2014年05月31日(土曜日)

 (23:23) 「いったい、これはなんだ」と。寝る前に全然見ていなかったプロ野球の結果でもと思って、最後まで続いていたオリックスー巨人の試合の展開図を見て。

 なんですか、ジャイアンツは3安打で勝っている。オリックスの11安打に対して。オリックスは残塁が15。15って凄いですよ。ジャイアンツは8かな。それにしても、ジャイアンツは11回になって初めて片岡がヒットし、それまでは見る限りノーヒット。

 試合を決めたのは12回もツーアウトになってからの亀井の1号。亀井って、これまで出ていましたっけ。それにしても、9回までにオリックスが1点でもとっていれば、巨人は「ノーヒッター」を食らっていた試合。それを勝ったような。

 その他の試合もサヨナラが多いですね。広島も、阪神もどうやらサヨナラで負けている。前の打者を敬遠してジョーンズ(楽天)に打たれた広島。先日のセペダもそうですが、前の打者が敬遠されると外人選手は戦う姿勢を一ランク上げますからね。阪神の試合もそうですが、終盤まではピッチャーは頑張っている。

 まあ今日は面白い試合が多かったようですが、日本の景気浮揚のために「球団を増やす」って、どうなんでしょうね。だってね、面白そうな試合が多かったので、「今からチェックしよう」と思って、どこに動画があるか全く分からない。

 だから、もやもやが残ったまま寝ることになる。MLBはそんなことはないですよ。気になる試合が出てくればMLBのサイトに全て肝心なところの動画が埋め込まれている。それを見れば良い。これは先日書きました。

 安倍首相の発案に対して、日本野球連盟は歓迎とも、不歓迎とも言っていないような。結局のところ、「商売根性全くなし」なんでしょう。知りませんが業界内部の人は、「チームが増えても大変だな」と思っているのでは。

 肝心の球界がそう考えているのなら、そりゃ増やさない方がいいですよ。我々も「努力しない業界」なんて応援する気になれない。それにしても、オリックスはなんであんなに残塁が多いままに終わったのか、広島、阪神の投手はどういう配球をして最後ホームランを打たれたのか。

 全くわからないまま、もう寝ます....................。探すのが面倒。


2014年05月30日(金曜日)

 (15:43)サンケイが一面の左の記事で書いているように、「茶番」の可能性もある、ということでしょう。過去に北朝鮮は何回も約束を反故にしている。なんだかんだと理由を付けて。

 またかつ、「なぜ日本人を拉致したのか」という根本的な問題に立ち返れば、拉致された日本人の中に「容易には帰すことが出来ない人」が存在するであろうと予想することが出来る。だから例え10人の人が帰ってきても、「それで全てか」という疑問は最後まで残る。再調査の成功をどこで線引きするかは限りなく難しい。

 しかしやはり日本サイドに日朝合意への切羽詰まった事情があったとしたら、それは拉致被害者ご家族の年齢だと思う。横田さん、飯塚さん、市川さん....。皆さん本当にお年をとられた。被害者ご自身も年を重ねているはずだ。

 「賭けかも知れないが、疑心を先行させて時間を無為に過ごせない」という事情が日本サイドにはあったと思う。むろん北朝鮮の下心は分かっているでしょう。しかし「だからまた見送る」という選択肢はなかったと思う。問題はいかに北朝鮮に「言い逃れ」を言わせない情報をしっかり得るかだと思う。

 この問題を考えるとき、今までの日本の情報収集力は悲しくなるほど弱かったと思う。相手の事情が分からずして交渉のカードを用意することは出来ない。いわば日本は丸腰で交渉してきたようなものだ。

 むろんそもそも拉致などという事をした北朝鮮が悪いことは言うまでもない。よくそんな非人道的なことが出来たものだと思う。20世紀の世の中で。しかしそういう国をしっかりと監視できなかったことも確かである。

 だから今度も欺瞞の内に調査が終わるようなことがないように、しっかりと監視しなければならない。特別調査委員会の設置から構成、調査プロセスまで。確かにそれにはアメが必要だが、ただとられはダメだ。何をするか分からない国だけに、こちらにもカードを用意する必要があると思う。

 ところで今日「そうだな」と思った記事は、「筑波大と中央大などの研究チームは、わずか10分間の軽い運動が、脳の認知機能を向上させる」との研究論文を公表したこと。近く米オンライン科学誌で発表するらしいが、これは実感ですね。

 やはりちょっと動いただけで、何か頭の働きが良くなったような。「ジョギングなどができない高齢者でも、軽い運動で脳の機能向上が期待できそうだ」と話しているそうですが、これは多くの方にとって朗報ではないでしょうか。


2014年05月29日(木曜日)

 (12:43)多分これが二回目です。しつこくてゴメンナサイ。でも、いいんですよ。特に関東地方の皆さんに。推薦できる温泉。晴れて、そこそこ風がある日には最高の。

 それはほったらかし温泉ぷくぷくの湯です。ともに中央高速の勝沼インターあたりから30分ほどかな。ともにフルーツ公園の近く(中かな)にあって、二つは非常に近い。甲府盆地の高台。

 昨日だったのですが、甲府に所用があって昼頃から盆地内に居たのです。仕事を終えて午後5時を過ぎて帰ろうと思ったのですが、「このまま帰ったら面白くない」と思って、そうだ「最近ほったらかしに行ってない」と思ったのです。

 甲府の市内からでもゆったり30〜40分で行ける。「夕焼けと甲府の夜景」が浮かんだ。頭に。この温泉は二つとも甲府盆地の東側に位置し、富士山は南に見える(たしか)。

 「平日だし人も少ないのでは」と思ったら、案の定そうで、これが最高。ほったらかしの一番下の温度の低い露天で岩と岩の間に体を伸ばして横たわり(ちょっと行儀悪く足を出して)、午後6時過ぎから7時前までずっと空を眺めていました。流れる雲、くれないに染まる空、そして遠くに見える富士山の雪をかぶった頂。西陽が当たって富士山はピンクになる。山頂付近が。

 ほったらかしの「あっち」の「男湯」は露天だけで大きなお風呂が三つある。上から徐々に温度が低くなる。多分一番下は38度くらいです。そのくらいが一時間浸かっていても(頭と足先を出し)耐えられる温度。

 なんも屋根はないので、また温度が低いので(一番下は)、寒くて雨の日はダメです。しかし昨日はそうじゃなかった。私が入って10分くらいたった頃から徐々に人が多くなった。皆知っているんですね。晴れた日のほったらかしが良いと。

 徐々に暗くなって、甲府盆地の明かりがぼつぼつと見えるくらいが一番良い。昨日は天気は良かったが、残念なことに少しもやがかかっていて、明かりが不鮮明だった。何かスタジアムでもあるんですかね。そこが最初に明かりが付いて、徐々に。

 ふっと気がつくと、私のようにぼわーと甲府盆地の方向を見ている男たちが20人ほど。ははは、みんなそれぞれの人生を生きていて、ひとときを過ごしている。甲府のくれなずむ夜景を見ながら。目線は同じ。ええ構図。

 ぷくぷくの湯は「ほったらかし」の下にある。車で3分くらいかな。こっちはちょっと綺麗(建物と湯船など)。新しいのかな。「ほったらかし」ははっきり言って綺麗とは言えない。雑草がぼうぼう。その中にコンクリートと岩で出来た湯船がある。その粗雑さがいい。

 「ほったらかし」に入った後「ぷくぷく」に入ろうと思ったのですが、長時間風呂に入ると腹が減る。「鳥もつ煮込み」と「山菜うどん」を食べたら「もういいや」「またこよ」となって、ゆっくり帰途に。

 「ああ、甲府に来て良かった」という一日になりました。ほったらかしには「あっち」「こっち」の二つがあって、それぞれに男湯、女湯があり、そのぞれぞれに四つほどの浴槽(一つは内湯)がある。凄いでかい。

 でも今は「こっち」だったかな、午後5時でクローズ。その代わり、「日の出の一時間前から」営業している。でも朝は行ったことがないな。多分、凄く気持ちが良い。いつかチャンスがあれば。年に2〜3回しか行かないが、ともに「晴れている時」は良い露天です。特に今の季節の夕暮れは。 
 


2014年05月29日(木曜日)

 (12:43)「あれれ」ってことが幾つか。

 昨日ですかね、霞ヶ関を通りかかった時に、「あれ、日の丸の新バージョン....そんな筈は!」と。で思い出しました。ああ、バングラか、と。

新バージョン  最近、首相がいらっしていたので。加えて、「日本に魅せられ、日の丸のデザインを取り入れた」と述べておられた。そう言ったのは来日したシェイク・ハシナ首相の父親だそうな。首相は早稲田大学で講演して父親で初代大統領などを務めたラーマン氏が、独立に伴う1972年の国旗制定時に日本への敬意、親近感を持って決めた、と。

 「あれれ」その2。今度は橋下ー江田のコンビですか。二人とも「法律」の世界出身の方ですね。今は法的枠組みを守る時ではなく、新しいものを作る時代なので、どうでしょうか。期待が持てるような、でも「どうかな」と思うような。

 一番の問題は、「どこにでも喧嘩を売る」という性癖の橋下さんの政治スタイルでしょう。今のままだと最後は国民が「この人なら安心だから政治を任せられる」とは思わないような気がする。

 橋下さんと渡辺さんは似ているところがある。「みんな」の渡辺元代表。だから組もうとしたが、しかしその似たところ故に袂を分けた。江田さんはまず渡辺さんと組み、そして今度は橋下さんと組もうとする。さて結果は。

 「あれれ」その3。ダウが少し下がっただけで、アメリカの長期金利は大幅に反落。指標10年債の利回りは2.445%。低いですよ。景気がまずまず良くなっていても、一段と下がる長期金利。世界的です。ドイツの10年債の利回りも1.339%。限りなく日本(0.58%)に接近。

 イタリアの長期金利も10年が2.932%と3%割れ。スペインも2.804%。ドイツやフランスの雇用情勢も悪化していますから、ECBは来週でしたっけ、何かするんでしょうね。しかし基本的には「実物ではインフレが起きない構造の今の世界」ということです。この問題については何時も書いているので、もう書きませんが。

 「あれれ」その4。それにしても韓国の朴政権は苦難が続きますね。首相指名した人がまたまた辞退。「退職後、高給を得たから」という意味不明な理由。誰も首相になり手がなくなるのでは。またはあまり能力の無い人がなるのかも。正念場ですね、韓国は。中国からは朝貢しろとか言われているし。


2014年05月27日(火曜日)

 (12:43)今朝のニュースでも扱っていましたが、AKB事件。犯人は「誰でも良かった」と言っているそうで、そこから「無差別殺傷事件か」という判断もあるらしい。

 しかしこれは事の一面。「誰でも良かった」というのには嘘があると思う。多分犯人の心の奥底には「誰でもでは良くない」という思いがあったはずだ。気づかずに。だからAKBのメンバーを対象にしたと思われる。

 それにしても、今回の事件は運営を担当しているサイドの落ち度でしょう。そもそも「会えるアイドル」というのは、リスクがあるビジネス・モデルです。危険と隣り合わせ。今までもいろいろと問題が起こっていたそうだ。だとしたら、運営会社は運営には細心の注意を払わなければならなかった筈。

 ところで今朝「これは面白い」と思ったニュースはhttp://www.ft.com/intl/cms/s/0/1bef71b8-e433-11e3-a73a-00144feabdc0.html#axzz32sUutw2hかな。つまり「全部繋がる」という点で私が今まで主張してきたことと同じだと言うこと。しかし日本企業の名前はとんと出てこない、というのが次のポイント。

 FTには「Jetsons-style home automation is the next frontier in technology as growth in smartphone sales begins to slow in developed markets. 」という文章があるが、そうなんでしょね。間違いなく。結局日本のメーカーはスマホで追いつけないまま次の段階へ。

 この「Jetsons 」って、アメリカのアニメ ? 知らないので調べたらひょっとしてこれかなという動画があった。いずれにせよ「home automation」であることには間違いない。

 考えてみると、日本の会社は縦割り。縦割りの組織が横断的なシステムを作るのは容易ではないんでしょうね。非常に残念で、日本の技術が生きるところが一杯あると思うのに。そういう会社に出てきて欲しいな。シャープのココロボは先日量販店を見たら発展していた。スマホと掃除機のコラボ。

 「For example, a home’s lights might automatically come on when the owner enters the house, using their iPhone to wirelessly signal their arrival. Such a system was outlined in an Apple patent filing, published in November last year. 」という具体例を見ると「まだ初歩」。日本は追いつけると思うのですが。

 アップルの狙いは「The connected-home system will give Apple customers more reasons to buy several devices in its iOS family, by using the iPhone or iPad in conjunction with its Apple TV box, an upgraded version of which is expected to be released later this year, to control other domestic devices.」です。


2014年05月26日(月曜日)

 (13:43)「あそうだそうだ」と思い出したので、ちょこっとここに書き記しておきます。誰かの役に立つかも知れないので。

 まず一つは先日石垣、西表に行ったときの話です。島の人が「最近はこそ泥が多くなって....」と嘆いているのです。「なんでそうなるのですか」と私。そしたら島の人が、「最近はLCCの安い便が出来たので、彼等も簡単に島に来るんですよ.....」と。

 なるほど、ね。それは島のある方の話なので、私はそれを立証するなにものも持ち合わせていません。しかし島の人がそういうのならそうなんでしょう。十分考えられる。良くないことだがペイする。今年の夏に行く人は、「ちょっと気をつける」くらいの心構えが必要かも。

 今度は東京の話。タクシーの運転手さんたちが盛んに言うことがある。それは、「取り締まりが厳しくなった」と。道路交通に関する、です。都内ではあまり「覆面」は見かけなかった。それは高速道路や地方の道路に多かった。

 しかし最近は246などの都内の幹線道路にも出没するそうな。空いているときなど、信号と信号の間などついちょっとスピードが出てしまうこともあるらしいのです。運転手さんたちが言うには。

 しかしこれが危ない。空いていても混んでいても、都内の道路のスピードリミットはいつも同じです。夜間にちょっと例外がある程度。だから、「あらら」ということになることも多い、と彼等は言うのです。

 以前からそうですが、「車線」は厳しいですよ。黄色。またいで他の車線に移動したのを見られたりしたら、確実に切符。私もそういうのは一杯見ています。赤坂見附等々。ちょっと複雑ですからね、あそこは。

 「一旦停止」も厳しくなっている。結局一旦停止の線があるところでは、「二度停止」が求められるのです。通常は。だって一旦線で止まって、そして少し前進して左右を見るという作業が必要になる。

 ちょっと思い出したので二つ書いてみました。どこか頭の隅にでも。


2014年05月25日(日曜日)

 (08:43)今朝読んで、「そうだそうだ」と思ったのは、日経ヴェリタスの最後の方にある「もやもや経済学」の文章かな。

 タイトルが「ソニーの豪華な社外取締役」というのです。西岡さん曰く、「あれだけ、そして今もこれだけ煌びやかな社外取締役を揃えていて、ソニーは良くなったの ?」と。

 ははは、おしゃる通り。何か彼等から有用な助言があったり、その助言が経営に生かされていたのなら、そりゃ今の悲惨な経営状況じゃないでしょう。こうした社外取締役の選び方からして私に言わせればソニーは「有名病」でしょう。出井さんのころからかな。

 ソニーは今「経営再建が出来ない」という意味で有名になってしまった。セクションの切り方もおかしい。これは既に何回も書いている。決算説明会に役員が出てきて、ひたすら謝るなんてふさわしくないでしょう。あの会社に。ほんとにしっかりして欲しい。

 もっともいまだにソニーを問題にしている方が「ようない」のでしょうね。もっと新しい会社に出てきて欲しいし、それは私なども知らないだけかもしれない。一旦その名前を精算した方が、ソニーにとっても良いかも。

 その前の前のページにある「メール生かさぬ日本の経営陣」という川本さんの文章も面白いが、「いまさら」という感じ。こんなことを改めて書かれるようでは、日本の経営もまだまだということでしょう。新しいものを使えば生産性は著しく上がるのに。

 それとは全く関係ないのですが、昨日は本当に危ないシーンを目の前にしました。246青山のブルックスブラザーズの前の横断歩道。私はブルックス側にいて、信号が変わるのを待っていた。

 そしたら赤なのに向こうから甚兵衛を比較的しっかり着たおじいちゃんが買い物を終えた後なのかふらふらと歩道を渡り始めた。信号は歩行者に対して赤なのに、そして結構表参道から青山三丁目に向かう車が多いのに。

 おじいちゃんは多分、青山三丁目から表参道に向かう車が比較的少なかったから渡り始めたのだと思う。しかし「赤」を認識しているのかどうかは不明。真ん中に来る前に、青山三丁目方面から来た車にはねられそうになった。車の方がやっと回避という感じ。

 私と、私の隣にたまたま居た中年の女性が「危ない.....」と声を出した。しかし表参道から青三に向かう車の数は多くて、助けには行けない。「どうしたら」と思っていると、おじいちゃんはセンターで止まった。そこでややほっと。しかしそこまでの時間の経過の中で、おじいちゃんの認知能力がどの程度か最後まで分からなかった。

 「これは本当に危ないな」と思いました。そのおじいいちゃんにとっても、そして信号を信じて走っている車にとっても。良い悪いの問題ではなく、「こういうことは増えるな」と思いました。


2014年05月23日(金曜日)

 (15:43)あらら、「いったい、この国はどうなっちゃうの」と思う国が世界の中で多くなっている、と思うのは私だけ。

 タイ。軍が治安権限(戒厳令による)を掌握しただけでなく、全権を握るクーデターの最後っ屁手段に出た。しかし「その後のプロセス」は全く見えない。見えないばかりかタクシン派は反発を強める。

 2006年の時と違って、「タクシン派はもっと組織化し、武器も持っている」と言われる。最後の砦といつも言われている国民尊敬の的の国王は既に86才の病弱。タクシン派の出方によっては内戦の危険性もある。

 軍は速やかに政権委譲したいと言っているが、2006年の時に失敗したのに「今回成功する」という保証はどこにもない。大体においてクーデターに出た軍が「国民に民主主義を教える」というのは論理矛盾である。

 軍は反タクシン派の主張する「暫定政権論」に与していると言われる。しかしじゃ誰が誰をどうやって、どういう論理で選ぶのか。選挙をしたらまたタクシン派が勝つ可能性が高い。とすると選挙をしないのか。

 既にアメリカ、イギリスなどはタイに対する制裁の話しをしている。”制裁”は対ロシアなど実施されているが、「本当の意味で効果的なのか」は議論がある。政治と社会の混乱に加えて経済が混乱したら、東南アジア第二の経済国の先行きは危うい。

 ウクライナ。25日の大統領選挙を控えて、国内の混乱状態は進んでいる。勢力も入り乱れているというのが当たっているようだ。キエフの暫定政府の命令に対してウクライナ軍は必ずしも従っていない、と言われる。

 これに対して、むろん親露派と言われる連中が武装していて、加えて国内の財閥(ウクライナの一体性を支持)をバックにした部隊もあちこちに登場している。三つどもえ、四つどもえの戦いというわけだ。独立を宣言した東部2州(ドネツクなど)での大統領選挙は出来ても部分実施になるだろう。

 そうならないためには、25日までにウクライナ暫定政府軍が掃討作戦を実施しなければならない。しかしそれは今のところ難しそうだ。既に死者が多数出ている。とすると、ドネツクなどが認めない大統領がキエフに登場すると言うことになる。それは国家分断と言っても良い。

 あといろいろありますよ。ナイジェリアなど少なくとも国の一部に権力が行き届いていない国を世界で挙げれば、直ぐに片手、両手くらいの指を折ることができる。ある意味新疆ウイグル自治区に対する中国共産党政府の制御能力も限定的なもののように見える。

 世界には「膿を持った部位」が一杯あると言うことだ。タイが不思議なのは、軍がクーデターに出ても、「観光に行くならいいだろう」くらいに思える点か。それが良いか悪かは別にして。


2014年05月22日(木曜日)

 (18:43)今週は非常に珍しく前半に久留米で、後半に東京のお茶の水で講演を2回もした週で、そういう意味では「ちょっとお疲れ」なのですが、講演は講演で楽しいこともある。

 いろいろといいのは「それを理由に足を運べる」、その上で「いろいろな人に会える」ということ。久留米は確か二度目だと思ったのですが、今回初めて「ラーメン」「やきとり」の久留米二大ウリの一方は体験できた。

 東京では九州じゃんがらラーメンが大好きな私は、久留米 大砲ラーメンは一発で好きになりましたね。ともに豚骨。このラーメン屋の名前は博多でも見ましたが、久留米のタクシー運転手さんによると「久留米の本店じゃなきゃダメ」だそう。同じ「豚骨」でも実にまた多様です。

 次に久留米に行くときには「焼き鳥」を試したいと思ったのですが、これも運転手情報によると「だむる」というのが、非常に美味しいそうな。「久留米にしかない」とのこと。何かの内臓で、「とっても美味しい」とのこと。

 久留米の講演会には、何と大阪から駆けつけて下さった方がいました。ラウンドアップを熱心に聞いて下さっている方だそうで、久留米で新幹線から降りるときに「伊藤さん、大阪から来ました」と言われて、ビックリ嬉し。日経のトップリーダー経由なので、そういう珍しいことも起きるわけです。大阪から駆けつけて下さった方、ありがとうございました。

 お茶の水での講演も面白かったな。中小企業の経営者、または経営陣を相手だったので、やはり真剣味が違う。目が真剣だと「こちらも自然に力が入る」わけです。6月はまたあちこちに出かけます。出かけることはまた取材にもなる。


2014年05月21日(水曜日)

 (21:13)昨日「大阪から鹿児島に向かう”さくら”には外国人がいっぱい」という話を書いたばかりなので、今日読んだ「4月に日本を訪れた外国人旅行者が推計で123万1500人。前年同月比33・4%増で、2カ月連続で月間として過去最高を記録した」という東京新聞の記事(政府観光局発表)には非常に納得しました。

 「うーん、でも今年これまでの動きは全体としてどうだったのだろう」と観光局のサイトで見たら、今年の一月以降は以下のようになっていた。

 1月  94万4009人(対前年同月比 41.2%増)
 2月  88万0020人(同 20.6%増)
 3月 105万0500人(同 22.6%増)
 4月 123万1500人(同 33.4%増)

 各月とも凄い増加になっている。観光局のサイトには

  1. 積み重ねてきた訪日プロモーションにより、4月の日本の「桜」ツアーが各国で定着したことに加え、本年も桜シーズンに向け集中的に実施した訪日プロモーションが功を奏した
  2. 東南アジアでの査証緩和の効果、羽田空港国際線発着枠の拡大を中心とした航空座席供給量の増大に加え、タイのソンクラン休暇や欧米豪市場などのイースター休暇、大型クルーズ船の寄港
 などとちょっと手前味噌の要因を指摘している。しかしもっと大きな環境を言えば、「日本は昔ほど高くない。簡単に行ける国になった」という印象が世界的に広まっていることが大きな要因だと思う。今日はやや円高になっているが、70円台の時代に比べれば、今の日本は外国人にとっては非常に来ることが可能だし、楽しみな国になっている(安全・綺麗・メシが旨いなど)のだと思う。

 むろん私が”さくら”の中で見た光景は5月です。ですから、「きっと5月も多いに違いない」と私は思う。今年最初の数字を万単位のレベルで4ヶ月分を足し上げると約410万人。これを単純に三倍すると1230万人。

 去年の訪日外国人観光客は1036万人だったから、これは200万人近い大幅な増加。これはインパクトが大きいでしょう。日本の消費税の引き上げに伴う国内消費者による消費減をある程度相殺する力が働くでしょうし、日本中の観光業が活況を維持できる可能性がある。

 1200万人というと、去年韓国が世界から受け入れた観光客の数にほぼ等しい。世界にはフランスのように自国の人口以上に年間で外国人観光客を受け入れている国もあるが、日本もやっと「観光大国」の入り口に立った印象がする統計だ。


2014年05月20日(火曜日)

 (10:13)大阪からなので久しぶりに新幹線の「さくら」で九州に向かっているのですが、凄い外国人の数です。「三分の一は外国人か」というくらい。欧米人が多い。

 以前「さくら」に乗ったときはほぼ全員が日本人だったので、2年くらいの間に乗る人ががらっと変わったと言える。列車が徐々に有名になったんでしょうね。日本の南に向かう新幹線ということで。驚きました。

 ところでタイの陸軍が日本時間午前8時半にタイ全土に発した戒厳令は、十分警告され、十分予想された出来事と私は受け取りました。あれだけ「タイの民主主義が機能不全」になれば、「出口なき状況」だっただけに、軍が出てくるのは残念ですが、ある意味しかたがない。

 「午前3時から適用し、期限は未定」だという。戒厳令下では国軍が「治安維持の全権を掌握」し、軍が必要と判断した場合に適時取り調べができるなどの厳しい体制が敷かれるという。「2006年以来8年ぶり」となるから、タイの昨日までの体制は「10年もたなかった民主主義」ということになる。

 なぜもたないのか、は興味深い問題です。やはり一つは「貧富の格差の拡大」かな。都市と農村の問題にも繋がる。国内に非妥協的な姿勢が蔓延し、選挙で政権が選ばれても「彼等は我々の仲間ではない」という雰囲気が広がる。双方の非妥協的な姿勢によって溝が埋めがたくなる。

 実権を握った軍も、「どうやって民間に政府の権力を移すのか」の難しい判断を迫られることになる。タイのマーケットがどう反応するか知りませんが、単純に考えれば「法と秩序」が戻るわけだから、必ずしも悪いわけではない。

 タイの軍による全権掌握以上に驚いたのは、米司法省による中国人民解放軍所属の中国人5人に対する起訴発表でしょうか。米側の発表によれば、USスチール、アルコア、ウェスチングハウスなど米企業のコンピューターに侵入、原子力発電所の設計情報などを盗んだ疑い。

 アメリカは中国側に対して「5人をアメリカに送致せよ」と言っているが、これは中国が応じないでしょうから、「姿勢を示した」ということ。つまり、「今後中国によるアメリカの企業秘密へのサイバー攻撃を容認しない」というメッセージ。

 ホルダー米司法長官は19日の記者会見で「もううんざりだ。オバマ政権は、非合法的に米国企業に損害を与えようとするどの国の活動も見過ごさない」と述べたそうで、アメリカサイドの強い姿勢がうかがわれる。

 図式としては中国の世界の中での孤立化ですが、その中国にはロシアが接近とも伝えられる。国際政治の分野では、「国際化」はあちこちでずるずると後退しているように見える。しかし、観光客の多様さを見ると、人の動きでは国際化は着実に進んでいる。

 日本人はビジネスマンが主で静か。一方外国人は観光客が多いので、車両の中で聞こえてくる言葉は、外国語が圧倒的です。ちょっと変な気持ち。


2014年05月19日(月曜日)

 (18:13)結構何でも自分で決める人らしいので、「国民向け談話」もご自分で考えたんでしょうね。「海洋警察庁を解体」「事故が起きた4月16日を”国民安全の日”と制定」「天下り規制を強化する公職者倫理法改正案の提案」など。

 この内、韓国という国を将来変える可能性があるのは最後かな。『捜査機能は警察庁に、救助と警備は新設する「国家安全庁」にそれぞれ移管』という組織の組み替えは確かにビジブルだが、何ら韓国という国の文化を変えないと思う。最後の「天下り規制」は中味が出てきていないので即断は出来ないが、韓国を変える可能性がある。

 それにしても、一般的に途上国・中進国と言われる国を中心に大きな事故が相次いで起きている。既に韓国での大きな船舶事故の「中味の酷さ」は十二分に報道されているが、先週から週末にかけてトルコと北朝鮮で非常に大きな事故が報告された。

 トルコでは300人以上が亡くなり、その炭鉱事故との関連で「18人が逮捕」と一時伝えられたこともある。実際には「3人起訴」ということらしい。それにしても、300人を越す死者を出す炭鉱事故というのは想像を絶する。

 一方北朝鮮では「同国のエリートが住む平壌で建設中の高層アパート(23階建てと伝えられる)が倒壊し、建設中にもかかわらず既に居住していた92世帯のかなりの人が事故に巻き込まれ、100人以上が死亡した」とも伝えられる。珍しく北朝鮮政府幹部が謝罪。

 ふと筆者の頭に浮かんだのは、「途上国・中進国の社会的・政治的罠」と言う言葉です。経済の世界では「中進国の罠」は良く使われる言葉。『国民一人当たりGDP(国民総生産)が1万ドル(今だと約100万円)に接近する「中進国」となった頃から、「発展途上国」の追い上げによって輸出品が競争力を失う一方、「先進国」と競争するには技術力などが十分でないため、結果として成長が停滞してしまう現象』と定義されることが多い。

 それはそれで興味深い言葉だが、韓国、北朝鮮、それにトルコなどでいろいろ起きる事故を見ていると、これらの国々には別の罠、社会的・政治的罠が待ち構えていたように思う。

 何かというと、大きな事故を起こす国は総じて「賄賂社会、縁故社会、縁故資本主義」がはびこる。市場経済を採用しているように見える韓国やトルコでも、基本はそうだ。「賄賂・縁故」がはびこる社会では、その二つが様々なところで威力を発揮するので、先進国では通常遵守される「法律・規律・規範」がしばしば無視されるのではないかと私は思う。

 そもそも「賄賂」でコストがかかっているから、その分かそれ以上を実際の建設費から引こうとする力が働く。結果は手抜き工事です。無論全てがそうではないが、日米欧より「賄賂がはびこる社会、縁故で何事も決まる社会」では、それらが前に出る分だけ、「法律・規律・規範」の持つ意味合いが著しく低下する。

 橋が落ちたり、平気で船舶の過積載が日常化していたり、建設中のビルが倒壊したり、300人もが死亡する炭鉱事故が起きたり。先進国では普通考えられない。「法律・規律・規範」がまず前に出るからで、その分ルールがはっきりしている。

 ブラジルのワールドカップ関連工事の遅れも、「途上国・中進国の社会的・政治的罠」の一種かも知れない。開催スタジアムがある都市の警察官が「給与の5割アップを求めてストを計画」とは想像を絶するシーンだ。

 ロシアも酷い賄賂社会だ。ソチの冬季オリンピックには膨大はコストがかかった。そのかなりの部分は賄賂だという。プーチンは「ロシアのプライド」を最近盛んに言う。しかし、サンクトペテルブルクを走っているカイエンのかなりの部分はその種の取引の結果ということでは、本当に「国民がプライドを持てる国」になれるのか疑問だ。

 日本だっていろいろなことが起きている。名前のある建設業者が作った名前のある不動産業者のマンションが構造欠陥で取り壊しになったりもしている。まあそれでも、「人が入ってからの倒壊」はない。事前に検査が入って欠陥が露呈するからだ。

 経済の世界で良く言われる「中進国の罠」以上に、途上国が直面しなければならない問題は、実は「途上国・中進国の社会的・政治的罠」のような気がする。国民一人当たりGDPで2万5000ドルが見えるようになった韓国が、その”罠”から時間をかけても脱出できるかどうか。

 多分大きな事故は、インフラなりがある程度発展した段階から起きる。なぜなら大勢の人を収容するインフラ(ビル、船、地下鉄などなど)はある程度発展した国の by-productsだからだ。


2014年05月18日(日曜日)

 (07:13)知らなかったのですが、ロシアの議会は先月びっくりするような法律を通していたんですね。

  1. フォローワーが3000人以上いるツイッターのブロガーは”media”扱いとし、登録の義務を課す
  2. ブロガーはあまねく、自らが発信した内容の正確性に責任を持たねばならない
  3. ロシア内で業務を行っているインターネット・サービス業者はすべて、ロシア国内にすべてのデータを保存しなければならない
 ロシアでは今のところ、ツイッター、フェースブックなどのSNSは自由です。先進国と変わらない。2年前に行ったときもそうでした。しかしロシアの当局はその両方が許されていない中国のような全面禁止を、「10数分の時間があれば出来るよ」と言っているらしい。

 最近思うが、本当に世界は二つに分かれてきた。自由に発言できる国と、発言するにも気をつけないといけないか、自由なツールを監視されるか、潜在的に刑罰の対象になる国と。

 ロシアは揺れていて、「将来いつでもツイッターやフェースブックを遮断する用意をしている」国と言える。困ったものです。政権に自信がないとこういうことをする。それにツイッターでフォローワーが3000人って。ちょっと発信が好きな人なら、直ぐそのくらいはいくでしょう。

 近くプーチンは中国に行く。西側とまっとうに付き合わなければ国の発展もないと悟って欲しいものですが。中国には何もアイデアはないですから。


2014年05月16日(金曜日)

 (18:13)「インドで10年ぶりに政権交代へ」「次に政権を取るのはインド人民党(BJP)」と聞いて、懐かしいなと思いました

 私が最初にインドに行った10年前に政権を担っていたのがBJPです。確か1998年から続いていて、2004年・年初のインド(加速する成長、株高、貧困、そしてカオス)の中にも当時のBJPの首相である「バジパイ」が頻繁に登場する。旅行を追えて帰るときに「経済政策に成功したし、この政権は続く」と確信して日本に帰った。

 しかし翌年にインドに来たときには、既にBJPは政権を追われていた。これはインドの友人たちもビックリだったようだ。5億人の選挙民を持つインドの選挙の予測不可能性。「成長の果実が社会の隅々まで行き渡らなかったから」と聞いた。バジパイ(BJP)去った後のインド記が2005〜06年、爆発中のインド(続カオス、しかし成長の成果が)である。

 インドの人々は何に疲れて政権を変えたのか。今回の総選挙は「失速した経済」の立て直しと、「噴出した政治腐敗の撲滅」が争点だったそうだ。最初から与党連合を率いる国民会議派は不利だったのだろう。

 インドと言えば、この数年だけで世界的なニュースになった悲惨な事件がいくつかあった。「インドには行きたくない」という女性が世界中に増えた。それは別に10年政権を担っていた国民会議派の責任だけではないが、「顔を変えたかった」ということはあると思う。

 次の首相には、インド人民党のナレンドラ・モディ氏が就任するらしい。彼は西部グジャラート州首相を務め、経済運営に実績がある。しかしあのインドを変えるのは容易ではないと思う。

 BJPは言ってみれば「ヒンズー主義の政党」だ。しかしインドには約1億人のイスラム教徒もいる。カースト制の名残も地方には強いし、女性蔑視の風潮もある。酷い賄賂社会でもある。舵取りはなかなか難しいと読む。


2014年05月15日(木曜日)

 (11:13)まさに田中デーでした。アメリカでの初完投・初完封、そして自らのMLB初ヒット。負けなしの6勝目。ワンダフル。

 今朝「今日は田中が登板」と知ったので、10時過ぎから英語放送で見たのです。「現地アナウンサーや解説者がなんと言っているのかな」と思って。そしたら笑えた。田中についてアナウンサーが一番数多く使った単語は「excellent」だった。

 無論解説者の言葉からも「excellent」が出てくるが、こちらはプライドがあるから、それに解説が付いてくる。多分解説者だと思うのですが、こんな事も言っていた。「田中くらいコントロールがいいと、審判もついストライクと言うんですよ。良いコントロールの副産物(by-product)」とか。「彼はゲームのマネジメントを隅々まで知っている」とも。

 私にも確か7回1死からだったと思ったが、グランダーソンに投げた外角の球は外れていたと思う。しかし判定はストライク。三振を取られたグランダーソンはとっても不服そうだった。そこでこの解説者の発言が出た。

 実はこの日の田中はあまり調子が良さそうには見えなかった。特に6回はきつそうだった。短いインターバル(基本4日)で登板している疲れがたまっているかも知れない。何かマウンドの上で「ブツブツ」言うんですよ。マイクでは拾えない。  誰もが「何を自らに言っているのか。何をつぶやいているのか」と思うが、試合後に誰か(アナウンサーかも)聞いて欲しいな。しかし彼はあまりはっきりとは言わないでしょうね。ま、確かなのは「今の球はダメだ」「あそこはダメだ」「もっとコントロールしないと」でしょう。

 田中がバッターボックスに入ったらブーイングが起きた。9回表です。そのブーイングを受けて田中が繰り出したのが、二遊間を抜くセンター間のゴロのヒット。当然ピッチャーの足元を抜いている。球が戻ってきて、ヤンキースのコーチか何かが球に何かを書いていた。初ヒットの記念球。打席に入るときに「ヒットを打ってこい」とベンチで皆に言われたそうだ。で出た。

 彼が打ったヒットは1本。彼が打たれたヒットは4本。「excellent」。試合は4−0。ヤンキースはまた貯金が一つでした。試合後のインタビューで「今日は幅広い投球が出来た」とマー君。114球の投球。


2014年05月15日(木曜日)

 (05:43)早起きして今朝のMLBの試合予定を見たら、Subway Series (ヤンキース対メッツ)が結構凄いことになっている。ともに19勝19敗、そしてヤンキースの先発予定はマー君。試合開始は日本時間の午前8時10分。

 ヤンキースはこのところ、「マー君が出たときしか勝てない」的状況が続いていて、マー君が作っている「5勝」の貯金をこの2週間ほどで全部はき出した。とにかくサバシアが勝てない。

 ということは、今日マー君にMLB初の「負け」が付くと、ヤンキースは負け越しとなる。確かシーズンが始まって以降、その大部分の期間は貯金をしながらやってきたのに、今日負ければ、ということはマー君に「負け」が付く可能性があるということですが、借金生活になる。ま、マー君は勝つでしょうが。

  同じく借金生活の危機にあるのはダルビッシュがいるテキサス・レンジャーズ。20勝20敗。こちらもシリーズが始まってずっと「貯金」で来たが、投打がうまくかみ合わずに最近負けが込んで、あわや借金生活かというところ。フィールダーが機能していない。

 ヤンキース、レンジャーズとも順位は急降下。つい最近までヤンキースはアメリカン・リーグの東部1位にいたが、今は下から2番目。このままだと厳しい。レンジャーズも西部の1位に居たこともあったが、今は20勝19敗のマリナーズの下。両チームにとっては居心地の悪い順位。ま、シーズンは始まったばかりですがね。

 ニュース的観点から言うと、今朝の一番は「世界的な長期金利の目立った低下」でしょうか。米指標10年債の利回りは今朝段階で2.545%になっている。つい最近は2.6%前後の推移だったから、大きな低下だ。円安が進行していた頃には、一時3%があった。

 欧州でも長期金利の低下が著しい。年初に1.9%のレベルだったドイツの10年債利回りは今朝は1.373%。特に昨日今日の下げが激しい。スペインなど他の欧州諸国でも総じて「長期金利の低下」が顕著。

 日米に続いて、「ECBも”超”金融緩和に乗り出す」との見方が改めて長期金利を押し下げた、との見方が強いようだ。しかしそんなことは先のドラギの記者会見から分かっているので、「世界的な株高の先行き・着地点を心配して、投資家が資金の一部を債券に回した」とも受け取れる。

 欧米金利が下がっている中では、円はこれらに対して「円高移行」は当然で、ドル・円は101円台後半、ユーロ・円は139円台となっている。米金利の低下で言うならば、「おかしな事」も起きている。この日発表になった米卸売物価は「U.S. producer prices recorded their largest increase in 1-1/2 years in April as food prices surged, in a potential sign inflation pressures may be creeping up.」(ロイター)という状況の中で起きている。

 実際の上昇率は0.6%。2012年の9月以来の大幅というので、「1年半ぶりの高い上昇率」となっている。にもかかわらず、米長期金利は大幅低下で、かつ「このところの低下が目立つ」状況。

 まこれは、「考えてみればちょっと気持ちが悪い」ということで、ニューヨークのダウは三桁、101ドル47セントの下げ。久しぶりの大きな下げだ。他の代表的2指標も下げ。Nasdaq が29.54、S&P が8.92の下げ。


2014年05月14日(水曜日)

 (05:43)中国経済が「下に変調」したことを示す指標が俄然多くなってきている。やれ「中国の首都北京でも不動産価格が下がり始めた」とか、「宝飾品の売り上げも急速に今年の春から落ちてきている」とか。

 かなりまじめな態度で中国経済は4月には回復の兆しを見せるどころか、急速に悪化していると伝えているのはウォール・ストリート・ジャーナルで、「中国の景気悪化は7.5%の成長率目標を掲げる政府にとって見過ごせないものになりつつある」という内容。

 同紙の「the slowdown in the property market is having a knock-on effect on factory output, retail sales, and investment in machinery, land and other physical assets, all of which posted slower growth rates compared with a year ago.」という記述が、中国経済のスローダウンの広範さを伝えている。

 しかし中でも笑えたのはこのFTの記事だ。「中国は2011年と2012年の2年間に、アメリカが20世紀全体を通して生産した以上のセメントを作った」とある。にわかには信じがたいが、中国のこのところの不動産バブルの激しさを象徴するデータ提示となっている。

 両方の記事で共通しているのは、「中国経済の最大の駆動力が”不動産投資”にあり、同国経済の約四分の一(25%)を占めるが、その不動産部門(ビル建設、住宅建設、街作り計画などなど)が政府統計でもはっきりの変調した」という点。

 「政府統計でも」というのが重要です。中国の統計はしばしば「鉛筆を嘗められている」から都合の悪いことは隠される。しかしその政府統計でも不動産市場の変調が明確だ、ということです。

 火曜日に重要な指標発表があったんでしょうね。と思って「今週の予定」表を見たら火曜日のところに

 中国4月工業生産高・小売売上高
 中国1〜4月都市部固定資産投資

 この二つなんだ。それにしては昨日の東京の株はよく上がったと思うのですが、出てきた数字はWSやFTがともに警告をならす数字だったということです。「変調を来した不動産投資を一因として、GDPと密接に関連している中国の鉱工業生産の伸びは4月は対前年同月比8.7%にとどまり、小売売上の伸びは3月の12.2%から11.9%になった」とある。この二つだけだと、「傷は浅い」とも読める。

 しかし「gold, silver and jewellery sales plummeted 30 per cent in April from a year earlier」というのは、「へえ」と思う。世界中から中国に進出しているブランドショップは大変だ。むろんこれは、習近平政権の政策とも関連している。中国では「高い値段の腕時計をするだけで罪」という雰囲気。  しかしもっと深刻なのは、「中国1〜4月都市部固定資産投資」だ。悲惨な統計が政府から出た。FTが指摘しているのは二つだ。

  1. the all-important real estate market saw sales fall 7.8 per cent in renminbi terms in the first four months from the same period a year earlier
  2. in the first four months newly started construction projects fell 22.1 per cent compared with a year earlier, according to government figures released on Tuesday.
 これは深刻でしょう。政府統計ですからね。「all-important real estate market」というのが具体的に何を指すのか、ま普通に考えれば「全不動産販売」ということでしょうが、それは1〜4月に7.8%減少。さらに1〜4月の新規着工件数は一年前に比べて22.1%も減少.....と。

 「売れないので、いよいよ業者も作るのを減らし始めた」と受け取れる統計である。「まだ慎重姿勢だが、そろそろ中国政府も何かしないと成長率目標をクリアできなよ」というのがWSJの親切な記事ですが、「バブル再燃に手を貸す」というのは習近平や李克強はやらないでしょう。だって一方では政府関係者や軍の関係者に、「国民の見る目が怖いから奢侈は避けろ」と言っている訳ですから。

 加えてどの国でもそうだが、「不動産バブルの崩壊」をうまく予測し、阻止できた例はない。バブルの崩壊は、その国の多くのセクターに軋みを残す。中国の場合は心配なのは金融セクターです。

 「中国の不動産バブルの崩壊」は、何回も警告され、マーケットが材料とし.....とややデジャブ。しかし火曜日に発表になった数字は、これまでとインパクトが違う、とも思う。


2014年05月13日(火曜日)

 (15:43)新幹線でウエッジ(WEDGE)の『世界で悪評「韓国クオリティ」』という記事を読んでいる最中に、ちょこっとスマホに目をやったら、「韓国、今度は建設中のビル傾く 7階建て20度も ずさん管理に怒り」という記事が目に。

 「ビルは完成間近だったが中に人はおらず、けが人はなかった」ということで、不幸中の幸いということでしょうが、それにしても人が入ってからだとまたまた大惨事になっていた可能性が高い。

 具体的には「韓国中部の牙山で12日、建設中の7階建てビルが突然傾いた。ずさんな地盤工事が原因で沈み込んだ可能性がある。旅客船セウォル号の沈没事故で安全対策が問われている中で、またずさんな管理が発覚したと、韓国メディアは怒りを込めて伝えている。」ということらしい。

 「20度って」て思いました。京都の太秦の映画村にわざと床が傾いでいる部屋が二つくらいありますが、あれでも「10度」と聞いていて、それでも気持ち悪くなりますから、「20度」だともう中にいるのさえ難しいと思う。

 いくら地盤が弱いにしても.....と思います。「韓国クオリティ」の記事にしても目を疑うような内容。「ほんとかな」とも思う。最近韓国に行っていないので知りませんが、そこまで広がっているとしたら容易なことでは”文化”は変えられないでしょう。

 韓国は何かと言えば、「世界第何位」を気にする国ですが、総じて言えば「それどころじゃない」とも思うのですが。


2014年05月12日(月曜日)

 (21:43)ロシア語が出来ないので英語で読むのですが、ウクライナ東部2州(ドネツク、ルガンスク)での”勝手住民投票”の結果(圧倒的なyes投票)に対するロシアの声明は、何度読んでも笑える。実に微妙です。

Moscow views with respect the expression of the will of the people of the Donetsk and Luhansk regions and expects that the practical implementation of the outcome of the referendums will be carried out in a civilized manner without any recurrence of violence, through dialogue between representatives of Kiev, Donetsk and Luhansk
 プーチンは「延期したら」と言っていたのに、ウクライナ東部の”住民投票”を親露派は実施した。ロシアはそれを非難することもなく、選挙結果について声明し、「2州の州民の意思表示に敬意を表する」と述べた後で、「住民投票の結果の実際的・現実的な実現(practical implementation)が、キエフ、ドネツク、ルガンスクの3者代表の協議を通じて、暴力の再発なしに文化的・文明的なやり方で実施に移されることを期待する」.....と。

 「実際的・現実的な実現」(practical implementation)が2州のウクライナからの独立なのか、ウクライナの中での自治権拡大なのか、共和国制への移行なのかには全く触れていない。選択肢を数多く残したいのだ。

 むろん、選挙そのものが違法と言っているキエフの暫定政府サイドや、既に夜が明けた欧州サイドはカンカンだ。ウォール・ストリート・ジャーナルを見ると、

Ukraine's acting president Oleksandr Turchynov said that Moscow is aiming to sabotage May 25 presidential elections and accused the Kremlin of supporting the unrest that has swept the eastern region.

EU foreign ministers were set to modestly expand sanctions on Russia on Monday. They were united in condemning the referendum, with Swedish Foreign Minister Carl Bildt calling the ballot outcomes "fake figures from a fake referendum" and German Foreign Minister Frank-Walter Steinmeier saying they "can't be taken seriously."

 などの文章がある。夜が明けてアメリカ政府も「今回の選挙はいかさま。全く認めることが出来ない」と声明するだろう。

 大体今回の”住民”投票は、経緯を別にしても実に胡散臭い。「yes」「no」方式で、質問事項はドネツク州では「Do you support the act of state self-rule of the Donetsk People’s Republic?」(英語表現のケース、FTから)となっている。

 翻訳すれば「あなたはドネツク州の州自立・自治の行為を支持しますか」となっている。日本の新聞は今回の投票を「独立を巡る投票」と伝えているところが多いが、「the act of state self-rule」をどう理解するのかは実は「投票する人によって異なる」と考えるのが自然で、選挙を実施したサイドも「その曖昧さが狙い」とも言える。

 それは「独立」ともとれるし、ウクライナという国の枠内での「自治拡大」とも取れる。親露派が狙っているのは「ウクライナの独立色の強い共和国移行」だという説もあれば、「いやクリミアと同じ“独立”、その後のロシアへの“編入”」だとする見方もある。

 キエフの暫定政府は当然これを認めていなかった。「違法」と繰り返し述べ、アメリカ、ドイツ、フランスなどもこの立場だった。暫定政府はウクライナ東部の住民に「投票には参加しないように」と呼びかけていた。

 選挙方式もかなりいい加減なものだった。準備期間は2週間に過ぎず、選挙人名簿も2年前のものを使った。投票所の数も少なく、投票が実は「一週間前から行われていた」という報道もあるし、「yesにチェックが入った10万の投票用紙が見つかった」との情報もある。

 どのような真意かは不明だが、ロシアのプーチン大統領は「この投票は延期すべきだ」と要請したのに、親露派がそれを無視して行った。役割分担だったのかも知れない。その結果は当然ながら、「圧倒的多数でのyes 投票」となった。投票率も高く出ているが、それは確認のしようがない。

 この選挙結果を見て、ロシアは「キエフとドネツク、ルガンスクの代表は話し合ったら」と言っているが、キエフはそうやすやすと話し合いには入らないでしょう。入ったら投票結果をある意味認めたことになる。

 選挙を実施した親露派が何を暫定政府に求めるのか、ロシアに何を要請するのかは実はよく分からない。恐らく“親露派”といっても中は結構バラバラな可能性がある。ロシア系住民で「ロシアに帰りたい」と願う勢力もいるだろうし、ウクライナの中で「より大きな自治を獲得したい」「ロシアの援助も欲しい」と思っている勢力もいると思われる。

 事実として残ったのは、キエフの暫定政府が”無力だった”という事実だ。自国の領内と見なす二つの州で自らと敵対する勢力に「勝手に選挙を実施されてしまった」ということ。これは重い。

 親露派はウクライナ東部で庁舎や警察などいくつかの公共施設を占拠し、武器を携行している。言ってみれば反乱軍・勢力のような存在だが、暫定政府はそれを掃討することすら出来ていない。“掃討作戦”は実施しているが、時には自らの警察や軍隊に見限られたケースもある。よって目立った成果はなく、いたずらに死者の数が増えただけだ。

 ということは選挙後の危険性としては「ウクライナという国の分裂」「ウクライナの内戦状態入り」というのは無論ある。キエフの暫定政府としては、自らの統治権を誇示するためには強攻策に出るしかない。

 しかし一方で、少なくとも5月25日に予定されている「ウクライナ大統領選挙」を念頭に、ウクライナ情勢は「膿んだ状態を続ける」と見ることも出来る。つまり爆発もせず、体内に「膿みを含む傷」のような状況が続くケースだ。痛むが体自体は大丈夫というケースだ。

 「civilized」とかいう単語を使う姿勢を見ていると、ロシアは正規軍を動かすような形ではウクライナには手を出さない可能性が高い。結果として親露派と暫定政府の緊張関係が続き、散発的な銃撃戦とか死者が出るが、所詮は「膿み」の状態で推移するという可能性だ。

 一つ明らかになりつつあるのは、プーチン大統領が一直線にはクリミアタイプのウクライナ東部への介入・ロシア編入を画策しているのではないと思われる点だ。ウクライナ東部には、クリミア半島ほどにはロシアの直接的権益(クリミアのセバストポリにはロシアの海軍基地があった)があるわけではないこと、住民も必ずしもロシア歓迎一色ではないことがその背景だ。

 今でもロシアから流出する民間資本が多く、「今年のロシア経済はゼロ成長近くまで落ち込む」(IMF)という予想がある中で、「今以上のロシア経済の落ち込みは避けたい」という気持ちはプーチンにあると思う。ルーブル安で物価が高騰する中で景気後退が始まれば、高かったプーチン支持率も下がる。  だから筆者は一部の識者が予想するような「(西側のロシア制裁の一層の厳格化を誘発するような)ロシアの直接的な介入」の可能性はまだ低いと思っている。ということは、ウクライナ東部の「膿んだ状態」がそのまま続くことになる。

 困ったことだ。しかし自分の体でも時に膿みを持つこともあるから、「必ずしも異常な状態ではない」と考えることも出来る。ま、ここまで来ると「もう怒った」と言っているアメリカやヨーロッパや、もっとも直接的にはキエフの暫定政府がどう出るのかでしょう。彼等が強硬に出ればまた事態は動く。既に欧州は対露制裁の小幅強化を決めたようだ。


2014年05月11日(日曜日)

 (07:43)「日本のプロ野球の絵は全く足りないし、加えて散逸している」と強く思いました。「もっと努力してもらわないと」「プロ野球を統括する日本野球機構なる組織は何をしているのか」とも思いました。

 昨日の午前中から昨夜までの日米では、いろいろと野球が面白かった。昨日の朝「あれ、今日はマー君とダルがほぼ同時に先発する」と気づいたときから、気になってしょうがない。しかし昨日は朝から芝刈りで、時々しか野球を見れる環境にはなかった。

 「さあ家に帰って」と思ったら、親戚の不幸で芝狩り場から160キロほど車で移動。よって夜はいろいろ忙しくて、バタンキューで寝て起きたら夜中。そこから、「さて昨日のMLBは、そして日本のプロ野球の結果は?」と探したら、その差の歴然たる事に驚いたわけです。

 アメリカのプロ野球の事は、MLBの公式サイトで全て分かる。動画が豊富に埋め込まれていて、ダルビッシュのパーフェクト逃しのセカンドの失策、オルティーズのライトへのヒットが、どのような形で生まれたのかなど。あれは内野手が取れていた....とか分かるわけです。

 その動画は実に充実していて、「ワシントン監督のインタビュー」「ダルの球を受けたキャッチャーのコメント」などなど全てが入っている。ダルとバッターとのそれぞれの結末も全部入っている。見れば何があったかも全て分かる。

 マー君がどういう形でsolid startしたかも一目瞭然なのです。ジラルディのマー君に関するコメントもあるし、マッキャンのコメントも面白かった。だからいくら見逃しても、アメリカのMLBは何があって、それがどう評価され、選手たち、監督たちが試合にどうコメントしたか分かるわけです。つまり納得、了解出来るのです。

 しかし日本のプロ野球は「いったい昨晩は何が起こったのか」を調べるのが非常に難しいし、時間がかかる。探すのに。野球好きにはテレビの絵では足りない。しかもテレビのスポーツニュースの時間に自分を合わせる習慣もない。例えば、あの中日の投手陣相手に「広島がなんであんなに点数を取れたのか」と思って、「どこかにまとまった動画はないか」と探したが、実は見つからなかった。

 さすがに阪神ー巨人の試合を決めたアンダーソンの3ランはユーチューブにあった。しかし巨人というチームは何も動画を提供しておらず、MLBに相当すると思われるNPB(日本野球機構)のサイトに行ったら、

 「今日誕生日を迎える選手一覧」
 「今日の試合予定」
 「キャロライン・ケネディがいつ始球式をした」

 とか全く役立たない情報しかない。一瞬「アホか」と思ってしまった。

 日々戦いをしているプロ野球の公式サイトが「選手の誕生日がどうの」「80周年のポスタープレゼント」とか。誰か興味持ちますかね。あってもなくても良い。それでいて、「新しい歴史を作ろう」とか書いてある。「歴史を消しているのはあんたたちだろう....」と思いました。

 権利関係があるのかもしれませんよ。しかしもうちょっと日本のプロ野球の絵(動画)をどうにかしてくれないと。やはり絵があるからスポーツは面白いわけです。ファンが勝手に投稿したユーチューブの動画だけが頼りというのでは、なっていないでしょう。

 日本のプロ野球界全体の奮起を促したいと思います。LTEなど動画回戦はアメリカより日本の方がはるかに進んでいるのに、日本のそれは全くソフト(絵)が足りない。これじゃますますファン離れが進みますね。


2014年05月10日(土曜日)

 (07:43)今聞いたニュース。、テニスの錦織圭選手がムチュア・マドリッド・オープン男子で3回戦に続いて準々決勝にも勝って、ベスト4に進出。これによって世界ランキングも「世界一桁」になることが確定したそうな。

 凄いじゃないですか。「ちょっと気持ちが弱いかな」と思った時期もあったが、その後はムクムク。「圭」という名前の甥がいるので、ちょっと親しみも持っているのです。前任(?)の今もうるさい人よりも、かなり上に来た。さてどこまで行けるか。

 ニューヨークの株は小幅続伸して、「史上最高値での引け」となったようです。ダウ工業株30種平均は 32.37 ドル上昇して、引けは16583.34ドル。これは4月30日に記録したこれまでの史上最高値 16580.84ドルを僅かに2ドル強だが上回る。

 ここのところのトレンドと「少し違うな」と思えるのは、 Nasdaq総合指数が 20.37 points,、0.5%上昇して 4071.87で終わったこと。日中は最大 0.6%下がっていたそうなので、「日中に反発」ということになる。モメンタム株への売りも小休止、それともただの一服 ?

  S&P 500指数も2.85 points、 0.2%の上昇。3指数がそろって上げるのは久しぶりかな。ただし、勢いのある上げではない。日中のかなりの時間帯は3指数とも下げていた。ウクライナ情勢を始め、懸念材料は多い。

 実際に11日のウクライナ東部がどうなるかは全く予想が出来ません。親ロシア派は、「住民投票決行の意向」らしい。


2014年05月09日(金曜日)

 (07:43)今朝気になるニュースは、起きてみたら1円も下がっていたユーロウクライナ情勢の一段の複雑化かな。前の記事は、ユーロ安の原因となったドラギECB総裁の記者会見の模様を報じたもの。FT。

 相変わらずドラギ総裁の記者会見は、「間合い」が多くて分からないことが多い。この記事では「6月には新たな緩和策」との見方だが、「では何を」という点では不明な点が多い。量的緩和をするにしてもどの国の債券を買うのかなど日米とは違ういろいろ問題が多い。

 しかし、直近で0.7%にしかなっていない低いインフレ率(目標2.0%の半分以下)と、それを助長している高いユーロ相場に対する苛立ちはよく伝わってくる記者会見だったようだ。「では何か次にはするだろう」と見たマーケットが、対ドルでも対円でもユーロ高是正を試みたという展開。

 もっともこの程度の予想は以前から出ていて、それでも「ユーロ・ドルは1.4ドルも」という動きを見せていた。ユーロ相場を本当に抑えるには、ECBサイドに強い意志の持続が必要になる。しかしユーロ相場に対する欧州各国の見解は違う。南のヨーロッパ諸国はユーロ高にいらだっているが、ドイツなどはそれほどではない。

 ウクライナ情勢は、少なくともプーチンの発言を聞いている範囲では、少しだが間合いは詰まっているように見える。彼はこの週末に親ロシア派が実施すると主張している住民投票の”延期”を呼びかけたし、米側はまやかしだと主張しているがウクライナとの国境近辺のロシア軍を撤退させたと言い、さらにこれまで「認めない」としていた5月25日のウクライナの大統領選挙を「正しい方向への一歩」と認める姿勢を示した。

 しかし、どこまで本気かは分からない。少なくともアメリカなどはそう考えている。策略、陰謀もあるだろう。かつ、今朝のワシントン・ポストの報道だと親露派はプーチンが”延期”を要請した住民投票を実施するとの方針を表明。この選挙がウクライナ情勢の「新たな発火点」になる可能性がある。実施されたらウクライナ暫定政権と親ロシア派との対立は決定的になる。その時ロシアはどうするか。

 中国の対ベトナムや天安門事件関係者に対する姿勢も許し難い。天安門事件25年ということで、共産党は極度に神経質になっている。しかしそれは自らの体制に対する自信のなさの裏返しだ。


2014年05月08日(木曜日)

 (22:43)ちょっと時期外れなんですが、「村上春樹さんはいつも候補に上がりながら、なぜノーベル文学賞を受賞できないのか....」なんて、ちょこっと考えていました。「多分それは”貢献”の面でかな」というのが浮かんだアイデア。

 そんなことを考えたのも、つい最近彼の短編小説集の何本かを読んだことが切っ掛けだと思う。その時に持った「なんとはなしの違和感」がそんなことが頭に浮かんだ原因だと思う。

 「違和感」というのは、「この小説は何かに貢献しているのだろうか」という思い。面白い発想はいっぱいある。彼の、特に音楽に関する知識は半端ではない。セクシャルなことに関する描写も上手い。

 しかし一方で読んだ人の世界観を変えるような、その人の考え方に大きな影響力を与えるようなことが書き込まれているわけではない。その前の、その前の前の長編小説にしてもそうだ。「二つの月」など思い出すシーンは一杯あるが、「だからなんなのか」という気もする。

 むろん彼は世界的に人気があり、出す小説出す小説大きな話題になる。その点は事実だ。しかしこれは私の勝手な想像ですが、ノーベル文学賞には二つの要件があるような気がする。それは「貢献」と「支持」だ。

 「貢献」とはノーベルが遺言の中で賞の設立理由として挙げたと言われる「人類のために最大たる貢献をした人々に分配されるものとする」と書かれた”貢献”である。むろんその意味合いは曖昧だ。

 もう一方の「支持」は明確だ。ある程度多くの人に読まれていなければノーベル文学賞は貰えないだろう。支持の広さは、その小説、その小説家が持つ人類的魅力を端的に示す。だから彼には明らかに「支持」がある。

 しかし多分ノーベル文学賞を選ぶ選考委員の頭には、「ではこの小説は、小説家は何に”貢献したのか”」という問いを何時もしているのだと思う。人々の〜〜問題に対する理解を深めて、関心を高めて、世界観を変えて、現実を動かした.....などなど。

 しかしその面になると、私は村上春樹さんの小説は弱いと思う。「詳しく説明しろ」と言われれば、私も全部彼の小説を読んでいるわけではないので難しいが、私の全体的な印象はそうだ。

 まあちょっとなんとなく今日頭に浮かんだだけで、明日には別のことが頭に浮かぶかも知れない。私の見方などの関係なく、村上春樹さんがノーベル文学賞を獲得する可能性は低くはないとも思う。

 まあでも今日はなんとなくそんな感じがした。


2014年05月07日(水曜日)

 (11:43)「うーん、彼等はとってもディープだ」「ディープな情報を持っている」と思いました。

青蓮院の霧島つつじは実に綺麗でした  6日は半日京都にいて、お寺の夜間ライトアップを中心に見て回ったのです。大部分のお寺の連休期間に合わせたライトアップは6日が最後だったので。高台寺はつい最近もちょこっと見たので、ホテルに「その他にないんですか ?」と聞いたのです。

 教えてくれたのが青蓮院でした。うーん、ずっと以前に一回行ったかな....というお寺。楠が印象的だったが、ライトアップは見ていなかった。

 行ったらびっくりした。「最終日で人出も落ちるかな」と思って行ったら、まだそうではなかった。最終日でもゴールデン・ウィークですから日本の方の観光も多かったのですが、しかしそれ以上に海外からの観光客が結構な数押し寄せていた。

青蓮院の竹林 2014年05月06日  飛び交うのは中国語、英語などなど。北欧系の言語もある。皆バシバシと写真を撮っていた。まあ綺麗ですから彼等が写真を撮るのは分かる。私も撮りましたから。浮かんだのは、「私でもホテルに聞いて来ているのに、彼等はどこから情報を得ているのか?」という疑問です。

 だって「青蓮院」はそれほどメジャーじゃない。しかも今の期間の連休最終日がライトアップの最終日だと知って来ている感じ。「なかなか凄いことじゃないか」と思いました。むろん、私と同じようにホテルで聞いてきたのかも知れない。

 しかしホテルが外国人相手だったらまず高台寺を教えると思うのです。事実高台寺はもっと外国の方が多かった。青蓮寺は「日本人でも知らない人が多い寺なのに」「しかもライトアップの最後の日に来るとは」と。

 そこで思ったのは、「情報の壁が低くなっているのかも知れない」という点。特に調べようと思っている人にとって。関連情報も、ネット・スマホ時代とあって各国語で充実してきているんでしょう。日本語と比べても遜色のないほどに。

お寺としてはちょっとやりすぎかな。綺麗ではあるが 高台寺  彼等が得られている日本情報は、実は我々日本人とあまり変わらない水準に達しているのではないか。とすると、きっと今後は「こんなところにまで外国人が」と驚くことが多くなるに違いない。日本のあちこちでそういうことが起きる、と思う。先日大阪の四天王寺に行った時もそう思いました。

 大阪・京都の前にいた石垣島、西表島も海外からの観光客が多かった。半分は中国語圏の人々という感じ。台湾は特に近い。かつ石垣島はアジアでは人気の、順位の高い観光スポットになっているらしい。

 中国語圏の人に加えて、欧米の人達も西表島で一杯見ました。沖縄には何回も行っていますが、これほど一杯海外からの観光客に頻繁に遭遇したのは、過去になかった。

高台寺の池が静かだと、まるで上下対称のように新緑が映し出される  もっとも今は日本中そうだとも言える。去年の夏の北海道も凄かった。今の大阪、東京の海外からの観光客も凄い。奈良も凄かった。とにかくどこに行っても今の日本は海外からの観光客だらけです。いいことです。

 それにしても、京都の寺のライトアップはええですな。4月の下旬からまたやるところが多いそうですが、朝、昼、夜と日本はその姿を変える。でもやっぱり夕方から夜が綺麗ですよ。青蓮院にはその時間帯ずっと居ましたが、実に良かった。その後再び高台寺に。

 写真のいくつかをアップしておきます。


2014年05月06日(火曜日)

 (23:43)ウクライナ情勢が緊迫度を増している。日本が休みの間に相次いで主にキエフの暫定政府サイドと親露蜂起派との間で衝突が起き、それによって「親露派に30人以上の死者」といった状況。キエフ側にもむろん死傷者が。問題なのは、事態が落ち着く「兆し」「シナリオ」が描けない状況であることだ。

 欧米側が主張している通り、恐らくウクライナ東部や南部の親露蜂起派にはロシアの人的・物的な支援が入っている。しかしロシアは「彼等は独自で動いている」と主張している。それだけに親露派は「ロシアの言いなりではない」という状況を作り出していると思われる。言う通りにしたのは、監視団の残りのメンバーを解放したことぐらい。

 キエフの暫定政府サイドも問題が多い。自らの東部・南部の治安当局者に疑念を表明するなど、自らの統治能力不足を宣伝してしまっている。この結果、国内では事態収集がつかなくなっている。今のところロシアが正規軍をウクライナ領内に入れる動きは報告されていない。依然として「国連安保理を要請」レベルの動きだ。

 しかし問題なのは、キエフ暫定政府が東部・南部への統治権を脅かされ、軍も警察も必ずしも思うとおりに動いていないことだ。暫定政権の軍や警察にも、いわゆる「親露派」と言われる人が含まれていると思われる。ウクライナの国内情勢は複雑なのだ。

 これだけ事態が混迷してくると、マーケットも懸念を強める。日本が連休中の世界のマーケットでは、株価(特にアメリカのそれ)が「既に天井に近いレベルまで上がっている」(各種指標は史上最高値近辺)との見方もある中で、しばしば「売り要因としてのウクライナ情勢」が材料として取り上げられている。もっともウクライナ情勢は、株価を大きく崩す材料にもなっていない。

 着地点なき地政学的リスクは、動かなければ通常は希薄化する。尖閣がそうだ。しかしウクライナ情勢にはその兆しはまだ見えない。ヨーロッパの心臓部に近い地政ポジションで、かつ今の国際秩序を揺るがす形で進行しているだけに希薄化は時期尚早とも言える。

 一つ望ましい状況があるとしたら、それは米露、ヨーロッパとロシアの繋がりが切れていないこと。つい最近もケリーとラブロフ、メルケルとプーチンは電話で話し合いを持ったとされる。欧州サイドの外相レベルの話し合いも続いている。5月25日の選挙をなんとか実施する環境を整えようというものだ。

 しかし言えるのは、ウクライナ国内では双方が熱くなっている、その結果事態の今後の進展は予測不可能だ、ということだ。ロシアは折に触れて「ウクライナからはロシア系住民の助けを求める声が届いてくる」と述べている。アメリカとヨーロッパは「ロシアがウクライナ東部・南部の親露派を操っている」と非難している。

 混迷の事態は続きそうだ。


2014年05月05日(月曜日)

 (16:43)このニュースを見て、「あらら、やっぱし」と思いました。「沖縄が梅雨入り 平年より4日早く」と。

 ここ数日石垣島とか西表島などを中心に沖縄に居たのですが、ほとんど晴れない。タクシーの運転手さんが、「朝なんか寒くて普通じゃないんですよね。去年は5月8日が梅雨入りだったので、このまま梅雨入りでは.....」と昨日話していたところなんですよ。

 東京新聞のニュースは、「沖縄気象台は5日、沖縄地方が梅雨入りしたとみられると発表した。今年の梅雨入りは全国初で、平年より4日早い。気象台によると、5日は朝から、沖縄本島や先島諸島で梅雨前線の影響により大気の状態が不安定となり、激しく雨が降った。今後1週間は雨や曇りの日が多くなる見込み。」と。

 西表島は5日は朝から荒れ模様。まるで台風みたいだった。一部の島からの高速船には欠航も出て、とにかく月曜日中に大阪に入れればいいや....とのんびり構えているのですが、さてどうなりますか。

 それにしても、凄い海外からの観光客ですよ。石垣など観光客の半分は中国語圏という感じ。むろん日本のゴールデンウィークですから、日本の方の観光も多いのですが。しかし特に台湾は近い。

 かつ石垣島は結構アジアでは人気の観光地になっているという統計もある。加えて欧米の人達も西表島で一杯見ました。イベントもあった。鳩間島 音楽祭。このサイトには人口50人と書いてあるが、正確には今は53人だそうです。宿もレストランも一杯。

 沖縄には何回も来ていますが、これほど一杯海外からの観光客にぶち当たるのは、私の経験ではない。もっとも今は日本中そうだ。去年の夏の北海道も凄かった。今の大阪、東京の観光客も凄い。奈良も凄い。

 とにかくどこに行っても海外からの観光客だらけです。いままででもそうでしたが、日本にとっての一大産業になりそうな気がするな、観光は。結構なことです。


2014年05月03日(土曜日)

 (05:43)多分、まだ見ていない今朝の日本の新聞には、「米経済、力強い拡大へ」とか「米経済、雇用の伸びは順調」とか出るのでしょう。その通りですが、実は中味はとっても複雑なんですよ。驚くような弱い面もあり、それがマーケットの反応を複雑にした。

 だから、ドルは対円でも対ユーロでも一旦は大きく上昇したものの、その後はがくんと下げ、米長期金利はむしろ低下し、そしてニューヨークの株は迷ったあげくに3指標そろって下げた。懸念が残った統計だからだ。

 米4月の統計の「かおっつら」は凄く良い。注目される非農業部門の就業者数は、「もしかしたら22万人ほどにも」といった強気の予想さえも大幅に上回る28万8000人に達した。今後改定されるにしても、この単月の伸びは2012年の1月以来の大幅なもの。

 かつ過去2ヶ月の同就業者数も合計で3万6000人も上方修正されて増えた。その結果、3月の雇用の伸びは 20万3,000人に、2月のそれは22万2,000人となった。冬の間も雇用者数の伸びは結構大きかったことが分かった。

 かつ驚くことに家計調査に基づく失業率統計は4月はなんと6.3%になった。3月が6.7%だったから、「驚きの低下」ということになる。このレベルは2008年の9月以来の低水準。雇用者数の増加は、実に広範な業種に及んでいる。例えば専門的職種・ビジネスサービス部門で7万5000人とか。レストラン関係でも大幅な伸び。政府の雇用も増加。ナイス。

 しかし、この統計を受けたマーケットの動きとして何よりも驚かされるのは、米長期金利が大幅な低下、繰り返すが「低下」になったことだ。引け段階の指標10年債の利回りを見ると2.588%と前日よりも大台を変えて大きく下がっている。これは債券市場が、「債券を買っていて大丈夫の中味」と理解したことを意味する。

 これじゃドルは強くなり得ないと思うとその通りで、雇用統計の数字に驚いて一時103円台に乗ったドル・円もその後急落して引け段階は102円の20銭近辺。ニューヨークの株価は一日中迷ったあげくに有力3指標ともに下げて、ダウ工業株30週平均は16512.89ドルの引け(速報値)。これは前日引値比45ドル98セントの下げ。これで史上最高値を更新した水曜日から「二日連続の下げ」となった。またレンジ ?

 その理由の一端は、統計の別の面にある。つまり言ってみれば中味だ。例えば、これだけ雇用が伸びているのに、賃金が全くと言って良いほど伸びていない。FOMCは先の声明で、「今後は消費が米経済を支える」といった見通しを出していたが、賃金が伸びないのに消費が伸びると言うことは、貯蓄があることが普通ではないアメリカの家計、消費者が「借金して買う」ことを意味する。それは長続きしない。

 加えて、失業率がかつての「フォワード・ガイダンス」の6.5%を大きく下回って6.3%になった大きな背景は、そもそもアメリカの労働力のプールの水位が低くなってきていることが鮮明になった。労働力人口は実数で80万人以上減少した。米社会の老齢化があると見られる。労働市場参加率も62.8%と女性があまり働かなかった30年前の水準に戻ってしまった。

 日本のマーケットは来週は月火と休み。その間にニューヨークを始め海外市場は動く。現時点ではウクライナ情勢もきな臭い。暫定政府の軍隊が同国東部で「掃討作戦」を相当厳しく始めた。死傷者がけっこう出ているらしい。ロシアは強く非難。しかしロシアは正規軍にはロシア領内で演習させて、「国連安全保障理事会の緊急会合」を要請。

 韓国でも、アフガニスタンでもいろいろなことが起きている。メルケルはアメリカを訪問してオバマと会談。対ロシアで内実は立場の違う二つの国は何を話したか。むろん、表面的には割れないでしょうが。


2014年05月02日(金曜日)

 (08:43)はっきり言って、既にデパートは小売りの王様でも何でもないと強く思います。他に消費者が商品・サービスにアクセスできるルートは一杯ある。しかしそうは言っても重要なハイエンドルートの一つなので、消費税引き上げ後の各店の売り上げを注目していたのですが、結構店と店で差が出ていて面白かった。

 それによると、「やっぱし健闘していたんだ」と思わせられるのが伊勢丹三越。売上高(速報、外商を除いた既存店ベース)が前年同月比で減少したものの、わずか7.9%減にとどまった。消費増税前の駆け込み需要(3月まで)が凄かったので、この程度は「想定より良い」と言えるでしょう。

 主力の婦人服で増税後の対策として商品を入れ替えたことが良かった、というのが同社の判断。確かに他のデパートは多くが二桁の減少ですから、それに比べれば4月の一桁減は良い成績です。

 先日も書きましたが、新宿の伊勢丹の2〜3階に行けば、「買いたくなる女性が多いだろうな」と思う。特に「綿や麻など夏物商品が好調だった」そうだが、行って楽しい店を実現していると思う。

 面白かったのは銀座店の成績。実際に行くと分かるのですが、銀座は訪日客が凄い。その客を飲み込んで、「三越銀座店は4月もプラスを維持した」という。銀座の中央通りに三つあったデパートは今は二つ。

 同一会社の中でも、店ごとの差が出ている。伊勢丹新宿本店の7.9%減に対して、三越日本橋本店が14.7%減だった。銀座店がプラスで、日本橋が大幅減。その大きな理由は「観光客の多寡」でしょう。この辺はなかなか面白い。

 対して高島屋は、子会社を含む18店合計で前年同月比13.6%減だったそうだ。銀座に店がないのが響いたのか? 消費増税前の駆け込み需要で3月の伸び率は32.1%増と、速報値をさかのぼることができる2001年1月以降で最大となったあとだけに、ある程度予想されたが、私に言わせればやはり店作り、商品の揃えがやや冴えなかった。3月に「顧客にカードをなるべく作らせる」といったキャンペーンをやっていたが、「どうかな」と思っていた。結果はあまり良くなかったようだ。

 また大丸などが入っているJ・フロントリテイリングの売上高(速報、既存店ベース)は前年同月比15.3%減と、高島屋並みの落ち込み。両社とも「3月までがとっても良かったので......」と説明。各社の傾向を見ていると二つの事が言えると思う。それは、

  1. やはり店作り、商品揃えで独自性、客が注目するものを揃えたところが勝っている。それは同じ伊勢丹三越でも、新宿が勝ち、日本橋がダメだったことで明らかである
  2. 私が知っている範囲では、伊勢丹の新宿店は今の日本で一番斬新な店作り、商品揃えをしている
  3. やはり大量に訪日している外国人をどれだけ呼び込めるかが、一つの大きなポイントになってきている
 ということだろう。最後の点で言うと、この数日感じるのは、「日本人が連休で休んでいるんだから、あなた方そんなに来なくて良いですよ」と心の中で思うほど、外国人が街角でも、新幹線でも外国人が多いということ。

 先日など、大阪のディープもディープな法善寺横町に、欧米系の連中(中年の)がわんさと押しかけていた。彼等の巨体でお不動産の横など通りづらいったらありゃしない。明らかに彼等の日本での行動は、過去の「富士山、ゲイシャ」から離れている。四天王寺にも多かった。

 そんな外国人の消費をどう取り込むか。デパートだけではなく、各店の知恵が試されるように思う。


2014年05月01日(木曜日)

 (05:43)「何が違うんだろうな.....この差は」と思わせられる2014年5月1日の朝です。今年第一・四半期の成長率が実質ゼロになっても量的金融緩和(QE3)の規模縮小を続ける米金融当局。一貫し、自信に溢れる行動に見える。

 それもあってか、景気の一時的な落ち込みにもかかわらず、全体環境を好感してむしろ上げたニューヨークの株。ついに4月の末、つまり昨日の同市場の株価はダウ指数で昨年末の史上最高値を更新。「Sell in May」と言われる直前での史上最高値更新。。

 対して日本の株は連休中だとは言え、出来高も少ないなかで、朝高後はダレる傾向が続き、昨年末の直近の高値からは2000円近く離れている。ましてや史上最高値(ザラ場 38957.44円、終値38915.87円 1989年12月29日)ははるか過去。日本経済の実力 ? それとも金融当局の決意の差 ?

 ニューヨーク市場の4月30日の引値は16580.84ドル。前日比+45.47ドル。昨年12月31日に記録したこれまでのこれまでの史上最高値は 16576.66ドルだったから、つまり「ニューヨーク株式市場はダウ平均で見て史上最高値更新」。 ナイス。

 しかし繰り返すが客観的環境はそれほど良くなかった。FOMCのQE3の100億ドル減額は予想通りだったが、その前に発表された今年最初の四半期の米実質成長率はプラスながら0.1%と、間違えばマイナスになっていた数字。にも関わらずの株価の続伸。

 FOMCの声明には冒頭に「growth in economic activity has picked up recently, after having slowed sharply during the winter in part because of adverse weather conditions」とあるから、株価はそれを好感した、安心した可能性が高い。

 しかしだとしたら、指標10年債の利回りが引けで2.649%と、FOMCの声明発表後に大幅に低下し、前日比でも約0.05%ポイントの低下で終わったことをどう考えるべきか。この10年債利回り水準ではドルが上がりようがない。だから、ニューヨークのドル・円の引けは102円台の20銭台。アメリカの株は上がっても、ドルは上がらない。

 ニューヨーク株の高値更新は、前回はFOMCの声明の第五パラに反対だったコチャラコタが反対を引っ込め、9人(定員は12、3人が欠員)の議決権を持つ委員全員がイエレン議長の方針に従ったことを好感したのか ? なぜなら、イエレンの金融緩和長期化作戦が全体の合意を取り付けたと考えることが可能だから ?

 そういえば今回のFOMC後にはイエレン議長の記者会見は当初から予定されていない。だからFOMCが何を考えていたのかは分からない。委員が反対意見を述べるときにはその理由が声明に出るが、反対を引っ込めたときには理由は書かれない。だから2週後(でしたっけ)に出てくる議事録要旨を待つしかない。

 そういえば黒田さんは昨日、日銀政策決定会合後の記者会見をしていて、テレビ東京が中継し、それを日経のネットサイトが中継していました。たまたま日経のサイトで見ていたら、最後のテレビ東京の前田記者の質問が良かった。黒田さんが「微妙な質問なので.....」と前置きして答えていた。被質問者に「微妙」と言わせるのは良い質問です。確か次の2%の消費税引き上げ後の日本の景気と金融政策との関連だった。あの部分は面白かった。

 前回の記者会見が「マーケットにフレンドリーではなかった」と批判されたからでしょうね。黒田さんは言葉使いを慎重にしていた。しかしその”慎重さ”が、「これから日銀は何をしたいのか、何をするのか」「そしていつ」という問題の判断をしにくいものにしていた。とにかく日本の株は冴えない。見ていて面白くない。経済番組を消したくなる。

 ダウ以外のニューヨークの株価指標の現況は、「The S&P 500 index gained 5.62 points, or 0.3%, to 1883.95 and the Nasdaq Composite Index tacked on 11.01 points, or 0.3%, to 4114.56.」となっていて、ウォール・ストリート・ジャーナルによればNasdaqは違うが、「For April, the Dow gained 0.75% and the S&P 500 rose 0.6%, with both benchmarks rising for a third consecutive month.」とのこと。これからの興味は二つです。

  1. 史上最高値近辺に行っては下落するということを繰り返してきたここ一ヶ月ほどのトレンドをニューヨークの株価は脱したのか。つまり上値を追えるようになるのか。それとも昨日は高値更新だが、決して「decicively」ではない。だから、再びそのレンジに戻る可能性もある
  2. そこで、日本の株はどうするのか。今朝の寄り付きは高いとして、その後はダレるのか、連休中でもより高く終えられるのか.....
 そういえば、金曜日には米雇用統計の4月分の発表がある。さっき見た日経には『米雇用関連サービス会社オートマチック・データ・プロセッシング(ADP)が30日発表した4月の全米雇用リポートで、非農業部門の雇用者数(政府部門を除く)は前月に比べ22万人増加していた。増加数は市場予想(21万5000人程度)を上回った。』という記事が。

 米労働省の発表数字に対する予想も強い。20万人を越えて「21万人」という予想もある。しかし振れやすい数字だ。アメリカと日本のマーケットがその発表を控えてどう考えるのか。それにしても思う。今のアメリカ市場にとっては景気はゴールディ・ロックス(Goldilocks Economy)なのか、それとも過信なのか。今の日本経済はどう表現すれば良いのか? と。ひょっとして「待ちの経済」



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