2015年03月31日(火曜日)

 (14:38)月末・期末ですか。人も車も動く時期ですね。道は東京も大阪も混んでいる。かつ大阪のホテルで朝食事をしていたら、そのレストランの一番の責任者が「いろいろお世話になりました。明日から東京に転勤で行きます....」と。あちこちで辞令が出た人事異動の一環でしょう。

大阪城の石垣と桜  そういえば番組も大きく昨日から様変わりしているところがあるし(NHKテレビなど多くの放送局)、ラジオなどでは足取り軽く4月1日から番組編成が変わるところがある。各局の朝の顔も大きく変わった。「この子はなかなかいい....とか、ちょっと.....とか」。

 動いていると言えば、人事がらみではなく旅行者が凄まじい勢いで動いている。日本人も、海外からの観光客も。子どもが春休みになったので、新幹線が凄いことになっている。乗客の三分の一は子どもという印象。

 観光客は中国からのそれを含めて、どこに行ってもぞろぞろぞろぞろ。今朝は大阪城にいたのですが、バスが着く度に旗を持ったガイドを先頭に中国からの観光客が大阪城の、主に桜を見に来る。

 私は今日はせっかくだから「大阪の桜の標準木を」と思って午前9時を過ぎたところで西の丸庭園に入ったのですが、なぜあそこが良いと知っているのでしょうか。大勢の中国の方がカメラを抱えて入ってきた。

 大阪の桜標準木は西の丸庭園を入って少し行った右側、天守閣サイドにある。「準」と「正」があって、準が手前。西の丸庭園には「天守閣には行けません」と書いてあって、それを知っていても200円払って入ってくるのだから、「桜を見に来ている」としか思えない。中国の人は情報通です。

 しかし月曜日に乗ったタクシーの運転手さんと、「(中国の人達は)どんなところに泊まっているんでしょうね」という話になって、運転手さんが「名前の通ったホテルに宿泊している人もいますが、大部分は私らも知らないホテルに行ってくれと言われてビックリするんですよ。そんなホテルあったかな」と。運転手さんが知らないのだから、ちっちゃな、かつ新しいホテルでしょう。いっぱい出来ているらしい。

 さらに運転手さんが続ける。「とっても可愛い子が乗ってきて、この子可愛いな....と思っていたら、大きくくしゃみをして、口を拭いたティッシュを車の中に捨てていくんですよ。中国の人を乗せると、必ず何か車の中に残していきます....マナーが悪い。毎回掃除しないと」と。

大阪の桜標準木から見た大阪城  うーん、一言で中国人と言っても、むろん台湾系、シンガポール系などありますが、大陸からの人でもいろいろなタイプの、いろいろな生活パターンの人が来ているんでしょうね。だからマナーの良い人も、マナーの悪い人もいる。

 しかし運転手さんは、「総じて悪いですわ.....困りますよ」と。困ったものですが、徐々に気づいていってもらうしかない、と思う。私が街で見る中国の人は総じてマナーが良いのですが。でも運転手さんは怒っていました。

 ところで私の知る限り、大阪はまだ満開宣言が出ていません。東京が月曜日だったのに、大阪はいつものことですが、桜では遅れ気味。通りがかったとき見たら、造幣局の通り抜けは今年は4月9日から15日と書いてあったような。屋台は明後日頃から準備万端かな。

 でも造幣局の庭を見ると、もうすでに開花しているのもある。同じ八重でもいろいろです。染井吉野より先に咲く八重桜もある。


2015年03月30日(月曜日)

 (06:38)昨日の夕方一雨来た後の夜。人も少なくなっただろうし、風もないからと気象庁から「満開」宣言が出た桜を見に千鳥ヶ淵へ。思った通り人が少なかった。 遠くに東京タワーを見ながら 千鳥ヶ淵の九段サイドから 

 靖国神社(沢山出ていた屋台を見学)を経由して午後8陣半頃ですかね。横断歩道橋を渡って千鳥ヶ淵の九段サイドから入る入り口に、遠くに東京タワーが臨めるスポットがあった。これが綺麗でした。左の写真です。ここはさすがにカメラを構える人が多かった。

よる八時半頃  公園に向かって少し歩いて中程。開けた場所があって、大手町、丸の内を見る方向でとっても水面に写った桜が綺麗だったので、そこでも一枚。緑道の桜が綺麗なのは、要するに「両サイドにある」(千鳥ヶ淵の公園は片サイドです)「それが水面に映る」ことですが、昨日はそれが完璧でした。

 それにしても、印象として「外国人が多い」でした。結構海外の言葉が聞けた。「桜ツアー」(観光庁が宣伝)で来た人でしょうか。それとも国内に居住している人。そういえば靖国神社の屋台で食事をしている人の中にも、海外の人が多かった。

 午後から夕方の雨は結構強かったですから、多分一端人がひいた後の千鳥ヶ淵。いつも桜は朝見るのですが、ライトアップされた夜桜も綺麗だった。


2015年03月29日(日曜日)

 (12:38)ははは、楽しい4年半だったな。まさか「FM放送」に縁があるとはそれ以前は思わなかった。音楽がメインの放送局ですから。しかし、FM放送局もいろいろ試している。そうした中でニュース、報道にも関連した番組を作り、そこに呼ばれたという経緯。

 スタートしたのが2010年秋。総選挙あり、その後は3.11ありの緊迫した期間だった。2015年3月末で終了ですから、4年半。まあ良い時間軸ではないでしょうか。4月からはメンバー一新で新しく「タイムライン2」がスタートするそうです。良い番組にして欲しい。

 私の担当は木曜日で、テーマに関する局側の発想が斬新で、いろいろな方にスタジオで、そして電話でインタビューできるのが楽しかったな。写真は先週木曜日のライブ放送後にスタジオで、そしてその後の赤坂中華料理屋さんでの打ち上げの席で。

 今年の4月からはフジテレビの午後の新しい『とりたてフジテレビ 直撃LIVE グッディ!』に月に2〜3回のペースで出演予定です。

スタジオで

赤坂の中華で


2015年03月27日(金曜日)

 (23:38)今日は笑ったな。六本木の交差点の本屋に寄ってみたら、ダイヤモンドと東洋経済の表紙に同じ人が出ている。ピケティブーム

 何も同じ週の号で同じ人物を掲載することはないでしょうに。もっとも相談しているわけではないので、たまたまということで、まあブームなんでしょうね。本も売れているようですし。

 しかしあの本を読んで、「全く新しいことが書いてある」と思う人は少ないでしょう。「資本の運用収益率(r)は勤労所得の伸びを決める経済成長率(g)を常に上回る(r>g)」というあの本のメインの主張は、多くの人にとって“実感”。むしろ「隠れた常識」だと思う。

 というのも、「生産を伸ばす」より「資本の運用」には遙かに「自由」と「耐性」がある。モノを作ることは実に不自由で、米農家は日本では年に一度しか田植えが出来ない。対して株式投資では年に何度でも種まきが出来るというわけです。

 また、資本は容易に動かせるし国境もなく、ベロシティ(回転速度)が高い。「運用」は「自由」。加えて「より大きな資本」には「耐性」がある。分散投資が可能だし、面倒なら専門家を雇えば良い。

 日本には昔から「お金は寂しがり屋」(だからある所に集まる)という言葉があり、もしかしたらその言葉の方が理解しやすいかも知れない。しかしそれでも、この本は世界各国の経済政策、税制に大きな影響を与えると思う。

 なぜなら「格差拡大」という世界的な問題にまじめに、説得力ある形で取り組み、その仕組みを明示したからだ。つまりこの本は“象徴”になった。政治家も誰も無視できない。

 二つの雑誌がその”象徴さ”を具現しているような気がした。


2015年03月26日(木曜日)

 (23:38)頭をよぎった通りか。酷いな、これは。要する多くの人を巻き込んだ自殺テロです。

 こんなことが許されるなら、もう怖くて飛行機になんて乗れないですよ。衝撃以外の何物でもない。身近な人々を失った人々の怒りが聞こえてきそうです。なぜこんなことが起きたのか、起こすことを許してしまったのか。

 世界中の航空会社、当局に考えて欲しい。


2015年03月26日(木曜日)

 (08:38)今朝思ったのは、人間と同じように植物も温度を敏感に感じ、それにちゃんと対応しているんだ、ということ。というのは水曜日、木曜日と二日続けて寒かったじゃないですか。でも見ているとその間の桜の開花進捗状況がずっと低調だった。

 実は今朝の段階で東京の桜開花の標準木がある靖国神社に行って、改めて標準木を見たのです。開花宣言は「5〜6輪以上の開花」ですが、今日標準木を見るとそれからそれほど増えてはいない。三日もたつのに。つまり止まっているわけです。

 多分温かければ一斉に開花に進んだと思われるのに、この遅さ。それは動物のような感受性がないように見えて、木のシステムの中に「温度を敏感に感じ取る力」があるということでしょう。当たり前のことですが、改めてこの二日間ほどの桜を見てそう思いました。

 今日見た感じでは、千鳥ヶ淵はこの土曜日ではちょっとまだ早いかな。しかし国立劇場の前は相当良くなっている。多分東京でも大阪でも来週の火曜日くらいが一番の見頃のような気がする。

 ただし千鳥ヶ淵の緑道も公園もライトアップの準備は出来、それにトイレまで用意されて「準備万端」という感じ。靖国神社などで開催される千代田区の桜祭りは明日、金曜日から開催のようです。靖国の出店は毎年凄い。またライトアップなどなども。

 そういえば弘前の人が面白い事を言っていた。「連休に桜がうまく咲くように、弘前では桜の木の根元に雪を置いて開花を遅らせるケースもあるんですよ」と。これはビックリしたな。明日からは温かくなるので、多分染井吉野は一斉開花に向かうと言うことですか。弘前の春はまだ先でしょうが。

 それにしても、辺野古での工事を政府は進めているようですが、きっちり沖縄と向き合う姿勢が欲しいですね。たとえ工事が進んで飛行場が完成、あそこに基地が出来たとしても、しこりが残って良くないと思うのですが。喜ぶのは中国だけだと思う。


2015年03月25日(水曜日)

 (23:38)またまた大きな航空機事故。そしてまたも「なぜ」が多すぎる事故。

 なぜ巡航速度に移行した後に8分間で9000メートル以上も高度を一直線に下げたのか、なぜ迫るアルプスの急峻な山肌を回避する行動が見られなかったのか、なぜパイロットから緊急交信がなかったのか....。疑問だらけです。理由が分からないという意味では、未だに行方知らずのマレーシア航空機の事故を思い浮かべる。

 今見たらそれに関連して「独機墜落:操縦士の過失致死で捜査 原因不明の急降下」と毎日新聞が報じている。理由は、「操縦士が墜落を防ぐ措置を取らなかった可能性もある」というもの。

 そりゃそうでしょう。何らかの理由で非常に短い時間の中でパイロットが気を失うようなことがなければ(あまり考えられない)、何らかの「回避の動き」がコックピットから生じていなければならない状況です。しかしそれがなかった。

 今回の事故はこれからの調査ですが、「にわかには分からない理由で航空機が墜ちた」もそうですが、「いくら調べても分からない理由で航空機が行方を変えて墜ち、行方もまだ分からない」というのは、我々利用者にとっては最悪の状況です。後者はマレーシア航空機。

 むろん毎日世界の空を飛んでいる飛行機の数は数え切れないほど。その中の一機に事故が起きても、「(乗客が事故に遭遇する)確率は少ない」「交通事故に遭うより確率は低い」ということは分かる。しかし....あれだけ事故回避のシステムが整備されている飛行機で、「原因が分からない事故がある」ということが気持ち悪いじゃないですか。

 今回のジャーマンウイングスの事故は、是非「原因特定」にまで到達して欲しいと思います。間違っても、「操縦士の過失致死」以上の人的理由などありませんように。


2015年03月24日(火曜日)

 (18:38)ははは、「ブンボウガー:愛してやまない文房具…アナログさが新鮮」は面白い記事だな。実は私も銀座の伊東屋さんにしばしば顔を出すタイプなので、よく分かる。

 「ブンボウガー」ね。面白い言葉だと思う。なぜか良く整備された、興味深い文房具を揃えている店に入るとワクワクする。「へえ、こんなものも出来るんだ」「あるんだ」と。日本の文房具は本当に良く出来ていて、海外からの旅行客にも人気があるというのは良く分かる。

 私が好きなのは、これだけキーボードを叩いていて、実はボールペンです。高いのもあるし、安いがおもしろものもある。実際には家にはもう一生使い切れないほどの万年筆、それにボールペンが。

 ボールペンだけでなく、何か面白いものがあると買いたくなるのが文房具の不思議です。東京駅の隣のOAZOの本屋の上にも面白い店があるな。あそこでも結構買い物をする。多分私の予想では、IT社会であるが故に「ブンボーガーは増える」と思う。

 ところで大阪から帰ってきて撮りためビデオの中のサンド・ウォーズ〜広がる砂の略奪〜(再)を今見ましたが、面白かったな。「砂」なんてそこにあるのが普通の存在で、あまりあえての視野に入ってこないじゃないですか。しかし凄く重要な存在、貴重な存在だと知らされた。面白かったですよ。


2015年03月24日(火曜日)

 (11:38)日曜日と同じ書き始めにしますが、「見た瞬間に....鹿は可愛かったけど、これは不気味....」と思いました。ネズミには大きすぎるし、カピバラにしては小さいし、長いおっぽがある。かつ逃げる気配は全くない。なんたって、大阪のど真ん中、大阪城のお堀の石垣の上ですから。

最初カピバラかと思った  しかも真っ昼間ですからね。この手の小動物は人間に飼い慣らされていなければ、人間を見ると警戒して近づかない。鹿は距離20メートルが目安で人間から離れる。しかしこれは鈍重な感じで、全く逃げようとしない。

 その時は「なんだろう」と迷ったまま写真を撮って、ホテルに帰って調べたら「ヌートリア」だと判明。南米原産で日本には毛皮採取の目的で連れてこられたらしいのですが、何らかの形で自然に放たれ、天敵のいない日本で繁殖した、という経緯らしい。

特定外来生物のヌートリアでした  しかしどうやら日本に来てこの生物にもいろいろな変化が生じているようです。天敵、捕食者がいる世界では警戒して夜行性なのですが、日本ではそれがないのでこうした昼間(私が撮影したのは午前10時半くらいでした)に堂々と、警戒することなく行動するようになっている。

 加えて写真では草を食べていて、草食性そのものですが、東京の多摩川あたりでは貝などの他の生物を食べるケースも報告されているようです。ということは雑食性を帯びたと言うことで、これは「さらに大増殖」のリスクもあると言うことか。

 うーん、鹿もヌートリアも増えなければ人間の良い友達なのですが。


2015年03月22日(日曜日)

 (09:38)見た瞬間には、「今年の冬は大丈夫だったのかな。ちゃんと食べるものはあったのか ?」と思いました。しかしその後何頭もの鹿を見て、「これだけ生き延びているんなら、冬でも餌はあったんだろう」と思いました。

朝一見つけた鹿の親子  何かというと鹿です。お尻が白くて木立の中でも見つけやすい。最初2頭の親子を見つけて、その時は「ラッキー」と思いましたが、その後も何頭も見つけられた。だから「多いんだ」と思いました。

 比較的警戒心は少ない。しかし奈良のそれのように人間の近くには寄ってこない。約20メートルの距離を保ちます。近づくと逃げる。しかし直ぐに止まってこちらの様子を見る。その繰り返しです。

 何を食べていたのかなと思って見ていたら、鹿の背丈が届くところまで皮が食べられている木が一杯ある。朝一見た鹿の親子見ていないので分かりませんが、こういう木の皮などを食べて生きているんでしょうね。冬の間も。

 でも私の記憶では蓼科でこんなに鹿を見たことは、子ども時代からない。で、旅館の人に「増えたんですか」と聞いたら、「とっても増えたんです」と。だから別に奈良に行かなくても、東京から2時間の蓼科で、特に朝は鹿が見れること請け合いです。

 蓼科はまだ寒いですよ。東京は木々が芽吹いていますが、こちらはまだ全く。朝は非舗装道路には霜柱が立ち、木立の中には雪が残っている。どのくらい寒さが残るのかは分かりませんが、多分4月の中旬ころまで寒いのでは。多分桜が咲くのはゴールデンウィークです。

蓼科はまだ白です  別荘が並んでいるのですが、冬でもちゃんと車が入っている。この辺は住んでいる人も多いんでしょうね。蓼科湖からそれほど遠くない場所ですが、道が縦横無尽に走るようになって、結構変わったと思いました。鹿も増えたし。


2015年03月20日(木曜日)

 (09:38)今日は新聞に載ったポール・マッカートニーの武道館公演(4月28日 午後6:30)の全面広告「半世紀ぶりにあの舞台に立つ」を見てひっくり返りましたね。

 まずはSS席の10万円に、そして最後のC席の2100円に。その価格差の凄いこと。でもよく見ると、なぜ2100円なのかは書いてある。それは「1966年ザ・ビートルズ武道館公演と同料金 25才以下限定販売」とある。なるほど。

 1966年ね。文字通り半世紀前。そんな価格水準だったと言うことですね。私はむろんはるかに社会人前ですから分かりませんが、多分初任給が万に届いたかどうかというころでしょう。だから2100円でも高かった ?

 1966年にビートルズが来たときのことは、もういろいろな映像や記録で公表されていて、キャピトルに泊まったのですが、ジョンが骨董品屋で買い物をしたとか。ポールは今回はどこに泊まるのか。新しくなったキャピトル ?

 うーん、どうしようかな。一昨年だったと思ったのですが、大阪でたっぷり聞いているんですよね。その時は「これが最後だろうな」と思って見たのですが、またいらっしゃるとは。ははは。でも聞きたい気もする。


2015年03月19日(木曜日)

 (04:38)「patient」が消えたのに、ドルがユーロや円に対して下落し、そしてニューヨークの株価が大幅上昇し、商品相場全体が上がるという「マーケットの予想外の反応」(CNBCの記者が当初呆れていた)が起きた理由は、「今まで造成されていたポジションが巻き戻された」ということもあるが、このFRBの最新経済予測にもあるんではないでしょうか。

 だってGDPの成長率見通しを2017年まで12月の予想から引き下げ、失業率見通しを改善に修正し、物価上昇見通しは下げている。ということは、「米経済の成長率は比較的弱く(しかし成長はしている)、インフレ率は低いまま。失業率は下がる」と。これは言ってみれば「ゴールディロックス・エコノミー(Goldilocks Economy)」予測です。しかも失業率が下がる。

 Goldilocks Economyとは「インフレでもなく、景気後退でもない適度な経済状態のこと」を意味しますから、これは今までのマーケットの懸念、つまり「利上げがあれば経済が冷える」とか「利上げ後は足早に利上げが続く」などの思惑を消すものです。

 つまりFRBの予測に基づく「今後の金融政策」については、

  1. 利上げは極めて慎重に、そしてインターバルを置きながら行われる(基本的には超緩和の継続)
  2. かつ利上げ作業の今後3年ほどの到達地点は、成長率、インフレ率見通しを考えると比較的低くなる
 ということでしょう。今回のイエレン記者会見の一つの特徴は「ドル」に関して喋っている時間が長いことです。「アメリカ経済に対するドル高の影響は数値化できないのか」といった質問もあって、かなり長くドル高のアメリカ経済に対する影響を語っていた。全体的に言うと「アメリカはドル高の影響は受けるが、それは乗り越えられる」という内容だったと思う(まだ終わっていませんが)。

 よって今のところドルは円に対して小動きか弱含みです。一方で「patient」が消えているので。この後ドルが円に対して下げたとしても、それはイエレンの発言と言うよりは米金利の低下を受けたものでしょう。今見ると米指標10年債の利回りは1.913%で声明発表以前より大幅に下げている。

 株と一緒に債券も上げている、ということです。まずまずの成長は続くし、インフレ率も予想以上には高まらない...とすれば、両方上がってもおかしくはない。ほう、ニューヨーク・ダウはあと少しでベルが鳴る段階ですが250ドル近くも上がっていますね。商品相場も上がっているのが面白い。

 今回の記者会見のもう一つの特徴は、「議会とFRBとの緊張」「金融犯罪」に関して繰り返し質問が出たことです。以下に声明の全文を備忘のために残しておきますが、今回の声明文に関しては「反対者ゼロ」でした。

 一つ思ったのは、成長率がそれほど高くないのに失業率が下がる。日本もアメリカも「団塊の世代」が働きのコアから出て行きつつあって、「人手不足」なのかもしれませんね。誰か日本の記者が出席していたら、「日本ではかなり幅広な賃上が行われようとしていますが、それがアメリカで起きたらどうなりますか」的な質問をして欲しかったな。

 あらら、そんなことを書いていたら、イエレン議長の記者会見が今(04:27 日本時間)終わりました。お疲れさん。今日は彼女の顔が曇ることが多かった。可愛そうに。

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Release Date: March 18, 2015

For immediate release

Information received since the Federal Open Market Committee met in January suggests that economic growth has moderated somewhat. Labor market conditions have improved further, with strong job gains and a lower unemployment rate. A range of labor market indicators suggests that underutilization of labor resources continues to diminish. Household spending is rising moderately; declines in energy prices have boosted household purchasing power. Business fixed investment is advancing, while the recovery in the housing sector remains slow and export growth has weakened. Inflation has declined further below the Committee's longer-run objective, largely reflecting declines in energy prices. Market-based measures of inflation compensation remain low; survey-based measures of longer-term inflation expectations have remained stable.

Consistent with its statutory mandate, the Committee seeks to foster maximum employment and price stability. The Committee expects that, with appropriate policy accommodation, economic activity will expand at a moderate pace, with labor market indicators continuing to move toward levels the Committee judges consistent with its dual mandate. The Committee continues to see the risks to the outlook for economic activity and the labor market as nearly balanced. Inflation is anticipated to remain near its recent low level in the near term, but the Committee expects inflation to rise gradually toward 2 percent over the medium term as the labor market improves further and the transitory effects of energy price declines and other factors dissipate. The Committee continues to monitor inflation developments closely.

To support continued progress toward maximum employment and price stability, the Committee today reaffirmed its view that the current 0 to 1/4 percent target range for the federal funds rate remains appropriate. In determining how long to maintain this target range, the Committee will assess progress--both realized and expected--toward its objectives of maximum employment and 2 percent inflation. This assessment will take into account a wide range of information, including measures of labor market conditions, indicators of inflation pressures and inflation expectations, and readings on financial and international developments. Consistent with its previous statement, the Committee judges that an increase in the target range for the federal funds rate remains unlikely at the April FOMC meeting. The Committee anticipates that it will be appropriate to raise the target range for the federal funds rate when it has seen further improvement in the labor market and is reasonably confident that inflation will move back to its 2 percent objective over the medium term. This change in the forward guidance does not indicate that the Committee has decided on the timing of the initial increase in the target range.

The Committee is maintaining its existing policy of reinvesting principal payments from its holdings of agency debt and agency mortgage-backed securities in agency mortgage-backed securities and of rolling over maturing Treasury securities at auction. This policy, by keeping the Committee's holdings of longer-term securities at sizable levels, should help maintain accommodative financial conditions.

When the Committee decides to begin to remove policy accommodation, it will take a balanced approach consistent with its longer-run goals of maximum employment and inflation of 2 percent. The Committee currently anticipates that, even after employment and inflation are near mandate-consistent levels, economic conditions may, for some time, warrant keeping the target federal funds rate below levels the Committee views as normal in the longer run.

Voting for the FOMC monetary policy action were: Janet L. Yellen, Chair; William C. Dudley, Vice Chairman; Lael Brainard; Charles L. Evans; Stanley Fischer; Jeffrey M. Lacker; Dennis P. Lockhart; Jerome H. Powell; Daniel K. Tarullo; and John C. Williams.


2015年03月19日(木曜日)

 (03:25)これからイエレン議長の記者会見が始まるのですが、「patient」を落としたのは、私にとって予想通りですね。今週月曜日に書いた文章で、以下のように予想しておいた。

「残すのか、消すのか」に関しては、政策のフリーハンドを高められるという意味では「消す」方が賢明だろう。既に失業率は5.5%となっていて、これはFRBが「これ以上の低下は危険」と考えるであろう水準に相当接近している。政策を担当している人は、後で「なぜあの時」と言われるのが嫌だろうから、「一応の手は打った」状態にしたいとも思うはずだ。patientを消す場合と、実際に金利を引き上げる場合には、絶対的にイエレン議長の説明が必要だから、記者会見がセットされていないFOMC(この先だと4月はない。6月にあって7月になく、9月にある)ではなかなか出来ない。そう考えると、記者会見がセットされている今週のFOMCで消してくる可能性は十分にある。

 ただしその場合にはイエレン議長は

  1. だからといって、「これはFRBによる近い将来での利上げ」を意味するものではなく、「今後出てくるデータ(特にインフレ関連)を検証し、さらにインターナショナルな要因も勘案」した上で利上げを決める
  2. 「利上げ」をしたとしても、それは言ってみれば「金利の正常化」の始まりであって、金融情勢は依然として超緩和的であって「引き締めにはほど遠い」し、FOMC開催ごとに0.25%引き上げた過去のケースのような「足早な政策金利(FF金利)の引き上げ」はしない
 といった説明をすることになろう。
 FOMC声明は、では利上げの時期に関しては「This change in the forward guidance does not indicate that the Committee has decided on the timing of the initial increase in the target range.」(まだ決めていません)と述べて、一つ具体的には「Consistent with its previous statement, the Committee judges that an increase in the target range for the federal funds rate remains unlikely at the April FOMC meeting.」(FF金利の引き上げは4月はunlikelyだ)と述べている。ま、彼女の記者会見を見ましょう。


2015年03月18日(水曜日)

 (20:25)珍しくNHKの夜7時のニュースを見ていたら、「上海領事館など日本の関係機関でビザ用紙が不足の事態に....」と。笑える。それほど沢山の中国の方々が日本を訪れるためにビザ申請しているので、「用紙が足りなくなった」ということらしい。

竹橋近くの寒緋桜(と書いてある) 色が濃いピンクです  確かに。皇居周りを回っても、銀座を歩いても前後左右からなにげに中国語が聞こえる。どこの中国語かを聞き取る力はありませんが。「桜の季節はもっと増える」とNHKに出ていた上海の日本領事館関係者。あやや。

乾門近くの大寒桜は染井吉野に近づくピンクです  ところで「中国人も目指す桜」ですが、もう結構楽しめますよ。今日思ったのですが、よく「今年はお花見されました?」とか言うじゃないですか。前提は「毎年春に1回、満開の染井吉野を....」ということでしょう。でも今日思ったのです。「それは違う。二日にいっぺんくらいは同じ場所を歩き、各種の桜の木の日々の変化を楽しむのが花見ではないか」と。

 いつも皇居とか大阪城周りを回っていると、ほんの数日のサイクルで「桜の木の状態」「つぼみ、花の変化」が生じていると分かる。「その変化を見ることこそが花見」ではないか、と。つまり「花の変化を見る」動的な、時系列的な花見です。変化を頭に刻む。それこそが楽しい、と。

 特にこれからは、毎日行っても花は状態を変えている。例えば千鳥ヶ淵(緑道)の修禅寺桜はもう終わりで葉桜状態ですが、竹橋近くの緋寒桜は今が最高です。濃いピンク。乾門に向かう途中の交番横の大寒桜も今が一番ですが、こちらは淡いピンク。この二つの「寒桜」は、時期は一緒ですが、色が全然違う。

今は木蓮も綺麗ですよ。北の丸公園で  北の丸公園に行くと、緋寒桜や河津桜(ともに今が見頃)の直ぐそばに木蓮が綺麗に咲いている。木蓮は数日前はまだ兆しぐらいでしたが、今日は四分咲きくらいで、この時期ピンク系の花ばかりであまり白い花がない時期には、「逸品」に見える。

ところでお堀にあったこの花の咲いた木は何の木でしょうか...今朝分かりませんでした  逆に今はどこの染井吉野も兆しぐらいしかない。千鳥ヶ淵も靖国神社も。ただしつぼみは徐々に大きくなっている。今日の午後に見たニュースだと、予測会社の一つは「25日が開花」と予想しているようですが、多分それは靖国神社の入って右の標準木でしょう。

 それ以前でも、例えば外務省の内幸町寄りとか、かなり早めに咲く染井吉野も多い。染井吉野が終われば八重桜です。私は弁慶橋を入った清水谷公園の前の道路の両側の八重が揃っていて好きですが、多種の八重桜を見ようと思ったら、大阪の造幣局の庭が良い。桜が終われば桃で、大阪城には「桃園」がちょっとお堀の外側にある。

 でも何だかんだ言って、この時期の木に着く花々の中で最高なのは、桜でも梅でも「枝垂れ」かな。私にとって。なぜかそうなんですよ。枝垂れ桜は六義園のそれが綺麗ですが、「小金井の枝垂れ桜並木が良い」と去年教えてくれた人がいました。サイトもあるし、今年はここを楽しみにしよう。


2015年03月18日(水曜日)

 (13:25)身の周りで「周年お祝い」が多い。「お祝い」というか「よく続きました。お目出度う。今後も頑張ってね....」ということですが。

 まず昨日青山でちょっとした懇親会があったのですが、「いま世界は」が「5周年」。これは結構凄い。BS番組で予算も比較的少ない中でちゃんと視聴率をある程度維持し、局からもスポンサーからも「お続け下さい」と言われ続けたと言うことだし、その間に「BSでテレビを見る」人が増えたことの証左だと思う。

 テレビの番組は画面に出ている人の数はそれほど多くはないが、それを支えている人の数は非常に多い。昨日もいろいろな役割の方が来られていて、いろいろな方にお会いできておもしろかった。

 司会の木佐さんと小松君(懇親会にはいなかったけど)の絶妙のコンビ司会がもたらすまとまりの良い、本格的国際報道番組....というのが私の印象で、私もそれに役立てば...ということです。「日曜夜の大人の番組」頑張れ....。

 会も楽しかった。「ラフな....」という曖昧ドレスコードだったのに、司会の河野さんが蝶々さんなのがまず笑えたのですが、スタイリストの折原さんとニューヨークのスペイン料理屋「エルファロ」のパエリャとホワイトサングリアの話で盛り上がれたことが嬉しかったな。

 私が好きなニューヨークのお店のリストに入れている店なのに、とっても残念なことに折原さんによれば市街地開発でお店はなくなってしまったという。とっても残念。ニューヨークに行くと必ず寄っていたのに。

 「周年」と言えば「森本毅郎スタンバイ」はなんと「25周年」。凄いでしょう。四半世紀ですよ。私は番組がスタートしてから暫くしての参加ですが、はっきり言ってこの番組は「森本さんの実力」故に続いている番組です。この番組は今年の春にちょっとお祝い会があるので愉しみ。

 「番組のパワー」ってやはり凄いものがあって、3月4日にお伝えした江戸城・日本橋ツアーに参加したら、参加していた方が私の顔を見るなり「あの番組はいい....」と。また今朝は北の丸公園の花をいろいろ見ている中で守衛さんがいたので話しかけたら、「もしかして金曜日の......」と。私はスタンバイでは金曜日の出演なので。声で分かったそうです。ははは。

 私にとって「長い番組」と言えばラウンドアップも1998年スタートですから、あと3年で20年。こちらも続けたいと思っています。


2015年03月17日(火曜日)

 (00:25)読み始めたら新幹線の中で「non-stop」になりました。止まらない、笑える、楽しめる。

 「ふしぎな国道」(講談社 佐藤健太郎著)です。国道、酷道のナゾがかなり解けたし、「へえ、行ってみたい」という場所が一杯出来ました。特にこの本を読みながら、網走から稚内に繋がる238号線は改めて行きたいな、と思いました。

 一昨年だったかな、北海道を車を借りて回った時に、サロマ湖から網走に抜けた時に、その一部を通ったんですよ。オホーツク海を見ながら。夕陽が綺麗だったな。その後知床を少し回って羅臼に出た。

 話がそれました。そうじゃなくて、夕暮れ時を含めて網走から北上して稚内まで。300キロちょいあるらしい。ほぼ信号もない真っ直ぐな238号線。本当は自分の車で行きたいが、当面は無理かな、と。

 この本はあまりにも面白いので、このサイトの読者の皆さんにも勧めますが、より多くの人に読んでもらいたいので週刊新潮の書評に載せますわ。それにしても、この本の著者は全国良く乗り回している。あはは。

 結構車で移動するので、「道路」「道」に関する話題は豊富ですが、一つ書くとすると、山間の旅館はナビに気をつけろ.....がある。確か蓼科の旅館でした。ナビを入れて接近。しかしどこにもその旅館がない。山道の途中で、「目的地周辺です」とナビがおっしゃる。

 その旅館の説明書をよく読んだら、「ナビは当てにせず、この地図で.....」と。あるんですよ。ナビに頼ると変なところに連れて行かれる、というのが。以前ゴルフ場でもあった。そのゴルフ場の説明書にもあとで見たらそう書いてあった。(知っているのに何故直さない ?)

 多分一つの住所に広い面積が入っていたり、使っている番地が本当の番地ではないケースがあるんでしょうね。時々田舎に行くとそういうことがある。そういう我が家の近くの家でも、「ずっと使っていた番地が、実は登記簿を見ると200メートルくらい先の場所の地点のそれだった」ということがあった。しかし郵便はちゃんと届く。それでずっとやって来ているので。

 この本には「面白い国道」「恐ろしい酷道」が一杯出てくる。マニアの方も多いのでしょう。しかし、私はあまり試したくない。つい先日山梨の放光寺に枝垂れの梅を見ようと行って狭い道につかまって、えらいめにあったばかり。

 しかし日本の「国道」は不思議な存在です。何であんなに立派な246が三桁国道なのか....などのナゾが解けます。


2015年03月16日(月曜日)

 (12:25)今朝の新聞では日経が全人代を巡る記事で秀逸。息を飲むような生々しい表現が踊っている。

 まずは新聞だと一面の真ん中にある「習氏独壇場、その先は見えず」は次のような文章で始まる。

  中国国家主席の習近平は今、外での行事の際、一度配置した警護要員を信頼できず、5分前に数百人を総入れ替えする緊張を強いられている。全人代の席で習が飲むための茶器を女性の係が置く場面では見慣れぬ男性要員2人が後方から監視した。「凶行を警戒すべき場面は数年で20回近い」ともいわれる。
 こんなビビッドは表現の記事は久しぶりだな。その後には「長老嘆かす強権」と続く。そうなんでしょうね。今責められていて、「あいつなら」と支持した長老の中には、「間違えた」と思っている人も多いでしょう。それにしても習近平主席も心穏やかな日々を送っているとは思えない。自分に敵対する虎を退治しているわけだから。当然恨みは買っている。だから5分前に警備要員を全員替える。

 この記事の半ばには、首相の李克強に関して「首相の李克強の権威の低下は著しい。演説中、多くの代表があくびをし生中継に映ってしまう」とある。存在感が著しく薄くなっていたことは聞いて知っていたが、「多くの代表が\(~o~)/ふあぁぁ」とは。

 李克強に関しては日経は7面にも「独自色避け、慎重発言」との記事を載せている。その中には

  李氏は会見で「腐敗があれば、必ずたたく」とすべきを「腐敗をたたけば、必ず腐敗する」と逆の意味に言い間違え、訂正する場面もあった。全人代初日に発表した政府活動報告でも後から重要部分だけで17カ所も訂正が入るなど不手際が目立った。
 という表現がある。「腐敗をたたけば、必ず腐敗する」は高等な習近平批判かとも思われるが、そうじゃないでしょう。それは間違えたのだと思う。加えて政府活動報告の重要部分だけで17カ所も訂正を入れるとは。

 間違いがそれだけあるということは、「秀才」の誉れ高い李首相の頭が「他の事に向いている」「喋っていることに実は関心がない(自分が決めていないから)」ことの現れだと思われる。だとしたら彼は何を考え、何をしているのか。

 習近平という人間の存在が李克強の心を不安に、そぞろにした、とも考えられる。それだけ中国の指導部全体(地方レベルを含めて)が超緊張状態にある、ということでしょう。李首相は一方で、「中国企業にはなぜ洗浄便座(中国からの観光客が日本で爆買いしている)が作れないのか」とも語ったと伝えられる。

 そんな緊張した指導部を持ち、それに連なる官僚、そして国営企業の幹部も発言に気をつけねばならない国から、自由な発想の新商品が生まれるとは思えない。だから今の中国の指導部が経済の「質を上げる」と言っているのは、「見果てぬ夢」に終わる可能性が高い。

 李克強はそれを知っているから一言一言を強く発言する例の口調でパワーを見せようとしているが、「実は何も権限のない自分をどう扱って良いのか分からなくて、言うべきことを間違えている」のではないか。

 日本に旅行に来ていた中国の庶民は明るく、お金使いも奔放だった。それに対しての習近平、そして李克強の隠しようのない緊張。困った国が隣にあるものです。何か起きないかと常に気になる。ぶつぶつ言っているだけの国はまだかわいい。


2015年03月15日(日曜日)

 (16:25)日本のサッカーは、はっきり言って低迷している。去年のワールドカップの成績もよくなかったし、戦い方も納得出来なかった。最近Jリーグの開幕に先立ってスタートしたACLでは、1チームのみが二戦のうち一つ勝っただけ。4チームの成績は1勝1分け6敗。1勝1分けの柏がかろうじてメンツを保つ。

 なにせJリーグで1、2、3位のチームが連敗スタートですから、話にならない。中国が強い。意外だ。と思えば、女子はワールドカップイヤーだというのに、前哨戦と言われたアルガルベ・カップで9位。

 土曜日かな、女子の佐々木監督がNHKのテレビに出ていて、決勝トーナメントにも進めなかったので凄く悔しそうかと思ったら、そうでもなさそう。ワールドカップに向けては「課題が見えた」的な発言でびっくりした。

 そうした中で迎える男子ジャパンの監督に、バヒド・ハリルホジッチさんが来日。私はもともと「日本人監督派」ですが、決めたからには今の低迷した日本のサッカー界に風を起こして欲しいと思っているのです。

 世界で戦うと弱い日本では、その日本のJリーグを乗り出して見よう、と言う気になれない。だってコップの中の争いで、外に出て通用しないのでは意味がない。それに統括する団体が責任を取らなかったり、派閥争いをしているケースが多い。

 新しい日本の監督の名前は「非常に意味深い」と取材した人が言っていた。何せ「バヒド=唯一の、貴重な」、「ハリル=親友」、「ホジッチ=指導者の子孫」だそうなので。

 ま、名前はその国、地域の慣習の中で付けられるので、彼の名前だけがボスニア・ヘルツェゴビナで特別な意味を持っているわけではないでしょうが、それにしてもサッカー・チームの監督に相応しい名前のような気がする。

 何よりも前回のワールドカップでドイツをもっとも苦しめたチームの監督と言うことが、期待を抱かせる。むろん、人は徐々に歳を取って変わっていくし、相性の問題は残る。だから日本でも同じ事が出来るとは言えない。しかし前回のワールドカップのアルジェリアは予想を上回る活躍だった。

 女子は別だが、日本のサッカーもちょっと産業として安定してしまったきらいがある。確かに初期の指導者は苦労もしたし、偉かったと思うが、その後の人は胡座を書いているような気がする。それは選手も含めて。

 だからハリルホジッチ監督には、どしどし持っているものを日本の選手に伝えて欲しいし。”情”もあるらしいが、何よりも期待できるのは彼が非常に厳しい人だということだと思う。選手起用でもそうあるべきだと思う。日本のサッカー界に是非新風を吹き込んで欲しい。


2015年03月13日(金曜日)

 (16:25)それにしても「素っ頓狂な首相経験者」ですね。多分彼がクリミアに行った理由は「注目されたいから」だけです。懸念された通りロシアのマスコミにはさんざん「ロシアのこれまでのやり方の正当性を是認した」といった形で引用された。

 それに先だってプーチン大統領はクリミアの併合が「住民の意向を受けた」ものではなく、ウクライナのヤヌコビッチ大統領(当時)がキエフから逃避した段階から「画策」したものであることを認めた。ロシアのドキュメンタリー番組で。つまり陰謀だったわけです。

 「そこまでよく言うな」とも思いますが、西側と最後のところは肌合いが相容れないロシアのこの指導者が、今後様々な問題にどう行動してくるのかが少し予想できる裏話を自らして、それでまた国内の支持率が上がるという展開。規範とか美意識が違うと思わざるを得ない。

 陰謀で出来たロシアの新しい領地に行って、「住民の意見を聞いたら、ロシアのこれまでの行動には正当性がある」的な発言をするということは、じゃ鳩山さんの政治家としての規範は何なのかという気がする。呆れる話です。

 ところでiPhone のアップデートに気づいてやったら、素早い。もうアップルウォッチ対応のアプリが画面に登場した。これがウォッチとの窓口になるということでしょう。しかし一定時期以前のiPhone には積めないように出来ている。

 ということは、例えば2年〜3年の間に、同じように「アップデートの対象から外れる」という危険性を提示していると思う。例えばウォッチを買ったとして3年後に「対象外」と言われたら、一体そのウォッチは何の存在になるのか。高いアップルウォッチにはそうした懸念がつきまうように思う。もっともアップルも「時計が何十年もの間使われる可能性のあるもの」ということは知っているでしょう。

 ということはそれを担保する何らかの機能、ツールをアップルは用意しているのかも知れない。それはアップルカーにも言える。その辺をどのように乗り越えるのかが注目だな....と思っています。

 注目と言えば、世界最大の時計会社であるスウォッチがアップルから少し遅れるが、「支払い機能を持つ時計」「通信機能を持つ時計」を発売すると発表。こちらは5月。面白いじゃないですか。そりゃそうだ。攻められるだけでは能がない。

 フルの「スマートウォッチは目指さない」ということですが、消費者がこのくらいでokと考える可能性もある。よって、「その支払い機能とはいかなるものか」が興味あります。一つ言えることは、100万〜218万のアップルウォッチが売れれば売れるほど、世界の既存の時計業界の売り上げは落ちる。競争です。

 うーん、今日はすっきり。というのも、実に久しぶりに体にちょこっと出来たイボのようなものを二つ切除。簡単ですね。皮膚科に行って麻酔を打ち、機械でシュシュとやって。ほとんど時間もかからない。先生が「私たちは、それらを切除する為にいるようなものですから」と。そりゃそうだ。


2015年03月12日(木曜日)

(16:25)「アップルウォッチ」は「伊勢丹でも売る」との噂(後で確認したらネットにありました)があったので、「面白い」と思って新宿の伊勢丹本館に電話で聞いたら、「申し訳ありません....まだ何も詳細は決まっていないので」と。

 私が知りたかったのは、伊勢丹が扱うとしてタイプは全部か、それともファッショナブル(従って高価なものか)を中心とする限定販売なのか、iカードの優待は効くのか、どの売り場で売るのか....などですが、「全てまだ決まっておりません....」と。

 これはアップルの今後の方向性を考える上でも結構面白い問題だと思っているのです。「伊勢丹でも売る」ということは、今後のアップルの商品はネット、アップルショップ、家電量販店のアップルの店、携帯電話会社経由に加えて、「今後はファッション店が入ってくる」ということでしょう。伊勢丹はその先陣に指名された、ということ。アップルという会社のイメージが相当変わる。

朝はなかなかうまく撮影できない  時計はジェンダーレスな商品なので、「男の新館」とはいかずに本館の4階かなと思ったら、「それも決まっておらず、恐らく本館の一階....で」と歯切れが悪い。ま、要するに「アップルウォッチを売る」ということは決まったが、あとは何も決まっていないと言うことになる。はよ詳細を決めて欲しい。

 ところでこの二日ほど、「いかに富士見櫓を皇居の外から綺麗に写真に収めるか」を朝のテーマにしているのですが、なかなか成功しない。それにはいくつか理由があります。

  1. そもそお桔梗門の奥にあって、例えば桔梗門の直ぐ近くからでも、東京駅に近い警察の詰め所からでも結構遠い
  2. 建物がそれらの地点から見ると無数にある大きな松の向こう側になって、あまり全体像が綺麗に見られない
  3. 今の朝の時間帯は、東京駅サイドにあるどれかのビルの影で、富士見櫓には陽が当たらずに影になるので、余計うまく撮れない
 などの理由がある。うーんサイトとして紹介した写真は非常に良く撮れている。多分大手門を入ったところから撮ったのだと思うので、今度東御苑に入ったときにトライしてみます。天守閣のない江戸城では一番高い建物なので。富士見櫓は。将軍も品川の花火をここから見たとか。

乾門の近くにあります  ところで、江戸城ついでですが、先日城の中を案内してくれたNGOの人に「城の中では”多聞”とは要するに武器庫ですが、どうしてその名前が付いたのですか」と聞いたら、「知りません。調べておきます...」と。そのままになっていて、今改めて調べると「城壁の上に塀のように作られた長屋風の建築物。松永久秀が大和の多聞城に初めて作ったのでこの名があるという」と書いてある。

 それじゃ「多聞」は「櫓」とはどこが違うのか、という疑問が生じる。「櫓」は物見が主ですが、当然武器庫の側面もあった。調べると「櫓」とは「城郭内に防御や物見のために建てられた仮設または常設の建築物。 ヨーロッパの城では、中世からルネサンス期の城にHoarding(ホーディング)と呼ばれる櫓がある。 多くは石造城壁上の木造物で、城壁上の敵に対して攻撃可能な開口部が設けられる。」と書いてある。

 うーん、そうすると「櫓」と「多聞」(江戸城の中にも結構ある)の違いは、「櫓」は天守閣の小さいので(物見をするので)、城の四隅にあって、城を守る役割を持っているが、「多聞」はその多くがそうであるように、基本的には「長屋風武器庫」だということでしょうか。それが今日私が到達した一応の結論です。

 ところで今皇居の周りは各種の「ヒカンザクラ」がかなり良い咲き具合になってきました。ヒカンザクラでもいろいろある。「大寒桜」もあれば、千鳥ヶ淵の緑地に今や満開になりつつある「シュセンジカンザクラ」もある。お楽しみを。


2015年03月11日(水曜日)

(23:25)やはり今日という日は特別ですね。4年と言えばむかーしのような気もしますが、2011年の3月11日というと、それはことのほか”現実”であり、鮮明な記憶です。

 その時何をしていてどこに居たのか。その後どうしたのか。2時46分からが記憶が鮮明になるから不思議です。日枝神社の境内でTwitterを打った場所をまだ覚えていますし、その日の夜の渋滞、そして何も食べるものが残っていなかったコンビニも記憶に鮮明です。

 今日は朝からいろいろな映像を見ましたが、私も発生から暫くして行って自分で撮った気仙沼の動画を見直したりしていていました。気仙沼や陸前高田には何回も取材にお伺いし、その時会った方、取材させていただいた場所は今でも鮮明です。取材でなくてもその後も何回も行かせていただいた。

 さっきNHKが個人が撮った当時のビデオとどう向き合うかというような番組をしていました。それぞれの人にとってやはり「忘れられない日」「つらい事があった日」ということでしょう。

 まだ大勢の人が仮設の住宅でお住まいになっている。復興予算はかなり出ているのですが、うまく使われていないと聞くと、工事人が足りないとかいろいろ理由があるのでしょうが、もっと工夫の仕方があるだろうにとも思う。執行されていない予算はどうなっているのか。

 いずれにせよ、今年も機会をつくって多分気仙沼にお伺いし、その変化を頭に入れたいと思っています。


2015年03月10日(火曜日)

(13:25)結構本腰を入れて本を読んでいます。頼まれて週刊新潮の書評のコーナーに今年からほぼ月一のペースで評を載せることになったこともあるし、「やっぱり本は面白い」と改めて思っているので。読む時間は結構ある。新幹線の中や、ちょこっと空き時間が出来たとき。昨日は早めに大阪に移動したので、上島珈琲で2時間以上ずっと本を読んでいました。

 この一両日で読んだ本は、「テレビに映る中国の97%は嘘である」ですが、なかなか面白かった。本のタイトルにはちょっと問題があるが、テレビの現場の人がどのように中国で取材をしているのかが良く分かる。

 「拘束」ね。されたことないな。天安門広場で警官に呼び止められて「何をしている」と聞かれたことはあるが。マイクに向かって喋っていたら近づいてきた。ディレクターが対応して、ちゃんと許可証があったので問題なしでしたが。

 テレビ局の場合、限られた人数で「どこを取材するか」のポイントの絞り方について、この本を読んで「そうなんだろうな」と思ったり、「絵の撮り方は難しそうだな」と思ったり。テレビのニュースは「絵が全て」ですから。文章を書くのとではまた違う。かなり笑える部分もある本だ。

 それにしても、「野田首相(当時)はひどい外交音痴」というのは全くもって賛成です。何もウラジオストックでの顔合わせの直後に、胡錦濤が嫌がった国有化を宣言しなくても。喧嘩を売ったようなものです。昔の話ですが。もとはと言えば、政界から引退したあの方が騒動の発端ですが。

 共産党政権が倒れようが何しようが、あの地域に13億人近い中国の人が存在し続けると言うことに変化はない。そういう意味では、ずっと付き合っていく相手です。良いところも結構ある国ですから、うまく付き合えば良い。

 読みかけている本が二冊。「北朝鮮・絶対秘密文書」は、この国で起きている”胎動”が分かるという意味で面白い。そりゃみんな知恵を働かせて「生き延びるため」にいろいろしているし、それが将来この国を変える力になりそう。

 変わったところでは、「不思議な国道」は面白そうだ。大阪の書店で手にとって、つい買った。中には一杯国道の写真がある。車で移動することが好きなので、今後車移動するときに「そういえばここについて書いてあった」と思えれば成功です。


2015年03月10日(火曜日)

(12:25)うーん、今回は「やっぱし手にしてから」ということでしょうかね。アップルウォッチです。

 ちょうどこの番組の前後で詳細が発表になっていて、ちらちら見ていたのですが、どうも「こういう機能がある」という決定打がない。株価も発表時にはちょっと弱含んだようですが、今のところ「驚き」はない。

 BBCは「ハイテク製品というよりブランド商品の分野にアップルは足を踏み入れた」という解説をしていましたが、どうやらそれが当たっている。何せ200万円近いタイプもあるようなので。

 ただし従来の機能がまとめることが出来るという側面はある。今私は体の運動量はナイキのfuelbandで計っていますが、それが時計と一緒になってくれれば、手首の一方が空く。それは良いことです。また何かの時に一々iPhone をポケットなどから引き出さなくても、色々な事、例えばメールチェック、速報ニュース、SNSなどが確認出来る。それは便利です。

 また今は機能が限られていても、「バージョンアップ」によって驚くべき機能が付加される可能性もある。以前テスラモーターの人のプレゼンを聞いていたら、「我が社の車は、ソフトウエアアップデートで新しい車に生まれ変わります」と言っていた。例えば「(自動で)車庫入れや幅寄せが出来るようになる」とか。

 それは可能でしょう。今でもIT機器はバージョンアップで生まれ変わる。「IOT」の世界では全ての機器がそうなる可能性がある。その走りとしてのアップルウォッチだとしたら、「将来が楽しみ」ということです。

 でも発表会場で実際に手首に付けた人が、「着け心地がとっても良い」とか言っているのを文章で読んでも、自分で確認しないことには「そうなんですか」としか言えない。色合いも実際に見て見ないと分からない。

 というわけで、発売されるまでの残る期間は「他社、例えばソニーなどの製品を見て、業界基準を頭に入れておくこと」でしょうかね。できる事と言えば。でも一つ言えるのは、価格レンジの高いアップルウォッチは高級時計業界にとっては「一つの心配のタネ」、もっと言えば「脅威」にはなるでしょうね。


2015年03月09日(月曜日)

(12:25)今NHKの昼のニュースを見たら、当然淡路島の洲本市で起きた殺人事件がトップでしたが、興味深かったのは現場からレポートした記者がライブで状況を報告するときにスマホを左手に持ち、右手にマイクを持って、ちらちら左を見ながら喋っていたこと。きっと文章が書いてあるんでしょうね。

 つい最近までは記者はφ(..)メモメモに走り書きした原稿を読むケースが多かった。しかし徐々に「スマホ・レポート」が増えている。記者さんにとっても、「手間が省ける」ということでしょう。

面白い展覧会でした  紙に文章を書いたら、自分の悪筆文を読めない人が出るかも知れない。しかしスマホだと音声入力出でもしてあとで補正しておけば、「悪筆」ということはないので読むのにも苦労しない。ちょっと異様な光景ですが、今後増えるんでしょうね。

 次のニュースはメルケルさんの日本の訪問でしたが、今日はお台場の「日本科学未来館」に行ったと。あらあらと思いました。なぜなら私は昨日ちょうどこの館は訪ねていたからです。メルケルさんが見たアシモのキックも見ました。

 私が行ったのは「踊るアート展」というチームラボの作品を見に。企画展として出展されていて、なかなか面白かった。描いた絵がそのまま大きなスクリーンに他の作品と一緒に登場するという大きな仕掛けもあった。時々鮫やエイが。大勢の人が愉しんでいました。

 私は今まで日本未来科学館には取材でしか行ったことがなかった。だからすきずきの未来館しか知らなかった。取材は平日が多いので。しかし昨日は凄い人出でした。並んで入ったのですが、皆さんこの「企画展」を知ってきていらっしゃるのですね。

 週末に読んだ記事では、ウォール・ストリート・ジャーナルの「今の中国の体制は崩れる」という記事が。「そうだよな」と思って読みました。なぜ今の体制が行き詰まるかに関しては「五つの要因がある」と。しばしば指摘される要因です。

 問題は「いつ」かですが、そういう話をすると、あたかも中国と言う国がなくなるのではないかと想像する人がいる。大丈夫です。あそこに13億人の人が生き続ける、次は何らかの別の体制を選ぶという事実は変わりはない。

 しかし体制が変わる時には、混乱が起きる。それは仕方ないとして中国という国が非常に不安定になる。それが問題です。どうなるか分からない面があるので。


2015年03月07日(土曜日)

(00:25)へえ、3月18日の引けの段階で、このダウ工業株30種平均の構成銘柄からATTが落ちて、アップルが入るんですか。ま、遅すぎたくらいですね。いま世界で一番時価総額が高い会社ですから。アメリカを代表する株価指数には入らないと。

 ダウ構成銘柄の入れ替えは Goldman Sachs Group Inc.、 Visa それに Nike Inc.が Bank of America Corp. 、 Hewlett-Packard Co. それに Alcoa Inc.に取って代わった2013年以来らしい。それと同時に値がさのVISAについて株式分割が行われ、今の270ドル強の相場が70ドル弱になって(つまり4分割)、VISAの相場変動がダウを大きく動かすこれまでの図式は改善される。

 30しかない「ダウ構成銘柄」への採用は、当然名誉なことなので、金曜日これまでのマーケットでは「アップルは2%弱上昇している」とアメリカのマスコミは伝えている。ま、そりゃそうか。将来は自動車にも進出するかも知れないし。

 ところで、発表された米雇用統計の2月分は相変わらず強かったんですね。今見たらドル・円が121円台に乗っている。非農業部門の就業者数が24万の予想に対して、出てきた数字が29万5000じゃ、ドルが急騰しても当然でしょう。

 それでは「ちょっと心配」と思ってアップルが入る前のダウの動きを見たら100ドル弱の下げ。脚気反応としてはそうなる。問題は引けですね。来週に繋がりますから。「利上げが接近した。それは嫌だ」と思うか、「アメリカ経済は強い。この強さこそ株式市場に反映されるべきだ」と考えるのか。

 2月の失業率は5.5%に低下。前月が5.7%だったので、「徐々に利上げを余儀なくされるレートに接近していはいる」とも言えるが、時間当たり賃金の先月の伸びは3セントで、対前月比では2%増にとどまっている。1月の2.2%の伸びからは加速していない。中味的にはこれはFRBにとっては「残る懸念」ということになる。

 しかし今年2月の29万5000人という雇用の伸びで、「アメリカの雇用者数は、これで12ヶ月連続して20万人以上増加した」ということになる。これは「堅実、着実なアメリカ経済の回復」とは言える。残るはインフレ率がどうなるかだけでしょう。

 もう一つ気になって見たのはアメリカの債券利回りで、ずずっと上がっている。指標10年債の利回りは私が見た段階で2.232%。前日よりどのくらい上がったかを見たら5.4%とあった。


2015年03月06日(木曜日)

(15:25)5日のソウル。朝食会でアメリカのリッパート大使が男に襲われた事件は、何らかの形での北朝鮮の関与が疑われると同時に、「韓国警備当局の明らかな手落ち」というのがポイントだと思う。当然ながらケリー米国務長官は記者会見で聞かれないのにこの事件に触れ、「(犯人に対する)厳罰」を要求している。

 日本の新聞の今日の報道によると、大使を襲ったとされる金容疑者は1999年から2007年の間に7回にわたって訪朝した、と言う。と言うことは「ほぼ毎年行っていた」ということで、これは尋常ならざる訪朝経験と言える。逆に私なぞ「よくそれだけ毎年行けたな...」と思う。北朝鮮も歓迎していたということでしょう。

 さらに同容疑者は、2011年12月に北朝鮮の金正日総書記が死去した際、ソウル市内に焼香所を設置しようとしたという。つまり思想的にも、行動的にも北朝鮮にかなり心酔していた、と言える。これらの点から韓国当局は今後「国家保安法違反」の適用も視野に取り調べを行っていく予定だという。当然だろう。

 韓国の新聞を読むと容疑者の弟とされる人物の証言が載っていて、それには「兄は社会に認められずに、長男として家族の面倒を見るのではなく、関心があらぬ方向に向いてしまった」といった趣旨の事を言っている。

 金容疑者が過去、講演会で日本の大使に向かってコンクリート片を投げつけたことは繰り返し報道されている。よって当局は金容疑者をマークしていた、と。問題はそのような過去のある男を、アメリカの駐韓大使が出席する会合になぜ入り込むことを許したかでしょう。米国務次官の発言によって米韓関係が緊張しているのに。日本では考えられない。

 聯合ニュースなどによると、キム容疑者が代表を務める団体は講演会の主催団体の会員だが、彼自身は参加登録はしていなかったという。故に警備中の警官から「未登録」を指摘されたが、主催者関係者が「傘下団体の一員だから入場できる」と説明、そのまま見過ごされ、入場からわずか四分後に犯行に及んだそうだ。

 主催団体が「入れて良い」と言ったからといって、警備当局が簡単に入れますかね。警備当局としての立場があるはずです。事件当時は韓国警察の機動隊員二十八人が警備していたそうな。

 しかし会場の入り口には金属探知機もなく、手荷物検査も行われていなかったという。これは明らかに手落ちだと思う。金容疑者は警察に殺意を否認しているらしい。しかし事前に凶器を準備するなど犯行は計画的。顔などを何度も攻撃し、被害者の傷も深いことなどから殺人の「未必の故意」があったと判断しているという。大使は80針を縫ったという。

 取り調べに対して金容疑者は、「南北の和解ムードを妨げる米韓合同軍事演習に抗議するため」などと話しているという。しかしこの主張は北朝鮮の主張に極めて近い。今後の調査次第ですが、韓国には北朝鮮シンパが一杯いる。その意味では、手抜き警備の中では今後もこの手の事件は繰り返し起きるような気がする。韓国は不安定な国ですから。


2015年03月06日(木曜日)

(11:25)今朝はとっても面白い数字が新聞に掲載されていたので、記録しておこうと思います。それは「コンビニによって一店舗当たりの一日の平均売り上げ高に大きな差がある」ということ。今朝の読売新聞に掲載されていて、それによると

 セブン・イレブン   66万円強
 ローソン        54万円
 ファミリーマーケット 51万円
 サークルKサンクス 44万円
 むろん「平均」ですから、一日100万円を売り上げるサークルKサンクスの店舗があってもおかしくない。しかし常識的に考えてこの差は非常に大きい。「コンビニ」ですから一店舗当たりの面積にそうは大きな差はない。加えて従業員の数も同じくらいでしょう。

 としたら、この「一店舗当たりの一日の平均売り上げ高」の差はかなりの割合で業績に直結する。コンビニは多くの場合、地域の米屋さんとか酒屋さんが業態をかえて、セブンとかローソンとかのチェーン名を借りて営業している。

 今回明らかになったファミリーマーケットとサークルKサンクスの統合協議は、今朝の新聞的には「店舗数がセブン・イレブンを超える」とか「合計売上高がセブンに続く」とかに焦点が置かれている。しかし私は「この店舗平均の売上高の差をどう詰めるか」が一番重要なポイントではないか、と思う。今のままなら「弱・弱の連合」になる可能性があるからだ。

 それにしても、私はこの数字を見ながら、「肌感覚っていうのはあっているな」と思いました。というのは私のこれまでの印象は「セブンが一番、ローソンとファミマは同程度」というものでした。毎日コンビニを利用している肌感覚です。買い物をする時のその店に対する印象で、それにはモノに対する印象、それぞれに行く回数が含まれる。

 出てきた数字はその通りで笑ってしまいました。だから繰り返しますが私が注目するのは、もしファミマとサークルKが統合されるとして、「店の質が上がるか」です。だって、「店舗数」なんて全部行けるわけないし、関係ないじゃないですか。調達コストを引き下げてくれるのも結構。でも消費者としては「その商品のバリュー」だけです。問題なのは。


2015年03月04日(水曜日)

(18:25)今日は笑ったり、驚いたり。なにせ皇居の大手町サイドの石垣から狸が顔を出しているのを発見。あるツアーの最中に。

向こう向きで顔をだした狸 2015年03月04日午前11時半頃  実は今日は朝からこのツアー(ウェアラブル眼鏡でリアル体感!江戸城天守閣と日本橋 復元3Dツアー)に参加したのです。そのツアーの事は後で書くとして、江戸城東御苑でのツアーを終えて「さて昼食」という時に大手門を出ようとしたら、とっても目ざとい女性親子の参加者の娘さんの方が、「あそこに狸がいる」と叫んだのです。

騒いだらこちらを向きました  江戸城から大手門入り口を見てやや左手、物産や日経のビルがある方向です。実は今朝私はその上をランニングで通過している。カラスや白鳥、そしてたまにはネズミには遭遇するが、「狸」にお目にかかったことはない。先日大平台では一匹見つけましたが、なにせ都心の、しかもど真ん中ですから。

 半分「ウソ!」と思いながら見たら、確かに。それが最初の写真です。顔が向こう(竹橋方向)を向いているので、ちょっと見えずらい。そのうちこちらで騒いでいたらこっちを向いた。それが右の二枚目の写真です。顔の丸さ、目の周りの縁取り。明らかに狸です。別に隠れるわけでもない。

 そして三枚目は、私が上から近づいてお堀の傾斜に沿って身を乗り出して撮った写真。頭が穴から出ているのが写っている。ちょっとテンション上がりました。皇居のお堀の石垣の中で狸が生息している。その上を我々はランニングしている訳ですから。

上から見るとはっきり頭が出ている  もちろん皇居は広大で、直ぐ近くの二の丸公園には昭和天皇のご提案で武蔵野の雑木林も移植されている。だから考えれば「狸」くらい居ても良い。しかし逆のサイドの大手町側の石垣の中ですからね。抜け道でもあるんでしょうかね。お堀の下に。それとも夜の間に大手門を行き来している ? 結構良い写真が撮れたと満足しました。

  三枚目の写真で分かるのですが、要するに狸は「鯉に与えられた餌」を欲しそうにしていたのです。私は知らなかったのですが、歩道の手すりに吊して鯉に餌をやっているんですね。上からの写真で良く分かる。それを狸は欲しがっていたのです。でも水の中に飛び込む様子はなかった。ちょっと遠慮がち ? だった。

 肝心のARツアーもまずまず面白かった。右下のような怪しい眼鏡を掛けて(私もかけました)、ツアーコンダクターの手元のiPad型のタブレットからブルーツース電波を通じて発せられるAR(拡張現実)映像を黒めがねを通じて見る、というもの。それによって今はない江戸城の天守台の上にどのような天守閣があったのかなどを見る。

 NPOのガイドさんの方もお二人お見えになって、AR映像あり、リアルなガイド説明ありで、面白かった。江戸城というのは本当に何回も焼けているんですね。なんだか城がらみの火事で67回とか言っていたな。むろん、規模の小さいのを含めて。

知らない人は怪しんでいました  初めて知ったのですが、家康が作った天守閣は今よりちょっと南側、大奥側にあったらしい。そして今の天守台を作ったのは加賀の前田家ですが、「もう江戸は平和な時代に入ったのだから天守閣など作るな。人口が増える江戸の町の整備にお金を....」と主張したのが保科正之だったと。消防科学総合センターのサイトに経緯が書かれている。保科さんというのは偉かったんですね。

 移動して着いたのが日本橋。橋の上です。そこでまた例の眼鏡をかけた。ちょっと嗜好が違って、今度は映像の中に出てくる「i」の時をじっと見つめる。そうするとブルーが白になって、そこから絵が動き出して説明が始まるのです。日本橋の上に罪人を処刑した場所があったとか、もの売りがこんな感じてモノを売っていたとか。これは面白かった。河岸の話も。

 ARツアーの最後は、「熈代勝覧」をじっくり見ながら当時の日本橋を想像する....というエンディング(スカイツリーに行ったグループもあった)。何回か見たことがある絵巻(複製)ですが、そうだそうだ、本物はドイツにあったんだ。片割れが見つかっていない。

 AR映像を見ながら、「タイムマシンで本当に行けたら面白いのに」と思いました。このツアー、今日にちょっと空きがあっただけで、残り3月はずっと一杯だと。しかし興味ある人は問い合わせることを進めます。また狸も顔を出してくれるかも.....。


2015年03月03日(火曜日)

(22:25)構内を歩きながら、自然豊かな、広大な敷地を持つ学園だな.....と思いました。武蔵野の面影を残したままの木や草。それが多くの場所で残っている。素晴らしいの一言でした。

綺麗な学校でしょう  学園の名前は自由学園。幼稚園から大学までの一貫校。全生徒数は1000名ほど。大正10年(1921年)4月15日に2人のジャーナリストである羽仁吉一・もと子夫妻によって創立された学校です。映画監督・羽仁進は孫。

 興味深いコンセプトで作られている学校と聞いていたので、一度訪れてみたいと思っていましたし、今の理事長である市岡さんから、「一度いらっしゃいよ」と誘われていたので、稲村さん、久井さんと3人でお邪魔しました。市岡さんとはかなり以前から鍋研や僻地旅行でご一緒させて頂いてます。

 少し早めに行って「学園の外周を一周しよう」と思って歩いたのですが、まあでかいこと。「これが全部敷地か」と感服。都心のビルの大学に比べればその恵まれていることは明らか。農場あり、サッカー場あり.....とあらゆるものが揃っている。

綺麗に梅が咲いていました  全員揃ったところで市岡さんの案内で校内を歩いて回りましたが、かなりの生徒が寮生活をし、ほとんど自治で、自分達の身の回りのこと(整理・整頓、掃除、料理などなど)を自分達だけでやっていると聞いて、「身につくだろうな」と思いました。

 学校を見学した後西武池袋線のひばりヶ丘駅の近くで軽く一杯やったのですが、市岡さんが面白いことをおっしゃってました。入学・入寮の試験。それは寮生活なので「団体生活が出来るかどうか」が一つポイントなのに加えて、皆で一緒に食事をするので「アレルギーがあるかどうか」が大きなポイントだ、とおっしゃる。

 そやそうですよね、「牛乳アレルギー」があれば食事を自ら作る寮生活では、なかなか一緒の生活が難しい。卵アレルギーも難しいし、その他にも一杯ある。市岡さんは、「日本人のアレルギーは非常に増えている」と心配顔でした。私は全くないので、「確かにそうだな」と改めて思いました。

 あ、ありました。食べ物に対するアレルギーはありませんが、私は花粉症でした。ははは。それから、私が近く一度学校にお邪魔して、220人ほどを相手にミニ講義をすることになりました。さてどうなることやら.....。


2015年03月03日(火曜日)

(07:25)週末に、「日本もアメリカもやや人手不足の国になりつつあるのかもしれない」と思いました。

 実はこの日曜日ですが、箱根に向かう途中である名前の知れたファミリー・レストランチェーンに入ったのです。昼飯時でしたが、明らかにテーブルの多くは食べ終えている。しかしどうやら人員不足で、食べ終えたテーブルの食器を後片付けすることが出来ていない。数少ない店員は走り回っているのに。

 よって新しい客をテーブルに誘導できずに、お客さんが店の入り口で行列を作っているのです。「あーーーあ、人手さえあって、テーブルを後片付けできれば次々に新しいお客さんを店内に入れて店を回転できるのに」と思いました。まあでも、店全体が人手不足で、そもそも回っていない感じもした。

 最近、日本のそこかしこで、「人手不足現象」が顕在化している。少し前は見られなかった現象で、もしかしたら徐々に景気が上向いている証拠かも知れない。実際にアルバイトなどの賃金は上がってきているとの報道もある。

 人手不足は、アメリカでも同じようです。週末に読んだウォール・ストリート・ジャーナルには、アメリカでは思わぬところで「人手不足が深刻化している」という記事がありました。「Wages Rise at Restaurants as Labor Market Tightens Food-service employment surges, growing twice as fast as overall payrolls」というタイトルの記事でした。

 それによると、チップをもらえる店表の仕事(ウエーターとか)ではなく、レストランの中の仕事をする人、例えば皿洗いとかをする人が足りなくなっている、との報道です。その結果、このセクターで働く人の賃金が平均の二倍のペースで上がっているというのです。

 先日アメリカでは小売り最大手のウォールマートが店で働く人の労働賃金を上げると発表して大きな話題になった。「低賃金労働をさせる会社の代表」と非難されていた同社ですから、オバマ大統領にも目をつけられて「企業の社会的責任」で上げたという説もある。

 しかしどうやら「今までの賃金では人が集まらなくなった」というのが一因であるらしい。ということは今後こうした「人手不足を背景とする賃金の上昇」が、日本でもアメリカでも「働く人全体の賃金のかさ上げ」に繋がる可能性がある。これは国民経済的には良いことです。

 購買力を持てる人の裾野が広がるし、下がり気味の物価に対しても「上昇圧力」がかかることになる。アメリカでは今週末に今年1月の雇用統計が発表になる。最大のポイントは「賃金の伸びがどの程度になっているのか」です。



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