2013年12月31日(火曜日)

 (08:25)今年の最終日ですね。人間が勝手に決めた「一年」という区切りの最後の日。つい昔は、もっと違った季節での「一年の終わりの日」はあった。まあでも今における一年の365日目が今日です。

 写真は今年最後に飲んだ日本酒です。調べると新潟の会社が作っている。和食は常に日本酒の冷酒を飲みながらなので、この一年の日本における私の外食のシメとしては、まずまず。

 東京はがらがら。道路、電車。人が集まっているのはデパート周りくらい。昨日伊勢丹に行ったら車が動きませんでした。皆さん年末・年始に必要なものを買っている様子。ナイス。最高の日並びなので、海外に行った人も多いのでは。

 そういう私も今日から外に出ます。今まで行ったことのない場所に。可能だったら向こうからも発信できるかも知れません。でもまあ通信状態が分かりませんから。

 「ゆく年 くる年」。いやちょっと気が早いですよね。でも、皆さんにとって今年が良い年であり、来年も良い年である事を希望します。良い年末・年始を。


2013年12月30日(月曜日)

 (14:25)「メッセの街」から「イオンの街」に顔を変えた.....と思いました。千葉県の幕張です。

 幕張にはずっと以前から行っていました。特に自動車ショーはずっと幕張で行われていたので、番組の取材もあってほぼ毎年。しかし数時間いるだけで、長居したことはなかった。直ぐ帰ってきた。なぜって、他に長くいても面白いような施設はないと思っていましたから。

 しかし今回実質2日間このコンクリートとアスファルトと高層ビルが目に付くビル群の街に居て、「変わった」と思いました。イベントの街からリテールの街になったと思いました。

 その主役はイオンです。幕張の街を歩くと、そこかしこに「イオン」のマークがある。ビルの最上階に二つ、そしてスーパーに、さらにはモールにいくつも。多分以前から存在感はあったのだと思います。

 しかし12月20日イオンモール 幕張新都心が開店して全てが変わったのだと思う。駅の近くに今もあるのに、メッセの近くに巨大な存在としてイオンが出現した。

 とにかくでかい。普通のモールが四つ固まって一つの大きなモールを構成している。敷地面積から全国3位だそうです。モールは「グランド」「ペット」「ファミリー」、そして「アクティブ」です。アクティブだけがちょっとイメージが混濁していて、スポーツ関連と家電の集合。

 施設全体を見ると、何でも揃っていますよ。パチンコなどの遊興施設はないが、およそモールが必要とするものは何でもあるし、中には病院も接骨院もある。全体にゆったり出来ているので「とにかく人が多い」という印象はあまりしないが、実際には凄い人を収容しているのでしょう。開所してあまり時間がたたないから、「見学客」も多いに違いない。

 中を歩きながら「これから小売り施設も変わる」という印象というか、予感を強く感じる。だってネットで何でも買える時代に、「何を訴えるのか」「何をもって来て貰えるのか」というのは小売り施設にとって非常に重要です。

 おそらくそれは、同じ趣味の人との出会い、そこで買ったものを直ぐに使える施設、人間を愉快にする施設などでしょう。体験とか出会いが重要になってくる。そういう意味では幕張の新しいイオンモールはいくつかの実験をしている。

 土地に余裕があるからですが、アクティブ館の周りにはバスケなどのコートがあって、そこで体を動かせるし、売っている器具を体験できる。劇場もあれば、吉本もある。子供が好きな戦隊もののミュージアムもあって、「ネットで一人買い物」を遙かに凌駕する面白さを附加しようとしている。

 まあ今回の施設も「限りなく変化する小売りの現場の一つの例」に過ぎないのでしょう。また来年の末には新しい施設が出来ているに違いない。その意味でも幕張のイオンモールは見ておいて損はない。


2013年12月29日(日曜日)

 (09:25)今朝の日経の第二社会面に「ニューヨーク版ワンルーム 売り出し中」という記事があって、なかなか面白いのですが、実はこの問題、金曜日にこの番組で私も取り上げた問題でした。

 ま”偶然”だとは思うのですが、それだけこの問題が日の目を見始めた、ということでしょう。日本人は戦後、都市住民の住む部屋が小さいのを「ウサギ小屋」と揶揄された時期があった。しかし今ニューヨークのみならず世界中の都市で、従来の感覚からは「とっても小さい」部屋が脚光を浴びている現実がある。

 それは私の考えでは四つの理由からです。

  1. 世界人口の半分が都市に住むことになって、人類が「都市の民」になりつつあること
  2. しかも結婚しない傾向が強まり、「独身者」「単身者」が劇的に増えていること
  3. しかしそれらの人々を収容する場所が世界中の都市には十分ではないこと
  4. 都市の中でも、さらにその中心部(例えばニューヨーク)に住むことを好む傾向が強まっていること
 です。「とっても小さい部屋」の事をニューヨークでは「マイクロ・アパート」「マイクロ・ルーム」というらしい。ニューヨークでは37平米以下の部屋は法律で認められていないらしいのですが、実際には不法に部屋を分割して住んだりと、住民は対策を取ってきた。

 今回は市が作ったアパート(23くらいらしい)なので「例外」ということですが、これはまたアメリカの主要都市、世界中の主要都市が直面している問題でもある。日本でもワンルーム・マンション規制とかあったことが思い出されますが、ニーズ的には世界的に小ぶりで機能的なマンション、アパートが求められている、ということでしょう。

 ま中国の「蟻族」は言ってみれば究極のマイクロアパートに住む人々ということになりますが、考えてみれば中国の人口の「半分は都市に住むようになった」ということで、世界のトレンドそのものだと言うことが出来る。


2013年12月27日(金曜日)

 (09:25)プロ野球関連で二つの悲しいことがあります。一つは豊田泰光さんがずっと日経に書いていたコラムが、今年末で終わってしまったこと。好きだったんですよ、豊田さんのコラムが。

 むろん、面と向かってお話をお聞きしたことも、お会いしたこともありません。多分テレビ局のアナウンサーの結婚式で席が近かったくらい。しかし豊田さんのコラムは、日本のプロ野球界に対する直言あり、経験に基づいた別角度からの解説あり、自分の若い頃の面白い話あり、ともに戦った有名選手の意外な面の披露もあり、本当に読んでいて楽しかった。

 日経を手にすると、「今日のスポーツのコラムは....」と探したもので、豊田さんのコラムを見付けると、「その他の記事を読み終えて、その後に楽しもう」と思って、味わいながら読んだものです。それが、多分お歳なんでしょうね、ネットで「終了」と知りました。とっても残念。

 二つ目はコミッショナーに熊崎勝彦さんが決まり、その最初の言葉が「取り組むべき課題としては、組織体制の整備やガバナンスの強化」と述べたこと。私はずっと、今の日本のプロ野球に必要なのは、「球界をもっと魅力的なものとし、ファン層の裾野を広げ、そしてアメリカの野球と渡り合えるような存在にすること」だと思っていた。

 それが「組織体制の整備やガバナンスの強化」だけでは、縮み思考で何も前向きなことがない。必要な事ですが、それだけでは日本のプロ野球界の未来はないと思うわけです。むろん、最初の記者会見なので「自分が最初に出来ることは」と考えてその二つを並べた可能性はある。

 だから熊崎さんには、「神輿に乗って楽に2年間を乗り切る」という考えではなく、「検察出身の人がこんな事まで出来るんだ」というような営業面の改善策を期待したいと思います。最初の一言は失望でした。


2013年12月26日(木曜日)

 (18:25)安倍首相の靖国参拝が午前11時40分。それから数時間しかたたない中で在日米大使館が以下の声明を出したのは極めて異例だと思う。サイトは日本語がここに、英語がここにある。日本語バージョンは

 日本は大切な同盟国であり、友好国である。しかしながら、日本の指導者が近隣諸国との緊張を悪化させるような行動を取ったことに、米国政府は失望している。

 米国は、日本と近隣諸国が過去からの微妙な問題に対応する建設的な方策を見いだし、関係を改善させ、地域の平和と安定という共通の目標を発展させるための協力を推進することを希望する。

 米国は、首相の過去への反省と日本の平和への決意を再確認する表現に注目する。

 まあ安倍さんは自分の信念を貫いたということでしょう。「どうせ中国や韓国の姿勢は変わらない。だったら...」という訳です。実際のところ、最後に小泉さんが靖国参拝した後の6年ちょっとの間、日本の6人ほどの首相は誰も行かなかった。しかし日本の中国や韓国との関係はちっとも良くならなかった。逆に悪化した。

 しかしアメリカが日本の首相の靖国参拝に「disappointed」と言ったのは、私の記憶では初めてです。小泉さんが行ったときはアメリカはブッシュ・ジュニアが大統領で、結構強い絆があった。今はそれがない。

 今回の米大使館の声明は、最初の部分だけが引用される傾向があるが、「首相の過去への反省と日本の平和への決意を再確認する表現に注目」という一言を追加している。これは、安倍首相が談話の中でも記者に対する発言の中でも、「再び戦争の惨禍で人々が苦しむことがない時代を作るとの誓い、決意を伝えるため....」などと述べたことに take note したのでしょう。しかしニュースとしてはやはり「disappointed」が大きい。

 やはり客観的に見れば、自分の思いだけで行ったのは外交力学的には賢くなかったのではないか、と考える人が多いのではないでしょうか。小泉さんが靖国に行ったときは中国国内で反日の大きなうねりがあった。店が壊されたり。今回はどうだろう。年末で中国も忙しい。

 上海に行ったばかりなので、安倍さんの靖国参拝を聞いてまず思い浮かべたのは、中国で地道に仕事をしている日本や、関連事業を担っている中国の人たちのことです。


2013年12月26日(木曜日)

 (06:25)これは全くの予想なんだけれども、マー君はヤンキースを選ぶような気がするな.....。なぜって、MLBの中ではやはり一番注目度の高い球団だからで、彼の挑戦は「MLBの注目度の高い球団できちんと成績を残す」ということだと思う。そういう意味では、今年の大リーグを制したレッドソックスも候補かも知れないが。

 今回の制度は楽天さんには20億しか入らないが、マー君が球団を選べるという意味では、良い制度です。かつ、私はテレビで見たことしかないが、「ピンチになるほどギアを上げる」(マギー)というのは本当だと思う。

 スプリットと直球の手の振りが同じとか、直球のスピードが150キロを越えるとか、技術的な問題以上に、「うまくなりたいとう探究心」(嶋)が彼の持ち味なんでしょう。それはアメリカでも通じる。

 心配なのは、彼と彼の奥さんの英語力かな。あとは二人にとっての異国で暮らすことの戸惑い。そういいう意味では、日本のコミュニティがしっかりあって、日本と同じ買い物が出来るところが良い。子供も生まれるかも知れないし。となると、ニューヨークかロス、サンフラン。

 まあでも、マー君(結婚の前はゴーコン好きだったらしい)はああいう明るい性格なので、心配ないとして、奥さんが孤独にならないように。それは球団の「奥様会」の力かな。

 彼が抜けるのは楽天にとっても、無論日本の球界にとっても痛い。しかしもう日本の球界でやることをやりつくした彼には、新しいステージが必要。私は応援しますよ。また来年はNHKBSのMLB中継を見る機会が増えるというわけです。(民放はどうするんだろう?)


2013年12月24日(火曜日)

 (13:25)あらら、新幹線の中でニュースをチェックしていたら、『中国PM2・5濃度、針振り切れる「爆表」 基準値の8倍、「灰色クリスマス」』と。なんだ、中国の空気がまだ正常だったのは私が上海にいた17〜19日だけか。

爆表以上。PM2.5が600の時の上海の空気  このニュースによれば、『今月20日以降、中国北部の広い範囲で有害物質を含んだ濃霧が深刻な状況となっている。24日には観光名所である陝西省の西安をはじめ、河北省の石家荘や保定など5都市で微小粒子状物質PM2・5の濃度が上昇。大気汚染の指数(AQI)が上限値の500に達し、針が振り切れる「爆表」と呼ばれる最悪の状態となった。』と。「爆表」ですか。ニュースは以下のように続く。

 華北地方の一部地域では今後、風が強まる26日まで濃霧が続くとの見通しもあり、中国版ツイッター「微博(ウエイボ)」では「今年はホワイト・クリスマスではなく、灰色のクリスマスだ」との声も上がった。

 西安などでのPM2・5の値は、多くの観測地点で大気1立方メートルあたり600マイクログラムを超え、中国政府の基準値(24時間平均で75マイクログラム)の8倍に達した。

 悪化の一途をたどる大気汚染に、中国国内では「神頼み」の動きまで出ている。地元メディアによると、唐代の史跡を復元した西安近郊の大明宮国家遺跡公園では22日、冬至の祭礼を再現したイベントで、「有害濃霧の消散」を祈願する参列者も出たという。

 今私は新幹線の東京行きの左側の窓側に居るので、このニュースを見ながら日本の空を眺めると、まあ綺麗なこと。三連休明けという以上に、本来綺麗なんでしょう。遠くの山並み、その上にある雲までもくっりきと見える。この違いは大きい。もうすぐ富士山が見えてくるので、それを写真にとってアップします。

3連休明けの日本の空は綺麗です。新幹線から  別に嫌味で行っているわけではない。北京や上海のみならず、西安や河北省の石家荘や保定まで深刻な「爆表」だということは、既に中国全土が大気汚染の生じやすい状況になっているということでしょう。これは経済の運営方法そのもののに欠陥があるとも言える。そりゃ、金持ちは地方に逃げる。

 川劇(京劇と似た様式で行われる演劇)の「変臉(へんれん)と呼ばれる瞬時に瞼譜(隈取)を変える技巧のように、瞬時に空の大気を入れ替える技でも編み出せば良いのかも知れませんが、それは無理。

 やはり地道な経済体質の変換が必要。中国の今の政権はやることは一杯ある。それにしても、去年大気汚染を問われて「皆さんも気分が重いでしょうが、私も気が重い。来年までには何とかしたい」と言っていた李克強首相は、とんと中国政治の表舞台に出てこなくなった。完全に習近平派が牛耳る政府になったのか。

 そんなことをしているうちに、自分に直接的に関連する健康問題で、中国の人々の怒りが高まる懸念もあるのに。


2013年12月23日(月曜日)

 (16:25)新幹線の中で、今回の上海短訪に関連して、思ったことなどを書きました。その時に何を考えたのかを残しておくと、今後見直す際に「この時はこんな事を考えていたのか」と参考になる。一番上がその文章です。「3」以降は、これまでに筆者が中国、その周辺を訪れて書いた文章です。時間的に近い方から掲載しておきます。

  1. 「上海、繁栄と危うさ 中国都市経済の象徴 2013年」

  2. 「番外編、中国では指でどうやって数字を数えるか 20xx」

  3. 「新疆ウイグル自治区→サマルカンド、シルクロードの旅 2012→2013年」
  4. 「ロシア、瓦解した帝国、先進国への跛行的な前進 2011年」
  5. 「チベット、栄光と圧政を抱く民族の故郷、そして尖閣 2010年」
  6. 「ブータン、GNHを掲げながら成長を目指す魅惑の国 2009年」
  7. 「モンゴル、草原の風、そして都市の膨張 2007年」
  8. 「インド、爆発中の.... 2005→2006」
  9. 「中国、先進国への長い道 2004年」
  10. 「中国、急成長、引き締め、そして将来への不安 2004年前半」
  11. 「インド、加速する成長、株高、貧困、そしてカオス 2004年」
  12. 「中国、疾走する上海 2002年」
  13. 「中国、重慶、宜昌、そして三峡下り 2001年」
  14. 「中国、中国、大連、青島、煙台 2000年」


2013年12月23日(月曜日)

 (09:25)やっぱし年末はあれやこれや忙しいですわ。放送は撮りだめしなければならないし、月2などの原稿は早めに収めなければならない。今年は上海に行っていたので、ちょっと詰まりました。

 それにしても、この3連休はどこに行っても人出が多かったですね。まあ3連休になったせいで、皆さんまとまった休みが取れたということでしょう。どこに行っても普段の2〜3倍の人出。かつ道も凄く混んでいた。

銀行の連中と 凄く奇麗になった新天地で  今上海を久しぶりに訪問したことに関連して、記事を纏めていますが、それはまとまり次第ネットにもアップします。しかし本当に短い滞在でしたが、面白かった。

 講演を依頼してきた銀行支店の連中とずっと入れ替わり立ち替わりを含めて一緒だったし、その中には上海や北京に住む中国人有力スタッフもいたので、存分に中国の話を聞けたし、私自身も短いながら上海の街を見て歩けた。

 懐かしかったのは新天地かな。もう10年以上前から上海ではもっとも古きと新しきが混ざり合った洒落た街でした。ただただブランドショップが並ぶといった中心部には興味はないが、新天地は「古き上海の町並み」を再現しながら、新しい店を展開している。

 その古い街並みの一角には、中国共産党が第一回会合を開いた建物(綺麗に修復されていますが)があって、写真はその前で撮ったものです。  食事を終えた後10人ほどでジャズの店に入りましたが、そこも満杯。他の店もかなり人が入っている印象。10年以上前に行った時には、「まだ作ってます」という印象だった。今はほぼ完成かな。

 今日は午後大阪です。今年最後の大阪かな。


2013年12月19日(木曜日)

 (14:25)今回は滞在中に気付いたことで「これは上海のデメリット」という点を集中的に書きます。

 まず笑えたこと。上海に住んでいる連中は全員、スマホに「今のPM2.5のレベル」が分かるアプリを入れているのです。そして暇さえあればそれを取り出して、「今は90ですよ」「東京では酷いんでしょうが、ここではましな方です」とか言っている。東京では50に行かないことが多いんじゃないでしょうか。

 一番酷かったのは12月初旬の600越えだったらしい。その時は先日載せたような写真のようになり、ビルの中にまで異臭(焦げたような)が漂ったそうな。私もそれは去年の北京で経験しました。しかしその時はまだPM2.5なんてあまり話題になっていなかった。しかし空港ビルの中でも「臭いな」と思った。

 私が今回上海にいた3日間は超ラッキーなことに2日は雨、1日は強風で上海の人たちには最高の期間だったらしい。「快適ですわ」とスマホで数字を確かめながら、皆嬉しそうだった。しかしそれでもオフィスでも街でもデザインマスクをしている女性は何人かいた。「もういや」という顔をしながら。

 そりゃそうだ。だって見えないもの、そして体には決して良くないものの中で息を吸って生きていくわけだから、「なんとか改善できないか」と思うのは当然です。面白い話を聞きました。オフィス全体でダイキンの空気清浄機能付きマシン(PM2.5対策機能付き)を斡旋販売したところ、ほどんどの社員が買った、というのです。現地に住んでいる人は皆心配なんですよ。

 講演会で質問した人からも聞いたし、先日どこかのテレビも扱っていましたが、中国の都市部の富裕層の中には、雲南などに別荘を買ってそこに移り住む人も増えているとか。そりゃそうだ。中国の主要都市で、今後雨が降り続き、風が強いままに時間が過ぎるということは全く無い。PM2.5はいつでも都市を襲う勢いだ。

 日本の駐在員の方々の赴任にも影響が出ている、と聞きました。当然ながら、奥さんや子供は中国の大都市行きを嫌がる。亭主とともに中国に行くのを。実際にそういう例が出てきているらしい。

 欧米の企業の中には、従業員そのものをPM2.5汚染都市の北京や上海から移すところも出てきているという。無論一番怒っているのは常にそこに居なければならない中国の普通の人たちで、「どうにかせい。政府は何をしている」と思っているのでしょう。その怒りがどこに行くのか。

 PM2.5と並んで面白かったのは(住んでいる人には深刻でしょうが)、「成長ホルモン剤」の話です。そこら中の食材にこれが入っているらしい。成長するものにはほとんど。植物でも動物でも。

 その結果何が起きるかというと、それを間接的に口にする人間も成長が促進されるらしい。従業員の中で上海でしばらく仕事をして東京に帰ったときに検診したら、「以前は180センチだった背丈が、1.6センチ伸びていた」と証言する人が出てきた。

 それよりも恐ろしい話は、日本人駐在員のお子さんの中で「小学校一年生で生理が始まった子が出た」というものだった。要因は複雑なんでしょうが、上海の人は心配していました。まあ私は気にせず何でも食べましたよ。しかし日本では必ず黒いスイカの種が、上海の夕食の後に出たそれの種は真っ白だった。「これはおかしい」と思ったのは確かです。

 まあでも人によるんでしょうね。体内の成長ホルモンが刺激される人と、刺激されない人と。成長剤によって。だって昔から知っているメンバーで「こいつ背が伸びたな....」というのは一人もいなかった。

 次はネット。ようこんな面倒なことをするな....と滞在中ずっと思っていました。中国がしつこくやっているSNSやユーチューブのブロックです。

 PCでは最初から最後まで完全に無理。フェースブックやユーチュブのサイトにそもそもアクセスできない。スマホでは上海到着から6時間くらいはサイトにアクセスできたし写真もアップできた。しかしその後は無理になった。「どういう仕掛けなんだ」と。

 確か去年か一昨年まではスマホでは出来ていたような。中国でもスマホを使ったSNSの利用が増える中で、海外から持ち込まれたモバイル機器’(スマホ、タブレットなど)に関しても監視の目を広めたということでしょう。

 フェエースブックとユーチューブは日常頻繁に使うので、それが使えないのは不便この上ない。景色をアップしたり、ちょっとしたコメントを載せたり、HPの文章を載せるだけなのにブロックしている。ブロックする方も面倒なことだろうに。

 しかし5Sになって中国でもローミングをスマホにかけて、そこからPCをテザリングが幅広く出来るようになったことは、非常に便利だった。WIFIを探さなくても最低限のメールの取得などはテザリングで処理できたし、文章ファイル送付などはどこからでもPCにiPhone 5Sをつないで出来るので良い。

 しかし上海のような大都市でもLTEが日本人の我々の機器が普通に使えるようには普及していない(WiMAXの方式らしい)ので、3Gを使い続けたのですが、これは不便でしたね。おまけに全体的に上海全域でWIFIも遅い。講演で使っているに、サイトが出てこなくて冷や汗をかきました。


2013年12月19日(木曜日)

 (04:25)QE3の規模縮小問題を討議する今回のFOMCに関しての筆者の意見は、「小幅な縮小にとどめながらも、着手だけはしておいた方が良い」というものでしたが、決まったのはまさにその考え方に基づく「月額850億ドルから750億ドルへの減額」というものでした。

 中味は今まで月額400億ドルだった公社(agency)発行住宅ローン担保証券の買い入れを月額350億ドルとし、今まで450億ドルだった財務省証券の買い入れ額を400億ドルに減らす、というもの。合計は月額750億ドルとなる。

 理由は、「the cumulative progress toward maximum employment and the improvement in the outlook for labor market conditions」、つまり最大限の雇用に向けての累積的な前進(最近の米労働市場の率、雇用数から見た改善を指す)と今後の労働市場環境の改善見通し」、もっと言えば「労働市場環境が良くなったし、それは今後も期待できる」という米経済への信頼感を挙げている。

 声明には、「The Committee sees the risks to the outlook for the economy and the labor market as having become more nearly balanced」という文章も見える。つまり「米経済見通しと労働市場に関わる諸リスクが、よりほぼ均衡したこと」。分かり易く言えば、「QE3を現状のまま続けることの米経済へのリスク(将来のインフレなど)と、労働市場の抱えるリスク(減額して率が再び上昇するなどの)が今までよりはより均衡点に接近したこと」。もっともっと言えば、「米経済のバランスは、さらに良くなったので」と読める。

 私がこの文章のこの部分を書いている時点でのニューヨーク株式市場などのマーケットの反応は「熱烈歓迎」です。ダウ工業株30種平均などは前日比200ドル近い上げとなっている。発表前は前日変わらずであって、発表直後には一時小幅マイナスだったものの、その後急騰した。その他の株価指標も強く、外国為替市場ではドル・円が103円67銭まで上昇して、その後もドルが強い。ただしこれはあくまで途中経過ですが、マーケットの反応には十分な理由がある

 それは私が「望ましい」と思った通り、QE3縮小後の金融政策運営、さらにはフォワード・ガイダンスが極めて思慮に富んだ、米経済の今後の行方とマーケットの反応に配慮したものだったからです。

 問題は、私が今週初めのレポートで書いたとおり「説明能力」でしたが、FOMCは「(月間100億ドル減楽した)その後」についても実に丁寧に書いている。バーナンキのFOMC後の記者会見を待たずともマーケットが妙な解釈をしないように配慮された声明だ。声明はこう述べる。

  1. 減額したが、まだ月間750億ドルという大規模な債券購入は続けて、その結果FRBが保有する債券の量は増え続けて、それは米金利にとっての下方圧力になるだろうし、元本支払いの再投資なども継続する(reinvesting principal payments from its holdings of agency debt and agency mortgage-backed securities in agency mortgage-backed securities and of rolling over maturing Treasury securities at auction.)

  2. 今の債券購入計画に関してはあらかじめ設定したスケジュールがあるわけではなく(asset purchases are not on a preset course 潜在的には再増額を含めてと言う意味だと思う)、今後さらに減額するとしても今後のFOMC会合の際に、一段と慎重に、雇用の更なる状況状況などの環境を見計らって行う(the Committee will likely reduce the pace of asset purchases in further measured steps at future meetings FOMC会合の場以外で突然減額するような乱暴なやり方はしない、という意味だと思う)

  3. ゼロ金利(FF金利で0.0〜0.25%での保持)の解除に関するフォワード・ガイダンスに関しては「失業率6.5%」という数字を依然として残すが、それは「最低限」という意味であり、失業率がそれ以上だと超緩和策(政策金利面の)を続けることが妥当だと思うし、それを下回っても例えばインフレ率が目標(2%)のさらに0.5%上にならないケースや、長期的インフレ期待が上放れない限りは続ける可能性がある

  4. ゼロ金利政策解除に当たっては、その他のインフーメーション、具体的にはadditional measures of labor market conditions, indicators of inflation pressures and inflation expectations, and readings on financial developmentsなど数多くの要因に配慮して決める(つまり労働市場の質的側面や期待インフレ率指標、それに株式市場の状況など金融市場情勢など全てを勘案して慎重に、という意味に読める)
 なにせ今回のFOMC声明には、「appropriate」という長ったらしい単語が私が検索をかけた範囲で5回も出てくる。「適切に、妥当に」ということを繰り返していると言うことは、「今後のQE3の縮小ペースもそうだが、その後かなり時間を置いて行われるゼロ金利政策の解除も慎重に、慎重に行う」と言っているわけだ。

 あーあ、こうして文章を書いている間にもニューヨークの株価は上げ続けて、今はダウが250ドル近く上昇。ドルは104円に接近。「FRBがそれだけ慎重に緩和の解除を進めるというなら、何も心配することはない。米経済は強くなっているのだから」という判断でしょう。

 今回のQE3減額に関しては、当然ながら反対者が出た。しかし一人だけだ。マーケットの6割方の人が「来年かな」と見ていたことは、流れを読んでいなかったということになる。反対者は、反対者としては新顔(当たり前だが)のEric S. Rosengrenで、彼の反対理由は「 with the unemployment rate still elevated and the inflation rate well below the target, changes in the purchase program are premature until incoming data more clearly indicate that economic growth is likely to be sustained above its potential rate.」というもの。

 まあそんなところでしょう。私ははこれから上海を早朝に発つために空港に向かわなければならないので(乱文乱筆 失礼)、バーナンキの会見内容は東京に着いてから読みますが、マーケットの反応から見ても「FRBのQE3小幅解除はまずは成功」と見て取れると思う。

 声明の全文は以下の通りですが、「appropriate」という長い単語が5回も出てくることもあって(笑)、今回のFOMC声明は非常に長い。政策変更を丁寧に説明したと言うことでしょうが、もしかしたら歴代のFOMC声明の中でも最も長い声明の一つに入ると思う。

Release Date: December 18, 2013

For immediate release

Information received since the Federal Open Market Committee met in October indicates that economic activity is expanding at a moderate pace. Labor market conditions have shown further improvement; the unemployment rate has declined but remains elevated. Household spending and business fixed investment advanced, while the recovery in the housing sector slowed somewhat in recent months. Fiscal policy is restraining economic growth, although the extent of restraint may be diminishing. Inflation has been running below the Committee's longer-run objective, but longer-term inflation expectations have remained stable.

Consistent with its statutory mandate, the Committee seeks to foster maximum employment and price stability. The Committee expects that, with appropriate policy accommodation, economic growth will pick up from its recent pace and the unemployment rate will gradually decline toward levels the Committee judges consistent with its dual mandate. The Committee sees the risks to the outlook for the economy and the labor market as having become more nearly balanced. The Committee recognizes that inflation persistently below its 2 percent objective could pose risks to economic performance, and it is monitoring inflation developments carefully for evidence that inflation will move back toward its objective over the medium term.

Taking into account the extent of federal fiscal retrenchment since the inception of its current asset purchase program, the Committee sees the improvement in economic activity and labor market conditions over that period as consistent with growing underlying strength in the broader economy. In light of the cumulative progress toward maximum employment and the improvement in the outlook for labor market conditions, the Committee decided to modestly reduce the pace of its asset purchases. Beginning in January, the Committee will add to its holdings of agency mortgage-backed securities at a pace of $35 billion per month rather than $40 billion per month, and will add to its holdings of longer-term Treasury securities at a pace of $40 billion per month rather than $45 billion per month. The Committee is maintaining its existing policy of reinvesting principal payments from its holdings of agency debt and agency mortgage-backed securities in agency mortgage-backed securities and of rolling over maturing Treasury securities at auction. The Committee's sizable and still-increasing holdings of longer-term securities should maintain downward pressure on longer-term interest rates, support mortgage markets, and help to make broader financial conditions more accommodative, which in turn should promote a stronger economic recovery and help to ensure that inflation, over time, is at the rate most consistent with the Committee's dual mandate.

The Committee will closely monitor incoming information on economic and financial developments in coming months and will continue its purchases of Treasury and agency mortgage-backed securities, and employ its other policy tools as appropriate, until the outlook for the labor market has improved substantially in a context of price stability. If incoming information broadly supports the Committee's expectation of ongoing improvement in labor market conditions and inflation moving back toward its longer-run objective, the Committee will likely reduce the pace of asset purchases in further measured steps at future meetings. However, asset purchases are not on a preset course, and the Committee's decisions about their pace will remain contingent on the Committee's outlook for the labor market and inflation as well as its assessment of the likely efficacy and costs of such purchases.

To support continued progress toward maximum employment and price stability, the Committee today reaffirmed its view that a highly accommodative stance of monetary policy will remain appropriate for a considerable time after the asset purchase program ends and the economic recovery strengthens. The Committee also reaffirmed its expectation that the current exceptionally low target range for the federal funds rate of 0 to 1/4 percent will be appropriate at least as long as the unemployment rate remains above 6-1/2 percent, inflation between one and two years ahead is projected to be no more than a half percentage point above the Committee's 2 percent longer-run goal, and longer-term inflation expectations continue to be well anchored. In determining how long to maintain a highly accommodative stance of monetary policy, the Committee will also consider other information, including additional measures of labor market conditions, indicators of inflation pressures and inflation expectations, and readings on financial developments. The Committee now anticipates, based on its assessment of these factors, that it likely will be appropriate to maintain the current target range for the federal funds rate well past the time that the unemployment rate declines below 6-1/2 percent, especially if projected inflation continues to run below the Committee's 2 percent longer-run goal. When the Committee decides to begin to remove policy accommodation, it will take a balanced approach consistent with its longer-run goals of maximum employment and inflation of 2 percent.

Voting for the FOMC monetary policy action were: Ben S. Bernanke, Chairman; William C. Dudley, Vice Chairman; James Bullard; Charles L. Evans; Esther L. George; Jerome H. Powell; Jeremy C. Stein; Daniel K. Tarullo; and Janet L. Yellen. Voting against the action was Eric S. Rosengren, who believes that, with the unemployment rate still elevated and the inflation rate well below the target, changes in the purchase program are premature until incoming data more clearly indicate that economic growth is likely to be sustained above its potential rate.


2013年12月18日(水曜日)

 (06:25)なんでカンパリソーダのような簡単な飲み物がちっとも美味しくならないのかな......と夕べは考えて居ました。食事を上海にいながら四川のお店で食べた後、外灘(ワイタン)に移動して両方(右にプートン)が見える洒落たお店に移った後の事です。

 このコーナーでは既にお伝えしてありますが、私は世界のどこに行っても「カンパリソーダ・チェック」というのをする。特に上海ではずっとやっている。文化大革命の時に一端中国のそれまでの文化・味覚は一端途絶えたと私は考えて居るので、その後どう回復しているのかをチェックしているのです。上海では特に。何せ中国を代表する、アジアで今一番勢いのある街ですから。

 最初は「それってなんですか」だった。80年代の半ばかな。そのものを知らなかったのです。その段階から「頼めば出てくる」ところまで来た。昨日は、「別々に」と言ったらそれも分かってもらえた。しかしカンパリはもうそれしかないのですが、ソーダ水がコップで出てきた。

 これがいやな感じの始まり。ゆっくりカンパリの中に落として飲んだらうまくない。あのぱりっとした感じがないのです。日本やその他の国だと、普通はソーダ水は小さめのボトルで来る。それが納得性を高める。「どこのやつだ」と思って。

 しかし昨日出てきたソーダ水は「どこの馬の骨だか分からなかった」。それが原因かな。そういう意味では上海のカクテルの味覚はまだまだのような気がする。一カ所で調べただけですが。

 昨日楽しかったのは、四川のお店(上海に居ながら)で見た「川劇」(せんげき)です。川劇は資料によると「京劇と似た様式で行われる演劇」であるが、「変臉(へんれん)と呼ばれる、瞬時に瞼譜(隈取)を変える技巧で有名」とありますが、本当に凄い。面相はこんな感じですが、その替え方が素早いのなんのって。何回もやるのですが、全く分からない。「中国では第1級国家秘密として守られている」と。本当かな。

 動画も撮りましたが、それは日本に帰ってからアップです。なにせここでは使えないので。写真は日本時間より1時間遅れの上海の朝。真正面にあるのはユニクロの店です。


2013年12月17日(火曜日)

 (22:25)初めて関空から上海に飛びましたが、所用時間は2時間45分。近い。新幹線の新大阪と東京の間の所要時間に10分足せば良い。中国には最近はほぼ毎年来ているので「中国という国」には久しぶりの感じはしないが、上海というと調べたら2004年が最後。そういう意味では久しぶり。

PM2.5が600の時の上海の空気  でも到着したのは、とってもとっても良い日でした。雨。珍しい二日連続の雨らしいのですが、その結果とも思えますが、午後6時過ぎの上海のPM2.5がわずか65になった。当地住まいの日本人は皆、スマホを見ながら「うっそー」とか言っている。だってそうでしょう、日本でもニュースになったがPM2.5が600とかいう最悪事態が数日前にあったのですから。

 で、何が違ったかというと景色。まず左側の縦長ですが、これはまさにその600の時に同僚が撮った写真。凄いでしょう。多分50階のオフィスから撮ったのですが、地上がかすんでいて、少し先はもう見えない。

 ところがどうでしょう。65という正常値(上海では希なようですが)になると、17日の夜9時過ぎの外灘(ワイタン)から見た雨のプートンは実に綺麗です。まずいカンパリソーダを飲みながら皆で、「この景色はいける」と論評していました。

 まだ到着して少ししかたっていないが、私が最後に来たときより上海は車が増えて、その車は皆奇麗になった。そして、運転も一時よりはおとなしくなった。中国人も皆歳を取ってきたから....。知りません。でもいろいろ気づくことがある。また書きますが、まずは同じ上海でも二つの顔があることを堪能下さい。


2013年12月17日(火曜日)

 (08:25)私の記憶が正しければ、石原さんが猪瀬さんを都政に招き入れたときの決め文句は、「こんな博覧強記の人間はいない」だったと思った。「博覧強記」とは「広く物事を見知って、よく覚えていること」を指す

 どうも昨日も午後1時から始まり、休憩を挟んで午後11時前まで続いた総務委員会の集中審議でも、従来同様その「強記」ぶりが発揮できなかったようで、「記憶にない」などが決まり文句だったようで。代わりに、「妻が」「鈴木が」とおっしゃっていた。

 今の状態では2020年のオリンピックで東京のトップとしてのリーダーシップの発揮は難しいでしょう。むしろ猪瀬さんがいるから物事が進まない、ということになりかねない。疑惑にきちんと対応するか、自らの今後について決断を下さないといけないのではないでしょうか。

 ところで、「将来はそんなこともあるのかな」と思ったのは、カナダでの郵便の個別配達取りやめ方針でしょうか。無論直ちにではない。「来年後半から5年間で順次」ということになっている。しかしちょっと衝撃的。

 同国で郵便事業を担う郵便公社は、「電子メールなどの普及によって手紙やはがきの配達数が減少し、厳しい経営が続いている」ことを理由に挙げている。カナダでは、電子メールやインターネットによる決済の普及によって手紙やはがきの配達数が7年前と比べておよそ20%減少しているという。この事情は日本でもあまり変わらないでしょう。(年賀状があるから別 ?)

 ニュースによると、カナダの郵便公社は「このままでは2020年まで毎年10億カナダドル(日本円で960億円余り)の赤字が出る」として、来年後半から5年間で手紙やはがき、小包の戸別の配達を順次やめる」としている。

 ではどうするのか。郵便や小包は。それに関しては、「すでに都市部を除く3分の2の世帯を対象に鍵のついた郵便箱を地域ごとに設置し、住民が郵便箱に郵便物を取りに行く仕組み」をとっており、「今後は都市部でも、この仕組みが導入されることになる」という。でも間違って持って行く人はいないのだろうか。ちょっと心配。

 無論狙いはスリム化。今回の措置で最大で8000人従業員を減らすほか、来年3月末から郵便料金を引き上げるなどして経営の健全化を目指すとしている。日本も確か郵便事業は大赤字。今後どうなるのか。

 郵便についてはアメリカの郵政公社も同様の理由で、小包を除いて土曜日の戸別の配達をやめる方針を示している。通信手段の変化がもたらす郵便事業への影響は大きい。逆に言えば、郵便で届くものに対する「貴重品感」は増すことになる。


2013年12月16日(月曜日)

 (20:25)大阪に着いてテレビを付けたらNHKで「にっぽん紀行」として「なにわのコイの物語〜大阪・旧淀川〜」という番組が始まって、「あれこの辺の話しだ」と思って見ていたら、まさにそうでした。

 なんだかんだ大阪にいるときは、毛馬とか大阪城の周りを時間を見付けて回っているので、まさにその場所が舞台だった。番組のHPにもあるのですが、「大阪の中心を流れる旧淀川(大川というのが一般的な大阪の人たちの呼び名)は1m超えの巨大ゴイが釣れる日本屈指の場」なんて知らなかった。

 番組も良かったですよ。「日本一のコイ釣りを目指し、年齢も立場も違う人々が腕を競い、語り合う川べりのロマンと人間模様を描く」とあるのですが、娘との会話が出来なくなった親子が釣りをきっかけに会話を始める話しとか、苦境の業界新聞を率いている中でも、釣り繋がりで師匠につらなって1mもの大物釣りを目指す社長の話とか。

 自分が毎週訪れている場所の直ぐ近くでそんな人生模様が展開しているとは。今度はちょっと違う目でこの辺を見たり、特に釣り人を見ようかな、と。いえ、私は今までも釣り人の存在は知っていましたよ。でも今まで見た釣り人は何も釣っていなかった。8時間に一匹じゃチャンスは少なかったんでしょう。ははは。

 ところで良い本を紹介します。「問答有用」(岩波書店)という本です。中国ね。今はいい感じがしないですよね。遅れてきた帝国主義国家(私の印象)。今頃になって国力の増大をあちこちで顕示し、振り回す。感じの良くない国です。

 しかし彼の国にも「話しの分かる」「理が分かり、理が通じる人々が居る」というのがこの本の要です。「もっと違う声が中国にはある」(副タイトル)というのも重要なメッセージだと思う。

 読み進むと「今の中国で、こんなことを言って大丈夫かな」というほど過激(中国共産党にとって)な内容を含みます。これは吉岡さんの聴き方がうまいのだと思うが、しかし「大丈夫、大丈夫。私はこうして部屋の中で意見を述べているだけ。街角で横断幕を掲げて群衆を動員していない」(マオユイシーさん)からだそうで、その他にも手をたたきたくなるような発言が続きます。

 むろん重要なのは、今の中国で政権を取っているのはこの本が扱っているような19人の賢人ではなく、共産党だと言うことです。しかし中国の中にこれほど多様な意見があって、それを開示することを躊躇しない人々がいる、ということには勇気づけられる。

 反感ばかりが募る最近の中国ですが、「また別の顔」を見ることが出来る良い本です。推薦します。非常に頭がまとまる。


2013年12月14日(土曜日)

 (10:25)昨日の夜の街の人出は凄かったな。といっても赤坂しか見てありませんが、考えてみれば「忘年会的」に集まって楽しめる金曜日は昨日と次の20日くらいですかね。27日になるとちょっと年末・年始が接近しすぎる。

 驚いたのは、人出が多いという以上に、お店が一杯だったこと。昨日の私の忘年会はこの番組のものでしたが、一次会はまだしも二次会は会場を確保するのに苦労したと聞きました。

 私は久しぶりだから「麻雀でも」と思って一次会後に面子を募り、過去によく使っていた店を含めて複数雀荘を見たのですが、全部一杯。「復権か」と思いましたが、雀荘そのものの数が減っていますから、お客さんが残った限られた店に集まっただけでしょう。

 やっと空いている一つの店を見つけましたが、久しぶりの上にちょい酔い状態だったので4人とも気づかずに時計周りで最初回してしまうなどメチャメチャ。ははは。皆で大笑いでした。

 スタンバイは今の日本のラジオ番組の中では聴取率などを含めて非常にいいですよ。平日ずっと森本さんと遠藤さんが長年やっておられる。毎回「凄いな」と思っているのです。体力・知力。そして話術。

 私はこの10数年間、金曜日の出番ですが、昨日は7時からの放送(私の出番)の直前の6時59分に「張成沢氏が12日に軍事裁判・即処刑」の速報が入ってきて、ぐっと緊張感が高まって良かった。

 事前に用意したメニューではなく、こうした突発ニュースが入ってくるときがニュース番組の醍醐味で、昨日はやっていて面白かった。自分の知識を総動員して聞いておられる方に何を伝えるかを同時進行的に考えるのが楽しい。

 それにしても、年内の金曜日はあと2日しかない。年末ですね。来週はちょこっと上海にお邪魔します。


2013年12月13日(金曜日)

 (13:25)5年2ヶ月ぶりのドル高・円安相場ですか。今年これまでの対ドル円安値103円74銭(5月22日)を越えて円安になったため。これを書いている時点での今日これまでの円安値は103円88銭。

 ほんの少し、北朝鮮の金正恩政権による張成沢(チャンソンテク)氏処刑は円安に寄与しているかも知れない。当面の北朝鮮の動きはやはり気になりますから。しかし実際には、

  1. 日本の対外収支の貿易部門を中心とした赤字基調
  2. 心理的にはQR3の縮小観測も寄与しているアメリカの金利上昇基調(基本はアメリカ経済の拡大ペース強化)
  3. 日本の新たな金融緩和の可能性
 が背景でしょう。それほど足早には進まないと思うが、円安は今後も続く可能性がある。ただし対象通貨を選んでの円安進行になると思う。オーストラリアなどは最近は一貫して「自国通貨が強すぎる」と主張している。こうした通貨に対する円安の進行はスムーズには進まない。

 それにしても、午前7時ごろに「張成沢氏が12日に軍事裁判・即処刑された」と通信社の第一報を聞いたとき、「あり得ない国だ」と思いました。なによりもその残忍性が顕著だ。朝鮮半島は「儒教の国」だと聞いていてが、その片鱗もない。

 つい最近までナンバーツーで、かつ血は繋がっていないが叔父である人を、「裁判→即処刑」という処置。再び処刑場に向かっていると思われる叔父の惨めな写真を国内メディアで公表し、しかも報道によればかなり惨い殺し方をしたようだ。この記事を読めば、金正恩体制の残忍性は明らかだ。

 北朝鮮の発表によれば、張氏は裁判でクーデターを画策する「国家転覆陰謀行為」を認めたとされる。しかし処刑の本当に理由を示しているとはとても思えない。役職を奪ったときの理由はもっと軽いものだった。

 「国家転覆陰謀」であるにしても、「何をどういう手段で」が全く不明。中国でさえ半分やらせにしても薄熙来の裁判をあれだけ公開して、国民の理解を得ようとしているのに。これは放送でも言ったのですが、一見「金正恩独裁体制の強化」が完成したように見える。しかし世界の他の国の例を見れば、独裁がいかに脆弱であるかは明確だ。

 かつ今回の処刑・粛正によってこれまで体制を支えてきたかなりの部分の人がいなくなるはずだ。中国も今回の動きを疑心暗鬼の気持ちで見ているだろう。盤石になったのではなく、少なくとも当面は「(北朝鮮の体制は)不安定になった」と考えるのが妥当だと思う。


2013年12月12日(木曜日)

 (10:25)「これって”わたり”?」と思いました。先の衆議院議員選挙で比例維新で当選した東国原衆議院議員の離党・議員辞職の動きを聞いて。

 だってそうでしょう。「宮崎をどげんかせんといかん」と言って知事になったものの任期途中で辞職。東京都の知事選に出て落ちたと思ったら、今度は維新に擦り寄って比例に出て当選。と思ったら一年もたたないのに離党・辞職。直ぐ私の頭に浮かんだのは、「次の東京都知事選を狙っているのでは....」という予感。

 一回職責を負ったら、やはり任期は一回はこなすべきでしょう。それを二回も民意を受けながら途中放棄。その度に歳費と退職金をもらっている。その昔退職した高級官僚が関連団体を渡り歩いて退職金を何回も取ったことを「わたり」と言ったが、それに似ている。

 選ぶ方も選ぶ方だが、簡単に辞める方も辞める方だ。しかし選挙民もそろそろ堪忍袋の緒を切らすと思う。そうでなければおかしい。むろん東国原氏は東京都知事選への出馬を明言はしてない。しかしこれからまたお笑いの世界....はないでしょう。

 としたら、またまた何か政界(中途半端に入っているだけだが)で狙っていると思うのが自然。猪瀬都知事が追い込まれている状況の中で、「早めに辞めて....準備.....」と考えたのだと思う。そこまではなかなか先を見る目があるが、軽視しているのは選挙民の目ではないか。

 少なくとも都民である私は絶対に彼が出ても投票しない。次の東京都知事は2020年のオリンピックを主導する。そんな重要な役割を担う人に途中退席癖があるのは許せない。彼が「お笑い」出身だからではない。なんでも中途半端なのが危険だと思うからだ。


2013年12月11日(水曜日)

 (16:25)「朝食ブーム」は言われて久しく、それは東京駅八重洲口のグランルーフの地下に「朝食街」が出来たことでも示されているのですが、最近「なぜなの」と思って気が向いた時にいろいろ行って見て、当然食べているのです。

 いろいろ説はある。昼と夜に限界を感じた業界が朝に仕掛けているとか、日本人が最近数年間毎年「やや早く起きるようになっている」(分単位ですが)とか、若者の夜の酒席離れ.....など。

 どれが一番大きな原因かと言われても、それは難しい。二番目の要因は私自身が朝運動するようになって実際に起きていることなので納得性が高いし、昔ほど夜の酒席は多くなくなった。それは確かだ。しかしそれだけだろうか、という気はしている。結局は複合要因のなせる技だと思う。

 私が最近思うのは、「おいしいブランチには興味があるな」ということ。特に土日において朝運動して風呂に入り、そしておなかが空くのがその時間、ということが多いためで、「結構そういう人は多いのかな」とも思う。

 そういう時に食べたいのは、パンケーキとかフレンチトーストなどでしょうか。甘いから。それにサラダとクラムチャウダーなど。パンケーキやフレンチトーストは昔からあるのに、最近はブームのようで、表参道には「行列の出来る.....」が結構ある。

 無論全部には行ってないが、そのいくつかには行ってトライした。言えることは、「そこにはシンプルな美味しさがある」ということだと思う。朝食なのでそれほどこったものは無い。こちらも食べたくない。

 しかし昔とはちょっとした焼き方の違いやトッピングの差がそれらを目新しくしているように思う。店によってそれぞれが違い、いずれも楽しめる。最近はパンケーキやフレンチトーストを食べ比べするのが一つの趣味になった。

 思うのは、和食が世界無形遺産に指定されて「和食は世界に羽ばたいている」と思いがちだが、それはそうとして私の印象では「海外の店がどしどし日本に来ている」と。

 今七里ヶ浜、お台場などで大人気のbill'sは、もともとはシドニーの店だ。その七里ヶ浜の店には一年前くらいに行ったが、あんな場所にあるのにわんさと人が来ていてびっくりした。卵料理はあまり好きではないので、リコッタパンケーキを食べたがおいしかった。

 アークヒルズにあるBubby'Sはもともとというか、そのものアメリカのニューヨーク生まれの店で、結構日本人客も来ている。昼から夜を狙ってくるアングロ・サクソン系の店は日本では苦戦しているケースが多いが、朝食では成功している。多分朝食は「シンプル系」が主流なので、アングロ・サクソン系も頑張れるのだと思う。シロップやハニーが甘くて良い、とか。

 「朝食ブーム」といっても、実際のレストランとなるといろいろある。「ローダーデール」のように実際にホテルでもないのに朝7時から開店し、早い時間には普段は4枚一組のパンケーキを一枚から焼いてくれるところもあれば、「ワールド・ブレックファスト・オールデイ」のように「ブレックファスト」が店名に入っているにもかかわらず、実際には朝は営業していない店もある。しかしこの店は、一日中世界の朝食を出してくれる。

 パンケーキに絞れば、表参道には人気のある店が次々に出来ている。行列組だ。しかしその行列に並んでも食べようとは思わない。フレンチトーストも好きだが、皆がうまいというオークラのやつは柔らかすぎて私にはダメ。今好きなのはキャピタル東急のオリガミのそれかな。

 それとの関連で一つ思うことがある。それは、疲れた印象の朝食が出来る店はあっても街の印象を上げることにはならないが、気持ちの良い、活気のある、おいしい朝食も出来る店がある街は魅力的だ、ということだ。

 そういう意味で、六本木に、外れではあるが「ローダーデール」が出来たのは、街の格上げに繋がると思う。ここのパンケーキも外側がちょっとかりかりしている。そこが良い。


2013年12月10日(火曜日)

 (23:25)なんで突然そんなことを思うのか、と自分でも思うのですが、やはり世界で一番成熟した世界的スポーツはサッカーですかね。日本がブラジル・ワールドカップで対戦するC組のコロンビア代表のグアリン選手がインテルで長友と一緒で、「日本とコロンビアの同一グループが決まった瞬間に彼から電話がかかってきた」と長友がテレビで語っていた。それを聞いた瞬間にそう思ったのです。

 世界中にクラブチームがあって、そこに世界中から来た選手が仲間として戦い、そして国別の例えばワールドカップになるとそれぞれの選手が国旗をかけて今度は敵・味方で戦うというシステム。よく出来ていますよね。

 クラブチームという仕組みと、それが世界中に数え切れないほどあるという現実が何よりも重いし、それがこの競技に深みを与えていると思う。何よりも用具もあまり必要でなく、世界中でプレーされているという前提がある。その上で世界中にリーグ、例えばブンデスリーグとかプレミアとかJリーグがあって、それぞれに世界中の選手が参加しているというのが良い。

 それが「長友とグアリン」のようにクラブチームは一緒だが、ワールドカップでは対戦相手というような重層的な選手間の関係に繋がる。野球もそういう面はあるが、何せワールド・ベースボール・クラシックが真剣さを欠く。アメリカがMLB重視で、いってみれば余計モノの位置づけ。

 サッカーにキャッチアップできるスポーツがこれから出てくるかというと、まあないんでしょうね。当面は。第一に世界中で盛んに行われているスポーツがそれほどあるわけではない。

 日本ももうちょっとサッカーに対する熱が高まると良いと思う。それには日本のクラブが選手を出すのも良いが、世界的な選手を呼べるようなクラブになることだと思う。経済的にはその力があるとも思うのですが。

 とにかく日本のスポーツの裾野が広くないので、この時期のスポーツ紙の面白くないこと。今朝番組があったので、一応スポーツ紙全紙に目を通しながら、「なんてニュースのない、面白くない新聞なんだ」と思った。これらの新聞が頼る野球でニュースと言えば、カノーのマリナーズ移籍くらい。

 野球もそうだが、日本で問題なのはスポーツチームの「経営」ですかね。もっとやりようがあると思うが。野球も今のままでは、いや今でもそうかも知れないが、MLBの下部組織のようになってしまう。なんかしないとね。


2013年12月09日(月曜日)

 (20:25)共同通信の世論調査で安倍内閣支持率が11月調査時点に比べて10.3ポイントの急落ですか。まあそうなんでしょうね。福島で公聴会をやった翌日に強行採決では、納得出来る人は少ない。

 10ポイント強の下落で47.6%らしい。「50%を割ったのは昨年12月の第2次安倍内閣発足以来初めて」と。諸外国との関係で国家にも秘密はある、と思っている人でも、今回の安倍政権の強引さにはついていけないという人が多いに違いない。発足以来「おごらず」の姿勢を続けていてそれは評価できたのに、にもったいないことだ。

 それにしても、毎年のように12月になると新しい政党が出来る。政党助成金の支給基準が1月だからだろうか。しかも今回発足する江田新党はほとんどが比例代表で選ばれた人たち。つまり「みんな」で当選している。

 比例で当選しているわけだから、「みんな」と書いて投票した人の気持ちはどうなるのか。中には「渡辺さんが率いているから」という人もいたに違いない。しかし10数人の議員は比例で当選しながら、「みんなは限界」と言っている。

 「一強多弱の打破」がスローガンだったはずが、「弱」がさらに多党化した。「再編」というが、それぞれ今の小政党を率いている人は個性が強い。維新にしても実質的には二つに割れている。

 様々な問題に対する様々な立場が存在する現代では、今の自民党のような政党はなかなか作れないと思う。良い悪いの問題は別にして、自民党には長年培った組織と、組織体としての最後のまとまりがある。

 それを個性で引っ張る人の政党が作り上げるのはなかなか難しい。恐らく圧倒的な人気者が短時間で作る方が可能性がある。しかし今は国民全体にあまねく人気のある政治家はいない。しかも危険だ。ということは集合離散が繰り返される、ということだ。

 北朝鮮のチャン・ソンテクの失脚にはあまり興味はない。北朝鮮の発表文をそのまま信じる人はいないでしょう。弱かろうと強かろうと権力は今は金正恩が握っている。重要なのは彼に暴走を許さないことだと思う。

 近隣で行ったことのない国は北朝鮮しかないので、行きたい気持ちはある。しかし突然旅行者のアメリカ人を拘束したり、とても行く気がしない。行ってもわくわくはしないだろう。使用前使用後の違いを見たいだけだ。

 それにしても人間社会は場合によって「とてもありえない」体制でも長続きするものだと思う。「権力の仕掛け」が人々を動けなくしているのだろうが、だからといって永遠に続くとは思えない。2000万人弱の人口だが、早くもっと違った体制に移ってもらいたいものだ。


2013年12月08日(日曜日)

 (11:25)今朝の日経の一面の記事を見て、品目によってはもっと割合が高いものがあるんじゃないかな、と思いました。

 ニュースのコアは「買い物をする場が実店舗からインターネット上に広く移りつつある。書籍と家電製品は2013年度に販売総額に占めるネット経由の割合が1割を超える見通し。いつでもどこでも買えるスマートフォン(スマホ)の普及がネット販売を押し上げている」というもの。

 私の実感ベースで見ると、例えば水とかは全てネットでの購入と配達に頼っている人が多い。重いですから。私のところもそうですが、多くの方もそうでしょう。「本」「家電」という大きなカテゴリーを取り上げる必要があったのかも知れないが、実際には「ネットの浸透」はもっと進んでいると思う。

 これは善し悪しの問題ではなく、利便性と快適さの関数です。私は実は実際の店を見て歩くのが非常に好きです。最近も丸の内中央通り、新丸ビルの商店街、それに大阪の心斎橋をゆっくりと眺めながら歩いた。楽しいです。

 しかし店を見るとの「そこで買うかどうか」はかなりリンクはしているが、完全一体ではない。店に良いモノがあったらそのまま買うのが私の流儀だが、色とかサイズ合わずというケースはある。そこでネットに頼る人は居るだろう。今後はバーコードを撮影できるケースが多くなる。

 むしろネットに依存する割合は、「当たり前で手に取る必要がないもの」「持ち運ぶものが面倒」なものが多い。水とか。

 そこで思うのは、小売りに関する経済統計はその現場の流れの変化をよく組み入れないと、実体を見失うと思う。ここ10年くらい「デパートの売上高の増減が日本の消費のバロメーター」のように言われていた。大間違いであり、より幅広い見方が必要だと思う。


2013年12月07日(土曜日)

 (03:25)ちらっと目を覚まして ニュースを見たら、「日本はC組 コロンビア・ギリ シャ・コートジボワール」と。まず思ったのは、「死のX組」ではなく て良かった、というものでした。

 いや、間違いなく強いですよ。他の3チームも。一つの目安として国際サッ カー連盟(FIFA)ランキングで見ると、コロンビアが4位、ギリシャ が12 位、コートジボワールが17位で日本は48位。他の三カ国から見ると、「日本か。 ここでは勝ち点」と考えている可能性が高 い。

 しかし、日本から見ると「いかんともしがたい」という相手ではないような気 がする。精神的にも押される、という国はない。最初から「死 の.....」 に入ってそこを勝ち上がる日本を見たいという気持ちもあるが、組み合わせを見 ると、「この組みは気の毒」というのは他にあ る。

【A組】ブラジル、クロアチア、メキシコ、カメルーン

【B組】スペイン、オランダ、チリ、オーストラリア

【C組】コロンビア、ギリシャ、コートジボワール、日本

【D組】ウルグアイ、コスタリカ、イングランド、イタリア

【E組】スイス、エクアドル、フランス、ホンジュラス

【F組】アルゼンチン、ボスニア・ヘルツェゴビナ、イラン、ナイジェリア

【G組】ドイツ、ポルトガル、ガーナ、米国

【H組】ベルギー、アルジェリア、ロシア、韓国

 開催国ブラジルが入っているAだって厳しいし、DやGはきついだろうな、と 思う。どの組も楽ではない。しかし、まあまあ見る側としては「C組で は日本は いけるかな」という感覚。うーん、来年のワールドカップでは、日本が勝つのを 最低4回、多ければ5回見たいと思いま す。

 日本の一次リーグの戦いのスケジュールは、初戦が6月14日でコートジボ ワールとレシフェで。19日にはギリシャとナタルで、24日にはコロン ビア とクイアバで対戦する、とのこと。ブラジル・ワールドカップとしての初戦は6 月12日のブラジル-クロアチア。


2013年12月06日(金曜日)

 (18:25)数ヶ月に一回来ていただいている番組のゲストの方と別れ際に、今年初めて「よいお年を」という挨拶をしました。一緒に「来年もよろしくお願いします」と。

 そういう時期なんですよね。明後日は私が一ヶ月に一度しか行かない番組があるのですが、終わったら「それじゃ良いお年を」ということになるんでしょうね。ははは。今年もう会わないと分かっていても、10月ではそうは言わない。11月でもまず無理。ということは12月特有の挨拶が始まっている、ということになる。

 それにしても、今日亡くなったネルソン・マンデラさんは本当に偉い人だと思います。27年もの牢獄生活を耐えたことも無論素晴らしいのですが、その後自由の身になって実際に南アフリカという国を大統領として率い、一つにしたということが凄いと思う。武力闘争もなしに。他のアフリカ諸国の惨状を見ればなおさらだ。

 私が南アフリカに行ったのは、1982年だったと思った。テーブルマウンテンのあるケープタウンやヨハネスブルクなどの都市や、ダイヤモンドホール、それにナミビアにまで足を伸ばしたが、人種差別が露骨に残っていて「いやーな雰囲気」がそこら中にあった。

 日本人は名誉白人とされたのも気分の悪い話しだったし、主催者から「夜は勝手に出歩いてはいけない」といわれたのも気にくわなかった。自然は喜望峰の強い風、素晴らし葡萄畑など記憶に残るものがあって面白かったが、誰か現地の人と交流したという思い出は何もない。

 殺伐としていた。特にホテルなどに下働きとして働いていた人々(100%が黒人だった)の目つきが厳しかったのが記憶に残っている。目線がとっても厳しくて鋭いのです。でもそれは彼等の責任ではない。体制の責任です。「この国は大変だ」と思ったことを今でも思い出す。

 ワインはとってもおいしかったが、「またこよう」と思えなかった。白人でもオランダ系のボーア人とアングロ・サクソンが政治と経済を棲み分けているような国だった。マンデラ氏はその南アフリカのアパルトヘイトを終わりに導いた。

 マンデラさんは何本もの映画になっている。南アフリカという国から私が直ぐに思い出したのは『遠い夜明け』(Cry Freedom)だが、それは80年代の作品。マンデラさんがまだ獄中にいるときだったと思った。

 マンデラさんの発想の豊かさを描いている最近の作品では『インビクタス/負けざる者たち』(Invictus)が記憶に残っているな。クリント・イーストウッドが監督だったと思った。国を一つにする為の努力。知恵があるな、と思いました。

 苦難も喜びもあった人生ですが、95才まで生きられた。ご自身はきれいな方でごたごたは親族にあったように記憶している。オバマ大統領始め世界中の指導者が彼の死を悼んでいるのには理由がある。合掌。


2013年12月05日(木曜日)

 (22:25)印刷会社さんの仕事が減るかも知れない.....デザインする人も.....と、いろいろ考えますよ。でも、もう止めて欲しいのです

 それは年末になるといろいろなところから送ってくるカレンダーや手帳の類。もう送らないで欲しい。だって申し訳ないが、どれも使わないものばかり。送る方は「この人もカスタマーだから、一年のお礼に.....」と思っているのでしょう。

 しかし、もう壁に掛かっているカレンダーに何かを書き込む習慣はずっと前になくなったし、カレンダーを壁に掛けることもしない。手帳というものも持つこともずっと前にやめた。一抹の不安は残るがグーグルのカレンダーがデバイスの壁を越えてくれるので、拒否しがたく便利です。

 手帳を使っている時でさえ、文房具屋で売っているある一種類のしか使ってこなかっので、ホテルとか銀行とかその他諸々が送ってきた手帳は、誰かに献上するか、さもなければ全く使われないままゴミ箱行き。これはあまりにも酷い。

 自分にも良くないし、資源の無駄遣いとしても良くないと思うわけです。送る方も誰彼かまわずの送付はもうやめた方が良いのではないでしょうか。最近は以前にも増して、手帳やカレンダーを受け取る時に心の痛みを感じるようになった。

 それは「また資源の無駄遣いをしてしまう」というもので、それはやはり作って貰わない方が良いと思う。


2013年12月04日(水曜日)

 (23:25)今日は実に珍しい野菜を食べました。六本木の新しく出来たイタリア料理店に昼に立ち寄って、「うーん、サラダ、サラダ....」と思ってメニューを見ても、それらしいものがない。で聞いたら、「これです」と言われた。

 よく分からなかったのですが、食べたのです。名前が「ラディッキオ・タルティーボ」というのです。一回聞いただけでは覚えられない。それまで多分、出会ったことのないイタリア野菜です。聞くと「ベネチアの近くで採れる」と。そりゃ知らない。

 あとでネットを調べたらこんなに写真があるのですが、まず色がいい。野菜らしくない色なので、これがサラダに入っていると彩りになる。

 その店にはその野菜が入ったサラダが一種類しかなかったのですが、彩りがあるものだから多様なサラダがあるように見える。次に味が面白い。何の味と言ったら良いのか、さくさく感がある。味はあまり強くなく、周囲の野菜とはそれほど喧嘩はしないが、それでも存在感がある。

 あまり一般のスーパーでは売っていないようだし、しかし自宅に買ってきてもどうやって料理に生かせば良いのかは、クックパッドかなにかを調べなければなかなか分からなそう。

 おや、一度クックパッドに相談してみようかな。


2013年12月03日(火曜日)

 (23:25)大阪からの新幹線の中でとっても面白い本を読んでいました。「戦士の休息」という本です。この本を読めば、書いた人のイメージが全く変わりますよ。

 いや。「休息」という言葉は不適切だな。なぜならこの人にとって映画は、休息どころか子供の頃からの「心の拠り所」のように見えるからです。実は「戦士」とは、現中日ドラゴンズのGMである落合博満さんです。

 まあとにかく映画に詳しい。入れ込み方も凄い。子供の時に両親に連れられて見た時から始まって、学校をサボって秋田の名画座で朝から晩まで何本かの映画を見た高校生時代。オードリー・ヘップバーンへの「綺麗だな」「秋田には絶対いない顔立ちだな...」から始まって、映画話が延々と続く。

 名画座で朝から晩まで居たことがある人の話だから、実に詳しい。私が見たことがない題名の映画も次々に登場する。見方も徹底している。まずヘップバーンの顔を見て「綺麗だ」と鑑賞し、次に字幕を注意深く読みながらストーリーを頭に入れ、次に「監督」の目線で見、さらにはカメラの目で見る.....と続く。

 野球選手としても、監督としても非常に個性の強いことで知られる落合さんですが、それは映画の見方でも示される。本の最後には山田洋次監督との特別インタビューも掲載されているのですが、映画が比較的好きでも落合さんほど入れ込んだことのない私は、ある意味圧倒されながら読みました。

 映画を見る視点も面白いし、

 「あそこであの人を死なせるべきではなかった」
 「あそこはもっと二人の別れ方に工夫があって良かった」
 「あの別れにはもっと時間を使って良い場面だった」

 と自分の頭の中で実際の映画のシナリオとは違った「自分なりきのシナリオ」を描いている。野球選手としての彼、監督としての彼の独自の考え方の基礎が映画の鑑賞に培われた面もあるのかな....とも思う。彼曰く、「映画との付き合いは野球より古い」と。推薦ですよ。面白い本です。

 ところで今週は、比較的時間があった大阪で見ようと思ったのですが、もう大阪ではやっていなかったので、東京着から直接Steve Jobsを有楽町のシャンテで見ました。あそこはいつからTOHOになったんですかね。

 うーん、ちょっとがっかりしたかな。iPodまでなのでなぜ電話にまでたどり着いたのかについて触れられていなかった。その前の彼の子供時代の話しとか、会社を追われる時の話しとかは既に知っているので、デジャブ感が。

 でも見ていて思ったのは、「歩き方はちょっとお猿さんのようにあんなに前方に傾斜していたのだろうか」「当然ある意味の狂気、その一方での商売感の良さ、大胆さはあるとして、結局彼をモティべートしていたものはなんだろうか」と思って見ていました。

 この映画でも、ジョブズが個々の技術の天才としてよりは、それらの技術を製品としてまとめ上げる力のあった人だというように描かれる。実際にそうだったのでしょう。あそこまで個々の技術者を追い込む熱意は、普通の人では持ち合わせない。

 うーん残念ながら私には一本の映画を三度、四度と見る落合さんの熱意がないのですが、でも実際に名作についてはそれをしてもいいな、と思い始めました。いまは「あれとあれを....」なんて思っています。


2013年12月02日(月曜日)

 (20:25)今日は大阪の産業創造館(写真のビル)で「関西経済活性化シンポジウム〜企業の競争力を支える高度産業人材の確保・育成戦略〜」というセミナーに出て、基調講演をした後も会場に残って先生方のパネルディスカッションを聞いていました。

七福神がボートを漕いでいる  というのも、いつも「何故だろう」と思っているのです。関西は多様な地域(京都、大阪、兵庫など)、多様な企業、多様な人材があるのになぜ地域全体としての生産力(GRPなど)が大きく伸びないのか、それには何か大きな理由があるはずだ、と。

 この日はパネラーの先生達は全員が関西の方で、「その方々の議論を聞くのは面白いかも知れない」と思ったからです。実際に6人の先生方による議論は実例が豊かで面白かった。

 関西は人、モノ、カネを東京に吸収されがち、ということ以外にも何かあるはずだ、と私は思っているのです。行政に足りないところが多いのか、それとも企業が力を発揮していないのか。

 まあこの問題は簡単に答えが出るものではない。結局パネルディスカッションを聞いても「なぜ」は一挙解消できなかったのですが、関西の先生方(大学の先生や企業の経営者層)がその他の問題についてもどう考えているのか、いくつかの面白い視点もあって面白かった。

 関西の発想は豊かです。それは間違いない。例えばこの会合があった産業創造館にしても、ビル自体のデザインが奇抜で、ビルにはボートを漕ぐ七福神が描かれている。なかなかいいでしょう。私は思わず写真を撮ってしまいました。

 京都も神戸も大好きです。もしかしたら、それぞれの個性の強さがうまく共鳴しないで、お互いに食い合っている可能性もあるな、と思います。しかしそれぞれの都市が個性豊かなのは魅力以外の何物でもない筈です。本来は。

 大阪を見ていて思うのは、ビジネスがらみのビル群(大阪城ビジネスパークやOAPなどなどなど)を分散的に作りすぎていて、ビジネスがコアの力、結集力を欠いているのも一つの理由かも知れない、と思う。でもそれだけじゃないでしょう。この問題は考え続けます。一つ言えるのは、三都市の中でも京都は非常に集積力がある。

 ところでこの文章を書いている最中に「産業創造」という意味ではとっても面白いニュースが出てきました。「米アマゾン、無人飛行機で宅配テスト 商品の86%対象」というのです。一瞬笑いましたね。「じゃ、マンション住まい、アパート住まいの人はどうなるんだい」「日本人の住居にはそんなに大きな庭はないよ....」と。しかし発想としては創造的だと。

 無人機は軍事では頻繁に使われるようになっている。中国も作っている。米軍は実戦配備です。それをクロネコの代わりにどうだろう、という発想。記事は「米インターネット通販最大手のアマゾンは1日、無人飛行機を使った商品の配達をテストしていると公表した。無線操縦の小型の無人機を飛ばし、商品を顧客の自宅にすばやく届けられるという」とある。

 さらに『ジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)が1日、出演した米テレビ番組中で明らかにした。ベゾス氏によると、サービス開始にはさらにテストと関連当局の認可が必要となるが、早ければ4〜5年後に実用化できる可能性もあるという。同氏は番組中で試作機を公開し、「SFのようだが、そうではない」と語った』、と。

 ワシントン・ポストを買ったり、彼の動きは最近活発で、「何を考えているのか」と興味深い。でも「無人機での配達」というのは「あり」ですよね。ははは。


2013年12月01日(日曜日)

 (11:25)いやーあ、この記事「日本一のサイクリング道 しまなみ海道80キロの絶景と味」は随分前の記事ですよ。でも今「日本一のサイクリング道路はどこだろう」と思って調べていて、今現在、つまり私が知る限りでは「しまなみ海道の自転車道」かな、という結論に達しました。

晴れた日は絶景のしまなみ海道  今週もそうですが、皇居周りも結構な数の自転車が走っていて、それらは数も多いしかっこいい。みな良いシェープをしている。アタイアもカラフルです。しかしなにせ皇居周りは車が多すぎるので排ガスも凄い。まして自転車専用道路はない。景色も一回回ると単調です。

 しかし先週行って少しだけ乗ったしまなみ海道のサイクリング道路はすばらしい。なにせ天気が良いときの景色は絶景です。今回私が乗ったのは今治からの来島海峡先が中心ですが、本当に良かった。乗っている人のアタイアも少し抑えめで、景色にあっている。

 食べ物も楽しいな。瀬戸内海では魚が締まっているからと思って「鯛茶」を大島(?)で頼んだのですが、結構面白かった。何せ滋養卵が乗っているのです。きみだけ。東京で食べる鯛茶には生卵なんてついて来ません。木挽町の有名な店でも。

 その他も瀬戸内の生鮮食品がいっぱいで、ミカン類もうまい。皇居周りではそうはいかない。だから旅行気分の中で自転車を楽しむのは「やはりしまなみ海道かな」と思っているのです。うーん、北海道にも九州にも良い自転車道はありそうですが、行ってないので何も言えない。

 「しまなみ海道」の中でも今回は来島海峡中心のサイクリングでしたが、実は一回7時間くらいかかるらしいのですが、今治から尾道か、尾道から今治まで行ってみたいのです。ただし坂がけっこうきつい。だから電気自転車というのもアイデアとしてはあるのですが、そんなにバッテリーは持たないでしょう。だからやはり体を鍛えないと。

 街では危ない事が多い自転車ですが、自転車道が整ったところでは素晴らしい乗り物です。もっと利用できるチャンスがあれば良いのですが。



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