2014年01月31日(金曜日)

 (16:25)しかし、ニュースを追っていると中国の今の政権は本当に自信がないというか、自らの体制に害がありそうなものにとことん神経質ですね。

 国の父と言われ、自らもその手法をまねている面があるのに「毛沢東は勉強するな」と地方政府に言ってみたり、「贅沢だ」と批判されるのが嫌なのか春節のお祝いも超自粛でホテル・レストランが大打撃になったり、ニューヨーク・タイムズの記者がちょっと体制に不利な記事を書いたからと言ってビザを出さない、など。

 そうかと思うと、今の中国の憲法の枠内での運動を宣言しており、社会問題に関心がある人々がレストランに集まって解決法を議論する集会を指す「新公民運動」を敵視し、この運動を提唱していた許志永氏(40)に対して中国北京市の裁判所は今週、「公共秩序騒乱罪」で懲役4年の判決を下した。

 良く指摘されるのは中国政府は「運動」が嫌なのであって、個人が勝手に体制を批判している場合は問題視しないと言われるが、今の中国の習近平率いる体制を見ていると、「あまりにも神経過敏で今後は何に対してもレッテルを貼ってくるのではないか」という気もする。

 春節なのにPM2.5の数値が高いから「爆竹も抑制しろ」と言われれば、中国の人々も意気が上がらないでしょう。景気は悪くなるし、「じゃ、何が自分たちの生きがいになるのか」と中国の人たちも思い始めるのではないか。空気が悪いと外に出る気にもならないだろう。

 先日韓国の済州島が中国からの観光客の渦に巻き込まれているという内容の番組を見ていたら、上海と北京の両方の観光客が、「空気が汚くてここに家が欲しい」と言っていた。今までは生活が良くなっていたから、「共産党にやってもらえば良い」と思っていた人も、「ひょっとして違うかも」と思っているのでしょう。

 それを、つまり自分たちの存在を冷たく突き放して見始めている国民の空気を感じているが故に、習近平は神経質になっていると言える。今に中国の体制は「国民に誇れるもの」がなくなってしまう。国民の側も自分たちで選んでいないので、政府に対する信頼関係は希薄だ。

 そんな神経過敏な中国と対峙しているのが歴史的関係もあって日本という現実があるから、ダボス会議以降の世界のリスク視線は日中に向いているのでしょう。中国が何事にも過敏になっているのは、世界のどこにいても分かる。とても大国という印象はしない。

 そういう意味では、中国の関心が外にそれないような環境を作る必要がある。中国が国内の問題に目を向ければ向けるほど、「このままではダメ」と国民も政府も思う可能性が高い。もしかしたら、「賢い外交」というのはそういうものかもしれない。


2014年01月30日(木曜日)

 (22:25)へえ、両番組へのテコ入れでしょうね、今回の人事は。うまくいくかどうか。

 テレビ東京は今日、同局の大江麻理子アナウンサーを3月31日から報道番組「ワールドビジネスサテライト(WBS)」(月〜金曜午後11時)のメーンキャスターに起用すると発表。今ニューヨークにいる彼女を呼び戻しての起用となる。

 うーん、最近あまりWBSは見ないのですが、たまに見ると何か画面から覇気が伝わってこない。視聴率もあまり良くなかったらしい。テレ東の看板番組なのに。何かおとなしい番組、行儀の良い番組なっていた。以前はもっと面白い番組だった。

 「小谷さんが長くなってしまったのかな」と思っていた。存じ上げているので、頑張って欲しいなと思っていたのですが。それにしても、小谷さんの交代は毎年話題に上がって、毎年見送りになっていたのだが、今回は発表だから本当でしょう。

 BSジャパンの「BSニュース 日経プラス10」(月〜金曜午後10時)もごくたまにしか見ないのですが、毎日キャスターの方が代わることに違和感があった。テレ東の発表によると、小谷さんはこの番組を週を通じてのメーンキャスターになるという。

 今よりも落ち着いた、安心して見られる番組になるのではないでしょうか。両番組が流れるこの時間は欧州からアメリカにマーケットの主役が入れ替わって直ぐの時間で、時にマーケットが大きく動く。その変化を両番組がどう伝えるのか。

 最近はマーケットの動きは私はもっぱらネットで見る。その方が「欲しい情報が欲しいとき、自分の都合の良い時」に入るからです。その環境で「あえてテレビを見る」となると、プラスαが必要です。

 今のところ、この二つの番組にはそれがない。だからあまり見ない、という関連性になる。交代したキャスターがこの二つの番組をどう変えるか楽しみです。


2014年01月30日(木曜日)

 (12:25)オバマ大統領の今年の一般教書演説を「拍手表示付き」で読んでいて、「いろいろな人を登場させて、その人たちのエピソードの力を借りるというインパクトに欠ける内容だな」と思いました。

 今の43%という支持率の低さから考えれば、「それも仕方がないかも知れない」と思う一方で、「何かあれば世界はアメリカを頼ってくる」と言いながら、世界に向かって発したメッセージはないと言っても過言ではない。かつてアメリカ大統領の一般競歩演説では頻繁に出てきた「freedom」の単語は、私のカウントでは1回しか出てこない。ということはそれを拒否している国々への非難もない、ということです。

 演説全体のメッセージに込められた一番のポイントは、「job job job」で、それは世界の指導者全員が気にしていることだから仕方がないにしても、「最低賃金のテンテン(10ドル10セント)がウリ」というのでは、やはりクビを傾げたくなる。

 「アメリカは良くなっている」「産業でも何でも強くなっている」と言いながら、そして「我々は一つだ」と言いながら、でも「あまりにも多くの人が職に就けない」「失業保険の期限切れで苦境に立っている人が居る」と嘆く。「今は動かなければならない」というのはその通りだが、ねじれの議会にしびれを切らして「自分の権限でやる」というのでは、今ひとつ彼を取り巻く人には力が湧かないでしょう。

 今年の中間選挙を含めてオバマ大統領にはまだ3年の期間がある。これは長い。この期間にどう成果を出すのか。一般教書演説を終えてオバマ大統領は遊説に出ているようですが、引き続き国民の関心を呼び込めるのかどうか。

 それと思ったのは、一般教書演説の最中に一杯拍手、起立が起きる。「こんなところで必要かな」というようなところまで。そして議員は立ったり座ったり。「忙しいことだ」と思いました。慣習なのかも知れないが、「ちょっとやる過ぎでは」とも思いました。


2014年01月30日(木曜日)

 (06:25)声明を読んでいて「あれ」と思うことは二点です。第一は、2011年8月のFOMC(予定外の開催)以来ずっといた「政策への反対者」が今回は一人もいなくなったこと、第二は最近の一部途上国通貨の大幅な変動(その大部分は急落)に関する言及が全くなかったこと。

 第一の点、つまり今回もQE3に基づく債券購入額を合計100億ドル(米国債50億ドル、モーゲージ債50億ドル)減らして月間650億ドルにしたこと(2月から実施)に関して、「誰も反対しなかったということは、昨年12月の米雇用統計の弱さ(非農業部門就業者数が7万4000人に過ぎなかったこと)など一部景気指標に関しては、「一時的ぶれとFOMC全体がみなしていること」を示す。

 「景気は全体的には改善に向かっており、失業率も低下の方向だ」というFOMCの総意が示されたことになる。今回の声明には「 economic activity will expand at a moderate pace and the unemployment rate will gradually decline toward levels the Committee judges consistent with its dual mandate.」という表現が見られる。

 前回の昨年12月のFOMC(月間850億ドルだった債券購入額を初めて100億ドル削減)では、「Voting against the action was Eric S. Rosengren, who believes that, with the unemployment rate still elevated and the inflation rate well below the target, changes in the purchase program are premature until incoming data more clearly indicate that economic growth is likely to be sustained above its potential rate.」とEric S. Rosengrenが「時期尚早論」を唱えていた。

 それ(反対者)が消えた。ということは、「更に100億ドルの削減」に関しては、FOMCとして確信に満ちた行動であることを示す。筆者にとっては更なる100億ドル分の削減は予想通りでしたが、反対者が出なかったことは「やや予想外」でした。

 しかし第二点、つまり少なくともFRBの政策を一因として一部途上国が直面している苦境(通貨下落、金利上昇など)に関して何も言及がなかったことはもっと予想外でした。私は何かを言うだろうと思っていた。しかし声明を何回読んでも、全く一言も言及がない。

 なぜか。何かを語ったら、米金融政策が「外部要因に左右されていることを示してしまう」と思ったのかもしれない。全体の流れの中で、うまく表現できなかった可能性もある。しかし「何も触れなかったことのツケは大きかった。この2〜3日間の「まなじりを決した利上げ(途上国サイドの)」にもかかわらず、これら諸国の通貨は売られ、逆にこの混乱を見てニューヨーク市場では株価が下がり、その影響で指標10年債の利回りは昨年11月26日以来初めて2.70%を割った。

 この米金利の低下を見て、やはり下がったのはドルでした。ドルは円など他の先進国通貨に対して急落した。ドル・円は一時101円の83銭があったと手元のデータは示している。日本時間午前6時現在の相場は、102円30銭程度。昨日の東京市場で103円の半ばがあったことを思えば、結構な円高だ。

 火曜日に93ドルほど上げたニューヨークの株は、主要3指標とも下げた。パーセントで見て一番下げたのはダウ工業株30種平均で、今後小幅な修正があるかもしれないが、日本時間午前6時現在(ニューヨーク市場の引け)の数字は、ダウが189ドル77セント安の15738.79ドル。1.19%の下げ。前日上げた分の二倍下げた。指標10年債の利回りは2.68%、

 バーナンキの最後のFOMCとしては、「静かな終わり方」ではない。多分「途上国通貨の混乱に対する不言及」以外は、「FRBに選択肢はなかった」と言えるかも知れない。しかし、このバーナンキ最後のFOMC前後の世界の金融市場の混乱は、後を担うイエレン女史の前途が多難であることを示唆しているように思う。

 FOMCの声明全文は以下の通りです。前回の声明と異なっている点はあまりない。6.5%への言及、言及した割にはこだわりのなさは相変わらず。

Release Date: January 29, 2014

For immediate release

Information received since the Federal Open Market Committee met in December indicates that growth in economic activity picked up in recent quarters. Labor market indicators were mixed but on balance showed further improvement. The unemployment rate declined but remains elevated. Household spending and business fixed investment advanced more quickly in recent months, while the recovery in the housing sector slowed somewhat. Fiscal policy is restraining economic growth, although the extent of restraint is diminishing. Inflation has been running below the Committee's longer-run objective, but longer-term inflation expectations have remained stable.

Consistent with its statutory mandate, the Committee seeks to foster maximum employment and price stability. The Committee expects that, with appropriate policy accommodation, economic activity will expand at a moderate pace and the unemployment rate will gradually decline toward levels the Committee judges consistent with its dual mandate. The Committee sees the risks to the outlook for the economy and the labor market as having become more nearly balanced. The Committee recognizes that inflation persistently below its 2 percent objective could pose risks to economic performance, and it is monitoring inflation developments carefully for evidence that inflation will move back toward its objective over the medium term.

Taking into account the extent of federal fiscal retrenchment since the inception of its current asset purchase program, the Committee continues to see the improvement in economic activity and labor market conditions over that period as consistent with growing underlying strength in the broader economy. In light of the cumulative progress toward maximum employment and the improvement in the outlook for labor market conditions, the Committee decided to make a further measured reduction in the pace of its asset purchases. Beginning in February, the Committee will add to its holdings of agency mortgage-backed securities at a pace of $30 billion per month rather than $35 billion per month, and will add to its holdings of longer-term Treasury securities at a pace of $35 billion per month rather than $40 billion per month. The Committee is maintaining its existing policy of reinvesting principal payments from its holdings of agency debt and agency mortgage-backed securities in agency mortgage-backed securities and of rolling over maturing Treasury securities at auction. The Committee's sizable and still-increasing holdings of longer-term securities should maintain downward pressure on longer-term interest rates, support mortgage markets, and help to make broader financial conditions more accommodative, which in turn should promote a stronger economic recovery and help to ensure that inflation, over time, is at the rate most consistent with the Committee's dual mandate.

The Committee will closely monitor incoming information on economic and financial developments in coming months and will continue its purchases of Treasury and agency mortgage-backed securities, and employ its other policy tools as appropriate, until the outlook for the labor market has improved substantially in a context of price stability. If incoming information broadly supports the Committee's expectation of ongoing improvement in labor market conditions and inflation moving back toward its longer-run objective, the Committee will likely reduce the pace of asset purchases in further measured steps at future meetings. However, asset purchases are not on a preset course, and the Committee's decisions about their pace will remain contingent on the Committee's outlook for the labor market and inflation as well as its assessment of the likely efficacy and costs of such purchases.

To support continued progress toward maximum employment and price stability, the Committee today reaffirmed its view that a highly accommodative stance of monetary policy will remain appropriate for a considerable time after the asset purchase program ends and the economic recovery strengthens. The Committee also reaffirmed its expectation that the current exceptionally low target range for the federal funds rate of 0 to 1/4 percent will be appropriate at least as long as the unemployment rate remains above 6-1/2 percent, inflation between one and two years ahead is projected to be no more than a half percentage point above the Committee's 2 percent longer-run goal, and longer-term inflation expectations continue to be well anchored. In determining how long to maintain a highly accommodative stance of monetary policy, the Committee will also consider other information, including additional measures of labor market conditions, indicators of inflation pressures and inflation expectations, and readings on financial developments. The Committee continues to anticipate, based on its assessment of these factors, that it likely will be appropriate to maintain the current target range for the federal funds rate well past the time that the unemployment rate declines below 6-1/2 percent, especially if projected inflation continues to run below the Committee's 2 percent longer-run goal. When the Committee decides to begin to remove policy accommodation, it will take a balanced approach consistent with its longer-run goals of maximum employment and inflation of 2 percent.

Voting for the FOMC monetary policy action were: Ben S. Bernanke, Chairman; William C. Dudley, Vice Chairman; Richard W. Fisher; Narayana Kocherlakota; Sandra Pianalto; Charles I. Plosser; Jerome H. Powell; Jeremy C. Stein; Daniel K. Tarullo; and Janet L. Yellen.


2014年01月28日(火曜日)

 (12:25)今のエジプトで実質的権力を持つシシ国防相が大統領選挙(4月までに実施)に候補者の一人として出て、「今の情勢だと国民の支持を得て当選する」とのこの記事を読みながら、「(エジプトにとって)一体この3年間は何だったのか」と考えてしまいました。

 「アラブの春」でエジプトのムバラク(空軍出身)政権が動揺・崩壊したのが2011年の2月。彼は実質的に軍事政権のトップを30年の長きにわたって続けた人物。その彼が追われてモルシ率いるムスリム同胞団が選挙で政権を取ったものの、経済政策・治安対策に失敗して国民の支持を失墜。その後はシシ率いる軍が実質的に同国を支配してきた。そして今回軍全体の支持も得て、シシ国防相が大統領選挙に出て、そして当選する見通しと。

 「なんだ、一周しただけじゃない」と思うのは私だけでしょうか。無論この3年間がエジプトにとって無駄だったとは思いません。誰に政権を任せれば国が静かになり、観光客が戻ってくるか、それを「民主化」との天秤にかけてどう考えるかを試行錯誤したのだと思う。

 エジプトからの最近の報道は、「この3年間が同国にとって非常に厳しい経済情勢を余儀なくされた期間だった」ことが伝わってくる。国がガタガタしていれば観光客は来ない。その観光が同国にとっての最大の産業だから、その不振はエジプト経済そのものの不振、人々の就職苦、生活苦に繋がる。

 シシ国防相が国を治めれば少しは状況は改善するだろう、という期待は分かる。しかし「大統領選挙に出る」と言っても一体どういう政策で出るのかはっきりしない。というか、はっきりさせていない。「(エジプトでは)軍に対する信頼が厚い」だけではすまされない問題だと思う。

 サダトの後を継いでムバラクが国のトップに就任した時以上に、シシ大統領を取り巻く環境は厳しい、とニューヨーク・タイムズは指摘して、次のよう問題を指摘する。「an increasingly unruly domestic population, including an elite expecting a full restoration of its privileges; generals who may see him as only the first among equals; a broad section of the public that still feels empowered to protest; at least hundreds of thousands of Morsi supporters who openly reject the new government; and a terrorist insurgency determined to thwart any hope of stability」。

 unruly というのは「言うことをきかない」という意味です。そりゃそうだ。3年間の同国の政情が育てたのは自ら主張する国民です。しかも若者が増えている。「特権のフル回復を期待するエリート層を含む主張多き国民、シシ国防相を対等者の中でのやや抜けた人物としか見ない軍の将軍達、抵抗をいとわない一部の国民、新政権を拒否して選挙で選ばれながら失脚したモルシ氏を今でも支持する勢力、そしてエジプトの安定を動揺させようとするテロリスト集団。

 国の統制を取るのは容易ではない。また外交関係も微妙です。新しい大統領はアメリカなどの国とどのような距離感を保つのか。若者が増えるエジプトでは政治的主張は多様化し、かつその若者のかなりの部分は失業している。

 この記事にはシシ国防相の生まれ(1954年11月19日)や育ったときの環境などが記されている。「born to rule」でないことは明らかで、逆に言えば庶民派と言えるかも知れないが、統治に危うさは残る。

 それにしても世界の理想とされる「民主主義」がそれぞれの国に根付くことの難しさが分かるエジプトの政情展開ではある。


2014年01月27日(月曜日)

 (19:25)ほう、今月末にデフォルトかと騒がれていた分については、とりあえず乗り切れたようですね。「Chinese trust fund avoids high-profile default」というFTの記事はそう読める。

 この件については、先週末にロイターが中国工商銀行の幹部の話として、『(デフォルトの可能性が浮上した信託商品(「中誠誠至金開1号集合信託計画」)について)償還に関し一定の責任を負うと表明した』と伝えていた。さらに「それに関する決定を28日までに投資家に通知する」とし、「中国工商銀が風評問題を無視することはない」と述べたと伝えた。

 その段階で、今年大きな問題となる中国のシャドーバンキング問題の最初の試練はクリアできるという印象でしたが、一日早く朗報(とりあえずの)が届いたと言うことになる。しかし、FTによると詳細は不明で、「China Credit provided few details of that agreement, instructing investors to contact its client relations department. Investors who spoke to client relations said that they had been offered a deal to recoup their principal but not their third year’s worth of interest.」となっている。

 元本は返すが利子(年10%として3億元)は付けないという中途半端なもの。投資家はそれで納得するのか。だって、金利が高いことがこの理財商品のウリだったわけなので。

 FTにも書いてあるが、この件(調達金額30億元)は、「a tiny slice of China’s 1.2tn dollar trust market」なので、この問題が解決したといって中国のシャドーバンキングの問題全体は解決したことにはならない。


2014年01月26日(日曜日)

 (12:25)今日は東京は関西で言うところの「ぬくい」一日ですね。朝から。街を歩くと春のような気分になる。皆さん着ているものはしっかり冬ですが。笑えたのは麹町にあったスタチュー。全くの冬衣装でした。

麹町で見かけた可愛い釣り人。ちょっと温かくなる中で、この衣装でした。そのアンバランスが笑えた  走っている人も多かったな。信濃町を通りかかったときには、なにやらゼッケンを付けた方々がぞろぞろ。かつのんびり。何事かと聞いたら、「新宿シティハーフマラソン」とかなんとか言っていて、あちこちが通行止めになっている。外苑西とか新宿通とか。

 それに混ざって走るわけにも行かないので、独自の道をのんびり歩いたり走ったり。信濃町から四谷に抜け、麹町を経由して半蔵門といったコースでした。毎回同じ道を移動するのは面白くないので、時に今まで通過したことのない道、小道に入るようにしているのです。そうすると発見がある。

 今日の発見は「お直し」の店の増加ですかね。これは先週木曜日のタイムラインでも言ったのですが、例えば今日は麹町に「靴等々のお直しします」という店を見付けた。場所が場所で面白かった。これが結構都内はあるんですよ。

 実はデパートも結構お直しコーナーが人を集めている。実は私もそのお客の一人でした。つい先日。結構した革靴なのですが、汗などで皮にぼつぼつが出たりして、もう寿命かなと思った。しかしその靴を履いてデパートに行ったとき「これ、どうにかなります」と聞いたら、持ってきて何日か日にちをいただければ.....という話だった。

 だから他のちょい問題のある一足と併せて二足先日持って行ったのです。そしたら一週間で非常にうまく直ってきた。一足2500円だったと思った。「素晴らしい」と思いました。その時は新しい靴の売り場に誰もお客さんがいないのに、修理のセクションだけはお客さんが結構多かった。

 それ以来街を注意深く見ていると、結構これがあるんですよ。洋服のお直しもありますね。装飾品のお直しもある。まあ日本人は山ほど良いものを持っていますから、それを「大事に使いたい」「」何回も直して使いたい」という気持ちになってもおかしくはない。良い美意識だと思う。

 やっぱし良いものは大事にしないと。直していると余計愛着が湧く。だいたい僕に言わせると、ボールペンでも時計でも何でも、良いものでも直ぐにモデルチェンジの対象になる。だから好きで買ったものは「直しながら使う」のが良い。

 簡単に使い切るものは別ですが、「お直し」しながら使う。環境にも良いし、良い美意識だと思います。


2014年01月24日(金曜日)

 (14:25)ははは、川越にはそんなに回数多く来ているわけではないのですが、来るとなんとなく落ち着いて、懐かしい感じで、いいですね。今日も仕事が入っていたので2時間くらい早目に西武新宿から移動して、食と街並みを堪能しました。

 何せ天気が良かった。空が綺麗なので、この「蔵造りの町並み」も映えるんでしょうね。まだ金曜日なので、土日の喧噪もなく、皆さん静かに散策をしている。

 蔵が並ぶ街は日本のあちこちにある。ここ川越の特長は、「黒の基調」ということで、ロンドンのように空襲を避けるために黒くしたわけでもなく、もっぱら「美意識」で黒くしたとか。ナイス。まあ虫も付きにくいのでしょう。

 うまかったウナギとか芋とか、いろいろ売り物がある。今日は「昼飯」と言うことで、ネットで調べたのですが、着いたら本川越の駅の中に案内所があったので寄って、「何か良いものは....」と聞いたら、「やっぱし鰻でしょう」と。

 前回も鰻だったので「うーん」と思ったのですが、違う店(前回はたしか「いちのや」)を紹介してくれたので、その店(林屋)まで15分くらいのんびりと歩きました。

 同じ川越といっても、店によって蒸し方は違う。しかし総じて言うと小江戸(川越)の鰻屋さんの蒸し方は、江戸(例えば「大江戸」)と比べると、ちょっと硬めなのかな。少しだけ関西鰻の雰囲気がする。だから私にはあう。

 お江戸の鰻は、ちょっと蒸しすぎのところもあって、歯ごたえが全くなくなっている。柔らかすぎる。「関西風」が食べたくなるのはそれが理由ですが、川越はいい。あとやっぱしお江戸の店より総じて安い。昔からやっていて店舗コストが安い店が多いからかも。

 びっくりしたのは、道を歩いていたら集団の中国人観光客の方々と遭遇したこと。正直「こんなところにまで来ているのか」と思いました。「古い日本」「東京で見れない日本」ということでコースに入っているのかも知れない。

 店をいくつかゆっくり見ましたが、「おもしろい」と思うものが多い。「じゃこれ買う」となると荷物になりますから、「また車で来たとき」と思ったのですが、とにかく店歩きが面白いのです。和菓子とかいろいろな店がある。ええですわ、川越は。


2014年01月24日(金曜日)

 (05:25)HSBCが昨日発表したときには、「これはマーケットに少しは影響するだろうな」とは思いました。しかしそれから24時間たたないのに、この発表は南アフリカ・ランド、アルゼンチン・ペソ、トルコリラ、ブラジル・レアルなどの新興国通貨を急落させ、世界中に「risk-averse」(危機回避)のムードを醸成し、その結果はニューヨーク・ダウの一時200ドル以上の下落、日本円の103円近辺への急騰という結果をもたらしました。

 この世界のマーケットの動きは、ダブル・パンチを受けたためと言えるでしょう。一つはこれら新興国の資源や製品の輸出対象国となっている中国の経済活動の鈍化を示す数字。これは最初に書いたものですが、実は昨日はアメリカのPMIも悪化した。これも響いたと思われる。米中は二大輸入国ですから。

 HSBCの中国PMI(国購買担当者景気指数)は昨日の発表で49.6と、好不況の節目となる50を下回った。50割れは昨年7月以来6カ月ぶり。昨年12月の確報値(50.5)から0.9ポイント低下した。中国に資源・製品を輸出してる国は「中国経済の鈍化」に怯えたと言える。その結果の通貨下落(当然国内市場も混乱しているでしょう)。それを先進国市場(日米欧)も「risk-averse」で応えた。

 次はFRBの量的緩和策が縮小段階にあり、来週もFOMCが開かれるなかで、その縮小措置が続く可能性が高いこと。これは「量的緩和措置の縮小」で、量的緩和そのものは続いているのですが、「アメリカの緩和マネーに頼ってきた途上国経済」には負担になる。加えて来週がFRBの舵取り人の交代(バーナンキ→イエレン)に当たるという微妙な時期だということ。アメリカのFRBの議長交代時には、マーケットは動揺することが多い。過去そうだった。

 このようにもともと世界の市場が不安定になりがちな時期に、中国(依然として今の世界で成長のエンジン)の景気悪化がきっかけとなって「一気に世界経済、マーケットに不安感が高まった」と言える。

 難しい立場に追い込まれたのが、来週FOMCを開く米金融当局です。「毎回100億ドルの緩和措置縮小」をもくろむFRBが予定通り縮小を続ければ、世界のマーケットは一段と動揺する危険性がある。一方で一回やっただけで縮小措置を中断すれば、当局の信頼性の低下に繋がる。

 何せ新興国通貨の下げのきつさは特筆している。アルゼンチン・ペソは実はどのくらい下げているのか分からないらしい。オフィシャル・レートとブラック市場(一般の人が使う)の相場が乖離しているためで、今朝のFTは「2002年の同国金融危機以来の大幅な一日としての下げ」となっている。

 同紙には年初来のペソの下げ幅は「20%に達した」とも書いてある。300億ドルを割った外貨準備の減少を避けるために、中銀はここしばらく介入していない。このためにペソは自由に下落している印象。しかしこれは同国のインフレ率を押し上げる。

 逆に中銀の介入が必要になったのはトルコ。FTはリラの急落を避けるために30億ドルほど同国中銀が使ったのではないかと書き、その結果トルコの外貨準備は340億ドルから350億ドルに減った、と書いてある。年初の同国の外貨準備は400億ドル前後だったと見られる。

 HSBCが発表した中国のPMIは暫定値に過ぎないのですが(ということは改定される可能性がある)、はからずも「今の世界市場の危うい均衡」を大きく揺さぶるには十分な数字だったことになる。

 「risk-averse」が何処まで続くか分かりません。続けばそのうちに必ず「risk-taker」が出てくる。それが世の常ですが、昨年まで高値を追っていたのが世界の株価という事情もあり、しばらくは要警戒でしょう。

 世界の政治情勢もシリアや南スーダン、中央アフリカなどを始め、普段は安定しているウクライナ、タイなどなどでもきな臭い。中韓と日本は対立したまま。投資家が安心できる状況ではないのが気がかりだ。。


2014年01月23日(木曜日)

 (00:25)日にちも迫ってきてマー君はどうするのかな、と思っていたら今し方MLBの公式サイトに「Tanaka reportedly accepts offer from Yankees」とあって、「やっぱしヤンキースに決めたのか」という感じ。

 報道によると、契約期間は7年。その間に保証されるマネーは1億5500万ドル、今の為替レートで161億2000万円。年間約23億円。このトータルマネーの額は、アメリカのMLBのピッチャーに与えられた契約額の中では、歴代5位だという。

 また契約には4年後の終了後、つまり2017年シーズン終了後に、「an opt-out clause」が付いているという。それは「a clause that permits signatories to a contract to opt out of particular provisions, or to terminate the contract early」というもので、「適用除外選択条項」と訳されているようです。

 ま、相思相愛だったのでは。ヤンキースは先発が欲しい。マー君はアメリカでも最も有名な球団で腕試しをしたい。最初の年から活躍してくれることを祈ります。ということは、黒田とチームメート。ヤンキースの先発4枚のうち2枚が日本人投手ということになる。


2014年01月22日(水曜日)

 (06:25)毎週大阪駅周辺を通過する私にとって梅田の商業地図の変遷は強い興味の対象ですが、ついにJR大阪三越伊勢丹が、「売り場面積の6割返上」を決断ですか。

 この名前の長さからしても、スタート時点から「大丈夫かな」という印象はしましたが、総じて京都(伊勢丹)にしろ名古屋(高島屋)にしろ駅隣接の百貨店は健闘・繁盛していて、地区の商業地図を変える力を発揮していた。だから、開業前には「そこそこには」という気もしていたのですが、時間の経過は同店に冷たかった。

 開業当時から見ていますが、本当に人が多かったのは開店して1ヶ月くらい。あとはお客さんが減る一方でした。平日の昼など本当にお客さんが少なく、店員の方が明らかに多かった。地下(食品売り場)も阪神・阪急に比べると人が少ない。「お客が少ないのがメリット(ゆっくり買える)」という面もあったが、それでは寂しいし、店も立ちゆかない。

 一つは立地が悪かった。今はグランフロントがオープンして北への繋がりが出来たが、出来た当時は「JR大阪三越伊勢丹を通過してどこかに行く」ということが出来なかった。言ってみればデッドエンドになっていた。これでは人が通過しない。

 第二に売り場が「ガラン」としていて、何か寂しかった。阪神デパートを見れば分かるのですが、大阪のお店はどちらかというと「にぎやかし」が多い。商品を一杯並べて、多彩で、色も派手で。しかし大阪の三越伊勢丹はずっと印象として「モノトーン」だった。

 東京の洒落た雰囲気を出したかったのかも知れないが、東京を主な活動の場としている私にも、「洒落ている」という雰囲気ではなかったし、どちらかと言えば、天井が高すぎて「権威と伝統を感じさせたい」という雰囲気だった。あれでは大阪のおばちゃんはついてこない。設計ミスですね。

 あとは三越伊勢丹の開業を機に、周辺の数多くのデパートが次々と改装などに踏み切り、お店としての開業効果が失われたのだと思う。まず大丸が改装し、その次は阪急が華やかに増床開業した。阪急と三越伊勢丹を比べると、その差は明確で「色彩感覚が違う」という印象さえする。

 加えて私の印象を言うと、大阪における「三越」は一度撤退しての再進出。念願だったのかも知れないが、再び「三越」の名前を持ちだしたのが間違いだと思う。最終的には「大阪伊勢丹」の方が名前としてもアピールしたのではないか。京都がそうですから。

 大阪のデパートの売り場面積は、「明らかに過剰」と言われたのが昨年。しかし行ってみると、三越伊勢丹に隣接するルクアには人が一杯いる。やはり売り場作りの失敗が大きいと思う。思うのはここでも大阪と東京の違いです。だいぶ違う。

 梅田だけでなく、去年まで大阪はデパートの増床ラッシュでした。阿部野橋や難波など大阪の南のデパートも増床を繰り返した。大阪三越伊勢丹の「6割の床面積削減」は、今の大阪の商業戦争の激しさを表している面もある。しかし一方で、やはり「個別失敗」の部類に入れられると思う。

 返上された部分がどう変わるのか、残る4割でどういう店作りをするのかは楽しみ。あの高い天井をどう使うのか。「ルクアと一体改装」ということは、「隣に何の店があるか分からない」というワクワク感は出るのだと思う。

 三越伊勢丹の時は、歩くと「次に何があるか」が予想できた。それが面白くなかった。


2014年01月21日(火曜日)

 (14:25)メンバーがおぼろげに見えてきたときには、「顔ぶれもまずは多彩でちょっと面白くなるかも」と思った方もいたと思います。「若手が出てこない」という懸念材料は最初からあったものの、私もその一人でした。しかし迫ってみるとなんのことはない。

 争点も見えず、議論の展開も見えず、議論や政策では対立軸がはっきりしない、どうしようもないイメージ選挙になりそうですね。東京都知事選です。なにせ23日に告示というのに、出馬予定者の公開討論会も全く行われていない。酷いでしょう、これは。選ぶ基準が十分に提示されない。

 原発の是非を問う、といっても、いろいろな「脱原発」があるわけです。即時ストップ宣言なのか、時限を切るのか(例えば2030年)とかがあるし、「ではその間、その後はどうする」という具体論を出さないと、議論が進まない。

 何せ「どちらかと言えば原発に否定的な意見を持たない人」は主要な候補者の中では田母神さんしかいない。あとは何らかの形で脱原発です。だから「その中味」が一番重要なはずです。原発に変わるエネルギーとしては今の日本では液化天然ガスですが、それはコストがかかる。では「次世代のエネルギー源」をどうやって伸ばすのか、それにはどのような政策があるのか、など。

 そもそも、原発に関わる問題は国全体が関わるものなので、国民投票か何かで決めるのが妥当です。日本に「国民投票法」がないのは知っていますが、それは是非作るべきでしょう。どこの選挙でも原発の是非について議論するのは良いが、最後は国の政策が重要です。

 だから私は都知事選挙で原発がシングル・イシューになるのには反対です。都にはいろいろな問題がある。都の税収がただ「多いから」という理由で国庫に吸収されるのには反対です。経済合理性に合致しない。

 日本に今必要なのは、「おまとめ」の発想だと思う。だって人口が減ると言うことはそれが必要になることを意味している。北海道などでは既に進みつつある議論です。そういう流れのなかで、例え東京の税収が他に使われるとしても、「どういう部門に、どういう論理で」が重要です。それに関する候補者の意見をまだ私は聞いていない。

 福祉や待機児童の問題も深刻です。ある意味東京は女性が仕事を見付けることが出来る大きなチャンスのある街なのに、そうはなっていない。それはシステムの問題なのだと思う。ではそれをどう変えるのか。

 オリンピックは決まったことなので良い、というわけではない。数多くの決めなければならない問題がある。出馬宣言しながら、正式な記者会見もしていない候補者がいるのは驚きです。なんも用意していなかった、と言われても仕方がない。

 投票は2月9日ですか。短いですよ。あっという間に終わる。「あと出しじゃんけん」なんて許さない前例を作らなければならないと思う。


2014年01月20日(月曜日)

 (14:25)ついこの間日本を追い抜いたばかりだと思ったのですが、既に中国のGDPは日本の二倍という勘定ですか。複利だから、成長率の差は数年たつと大きな差になる。

 中国政府の発表(信じるとすると)によると、中国の昨年一年間のGDPは名目で56兆8845億元で、今の為替レートだと約980兆円。これは前年比で実質で7.7%の伸び。まあ目標の範囲内です。昨年第四・四半期の成長率も同率。

 日本のGDPは480兆〜490兆円ですから、昨年の中国のGDPは日本の約2倍に達することになる。日本の場合はこの数年成長率は4%を越えることはまずなかった。しかし中国は成長率が落ちたと言っても7%台の後半。この差は大きい。

 人口(中国が日本の10倍)を考えれば、また発射台の差を考えれば中国のGDPが伸びるのは当然。今の段階で、つまり中国が日本の倍のGDPになった今の段階で、人口一人当たりのGDPは日本が中国の5倍ある、ということになる。実際そのくらいですかね。

 まあでも、人口が増えないし、投下資本もそれほど伸びないわけだから、日本も「生産性の上昇」によって成長率をなるべく引き上げる必要があるんでしょうね。日本の場合は特にサービス産業の生産性が低い。

 アメリカではデパートに行っても、「店員」という人にあまりお目にかかれない。それでもデパートは回っているんですね。しかし日本は一時よりは減少したと言っても、かなり依然として多い。平日の昼間など、デパートによってはお客の数より店員の数の方が多い。

 これは一つの例にしか過ぎません。アメリカ方式が良いとばかりは言えない。しかし、「もうちょっと何とかならないか」という気がする。無論、店員の商品知識は日本が高いです。それは家電量販店に行ってもそう思う。しかし.....です。日本経済はまだまだ改善の余地あり、と思う。

 日本がドイツを抜いて世界第2位の経済大国になったのは1968年ですか。その時は、日本の人口は西ドイツの二倍以上あった。だから勢いよく抜いたわけです。しかし抜かれたドイツが「世界第三位だから惨めな国になった」わけでは無論ない。

 今でもドイツはヨーロッパの中でも隆々たる国です。抱える産業の数も多い。そしてそれぞれが競争力を持つ。順位はあまり関係ない。海外から見て、「あの国は凄い」と言われるような国なら何位でもいいんですよ。


2014年01月18日(土曜日)

 (16:25)うーん、ちょっといけませんな。任天堂は私は戦後の日本が誇るべき会社の一つだと思っていたのですが、先週末の業績見通しでは2014年3月期を大幅に下方修正し、3年連続で営業赤字。これは厳しい。

 以前はよく電車の中でもお見かけしましたが、最近は「ゲーム専用機」というのを持っている人は本当に少ない。なんと言っても手軽にオンラインゲームが楽しめるスマートフォンやタブレット端末が主流でしょう。

 だって物理的に「携帯2個持ち」のような人が多いときに、加えて一つ、というのは現実的に無理です。さらに家で据え置きで使うマシンにしても、実はあまりあっても使わない。依然はテニスゲームなどをしましたが、最近はとんと。それよりも私は実際に外に出て走っている。そういう人は多いと思う。

 大阪市内で17日に記者会見した岩田聡社長は、「打つ手がなくて困っている状況ではない」と強調したそうですが、では具体的な対策は何かについては語らずのまま。今後については「30日の経営方針説明会で示す」と述べるにとどまったそうな。実は困っている ?

 何か新しい手が必要ですね。心配なのは「悪しきスパイラル」です。何よりもソフトがゲーム機などでは重要。売れなくなるとソフト業者が二の足を踏んでソフト不足になり、またマシンが売れないという悪循環。そうなる前に任天堂には起死回生の手を打って欲しいかな、と思います。


2014年01月16日(木曜日)

 (21:25)今日ビックリしたニュースは、やはりこれですかね。「カーショー、7年225億円で合意 投手の史上最高額」。やっぱ凄いでしょう。マーケットが大きいと言うことは、こういう事が出来るんですね。

 大リーグ公式サイトは15日、ドジャースとクレイトン・カーショー投手(25)が2015年からの7年間、総額2億1500万ドル(約225億円)で契約合意したと伝えた。投手として史上最高額の契約で、公式サイトは平均年俸3071万ドル(約32億円)を「大リーグ史上最高額」と伝えている。

 6年目以降はカーショーが契約選択権を持つ。カーショーは昨季、16勝9敗、防御率1・83、232奪三振の成績で、11年に次ぐ2度目のサイ・ヤング賞(最優秀投手賞)を獲得。今季がドジャースとの契約最終年だった。

 確かに凄い投手ですが、年間32億円。ははは、そんなにもらってやる気が出るのかな。まあでもスポーツ選手は成績が欲しいし、歴史に名前も残したいんでしょうね。

 ところで、少し時間がかかっていましたが、イスタンブール短訪記を

 http://www.ycaster.com/chat/2014istanbul.html

 にアップしました。ちょっと帰国直後は仕事が詰まっていて、時間がかかりました。それに最終段階になってエディターの文字化け問題(トルコ語の表記などで)があって、遅れました。とりあえずのまとめ文章です。ご笑覧下さい。

 なお今までの関連地域に関する文章は、以下のような形で残っております。

  1. 「上海、繁栄と危うさ 中国都市経済の象徴 2013年」
  2. 「番外編、中国では指でどうやって数字を数えるか 20xx」
  3. 「新疆ウイグル自治区→サマルカンド、シルクロードの旅 2012→2013年」
  4. 「ロシア、瓦解した帝国、先進国への跛行的な前進 2011年」
  5. 「チベット、栄光と圧政を抱く民族の故郷、そして尖閣 2010年」
  6. 「ブータン、GNHを掲げながら成長を目指す魅惑の国 2009年」
  7. 「モンゴル、草原の風、そして都市の膨張 2007年」
  8. 「インド、爆発中の.... 2005→2006」
  9. 「中国、先進国への長い道 2004年」
  10. 「中国、急成長、引き締め、そして将来への不安 2004年前半」
  11. 「インド、加速する成長、株高、貧困、そしてカオス 2004年」
  12. 「中国、疾走する上海 2002年」
  13. 「中国、重慶、宜昌、そして三峡下り 2001年」
  14. 「中国、中国、大連、青島、煙台 2000年」


2014年01月15日(水曜日)

 (23:25)実はこのウォール・ストリート・ジャーナルの記事は、私と、そして年末・年始に北海道などを旅行をした知り合い(複数)の実感にあったものですね。それは「我々の想像以上に、尖閣の問題があっても、靖国参拝の問題があっても、中国の人達はお金持ちを中心に日本に来たがっている」ということです。

 記事のタイトルは、「Where Rich Chinese Are Traveling in 2014」というもの。つまり今年についての問いかけで始まっている。そしてその結論は、「中国人の29%は日本が望ましい旅行先」だと考えている、とのこと。これは断トツの一位で、二位はアメリカで、三位は台湾なそうな。2013年は「日本に行きたい割合」は18%だったそうな。急増。

 この記事の中には、去年から円がドルに対して22%下落する一方、人民元はドルに対して3%上昇したことなどを要因として挙げている。しかし埋め込まれている映像の中に出てくる彼女は、「なぜ豊かな中国人の旅行先で日本が一番になったのか」に関して、次のようなことを言っている。

  1. 日本は中国人にとって同じアジアの国で馴染みがある
  2. 急速に変わる中国と違って、日本は文化を良く残している
  3. 文化を残している割にはモダンで、近代化が進んでいる
 と。まあそうでしょうね。それに私が加えれば「温泉がある」。それに日本の製品は良い。記事の中には1000ドル(10万円超)で炊飯器を買う中国人の話が出てくる。それは本当の話だ。

 日本は街も綺麗だし、料理はうまい。実は安倍総理の靖国参拝では中国政府はあちこちで「いいつけ外交」をしているが、中国国内で大きな動きがあったわけではない。デモの一つも無かった。そして彼女も言っているように、「尖閣の騒動はもう一年以上前の話」というわけだ。

 これは韓国にも言えるのだが、私の印象だと中国や韓国の人は「政治は政治。それは国がやること。しばらくは考えるが、少し時間がたてば、自分が行くところは自分で勝手に決める。そんなの関係ねえ....」という人が多いように思う。

 日韓関係がこれだけ悪化していても、韓国から日本に来る旅行者は依然として本当に多い。街でも良く言葉を聞く。中国語と韓国語の。その辺はちょっと日本人とは感覚が違うかも知れない。以前韓国のソウル駐在の日本の記者に聞いたとき、彼もそう言っていた。

 ままた騒動が起きればその時は一時的にはまた落ちるんでしょうね。あそうそう、安倍首相の靖国参拝は中国の新聞はそもそも大きく報道しなかった、という事も聞いた。人の往来が増えることは良い事です。何が本当で何が違うかが良く分かる。

 中国の学校で日本と日本人についてどう教えているのか知りませんが、どうせろくな教え方はしてない。しかし来れば「何が真実か」は直ぐ分かる。まあどしどし来て頂きましょう。

 あそうそう、ウォール・ストリート・ジャーナルには、「Once-popular destinations such as Australia, the Maldives and Thailand are seeing a decline in popularity」とも書いてある。そりゃそうだ。オーストラリアでは直ぐに飽きる。


2014年01月14日(火曜日)

 (15:25)タイを初めとして世界で起きている事を見ると、「選挙とは一体何なのか...」と真剣に考えてしまいますね。今のインラック政権はそうはいっても一応の選挙の結果として発足している。しかしたった一つの法案(タクシン氏の帰国を可能にするかも知れない)の提出でバンコクの街は混乱状態。落とし処も見えない。

 エジプトでは選挙で選ばれた政権が軍部から排除され、そのトップは拘束状態で、彼を率いた団体(イスラム同胞団)は非合法化された。世界の国々の中でも選挙を経ながら「正当な政治ではない」「国民の意思を表象していない」等々で批判されている政権は一杯ある。

 一方東京ではどうやら細川前首相が東京都知事選に出馬しそうだが、その最大の争点を「原発」「原発全廃」に置くらしい。私も将来の原発廃止には賛成で従来もそういってきたが、しかし「それは国政の問題だ」「オリンピックを控えた都政に馴染むのか」との気持ちもある。

 結局我々が投票で選べるのは一人の人、一つの政党でしかない。しかしその人や政党の頭の中や組織は、「この政策に関してはこれ」「この政策に関してはそちら」といろいろな政策要素の組み合わせで出来ている。

 例えば細川さんについて言うと、「原発政策には賛成だが、お年でとても東京オリンピックまでは出来そうもないことが心配だし、その他の政策はまだ詳らかでない」という人もいるでしょう。舛添さんに関してもそうです。しかし我々はその他の人を含めて一人の人間しか選べない。

 私はずっと今の民主主義には欠陥があるが、それは選挙の欠陥でもあり、本当に争点になることは別途国民が意見をその問題に限って表現できる場が必要、との考え方だ。それは国民投票を指す。

 例えば日本が原発政策を国民投票にかけて「どうするか」を国民に問えば、ある意味細川さんは都知事選には出馬しなくて良い事になる。小泉さんの思いも拾えることになるでしょう。

 しかし、タイやエジプトで起きている事をどう総括できるのか、については別の問題がある。「選挙の結果を素直に受け取らずに、その後の行動規範は選挙がなかったことにして考える」というのは、今のところ途上国が中心。

 しかし今後問題が複雑になることで、「とても一つの選挙では国民のサイドも決めきれない」という問題が数多く出てくる気がする。その時どうするか。これは難しい問題だと思う。


2014年01月13日(月曜日)

 (10:25)そうだそうだ、本田のデビューは今日かも知れなかった、と思って朝のBSニュースを見たら、「後半20分に出て、約30分プレー」と。したんだ.....で、成績は ?

 うーん、「得点に絡めなかった」とあるが、映像を見たら惜しいシュートはあったんですね。ポストをたたいた。あれがもうちょっと左に数センチずれていたら。最高のデビューになったのに。ま、これからでしょう。

 ところで、本田はイタリアではファンから「オンダー」と呼ばれるらしい。ラテン語系の言語では、「h」は語頭にある場合は多くはサイレントですから。だから、「Hanshin」は「安心」となる。どこが ?

 本田と言えば世界的な自動車メーカーと全く同じ。私は知らなかったのですが、イタリアではホンダの二輪車などは「オンダ」と呼ばれるようですから、当然本田も「オンダー」でしょう。良い宣伝 ?

 ところで、今外国為替市場の動きを見たら、ドル・円が103円65銭くらい。日本の市場はお休みですが、海外市場ではドル・円は大荒れですね。円安を見込んで相場シナリオを組んでいる人が多いので、ちょっと慌てる人もいるかもしれない。

 やはり「雇用統計ショック」が大きい。米金利が一番下がりましたから。まこの後のヨーロッパ、アメリカでどう展開し、明日の東京に繋がってくるのか..........


2014年01月12日(日曜日)

 (01:25)なんか次々と名のある方々の訃報が聞こえてきますね。今夜は淡路恵子さん。つい最近までお元気だと思っていたのですが。その前は森本毅郎さんのお兄さんの哲郎さん。そして海外ではイスラエルのシャロン元首相。その他欧米の新聞を読んでいても、「あれ、この方も」という報が多い。

 やはり北半球の寒さと関係あるのか。全く印象的な話ですが、やはり寒さは体力の弱った方々には負担なんですよ。私の親戚でもこの連休前に比較的親しくしていた従姉妹の旦那さんがなくなって、私も土曜日に諏訪に行ってきました。

 冬の寒さって、家をかなり強く暖房していても、窓際とか、一階に止まる度に比較的冷たい空気を運んでくるエレベーターとかから確実に忍び寄る。ましてや木造建設では進入経路はいくらでもある。

 加えて思うのですが、冬の寒さは気持ちの中からも人の体に進入してくるのです。「家を一歩出たら寒い」というのは冬の寒い日の経験則ですから、人の体はそれを覚えていると思うのです。

 だから、「寒い」と聞いただけで、「もし出るときはどうしよう」と思う。それが体と心の緊張を強いるのだと思う。それが簡単に乗り切れる我々は良い。しかし世の中そうでない人も多い。

 でも誰かがなくなると、改めてその人と対峙するじゃないですか。その人の生前の言葉、所作、話し方。私も諏訪でしばしなくなられた方と対面して、これは「一対一の対峙だな」と思いました。その人と過ごした時間がそれほど多くなくても、やはりその人が生前思っていたこととかに思いがいくし、「言っておきたかったこと」を思い出す。

 そしてしばらく、この世からは去られた方の事をしばし考えたりするわけです。今日はまた「好っきゃねん」を聞いてしまった。良い歌ですよ。あの軽妙で、時に刺すような司会能力がどうやって育まれたのか知りたいと一瞬思いました。

 ところで今日私が注目したニュースは『パナソニック TVを「白物」統合」』かな。ついにテレビも別立て分野の商品ではなく、白物家電の一つになった、ということです。

パナソニックが、薄型テレビなどのデジタルAV家電部門を、冷蔵庫などを手掛ける白物家電部門に統合することが十一日、分かった。経営効率化が狙い。ことし四月に実施し、二〇一八年度に家電で二兆円の売上高を目指す。

 配置転換は千人規模に及ぶ可能性もあるが、人員削減はしない。労働組合に昨年十二月、組織変更を申し入れ、協議を進めている。一般消費者を相手にテレビやカメラなどを扱うデジタルAV部門は、かつては同社の「花形」の事業だったが、韓国メーカーなどとの競争激化で販売が低迷。このためパナソニックは、業務用のタブレット端末や監視カメラなど企業向けのビジネスを今後強化し、テレビなどは白物家電と一体化し販売を強化する。

 津賀一宏社長は昨年十月に「テレビ事業を白物家電の一つとして位置付ける」と組織体制の変更を示唆していた。ネットワークを通じて情報を処理する「クラウド技術」を活用し、将来的には、テレビを窓口にして洗濯機や冷蔵庫を操作する構想もある。

 むしろそうした方が、他の家電との連携も良くなるし、面白い製品が出来ると思う。今は明らかにポイントはいかに多くの製品をループにするかです。テレビがそうだということは、関連のDVDプレーヤーなどもそうなル、ということでしょう。

 だってグーグルが車を狙う時代ですよ。全部繋がらなければならない。デジタル技術というのはそもそも「垣根崩しの技術」ですから。


2014年01月10日(金曜日)

 (23:25)驚くべき12月の米雇用統計ですね。20万人前後と予想されていた非農業部門の就業者数の伸びが僅かに7万4000人。しかし7.0%と予想されていた家計調査の失業率が6.7%。この意味合いの大きな”乖離”がやや異常に見える。

 非農業部門就業者数に関しては、その前2ヶ月が各20万越えの数字で、今回の改訂数値でも合計3万8000人分上方改訂されているので、米雇用は11月までは強かったが、12月に急減速したということになる。なぜ ?

 失業率の6.7%も驚き。しかし「the decline was largely the result of people leaving the workforce」(wsj)ということは、数字は見かけだけと言うことでしょう。今週は現職のバーナンキも、次期議長のイエレンも「アメリカ経済の今後暫くの強さは十分予測できる」と強気発言した直後だけに、その齟齬にも驚かされる。

 この統計が発表される直前までの「今後のFRBの戦略」は、現在月間750億ドルの量的緩和措置(各種債券購入)をFOMC開催ごとに100億ドル減らしていきたい、それは可能だというものでした。しかしこの雇用統計は、「はたしてそれが正しいのかどうか」を問うものになる。

 女性が働くことが当然のアメリカにおいて、高齢化が進んでいるにしても「The share of Americans who are either working or looking for work fell to 62.8%, near 35-year lows」というのも、やや解せない統計です。アメリカ経済には従来の常識では計り知れない大きな変化が起きているのかも知れない。

 寄り付き直後のニューヨークの株式市場は、「緩和シーンは続く」との発想から買われていますが、当然ながらドル・円は円高に。これは理解が難しい統計です。


2014年01月09日(木曜日)

 (15:25)今の韓国のマスコミの話題は二つに集約することが可能だ。一つは対日関係。これは予想通りだが、もう一つはサムソン電子(グループの中核企業)の昨年10〜12月期の減益。そこから浮かんできた単語は「錯視現象」という。

 サムソンの発表した同四半期の業績予想は、「営業利益は8兆3000億ウォン、売上高は59兆ウォンだ。営業利益は第3四半期(7〜9月)より18.3%の大幅減となった」というもの。

  「サムスン電子の業績不振は売上高の60%、利益の67%を占めるIT・モバイル事業部の減益が最大の要因」(同紙)とされるが、それは頷ける。日本でもギャラクシーを買い求める人は本当に少なくなったし、最大の市場である中国ではファーウェーなどが安さでサムソン電子の製品を追い詰めている。アップルも地歩を築こうとやっきだ。

 その結果は、サムソンの安売りであり、それが「個数は出ているが、利益は出ない」という構造となっている。問題はサムソン電子が韓国経済に占める大きさが。株式の時価総額(韓国の市場全体に占める)の割合から輸出に占める割合まで、「ほぼ2割」という現実だ。

 ということは、これまで何回も指摘してきたが、「韓国経済はサムスンがおかしくなったら、全体がおかしくなる」という構図である。この問題、つまり「韓国経済が一つの会社を挙げるとしたらサムスン、もう一つ付け加えるとしたら現代自動車に過度に依存している」はとっくに取り組まねばならない問題だったはずだが、やっと動き出す気配がある。まあでもとっても難しいだろうが。

 「韓国政府は、経済の実態をより正確に反映させるため、サムスン電子と現代自動車を除外した経済指標を発表する準備を進めていることが8日までに分かった」と韓国紙。「政府高官は「サムスン電子と現代自がなければ、国内総生産(GDP)がどれだけ減少するのか、貿易収支や為替レートがどう変化するのか、下請け企業に与える影響の範囲はどの程度かなどを計量化し、複数の指標を作成している」と続く。つまり韓国は今の自国経済を「錯視」してる。それを変えなければ、という考え方だ。

 日本では決して出てこない話だ。なぜなら日本経済で時価総額トップであるトヨタの市場全体に占める割合は、僅かに4%ほどだ。同社の株は他社が上げっている中でも最近は上がっていないから、まだ割合は下がっているだろう。

 つまり日本経済では「トヨタを抜いてもそれほど変わらない」という重層構造をしている。第2位のソフトバンクを抜いても同じだ。そんな経済統計を出す意味がない。しかし韓国は同国経済を引っ張ってきた(過去)二つの会社の、そろっての不振直面が国を大きく揺さぶっている、ということになる。

 ではサムソン電子と現代自動車を除いて経済統計を作ったら実際にどうなるのか。悲惨なことになる、というのが実際だ。それに関しては、「サムスン電子抜きでは立ち行かない韓国経済」という記事がある。

 「サムスン電子抜きでは、経済成長率や輸出の伸び、株式市場も低調な数字にとどまり、政府の法人税収も20%減少する。韓国経済は一見活力を保っているように見えるが、サムスン電子というトップ企業を除けば、韓国の成績表はみすぼらしいものだ。」と同紙。

 問題は、サムソン電子にはスマホ以降の新商品がなく、現代自動車では労使対決から労働者の賃金が世界最高水準に上がってしまった、という現実がある事だ。2社の行き詰まりを敏感に反映しているのは同国の株式市場だ。去年からいつ見ても2000の前後を行ったり来たり。

 韓国は抜本的な経済改革が必要なのに、朴政権は何もしないですな。


2014年01月08日(水曜日)

 (15:25)朝風呂に入りながら、やしきたかじんさんの曲を3曲くらい聞いていました。MP3やアップされているビデオを。「やっぱ好きやねん」「love is over」など。歌はうまいな、情感があって。

 彼が私にとって興味の対象なのは、「東京と大阪の差」を考える上で非常に重要な人物だからです。彼も大阪で売れた後、東京への進出を試みた時期があると聞いている。しかし全くうけずに、結局は東京を撤退。

 しかし大阪での任期はさらにアップした。自分の名前を冠した番組をいくつも担当して、歌手と言うよりは、その後は司会者としてずっと関西随一の人気を保った。現在も関西テレビ系「たかじん胸いっぱい」、読売テレビ系「たかじんのそこまで言って委員会」、テレビ大阪系「たかじんNOマネー」という3本の冠番組を持っている。

 その間、「東京には絶対行かない」「自分の番組は東京ではネットしないようにする」と言っていたそうです。実は、「たかじんのそこまで言って委員会」については、正確には3度だと思うが、「出ませんか」と声をかけられた。

 しかしその番組は、収録が確か金曜日の午後の大阪だったと思った。金曜日は朝にスタンバイがあり、午後の遅い時間にラウンドアップがあって出ること不可だった。だけどどんな感じが一度出てみたいと思っていた。もうかないませんが。

 なぜ大阪では大人気なのに、東京ではうけない番組、うけない司会者がいるのか、は面白い現象です。むろん、大阪出身で東京でも通用している人はいる。今のフジテレビの日曜夜をやっている宮根さんとか辛坊 さんとか。しかし辛坊さん は今はほとんど関西かな。帰ってしまった。

 たかじんさん以外の関西の人気アナウンサーとしては、私も7年半一緒に仕事をした山本浩之さんがいる。彼は私の理解ではフリーになって結構時間がたつが、東京進出はしていない。本人自身があまり東京には行きたくない、と思っていると思う。就職も「大阪狙い」だったそうなので。

 何が違うか。コメンテーターの間では「東京では言えないことも、大阪では言える」という人もいる。私はあまり区別しないが、確かに「そこまで言って委員会」は東京ではなかなか難しい番組だと思う。一回出たかったのは、その差を見たかったのですが。

 一般的に言えるのは、アナウンサーもその他の出演者も、

  1. 主張を明確にする
  2. その「明確」をジョークなり例えにしてなり、直球ではなくちょと工夫する必要がある
  3. 時として東京の出演者より時に声を強く発生する必要がある
 などでしょうか。いつも思うのは、日本には「ここでは飯が食える」という経済圏がある、ということが重要です。昨日のウナギのたれではないが、東京と大阪では人々のテーストが違う。異なる趣味、異なる味覚があるのは余裕のある証明です。ま、引き続き関心を持って見守ります。


2014年01月07日(火曜日)

 (22:25)不在だった正月に自動録画しておいたテレビ番組をいくつか見まていますが、日本の正月には結構面白い番組をやっていたんですね。繰り返しも結構ありますが。

 一番興味を持ったのは「伊勢神宮」と「出雲大社」の去年の同時遷宮に関わる話し。諏訪の御柱祭は出雲起源と地方史が趣味だった祖父や父から教わってきたこともあったし、伊勢神社に関しては今までもいろいろな形で取り上げられているので、「出雲大社」がらみの話が面白かった。神が西を向いて鎮座しているとは知らなかった。

 確かに作り話の神話の中に、歴史の真実に触れる部分はあるんでしょうね。そういう意味で何本かあった番組はそれぞれ面白かった。あと建築がらみの話も。NHKのナレーションの中にも建御名方神(タケミナカタ)を「すわのくにまで追い詰め......」と出てくる。ははは。古代史の興味ある局面。歴史はまだ続いていますが。

 次に面白かったのは、タイムスクープハンターかな。「江戸でのウナギの蒲焼き」の起源を時代を行ったり来たりしながら澤嶋(要潤)が取材している。私はこの番組の昔からの大ファンで、何よりも視点が素晴らしい。大河など見る気がしない。歴史とは庶民にある、というのが持論です。

 今でもあるんですかね、「柳本」。あったら行きたい。そのウナギも高くなってしまった。その頃のウナギは江戸の庶民も食べられる値段だったのかどうか。ま、余計な心配ですが。

 あそれから、「世界街歩き」もいい。ちょうどイスタンブールをやっていました。昨日まで自分が歩いてきた道がいっぱい出てきた。ニューヨークのダウンタウン特集も良かったな。こういう番組なら見る気がする。


2014年01月06日(月曜日)

 (22:25)成田に着いたときに機内アナウンスがあった外気温が「5度」、夕方大阪に移動してきてホテルの従業員が私に教えてくれた「今夜の大阪の最低温度」は「1度」。今日だけ、またはこの数日だけの事かも知れないが、日本は寒いですよ

 まアメリカ大陸の北部を襲っている寒波に比べればまだましかもしれない。ケネディ空港の飛行機が横滑りしたそうですから。成田は少なくともそんなことはなかった。日本も長いお休みだったんですね。実は来年も「9連休」とどこかのテレビ局がやっていた。

 そうなんだ、と思ってグーグル・カレンダーを見たら、確かに「そうなる可能性はある」と思う。月曜日の29日をどうするかで決まる。もっとも今年末は一日繰り上げっていて、2015年の年明けの仕事始めは5日です。

 年明けの仕事始めが今日6日ということで、既に人々の移動は終わっているような感じ。東京から大阪に向かった新幹線の中はガラガラ。大阪のホテルは「一巡」ということで閑散。

 しかしホテルの人は、「旧正月になれば中国からの団体さんがかなり来ますから」と説明。尖閣だ靖国だと揉めているようで、台湾のみならず大陸からも「団体さん」があまり躊躇なく来始めている、ということでしょう。今までは大陸からは「個人客」が主だった。

 イスタンブールについてはもっと書きたいことがありますが、ちょっと他のレギュラー原稿もあるので、それをやってからこのコーナーに告知して載せます。楽しかった。が、有名だという「鯖サンド」を食べなかったので、それを食べにいつか行かないと。

 日本はやっぱり綺麗ですよ。東京駅の丸の内口に降り立ったときにそう思った。ビルがきらきら光っている。空は青い。車は清潔、歩道も痛みがない。イスタンブールの歩道なんて、あちこちで陥没していましたから。でもそれも魅力。

 あちらは「どこかを掘れば必ず遺跡」という歴史の積み重なりが凄い。ボスポラス海峡をくぐる地下鉄も遺跡にぶつかったが故に2年も工期が遅れたとか。もっとも私の友人によれば、『(トルコには)プロジェクトの工程表(計画書)という概念がないに等しい』らしいので、そちらが主な理由かも知れない。

 帰国して初めて日本で書く文章なので、皆様には「今年もよろしゅう」とお伝えします。


2014年01月05日(日曜日)

 (09:25)最終日なので、早起きして夜明けの30分前にホテルを出て、エミノニュまでトラムで移動し、その後ガラタ橋を経由してガラタ塔まで走ったり歩いたり。帰りは足で全行程をホテルまで。

凄く釣れていました。自慢げだった  本当はボスポラス海峡に上る日の出を写真に撮りたかったのですが、雲が重く立ち込めてその気配はなし。その替わり、橋の上で多分午前3時頃から活動している人を観察しました。

 私が行った午前7時前後はもうぎっしり。橋の上は。真ん中は船が通るので糸を垂れる人はいないのですが(よって船用の信号が橋にはある)、両サイドはちょっと間に割り込むのが難しいほどの数の釣り人。朝も、昼も、そして夜もここには人がいるんだ、と思いました。トラムに乗って橋に向かう人も何回も見かけました。

 人によっては相当な収穫のようです。釣り人に釣れる魚の名前を聞いたら、「ケファ」と答えたような気がした。違っているのかも知れませんが。橋げたの上に釣り竿を固定する道具もあって、なかなか手が込んでいる。この橋は、世界で一番人が滞在する橋かも知れない、と思いました。

トプカプ宮殿の入り口の前を走る早朝のトラム  それはそうと、「少し歩けばどこにでもバザールがある」といっても過言ではないイスタンブールで考えたのは、「今という時代は何とモノが溢れかえっている世界なのだろうか」ということです。

 戦後の日本は「モノがあふれる社会を作った」と言われた。しかしそれを言うなら、今は北朝鮮とか一部の最貧国を除けば、本当に「モノ」が世界中で山ほどある時代です。バザールでは、売り物を所狭しと、天井まで使って展示する。時には歴史的に価値があるとも思える城壁にキャリーバッグを積み上げているケースもある。潤沢感、豊饒感が凄い。「作りすぎでは...」とも思う。

ガラタ塔に向かう面白い階段  たから考えたのは、それが黒田さんの狙いだとしても、今の世界でインフレを起こすのは容易ではない、ということです。とにかくどう考えても「モノ」があふれている。マネーをいくら供給しても、モノの増加に追いつかない。だからのアメリカ、ヨーロッパでのディスインフレであり、日本のデフレ脱却の難渋です。

 潤沢に供給されるものは基本的には安くなる。今はマネーも潤沢に供給されていて、その値段である金利も低い。その一方で、「モノ」も安い。イスタンブールで商店を回っていると、

  1. 一体これを誰がどのくらいの賃金で作っているのか
  2.  商品を並べている商店も売れる見込みがあまりないのに、売る努力だけはしてい   る
右下が釣り竿を橋に固定する木製の道具  と思った。売れない商品はほこりをかぶる。イスタンブールではハタキではたいても商品の劣化は覆い隠せない。だから余計な心配だが、「一体今後売れるか」と思ってしまう。それでも世界は凄い勢いでモノを生産しているのです。

 北朝鮮を除く世界中の国が豊かになることを目指して動き始めた今の世界。市場経済参加者は実は69億を超えるのではないか。そしてそのかなりの人の労働賃金は非常に安い。

 加えて、原材料まで生産革命の動きが及ぶ。オイルシェールの生産が続く限り、もう石油価格の上昇が世界のインフレを誘引することはないかも知れない。だとしたら、どうやったら今のアメリカやヨーロッパのディスインフレは解消できるのか。

 ま、今の世界も依然と同じように難しい問題を抱えている。


2014年01月04日(土曜日)

 (19:25)今日のテーマは、「アジアとヨーロッパを分け新鮮そうな魚が一杯、野菜も美味しそうでしたるボスポラス海峡」とよく言われるが、本当にこの海峡を挟むと何か違うだろうか、そのとっかかりぐらい掴めないか、という点でした。

 再びシルケジ(欧州サイドの地下鉄とトラムの連絡駅)から地下鉄に乗ってウスクダール(アジアサイド)に出て、街を歩いてみました。次に行くカディキョイよりも伝統的な街だと聞いていたので。まず「伝統的なアジアサイド」を見ようと思って。気づいたのは以下の点です。

  1. 人がまばらで、明らかにタクシム広場の周辺の人とは違ってゆっくり歩く
  2. 伝統的イスラムの服装をした女性の数が欧州サイドよりかなり多い
  3. 床屋が多い
 くらいでした。ちょっと商店があって、直ぐに住宅街という仕掛け。その住宅街に上がっていく坂道のきついこと。イスタンブールは欧州サイドでもアジアサイドでも坂道はきつい。一回りした後、波止場の近くのお店で30分くらいチャイを飲みながら街を歩く人達を見学。

見ず知らずの人が乗り会う面白いタクシー  次にカディキョイに移動しました。例の乗り合いタクシー(ドルムシュ)で。これは便利。路線が決まっているので。8人乗りくらいの3列仕様。面白いのは、さっと一番後ろに乗った人は運転手さんに直接料金を渡せない。で、二列目の人間(私はそこに座っていた)に何も言わずに料金を差し出すのです。後ろから。

 それを二列目の人間は黙って運転手に渡す。おつりがあったら逆方向にお金が動く、というシステム。誰も何も言わない。しかし私はニヤニヤしていました。だって面白いじゃないですか。でも会話を着ていると観光客は私一人(今日は一人で行動)で、あとは全部たまたまでしょうがトルコ人でした。

要するに豪華な地下の貯水池  カディキョイは同じアジアサイドでもウスクダールとは全く違う。とても洒落た街です。鮮魚、新鮮野菜を売っている通りがそのままレストラン街に繋がっている。それが風情があって良い。煩い誘いの言葉も少ない。「この街ならしばらく居ても面白そうだ」と思いました。

 僅か二つの港に合計4時間くらいしかいなかったので(カディキョイでも1時間くらい海岸でチャイを飲んでいました)、何か発見できたかと言えば、「そうじゃないよね」ということになる。しかし雰囲気は明らかに違う。特にウスクダールはイスラムの色彩が強いように思う。特に女性に。

ブルーが切れなボスポラス海峡を渡る地下鉄の内部  イスタンブールのアジアサイドには、1800万人のうち500万人くらいが住んでいるらしい。それだけで大変な人口だ。確か名古屋より大きい。今調べたら名古屋は230万人でした。

 ま、イスタンブール人はそれぞれの思いは違うでしょうが、「アジアとヨーロッパの境目に住む民」ということになる。残念だったのは、この時期いつもイスタンブールの天気が良くなるのは午後遅くなって、ということ。私がカディキョイを出た午後2時過ぎはまだ曇っていて、天気が良くなかった。

 しかしカディキョイからの連絡船でガラタ橋の袂(エミノニュ)に向かうときのカディキョイの景色は抜群でした。カモメが煩いくらいに飛んで。また来てもいいな、と思う瞬間でした。この町には魅力がある。

 天気が良くなってから、旧市街に戻って地下宮殿(何と皮肉な)や、その他のミュージアムを見学。宮殿や博物館はそれぞれ魅力があるのですが、いろいろな人がいろいろ書いてるので、コメントはしません。今日で実質最終日だな、寂しい。


2014年01月04日(土曜日)

 (04:25 日本時間11:25)「海岸の街に相応しくない微妙な土埃の気配と、たばこ臭さと、そして坂の街」というのが今までイスタンブールの市内を2日間動き回った印象です。

 土埃 ? これはユーラシア大陸のアジア部分では常に感じる雰囲気です。王の命令の下、右に左に大陸を駆け抜けた数多くの軍隊がその移動の時に巻き上げたであろう土煙を連想させる。なにせこの大陸には確率的には緑が圧倒的に少ない。日本に比べれば。

ガラタ塔からボスポラス海峡大橋を望む  緑が少なく、かなりの部分は砂漠で、そして山が赤茶けているとなれば土煙があがるのは自然です。だから、総じて車は土埃をかぶっている。タクシーもそう。ウラジオストックほどではないが、「この車はいつ洗ったんだい」というほど土埃をかぶっている。

 「たばこ」。とにかくよくタバコを吸う連中です。歩きタバコも平気。英語には「smoking like a Turk」(トルコ人のようにタバコを吸う)という表現があるようですが、タバコ人口が激減した東京から来ると非常に違和感がある。しかしこの街で歩きタバコを避けようとしたら、人出が多いところには行けない。だから街中、土埃とタバコの臭いがする。

ボスポラス海峡に沈む夕陽   そして私のイスタンブールに対する印象は「坂」です。とにかく歩くと坂がある。666もの名前の付いた坂がある東京も多分真っ青でしょう。トラムは端から端まで乗って街の雰囲気を味わったのですが、その東サイド(北でもある)の終点「カバタシュ」(新市街の下のボスポラス海峡沿いにある)から、タクシム広場まで歩いたのです。

 一度同じ区間を地下鉄で移動したのですが、一駅だけの地下鉄がずっと上がっていた。だから、地下鉄の床も一両の中で段差を付けて三つくらいに床調整してあるのです。そうでないと、人が転んでしまう。世界であんな地下鉄はここだけではないか、と。

 だから、「かなりの坂」であることは想像できた。「それを確かめよう」とカバタシュで降りて、自分の足でiphone5c(ドコモマシンでよくトルコで繋がった)のグーグルマップを頼りにタクシム広場まで歩いたのです。もう本当に死にそうになりました。冗談ではない坂なのです。なのに住宅街なのです。おばあさんはどうしてる ?

ガラタ橋で釣りをする人々 結構釣れていた  しょうがないので、途中で「パークなんとか」というちょっと高そうなホテルのロビーで一休みして(ここのケーキは日本に近い大きさで、美味しそうだった)、やっとタクシム広場に着いた。カバタシュでトラムを降りたときにグーグルマップで距離を調べたら1.7キロと出た。「ちょろい」と思ったのが間違いだった。

 坂が多い、ということは横浜の山の手のように「景色の良いレストラン」「景色の良いお茶する店」が多いと言うことです。とても全部は回れない。いろいろな情報もあったのですが、手っ取り早くガラタ塔(そもそもこの塔の根っこに来るのが大変な坂で大変なのです)に上った(エレベーターがある)折に、その展望台の下の階にレストラン「ガラタ塔(Galata Tower)」があったので、空いていたので入ったのです。

 ここは素晴らしく景色が良かった。当たり前です。高台の一番上にある。ボスポラス海峡大橋も、ガラタ橋、その先の旧市街も実にくっきり見える。ブルーモスクもアヤソフィア博物館も。ここは食事もまずまず。ゆっくりチャイを飲んで時間を過ごしました。

 あそうだ、トルコの人たちの名誉のために書いておくと、2日の当地の英字紙「Daily News」にはWHOの発表として、「トルコで日常的にタバコを吸う人の割合は、2008年の32.2%から2012年には27.1%に減った」との統計が載っていた。「ああそう」という感じ。だって、街を歩けば歩きタバコに当たる、というくらいまだ居るわけですから。

 別の表現でイスタンブールを表現してみると、「膨大でどこまでが境目か分からない人口密集地帯」と言える。何せ、総人口7500万人が日本の国土の2倍に住む国にあって、イスタンブールの人口は公的には1500万、推計では1800万人。

ガラタ塔からガラタ橋、その先の旧市街を望む  つまり、トルコの人口の4人に一人はイスタンブールに居る、ということになる。何という集中か。その集中ぶりは韓国のソウルに等しい。韓国は人口5000万に対して、ソウル人口は1200万。東京に住む日本人は10人に一人です。

 それだけ人が集まれば活力もあるし、その一方で絶望と希望が入り交じる。人々の目は総じて、「欲しいものあり」の目をしている。もっと言えば穏やかではない。ところがトルコ人は一言話すと冗談を常に言う、人の良い連中となる。

 トプカプ宮殿をじっくり見学するに際してガイドマシンを借りたのですが、その時に「パスポートか運転免許証をお預かり.....」となる。回収を確実にするためですが、午後5時の閉館(ハーレムは4時)を少し過ぎてマシンを返すときに(人影もまばら)、担当者は私の運転免許証の写真を見ながら、「宮崎駿さん」と一言。笑えた。

タクシム広場近くを走るオーソドックス・トラムが急遽ロックバンドの舞台に  日本の女の子を追いかけて1ヶ月赤坂に住んでいたという宮殿の土産物屋勤めのおにいちゃん、その前を通りかかっただけで「安いよ」「安いよ」と声をかけてくる売り子達、キロ単位でスイーツを売る店(それ事態が驚き)でおもしろがって「200グラムちょうだい」と言ったら、そこから「おまえは何人だ」から始まって話題が広がったおっちゃん。

 聞かれて「日本人だ」と言うと、必ず目を一瞬下に下げるトルコ人。特に男。あれは一体なんなのか。それに続く言葉は総じて「賞賛」だ。


2014年01月03日(金曜日)

 (04:25 日本時間11:25)街ベースの値動きで見ると、確かにトルコ・リラ(tl)相場は混乱状態です。どこでこの通貨を買うのが良いのか良く考える必要がある。

 私が東京を出る時に成田で、「トルコ・リラは現地でお買いになった方が安いですよ」と言われながら、「でもチップも必要だし」と思って両替所(確か三井住友だった)で買ったトルコ・リラは、「2万円に対して290リラ」でした。「こんなもんか」と。

 しかし到着の翌日の元旦に街の両替所(旧市街には山ほどある)の比較的大きな店で200米ドルをトルコ・リラに替えたら、「なんと450リラ」ももらえました。これには仰天。ホテルでは替えません。だって手数料が5%ほどかかりますから。

 結構キャッシュが必要なんですよ。トラムやボスポラス海峡地下鉄に乗ったり、タクシーに乗って移動したり、食事をすると結構リラ・キャッシュが必要になる。トルコではとても信頼できるところでしかクレジット・カードは使う気になりませんから。

 で昨日、1月2日に「今度は銀行を使ってみよう」と思って開いていたHSBCの支店で200ドルを替えようとしたら、提示された相場が「220リラ」なぜだか知りませんが(多分間違い....?)。

 「あほか」と思って、「じゃ、替えない」と言って米ドル・キャッシュを取り戻して街のまた信頼できそうな両替所で200ドルを替えたら、なんと「470リラ」をもらえました。ははは、凄いでしょう。

 つまり私は米ドルや円キャッシュをトルコに持ってきたことにより、米ドルや円に対するリラ急落の即時的恩恵をもろに受ける身になっている、ということです。今日はcitibankのATMから円からキャッシュを引き出してみよう.....。イスタンブールには少なくとも4カ所くらいある。

 こんなことは私の人生でそうはない。ニューヨークにいる4年間は、受け取っているドルの給料部分がみるみる目減りする期間でしたから。赴任の時に持って行った円はごく僅かだったから、全く恩恵なし。

 今回のトルコですが、確か日本を出ると前にちょっとチェックしたら、1リラが63円ほど買える状態だった。それが新年になって通貨表を見たら、どう見ても1リラは50円弱しか買えない状態になっていた。両替をどこでするかによるが、「リラ暴落状態」というわけです。街の両替所が一番相場に敏感です。

 今朝のウォール・ストリート・ジャーナルのネットには「Dollar Is Off to a Roaring Start in the New Year」という記事があって、副見出しが「The Euro,Turkish Lira, South African Rand and Brazilian Real All Tumbled」とある。つまり私は最強のドルという通貨で、最弱のトルコ・リラをほぼ連日買っている、ということになる。これはなかなか気分が良い。

 今見ると、年明けのドル・円は104円の半ば。つまり、円だけは対ドルで上昇している。まそれはそうでしょう。年末は異常に円安が進みましたから、新年は「ポジションを一端整理して....」ということになる。その他のほぼ全ての通貨(ユーロを含む新興国通貨)に対しては、「ドルは強基調での2014年迎え」となっている。

 ユーロが安いのは、これも円とは逆で年末に強すぎたからです。年が明けて、「どちらの通貨が強くなるかな」と考えれば、「taperingもあるし、経済を強くなりそうだから...」とドルをフェーバーに考える人が多くなる。

 実はユーロキャッシュももってきているのです。トルコの人々は、「リラか、ユーロか」と聞く。多分ドルよりもユーロが欲しいんでしょう。トルコはユーロに入りたいわけですから。政府だけでなく。しかしもってきたユーロ紙幣は少なめなので、ユーロはまだ使ってありません。あとでどのくらい通用するか試してみるつもり。

 急落を見て、トルコ・リラを含む途上国通貨の運命は、今年は少なくとも前半は厳しいと思う。tapering ということは、「もう既に練習した」と言っても、そういうことなのです。「持っていて米ドルの方が安定的に儲かる通貨になった」ということ。加えてトルコには政情不安というやつがある。街は平穏ですよ。しかし世界の見方はそうなっている。

 先進国通貨間の戦いの予想は結構難しい。105円台から104円台への新年の円高は「一時的」な可能性が高い。昨年末にかけてのユーロ高は「行き過ぎ」でしょう。

 こう書いている最中にも一度停電した。ホテルだから直ぐに回復するが、10年ほど前にインドにいた時を思い出す。良い悪いではない。「途上国」というのはそういうくくりだとも思う。今年はやはり「先進国の年」になるような気がする。

 繰り返しますが、イスタンブールは好きですが。


2014年01月02日(木曜日)

 (06:25)まだ到着して一日しか実質的にたっていませんが、「なんか好きになる予感」がする街です。いろいろな大陸、文化、人種のクロスロード。決して豊かではないが、いろいろな可能性を秘めた街だと思う。

一日に4回も乗りました。トラム  東京を31日の昼頃出て、イスタンブールに着いたのは同日の午後七時ごろでしたかね。確かなのはちょうど12時間くらい飛行機に乗っていたこと。地球儀を回すと「ヨーロッパより近い」と思うが、どんでもない。北回りの航路ですから、欧州並みに時間がかかる。

 着いたらホテルはいきなりガラ(大宴会)の用意の真っ最中でした。スペインのホテルて自分も参加してガラを過ごしたことはありますが、今回は予約が間に合わず。午前2時くらいまでホテル全体に音楽が響いていた。ちょっと晦日の街に出ましたが、あちこちのホテルやお店には飾りが付いていてきらびやかでした。

 当然街の動きは元旦はスロースタート。しかし午後になると凄い人出になりました。スイーツは甘過ぎそうだし、料理も繊細ではない。人々が着ているものも、それほど綺麗ではない。というか、要するに着ているものは「黒基調に統一」という感じで、それ以外を着ていると浮いて目立つ感じ。

 イスタンブールに関してメディアで目にした「政治的緊張」は見る限りではない。元旦の夜にタクシム広場を通って繁華街を一周しましたが、何もなかった。まあ元旦は休み、というこでしょうか。

2014元旦の夜のタクシム広場近くの繁華街  空港からホテルに送ってくれたトルコ人の若い男性(大学で映画を専攻して、卒業したばかりだとか)が最初に口にした単語は「クロサワ」で、あと話していると「イスタンブールが東京に負けたことは残念だけど、負けて良かったと思っている」と一言。理由は

  1. トルコ人はそもそもレスリングとバレーとあとサッカーなどいくつかの競技が得意だけ
  2. そもそもこの国ではスポーツはあまり人気がない
  3. オリンピックを誘致するだけのインフラ(交通など)が整備出来ていない
 を挙げていました。確かにテレビをつければ、スポーツ番組と言えばサッカーかな。あとはあまり中継がない。確かにそうかもしれない。これから街を走りに行きますから、潜在的なランナーの数も知れる。

 しかし魅力的な街です。今まで見た映画の影響かも知れないが、「混濁」「混沌」がこの町のテーマのような気がする。統計上の人口は1500万だそうですが、ガイド君によれば「おそらくは1800万人の人間が住む街」がイスタンブール。

一時日本でも話題に。ショーですね、これは  「酒は10時以降は売らない」などお堅い、宗教的な面もあるが、街を歩くのは楽しい。何せ確実に日本列島に人が入ってくる以前にアフリカから出た現世人類が住み始めたと思われる土地だ。いろいろなものがごっちゃになっている。

 人を見るのが楽しい。本当にいろいろな人がいる。バケーション・シーズンだから世界中から人が着ているということだろうが、インド系もいれば、典型的なトルコ人もむろんいる。「北欧から遊びに来ているのか」という人々もいる。

 総じて人々は親切です。聞けば英語で一生懸命に答えてくれようとする。たどたどしくても通じる。ストリート・チルドレンはいるし、お乞食さんもいるが、それは世界各国で見られる現象です。

ボスポラス海峡観光船から見たイスタンブール旧市街  何よりもヨーロッパとアジアを分けるボスポラス海峡が街を分断していて、歴史上いろいろな物語を生んでいるのに、両岸を含めて一つのイスタンブールという行政区に入っているのが面白い。旧市街から見るガラタ塔とその周辺は綺麗だし、反対から見る旧市街もモスクとその周辺、そして街の色使いが綺麗です。

 来たばかりですが、とにかく歩き回るつもり。と書きながら、既にトラムには1日だけで4回も乗りました。一回150円の乗り放題。湿度は高いが天気は東京そっくり。違和感はない。

 新しい年もよろしゅう。皆様にとって良い年でありますように。




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