2016年04月30日(土曜日)

 (07:30)米財務省のレポート「FOREIGN EXCHANGE POLICIES OF MAJOR TRADING PARTNERS OF THE UNITED STATES」を見たら、確かに以下の文章が。

 Pursuant to the Act, Treasury finds that no economy currently satisfies all three criteria, however, five major trading partners of the United States met two of the three criteria for enhanced analysis. Treasury is creating a new “Monitoring List” that includes these economies: China, Japan, Korea, Taiwan, and Germany. China, Japan, Germany, and Korea are identified as a result of a material current account surplus combined with a significant bilateral trade surplus with the United States. Taiwan is identified as a result of its material current account surplus and its persistent, one-sided intervention in foreign exchange markets. Treasury will closely monitor and assess the economic trends and foreign exchange policies of these economies.
 ただしこのレポートは去年出来た法律に基づく新バージョンのレポートなので、珠来の「監視リスク入り」とはやや意味合いに違いがあるかも知れない。監視リスト入りの理由については、「as a result of a material current account surplus combined with a significant bilateral trade surplus with the United States.」とあって、確かにここに名前の挙がっている国・地域は対米黒字であり、全体の経常収支も黒である。

 これから出かけるので、またその辺を調べたいが、とりあえずブルームバーグの記事にはつぎのような文章もある。このレポートにはトランプ的臭いもする。

 The inaugural list also includes South Korea and Taiwan, the Treasury Department said Friday in a revamped version of its semi-annual report on the foreign-exchange policies of major U.S. trading partners. The five economies met two of the three criteria used to judge unfair practices under a February law that seeks to enforce U.S. trade interests. Meeting all three would trigger action by the president to enter discussions with the country and seek potential penalties.

 The new scrutiny of some of the world’s biggest economies comes amid a bruising presidential campaign in which candidates from both the Democratic and Republican parties have questioned the merits of free trade. Republican front-runner Donald Trump has promised to declare China a currency manipulator, and the latest report may fail to appease critics in Congress who say China’s practices have cost American manufacturing jobs.

 “We will continue to watch this process closely to ensure that the president squarely addresses currency manipulation and stands up for the American people,” House Ways and Means Chairman Kevin Brady, a Texas Republican, said in a statement on the Treasury report.



2016年04月30日(土曜日)

 (05:00)金曜日のニューヨーク市場の引け段階で、ドル・円相場は106.46円となった。ドルの安値、円の高値での、つまり「円高値・ドル安値」での終わり。一方ニューヨークの株をダウで見ると引けはまた下げて57ドル強の下げ。木曜日の下げは200ドルを超えていたので、2日間の下げ幅は300ドル弱となった。

 株について言うと、欧州の下げが大きい。DAX(ドイツ)は金曜日の取引では282.18ポイントも下げて10038.97と10000の大台を失う寸前となっている。今のVIX指数(恐怖指数)は16.77と二日ほど前の落ち着いた状態(ニューヨークのダウは18000台に乗っていた)では同指数は13の大台だから、大分マーケットの恐怖気分は高まったことになる。

 もちろん理由は様々だ。ニューヨーク市場ではずっと「ダウ高・Nasdaq安」が続いていた。アップルの売り上げがiPhoneを発売して以来初めて前年を下回ったりして、同社やマイクロソフト、IBMなどのハイテク株に売りが続いていて、それが木・金になってマーケット全体の下げを誘引したという事情もある。

 しかしやはり今の世界のマーケットでの「不安感の増大」、それに伴う円高・世界的株安の一つの要因は、木曜日の午後の東京市場で円高・ドル安が大きく進み、そして世界でも比較的大きな東京市場で株価が日経平均で見て高値から900円近く下落して600円を超す下げで終わったことだろう。そこから下げがアジア、欧州、そしてアメリカに伝播し、東京が休日の間も続き、金曜日もトレンド変化なしに終わろうとしているという展開。

 アメリカでも直近四半期の成長率が予想外の0.5%に留まるなど、世界経済の抱えている問題、つまり成長力を欠くという問題は大きい。欧州もやっと2008年前の水準を取り戻したと言っても、「欧州経済が復調した」と言う人はいない。やはり景気は低迷続きだ。

 世界を見ると驚くほど「破綻国」が多い。ベネズエラは公務員に電力不足だからといって週2日労働制を課した。その南のブラジルは激しいインフレが起きて、ルセフ大統領が弾劾に追い込まれ、リオのオリンピックの際には裁判中となって大統領でいられない可能性が高い。

 アフリカには破綻国家がリビアを初めとして一杯あり、スペインは4ヶ月に及ぶ組閣の動きが結果を出せずに、再び6月に総選挙の可能性が高い。体制は揺らいでいないでも、アメリカのトランプ旋風を見ると、「この世界最大の軍事力、経済力を持つ国は、今後どうなるのか」と不安になる。

 つまりもともと今の世界は不安に満ちている。従来にない形で。その中である種「信頼感」を売ってきたのが先進3カ国の中央銀行だった気がする。不安におののくマーケットと対話しながら、そこに安定感をもたらして世界経済を安心感あるものにしてきた。

 2月もそうだったし、今回もそうだが、日米欧の中央銀行の金融政策決定会合は「かぶる」状態となっている。これは日欧の中銀が徐々に「年8回程度の金融政策決定会合」と足並みを揃えたことに起因している。欧州ECBは日米より一週間ほど早めに会合を開く。4月もそうだった。

 最近数回を見ると、3中銀の中で一番マーケットを揺らしているのは日銀の決定会合だ。2月にはマーケットが全く予想していないマイナス金利政策を導入して、世界のマーケットに衝撃を与えた。そして今回はそのデメリットやその政策への批判が大きいし、何より日銀の目標としている「2%の物価上昇目標」が遠ざかっているのだから「今回は何かするだろう」と思われていたのにゼロ回答。その結果がこの二日間の世界的マーケット混乱である。

 この間FRBは殆どマーケットを揺らしていない。無論FOMCは去年から「利上げモード入り」の中で十分に世界のマーケットを揺らしたというのは事実である。しかしアメリカのFOMCについて言うと、失業率でもインフレ率でも目標に接近している、成功しつつあるという実績は褒められる。

 日銀は今年に入って2回大きく世界のマーケットを揺らしたが、どちらも「円高・株安」の方向への揺らしだ。それが悪いかどうかは短期的には言えない部分がある。しかしマーケットの反応は少なくも「市場の評判」であり、その点で言うと今の日銀の「市場の評判」は極めて悪いと言える。

 木曜日の日銀の展望レポートや黒田さんの記者会見を見て思ったことは、「日銀は”基調”という便利な言葉を使って、日々刻々生じているマーケットや経済の重要な信号発信を見ないようにしているのではないか」ということだ。「いや基調はこちらです。なので目標は達成できます」と。

 しかし物価目標達成を日銀は今回4回目の先送りとした。同行にとってとっても重要な政策目標を4回も理由を付けて先送りしておきながら、「いや基調は上昇に向かっている」と言われても俄には信じられない。なぜなら4回も先送りしたことの事実の方が重く、それこそが「基調」、つまり「物価が上がらない状態」であると言えるのではないか。

 「判断したときには躊躇なく」と何回も繰り返しながら、「今回は政策効果を見極めて」と。実に分かりにくい。この「分かりにくさ」が世界のマーケットの不安感の導火線に火を付けた印象もする。

 数日前に111円の半ばだったドル・円相場が5円も上昇、つまり円高になった。そして株価が600円以上一日にして下げ、東京市場が休場になった後も世界の株が下げた。その二つは同質ではないが、その「デフレ効果」は大きい。円相場の先行きも「円高」色が強い。

 相場は常に動く。動いた相場が短期間しかそこに留まらなければ、その価格で締結される商売(商品、サービスにしろ)は少ないから、経済全体への影響は少ない。だからたとえ1ドル=100円を短期的に割れる相場が円高相場が出現しても、短期なら日本経済に与える影響は少ない。しかし長引いたら日本経済へのデフレ圧力は増す。それは日銀の政策目標が達成から遠ざかることを意味する。

 「マーケットに驚きを与える事」は、必ずしも金融政策の目標ではない。金融政策も目標はあくまる安定した物価、安定した雇用、安定した成長だ。「驚き」「サプライズ」もそれに役立つなら良い。しかし今年2回に渡って日銀がマーケットと日本経済に与えた「驚き」は、少なくとも私の目で言うなら「マイナス点」だ。マイナス金利故に日本経済が好循環に入りそうな気配は感じられない。

 「基調は良くなる方向だ」と言われても、実際に先週の木曜日に発表になった3月の消費者物価は2年11ヶ月ぶりの下落幅である−0.3%を記録した。つまりある意味「デフレに逆戻り」という状況だ。雇用は数では良い。しかし黒田さんも言っているように「賃金の上昇」がうまく行っていない。

 黒田さんの「サプライズ」は、2回成功して、直近の2回は失敗だとも言える。となると、「クロダノミクス」の収支決算は、という時期尚早な議論が出てきかねない。状況はそうなのだから、「基調は....基調は....」と言って日々、月々に起こっている事にあまり関心を示さないような状況からは脱して欲しいと思う。政府にも民間企業にモノを言って欲しいと思う。でないと、日銀の言っている「基調」が実は後で見たらとっくに変化していました、ということになりかねない。

 この文章を書いている最中に「これは何だ」という記事が。「The U.S. put economies including China, Japan and Germany on a new currency watch list, saying that their foreign-exchange practices bear close monitoring to gauge if they provide an unfair trade advantage over America.」と。米財務省が半年に一回作成している「不公正為替慣行の監視リスト」に関するものだが、その中に「日本」が入っている。

 最近のルー財務長官の発言から「アメリカのスタンスは変わった」と思えはしたが、このリストに「日本」や「ドイツ」が載るのは久しぶりな気がする。あと名指しされたのは韓国と台湾ということらしい。中国、韓国と並んでしまった。

 まだ詳細に読んでないので明確には言えない面もあるが、この日本の監視リスト入りは、市場力学的には「円高圧力」だ。為替介入も難しくなる。実際のマーケットでも外交環境的にも、日本の通貨当局が直面する課題は大きくなっている。よりコミュニケーションが必要なプロセスに入った、ということだ。


2016年04月28日(木曜日)

 (14:30)あんな鮮烈な色、そして繊細な筆使いを今に残せる人がいたなんて、日本の、そして町人文化が栄えた江戸時代の誇りだな.......と思って見てきました。

 伊藤若冲です。今上野の東京都美術館で彼の「動植綵絵」30枚、釈迦三尊像3枚を初めとして、彼の主要作品が幅広く展示されている。

 正直この33枚がある部屋はもの凄く混んでいたのですが、皆さん絵に近づくので逆に真ん中が空いていて私は暫く呆然と全体を眺め回していました。一枚一枚はいろいろな機会に見ている。全体を見て彼の思いが分かればと。

 とにかく「こんな精緻な絵と繊細の線、そして華やかな絵具の数々をどうやって入手し、そして涙が出てきそうな絵を書いたのか」と。考えても及ばない。40才で引退直後の伊藤若冲は京都の錦市場の一角に大きな店(野菜・果物の卸し)を営んでいた旦那だったこともあり、資力も十分。だからということではなく、彼の熱意故に今に残る彼の絵の絵具の色彩は素晴らしいものがある。

  しかし京都の町全体が火事(天明の大火)になって資産を失っても、彼の「描きたい気持ち」は衰えなかった。数多くの犬が登場する絵などほ色彩は落ちるが、逆に鋭さがとれてほえましい。兎に角身の周りの生きとし生けるものを子細に見て、それをありえない美しい筆使いで絵として残している。「1000年後にでもこの絵の良さが分かる人が出てくれれば」と。いっぱいいますがな。

 当時から彼の天才ぶりは人々の嘆息を誘っていたらしいが、それは今でも変わらない。時間がないのであまり書けないのが残念ですが、期間中にあと2回くらいは行きたい。それほど凄い絵の連続です。素晴らしい.............。


2016年04月28日(木曜日)

 (03:30)うーん、今回のFOMC声明は、月曜日に私が書いた文章のほぼ予想した通りかな。前回の声明で2度に渡って出てきたリスク要因としての「global economic and financial developments」という表現そのものが消えて、次の利上げへの阻害要因としての「それ」は著しく影響力が減退したことを認めた。

 となれば「アメリカは6月にも利上げに向かうのか」という観測が高まりそうなものだが、今度は声明は国内経済に出てきた「弱さの兆し」に繰り返し触れて、「必ずしもFRBが6月に利上げする」と決意してはいないと含意している。結果、当初「リスク要因としてのglobal economic and financial developmentsという表現」がが無くなったことを好感して上がったドルも、その後はやや高い水準で止まっている。ドル・円は111円台の前半。

 消えたのは二つの文章とその一部です。前回声明の第一パラの最初の文章「1nformation received since the Federal Open Market Committee met in January suggests that economic activity has been expanding at a moderate pace despite the global economic and financial developments of recent months.」のうち suggests (今回はindicatesを使っている ) 以下は全部落ちた。代わって入ったのは、「 labor market conditions have improved further even as growth in economic activity appears to have slowed.」という米経済の内部で見られるようになった跛行現象です。つまり引き続き労働市場は改善しているが、国内経済活動の伸びは鈍化した....と。

 冒頭第一パラの文章は、続けていくつもの米経済の跛行現象に触れる。例えば次の文章は「Growth in household spending has moderated, although households' real income has risen at a solid rate and consumer sentiment remains high. 」となっている。つまり「強・弱」に触れた後は「弱・強」に触れていることになる。

 この組み合わせはその次の二つの文章でも続く。「Since the beginning of the year, the housing sector has improved further but business fixed investment and net exports have been soft. A range of recent indicators, including strong job gains, points to additional strengthening of the labor market. Inflation has continued to run below the Committee's 2 percent longer-run objective.....」という「強・弱」「強・弱」の組み合わせ。

 これを読んでいくと、「じゃどっちやねん。アメリカ経済は強いんか、それとも弱いんか?」と言いたくなる。この米国経済に関する「どっちやねん」感は、3月の声明を読んだときにはあまり感じなかったものだ。3月の声明を読んで「利上げしない理由」を探せば、やはり「global economic and financial developments」に行き着くという感じだった。

 3月の声明の第二パラにあった「 However, global economic and financial developments continue to pose risks.」は今回すっかり消えた。つまりグローバルな経済・金融市場の展開はもはや特筆するリスクではないとインプライしている。代わって入ったのは同パラの最後に来ている「The Committee continues to closely monitor inflation indicators and global economic and financial developments.」 つまり「global economic and financial developments」はリスク要因から監視対象になったということ。

 ということは、世界のマーケットが大体いまのままで推移するとすると、「6月に利上げありやなしや」に関しては今回声明が「弱」として取り上げている

 「経済活動の鈍化」
 「家計支出の伸び鈍化」
 「固定資産投資と輸出の弱さ」
 「依然として2%を下回っているインフレ」

 などが解消されるかにかかっていると言える。全部解消しなくても、他のプラス要因で相殺されるほどに全体的に改善するかどうかだ。ただし引き続き強いとされた例えば労働市場などが弱くなってしまっては、利上げも出来ない、ということになる。そういう意味では気分的には日本の連休中に発表になる5月の雇用統計は重要と言うことになる。

 増えるかとも思った「反対意見」は増えず。引き続きカンザスシティ連銀のEsther L. George一人が「 who preferred at this meeting to raise the target range for the federal funds rate to 1/2 to 3/4 percent.」と利上げを主張。うーん、この強気はMLBロイヤルズの昨年に続いての強さに起因 ?

 どっちにしろまだ終わっていないマーケットを最後に見ておくと、発表前は引値前後でウロウロしていたダウ平均は今現在は70ドル高程度。「国内要因に弱いセクターが増えた」との声明内容は、「ま、利上げをFRBは急いでいないな」という判断に繋がったと思える。

 しかし無論Nasdaqは安い。アップルが激落ちですから。でもね、アップルは今まで革新的製品を出し続けてきましたから、そうは続かない。だから頂点から落ちて当たり前。最近ゲットしたソニーのXperia(コンパクト)はええですよ。不満は「株価」(チャート作成機能を含む)など一部アプリがないことぐらい。


2016年04月27日(水曜日)

 (14:30)いいね、いいね。「九州新幹線、再び九州縦断 午後に営業再開」(日経)と。

 ということは、今この文章を書いている時点で、九州新幹線の営業運転が再開されたのかな。午後1時37分の記事ですから。今はそれから小一時間たっている。ということは大阪発→鹿児島中央(その逆も)もまもなく走り始めるということでしょう。最初はまばらでしょうが。

 記事は「九州旅客鉄道(JR九州)は27日、熊本地震で一部区間が不通だった九州新幹線の全線で同日午後からの運転再開を決めた。試験走行を実施し、運転を見合わせていた熊本(熊本市)ー新水俣(熊本県水俣市)間の安全を確認した。午後に博多駅(福岡市)と鹿児島中央駅(鹿児島市)をそれぞれ出発し、九州を新幹線で縦断できるようになる。全線開通は14日夜の地震から13日ぶり」と。

 対して気になるのは、「三菱自・相川社長引責辞任へ」(毎日)だったり「三菱自、01年に違法認識か2つの走行方法を比較 」(日経)という三菱自動車がらみの記事。別の新聞の記事には、「三菱グループ各社も見限る」とのタイトルもある。

 同社が結局どうなるかは推測の域を出ませんが、今何が起きているかと言えば、「技術の劣後は企業の存続に関わる」ということでしょう。結局今までの情報を総合すると、燃費での「軽の業界」での激しい数字争いの中で、三菱はついて行けなかったということでしょう。

 ダイハツなどの車が「リッター30キロ」を越えてくる中で、三菱にはその技術が実は無かったし、それの提供を受ける先もなかった。なので数値をごまかす道を選んだとも見える。それにしても長い間そのごまかしが放置されていたものです。

 私は「車は燃費だけではない」という見方です。乗り心地だとか、加速性能だとか、スタイルだとか車の購入決定要素にはいろいろあると思う。だってそうでなければ、イタリアの高級車が今でも根強い人気がある理由が説明できない。一般的に燃費を良くしようと思ったら加速性能は落ちる。

 多分燃費を最大のウリにしたのは、自動車メーカー自身です。運転状況によって極めて可変な数字であるにも関わらず、至上命題の数値のように祭り上げてしまったし、それを最大の販売ウリ文句にした。だから買った顧客は「本当かそれは」と思うし、今回の場合は日産が「本当か」と調べた。

 多分、燃費は消費者の懐に直接響くし、燃費の良い車の方が地球環境維持に役立つという意味では、今後も重要な数値ではあり続ける。ということは各社は競争するか、競争に入らずに独自のスタイルを取るかの選択を迫られることになる。

 前者の道を選んだら、自社開発にしろ他所との提携にしろ技術競争が不可欠になる。その力が無いのに数値を誤魔化したら、それが明らかになった時点で企業存亡の危機となるということでしょう。その意味ではVWを切ったスズキは神対応だし、同社の実力を感じられて良い。ここでは大小の差ではない。

 もし仮にVWが生き残って三菱自動車が行き詰まったとしたら、それはクッションの差ということになる。どれだけ資産などのクッションがあるのか。つまり技術力に疑問が付き、他社との提携もない大手以下のメーカーには厳しい時代だと言える。


2016年04月26日(火曜日)

 (23:50)心配な国が二つ。愛情を持てるケースと、全く持てないケースと。

 後者は北朝鮮です。今日も昼のテレビ番組の直前打ち合わせでPが、「いつ北朝鮮が中距離弾道ミサイル、ムスダンを発射するかも知れない状況なので、発射が成功してJアラートが発動されたら、15分間はその関連をニュースセンターから出しますので....」と。結局無かったが、夜海外のメディアに目を通していたら、改めて「兆候あり」と。

 いつまで周囲の国に迷惑をかけるのか。実は金正恩が不安でしょうがないのだと思う。テクニカルには北朝鮮は韓国やアメリカと依然として戦闘停止状態にあるのみ。つまり戦争は法的枠組みとしては終わっていない。その敵である米韓が自国の直ぐ南で大規模な演習を行っている。しかも演習には北朝鮮の最高幹部殲滅作戦が入っている。

 「演習をやめたらミサイル実験をやめても良い」と北朝鮮。意味の無い誘いに決まっている。体制維持の為には核戦力が不可欠と思っている国が、その運搬手段の実験を短期的にやめても、将来にわたって無力化の方向に行くことなどあり得ない。

 多分成功していないが、SLBMや移動式などのミサイルに北朝鮮は拘る。これは「アメリカまで狙える」と長距離弾道ミサイルの脅威をことさら宣伝してみても、それらは逆に攻撃に弱い。どこが発射台か捕捉されていて、簡単に無力化されてしまうからだ。

 しかし移動式のムスダンやSLBMを捕捉するのは難しい。と言うことは迎撃が難しいということだ。ムスダンは当然ながら日本が射程に入り、米軍基地のあるグアムも狙える。韓国は当然射程に入る。

 最近のオバマの欧州での言動を聞いていると、今までの「戦略的無視」からは徐々に「危ない」と意識を変えているようだ。しかし彼の特徴は「分かっているが、解決には複雑な問題がある」ことを理由に決断しないこと。交渉を始めるにしても....。

 北朝鮮から帰国した金ファミリーの元料理人が毎日新聞に語っていることは興味深い。それは北朝鮮は引き続きアメリカと交渉したがっている。しかし持ちかけると法外な要求が出てきて、「そのたびに頭にきてミサイルをぶっぱなしている」的な話をしている。その北朝鮮にとっての法外な要求には、当然核戦力の放棄が入る。しかし北はこれを絶対に手放さない。手放すと体制が崩壊すると思っているので。

 愛情が持てる方はスペインです。NHKのワールドニュースでスペインのアナウンサーが出てくるといつも笑ってしまう。「まだ政府が樹立出来ないんだ....」と。同国で総選挙が行われたのは去年の12月かな。日本では「ホデモスが躍進した」ことでニュースや特番になった。

 しかし二大政党に加えて主義主張の違う多くの焼酎、失礼「小中」政党が出来たが故に、政府が樹立出来ない状態がずっと続いている。「彼は信頼できない」「あいつが裏切った」といった。スペインのニュースは毎日それに触れるのです。そりゃそうだ。

 見ているとお互いの非難合戦に至っていて、どうにも収拾がつかない。今どうやら国王が最後の最後に乗り出して政府樹立の努力をしているが、どうやら「それも無駄。6月月初に再総選挙」という流れだ。しかし「では再総選挙をしたらどこかの勢力が大きな議席を取って政府が樹立出来るのか?」と言えば、「そうでもない」らしい。じゃ、総選挙の繰り返し.....?

 しかしこのスペインのケースはまだブラジルよりは愛情を持てる。出てくる人物も「お金の亡者」的印象がしない。ある意味すがすがしい。しかし政治に素人であるが故に、つまりそれをウリに当選したり勢力を伸ばしている政党のケースが多いので、いざ政府樹立に参加するとなると公約との乖離が大きくなって結局話し合いがまとまらない。

 もう正式な政府がなくラホイが暫定的に首相の役割を果たしているが、特にそれで国内が乱れたり(ストはあるが)、EU内で不利な立場になっている兆しもない。国民も「まだやっている」的な雰囲気で、ある意味不思議な国です。

 だから私もスペインに関しては、「うーん今度は南、コルドバとかアンダルシア地方、それにちょっと足を伸ばしてマラガに行きたい....」などと思うだけ。ははは。


2016年04月25日(月曜日)

 (14:00)うーん、気になるな。もう広まってしまって今から呼び名を変えてもということはあると思うが、なにせ誤解を招きやすい

 何かというと「エコノミークラス症候群」です。今日のニュースにも「エコノミークラス症候群で入院必要、35人に 熊本県」(日経)という記事がある。だって何だかんだ言って名前を聞いた瞬間に「飛行機に乗るとなりやすい病気」という印象がしてしまう。飛行機のビジネスクラスに乗った人は、「後ろの席の話」とも思いがちでしょうし。自分は大丈夫。そんなことは全くない。

 正式な名称は「肺動脈血栓塞栓症」というのですが、それも難しすぎて良くない。「動かないと、どんな場所、どんな時にもなりますよ」という印象が「エコノミークラス症候群」ではしない。何か限定された場所での病気のようで。

 「そんなの誰もが知っているでしょう...」という方も居る。しかし世の中の情報の流れは、しばしば我々の想像を超えるほど曲折する。時に届かず、届いても頭に入らず。だから聞いた瞬間に「ああ、あれか。気を付けねば」という風にならないと良くない。

 「おれおれ詐欺」もそうですが、「分かっていても引っかかる」と言われる。多分「エコノミークラス症候群」も多分理解していた方もなっている。だからその人が頭の中で「あ、あれだ」と理解できる名前でないと。

 「運動欠乏症」なんてのはどうでしょう。「それは死に至る病気です」とすれば、結構身近に感じる人も増えるかも知れない。


2016年04月24日(日曜日)

 (02:00)これは良いニュースだな。「九州新幹線、28日にも全通へ GW前目指す」と。朝日新聞のサイトが午前1時16分に流している。流している時間から見て、軽い独自ダネの気もするのですが(記者がJRに聞いたという意味で)、「九州新幹線はゴールデンウィークに間に合わない」と言われていただけに、断層の北と南が新幹線で繋がるというのは良いニュースでしょう。

 朝日は「JR九州は23日、九州新幹線の博多ー鹿児島中央間の全線で28日にも、運転を再開する方針を明らかにした。熊本地震で14日夜から運転を止めたが、順次再開している。ゴールデンウィーク(GW)前の全通をめざし、不通が続く熊本ー新水俣(熊本県)間の復旧を急ぐ。」と伝えていて、「方針」なのでまだ不確定ということでしょう。

 そりゃそうで、今後も地震の展開次第ということですが、お住まいの方々にも、観光九州にとってもとっても勇気づけられることになると思う。是非「方針」通りゴールデンウィ−ク前の再開を。連休中の九州の観光予約はかなりキャンセルが出てしまったそうなので、新幹線が戻れば少しは客足が戻ったり、観光を含めた経済活動の活発化が期待できると思う。

 ところで今とっても面白い本を読んでいます。「日本語通」(新潮新書)です。結構「目から鱗」の本で、緑なのになぜ青信号なのかとか、太平洋の「太」は「大西洋」の「大」となぜ違うのか、とか。読み始めたばかりですが、結構面白い。

 ところで今マー君がタンパベイ相手に投げていて、37球で3回をゼロ封。なかなか良い調子です。ヤンキースは相変わらず打てずに、相手ピッチャーのワイルドピッチで1点とっただけ。だからどう転ぶか分からない試合ですが、初登板の時の不安定さはなくなった。

 それにしても、見ていて今年のヤンキースは強さを全く感じない。今年もカンザスシティが強くて、カブスも調子良い。アメリカンのイーストを制してもそれ以上には行けそうもない気がする。


2016年04月22日(金曜日)

 (17:00)社説によっては燃費不正を認めた三菱自動車に関して「車を作る資格なし」(確か東京新聞)とまで断言する新聞が出てきて、「そう言われてもしょうがないだろうな」と思いました。多分同社には独特の甘えがある。

 それは一つには「グループ企業はダイヤマークの車を使うだろう」というもの。特に役員車はそうでしょうし、忠実な三菱マン、ウーマンもそうかもしれない。所属グループの会社なのでと言う理由で車を買う、買わねばならない人、社がある。

 そこにとどまったら自動車会社として大きくなりようがないのですが、いつもクッションがあるようなもので、今まで二回も大きな不祥事を起こしても懲りないし、何とかなるという心理が働いている。過去を見るとけっこう良い車もあったのですが。

 しかし今回は厳しいでしょう。VWは不正ソフトの対象となった一部の車、特に2000CCクラスを買い戻す方向で米当局と合意した。それには少なくとも1000億円、多ければ1兆円に近い資金が必要になる。同じ時期に、同じ燃費不正の三菱に対して「買い戻してくれ」という圧力が出ることは明らか。もしかしたら買い戻しの場合には、同社の売り上げ相当の経費がかかる可能性もあるという。

 おまけに「軽」は、三菱だから買う...という人が少なく、純粋に燃費とかスタイルで買った人が多いだろうし、日産も絡んでいる。この文章を書いている時点の同社の株価は500円をちょっと上回った程度。またまた昨日比79円安。厳しいマーケット評価も無理もない。

 ところで、今日は久しぶりでインドでインタビューを受けました。ダイヤモンドオンラインとかで記事をまとめている記者さんの。「ITとカースト インド・成長の秘密と苦悩」を読まれて。随分前の本ですが、「今読んでも新鮮だし、最近のインドに関して記事が多くなっているのですが、伊藤さんの本がねた本では....」とまで。ははは。

 実は私も最近インドに行かないのは、基本的に本をまとめた時から「インドを取り巻く情勢はあまり変化していない」と判断しているからです。

 むろん、「BRICSでは、今は愛(”I”)だけが残っている」といった変化はありますが、インドの国内情勢はあまり大きな変化はないというのが私の判断。何せ大きな国ですから、簡単な方向転換は出来ない。変わるにしてもゆっくりです。

 彼とも話したのですが、バジパイとモディはちょっと似ている。国民の人気でも。しかしインドの政治は恐ろしい。何せ世界最大(有権者の数で)の民主主義国家ですから、マスコミ受けやビジネスマンの受けが良くても、選挙をすれば予想通りになるということはまずない。

 「選挙は世の中常識のレベルをしばしば超える」と思えるのは今のアメリカのトランプ現象を見ても明らかです。なのでこのまま推移するかは見ていかねばならないのですが、強調したのは「基本的にはインドと日本は様々な意味でペアリングが良い」ということ。ま、そのうち記事になると思います。


2016年04月20日(水曜日)

 (17:00)日本でも出てしまいましたか。燃費不正。「軽」での60万台相当に付いての三菱自動車の不正のようです。詳細は午後5時からの同自動車の社長会見で明らかになるという。何が明らかになるのか。それにしても、この会社はいろいろやってくれる。

 それに関連して私は「各社の公表燃費」についてもどうにかして欲しいな、と思っています。つまり新車が出たときなどに「これだけ走ります」という数字。だって全く理想的な形で、つまり荷物無し、エアコン不使用、風も無し、道路も素晴らしく、信号もない.......という状況で「燃費」が発表される。

 しかしそんな理想的な走行環境というのは実際にはあり得ないわけです。街では信号が沢山あるので、ストップ&ゴーが非常に多い。それを繰り返しているだけで燃費は非常に悪くなる。

 だから三つの状況で発表して欲しいな。今までの理想的環境下での走行距離。それに加えて「夏や冬のエアコンを使った状態での、ごく普通の荷物を載せた状態での高速道路走行燃費」それに「信号の多い都市走行燃費」。

 うーん、難しい問題なんでしょうね。「ごく普通の荷物」といっても、ゴルフ好きとサッカー好きでは乗せる荷物が違う。しかし今のままの「超理想的環境での走行燃費」の数字はちょっと眉唾になってしまう。聞いても信頼性はゼロ。


2016年04月19日(火曜日)

 (00:40)「ルセフ弾劾で、オリンピックは大統領不在か.......ブラジルも困ったものだ」と思って、「では株価はどうなっているのか」とちょこっとチェックしたら、それが大幅上昇。笑っちゃいますね。心配しているのは我々だけ ?

大統領弾劾で上がるブラジルの株価  掲載したチャートはブラジルの代表的株価であるブラジル・ボベスパの過去1年の値動き。右上がこのスクリーン・ショット(iPhoneの「株価」から)を撮った時点での株価。これが上昇しているのが笑えるのですが、実は「ルセフ弾劾」の動きが表面化した今年初めから同国の株価が上昇しているのがチャートではっきり分かる。

 ブラジル経済を常時監視している訳ではないので「何故か」は直ちにはつまびらかではないのですが、株価が雄弁に物語っているのは「ルセフ退陣はブラジルの経済にとって良い事」というメッセージです。マーケットでは議会や街頭での混乱は見えない。むしろ大歓迎。

 ブラジルは国内の貧しい層に財政支援する「ボルサファミリア」と呼ばれる政策で「内需主導」の順調な経済発展を遂げていた時期もあったが、中国経済の変調やインフレ率の上昇、ペトロブラスを舞台とする汚職問題なので経済は下り坂に。最近はGDPの伸びも大幅なマイナス。今年もマイナス成長の予想。

子供を抱いて土俵入り 日馬富士 彼は相撲は取らなかった  多分ここに来ての株価上昇は、経済政策で無能なルセフ政権の退陣の見通しが出てきたという以上に、中国経済の落ち着きや為替市場の動きを反映したものだろう。しかしブラジルの株価が「ルセフ弾劾」の動きを歓迎していることは間違いない。

 ルセフ大統領弾劾の動きは、今回の下院通過に続いて上院(5月中旬の予定)も通過する見込み。上院で可決されればルセフ氏は180日間の職務停止処分に。オリンピックはその期間に入る。その上で最高裁長官を裁判長とする弾劾法廷が上院に設置され、3分の2以上が有罪と判断すればルセフ氏は罷免される。

 その職務停止中は、政権与党離脱でルセフ大統領を窮地に陥れたブラジル民主運動党(PMDB)所属のテメル副大統領が大統領代行を務める。最終的にルセフ大統領が罷免に至れば、新大統領にテメル氏が昇格する。株価はむしろそれの方に期待しているのかも知れない。当然ながらルセフ大統領はテメル氏の動きを非難。

白鵬の土俵入り 相撲には注文があるが、土俵入りは綺麗だった  なかなか理解に苦しむ国です。あの混乱と見える状況の中で、もしかしたらブラジルは結構うまくオリンピックを行うかも知れない。ワールドカップもいろいろ言われたが、最終的にはまずまずだった。しかし気を揉む状態であることに変わりは無い。

 靖国神社の奉納相撲は結局打ち合わせが延期になって最後まで見ていました。相撲の取り組みそのものは面白みを例示するショー的なものなので「笑ってみる」だけのものですが、面白かったのは「相撲甚句」(ネットにあった動画で昨日の靖国のそれは違うものです)、それに初っ切り(同)かな。多分私は初っ切りは初めて見た。本場所ではやらない。奉納相撲、花相撲のような時にしか。面白かった。ちょっと残念だったのはマイクの不調。甚句の時に時々マイク音が途切れた。これはいただけない。

 財団である相撲協会の運営が低金利で厳しいのは分かりますが(半分冗談)、もうちょっと良いマイクを使ってもらわないと。それとアナウンス。日本語だけというのもナ.....


2016年04月18日(月曜日)

 (10:40)とにかくどえらい人です。人口比率で言うと、異常に外国人の割合が多い。私の周りを見るとラオス系のフランス人4人、ボストンから来たアメリカ人一家、カナダ人などなど。相撲を見に来たのに、訪日外国人の顔見せ会を見に来たように見える。

凄い人出です  何に来ているのかというと「靖国神社の奉納相撲」。神社にはよく来ますから数年前から「機会があったら」と思っていた。今日はたまたま所用もなく、天気も良いので「そんじゃ」と思って友人と来ているもの。

    「6000人まで。先着順」とあって、8時過ぎに行けば良いかと思ったら、既に長蛇の列。「こりゃ凄い」という感じです。手荷物検査はあったが、入場は順調。皆しっかり規則を守っている。内外人関係なく。

もうすぐ取り組み  最後までいられるのかどうか分かりませんが、最後には白鵬の登場もあるし、何よりも天気が良い。できる限り見て帰ろうと思っています。国技館を初めとしてあちこちで相撲は見ていますし、朝稽古も見たことがあるが、巡業は見たことがないし、奉納相撲も始めて。

 今若いお相撲取りの朝稽古が終わった状態。実際の取り組みはいつ始まるものやら。ちょっと気になったのはこれだけ外国人が多いのにアナウンスが日本語だけ。ちょっと不親切かな。


2016年04月17日(日曜日)

 (22:40)今日の夜の「いま世界は」に出演して専門家の先生の話を聞きながら、「”余震”という単語が罪作りだったんだな」と思っていました。

 熊本県を中心とする最初の大きな地震が起きたのが、確か14日木曜日の夜9時半前。その時の地震のパワーに関しては当初はマグニチュード6.9と発表されたと思った。エネルギー的にも大きな地震です。そしてその後の放送で盛んに使われたし、気象庁で記者会見を行った方からも盛んに出てきた単語が「余震」だった。「余震に注意して下さい」と言った感じで。

 「余震」という言葉が我々一般人に与える印象は、「一番大きな地震は過ぎて、これからは最初の大きな地震に接近するかもしれないが、決して超えない地震と、大多数の小さな地震の連続」といった印象。だから「余震に注意」と言われると普通の人は「最悪期は過ぎた」と思う。

 しかしそこで来たのが16日の午前1時過ぎに発生したマグニチュード7.3の地震です。気象庁はあとになって「こちらが本震でした」と発表した。番組でも言ったのですが、多分金曜日の段階で多くの被災地の方々は、「これからは”余震”だ」と思って例えば「片付けのための帰宅」などの行動を決めた。

 むろん放送や気象庁の発表は、「強い揺れを伴う余震」とか「震度6に達するような余震」といった表現を使っていた(と思う)。しかし聞くサイドの印象としては、「最悪の地震は過ぎて、これからは余りの地震だ」という印象だった。

 だから家に帰るなり、片付けに入るなり。私の記憶では15日夜に「避難所にいらっしゃる方の数」として公表されたのは確か7000人前後の方々にとどまっていた。

 避難所に居た人が少なかったと言うことは、多くの人は家に帰ったということです。しかしそこで来たのが16日の早朝のマグニチュード7.3の大きな地震です。マグニチュードの0.1の違いは大きい。エネルギーにして何倍もの違いがある。そして気象庁はこの16日の早朝に来た地震を後に「本震」と言い換えた。

 番組に出ていらした専門家の先生によると、最初の大きな地震の後にそれを上回る地震が起きる今回のようなケースは、「日本での発生確率は数%」とのことだ。つまり希有。中国などの地震ではそういうケースがもっと多いらしい。しかしそれが実際に熊本で起きてしまった。

 とすると、14日の夜から16日の早朝にかけて気象庁や放送局が「余震に注意して下さい」と言い続けたのはミスリーディングだったと言えないこともない。なぜなら14日の夜よりはるかに大きい地震が来るケースもある、ということを被災地の方々に伝えられなかったからだ。「余震」という言葉を使ったが故に。「強い余震」という警告は何回もあった。それは確かだ。しかし「もう余震段階だ」と多くの人が思った。

 今夜の放送を見ていると、急激に「余震」と言う言葉が使われなくなっている。今までの地震情報発信においては「余震が続く」といった字幕が多かったが、今は「地震が続く」となっている。正しいと思う。

 今後は「余震」と言う言葉は使わない方が良く、大きな地震があったあとも、「新たな、場合によってはより強い地震が来る可能性がある」とした方が良いと言うことだろう。


2016年04月17日(日曜日)

 (09:40)珍しいな、と思いました。「単品管理」が徹底しているセブンで、一商品だけが全く商品棚から消失している。その商品とは「カルビー プロ野球チップ2016」。2016というのがミソで、リバイバル。しかし野球人気が下火と言われる中で、この商品は売れている。面白かった。

この商品だけが全くなくなっていました。綺麗に  熊本と大分の地震はまだ今朝も続いている。雨はやんだようですが。心配ですね。多分寝られない人も多かったのでは。今回分かったことは「地震の連続は重層的に被害を拡大させる」ということでしょうか。

 最初の大きな地震で弱体化したインフラが、時間を置かずに来る第二弾の地震で加速度的に弱体化し、ところでどころで崩壊に繋がる。これが人命も奪う、ということだと思う。でもこれは対策と言っても、あまりできる事はない。

 被災地の雨はあがったようですが、まだ地震が続いていると言うことは、本格的な復旧作業には着手できないということ。とにかく地震が収まらないと。しかしそれに関しては人間が出来ることは少ない。ただし復旧作業の準備は出来る。

昨日の八重は綺麗でした  東京にも西から来た雨雲でこれから雨の予想ですが、風も強い。多分この雨と風は「八重ちらし」となるのだと思う。昨日までは綺麗でしたが、今朝はもう散り始めていたんで、雨と風では。

 それにしても台湾など海外から寄せられる善意は嬉しいですね。何故か台湾からの支援の話を聞くと、一番嬉しい。何故なんでしょうか。


2016年04月16日(土曜日)

 (12:40)驚くべき長期連続地震ですね。何よりも本震(M6.9)と思われていたものが後から前震に変わり(気象庁の発表)、その本震(M7.3)が今朝の午前1時半前にあった後も余震がしつこく、そして今も続いている。亡くなられた方もこの文章を書いている時点で25人となった。

 何回もの地震で弱くなった地盤や建物は、その後の少しの揺れでも崩壊・倒壊の恐れが高まる。今回の地震で建物倒壊について言うと「1階がぺしゃんこに潰れて、その上に2階以上の建物が乗っかる」というケースがいくつか見られる。構造的欠陥があったように思える。

 安倍首相が「私自身が行く....」と昨日言っていたのを、今朝になって中止したのは賢明だと思う。だって現地は大変でしょう。余震が頻繁に続いている。菅首相の原発事故の際の二の舞の事態を引き起こすことはない。

 雨が心配だな。今の事態で、つまり余震が続く事態で雨が来たら、「とにかく怖くて家・建物には入れない」という状況なので屋内にはおられず、結局屋外で雨に打たれる人も出てくると言うことだと思う。大混乱でしょうから行くわけにも行かず、気持ちを送るしかない。

 熊本、大分の方には是非ご無事で頑張って頂きたい。それにしても、「日向灘を震源とする地震緊急速報」があったが、これが間違いで良かった。どこかのテレビの解説者は日向灘と聞いて顔を緊張させていた。南海トラフ地震を想起させる....と。これは間違いで良かった。


2016年04月15日(金曜日)

 (05:40)益城郡益城町を中心とする熊本の地震は、夜明けとともに被害の状況がより明らかになるでしょうが、これまでで感じたことを書くと、「あれ、日本人のしゃべりってこんなに下手だったんだ」ということ。

 今までは反対の事を感じていました。「日本人の喋りはなめらか、かつうまくなった」というものでしたが、昨日の地震報道をNHKを中心に見ていて、「ちょっとこれは酷いな」と。つっかえる、読み間違える、番組中で音声がかぶりあう.....など。

 特にレポーターが酷かった。地震で不安げに家族で助け合っている人々に突然「NHKですが、揺れはどうでした」と状況を見ない、ねぎらいもない突撃インタビュー。電話で現地の人に状況を聞く聴き方も「これってどうなの」と思うようなやり方。全国放送ですからね。

 ま、急で用意が出来ていなかったというのは当然ですが、そのたどたどしさは今朝も続いていて、「危険がない範囲で私が歩いたところでも........」とあるレポーター。「危険がない範囲で.....」ってわざわざ言う必要があるのかな、と。

 それにしても、地震の脅威再びという印象。震源に近い人は夜も家の中に入れなかったのではないでしょうか。関東大震災を小さな時に経験したと言っていた父親は、「かなり遠方でも家になかなか入れなかった。夜は外で寝た」と言っていたのを思い出した。

 熊本は「強い地震」とあまり親和性のない場所のように思うし、熊本の人達は皆「こんなの生まれて初めて....」と。余震は今朝も続いている。心配ですね。日本はどこでも「強い揺れ」に見舞われる危険が有ると言うことです。


2016年04月14日(木曜日)

 (09:40)今回の全く予想外の韓国総選挙結果を一番喜ぶのは北朝鮮でしょうね。口汚くののしっていましたから。その他の周辺国は、分裂国家の南の国=韓国の政治が陥るだろう不安定さを懸念することになる。

 それにしても本当に思う。「ちょこちょこ政党の名前を変えないで欲しい」と。久しぶりに韓国の政治は....と記事を読んでも、NHKのワールド・ニュースを見ても直ぐに頭に入ってこない。

 それは「共に民主党」といった聞き慣れない政党の名前が出てきたり、「国民の党」といった「それは台湾の政党か」と言った名前が出てくるためだ。「共に民主党」(トブロ民主党)とは聞き慣れないと思ったら「2015年12月、党名をそれまでの新政治民主連合から改称した」と書いてある。そりゃ私の頭の中で違和感が残っていてもおかしくない。

 「国民の党」とは何かと調べたら、新政治民主連合(現在の「共に民主党」)を昨年12月に離党した安哲秀議員を中心とする勢力が作った。今月2日に中部の大田市で創党大会を開き、正式に発足した.....とある。これも聞いてはいても知らなくて自然。

 それらが大躍進して、朴大統領が率いるセヌリ党がごく僅かだが第一党の地位を滑り、「共に民主党」が議会第一党になった、加えて「国民の党」が一割強の議席を得た....という結果。「国民の党」はスペインで言ってみれば「ポデモス」のような存在か。

 韓国の新聞が今朝書いているのは「(選挙の結果は)世論調査機関が一度も予測しなかった状況」(中央日報)という点。このところ世論調査機関はイギリスの総選挙も大外れだったし、全く役立たない。今回の韓国もそう。

 朴大統領に関してよく言われた「岩盤の支持層」はいったいどうなったのか。主にソウルでセヌリ党が負けたと言うことは、若者に負けた、情報量の多い層に負けた、ということで、岩盤は残っているのかも知れない。しかし「都市層の朴大統領の強権的やり方へのノー」が「岩盤支持」を上回ったと言うことか。ということは野党が素晴らしかったのではなくて、朴拒否結果とも言える。

 朴大統領もあと2年。「韓国の経済政策は財閥が決めている」と私の韓国人の友人が言うほどだから、これによって韓国経済が今より一段と悪くなるとも思えない。中国経済が落ち着きを取り戻しつつあるので。

 しかし「レームダック化した、どちらかと言えば思い込みの激しい初代女性大統領」を頂く今後2年の韓国は、なかなか大変そうだ。


2016年04月13日(水曜日)

 (22:40)午後30分ほどをかけて「大掃除」をしました。とってもすっきりしました。

 何の大掃除をしたかというと、スマホなどデバイスの。携帯電話の時からそうですが、キャリアで契約したデバイスには、キャリアサイドの「勝手有料サービス」(とも呼べるもの)が一杯用意されている。今のスマホもそうです。ちょっと油断すると直ぐにサービス数が増える。つい「それは必要だろう」と思ってしまう自分の責任でもあるのですが。

 どのキャリアでもそうですが、契約時には「このサービスもどうですか」と薦められる。あるキャリアの場合は「おすすめパック」「dTV」「dマガジン」「フォトコレクションプラス」「かんだの時計」「ドコモドライブネット」などなど。いずれも毎月500円とか400円とかの費用が発生する。三つ四つ入れていると、直ぐに結構な金額になる。これを年間にすると大きい。

 これらの中には、契約時には「must」(外せないという意味で)のものもある。しかし私のようにデバイスをいろいろ使っている人間にとっては、この「must」のものもしばしばいらない。他のデバイスが同様の役割をしているケースも多いので。しかしそのアプリは一回契約すると、アプリをアンストールしても課金は止まらない。

 その多く(アプリ)は、デバイスから最終的に外すことは面倒です。なので今回はドコモの店頭に行って余計なものは無いか調べてもらって、その上で「じゃ、それは外して下さい」と。今日だけでXperiaで四つ、iPhoneで二つ外した。合計六個。ということは毎月3000円くらい不必要サービス料を減らすことが出来たことになる。年間では結構大きい。

 キャリアとしては「こんなサービスを作ったらお客さんは便利だろう」という善意で作ったものもあると思う。しかし人それぞれでデバイスの使い方は違う。なのでキャリアが用意してくれたサービスでもその人その人で不必要なサービスはあるわけです。

 実はスマホの中だけでなく、当初は「このネットサービスを使ってみたい。最初の一ヶ月は無料らしいから」と契約し、クレジットカードナンバーを入力したものを忘れていると、自然と課金期間に突入しているものがある。それはサービスを利用していなくても課金が進んでいることになる。それは無駄でしょう。

 だから「最初の一ヶ月は無料」というのは油断ならない。まそのうちクレジットカード分も大掃除します。今まで脇甘で来たので、結構無駄が生じているのではないかと思っているのですが........


2016年04月013日(水曜日)

 (08:40)昨日でしたが、近くを通った折にちょっと時間を作って北大路魯山人を覗きました。この偉人が自ら作った”食”はもう頂けないが、彼が「料理の着物」と言った”器”は今でも鑑賞できる。

 数少ない本物と同時に、世の中に多くある模倣モノの日月椀(展示されているのは10客でむろん本物)を初め、「結構集まっている」と思える展覧会だった。うーん、私が「やっぱり凄い」と思ったのは「板」かな。俎板、長板の類

 中でも入り口近くに展示している織部の俎板状のそれは迫力があって、「これにお造りでも焼き魚でも載って出てきたら、そりゃ食べちゃうよな」と思いました。「板」の類は他にもいろいろ展示してありますが、やはり入り口近くに単独で置かれている織部が一番良い。あの深い緑がね。記憶に残る。

 やっぱり何というか「迫力」ですね。お猪口のような小さなものにも宿っているし、大きなものには全ての作品に強く感じられる。「迫力」。普通は器には求められない。しかし魯山人のそれには「強い個性」と「迫力」がある。

 それに「非対称」というか「非調和」というか、「思うがままに作り込んだ感」がいいな。アンバランスの美というか。残念なのは「触れない」ということ。展覧会の展示品なので。

 日月椀は本物には何回も実際に使われている状態で触れていますし、実に手触りが良い。お日様とお月様が実に綺麗に並んでいる。よう発想したものです。和紙を重ねて作っていると。実際に手に取ってみたい器が沢山ありました。触るには大きすぎるものもありますが。

 三井記念美術館(三井信託銀行の建物の7階)、地下鉄日本橋駅の三越サイドから出て直ぐです。結構見入ってしまった。


2016年04月012日(火曜日)

 (11:40)ああ、すみませんシャープさん。そういう意味じゃないんですが.....

 いえね、今調べたら3年ちょっとの長い間使っていたシャープのIGZOのAQUOS PHONEに昨日おさらばしました。同じ文章に iPhone4sとかあるから印象的にはどえらく昔。そんなにIGZOを長く使っていたんだ。

 「電池が長く持つ」ことが技術的ウリだったこのマシンですが、いかんとも3年以上使うと電池の減りの素早いこと。もうどうにもならなくなってドコモに持っていったら、「このデバイスの電池はメーカー交換なのでお預かりになります....」と。そりゃないでしょ。まiPhoneもそうなんだけど、IGZOは主に電話で使っていたマシンですから。いつなんどき電話があるかも。データ利用のデバイスならPCもそうですが、代替は一杯ある。電話はそうはいかない。

 3年以上という長期の使用期間も考え、レスポンスが著しく遅いこと、さらに使い勝手も悪くなったことも勘案して、「久しぶりにソニーでも使ってみるか」と乗り換えたのがXperia。久しぶりです、ソニーのデバイスを使うのは。今でもソニーのデバイスで私の記憶に残るのはプレミニですが、もうこの超小型マシンを知っている人は少ないでしょう。Xperiaは昨日から使い始めたのですが、なかなか使い心地は良い。

 昨日は充電関連二題で、もう一つあった。一年以上使った iPhone6プラスの充電がしばしばうまくいかなくなった。使う端子によって充電できたり出来なかったり。なので本体のマイナス(受け)サイドの問題。

 アップルショップに行ったら、「AppleCareに入っているか調べますから....」と言われて、「怪しいな」と思っていたら「入っています」と。記憶にはないが、良かった入っていて。新品と交換ということになって、7800円かな払ってニューをゲット。

 どうやら端子受けのサイドに緑青が発生していたそうな。雨の日の使用なんかでそうなったのかな。以前も羅臼からWhale Watchingに行ってずぶ濡れたときに、徐々にiPhoneの具合が悪くなって、その後使えなくなったことがあったが、それは本体の問題だった。いずれにせよiPhoneは、というかスマホ全体は水に弱い。じわじわ来るんですよね。

 というわけで、2台のデバイスのセットアップなどで昨日は半日以上を要してしまった。相変わらずセットアップには時間がかかる。あそうだ、車とデバイスのブルーツゥースもマッチングし直さないと。

 雨の日に水分が届くポケットなどで保持するのも良くないし、風呂でデバイスを使っていて、ついうとうとして手が下がり充電部分を水につけてしまった....なんてのも時間の経過の中でデバイスに打撃になる。今回の理由は不明ですが、きっとそんな所でしょう。ちょっと経験になりました。


2016年04月09日(土曜日)

 (23:40)暫くして思い出して、頭のスイッチが入っちゃいましたよ。「これか.....」と。「階段国道」。

でかでかと表示が  調べたらその本を私は去年3月17日に紹介している。「ふしぎな国道」という本ですが、その際に書いた文章の中には「階段国道」を入れていないことを今回発見した。多分、「ええ、そんな」と思って私自身が訝り、皆さんには紹介しなかったのだと思う。

急です。階段の上の方向が竜飛灯台  しかしそれを今回自分で見つけてしまった。もう信じるしかない。函館から新青森に移動し、そこから車移動した竜飛岬で。石川さゆりの「津軽海峡冬景色」で歌われている津軽半島の突先です。国道339号線が岬の途中から二手に分かれる。漁港側と灯台側と。その高低差70メートル。

 誰がやったのか知らないが、その高低差70メートル、距離にして388.2メートルを「国道」に指定した。多分図面の上でやったのでは。ご丁寧に150段近くある狭い石の手すり付き階段には写真の通り「国道 339 ROUTE」とブルーの例の国道表示が掲載されている。上と下、それに真ん中と。

 実はなにげに一回通り過ぎたのです。まず竜飛の岬が見たかったこともあって。しかし「ついでに漁港も」と思って左回転して漁港を見、「じゃ帰るか」と思ったところで右手に再び「階段国道」との表示が出てきた。それでやっと思い出した。

途中にも確認表示が  こうなったらもう一度上に戻って、そこに車を止めて、そしてダウン、そしてアップの往復走破。朝に既に五稜郭で走った後でもあったので、きつかったが、日本で一つしか無い「階段国道」はやはり往復すべきでしょう。388.2メートルしかないのだから。

 何故車も当然通れない、急な階段が「国道指定」になったのかについては、このサイトなどにも書いてあるが、最後は「洒落」でしょう。だって私もそうだが、見た瞬間に「にや」としたくなる。「何故」とも笑えながら思う。

 ま、土曜日の函館で土曜日に良いお宿を取るのが難しかったので、「そう言えば青森の北はあまり見てない。竜飛と山内を見よう」と思って移動したのがこの発見に繋がった。笑える。そういう意味では良かった。

これも想像です。でも何に使ったのか  たまたまかもしれないが、新青森から北上している間に既に凄い風で、風で車が揺れるほどでしたが、海面から100メートル以上切り立った岬の突端の風は凄まじかった。体をもっていかれそうになる。日本海側から。つまり北海道の方向を向いて左から。笑えたのは鳥でさえも、岬の上は飛ばずに岬に隠れて飛んでいる。強い風の岬というと、私は南アフリカの喜望峰を思い出す。あそこも凄い風でした。

 数軒しか開いていなかった売店のおばちゃんと話していたら、「こんな時ばかりではないのよ....」と。風のことです。しかし人は少ない。30台くらい停まれる駐車場に車が3〜4台。一台は「千葉」ナンバーで、ちょっとその車のおっちゃんと話をしたら、大きめのワンボックスで気ままな旅をしていると。それもいいな。

 「津軽海峡冬景色」の碑も当然あって、加えて近くに「青函トンネル記念館」のような施設があった。「海底の140メートル下まで...行ける」とか書いてあったのでその建物に行ったら、「4月も末からです」と。そうか、連休狙いか、と。昨日今日と歌謡曲2題。ははは。

凄まじい風で海峡も酷く波立っていました  なので、今まで奥入瀬、八甲田山とか酸ヶ湯からからの帰りに近くを通りながら立ち寄っていなかった三内丸山遺跡にもちょこっと。常々あまり過去には興味がない方ですが、あの六本の柱を持つ、まだ何の目的だったか不明な建造物の実物を見たかったので。

青森はやはりこれでしょ。青森駅の近くのねぶたの館で  4.2メートル間隔で仕切りが上にあるそうで、それが三段。その上に同じくらいの突出があるので、合計で地上から17メートル近い高さですかね。でかい。そう言えばちょっと前のNHKの番組で「縄文文化は実は凄い。定住した狩猟民族などいない。栗を育てられたので定住して狩猟した」とか言っていたが、その番組でアンさんが一番上に乗っていたな、と思い出しました。タイムマシンが欲しい。

 多分、撮影の時に風でも吹いていたらアンさんもめっちゃこわかっただろうと思う。今日のような。当然一般の人間は上れない。そうそう、今日二つ青森弁を覚えました。「ねぶた=ねむい」、「アウガ=あうかい」。違うかな。


2016年04月09日(土曜日)

 (10:40)今回は長居が出来ないが、「近くまた来ればいいや...」と。

 うーん、寂れつつはあるが、何だかんだ言って良い街なんですよ、函館は。なんたって、野趣溢れる食べ物が良い。これは北海道全体で言えることかも知れないが、函館は海あり、山あり、城郭あり、温泉あり....と揃っている。

平成22年に復元された函館奉行所  人口がピークから短時間で5万人も減ったと言うことは、それでも生き延びているお店は実力があると理解できる。東京など人口が増えている都市では、あり得ない高値であり得ない低レベルの料理を出す店があり得る。しかしそれは函館では無理です。直ぐに潰れる。

 なので、例えばホテルが紹介してくれたり、友人から聞いた店には全部行きたい。しかし一日に5回も食事は出来ないので、やはり少し長い期間いるか、何回も来るしかない。それにしても、朝食が良いと聞いていたHotel&Spa Resort ラビスタ函館ベイというホテルのそれは、本当にあり得ない食材が行列を作っていた。素晴らしい。朝市のそれより魅力的だった。

 自分で勝手に組み合わせて「いくら丼」の上に海胆を乗せることも可能。失礼なので写真など取りませんでしたが、あれだけ海の食材が揃っている朝食は、日本には他に例がないと思う。運転手さんが、「日本一のホテル朝食です」と言っていた。確かに。野趣溢れる食材、という意味では。

高さがうまく調整されている  もっとも私は前日海鮮を食べ過ぎて、もったいなかったが海のものには箸が向かなかった。なのでカツゲンを飲んだ後は焼き野菜などを頂いたが、本当に「もったいない」という状況。

 朝食の前は五稜郭をひとっ走り。外周が1.815キロだそうで、つまり3周すれば皇居一周にほぼ等しい。東京より東にある北海道の朝は早い。5時半前に着いたので「まだ誰もいないのでは」と思ったら大間違い。御同胞達が走ったり、時には早足歩きをしていたり。

 昨日も書きましたが、函館の桜は今月末。ホテルは既に満杯。今はつぼみが膨らんだ程度で、しょうがないので「仮想花見」をしました。昨日までに脳裏に染みこませた東京の満開の桜を、五稜郭のお堀の内外に綺麗に並んでいる桜の木に「ピンクの花びら」をかぶせて、頭の中で満開を作り上げて、それを鑑賞した。そうしながらも気付いたことがあった。それは朝市ではもう湯気が。なかなか良い雰囲気

  1. 五稜郭周りの桜の木は綺麗に高さが揃っている。いや、揃うように幹が上部で切られている。それ以上大きくなるな、と命令されているように

  2. それはあたかもサクラヤの木々が「不敬罪」に問われているように思えた。地元の人に「なぜですか」と聞いても、「さあ、そう言われれれば....」と埒が明かない。だって東京の桜は六義園の枝垂れもそうだし、千鳥ヶ淵も全部伸び放題伸びて、木ぶり、咲きぶりを誇っている。日本中の桜がほとんどそうです

  3. 考えられる理由は二つだ、と思った。一つは五稜という特殊な形を際立たせるために、桜の木の大きさを厳しく管理して、景観を整ったものにしている。二つ目は栄養に関する問題があって、あまり木が大きくならないようにしている....のか

  4. 最初の推測が当たっているかな。帰りに乗ったタクシーの運転手さんによれば、毎年雪が降ったころに「今年も切りました。木が必要な人は申し出て下さい」と市が広報するのだそうです
 運転手さんが言うんですよ。「五稜郭タワーの周辺から咲き始めて(標準木は五稜郭の中らしい)、満開になったらタワーの上からの眺めは抜群ですよ」と。うーん、私は仮想で満開を楽しむしかなかった。だから「また来たい」というわけです。是非行きたいレストランもあるし。


2016年04月08日(金曜日)

 (23:40)ははは、新青森からは目をばっちり開いて外の景色に注目しましたよ。北の大地や津軽海峡が新幹線からどう見えるか、と。うーんでもね、トンネル多し、目隠し多しでほとんど良い景色は見えない。札幌まで延伸しても「6割はトンネル」と。だからあまり景色を見る新幹線じゃない。

使った北海道新幹線  いえね、金曜日の午後から少し時間が空いたので、「どないやろう」と思って北海道新幹線の乗ってみたのです。今まで新青森までは何回も来ている。なのでその先に興味があった。しかし最初に記した通り。もうちょっと景色が良ければ、と思います。

 新青森から函館北斗まで1時間ちょい。17分くらい走って青函トンネルに入って、25分で通過し、あとは木古内に止まって終点という展開。函館北斗駅は函館市にあるのではない。北斗市にあって、駅には「北斗の剣」のスタチューが。笑えた。

 しかしこう、なんと言おうか、「津軽海峡の下を今通過している」という客観的状況は乗っている人間に特別な感情を引き起こすもので、「ここの工事は大変だったろうな」とか「今、海底からさらに200メートル下を通過しているのか」とか、「本州と北海道がついに新幹線で繋がったのか」と。感じ入るものがある。

桜が咲く前の五稜郭  でも営業的にはまだ厳しいそうです。意図的にタクシーに乗って運転手さんに話を聞いたら、最近の新幹線乗車率は35%程度。函館北斗に新幹線が到着する度にタクシー(北口にしか乗り場はなかったと思った)を利用するお客さんは2〜3人程度とか。私が使った新幹線からのお客も、確か私ともう一人。

 函館北斗駅が開業に際してテナントを募集したら、まず入ったのはレンタカー会社。そりゃそうだ。降りてレンタを借りて北海道を回るのはナイスなアイデア。しかしその他のテナントはとんと入らなかったそうな。だってなんにもない。来年だかタクシー乗り場の奥にホテルが出来るそうな。

 運転手さんに「函館の人口はいまどのくらいですか」と聞いたら、「一時の33万から28万に減っちゃいました」と寂しそう。「結局漁業が駄目になったんですよ....」と。確かに駅の回りなど空き地・駐車場だらけ。住宅地も五稜郭の方に移動しつつあるそうで、街としては函館はあまり見るものがない。

 敢えて挙げればその五稜郭、赤煉瓦倉庫群(金森)、函館山からの夜景くらいか。函館の売り物は。それにしても4月末からの五稜郭は凄いらしい。桜で。確かに日本の城としては異例の綺麗な五角形をしていて、その上に桜並木があるので、タワーの上からも、下からもとっても綺麗だろうなと思いました。

赤煉瓦倉庫群の夕暮れ  実は「函館駅舎」が面白いんじゃないかと思っていたので運転手さんに「どうですか」と聞いたら、「新幹線が来るって言うので、新たしくしちゃったんですよ.....」と。「あらら」ってなもんですね。門司港駅の駅舎のようなのを期待していたのですが、すっかり「普通の駅」になってしまっていた。

 北海道新幹線も函館の街もイマイチなのですが、食べ物は良い。行きたい店が一杯。好きなものが沢山あるんですよ。最近食べたものを消去していったら、最後に「海鮮」の海光房が残ってそこに行ったのですが、近くに「むらかみ」があった。運転手さんが「うに」なら「むらかみ」と教えてくれた店。「もう一回入ろうかな」と思ったくらい。うーん、「むらかみ」は次回だな。

むらかみのウニはうまいそうな   街にはあまり人を見掛けないが、ホテルにはぎょうさん。今回使わせてもらったのは最近評判の良いHotel&Spa Resort ラビスタ函館ベイというホテルですが、今私が泊まっている部屋の真ん前に倉庫群があって、そこの夜景が結構綺麗です。

 「ぎょうさん」の中味は日本人半分、中国人30%、韓国人20%という感じかな。桜の季節でもないのに、と思いながら、「商売をしている方々は、それでもこんなに来てくれる海外の人を歓迎しているんだろうな」と思いました。

 多分あと2週間もしたら函館は凄いことになる。明日でもホテルは満杯というのだから、五稜郭の桜の季節はもう一杯かも知れないですね。


2016年04月07日(木曜日)

 (23:40)日本の小売業界にとっても、我々にとっても大きなニュースです。セブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文会長兼最高経営責任者(CEO)(83)の辞任表明。

 色々な見方があると思う。しかし私はいろいろ考えた結果、「好業績を続けるセブン・イレブン・ジャパンの井阪隆一社長兼最高執行責任者(COO、58)をあえて更迭し、後任に同社長よりも8才年上の古屋一樹副社長(66)を昇格させる」という人事案がやはり”無理筋”だったのだと思う。取締役会は承認に一票足りなかった。

 その名前を見れば分かるが、鈴木会長はもともとイトーヨーカ堂から始まった小売企業の創業家に連なる人ではない。創業家の伊藤雅俊名誉会長がその人。しかし鈴木会長は中途で入ったものの、その実力故に現名誉会長から信頼され、ほぼグループの全権を掌握していた。

 鈴木会長はコンビニ「セブンイレブン」を全国1万9千店の最大手に育て上げた「コンビニの親」とも言われる。私もコンビニは頻繁に利用する。中でもセブンを。今や生活に欠かせない存在だ。それは素晴らしいと思う。鈴木さんの本も何冊か読んだ。面白かった。

 しかしやはり過信があったのだと思う。知らず知らずのうちに。鈴木さんのサイドに。そして多分傲慢もあった。「井坂社長にはずっと7年間不満だった。私の言ったことしかしなかった」という趣旨のことを述べている。その場その場にいたわけではないので知らないが、「7年」という時間の長さを考えると、それはちょっとそうではないのではと思う。「セブンの社長は7年が任期」というのも唐突だ。

 「業績が良かったのは自分がずっと見ていたからだ」と鈴木さんは考えているのかも知れないが、多分現場の考え方はそうではない。「鈴木さんの厳しさが会社の基礎を作った」という気持ちを持ちながらも、いろいろなところで「それは違うのでは」という思いが現場にはあったはずだ。

 その「それは違うのでは」という思いが、今度の人事案で噴出したのだと思う。鈴木さんはそれを感知して「辞める」という判断を下したのだと。感性の強い人だから。83才にもなるのに後継者を決めていなかったというのも現場には不満、不安があったと思うし、そこに”思惑”、”推測”が生まれる余地が出たのだと思う。

 創業家を代表する伊藤雅俊さんも多分「今回はあかん」と思ったはずだ。それは推察するに「鈴木さんが創業家並の権力を振るっている」と見えたからだろうし、次のトップ次第では「創業家の入れ替わり」のような事態が生ずると思えたのかも知れない。

 いずれにせよ「自分は伊藤さんの全面的信頼を得ている」という油断が鈴木さんの退路を断った可能性が大きいと思う。いずれにせよ結果として鈴木さんは退任する。その後の業績を担うのは残された人々で、その実力が試されることになる。


2016年04月07日(木曜日)

 (00:40)マー君や岩隈が登場し、青木がヒットを打ち....とMLBが始まったのですが、「あれ」と思いました。試合数がはるかに日本より多い大リーグの開幕が一週間以上遅い....ということはMLBの方がこれから詰まりに詰まった予定でゲームを消化していくということか......日本より。

 うーん、MLBは確かに苛酷です。20連戦とかありますから。日本はあって6連戦。緩い日程で試合を消化していた日本の投手が、そしてアメリカやその他の国出身の投手も次々と大きな手術(トミー・ジョン)に見舞われるのはそのせいかも。ダルビッシュの言っていることは正しい。

救命胴衣の救助隊が登場  結局「経営優先」なんでしょうね。善し悪しの問題は別にして。バスケットでもアメフトでも「経営優先」。しばしば選手は高額の年俸をもらってはいるものの、結構体を無理させられているし、アメフトではリーグ側が選手を無理に試合に出させていた過去も。

 「高額」で思い出しましたが、通称「パナマ文書」(英語では Panama Papers パナマの法律事務所、モサック・フォンセカ=Mossack Fonsecaによって作成された一連の機密文書)は既にアイスランドの首相の首を取った。今捜査を受けているのは欧州サッカー連盟。パナマ文書故のスイス警察の捜査だ。また文書には今のFIFA新会長の名前も出てきて、いきなフFIFAの新体制も試練に。

大木の頭が川に落ちる直前  弁明に追われている世界の主要な人物としては、キャメロン英首相やサッカーのメッシ、プーチンなどなど。習近平も親族の名前が出てきて、それを報じるNHKの国際放送が中国で突然ブツッと切れる事態に。

 アイスランドの首相は今の段階では何の法律違反も指摘されていない。爆発した国民の怒りの矛先に恐れをなして自分で辞任した。キャメロンやプーチン、習近平はそんなに柔ではないが、広まったのは体制とか思想に関係なく、「権力者は何かやましいことをしている」という印象でしょう。

 なぜそれらに対する目が厳しくなったかと考えてみると、二つある。ネットとその拡散力、それに経済的格差拡大への怒りの高まり。パナマ文書は膨大で、それを世界中の主要なメディアが検証作業をしているらしい。ネットの時代だからこそ出来る。

 格差拡大を背景とする怒りは、しばしば権力とそれを背景にしてお金を手中に納めている人に向く。地位は民主社会では人々が与えるものだから、マンデートを与えた側が監視する権限があると考える。アイスランドではそれが起きた。まだ違法を問われたわけではないが。まだ広がりますよ。きっと。所得申告と納税はすべての人の義務ですから。

川に落ちた直後  ところで先の諏訪の祭りに関してですが、「川越え」の写真がなかったので、3枚だけ掲載しておきます。巨木が今まさに川に落ちそうになっているもの2枚と、実際に落ちた時の1枚。非常にリスクの高い場面で、今回気が付いたのは救命胴衣を付けた救急部隊が居たこと。最初の写真です。よく見ると居る。

 うーん、以前はこんな人達は居なかったな。ま過去にいろいろ事件も起きたようですから。「万全を期してやっております」ということでしょう。


2016年04月06日(水曜日)

 (23:40)短く書いてしまえば「失敗の金融政策としてのマイナス金利」ということでしょう。1月末の導入発表以来、日本の景況感は悪くなり、株は下がり、円相場は急上昇。今見たら円は109円の50銭台。

 今現在の状況を見ると、原油が反発し、欧州の株、アメリカの株も上昇に転じているのに、日本円は対ドルに対してまた高くなっている。つまり円高が進んでいる。日本の通貨当局が恐らく望んでいないだろう方向への円相場の続伸傾向。これは円に構造的な「上昇圧力」がかかっていることを示している。一般的に言われる「リスク・アバース」の動きではない。そしてそれを見ながら続落する株価。

 「金融政策は浸透に時間がかかる」という説明がある。しかしマーケットには「将来を見込みながら動く」という側面があり、日本の株が実際に「7日連続下げ」を演じ、円相場が世界的なリスク低下の中でも続伸していると言うことは、マーケットが「将来をそう見越している」ということだ。株安と円高の持続。

 マーケットは何を見ているのか。恐らく「デフレに苦しむ日本経済が再び」という姿だろう。デフレは通貨を上昇傾向に入らせる。なぜならデフレとは「通貨の価値が高まること」を意味するからだ。

 日本経済への黄信号が赤に変わりつつある中で、「日銀が今月末(27、28日)の金融政策決定会合ではマイナス金利の深掘りがある」との見方が出ている。しかし今の状況から言うと、マイナス金利の一段深掘りは状況をもっと悪化させる可能性が高い。

 深掘りしても日銀が期待するような資金需要は起きず、人々の心理が一段とデフレ懸念の方向に向くからだ。欧州でも前回のマイナス金利深掘りは間違いだったとの見方が強まっている。だとしたら、日銀も同じ過ちを繰り返すべきではない。再び資産購入を柱に置くべきだろう。

 景気もそうだが、経済はサイコロジーの面が非常に強い。「マイナス金利」と聞いて良い印象を持つ日本人は一人も居ない。変わったことを.....というのがせいぜいだ。そんな心理的影響しかもたらさない政策を深掘りしても、望ましい結果が得られるとは思えない。そう考えるべき時期に来ている気がする。


2016年04月05日(火曜日)

 (10:40)それにしても、今朝の靖国神社の神池(しんち)庭園の綺麗さと言ったら、驚くほどでした。神池とは、神社正面を右に入った奥の池です。

 軽い、パラパラとした雨の中、散った桜の花びらがほぼ均等に庭園全体をおおい、それが池ではいくつかごとに固まって独特のピンク模様を作っていた。その下では黄色や赤白の色とりどりの鯉が優雅に。ナイス。

 朝起きたときの写真の狙い目は「筏」でした。「花筏」と言っても良い。つまりお堀とか池に落ちた桜の花びらが作る水面のピンク色の薄い板状の広がり。散り始めて、それがちょっと風で寄せられて。そしたら出来る。

 まだちょっと早かった。予想通り。国会前のお堀に一つ、そして毎年「花筏」が出来るインド大使館の前も見た。うーん、でも風が弱かったのでまだ塊が出来ていなかった。そもそも落ちた花びらの数が少なかったと思う。明日か明後日でしょうか。その後は上の木に付いている桜が薄めになってしまう。

 神池に話しを戻しますが、あそこの桜は2〜3日早い。で「もしかしたら」と思って行ったのです。そしたら正解でした。池の中の芝生にも花びらが良い感じで落ちて、先の茶室とのバランスの良いこと。

 しかし思ったのは、霧雨がピンクを際立たせると言うこと。バック、例えば皇居の緑がうっすらとかすむ中で、桜などのピンクが引き立つ。雨の日は雨の日で、桜やその他のピンクの花々の楽しみ方があると思いました。

国会前のお堀の花筏

厳密には筏になっていない

池の鯉が優雅でした

この風情が最高でした

鯉が綺麗だったな

水滴と桜


2016年04月03日(日曜日)

 (20:40)見ながら「やはり変わったお祭りだな」と思いました。子供の頃から参加し、そして見ているのに。大体十二支の寅と申の年だけに開催される、つまり6年に一回というのが珍しいし、場合によっては死者が出てもおかしくない危険度満載の側面を持つのも珍しい。

 祭りの正式な名前は「式年造営御柱大祭」と言って、全国の神社にある「式年造営」の一種なのですが、主人公が柱で、それがまたこれだけ規模の大きいものは他に例が無い。

正に今木が坂をおちんとしている  今回は出雲出身の大学時代からの友人である土江君を誘って諏訪に来て、高校の同級生の丸茂君のお世話になったのですが、なぜ出雲出身の土江君を誘ったかというと、そもそも諏訪の大社は出雲との関係が深いと考えられている。私の祖父もそう言っていた。なので、彼に祭りを見てもらって出雲の祭りとの比較をしてもらおうと思ったからです。

 そしたら意外なことに「出雲にはこんな祭りはない。しかし生き生きした良い祭りで、感動した。記憶に残る」との一言。そうなんだ。そう言えば「出雲で祭り」というニュースはあまり聞かない。それが私には新鮮だった。

 今夜7時のNHKニュースを見ながらこの文章を書いていたら、そこでもやっていましたが、祭りのハイライトは二つ。「木落し」と「川越え」です。諏訪大社は上社と下社からなり、上社には前宮と本宮が、下社には春宮と秋宮がある。「木落し」はその4つの神社の各4本の御柱、全部で合計16本実施され、「川越え」は上社の二つの神社の8本についてある。いずれも「お清め」の意味合いがあると考えられる。かつこうした危険な難行を通過した木には、やはり神が宿るとも考えられる。

 そもそも御柱とは神社の回りに配置される四本の巨大な柱です。一乃柱から四乃柱まで各宮にあり、それぞれ「一」が一番大きい。それを各柱1000以上の氏子が10数キロを曳行し、急坂を落とし、高い土手から川に木を落とし、そして引き上げる。「急坂を落とす」のを「木落とし」といい、「高い土手から川に木を落とし、そして引き上げる」を「川越え」という。

実に凄まじい砂煙です  とにかく木はでかくて重い。今回は長さが18メートル、総重量は10トンを優に超えると聞いた。「四乃柱」から徐々に重くなって、一番重いのが上社の場合は「本宮一乃柱」で、参加地区はどこもこの「本一」を取りたい。今年は実に96年ぶりに私の友人が多くいる地区が取って、その曳行長が高校の同級生の宮下君。

 この2日、3日の週末に行われ、4日にも行われるのは上社の「山出し」。これは木を切った(今回は適当な木がなく、他から運び込んだと聞いた)山奥から里まで木を曳行することを指し、連休に「里引き」が行われる。これは里で木を引き、神社の所定の位置に立てるまで。

 ハイライトの「木落し」と「川越え」は3日と4日の予定で、3日に私が見たのは本1、前1、本2、前2、本3の木落としと、本1、前1、本2の川越え。むろん「木落し」と「川越え」は1キロ弱離れた場所で行われているので、全部を完全に見たわけではないのですが、できる限り見たし、各所にビューポイントがあって同時進行のものもチェックできる。

 でも「変わったな」と思いました。私が子供の頃は「色」が無かった。しかし今の御柱祭りは実にカラフルです。それはナイス。そしてエンタメ化している。それは賛成できることと、うーんちょっとと思うことも。一つはっきりしているのは、同じ曳行でも実に個性が出てきたこと。これは各地区の曳行長の個性かも知れない。

 「木落し」は茅野駅から歩いて15分ほどの「木落し公園」で行われる。全長は40メートル弱、傾斜角度27度。きついですよ。そこから木を落とす。曳行中に極めて危険な箇所の一つの山で、特に下社の「木落し」は危険。木が容易に転がるから。

木落とし公園の裏手。ここで木を上げてせり出させ、そして落とす  でも以前からは変わった。木の落とし方の手順にしても、川の越かたにしても「随分差が出来た」と思いました。私は性格的には派手な方が好きですが、前1の川越えなど、今までに見られなかった数の人が川に飛び込んでいた。暖かかったせい ? これは面白かった。あと演出もなかなか凝った地区が多かった。歌まで作っていたりして。

 上社の御柱8本と下社の御柱8本の曳行で一番違うのは「メドデコ」の有無です。メドデコとは、写真で見れる角(大木から突き出した)の部分です。御柱の前部と後部に穴をあけて差し込み、V字形に取り付ける木の柱を指す。

 漢字を当てると「目処梃子(めどでこ)」。それぞれのメドデコに氏子たちが鈴なりに乗って気勢を上げ、おんべを振りながら進む姿は上社側だけの勇壮な光景ですが、起源については諸説あり、上社の曳行路がまだ舗装されていなかった時代、ぬかるんだ土から脱出するために付けたとも。メドデコを左右に振ると、勢いを付けて前に進める。明治期ごろに導入されたらしい。

 4日も三本の「木落し」と五本の「川越え」が行われるが、諏訪は休みです。今は上社の神事が進行中。次に下社のそれが行われて、全部が終わるのは初夏かな。実に長いお祭りで、この「期間の長さ」も特徴かな。

 さすがに4日は見れない。次の「木落し」と「川越え」はもう寅の年にしか来ない。今度はまだ小さい娘の娘を連れてきたい、と土江。ははは。


2016年04月02日(土曜日)

 (09:40)ははは、今朝は桜三昧でした。皇居周辺。今日の午後から祭り見学に出かけるので、「満開の東京の桜を目に」と思って。写真にも残しましたが、テーマは「.....と桜」でした。「門と桜」「石垣と桜」「水と桜」など。その三つが重なっているものもある。

 一つはっきりしているのは、私が東京に帰ってからでも乾門の前の枝垂れはまだ満開前だろう、ということ。六義園の枝垂れとは違って、乾門の前の枝垂れは遅い。上から

@田安門から見た桜
A靖国神社の門と桜
B乾門と桜
C半蔵門と千鳥ヶ淵公園から見た桜
D国立劇場と桜
E皇居お堀の土手と桜
F千鳥ヶ淵の水面と桜
G靖国神社と桜林
H北の丸公園サイドから見た千鳥ヶ淵の桜
I桜田門近くの石垣と桜
J武道館と清水門から見た桜
K坂下門近くの平地の桜

田安門から見た桜

靖国神社の門と桜

乾門の桜 内側が見えるのが良い

半蔵門と千鳥ヶ淵公園から見た桜

国立劇場と桜

皇居お堀の土手と桜

千鳥ヶ淵の水面と桜

靖国神社と桜林

北の丸公園サイドから見た千鳥ヶ淵の桜

桜田門近くの石垣と桜

武道館と桜

坂下門近くの平地の桜


2016年04月02日(土曜日)

 (00:40)先日東京におけるリーフタクシーに関して文章を書きましたが、それに関して八丈島に住みこの番組をいつも「楽しみにしている」という方から番組にメールを頂きました。

 いつも楽しみに番組を拝聴しています。

 伊藤洋一さんの公式サイトで日産リーフのタクシーの記事を拝見しました。私は生まれ故郷の八丈島で教師をしており、八丈島在住なのですが、実は八丈島では複数のタクシー会社が日産リーフを使用しています。

 島内ではガソリン価格が高く、走行距離も短いためか、ここ数年でよく見かけるようになりました。何度か乗車したことがありますが、静音でよい乗り心地ですね。島の場合は、塩害があり、乗用車の耐用年数が短いので、購入しようとは思いませんが、良い試みだと思っています。

 東京はソメイヨシノがきれいな時期と思います。年度末のお忙しい時期、出演者の皆様、スタッフの皆様、お身体大事にお過ごしください。

 「ガソリン価格が高く、走行距離も短いため」のところに納得しました。この二つの条件が揃えば、確かにリーフはより有用かも知れない。まさかテスラをタクシーに使うわけには行きませんから。

 全体的に言うと、原油が非常に安いという大きな時代状況があっても、「電気」という車の駆動エネルギーは幅広く使われるようになるのだと思います。今朝のニュースではPM2.5の濃度がソウルでもかなり高くなっているというニュース。やはり中国でも韓国でも大気汚染のかなりの部分は内燃機関の車から出たりする。

 でもこういう視聴者やサイトのファンからのメールは嬉しいんですよ。やはり一人の人間が見れて体験できるのは限られた範囲で、そこから思考も生まれる。しかし世界は広いわけで、そこでいろいろな環境、条件がある。ちょっとしたメールをもらうことで視野が広がる。ありがとうございました。

何十年ぶりかの餅つきでした  ところで私的に見て今週のハイライトは二つでした。一つは水曜日の夜。森本毅郎スタンバイの桜の季節を祝う宴会。西麻布の交差点に近い和食 さくらが会場だったのですが、とっても嬉しいことがあった。なんと「餅つき」が出来たのです。

 装置一式を置いている店も立派なら幹事もナイス。昔ながらの餅米を蒸して、臼でつく古典的な餅つき。なんと最上階に「臼」が置いてあるんですよ。どーんと。それを希望者につかせてくれる。私は子供の頃家でよくやりましたから真っ先に手を上げて、こねて、そしてついて。その後は交代で。

 楽しかったな。しかも嬉しかったのは、店の人が「砂糖醤油」を知っていて作ってくれたこと。ナイス。本当に久しぶりだった。うーん、チャンスがあったらまたやりたい。この店ではいつでも「餅」とオーダーすればいつでも餅つきが出来るそうです。

 もう一つはSHINOBY'S BARに初めて足を踏み入れたことかな。うーん「バー」というのは言いすぎかな。どちらかと言えば「西洋居酒屋」という感じ。店の構造も。カウンター席がもっと多いのかと思っていたが、少なかった。

 しかしちょっと面白い店です。内藤君は昼間ちょっとしたセミナーにも使っているそうな。プロジェクター設備もあった。本数はそれほど多くないが、ワインは結構あった。料理もコスパが良い。

 最近会っていなかったので「あいつは何をしているのか」というチェック目的もあったのですが、以前とそれほど変わっているわけではなかった。デザートワインが置いてあったのはナイス。


2016年04月01日(金曜日)

 (15:40)安倍首相や日本の首脳とポール・クルーグマンとの間でどのような会話(3月22日だそうな)がなされたのかに関して、善し悪しの問題は別にして、クルーグマンがネット上に記録を残してくれていますので、備忘の為に「クルーグマンのバージョンの対話記録」として、ここに残します。

 「Paul Krugman: Meeting with Japanese officials, 22/3/16」というサイトに残っていて、大まかに読んだらクルーグマンの言っていることは非常にまっとうです。彼はニューヨーク・タイムズなどにいろいろ書いているから違和感はない。

 興味深いのは、安倍首相初め麻生副総理などがクルーグマンにお知恵拝借と聞いている部分です。聞くんだから一番興味があるのでしょう。クルーグマンは「私の専門分野はそこじゃない」と回答を断っている部分もある。今朝のスタンバイで紹介した部分が、この文章でやはり一番面白い。

(PM Abe)
So, we will coordinate and collaborate with other countries. Of course, countries have variety of their issues and their situations. After all, this is off the record, Germany has the greatest space for a fiscal mobility. Going forward, I plan to visit Germany. So, I will have to talk to them and I will have to persuade them how they will come along with the policy for further fiscal mobilization. Is there any idea from you?

(Prof. Krugman)
It is difficult and let me say also that Chancellor Merkel is preoccupied with other matters as well, which she has been very good but it is an impossible situation.

 この部分は私が放送の中で和訳しながら紹介した部分です。最後の「 it is an impossible situation」は「にっちもさっちもいかない状況」と訳した。今メルケルさんが抱えている問題は多いですから。

 今日の東京の株は大幅安になった。引値は600円安近い。対してニューヨークの株は堅調ですが、不安がないわけではない。クルーグマンも言っているが、今の世界経済は「協調行動が必要で」「そこには財政政策の出動」も必要。しかしそれが出来る国は少ない。

 あそうそう、この文章の中では「構造改革」に関するクルーグマンの意見が面白かったな。



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