2015年12月31日(木曜日)

 (14:40)シドニーやエアロックスなどオーストラリアの空港のセキュリティは厳しい。オーストラリアの人々ですから、皆愛想が良いのですが、チェックの中身は非常に厳重です。「スレット(脅し)でもあったのか」と聞いたら、そうではないが....とセキュリティの一人。

 世界的にもテロの恐怖は高まっているのですが、オーストラリアでは年末に2度、3度具体的な計画が発覚して逮捕者が出ている。そんなこともあるのでしょう。私もそれに引っかかりました。

 先が丸くなっている極めて小さいハサミを洗面用の小さいバッグに入れていたのですが、シドニーとエアリックの空港で2度も「バッグ開け、取り出し、確認」の作業を同じようにされた。

 今までそれをチェックされたことはなかった。バッグを開けさせる前に、例のスクリーンを2度3度と実によく見ている。機能を代えて。他の人達もあれやこれやと細かく調べられていた。だから人の流れが空港で遅いこと。気を付けないと。

 オーストラリアの空港の人々が「愛想が良かった」のは、「きっちり調べなきゃいけないが、だからといってオーストラリアを嫌いになって欲しくない」という気持ちがあるのだと感じました。個性、国民性もあるのかもしれなが、とにかく良く話しかけてくる。愛想良く。

 だから、あの手の超小型ハサミにしても「もう持ち運ばない」というのが当たっていると思う。オーストラリアだけでなく、世界中でセキュリティが厳しくなっていることは容易に想像がつく。シナイ半島のロシア機の例もあるし。

 その一方で「これは大丈夫かな」と思ったのはアップル時計。「電子機器」には間違いないと思うが、離着陸で「スイッチ・オフ」とは言われなかったし、「機内モード」も要求されなかった。「危険じゃない」というのが一般的な考え方かもしれない。

 アップル時計は別にし、「空港で引っかかるもの」は明らかに増えている。「ちょっと考え直そう」というのが今回の旅の結論でした。それでは皆さんには良い年末・年始をお過ごし下さい。


2015年12月31日(木曜日)

 (12:40)富士山もそうだが、遠くで見るのと近くで見るのとは全く違う。「ウルルは饅頭を丁寧に置いたみたいだ」と遠目には思うが、どっこい接近してその回りを散策すると様相は全く違う。それが面白い。

朝陽を浴びるウルル、2015年最後12月31日のウルル朝陽  何があるのか。突起あり、ハートマークのケーブ(洞窟)あり、滝の跡があり、男の聖地や女の聖地があり、さらに部族を統括する老人詰め所があったりする。動物や人間が水分を補給する池も涸れそうになっていたがある。実に変化に富んでいる。

ウルルの女性達はここで調理をしたそうな  ウルルを一周すると10.60キロだそうです。皇居2周分プラスの距離。「走れるな....」と思ったが、湿度9%の世界でどうなるか分からないので止め。グループに帯同してウルルの回り二カ所を散策しました。合計5キロほど。決して日本にはない景色、空気、樹木なので堪能した。その時はいろいろ木の名前や部族の昔話に関して覚えたが、多分直ぐに忘れるだろうな。

 でも重要な事はウルルがユネスコの世界遺産であることは当然ですが、「複合遺産」であること。自然遺産であることは当然として、加えて「文化遺産」でもある。私も来て初めて認識しました。

 何故か。それはアボリジニの人々が何万年も前にここに到達して、この岩回りで長く生活を営み、そして文化を育てた過去があるし、今でも彼等にとって「ホーム」であること。壁画がその古い文化を物語るし、今でもウルルの周囲には彼等が「聖地」と指定する場所が多くあり、故にオーストラリア政府や観光局もそこを「撮影禁止」としている。我々もそれに従った。

何億年もの浸蝕で実に綺麗に仕上がった岩肌  ここで一つ覚えたのは「ジュクルパ」です。それは「道徳観、経済的価値観、行動の規範、生活の知恵、環境保護、親族組織から、人間、動物、植物、地形など地上に存在するありとあらゆる自然の起源まで、市民社会がこの世に存在するに必要なことのすべてを定義するもの」とされる。それだけの幅の広さはヒンズー教を想起させる。

 さらにモノの本によれば「ジュクルパは、大宇宙と人間の摂理を説明する科学であり、大自然の中に生きる人間社会が平和に存続していくための知恵の集約である」(「精霊の民アボリジニー」 白石 理恵著)とも。

ウルルの回りには数カ所に渡って壁画がある  つまり彼等の文化はリアルなものであって、過去に存在したものではない。カレントなのです。だからウルルの回りを散策すると、「私たちはウルルに登ることを望まない」などいろいろと主張が書いてある。敢えて登った40人が今までに命を落とし、その中には日本人3人が含まれるという。(もっとも今はルートガイドの鎖が切れて、そもそも登坂禁止となっている)

 分かりにくいのは彼等が「ジュクルパ」を他の人々に説明しないこと、とされる。立ち入って欲しくないかも知れないし、知らせないのが文化と考えている可能性がある。しかしそれが彼等の「文化」であるからして、大切にしなければいけないとオーストラリアの人々は考えた。

 その辺はアメリカ人とちょっと違うかな。罪の意識が強い。75万人ほど最初いたアボリジニの人々の数はその一割に減り、今も増えてはいないらしい。むろんここに移ってきた人にも罪を着せるのが難しい面がある。疫病などは抵抗力のない人々に一気に広がる。不可抗力的に。

 そういうことをある程度知ってウルルを見るのと、ただ綺麗だと見るのとはやはり違うんでしょうね。私もとっても勉強になった。日本で写真を見て「綺麗だ」とただ思っていたのだから一歩前進できた気がする。

たまに降る雨で聖なる池もある  気になったのはアボリジニの人々の結婚観ですが、ガイドさんは知らなくてネットで調べたらこのようなサイトがあった。どうやら教育には爺、婆、つまり村の長老が行っていたようで、彼等は黒板代わりに岩肌を使い、それが壁画になったものもあるらしい。


2015年12月31日(木曜日)

 (08:40)太陽が西に沈む中で、その光を遮る雲はなく、ずっとウルル(エアズロック)を照らし続けてくれました。それを赤く染めながら。日の入りはアップルウォッチによれば午後7時37分。「その10分前から刻々と色合いが変化します」とガイドさん。その通りだった。

U字型谷間  そもそもに赤い砂(土)の赤と、そして夕暮れの赤が一緒になって、それはそれは綺麗でした。その綺麗さは今までも写真で見てきましたが、実際にウルクの全景が見える時点から見ると、その壮大さはまた格別です。

 凄く風が強かった。帽子を飛ばされそうになるくらい。しかしそれがウルルを美しく見せているのかもしれない。自然の造形にしてはよくできすぎている。明日はそれに登りますが、もともとは4臆年の前は8000メートル級の山。そこから流出した細かい同質の砂が厚い層となって堆積し、それが一旦海深くに沈んで圧力(水圧)で岩石となり、それが今度は隆起したらしい。

そしてV字型  実は行く前に調べてたのですが、ウルルにはカタジュタという相方がいる。それは大きな一枚岩の反対側の隆起岩で、こちらは細かい砂から出来ているのではなく、岩を含む様々な砂、土、岩石の堆積物が押し固まって岩となったもの。

 行ったのはまずそのカタジュタ(現地の言葉で「多くの頭」という意味らしい 確かに)ですが、こちらは名前の付いた山のような大きな隆起岩石(山)が数多くあって、それらには名前が付いている。山と山の間が浸食もあって深い谷となり、それが写真で掲載したようにV字ラインやU字ラインを作り出している。

この光がエアズロックを照らす  夏は45度、冬はマイナスという苛烈な温度変化の中で、カタジュタでは巨大な岩肌から大きな岩が落ちている跡がいくつも見られる。その間の「ウォルパ」と名付けられた渓谷を散策するとアルファベットが出現するというわけです。U字カット、V字カット。とにかく乾燥しているので、「こまめに水を飲んで下さい」とガイドさん。必要です。

 そこを見た後行ったのがウルル。カタジュタとは車で30分程走って着く距離。それが地下で繋がっているというのだから凄い。ウルルはご存じの通り胴体だけの大きな岩の塊。カタジュタも味があるが、ウルルの方は「よくこのまま残ったものだ」と思うくらい饅頭を置いたような綺麗な形をしている。

 アボリジニの人々が絵画など芸術品を売っている。夕陽を見るのに忙しく、時間も無かったので話も出来なかったが、今度もう1度行ったときにはいろいろ買っても良いと思いました。とにかく夕暮れは釣瓶落としで、本当に直ぐに真っ暗になる。

 改めて「絶景」だと思う。泣きたくなるように綺麗です。地平線のある景色、回りは灌木と草があるだけの乾燥した砂漠。そこに吹く強い風と、夕日に染まる大きな、そして綺麗な形をした饅頭岩石。富士山がそうであるように、「これだけを写し続けている人は一杯いるだろうな」と思いました。だって刻々と表情が変わる。富士山がそうであるように。高さは東京タワーよりちょっと高い354メートルだそうな。カタジュタの一番高い山は600メートル近い。

 でも一番面白いガイドさんの話は「駱駝」のそれかな。ともとも駱駝はオーストラリアにはいなかった。使役のために連れてこられた。車がオーストラリアに普及する前に1万頭になっていたそうな。とっても重い荷物を運べますから。便利です。

 車が普及したとき、オーストラリアの人達は「どうせ死ぬだろう」と砂漠に放った。そしたら大繁殖。今は100万頭もいて、一部では駆除の対象になっているとか。知らなかっただけ面白かった。「今やオーストラリアは世界一の駱駝産出国」(大部分は一こぶ)だと。ははは。その肉は美味しいらしい(ちょっと食べる気はしないが)。


2015年12月30日(水曜日)

 (14:40)あらら、考えたら今年は夏に2度もの砂漠(地帯)訪問。夏はモンゴルとゴビ砂漠、そして今回はオーストラリア大陸のど真ん中の砂漠地帯。たまたまそうなっただけですが、ちょっと珍しいかも。

 それにしても最初ホテル名を見たときには「冗談かよ....」と思いました。砂漠の真ん中にあるのにホテル名がSAILS IN THE DESERT HOTELというんですよ。訳せば「砂漠の帆ホテル」。その形状からかな。来て分かった。ま、よく考えたとは言える。

土が赤いエアズロック近くの砂漠  空から見ると聞いてはいたが、土が、というか砂が赤い。こんな赤い土壌を見たことはないな。ゴビ砂漠の砂漠とも大きく違っていて、「砂漠にもこんなに差があるんだ」と。ゴビ砂漠には高い木はなくて、ちょぼちょぼ草が生えていただけだが、ここのそれには1メートルちょっとの灌木がそこかしこにあって、草もまとまって生えている。世界中の砂漠の植生は違っているんでしょうね。同じ砂漠の地域内でも地域によって全く違うはずです。

 「エアーズロック」という日本語名から、ずっと「空気」に関係あるのかと思っていたのですが、今回調べて全然関係ないのを発見。大体綴りが「Ayers Rock」ですから。総督だか知事だかの名前だそうです。

 そう言えば昨日オペラハウスの写真を撮った「Mrs Macquarie's Chair」という地名は「なんで椅子なのかな」と思ったら、Macquarieという名前のガバナーの奥さんがそこが好きで椅子を置いてゆったりした場所だからと。タクシーの運転手から聞いた。確かに海に突き出た良い場所です。今のその周りはボタニカル・ガーデンになっている。

とっても小ぶりなエアロックの空港  ゴビ砂漠もそうでしたが、ここでも完璧な地平線があちこちで見える。暑いが乾燥していて気持ちが良い。シーズンとしてはローらしいが、それはそれで晴れてもいるしナイスです。時差はシドニーから1時間半という中途半端な時間帯。ということは日本とは30分しか違わないということ。「エアズロック」はほぼ日本の真南に存在することになる。

 これからエアズロックには2度行く。夕方にかけてと、もう一度は4時起きして明日の夜明けの赤い岩を見に。良い天気になって空気が澄み、良い写真が撮れますように。


2015年12月29日(火曜日)

 (23:40)いろいろ驚くことがありました。まず朝。オペラハウスを対岸から見ようとロックスのホテルを出てハーバー・ブリッジを走って渡っていたら、背中に securityと大書した警備員が一定距離を置いて5〜6人もいる。何だろうと思って一旦通り過ぎたのです。

対岸から見たオペラハウス 右の客船は夕刻に出航しました  しかしキリビリ・アベニューの突先まで行って対岸から写真を何枚か撮って帰ってきてもまだいる。しょうが無いので、「何しているの ?」と聞いたら、「自殺を防ぐためさ。今はそれほどでもないが、昔は沢山飛び込んだ奴がいて....」と。「橋の上の交通事故が起きた際の対策の役割もあるが」とも。

自殺防止の為の警備員達  でもびっくりしますよね。だって例えば私は先日レインボーブリッジを渡ったが、警備員なんていやしない。うーん、日本ではあまり橋の上から試みる人はいないんでしょうね。欧米では多い。カリフォルニアの例の橋とか。国民性の違い ?

 次に昼間ピット・ストリートを歩いていたら、なにやらアップルストアの風情でMicrosoftと大書してある店がある。何だろうと思ったら、赤い制服を着たアップルストアと同じようなにこやかな女性、男性達が。えらく愛想が良い。

 彼女ら、彼等はそろってとっても自慢そうなんです。何故か。「アメリカ以外では初めて出来たマイクロソフト・ストアです」と。揃ってそこを強調する。そう言えば日本で見たことはないな。オーストラリアではマイクロソフトが強いのか。

今のシドニーは花が豊富です。  しかし見るスマホはやはりアップルのiPhoneが圧倒的に多い。なぜシドニーに最初に作ったのかは知りません。そこで初めてマイクロソフトがウォッチ対抗の意味もあって作ったbandを初めて手に取りました。ナイキが作って直ぐやめた例のバンドよりちょっと高級な感じ。店員が「安い、安い」と強調。確かにアップルの一番安い機種より安い。

 ウォッチをその時していたので、ちょっと比べたら、うーん新聞は読めないし、ちょっと私には不向き。しかし運動系の機能は結構充実している感じ。あの手の時計の特徴は、「一つしたらあとはいらない。データの継続性もあるし」ということで、暫く説明を聞いて「分かりました」と出てきました。

暮れなずむオペラハウスとハーバーブリッジはとっても綺麗です  しかし店の作りはとってもアップルストアに似ている。一階で製品を並べて展示し、2階で....と続く。アメリカでは結構あるらしいが、日本でも作るつもりなのか。しかし混み様は銀座のアップルストアの方が込んでいる。

 いずれにせよ、シドニーは綺麗な街です。坂が多いという点ではサンフランシスコに似ているし、街の中にまで海が入り込んでいて船の往来が多いという意味ではイスタンブールにも似ている。今の季節はシドニーは花が綺麗です。

 日没(夜8時過ぎ)からのオペラハウスをまた別の角度(ミセスなんとか)から見ていたのですが、それはそれは綺麗でした。大業なライトアップはなかったが、それはそれで落ち着いていて良かったし、例のビビッドなんとかの時にはいったいどうなるのだろう、と思いました。その時期に来るのも良い。


2015年12月29日(火曜日)

 (00:40)先進国に行くときには、「さてテーマは何にしよう」といつも思うのです。大部分の国について歴史はある程度頭に入っているし、失業率も知っているし、街にある店も想像が付く。対して途上国や、あまり日本に情報が入ってこない国に行くときはワクワクする。

パディントンにある集会所 昔から使われたんだろうな  今思い出しても、ブータンとかミャンマーにはワクワクしたし、「シベリア鉄道乗車」は行く前にもう興奮した。片付けで有名になった近藤麻理恵さん(konmariと自称 片づけコンサルタント)の鉄則は「手にとってワクワクしないモノは捨てる」らしいので、本当はあまりワクワクしないところには行かない方が良い。

 しかしそんなことをしていたら行ける国が少なくなってしまうので、何か興味深いものを探す必要がある。シドニーに関しては「まず歴史から入ろう」と思ったのです。空港からホテルへの途中でオックスフォード・ホテルというのがあって、その一角が古そうだったのでタクシーの運転手さんに聞いたら、「ここは古い街です。シドニーでは」と。

 なのでチェックインして直ぐに戻って、そこからパディントンに。出る前に調べたら英国人が最初にセトルしたのがその辺で、オックスフォード通りはもともとはアボリジニが作った道とか書いてあったし、「おしゃれなブティックが出来ている」とも書いてあったので。

ニューヨークではattachedと読んだ低層集合住宅が並ぶパディントン  オックスフォード通りから少し入って、古そうな、そして考えようによっては京都の町家のような集合住宅を眺めながら。同じような attached と言われるくっつき(隣家と)住宅はニューヨークのクイーンズにもあったし、当時の住宅としては代表的なモノだったんだろうなと思いました。割合と横幅は狭い2階建て。

 ショップに立ち寄ったり、パブに入ってコーヒーを頼みながらwikiでああでもないこうでもないと調べたり。アボリジニがシドニーの歴史から登場するのはちょっと意外で、そこはワクワクしました。住宅の並びも面白かったな。場所的にはパディントンは高台で、右見ても左見ても湾が見える。

 「湾の監視も出来るし、なかなか良い場所だな」と思いながら、与那国の住民が「収税船が来ないかずっと高台に住んで見張っていた」という与那国ツアーのガイドの話を思い出していました。多分初期のオーストラリア人はイギリスに税金を払っていたから、らしい船が来たら対策を練ったに違いない。

 オックスフォード通り沿いの店は洒落ていましたね.....と書きたいが、本当の意味での「おしゃれ」ではない。シドニーらしい、というか。女性ものは分かりませんが、男性モノについて言うと結構「Tシャツ」などの類が充実していた。ま、夏ですから。気温は20度から23度。適度に乾燥していて、シンガポールより遙かに過ごしやすい。

シドニーの中華街の入り口  パディントンでいろいろ歴史的建造物を見た後は徒歩でそこから西にある中華街に。門を入って最初に眼に入った行列の先の店の名前は「帝皇餅」。しょうがないのでちょっと並んで買ったら、写真のような「半熟カステラ」。今も東京駅内のサウスコート(っていったっけな)にある半熟カステラ屋さんが作品を小さく作ったらこうなるという印象。

シドニーのチャイナタウンで人が一番並んでいる帝皇餅 大行列なのでどのくらいうまいのかと思ったのですが、「熱々だから食べられる」類いのものかな。うーん、あの大行列はやりすぎ。中華街なのにレストランで人々の並びが一番大きいのは「mamak」というマレーシア料理の店。凄い人気。シドニーにいる間に一度はと思いました。

 でも笑えるんですよ。全く違和感なし。道路の名前はイギリスのどこかから必ず取ってきている。とっても馴染みがある。オックスフォードとかエリザベスとか。「もうちょっと違うのにしたら」と思うほど。車は日本と同じ左側を走っているし、治安が良く夜歩いても安全だ。英語が通じるし。そういう意味では緊張感は無いに等しい。までも歩くと、そうは行っても面白い。

 明日はまだシドニーですが、その後は豪州内をちょっといろいろ移動します。


2015年12月28日(月曜日)

 (22:40)韓国には慰安婦問題の解決を必ずしも望まない勢力がいるというのが私の見方だったので、まず政府間で合意が出来るかどうか、その後韓国国内の世論がどう動くかの2点がポイントだと見ていました。

 その点で今回の日韓合意、即ち「最終的かつ不可逆的な解決」が双方から発表され、かつ「韓国政府は、今般日本政府が表明した措置が着実に実施されるとの前提で、日本政府と共に、今後、国連等国際社会において、本問題について互いに批判することは控える」(韓国外相)との合意もあったことは評価できると思う。

 しかし「韓国政府は、日本政府が在韓国日本大使館前の少女像に対し、公館の安寧・威厳の維持の観点から懸念していることを認知し、韓国政府としても、可能な対応方向について関連団体と話し合いを行い、適切なかたちで解決するよう努力する」(同)という部分は、要するに今後の展開次第。疑念が残る。

 韓国挺身隊問題対策協議会など韓国の市民団体は、まだ公式な論評を避けているようだ。しかし多分「少女像の撤去、または移転」に関しては、組織内部からかなり異論が出ると思う。韓国政府がそれにどう対処できるのか。

 ここ20年ほどの韓国の国内政治状況を見ていると、明らかに「対日」「抗日」が韓国国内の大きな政治的モチベーションになっている。政府も社会も、そしてマスコミも。多分それを失うことの喪失感は大きい。ある意味「敵がいなくなる」状態。

 だから、政府はこれだけ声明を出したのだからひっくり返しは出来ないにしても(日本がやることをやれば)、市民団体にしろメディアは「次は何を」「何か寂しい」と思うに違いない。ということは、何かの切っ掛けがあればまたまた「日本はけしからん」論が出てくるのだと思う。安倍首相の物言い一つを敢えて取り上げても、彼等はそうしたいに違いない。。

 政府間合意が出来上がったのは、当然双方にメリットがあるからだ。特に朴大統領にとってのメリットは大きくもあり、しかしリスクもある。なぜなら任期5年の半分を過ぎたというのに、同大統領には「これ」といった成果がない。南北関係は行き詰まり、アメリカを袖にした外交は袋小路で、選んだ中国の経済はダウン。よって韓国経済もダウン。韓国の新聞を見ると悲観論が蔓延している。

 その中で長年、韓国の歴代政権が懸案としてきて、李明博政権の最後に「もう一歩で合意」というところまで行った「慰安婦問題が朴政権で合意」となれば、慰安婦の多くの方が「よし」とし、市民団体が静かになれば、明らかに朴大統領にとって成果だ。成果だが、そこにリスクが潜む。果たして国内世論(メディアを含めて)は収まるのか。

 安倍さんにとっては、「保守だからこそ出来た妥協」と言える。同じ事を進歩派がやったらちょっと騒がしくなる。しかし安倍さんがやったとなったら、あえて文句は言わない右寄りの人も出てくる。安倍さんにとっては朝鮮半島での自分の動きは、自分の評価になるとの思いもある。

 多分最低1週間はかかる。韓国の世論の先行きを見るためには。その間に各勢力がどう動くのか。しかし改めて思う。今回の日韓関係改善の為の措置がこのまま進むとして、今後日本は韓国に何を期待できるのか ?

 政治的にも経済的にも「かなり微妙」というのが私の判断だ。歴史的にも中国が怖い韓国の姿勢は政治、外交の世界でそれほど変わらない。では経済ではどうか。慰安婦問題で合意が出来たからといって日本企業の対韓投資が劇的に増えることはない。韓国はマーケットとしても小さい。

 とすると、歴史的精算に一歩近づいたにしても、もしかしたら「隣国同士でいつも喧嘩している」という日韓両方にとっての悪しき評判(世界の国々が持つ印象)が少し引っ込む程度かも知れない。


2015年12月27日(日曜日)

 (23:40)実に実に久しぶりにシンガポールに合計で6時間ほど滞在しました。1990年代まではよく来たのですが、21世紀に入ってからはまだ未開の途上国や地域、具体的にはブータン、モンゴル、チベット、新疆ウイグル自治区、ミャンマーなどに行くのに忙しくて、全く来ていなかった。

2015年12月27日のシンガポールの夕暮れ マリーナ・ベイ・サンズの最上階から  調べたら1999年にシンガポールに来て、チンホワ(京華小吃 Qun Zhong Eating House)という店に行って、「小籠包」と「餃子」を食べたと書いてある。文章には『「小籠包」と言えば台湾の「鼎泰豊」も有名ですが、この店のそれも決して負けていない。いやそれ以上かもしれない。しかも良いのは、安いのです。リークワンユーがよくきたことで徐々に有名になったと聞きました』と書いてある。

同じ場所から ちょっとカメラを右に向けて  思い出しました。その店は確かに美味しかった。今回この店にもう一度行きたかったが、何せ時間が無かった。ちょこっとでも「変わったシンガポール」を見たかったので。行ったのは奇妙な形で有名なMarina Bay Sandsですか。3棟の高層ビルの上に曲がった船が載っていて、そこがプール(57階)になっている。笑えました。よくこんな設計を思いついたものだと。地震のある国の人間には思いつかない。

 それにしても、シンガポールは人工都市ぶりが一段と進展している。人口も以前覚えた400万人からはるかに500万人を超える水準になっているようで、かつ林立するビル群は近代都市そのもの。しかし外を歩くと相変わらず蒸し暑く、その空気の臭いには「かつてからの」の印象がする。

 とにかくこのホテルが入っている一角は馬鹿でかいプロジェクトで出来上がっていて、確かに飽きない。しばらくは。しかし昔から私の考え方は「膿んだところがない都市には魅力が無い」というもので、その印象は拭えなかった。

 うーん、シンガポール滞在は「たった6時間だった」というのは正解かも知れない。


2015年12月25日(金曜日)

 (14:40)うーん、今年の年末は「やはりなんかおかしい」。一呼吸置けないというか。

 だってそうでしょう。金曜日のレギュラー番組がいくつかあるのですが、来週はもう元旦なのでむろん普段の中身の番組は休み。ということは今日、「今年もお世話になりました。また来年も.......」と番組終わりで挨拶しなければならない。

 だってつい昨日イブが終わったばかり、今日がクリスマスですから。クリスマスが終わるか終わらないうちに年末年始のご挨拶。その挨拶を繰り返しながら、「なんか変だな」と思いました。そのせいか、今日はとっても一年が早く終わった印象が改めてして唖然とする。

 そう言えばタクシーの運転手さんが、「本当に今年はおかしいんですよ。昨日出番だった人の日誌を見せてもらったんですが、昨夜は誰も彼も成績が悪い。イブだったんですけどね....」と。うーん、人が動かなかった.....?。

 昼間もあまり人は見なかったな。デパートの食品売り場、プレゼント売り場以外は。例年のサラリーマンの挨拶回りは来週になってからでしょうか。「やっぱり顔を出さないと」というのは分かるが、風物詩。いつも「あーあ」と思う。

 「変」と言えば、このニューヨーク・タイムズの記事を読んでも、ニューヨークのイブの温度が21度とか22度とか。摂氏。ありえない。ワシントンもそうらしい。そりゃ桜が咲いたり、春の花が咲いてしまう。これから寒くなったら彼等はどうなるのか。この記事かな。「ということは、どこの花畑も春は寂しい....」と。そりゃそうだ。

 と思うと、アメリカの南部は竜巻など大荒れで二桁の方がなくなったとか。日本も、何を着て外に出れば良いのか分からない天気が続く。今日からは寒くなると言っていますが、どのくらいのものなのか。

 「雪のない青森(八甲田山の山頂を除く)」も見ているので、「ちょっとちょっと異変来るのが早すぎるじゃない」と思ってしまいそう。そう言えば私が昼間に立ち寄ったドトールで頼んだコーヒー。つい「アイスコーヒー」と言ってしまいました。自然 ?


2015年12月24日(木曜日)

 (18:40)今日の午後ですが、MRJのオフィスから「三菱航空機と三菱重工業は、次世代リージョナルジェット機 MRJ(Mitsubishi Regional Jet)の量産初号機の納入時期を 2017 年第 2 四半期から 1 年程度先に変更致します」とのリリースが。やはり1年は先になる.....。

 リリースは以下に続きます。「現在までに、初飛行及びその後の試験飛行で機体の基本特性が良好であることを確認しておりますが、開発を加速する中いくつかの課題を認識し、これらの対策及び以下の観点を含め、全体スケジュールのレビューを行い、スケジュールを変更しました」

 「具体的には、これまでにエンジニアリング作業を米国知見者と共同で進めていく中で、 より完成度の高い機体にするため、試験項目の追加・見直しを行い、これらを納入までの スケジュールに反映致しました」と述べている。

 「開発を加速する中いくつかの課題」とは何か。このリリースでは分かりませんが、基本のところは「機体の基本特性は良好」と言っているので、2018年にはしっかり乗客を乗せて飛んでくれると思います。

 MRJについては何回も何回も「延期」が続いている。今回が最後であってほしい。実際に空を乗客を乗せて飛んでいるのをはよ見たいものです。


2015年12月23日(水曜日)

 (18:40)中国では人災が続いている。天津で起きた大規模な化学薬品倉庫爆発事故の原因も究明されていないのに、またしても。しかも「誰の目にも危ない土砂の積み上げ」を原因とする土砂崩れ。

 しかし常識的に考えて、ビルが倒壊するほどの土砂って積み上げられるものなのか。ちょっと考えにくい。崩れる前にいったいどうなっていたのか。化学薬品倉庫の事故の究明は難しいのかも知れないし、実体は隠されているのかも知れない。

 しかし今回の事故は隠しようもない、衆人監視の中での土砂の積み上げを原因とする事故。責任の所在は明らかでしょう。それなのに記者会見は開かれたが誰も謝らず、直ぐに質問を遮って中止された、と。でも今回は責任者が処罰されるような気がする。

 英語で読める記事などを参考にすると、「(事故が)起きなければ責任ある人は誰も動かない中国」という印象がする。市民は繰り返し危険を指摘していたようです。そりゃそうだ。見えますから。指摘があっても動かない。そんな状況なら同じような事故は何回も繰り返し起きそうで心配。

 中国関連では「中韓が黄海のEEZ境界交渉 7年ぶり再開、難航は必至」(朝日)という記事も興味深い。黄海は狭い海で中韓間では最も広い海域でも400カイリ以内。中韓の排他的経済水域は重なる。

 そこからが興味深い。韓国は「中間地点に線を引きたい」と言っているようで、それは自然だと思うが、中国側は「人口や海岸の長さ」なども考慮して任意に設定したいと。それじゃ中国が有利になるに決まっている。

 この交渉が興味深いのは、「中韓の蜜月」と言われる今の状態を中国が実際にはどう考えているのかが分かる、という点です。韓国に譲るような交渉になるのなら、中国は韓国を大事に考えている証拠とも言える。

 この交渉は7年ぶりだそうで、多分韓国にとっては一つの試練となりそう。南シナ海の問題でもそうですが、中国はちょっと勝手が過ぎる。それでは近隣の諸国の尊敬は得られない気がする。


2015年12月22日(火曜日)

 (09:40)所用もあって週末から青森に来ていますが、本当に雪がない。新青森でも雪がない。八甲田山もちょっと登らないと。スキー場もやっと一本が滑れるくらい。そういう意味では「青森らしくない今年の冬」です。so far これまでは。山頂はさすがに樹氷状態でしたが(下の写真)。

ねぶたらしい飾り  までも、他に楽しみなものは結構ある。例えば温泉。古牧温泉とかその近くの星野リゾート 青森屋の温泉質は、今回初めて立ち寄りましたが、「道後や鷹ノ子のそれに似ている」と思いました。程よくぬるぬるして、温泉らしい温泉。透明です

 道後温泉や鷹ノ子温泉に行ったときも必ずそうですが、風呂から上がったときに「タオルで体を拭くのはもったいない。乾くまで待とう」と思うもので、温泉はそれが正解らしいのですが、今回も根気強く体の乾燥を待ちました。だって、良質な成分たっぷりなのに、拭いてしまってはもったいない。

 星野リゾートの青森屋は他の星野とはちょっと違って「大型リゾート施設」の雰囲気もあるのですが、そこは星野らしい工夫が凝らされている。徹底して「みちのく」に拘っています。笑ったのはスコップ三味線かな。

笑えたスコップ三味線  出し物の為に大きなレストランが劇場型に作られていて、もちろん「ねぶた」を初めとするこの地方の祭りの数々で、それは本物を見たことがまだない私としては楽しめたし、従業員が一生懸命エンターテインしているのが良い。

 月曜日など平日なのに次々にお客さんが押し寄せているのが珍しかった。しかし雪が本来はある地方というのは、雪がないなりに大変だと。道路の除雪は二桁までの国道は国土交通省、三桁の国道は県が責任があるらしい。

 雪ははっきり言っていつ降るか分からない。なので、国も県も道路を区間割りして雪かき業者を入札で選ぶ。冬になる前に。選ばれたらいつ降るか分からない雪に備えて、機材と人員を揃えて待機するわけです。

さすがに八甲田山の山頂は年末ですから.....  ほぼ毎年「日本で一番降雪量が多い酸ヶ湯温泉」の近くの城ヶ倉のホテルには「青森県」と大書した大きな除雪機材が4台も置かれていて、そこの温泉のロッジには「除雪要員」が常駐していました。3桁国道だったので県の委託を受けた業者の従業員(アルバイト)でしょうが、逆に「こんなに降らないと大変だな」と思いました。

 東北地方の雪は、酷いときは一晩でメートルの単位で降る。常に警戒はしなくてはいけない。しかし最近降るのは時に雨という状況。2月にかけてもう一度東北地方を訪れますから、その時は降っていて欲しいのですが、どうなることやら。


2015年12月20日(日曜日)

 (09:40)今東北に向かって移動中ですが、本当に綺麗な晴れです。雲一つ無い。天気予報通りで珍しい。もっとも「からっかぜ風」で、かなり北に行っても雪はなさそう。残念。スキー場は困っているだろうに。

 ところで昨日の夜ですが、今年の4月7日に「前年末にクモ膜下出血で緊急入院し、1月に水頭症を発症し再手術を行った」ことを公表した米良美一(めら よしかず)さんの歌を5曲ほど聴きました。

小柄だが大きな歌を歌っておられた  退院されたのが3月末で、その後は実家でリハビリに取り組み、5月には歌のトレーニングを開始されたそうな。元に戻るにはそうとうパワーが必要だったのではないでしょうか。まだ40代のぞろ目近辺の方なのに「クモ膜下出血」は恐ろしい病気です。回復されて良かった。

 まず歌われたのが「もののけ姫」。「はりつめた弓の.....」で始まる例の素晴らしい歌ですが、歌詞が短い割りには訴えるものが大きい。「とぎすまされた刃のその美しいきっさき」のように鋭いのに、実にまろやかな歌声です。

 実に実に不思議です。何度聞いてもまた聞きたくなる。加えての米良さんの美しい歌声。良かったな。最近劇場チックなところでゆっくり歌を聴いたことがないので、久しぶりで嬉しかった。

 その他ではいくつかのクリスマス・ソングや「花は咲く」かなぁ。あの小柄な体のどこからあの綺麗な、そして力強い歌声が出てくるのかと不思議です。wikiであとで調べたら142センチと本当に小柄。

 でも何か持っている人は大きく見える。米良さんもステージの上では非常に大きく見えました。ナイス。


2015年12月19日(土曜日)

 (11:40)およよ。今日が初めてだな。最初の5キロの所要時間を下回って2週目の5キロを走れたのは。までも、10キロに1時間以上かかっている。とっても遅い。無理せず、楽に.....。

 ニュースがいろいろ。またまた世界の株が大幅下落。ガタガタしますよ。今は0.5%(レンジ上限)ですが、来年例えば0.25%を4回上げれば1.5%になる。金利は土日にまでかかってくる基本的な資金移動要因で、仮に長期金利がややフラット化するにしても、金利体系全体が上がる可能性がある。

 世界中の市場に染みこんでいたドル資金、ドルから当該国通貨に転換させられていた資金が例えばアメリカにお里帰りとなれば、そりゃいろいろなところで「軋み」が生ずる。「軋み」を予感して、世界のマーケットは「不安の声」を上げていると言える。石油も不当に安い。

 しかしお金は「金利の要因」だけで動くわけではない。各種の元本にもそれなりきの価値があり、それらが安くなりすぎればお金はそちらにも関心を持つ。要するに脆弱性の高いときは、「どのくらい安定した価値を持つか」という観点がポイント。その面では途上国は不安定ですが、それが先進国市場も不安定にしている。繋がっていますから。

 でも季節要因もあって、今は特に不安定です。黒田さんももうちょっと発表の仕方を工夫しないと。あれだと最初は誰でも、「新たな金融緩和」「それにしては空気銃(バズーカでないという意味で)」と思うじゃないですか。実際には「補完措置」。日経平均が800円もスイングする中味じゃないのに、結果だけが残った。

 シリア問題では国連安保理が米ロともの賛成15 反対ゼロで「ロードマップ」で合意。まだいろいろあると思いますよ。来月から話し合いを始めるらしいが、どのグループが参加を許されるのか、そして1年半後の選挙は誰が行うのか。欧州などにいる難民は投票権があるのか、など。

 までも、不思議なのは米ロ関係だ。あれだけ対立しても、話し合いの糸口は残しておいて、最後は何らかの枠組みに収める。成熟したというか、過去の米ソ関係にはなかった関係。とにかく当時はあまり口をききませんでしたから。

 しかし最近は、オバマとプーチンもそうだし、ケリーとラブロフもそうだが、お互いにイライラしながらだとおもうが電話で、そして実際に会っていろいろ話をしている。まるでEU内の首脳達の会談のよう。それに比べればアジアの首脳達は「会ったこと自体がニュース」。これはかなり違う。

 昨日はストップがかかってしまいましたこの番組の直前に越智さんの誘いもあってスター・ウォーズ/フォースの覚醒をしっかり見たので、その話をコーナーでしようと思ったらDが、「それだけはご勘弁」「中味を話さないで....もうすぐ見るのに....」というメールが必ず来るので.....と。

 まそりゃそうだ。一ヶ月くらいたってから「私も見ました。こう思う」というのはいいかもしれないが、例えばこの土日に見る人も居るだろうから、ああだこうだ言ってしまうのも。だから一杯言いたいことはあるが、自粛しました。

 ただし、ストーリーに触れない印象だけを書くと、

  1. テンション・ハイのままずっと見れるし、さらにその中にグッとくる場面はある
  2. 爽快感もあるし、ディズニーらしさを排除しているし、久しぶりにアメリカ映画らしいアメリカ映画を見た印象は残る
  3. ファン待望の一作だからの盛り上がりは理解できるが、今後次々に作品が出てくるようなので、ストーリーの組み立てと既視感排除は結構難しいかも知れない
 といった印象でしょうか。楽しめます。まだ見に行くまでに時間がある、という人、それにファンの人にはスター・ウォーズ学(新潮新書)を推薦します。ついに「学」になってしまいました。

 までも、実に懐かしい。スター・ウォーズは1977年のアメリカでの封切り。私がまだニューヨークにいた頃です。当時二つの宇宙モノがあった。日本語名で「未知との遭遇」という素晴らしい日本語名を与えられた「Close Encounters of the Third Kind 」とスター・ウォーズ。後者も「日本語の題名」を考えたらしい。例えば「惑星間大戦争」とか。

 しかしルーカスが「そのままで」と言ったとかこの本には書いてある。正解でしょう。中味はごしゃごしゃしていて、親と子が対立・決戦とかいろいろあるが、「悪と善」といった色分けも分かりやすいし、その間を行ったり来たりも面白い。ま、時間をおきながら見ると、「爽快感のあるファンタジー」です。


2015年12月18日(金曜日)

 (11:40)愛情を込めて書きます。「来た、来た、きゃつらが....」と。なにやらこの週末、首都圏は「喧噪」の予感。

 今朝11時過ぎに所用があって紀尾井町のホテルに行ったのです。そしたら首に赤白の応援グッヅ(タオル)を掛けた連中がちらほら。見た瞬間に火曜日の大阪・道頓堀を思い出しました。「そりゃそうだ、決勝はこちら(横浜国際)だから来るよな....」と。

 聞いたら、「リバープレートの連中を中心に既に数百人が入った」と。一つのホテルだけですから、横浜、東京のホテルには既に相当の南米のファンが来ていて、夕べ試合のあったバルセロナの応援団を合計すると恐らく3万人になる。

 多分今朝ホテルに居た連中は夕べの内にチェックインした組。今日は都内観光、横浜観光をするのでしょう。応援団ではなく選手達がどこに泊まるのかは知りません。多分横浜のホテルでは。

 大阪のおっちゃん達が「なんやねん、こいつら」と言ったとされる騒々しさは、私は現場(代表的には道頓堀)でこの目で見ている。彼等が静かにしているわけがはない。東京や横浜でもどこかを見付けて応援歌の大合唱をするのでしょう。道頓堀は本当にうるさかった。ま、活力有る.....といっても良いが、どこか。渋谷 ? 川が好きだそうだが.....。

 大部分は理性的だと思うが、大阪でも球場の近くのコンビニに来た複数人から乱暴狼藉があったそうな。首都圏も気を付けないと。一人一人は問題がそれほどでもなくても、集団になると何をするか分からない。人類の傾向でしょう。コンビニでの万引きなど平気になってしまう。

 それにしても、昨日のバルセロナは強かった。メッシ(M)と「ネイマール(N)がいなくてスワレス(S)だけの出場でしたが、その「S」がハットですから。「もしかしたらアジアの一つのチームが決勝に勝ち残るのでは」とか言われたが、広州恒大にはその可能性はなかった。まだあったのは広島サンフレッチェだった。

 しかしサンフレッチェも結局一点も奪えず。「よくやった」という見方もあるようだが、最後はスポーツは勝敗ですから、負けたらしょうがない。あれに勝っていれば「日本のクラブも力がついた」ということでしょうが、まだまだということです。

 しかし素人目で見ただけでは、「バルセロナ優位」というのが印象。むろん結果がどうなるかは分かりませんが。でも首都圏の方々、この週末には「喧噪」に気を付けましょう。楽しい喧噪になるように。ははは。(不幸なことに、私は首都圏を離れます...)


2015年12月17日(木曜日)

 (17:40)あらら、5時半にテレビを付けたら澤穂希選手の引退記者会見が始まった。ライブでNHKが。「心と体をトップレベルで一致させることが出来なくなって.....」などと。去年代表を外れたときに色々考えて......とも。やはりショックだったのかな。

 本当にお疲れさまです。37才。女性でいろいろやりたいこともあるでしょうし、「ご苦労様」の一言です。「あと3試合、皇后杯をしっかり戦い生き様を見せる」とも。同じ37才の浜口選手もリオを辞退と。彼女らを超える新しい選手に出てきて欲しい。

 アメリカが台湾に軍艦などの売却計画を発表。 4年ぶり武器供与(中味はミサイルフリゲート艦2隻など総額18億3千万ドル=約2228億円相当)だそうですが、明らかに南シナ海問題で一切の妥協・譲歩を拒んでいる習近平政権に対する不満の表明・警告でしょう。

 中国は在中国米大使館の臨時大使を呼び出し、武器売却に対して「厳正な申し入れ」を行って抗議したらしい。加えて「武器売却企業を含めて米側に制裁を実施する」と表明したそうな。「制裁」ですか。何をするんでしょうね。オバマ政権もさすがに習近平政権の強気維持に警告を与える必要を感じ、実行したと言うことだと思う。

 今朝急ぎ書いた米利上げに関してはあまり付け加えることはないのですが、次の点を追加しておきたい。それはこれらの資料かな。今現在でFRBのメンバーが先行きを「どう考えているか」の表。むろんそのまま政策が推移するわけではなく、あくまで「今現在の情勢に基づくFRBメンバーの予想」に過ぎない。しかし一つの見方ではある。

 ところでまた新たなニュースが。韓国のソウル中央地裁はサンケイ新聞の加藤前ソウル支局長に「無罪」判決。「有罪」が見込まれていただけに裁判所ではどよめきが起きた、と伝えられる。裁判長は加藤支局長の記事について

 「(朴大統領の)名誉を毀損したとは認められない」
 「韓国は民主主義制度を尊重しないといけない。憲法でも言論の自由を保障している」
 「本件も言論の自由の保護内に含まれる」
 「外信記者(加藤前支局長)に対する表現の自由を差別的に制限できない」

 などと述べたという。

 またNHKによれば裁判所は、「記事は私人としてのパク・クネ氏から見れば社会的な評価を深刻に阻害しているが、公人として大統領の業務遂行については公的な関心事であり、名誉を傷つけたと見るのは難しい」「被告が記事を書いたのは韓国の政治や社会の事情を日本に伝えることが目的で、ひぼうが目的だったと見ることは難しい。言論の自由は韓国の憲法で保障されており、公職者に対する批判は可能なかぎり、許容されるべきであり、公職者の権限が高ければ高いほど許容される範囲はより広くあるべきだ」とも述べたという。

 ごく当然の論理、考え方ですが、この当然の判断が「意外性を持って迎えられた」というのが、逆に言えば不思議です。裁判所が厳粛に法律に基づいて判断したのか、検察と同様に「政権の意向や世論動向を斟酌したのか」は今のところ不明です。

 韓国は困った環境に置かれていた。「有罪」としたら、「韓国には言論の自由がない」と国際的非難を浴びる。無罪にしたら、「検察の立場」が揺らぐ。韓国がこの判決で「日本に貸しを作った」と考えるとしたら間違いでしょう。そもそもあり得ない訴え、裁判だった。


2015年12月17日(木曜日)

 (04:40)キーワードは「Dovish hike」かな。つまり「ハト派的な利上げ」。

 FRBが利上げするのは2006年6月以来。その時の議長はバーナンキで、その時は0.25%の引き上げでFF金利は5.25%になった。実に実に9年ぶりのアメリカの利上げということになる。

 しかしではなぜグリーンスパンが過去において行ったような利上げではなく(毎FOMCごとの利上げのような)、今回は「Dovish hike」なのか。声明の中にその理由がいくつもある。

 まず「gradual」という単語が2回出てくるが、その後ろの方の「gradual」に関しては「only gradual increases」という表現で、「only」まで付いている。「(米金融政策は)remains accommodative」という表現もある。

 表現だけでなく、実際に今回FF金利のターゲットを「1/4 to 1/2 percent」にしても「とても過去の利上げから想像するような”いわゆる過去的意味での利上げ”ではない」と中味で示しているのは最後から2番目のパラグラフです。

 こう表現している。「The Committee is maintaining its existing policy of reinvesting principal payments from its holdings of agency debt and agency mortgage-backed securities in agency mortgage-backed securities and of rolling over maturing Treasury securities at auction, and it anticipates doing so until normalization of the level of the federal funds rate is well under way. This policy, by keeping the Committee's holdings of longer-term securities at sizable levels, should help maintain accommodative financial conditions.」と。

 つまり現状の「再投資」(reinvesting principal payments)と「ロールオーバー」(rolling over maturing Treasury securities)の既存政策を続けるし(中味的に引き締めないし)、FRBの長期債保有量は大きな規模を維持するだろうし、よってアメリカの金融情勢は緩和的であり続ける筈だ、と言っている。

 ニューヨークの株などが利上げ後に一段と強基調になった後に、目立って下がったものがある。それはVIX指数だ。今見えている指数は18.92で、これは前日に比較して2.0ほど下がっている。つまり「恐怖は低下した」と言える。

 ここまで書いた段階でイエレン議長の記者会見が始まりましたが、最初は声明内容の説明なので、あまり面白くない。記者の質問と議長の返答が聞きたいのですが、今日はこれから放送があるので出かけます。

 リーマンショックがあったのは2008年の秋。大混乱でした。私もNHKの番組で2回もアメリカに行った。0.25%でも利上げということは、「アメリカは7年前に発生した危機からやっと抜け出そうとしている」ということです。

 このままマーケットが落ち着いて推移するとは思いません。社債市場などでは大きな変化が見られるし、新興国マーケットの中にも影響は出ている。しかし超緩和を続けることにも大きなリスクがある。その意味で今回のFRBの利上げは、「必要な、しかし慎重な措置」と評価できる。

 FOMC声明は以下の通り。

Release Date: December 16, 2015

For immediate release

Information received since the Federal Open Market Committee met in October suggests that economic activity has been expanding at a moderate pace. Household spending and business fixed investment have been increasing at solid rates in recent months, and the housing sector has improved further; however, net exports have been soft. A range of recent labor market indicators, including ongoing job gains and declining unemployment, shows further improvement and confirms that underutilization of labor resources has diminished appreciably since early this year. Inflation has continued to run below the Committee's 2 percent longer-run objective, partly reflecting declines in energy prices and in prices of non-energy imports. Market-based measures of inflation compensation remain low; some survey-based measures of longer-term inflation expectations have edged down.

Consistent with its statutory mandate, the Committee seeks to foster maximum employment and price stability. The Committee currently expects that, with gradual adjustments in the stance of monetary policy, economic activity will continue to expand at a moderate pace and labor market indicators will continue to strengthen. Overall, taking into account domestic and international developments, the Committee sees the risks to the outlook for both economic activity and the labor market as balanced. Inflation is expected to rise to 2 percent over the medium term as the transitory effects of declines in energy and import prices dissipate and the labor market strengthens further. The Committee continues to monitor inflation developments closely.

The Committee judges that there has been considerable improvement in labor market conditions this year, and it is reasonably confident that inflation will rise, over the medium term, to its 2 percent objective. Given the economic outlook, and recognizing the time it takes for policy actions to affect future economic outcomes, the Committee decided to raise the target range for the federal funds rate to 1/4 to 1/2 percent. The stance of monetary policy remains accommodative after this increase, thereby supporting further improvement in labor market conditions and a return to 2 percent inflation.

In determining the timing and size of future adjustments to the target range for the federal funds rate, the Committee will assess realized and expected economic conditions relative to its objectives of maximum employment and 2 percent inflation. This assessment will take into account a wide range of information, including measures of labor market conditions, indicators of inflation pressures and inflation expectations, and readings on financial and international developments. In light of the current shortfall of inflation from 2 percent, the Committee will carefully monitor actual and expected progress toward its inflation goal. The Committee expects that economic conditions will evolve in a manner that will warrant only gradual increases in the federal funds rate; the federal funds rate is likely to remain, for some time, below levels that are expected to prevail in the longer run. However, the actual path of the federal funds rate will depend on the economic outlook as informed by incoming data.

The Committee is maintaining its existing policy of reinvesting principal payments from its holdings of agency debt and agency mortgage-backed securities in agency mortgage-backed securities and of rolling over maturing Treasury securities at auction, and it anticipates doing so until normalization of the level of the federal funds rate is well under way. This policy, by keeping the Committee's holdings of longer-term securities at sizable levels, should help maintain accommodative financial conditions.

Voting for the FOMC monetary policy action were: Janet L. Yellen, Chair; William C. Dudley, Vice Chairman; Lael Brainard; Charles L. Evans; Stanley Fischer; Jeffrey M. Lacker; Dennis P. Lockhart; Jerome H. Powell; Daniel K. Tarullo; and John C. Williams.


2015年12月16日(水曜日)

 (19:40)4チャンネルに回したら、「おお、やっているやっている」という感じ。まだ0-0か。サンフレッチェ広島が勝ったら、それはそれは凄いこと。

凄い応援でした。阪神ファン顔負け  昨日大阪にいて道頓堀を通りかかったら、すっごく大きな応援・声援が聞こえてきた。どうやらスペイン語。ああ、クラブワールドカップのどちらのチームだなと思ったら、今広島と試合をしているリバープレートだった。凄い数。道頓堀を占拠した感じ。

 とにかくでかい声で、必死に。「どこから来たのか」と思ったらアルゼンチンかららしい。聞けば万の単位を越えているという。「阪神ファン顔負け」と思いました。広島も今までに勝った二つのチームとは格が違うチームと戦う。まだ点数が動いていませんが、終わりまで見よう。

 それにしても明日はややこしい。朝4時にFOMC声明を見て、その後のイエレン議長の記者会見をチラ見して、5時過ぎにはTBSに。森本さんがお休み中で、私は二日連続の出番なんですが、どうなりますか。いつもFOMCの解説を記者会見を見ながら書くのですが、今回は無理かな。


2015年12月15日(火曜日)

 (18:40)「うーん、やはりちょっとパワー不足だな」と。何かというと御堂筋を中心とする大阪 光の饗宴2015です。

最初はブルーに  大阪に着いた折、タクシーの運転手さんに、「今年の御堂のライトアップはどう」と聞いたら、「イマイチですかね。下がスカスカですから」と言っていたので、今日帰る前に「どれどれ」と見に行ったのです。

 確かに。淀屋橋から道頓堀に進むに従って、青(淀屋橋のちょい先)、黄色(船場センターから)、白(難波神社から)と色を変えているが、確かに下がない。上だけに偏っている印象。浮いている感じ。一番華やかだったのが、通り沿いの大丸さん。商売もありますから。

 去年までの印象があるだけに、「全体的にはちょっと寂しいな」と私も思った。下に何があるかというと「絵馬」もどきの光の板。一般の人は小さめ、関係会社のは大きく。しかしそれも枚数が少ない。

いろいろな願いが書かれていました。実現するといいのに  何かで読みましたが「協賛金不足」とか。神戸のルミナリエもそうだそうだし、今年の夏の各地の花火も「協賛金不足」と聞きました。始めるときは皆いろいろな環境もあるから「出しましょう」となる。しかし継続にはいろいろ問題が生ずる。最初の際に「出そう」と言った人が人事異動で代わったりして。新任者は何かを変えたいもの。

 日本中でそのような事が起きている気がするな。神戸のルミナリエは震災のその年だったかな、最初だったと思ったが、私も見に行ってイタリアか何かの芸術家を招いて、それはそれは綺麗だった。再びあの規模、あの綺麗さを望むのですが。

 ところで今日読んだ記事で興味深かったのは、『トヨタ「ミライ」、1年で受注3300台超 販売目標の8倍に』という日経の記事かな。それには「ミライは10月までに国内で359台を販売した」とある。私の所に納車された一台は確実にその中に入っているので、「え、大事にしなければ」と思いました。

難波神社からは黄色  もっとも受注は多いらしい。記事には「トヨタ自動車が2014年12月に発売した燃料電池車(FCV)「ミライ」の国内での受注台数が、発売から1年で3300台超になった」と書いてある。

 発売当初の国内の販売目標は年400台なので、受注ベースでは計画に比べ8倍超となり、人気は高い。何と言っても「世界初の市販FCV」ですから。しかし依然として生産台数に限りがあるようで、これは私も聞いているのですが、「納車には3年程度かかる見通し」と。

 海外向けも含めた15年の生産計画は約700台。それでも少ない印象がする。なぜか。「発電装置の燃料電池スタックなどのFCV特有の部品の生産に時間がかかるため」のようだ。でもこれからは少しずつ年間の生産台数を増やしていく予定で、16年で2000台、17年で3000台に。

 実は私の場合、自分以外のMIRAI が都内の道路を実際に走っているのを見たのは2回しかない。一台は西麻布の交差点、もう一段は表参道。まだまだ相当な貴重品ということになる。


2015年12月15日(火曜日)

 (18:40)今日読んだ一番面白いコンテンツは、この記事の中のこのチャートかな。そうなんですよ。我々が生きた時代の高騰の方がおかしい。というか異常だったと言える。英語記事にも「In the long arc of history, high interest rates from 1970 to 2007 look like the aberration, not the norm.」と書いてある。

 そうでない期間というのは、長期金利は5%前後をうろうろ。だから今の時代のレートは確かに歴史的に見れば低い。しかし資料がある長い歴史を見れば、それほど異常では無い。異常なのは1950年から80年までの高騰。その後は落ちる一方ですから。

 その期間に世界の人口は爆発した。日本の人口は7300万から増加して1億2809万9000人がピーク。今は1億2616万。横ばいになれば成長率が下がり、よってインフレ圧力も下がり、よって長期金利も下がる。

 先日ウォール・ストリート・ジャーナルに「世界の先進国経済は来年重要な分岐点に立つ。1950以来初めて、先進国経済で働く労働年齢人口が来年に減少し、2050年までに5%減少するのだ」と。加えてこの文章は、「それは先進国以外、例えば中国やロシアでも同様で労働力人口は減少し、65才以上の人口が急増する」と載ったことを紹介した。

 そりゃ資本投下も生産性もGDPや経済成長に影響を与える。しかしやはり重いのは「人口」ファクターです。そういう意味では、今の我々は過去の半世紀とは別次元の世界にいると言うことを認識することが重要だと思う。

 ところで、今年の漢字は何かなと思っていたら「安」ですか。「安」は応募12万9647通のうち最多の5632通(4・3%)と。何故かなと思ったら

  1. 安倍政権のもとで安全保障関連法案の採否をめぐり国論を2分

  2. 世界で続発したテロや異常気象、マンションの杭打ちデータ流用などで人々が不安
と。

 「そっち」と思いました。しかし「べき論」からは外れているような。うーん、「安」だけを示されると、「世界は安心できないフェースに入っているのに」と思いがちだが、この「安」には「不安」も入っていると。正反対の言葉なので親和性の欠如が......と思う。


2015年12月15日(火曜日)

 (10:40)昨日も取り上げたフランスの地域圏議会選挙は、確かに国民戦線は13のうちたった一つの地方も取れませんでしたが、得票率は27%を超えて過去最高だし、他の政党も明確には「勝利宣言」を出せない状態でした。むしろバルス首相、前大統領のサルコジ共和党党首は反省の弁を述べた。その意味で将来に懸念を残す内容。

 インタビューの中で興味深かったのは、「国民戦線に投票している人は、痛みを感じている人」というある女性の発言。「今のままの政治では駄目。どこか、何かを変えてくれる人、政党はないか」と考えてフランスでは最初は国民戦線に票が行き、アメリカではトランプに人気が集まる、という構図になっている。

 しかし「それらが政権を取る」となると、国民の間にも警戒感が高まる。フランスの有権者は第一回投票に行かなかった人も第二回投票には行って投票率が上がり、相対的に国民戦線のスタンディングを下げた、ということになる。アメリカではクルーズ票が伸びている。

 政治は一人一人の国民が有権者になった瞬間から具体的に参加する権利としての投票権を持つ。その人達のより多い人から票をもらった人、政党が政権を取る。結局は「どれだけ多くの人がその人、その政党に投票したのか」が重要。

 そういう意味では、痛みを感じている人をいかに減らすか、平等感を出せるかが政治の大きな課題だが、なかなかその方向には環境は動かない。経済の世界では様々な領域で競争が展開していて、その結果が出る。

 だから経済が統計的にうまくいっているように見えても、それが国民のより多くから支持されないと「政治的敗北」が生ずることになる。そうした結果は世界各国あちこちで出ていて、それはフランスやアメリカのような国でも。最後は踏みとどまるだろうが、ギリギリの線まで来ている印象もする。

 この二つの国の政治的動きを見て、そんなことを感じました。


2015年12月14日(月曜日)

 (07:40)注目していたフランスの地域圏議会選挙ですが、今見た東京新聞には以下のような記事がある。まだ最終結果ではないようですが、「予想通り」の展開かなと。

 昨日のテレビでも、『今更「移民排斥」と言っても社会の隅々まで入り込んでいる 移民をすべて追い出すわけには行かないし、来る人を全面的に シャットアウトするのも無理。』

 『それに前回は「第一回投票」という側面があり、「国民の不満・不安の表明だった」と考えることが可能。次の決戦投票では違う結果が出る可能性が高いと思う』と申し上げた。予想通りになって良かったと。

 今朝の東京新聞はパリ発の共同電として、「パリ同時多発テロ後、非常事態が宣言されたフランスで初の全国選挙となった地域圏議会選(2回投票制)の第2回投票が、テロから1カ月の13日、投開票された。国営テレビは出口調査に基づき、6日の第1回投票で全国得票率1位に躍進した極右、国民戦線(FN)が勝利する地域圏はないとの開票結果予測を伝えた。」と。

 さらに「第1回投票で得票率が低迷し惨敗も予想されたオランド大統領の左派、社会党は有権者に「極右の躍進阻止を」と呼び掛け巻き返しに成功した。「移民排斥」を唱えた極右はテロ後の不安を追い風に前回躍進したが今回は投票率が上昇し得票数に限界があることが明らかになった。」と。

 今のNHKのニュースによると、開票率は85%近くになっており、国民戦線は「どの選挙でも勝てない」と断定。既存の政治家にお灸はすえたが、国民は実際に国民戦線が政権に近づくことは拒否したということになる。

 注目されるのは第一回投票と比べて7%も投票率が上がった点。第一回投票では選挙に行かなかった人々が、「このまま国民戦線に勝たせたはいけない」と考えたのでしょう。多分アメリカもそうなる。


2015年12月12日(土曜日)

 (18:40)気になる動きだな。アリババがサウス・チャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)を買収。狙いは「to counter ‘negative’ portrayals of China overseas.」(FTの表現)、つまり「海外での中国のネガティブ・イメージ拡散に対抗するため」と。

 ネット企業のリアルメディア買収は、2012年にアマゾンのベゾス氏がワシントン・ポストを買収したのが一番大きかった。これはベゾス氏の個人投資だったが、その後がどうなったかと言えば、アマゾンがワシントン・ポストを様々な形でサービスに組み込んでいる。

もうその季節です.....  アリババがSCMPをどう使うのかはこれからの問題ですが、多分自らの商売と中国のイメージアップに使う傾向を強めるのではないか。いい新聞だったんですよ。中国の内部事情にも詳しくて、中国動向を知るには良かった。それが中国政府と関係の良いアリババの傘下になった。ちょっと心配だな。

 ところで今日は、午前中移転まで一年を切った築地をウロウロしていたのですが、ちょっとおなかが空いたので昼前に「深大寺そば」によって「かき揚げ蕎麦」を頼んだら大将が、「今日はお客さんで終わりです。今日は閉店です。すみません....」と。「お、俺が最後か。というかラッキー」と思いました。

 あそこの蕎麦はうまい。かき揚げの油がきらきらしている。どうしてあんなにうまくなるんでしょうね。築地場外市場には美味しい店がいくかありますが、あの「深大寺そば」は好きだな。

 「茂助だんご」(もすけだんご)にも寄りました。近所のスーパーに「茂助だんご」が置いてあって、「どこのやろ」と思って調べたら築地に行き着いた。今日も凄い人だったな。買うのも大変。

 それから、これは昨日の話ですが、新橋の四川料理「趙楊」さんに立ち寄り、趙楊さんと奥様と久しぶりに。このサイトにはまだ店の場所が「銀座交詢ビル」と残っていますが、とにかく家賃が高かったらしい。

ちょっと頭が上に行ったかな ?  で新橋の駅の近くに引っ越した。住所は「東京都 港区 新橋 1-5-5 グランベル グランベル銀座ビル2 7F」。もともと「趙楊さん」は、今店があるビルの有るストリートの並びの2階にあった。それが銀座交詢ビルに移っていたが、今回再び「故郷戻り」

 新橋に戻ってきたら昔のお客さんが戻ってきた、と。私はここの鍋が大好き。立ち寄って旧交を温めるだけではなく、年内に一度行かねば。


2015年12月11日(金曜日)

 (08:40)おや、 これで放送局が出来ちゃうじゃない....と思いました。LINEが昨日から始めた「LIVE」という新サービス。リアルタイム配信の無料動画。つまりLINEがテレビに....。

 実は今朝の毅郎スタンバイの「スクランブル」のコーナーで取り上げるので、「LINE」とは別の専用アプリ「LIVE」を放送前にアップル・ストアから早速ダウンロードして、その機能を試したのです。映像は実に綺麗。

 で重要なのは、「来年には一般の利用者も自分の生中継番組を配信できるようにする」となっている部分。今は動画を撮ることなど何の問題もなく出来る。私もよく自分がミャンマーなどでスマホで撮った動画を講演会などで使っている。

 問題はデリバリー・システムです。ユーチューブも簡単になったし、私も何本かの動画を出している。しかしやはりアクセス数が少ない。アクセスが増えるのに時間がかかる。

 しかしLINEの底辺は凄く広い。その気になればエリアをかなり劇的に増やすことが出来る。かつ「友達」にならなくても、LINE PAY のシステムを使うなりして、新しい視聴者を増やすことも可能だ。

 「スタンバイでもこれをやったら若い人の視聴が増えるんじゃない」と言ったら、「企業や番組がやったらコストが個人とはだんちに違ってくるんです」という話。まあそうでしょうね。

 しかし私が勝手に自分の例えば身振り手振りの解説などを載せて友人などに見てもらうことは可能だし、そこに新たなシステムを組み込むことは比較的簡単なのではないか、との印象を持ちました。

 むろん、まだ始まったばかりのサービスでそのポテンシャリティは把握しきれない部分がある。しかしちょっと考えただけでも、LINEの利用者が多いこと、かつその利用年齢層が低いことを考えれば「面白い」と考えるのが自然だと思う。

 それとの関連で、最近読んだ「Cord-Cutting Is Accelerating」という記事は面白かった。そりゃそうなりますよ。だって、今回のLINEの新サービスもそうですが、「映像の供給はテレビの範疇を超えて劇的に増えている」。選別の時代です。


2015年12月10日(木曜日)

 (18:40)福山雅治の歌に歌詞が「東京にもあったんだね....青い空」といったような歌があったような気がしますが、「東京にもあったんだね、クエ鍋が」と。

 先月の末に下関の唐戸市場で巨大なクエ巨大なクエ(アラとも言うし、各地で呼び方あり)を見て以来、「近く食べたいな」と思っていたら、つい先日実現。

 行ったのは「汐風」という店。だって福岡まで行くのは容易ではない。「行く」ということが「プラスα」の味をもたらすことは確かですが、ちょっと時間とお金がもったいない。

 それが「東京で食べられる」となれば、「どれどれトライ」ということになる。その日に汐風で食べクエは「長崎で捕れた」ということで、間違いなく美味しかった。事前に予約を入れておいたので、良いクエを使ってくれたのかも知れない。前処理がいいんだな。

麹町の店  食べながら思ったのは、「これは魚の肉ではないな」ということ。食感的に言うと、「魚味のする鶏のササミ」に近い。たまたまレストランに勤める人もメンバーにいたのですが、「私たちもそう思っています。フグとクエの肉は、魚肉とは違う処理をする」と。

 もう一枚の写真は「汐風」の麹町店ですが、こちらの店は見つけやすい。四谷の駅から半蔵門に向かって歩けば10分弱で行ける。難しいのは中目黒の店です。周囲に駐車場もないし。いずれにせよ、機会があったらどうぞ。


2015年12月08日(火曜日)

 (23:40)石油価格がまたしても大幅下落。産油国の足並みが揃わず、「イランの原油もマーケットに出てくる」となれば「下」をトライするのも頷ける。世界の中銀を悩ます「低インフレ」はまだまだ続きそうだ

 それとの関連で最近思うのは、「明らかに道路に出ている車の数は増えている」という点。年末ということではなくて、一般道路でも高速道路でも本当に車が多い。満タンにすると千円札1〜2枚は違ってくるので、「簡単に乗り出せる」「数人乗れば車の方が他の移動手段より安い」ということなんでしょう。  日本で売れている車の数はあまり増えていないので、市中アウトスタンディングはあまり増えていないと思う。上昇しているのは「稼働率」でしょう。今までは1週間に一度しか道路に出なかった車が2度、3度と出れば、それだけで道路は混む。最近は土曜日のゴルフはよほど注意しないと時間到着が危ない。

 原油安が続けばその傾向が続くと言うことになる。いずれにせよ「100ドルの原油時代」に戻るのは相当先なので、「道路が混む状態」は暫く続きそう。という背景ではないが、今日は電車に乗ってみて、「ちょっと空いているな」と。午後の早い時間だったので。

 タクシーに乗る機会があって運転手さんとも話したのですが、面白かった。イントロとして「景気はどうですか」と聞いたら、相も変わらず「あまり良くないですね」と。「何せ、どこからもチケットが出ないんですよ....」と。昔出していたあそこも、ここも。

 初耳だったのは、「スイカやクレジットカードの手数料は相変わらず運転手さんもちですか」と聞いたら、「いえ、私どもの所は今は会社がもってくれます」と。初耳でしたし、良い事だと。以前は運転手さんが支払っていた。可愛そうに。それだけ手取りが減る。

 「来年からカードの手数料が4%になるんですよ」と運転手さん。今までは3%だったのが上がるらしい。もっとも運転手さんは、「もう我々の負担ではないので関係ないんですが」と。そりゃそうだが、手数料率引き上げも知らなかった。カード会社は苦しいのかな。

 もっとも私が今日乗ったタクシーは4社の一角なので、「カード手数料の会社持ち」がタクシー業界全体の動きかどうかは知りません。ま、私としても安心してスイカやIDなど電子マネーが使えると言うことになる。4社では。


2015年12月07日(月曜日)

 (10:40)オバマ大統領の日本時間10時からのオーバル・オフィスからの演説を聴いていましたが、言葉が強くなった以外は「特に具体策はないな」と思いました。

戦後の苦しい時期のBMW  米大統領が Oval Office (執務室)から全米に向けて演説するのは珍しい。しかもプライム・タイムに。過去のOval Office からの演説を例示してみると

  1. George W Bush following the 9/11 attacks of 2001
  2. Ronald Reagan on the Space Shuttle Challenger explosion in 1986
  3. Richard Nixon announcing his resignation in 1974
  4. John F Kennedy on the Cuban Missile Crisis in 1962
 など。言ってみれば「錚々たる」ケースです。それだけオバマ大統領としては「これは重要な事だ」「深刻なことだ」と言いたかったのでしょう。しかし聞いていて「これまで言ってきたことと何が違うのか」「具体策はあるのかな」と考えてしまいました。多分ない。あとで詳しく読みますが。

 考えてみれば、無論シリアやイラクやアフリカでテロは起き続けていますが、アメリカ、フランス、イギリスなどなどでも起きている。かつISでもそれが起きたことに驚くような全体像の中で起きている。だからISもテロ犯達を「自分達の支持者」と読んでいる。構成員でないことを認めている。

くまモンが台場に登場  とすると、それは「捕捉」と「防止」が極めて難しい。今回のカリフォルニアでの事件も、全く「何も起こりそうもない静かなコミュニティー」で起きた。問題は「そこをどうするのか」です。

 サイバーの世界には都市も田舎もない。地球の隅々まであらぬメッセージが届く可能性がある。それは止められない。そういう意味から見ると、今回のオバマ演説では全く新味はなかった。そこが残念です。むろん「凄い手段」が容易に見つかるわけがない。

 全体的にはオバマ政権の対テロ対応、対中東対応は「後手後手」だということです。最初にアサド政権が化学兵器を使ったときに逡巡せず空爆していたら、と思う。それにしても今のままだと「非対称の戦いの継続」です。

爆買いの現場  ところで昨日はお台場に結構長い時間いたのですが、ビックリしたことがある。それは「中国からの旅行者の多さ」です。私としては初めて「爆買い」の現場を見た気がした。最後の写真がそうです。

 重いのか私の目の前で持ち替え。その際に会話をし、持ち直して行ったので、「これは中国の方々なんだ」と。今まで聞いていたし、テレビでも見ていたのですが、実際に目の前で見るとある意味感動する。「こんな重いものをどうやって持って帰るのか」と。

 でもお台場が海外、特に中国からの旅行者のメッカになっていることを初めて知りました。熊本のお米のプロモーションで「くまモン」も来ていましたし。ははは。


2015年12月05日(土曜日)

 (17:40)表参道を原宿方向に向かって、渋滞なのでのんびり運転していたら、パーとイリュミネーションがライトアップ。チョッキリ午後4時30分。まだ明るいのですが、それはそれで綺麗だった。

 写真に撮ったら、空がまだ明るい。都内どこでもこの時間なんでしょうね。点灯は。ま、季節で良いのですが、そのおかげでどこでも大渋滞。表参道も走りきるのに結構時間がかかりました。

通り抜けの警備に警視庁の女性警官隊も参加  渋滞と言えば、今日は皇居回りも凄い人だった。知らなかったのですが、今日から乾通りの通り抜けが始まったようで、一回目はまだしも、私が通りかかった二回目にはもうかなり人が並んでいた。

 去年かな、私もたまたま通りかかったら空いていたので、並んだら面白かった。知らなかったお堀などがあり、このお堀には珍しい動植物や昆虫がいるんだろうな、と思った。乾門を出るのか、それとも右に折れて東御苑に行くのか選べのですが、天気が良い時は東御苑の方が良いと思う。

 それにしても「12月だな」と思うのは、伊勢丹や三越などのデパート、それに六本木ヒルズとかミッドタウンが混んでいること。どこも駐車場も「満」。土日は駄目だな。その辺には平日に行った方が良いと思う。都内でも一二を争う木ぶりだと思う。色むらも少ない 代官町通り沿い


2015年12月04日(金曜日)

 (05:40)毎週の朝の放送の為にちょっと早起きしたら、海外で株が急落し、ユーロが急騰している。何かあったのか.....と見たら二つ。一つはECBが昨夜発表した緩和策への失望、もう一つは昨日の米カリフォルニア州での銃乱射事件が「どうやらテロの色彩が濃い」との見方の強まり。

 「ECBの緩和策への失望」という意味は、次のような事情です。そもそも今回のECB理事会に関し「緩和の選択肢」として挙げられていたのは次の四つです。そのうちECBは三つについて「ちょびっと実施」した。しかしマーケットはそれが気にくわなかった。

  1. QE実施期間の延長=今のECBのQEは2015年の1月に開始され、現状「2015年3月から2016年9月まで毎月約600億ユーロの国債を購入する」となっている。期限が一応来年の9月まで。それを例えば「1年延長」といった形で市場にコミットメントを与える、という緩和強化策。既にECBはインフレ押し上げの目標達成が出来ないケースにおいて「or beyond, if necessary」という形でQE延長の可能性に過去2回の声明で触れている。これを最初から例えば2017年3月までとすれば、市場にとってはECBの決意を感じ、実際に資金がその分だけ市場に供給されるとの確信が得られる

  2. 現在の月あたり600億ユーロの購入額引き上げ=例えば毎月800億ユーロにするといった形である

  3. 購入対象の拡大=これまでは加盟各国が発行した国債が主な購入対象だったが、それを「その他の資産」に拡大するアイデアだ。国債以外の債券、カバード・ボンドなどのリパッケージ商品、ABS(asset-backed securities)が考えられる。日銀はETFやリートまで対象としている

  4. さらなる金利の引き下げ=ECBは既に世界の中銀の中では初めてマイナスの預金金利を実施しているが、今回そのマイナス幅を大きくする可能性がある
 ECBは「1」については半年延長した。「最低限そこまでは続ける」という期間を「2016年9月まで」から「2017年3月まで」に。市場では「1年くらい延長か」という見方があった。「2」については見送った。月600億ユーロのまま。これは市場から見れば「なんだ」となった。

 「3」については、拡大した。これまで国債が主な対象だったが、地方債(市債など)も対象とした。しかしカバード・ボンドなどのリパッケージ商品、ABS(asset-backed securities)やETFは対象としなかった。「4」については、今までの銀行の中銀への預金金利マイナス0.2%とマイナス0.3%とした。しかし市場の一部にはマイナス0.4%への拡大を予想する向きもあった。

 このECBの発表段階ではヨーロッパの株が大きく、そのまま引けた。なにせDAX(ドイツの代表的株価指数)は400.78ポイント、パーセントにして3.58%も下げた。他の欧州株価指数もそれほど大きくなくても大きな下げ。

 ユーロは急騰した。ECBの発表前は対ドル1.06とかだったが、今は1.098とかになっている。3.45%もの上げ。つまりドルが安い。この結果ドル・円は122円台の前半。昨日に比べれば1円程度円高になっている。

 ま、ある意味マーケットの「buy the rumor sell the fact」の典型、脚気反応でもある。今回のECBの発表は「バズーカを後に残した」「ドイツの反対を無視できなかった」とも理解できるし、満期債券の元本・利子の再投資方針も明らかになったのだから、「それほど失望しなくても」との見方もある。金曜日にもう一度ECBの措置を評価し直すということでしょう。もっとも金曜日は金曜日でアメリカの雇用統計というでかい材料がある。

 ニューヨークが下げ足を速めたのは、どうやらニューヨーク・タイムズが横2段で「Counterterrorism Part of F.B.I. Inquiry」と打ってからです。私がこの文章を書いている時点のニューヨーク・ダウは262ドル前後下げている。1.48%。最近の下げ幅としても大きい。

 ちょっとショックでしょう。オバマ大統領が「アメリカで大規模なテロの兆候はない。皆さん安心して感謝祭の休日を」と言ったばかりだから。もっとも「テロ」と確定したわけではない。「テロの色彩が濃いのでは」といった感じ。

 なぜか。そもそもは年末の軍関係者のパーティでの言い争いが原因との見方が強い。犯人(既に名前が発表されていてイスラム教徒とみられている)の一人が何らかの会話(多分イスラム教をからかうような)に激高してパーティの場を離れ、今度は重武装(重火器、数千発の銃弾やパイプ爆弾なども)して連れと戻り、銃を乱射した。死亡したのは14人とされる。

 つまり最初からそのパーティを襲おうとしていたのではない。偶発的な面がある。しかしFBIが気にしているのは

  1. なぜそんなパイプ爆弾を含めて重火器を保持していたのか。それを直ぐ使える状態に保っていたのか
  2. SUVの中で射殺された二人の内の一人はSNSで過激思想を持つ人物と接触した形跡がある
  3. 中東(サウジアラビアと伝えられる)に旅行した経歴がある
 ということ。しかし最初から死を覚悟して行ったのではなく逃亡を試みた、と言う経緯もある。つまり「偶発的テロ」のような曖昧な範疇の犯罪とみられる。しかしこれはアメリカにとってはショックです。逆に怖い。

 その種の潜在的なテロリスト(当局が捕捉しきれない)がもしかしたら結構いるかもしれない、ということになるので。しかしニューヨークの株市場はまだ終わっていません。


2015年12月03日(木曜日)

 (19:40)駅ホームの大きな広告を見て、「そりゃ彼はここには登場するよな」と思いました。浜松駅の新幹線ホーム。ヤマハ発動機ジュビロの大きなスタジアム広告。所属ですから。

彼がここに登場するのは当然でしょう  午後に駅の近くのホテルに200人前後がいらっした大きな講演会。楽しかったな。土地柄、古くから製造業に携わって会社を経営している方がずらっと。話し甲斐があるじゃないですか。皆さん現実にいろいろな問題に、しかも数多く直面している。眼がリアルです。

 ここはいろいろな意味で「好きな地方」の一つです。古くから豊かで資本の形成が進み、いろいろなチャレンジをしてきた地方。静岡から名古屋にかけてのこの地方は、いつ講演に来ても、聞きに来てくれる皆さんが真剣で良い。

 瀬戸内海の先日行った宇部とか、尾道、今治、松山とかも好きですが、ちょっと色合いが違う。静岡から名古屋にかけては「金属がらみの製造業」が多い。特に浜松は圧倒的に「運輸・輸送関係」と。ホンダ、ヤマハもスズキもこの地方が出自。

 一つ面白い方言を覚えました。「やらまいか」です。ネットにはこう説明されている。

 『 浜松市など静岡県西部の方言で、「やってみよう」「やろうじゃないか」という意味だ。 浜松地域は、ホンダ、スズキ、ヤマハなどの企業が生まれ、豊田佐吉翁の出身地として知られる。「 やらまいか」は、こうした企業や発明家を支えたチャレンジ精神を示す言葉とされている』
 ええなあ、その発想。どしどし応援したい。


2015年12月02日(水曜日)

 (18:40)「そりゃそうだよな。ちゃんと手入れしているよな。でもこんな早朝に大変だな.....」と思いました。

 午前7時前かな。二重橋の前の皇居外苑の内堀通り沿いに差し掛かったら、あそこに一杯ある松に何か作業が行われている。珍しいと思って写真を撮ってフェースブックに投げたのです。

 こうコメントして。「作業する方々が松の根っこに一つ二つ。木の幹の太さを調べた上で。生育を保ち、調整するためのものなんでしょう。」

幹の太さを計測し、そして本数を決める  しかしそこから少し行ったら、根元に置かれているボトルを木に突き刺している方がまた二人。前の方はボトルを置いたり、木の幹の太さを測っていたが、後の二人は注射作業。

 私は最初「あのボトルは栄養分が入っていて、木の根元にまくのだろうと思っていたが、全く違った。でむくむくと興味がわいて道路から直ぐ近くで作業しておられたので、「何をされているのですか....」と聞きました。走りを中断して。

 「予防薬を注入しています」と係員の方。前の二人が松の幹を太さを測り、そして1本、2本、3本と本数を決める。太いと三本。それを受けて後の二人が注入作業をする、という手順のようです。それで分かりました。つまり防虫が主なんですね。

 だってあれだけ皇居外苑には松があって、松枯れ虫とかの被害はあまり見ない。いつでも緑で綺麗です。そりゃ江戸城や皇居の松が枯れることは許されないからですが、そのためにはこんな作業が必要だったと分かりました。でも昼間じゃなく寒い朝。大変だ。

 ところで今日は気が向いたので皇居を3周。うーん、初めてかな。1時間39分でした。まずまず。最初の一周は初めて29分台だったが、その後はしっかり30分台。でも二周目と三周目があまり時間が変わらないのが良かった。ははは。ま、前進はしているかな。


2015年12月01日(火曜日)

 (09:40)「ちょっとちょっと、お前さん達もかい」と思いました。諏訪湖の湖畔を朝歩きながら。季節や時間の問題もあるかも知れないが、なんと鳥の数と種類の多いことか。

朝陽のピンクが湖に映って綺麗でした  いえね、人間のサイドから勝手に言えば、ある意味今の日本では「人間圏が浸蝕されている印象」がするじゃないですか。鹿が、熊が、そして猪が増えて人間が住む生活圏に入ってきている。鹿は私が知る限りここ蓼科でも非常に増えている。言ってみれば「人間圏の浸蝕」。

朝の温度はギリギリでプラス  今朝思ったのは「鳥たちも数も種類もひょっとして偏りはあるのかも知れないが増えているのかな」という単純な印象です。諏訪湖の回りでは。朝が餌時というのもあるのかも知れないが、小鳥たちは群れを作って切れ味の良いジグザグ飛行を私の頭の上で展開する。「なんだ、お前は空も飛べないのか」と言っているように

 鳶がいて、鷲がいる。白鷺もいるし、鴨は何種類も。湖岸が鴨に占拠されている雰囲気もある。見ていていろいろ面白い。彼等は「止まるものを警戒する」のです。継続的に動くもの、例えば車などは警戒しない。

 止まってカメラでも構えようものなら大騒ぎです。お互いに警告を発して、「飛び立とうか、とどまろうか」と構える。総じて数の多い鳥は人間を睥睨している。本当に近づくとうるさく飛び立つ。

 逆に大型のスタンド・アロンで行動するタイプの鳥は極めて慎重で、かつ毅然としている。鳶、鷲。そもそも飛び立つときも静かです。さっと遠ざかる。「鳥を撮影するのは大変だ」と思いました。陣地を作ってそれで隠れて構えていないと。

 うーん、ちょっと思いました。人口の減少で日本の人間圏はかなり縮小し、かつ変容している。ひょっとして諏訪湖周りは100年後は結果的バード・サンクチュアリーになっているのではないか、と。

 ははは、ま、そうはならないでしょう。市街は寂しくなったが、湖回りの車は非常に多い。バンパー to バンパーです。人々が住む場所と移動の経路が違ってきている。駅前が寂れるのはしょうがない。


2015年12月01 二人乗りが月の沙漠を行くように湖面を移動日

2015年12月01日 もっと多い数の鳥が群れを作って...

2015年12月01日 尖塔と月が印象的でした



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