2015年06月30日(火曜日)

 (15:05)午後2時過ぎに上下線とも運転再開ですか。いつもお世話になっている新幹線なので、「再開」と聞くとほっとする。社内で男が油をまいて火を付けた模様と。「新幹線事故」というより、「新幹線上の事故」というのが正しいと思う。

 事故が起きたのが午前11時半ごろ。午後2時過ぎまで、上下線とも止まったと。いつものペースだと、私もどこかで足止めということだったと思いますが、今日は早めに午前8時に新幹線で新大阪を出て、午前10時半には東京に着いていた。

 昼飯の約束があり、その後ギリシャ問題でテレビ出演の予定もあったため。しかしこの新幹線事故で「ギリシャ問題は飛びました」と直前にテレビ局から電話。「あらら」と思っていたら、「まことにすみませんので、ギャラは....」と。出演せずに貰えるとは。初めてかな。ははは。

 今日の東京の株は600円下げた月曜日の後なので、小幅高(125.78円)。朝方5%近く続落していた上海のマーケットもどうやらこの文章を書いている時点では小幅高で小康状態。中国が上がれば東京も上がる。

 今週四国の内藤さんが、「東京の株は欧州、ニューヨークというよりは、今は上海など中国の株との連動性が強いですよ」とメールをくれた。確かに。しかし本格的な反騰というのには遠い。

 昼飯では中国の話にもなって、メチャ面白かった。あの国らしいエピソードが山ほど。上海の株価も裏表が多い中国経済をそのまま反映するかのように、上げたり下げたりと激しい。

 ま、ギリシャ問題はいろいろ考えているのですが、最悪のケースは「ギリシャの社会的、経済的、そして政治的メルトダウン」でしょうね。それをどう定義するのかは人に違うのでしょう。ただしそれは「最悪のケース」ですが。
 


2015年06月29日(月曜日)

 (22:05)マスコミ的にはギリシャ問題一色ですが、それでもギリシャは国民の数にして1081万人(外務省の公式資料)の国。対して中国は13億人ですから、その国での「株価急落」の方が潜在的リスクはあるように思う。

 「政府のしっかり度」から言えば、そりゃ中国の方がしっかりしている。何かあっても中国共産党とその政府だったら、何か手を打てそう。しかしマーケットという魔物は、時に政府の力を凌駕して時代を動かす。

 「上海総合」(株価指数)で見ると、中国の株は乱高下した後に、月曜日の今日もまたしても3.4%の下落となった。この結果、高値からの下落率はほぼ22%に達して、欧米で言う「弱気市場=ベアマーケット」となった。中国株バブルは崩壊したか、崩壊の寸前。

 中国株の下げがちょっと深刻なのは、今までは効いていた「政府の措置」を市場が無視していること。「政府の措置」というのは、今回の場合は利下げ。この週末に、0.25%の政策金利の下げと預金準備率の引き下げを同時に発表。

 この結果、一年物貸出金利は4.85%となった。昨年の11月以来実に4回目の利下げであり、史上最低。中国当局の慌てぶりが分かる。また中国金融当局は、今回預金準備率の50ベーシスポイントの引き下げも実施した。

 この二つの金融措置は、中国政府の株下落に対する困惑ぶりをよく示している。中国の富裕層を踊らせてきた株価がこのまま急落すれば、ただでさえ弱い中国の消費に打撃となり、各種資本も逃げて、中国経済の成長率が落ちる。目標の7%達成は無理になる。

 「成長すること」「豊かになること」が「統治の正統性」となっている今の共産党にとて、国民から「なんとかせい」と言われかねない問題を抱えたと言える。しかし一方でジレンマもある。

 なぜなら、今回の利下げは「構造改革重視」「マーケットの動きには左右されない」としてきた当局の政策運営姿勢を問うものとなるからだ。あまりにも「株価の下げをきっかけで行った利下げ」ということが鮮明だからだ。

 「金融政策とそれに対する信頼が、企業の業績と同様に中国の株式マーケットにとっては重要」、とされる。しかし、株価の上昇を放置した後にその急落に慌てふためく中国当局の姿勢は、中国政府の意向・政策がかつての神通力を失いつつある事を示しているようにも思う。

 中国は今まで、意図通りに中国経済を動かしてきた。それが終わったかも知れない。それにしても、AIIBはその母国での株価急落の中での設立署名式ですか。縁起は良くない。


2015年06月28日(日曜日)

 (08:05)「出た出た」と思いました。チプラスが「国民投票をやりたい」と言い出したとニュースで見たときです。

 自分を選んでくれた国民には緊縮策の撤回を約束している。しかしトロイカには「緊縮策を続けて財政規律を取り戻す努力を」「それをしなければ援助は続けられない」と迫られていた。しかし公約を破って国民に指弾される道を選びたくはない。

 だからチプラスとしては、EU残留に7割の国民が支持を与えている状況では、「国民が投票で緊縮を選んでくれたらベスト。自分の政治生命も保てる。多分そうなるだろう」と読む可能性が高い、と見ていました。

 確かこの番組で、「そのうちチプラスは国民投票をやるって言い出すかも知れない」と言ったと思うのですが、それは読み筋としてそうなると思ったからです。チプラスは7月5日国民投票を議会に提案。技術的にそんな短期間に国民投票なんて出来るんですかね。

 しかしそれ以前に、EUがそんな案にokを出すはずもない。「今まで交渉してきたのは何なのか」という立場の問題もあるでしょうし、「言葉の戦争」を厭わず、しかし国民を先導できないチプラス政権に対する怒りもある。「国民投票」などという結果予測不能なものにEUの政策を左右されたくもない。

 最新ニュースによればチプラスは、「EUが何と言おうと国民投票はする」と言っている。EUが拒否しているのにその投票をするとなれば、EUとの決裂はかなり「回復不能」なものになる。

 今の状況だと、月曜日のギリシャは「緊迫の朝」を向かえることになる。しかしその前に「ギリシャの債務不履行」「ギリシャのユーロ離脱」などが展望される中で、アジアの市場はオープンする。これは結構スリリングな展開だ。


2015年06月27日(土曜日)

 (06:05)ゴルフ場に向かうにはちょっと早いので、もう一本書いてしまいます。面白い動物を久しぶりに見ましたので。

 金曜日がメチャ忙しくて体を動かせなかったので、「今日はゴルフだけど、その前に...」と思って整えてホテルを出たのです。「何もいないな....」と40分くらい緑を堪能してホテルに戻る道に来たとき。

 最初犬かと思った。しかし体がしぼられているし、首輪がない。「あ、きつねだ」と気がつきました。保養地で自然動物と会えるのはとっても嬉しい。何故か知りませんが、前回蓼科に来たときには鹿の群れを見た。その時は群れを追いかけたり、新たな群れを探しましたからね。

 狐だから小型で、かつ精悍な印象。「ええな」と思って見ても、一定距離以上接近しなければ逃げようとしない。きっとこの辺に住み着いて、人間に慣れているんでしょうね。しかし多くの動物がそうであるように、こちらをちらちら見て警戒はしている。

 実はこれは都内でですが、最近「たぬき」も見たのです。あの顔の丸い。動きがちょっと遅い。しかしこれは見つけた瞬間に物陰に入っていってしまった。今回の「狐」も一度は撮影しのがしたのですが、狐が多分餌探しをしていたんでしょう。戻ってきてくれた。

 うーん、あさっぱらから自然動物を見れたことは得したような気分。彼等は自由気ままに生きているのが良い。


2015年06月27日(土曜日)

 (05:05)高校の同級生とのゴルフ大会・夜の親睦会があって、昨夜から蓼科に。さすがに温度がぐぐっと下がって、今は16度くらい。雨を心配していたのですが、どうやらかなり改善の方向のようです。

 ところで、「テロとかが起きているな」と思いながら夜寝たのですが、起きたら「Attacks in France, Tunisia and Kuwait Revive Concerns on Security   World leaders facing challenge of violence carried out by small groups」とウォール・ストリート・ジャーナル。同時多発だったのですね。狙われた三カ所はフランス、クウェート、それにチュニジア。

 フランスではリヨン近郊のサンカンタン・ファラビエのガス工場が狙われ、従業員一人の首が切り落とされているのが発見されたという。ISが良く用いる手法だ。チュニジアでは代ローマ時代の遺跡があり、欧州などから観光客を集めるリゾート地スースが狙われた。

 男が海からボートで上陸し、観光客らに向けて銃を乱射した、とされる。死者は27人とも28人とも伝えられている。チュニジアは以前首都チュニスの国立博物館が襲撃され、日本人3人を含む外国人観光客21人と警官1人が死亡している。同国の最大の産業である観光業に打撃を与え、社会情勢を不安定化させて自分達(IS)に有利な状況を作り出そうとしていると見られる。

 もう一カ所はクウェート。モスクが襲撃されて25人が死亡したとの報道がある。これもISの同調者の仕業との見方がある。これだけタイミングが合うというのは、「合わせた」ということでしょう。ISの国家樹立宣言から一年が近いので、と報じている新聞社もある。

 最近でもイギリスから3人の若者がシリアに入ったとかのニュースがあったような気がしたが、同調者が絶えないのがこのグループの問題点です。以前テレビで言ったことがあるのですが、「ISはエボラ出血熱の要素を持つ」と思っています。構成員を得ては、それは自爆テロなどに使う。

 エボラも取りかかった患者の5割を殺してしまう。「だから大パンデミックには発展しない」と考えたのです。実際にエボラは繰り返し登場するが、世界全体を脅かすような状況にはならない。世界の一部にとっての脅威です。

 ISもそうで、勢力を広めたり、弱めたり。しかしはるかにエボラよりもセンセーショナルな事件を引き起こし、それをまた手がかりに人を集めている。様々な理由で世界の中で不安定な地域が増えるのは、彼等の活動領域を広めるのを助けてしまう。

 チュニジア、イエメンなどなど、特に中東の不安定化が心配です。


2015年06月26日(金曜日)

 (05:05)昨日は午後5時から矢来町の新潮社で2時間ほど次に出す本の最終的な打ち合わせを。いろいろ事情があってかなり遅れていたのですが、「来年春までには出す」という方向で合意。

 内容については、「私らしい本」とだけお伝えしておきます。「また料理屋さんに関する本か ?」と思われるかも知れませんが、そうではないんじゃないかな。ははは。

 本に関してはまだ「ちょっと進んだ構想」の段階ですが、他の大手出版社とも話があって、それは徐々に文章が書き貯まっている状態。あとテレビ番組などあり、大阪に毎週通い始めてから近く10年になるので、「大阪・関西に関する本も出せたら面白いな」と思っています。毎週取材に行っていたようなものなので。やはり東京と大阪、広く言えば関西は比較するに値する。

神楽坂 kemuri の炉  ところで打ち合わせの後は新潮社の方々と「神楽坂の江戸前炭火焼 kemuri」に行って世間話をしたのですが、この店は結構面白かった。

 「燻」「炙」など、素材に火や煙を通す料理屋さんは増えているのですが、「kemuri」が店名とは。「なかなかやるじゃないか」と。店内は、でも煙たくないですよ。で、結構素材も面白くて良かった。

 神楽坂のちょっと入り組んだ場所にある。終わって私は飯田橋まで下りを歩きましたから、行くときは坂を上がって「どこかで左に曲がり....」ってな感じ。まあとで調べれば道は直ぐに分かる、かな。推薦です。発想が面白い。

 一人とっても良く笑う女性の店員の方がいたな。ははは。


2015年06月25日(木曜日)

 (16:05)「そんなの、あり ?」と思ってしまいました。そんなに素早く製品をなきものにするなんて。

 昨日です。夕方まで稲城の近くで運動した後、表参道のナイキの店に。というのは、そこで買って以来右手に付けて自分の運動量を計っていたfuel bandがUSBポートに付けても充電しなくなったので、見てもらおうと行ったのです。

 店に入って気がついたのは、同種製品の製品棚がもうない。「おかしいな」と思ったが、店のどこかにはあるだろうと思った。で、店員の方に聞いたのです。そしたら、「領収書とかあります」と言う。「いや違う、充電できないので直すか、新しいのと取り替えて欲しい」と言ったのです。

 そしたら、「いえ、この製品ですが、既に全く製造しておりません。売り切って、それで終了しました。ですから不具合が生じた場合には返金処理になります」と。ぎょぎょぎょってなものです。

 だってリンク先を見て頂ければ良いのですが、買ったのは去年の11月23日。そんな昔の話ではない。それ以来ずっとターゲットの3000 fuelを達成して、「記録継続」「連勝記録」を楽しんできた。それが「売り切って、製品製造を中止」と。

 そりゃ競合製品はいろいろ出ていますし、アップル・ウォッチも出た。だから「競争環境が悪化した」のは分かる。しかし売り出してあまり時間もたたないのに、「売り切って終わり.....」って、ありですかね。

 じゃ今までの「記録」「レコード」はどうなるんでしょうかね。後継機種に代わったというならまだ分かる。「はい、終わり」と。ちょっと酷いなと思いました。


2015年06月23日(火曜日)

 (23:05)豊橋で降りて目的地に向かっているときに、車の中で『ここは”豊”の時がいやに多い(豊田、豊橋、豊川など)が、これは実際にこの土地が豊かだから付いたのか、それとも「豊かになりたい」からこの字を使っているのか』ということを話題にし、運転手さんを含めて話していたのです。3人で。その時は結論が出なかった。

 しかし岡崎に着いて「ここは寺が非常に多い」という話を聞いて私は、「ああ、前者だったんだ」と思いました。だって尾道もそうですが、寺は江戸時代には商売で富を築いた人が「天国に行きたい」という気持ちを持って作ったケースが多い。寺が多いことは、その土地が栄えていたことの証拠です。

 事実その通りのようです。岡崎は講演で行ったのですが、全国でも有数の高貯蓄地域で、

  1. 今でも人口が増えている
  2. 今でも金融機関が増えている
 といった特徴があるという。近くにはトヨタもあるし、MRJを作っている三菱重工もある。そもそも経済活動の活発な場所です。だから熱かった方々も非常にキーンな関心を持っておられた。400年前に家康も良い場所で生まれたものです。

 目的と関心がはっきりしている場所での講演、というのは楽しい。集まった方々のレスポンスが分かるからです。特に今回特徴的だったのは、ダイヤモンド系のメガバンクの支店からのお声掛かりだったこと。記憶にない。

 私の講演を最近どこかで聴いた方が、「彼は面白い」「ここでも呼ぼう」という話になったらしい。私は役職としては別の金融グループの研究所の名前が付いていますから。でもまあ、そんな時代ではないんでしょうね。

楽しい方でした。お酒は金賞の”家康”  いろいろなところに行くと、いろいろなニーズが分かって興味深い。今日の岡崎のような場所での講演は、こちらとしてもやりがいがある。実際に会社の経営に当たり、日々の商売で難題に直面している方々がいる。

 中でも一番喜んでくれたのが、丸石醸造の深田さんかな。「伊藤さんの話で思いついた」「明日取締役会で直ぐに実行する」と。そこまで言われると嬉しい。

 お酒も料理の邪魔をしない、とっても美味しい一物でした。


2015年06月22日(月曜日)

 (18:05)ららら、驚いた。東京の株が上がったのは、少しは理解できた。ギリシャ側からの新提案もあるようだし、いずれにせよ遠いヨーロッパの話.....と。

 しかし今見たら、ヨーロッパの株価も爆騰。特にドイツのDAXは3.24%、360ポイントも上昇。他のFT指数やCAC指数も1%台の上昇。今見た記事によれば、ギリシャの株価も7%上昇しているという。

 背景にあるのは楽観論です。今朝だったかな。ウォール・ストリート・ジャーナルを見たら「Greece Considers Last-Ditch Proposals to Avoid Collision With Bailout Creditors」(ウォール・ストリート・ジャーナル)という記事があった。つまりギリシャが土壇場の新提案を用意している、と。

 中味については、「with a mixture of eliminating some exemptions in the tax and social-security systems, raising taxes on business profits and middle-class incomes, and cutting some spending」と。この最後の「cutting some pending」の中には、トロイカ側が望むほどではないが、小幅な公的年金の支給額引き下げが入るとの報道もある。

 マーケットは「この新提案でトロイカとギリシャは合意する」と読んでいることになる。アジアの市場ばかりでなく。本家のヨーロッパの市場も。でも本当かな。日本では明日目が覚めれば分かる、ということになる。


2015年06月22日(月曜日)

 (15:05)へえ、今日が日韓の国交回復50周年のその日ですか。安倍首相と朴槿恵大統領が22日夕に東京とソウルで開く記念式典にそれぞれ出席し、祝意を示すという。

 つい最近まで「お互いに出席しない」「出来ない」とか確か言っていたと思うが、事態は急変。良い方向への変化ではありますが、「実質的に何がこの数日間で変わったのか」と言えば、やはり韓国の外交姿勢の変化が大きかったのではないでしょうか。

 韓国の外相が隣国でありながら「4年ぶりに来日」と。欧州の人々の視点からすれば「それ何 ?」という感じだ。だって彼等は場合によっては一週間に2度も会うことが珍しくない。

 日韓の国家間関係は冷えていても、例えば去年の場合は年間で確か235万人ほどの韓国の人々が日本に来ていた。その数字を頭に置けば、「日韓関係はちっとも冷えていなかった」とも言えた。もっとも日本からの訪韓観光客はかなり減っていた。

 それは「韓国の政治家の発言に嫌悪感」を抱いた日本人が多かったからだろう。日本では韓国の製品もほとんど売れない。韓国の人々は「政治は政治、旅は旅」と考えるが、日本人はそうではない。韓国の人々は「買い物も別」と考えている。

 では「日韓の外交・政治がなぜこれほど冷えたのか」と言えば、やはり李明博前大統領の一連の発言・行動が切っ掛けになっていると思う。「日本の力はかつてほどではない」と公言し、支持率が下がると竹島に上陸した。あり得ない行動だった。

 国家間の関係というのは、一人の政治家の発言と行動だけで劇的に変わりはしない。日本の人口が韓国の2倍以上、経済力も技術力も日本が上という事実は今でも変わらない。日本の総体的地位が世界で落ちたことは確かだが、だからといって韓国の地位が劇的に上がったわけではない。国家関係というものの変化は非常にゆっくりしている。

 国家の総体的な力が上であろうと下であろうと、外交関係はお互いに誠意を持って対応するというのが当然だ。しかし韓国の政治家達は一時「日本はたいしたことはない」という間違ったイメージにとらわれすぎた。特に李明博大統領には「日本生まれ」というのが精神的ハンディになっていたのかも知れない。

 しかし、GDPに占める貿易依存度からして(韓国は4割以上)、韓国が日本なしでやっていける背景はなかった。それは幻想に過ぎない。だから日韓関係の復活を何よりも望んだのは韓国の経済界だ。観光業界もそうだ。

 私が見る限り、まず「日本との関係を悪化させてはならない」と主張し始めたのは、直ぐに主張を変える韓国のメディアだった。このところずっと韓国のメディアでは「対日関係を改善しろ」の大合唱だった。MERSを含めて「どう見ても韓国が行き詰まった」ことから、「政府が悪い」とスタンスを変えた。

 恐らく韓国の外相が日本に来たのも、「局面打開」の意図が強かったのだろう。日韓関係が雪解けになっただけで韓国の置かれている環境が劇的に改善するとは思えない。今見たら、米CDC(疾病対策センター)は韓国を渡航警戒地域に指定した。また発熱などの症状が出た渡航者に警戒するよう医療関係者に呼びかけた。韓国にとってのMERS禍は終わっていない。

 それにしても、あれだけ「反対」を叫んでいながら、ちょっと条件を変えただけで「共同登録を目指す」って、と驚きました。どうしたらそんなに劇的に変われるのか、と。最初に見た日経のニュースの見出しは「世界遺産登録、日韓協力で一致」となっていて、日曜日は忙しくてあまりニュースを追っていなかったから、今朝ニュースを見て「は、何が起きているの」と思ってしまった。

 「韓国の横やりで日本の産業遺産が世界遺産になれなければ、日本人の対韓感情は取り返しが付かないほど悪化する」(私もそう思っていた)、との警告を韓国政権も聞かざるを得なかった、ということでしょう。

 MERSやウォン高もあって、今の韓国経済には閑古鳥が鳴いている。つまり韓国の政治家達の感情的な反日政治が、現実に負けたと言うことです。しかしこれだけ劇的に変わる、変われると言うことは、「今後も韓国の外交姿勢は劇的に変わる可能性がある」と言うことでしょう。

 ま、日本は静かに落ち着いて、冷静に国益を考えて対処すれば良い。別に向こうの振幅にいちいち対応することはない。もう一度MERS関連のニュースを見たら「MERS感染者3人増の172人 死者計27人に」と。まだ増えている。

 まずこの状況を乗り切らないと、韓国への国際的評価と韓国経済の再生はない。


2015年06月20日(土曜日)

 (00:05)「ちょっとちょっと」というか、「これが起きたら日本のプロ野球史上初めて ?」と思いました。

 もし仮に明日ジャイアンツが中日に敗れると、「セリーグ全体として貯金のあるチームがいなくなる」という事態。知らないけど、こんなことは日本のプロ野球史上初めての事ではないかな。つまり貯金は表面上すべてパリーグのチームに移る。

 交流戦後の再開プロ野球での最初の金曜日。なんだかしらないが巨人は10回に中日に3点あげられて(見てないが、サイトを見る限り宮國が平田に3ランを浴びている)8対5で負け。その結果、巨人は34勝33敗となっている。つまり一つ負ければ貯金は消える。

 セリーグでは2位のDeNAも負けて、負け越しが二つ。もっと下のチームはもっと借金が多い。ということは、明日ジャイアンツが負けると、他のセリーグチームの成績いかんに関わらず、「セリーグから貯金のあるチームが消える」ということにある。笑える。

 世界を見ると、「貯金が枯渇しつつあるのはギリシャ」らしい。ギリシャの政治家はのんびり新提案もせずにトロイカとの対決を楽しんでいるらしいが、今見たBBSNWESには「Fear grow over Geek banks' health」という記事があって、「今週だけで、ギリシャの銀行からは30億ユーロの預金が流出した」とある。

 預金の急激な流出は、銀行にとっても、または銀行システムにとっても極めて危険な兆候です。それだけ出ていると「一種の取り付け騒ぎ」であり、場合によっては銀行は一気に存立が危険になる。流動性を失うわけで、貸し出しを引き揚げないとバランスを失いますから。しかし貸しはがしをしたら、今度は経済が大打撃を受ける。

 またまた来週月曜日に「緊急サミット」でユーロ圏の首脳達が集まるようです。財務相では埒があかなかったので。その後は25日のEUサミットと繋がる。FTによれば、どうやらECBはギリシャの銀行に対する20億ユーロ弱の緊急融資を行っているらしい。しかし期間は金曜日、月曜日と短い。

 ギリシャは「30億ユーロ強」のECBへの融資を求めたらしい。しかし減額された。金融市場がどう動くかは分かりませんし、「事故」がなければ「予想通り。やっぱギリシャは駄目か」と通過するかも知れない。

 しかし世界の金融システム全体にとって、好ましくない事態が起きていることに変わりはない。


2015年06月19日(金曜日)

 (12:38)昨日かな、ふと思ったのです。「うーん、たまたまなんだけれども、香港の人達と大阪の人達は同じような”ロス感覚”に見舞われているのかも知れない」と思いました。

 何をロスして寂しいか。大阪の場合は「都構想」。何年にもわたって大騒ぎしたが、住民投票で僅差とは言えあっさり否決されて、それを主唱していた人物は表面上は「政界引退」を言っている。大きな争点をロスした。今の大阪には「そして何も残らなかった」感覚がある。

 もう一方の香港。行政長官の選出を今までの方式から民主化する。それはほぼ全員賛成。今までは、住民の一部しか長官を選ぶ選挙委員会委員を決める選挙権限を持っていなかった。選挙権を全住民(選挙権を有する)にするという。それは良い。

 しかし北京の全人代は、住民の選挙権は認めるが、選挙委員会に立候補出来る人を「北京政府寄りに限る」と決めてしまった。確かにそれじゃ、「自由な選挙」とは全く言えない。自由選挙とは「立候補の自由」と「自由な選択」がパッケージだから。

 だから香港の民主派は反対し、議会でも推進側が議席の三分の二を確保出来ずに廃案になったのは当然だし、良かったと思う。しかし北京政府に「方式を変えろ」といっても、多分全く埒があかない。とすると、「従来のまま」が続くことになる。考えようによっては「民主化への一歩前進」を民主派が阻止したような形になった、と考える人も出てくる。

 そこでは直ぐに「立候補も自由に」という運動が必要だが、それは動きそうもない。それはこの立候補者限定の決定を下したのが、北京の政府だから。どうにもこうにもしようもない。香港の人達は民主派を含めて、「自分達の立ち位置」を失い、同時に今後の運動方針も失った。ロス感覚だ。

 大阪は今ちょっと元気がない。善し悪しの問題は別にして、オリンピックを控えた東京とはまた別の意味で、「大阪も動いている」という感覚があった。「府」なのに「都構想をいじっている」という。

 大阪では工事車も動かなくなった。ハルカスが出来上がったら、要するに「大きな工事」がなくなったからだ。対する東京はそこら中で大規模工事が行われていて、当面途切れる予定がない。国立競技場の建設もこれからだ。

 「元気がない」というのは、私の個人的な印象だけではない。たまに大阪のタクシーの運転手さんに嘆かれる。「話題がなくて寂しい」と。それはある意味「都構想ロス」「橋下ロス」でしょう。そうなると分かっていたから、私は「もしかしたら大阪の人達は可決するかも」と思っていた。

 がそうはならなかった。それだけ都構想のメリットが伝わらず、橋下ロスになることが分かっていても、橋下さんを負かすことに大阪の人々は躊躇しなかったということでしょう。

 そういう意味では、香港の方が「民主化そのもの」の拒否ではないので、展開は今後もあり得る。しかし大阪で再び「都構想」的な地域政治ムーブメントが生ずることは当面ないでしょう。

 しかし「日本には二つのヘソが必要」という私の考え方からしても、大阪にはあまり元気を失って欲しくない。人口では大阪はもう神奈川に抜かれた。もっと魅力的な街になってもらわないと。でも「都構想」が頓挫して、大阪は「方向感ロス」になっている。断っておきますが、私は都構想には賛成ではなかった。しかし「ロス感覚」を大阪に感じる人間は私だけではないはずだ。

 香港も、特に民主派には「方向感ロス」が今のところある。勝ったけれども、それが何かの成果になったわけではない。「過去に戻った」だけ。一つの運動には必ず意義がある。しかしそれが「意外なロス感覚」をもたらすこともある。

 二つの大きな、感覚的には似ている大阪と香港という大都市の最近の経験は、それを良く示している。


2015年06月18日(木曜日)

 (05:38)2008年12月から続いているゼロ金利は年内に恐らく解除されるが、年内の利上げは一度か二度(前回の予想では”2回”が多かった)。利上げ開始後の利上げ間隔は空き、ゆっくりしたものになるという「急くマーケット」を牽制し、落ち着かせる内容の声明、イエレン記者会見となりました。

 実際に、2016年と2017年のFOMCメンバーによるFF金利予想水準を見ると、全体的に0.25%下方に修正されている。考えてみれば当然で、雇用統計と小売売上高の好調だけでは今の景気について確信は持てない、ということでしょう。住宅関連は依然として弱いモノが多い。

 今もアメリカのテレビ(CNBC)のコメンテーター達が「(イエレンの記者会見内容は)ハト派的だった」と盛んに言っていますが、投票権がある17人中15人が年内の利上げを予想。ということは2人は年内の利上げを見ていない、ということです。

 政策金利であるFF金利の先行き予想を見ると、先に指摘したとおり全体的に下がっている。これは依然として「米経済の先行きが確かでない」し、その後についても「米経済が利上げにどの程度耐えられるかが分からない」というマーケットと同じ悩みをFOMCのメンバー達も持っているということです。

 私は「9月には一度やるかも知れないが、その場合は12月はやらない」という見方です。しかしこれは良く分からない。「今後の情報次第」で、9月にやらなければ12月の利上げの確率が高まるが、来年前半にあっても1〜2回の利上げという考え方。一回の恐らく利上げの幅は0.25だと思う。

 もっとも、FOMCが利上げの時期について何もヒントを与えていないかというと、それはない。以下に全文を掲載する声明の中味を見ると、「The Committee anticipates that it will be appropriate to raise the target range for the federal funds rate when it has seen further improvement in the labor market and is reasonably confident that inflation will move back to its 2 percent objective over the medium term.」とある。

 これは前回の声明にも入っているので、「何も変わっていない」という人もいるかも知れないが、引き続き「労働市場の改善とインフレ率の2%目標への接近に関する合理的確信」が前提だと繰り返しマーケットに言い聞かせているように見える。つまり「FOMCの政策は透明である」と強調しているのだ。

 イエレンさんが直近で「appropriate」という単語を使った表現としては、プロビデンスでの「 I think it will be appropriate at some point this year to take the initial step to raise the federal funds rate target and begin the process of normalizing monetary policy.」が記憶に新しい。この二つの文章で、「条件と時期」を彼女としては「かなり明確に示している」と思っているのでしょう。

 声明、記者会見を受けたニューヨークのマーケットが全体的に「ほぼ保ち合い」で終わったのは、声明の第一パラの形容詞が、「(まずまず)良い」「安定」「低い」でほどよく均衡していることを反映している。つまりFOMCは「アメリカの景気は案外良い」「また去年並に改善してきている」と急くマーケットにやんわり警告した、と言える。  FOMCの声明は以下の通り。  ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

Release Date: June 17, 2015

For immediate release

Information received since the Federal Open Market Committee met in April suggests that economic activity has been expanding moderately after having changed little during the first quarter. The pace of job gains picked up while the unemployment rate remained steady. On balance, a range of labor market indicators suggests that underutilization of labor resources diminished somewhat. Growth in household spending has been moderate and the housing sector has shown some improvement; however, business fixed investment and net exports stayed soft. Inflation continued to run below the Committee's longer-run objective, partly reflecting earlier declines in energy prices and decreasing prices of non-energy imports; energy prices appear to have stabilized. Market-based measures of inflation compensation remain low; survey-based measures of longer-term inflation expectations have remained stable.

Consistent with its statutory mandate, the Committee seeks to foster maximum employment and price stability. The Committee expects that, with appropriate policy accommodation, economic activity will expand at a moderate pace, with labor market indicators continuing to move toward levels the Committee judges consistent with its dual mandate. The Committee continues to see the risks to the outlook for economic activity and the labor market as nearly balanced. Inflation is anticipated to remain near its recent low level in the near term, but the Committee expects inflation to rise gradually toward 2 percent over the medium term as the labor market improves further and the transitory effects of earlier declines in energy and import prices dissipate. The Committee continues to monitor inflation developments closely.

To support continued progress toward maximum employment and price stability, the Committee today reaffirmed its view that the current 0 to 1/4 percent target range for the federal funds rate remains appropriate. In determining how long to maintain this target range, the Committee will assess progress--both realized and expected--toward its objectives of maximum employment and 2 percent inflation. This assessment will take into account a wide range of information, including measures of labor market conditions, indicators of inflation pressures and inflation expectations, and readings on financial and international developments. The Committee anticipates that it will be appropriate to raise the target range for the federal funds rate when it has seen further improvement in the labor market and is reasonably confident that inflation will move back to its 2 percent objective over the medium term.

The Committee is maintaining its existing policy of reinvesting principal payments from its holdings of agency debt and agency mortgage-backed securities in agency mortgage-backed securities and of rolling over maturing Treasury securities at auction. This policy, by keeping the Committee's holdings of longer-term securities at sizable levels, should help maintain accommodative financial conditions.

When the Committee decides to begin to remove policy accommodation, it will take a balanced approach consistent with its longer-run goals of maximum employment and inflation of 2 percent. The Committee currently anticipates that, even after employment and inflation are near mandate-consistent levels, economic conditions may, for some time, warrant keeping the target federal funds rate below levels the Committee views as normal in the longer run.

Voting for the FOMC monetary policy action were: Janet L. Yellen, Chair; William C. Dudley, Vice Chairman; Lael Brainard; Charles L. Evans; Stanley Fischer; Jeffrey M. Lacker; Dennis P. Lockhart; Jerome H. Powell; Daniel K. Tarullo; and John C. Williams.
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 なおこれに関連してもう一方のマーケットの関心項目はギリシャですが、日本時間の夕べギリシャ中銀が「もしEUサイドとの交渉が決裂したら大変なことになる」と警告する報告書を発表。チプラスはこれに怒っているようですが、いよいよギリシャ国内でも緊張が高まっている、ということでしょう。

 これに関するウォール・ストリート・ジャーナルの記事の見出しは「Greek Central Bank Warns of ‘Uncontrollable Crisis’ If Bailout Talks Fail」で、「ではcrisisとは具体的に何か」に関して、「a deep recession, a dramatic decline in income levels, an exponential rise in unemployment and a collapse of all that the Greek economy has achieved over the years of its EU, and especially its euro area, membership」と述べている。

 つまり「深刻なリセッション」「所得レベルの劇的な低下」「失業の増大」「EU、ユーロ参加国になって得た全ての崩壊」と厳しいのだ。これは確かにEUサイドに譲歩しようとしないチプラスに対する警告になっている。もう火中の栗を拾わざるを得ない、と思ったのでしょう。

 中銀は気が気ではないでしょう。最初に混乱に見舞われるのも、その後の危機の後始末をさせられるのも中銀でしょうから。


2015年06月17日(水曜日)

 (23:38)注目していた世界保健機関(WHO)の判断は「現段階では、国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態ではない」と。まあそうなんでしょうね。しかし韓国では感染者も死者も増えている。それが心配。

 記者会見したケイジ・フクダ事務局長補の説明は、「(韓国での中東呼吸器症候群=MERSコロナウイルス感染拡大について)医療施設外での)持続的な伝染の証拠はない」というもの。

 むろんこの発言も重要ですが、私が注目したのは「ウイルスに変異がみられない」という彼の別の発言。とすると、今までこのウイルスについて言われている「致死率4割」に照らせば、今162人に達している感染者の中からはもっと死者が出るということでしょう。

 現時点の死者は20人ということなので、感染者の数に比べると「致死率は下がったのか」というレベル。むろん増えないことを希望しますが、ウイルスの変異がないということは、死者がまだ増える確率が高いことを意味する。

 「自宅などでの隔離対象者は6508人に達している」とのこと。感染者がいる病院にたまたま居合わせたと言う人が隔離対象者になるらしい。そういう意味では隔離対象者と感染者の間にはかなり距離がある。

 しかし、私が思うには「隔離対象者の増加」そのものが、この病気がコントロールされていない証拠だと思う。韓国から来るニュースには耳を疑うものが多い。対象者の日本人が帰国していたり、対象者がゴルフに行ったり、大きな会議に出たり、そして海外に渡ってしまったり。

 「緊急事態」ではないにしても、韓国の事情は緊急だし、それは隣国の日本も同じ事だと思う。


2015年06月16日(火曜日)

 (14:38)一方のアメリカでは長らく出馬が予想されていたジェブ・ブッシュが正式に出馬宣言。ウリは「Jeb !」で、名前を名字の「Bush」より前面に押し出して、父親や兄貴とは違うよ....と。

 よってこの二人(父と兄)は出馬宣言集会には出ずに、どうやら家族の中で一番出馬に消極的だったバーバラさん(母親)が出席したようです。もし彼が大統領になれば、親子二代で3人の大統領が出ることになる。こんなことはアメリカの歴史にない。まるで「国王家」みたい。

 一方の民主党の最有力はヒラリー・クリントン。自分でも「ヒラリー疲れ」を知っているのかローキーでスタートしたが、いよいよ本番だと思ったのかジェブの出馬に合わせて大集会を開いた。

 それにしてもデジャブーだ。ブッシュ.....クリントン。聞き慣れた、そして「他に人材はいないの ?」と思える戦いになるかも知れない。多分アメリカ人もそう思っているんでしょうね。でも平和な時代の継続は、それはそれで社会的流動性を低める。他の事で英雄が出てくる余地が少ないので。つまり今のアメリカには二つのダイナスティが生まれていると言うこと。それは良くないのでしょうが。

 ブッシュは何を目指すのか。「 Mr. Bush repeated his call for 4% annual economic growth and added that would translate into 19 million new jobs.」よニューヨーク・タイムズの記事にある。アメリカが最後に4%の経済成長を遂げたのは2000年、兄のジョージWブッシュが大統領に就任する直前の年です。ということは、「かなり難しい」ということ。人口は高齢化し、大きな技術革新がない。

 それでも政治家というのは「成長」が最大のウリなんですね。そして「雇用」。しかしこれがなかなか難しい。人々の伝統的雇用は、いろいろなものに代替されつつある。ロボットも登場。途上国にも労働者はいる。

 その代わり人間は「職業を作り出す存在」で、今のスポーツの大部分は「新たな職業」ですが、その新たな職業で食べていける人はやはり「才能」がないとなかなか難しい。だから「教育」が重要ですが、教育だけが解決できる問題ではない。

 それはさておき、ブッシュという名前が有るからといって「出馬→候補チケット」というわけには行かない。共和党は党内でも路線対立が酷い。ジェブはフロリダ州知事2期の成果を強調するが、フロリダが本当に良くなったかと言えば「そうじゃない」という人も多い。

 仮に私がアメリカ人だったら、「ブッシュか、クリントンか」で選べと言われたら、正直困るな。多分新しい人を考えると思う。「新しい」という意味では、「ガラスの天井」を破りに来たヒラリー・クリントンに軍配が上がるかも知れない。しかし「クリントンという名前じゃな....」とも思う。

 この二人が最終的に党のチケットを貰えるかどうかも分からない。長い戦いのスタートです。


2015年06月16日(火曜日)

 (13:38)「複雑怪奇な欧州情勢」ですから着地がどうなるかは分からない面があるのですが、見守っている人間の目には「ギリシャのデフォルト→ユーロ離脱」の方向性が強まっているように見える

 今見たFTの記事には「Defiant Tsipras accuses creditors of ‘pillaging’ Greece」という激しい単語が入る見出しがある。「pillage」というのは「略奪」ですからね。本文を読むと「債権者達は過去5年間ギリシャを略奪してきた。今度は彼等が話し合いを前に進めるための提案をすべきだ」と。つまり先に決裂した週末の協議の階段からギリシャが後退(立場を)させることはない、ということです。

 彼はさらにこう述べている。「“One can only suspect political motives behind the fact that [bailout negotiators] insist on further pension cuts, despite five years of pillaging,” Mr Tsipras said in a statement. “We are carrying our people’s dignity as well as the aspirations of all Europeans. We cannot ignore this responsibility. It is not a matter of ideological stubbornness. It has to do with democracy.”」と。

 重要なのは彼がこの発言を「声明を出して明らかにした」という点です。わざわざ声明を出してEUサイドを非難し、しかも「過去5年間ギリシャを略奪してきた」と言っている。そしてこれは「ギリシャ人の尊厳の問題、これはデモクラシーに関わる問題だと。

 一言で言えば、「ギリシャサイドに妥協して公的年金の引き下げなどを受け入れるつもりはない」ということです。この声明は国民にも向けられているのだろうから、彼は「腹を決めた」ということです。「ギリシャの破綻が脅威だと思ったら、そちらが折れろ」と。

 この発言の前から、ギリシャの金融市場はガタガタです。そりゃそうだ 。金融システム(銀行組織)からは預金は流出し、株価はこのFTの記事のチャートを見ても下がり続けている。国債の利回りも一時30%を超えたと伝えられる。

 日本を除く世界のマーケットは敏感です。特にドイツのDAXが著しい下げを演じている。それを嫌気するニューヨーク。日本はむしろシールドされているように思える。もっともユーロ相場もシールド済みのようにも。

 「ギリシャの破綻」は言ってみれば「想定内出来事」の面を持つ。今の状態で行けば今月末の15億ユーロの返済をギリシャは出来ず、テクニカル的には「デフォルト」に陥る。そこまでは何とか分かっている気がする。しかし問題はその後です。そこで何が起こるのか、という未体験ゾーンがあり、マーケットと世界はそれに直面する。

 一つ明らかなのは、世界が終わると言うことはない。新しい枠組みの世界が出現するだけ、やがて落ち着くということです。しかし極めて流動的な枠組みだと思う。事態の推移をにやにや見ているのはロシアと中国かな。アメリカの心配顔は分かる。「事故」が怖いのだ。欧州各国は「面倒見切れない」という感じでしょうか。

 次の焦点は18日のユーロ圏財務相会合でしょう。今の情勢だとドイツを始めとする欧州勢が「じゃ、しょうがない」と条件を緩める兆しはない。そうこうしているうちに月末は迫る、という構図。


2015年06月15日(月曜日)

 (08:38)ははは、今朝は面白い事があったな。月曜日なのでいろいろ用事もあり、「今日はレギュラーコースだ」と思って代官町通りの山の上をトレイルするくらいで半蔵門まで進んだのです。そしたら半蔵門で写真を撮りながら、しかしこちらを見ている人がいることに気がついた。

 通り過ぎて暫くしたら、その人が走って追いついてきて「今聞いてました...」と。ははは。この番組を聞きながら皇居の周りをランしていたようです。「いつも聞いています」とか言う人には結構出会う。しかし「その瞬間に聞いていた」というのは、大阪の長堀通りで会った人だけかな。「うーん、今日はラッキーかも」と。

 あの下りを走りながらいろいろ話したのですが、大阪出身の橋本さんという方で、MBAを経てチューリヒの民間金融機関で働き、当然ながらスイスにお住まいになって。同国で6年目とか。たまたま日本に里帰りして「近くに滞在しているので走っていたら.....(伊藤さんは)本当に走っているんですね」と。

  それはそれで楽しかったのですが、私には二つの事が分かってもっと面白かった。それはまずは「チューリヒでも聞いていてくれる人がいる」と。いうこと。「結構世界の各地で聞いてもらっているのは嬉しい」ことだということですが、もう一つ分かったのは「誰かと一緒に走ると結構続く...」ということです。

 私はいつもは一人で走っているので、「ここは写真に良い」など何かと理由があれば止まったり、あまり一生懸命になるのもと思って早足の歩きになったり。しかし今回は喋りながらそのまま走ったので。休みなしにずっと最後まで。

 これが結構重要なのにはわけがある。というのは、2週間前ですが越智さんと飯を一緒しながら、「ちょっとやってみる」「やろうよ」という話になった。何かというと東京マラソンです。いま「来年は”やる”」という決意を固めている最中なのです。

 ま、今でも「ぎりぎりセーフラン」もいいなと思っているのです。つまりカットすれすれで42.195キロを走り抜くというやり方。各中継点のカットぎりぎりを通り過ぎるというのも面白い。「時間を競う」「誰かと競争する」なんてつもりは全くないので。

 しかしずっとだらだらしていてもカットを免れることは出来ないのではないか、と予想していて、やっぱりそれはきっちり継続して走ることを常日頃しておかないと、と思っていたのです。

 今日思ったのは、「そうか、東京マラソンになればそれなりきに走り続けられるな」と。だって誰か隣に居るでしょう。むろん知り合いの方が良いが。ははは、半年以上先のこと。まだ分かりませんが、一度約束した以上やらないと。参加の権利が当たりますように.....。


2015年06月13日(土曜日)

 (01:38)金曜日終了時点のプロ野球の順位表を見ながら、「セリーグ弱 ! リーグの存在価値が問われるな」と思いました。だってセリーグのチームは交流戦の間に上位チームを中心に貯金をほぼ全部はき出した。

 セリーグ1位のジャイアンツの貯金は今や風前の4(34勝30敗)。一時首位を走っていたDeNAの貯金は僅かに「1」(32勝31敗)。この2チームしか貯金がない。3位の阪神はまた借金生活。

 対して、パリーグの貯金のある上位3チームの貯金の総数は、ソフトバンク12(35勝23敗)、日本ハム12(36勝24敗)、そして西武6(32勝26敗)で、合計30。5対30。あり得ない格差です

 むろんパリーグの上位チームの貯金が多い一つの原因は、オリックスが今年これまでで17も負け越しているのが大きい。大量の貯金を上位チームに献上している。しかしそのオリックスさえ交流戦の成績はビリではなく、ビリはDeNA。DeNAはなんと3勝12敗。ジャイアンツが負けても負けても首位でいられるのは、もっぱらDeNAも負けているから。DeNAは引き分けを挟んで8連敗。

 多分、去年並に交流戦が24試合(今年は18)だったら、「セリーグからは貯金のあるチームは消えて、全部借金状態」になったと思う。今の勢いなら。それほどみっともないセリーグ。リーグとしてあり得ない。

 幸い今年は「交流戦はあと2戦」(順調に消化したチームで)なので、ジャイアンツが最低「2」の貯金を持って交流戦後の戦いを始められる。しかしそれでも「なんと弱いリーグか」という印象は残るし、「そんな弱いチームばかりが構成するセリーグなど見たくない」と思うのが自然でしょう。

 今年は最初は結構セリーグが頑張っていると思った。しかし時間の経過とともにセリーグ2勝、パリーグ4勝という日が続いて、終わってみれば多分パリーグの大幅勝ち越しの毎年のパターンでしょう。同じ事を繰り返している。

 セリーグは選手も監督も「大反省」すべきだと思う。交流戦を続けていたら、恐らく貯金を全部なくすリーグって、存在価値ないでしょう。侍プロ野球とか言う標語があるが、「侍」はセリーグにはいない。そう思う。

 本当に今年のセリーグは初夏の交流戦で、プロ野球全体に対する好奇心を低めてくれた。ありがとう。


2015年06月12日(金曜日)

 (23:38)最近気づいたことがあるのです。それは「ホテルが増えている」ということ。自分が住んでいる東京で一番気がつくが、多分大阪や京都でも多少その傾向はあるのだろう、と。

 今日は朝朝番組のスタンバイがあったので赤坂に行ったのですが、赤坂通りを溜池寄りに一本入った道に京王プレッソインというホテルが正に完成しつつあるのを発見しました。今までホテルなんかなかった場所にです。既に結構あちこちにあるんですね。

 ネットで調べたら赤坂のオープンが予告されていた。「へえ」と思いましたが、この「京王プレッソイン」という名前のホテルに最初に気がついたのは東銀座でです。晴海通りを銀座から築地に向かう右側にある。

 「京王プレッソイン」に続いて「出来ているな」「増えているな」と思うのは「東急ステイ」です。これはあちこちで見掛けると思ったら、もうこんなにある。このどちらのホテルにも私は泊まったことがない。東急ステイなんて、「ご希望のエリアで予約」と打っていて、「へえ、都内ならほぼどこにでもあるんだ」と思う。

 ともに首都圏エリアでの相次ぐ開業のようですが、私が気づいている以上に、都内で、そして全国で新しいホテル・チェーンの登場が始まっているのかも知れない。APAも増やしているような気がする。

 一昨年に年間1000万人の大台に乗った海外の観光客の数は、今年はもう2000万に接近しているわけだから、「ホテル不足は深刻」になっているはずです。

 大阪のタクシーの運転手さんも言っていた。「わしらがしらないホテルが一杯出来ていて、中国の人達はどうやって調べているのか、そこに行ってくれと言われるんです」と。

 「タクシーの運転手さんが知らないホテル」って、新しく出来たか、小さく出来たかのどちらかでしょう。大きく、大々的に開業したのならタクシーの運転手さんが知らないということはない。

 私が気づかないところで、「ホテル・旅館の開業」がラッシュになっているような気がする。


2015年06月11日(木曜日)

 (21:38)へえ、今日の日経の夕刊には興味深い記事がありますね。「新東名 100→120キロ 検討」と。

 私がこの記事を読んで最初に思ったのは、「思いは通じるかも知れないな」ということ。というのも新東名が開通する前に科学番組の為にこの新しい道を取材したのです。30分番組で所用収録時間は結構長かったのですが、その時に設計者の一人が、「本当は120キロとか140キロとかで走って欲しいのです」と述べたのです。

 つまり設計者としては、「日本の普通の高速度道路より高い速度で走れる設計・施工をしてある」「だから設計者としても普通の高速道路よりも速いスピードで運転者にはこの道を走って欲しい」と。

 その時思ったことは今でも忘れません。「設計者っていうものはそう考えるんだ」「もしかしたらそれが本当なのかも」「それは結構ナイスなことだ」と。同じ道路設計者として、例えば日本の設計者はドイツのアウトバーンの設計者を羨むだろう、と。能力を十分に発揮している道路の設計者と、能力を抑えられている道路の設計者と。

 多分「100→120キロ」への上限スピード変更が実現すれば、新東名の設計者達は喜ぶでしょう。そして「運転者には安全に高速運転を十分楽しんで欲しい」と。この記事にもありますが、問題はその「安全に」です。

 記事によれば、データはいろいろ物語っているようです。上限速度が100キロを超えると事故が増えるとか。私は今の日本の高速道路には、建前スピードと本音スピードの両方があり、その両立を警察も黙認していると思っているので、「100→120キロ」への変更も「どう運用するか」で随分話が違ってくるとも思う。

 うーん、でも私は基本的には上限の引き上げに賛成かな。それだけの設計と構造があるのなら道路にも十分に能力を発揮して欲しい、と。


2015年06月10日(水曜日)

 (17:38)ついに朴大統領の訪米(今月中旬予定だった)の延期ですか。国内ででてきていた「訪米延期説」をつい昨日まで「それはない。予定通り訪米」と言っていた韓国政府なのに、多分昨日の夜遅くに「このままでは行けない」と判断したのでしょう。今朝延期ニュースを見てびっくり。朴さんはオバマ大統領にいろいろ訴えたかっただろうに。

 その判断のベースになったのは多分このニュースです。「韓国保健福祉部は10日、中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスの感染者が新たに13人増え、計108人になったと発表した。また、感染者のうち2人が死亡し、韓国国内の死者は9人に増えた」と。

 「感染は制御されつつある」と政府がいくら言っても、「数字が増えている」ので隠しようもない。三桁の感染者というのは「少ない」とは言えない。一般的なMERSの致死率4割を当てはめると、死者はもっと増える危険性が高い。

 韓国は言ってみれば「危機の最中」です。MERSもそうだし、その病気故に特に中国からの韓国への観光客が激減している。香港は渡航先としての韓国の警戒レベルを上げた。それもこれも「感染を制御できない」ということに尽きる。

 数日前に「今の韓国はセウォル号事件以来約一年で、大反省大会」と書きましたが、反省より先に「感染をどう制御するのか」という喫緊の必要性に迫られている。観光客が激減し、輸出が減り、しかし内需が弱くて輸入がもっと減っているので貿易黒字が増加し、それがウォン高を招来する。それが輸出に打撃になる。しかし韓国の家計の借金は増え続けている。内需が伸びようがない。

 私が日本から見ていて驚くのは、官民ともの「意識の低さ」です。自宅待機を命じられても勝手にゴルフに行く、多くの人と交わる。場合によっては外国にまで行ってしまう。香港にしろ中国にしろ、怒るのは当然です。隔離者は勝手な行動を繰り返す。これは日本ではないでしょう。

 保健当局も保健当局で、関係する病院の名前や住所を公開したのは良いが、医療機関の名前が違っていたり、住所が違っていたり。こんなことは日本じゃないでしょう。驚くことばかりです。

 そんな国がお隣にある、というのが日本にとっての脅威です。韓国のマスコミ報道を見ると、「動物園以外にヒトコブラクダが一頭もいない韓国が、サウジアラビアに次いで世界でMERS感染者の多い国になっている」と引き続き大反省大会。

 しかし反省などどうでもいいし、できる事ならあとでして欲しい。今は近隣の国の為にも「制御」を急いで欲しいと思う。でなければ、ただでさえ経済的、外交的行き詰まりの韓国は、もっと深刻な危機に直面してしまう。それは日本にとっても良くない。


2015年06月10日(水曜日)

 (15:38)月曜日にアップしたMRJの写真が「重くて嫌だな。それに暗いし」と思っていたら、四国・徳島に住む内藤さんが、「鮮明にしたよ」と修正バージョンを送ってくれたので、「ラッキー」と思い、さらに「半分の重さにしてやれ」と思って私が軽量化。それをアップし直しました。

 三菱の広報の方は、雑誌社などがそのまま写真に使うことを考えて重い写真を送ってきたのでしょうが、ネットで使う人間は「重さは邪魔」なので、本来は最初に私が軽くしなければいけなかったのですが、ずるしていたら内藤さんに気づかれてしまった。ははは。

 ところで、今マーケットを見たらちょっと荒れたんですね。でも材料とされる黒田日銀総裁の衆院での発言としての「(実効為替レートから見れば)さらに円安に振れることはありそうにない」は当然でしょう。125円を上回る円安は、日本の当局として望ましく思っていないことは、麻生さんの繰り返しての発言から見えていた。

 125円以上の円安は、アメリカ(政府も含めて)の神経に障る水準だし、障って発言されて、それが急激な円高になるよりは120〜125円台か、120円をちょっと下回るくらいのドル・円水準が日本の当局としては望ましいでしょう。

 G7の首脳宣言も「Finally, we will also continue to monitor financial market volatility in order to address any emerging systemic risk that could arise.」と述べている。125円を通過して、さらに130円と期待した方が「望み過ぎ」だったと言えるし、急激な円安は日本の輸入物価を著しく上げて、それはそれで経済情勢を不安定化する。

 だから黒田さんの発言は「意図したマーケット沈静化」措置と見ます。


2015年06月09日(火曜日)

 (14:38)朝からずっと「どこにもアップされないな」「早くアップされないかな」と思って待っていたG7サミット宣言が、このドイツ政府のサイトに載ったので、新幹線の中で読んでみました。さっと。

 まず思ったのはメルケルさんがリーダーシップを取ったサミットの宣言らしいな、ということ。だって世界経済の大項目(Global Economy)の下の小項目。「State of the Global Economy」の次にあるのが小項目としての「Women’s Entrepreneurship」ですからね。普通こういう並びにはならない。

 宣言を読んで思うのは、「よく目が行き届いている」ということです。チベットの地震を悲しみ、エボラにも触れている。世界が直面している問題でマスコミが「サミットの問題」としては取り上げないようなものまで取り上げている。これはなかなか凄いと思いました。

 比較的よく報道された方の東シナ海と南シナ海における海洋航行の自由に関する部分は以下の通りです。

  Maintaining a Rules-Based Maritime Order and Achieving Maritime Security We are committed to maintaining a rules-based order in the maritime domain based on the principles of international law, in particular as reflected in the UN Convention on the Law of the Sea. We are concerned by tensions in the East and South China Seas. We underline the importance of peaceful dispute settlement as well as free and unimpeded lawful use of the world’s oceans. We strongly oppose the use of intimidation, coercion or force, as well as any unilateral actions that seek to change the status quo, such as large scale land reclamation. We endorse the Declaration on Maritime Security issued by G7 Foreign Ministers in Lubeck.
 中国はこれに対して、「G7は以前ほどの力はない。東、南シナ海に関してなど、欧州の国は脅威がないだろうに」とか言っているが、欧州としてもウクライナの問題があるだえに、「領土変更の企み」の脈略で安倍首相が取り上げたら、この問題を扱わざるを得なかったということでしょう。

 しかし、中国に急速ににじり寄るイギリス、既に中国との関係が深いドイツ、フランスという図式の中で、結局東・南シナ海に関して関与するのはアメリカと日本という図式。言葉は綺麗だが、本音は行動に表れる。

 ドイツがもっとも力を入れたのは、一言で言えば環境問題でしょう。「Think ahead. Act together」という今回のサミットの表題も、もっぱら環境問題を念頭に置いていると思われる。そのヘソの部分は以下の通りです。

 Mindful of this goal and considering the latest IPCC results, we emphasize that deep cuts in global greenhouse gas emissions are required with a decarbonisation of the global economy over the course of this century. Accordingly, as a common vision for a global goal of greenhouse gas emissions reductions we support sharing with all parties to the UNFCCC the upper end of the latest IPCC recommendation of 40 to 70 % reductions by 2050 compared to 2010 recognizing that this challenge can only be met by a global response. We commit to doing our part to achieve a low-carbon global economy in the long-term including developing and deploying innovative technologies striving for a transformation of the energy sectors by 2050 and invite all countries to join us in this endeavor. To this end we also commit to develop long term national low-carbon strategies
 しかしこれは結構実現が難しい。中国もロシアも、インドもブラジルも合意に参加していない。もっと貧しい国が一杯ある。「Act together」が一番難しいのです。この宣言を読みながら、来年の開催国・日本の責任は重くなるだろうな、と思いました。

 今はrisingな国としてのドイツ。だから形としてはまとまったものになった。来年の今頃の日本はどのようなスタンディングなのか。マーケットに関連した部分は「Finally, we will also continue to monitor financial market volatility in order to address any emerging systemic risk that could arise.」くらいかな。


2015年06月08日(月曜日)

 (15:38)先ほど送られてきた写真を見て、「これじゃないんだけどな。でもまあ一歩前進か」と思いました。送り主は三菱航空機。重工さんの中でMRJの製造をしている会社です。

 もう4年ほど前ですかね。名古屋の重工さんにお伺いして、MRJを取材したときにメーリングリストに入れておいて頂いた。その後もいろいろメールを送って頂いたのですが、ここでご紹介するような写真は来なかった。これが最初のアップです。

低速でタクシーをするMRJ 機体はかっこいい

 空が曇っていなかったらどう見えるかなとも思えるのですが、結構綺麗だし、カッコいいと思いました。これはどっちかな。大きい方か、小さい方か。しかし飛行機が地上をタクシーしてくれてもあまり嬉しくない。はよ空を飛んで欲しい。

 上の写真が新しい日本ということならば、下の写真は昔からの日本です。今朝は再び明治神宮の菖蒲園を訪れたのですが、やはり気に入った場所は何回も訪れるものですね。20人近い巫女さんが、とっても綺麗な衣装を着て撮影をしていた。

 エレメス・オレンジのような下半身を覆う緋袴。これが目も覚めるような綺麗な色なんですよ。そして無垢を意味するのであろう白の衣装。私がさらに注目したのは頭飾りです。一番下の写真です。

花菖蒲園の巫女さん達 2015年06月08日

頭飾りが綺麗なんですよ

   朝の8時過ぎにはかなりの数の巫女さんが揃っていたので、今日は何かあったのでしょうね。圧巻でした。隔雲亭にも珍しく人の気配があって、同じ衣装の巫女さんが窓の開け閉めをしていました。

 それにしても頭飾りは今までまじまじと見たことがなかったので、綺麗だなと思いました。花簪(はなかんざし)、挿頭(かざし)、折枝(せっし/おりえだ)など髪留めや冠など。

 ちょっと調べると、「簪やその祖型とされる挿頭は髪留めと髪飾りの両方の要素を持ち、古来より花や小枝を頭に指して木々の霊力を取り込もうとした事の名残とされる」とある。「木々の霊力を取り込もうとした」と。確かに明治神宮には森の霊力がありそう。

 いずれにせよ巫女さん達の存在で明治神宮の菖蒲園が一段と綺麗に見えました。


2015年06月06日(土曜日)

 (17:38)ははは、まず絵付けしただけのお皿が焼かれて出来上がって、送られてきました。でもね絵の具の高低まで残っていて、なかなか面白い。へえ、出来上がるとこうなるんだ、と。

 とにかく最初ですからね。初めてやった。結構筆先には神経を使いながら。鯨の外枠は既に描かれていて、その中の色を選ぶやつだった。本当は外枠も書いた方が良いのですが、その時は轆轤を回すのに忙しくて、時間がなかった。

 まだまだ焼きに時間がかかっているのが、私が轆轤を回した左の写真のやつです。これはお皿と言うよりサラダボールをイメージした。しかし「焼くと一回り小さくなる」ということなので、思った通りの役割を果たしてくれるのかは不明。できあがりが楽しみ  本格的にやるつもりはありません。今のところ。だって、相当忍耐がいる。手首の急な動きは禁物です。生地が突如切れたり、薄くなって崩れてしまう。ゆっくりとゆっくりと。徐々に薄くし、徐々に高くする。そして広げる。

 うーん、ちょっと繰り返しは出来そうにない。本当はこの整形しただけの生地に絵を描き込みたいのだけれど、その才能はないな。とってもうまく出来る人を知っているので、「その人に任せよう」といった気分。

 ところで最近「買って良かった」と思っているのは、「足枕」です。幅1メートル20センチくらいのちょっと大きめな奴。足枕は上掛けが薄くなる夏の間は最高です。

 いつも体の下にあって、血もたまりやすい足をちょっと高くして軽くしてやると、気分爽快。旅館やホテルなどにあるので、「家にあってもおかしくない」と思っていたのです。

 しかし探すと意外となかった。体周りのものなので、ネットに依存せず、デパートを見て回ったのです。案外置いていない。やっと新宿の伊勢丹に「これなら」というものを見つけて。しかし実物は置いてなかった。なので注文品で、金曜日だったかな届いた。


2015年06月04日(木曜日)

 (17:38)「清正井」(きよまさのいど)を覗き込んだとき、「こんな綺麗な水が都心にあるのか」とビックリしました。底の石がまるで水がないかのように綺麗に見えて、かつ実際には綺麗な水が間にあるので、光の加減で石がきらきら光って見える。

だって井戸の下の石がきらきら光りながら綺麗に見えるんですよ  なので、周囲の冷気もあってしばらくじっと井戸を見つめてしまいました。覗き込んだり、横から眺めたり。写真をとっても実に実に綺麗なのです。今は「水質検査をしていないので、”飲めます”とは表示してない」とのこと。むしろ、「飲用としては...飲まないで下さい」と表示されている。

明治神宮南池 蓮の花が綺麗でした  しかし見ているだけではもったいないと思うような綺麗な水、綺麗な井戸です。「きよまさのいど」というのは、加藤清正の屋敷があって、彼がこの水を飲んだと思われるからでしょう。また行きたい場所です。

 そこから出る水で育っているのが花菖蒲です。見頃は6月の中旬から7月の中旬らしい。しかし今日たまたまあまりにも気持ちの良い朝で、ずっと明治神宮と代々木公園周りをうろうろしていたので、8時の開園の直ぐ後に園内に入ったのです。既にカメラを構えた人が2〜3人。

花菖蒲があれほど多種だとは思いませんでした  多分あと1〜2週間すればもっと綺麗になります。驚いたのは「アヤメ」や「花菖蒲」の種類の多さ。桜も多種多様の名が付いていますが、花菖蒲園を歩いていて「こんなに名前の付いたアヤメや花菖蒲があるのか」とビックリ。

 花菖蒲園の上の道に珍しくベンチがあって、「そうだあそこから空を眺めよう」と思って暫く上を向いていたら、「緑に守られている」という実感が沸いてきました。夏の強い太陽から生き物を守ってくれているのが木々である、と。木洩れ日も綺麗だし、別天地の風情。いいですよ、明治神宮は。この園だけは入るのに500円かかる。十分価値あり。

 走ったり歩いたりは、明治神宮の中の外周の道を終えた後、代々木公園に行って明治神宮との境目に沿って走ってみました。「良いトレイルロードがある」という印象で、とにかく涼しいんですね。「まだ蚊も出てきていないだろう」と思いながら、「緑のパワー」「森林のパワー」を感じながら二つの園を楽しみました。明治神宮は気温が4〜5度低いと思う

 とっても対照的なんですよ。明治神宮は基本的には「ほったらかしの森」。対して代々木公園はほぼ全てのシーンに人の手が入っている。代々木公園のサイドから明治神宮を見ると、木は倒れたままに放置され、手が入っているのは花菖蒲園と隔雲亭の当たりだけかな。

 代々木公園には、木から落ちてきた枝がそのままになっているということはない。人の手が入っているのですが、西門から入って右側の上の方には、「ここはもっと綺麗にした方がいいんじゃないか」と思うエリアがある。あまり綺麗でない建造物がかなりの数。大阪の大川沿いより多い。

 今は良いが、今年の代々木公園はどうなんでしょうね。対策は随分したのでしょうが。それにしても、「明治神宮・代々木公園という広大な緑地」は東京が世界に誇るエリアでしょう。先人達の知恵と実行力に感服です。


2015年06月03日(水曜日)

 (23:38)昔はこんな形が主流だったのかも知れないな....とちょっと「定型」に慣れることの恐ろしさを感じました。お風呂です。

 行ったのは山代温泉 古総湯です。山代温泉は大阪から2時間ちょっと。今は静かな温泉街ですが、80年代は相当関西の人々が押しかけた温泉だったらしい。

 その山代温泉にある「古総湯」が面白い。写真のお風呂にあるのは、湯船だけです。洗い場なし、シャワーなし、石けんやシャンプーの使用禁止。ただただ浸かるだけの湯です。しかも脱衣場は風呂場の中にあり、湯船と脱衣場は簡単なついたてで一部仕切られているだけ。

 「とっても面白いな」と思いました。今のお風呂は湯船があり、その周りに洗い場がずらっと並び、そこで大勢の人が泡の立つもの(シャンプー、石けん、ボディ、コンディションナーなどなど)を使っている。

 同じ「総湯」という名前が付いても、古総湯の隣にある「上代温泉 総湯」は、今時のお風呂です。全てある。しかしこれは新しく作られた温泉場。やはり洗い場がないと実用的ではない、ということで作られたそうな。

 しかし「昔のお風呂はこうだった」というのが分かる「古総湯」が実は面白いし、「昔の日本の風呂」が連想できる。石けん・シャンプー使用禁止、脱衣場は中にあるという特徴。うーん、確かに江戸時代の絵図を見ると、洗い場が直ぐ近くにあるなんて図はないですね。

 古総湯の形状も変わっている。道後温泉を思い出してもらえば良い。ちょっと違うが、雰囲気が似ている。建物は四角で二階建て。昔の楼閣のような形です。二階は男女それぞれの休憩所ですが、それは相互に廊下で繋がっている。一階の男女の風呂はむろん繋がっていない。だからまず「湯の子」が生まれる可能性は少ない。

 山代温泉を中心に、山中温泉、片山津温泉とこの近くには三つの有名な温泉がある。私が行ったのは山代温泉だけですが、「バブルの後は衰退」と解説されている。確かに「衰退」の雰囲気はある。しかい街としてはいろいろ努力しているな、と思いました。


2015年06月02日(火曜日)

 (11:38)要するに長江(Yangtze River)で嵐に巻き込まれて沈んだ船は、「長江下り 長江上り」の船なんですね。私も三峡ダムが出来る直前の2001年に乗ったのですが、その時は重慶から宜昌までだった気がする。

 記事によると、1993年建造と。うーん、うろ覚えですが、乗ったのは確か「東方の星」その船だったような。ダムが出来た後、その地点を船がどう展開しているのか知りません。三峡ダムの完成で多くの寺などが沈んだ。景観も違うと思う。

 とにかく長いので、下りでも2泊くらい船の中だったような。武漢に着いてから「船のセーフにパスポートを忘れた」ことを思い出して、中国人のツアーガイドさんと二人でタクシーで北上して一泊し、船の次の接岸港をポイント設定し、そこでパスポートをリカバーしたことを思い出す。グループの他の方々にはその間「ガイドなし」でご迷惑を。でも普段は観光客が見れない中国が見れて面白かった。

 その時は3日間とも穏やかな天候で、あの手の大きな船が転覆するとは想像外。列車事故の時の温家宝さんと同じように、今度は李克強首相が駆けつけて「陣頭指揮」をとっていると。政権としては「対策に真剣」という姿勢を国民に見せないといけない。「統治の正当性」維持の為にも。

 その中国に関しては、この日経の記事「もう逃げるしかない 中国ビジネス変調(ルポ迫真) 」がめちゃめちゃ面白い。副タイトルに嘘はない。やっぱり「足で稼いだ記事」には迫力がある。

 そうなんだ。中国の景気は一気に悪くなっているんですね。数年前のベトナムもそうでしたが、「工場が海外進出する理由」の一番大きな理由は「安い労働賃金」。しかしそれは長続きしない。必ず「上昇圧力」がかかる。進出した工場が手放しで歓迎されるのは最初の数年。その後は茨の道です。

 といった文章を書いていたら、ドル・円が125円台に。その後は反落したようですが、また上値を試すのでしょう。しかし株は連騰してきたこともあって、むしろ警戒感が強いような印象がする。私の直感では、ちょっと「噂を買い過ぎる」相場だと思う。


2015年06月02日(火曜日)

 (07:38)すがすがしくて、ええじゃないです か。出来レースのように阪神に復帰するより。黒田もそうだったが、「お世話 になった地元で」「(藤川の場合は)地元の高知で再出発」と。ナイス。

 事情もあったのかも知れない。クローザーとセットアッパーがもう阪神にはい る、とか。しかしそれ以上に、「地元で求められる仕事を」「地元で腕を振り たい」というのが「いかしている」と思う。

 「四国独立リーグ」って見たことないが、四国にとって野球が大きな意味を 持っているのは知っています。道後温泉の一階に朝早く行くと、おじいちゃん たちが野球談義をしている。「今年の松商は弱い」とか。笑える。

 その野球に鋭い目をした四国で、通常は「観客は一試合500人ほど」という リーグで藤川は腕を振る。でも観客は増えると思う。先日行った城崎には野茂の球団もあった。過去に活躍した選手が地方で活躍する姿はすがすがしい。

 プロ野球に復帰とか何とかは別として、藤川には四国の独立リーグで活躍して 欲しい、と思ってます。


2015年06月02日(火曜日)

 (00:38)もうある意味感動しました。「移行アシスタント」の優秀さに。

 新しいMacBookが届いたあと、「一つ一つ手なずけていこう」と思って始めたのですが、いろいろ面倒なトラブルに遭遇。例えばMacではメーラーのサンダーバードは「ストア承認のメーラー」とは認識しないので、新しいMacBookで当初拒否された。他にもある。なかなか面倒なんですよ。あと ATOKとオフィスのマッチングをするとか。

 で「面倒だ。今まで使っていたMacBook Airはほぼ完璧なコンフィギュレーションだからまずコピーを作ろう」と思ったのです。本当は嫌だったのですが。しかし時間がもったいない。

 ちょっと調べていたら「アプリケーションの中にあるユーティリティ→移行アシスタントが良い」ことを思い出した。終わったら「そこからまたスペックをいじって、アプリを入れて....独自色のあるものに」と決めたのです。「サンダーバードはどうするかな....」「他のメーラーかな」とか考えながら。

 最初「Air to 新しいMacBook」という形で直接やろうとした。USBUSBで結んで。しかしこれがなかなかうまく行かない。移行元と移行先を認識しないのです。しょうがないので少し考えて、「そうだ、 TIME MACHINEで最新状態をバックアップして、それを新しいMacBookに流し込もう」と思ったのです。

 バックアップに時間がかかったが、USBをさしたらちゃんと「移行元」を認識した。ナイス。しかしさらに移行完了にはやはり2時間かかった。容量が多いし、なにせ特徴である「最後の2分間」が長いので。

 あとオフィスは入れたかな。少なくとも認証したと思う。さすがに手続きゼロでは移行しない。しかしその他は全く問題なく移行した。サンダーバードのメール、スケジュール、FTP、ATOKのユーザー辞書などなど。ほぼ全く問題なく完璧に。

 「こんなに良くなったんだ」と感動。東京を出る直前に作業を終え、新幹線の中で新しいMacBookを使ってここの文章を書いていますが、全く問題ない。FTPも完璧。素晴らしい。WIFI の接続先、そのキー、パスワードも覚えている。

 「移行アシスタント」(そう呼んでいたかな。いや「転送ツール」だったおうな気が...)はWINDOWS の時も使っていました。しかし結構移行したあともソフトの補充が必要で大変だった。しかし今回は「移行完了→即問題なし使用」が可能に。”進化”したな、と思いました。

 本当はもっと苦労した方がいいんですよ。「ああでもない、こうでもない」と。しかしテキストエディターも含めて何から何までもっていってくれる」というのは超便利。24時間分くらい時間を得した気分です。


2015年06月01日(月曜日)

 (18:38)今日から改正道路交通法の施行ですか。その結果、以下の14項目に当てはまる危険行為をした自転車利用者に対して、結構高い費用がかかる(確か5700円)講習受講の義務が生ずるらしい。受講通知を受けてから3ヶ月以内に受講しないと「5万円以下の罰金」と。

 実際に日本の道路では「自転車の危険行為」を見ることが数多い。傍若無人のケースもある。ついさっきも六本木通りをタクシーで移動していたら、「女性運転の逆走自転車」を発見。しょうがないが、罰則が生じたことはいたしかたない。危険行為をは、

  1. 信号無視
  2. 通行禁止違反(自転車の通行できる場所は原則「車道」)
  3. 歩行者用道路における車両の義務違反(徐行違反 これが結構多い。皇居周りも)
  4. 通行区分違反(逆走はこれに違反)
  5. 路側帯通行時の歩行者の通行妨害(基本的考え方として”歩行者優先”)
  6. 遮断機が降りた踏切への立ち入り
  7. 交差点安全進行義務違反
  8. 交差点優先車妨害(右折の際は直進車、左折車の邪魔にならない)
  9. 環状交差点での安全進行義務違反(ラウンドアバウトに入る際は必ず徐行)
  10. 指定場所一時不停止違反など(「止まれ」では、自転車も一時停止)
  11. 歩道通行時の通行方法違反(歩道で通行可となっていても「車道寄り」を徐行)
  12. ブレーキ不良自転車運転の禁止
  13. 酒酔い運転
  14. 安全運転義務違反
 特に書いてないけど、関西で多い「夜間無灯火」は「14」で当然罰せられるんでしょうね。あと最近思ったのは、無灯火と言えば車もです。トンネル内で無灯火で走る車がある。あれも危ない。

 まあ面倒ですが、確かに危ない自転車運転を見ることが多いので。あとスマホや傘をさしながらの「片手運転」も指導対象とか。


2015年06月01日(月曜日)

 (15:38)ネットを開いたら朝日新聞のサイトが「号外:東証1部の時価総額が1日、終値で600兆円を突破。過去最高を更新 (15:06)」と報じていた。確か今朝の段階では日経平均は100円弱くらい下げていたと思ったのに....

 と思って日経のサイトを見たら、「日経平均、12日続伸 終値6円高の2万569円」との見出しの記事。中味は「1日の東京株式市場で日経平均株価は12日続伸した。前週末比6円72銭(0.03%)高の2万0569円87銭で終え、2000年4月12日以来、約15年2カ月ぶりの高値をつけた。12日続伸は1988年2月の13日続伸以来、ほぼ27年ぶりの長期上昇となる。市場では企業が資本効率向上への取り組みを加速するとの期待が強い。日銀が上場投資信託(ETF)を購入するとの思惑もくすぶり、大引けにかけて買いの勢いがじわりと増した。」という記事。

 12日続伸って、尋常ではない。「27年ぶりの長期上昇」って、凄いが、「先行き」という意味では「大丈夫かな」とも思う。それほど日本経済に明るい材料があるわけではないが、株主に対する日本企業の姿勢の変化、それに「お金の行き場」の問題でしょう。

 市場に関連した好きな言葉の中に、「Enjoy the party, but dance close to the door」というのがある。今が「party」かと言えば、実は疑念がある。今日も上げ幅は7円弱。上げたと言えば上げたが、多分1〜2銘柄の大きな上昇が、指数の上昇に大きく寄与した、という展開でしょう。ま、今週はいろいろありますから、それらも注視しながら....

 ところで私が今日注目したのは、「中国、衣料品や紙おむつの関税半減 消費の国内回帰へ」(日経)かな。記事は「中国政府は1日から衣料品や紙おむつなど日用品の一部の輸入関税をほぼ半分に引き下げた。中国で販売している輸入品の値下げを促し、中国人が日本など海外で大量に買い物をするのを抑え、景気が減速する国内に消費を呼び戻す狙いだ。海外製品の値段の高さや偽物の横行への不満を鎮めたいとの思惑もある。関税引き下げは日本企業の輸出拡大にもつながりそうだ。」と伝える。

 しかし私は、「うーん、値段の問題かな....」と。むしろ「信頼性の問題」なのでは。値段は購入の一つの決定要因で大きいが、しかし「商品が信頼できるか、安心できるか」も重要な要因です。

 その意味でこの記事には興味深い文章がある。「海外製品の値段の高さや偽物の横行への不満を鎮めたいとの思惑もある」と。ま輸出が増えて、日本での爆買いが減るなら、それはそれで街も静かになるし結構なことだと。

 思い出しました。ある業界関係者と今日話をしていたら、銀座三越伊勢丹の売り上げに占める海外の人々の割合は、私が今年の初めの段階として覚えていた「1割」から「2割」になった、と。

 「デパートの売り上げの2割が旅行者の買い」ですか。確かに凄いパワーです。



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