の皇居には)には天守閣が失われたままなの
などから入った。”ライブ”感が重要だと思ったので、フェースブックのライブ更新も。子供達の手が実によく挙がったのには嬉しかったな。いろいろな場面で。30秒の発表の時には全員にやってもらいたかったのだが、時間的には全員は無理だった。子供達は積極的でした。出来なかったお友達は、家でお父さん、お母さんを前にやって欲しいな。

 まのっけから、「財政危機」なんて言葉が小学生の口から出て、「オー」と思いました。結構よく知っているんですよ。戦後日本のスタート時点の人口もかなり良い線で知っている子供までいたな。ビックリ。大人も知らないのに。

 ま、こういうイベントに子供と参加するのですから、多分親御さんも積極的な方が多いんでしょう。50人の子供達には今後もっともっと積極的になって、多くの事を「なぜだろう」と考えて欲しいな、と思いました。

 正式には午後2時から始まって最後の写真撮影が終わり、かつサイン会(予定にはなかったのですが)が終わったのは午後5時前後。子供達には、親御さん共々原宿の良いところを見て帰って欲しかったのですが、どうしただろうか。良い場所もお教えしたのですが。


2012年06月02日(土曜日)

 (09:20)この文章を書き始めた丁度その時に、松井がオリオールズのチェンからどでかいHR。彼はメジャーに復帰して2本(7打数)ヒットを打っているのですが、そらがともにどでかいHR。ははは。嬉しそうでした。

初期画面も大きく変わりました  ところで、昨日の夜にwindows8のプレビュー版をダウンロードして遊び始めました。windowsマシンの一つに。このマシンは、「7」でもサービスパックが入らないなど問題があったので、試すに丁度良いと思って。

 かなり変わりました。どうやらサンケイ新聞が大きく貢献しているようです。ニュースなどを全面的に提供している。起動は速い。しかしシャットダウンにちょっと時間がかかる印象がする。

 もっとも、サンダーバードの受信(不思議なことに発信はOK)が出来ないなど、不具合はありますよ。入っているソフトの幾つかはまだ「8」に対応していない。しかしまだ短時間ですが、あまり引き継ぎに支障はないような印象がする。何が「8」のメリットなのかに関しては、これからチェックします。

 ところで今日は午後に親と子の才能発掘塾があります。いつもはめったに相手をしない子供さんとその親御さん。各50人。どうなることやら。一応、「これをこうして」と予定は立てましたが、予測不可能。故に楽しそう。

 昨日の雇用統計直後に書きましたが、ニューヨークの株価は酷い状況。世界経済全体に対する不安は、最近では一番強い。しかも司令塔なし。


2012年06月01日(金曜日)

 (22:20)注目していた米5月の雇用統計は、僅かに6万9000人の増加ですか。一貫して「15万人増」(非農業部門就業者数)の予想が多かっただけに、市場は多分少なくとも当初は失望するでしょう。

 米労働省のサイト(http://www.bls.gov/news.release/empsit.nr0.htm)を見れば分かるのですが、「+69000」は「little changed」というのが同省の見方です。つまり、「殆ど変わらなかった」と。決して「増えた」とは言っていない。

 一方でヨーロッパに目を転じると、この発表より少し早く今年春のユーロ圏の失業率が発表になった。その記事の見出しは、「Euro Zone Unemployment Rises to a Record 11%」と。ウォール・ストリート・ジャーナルの記事です。

PARIS ― Ireland on Friday appeared headed toward adoption of the European Union’s fiscal compact, but stocks fell and the dollar rose by midday in Europe after data showed unemployment in the euro zone rising to a record.

The jobless rate in the 17-nation euro zone reached 11 percent in March and April, the highest since the start of the data in 1995, Eurostat, the European statistical agency, said in Luxembourg. The previous record had been 10.9 percent in February, Eurostat said, after it revised the March figure upward from the 10.9 percent initially estimated.

“We have an economy that’s freezing up, it’s clearly not creating jobs,” Peter Dixon, global equities economist at Commerzbank in London, said. “But right now policy makers’ main concern is to ensure that the peripheral countries’ governments and banks can stay afloat. Given that, the real economic data is taking a back seat.”

But before long, he said, unemployment “is going to be a major problem for those countries,” as it rises to the top of the political agenda and further complicates the financial problems.

 とにかくユーロスタット発足(1995年)以来の高い水準というのだから深刻です。失業率が低いドイツなどがあっても平均11%。もっともスペインとかギリシャは20%を上回っていますが。

 まず銀行危機を克服し、そしてその次は「失業問題」。ヨーロッパの抱える問題は深刻だし、アメリカのオバマ大統領も安心できない状態となった。BRICSもちょっと全滅状態。「指導者なき世界経済の危機」は、ちょっと深刻度を増している。



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