2015年07月31日(金曜日)

 (12:05)今日読んだ中では、このWSJの記事が面白い。中国が9月3日に天安門広場で予定している第二次世界大戦戦勝パレードに出席するのかどうか、一部の先進国の首脳は悩んでいるという記事。

 この記事によると、今現在で「出席します」と言っているのはロシアのプーチン大統領と旧ワルシャワ条約機構加盟国の一部首脳だけ。中国は各国の軍人にも参加を呼びかけているが、これに呼応しているのはロシアとモンゴルのみ、と。

 なぜ悩むのかは明確です。中国は第二次世界大戦での「戦勝国」であり、それに相応した扱いを受けたい。それには「戦勝パレード」を開催するのが良い。各国にリマインドできますから。その中国の意図が分かっているので、「出席せず」とすれば、中国の心証が悪くなる。これは中国を自国経済(企業)にとってのマーケットとみている国にとっては避けたい。

 しかし各国にはそれに素直に応じられない理由がある。出席すれば南シナ海で「力による外交」を展開している中国にお墨付きを与えることになる。また東シナ海で対立関係にある日本を刺激することになる。さあどうする、という訳です。

 この記事が面白いのは、中国が一応招待状を送った国に「この日までにご返答を」と提示している日が「今日」らしい。つまり金曜日。しかも既に招待状を送った先、送ってない先がこの記事には書いてあって、イギリス、フランスなどには送っているが、ドイツのメルケル首相、アメリカなどには送ってない、というのです。

 メルケル首相はロシアが5月9日に開催した戦勝パレードには出席しなかったが、その翌日にロシアを訪問して、ロシアとの微妙な距離を保ちながら、しかしプーチンとの関係を維持した。しかしこのロシアのパレードもクリミア併合の直後で海外からの参加者は少なかった。

 中国はその二の舞(海外からの参加者少数)を避けたがっているようだが、今のところ「その二の舞」の可能性が高い。キャメロン当たりが「行く」と言い出しそうだが、今回はそうはならないかな。あまりにもアメリカへの反旗の意味合いが強くなる。

 ま、今日が一応の期限らしいので、「どの国が」と注目したい。もっとも安倍首相も招待されていて、どうするのか。


2015年07月30日(木曜日)

 (04:05)次の9月のFOMC(確か16、17日)まで一ヶ月半ちょっとありますから、「何が起こるか分からない」というのは確かです。しかし今朝方発表になった7月のFOMC声明を読む限り、「FRBは利上げに近づいた」と考えるのが自然です。

 最大の理由は、「FOMCが労働市場の改善に地震、おっと”自信”を深めている」ということです。FOMCは前回6月のFOMC声明の第一パラで、労働市場に関して次のように述べていた。

 「The pace of job gains picked up while the unemployment rate remained steady. On balance, a range of labor market indicators suggests that underutilization of labor resources diminished somewhat.」

 FOMCはこの文章を第一パラの二番目の文章としていた。それは当時は「労働市場が改善している」というのが彼等にとって特筆したいニュース的存在だったからでしょう。しかし迷いも見える。「underutilization of labor resources diminished somewhat.」(労働資源の未活用割合はsomewhat減少した」と曖昧さを残していた。私の理解では somewhat とは曖昧さの表象です。しかし今回は違った。こう述べている。

 「The labor market continued to improve, with solid job gains and declining unemployment. On balance, a range of labor market indicators suggests that underutilization of labor resources has diminished since early this year.」

 「solid」という単語が使われ、「somewhat」が消えていることが重要ですし、前回は「steady」という単語を使っていた失業率が「declining」と表現されている。かつこの文章は今回のFOMC声明では第一パラの三番目の文章として登場する。

 これは前に出した文章を強調したかったからで、「労働市場の改善」は「所与 の事実」になったということです。強調したかったのは「the housing sector has shown additional improvement」という事実です。前回はこれが「the housing sector has shown some improvement」だった。ここでも「some」が使 われている。つまり今月のFOMC声明の特徴は「曖昧さを意味する someやsome〜 が少なくとも 景況を示す第一パラからは消えた」ということです。これは重要です。

 ではもう一方のFRBの政策目標であるインフレについての表現はどうか。少な くとも第一パラのインフレに関する文章は、ざっと読んだところ6月と変化な い。第二パラの後半にあるインフレに関する文章も変わったようには思えない。

 つまり、FOMCの判断では、「雇用情勢は良くなっている。しかしインフレ率が低い問題は残っている」ということでしょう。これはFRBが置かれている状況としては全体的には「利上げに一歩前進」と取れる。無論今のままでは、低インフレ率が「利上げの決断を鈍らせている」状況。

 ということは、今後のFRBの政策を考えるときには、雇用が予想外に悪化しないという前提で見ると、インフレへの目標(2%)への前進次第、ということだ。ここで重要なのは、声明が 「progress--both realized and expected--toward its objectives of maximum employment and 2 percent inflation.」(最大限雇用と2%のインフレという目標への前進を、実現ベースと予測ベースの両方で見る)としている点。つまり「予想」でも判断すると言うことだ。

 「インフレが2%に向かって歩み始めたと expect 出来る」段階で、こ れまでの超緩和状態からの「初の政策金利の引き上げ」に踏み切る、と理解できる。その可能性が9月か、それとも12月かというのが今の論争だが、FRBの気持ちは「インフレ環境さえ許せば9月に」になっているのではないか。私はそう考える。

 ドルはそのような見方に賛同して一時124円台を付けた。しかし125の暗黙 の天井が接近するとドルの上値追いは勢いを失う。そういう展開。 ま、読んで いて面白い声明だった。ニューヨークの株は高い。ダウで120ドル高。

 マーケット的理解としては、「利上げをFOMCは明言しなかった」ということでしょうが、高値からの反落の中で0.25%程度の当初利上げは織り込んだ可能性もある。

Release Date: July 29, 2015

For immediate release

Information received since the Federal Open Market Committee met in June indicates that economic activity has been expanding moderately in recent months. Growth in household spending has been moderate and the housing sector has shown additional improvement; however, business fixed investment and net exports stayed soft. The labor market continued to improve, with solid job gains and declining unemployment. On balance, a range of labor market indicators suggests that underutilization of labor resources has diminished since early this year. Inflation continued to run below the Committee's longer-run objective, partly reflecting earlier declines in energy prices and decreasing prices of non-energy imports. Market-based measures of inflation compensation remain low; survey based measures of longer-term inflation expectations have remained stable.

Consistent with its statutory mandate, the Committee seeks to foster maximum employment and price stability. The Committee expects that, with appropriate policy accommodation, economic activity will expand at a moderate pace, with labor market indicators continuing to move toward levels the Committee judges consistent with its dual mandate. The Committee continues to see the risks to the outlook for economic activity and the labor market as nearly balanced. Inflation is anticipated to remain near its recent low level in the near term, but the Committee expects inflation to rise gradually toward 2 percent over the medium term as the labor market improves further and the transitory effects of earlier declines in energy and import prices dissipate. The Committee continues to monitor inflation developments closely.

To support continued progress toward maximum employment and price stability, the Committee today reaffirmed its view that the current 0 to 1/4 percent target range for the federal funds rate remains appropriate. In determining how long to maintain this target range, the Committee will assess progress--both realized and expected--toward its objectives of maximum employment and 2 percent inflation. This assessment will take into account a wide range of information, including measures of labor market conditions, indicators of inflation pressures and inflation expectations, and readings on financial and international developments. The Committee anticipates that it will be appropriate to raise the target range for the federal funds rate when it has seen some further improvement in the labor market and is reasonably confident that inflation will move back to its 2 percent objective over the medium term.

The Committee is maintaining its existing policy of reinvesting principal payments from its holdings of agency debt and agency mortgage-backed securities in agency mortgage-backed securities and of rolling over maturing Treasury securities at auction. This policy, by keeping the Committee's holdings of longer-term securities at sizable levels, should help maintain accommodative financial conditions.

When the Committee decides to begin to remove policy accommodation, it will take a balanced approach consistent with its longer-run goals of maximum employment and inflation of 2 percent. The Committee currently anticipates that, even after employment and inflation are near mandate-consistent levels, economic conditions may, for some time, warrant keeping the target federal funds rate below levels the Committee views as normal in the longer run.

Voting for the FOMC monetary policy action were: Janet L. Yellen, Chair; William C. Dudley, Vice Chairman; Lael Brainard; Charles L. Evans; Stanley Fischer; Jeffrey M. Lacker; Dennis P. Lockhart; Jerome H. Powell; Daniel K. Tarullo; and John C. Williams.


2015年07月29日(水曜日)

 (23:05)世界中の日本人の方に聞いて頂いているこの番組の聴取者の「みっちー」さんから、以下のメールを頂きました。ありがとうございました。調べたら事実のようで、「日本でも対処して頂こう」と思っています。メールは

 初めまして。かなり前からアプリを使って拝聴しております。

 先日伊藤さんがFuelbandの生産打ち切りの点についてお話されていたかと思うのですが、今日クラスアクションのアドミニストレータからメールがあり、Fuelbandについて米国でクラスアクションが起きていたようです。

 私は損害賠償請求の原告適格があるようで、15ドルもらえることになりました。 訴えの内容は、Fuelbandで表示されるカロリー等の内容が正確でない、というものでした。これは確かにそうかもしれない、とは思っていました。http://www.bigclassaction.com/lawsuit/nike-fuel-band-class-action-settlement-reached.php

 私は該当期間に米国在住だったために原告適格があったのかもしれませんが、その間日本で購入された方にも原告適格があるようでしたらけっこう大きな話題になりそうですね。

 ありがとうございます。正直知りませんでした。やはり番組で取り上げて良かった。調べたら関連ニュースはここなどにいくつかありました。では購入の経緯から、故障に至る経緯までを明らかにしている私のような人間や、同じようにこのマシンをアメリカ以外で買われた方はどうなるのか。

 集団訴訟の訴因は「表示されるカロリー等の内容が正確でない」ということのようですが、私は「不完全な商品を作り、とっとと販売を中止したこと」にも「ナイキらしくない」と思っているのです。

 ここははっきりナイキに聞きたいですよね。Twitterやフェースブックで見る限り、ナイキの Fuelband を購入した人は多い。ナイキには是非、「アメリカ以外の購入者に対してどのような措置を取るのか」を明確にして欲しい。


2015年07月28日(火曜日)

 (14:05)「まあ言ってみれば、土砂降り系やな」と思いました。大阪の蝉の鳴き方です。

 放送が終わってからのランニングの道すがら。大川端から大阪城へのルート。「本当にうるさいな」と思いました。蝉の鳴き声です。降るように鳴き声が落ちてくる。まるで「土砂降りの時、雨粒が顔や頭に当たるみたいだ」と思いました。なので、「土砂降り系」

蝉密度高し  とにかくちょっと観察していると、単位面積当たりの蝉の数が半端ではない。ここにも、あちらにもという感じ。抜け殻がいっぱいあって、その近くで人生最後の一瞬を輝こうと、実に多くの蝉が鳴いている。と同時に、こちらの木からあちらの木へと盛んに飛行。相手を探しているのかな。

 これは印象でしかないのですが、東京と大阪では蝉の鳴き声の強さが違う。東京の方がまだおとなしい。大阪は本当にうるさい。なぜなんでしょうね。緑の面積が大阪は少ないから。とにかく単位面積当たりの蝉の数が多いのです。東京より。

 しかも私が軽く視認しただけで、2種類が同居している。一種は油蝉、もう一種は多分熊蝉。熊蝉の方が色彩が豊かな印象がする。その二つがまるで競うように鳴いている。特に多いのは桜の木の並木など。大川端がそうだし、大阪城にも沢山桜はある。

 逆に蝉が全然いない木の群れがある。それは今朝気がついたのですが、銀杏系です。例えば大手前と大阪城の間にはその種の木が並んでいるのですが、蝉が一匹もいない。鳴いていないのです。なにか樹液でも違うのか。あの臭いが嫌なのか。蝉が桜が好きと言うことは、桜は春と夏に、色と音で二回咲いていることになる。ちょっと面白かった。

競って鳴くのでうるさい  ところで今朝の新聞記事では、「発端は1本の電話 墜ちた東芝 (ルポ迫真)」は秀逸です。そもそもは「東芝からの内部通報」とのこと。

 それを受けて『(切っ掛けは)1月下旬、東芝の経理担当者あてにかかってきた1本の電話だった。電話の向こうの声は「証券取引等監視委員会の開示検査課」と名乗った』が直接的な調査開始の合図。その時点から半年かかっているのですか。

 日経の記事では「墜落機、限界に近い重量 積載燃料が必要量超す 」も面白い。昨日メールで確かめたら、調布の我が親族の家から800メートルのところで事故が発生している。

 「場所はわが家から800m位の所で 、当日は妙にヘリコプターがたくさん飛んでたので、日曜日ということもありAJINOMOTOスタジアムで何か大きなイベントでもあるのかなぁと思ってて、テレビで情報を知りました。家にいたけど音や振動は全然感じなかったなぁ…」と親族からのメール。

 小型機と言っても、空を飛ぶ重量物。今までの情報ではちょっと杜撰な飛行計画のように見える。禁じられている遊覧飛行だったとしたら許せない話です。


2015年07月27日(月曜日)

 (23:05)要するに世界経済が今抱えている問題の多くは「中国問題」ということでしょうか。図体が大きいし、今まで異形の成長をしてきましたから、その調整に世界も巻き込まれているという印象。

 支えていると思ったら、週明けの月曜日は上海株式相場が大幅に続落。上海総合指数の終値は前週末比345.350ポイント、8.5%も下げて3725.558になった。忙しくしていて気がつきませんでした。市場が大きくなれば、政府もマーケットも簡単には左右できない。

 1日の下落率としては「チャイナ・ショック」と呼ばれた2007年2月27日(8.8%)以来、実に8年5カ月ぶりの大きさだという。面子をかけた中国政府の株価の下支え策をあざ笑うかのような急落。当然ながら、市場の緊張感は強まっていると思う。

 そう言えば、近くこの番組柯隆さんを招いて「中国経済」を特集する予定。楽しみ。


2015年07月25日(土曜日)

 (12:05)「探勝路」(こう書かれていました)を歩きながら、「ここは屋久島でもあり、知床でもあり、そして奥入瀬渓谷でもあるな」と思いました。

 奥磐梯の五色沼を巡る歩経路です。「五色沼」という沼はなくて、上流から「柳沼→青沼→るり沼→弁天沼→竜沼→みどろ沼→赤沼→毘沙門沼」などなど数多くの沼の総称です。

一つの沼が三色に見える”みどろ沼”  「五色」と名前が付いているように秋の紅葉の頃はとっても綺麗だそうですが、今でも例えば「みどろ沼」などは水の色が三色に見える。手前から黄色、赤、そしてブルー。「沼」というと都会ではあまり綺麗な印象はしないが、ここは清流を生み出す綺麗な水で出来ている。

 驚くことにこれらの沼は皆、130年前の磐梯山の水蒸気爆発で飛ばされた噴石・岩石や土に堰き止められた水流が、数えようによっては300もの水たまり」や「湿地帯」を作ったもの。ガイドさんがそう言っていました。

 火山が作った各種沼、湿地帯なので、活火山が持つ各種成分、例えばコバルト、石灰、鉄分などなどが沼の中で水に溶けて、時に極めて綺麗な、そして時に不思議な色でグラデーションを作っている、というのです。確かに歩いている楽しい。

実に緑が綺麗な蝉でした  それにしても、130年前といえば「つい先頃」という感じ。明治時代。重要なのは、その磐梯山の水蒸気爆発(先の御嶽山の爆発の何倍かの強烈なやつ)で、今の五色沼一帯は荒れ地になったというのです。そりゃそうだ。

 ではなぜ今のように緑豊かな景勝地になったのか。そこには人間が関わっているとのこと。それは「この荒れ地を蘇らせる」と赤松などを植林した人々がいたそうな。今でも柳沼と青沼の間の道を入っていくと「現夢墓」という植林に尽くした人(遠藤さん)の墓がある。

 思い出したのは明治神宮です。今の明治神宮も100年前は荒れ地だった。それが今は都心で「ひぐらし」が鳴く森になっている。素晴らしい原始の森です。ということは、「森は50年を上回る数十年で蘇る」ということがよくわかる。

実に実に綺麗な水苔でした  五色沼も明治神宮が100年弱で生き返ったのと同じように、当時の努力で今がある。という事は、人間がちょっと努力すれば地球はもしかしたら凄まじい勢いで自然を取り返す可能性がある、ということだと思います。

 五色沼の探勝路を歩きながら、そんなことを考えました。


2015年07月24日(金曜日)

 (03:05)最近では比較的ワクワクするニュースかな。日経新聞による英FTの買収。

 日経がこの事実を日経ネットに載せた時間は午前零時20分。日本の新聞がこの「ちょっと驚く」(ドメな日本のマスコミ関係者が驚いているだろうという意味で)ニュースを自社のネットサイトに載せたのが午前1時前後。だから各社がどの程度で扱うかは別にして(日経は間違いなく1面、トップかその次)、24日の朝刊には間に合う。

 しかし例えば朝日のサイトを見ても、「日経新聞がフィナンシャル・タイムズ買収 1600億円」「日経新聞、世界相手にデジタル戦略加速か」といった当たり前の事しか書いてない。

 そこで、「当のFTはなんと書いているのか」と見たら、それが実にダイナミック。世界的なメディア(NYタイムズ、WSJなど)の報道なども参考にすると、以下のようなドラマが....

  1. 企業としてのリストラクチャリング(教育事業への集中)を進めていたピアソン社が「保有する新聞・経済メディアのFTを売却するのでは」という観測は長らく出ていたが、その売却先の一番手とみられていたのはドイツ出版社であるアクセル・シュプリンガー(Axel Springer)だった

  2. 同社はFTと一年以上に渡って買収に関して話し合いを続けてきた。FT自身も記事で「買収者は同社になる可能性が高い」と報じていた。アクセル・シュプリンガーが「FTが日経に売却」と知ったのは、正式発表の15分前だった。日経がFT買収交渉に乗り出してきたのは、アクセル・シュプリンガーに遅れること最近の一ヶ月くらいに過ぎず、アクセル・シュプリンガーは事態の急変に驚愕している

  3. 日経が支払う844億ポンド(日本円にして1600億円)は、最近のメディア買収額としては高く、ピアソン社サイドは「抵抗できない価格だった」と述べているという。最近の例では、2013年のワシントン・ポストは2億5000万ドル(日本円で310億円)、ボストン・グローブのそれは7000万ドル(同約87億円)だった。この日経の買収金額を見て、ピアソンの株はロンドン市場の午後の取引で2.4%上昇した(つまりピアソンにとって有利とみた)

  4. 日本(日経平均)とイギリス(FT指数)でともに株価指数に名を残す二つの会社の合体により(法的ハードルを越えるのは今年の第四・四半期とみられる)、世界の経済ニュースの巨人は、日経・FT、ウォール・ストリート・ジャーナルを抱えるダウ・ジョーンズ(同社も株価指数にその名を刻む)、それにブルームバーグの三社に集約される

  5. 日経新聞の紙の読者数は300万ちょっと、有料ネット読者は43万ちょっとに対して、FTの紙とネットの有料読者数は70万弱。日経のFT買収は、間違いなく日本のメディア企業としての過去最大の買収劇となった
 などが指摘できる。文化の衝突はないのか。ニューヨーク・タイムズには、「(ピアソンが教育事業への注力故にFTを手放す方針である中では)日経に買われる方がオリガーキ(ロシアの新興財閥)よりはまし」というFT関係者の言葉も載っているが、両者は既に論説の翻訳(主に日経がFTのそれを掲載)などで関係を築いてきたこと、などが指摘できる。こうした関係の中で日経は、「ドイツ社によるFT買収の動きを感知した」可能性もある。

 そういう意味では、ドメ丸出しだった日本のメディアが海外に出て行くという「インターナショナルな驚き」はあるが、日経が「マーケットとしては頭打ちだった日本からの飛躍」を試みようとしたなら十分理解できるし、格からしても当然対象として出てきたのがFTだったというのは頷ける。

 しかし今後いろいろな議論が出てくると思う。日経は「社員持ち株のプライベート・カンパニー」だから、株価にその評価が出ると言うことはない。だから、「では実際に日経の事業にどのような変化が出てきて、それが読者をグリップする力を増せるのか」が大きなポイントになると思う。

 いろいろ問題は出るでしょう。日本の企業の例に漏れず、というより日本のメディア企業は国際化が遅れており”村・ムラ”の側面を持つので、FTのような優れてインターナショナルな文化を持つ企業と事業をうまく展開できるのか、など。

 FTの最近の業績を見ると、2014年の売り上げは3億3400万ポンド(641億円)、営業利益(operating profit)は2400万ポンド。日本円にすると46億3200万円。ま、日経さんはFTに収益での貢献ではなく、「もっと別なもの」を期待したんでしょうね。1600億円の投資が妥当だったかどうかは、これから問われる。しかし私は「ちょっと拍手」だし、応援したい気持ちです。


2015年07月23日(木曜日)

 (18:05)今日の夕刊で面白かった記事は、日経の「残酷なドラフト」「GMの能力、白日の下に」かな。

 話題は大リーグで、なぜロイヤルズが伸びて、マリナーズが弱いママなのか。しかしどうもこの同じ事情は日本のプロ野球にも言えそうだ。なぜセリーグが弱いのか。その弱さは「残酷」とも言える

 今でもセリーグのチームで貯金のあるチームはない。首位は勝ち・負けが一緒。あり得ないでしょう。それで「首位」とか言っている。「なぜ」と思って、いろいろな機会をと捉えてスポーツ記者などに聞いているのです。

 そしたら出てきた答えが「スカウトの力の差」が一番多かった。つまりパリーグのチームのスカウトの方が、セリーグのそれより力が上で、その結果パリーグでは時間の経過の中で「選手が育っている」ということらしい。確かにその傾向はあると思う。パリーグの方が選手が育っている。

 具体的にどこのチームのどのスカウトが素晴らしいのかまでは知りません。しかし例えばパリーグの首位チームであるソフトバンクの成績を見ると、「やはり凄まじい力だな」と思う。パワフルなチームの数字が揃っている。

 対して、セリーグには「パワー」を感じるチームはない。せいぜい5割ですから。そもそもホームランの数を比べると歴然です。セリーグの全チーム合計のHRの数は343。対してパリーグは397本。つまりシーズンの半ばで二つのリーグで50本も違う。

 記者が言うには、「セリーグの打者はバットをしっかり振っていない」というのですが、HRの数はそれを証明しているように思う。スカウトがしっかりし、バッターはしっかり振る。セリーグが再び輝くには相当な時間がかかりそう。


2015年07月23日(木曜日)

 (11:05)歩いてほぼ30分でしたね。結構近い。

 朝築地に向かってランニングしていて、「同じ所は面白くない」と思ったのです。築地方面は結構行っていますから。思い出したのが、先日会食した日経の方々が言っていて「大手町から東銀座まで地下道で歩けます」の一言。「じゃ、今日は逆に行って竹橋方面に出て、そのまま皇居を一周してやれ」と思ったのです。

 出発点を歌舞伎座の下にある「木挽町広場」に定めて。でも偉いな。この色気のある町名を広場の名前に使うとは。木挽町には「鯛茶漬け」の美味しい店がある。

 あ、脱線しました。普通に考えると、東銀座から東京駅方面に抜けるには「八重洲」方面と発想する。しかしないんですよ。繋がっている地下のルートが。調べたら「銀座の地下歩道」(東銀座から銀座4丁目に抜ける道)を歩いて、さらに日比谷に抜ける真っ直ぐな地下道を歩き、そこから東京駅方面を歩くのだと分かった。

 この辺は微妙で、地下鉄の職員に聞いても「行けませんよ」という人が半分、「行けますが随分遠いですよ」という人が半分。それが今回分かりました。私は日経の方々が言ったことを信じていましたから、「いや、行けるはずだ」と言っても、「無理です」と返事した駅員が少なくとも二人はいた。地下道の接続は、地下鉄職員でもあまり知らない、と分かる。

 しかし、実際に容易な道ではない。木挽町広場から銀座の地下歩道に抜けるのもちょっと階段を降りたりと難しい。あの辺は古い町ですから、いろいろ建て込んでいるのです。しかし銀座の地下歩道に抜けたら後は日比谷まで楽です。

 実は日比谷から二重橋、そして東京駅も単純です。直角に右に曲がれば良い。しかし日比谷駅のどこにも「東京駅に行ける」とは書いてない。分からなかったので駅員に聞いたら、「何も書いてないですからね。しかも相当遠いですよ」と。

 「歩くくらいなら地下鉄に乗ったら....」と言いたげ。しかしそれを無視して三田線の線路に沿って歩き「二重橋前」から、さらに東京駅方面に行くと、徐々に慣れた「大手町」の複雑な地下街が出てくる。大手町駅は今大変な工事中で、「こんなところを歩いても楽しくないな」と思いながら、一番皇居寄りの地下道を歩いていくと、ついに「JA、経団連、日経」さんのビルが。結構あっという間です。歩いてみれば。

 しかし繰り返しますが、正直言ってこのルートは「東銀座から竹橋近くまで歩いてみた」というだけで、面白くない。しかしこの地下道を「エリア」として考えて、少し時間を掛けて歩くときっととっても面白い、と思う。まず木挽町広場が楽しめる。その後は地下道から銀座三越とか、有楽町マリオンも見れる。

 日比谷まで抜ける地下道は面白くないし、三田線沿いも「歩ける」という意味合いしかない。なので、この部分は地上に出て丸の内仲通りをのんびり歩くのが良いと思う。結構面白い店もあるし、車も一方通行であまり多くはないから、気になったら道の反対側に。

 東京駅が近づいたら、KITTEからはまた地下に入って面白い店や飲み食い場があるのを眺めたり立ち寄ったり。このビルは上の方も面白い。両方の丸ビルも少し古くなったが、立ち寄る価値はある。

 そこからiiyo!!(イーヨ!!) に出て、さらには旧富士銀行の本店跡に出来た大手町タワーのOOTEMORIに行くのが良いと思う。この辺は結構良いパン屋とかあるし、アマン東京に関連する待ち時間がすごく長いカフェーもある。大手町は地上は色気がないが、地下は大分良くなった。

 それらを楽しんだ後に、「ああ、東銀座から歩いた」と思いながら丸の内消防署の前を抜けて皇居平川門、さらには竹橋というのはどうでしょうか。今は暑いから、春とか秋にのんびりこの一帯を散策すると、直ぐに半日はかかると思う。


2015年07月22日(水曜日)

 (23:05)いくら民間業者に飛行させていたといっても、防衛省管轄のドローンが「風に流されて行方不明」とは情けない話ですが、ウォール・ストリート・ジャーナルを見ていたら「ソニーもドローン市場に参入」とか。

 確かに「飛行物体」としての未知の可能性はドローンにあるが、アメリカではドローンに拳銃をくくりつけて4発の実弾射撃をしている動画が公開されたり、相変わらずお騒がせのマシーン。

 テレビで見ると、この拳銃をくくりつけたドローンは射撃の際にはさすがに一瞬衝撃で後退しますが、その後直ぐに態勢を立て直している。射撃の衝撃は余り大きくないのか、それともドローンが安定しているのか。

 多分車以上に使う人のマナー、技量が求められる存在になりそうですね。いくら上空から撮影できるといっても、私はドローンで写真を撮る気はしない。車は常にハンドルを握っていられるが、ドローンは風次第のところがある。軽いので。ということは、コントローラビリティが落ちる。
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 それにしても、東芝の利益嵩上げの話は悲しいし、酷いと思う。東芝といえば日本の代表する企業の一つ。いくら日立というライバルに差を付けられていたとはいえ、まだ企業内の前任、後任の社長対立があったにせよ、「企業の存在価値」を失わせる暴挙。

 今日の夕刊紙は「東京地検が操作も ?」と報じていますが、確かに刑事事件に発展してもおかしくない。海外の新聞も大きく取り上げていて、日本の企業社会全体を問う問題に発展している。困ったものです。


2015年07月21日(火曜日)

 (17:05)本を2冊紹介します。ともにとっても面白い。「段取りの“段”はどこの“段”?ー住まいの語源楽」は読み始めたばかりですが、これは絶対最後まで面白いと思える本です。だって、日頃使っている慣用句のかなりが「あ、そうなんだ」と納得出来る。

 この本は「書き出し」がうまいな。自分の落ち度、欠点や奥さんとの関係性を導入部分で使っている。こういう本は最初から「偉そう」でなくて、すっと入っていける。まだ全部読んでないのですが、辞書のように項目を選んで読むことも可能。「畳み掛ける」がなぜ「畳」なのか。そして「掛ける」なのか。はっきり言って知らなかったな。

 もう一冊はところで今とっても賛同できる本です。『「昔はよかった」病』(パオロ・マッツァリーノ)です。私は注意深くそういう人を避けるので、周囲にはだいぶ少なくなってきたのですが、とにかく「昔は良かった」と何でも過去を美化する人が日本では多い

 この本のタイトルを借りると「昔は安全だった」「絆と人情があった」「みな礼儀正しかった」と。生活レベルから言っても、個々人が持つ自由度から言っても、「今」の方が絶対良いのに、「昔は良かった」とまるで昨日までそこに居たように言う人々。

 昔からそういう人が嫌いだったな。酒を飲むとその話。聞きたくもない。戦国時代に生まれて、自分がたままた殿様だったと勘違いしているのでは、と思うような。しかし大部分はそうではなく、昔は自分の運命を決められずに生きた人が大部分だったのに、と私は思っているのです。

 この本は「日本人はなぜ過去を美化するのか?」と問うているのですが、ま、この本にも書いてあるのですが、自分と他の人々とは別であると主張したい人が多いということでしょう。自分は美しかった「過去の人」と一緒だが、君たちは違うといった。

 特殊なメンタリティと言える。海外にはあまりそういう人とは出会わなかったな。とっても面白い本です。でも正直な気持ち、「海外の人に書かれちゃって、残念」と思っているのです。あれ、ともに新潮新書だ。


2015年07月20日(月曜日)

 (17:05)道路を走っても、新幹線に乗っても「夏休みモード全開」ですね。ま、この週末は3連休でもありますし。

右が晴海客船ターミナル 左が新市場  それにしても尋常でない暑さ。もう日差しを気にせずに動けるのは早朝くらい。なので、今朝は最初から足を使って目指して行くのには時間がかかりすぎるので(目的地で動ける時間が限定される)、目的地近くまで車で行って、そこからその周囲を探索、というのをやりました。動いている時間は同程度に設定して。

途中がまだ未完成ですが、新市場の近くはもう完成近い  行ったのは、東京湾岸地区。マッカーサー道路(2号線)と新しいお魚市場を繋ぐ道が今にも開通しそうになっているのを発見したり、面白かった。晴海通り、有明通りを進むとなんだか知らないが「鉄鋼団地」なるものが現れる。企業名は「新日鉄住金」だったり。なので、多分鉄鋼の輸出関連港湾施設が集中していたり、加工工場などが集まっているのでは。

 綺麗だったのは、晴海大橋から眺める西方の景色かな。右手に晴海の旅客船ターミナル(建物の天井がちょっと赤い)があり、川(運河)の上を見るとまだ完成していない「とよすおおはし」があって、その向こうにレインボーブリッジが見える。ターミナルのまだ右側には大きな清掃工場が。ここの煙突は高い。

 左を見ると、築地の後釜として現在建設中の「新お魚市場」や「お野菜市場」です。以前私が「でかすぎる」と書いた。その気持ちは変わっていませんが、景色としてはちょっと面白い。完成すると結構雄大なものになりそう。

 あの地帯は、同じ東京でも異空間ですね。この地帯を題材にしたテレビドラマや映画が結構ヒットしたのは分かる気がする。ジョガーも多いんですが、その気分は分かるな。皇居とは違った醍醐味がある。

人がいっぱい動いていました 出港間近 ?  建設現場が多いので、電車から降りてくる人は大部分は建設関係の方々。完成したら、乗ってくる人も大きく変わりそう。何回か行くと、東雲、豊洲、新市場と台場の関係がはっきり頭に定着する。それまではまとまっていませんでしので。


2015年07月18日(土曜日)

 (08:05)昨日今日でとっても面白い事に気がつきました。それは明治神宮と都内(私が良く行く 主に都心ですかね)では、「蝉が違う」ということです。

 昨日は原宿に用事があって、でも少し早かったので、「夕刻の明治神宮はどうやろう。いつ閉まるんだろう」と思って行ったのです。そしたら蝉が賑やかだった。しかし聞き慣れない「キリキリキリー....」という、明らかに「ひぐらし」(蜩)のそれ。深山で聞ける。そして蝉の鳴き声としては、それのみ。ナイス。

 「ひぐらし 鳴き声」をネットで調べるとこの動画が出てくるのですが、明治神宮のそれはもっと高音が出ている気がする。それがバトンタッチするかのように鳴いている。とってもとっても「良い音色」と思いました。

 対して今朝も千鳥ヶ淵で確認したのですが、都内の他の地域では圧倒的にアブラゼミ、ミンミンゼミなど。うるさ系。夏の風物詩なので良いのですが、暑さ感が増す。しかし「ひぐらし」は違います。

 「都内 蝉」で検索するとこの調査が見つかりましたが、これは主に世田谷区の調査ですね。世田谷区にも僅かに「ひぐらし」が残っていることが示されている。

 では明治神宮になぜ「ひぐらし」が多いのか。それは高木が多いことと関係するような気がする。だって「ひぐらし」は見つけようと思っても見つけられない。とっても高い木にとまっているようなので。

 対してアブラゼミなどは人間から見て見えるところで鳴いている。場合によっては手で取れる。弱っていると。だから世田谷でも「ひぐらし」がいるのは高い木が残っている場所ではないか、と思う。

 そんなことより、昨日明治神宮で「ひぶらし」の声を聞きながら、例えば松尾芭蕉が句で「静けさや、岩に染み入る蝉の声」と詠んだ「蝉の声」は、恐らく「ひぐらし」の鳴き声だっただろうな、と思いました。だってその方がぴったりきますから。今からは確認のしようもない気もしますが。

 昨日の場合だと明治神宮は外門が午後6時20分に閉まります。その前に入れば、ひぐらしの綺麗な、そして澄んだ、高い所で行き交う鳴き声が聞けます。季節ものですから、是非機会を逃さずに。


2015年07月17日(金曜日)

 (12:05)今朝の新聞記事でちょっと面白いと思ったのは日経産業新聞の『「つながる工場」が開く IOT 現場発で提案』でしょうか。具体的な企業名としては「アマダ」や「シチズンマシナリー」が挙がっている。

 実は私は日本の製造業の将来を心配しているのです。家にある製品を見ても、「アメリカ製やイギリス製」が増えいる。スマホもそうだし、PCもそう。あと掃除機も。洗濯機はドイツ製かな。

 日本製の家電製品は「目立たないもの」に格落ちして存在しているが、少し以前を考えてみると、何から何まで日本製だった。それが綺麗に「消えつつある....」のが現実です。何故か、と考えてあちこちに文章としてそのことを書いている。

 端的に言えば、本来のネットワークとしてのIT(ICTでもいい)を日本の企業は発想段階から生かせていない、というのが私の考え方です。日本企業は、ITの技術を製品の中に閉じ込めようとしている

 しかしITとかインターネットは本来ネットワークです。今週の火曜日かな。一時間弱という短い時間でしたが、BS11の仕事で甘利経済再生大臣と番組でお話しする機会があって、「久しぶりに私と同じ意見の人」だと思ったのですが、まだまだ日本ではITとかネットワークの本来の役割を思い違いしている人が多い。

 講演会では実演してみせるのですが、「つながる」ということが重要です。日本のスマホは全くつながりに欠ける。アップルはそうではない。その違いだけでも、彼我の差は大きいし、売り上げも全く違ってくる。

 ドイツが「製造業におけるアングロサクソンの攻勢」に対して考えた出しのが「インダストリー4.0」です。甘利大臣も、「日本はIOTで特に遅れているわけではない。しかし企業ごとなので....」と言っていて、その通りなのですが、問題は現在のそういう現状をどう乗り越えていけるのか。

 この記事が面白いのは、日本でも「企業ごとの努力は始まっている」ことが分かる点。坂村さんも言っているように、IOTで日本の将来を悲観する必要は無いように見える。しかし、仮にドイツやアメリカの産業界全体を巻き込んだ「つながる」システムがうまく稼働した場合には、日本は製造業でも劣勢に立たされる予感がする。

 むろん今の世界の産業界においては、「部品に強い日本企業を入れざるを得ない」と考えることも可能だ。ドイツにしろ、アメリカにしろ。しかし巻き込まれてネットワークに入るより、日本の企業が立派な製品を作れるような形で「つながる」システムを作る方が良い、と私は思っているのです。

 この記事の最後には、「国もようやく動き出した。15日、経済産業省は日立、富士通などと官民でIOTのネットワーク規格統一を話うワーキンググループを立ち上げた....」と。15日って、二日前ですか。あり得ない遅さです。

 日本で何が必要かというと、企業同士の協力と言うより、「課」とか「部」でぶつぶつに切れている企業内の情報の統合化、そして再活性化が必要であり、その上で企業同士が協力するに最適なプラットフォームを考える、ということではないでしょうか。このプラットフォームでは国が役割を果たせる。

 もう我が家で日本製の製品以外の製品が増える事態は止めて欲しい、と思っているのです。


2015年07月16日(木曜日)

 (12:05)昼頃の東京はちょっと晴れてもいますが、今朝はひどかったですね。一時はバケツをひっくり返したような雨だった。台風が接近。ということはこれからも時々強い雨が降ると言うことですか。

キルギスの白いはちみつ  ところで今日は紹介したいものが二つ。一つは白いはちみつ。昨日はまなぼうわたしのコーナーに関してちょっとした打ち合わせが日経の人達とあったのでキッチン5に行ったのですが、私がちょっと喉をがらがらさせていたら、「これ効くよ.....」と優子さんが教えてくれたのがこれ。「白いはちみつ」。

結構見応えあり 音も作ってある  「キルギス」というのが目を引くじゃないですか。草原の国。私もあの地方に行きましたし(カザフスタン、ウズベキスタン)、今度もキルギスの北東のモンゴルに行きますが、日本とは全く違う植物がある。

 この「白いはちみつ」は、6種類の天然高山ハーブから採取されているそうで、私も痛い喉に効くかと思ってワンスプーン口に入れましたが、優しい。日本でよく食べる透明の水飴のような雰囲気ではなく、明らかに白く、そして口に当たるつぶつぶがある。

 「世界最大のはちみつ国際大会で金賞受賞」と。それだけの価値はあると思いました。トーストのパンに付けて良し、スムージーに入れて良し、あといろいろな使い方が出来ると思う。あと料理のバラエティが増えるんじゃないでしょうか。

 サイトにも購買リンクがありますし、有名オンラインサイトにも全部購買ルートがありますから、気になった方は一つお試し下さい。私も買います。

期間限定です  もう一つは「花火」です。一風変わった。場所はミッドタウンの檜町公園。ミッドタウンは毎年催し物があって、評判が良いときと悪いときと。しかしどうでしょうか。「今年はナイス」と思いました。私は昨日通りかかったらやっていたので、しばらく見ていたのですが、まず思ったのは「発想がいいじゃないか」ということ。

 結構夜遅い時間でしたが、大勢の人が熱心に見ていました。糸を引いて花火が上がり、そしてはじける。多分最後は「ナイアガラの滝」かな。長野県の諏訪のそれが有名ですが、確か熱海でもやっていた。

 でも今日は雨でどうかな。でも「火を使わない花火」なので、もしかしたら今日も見れるかも知れない。結構楽しい。どうぞ。


2015年07月14日(火曜日)

 (10:05)最近結構嬉しいんですよ。あちこちのサイトを開くと、タワーレコードさんのオンライン・ショッピングのバナーが出てきて、その中に「ギラギラ」というCDが入っているからです。

 このアルバムを出している二人組は、私が大阪に行き始めて暫くしてからの知り合いで、よく一緒にメシを喰い、そしてジャズなどを聞いた二人なのです。その二人がキングレコードから「メジャーデビュー」

 ええですな「メジャーデビュー」の響き。今は音楽をいろいろなルートで入手可能ですが、私は結構CDが好きです。やはり持ったときの感触が良い。昔のLPも随分長くとってありました。それら一枚一枚に思い出があって、どこに傷があるかも覚えている。

 女の子は「センリちゃん」、男の子は「ヒデキくん」。私は買って、さっそくitunes とか車の楽曲リストに入れました。昔から彼等の音楽が好きなのです。うーん、彼等の曲の中ではバラード系が好きだな。彼女がボーカルなんですが、良い声をしているのです。そして秀逸なヒデキのギター。

 ライブにも2回ほど行きましたかね。「ギラギラ」はこの公式ブログでも分かる通り7月8日のリリース。ほやほやです。このサイトでは視聴も出来ますので、ちょっと立ち寄って頂ければいいかな.....と思います。楽しんで下さい。


2015年07月13日(月曜日)

 (22:05)ユーロ圏サミットがちっとも合意できないので昼頃しびれを切らして私は外に出てしまったのですが、結局合意が発表されたのは日本時間の午後5時前ですか。そのころには私はもう奈良を一回りし終えていました。

 マーケットが落ち着いたのは良いことですが、「主権も何もあったもんじゃない」という私の印象は当たっていました。今ちょっと見た海外の記事にも、ギリシャにとって厳しい単語が並ぶ。

 「Greek government’s near-total surrender to creditors’ demands」

 「surrender much of its sovereignty to outside supervision」

 「Greece must henceforth subject much of its public policy to prior agreement by bailout monitors」

 「Clearly the Europe of austerity has won」

 「German protectorate」

 最後は強烈です。チプラスも最後は同意した500億ユーロのギリシャ国家財産の移管先を最初はドイツはルクセンブルクに置く自国の開発銀行が使うスキームを使って管理しようとしたらしい。ロイターには「Berlin initially wanted to use a structure in Luxembourg managed by its own national development bank, KfW」とある。そんなことをしたら、「ギリシャはGerman protectorateじゃないか」という経緯。「German protectorate」とは、要するに「ギリシャがドイツの保護国、保護領になる」ということです。

 結局この500億ユーロはアテネの勘定に移管されるらしい。しかしよくチプラスが「国家資産(空港や港湾)の移管」に同意したものだ。それだけ苦しかったのでしょう。もう経済がにっちもさっちも行かなくなっている。銀行も潰れそう。

 それにしてもメルケル首相には厳しい質問が飛んだようだ。「Asked whether the tough conditions imposed on a desperate Greece were not similar to the 1919 Versailles treaty that forced crushing reparations on a defeated Germany after World War One, she said: "I won't take part in historical comparisons, especially when I didn't make them myself."」と。

 ドイツは先の戦争後、一番賠償を(アメリカなどから)放棄してもらった国なのに、今の厳しいギリシャへの姿勢は、1919年のベルサイユ条約(ドイツは厳しい賠償を支払わされた)に似ていないかい」と問われていた。きつい質問だが、一理ある。

 水曜日までにチプラスは議会で「value added tax, pensions, quasi-automatic budget cuts if Greece misses fiscal targets, new bankruptcy rules and an EU banking law 」など六本の法律を通過させねばならない。そこからやっとギリシャと債券団の交渉が始まる。多分、「出来なければ、ギリシャは銀行も破綻し、経済も社会もばらばらになる」と言って国内説得に当たるのでしょう。

 でもそれは、今までの彼の主張とはあまりにもかけ離れている。自らの党の閣僚・党員、それに最後は国民が黙認するかどうかです。


2015年07月13日(月曜日)

 (11:05)もう混乱が極まっていますね。「12日まで」がEU自身が設定した交渉期限ですが、既にそれを大きく超えた。そしてまだユーロ圏首脳会議は終わらず。

 BBCが財務相会議段階での合意草案を載せているのですが、これを見ると完全に「EU、またはユーロ圏の他の18カ国によるギリシャ管理」というイメージです。ギリシャとしてはこれは「飲めない」と思うか、「議会通過が心配」となるでしょう。

 前提として、「税制改革、年金改革など財政再建案の中味6項目に関して、15日夜までの国内法制化」を前提としているため。それがあって初めて「支援を巡る真剣な話し合い」に入るとしている。ということはギリシャの国内政治は「これからチプラスが針のむしろに座る」という意味で、極めて難しい状況になる。財務相会合段階での草案には

  1. Reforms set out by Greece to be ratified by parliament by Wednesday, 15 July
  2. "Ambitious" reforms to pensions and labour markets
  3. International creditors to work on the ground in Athens and have full oversight of draft legislation
  4. Possible transfer of 50bn euro in "valuable" Greek assets to external fund for eventual privatisation
  5. Possible talks on "swift negotiations on a time-out from the euro area, with possible debt restructuring" if a bailout is not agreed
 「3」は完全に「ギリシャ管理」の条項です。主権も何もあったもんじゃない。もっとも、下の二つはまだ進行中のサミットの結論としては外される見通しだという。ギリシャは15日までに財政再建案に盛られた中味を「政策」とするための立法化を終えられるのかどうか。

 終えたあとで、木曜日にドイツ議会が開かれ、さらに金曜日にユーロ圏財務相会合を開いて、「そこで正式にギリシャ支援の話し合いを始める」という手順を準備している模様。

 ただし、ドイツ議会ばかりでなくユーロ参加国で議会承認が必要な他の5カ国(オランダ、フィンランド、オーストリア、スロバキア、エストニア)が「ギリシャの法制化は十分」と判断するかどうかは不明(特にフィンランド)。法制化も終わっていないのだから当然だろう。

 「まだ先行きは長い」ということです。チプラスのことだから、「こんなのには耐えられない」と言うかも知れない。その場合何が起きるのか。可能性としては「やっぱり離脱だ」というのもあり得る。借金したら最後は足下を見られる、というギリシャの悲しい状況。


2015年07月12日(日曜日)

 (11:05)11日のユーロ圏財務相会合は意見の一致を生み出せないまま、「12日午前に再び会合」となったようです。つまり午後のEUサミットの直前まで話し合いを続けなければならないほど「話が込み入ってしまった」ということ。何が込み入っているのか。

  1. チプラス政権の信頼性の問題。結構踏み込んだ財政再建約束をEUに対してしているが、「実際に彼はやる気が、そして約束を政策として実行する能力があるのか」という問題。特にフィンランドなど北欧の国がこの点を厳しく主張していて、「そもそももっと踏み込むべきだ」という意見も出ているらしい

  2. ギリシャ支援の必要額が増え続けている問題。ギリシャが「三回目の支援」として求めているのは535億ユーロ。しかし2週間に及ぶ資本規制などなどの影響で、ギリシャの銀行は直ぐにでも資本注入をしなければ破綻の危機にある。それにかかるコストは少なくとも250億ユーロとの見積もりもあり、IMFは総額740億ユーロの新規対ギリシャ融資が必要と言っている。他の見積もりでは800億ユーロとも。邦貨では11兆円弱。すさまじいコスト。これはドイツにとっては「耐えられない金額」だろう

  3. ギリシャの債務切り捨てや返済計画の再編の問題。国民から「裏切り者」と呼ばれ始めているチプラス首相は、財政再建策以外のところで国民に見せ球(納得してもらえるメリット)が必要。それには「一部債務の切り捨て」(彼は三分の一を主張との見方もある)が一番良いが、ドイツなどが絶対反対

  4. 「再編や組み替え」に関しては、IMFは今のギリシャ債務の平均返済期限30年を「60年にする必要がある」と主張している模様。だって観光以外産業のないギリシャはそもそも返済能力が劣る。しかし「それはないでしょう」とドイツなどが主張。そりゃそうだ。60年は半端なく長い
 ギリシャと他のユーロ圏諸国の間、債権者間の対立、と実に複雑。11日のユーロ圏財務相会合が結論に達することが出来なかったのは、ある意味予想通りと言える。12日も簡単な結論は財務相会合の段階では出ないのでは。

 結局12日午後のサミットに投げられるような気がする。しかしこれもすんなりとはいかないだろう。フランスはギリシャに恩を売り、「EU内での主導権の示威」を狙って、「ギリシャ支援」での合意を取り付けようとする。

 しかし国内の政治状況が「ギリシャを支援するとは何事か」という状況にあるフィンランドはそもそも厳しい立場に立たされているし、ドイツも国内政治状況は簡単ではない。とすると、「ギリシャの政策実現の為の立法措置を見守って....」と言った中途半端な結論になる可能性もある。具体的にはVATの引き上げ、離島優遇措置の撤廃、年金支給年齢の引き上げなどをギリシャが法律にするのを待って、支援を決めると言った。

 しかしこれらには時間がかかるし、国内で「裏切り者」と呼ばれ始めているチプラス政権がスムーズにメニューを揃えられるかは不明だ。もしできなければスキーム全体が頓挫する。もっと問題なのは、時間の経過がギリシャにとって一番きつい現実になっているということだ。

 ギリシャの金融システムは既に崩壊寸前。よって経済活動もよれよれだ。観光客は混乱を嫌気して減り、新たに多くの人が職場と給与を失っている。銀行が機能していないので、当然そうなる。立て直すにはもっともっとお金がかかる状況が生まれている。政治状況も不安定だ。

 急がなければならないのだが、ギリシャに国内政治があるのと同じように、それぞれのユーロ参加国にはそれぞれの国内政治がある。しかしギリシャ問題では「全会一致が必要」とIMFが言っている。しかし、これはなかなか難しい。

 ある報道によれば、ギリシャ支援がたとえまとまったとしても、国内の議会で承認が必要な国はGerman, Dutch, Finn, Austria, Slovak, Estonia の6カ国に及ぶという。まだ先週末のマーケットのように「楽観的」になるには時期尚早か。


2015年07月11日(土曜日)

 (23:05)「ホテル・ゲル・ゲル・ゲル・ゲル・ホテル.....」という順番で泊まります。つまり草原三昧の旅。

 8月に再びモンゴルに行くのです。前回行ったのは2007年の9月なので、ほぼ8年ぶり。でも前回見た景色は鮮明に思い出します。つまりあの国は複雑ではなくて、イメージがはっきりしているのです。だから頭に残る。

 イメージが鮮明に残っているのに再び行くのは、今度の旅には「ゴビ砂漠」が入っているのです。砂漠は行ったことがないな。飛行機から、つまり空から見たことはありますが。あとは鳥取の砂丘くらいかな。だから楽しみです。

 あとは平原に寝そべっての星空かな。これは前回も経験した。星空はどこでも見えるものではない。灯りがあるところは駄目です。だから日本の山の上とかでも見れる。しかしなんて言うのか「地平線がある平原」で見る星空は本当に綺麗だし、空気も先進国よりも澄んでいる。もし南から塵が北上してきていないなら。

 前回はモンゴル馬に乗って草原を駆けたのも楽しかったが、今回はどうでしょうか。前半の2泊のゲルが砂漠系で、後半のゲルの2泊が草原系だそうです。うーん、四日もゲルで過ごすというのは、はっきり言ってチャレンジングです。

 前回のモンゴルの旅の時とメンバーはかなり変わりますが、基本的には「僻地旅行団」なので、まあ珍道中でしょうが楽しめるのではないでしょうか。今週の火曜日に顔合わせがあって、一応の情報はゲット。

 気温は5度から30度と。ははは、結構激しい。朝方や夜間に寒く、昼間はとっても暑いと言うことです。うーん、8年前よりは写真の腕は上がっているかも知れない。良い写真を撮る楽しみもあります。


2015年07月10日(金曜日)

 (10:05)ギリシャのチプラス政権が最終期限(日本時間の午前7時)の2時間ほど前にEUに提出した財政再建案に関しては、なかなか中味が伝わらない。それが一番重要なんですが。

 しかしBBCのサイトが「ギリシャのメディアの報道」として、”中味”に関して次のような報道をしている。こうした内容ではないか、という。

  1. tax rise on shipping companies and scrapping tax discounts for islands
  2. unifying VAT rates at standard 23%, including restaurants and catering
  3. phasing out solidarity grant for pensioners by 2019
  4. 300m euro ($332m) defence spending cuts by 2016
 結構厳しいですね。離島に対する税優遇は大きな論点だったのに「撤廃」と。レストランに対する優遇はなく、VATは一律23%。2019年までの「solidarity grant for pensioners」は、年金生活者にとってはきついでしょう。

 つまりこれが本当だとすると、「じゃ、何のために国民投票したのか」ということになる。EUの最初の案よりもむしろ厳しい、という見方もある。これはギリシャ議会の強硬派にとっては、「チプラスに欺された」と思う連中もいる筈です。はたして彼が連立を維持できるのか。ギリシャ議会の議決は金曜日中です。

 でもチプラスはEUに「これが最後だよ」と言われて案を提出し、ギリシャ経済は実際にメルトダウンの道をまっしぐら。ということは、もう「政治的駆け引きの余地」は少なくなっていると言うことです。

 いずれにせよ、当面の最終決定が出るのは日曜日、12日です。日本時間では13日の早朝でしょうか。


2015年07月09日(木曜日)

 (23:05)中国の上海市場の株(指数)はやっと6%弱反発。しかし特徴は「人為的、強制的なそれ」。だってたいした理由がないのに上場企業の約半分の企業が自ら「自社株の取引停止」を要請した中での....。ありえない。これらの株が取引を再開するときは何が起きるのか....?

 今日備忘のために残したいと思っているのは、中央宣伝部の通達。

  1. 株価の上昇と下落を冷静、客観的に報道する
  2. 投資家が理性的に株式相場の動向を予想できるよう世論を誘導する
  3. 株式相場と政治を関連づけて報道しない
  4. 権威ある部門の専門家のコメントを掲載する
 と国内の報道機関に求めたらしい。「冷静、客観的に報道する」って、アナウンサーは表情を変えるなって事ですかね。声も変えるな、と。「理性的に株式相場の動向を予想できるよう世論を誘導」って、「上がりますよ」と冷静に言えって事でしょうか。「権威ある部門の専門家のコメント」って、「国の言いたいことを代弁する専門家」ってことでしょうか。

 でも一番のポイントは「3」でしょうね。「株が下がっているのは、政府の政策が悪いから」と言わせたくないということでしょう。今NHKのBSの10時の番組を見ていたら、「株で数千万円を失った。助けてもらいに来た」という地方の男性が登場。

 自己責任の意識ゼロ。国も個人の株取引の損失にまで責任は持ちきれない。中国政府が一番警戒しているのは、「株安を発火点とする社会不安」でしょう。もっとも、中国ではこれまで人民日報や新華社など国有メディアが株式相場の上昇を推進するような記事を掲載してきた。

 だから「助けてもらいに来た」という庶民の感情も理解できないではない。個人投資家はメディアが報じる政府の株高政策を信頼した面がある。だから株式投資を拡大した。しかし「株が落ちたことと政府とは関係ない」と政府は立場を変えた。

 今日は反発しましたが、まだ株価の水準は出発点からは相当高い。まだまだいろいろありそうですね。機関投資家もいないから、個人を動かすしかないが、彼等の気持ちの中には「恐怖」が根付いた。


2015年07月09日(木曜日)

 (10:05)ま、ギリシャも中国も徐々に決着に接近しているんでしょうね。むろん「当面の」ということですが。どちらのニュースにも飽きてきた。ギリシャはまたまた日曜日に方向性が決まる。だって決めなきゃ、ギリシャの市民生活は既に大混乱。方向を出さないと、あの国はもたない。

 中国も2000前後(上海総合)からスタートした株価ですから、今日結構下がれば高値(5200弱かな)に比べて半値が結構近づき、その下は8掛け。一般的にはその下もあるのですが、まあ一応の水準になる。

 それにしても、中国政府の慌てぶりはこちらが驚くほど。本来は中国人民の持つ資産の5%ほどしか株式市場に入っていないのですから、それほど心配しなくて良いはずですが、政府は不動産市場の低迷の代替(富創造装置)に使っていた面があった。だから慌てた。地方政府も困った。

 今朝の日経は結構読み場所があるのですが、「中国株 いびつな市場」の中には「過去3ヶ月に口座を新規開設した個人のうち、約7割は高等教育を受けていないとの調査もある」と書いてある。そうなんでしょうね。

 しかし「極端な右向け右」の社会を作ったのは中国政府ですからね。政治では中国人民は「右向け右」を余儀なくされている。だったら、経済やマーケットでも「右向け右が正解なんだろう」と中国の人々は考える。しかしマーケットは私的な表現をすれば「へそ曲がり」です。

 ギリシャ問題を巡る9面の「ニュース解剖」には、あまり新規な情報はない。しかしこれまでの経緯を知るには良くまとまっている。全部読みました。それよりも「これは賛成できるな」と思ったのは坂村さんが書いている「経済教室」かな。

 そうなんですよ。IOTで日本は先行しているんですよ。ドイツの4.0もアメリカのインダストリアル・インターネット・コンソーシアムにも「新味」はそれほどない、と。私も賛成です。

 しかし坂村さんはドイツ、アメリカのバージョンの「開放性」、いやすくなくとも「開放しようという熱意」に注目する。日本のそれは「トヨタならトヨタ系列」なので、どちらかと言えば「開放性」に欠ける。

 坂村さんの指摘で大事なのは、最後の方にある「しかし、境界が不明確だからこそ、オープンなシステムはベストエフォートで社会のイノベーションに大きな力は発揮する。」からの文章です。

 そういう意味では、今日は日経はちょっと読み応えのある記事が多い。


2015年07月08日(水曜日)

 (18:05)それにしてもチョデカですよ。豊洲の新しいマーケット。正直、全部埋まらないだろうな、と思いました。

 久しぶりに雨も降っていなかったし、「ちょっと遠出」と思って朝は築地方面を目指して動いたのです。でも築地市場に行ったら、「今日は休み」と看板が。「最近は水曜日に良く休むな」と思いながら、「じゃ、しょうがないから晴海通りを直進するか」と勝鬨橋を通過し、晴海大橋を渡った。この橋が高くて結構大きい。

市場駅から右手のお魚マーケット  通過して、「あれ、もう豊洲だから新市場でも見学するか」と思って、右折。市場駅に向かったら、出てきました、出てきました。まず左手に青果扱いの大きな建物があって、さらに行くと今度は右手と左手に魚を扱う卸・仲買いの大きなビルが二つ。つまり三つの大きなビルで、今の一括りの築地市場ビルを代替する形。

 だって今のマーケットの主なエリアは一階だけですが、新市場はどちらも4階建てくらい。どうやって使うのか。魚のマーケットの二つのビルの真ん中は道路が通っている。台場から豊洲に抜ける幅の広い道路です。

 なので、魚市場の二つのビルの間は道路がかなり高く elevated されている。下を例のせわしく動く車やトラックが通れるように道路の下に空間を作っているのだと思います。それにしても、目の子、今のマーケットの5倍くらいの面積がありそう。新市場は。

別角度からのレインボーも綺麗でした  詳しくは見ていないのですが、いくつかの業者が「入る、入らない」で揉めているような。そりゃ揉めるだろうなと思いました。だってあそこは集客力があるのかどうか。今は台場も豊洲も結構な商業地になっている。その中間にあのばかでかいビルが出来て、そこが築地市場の代替となる。確かにマーケットが来るので面白いかも知れないが、どうなんだろう。だって築地の場外は残るんでしょう。

 思ったのですが、今は言ってみれば魚の流通も「分散処理」でしょう。かなりのスーパーや料亭は漁船と直取引です。築地などの市場を通さない。どちらかと言えば、築地に頼っているのは都内や周辺の小型店です。

 だから私の考えでは、「小ぶりで効率の良い市場」が良かったはずです。だから、なんであんなに大きな中央集権的な市場にするのか、と思う。ま、出来た当初は凄い人出だと思う。しかし問題は「その後」ですかね。

 たしか「6番街区」の右側の市場予定ビルを通過すると、もう右手にレインボーブリッジが見える。角度的には初めて見る景色です。いつもレインボーから高速を降りてフジテレビに向かうときなど、「左手に何か建設中の建物が見えるな」と思っていたのが、「新市場」だったわけです。あと大和ハウス(?)さんの建物も建設中だったような。

 「ついでだからレインボーも歩いて渡ってやれ」と思ったら、「人が通れるのは午前9時からです」と。その時はまだ午前8時前だったので、「この次」と。でもまあ今日は収穫があった。

 なぜ晴海通りが月島三丁目で左に直角に曲がっているのか。昔はその先がなかったと知りました。おまわりさんから。しかし今はまだずっと先に道路が延びている。それが「有明通り」。都内で突然道路の名前が変わるのは結構ある。「靖国通り」は確か突然「京葉道路」になったような。

 それにしても、都心も工事三昧の東京ですが、台場と豊洲を結ぶラインの工事の凄まじいこと。車で通過するとあんまり実感がない。しかし歩きながらや走りながら見ると、ビックリ。


2015年07月07日(火曜日)

 (11:05)そうか先週の火曜日のちょうど今頃か。あの事件が起きたのは。私の印象かも知れませんが、新大阪の新幹線ホームの駅員さん達は数がちょっと多く、顔がやや緊張しているように見えた。

 例のアナウンスメント、「新幹線への危険物の持ち込みは禁止されております。不審なもの.....駅員まで」は基本変わらない。ちょっと長くなったのかな。何かの文章が入った。しかし駅ホームでも新幹線の中でもアナウンスメントの回数が著しく増えている。

 ちょうど一週間後の同じ日に何かあってはいけないということもあるだろうし。でも印象だとこの一週間は新幹線は警戒態勢だったのでは、と思う。今後は各コンパートメントにカメラを据え付けるそうな。

 通りかかったCAさんに、「カメラはどこに付けるの」と聞いたら、「まだ詳しいことは....」と。あとで車掌さんが来て、「昨日社長が発表しただけですので、僕らも全く知らないんです....」と。そりゃそうか。

 それにしても、東京でも大阪でもこの数日間に「晴れ間」を見た記憶がない。よく降るものです。タイのように早魃で地下水を汲み上げすぎて地表が陥没する、といったことになるよりは良いし、緑も育つ。しかしちょっと贅沢を言わせてもらえれば、「切れ間」が欲しい。

 関西にも「雨の日はここに行けば良い」という場所はいくつかある。最近それで行ったのは大原と銀閣かな。銀閣の苔はまた見たい。そう言えば今朝は小雨の中毛馬行ったのですが、「雨の淀川」もなかなか良かった。ま、今日は諸々予定があって遠出は出来ず、今は新幹線移動中ですが。


2015年07月06日(月曜日)

 (12:05)女子のワールドカップは、日本に勝ちたい一心だったアメリカの作戦勝ちかな。日本は高さを警戒したシフトを引き、上を見ていた。その時に、アメリカはコーナーやフリーキックを強く低く転がした。日本はそれに対応出来なかった。大きなスペースが空いていましたから。

 むろん岩清水のクリアミスも痛い。しかし日本はそれ以前に選択肢を狭めてしまっていた。「セットプレーでの低く速いキック」を全く予想していなかったように思う。アメリカはそこへ、「素早く動ける選手」を動かした。

 ロイドです。彼女と監督のインタビューが面白かった。監督はロイドを「野獣」と呼んでいるそうな。確かに彼女には「獲物を狙う野獣の趣」がある。決勝戦で一気にハットをして得点王、そしてMVPなんて選手は今までいなかったのでは。

 前回の大会でワンバックの悔しさは日本にも盛んに伝えられてきていた。しかし「ロイドの悔しさ」を取り上げた番組はなかったように思う。ところが彼女は今回の試合後インタビューで、「本当に勝ちたかった」「前回悔しかったから」と何回も言っていた。悔しかったんでしょう。

 今回の大会はワンバックでも、モーガンでも、ラピノでも、そしてソロの大会でもなかった。明らかに監督が「野獣」と呼ぶカーニー・ロイドの大会だった

 でも2−4になったときには、「おや、もしかしたら」と一瞬思った。だって2点差をサッカーでは結構面白い。が、その後アメリカにホリデーのもう一点が入って「THE END」だな、と。ま、組み合わせの妙もあって決勝にまで残れたのだから良かったとも言える。

 しかしアメリカの下からの攻撃をチームとして考えていたのかどうか。しばらく時間がたってから、監督などに聞いてみたい。日本のチームの弱点はずっと「高さ」だと言われてきて、それ故に頭が上の方角に行っていなかったか。


2015年07月06日(月曜日)

 (07:05)そうか、EUが緊急サミットを開くのは日本の七夕の7月7日か。一日以上先になる。その間のギリシャは混乱状態でしょうね。銀行は開かず、商店も。

 サミットは開かれても「何が決まるのか」は分からない。ギリシャに国内政治があるのと同様に、EU各国にも国内政治がある。当然だが、EU側はギリシャ国民が自分達の求めた「緊縮策」に対して明確に出した「NO」には困惑している。とても「直ちに交渉」という空気にはない。国民も許さない。

 難しい立場に立ったのがECBだ。「YES」だったら「ギリシャに対する流動性の付与」を続ける理由を見つける事はなんとか出来た。しかし結果が「NO」なので、ギリシャ中銀を通じて同国の銀行に付与していた流動性を止めざるを得ない。

 しかしギリシャの銀行にはキャッシュが払底。「火曜日の夕方までの分しかない」(10億ユーロ程度 ギリシャ国民があらゆる手段を通じて引き出したため)と言われる。現金供給が止まれば、ギリシャ経済は停止状態に追い込まれる。それはギリシャをユーロ離脱に追い込んでしまう近道だ。ユーロに変わる通貨のようなものを出さざるを得ない事態もありうるからだ。それが新通貨 ?

 ECBは恐らく欧州市場が開く日本時間の今日午後までに電話会議で「今後の対処方針」を決めることになる。ECBは既にギリシャへ資金供給に上限を設けており、その上限に供給額が接近していると言われる。

 直近のニュースによれば、ECBは「月曜日についてはギリシャに対する流動性付与は今まで通り続ける」との方針のようだ。そしてEUの緊急サミットを待つ。しかしそれまでギリシャの銀行が再開されることはないだろう。

 つまりギリシャ経済は混乱したままだし、EU側との交渉がまとまらなければ「商店の閉鎖」「従業員への給与未払い」など経済活動の混乱が拡大するのは確実だ。一方、フランス大統領府は5日夕にオランド大統領とメルケル独首相が6日夜にパリで会談すると発表した。この場で大枠が決まると思われる。そして七夕EUサミットだ。

  ギリシャの国民投票日を前にした日本や世界での報道では、「YES票が増えている」という観測が強かった。多分それはアテネでの感触を伝え、かつ「まさかギリシャ国民がそんな選択はしないだろう」との楽観的・希望的、そして常識的な観測を背景としたものだったと思われる。

 しかしギリシャの地方においては「5年間の緊縮政策で得たものは何もない」「EUが提供した巨額の資金は、ほぼすべて独仏の銀行に回っただけ」「ギリシャ国民の生活は良くならなかった」という意見が強かったと言われる。

 多分観光客も行かないギリシャの地方は疲弊しきっていたと思われる。「失うものが何もない」状況では、「NOを投じて何かを変えたい」というギリシャ人が多かったと思われる。

 最終的にギリシャ国民が選んだのは「NO」だった。それは全投票者の6割を超えた。チプラスは

 「ギリシャ人は偉大な選択をした」
 「EUとの交渉を続ける用意がある」
 「我々の使命は、欧州と対決することではない」

 との声明を出した。バルファキス財務相は「“NO”は欧州の民主主義に対する大きな“YES”だ。全ての関係国が直ちにテーブルに着き、“共通基盤”を探すべきだ」と述べている。同財務相は国民投票前に、「NOの結果なら24時間以内にEU側との交渉が始まる。合意は成立する」と根拠なき楽観論を述べていた。

 しかしそんなに事はうまく運ばない。またまた動揺の一週間の始まりだ。上海の株もどうなることやら。


2015年07月05日(日曜日)

 (23:05)そうか。明日朝は忙しいんだ。ギリシャの国民投票結果が出て、その後は「なでしこ」のワールドカップ決勝戦がある。対アメリカ。きっと良い試合になると思うが、流れの中で点が取れるように。そして勝ってくれれば....と思っています。

 それにしても、雨・雨・雨の週末。何か人々の活動意欲も低下したのではないか、と思うような週末でした。なぜならいつもだったら人出が多い都内の商業地区も、人がとっても少なかった。これは夕方の事。

 朝もちょっと体を動かしに出たのですが、どこにも人影はまばら。今日は雨だったので明治神宮の菖蒲園を見に行こうと思っていったのですが、以前は「8時開園」だったのに、いつからか「9時開園」になっていた。結局時間が合わず、でした。

 明治神宮に意図的に回数多く行っているのは、「大鷹」と「たぬき」に出会いたいと思っているのです。だって東京の真ん中で「大鷹」、そして「たぬき」に会えたらナイスでしょう。出来たら写真も。しかしなかなか出てきてくれない。

 それにしても、一度「双方で協力し合う」と決めたのに最後までああだこうだともめる。ユネスコでの「明治の産業革命遺産の世界文化遺産への登録問題」での韓国の姿勢は理解不能です。故に4日の予定が一日延びて5日に登録決定となった。

 「登録決定」となっても、その後も多くの観光客に来て貰えるかどうかは努力次第。日本で19件目ですか。”人気”という点では格差が広がるような気がする。

 まだ日本への影響はないのですが、同時に3個の台風が太平洋上に。当分雨が続きそうです。


2015年07月04日(土曜日)

 (23:05)ほう、出来上がってきました。開けてビックリ。結構うまく出来ている。

私の初めての陶芸作品  熱い釜で長い時間焼いたからでしょうか。サラの上半分くらいの表面に少し赤くなった部分があって、それが「私は高熱で焼かれました」という証拠のように存在感を示している。「作品のざらつきが気になる方は、附属の耐水の紙やすりで水を流しながら軽くこすって下さい」とあるが、私は気にならないな。

 作業をしたのは、「伝統工芸村 ゆのくにの森」の一角にあった「九谷焼の館」。北陸は加賀でした。ですから、出来上がった私のお皿も一応「九谷焼」ということになります。

 「体験作品は通常の食器と同じように御使用可能です。」とわざわざ書いてある。そりゃそうでしょう。使えなければ意味がない。でもちょっと不安ですね。どのくらい耐久性があるかなど。

 今でも回したときの手先使いの加減などを思い出しますね。「落ち着いて、ゆっくりと、そしてあまり強く力を加えずに....切れてしまいます」とか言われた。でも時間がたってこうやって出来てくると、なかなか良い。

 本も書き上げてから出来上がるまで相当時間がかかるが、焼き物は一回釜に入ったらもうどうしようもない。本は「あそこをこうすれば良かった」「今から手を入れられるか」とか考えるのですが、それはない。ただ待つだけです。

 ははは、面白かった。また機会があったらやりたい。


2015年07月04日(土曜日)

 (15:05)日経の最終面「文化」に面白い話が載っている。「なるか 天守復活 木造で 江戸城など大型の三つ」と。

江戸城にも天守閣が出来たら  皇居の東御苑に入ってみたり、北詰橋周辺の歩道橋の上に立つと、江戸城の天守台にお目にかかれる。実に綺麗な石垣です。色も良い。その度に「ここに天守閣が建っていたらどうだろう」と思うのです。確かに木造で出来たらとっても面白い。

 この記事によれば、歴史的に見てもやはり江戸城の今の天守台は極めて大きい。高さ11メートル、東西41メートル、南北45メートル。しかもあの辺は江戸城の中でも高い場所にある。だから、とっても目立つと思う。

 統計は別にして、見た目にもでかいんですよ。しかしそこには天守閣はないので、「それが再現されたらどのくらいの大きさになるのか」は、想像の範囲を出ない。今計画されている天守閣は45メートルだそうだ。つまりてっぺんは地面から高さ56メートルの高さになる、ということです。

 これは凄いでしょう。この記事によれば、現存している日本最大の姫路城天守は、石垣を除いた高さが32メートルというのです。高く見えるのに。鉄筋で作った大阪城でも38メートルと。その大阪城で天守閣に近づくと、「これは大きい....」と思う。江戸城の天守閣はそれよりも遙かに高くなる。

ところで、松本城の石垣の積み方はとってもユニークです。多分大きな石がなかったんでしょうね。日本の西のように。大きいの小さいのをうまく組み合わせている  45メートルの木造での天守閣を作ろうというのですから、確かにお金もかかる。なにせあの江戸幕府が「大火の後は街作りが優先」と天守閣の再建を諦めたくらいですから。それが1600年代の後半。それから江戸城には天守閣がずっとない。

 天守閣を作らずに街作りに江戸幕府が尽力したのは賢明だと思う。とにかく天守閣というのは作って30年とか40年で火事で焼け落ちるケースが多い。例外は先日行った松本城など4〜5カ所だけです。それらは国宝になっている。

 江戸城の天守閣を木造で作るとなると、「いかに火災から守るか」がとっても重要になってきます。今の技術だと、相当高いレベルが実現できそうですが、危険性は残る。その辺もどう考えるべきだ。

 実は私は「天守閣がない江戸城」が好きです。江戸時代の知恵の結晶のような気がする。だからこの記事は気になるのですが、「まだまだ天守閣なし」でいいのでは。まだまだ日本には古い天守閣が残っている。


2015年07月03日(金曜日)

 (23:05)所用があって夜ちょっと車を動かしたのですが、それはそれは凄まじい雨でした。今NHKが「千葉県 竜巻など突風の恐れ」とか警報を伝えていますが、「確かにこれはきつい」と思える天候です。

 予報を見ると、今後1週間ほど厳しい天候が続きそう。台風もいくつか来そうな雰囲気。せっかくこの一両日は「梅雨らしい梅雨」と思っていたのですが、早くも荒れ模様。気を付けないと。

 それにしても上海の株式市場が下げ止まらない。もう高値からは25%近く下げた。ただし2014年の前半の安定水準から見れば2倍弱の水準。つまり駆け上がって、それより速く駆け下りている形。理の当然でしょうが、上げ局面では借金までして市場に参加した中国の投資家が多いと思われる。

 とすれば、既に社会の軋みはかなり鮮明に出てきている筈です。ま、来週でしょうね。それで下げ止まらなければ、投資家の間の共産党に対する信頼感はかなり低下する筈です。

 アメリカは今日はお休み。特例で昨日発表された6月の雇用統計は、良さそうで悪い。既に「米利上げ、先送り観測」が出ている。なぜか。

 Last month wages didn’t budge and the labor force shrank by more than 400,000 workers. The labor force participation rate ― the share of people holding down jobs or seeking them ― fell to 62.6 percent, the lowest point since 1977. Though some of that decline is tied to the retirement of baby boomers, prime-age individuals ― between 25 and 54 years old ― are also increasingly dropping out of the workforce. The prime age participation rate now stands at 80.8 percent, compared with 83.1 percent seven years ago.
 つまり中味が良くないと言うことです。「Wage growth in June was totally flat. The average worker made $24.95 per hour, same as in May. For the year, wages have increased 2 percent, roughly in line with the average during the course of the recovery.」。

 ギリシャは大きな問題ですが、中国もアメリカも良く分からない状況がある。


2015年07月02日(木曜日)

 (01:05)二転三転 4転5転。まあよく疲れもせずいろいろ言うもんだ、と。これじゃ欧州の老政治家達も、「疲れっちまうぜ !」 と思っているのではないか、という展開。

 学生運動の時代から闘士だったそうで、「熱いけど、頭は常に冷静」だったそうな。今の彼の動きを見ると、「その時代から彼はこうだったのかもしれない」と思う。相手を熱く非難し、しかし冷静に考えているので「どうしたら自分が有利になるか」を考えている。

 しかし一番難しい、理解し難いのは、「一体彼が何を考えているのか」です。ギリシャをEUから脱退させたいのか、それとも残したいのか。いやそんなことには興味もなくて、「自分の政治的成功」が全ての判断基準なのか、それともギリシャに関して”理想”があり、それを実現する筋書きを描いているのか ?

 だって、今の産業のないギリシャでは北の欧州並の豊かな生活、それ持続は無理でしょう。だとしたら、「北のドイツなどは、たかだか1000万人ちょっとのギリシャを支え続けるべきだ」と考えているのか。ギリシャの首相、チプラスのことです。

 彼がトロイカ(IMF、EU、ECB)のトップ3人に2枚程度の手紙を送り、「融資再開を求めて新たな譲歩」と伝わって海外の株式市場は急騰。しかしその後は尻つぼみに。中味に関してワシントン・ポストは大枠の指摘として、「The proposal made some changes to E.U. demands. But he left in place most of the added belt-tightening provisions he once scorned, including cutting pensions, raising taxes and forcing deep reforms to the way Greece’s economy is organized.」と。

 つまり年金カット、増税、経済の構造改革などのEU側の緊縮策に賛意を表することなく、つまり触れずに、「some changes to E.U. demands」(EUの要求に対する若干の変更)を行っているそうな。ではその「若干」とは何か。ウォール・ストリート・ジャーナルが詳しい。

 Mr. Tsipras says Athens will accept the reforms of Greece’s sales tax with the exception of a special 30% discount for Greek islands, many of which are in remote and difficult-to-supply regions, which he insisted be maintained.

In the letter, whose existence was first reported by the Financial Times, Mr. Tsipras also requests a move of the retirement age to 67 by 2022 to begin in October, rather than immediately, and that a supplementary payment to the poorest pensioners be phased out more slowly.

 つまりVATの引き上げは飲む。しかし離島対策(30%割安)は維持する。あとは2022年までに退職年齢(年金受給開始年齢?)を67才に引き上げることを10月から始める。最低年金生活者に対する補完的給付をEU側の要求よりゆっくりと撤廃する、など。

 要するに「小出し」にして、EU側に「交渉への誘い」をしているわけです。「ギリシャはもう大変なことになっているし、我々の後ろにはロシアや中国もいるし、アメリカも心配しているでしょう....」とEU側を牽制。マーケットは「動きがあった」とばかりにDAXもダウも大きく上げた。しかし....中味が割れると「なんだ」となった。

 そりゃそうで、この程度でEU側が満足するはずがない。ましてギリシャはIMFの言う「遅延状態」(実質的なデフォルト状態)であり、先進国で初めてIMFへの返済が遅れた。そして5日に国民投票を予定していて、その投票欄を見ると「EUの要求を入れるのか」の問いに対して、最初に「ノー」の欄がある。「イエス」は下だ。

 だからドイツのショイブレ蔵相は、「Germany’s Finance Minister Wolfgang Schaeuble said the latest Greek letter “did not provide further clarity” in the impasse and was “no basis” to resume serious negotiations before the referendum.(もっとはっきりしてもらわないと、ようわからん。交渉のベースではない)」と述べている。

 同蔵相がチプラスに怒っているのは次の文相から読める。「“This government has done nothing since it came into office,” Schaeuble said in a speech in the lower house of Parliament. “It has only reversed measures. It reneged on previously agreed commitments. It negotiated and negotiated. We don’t know if the Greek government is going to hold a referendum or not, whether it is for or against it.”」と。まあ当たっている。議会での発言であるにしても、彼がチプラスをどう見ているかが明らかだ。

 おまけにずうずうしいのは新たに320億ユーロの支援と、既に増大したギリシャの債務に関して救済を求めている点。「これからどうしたらギリシャ経済を強いものにしようとしているのか」といった話はとんと聞こえてこない。

 終わりなき戦いのギリシャ危機。ま、マーケットは二流材料と見なし始めている兆候がある。それは良いことだ。しかし、ギリシャはそうは言っても地政学的に重要な位置にある。かつギリシャはEU、またはユーロというシステムの一環を形成する。

 チプラスは国民投票での「ノー」を、と言っている。マスコミも「イエスなら彼は辞任」と。本当にそうだろうか。もしかして彼は選挙そのものをしたくなくなっているのでは.....と考えてしまう展開だ。しかし明らかなのは、北の欧州は、チプラス以上の冷静さで彼の動きを読んでいる、読もうとしているということだ。


2015年07月01日(水曜日)

 (10:05)昨日寝る前に見たNHKの新日本風土記「皇居界隈」は面白かったな。頻度的には一番私も行く場所なので。

東京の夜景も綺麗です。空気が澄んでいれば  かつ昨日は珍しく、というか全く初めて夜に軽く一周だけしたので。月曜日からずっと忙しくて体がなまったと思ったし、「夜も面白いかも」と思って。やはり朝とは異なる。気づいたことは

  1. 朝に比べて女性のランナー割合が高いと思う。多分仕事終わりで走っている女性が多いからだと思う。朝は走ると、その後女性はいろいろ準備が大変ではないのかな。夜は思いっきり動ける 
  2. 夜は走るコースが限られる。例えば代官町の上のトレイルが出来るところも、夜はちょっと危険だし、道のでこぼこもよく見えない
  3. しかし空気が澄んでいると、東京の夜景も素晴らしいと再発見
 など。でも昨日は涼しかった故に、気持ちは良かった。「皇居界隈」では、この番組としては珍しくいつも声を入れている女性アナウンサーが番組に登場して、彼女が皇居周りを歩くという形式。

 そう言えば村上開新堂のお菓子を最近食べてないな、と思ったらその理由が分かりました。あれじゃあまり食べられない。虎屋は京都から来たが、村上開新堂は「国策で開業に至った」とは知りませんでした。あの紙屋さんも初めて知った。

 行き慣れたところでも、改めて知ると面白い。



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