2014年08月31日(日曜日)

 (13:00)新幹線での移動中にフィナンシャル・タイムズを読んでいたら、非常に気になる政治家の言葉がいくつか。備忘のためもあり、収録しておきます。

 EUの対ロシア経済制裁の強化を訴えるウクライナのポロシェンコ大統領の発言。「早く欧州が圧力をかけてくれないと、全面戦争になりますよ」と。対して欧州は「一週間以内に新たな制裁を科す」と言っている。

 ロシアの軍(休暇中とは言っていますが...)、それに戦車がウクライナの国内に入っていることは確からしいので、東部の戦況はウクライナ政府にとって悪化。同国政府にとっては頭が痛い問題です。ヨーロッパの中には対ロ制裁の強化には反対の声も強い。「制裁を強化すればロシアは全面対決の道を選ぶ」との懸念から。しかしポロシェンコは今のところ「(欧州諸国が圧力をかければ)ロシアは折れる」と読んでいるような。

 「I think that we are very close to the point of no-return. The point of no return is full-scale war, which has already happened in the territory controlled by separatists and regular Russian troops.」

 もっとも欧州は対露制裁は検討していても、 ウクライナへの武器提供を求めるポロシェンコ大統領に対しては今のところ「ノー」のようです。軍備提供を拒否してメルケル・ドイツ首相は

  「We shouldn’t even create the impression that with weapons shipments and strengthening the Ukrainian army we could create a solution.」

 一方、オバマの優柔不断は続いているようです。シリアでのイスラム国施設への空爆に関連して記者団にオバマ大統領が述べた言葉はアメリカ国内で大きな反響が。あって、「今は戦略はございません」ですからね。アメリカの大統領が発する言葉にしては情けない。

 「I don’t want to put the cart before the horse. We don’t have a strategy yet. I think what I’ve seen in some of the news reports suggests that folks are getting a little further ahead of where we’re at than we currently are. And I think that’s not just my assessment, but the assessment of our military as well.」


2014年08月31日(日曜日)

 (10:00)冗談じゃなくて、「これってありなのかな」と思ってしまいますね。「中京ー崇徳、無得点のまま延長50回 軟式高校野球」という記事を読んでです。

 「3日連続のサスペンデッド(一時停止)試合となった中京(東海・岐阜)ー崇徳(西中国・広島)が午前9時2分に46回から再開された」そうですが、「45回を投げ抜いてきた中京・松井、崇徳・石岡の両投手がこの日も登板。試合は両チーム無得点で50回に入った」とも。

 それって健康によくないでしょう。私も中学3年までは野球をやっていたので、「いくら軟式でも、そりゃ選手の健康が大事」と思ってしまう。だってこの戦いって準決勝ですからね。決勝に決まっている一方のチームはじっと待っているわけです。

 決勝は明日かと思っていたら、「延長は最大54回までで、勝敗がつかない場合は抽選で決勝進出校を決める」とは聞いていたが、「決勝は午後0時半から明石トーカロであり、初出場の三浦学苑(南関東・神奈川)と対戦する」って、今日の話ですか ?

 冗談だと思ってスケジュールを見たら、午前中の勝者と一方が今日の午後から試合だと。それは酷い話ですね。そりゃないよな、と思いました。

  (試合は10時半前に終わったようですね。中京の勝ちで。しかし「中京の松井は709球、崇徳の石岡は689球、ともに4日間50イニングを完投した」と書いてある。松井君はまた今日投げるの ? それが酷いと思う)


2014年08月29日(金曜日)

 (18:46)おやおや、今日で8月もウィークデーとしては終わりですか。それにしても夏らしくない。雨ばかり降っている感じ。来週は少し晴れ間が多くなると良いのですが、それにしても今は我々が知っている8月末の天気ではない。広島が心配です。

 ところで、この渋谷の再開発に関する記事を読みながら、「あの地下鉄が上階に入るという難しい構造の渋谷がどう変わるのか、ちょっと興味あるな」と思いました。だって地下鉄は下にも有りますからね。あの街は。なれない人は戸惑う。

 東横線の発着ホームがあったところに新しい高層ビルが出来るそうで。確かに渋谷の景観は変わる。どんなビルが出来るのかに興味がある。というのも、先日ヒカリエに行きましたが、やはり新宿とか銀座のデパートとかとは違う店、商品が並んでいる。

 東横線の跡地に出来るビルも特徴があるビルになってほしいな、と思います。渋谷らしい。それはそうと、この記事に埋め込まれている渋谷の今の景色(360度パノラマ写真)はなかなか面白い。今年の5月初め時点の写真ですが、結構人の顔まで写っていてリアルです。

 最近思うのですが、ネットを有料にしている新聞が増えている。しかし本当にそれを生かしている新聞は案外少ない。日経さんはそうはいっても、「値段に相応しいサービスをしている」のではないでしょうか。こういう面白い試みもありますから。

 他の新聞は、「これでお金を取るのか」というレベルが多い。多分相当な努力をしなければ「ネットが有料」は定着しないのではないか、と思う。あとネット独自記事をどのくらい増やせるか。日経以外の新聞は、その点が不十分だと思う。


2014年08月28日(木曜日)

 (20:46)正直言って、「あれ、デング熱ってなんだっけ」と思って、「国立感染症研究所」のページを検索してしまいました。エボラが猛威をふるっている最中だけに。

 むろん聞いたことはありますが、具体的にそれが脅威だと思ったことはなかった。身の周りの感染症ではなかったので。しかし「代々木公園の蚊原因か 新たにデング熱の感染確認、同じ学校の男女」と聞けば、ぐっと「近くの話」となる。

 今日の夕方の「東京FMタイムライン」でもこの問題を取り上げました。代々木公園の原宿から歩いて直ぐの横断歩道橋近くで行われた駆除作業。それを取材した鈴木記者の報告とともに。聞き慣れない病気が日本にも進出してくる。エボラほど恐ろしくはないが、それでも気持ち悪いじゃないですか。

 代々木公園ね。車ではたまに通りかかりますよ。窓は開けていないけど。しかし夏は多分あの辺でも軽装でジョギングしている人が多いのでは。それに特に「代々木公園が危ない」というわけでもなく、要するに「蚊が危ない」ということでしょう。媒介しますから。日本の関東地方以南では。

 「人から人」への感染はないので、もっぱら「蚊に気をつける」ということでしょう。今は家にはないのですが、蚊取り線香でも買いますか。それと蚊避けのスプレー。


2014年08月28日(木曜日)

 (08:46)ピーチンとポロシェンコが久しぶりに会談をして一応「今後いろいろ話し合いをして行きましょう」と言っているその脇で、「Ukraine Says Russian Forces Lead Major New Offensive in East」ですからね。何がどうなっているのか。

 自国の国境でありながら、ウクライナが支配下に置いてしっかりと管理できていない国境が100キロはあるということだから、親露派とロシアとの間に武器や人員が自由に行き来していることは、ロシア側の否定にもかかわらずあるだろうし、ロシアに「親露派が勝手にやっていること」と言われても、なかなか「そうじゃない」とウクライナ側が否定することも出来ないのでしょう。写真は出していますが。

 改めて思うのは、ウクライナという国が置かれた難しい立場です。ドイツが強かった頃は、ウクライナの農民は毎朝ちょっと高い所に登って、「ドイツの方向から戦車が来ないか見て、来ないと安心した」と言われるが、今は東のロシアが来ないかどうかを見ている人が多い」ということでしょう。

 四方八方を他の国との国境で囲まれた国は周辺の国とのつきあい方が難しい。しかも要するに国境なんてあとで出来たものですから、「俺たちは同じだ」という人たちは国境を挟んで向こうにもこっちにも住んでいるし、そういう人が一杯いるというのが実情。かつヨーロッパ大陸のあの辺は民族が自発的にだったり、他律的にだったりしていろいろ動いている。

 第二次世界大戦後に決まった国境を遵守するというのを一種の国際的なルールにしないと無限に争いが起きるのでそうしているが、「それは違う」という人たちが出てくるのはある意味自然の成り行きです。特に秩序を守るサイド(世界の警察官)の国の発言力が弱くなったときには。

 戦前の日本の政治家で、「ヨーロッパの情勢は不可解なり」とかなんとか言った人がいたそうですが、今のロシアとウクライナの関係は当分そうなんでしょうね。ロシアには親露派がウクライナを揺さぶり続けることにメリットがあることが分かっている。プーチンはしたたかです。


2014年08月26日(火曜日)

 (12:46)FTの「S&P 500 passes 2,000 for the first time」という記事を読みながら、「そうか、2009年の3月に666.69だったS&P 500 が、昨日のニューヨークの日中に初めて2000の水準を突破して、高値では2,001.95か。遠くにきたものだ」と思いました。

 引値は反落して1997.92 と2000の大台を維持できずに、これは結構相場的には微妙な意味合いがあるのですが、それでも先週末に比べると9.42、0.48%の上昇。そりゃ高いですよ。FTは「Scaling the 2,000 threshold means the S&P 500, including the reinvestment of dividends, has risen 230 per cent from an intraday low of 666.69 in March 2009.」と指摘している。

 配当の再投資を含めてたった5年と半年くらいで3.3倍になった投資とは、なかなか凄い。無論指数構成銘柄と同じ銘柄、比率で投資した場合と言うことですが、重要なのはこの間は「インフレらしいインフレはなかった」わけだから、投資は中味的にも3.3倍になったことになる。

 例えば100万円の投資が330万になってもたいしたことはない。しかし1億が3.3億になったとしたら、そりゃ大きい。買えるものがぐっと増える。つまりうまくいく投資というのは、当初の投入資金が大きい方が成果が大きい。当たり前ですが。そりゃアメリカで資産格差が広がるわけです。株を多く持っていた人の方が、この6年ではアメリカでは金持ちになった。

 対して日本の株は2009年の3月は結構動いているのですが、アベでは8000円(日経平均)くらいかな。それから見ると銘柄の入れ替えとかあったかもしれないが、今の株価は二倍にもなっていない。おまけに日本の株価の高値は1989年の12月の39000弱ですからね。今の日本の株は15600に乗ったとか落ちたとか。全然高値負けしている。

 つまりここ10年を見ると、ゲームとしての株は遙かにアメリカの方が劇的で面白かったと言える。日本人投資家の間で「アメリカ株投資」を手がける人が多くなっていると聞くが、それは頷ける。so far ではアメリカ株投資に軍配が上がる。

 「なぜアメリカの株が上がるのか」についてはいろいろ解説がある。そもそもQEを世界に大宣伝とともに始めたのはアメリカで、大量の資金を供給してきたからこれまでの上げは理解できる。しかしそれが終わろうとしているのに、まだ上がっている。

 アメリカの企業の方が言ってみれば国際的で、世界経済の拡大をうまく収益に結びつけている、という説もあるし、あれだけ自社株買い、M$Aなど投資家を喜ばせることをやれば株は上がる、という見方も出来る。さらに最終的安全性から言って、アメリカにはいろいろなお金が入ってくると言う見方も出来る。マンハッタンのビルはいつでも高い。

 じゃ、これからはどうか。そこが頭の使いどころです。今の株価の方がおかしい、との見方もある。警戒心を持ってニューヨークの株を見る投資家も増えている。ジョージ・ソロスとか。まあ長くマーケットを見ている人は大方警戒心を強めているのだと思う。

 でもね、相場は実は全く同じ繰り返しはしない。いつも新しいページを作る。だからそこに参加している人は、「(マーケットというのは)最後は分からない」と認めて、手を入れたり、外したりをしなければいけないとも思う。つまり「休むも相場」です。しかしなかなかそれが出来ない人が多い。

 今日の東京市場はちょっとヘソを曲げている。薄商いの中で上がってきただけに、その気持ちは分かる。しかし自主性は東京にではなく、やはりニューヨークにあるような気がする。ニューヨークも薄商いですが。


2014年08月25日(月曜日)

 (21:46)ははは、今日考えを改めました。「日本の暑い夏の8月。訪日客はやはりペースが落ちているのでは...」と先日書きましたが、先週末から広島などを移動していて。

 だって月曜日の朝広島で市電に乗ったら、乗客の三分の一はフランスなどからの観光客だったし、その後福山に移動した新幹線(さくら)の待ち列には外国人が一杯。団体はなく、家族とおぼしき方々を含めてそれぞれ何人かのグループで。お年を召した二人連れも多い。

 今年7月が昨年同月比26.6%増の127万0000人(日本の単月としての史上最高)で、それに達するかどうかは知りませんが、多分8月の訪日客の数も相当にいくのではないでしょうか。まあ皆さん、暑そうでしたが。2020年はどうなる ?

 ところで、サンケイには「洋風ファストフード11・9%減 7月の外食売上高、悪天候で2カ月連続マイナス 中国鶏肉問題も影響」という記事があって、中味を見ると「和風ファストフードは大手牛丼チェーンの新メニュー効果などで1・9%増とのびた。しかしファストフード全体では5・6%減と2カ月連続の前年割れだった。日本マクドナルドの7月の全店売上高が18%減少したことが影響した」とある。

 一方、日経には「マクドナルド、現場を襲う負の連鎖」には「中国上海市の仕入れ先が使用期限切れの鶏肉を使用していた事件が起きて、日本マクドナルドホールディングスの店頭から顧客が目に見えて減っていった」という記事がある。

 実は先日「バニラ・シェーク」を買ったのです。マック(大阪ではマクド)のそれが好きで。相変わらずシェークはちょこっと喉の渇きが癒やせて良いのですが、そういえば店頭は人影が少なかったし、その他の商品が売れている兆候はなかったな。

 日経には「相次ぐ不祥事で、店舗には本社に対する不信感が渦巻いている」とある。中国の「使用期限切れ鶏肉使用」問題の発覚ばかりでなく、社内的にも不満がうっせきしているようですね。

 新製品を出して、それがヒットする。マクドナルドの再生はしかないかもしれない。ピンチの業界という意味では、予備校もどうなるのか。とにかく広島駅の南口かな、駅を出て右側に行くと予備校の大行列。その中に代々木ゼミナールが。

 校舎を見ながら、「広島の代ゼミはどうなるのだろう」と思いました。浪人生は減っていますからね。


2014年08月25日(月曜日)

 (11:46)結局「雨の降り方が変わってきた」ということなんでしょう。私が広島にいる間も、「西日本では24日、局地的に猛烈な雨が降り、大阪府池田市や京都府福知山市で1時間に100ミリ前後の雨量を観測した。土砂災害などの危険性が高まり、近畿では午後11時現在、大阪府箕面市、福知山市など約6万4000世帯(約15万1400人)に避難指示や避難準備情報が出された。一方、北海道礼文島では記録的な大雨で土砂崩れが発生し、2人が死亡した」(毎日)という状況。

 要するにドバッと降るので、山にしろ下水道にしろ「処理能力を超える」ということです。だからドバッと降ったところは土砂が崩れたり、あっという間に膝上くらいまで洪水状態になる。

 「大阪府池田市や京都府福知山市で1時間に100ミリ前後の雨量」とは凄いですね。そんな時に車で移動していたら、どの程度まで運転を続けることを許されるのか考えます。できる限り高い所に移動しようとするのか、それとも近くのビルに逃げるのか。しかし車を道路に放置するのは問題が多い。

 昨日の池田市の水没した道路の映像などを見ていると、運転手一人一人がその決断を迫られているように思える。いったい車ってどこまで浸かっても移動するものなんですかね。だって止まったらどうしようもないじゃないですか。今の車はどこがどうなっているのか分からない。その場合は「近くのビルや高い所に移動」ということになるんでしょうね。やむなく車は放棄して。

 めっちゃ降るところもあれば、めっちゃ乾いたところもある。「California's mountains are rising」というニュースは面白かったな。いや面白いというか、恐ろしいというか。もっとも「Like an uncoiled spring, they have moved up by more than half an inch (15 millimeters)」というので、たいした背伸びではない。しかし「地球の形は常に変わっているんだ」と思う。

 東京だったら大雨の時は「溜池には行くな」とか分かりますが、住み慣れていない土地ではお手上げですね。よく旅館で、「ここが避難ルートです」とか説明してくれますが、不慣れな土地でも、ははは、時には探さないと。まったくもって面倒な時代です。


2014年08月24日(日曜日)

 (19:46)テレビで見ていた地域を自分の足で回りながら、いくつかの点に気がつきました。広島の土砂災害地域です。安佐北可部東の被災道路

  1. 基本的には”水”の動きが引き起こした災害なので、道路脇などにたまっている流木の裂け具合やささくれ具合、それに土砂の積もり方、土埃の立ち方は、同じように”水”の動きによる津波が引き起こした3.11後の東北太平洋沿岸の被災地に似ている

  2. 「土砂崩れ」と表現されるが、土砂が崩れた地点からかなり遠方に届いていることから見て、それが移動しているときは「土砂」というより「土砂を含んだ濁流」がすざましい速さで移動したのだと分かる。だからこそ、濁流に乗った土砂は想定外の遠方まで届いている

  3. 今まで何回も広島には来ているが、今回初めて広島を取り囲む山々が非常に急峻であり、それ故にバックビルディングが起きやすかったのだと分かった。広島を取り囲む、具体的には安佐北(可部東)、安佐南(八木)辺の山の急峻さはテレビで見たよりも想像を超えていた

  4. これに対して、広島市内には「坂道はほとんどない」(タクシーの運転手)ということで、結局今の市街地は太田川などが分かれた七つの川が運んだ土、砂の上にできあがっているということを実感
 しました。避難場所になっている梅林小学校の直ぐ隣を可部線の線路が太田川サイドに走っているのですが、その線路も土砂に埋まっている。相当土砂崩れが起きたところから遠いのに。止まっている可部線の線路では土砂を取り除く作業が進行中

 想像するのですが、夜明け前の真っ暗の中でもの凄いスピードで土砂が濁流のように流れたら、「どうしようもない」ということです。山に近い部屋ではなく遠い部屋に移るとか、二階に行くとか。多分「どこかに避難」なんてなかなか出来なかった筈です。

 3.11の時も思いましたが、被災するかしないかは本当に紙一重なんですよ。広島の場合は、尾根の延長にある家は全体的に大きな崩壊は免れている。対して山が谷形状の場所の延長の家は水の流れを直接受けて打撃を受けているところが多い。

 国道54号線の旧道を走りながら思ったのですが、テレビで見ていた崩落現場以外にも、崩落している場所が一杯ある。たまたま下に何もなくて人的被害が生じなかった場所です。豊後水道を上がってきた湿った空気が、いかに大量にバックビルディングによる雨を降らせ、それが急斜面の土砂の崩落を引き起こしたかが分かる。

 タクシーの運転手さんと話したのは、「こんな場所は日本ではどこにでもありますよね」(私)ということと、「特に西日本には多いですね」(運転手さん)ということ。確かに東に比べて日本の西は実は山そのものは急峻なところが多い。高くはないが。それは先日行った天草でも感じました。

 大阪周辺のゴルフ場も、東の人間から見ると「よくこんなところに」と思うゴルフ場が多い。つまり本当に高い山はないが、日本の西は山が急峻で、土砂災害が起きやすい。加えて中国地方は「まさ土」ときている。タクシーの運転手さんが、「まさ土とか言いますが、要するに砂ですよ」と。

災害救助車両の先に崩落現場  だとすると、宅地造成の時にやはりそれ相応の配慮、準備が必要だったような気がする。警戒地帯、特別警戒地帯の指定も、「不動産価格が下がるから」的な発想は間違っていたのだと思う。これは今後の問題ですが。

 もう一つ3.11と似ているのは、「日本各地から救援隊が集まっている」ということ。消防の人は山口からも島根からも来ていましたし、私が見た範囲で一番遠い消防関係の方は「練馬区」から来ていました。その彼は緑のヘルメットだったので、「調査」とかそういう立場の人かもしれない。広島ナンバーの「わ」に乗っていた。

 しかし「広島の街」全体は元気にお見受けしました。何よりもカープがそれを支えているように思う。災害がまたカープを強くしている。前田を立ち直らせたし、カープは連勝街道。今この文章を書いている時点でも、カープが2−1と阪神をリード。

 カープファンは熱い。今日はもう私が午後1時頃「もしかしたら」と球場に行ったときには「完売」でした。しょうがないのでレフト側の奥にある「ただ見コーナー」からまだ中に入ったことがない新しい広島の球場をちらっと見ただけ。夕方5時頃また球場の近くを通ったら、真っ赤なユニフォームの応援衣装に身を包んだファンが続々と球場に吸い込まれていた。

 そういえば、「カープ女子が牽引」なんてニュースもありました。今夜広島が勝てば、セリーグの2位が入れ替わる。

 一日早く西に移動したので、明日は大阪に戻ります。


2014年08月23日(土曜日)

 (00:46)まあそうでしょうね。イエレンさんがはっきり何時とか、どのくらいなどと言うことはない。政策は常に今後の指標の動き次第ですから。しかし今週はっきりしたのは、彼女が今後も多数派でいられるかどうかは分からない、ということです。

 ジャクソンホールでの彼女の発言をFRBのサイトで読むと、詰まるところ二つの文章が気になる。冒頭の「In the five years since the end of the Great Recession, the economy has made considerable progress in recovering from the largest and most sustained loss of employment in the United States since the Great Depression.1 More jobs have now been created in the recovery than were lost in the downturn, with payroll employment in May of this year finally exceeding the previous peak in January 2008. Job gains in 2014 have averaged 230,000 a month, up from the 190,000 a month pace during the preceding two years. The unemployment rate, at 6.2 percent in July, has declined nearly 4 percentage points from its late 2009 peak. Over the past year, the unemployment rate has fallen considerably, and at a surprisingly rapid pace. These developments are encouraging, but it speaks to the depth of the damage that, five years after the end of the recession, the labor market has yet to fully recover.」という部分と、

 ずっとあとにある「These complexities in evaluating the relationship between slack and inflation pressures in the current recovery are illustrative of a host of issues that the FOMC will be grappling with as the recovery continues. There is no simple recipe for appropriate policy in this context, and the FOMC is particularly attentive to the need to clearly describe the policy framework we are using to meet these challenges. As the FOMC has noted in its recent policy statements, the stance of policy will be guided by our assessments of how far we are from our objectives of maximum employment and 2 percent inflation as well as our assessment of the likely pace of progress toward those objectives.」と言う部分です。

 もう眠いので備忘のためにしか書きませんが、今後のFOMCでの議論はかなり白熱したものになる。まだドラギの講演は始まっていませんが、私はこのドラギ講演の方に興味があるな。


2014年08月22日(金曜日)

 (14:46)今週ちょっと気になったニュースは「チベットで団体旅行を一時規制 治安悪化か」というもの。記事の中味は

 中国チベット自治区観光局は20日までに、団体旅行客の受け入れを一時中止する通達を出した。現地の旅行業界関係者が明らかにした。米政府系放送局ラジオ自由アジアは同日までに、自治区に隣接する四川省カンゼ・チベット族自治州で弾圧に抗議する100人超のチベット族のデモに当局が12日に発砲し、5人が死亡したと報じている。少数民族のチベット族が漢民族への反発を強め、治安が悪化している恐れがある。

 新疆ウイグル自治区もそうですが、今の中国の国土面積の三分の一を占めるチベットと同自治区の治安は非常に不安定です。両方に行ったことがありますが、経済がともに大きく「観光」に依存している。それが「団体旅行客の受け入れを一時中止」となれば、両地域の地方経済は大きな打撃を受ける。心配です。

 中国関係の今日のニュースでは、日経に載っていた「中国駐在を嫌がる社員の増加に日本の企業が頭を悩ましている」というのがあって、「そうだろうな」と思いました。私の去年の末に上海に行って、その時は空気は比較的綺麗だったが、現地の方々に「それはそれは酷い」と聞きましたし、食品には成長促進の為の薬が入っていたりする。「家族は無論のこと、自分もいたくない」と考える人が多くなるのは自然です。

 別にこれは日本人だけではない。中国人自らが雲南省の田舎だったり済州島の別荘地への移転を考えている。無論お金のある人々ですが。環境問題は明らかに中国にとっての「成長の壁」になりつつある。


2014年08月21日(木曜日)

 (14:46)久しぶりに3週間前の7月末のFOMCの議事録要旨を読みながら、「面白いが、まあそうだろうな」と思いました。声明で、「彼は反対した」と名前が挙がっているのは一人だけですが、議事録を見るとそこに至る前に侃々諤々の議論が戦わされているのが分かる。

 それはあとで触れるとして、議事録の最初の方に「Meeting participants continued their discussion of issues associated with the eventual normalization of the stance and conduct of monetary policy, consistent with the Committee’s intention to provide additional information to the public later this year, well before most participants anticipate the first steps in reducing policy accommodation to become appropriate.」という文章が出てくる。

 たったこれだけの文章でも、いろいろなことが分かる。「やっぱり今のQE残りの”超”金融緩和ゼロ金利政策は”異常”だと思っているんだ」と思うし、その正常化(normalization)は最大の懸案事項なんだろうな、と思うと同時に、それをいかに国民やマーケットに伝えるかが非常に大きなテーマなんだな、と思う。

 とすると、ジャクソンホールでの明日からの会合でのイエレンの発言は結構重要になるのですが、まだ彼女がマーケットを大揺れさせるような発言をするのは時期尚早かな。というより筆者的にはドラギの発言が面白いと想う。

 声明での反対者が一人なのに、2日間のFOMCで喧々囂々の議論が展開していて、議論が収拾する前にはいろいろな異論が出ていたことが分かるのは、以下のパラグラフです。ちょっと長いのです

Members discussed their assessments of progress--both realized and expected--toward the Committee's objectives of maximum employment and 2 percent inflation and considered enhancements to the statement language that would more clearly communicate the Committee's view on such progress. Regarding the labor market, many members concluded that a range of indicators of labor market conditions--including the unemployment rate as well as a number of other measures of labor utilization--had improved more in recent months than they anticipated earlier. They judged it appropriate to replace the description of recent labor market conditions that mentioned solely the unemployment rate with a description of their assessment of the remaining underutilization of labor resources based on their evaluation of a range of labor market indicators. In their discussion, some members expressed reservations about describing the extent of underutilization in labor resources more broadly. In particular, they worried that the degree of labor market slack was difficult to characterize succinctly and that the statement language might prove difficult to adjust as labor market conditions continued to improve. Moreover, they were concerned that, despite the improvement in labor market conditions, the new language might be misinterpreted as indicating increased concern about underutilization of labor resources. At the conclusion of the discussion, the Committee agreed to state that labor market conditions had improved, with the unemployment rate declining further, while also stating that a range of labor market indicators suggested that there remained significant underutilization of labor resources. Many members noted, however, that the characterization of labor market underutilization might have to change before long, particularly if progress in the labor market continued to be faster than anticipated. Regarding inflation, members agreed to update the language in the statement to acknowledge that inflation had recently moved somewhat closer to the Committee's longer-run objective and to convey their judgment that the likelihood of inflation running persistently below 2 percent had diminished somewhat.

 となっている。私が注目したところを赤にしました。「some members」とか「they」とか出てくる。それが最終的には一人に集約。そこが議長の権威、説得力、論理力なんでしょうね。皆煩い人なのに。

 しかし「予想以上に(雇用情勢もインフレ環境も)目標に接近している」という部分は、FOMCの委員の多くにとって、「確信」にまで行っていないんでしょうね。何せ今の景気の環境は、過去のいかなる時期とも違う。だから金利環境も大きく異なっている。

 まそれは私はやはり先進国全体での人口動態が大きく関わっていると思うが、そういう意見はまたあまり大きくなっていない。あとは高齢化かな。お金を使うパターンが大きく異なってきますから。

 ま、イエレン議長のお手並み拝見の季節です。


2014年08月21日(木曜日)

 (10:46)うーん、今ちょっと心配なんですよ。いるべき人がいない。

いかがされておりますか  朝皇居周りを回ると、以前はかなりの確率で「カラスおじさん」に会いました。私が勝手に付けたニックネームで、それはカラス君たちを完全に友達にしているから。

 もう随分長い間パレスホテルの前でカラス君とお付き合いしているのではないと思います。私は何回もお話をして、そのお人柄にも触れて、「今日はいらっしゃるかな」という方になっておりました。「この2匹はカップルなんですよ....」とかおっしゃっていた。

 ところが最近ずっと登場しないのです。いらっしゃらない。どうされたかな、と心配しているのです。体調など壊れていなければ良いのですが。


2014年08月20日(水曜日)

 (17:46)ほう、これは凄いね。7月は「桜キャンペーン」の4月を上回ったんだ。

 「政府観光局」の統計の頭は

  2014 年 7 月の訪日外客数は、前年同月比 26.6%増の 127 万人で、これまで 7 月として過去最高であった 2013 年(100 万 3 千人)を 26 万 7 千人上回った。また、2014 年 4月に記録した 123 万 1 千人を上回り、年間を通じた単月としての過去最高も記録した。2014 年 3 月から 5 カ月連続で月間の訪日外客数が 100 万人を超え、7 月までの累計で750 万人を突破した。
 となっている。先日「訪日客11人で定住1人分消費」という日経の記事を紹介したばかりですが、「夏になっても落ちていない」というのは興味深い。私の印象では、「8月はちょっと減少.....?」というものですが、7月の勢いを見ると「それは気のせいかもしれない」とも思う。観光局のリリースでは
 夏の旅行シーズンに向けた訪日プロモーションが需要を喚起したほか、航空便の増便・チャーター便就航による航空座席供給量の増加、大型クルーズ船の寄港などが、好調な伸びに繋がった。

 市場別では、中国、香港が年間を通じ単月として過去最高を記録したほか、台湾、タ イ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、ベトナム、インド、米国、カナダ、 フランス、ドイツが 7 月として過去最高を記録した。

 となっている。今年これまでの数字を月ごとに改めてアップしておくと

 1月  94万4009人(対前年同月比 41.2%増)
 2月  88万0020人(同 20.6%増)
 3月 105万0500人(同 22.6%増)
 4月 123万1500人(同 33.4%増)
 5月 109万7000人(同 25.3%増)
 6月 105万7000人(同 17.3%増)
 7月 127万0000人(同 26.6%増)

 となる。


2014年08月20日(水曜日)

 (13:46)広島など日本の西の各地で起きている土砂崩れは、時間の経過とともに被害の拡大が判明する事態に。消防が被災地に入れない事態も。あまりないことです。今年は日本の西は台風だったり雨だったりで大変だ。

 昼のニュースによれば、消防署員の方も亡くなられたとか。明け方の大雨が原因で、寝入っている時間だけに十分な避難態勢が取れなかったことと、何よりも雨の量が過去にないものであったことが背景のようです。

 被害が拡大している原因としては他にも理由がありそうで、読売には「花こう岩”表層崩壊”の可能性…大規模土砂崩れ」という記事もある。「花崗岩が原因なのか」と思ってみたものの、それ以上の理由は分からず。あとで調べよう。

 それにしても、今朝のワールド・ニュースを見ていたら、局地的大雨は取り上げられただけでも韓国やアメリカで生じているようで、「世界的な現象」のような印象もする。日本のどこでも、世界のどこでも起きうる、ということでしょうか。


2014年08月19日(火曜日)

 (13:46)確か日経さんのコマーシャルだったと思ったのですが、「この国の強さは名もなきヒーローがいること.....」的なものがあったと思う。サラリーマン、サラリーウーマンや職人の顔を静かに登場させるやつです。白黒、セピア、どっちだったけな。

 なかなか良いコマーシャルなのですが、私がずっと「名もなきヒーロー」と思っているのは、毎週お世話になっている新幹線の清掃を背負っている人々です。何せ早い。毎週見ているので、「凄いな」と思っていたのです。

 今日の読売新聞に、『「奇跡の7分間」清掃』という記事がある。まさにこの新幹線お掃除を担当する彼女ら(大部分)、彼氏らを取り扱っていて、「そうだそうだ」と思いました。

 とにかく新幹線は空との競争があるので、せわしない。東京駅の場合、着いたら大部分が「折り返し」で、その停車時間は10分ちょっと。出発の5分前には乗客が入れるようにしなければならないので、清掃の方々は大変です。

 乗客が降りるのを待っていて、さっと入ってきて作業を始める。その素早いこと。この記事によれば、「今秋から米ハーバード大のビジネススクールで、新幹線の車内清掃が必須科目で取り上げられる」そうな。ナイス。ハーバードのビジネススクールは視点がいいですね。

 さらにフランス国鉄の総裁が、「これだけはかなわない。清掃員を連れて帰りたい」と言ったとも書いてある。彼女らの休憩場所は、新幹線ホームに向かう階段の踊り場から入ったところにある。中がどうなっているのか一回入ってみたいとも思っているのですが、まだかないません。

 日本の駅には海外の駅にはいない優秀な方々がいますよ。エスカレーターの取っ手をじっと雑巾がけしている人。海外では見たことがないな。そして、短時間で列車の折り返しを可能にする清掃員の方々。みんな「名もなきこの国のヒーロー」ですよ。ナイス。


2014年08月18日(月曜日)

 (21:46)今のところ私が確認出来るのは朝日と毎日だけですが、「中国の李源潮(リーユワンチャオ)国家副主席が18日、超党派の若手中堅議員から成る「日中次世代交流委員会訪中団」(団長=遠山清彦衆院議員)と北京で会談した」とのニュースは、ちょっと興味を引きますね。

 両紙のニュースの中味を私なりに組み立てると、会談を持ちかけたのは中国側。朝日は『日本側は今回の訪中で要人との面会を要請していなかったが、1週間ほど前に中国側から「要人会見があるので日程を延ばして欲しい」と連絡があったという。李氏が2013年3月に副主席に就任して以降、日本の現職国会議員と会見するのは初めて』と報じている。

 では李源潮国家副主席はこの会談で何を話したか。これに関しては記事は日本側出席者の証言だと思われるが、

  1. 「戦略的視野をもって世界に向けて今後の中日関係の発展をアピールしていく」(朝日)

  2. 「日中の経済貿易交流の後退が明らかだ。国民感情に対するダメージも一番ひどい。(その原因は)両国間の戦略的相互信頼の不足からきている。小異を捨てて大同につくことが日中双方に求められている」(朝日)

  3. 「(東シナ海などでの海上の衝突を回避する日中のルール構築について)危機管理を大変重視している。積極的な態度でエスカレートを避けるために尽力したい」(毎日)
 「2」(小異を捨て....)に関しては朝日と毎日の両方に記述されていて、特に「小異を捨てて大同につくことが日中双方に求められている」との部分を李氏は「繰り返し述べた」(朝日)とされる。

 「小異」に何が入るのかは不明。今の日中関係の一番の障害は尖閣と歴史認識だが、中国がどこで折り合いを付けようとしているのか ? 経済の減速、日本などの対中投資の減少など外的要因も考えられるが、一方で現在の中国首脳部が「日中」を取り上げるだけの国内体制を整え終えたからとも受け取れる。

 今まで日中関係にあまり出てこなかった「李源潮国家副主席」を窓口にしているのも新鮮だ。私的にはちょっと興味がある。凍り付いた両国関係が動き出すのは、北東アジアの情勢を緊張緩和の方向に変えるだけに、双方にとってメリットがあるとも思える。韓国などはこの動きに慌てるかもしれない。


2014年08月18日(月曜日)

 (17:46)新幹線の中で「あれれ、ヨーロッパの株はどうなっているのかな」と思い出して見たら、「先週金曜日の反応は間違いでした。ごめんなさい」と言っているかのように大きく上がっている。先週末はニューヨークが開いて暫くした段階でウクライナ情勢の緊迫化を受けて急落し、そのままヨーロッパは引けていましたから。

 一応週末には動きがあった。日曜日にウクライナ、ロシア、それにフランスとドイツの外相が話し合いを持った。そのこと自体、マーケットにとっては安心材料です。ウクライナとロシアは紛争当事者に近い関係にある。ということは、まだ直接対決はない、ということになる。

 もっとも月曜日の今になってもその4カ国外相会談で何が話し合われたのか分からない。今読める一番直近の記事は、FTの「Ukrainian forces close in on rebels as peace talks resume」かな。つまりウクライナ軍がルガンスクやドネツクなど親露派が強かったところに迫っているというもの。結構強いんだ。

 しかし実はウクライナ情勢は、混沌としていてよく分からない事が多い。何と言っても一番の関心は

 「ロシアが正規軍をウクライナ東部に侵入させるのか」
 「ウクライナ・NATOとロシアとの軍事衝突になるのか」

 だが、その方向への事態の展開は今のところないように見える。まだ外相が顔を合わせているので。この辺が日本人にはちょっと分からないところだ。部分的啀み合いの様相。

 しかし「全面対決」を一瞬”想起”させるような事態が時々起きる。例えばロシアが依然として軍用車や兵員(1200人)を送っているとウクライナやNATOがロシアを非難してみたり。実際に親露派がロシアの支援を誇示したりしている。さらにはウクライナ東部の親露派が、ウクライナ軍の戦闘機を撃ち落としたり(パイロットは無事だったと)。

 しかし逆に300台近い白いトラックでウクライナ国境まで進んだロシアのコンボイ(人道支援物資を運んでいると主張)に関しては、ウクライナが無断でウクライナ領に侵入した一部を砲撃で破壊したという報道もあれあ、一方で、残る車両に関しては赤十字の監視の下でウクライナ領内に入ることを認められ、今も最終的チェックの最中との報道もある。

 世界全体から見ると「大きな体の一部が膿んでいるだけ」とも考えられるが、それにしてはこの「膿み造成」に加わっている役者がロシアとかNATOとかマーケットとしては無視できない大物なのだ。それだけに簡単に「ウクライナの件はこの程度」と飲み下すには問題が多すぎる。マーケットとしても。

 プーチンの狙いが「ウクライナ東部を安定させない」「ロシアの影響力を残す」ことであるにしても、渡っている橋は危ない。プーチン大統領のロシアでの支持率は一段と上昇しており、これに応えないといけない。

 一方で、彼の選択の幅は拡大しているように見える。今のところ、「最悪の事態にはならない」というのが一般的に見方で、先週金曜日にヨーロッパ、アメリカの株式市場を襲った「ウクライナがらみの急落」も「脚気反応」のレベルを出ていない。だから今朝のヨーロッパは上がっている。

 もっとも今の世界は“地政学的リスク”には事欠かない。医療チームの受けた打撃が大きくて医療体制が崩壊し、また食料などが入れられなくなって封鎖状態になっている西アフリカ三カ国でのエボラ騒動は収まる気配を示していない。

 パキスタン情勢もきな臭くなってきた。シリアでは「haruna yukawa」と名乗る日本人がテロ集団「イスラム国」(IS)に拘束されたとの報道もある。この名前でYouTubeを検索すると、本人が登場する動画、写真がかなり出てくる。

 むろん、彼がその人なのかは不明。紛争地帯を追っている写真家のように見えるが、銃を携行している可能性があり、それがテロ集団に疑われている理由か。


2014年08月17日(日曜日)

 (23:46)ちらちらと高校野球も見ているのですが、良い試合が多いじゃないですか。今日の第一試合の作新学院ー沖縄尚学なんて、めちゃおもしろかったな。昨日の東海大相模ー盛岡大附属高校の試合と同じくらい。

 勝ったのは沖縄尚学と盛岡大附属でしたが、負けた東海大相模と作新学院は「残しておきたい」「今去ってしまうのは惜しい」という印象がするチームでした。ピッチャーもいい、打線もしっかりしている、態度もきびきびしていて、守備も良いし、抜け目もない。でも負けた。

 今年は「東海大....」と付く学校が結構多かったと思ったのですが、残ったのは北海道の東海大四(南)だけですか。春日部共栄が春の優勝校である龍谷大平安を今大会初戦で下したと思ったら、今日は敦賀気比に序盤から大量点を取られて負けた。

 「気比」とはちょっと変わった名前だと思って調べたら、有名な神社の名前なんですね。「氣比神宮(けひじんぐう、気比神宮)は、福井県敦賀市曙町にある神社。式内社(名神大社)、越前国一宮。旧社格は官幣大社で、現在は神社本庁の別表神社」とwikiには書いてある。

 福井の高校ですが、今年は初戦を甲信越の高校が皆突破したと聞いた。珍しい。「あまりプロ野球のサイドから見て大物はいない」と言われているようですが、野球好きとしては見逃せない試合が多いし、良い選手もいると思う。沖縄尚学のピッチャー(山城くん)なんて、良かったな。

 予想した通り、セリーグは大混戦の模様。ジャイアンツが広島に連敗して、広島とのゲーム差は3。ジャイアンツと阪神の差は0.5。まあダンゴと言って良い。何よりも面白いのは、ジャイアンツの勝利の方程式が今年は崩れていること。だから、リーグ優勝もだが、ポスト・シーズンで下克上がありそうな気がする。

 MLBもちょっと今年はいつもと違う。とっくにテキサスはレース脱落で、アリーグ西部の断トツのビリ。ヤンキースももう今年は無理でしょう。アメリカでも「time is running out」と新聞に書かれている。ということは、ダルもマー君も、今年は調整に使える。急ぐことはない。

 いつか落ちるだろうと思って見ているカンザスシティーがなんとか首位(アリーグ中部)を維持している。青木の頑張りもある。ニューヨークに4年間住んでいた人間としては、「強くなったものだ」というのが印象。もっとも昔も地区優勝はしていた。ポスト・シーズンに弱い。今年はどうか。

 今年のMLBの何が驚きと言って、マリナーズの勝率がヤンキースの勝率を上回っている。カノーが抜けたから ? イチローの立場はどうなる ? 


2014年08月16日(土曜日)

 (09:46)めったに個別番組の告知なぞしないのですが、今回の「中国スペシャル」はめちゃ面白いですよ。抱腹絶倒。

 それでいて、今後の中国を考える上で非常に示唆深い。何せ本当によく柯 隆さんは中国に足を運んでいて、いつも決めた道路でトレーラーの台数を定点観測したり、またいろいろな人の話を聞いたり。理論は無論ですが、実踏型のエコノミストだから、話が具体的です。

 柯さんの中国スペシャルは毎回面白いのですが、今回は格別です。是非お聞き下さい。だって、中国の役人が入院すると......どうなるか ? 笑える。


2014年08月15日(金曜日)

 (22:46)昼間ちょっと時間があったので、狭山湖の霊園までお墓参りに行ってきました。といっても行き帰りでそれぞれ普段でも1時間以上かかる。かつお盆だったので、「どうかな」と思ったら、ちょっと渋滞はあったが、それでもそれほど余分の時間はかからなかった。

 お彼岸の時よりは少ないが、やはり結構な人が来ていました。何か思いがあるのでしょう、お墓の前で持ってきたお弁当を食べている人、墓地の説明を受けている人、一生懸命家族で掃除をしている人。いろいろです。

 朝は曇っていたのに、私が行った昼頃は凄く良い天気で、暑かった。驚いたのは、少し行かない間に、管理棟とか墓地が一段と綺麗に整備されていたこと。とっても奇麗になっていた。

 親族のお墓が実は5基も並んでいるので、その全てにお線香をあげて。とっても広い霊園で、その入り口に近い方には若くして死んだロック歌手の大きなお墓がある。そこには今でも花が絶えることはない。

 時にはなくなった方と対話をするというのも良いものです。思い出しましたが、今朝のスタンバイの最後の話題は「お墓」でした。長崎や広島の変わったお墓参りの風習を紹介したのですが、なかなか他の地方のお墓参りは実際には見れない。

 だって自分の祖先のお墓参りが先ですから。しかしいつか見て見たいな。あと海外のお墓参りは10月末から11月初めが多いとか。私は結構どこに行っても「お墓」を見るのが好きで、ブータンのように全くお墓がない国もありますが、普通は南の方が形状は立派です。日本国内でも。

 どこだったかな、与那国かな。実に立派なお墓だった。まあそれもちょと面白い文化人類学だと思っています。


2014年08月15日(金曜日)

 (10:46)久しぶりに紙のフィナンシャル・タイムズを読んでいたら、社説に激烈なECB批判が。見出しは「Europe now needs full-blown QE」、「今こそヨーロッパは腰を据えた十二分のQEが必要」というもの。

 アメリカがQEを終えそうなときに、ヨーロッパはこれからQEに、という展開。グローバルなマーケットの見方は難しい。アメリカは締まるが、ヨーロッパからお金が流れてくるとも読める。ニューヨークの株はそう読んでいる。

 それにしてもFTの主張は明確、かつ激烈です。「Since the eurozone crisis began in 2010, the authorities have been consistently late to grasp the true nature of the issue and slow to respond. 」と。「2010年以来問題の本質の理解が常に後追いで、対応が遅かった」とヨーロッパの金融当局を非難。

 実際のところ、直近で発表された4−6月のEUのGDPはゼロの伸び。何よりも機関車だったドイツのマイナス成長(0.2%のマイナス)が問題の厳しさを表している。良かったのはルーマニアとか周辺国。「これ以上、QEに踏み込む理由をどこに探せというのだ」という文章もある。

 ドイツ経済については、「まさにドイツがワールドカップで優勝したときに、ドイツの企業や消費者は一次リーグで敗退したイングランドのようなパフォーマンスだった」と面白い比喩をしている。ブンズの10年債の利回りも、初めて1.0%を割った。

 今回のGDP統計が示したヨーロッパの姿は、再び「景気停滞とデフレの危機」という姿です。ヨーロッパのQEに関しては、ドイツ、特にドイツ連銀に強い反対がある。しかし直近のGDP統計や「ドイツがマイナス成長」となるなかで、この反対論は弱まるような気がする。

 ドラギがQEを決断するのは、案外早いかも知れない。


2014年08月14日(木曜日)

 (17:46)二週連続の木曜日における「対談」でしたが、ともに面白かったな。

 先週の木曜日は東洋経済の関係で、デロイトトーマツコンサルティングの近藤社長と。コンテンツは雑誌が出るまであまり公表できませんが、言ってみれば「日本経済の先行き」に関して。確かに私が「日本力」を書いたときとは事情も変わってきているので。何が起き、そして何をすれば良いのか、を。企業視点で。

 今日は法政大学の広瀬崇子教授と。広瀬さんとはこれまでもテレビやラジオでご一緒したことがある。インドにめちゃ詳しい方で、また近々インドに渡られるそうです。

 こちらは「公研」さんの依頼で。どちらかと言えば、公研さんの雑誌の方が早く出ると思う。あまり一般には目にしない雑誌ですが、取り上げる問題がユニークで面白い。

 モディ首相が登場して変わり始めたインド。そのインドの今後を、モディ首相を中心に据えていろいろお話ししましたが、先週とは反対で今週はむしろ私が聞き役という感じ。だって、行っている回数からして広瀬さんの方が遥かに詳しい。私はどちらかと言えば、広い視点で。

 ところで、クリミアで安保会議を開いて14日にプーチンが重要演説をするという記事をどこかで見かけたが、どうしたのか。関連ニュースを見たら、コンボイが再び南下を開始という記事がニューヨーク・タイムズにあった。

 メールを送ってくれたロシアに詳しい方の文章によると、ポロシェンコになってもウクライナ経済に光明は見えないようで、それがキエフの政府内の混乱、地方での中央政府に対する不満に繋がっているそうな。ウクライナ情勢は複雑です。


2014年08月14日(木曜日)

 (01:46)少しニュースから離れた状態にいて、今になって「そう言えばロシアのトラック287台はどうなったのだろう」と思ってチェックしたら、モスクワ近郊を出てかなり進んだものの、ウクライナとの国境まであと300キロというところで足止めになっているようですね。

 「ようだ」というのは、ロシアが「今コンボイはどこにいるか」というのを発表していないので。ロシアはウクライナとの合意も国際赤十字との合意も出来ているようなことを言っていたが、実際にはそのどちらとも最終的な合意は出来ていなかったようだ。

 「200トン相当の食糧など援助物資を積んでいる」とロシアは主張しているが、本当にそうなのかは不明。ウクライナは荷物の積み替え、ウクライナ側の荷物チェックがなければ「国境を通さない」と言っているので、その話し合いが出来ていないのでしょう。

 噂としては、今予定されている国境通過地点はウクライナ政府の勢力が及ぶ範囲なので、ロシアはルガンスク、つまり親露派の勢力が強いところまで南下して、トラックをウクライナ領内に入れるのではないか、というのが出ている。それは明らかにロシアによるウクライナへの挑戦なので、そうなれば「事態はエスカレート」と言える。

 プーチンとして何が狙いなのかはまだ不明だ。親露派を見限っていない、という国民に対するポーズかも知れない。いずれにせよウクライナ軍によって親露派がドネツク、ルガンスクの二カ所に追い詰められている状況は、プーチンにとって好ましくない。

 といって、ウクライナ領への軍隊の直接的な派遣は西側との全面対決になって好ましくない。そこで取っている措置が、ウクライナへの最大の嫌がらせとしての287台ものコンボイの派遣、ということになっているのだと思う。どちらにせよ、ロシアはウクライナの東部がしっかりとキエフのウクライナ政府の下に入って欲しくはない。

 しかしあの300台近い白いトラック群が、このままモスクは近郊の軍事基地に戻るとも思えない。それはプーチンが顔を潰すことになる。ヨーロッパやアメリカのマーケットはまだ残る懸念を消し去っているように見えるが、まだ安心は出来ないでしょう。

 あと一つニュースを見ていて「おや」と思ったのは、「Manchester United bans tablets and laptops at home matches」というニュース。つまりサッカー場にipad mini を含めてタブレットを持ち込みは禁止だし、ラップトップも禁止、というもの。

 この記事を読むとイギリスの全サッカー場がそうするのではなさそうだ。あくまでマンユーのホームゲーム。しかしその理由は、「観客が無断でサッカーの試合を録画するから」ではなくて、「テロ警戒」のそれのよう。

 「それは空港と同じだ」とBBC。実際的にサッカー場にタブレットを持ち込む人は日本にはあまりいないでしょう。しかし日本に来ている外国人などを見ると結構タブレットで静止画や動画を撮っている。思った以上に使われているかも知れない。

 今イギリスの空港でアメリカ便に乗る乗客に課されているのは、ラップトップでもそうですが、「スイッチを入れて、それが本当にPCであることを証明する」というもの。「サッカー場ではそれが出来ないので、そもそも持ち込み禁止」というのが論理らしい。

 ただしこの記事によれば「15cm by 10cm (5.9in by 3.9in)」以内のスマホはokだとか。今計ったら、私のそれは「12.5cm by 6cm」(iPhone)なので問題ないのですが、そういう問題ではない。タブレット・タイプの爆発物が開発されていて、それを当局は警戒していると理解できる。

 危ない世の中になったものです。プロの間では、「体内埋め込み型の爆弾」もあるそうな。ま、センサーも進歩するのでしょうが......それにしてもという話。


2014年08月12日(火曜日)

 (10:46)今朝の新聞で面白いなと思った数字は、「訪日客11人で定住1人分消費」かな。日経に出ていて、端的に言えば「日本を訪問する外国人が11人が国内で消費する金額は、平均的日本人一人の消費額に相当する」という。

 この記事には日本人の消費の「期間」の特定がないが、常識的に考えて「年間」と考えて良い気がする。一年は12ヶ月なので、訪日外国人の11人はほぼそれに相当するし、訪日外国人が日本で使うお金は、通常の滞在が一週間として、「彼らは一週間でホテル代などを含めると、日本人一人が一ヶ月に使うお金をやや上回るお金を使う」と考えると、「そうかな」と思う。

 ということは、日本の人口は既に減少トレンドに入っているが、それに逆行する形で訪日観光客を増やせば、日本人の消費のマイナス分をかなりの程度補える、ということでしょう。逆に言えば、フランスのような国はいかにGDPを訪仏客が補っているか想像が出来る。

 この日経の記事によれば、この推計を出しているのは「国土交通省」となっている。既に銀座の三越の売り上げの1割は訪日外国人。この記事のメーンが「訪日客争奪 はや前哨戦」となっているのは当然のこととして、全体像的には「去年1036万、今年は1250万になるかもしれない訪日客を、いかに増やすか」が一番大きなポイントでしょう。

 見ていると、はや「日本の8月は暑い」という印象が広まっているのか、やや皇居まわりやその他観光地の外国人は少なくなっている気がする。暑さ対策は6年後のオリンピックにも通じる。

 それともう一つ「あれれ」思ったのは、朝日に載っていた「エボラ熱、中国人医師ら感染か 8人隔離 シエラレオネ」という記事。冒頭は「西アフリカのシエラレオネで、大流行しているエボラ出血熱の感染者を手当てしていた中国人の医師ら8人が、感染の疑いがあるとして隔離されていることが分かった。AFP通信が11日、現地の中国大使の発言として伝えた。」となっている。

 医師はエボラ出血熱の怖さを一番知っている人たちだと思う。なのに「医師への感染」が頻繁に伝えられる。現場の医療環境、労働環境が厳しくて、例えば防御服をきていても注射針の先が刺さって感染したりとかいろいろあると思う。

 それはあるとして、やはり恐ろしい病気、ウイルスだということでしょう。寄生体を直ちに殺すので伝搬力は弱いと見られていて、実際にそのウイルスを直接的な死因とする人の数はインフルエンザを大きく下回る。

 しかしやはり警戒した方が良いということでしょう。すべての病気がそうであるように、体力が落ちた人、水などが不潔な場所、保健意識の低いところに巣くう。という意味では、個人個人でできる事は沢山あると思う。日曜日の夜のこの番組に電話出演の大滝さんが読売新聞のインタビューに登場されているが、現場は過酷です。


2014年08月11日(月曜日)

 (19:46)大阪に到着したらめちゃ涼しい。タクシーの運転手にそのことを言ったら、「昨日、今日ととっても涼しく、今日は29度ですわ。窓を開けて走っている車も多いですよ....」と。空気にかすかに秋の気配を感じるのは東京もそうですが、今日の大阪にはビックリしました。でも明日は暑くなるとか。

 それにしても、日中、日朝の外相会談が実に久しぶりにミャンマーの首都ネビドーで実現。日中は2年ぶり、日朝は10年ぶりと。日韓を含めて政府高官の接触は最近では珍しいので、何が生まれてくるのか、または何も生まれないのか。

 確かなことは、関係国が今までの言ってみれば凍り付いた状態からの脱出を一応の念頭に置いていると言うことです。無論各国には立場があるが、それをどう知恵で乗り切れるかが重要。今の状態では、世界から見ても異常な隣国関係が北東アジアで展開していることになるので、好ましいことです。ま、展開次第ですが。

 それにしても、まだ世界で知らないことが多いな、と思いました。「ヤジディ教」という宗教の名前に触れるのは恐らく私は最初です。ネットを見ると「イスラム教誕生以前の宗教が基になりゾロアスター教、キリスト教、イスラム教の影響を受けて現在に至る中東の宗教。主にイラク北部に暮らすクルド人の一部約50万人が信者とみられている。ヤジディ教徒は独特のクルド語の方言を話し、独自の文化や習慣を保っている」とある。

 彼らがテロ集団である「イスラム国家」の今の攻撃対象になっている。既に女性・子供500人が連れ去られたとの報道もある。アメリカは空爆や空からの食料・水の投下をしているが、常識的に考えても作戦の限界は明らかです。

 ガザを支配するハマスとイスラエルの戦いは、今までにもパターンがあって、ある程度落ち着きどころは見えている。しかしこの突如出現したイスラム国は何をしだすか、誰が支持・支援しているのか、今後どのような行動をするのか不明。その分だけ不気味です。

 ところで、私が通常使っているMacエアは、私を置いて今博多を目指している。ははは。PCを忘れるのは珍しい。でも明日には私の手元に戻るはずです。JRの方々にはご迷惑をおかけします。もう使わないだろうと思いながら大阪に置いていた古いwindows マシンで文章を作成。うーん、ソフトウエアもまだ使える。


2014年08月11日(月曜日)

 (05:46)夕べの「いま世界は」でも申し上げたのですが、やはり「オバマ外交政策は混迷している」と思う。再びイラクへの限定的空爆を開始したが、「着地点」をどこに置いているのか全く不明。いつ空爆をやめ、そしてまた再開するのかどうか。曖昧なままの政策なのだ。

 開始に関する説明は「少数民族に対するジェノサイドをやめさせ」「イラク北部の都市アルビルの米政府の出先機関、民間企業を守る」と揃っている。しかし少数民族に関しては、既に数百人が死に追いやられたとの報道もあって、「遅きに失した」との批判も出てきそうだ。

 今イラク北部の少数民族やアルビルを脅かしているイスラム国(IS)というテロ集団の存在は、よく分からない事が多い。しかし俄に登場したこの武装集団は、シリアとイラクに及ぶ地帯の権力の空白の中で、急激に勢力を伸ばした。

 むろん中東には長い歴史があって、そこに働く力学は複雑だが、私は直近の一連の危機を考える度に、オバマ大統領の対シリア政策のぶれが今の事態を招いたように思う。さっき読んだFTにもクリントン元国務長官がオバマの対シリア政策(特に反政府勢力支援の問題)を批判しているようだが、やはりあの化学兵器問題の時のオバマ大統領の対応が間違っていたと思う。

 一度は化学兵器を持つシリアへの軍事介入を強く示唆しながら、その後に「議会が同意しなかったから」としてそれを撤回した件だ。シリアのアサド政権はそれもあって生き残っているが、オバマの決定はシリアの反体制派の活動を著しく混乱させた。その混乱がイスラム国の伸張を可能にしたように思う。アメリカはその脅威に、空からの限定的な爆撃で対応しようとしている。

  そのターゲットはアルビルに接近する軍用車に対する爆撃や、ゾロアスター教の流れをくむ少数民族に対する食料投下だという。しかしその程度で事態が好転するとはとても思えない。むしろそのうち誤爆などが生じて、非難されるのはアメリカになりかねない。

 ウクライナ、イスラエルとガザなどなど一気に地政学的リスクがたまっている今の世界。それに加えてシリア・イラク情勢の混迷。そしてエボラ問題。一気に吹き出しすぎているように思う。


2014年08月08日(金曜日)

 (13:46)久しぶりに日本のプロ野球の勝敗表を見て、「へえ」と思いました。セリーグの首位(巨人)と最下位(ヤクルト)とのゲーム差が11.5しかない。もっともっと大きく開いていた筈ですが。パリーグのトップ(ソフトバンク)と最下位(楽天)とのゲーム差は21.5。ということは、今年はこれからのセリーグが面白い、「何かが起きる」ということになる。

 また何とDeNAが実に8年ぶりに巨人に3タテ(3連勝)と。その前の新潟での2連戦でも、DeNAは連勝するチャンスが濃厚にあった。たまに見ると桑原選手など、このチームには面白い選手が出てきている。多村も良い。なかなか面白いと思う。

 巨人と阪神、広島がセリーグの上位なのですが、この3チームは後半戦に入って連勝できない。ジャイアンツに至っては連敗。私は巨人の弱体化は、原監督の指揮がおかしくなっている」からだと思う。

 毎試合のように打順が変わる。4番をころころ。長野を突然据えて数試合で「ダメ出し」をして先発から外したと思ったら、その次の試合で3番で起用したりしている。阿部は確かに不調だが、昨日のように突然「一塁」と言われたら、そりゃ失策もするでしょう。

 彼も7番を打ったり、4番を打ったり、その次は6番を打ったり。今の巨人では、「今日は自分は何番で出る」と確信を持って球場に来る選手はいないのでは。そりゃ選手のストレスはたまる。

 見えるのは、監督と選手の間の軋轢、不信感です。あの指揮では、選手はやってられないと思う。加えて、投手も全体に弱体化してきた。今の巨人は内部崩壊の危機に直面しているように思う。あまりにも選手をいじりすぎるので、誰も落ち着いて仕事をしていない。その中で高まっているのは相互不信です。

 その間隙を阪神、広島が付ければ一気に首位が入れ替わって面白いのに、どちらもお付き合いがうまい。それでも巨人が負け続けているので、3位の広島とトップの巨人のゲーム差は2.5に狭まってきた。

 多分、今日から10試合くらいが、今年のセリーグのペナントレースの行方を左右するのだと思う。今はセリーグの下位のチームから上を狙えるチームが出てきたら面白いと思う。加えて、今年のポスト・シーズンはちょっといろいろありそうですね。下克上がある方が面白いので、下位のチームには頑張って欲しいと思っています。

 それはそうと、原監督に何か意見を言える人はいないんでしょうかね ?


2014年08月07日(木曜日)

 (23:46)中国が「米アップル社の製品を中央省庁などの政府機関で使用することを禁止した」と伝えられる一方で、ロシアは日米欧の対ロシア制裁に対抗して「対露制裁を発動した国およびその支持国からの食料品と農産物の輸入を禁止もしくは制限」したりと。

 戦後から続く「自由貿易」に反する措置が次々に実施に移されようとしている。残念だし、それぞれの国にとってばかりでなく、世界経済にとって危険だと思う。むろんロシア、中国が「対抗措置」を打ち出すに至ったのには理由があるが、その”理由”を作ったのは自らだ。

 それぞれ、「跳ね返ってくるブーメラン効果」を考え抜いた上でしょう。ロシアの輸入規制に関する具体的項目は今後発表されるという。ロシアは実際に行くと直ぐ分かるが、非常に多くの分野で「輸入品」に依存している。

 にも関わらず「輸入規制」すると、関連製品は確実に値上がりする。無論農産物の生産はロシアでもしているが、あの北の国で潤沢に出来るものには限界がある。期間は「一年」だそうだが、既に6〜7%に達しているロシアのインフレ率は上昇するだろう。

 インフレ率の上昇はロシアの消費者の購買力の低下につながる。ロシア経済が「ゼロ成長」との予想も高まる中でインフレになれば、国民の暮らし向きは相当悪化するだろう。

 それを承知でするのだから、「反撃しないよりは、国民生活が少し犠牲になっても政治的にはプラス」とプーチンは判断したと言うことです。しかしこの「制裁合戦」がエスカレートすると、確実に経済の悪化がより進むのはロシアだ。むろん、欧米の打撃も大きく、特にロシアとの関係が深い欧州は深刻だ。

 私が心配するのはロシアが窮鼠になることだ。軍事力を持つとっても危険なネズミなので、猫を噛むところまでは進行させないようにしないといけない。その辺はオバマ大統領も知っているとは思うが、シリアへの不介入以来、ちょっとオバマに焦りが見えるのが気になる。


2014年08月06日(水曜日)

 (18:46)明日締め切りの原稿を書きながら、「夏が一番落ち着いて仕事が出来るな」と改めて思いました。新しいスケジュールは入らないし、実際の講演も少ない。レギュラー以外に時々「この番組に」といってテレビ局やラジオ局から声がかかるくらい。

 だって誰もこの皆が遊んでいる夏に何かビジネス的な新企画をするということはないでしょう。何か予定があると、その一週間前くらいが、「いつ頃いらっしゃいますか」「何で来られますが」とか、「予定がちょっと変わりました」とか本当に小忙しい。小うるさいというか。

 夏はそういうのがないんですよ。レギュラーが終わったら落ち着いて原稿が書ける。街も「ここぞ」と言うところ、例えばデパートだとか、表参道だとか人が集まるところはせわしないが、その他は静かです。街も。

 そもそも電話はあまりかかってこないし、何よりも対応せざるを得ないメールが少なくなるのが良い。だって企画モノがないのだから、そりゃそうだ。秋になると、「あれ」「これ」といろいろ新しいことが出てくる。

 それにしても、最近は依頼から何からまずメールで来る。相手が置かれている状況を考慮しない暴力的な通信手段としての電話よりよほどその方が好きですが、しかし毎回「なになにの件」と案件を文中で明確にして欲しいな。

 出す方は私一人が相手でしょうが、私の方は同時進行的にいろいろ抱えている。だから、「例の件ですが.....」とかで始まるメールをもらうと、「何の件 ?」と思うわけです。これは多くのビジネスマンの方にとっても同じ事だと思います

 「○○○○の○○です」とか書いてあっても、その人がどの案件の担当者かは俄には思い出せない。やはり必要な予定はスケジューラーに集約していますから、「何月何日の件ですが」というのが一番思い当たる。そうすると今までのやりとりの履歴を見れる。

 ジャンクを含めて一日メールが300を超えると、よほどメールを送出した人か用件が目立たないとうっかりすると通過してしまう。絞ると必要なメールも絞られたりしますから、その加減が難しいので、今は全部受信。

 これだけメールがメジャーな通信手段になると、フェースブックとかのメッセージ、ツイッターを含めて新しいマナーの確立が必要だと思います。


2014年08月05日(火曜日)

 (12:46)まだ夏休みは始まったばかりですが、時間を見ては私もあちこちに行っていて、その中で「これは良い」と思う写真を2枚ほど紹介します。いずれも先週の土曜日の早朝に伊豆半島の最南端・下田に近い「弓が浜」で撮影したものです。

 夜明けしばらくしてから午前5時20分くらいまで、弓が浜の中程から見て右側に虹が架かった。私も浜に出て初めて気がつきました。自然のシャッターチャンスは早朝が一番なので、出かけると早朝に外に出る癖が付いている。台風12号が西日本に接近していて、ちょっと海の波が高く、空模様も不安定だった。

 撮影したのはちょうど午前5時くらい。そういう気象環境もあったのでしょう、実に綺麗な虹が出ていて、それが朝陽を受けて右肩上がりに綺麗に金色に輝いていた帯状の雲と重なって、変形T字型の光の字が出来たようになった。

 二枚目は、その逆側。つまり弓が浜の中程から左側を見た時の写真です。太陽が出てきているサイドの写真。ほぼ同時刻。これも綺麗でした。ちょっと記念に。自分が撮影した so far の今夏の写真の中でもお気に入りの2枚です。


綺麗に出来たT字形の光のリンク。綺麗でした

その反対側の弓が浜の空、2014年8月02日早朝


2014年08月05日(火曜日)

 (11:46)昨日今日の両日、東京・大阪の中心部を移動して分かったことは、大都市の中心部を走る車の数は普段より確実に減っている、ということです。まあ皆さんどこかにお出かけで、車を出しているのか、家や事務所に置いて出かけているのでしょう。

 中心部を走る車のナンバーを見ても実にバラエティに富む。普段見かけない東北とか九州のナンバープレートが一杯。良いことです。冗談ではなく本当に暑いので、街も服装も夏バージョンが圧倒的になった。駅は短パンの氾濫ということになる。私も無論普段は短パンです。長いズボンなどはいていられない。

 それにしても、今朝の番組終わりから数時間しかたっていないのに、新幹線に乗ったら「理研の笹井氏、自殺 先端医療センター関連施設内」といった速報が。

 詳細は不明ですが、来阪途中の新幹線の中で「新潮45」を開いたら「STAP問題の特集」があってそれを読んでいたので、「新たな展開だな」と思いながらニュースを見ました。今小保方さんが実証実験中でしたっけ。その最中。今度こそ理研は抜本的な改革が必要になるでしょう。

 ところで「新潮45」の話が出たのでこの雑誌について書きますが、日本のあまたある雑誌の中ではやはり出色ではないでしょうか。視点といい、興味深い記事の数といい。最近は方向性を決めてその方向でのみ記事を作ったり、その方向で中味をまとめるものが多いのですが、「新潮45」はそうではなくて取り組みの姿勢や視点が非常に斬新で面白いと思います。

 雑誌には厳しい時代と言われているし、実際のところ速報性に欠けるので私もあまり普段は雑誌は読まないのですが、この雑誌には毎号目を通しています。今後も良い特集を期待したい。


2014年08月04日(月曜日)

 (08:46)中国は政治ばかりでなく、地面まで揺れていますね。粉じん爆発で工場が木っ端みじんになった事故では、「地面が揺れた」と工場近くにいた人がテレビで言っていましたし、雲南省では本当に地震が発生した。まだ詳細は不明だが、相当な死傷者が出たようだ。

 工場の粉じん爆発で69人が死亡と伝えられているのは、何か非常に大きな手抜きがあったとしか思えない。それは工場の構造なのか、行程の手抜きなのか、そして安全手順の手抜きなのか。

 一つ言えることは、工場で働く人々のレベルは、明らかに日本の方が高く知識レベルの全体的底上げが行われている、ということだと思う。中国で工場を経営したことのある人に聞いたことがあるが、「中国では日本の常識は通用しない。働く人々の知識レベル、教育レベルが大きく乖離して、常識と知識に欠ける人がいるからだ」と言っていた。そうだと思う。それに加えての拝金主義。

 「中国の政治」と言えば、昨日の「いま世界は」でご一緒した興梠(こうろぎ)さんの話は面白かったな。中国の政治の実態が非常に良くわかった。あれでは国民はかわいそう。何も政治に対して発言権もないし。

 社会全体が汚職や賄賂で汚染されているのに、ことさら「彼が」と抽出して権力闘争をして、それが社会の為と喧伝して自らに利する行動をする。その過程では「一家根絶やし」に近い排除を行う。

 これは私の意見なんですが、今の習近平の周永康を追い詰める手法は、「共産党の”統治の正統性”」に対する国民の根深い疑念を強めこそすれ、弱めることはないと思う。つまり長い視点で見れば、「共産党のトップが自ら自分の党の正統性を破壊した」ということになると思う。

 興梠さんと言えば、先日九州の熊本の天草あたりを運転していたら、「興梠」という地名が出てきた。直ぐに「興梠さん」を思い浮かべて、「この辺の出身の方かな」と思って、昨日番組の前の打ち合わせ後に聞いたら、「熊本とか宮崎とかその辺に一族がいるんですよ」という話。

 「伊藤」のような名字はダメですが、「興梠」のような特殊な読み方をする名字は、祖先の出身が分かる。「興梠」は最近サッカー選手が出てきたので読める人が多くなりましたが、それまでは大部分の人が読めない。

 でも私は「そういう名字だったら良かったのに」と思うことが時々あります。


2014年08月02日(土曜日)

 (08:46)こんなことができたらいいな、いや出来るだろう、という話。だって今はとっても前近代的で、面倒ですから。

 明日は旅行。車で出かける。「ここに寄って、次はここで、最後の旅館はここ」と調べる。スマホやパッドで調べて、その順序でルート表を作り上げて、それを車庫にある車のナビに送信しておく。そうすると、次の日の朝、一切の面倒な手続きなしに出発できる。

 いいでしょ。だって今は面倒。車庫の車に乗って出発準備でいろいろやることがあるときにナビの目的地を入れなければならない。あれはとっても二重手間だと思うわけです。だって一度「あ、ナビにはこの電話番号でいいんだ。これは旅館で事務所じゃないし....」と調べているわけですから。それをまた出してきて、今度はナビに入れる。ばからしい。

 車のナビがスマホ的な通信機能を持てば簡単にできる。手持ちのスマホ、例えばそれをベッドの上で扱っているとして、アプリ(パスワード付き)でナビ画面を呼び出して、「ここでスタート、それからココによって、最後はここ」と入れて、記憶させれば良い。簡単にできると思うけど。

 それにしても車載ナビの出来の悪さは筆舌につくしがたい、と思いました。今年部分開通したとネットに記述がある(しかしもうかなり完成に近い)伊豆縦貫道というのを通ったのですが、まったく認識できずに白茶色の意味のない画面の上を走っている。車が。

 では「スマホはどないだろう」と思って見たら、ちゃんと認識している。いつできた道路か知りませんが、車載ナビはほんとに役に立たない。


2014年08月01日(金曜日)

 (05:46)起きて見たら「あらら、久しぶりに大きく来たな」という印象。ニューヨークの株が月末の7月31日に317.06ドル、1.88%という大きな下げ。引け値はもう確報だと思うのですが16563.30ドル。高値からは500ドル程度下がった地点に来た。

 その他の代表的指標も安い。Nasdaqは4369.77でマイナス93.13(2.09%)、S&P 500 は1930.67でマイナス39.40(2.00%)、Russell 2000は1120.09でマイナス26.48(2.31%)。「なぜ」と思って見ると、ウォール・ストリート・ジャーナルには「there was no single catalyst for the selling, which came on the heels of broad losses in European shares」と書いてある。単一の理由はなし。ただし「欧州株安を受けて」と。

 そういえば欧州の株も安かった。31日はアジアはまちまちでしたが、ポルトガルの例の銀行の株が急落したこともあるし、徐々に対ロシア制裁を強くしていった場合の欧州への影響を懸念した面もあったのでしょう。

 代表的な指数を見るとFTSE 100が6730.11でマイナス43.33(0.64%)、DAXが9407.48でマイナス186.20(1.94%)、CAC 40が4246.14でマイナス66.16(1.53%)。一見して「ドイツの下げが2%近くで大きい」と分かる。ドイツの株は高値では10000に乗っていましたから、「ちょっとそれは昔」という印象。もっともスペインの株は2%を超える下げ。

 しかし欧州がどうあれ、ニューヨークは結構独自の動きをすることが多いので、それでもと同紙を読む進むと、トレーダー達は「こういっておる」という話が出てくる。それは

 U.S. traders pointed to disappointing earnings reports Thursday, which disrupted what has been a strong season for corporate profits. An upbeat reading from the labor market, meanwhile, sowed some concerns about the Federal Reserve moving quicker than had been expected to pull back on its easy money policies.
 エクソン・モービルなど決算が冴えなかった会社がいくつか出たこと、労働市場があまりに良くて、「FRBが予想より素早く利上げするのでは」という懸念が出たこと、などと書いてある。無論「People are taking profits and they are a little nervous」という指摘も。そりゃそうだ。高値警戒感はずっとあって、「いつこれが起きてもおかしくなかった」とも言える。

 もっとも水準としてはまだ高い。31日のこの大きな下げがあっても、「7月一ヶ月の単位で見ると、ダウは1.5% 、 S&P 500 は1.4%の下げ」に留まっていると言う。高値から見ると「結構下げた」となるが、月間では「久しぶりに下げた」というレベル。

 ニューヨークの株は下げたが、アメリカの通貨ドルは微動だにしていない。今現在でドル・円は102円85銭近辺、ユーロ・ドルは1.3385ドルなど。その他のクロス関係を見ても、「動かんな」という印象。つまり、昨日は特殊株的な動きと言える。

 ま今週は「このままでいいのだろうか ?」という思いが出てきておかしくない印象が強い週でした。

 今夜は米7月の雇用統計ですか。さて、何が出てきて、何が起こるのか。興味深い夜になりそうです。



ALL RIGHTS ARE RESERVED.Copyright(c)1996〜2016 伊藤 洋一