2012年10月31日(水曜日)

 (12:35)昨日の広島での昼飯は結局「かなわ」という店にしました。美味しかった。本当は名古屋の「ひつまぶし」と同じように本店が良いんでしょうが、駅ビルの中に入っていたので、ちょこっと。無性に牡蠣フライが食べたかったのが満たされた。

 講演では面白い試みもしました。昨日の広島は不動産関係の集まりだったので、直前に思い出して「江南スタイル」から話を始めました。江南(カンナム)はご存じの通り「高学歴層・専門職に就く者・中産階級や上流階級など、韓国において最も富裕な人々が暮らしていることで知られる」(wiki)ソウルの一地区ですが、最近は Psy(サイ)の歌う歌として有名になった。その江南の指標的不動産価格の動きから入ったのです。

 この歌は日本だけでヒットしないと思っていたら、日本シリーズを見ていたらジャイアンツの内海がテーマ曲にしているらしい。笑える。確かアメリカのヒットチャートで2位まで上がった。一位はまだだと聞いた。

 まあ滅多にやらないのですが、「何か面白い入り口はないか」といつも思っているのです。昨日の場合は私は3人目の「特別講演」ですから、皆さんお疲れでしょう。ちょっと入り口を変えないと皆さん疲れてしまう。

 それにしても、日銀の新たな緩和は共同での声明といい、二回連続といい、異例です。しかし効果と言えば首を傾げざるを得ない。そもそも資金需要がないのが問題であって、供給サイドのネックが問題なのではない。

 規制緩和とか新産業の育成とか。いくら馬に水を飲ませようとしても、腹一杯の馬は水は飲まない。白川さんも言っていましたが。無理筋の政策です。ドル・円だって動いちゃいませんよ。


2012年10月30日(火曜日)

 (12:35)こちとら広島に向かう新幹線の中で、「牡蠣のうまい店はないかな」とか考えて、ネットで調べてもいるのですが、ニューヨーク・タイムズを読むと、まあサンディの凄まじいこと。

 ミッドタウンから下のマンハッタンは大部分が停電したと。確かに写真を見るとかなりの部分が黒くなっている。停電しているのでしょう。「それほど凄い」と言われると「経験してみたい」とも思うのですが、これだけは今からでは無理。ニューヨークに着陸も出来ない。

 まあでも今回はかなり入念に準備したわけで、あまり大きな事故にはなりそうもないのですが、それでも「滞在型」のハリケーンだそうで、今週の半ばくらいまでは「サンディ」関連のニュースが多くなりそうです。大リーグの試合も終わって良かったと言えば良かったのですが。いや、本当に今日はメールが少ない。

 広島は久しぶりです。大阪からちょっと早めの新幹線で移動していて、新しい球場などをチラ見する予定。うーん、一つ牡蠣のうまそうな店をネットで見つけたのですが、行ってみようと思います。


2012年10月30日(火曜日)

 (03:35)大阪で放送もあって早めに目を覚ましてテレビをつけたら、BBCまで「サンディ」の話題で一色。CNNやFOXなどアメリカ系のメディアはましてやハリケーン報道のみです。米メディアはあまりにも凄まじいので「サンディ」を「フランケンストーム」と呼び始めた。

 見ると過去のアイリーンなどのハリケーンなどよりも今回の「サンディ」の方が遙かに大きい。風速も最高80マイルとか言っているので、むろんのこと100キロを越える。これは凄いでしょう。米東海岸上陸はこれからです。

 時速は遅く18マイルで、月曜日の夕方(日本の火曜日の朝)にデラウエアからニュージャージーの海岸に上陸し、その後北西に進む可能性があるという。中心から175マイル(280キロ)がその影響下にあると言うから凄まじい。米北東部のほぼ全ての航空機がキャンセル、ニューヨークでは地下鉄も動いていない「standstill」の状態という。

 ニューヨークのevacuationの対象になった地域を見ると、私が以前住んでいた地域も「避難対象」になっている。緑のセンターはいろいろあるのでしょうが、40万近い人を収容しきれないでしょう。

 月曜日はニューヨークの金融街はお休み。加えて今ウォール・ストリート・ジャーナルに「火曜日も同様に休みになる」と載った。株式市場も債券市場も。オバマも急遽キャンペーンを打ち切ってワシントンに戻りましたが、当然でしょう。何か政府としての粗相があれば一発で大統領選挙に響く。

 31日はハロウィーンですから、もしかしたら停滞したら「ハリケーン下のハロウィーン」ということになりかねない。危なくて子供はお菓子をもらいに歩けない。気温も下がり、多くの地方で雪が予想されている。

 そう言えば、30日前後から私のメーラーに入ってくるメールの数が、いつもより少ない。サンディの影響? いずれにせよ、米北西部にお住まいの方はお気を付けて。


2012年10月29日(月曜日)

 (13:35)米大リーグ(MLB)のワールド・シリーズ(最終優勝チーム決定戦)ではジャイアンツがスイープでタイガースを下しましたが、もし日本でもジャイアンツが優勝するとしたら、明らかな、そして大きな貢献者の一人は澤村でしょう。

 今年のポスト・シーズンにおいては、澤村は今までに挙げた勝利(二勝でしたっけ)かとは別に「言葉」が面白かったし、それがチームの雰囲気を劇的にプラス転したと思う。中日に三連敗したあとのリーグ・チャンピオンシップでは先発して好投。勝利した試合後のインタビューでの最初の一言が「(東京ドームの観客に向かっての)やったぜ」だった。これでジャイアンツの土壇場感がなくなった。

 「やったぜ」ね。行儀の良いチームの行儀の良い選手のはき出す言葉ではない。言ってみれば仲間内言葉を大声で叫んだようなものだ。しかし、であるが故に、ジャイアンツの選手とチームを一つにするに十分だと思った。3連勝しているのに中日はこの言葉を「いやーな気持ち」で聞いただろう。

 その次に彼がしでかしたことと言えば、「頭こちん事件」だ。阿部がサインを見落とした(と思われる)澤村の頭を右手で「こちん」と叩いたのだ。球場だけで5万人が、全国では何千万が見ている中で。私も長く野球を見ているが、日本シリーズのような大舞台で、おまけに両リーグの代表チームが対戦する試合で、いくら先輩とはいえ後輩が頭をこちんと叩くのは見たことがない。

 多分アメリカのマスコミだったら、「あの時阿部はなんと言ったのか」といったことを口の動きから導き出すのでしょうが、私はまだそれを日本の報道で見ていない。「サイン見落とすんじゃねえ、あほ....」なのかどうか。

 どっちにしても行儀の良いチームのすることではない。初回の二つの澤村が出したデッドボールもそうですが、インサイドを攻めるにしても二つのデッドはやりすぎでしょう。つまりジャイアンツは澤村という男が使った言葉と行動(無論阿部のアシスト付きですが)で、すっかり「行儀の悪いチーム」になった。

 これは日本ハムの立ち位置を難しいものにする。圧倒的な強さでソフトバンクを打ち破った日本ハムには、ジャイアンツより3日も空いた以上に、「どのようなスタンスでシリーズに臨むか」という問題があったはずだ。かつ栗山監督は監督一年生で幼少の頃から原監督に憧れていたという事実がある。まあ多分「まっとうに戦う」つもりだったのだろう。

 しかし「向こうもまっとうに来るだろう」と思っていたジャイアンツがインサイド攻めはする、そこの若手は先輩に殴られる、かつインタビューをすれば「第三戦も勝つ」とか言う。日本ハムの選手は、そして監督は「立ち位置」をまったく失っている。可愛そうに。

 日本ハムで活躍しているのは、小谷野とか一部の立ち位置を探す必要がないほど最初から個性的な選手です。日本ハムは札幌に戻っても、自分達の立つ場所を再確認できないと、監督もチームも浮き足だったままだと思う。


2012年10月28日(日曜日)

 (16:35)宮内庁さん、それは無理ですよ.....というお話。

 皇居の東京駅サイド、二重橋の前の砂利のエリアの話です。今朝桜田門から入って大手町の方向に「砂利を踏みしめて歩いて」(これが好き)いたのです。毎度のコースです。しかし二重橋を過ぎた当たりで左斜め後方から警察官の笛の音が何回か聞こえた。

 またか、と思って前を見たら自転車に乗ったやや太めの外国人(上のシャツは赤でした)が細く舗装した部分をこっちに来る。あのエリアは、「自転車進入禁止」「ランニング禁止」なのです。許されるのは散歩のみ。

 しかし看板は日本語しかない。両サイドとも。で以前からあのエリアにランニングで入ってくる外国人が多かった。その度に警官のフエが鳴る。そして彼らは、「書いてあるでしょ。」「だから駄目です」と日本語で外国人に言う。

 しょうがないので今日は私が手で外国人を制止し、「このエリアは自転車は禁止です」と英語で説明した。そしたらその外国人が、警察官(皇宮警察かな)も横にいる中で「書いてなかった」と言ったのです。なので私は外国人には「書いてあった」と説明する一方で、警察官には「英語の表示も出して下さいよ」「頼みますよ」と説得する羽目になった。「またか」と思いながら。

 あとでおもしろかったのは、その外国人はいったん東京駅の方向に撤退した後、本当に表示があるかどうか、エリアの大手町サイドの開始部分に来ていて(確かめに来たのです)、その方向に歩いていた私と鉢合わせした。なので日本語の禁止標識を示し、これは「no bicycle」の意味だと説明したのです。彼は嗤っていたな。「こりゃわからん」といった感じで。そりゃそうだ。

 恐らく皇居は東京の観光名所の中でも一二の場所でしょう。また私が見るところ、多いときには皇居周りをランしている人の五分の一は外国人です。そんな場所に英語の標識もない。私が知っている皇居周りの警告掲示板は、代官町通りの皇居サイドにある「no entry」(植え込みに入らないで下さい)です。

 これはいくらなんでもお粗末です。看板を横にしなければならないとかいろいろ問題があるのかもしれない。しかし相も変わらず英語の警告看板も出さずに外国人がランニングや自転車で入ってきたときに二重橋の前の警察官が一生懸命警告の笛を鳴らしているのはちょっと滑稽ですよ。

 そんな光景に出くわす私のような日本人にも迷惑なので、是非あのエリアに英語の警告掲示板を出して欲しいと思います。皇居のお堀の倒木を1日たたずに片付ける機敏性のある官庁なので、早急な対策をお願いしたい。


2012年10月27日(土曜日)

 (07:35)ああ、びっくりしたな。iphone5があまりにもメールをとってこないので、小林さんだったかな、教えて貰った、1.正常に動い て いるiPhone4SをMacのiTunesを使いバックアップを行う。 2. iPhone5を初期 化する。 3. iPhone 4SのバッアップファイルでiPhone5 を復元するーーーーをやってみたら......

 うーん、確かにメールは取れるようになったんですよ。しかししかし、「設定」を見たら「インターネット共有」項目がなくなっていて、かつどうも「LTE」そのものが受信できないようになった雰囲気。まあそりゃそうなんですよ。ある程度予想していたんですが。

 iphone5の最大のメリットはやはり「LTE」によるテザリングなので、またもう一度iphone5のバックアップから戻しました。しかしあとで考えたら、メーカー、キャリアサイドも何か考えて居るはずなので、バックアップではなくサラから入れ直したら良いのでは.....と思ってます。

 ま余計手間のようでいて、別にほっておけばコンフィグしてくれるので、また時間があるときにしようかな、と。それにしても、はよアップルでもKDDIでも対処して欲しいですよ。冗談じゃなく。

 その他に、icloud の連絡帳が両方のiphoneに反映されないなど色々な問題があるから、そのうち銀座にもっていこうかなと思っています。行けば何か勉強になる。


2012年10月25日(木曜日)

 (07:35)読んでいてもワクワクしない文章のFOMC声明でした。ま政策を「維持」したのだから、どこが変わったのかとあまり詮索しても仕方がない。景気認識は少し変わりました。消費支出と住宅がちょっと良くなったと。

 ちょっと意外なのは、9月の雇用統計で失業率が下がったのに「Growth in employment has been slow, and the unemployment rate remains elevated.」と言っている点かな。FRBの基準でいって「7.8%は低いとは言えない」と言っているということになります。方針は「事態の変化があったら新しい措置を打ち出すと」という部分を含めて、変わったとは思えない。反対者も同じです。

 昨日のロケは面白かったな三遊間のソフトウエア技術。医学部にも受かったが情報科学で学んだ学生さんが興味あって病院に勤めるうちに、お医者さんの要望に沿った「手術支援の全く新しい3D画像を開発して、今後それが臨床・手術に凄く役立つ可能性が高い」というものでした。箇所を3D技術で映し出してまるで車をナビ付きで運転するように、体の全体像を出すなかで情報の共有などを含めて手術を進行出来る。11月の末に放送されます。

 今日の「地球アステク」は、『「「存在」を遠くに伝える先端ロボット技術」』をお送りします。面白かったですよ。今日はこれから吹田にダスキンさんの取材・ロケにお伺いし、夕方までには東京に戻り、タイムラインは「次期衆院選で日本の政治を担う人物を選ぶ方法」です。

 ほんまにどこの党、どの候補者を選べば良い首相が生まれてくるのか.....?

Release Date: October 24, 2012

For immediate release

Information received since the Federal Open Market Committee met in September suggests that economic activity has continued to expand at a moderate pace in recent months. Growth in employment has been slow, and the unemployment rate remains elevated. Household spending has advanced a bit more quickly, but growth in business fixed investment has slowed. The housing sector has shown some further signs of improvement, albeit from a depressed level. Inflation recently picked up somewhat, reflecting higher energy prices. Longer-term inflation expectations have remained stable.

Consistent with its statutory mandate, the Committee seeks to foster maximum employment and price stability. The Committee remains concerned that, without sufficient policy accommodation, economic growth might not be strong enough to generate sustained improvement in labor market conditions. Furthermore, strains in global financial markets continue to pose significant downside risks to the economic outlook. The Committee also anticipates that inflation over the medium term likely would run at or below its 2 percent objective.

To support a stronger economic recovery and to help ensure that inflation, over time, is at the rate most consistent with its dual mandate, the Committee will continue purchasing additional agency mortgage-backed securities at a pace of $40 billion per month. The Committee also will continue through the end of the year its program to extend the average maturity of its holdings of Treasury securities, and it is maintaining its existing policy of reinvesting principal payments from its holdings of agency debt and agency mortgage-backed securities in agency mortgage-backed securities. These actions, which together will increase the Committee’s holdings of longer-term securities by about $85 billion each month through the end of the year, should put downward pressure on longer-term interest rates, support mortgage markets, and help to make broader financial conditions more accommodative.

The Committee will closely monitor incoming information on economic and financial developments in coming months. If the outlook for the labor market does not improve substantially, the Committee will continue its purchases of agency mortgage-backed securities, undertake additional asset purchases, and employ its other policy tools as appropriate until such improvement is achieved in a context of price stability. In determining the size, pace, and composition of its asset purchases, the Committee will, as always, take appropriate account of the likely efficacy and costs of such purchases.

To support continued progress toward maximum employment and price stability, the Committee expects that a highly accommodative stance of monetary policy will remain appropriate for a considerable time after the economic recovery strengthens. In particular, the Committee also decided today to keep the target range for the federal funds rate at 0 to 1/4 percent and currently anticipates that exceptionally low levels for the federal funds rate are likely to be warranted at least through mid-2015.

Voting for the FOMC monetary policy action were: Ben S. Bernanke, Chairman; William C. Dudley, Vice Chairman; Elizabeth A. Duke; Dennis P. Lockhart; Sandra Pianalto; Jerome H. Powell; Sarah Bloom Raskin; Jeremy C. Stein; Daniel K. Tarullo; John C. Williams; and Janet L. Yellen. Voting against the action was Jeffrey M. Lacker, who opposed additional asset purchases and disagreed with the description of the time period over which a highly accommodative stance of monetary policy will remain appropriate and exceptionally low levels for the federal funds rate are likely to be warranted.


2012年10月24日(水曜日)

 (10:35)一時間ほど前に京都に着きましたが、今日の取材の関連もあって、私が一番興味を持った記事は「GE、日本を中核にーー医療機器の開発」(日経)でしょうか。副見出しには「機種倍増、世界へ投入」とある。

 GEは皆さんご存じの通り福島第一原発を建設した会社ですが、今はもう原発メーカーではない。何をしているかというと、主に医療機器の開発などを行っていて、中でも世界で一番高齢化が進んでいる日本で様々な機器を開発している。

 以前東京の日野市にあるGEの開発拠点、工場を見学・取材したときにその説明を受けて、「それはそうだ」と思いました。日本は世界で最初に高齢化社会を迎える。世界中が高齢化社会に入る前に「高齢化とは何か」が実際的に分かるわけだから。

 日本の会社がその点に気がついていないのはびっくりすることです。日本では高齢化は何か日本の弱点のように思われているが、世界で先頭を切って高齢化を経験する、その実体が分かるというのは「メリット」以外の何者でもない。それを海外企業が気付いて戦力にしようとしている。「何をしているんだろう、日本の企業は」とずっと思っていた。

 この記事にはGEが「コンピューター断層撮影装置(CT)などを従来の倍以上の年1〜2種に(日本で)増やして、世界に拡販する」と書いてある。「日本を高齢化に対応した最先端機種の中核開発拠点」とも。

 日本の企業にはいろいろな制約がある。医療機器に関しては。法律も複雑です。しかしこの大きな可能性を秘めた市場をみすみす失うことは許されない、と私は思うわけです。ソニーがオリンパスに出資することが決めるなど動き出してはいる。しかし、いかのも遅い。


2012年10月23日(火曜日)

 (22:35)今週は水曜日、木曜日とも関西にいて「地球アステク」のロケを連続的に行います。明日が京都大学工学部で医療分野の最新映像テクノロジーを、そして明後日は吹田のダスキンさんにお伺いして最新お掃除テクを。撮影が難しい年末・年始が視野に入ってきていますから、先週今週と各2日、合計4日のロケです。

 それにしても、アメリカの大統領選挙は「ここに来ての接戦」との米メディアの見方。私などから見ると今日の討論会も発言の確かさや知識から見ると、やはりオバマが上のように見えるが、アメリカ国民にはどう見えているのか。

 第一回目の討論会は明らかにオバマはおかしかった。弱々しく、自信なさそうで、そしてうつむき加減だった。明らかな戦略ミス。これが大きかった。その後の2回は私の目ではオバマらしさが出てきて、ロムニーがやや発言につまりがちなのに対して、明確にハッキリと発言していたように思う。

 フロリダやオハイオなどswing stateの票がどう出るかが鍵のようですが、「米メディアにとって、大統領選挙は接戦でなければ困る。なぜなら膨大なお金を使っているから」といううがった見方もある中で、11月6日(火曜日)はもう直ぐそこです。その4日前に米10月の雇用統計が発表される。

 9月は7.8%と非常に低かった。「職を探す人が減ったから」との見方が多いが、率の低下そのものは現役にとって有利です。元GEの会長だったジャック・ウェルチの「これは民主党のいかさまだ」という文章がウォール・ストリート・ジャーナルに載ったりして、物議をかもした。今回はどうか。

 それにしても、10月は株価が不安定ですな。ここまでの文章を夜の間に書いて、アップするのを忘れていたら、ニューヨークの株価が午前5時過ぎの段階でダウで250ドルも下げている。為替はドル・円が79円84銭前後で相変わらず円安。

 ニューヨークの株価に関しては、月曜日に書いた文章でちょっと分析しておきましたが、相場のベースはそもそも脆弱ですが「10月という月」が相場を一段と不安定にしている気がする。

 ウォール・ストリート・ジャーナルの一面には、ティム・クックではない人がタブレットを掲げていて、「Apple Unveils iPad Mini」という記事が。ああ出たんですね。最新テクが無ければ、私はこれにはあまり興味はないない。結局PCとiPhone で大部分の用は済むので。値段は329ドルからと書いてある。


2012年10月22日(月曜日)

 (21:35)ミャンマーには私も今年の暮れから一週間ほど行く予定にしていますが、私より先に日本の経済団体の代表として同国を訪れた財界の人から、先日面白い話を聞きました。言ってみれば「中国式海外開発方式の限界」とでも呼べるものです。

 周知の通り、ミャンマーは今民主化の真っ最中にあって、東南アジア最後のフロンティアと言われている。そのミャンマーが今まで頼ってきた国と言えば中国です。軍事独裁政権が日本を含む欧米諸国から様々な制裁を受ける中で、頼るは北の大国・中国しかなかった。中国はミャンマーの資源と、同国がインド洋に開けた国であるという地政学的な位置を評価した。

 その中国頼りだったミャンマーが、「中国以外の国々に門戸を開き始めた」のはここ1〜2年です。民主化の進展と同時に、日本を含む各国は対ミャンマー支援姿勢を明確にし、ミャンマーは徐々に「中国離れ」を模索している。何故か。

 今まで中国は、ミャンマーに色々なものを作ってきたそうです。道路、ダム、橋などなど。しかし、そのかなりの工事はずさんだったそうです。ミャンマーの北部にはダムが結構あり、そのかなりの部分は中国の建設会社が建設したものであるのだそうですが、経年劣化が激しく、また手抜き工事があり、かなり危ない。

 でミャンマーが「修理・修復」「再工事」を建設した中国の会社に依頼しようとしても、「もうその会社はありません」ということが多いのだとか。私も先日四川大地震の後の普及工事の為に、それまで全くその世界(建設)にいなかった中国人が、「これはもうかる」ということで、コネと大型土木機械の購入だけを頼りに、建設・土木の世界に入る記録映像を見たばかりなので、「ああ」と思いました。

 多分そのダムや橋や道路を作ったのは、中国でもあまり経験がないようなにわか作りの中国の業者も多かったようなのです。そして一仕事・一儲けでとっとと会社をたたんでしまうケースも多いと言う。ミャンマーが「このダムを造ったのは....」と探しても、その業者はもういない、というわけです。

 中国の資源開発も独特です。大量に中国人を連れてきて、ダダだと掘り尽くして、地元には雇用もお金もあまり残さずに去る。この資源開発方式を中国は世界のどこでもやる。アフリカでも、モンゴルでもそうです。最近アフリカのある国で中国人が大挙して来て金を採掘し、大きな問題となった国がある。

 モンゴルでも中国の業者は嫌われ者でした。銅山開発をしているのですが、大量の中国人を連れてきて働かせ、掘り尽くして去るという方式。ミャンマーがこうした中国式資源略奪方式、無責任な開発方式を見て、「これは他の国に入って貰わなくては」と思ったのは頷ける、とその財界人が言うのです。

 尖閣の問題もその側面があるのですが、中国には「13億の民を食わすためには、資源小国たる中国は資源を周辺に求めなければならない」と考えている節がある。海洋はその最たるものです。言ってみれば、「遅れてきた資源渇望の帝国主義国家」というわけです。

 しかしそれに限界があることは間違いない。それは周囲の国々と必ず衝突する。中国はフィリピンやベトナム、そして日本とも対立関係になって、その打開策が見えない。多分、「とにかく資源が欲しい」という姿勢そのものが間違っているのです。それは平和的に買うしかない。

 多分「帝国主義」はその狙いが資源であろうと、領土であろうと、行くところまで行くのです。そしてぶち当たって初めてその方針の展開が「やむなし」ということになる。中国もそうなる可能性が強いと思う。


2012年10月21日(日曜日)

 (11:35)あれれ....東京のど真ん中で。戦後65年以上たっているのに。

 日曜日の午前9時15分くらいでした。紀尾井町のホテルに所要があってコロンビア通りを上がって青山通りに入ろうとしたら交差点の中に警察官が3人ほど立っていて、さらに見ると赤いパイロンが一杯並べてあって「右折禁止」の雰囲気。

青山通り封鎖  警察の人に行き場所を言ったら、「お気の毒ですが、一回回って....」とだけ。「うーん、皇族の出入りかな」と仕方がないので赤坂郵便局を左折して乃木坂から赤坂通に入って左折し、赤坂見附を見たら写真のような状況。それでもまだ「なぜ」が分からない。だって、皇族の出入りで青山通りを止めていたのでは大変でしょう。

 「なにか異常なことが.....」と思ったら、ホテルの「今さっき赤坂見附から歩いてきた」という人が、「不発爆弾の処理とか書いてありましたよ」と。

 でネットで「青山通り 不発弾」で検索してみたのです。そしたら港区のホームページにこのお知らせが。最初信じられなかったが、本当でした。でも今日の今日まで知らなかった。

 私が午前11時15分に再び赤坂見附を通りかかったときには封鎖は解除されていましたから、無事処理は終わったのでしょう。しかし物騒な話です。ずっと不発弾の上で事務を執ったり寝ていた人がいたということ。

 それにしても物々しい警戒でした。青山一丁目あたりも結構な数の警察官が居ましたし、青山一丁目から赤坂見附までの246沿いは合わせると凄い数の警察官と赤いパイロンの数でした。それにしても、「元赤坂一丁目」と言えば本来は閑静な場所です。


2012年10月20日(土曜日)

 (04:35)おやおや、四半世紀たったその日に株価の大幅な下落ですか。もっともその日(1987年10月19日 ブラックマンデー)では株価は一日で22.6%も下げましたが、金曜日のニューヨークの下げはダウでせいぜい1.5%弱(まだ終わっていませんが)、200ドル前後。

 つい先日まで強くてダウは13500ドル台に乗せていたのに、と思って早起きついでに見たら、この下げ。理由としては

 「米有名企業の業績が予想を下回って出るケースが多い」
 「スペインの銀行救済に関して欧州首脳の足並みが揃わない」
 「米住宅市場回復の兆しはあるが、まだそれも暫定的であることを示す数字が出た」

 ーーーなどなど。まあでも基本的には13500ドルという株価の水準が高すぎるんですよ、私に言わせれば。確かに金融相場環境ではあるが、ニューヨークの史上最高値は14000ドルをちょっと上回ったところですから、「財政の崖」などなどを控えて、また基本的には弱いアメリカ経済を抱えて”金融相場”だけで走れるわけではない。

 昨日の東京株式市場は日経平均が引けで確か9002円と9000円台で久しぶりに終わっていたが、これもちょっと違和感があった。しかし東京の株にはニューヨークにあるような割高感はないので、その分は差し引いて考える必要がある。

 注目した統計としては、海外企業の対中国投資がまた減ったというものでしょうか。そりゃそうで、これだけ政情不安、賃金引き上げ圧力が強くては海外企業も「将来は大きな消費市場だから」ということで投資できない。

 その関連では「China Faces Tough Choice on Growth」というWSJの記事が納得出来るものでした。中国の安定成長の為には消費者の購買力を高めなければ駄目。その点で国内の格差是正が最大の改革ポイントになるが、「中国の次の指導部にそれが出来るか」と指摘している。もっともな指摘だ。


2012年10月19日(金曜日)

 (13:35)今朝起きて新聞を開いて真っ先に気がついたのが「甲州ワイン」の全面広告。山梨県が主要紙数紙の一面を買って「甲州は、日本の葡萄品種として初めてOIV(葡萄・ワイン国際機構)に登録されました」と告知。

 私も今週「甲州」が葡萄品種であると初めて認識したばかりですので、「開けよう 甲州」をじっくり見て、「やっぱし今度ゆっくり飲んでみよう」と思いました。「ピノ・ノワールやシャルドネと同様にワインに最適なヴィティス・ヴィ二フェラ種であることもほぼ解明」と。

 取材の中で「そうだな」と思ったのは、カリフォルニアのワインも実は有名になったのは80年代を過ぎたくらいから(甲州ワイン関係者)....というもの。そうなんですよ。私は70年代の後半にニューヨークに居ましたが、その頃のニューヨークではワインと言えばフランスやイタリアだった。その後にぐっとカリフォルニアが出てきた。

 だから山梨(よって日本)が生んだ葡萄品種としての甲州が、これから世界に羽ばたく可能性は十分ある。世界のワイン好きも、「次はどんな品種が出てくるのか」と新しもの好きな面があるでしょうから。

 昨日の「ヒッグス粒子」の取材は面白かったな。実はまだ今年7月4日のCERNの発表は「ヒッグスが推測した粒子かも知れない」という類のものなのですが、それが「ヒッグス粒子」だと証明されれば今の素粒子物理学の「標準理論」はほぼ完成する、と。

 しかし今の宇宙には実は「標準理論」では解明されないものが一杯ある。ダークマターなどで、「標準理論」は「いつか乗り越えねばならないもの」(浅井教授)らしい。

 だから実は研究者としては見つかったものが「暗黒物質の存在を示唆するような新しい粒子であることが一番面白い」(同教授)のだそうだが、いずれにせよ今後何兆回も実験と検出・分析を重ねていく中で、「宇宙の成り立ち」について大きな前進があるでしょう。

 今回の取材で分かったことは、「日本の技術無くして今回のCERNの成果はなかった」ということ。古川電工を取材させて頂きましたが、超電導ケーブルを作る自社の工程に対する同社の技術者の方々の自信には並々ならぬものがありました。

 我々のカメラはかなりディープに入ったのですが、『技術もそうですが、我々はチーム力が強い。欧米の会社では毎週「はじめまして」で仕事を始めるところもあるんでしょう....』と全く問題にしていない様子。CERNへの納入量も当初予定の二倍、四倍と増えたとか。心強かったな。


2012年10月18日(木曜日)

 (07:35)ははは、昨日はワイン、今日はヒッグス粒子......。

 今日はちょっと身構えていますよ。やはり難しい話ですから。でもとっても面白そうな取材で、今は加速器に使う超伝導ケーブルを作っている日立市の古川電工に向かっています。そこの取材を終えて東京大学本郷で粒子そのものの取材の予定。「粒子があってもモノは出来ない。それにからみつくヒッグス場があって.....という話かな....?

 昨日のワインの取材も面白かったですよ。シャトー・メルシャンの畑で見させて頂いた栽培方法の変化(棚ではなく垣根方式)は言われて初めて「そうだよな」と思いました。棚方式は国際的には珍しいと聞いて、「なるほど」と。「棚」はウルムチにもありましたが、あれは日よけ。

 山梨大学の柳田藤寿先生のところで見せて貰った海洋酵母Y-1095は、実に興味深い役割を果たしていました。あくまでワインは葡萄の産物で、葡萄が一番重要ですが、酵母はその匂い、うまみを大きくアップしてくれる。まだまだ未知の酵母は一杯あるそうで、先生はそれを地道に見つけておられました。

 それにしても子供の頃から「甲州ワイン」を「山梨県が生み出すワイン全般」だと思っていました。だって山梨のことを甲州と言いますから。しかしこの場合の”甲州”は葡萄の山梨(よって日本)固有種に付けられた名前だと。その固有種の葡萄から出来たのが甲州ワイン。以前の淡泊な印象から、かなり変わってきていた。

 ところで、これらの取材は毎週木曜日夜10時からのBSジャパンの「地球アステク」の為に行っていますが、今夜のアステクは第81回として「過密都市東京 再開発の先端技術!」をお送りします。

 皆さんもうご存じですよね。新橋駅から虎ノ門の間、ちょっと芝寄りで行われている大工事。環状二号線の地下トンネル工事ですが、その虎ノ門サイドに新しいテクノロジーをふんだんに使った新しいビルが建とうとしている。もうかなり形になっています。今回はその再開発の最新技術に迫ります。

 実は環状二号線は戦後すぐに計画されたのですが、平成になってようやく工事がスタートした。計画が進み始めたきっかけは、法改正によって出来た「立体道路」という制度

 かつては道路の上下に建物をつくることが出来なかったが、法改正により道路の上下空間に建物を建設することが可能になった。その建物が今「虎ノ門街区」と呼ばれる地域に立てられている大きなビルです。虎ノ門病院から遠くない場所にある。

 面白かったですよ。地下工事も、上階のビル建設現場も。日本では阿倍野もそうですが、都市の大規模再開発が進行中。都市の活力はこの国の経済の底力を示していると言える。

 番組では「地球アステク」の前の東京FM TIMELINEもお楽しみに。この番組が面白いのは、その独特な”視点”です。今夜は『「人は見た目が全て」の時代をSNSが変える可能性』です。面白そうでしょ。

 あとエッセイも公開されました。大陸的粗雑さ(2)です。このシリーズはあと2〜3回続ける予定です。


2012年10月17日(水曜日)

 (07:35)今日は銀座午前7時15分ロケバス集合で、「ワインに関わるテクノロジー」の取材に出発。今は中央高速を移動中ですが、その話はまた書くとして、今回は本を紹介します。

銀座で見つけたデパートの共闘  昨日新大阪で出発間際の時間の無いときにちらっと見つけて買った本ですが、結構面白かった。一冊は「韓国財閥はどこへ行く」(扶桑社)です。この本を書いたのは日経の記者をやっていたものの、その後退社して主に韓国問題を追っていて、ソウルに住んでいる玉置直司さん。

 この本がとってもいいのは、直近の韓国に関する豊富な情報が入っていると言うことです。出版が先月10日ですからある程度当然ですが、しばらく韓国には行ってないものの、隣の国には興味ある人間には頭をまとめる意味では良かった。

 雑誌(ネット)に寄稿した文章のまとめ本で、そういう意味では「まとまった思考」を感じはしないが、例えば今年の大統領選挙の一大争点が日本ではあまり想像できない「経済民主化」であると教えてくれる。

 このコーナーで取り上げている韓国財閥(サムスン、現代など)の圧倒的な存在感と支配力は、当然ながら韓国でも大きな論争を巻き起こしていて、「その力をなんとか削ぐ、力を抑制し分散させる」が大統領選挙の争点だというのです。

 面白かったのは、「パン屋に手を出すな」かな。財閥一族の娘や息子、孫達が資金力を背景にパン屋を一斉に始めたら、街のパン屋が潰れた。「けしからん」というのが世論になり、政治も動いたという話。これは面白かった。日本の財閥は解体によって性格を違えましたが、それ以前でもパン屋には手を出さなかったでしょう。

 大統領選挙の展望などはしていません。難しすぎるので。しかし新幹線の中で読むにはちょうど良かった。もう一冊は、「商店街はなぜ滅びるのか」(光文社)ですが、この本は従来の「商店街論」を出ているところが面白い。まだ全部読んでありませんが、面白い予感。


2012年10月16日(火曜日)

 (11:35)孫さんがもしあるものを相手に戦っているとしたら、それはドコモでもKDDI、ATT、ベライゾンでもなく、「時間」とではないでしょうか。11月が誕生日で56歳になる。60代のなるべく早い時期には「引退する」とかねて語っていた。今の孫さんは依然として若々しく見えるが、実はあまり時間がない。

 「海外企業の買収」という観点で見ると、タイミングは良い。なにせ円が史上最高に近く高く、日本にとって最後の通貨高の時期が今とも考えられる。かつ、彼が米企業買収の狙いに置いている基幹技術のLTEは「これから花咲く時期」にある。

 それはこのまだ未熟な技術(方式もFDDとTDの二つあったり、3Gとの切り替え時の空白問題など)を巡る業界地図がこれから大きく塗り変わることを意味するから、その段階で「軍」(今では資金や技術、人)を動かして陣地取りに動くのは当然のように見える。時宜を得た動きをするのにたけている人だと思う。

 しかし今週に入っての同社株価が2割以上下げたことで、この計画に対する「マーケットサイドの懸念」があることは明らかだ。

  1. やっと減ってきた有利子負債がまた1.6兆円近く増える。孫さんの時代に返済は間に合うのだろうか
  2. 契約者数が3000万の会社(ソフトバンク)が6000万近い海外の会社(スプリント)を買収と言うことで、「小が大を飲む」形になるのは大丈夫か(文化的な壁を含めて)
  3. スプリントそのものも米業界3位だが、上位2社とは大きな差があるし、有利子負債も多いが、これらをどう乗り越えるか
  4. かつLTEを巡る初戦の戦いでは、ソフトバンクは日本のドコモ、KDDIにも遅れを取っている。技術や人材の基盤は大丈夫なのか
 と市場が危ぶむのには理由がある。昨日の記者会見を見ると、明らかに孫さんは自分に対しても、今のリスク回避的と見られる社会や産業界に対しても、「挑戦」している。それは素晴らしい。あとは、この挑戦を成功に導くことができるかどうかだ。

 日本企業の米企業買収は、むろん成功例ばかりではない。むしろ失敗例が直ぐに浮かぶ。だからこれからが重要だ。ドコモも失敗した。

 それにしても、考えてみれば孫さんは「遠くから歩いてきた」ものだ。何かの本に起業(1980年代の初め)当時の彼を描写していたシーンが書いてあって、福岡博多区の立ち上げ直後の狭いオフィスでアルバイトを含む数人の社員を相手に段ボールの上に立って、「日本一の会社になる」と宣言したこと、それを聞いた何人かの人間が孫さんのもとを去っていったとか。

 これらの描写が、真実かどうかは知りません。しかし起業した当時は、ソフトウエアの卸しの会社に過ぎなかったことは確かだ。PC出版を始め、加えてヤフーBBの販売を手伝い、そしてボーダフォンの買収。この間に株価も上がったり下がったり。

 私もソフトバンクの顧客(利用者)だったことがある。しかしとにかくiphoneが繋がらなかった。その事情は解消しただろうか。だから、「トップは目立つが、どこか体力が付いてこない会社」というイメージがあるが、今回の海外企業の買収は実は買収する側の”知恵”と体力が試される。うまくやってくれれば、とも思う。

 確か孫さんは「後継者よ出てこい」と社内計画を明らかにしていたように思う。マーケットも「ポスト孫」に関心を集め始めるでしょう。それも関心事の一つだ。


2012年10月14日(日曜日)

 (23:35)大統領選挙越えの来年のアメリカ経済が直面する問題について、最近では一番まとまった記事を見つけました。ワシントン・ポストに載っている「Forget the fiscal cliff: U.S. has other possible economic threats looming」です。

 「fiscal cliff」(財政の崖)については、既に良く知られている。いわゆる「ブッシュ減税」が2013年、つまり今年末に期限切れになる一方、2011年におけるアメリカの債務上限に関する合意で2013年1月から強制的な予算削減が始まることを意味する。つまり来年の初めからアメリカの財政は「崖」の下を見ざるを得ないように「支出が減る」ということだ。

 これは今のアメリカのような病み上がりの景気にとっては、また雇用が伸びない状況では非常にゆゆしき問題である。しかしこの記事は、「財政の崖」以外にもアメリカ経済は大きな問題を抱えているよ、と指摘している。

 減税措置の打ち切りと歳出削減などに加えて、この記事は具体的に「Also on tap are new taxes on the wealthy and cuts in tens of billions of dollars in domestic and defense spending that will occur regardless of the fiscal cliff.」を指摘している。前者はオバマの社会保障改革の結果生じるものだ。

 問題なのは、今の米政界がいろいろな意味で捻れていることだ。大統領(今は民主党支配)と議会(共和党が優勢)の関係が大統領選挙の後にどうなるかは今の段階では憶測の域を出ないが、民主、共和という党派の違いに関係なく、今のアメリカの政界がイデオロギー的、哲学的にも非常に妥協が難しい構成となっていることだ。

 この問題についてシンクタンクである英王立国際問題研究所のシニアフェロー、ジーニア・ドーマンディー氏は先にロイター通信のインタビューで

 「米政界における党派性のレベルはこれまでにないぐらい高く、米国が直面しているいくつかの経済問題やその他の問題に賢明に対処することをより困難にしている。米国のシステムは『チェック・アンド・バランス』が働くように設計されており、それが現在まさに起きていることだ。ただ、しっかりとした対応が必要な現在のような時に、それは前向きな意味を持たない」
 と述べていた。実際にブッシュ政権の末期もそうだったが、最近のアメリカ議会の「法案成立率」は非常に低い。それは議会が全体として非常に非妥協的になっているということだ。このワシントン・ポストの記事の最後の方には
The economy is now growing at about the same pace as or more slowly than in previous years. It is facing fresh threats, too, including a historic drought and a global economic slowdown that is sapping U.S. manufacturing and exports, which had been fueling the recovery.

“This is not the right moment to repeal the payroll tax cut,” said Obama’s former top economic adviser, Lawrence Summers, in a speech Thursday. Even without an immediate way to make up the lost revenue, extending the payroll tax would be helpful, as long as the government eventually takes steps to control the federal debt, he said.

 という文章もあった。欧州の問題が大きく残っているのに、アメリカも大きな問題を抱えている。私は世界の成長センターが色々なところに出来ているという見方をしているが、従来の成長の”センター”と呼ばれるところの抱えた問題は大きい、ということだ。


2012年10月13日(土曜日)

 (23:35)今日はやっぱりスポーツが話題でしょう。サッカーの日本対フランスは、見事な勝利でした。そしてワシントンには涙・涙のナショナルズの敗戦。

 サッカーは、前半攻め込まれていた日本が終盤でのカウンター攻撃。今野が速いドリブルを展開し、それを追い越す形で長友がサイドを駆け上がり、今野から受けたパスを真横の香川に素早くパスし、それを香川が見事に蹴り入れて日本が1−0で勝利。流れるような攻撃でした。

 ライブでは見れていなかったので、その後ビデオで土曜日の日中見て「すんばらしい」と思いました。最近はちょっと力が落ちてきているように見えて、やはりフランスはワールドカップに優勝したこともあるチームですから。直近では女子もオリンピックでフランスを破った。日本という国のサッカー力は確実に上がっていると思う。

 もう一つ、これはずっとライブで見ていたのですが、日本にもいたことがあるデーブ・ジョンソン監督率いるワシントン・ナショナルズ対セントルイス・カージナルスの戦い。壮絶でしたが、見事というか全ての運を味方に付けてのカージナルスの勝利。見ていてこれも「凄まじい」と思いました。

 確か最初の3回でナショナルズは6点を入れてリード。ジリジリ迫られて6−5から一端は8回に二点差の7−5にしたのです。何とそこから9回の表にカージナルスは4点取った。

 ワシントンの嘆きはこの記事「2012 MLB playoffs: Washington Nationals fall one strike short against St. Louis Cardinals in NLDS Game 5」に表れている。ワシントンには嘆く理由がある。野球で勝てないのです。

 この記事に見出しのように、本当に「あと一球のストライク」だったんです。2アウトからカージナルスは点を入れた。かつ打者はツーストライクまで追い込まれていた。今頃デーブ・ジョンソンはどんな気持ちでいるのだろうか。負けたピッチャーは。そして、速いゴロをはじいたショートの選手は。

 ところがもう明日からアメリカはリーグ・チャンピオンシップです。相変わらずあきれるような凡プレーが多いが、それでも迫力はある。日本の野球はちょっとまとまっていすぎるかな。面白い試合はありますが。


2012年10月12日(金曜日)

 (15:35)昨日書いた韓国経済の歪みに関連して、朝鮮日報に非常に興味深い社説がありましたので、紹介します。タイトルは「韓国経済、サムスンと現代自ばかりに頼れない」

 驚くのは、「サムスン電子と現代・起亜自動車の今年の純利益は推定で36兆8000億ウォン(約2兆5800億円)に達し、これに伴い上位30位までの企業(時価総額基準)の純利益全体に占める割合も55%にまで高まるという。ちなみに昨年はこれが44%だった」という点。同紙がして記しているとおり、韓国では「大企業間でも格差が広がっている」ということ。

 今に始まったことではないのですが、当然ながら韓国でも懸念は根強いと言うことでしょう。サムスンにとっては、「スマホの後」が問題でしょうね。何を商品の柱に据えるのか。ノキアを見ても分かるのは、この世界の変化の速さです。

 ところで、スウェーデンにお住まいの20代の日本人女性から非常に興味深いメールを番組に頂きました。日本が抱える問題のいくつかが端的に指摘されています。

 いつも「伊藤洋一のRound Up World Now!」を楽しく拝聴させて頂いております。遅ればせながら、本日9月21日放送分、アルコニクス代表 正木氏との対談の回を拝聴し、深く感銘を受けたので投稿させて頂いております。

 私は以前、日本の鉄鋼メーカーで働いた経験があり、現在は、スウェーデン在住で、毎日お隣の国、デンマークへ働きに出ております。

 番組で正木氏がご指摘された、日本人が持つ/日本人が受け継いでいる「巧み」についてや、今でも日本の随所に残る技術力など、実力のある方から改めてその事実を伺うことができ、日本人である誇りを思い出すことが出来ました。思えば私が鉄鋼メーカーで働く事を志望したのも、日本の技術力、日本人の底力を秘めた会社で、誇りをもって世界に貢献して行きたいと思ったためでした。

 たびたび伊藤様が番組でお話される通り、なぜ近年の日本にはアップルのような会社がないのか、イノベーションを起こす会社がなかなか出てこないのかというご指摘はその通りだと共感をしておるのですが、同時に日本人の勤勉さと美のセンスは普遍的でなかろうかと考えており、それは世界の中でも類い希な能力で、今後も価値を発揮するものはないかと思っております。

 しかし正木氏がご指摘された通り、日本人の国際感覚の欠如は、同意やむなしという所でした。大好きだった前の会社、鉄鋼製造メーカーを離れたのもそこが一因でした。

  1. 若手が積極的に海外の顧客と交わることが出来ないことは、消極的な態度であり、会社の真のグローバル化を拒むスタンスであると思われました。その他にも

  2. 女性は男性をサポートする存在である、という事実も受け入れ難いものでした。(一般職の方々は、全員が女性でしたし、管理職には女性が10本の指で数えるほどしかいませんでした。また夜の飲み会でも男女の不自然な社交関係も耐えがたいものでした。)これは、今の会社では考えられないスタンスと実態です

  3. また、このまま閉塞感のある日本社会で、海外に出ることもなく会社と結婚することを選んだ総合職の女性として、一生を終えるのかと考えると、将来の希望が無いように思えたのも一因でした。
 日本に嫌気がさし、心機一転スウェーデンへ参ったわけですが、日本が嫌になってしまったという自分が残念な気持ちがいつもありました。

 そんな中で、正木氏の、日本人らしい経営者、日本の力を信じており、その発揮の仕方をご存じの経営者、そして違う国の方々の中にいても遜色のない存在感を発揮するであろう企業人たる意見と態度はとても嬉しく感じた次第です。

 やや冗長で、脈絡なのない投稿となってしまい申し訳ないです。 今後も、番組の楽しみに拝聴させて頂きます。遠く北欧から応援しております。

 それでは。

 私も正木社長とのインタビューは学ぶことが多かったと思います。番組サイト(http://www.radionikkei.jp/roundup/)から「アルコニックススペシャル」に渡って頂ければ番組は聞けますし、ポッドキャストでも聞けますので、お聞き逃しの方はどうぞ。


2012年10月11日(木曜日)

 (15:35)今日の約束のランチが「東京ステーションホテル」だったので、「どんなホテルになったのかな」と。

 もうホテルに入る前から凄い人。入ってもまた凄い人。思い出がある人が多いんでしょうね。なので、あまり見る時間もなかったのですが、「かなり変わった」という印象。このホテルは休業したのが2006年。それから6年もたっての営業再開。ということは従業員の方も大部分が入れ替わったのでしょう。

 以前は結構気安いホテルで、確かあまり高くない値段でデイユースもあったと思った。使ったことはないが。しかし改装後のホテルは高級感漂う仕上がり。宿泊代金もかなり高くなっている。部屋数も150と増えた(と思う)。

 「レストラン」も数が増えている。その中の「しち十二候」(知らなかったが六本木の店だそうです)が予約だったのですが、予約時間の「11時」に行っても、「ちょっとお待ち下さい....」と。ハードは作ってもまだソフトが付いてきていない印象。これからでしょうか。

 東京駅周りもホテルが増えました。線路の反対側にはフォーシーズンがあり、駅の北側には丸の内ホテルがある。競争はかなり厳しくなるのでしょう。何か特徴がなければ。ステーションホテルの場合は、以前は部屋ごとに歴史があった。今はどうなっているのか。

 レストランが固まっている地下(B1)にはスポーツジムもありました。列車の待ち時間が長いときは、何かに使えるかも知れない。


2012年10月10日(水曜日)

 (15:35)今日の新聞では、読売の「EU・米 経済協定構想ー来年交渉入り目指す」が比較的目立つ記事でしたが、どうも今ひとつ納得性に欠けますね。

 「交渉を開始しても妥結には3〜4年かかる見通し」(同紙)と先の話であることに加えて、どのFTA交渉でも大きな議題となる「農業をどうするのか」に関して私が読んだ範囲では全く言及がない。

 この記事にも書いてあるとおり「経済構造が似ている」というのなら3〜4年もかからないはずですが、実際にはヨーロッパサイドにもアメリカサイドにもいろいろな問題があると思う。その一つが農業です。

 その他では、これまでに読んだ記事では「IMF warns eurozone on capital flight」が面白かったな。EUの域内で資金が周辺国(ギリシャやスペインなどでしょう)からコアの国に流れていて、その流れが銀行の資本構成を著しくゆがめる、それがまた成長の足枷になると。

 メルケル首相がギリシャに行ったりして事態は少しずつ動いているように見えるのですが、スペインは救済申請を躊躇しているし、ヨーロッパの危機は長引くこと必至。その中でお金は先先に動く。

 それにしても、IMF・世銀総会にも出席を拒否とは中国も度量がない。なにか見える形で日本を困らせようとしているのでしょうが、これでは世界に対して「中国は異質な国」と宣伝しているようなもの。ちょっと滑稽です。

 日本の新聞の見出しは「日本車の中国の売れ行きが大幅に落ち込んでいる」と報じているが、記事をよく見ると9月単月でそれでも日産が7万6100台、トヨタが4万4100台などと結構な数量売れている。私などはそっちの方に驚く。

   あれだけの騒ぎがあったら、そして日本車に代替する車が多かったら、そんなには売れないでしょう。中国では消費者の中に我れ関せずで日本車を買っている人がまだそんなにいる、ということが私には興味深い。

 最後に私が信頼する研究機関が韓国経済に占めるサムスンの大きさを示す数字を知らせてくれましたので、それを掲載します。その研究機関の方々とは先にお昼ご飯をご一緒しながらお話をしたのですが、私が8年ほど前にソウルの友人に聞いた「なんでもサムスンは韓国経済の五分の一から四分の一」という話をこちらからしたのです。面白い視点なので。

 その時の記事は「2004年、浮揚感なき韓国経済」にありますが、その時はそこに書いたように

 韓国の製造業の中でも、サムスンの地位は圧倒的である。昨年は5分の一になったが一時は同社が支払う法人税は韓国の全法人税収入の四分の一を占めたし、同社は

「韓国の株式市場の時価総額の22%」
「全企業の純利益の25%」
「全輸出の16%」
「貿易黒字の三分の一」

を占める。つまり韓国経済はサムスン依存が極めて高い

 ということだが、その話に興味を持たれたのか「では今はどうなっているのか」を調べて打ち返して下さった。私も調べようとしたが、ちょっと後れを取った。信頼できる機関なので、私もそれを今後使う予定です。以下が要旨です。メールから。
 まず、税金の支払額ですが、bloombergで韓国証券取引所の上場会社の各直近年度の合計法人税等支払額と、2011年の上場サムスングループの合計額とを比較したところ、

 サムスン電子のみで 14.4%
 グループ全体で 18.1%

でした。ちなみに、韓国銀行HPでの2010年の法人税額は36.8兆 ウォン、サムスン電子HPのIR資料の法人税支払額は3.2兆ウォン で、割合は 8.6%でした。

 次に、同bloombergデータにて、9月末時点での韓国証券取引所の上場株式の時価総額と、サムスングループの合計額を比較しました。

 サムスン電子のみで 17.4%
 グループ全体で 24.9%

と、こちらも伊藤様に教えていただいた通り、非常に高い割合でした。輸出については、私どもでお調べすることのできた最近のデータは2007年当時のものとなってしまいましたが(bloombergより)、韓国銀行の2007年の年間輸出データと比較したところ、

 サムスン電子の占める割合は 14.0%
(グループの合計額については入手できませんでした。)

でした。同韓国銀行データの2011年の数値については、2007年と 比べて約2倍、サムスン電子HPで同社の2007年と2011年の売上 データを比較すると、こちらも約2倍となっていることから、 現在も同水準であると推測されます。

 最後に純利益額を、こちらもbloombergデータより韓国証券取引所 上場株式の各直近年度の合計額と、サムスングループの金額とを 比較しました。

 サムスン電子のみで 9.2%
 グループ全体で 14.2%

でした。純利益の定義などにより、一部の報道等の金額と若干 異なりますが、http://japanese.yonhapnews.co.kr/economy/2010/06/06/0500000000AJP20100606001000882.HTMLとやはりこちらも高い割合でした。

 以上、可能な範囲でお調べしたデータでございます。 改めまして、サムスン(チェボル)依存の構造が確認できました。 ありがとうございました。

 つまり、2004年の段階でも2012年の段階でもサムスンは韓国経済の中で異常に大きい存在であり、それはまた韓国経済の歪みにも繋がっていると言うことでしょう。


2012年10月09日(火曜日)

 (15:35)昨日は東京から大阪への新幹線移動の途中でしたが、午後6時半過ぎにツイッターで知ったノーベル医学生理学賞に新型万能細胞、iPS細胞の山中伸弥京都大教授」というニュースは本当に嬉しかったですね。フェースブックで「嬉しい」旨を書き込んだら、本当に大勢の方から「いいね」が入った。

 その研究の素晴らしさについては今朝の新聞に嫌と言うほど書いてあるし、山中さんの人柄についても「手術が下手だった....」とか一杯書いてあるので省きますが、4年間も科学番組(今は地球アステク)をやっている身としては、「まだまだ日本には誇れる世界的研究が一杯ある」と声を大にして言いたい気持ちです。

 今朝のスポーツ新聞の一つが21世紀に入ってからの科学系のノーベル賞受賞者数を一覧にしていて、確かアメリカが30以上でダントツなのですが、日本はイギリス(9個)、ドイツ・フランス(5個)を抜いて10個の二位。これは素晴らしい。

 日本の研究論文は一端日本語という世界ではメジャーではない言語を経た後に世界に英語などで発信される。論文の流布ルートは欧米の研究者よりも複雑なはずです。しかし世界で引用される論文の数は多い。

 これは偏に日本の研究者の努力と才能の賜であると同時に、文化や研究体制がいろいろ問題はあるにせよ「新しいものを育む」システムになっているからでしょう。中国、韓国が実質的に科学系のノーベル賞受賞がゼロなのと良い対象です。

 研究の現場にお伺いして先生達とお話しすると、「研究費の削減を恐れている」ことが分かる。民主党がまるで政治劇のようにやった予算削減で不合理な研究費の削減を実施された研究者も多いからです。

 研究者が縮こまっているような体制から良い研究が生まれるわけはない。不合理な支出(不合理な人件費など)は当たり前に削減されるべきですが、将来大きな成果を生みそうな研究は育むべきです。民主党の政治劇を演じた面々はそこが全く分かっていない。目立てば良い、の意識だけでした。

 日本からはもっともっとノーベル賞の受賞者が増えて欲しいし、その素地はあると思う。そして、その研究が日本、さらには世界にもっと貢献して欲しいと思う。


2012年10月08日(月曜日)

 (18:35)そういえば、先々週、9月最終火曜日のアンカー終わりの写真をスタッフが送っていてくれました。記念に掲載します。楽しい番組でした。ので、ちょっと大きく。



2012年10月08日(月曜日)

 (18:25)今新幹線で大阪に移動中ですが、凄い混みよう。考えたら連休初日の6日の早朝は都内から富士山麓に向かう際に中央高速で大渋滞にはまったし、ちょっと移動で悲惨な、しかし考えてみれば「日本人もよく動いている」という印象を持ったこの三日間でした。

 新幹線は博多に向かう列車ですが、とにかく自由席がむちゃ混み。その他も指定席はなしという状況で、自由席には売り子も入れない。お盆の最中より人が多い。まあ三連休のスタートの朝と、最終日の夕方に移動している私も芸がないのですが。

 「これなら中国の人がこなくても」とは思いませんよ。実際に都内のホテルなどは連休中もちょっと寂しかった。しかし、日本人が少しでも動いて、中国人の団体さんが来なくなった影響を少しでも緩和できたらと思う。個人は結構来ているようです。

 それにしても、昨日の「いま世界は」は面白かったな。ビデオの最中も隣の手嶋龍一さんといろいろ話しながら。

 ノーベル賞の受賞対象研究年齢の上昇は全く知りませんでした。以前のノーベル賞は発想で取れたが、今はいろいろな知識が累積していて、それに一応目を通すことに時間がかかっているのかもしれない。それだけ早熟の天才がノーベル賞を取れる環境が変わってきていると言うことでしょう。アインシュタインは26歳の時の研究が認められた、と。

 数字はうろおぼえですが、1905年までは受賞対象になった研究は当該研究者が35歳までに発想したが、1985年にはこれが46歳に上昇したと。良い事なのか、悪いことなのか。ナイルの源流の話も面白かったし、北朝鮮でビデオを回したジャーナリストの話も良かった。

 ニュース番組と言っても最近はバラエティの要素が増えている番組も多い。それはそれでいいのですが、直球勝負というのもあっても良い。


2012年10月07日(日曜日)

 (08:25)昨日は久しぶりに草刈りをしていたので見られませんでしたが、今日ビデオをチェックしていたら、ダルは残念でしたね。体調が万全でない割には頑張って投げていた(ボールの切れは良かった)と思うのですが、何せ自軍にまたしてもエラーが出た。

 最終盤に来てのレンジャーズの失速の大きな原因は、どうみても「緩慢なプレー」です。ハミルトンでしたっけ、センターで落球してアスレチックスに負けたのは良い例で、ダルも昨日の試合は一塁手のエラーから点を取られた。

 うーん、私としてはかなり残念です。「彼は大リーグ入り早々にワールド・シリーズに行けるのでは」と春に思っていたし、チームはそれだけ強かったので。しかし、ここで一回途切れたため、ちょっと気分が途切れた形が出来てしまった。リカバーは時間がかかるかもしれない。

 もう一つのナショナルリーグのワイルドカード同士の戦いでも、チッパー・ジョーンズだったと思うが、二塁への悪送球が大きな失策となって負けた。負けたサイドの監督が「普段の事が出来なかった」と言っていたのは印象的でした。「普段通り」がなかなか難しいと言うことでしょう。ま、その他の戦いも面白いので、引き続き見ますが。

 ところで、もう通過したことがある人は知っているのでしょうが、今東京駅が大変なことになっています。二つあるドームの下で上を眺めている人があまた。修復→リバイバル・オープンとなった東京駅は実際にかなり綺麗です。で、ずっと上を眺めたり、それを写真に収めたり。

 大勢の人、その中には観光ツアーの人とも思える人が、一杯上を向いて、時に固まって上を見ている。いつもなら、「ちょっとちょっと....」と思うが、でもまあ本当に綺麗だし、普段は東京駅を通過しない人も多いでしょうから、「ごゆっくり」と心の中で思っています。

 白と茶色のコントラストが良い。私はアムステルダム駅を見ていないので知りませんが、「本当に似ている」と多くの人が言う。それにしても、このコーナーで紹介したように最初に出来たときは、草っぱらの中にぽつねんとあの建物。設計した人は先見の明があった。


2012年10月05日(金曜日)

 (12:25)やはりそうですか。昨日の午前にレッドソックスとヤンキースの最終戦を見ていて、ボストンの球団のこの一年を象徴するかのようなあまりにも惨めな敗戦で「誰かが責任を取らされるだろう」「それは噂通りバレンタイン監督になるだろう」と思っていたら、その通りでした。

 通常的に考えれば、「チームを育てる」と言って選手を入れ替えた一年目ですから、「ある程度の苦戦」は覚悟していたはずですが、アリーグ東の最下位では球団幹部も黙ってみていられなかったのでしょう。

 ボストン・レッドソックスの公式サイトを見ると「Red Sox dismiss Valentine after trying year」となっていて、2年契約なんだけど今年は「trying year」だったんだという印象。解任を発表したGMは

"Our 2012 season was disappointing for many reasons," said general manager Ben Cherington, who made the announcement and who will lead the search for a successor. "No single issue is the reason, and no single individual is to blame. We've been making personnel changes since August, and we will continue to do so as we build a contending club. With an historic number of injuries, Bobby was dealt a difficult hand. He did the best he could under seriously adverse circumstances, and I am thankful to him."

 と。最後の方で「苦しい中頑張ってくれた」とバレンタインに気を遣っている。しかし69勝93敗。ちょっと負けすぎでしたね。

 それにしても昨日投げたのはレッドソックスが松坂、ヤンキースは黒田。松坂は気の毒なくらいに打ち込まれた。2本のHRで5失点だったかな。いかにも自分に自信がなさそうで、顔が悲しそうに紅潮していた。今年が6年契約の最終年。来年はどうなるのだろうか。

 対する黒田は一年間ローテーションを守った唯一のピッチャーとして貫禄があった。人間の立ち位置というのは何時でも入れ替わるのだな、と思いました。松坂は鳴り物入りで、黒田は「彼も行くんだ」という印象での大リーグ入りだったが....。

 ところで笑える記事を発見しました。「まあ、そうかな」とも思うのですが。他紙にもあるかも知れませんが、朝日新聞に載っていました。『元恋人調べる人「成長できない」 フェイスブックを調査』というのです。フェイスブックね、10億人にユーザーが拡大したとか。記事の内容は

 交流サイト「フェイスブック」で、別れた恋人のことを調べてしまう人は、人間的に成長できない。そんな研究結果を、英国の研究者が米国の心理学雑誌に発表した。思い出にふけって現実を受け止めるのが難しいようだ。(中略)

 平均年齢21.4歳の男女464人にインターネットで調査。交際期間、失恋の痛手の度合い、フェイスブックで友達に登録しているか、元恋人のページを見る頻度などを質問。元恋人への恨みや未練の気持ち、気持ちを切り替えて新しい趣味を持つなどの「人間的な成長」がみられたかを調べた。

 そしたら、過去を振り返る人には『新しい趣味を持つなどの「人間的な成長」がみられなかった』ということでしょう。だからどうということはないのですが、当たっているのではないでしょうか。


2012年10月04日(木曜日)

 (12:25)昨日はまた一日ロケで筑波に出かけていました。そもそも「メートル」とか「キログラム」は誰がどうやって決めているのか、何が基準なのかという問題で。

 その番組は11月01日の「計量記念の日」の「地球アステク」で放送されますが、メートルは「光の速度」が基準になっていましたし、キログラムは「原子の質量」を基準とする方式にまもなく切り替わることが判明。そういう意味では非常に意義ある取材でした。

 それにしても、度量衡は重要ですね。全ての基本ですから。未だに長さではメートルやヤードがあり、ゴルフは以前としてヤードが主流。日本もゴルフでもメートルに切り替えようとしたが、米英がヤードですから結局ゴルフでメートルを使う人は少なくなった。重さはアメリカは以前としてポンドです。

 そういう意味では人々の生活習慣はなかなか変わらない。しかし、今回の取材で科学技術を面では確実に「メートル」「キログラム」が基準になっていることが分かりました。ナイス。

 ところで今日の夜10時のBSJAPANの「地球アステク」は、「超便利!国立国会図書館の新機能」をお送りします。「これは使える」という知恵が一杯詰まっていますから、お楽しみに。

 あ、それから「地球アステク」のフェースブックサイトがこういう形で出来ましたので、今後充実していきます。お楽しみに。


2012年10月02日(火曜日)

 (15:25)ははは、iOS6を公表(19日でしたっけ)し、iPhone5を発売(21日)して以降のアップルはボロボロですね。どうか素早くリカバーショットを打って欲しい。

 最初の「ボロ」は言うまでもなくマップです。9月29日にも取り上げましたが、チム・クックが謝罪文までHPに掲載する騒ぎになっている。これはiOS6の欠陥です。しかしこれには愛嬌があった。地図はおもろいので。

 しかしもう一つは実は深刻です。あまりマスコミなどで取り上げられていないのですが、致命的な部類に属する欠陥です。それは「iPhone5ではメールの受信、時には発信も非常に困難だ」ということです。これはiOS6の問題ではない。なぜなら、iOS6にバージョンアップした私の「4S」では起きないからです。

 「メールの送受信が困難」というのは、スマホとしては致命傷でしょう。今日ネットを調べていて、「私以外にも一杯同じ問題を抱えた人が居る」と結論して、これは「欠陥」「ボロ」に等しいと思った。これで「ボロ」が二つ揃ってしまった。早く対処して欲しい。同じ問題を抱えている人も、声を上げて欲しい。個人的に対処するには限界がある。

 27日のこのコーナーにiPhone5の欠点として私は、「メールのダウンロードが遅いときがある。多分LTEとWIFIの電波が入れ替わったりして、優先順位が安定しないからかも知れない。見ていると、3GとLTEが頻繁に入れ替わる場所もある」と書いた。その時から問題は発生していたのですが、「そのうちどうにかしよう」「なるだろう」と思ってほっておいたら、その後も直る気配が全くない。

 観察していていろいろなことが分かったのです。私の場合、仕事(講演など)にアダプター(プロジェクターなどと繋ぐ)が必要で、それがiPhone5ではまだ用意されていないため、今は両方(つまり「4S」「5」)を併用しているため、良く分かるのです。現象は

  1. 「4S」「5」のメールに関わる設定を全く同じにしても、指示すれば「4S」はその都度メールをダウンロードに行くのに、「5」は指示以前からずっと「メールをチェック中...」の状態で少しもメールを取ってくる気配がない
  2. 「5」で全くメールが受発信できないわけではない。それはリブートしたときとか、「設定→一般→リセット→ネットワーク設定をリセット」した直後など。しかしそんなのは時間と手間がかかるし、本来おかしい。その他の大部分の時間帯において「5」はメールの受発信が出来ない
  3. よって「4S」「5」を今併用している私としては、「4S」を主なスマホに使い、「5」はカメラとしてとかテザリングマシンとしてしか使っていない
 というものなのです。しかしメールを使えないということは、iPhone5で写真を撮っても、メールで送れない、送るにしても余計な手間(リブートなど)がかかるという問題がある。

 実はiPhone5は設定を終えた時点から「メール機能が何かおかしい」という印象がしました。メールの取得がぎこちなかったからです。しかしその後分かったのは、「メールをチェック中」が終了しないという問題です。リブートなどの特殊作業直後は除いて。「終了」とは、各メール取得指示について

  1. 太字(ボールド)で表示されるメールのタイトル(まずそれを取りに行く)を取得、表示し終え
  2. その下に細字で表示されるメールの最初の数行(私の場合は2行で設定)が表示され
  3. 最後に画面下の「メールをチェック中」が消えて「更新:2012/10/02 15:07」が表示される
 ことですが、観ているとこの「2」と「3」の作業が「5」では通常の状態において出来ないのです。少なくとも私が持っているiPhone5では。私の「iPhone5」はauですから、au特有の問題なのか、特殊日本的な問題なのかは不明です。後述するがアップルのコミュニティを見ると、softbankの方の中でも同じ問題に直面している方がいらっしゃるようだ。

 今日この文章を書いているのは、「これはショップの担当者じゃ分からないな」「 説明するのも面倒だし」「そのうち銀座にでも」と思っていたのですが、「コミュニティーで話題になっているかも」と思って、「iPhone5 メール受信」で検索をかけて分かった。

 そしたらこのページが出てきた。「やっぱりこんなに多くの人が同じ問題に直面している」と思いました。

 これは致命的でしょう。だって「こうすれば直る」ではスマホの役割を放棄しているのと同じです。私もさっき書いたように「設定→一般→リセット→ネットワーク設定をリセット」をやってみて、その時はokだったが、その後はまた同じ症状になった。

 このアップルのページでは「設定→リセット→すべてのコンテンツと設定を消去」したら直ったとかいろいろ書いてある。しかし私はそんなことをする気はない。だって製品を売った側の問題でしょう。設定を全てやり直すなんて一番面倒な作業です。無償配布のソフトでのパッチを早急に期待します。その間私は「4S」を主に使います。

 それにしても分かったことは、「アップルの製品をもっとも愛でて、使っていたのはやっぱりスティーブ・ジョブスだった」のかもしれない、ということです。iOS6のマップの問題は、最初に新OSを見られ、使える数人の幹部の一人でも実際に自分の目で見て使ってみたら、「これは酷い」と分かる筈です。だとしたら出てこない筈だ。

 iPhone5のメール送受信の困難性に関する問題も、特殊日本的な問題だとしたら別ですが、世界的な問題だとしたら「製品を素早く使える数人の幹部が使えば」直ぐに分かる問題です。

 依然としてアップルの製品は好きです。マックair などは本当に美しい。薄くて。しかし、マップを見て唖然としたし、iPhone5のメール問題は話としては深刻です。一つでやっている人は本当に大変だと思う。素早い対処をお願いしたい。


2012年10月01日(月曜日)

 (19:25)あとでネットで調べたら、「一年に一度あるかないかのこの現象は”赤富士”といわれ大吉運の兆しなのです。この奇跡の光景は神々しさにあふれ、今まさに訪れんとする大吉運を ...」と書いてあったので、皆さんにもお裾分けをします。

 「主に晩夏から初秋にかけて、早朝に富士山が朝日に染まって起こる現象」と説明があって、実はその通りなのです。台風だったのですが、予定通り川浦温泉と河口湖に二泊の泊まり。台風が来た30日の午後から1日の午前中に掛けては河口湖の旅館に居ました。

 午前零時前には嵐も収まって空が月明かりになり、富士山がかすかに見えて、上に雲が少しある状態。「明日は凄い写真が撮れるかも知れない」と思って、実は午前4時過ぎに起きて、毎週月曜日に書いている文章を書きながら夜が明けるのをベランダの椅子で待っていたのです。

 来ました、来ました。台風一過の実に綺麗な空に、午前5時半くらいから富士山がくっきり見え始めて、雲もない。その写真もフェースブックにアップしましたが、それから30分後の多分午前6時03分です。見事に朝日を浴びて、富士山の頂上部分が「赤富士」に。写真を二枚撮りました。

 私にとって初めてじっくり狙った写真ですが、「一年に一度あるかないか」の珍しいものだとは思わなかった。ラッキーです。台風一過は旅行先で迎えるに限る.....。


 ところで今日は10月の最初の日。私が担当していた番組にも若干の変更があります。6年半続いていたアンカーは先週が最後の出演でした。長く続いたので寂しい気もしますが、今までの「火曜日は必ず大阪に居なければならない」という制約が外れたことは嬉しい。

 火曜日は東京でもいろいろな会合(勉強会)や講演の機会がありますから、今後はそれに対応できる。といっても毎週大阪にはコールがあるのでお伺いします。大阪は好きですし、10月は大阪で地球アステクの二日間におよぶロケもあります。

 10月1日からの私のレギュラー番組のスケジュールは、相変わらず忙しい。しかし、楽しい番組ばかりで、今後も出来る限り続ける予定です。



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