2016年08月31日(水曜日)

 (18:44)ハバナから専用バスで南東に走り、カリブ海に面したトリニダーに来ています。キューバ島の南海岸のほぼ真ん中。思ったより時間がかかって、午前9時にハバナを発して、着いたのが午後3時半過ぎ。もっともかなり長い間休みましたし、その間に昼飯も食べましたから。

全部同じバス  面白かったのは「キューバという島は種子島を横に伸ばしたような島だな」(無論、はるかに大きい)ということ。種子島は隣の屋久島と比べると遙かに平地の多い島ですから、その点が似ている。

 もともと海底の隆起とか火山で出来た島ではなく、珊瑚礁が長い年月の間に島になったと言われている。その名残は海岸に直ぐ近かったハバナのホテルの海に見ることができました。サンゴの固化したものが独特の模様を海岸に作っている。

 ハバナからトリニダーに移動して面白かったのは、キューバ島のど真ん中に水田が広がっていたこと。無論サトウキビ畑の方が多いのですが、ところどころに水田がある。「キューバの主食はお米です」とガイドさんのオズワルド。納得。手入れは悪いが、日本で言う水田です。

キューバの中部にある水田  移動していていろいろな事が分かってきた。それは「個性溢れる島、個性溢れる人々」という印象とは別に、様々な産業で「国家」の役割が非常に大きい、ということです。例えば観光バスは全部同じデザインで、サイズが違うだけ。全部「中国宇通」と書いてある。だから観光客は間違う。「観光バスを各会社が経営している」ということではなく、多分国家管理です。

 イエロータクシーの側面を見ると全部「AGENCIA de TAXI」と書いてある。これを私の勘で訳すと「タクシー局」となる。それもどこに行ってもこの表示です。ということはタクシーは公営で、運転手は皆公務員ということになる。

 更にWIFI管理。トリニダーのホテルに着いて「ここは駄目だろうな」と思って飛んでいるWIFIを調べたらこのホテルのそれがある。「あるじゃん」と思ってカードを買ったら、同じ2ペソでハバナのホテルと全く同じカード。  ということは、キューバ政府が全国のホテルのWIFI化を先頭に立って急速に進めているということです。その証拠にキューバのあちこちで「ETECSA」と書いた工事車が走っている。ということは外に門戸を開くに当たってWIFI化を急いでいる。日本で調べたときには、「トリニダーのホテルにWIFIはない」というサイトが多かった。

タクシーも公営?  しかも驚いたのは、ハバナのホテルで買ったWIFIカードの余りでトリニダーのホテルのWIFIに試しにゲットインしたら出来た。ということは、キューバのホテルのWIFIは政府が一元的に同じ料金で進めている、ということです。

それともキビ葺き  そう言えばオズワルドが面白い事を言っていた。「今日初めてアメリカからの直行便がキューバの中部の空港に着きます」と。もっともそこに乗っている観光客は選別された50人ほど。試し運転です。「キューバにアメリカ人が大量に来るのには時間がかかる。まだ問題ありますから、と。日本の皆さん、その前に.....」と彼。

 話を聞いていると、キューバの人達の生活は表面的には大変です。普通の働き人は月額300とか400ペソしかない。ということは、兌換ドルで3万ちょっと〜4万円ちょっとですが、実際の支払い給与は人民ペソなので実際にはその四分の一。

 ただし教育費、医療費は社会主義の国なのでただ。それをどう勘案するかです。徴兵制があり、人によって男性は2年から3年。女性はその代わり3年とかは最低の225人民ペソでインターン的に働くのだ、と。

 しかしメンバーの一人が、「その割には皆太っているわね」と。肥満と貧困はしばしば共存するので「その問題意識、どう」とも思うのですが、表面とは別にキューバにも社会主義国共通の「裏経済」があるのかもしれない。


2016年08月31日(水曜日)

 (07:44)今日は一旦大西洋に面するハバナから離れて、カリブ海側の古い街であるトリニダーに行きます。「まるで時間が100年ほど止まったような」と表現される砂糖貿易で栄えた古都です。

 さすがに島を北東から南東の方に大きく移動するので、どうやら3時間くらいのバスの旅になりそうで、その間にちょっと面白い街、雄大な景色を見ながらの移動になりそう。またガイドさん(オズワルドさんと言います)の車中歌謡が聴けるかな。

 歌といえば、昨日の夕食に行った「モヒート発祥の店=LA MODEGUITA DEL MEDIO」は面白かった。カテドラル=大聖堂の直ぐ近くで、陽気な酒と歌と、そして落書きの店でした。なにせ入ったときにはビックリ。壁という壁に、トイレの壁も含めて落書きだらけ。「日本 茅崎 祐子」といった落書きも見付けた。

壁中落書き  誰が何を書いても良い、という規則だそうで、面白かったのはメンバーの一人である若者の両親がカリブ海で結婚式を挙げた(20数年前)後にこのレストランに立ち寄り、落書きしたそうな。今回のメンバーの中では彼は、彼の従姉妹の女子(ともに就職控え)とともに最年少組。二人でその落書きを探したが「見つからなかった」と。

 彼はそのほぼほぼ10ヶ月後に生まれているので、「もしかして、私はここの仕込みなんですよ」と。がはは。古い。確か1942年から営業していると。そのプロセスで「モヒート」が生まれたと。

 食事のことをあまり書かないのは、「うーん、やはりかな」ということだったので。旅の今までの経験から社会主義国、そこに変化が起きたとしてもその影響が残っている国の料理は、全体的にメニューが少なく、味も横断的に(国全体という意味です)画一的ということを知っているからです。

ちょっと薄かった  キューバはばりばりの今でも社会主義国。決してまずくはない。しかしキューバという「個性溢れる国」と思われる国の料理としては、「ちょっと物足りない」というもの。その代わり酒があり、何よりも陽気な歌、バンドの演奏がある。

 早めに食事をスタートしたのですが、「来ますよ」と言われていたバンドが来ない。「どして」と思ったら、入り口のバーで彼等は止まっていた。そこが大盛り上がりで、奥のテーブル席に来れる余裕がなかった...と。

 万事、ちょっとアバウトな、ティピカ・ラテン的な国です。キューバは。そこが良い。


2016年08月30日(火曜日)

 (22:44)総勢7人の旅団によるキューバ初日が終了。朝方最初に思ったの「緑が多い、豊かな島だ」ということだ。バナナがなり、あちこちにマンゴーの大きな実を付けた木が見れた。アメリカから厳しい制裁を受けながらも、今の今まで持ちこたえてきたのは「島の豊かさ」にあると思いました。

モロ要塞とハバナの新市街  ちゃんと緑を育む雨が降る。今は雨期だそうで、これが11月ごろまでと。今はハリケーンにまで発達していない低気圧が時速7キロでフロリダに向かって去っている最中だそうで、よって大西洋に面しているハバナも今日は一日雨。日本では珍しい「雨のハバナの写真」が結構撮れました。明日からは天気が回復とか。

 そのアメリカとの関係ですが、国交は回復しても「せいぜい文化交流の程度」(ガイドさん)ということです。二つ問題がある。20世紀の初頭にアメリカがチューバをスペインから奪った際に設けたグアンタナモ基地の返還問題。もう一つはアメリカによるキューバ経済制裁の解除に関する問題。

 この二つが解決しないので、国交が回復してもキューバは不満。なので「中味が伴っていない」という。アメリカ人はまだ正式にはキューバに渡航できない。そういう意味では今がチャンスです。まだアメリカ人は少ない。「使用前」です。

 しかし中味が伴った交流への道筋は徐々に出来つつあるらしい。もう暫くしたら、アメリカ人は国内の携帯電話契約でキューバで自分の携帯電話を使うことが出来るようになるらしい。

ヘミングウェーがカジキマグロを釣るのに使っていた船  聞くところによると安倍首相は11月にキューバに来るとのこと。その際に日本の携帯各社とキューバの電話会社との契約が結ばれることを期待したい。しかしもしかして、「キューバにはレアもののモンスターがいるかも知れない」などと思っている人がいたら、それはお門違いです。

 今日は初日とあって結構「観光」をしました。まずモロ要塞に行き、その他の要塞も見て、その後はヘミングウェイが四番目の奥さんと20年暮らした瀟洒な屋敷に行き、そして市内のラム酒(ハバナクラブ)博物館を見学し、歴代3代のローマ法王がミサを行った大聖堂を見て、クラシックカーに分譲して乗り、そしてモヒート発祥の店で夕食をし...。

 ヘミングウェイの邸宅は「全てが当時のまま」に残されていて面白かった。彼が使っていた書斎、ベッドなどなどそのまま。実に多くの本が各部屋、それにトイレにも置いてあった。本好きだったんだ。

ラム酒博物館のカウンター  それにアフリカでの狩猟とともに彼がもっとも入れ込んだ釣り(カジキマグロ)に使った船が、港から上げられて邸宅の竹林の中に。この船は何回も写真で見ている。そう言えば。この邸宅は本当に面白かったので「一日くらい滞在させてくれないかな」とも思いました。

 ラム酒博物館で興味深かったのは、今のアフリカ系、混血系のキューバ人の由来に関するもの。キューバには数十万人と言われる先住民が住んでいたが(今大聖堂の近くで彼等が残した遺跡が発掘中)、スペイン統治下で全員が短期間に死滅したとされる。主にスペイン人が持ち込んだ新種疫病やウイルスによるものとされる。

 よって農場などで使役されるために連れてこられたのが北アフリカ系の黒人。実に大量に奴隷として導入され、そのうち四分の一は移送中の大西洋の船の中で、さらに四分の一が農場での激しい使役で死亡したとされる。

歴代三大のローマ法王がミサを行ったハバナ大聖堂の中  これはガイドさんがそう言ったのですが、「よって、今の残るアフリカ系のキューバ人は強靱である」と。生き延びた半分の子孫達、という意味のようです。それが本当かどうか知りません。しかし確かに体格は確かに立派です。

 面白かったのは、クラシックカーライドでしょうか。プログラムの中にそれが入っていて、「ええ」と思ったが、乗ったら面白かった。1955年製のフォード・ダッジ。リッター4キロ走るとのことだが、本当にポンコツ寸前。3台に分譲したのですが、我々が乗ったそれは片方のワイパーが途中で止まり、一回直したがそれでも直らず、結局運転手がワイパーを回収して、片ワイパーで目的地まで。

 その様子は「伊藤 洋一」でユーチューブに挙げておきましたから、ご興味のある方はどうぞ。クラシックカーについて昨日「実は少ない」と書きましたが、それよりは昼間の街中では見掛けたかな。多分台数的には20台に一台程度なんでしょうが、目立つ。

 一日移動していて思ったのは、「交通インフラの欠如」かな。とにかく移動手段は車しかない。庶民はバス。しかしそのバスはあまり来ない。皆何をしているかというと、当然のようにヒッチハイクに出る。道を走っていると10メートル間隔でハイカー(といっても普通の人)がいるケースもある。路面電車もなければ、地下鉄もない。必要だと思うがな。その話もして欲しいな。安倍首相の来訪時には。

思っていたより少ないが、兎に角目立つ  クラシックカーでない車は、実は「これはどこの車だ」というのが多くて不明なのですが、それほど多くない比率で韓国車が走っていた。バスはほとんどが中国製。「宇宙なんとか」というメーカー。

 日本は全般的にキューバで「出遅れている」という印象がしました。ミャンマーで走っている中古車の90%以上が日本車であることを想起しながら、「キューバに日本車がもってこれたら売れるのに......」と思いました。アメリカから当面回す、という手もある。無論経済制裁が解除された後の話しですが。


2016年08月30日(火曜日)

 (06:44)ははは、「灯火管制」の次は「WIFI管制」ですわ。実はこの前の(01:09)の文章を書いて「さあ、アップしよう」と思ってロビーにおりていって、2ペソで買ったWIFIカードの番号を入れて繋げようと思っても、繋がらない。「ロビーの中で一番WIFIが繋がる場所はどこ ?」と聞いてやったのに。

今でもとっても人気がある。正直のキューバ人は「カストロより好き」と言う  フロントのお兄ちゃんに「どうして繋がらないの」と聞いたら、「うーん、時間切れだよね」と。どうもこのホテルのWIFIカードは「買った時点から1時間」らしい。買って一旦部屋に戻ってシャワーを浴び、そして文章を書いている間に時間が過ぎてしまっていたらしい。でもカードを見れば「最初の接続から1時間」と書いてあるのに...。

 「?????」と思いながら、しょうがないから、「じゃもう一枚WIFIカードを売ってよ」と言ったら、「もう夜は遅い。明日の朝8時からの売り出しです。次は...」と。

 すげえショックでした。カルチャーショック。WIFIに時間制があるって。その時点で私は覚悟しました。こりゃ、ショックを楽しむしかないな....と。だって楽しいでしょう。あまりにも日本と違いすぎて。

 パケ放題もないので、スマホは「機内モード」にしたまま。危うくリリースすると、どこかに繋がって大変なことになりそう。兎に角日本の電話会社(ドコモ)と契約している電話会社はないので、繋がった瞬間にどえらいことが起きかねない。よって、今の私のスマホは、「ただの写真機」となっております。しかもWIFIは時間制 ?

 しかしブルーツースだけは「ON」にして、ウォッチとの電波更新だけはしている。じゃないと、スマホとウォッチの情報交換ができない。朝の6時半を過ぎたというのに、まだ外は真っ暗。よって灯火管制の街(?)では、まだ何も見れない、スマホは情報を送ってこない......」と。暗くて危ないし、雨も降っているので走りにも出られない。

 だから確信を深めたので。「ここはとっても日本と違う」ことを楽しむ絶好の場所だと。ぜひ皆さんもキューバに。まだ到着して半日もしない印象です。

 結局ここの楽しみは、人間と街と景色と酒(各種ある)と音楽(同)か....と。旅の醍醐味」でんな。ははは。


2016年08月30日(火曜日)

 (01:09)キューバの夜の第一印象は「暗い」です。トロントで乗り換えて着いたのは10時ちょい過ぎ。着陸の直前の飛行機の中からハバナの街を見ても、そして空港に降りてホテルまでの街中移動(30分ちょい)の最中も。それが強い印象。口の悪い私の隣のお姉様が「灯火管制じゃない」と。

 バスの中でガイドさんに聞いたら、「政府の要請でエネルギー節約運動中です」と。「ここまでしなくても」と思うのですが、街路灯とか全て消されている。着したホテルも外見は暗くて「どうなることやら」と見たときは思った。

 もっとも中に入るとまあまあきらびやか。しかし政府の要請は生きているようで、ホテル着の時点では深夜だったと言うこともあるのかも知れないが、3台あるエレベーターのうち1台は止まっていた。「石油は安いし、これだけ観光客が来ているのだから外貨もあるだろうに」と思って聞いたら、「そうですよね」とガイドさんが気のない返事。

 二重通貨制です。外国人に適用される兌換通貨と人民通貨。兌換通貨は人民通貨の4倍の価値だそうで、外国人はそれで買い物をする。政府はそこで働く従業員に人民通貨で給与を支払う。ガイドさんが「政府にお金がないはずがないのですが...」と。

 対米緊張の中でキューバはずっと石油のほとんどをベネズエラに依存してきた。そのベネズエラの経済はめちゃめちゃ。それと関係があるのかも知れない。キューバの今時(ちょっと希有です)の「エネルギー危機」は。

 自然と空港や街中の車に目が行く。今の日本のテレビは暇さえあれば「40年代、50年代のアメリカの車が今も走っている」と取り上げているので。しかし空港のタクシーはニューヨークのイエローキャブと何ら変わらないし、クラシックカーもあるが数ある車の中では珍しいくらい。空港で一台、そして街中で一台を見掛けた。要するに観光のツールになっている........ということか。

 でも空港で思ったのは、インドの空港で感じるような「たむろしている人々の厳しい目」はない、ということ。皆穏やかな表情をしている。何かの待ちをしているのでしょう。ガイドさんが言うので。「キューバは中南米で一番治安の良い場所です」と。

 しかし同時にガイドさんが、でも繁華街に行ったら「スマホをしっかり持ち、鞄は背中ではなく前に抱え.........何しろモノ不足の国ですから」と警告。ま、日本が安全すぎるということでしょう。加えて、「忘れ物をしないように。取りに戻っても絶対にありません」とガイドさん。ははは。

 通信事情は厳しい。ドコモの契約社はキューバにはないし、WIFI事情も悪い。ホテルも「ロビーのみ。一時間2ペソ」と。1ペソは115円くらいですかね。まそれも「使用前」の証拠。データ通信をオフにしたらブルーツースもオフに。ウォッチはどないするねん。WIFI通信時かな。情報を送るのは。

 うーん、楽しみだな。どんな街にどんな人々が、どんな表情で住んでいるのか。ロビーでこの文章をアップロードし、隣のバーでモヒートでも飲んで寝ます。


2016年08月29日(月曜日)

 (12:09)「どえらいことになった」と焦ったのですが、出てきたウォッチを見て「動くんだ」と。

 朝一旦走りに出たのです。しかし雨が激しくなって、デバイス(iPhoneとウォッチ)を二つ持っていたので「壊れても困るな.....」と思って家に戻ったのです。その際にウォッチは濡れていたので乾燥したタオルに包んで机の上に。

 暫くたってもういいか、と思ったら、タオルがない。何と既に回っている洗濯機の中。全自動のドラム式なので止めるわけにもいかない。「どえらいことになったな。もう駄目やろう.....」と。

 終わって出して見たら、電源が切れた状態になっていた。回っている間に何回もパスワードを間違った状態になって、自然にスリープ状態になっていたらしい。電源を入れたら何と入る。

 パスワードを入れようとしたら、「15分待て」と。おおおおお....動くかも、と。15分たってパスを入れたら、あら不思議。ちゃんと情報を拾い、正常に動いているように見える。

 午前中に伊勢丹に行く用事があったのでアップルの店で起こったことを説明して、「どうですか、今から海外なんですが10日くらい動きます」と聞いたら、「多分大丈夫」と。防水なんですって。知らなかった。

 しかしドラム式の洗濯機の中で回っていますからね。1時間。ま、大丈夫でしょう。その後問題ない。落胆し、そして驚愕した。運が良かっただけかも知れませんが、ま、この時計と一緒に行ってきます。

 皆さん、お元気で。


2016年08月28日(日曜日)

 (17:09)毎日新聞にMRJ 仕切り直しも失敗 再び名古屋に引き返すと言う記事があったと思ったら、朝日新聞には三菱重工の客船建造、岐路に 客室デジタル化遅れ大赤字という記事が。たまたま同じ日に同社関連の記事が重なっただけなのかもしれないが、「おやおや。大丈夫かい」という気持ち。

 MRJは私自身として応援しているので、それを作っている会社にはしっかりしてもらわねばならないと思っているのですが、なかなか最近は進捗が遅い。航空機のスタートに時間がかかるのは分かるが、同じ問題で「仕切り直しも失敗」とはどうなのか

 客船の「客室デジタル化遅れ大赤字」というのもみっともない話し。10年客船を作っていなかったので、客室のIT化でノウハウがなかったせいで大赤字に....と。俄には信じられない話。

 どちらも日本を代表するような製品なのだから、同社にはもうちょっとしっかりしてもらわないと。日本製の大型客船ね。あった方が良い気がするが、どうしても駄目なら諦める手もあると思う。しかしMRJだけは必ず成功して欲しいと思っているのです。

 IT化といえば、キューバのネット事情に関して多くの方から情報を頂きました。ありがとうございました。なかなか厳しいようで、しかしそれも行ってみないと分からない点が多い。

 いや、駄目でもいいんですよ。だって「使用前のキューバ」を見るのが今回の旅の一つの目的なので、できる事、出来ないこと、日本と違うこと、何が興味深かったのかなど虚心坦懐で見れれば良いと思っています。

 そういう意味では出たとこ勝負。皆さんからの情報も勘案しながら、キューバを楽しんでこようと思っています。


2016年08月26日(金曜日)

 (23:09)今週一週間「まだかまだか」と待たれていたイエレンFRB議長のジャクソンホールでのスピーチが始まったようで、CNBCが伝えるところによると、「Case for raising rates has strengthened 'in recent months'」という趣旨のことを言ったそうな。

 CNBCが報じているなら、速報を旨とするFRBのHPで彼女のスピーチはアップされた筈だと見たら、ここに議長のスピーチが。ほやほやでアップされていて、この文章の中に同様の表現が見られる。

 Looking ahead, the FOMC expects moderate growth in real gross domestic product (GDP), additional strengthening in the labor market, and inflation rising to 2 percent over the next few years. Based on this economic outlook, the FOMC continues to anticipate that gradual increases in the federal funds rate will be appropriate over time to achieve and sustain employment and inflation near our statutory objectives. Indeed, in light of the continued solid performance of the labor market and our outlook for economic activity and inflation, I believe the case for an increase in the federal funds rate has strengthened in recent months. Of course, our decisions always depend on the degree to which incoming data continues to confirm the Committee's outlook.
 実質GDPの伸びはmoderate に続くと予想され、労働市場はもっと強くなり、そしてインフレ率は今後2〜3年間に2%に上昇していく。そうした中では徐々にFF金利(政策金利)を上げていくのが妥当とFOMCは判断しているし、それが雇用とインフレの目標を達成し、維持するのに妥当と考える。

 よって私は「最近の数ヶ月でFF金利を上げるべき事情(ケース)は強まった」と考える、と。まあ予想通りの表現ですかね。9月だとか、12月だとかは言っていないし、相変わらず、そして当然ながら「our decisions always depend on the degree to which incoming data continues to confirm the Committee's outlook」と「今後のデータ次第ですよ」と述べている。

 要するにこの2〜3週間は夏枯れもあって材料待ちの状態の所に「26日にイエレンのスピーチがある」という環境もあって、「イエレンのスピーチ次第」ということになっていたのでしょう。マーケットは。

 予想通り、ふたを開けたら「来月上げる」とか「12月に上げる」とか言ったわけではないので、またちょっと大きくは動けなくなると思う。ニューヨークの株は私がこの文章を書いている時点では100ドル強の上げ。ダウで。「予想通り」とニューヨークのマーケットも受け取っていると思われる。ま、引けるときにどうなっているかは不明ですが。


2016年08月26日(金曜日)

 (00:09)ところで今ある国のことを結構真面目に研究しています。その国の名はキューバ。

 今日はドコモさんに行って、「キューバとの回線契約はどうなっていますか、御社の場合」といった質問を矢継ぎ早に。やっぱりパケ放題の対象国ではないそうで、日本のスマホを持って行って使ったらどえらいことになりそう。

 SIMフリー状態にして、キューバの空港でSIMを買う手があるが、実際にそれができるのかどうか。それも難しいとなるとホテルでWIFIを使うしかない。先日NHKが「ハバナのWIFI広場の24時間」的な番組をやっていた。

 まだキューバではWIFIが使える場所が少ないそうで、市民はその広場に集まって電話相手の顔を見ながらテレビ電話をしているそうな。うーん、私もそうしようかな。でもホテルがその広場に近いのかどうか。

 WIFIも、途上国の場合は時に怪しいものもある。ウィルスをまき散らされたり。なので、日本ではあまり使っていないスマホを海外では使うことも考えていますが、全くのクローンではないのでアプリによっては不便。何か良い方法はありませんかね。

 気候とか気温は大体分かって、服装も当然ながら軽いモノで良い。ということはあまり大量に持って行くものは無い。軽めに行こうと思っています。捨ててよいもの中心に。予防注射も必要なさそう。リオよりもよほど安全かな。

 でも楽しみなんですよ。中南米はカリブ海の島々はキューバ以外は結構行っているし、メキシコ、エルサルバドルには行ったことがある。しかしやはりあの地区で個性のあるのはキューバじゃないですか

 行くのは来週から再来週の初めです。いつもの僻地旅行団と。しかしハバナでは結構長い自由時間もあるので、どなたかハバナで暇の方がいらっしたら一日付き合っていただければ....と思います。またキューバの通信事情に関して情報のある方は、良かったらちょっと教えていただければと思います。


2016年08月25日(木曜日)

 (23:09)今日気になったニュースは、「伊調馨選手に国民栄誉賞へ政府調整…五輪4連覇」(読売)かな。

 同紙によれば理由は、「夏季五輪女子個人種目で史上初の4連覇という前人未到の記録を達成したことが評価」とある。確かに偉業で、彼女に国民栄誉賞を授与することに異論はない。

 しかし私は「吉田沙保里選手にも授与すべきだ」という意見だ。彼女は女子レスリング界を前面に出てずっと引っ張ってきたし、今回のオリンピックでは日本選手団の主将までやった。彼女が女子レスリングに対して行った貢献は「4連覇」に相当すると思う。今回のオリンピックも惜しいところで銀だったが、私は金メダルに相当する銀だと思う。

 メッセージとして美しくない。「結局はメダル主義か」という印象を与える。確かに銀より金の方が良いし、3連覇より4連覇の方が価値があるように見える。しかし吉田選手が「3連覇と今回の銀」に対して行った努力と貢献は、伊調選手の立派な4連覇に等しいと思う。

 政府が思い直して吉田選手にも「国民栄誉賞」を与えることを希望する........と書いてしまった後で、「吉田選手は2012年に栄誉賞を受賞してますよ....伊藤さん」と読者からメール。

 そうでしたそうでした。早とちりで済みません。今調べ直したら、吉田選手は「13大会連続世界一を達成した事を受けギネス世界記録に認定。これらの功績を称え2012年11月7日に国民栄誉賞」と。忘れてました。


2016年08月24日(水曜日)

 (23:09)狙いは「孤立回避」、より具体的には9月初旬に浙江省杭州で開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議の「形式的」成功だったんでしょう。中国の王毅外相の訪日と東京での日中韓外相会談です。

 より具体的に言うと、「杭州でのG20では日本と韓国には露骨に中国を非難しないで欲しい....」と言いに来た、ということです。日本とは双方が譲歩できない尖閣問題で中国側が緊張を高めておいて(公船、漁船による脅威増大)、そして韓国との間ではTHAADの問題で韓国非難を強めておいて(韓流阻止までしている)、「中国の外相はよく日本にしゃあしゃあと来たものだ」と思っていた。

 3カ国外相会談は、思った通り具体的には「これ」と言った成果はなし。「やはり」という感じ。成果として打ち出したのは、お決まりの環境とか防災など3者が問題を抱えていない部分。領土、安保問題など懸案では何も前進せず。だって中国が日本や韓国と抱える問題は、双方が妥協することは当面ない。

 中国外務省も最近の孤立ぶりにはさすがに「これはまずい」と思ったのでしょう。今のままだと中国はG20サミットで参加国から集中砲火を浴びかねない。「何様のつもり」と。習近平が自国開催のG20で集中砲火....これはさすがに中国外務省としてもまずい。それで一応にこやかに来日した...。

 しかし日本の外務省筋によれば、「経済で日本を大きく上回ったことから、中国は日本を下に見る傾向が強まっている」とのこと。GDPのことでしょう。しかし国民一人当たりGDPで見れば、まだ中国は日本の八分の一程度。日本がドイツをGDPで上回ったのは随分と前ですが、日本がドイツを下に見たことなどない。あるのは人口の差だけだと分かっているから。

 かつてあった「中華思想」の延長なんでしょうが、他国を下に見て良い事など何一つないはずなのに、「大いなる勘違い」を今の中国はしていると思う。それは各国国民も感じ、考えることになると思う。他国を下に見て損をするのは中国だ。

 発展段階の通らざるを得ないプロセスと考えれば「その段階か」とも思えるのですが、しばしば国の勘違いは大事に発展する。そこが心配かな。王毅外相はにこやかに来日したが、やはり所々で厳しい顔になっている。中国外交が抱える問題があまりにも重い。その原因が中国外務省の失敗にあるからだろう。G20で習近平の顔に泥を塗ったら、王毅さんの将来はないでしょう。

 こうした問題を考える上でも、8月12日のラウンドアップはめちゃ面白いので、まだの方は是非お聞き下さい。


2016年08月23日(火曜日)

 (22:09)今日の日経には私が知らない単語がいくつか登場する。

 「ダークウェブ」
 「ディープウェブ」
 「ハイパフォーマンスサポート・センター」

 上の二つは一繋がりの言葉だそうです。この記事によると、我々が通常検索で直ぐに調べられるネットは、総じて「サーフェース(表層)ウェブ」と呼ばれるそうな。しかしこれとは別に、特別の権限がなければ接続できない企業や個人の専用サイトなどには「ディープ(深層)ウェブ」と呼ぶものがあるそうな。

 「ディープウェブは機密情報をやりとりするのに向いる」とされ、海外では内部告発者の保護などにも使われる、と日経。こうした閉鎖性の高さを悪用し、ディープウェブの一部に広がり始めたのが「ダークウェブ」だという

 ダークウェブは何をしているのか。「違法な個人情報やコンピューターウイルスの売買」と日経。同紙はさらに「通常のインターネットユーザーは閲覧できず、捜査当局の目が届きにくい。犯罪の温床になっている」と。知らんかった。「Tor(トーア)」などの発信元を隠す匿名化ソフトを使っているそうで、サイトのアドレスを直接入力することでアクセスするらしい。

 記事の最後には、セキュリティー大手トレンドマイクロの鰆目順介シニアスペシャリストの話しとして、「麻薬や銃器、ウイルスなどが取引されている掲示板もある。日本人名義のクレジットカード情報も1人あたり数十ドル単位で売買されている」と指摘している。

 もう一つ。リオ・オリンピック関連で「ハイパフォーマンスサポート・センター」。日本スポーツ振興センター(JSC)が約8億円をかけてリオに整備し、運営した施設だという。選手村から車で30分ほどの場所。日本の独自拠点だったという。

 日経の記事は、選手村は通常相部屋。アメリカのバスケチームのようにクルーズ船を借り上げたりするのは例外。このため、選手村では選手には住環境や食事面でストレスがかかるが、同センターでは「日本で調整しているような錯覚を持ってもらえる」(JSC)環境を実現したという。

 日本食の提供のほか、炭酸泉の湯につかれる簡易プールや練習後のケアのための水風呂があり、シャワーしかない選手村で過ごす選手のリラックスの場ともなった」という。ウエートトレーニング場も備え、柔道、卓球などの専用練習スペースも設けたとのこと。「炭酸泉の湯」ですか。大好きですが。最近増えている。

 テレビなどでは事前に報道があったのかもしれませんが、私は知らなかった。日本人選手活躍の裏には、こうした努力があったわけですか。東京がオリンピックの開催地になれば、こうした施設は必要ないし、選手は宿泊、休養に様々な選択肢の中から選べる。

 メダル41個というのは、当然ながらいろいろな努力の結果ということだと思う。しかし何よりの前提は、「選手の頑張り」。それがあっての成果ということになる。


2016年08月23日(火曜日)

 (01:09)東京都知事選挙で安倍首相から「キツイ一本」を取ったのは小池百合子・東京都知事候補(当時)だったが、リオ・オリンピックの閉会式でソフトに小池知事から一本取ったのは安倍首相だった.....ということでしょうか。

 私もNHKのEテレで閉会式を見ていて、「誰が考えたんだ....」と思いました。素直に安倍首相が受諾したと言うことは....と思っていたら、「(組織委の)森喜朗会長が提案し、総理が快諾したと聞いている」と2020年東京五輪組織委員会の武藤敏郎事務総長。朝日がそう書いている。

 ま、その先に発想した人が居たんでしょうが、オールディーズで保守的な印象の人々が考えた斬新な切り口。たった一つのプレゼンでその人のイメージがかなり変わるのだから、ソフトの力は凄い。

 海外のメディアの反応で一番「面白い」と思ったのはBBCのそれかな。「With athletes and viewers exhausted, the closing ceremony for Rio2016 was passing off as expected...Until Japan's Prime Minister Shinzo Abe popped out of a giant green pipe dressed up as video game character Mario from the Super Mario games, one of Japan's best-known exports.」が書き出し。「Until」と大文字になっている理由はBBCの記事を見て頂ければ分かります。この記事には写真がふんだんに使われている。

 実際そうで、長ったらしい定番の演説やブラジルの歌や踊りに退屈していたら、渋谷のスクランブル交差点から地球の反対側にトンネルを作り....リオのスタジアムにドカンが出来たと思ったら、出てきたのが安倍首相。ポップで良かった。閉会式にも間に合って....ははは。

 「選手も観客も疲れ....予想通りで退屈だった......安倍が緑のドカンから出てくるまでは」というBBCの書き出しは当たっている。最初「海外の連中は分かるかな」と思ったが、スーパーマリオなら大丈夫かな.....と。日本のゲームの力はポケモンGOで立証済み。「4年後はそれ...」とBBC。ニューヨーク・タイムズにも関連記事があったが、面白くない。

 式には予定通り小池知事も登場しました。しかしこれは儀式ですからお決まりの手順通り。着物は良かったが雨が....。安倍首相がソフトに一本。BBCはいろいろ不手際があった、そして今後もいろいろあるかもしれない2020年の東京オリンピックだが、期待ができそうと。最後の文章は以下のようになっている。

 「Yet Mr Abe's appearance has provided some form of positive coverage for the Tokyo Games, which has been plagued by controversy. Tokyo was accused of plagiarising its initial Olympic 2020 logo, which it eventually changed, and the original stadium design by architect Zaha Hadid was scrapped due to spiralling costs.

 But for now, it seems many people are putting its bad publicity aside, and expecting their minds to be blown by whatever Tokyo has planned for four years' time.」  「some form of positive coverage for the Tokyo Games」ね。いろいろあったことを脇に置き、四年後に東京が何を企画してくるのか....と楽しみが増えた.....と。ナイス。


2016年08月22日(月曜日)

 (08:09)もし大きな被害がなければ......という前提ですが、台風9号は水不足の関東地方には「恵みの雨」をもたらす可能性があるな......と思っています。

 ここで東京の水瓶の状況を見ると、例えば矢木沢は43.7%。半分以下。これが台風通過後にどの程度になるかが私には興味がある。

 日本で一番渇水しやすいのは香川県(なので溜池がいっぱいある)で、その水瓶は早明浦ダムと言われるが、このダムはしばしば夏の間に水位が下がる。しかし数年前に台風が一つ来ただけでかなり望ましいレベルに戻ったことがあった。

 うーん、矢木沢ダムはどうかな。台風一つの通過でどの程度戻るのか。しかし今のこのレベルは数日前に比べてかなり上がっているような気もする。数日前はもっと低かった。そう言えば、栃木、群馬には最近雨が降ったという。それにしても、代表的な矢木沢の今朝の貯水率は覚えておこう。

 台風は厄災でもありますが、一方で恵みでもある。これから上陸する9号。大きな被害が出ませんように。電車のキャンセルなど影響は出ていますが。


2016年08月21日(日曜日)

 (08:09)びっくら。せいぜい「良くて3位」と思っていたのに。朝原さんがやはり自ら走っていただけに良い解説をしている。「バトンタッチばかり取り上げられるが、基本的な走力があってこそできる事」。

 ボルトのコメントが嬉しい。「日本が銀メダルを持って帰るために払った努力に敬意を表したい」と。「自分達の金は決まっている」との余裕が感じられる発言だが、実際に彼は「日本が2位」は全く予想していなかったと思う。

 ジャマイカはバトンタッチを「3回練習した」そうだ。日本はそれを何世代も、そして何回も繰り返してアンダーパスを完成させた。故のカナダ、アメリカを上回っての銀。ただしケンブリッジの最後の走りを見ていて、「ゴールがあと10メートル先だったら日本は抜かされていたかも知れない」と思った。基本的走力ではやはりカナダ、アメリカの最終走者の走力がケンブリッジより勝っていた。

 よく書かれているが、日本の4走者の中に100メートルを9秒台で走る選手はいない。確か今回のリオ五輪の100メートル決勝で9秒台を出したのは6人いた。つまり世界の100メートルの基本的な競争エリアは9秒台なのだ。

 よって日本がもし2020年の東京オリンピックで「銀以上」を狙うなら、出来たら「4人のうち2人は9秒台」の選手を揃え、その上で完璧なバトンタッチが必要だと思う。それが出来るかどうか ?

 ウサイン・ボルトの体を見ていると、高い背丈、長い手足、細い逆三角形の体系。素晴らしい自然の産物故のあの走り、走力の維持だと思う。でも次のオリンピックではボルトはいない。

 ところで、今サッカー男子でブラジルがPK戦の末、ドイツを撃破。PK戦は好きではないが、スリリングではある。ドイツの5人目が失敗し、これが入ればブラジル勝利というところで出てきたのがネイマール。彼は助走に時間を掛けた後で成功。

 その後の彼の涙の量の多いこと。あんなに泣きじゃくるネイマールを見たことがない。ブラジルは苦闘の末に勝ち取った五輪サッカーの勝利。ネイマールはまだ泣いている。素直にお目出度うといいたい。


2016年08月20日(土曜日)

 (07:09)オリンピックも終盤になると、私は「国別メダル獲得数」に必ず目を通すようにしているのです。今回は英語で検索したらワシントン・ポストのそれが一番に出てきた。

 各国別メダルカウントのWPのサイトはここですが、まず日本のスタンディングを見る。いいですね。総メダル獲得数では40で世界5位。金メダルカウントではそこに13のドイツ(日本は12)が入ってきて6位。しかしドイツは総メダル獲得数は34で日本の方が遙かに上。むろん、まだリオは終わっていないので、今後変わりうる。

 それを確認した上で見るのは、実はインドの欄です。今回は銀1、銅1。たしか銀は日本の選手を破った女子バトミントン選手。そして銅は女子レスリングの選手です。しかしたった二つ。インドの人口は13億なのに。

 毎度のことです。私は「ITとカースト ーインド・成長の秘密と苦悩ー」を書いたときにこの問題に一章を割いた。とっても面白い問題だと思ったので。それが2007年かな。

 さすがに最近は世界のマスコミがこの問題を扱っている。例えば今朝はCNBCに「Why is India so bad at sport?」という記事がある。実は私の設問は「インドはいつオリンピックを開催できるのか」にある。

 今回の開催国であるブラジルは「5、5、5」(現時点)で15です。やはりそのくらい取れないと大会そのものが盛り上がらない。「2」では国民から「何のためのオリンピックか」という意見が出る。

 なので、インドは大国なのですが、今のスポーツ力ではオリンピック開催は難しいと思っているのです。世界の大国でオリンピックをやっていない国は既にインドだけです。

 ではなぜインドはオリンピック種目に入っているようなスポーツ競技でメダルが取れないのか。それは一言で言えば「スポーツ文化がない」からだと思う。


2016年08月20日(土曜日)

 (06:09)あらら、覆ったんだ。夜中にちょっと見たら「荒井選手、3位でゴール到達も失格」と出ていたので、「どうしたんだろう」と。背景を調べずにまた寝て起きたら、「競歩・荒井、銅メダル確定 失格から一転 」となっていた。

 競歩のルールはあまり知りません。接触の仕方で悪意か偶然かを見るのかも知れない。日経の記事には

「荒井は45キロを過ぎてエバン・ダンフィー(カナダ)に追い越され、抜き返そうとした際に接触、ダンフィーがよろめく場面があった。これを受けてレース後にカナダ側が荒井による妨害行為を主張、レースの審判長が抗議を受け入れて一旦は荒井を失格とする裁定が下った。

 この裁定に今度は日本チームが抗議。国際陸連の複数の上訴審判員が妨害行為の有無についてレースの映像を元に協議した結果、妨害行為は認められず、当初ゴールした順位が最終結果となることが確定した。」

 と書いてある。つまり客観的に見てカナダの選手はよろめいた。荒井との接触で。しかしその接触は「悪意ではない」と審判団が日本の上訴を認めた形なのだろう。

 荒井選手は接触したとされるカナダの選手(だから一時は3位とされた)とは、いつの時点だか知らないが「抱き合った」と記事で読んだような気がしたから、わだかまりはないのかも知れない。そうだとするとナイスです。

 「競歩でメダル」って。今までの記憶では日本は6位入賞とかがせいぜいだったような気がする。この競技でも「初メダル」。兎に角今回は、「日本勢初の....」「日本勢、○○年ぶりのメダル」というのが多い。日本の競技領域が広がり、かつ強くなっている印象がする。

 多分JOCの方々は、「東京オリンピックへの良い準備が出来ている」と総括するのでしょう。リオが終わったら。しかし私は今のこの時点で全力を出し切った選手達に拍手を送りたい。伊調だって吉田だって「東京」があるかどうか分からない。二人は今回のリオを共に頑張った。

 吉田選手は一晩明けたら「案外すっきり」と言ったそうだ。それで私は救われた気がした。「申し訳ないことをした」「取り返しのつかないことした」と言った敗戦直後の言葉を聞いていたら、こちらが悲しくなりましたから。

 そうじゃない。彼女は女子レスリング界の前に出て、その重みを一身に背負ってきた。素晴らしい選手だし、彼女に勝ったアメリカの選手も彼女に対する尊敬の念を口にし、事実あまりの嬉しさなど複雑な気持ちでずっと泣いていた。表彰台の上でも。

 日本人に吉田選手を責める人は誰一人としていない、と私は思いたい。女子レスリングの幹部は「金を四つも取ったが、(吉田選手のことがあるので)心が晴れない」と言っていると聞いた。この言葉が、彼女の今後(まだ決めてないそうだ)を思いやってのものであって欲しい。吉田、伊調らの後を追って3人もの金メダリストが育った。

 シンクロも銅を取ったし。しかし何なんでしょうね。卓球男子のドイツ戦も、女子の初日の3階級の金メダルも、そして女子バトミントンも「間際の大逆転」。「根性あるわ」と思う。日頃の練習なければ、あの根性は出ないでしょうね。選手の皆さんにはメダルを取れた人、捕れなかった人全員に「感謝」ですよ。


2016年08月18日(木曜日)

 (21:09)卓球について言うと、「日本はちゃんと一つの壁を越えた」というのが私の意見です。特に男子は。

 「中国には負けたじゃないか」という人がいるかも知れない。その通り。しかし日本の卓球には実は壁が二つあった、というのが私の意見です。それは中国に加えてドイツです。

 今日は午後からフジテレビの番組だったのですが、そこに出てきた坂本さんという元オリンピック選手は「水谷君と一緒にドイツに留学していた」と述べていた。つまりドイツは日本の先生役だったのです。実際に過去を思い出すとドイツは強かった。

 そのドイツに男子は完全に勝った。私が知っている限りではドイツのマスコミは「卓球で日本に負けた」「世代交代に失敗した」と大騒ぎ。つまりドイツは日本との対戦までは「日本に負けるわけがない。中国はしょうがないにしても」と思っていたということです。彼等にとって意外だったから騒いでいる。

 女子は確かにドイツに負けた。しかし私の記憶ではメンバーには中国出身の選手が混ざっていた。「どこでドイツのチームと言えるのだ」と思った記憶がある。ドイツの女子卓球は人材輸入でやっと勝っている。

 「まだ中国という壁がある」というのは確かです。しかし岩盤のような中国の壁は他の種目では徐々に崩れている。体操では中国は確か金メダルなし。中国の国内の世論は、
 「あれだけ予算を使ったのになんだ」
 「皆遊びに行ったのか」
 「金メダルの獲得数でイギリスに負けているではないか.......」

 と大騒ぎ。国全体で見ると中国は明らかにダウンワードです。韓国もそう。卓球でも日本の男子は「中国という壁」を既に突き崩しつつある。水谷が勝った相手は、水谷が今まで一度も勝ってなかった。

 中国は今年のドイツと同じように世代交代の必要性に迫られている。四年後の事です。日本も水谷はちょっと上だが、あとの二人やその下の連中には良い選手が揃っている。日本が「ドイツの壁」に続いて「中国の壁」を越える日もそう遠くない、とも思う。そのためには丹羽君と吉村君にもうちょっと伸びてもらって..........。


2016年08月17日(水曜日)

 (06:09)今朝読んだFTの記事2本はとっても面白かったし、今後の世界の金融を考える上では非常に興味深い「発想の原点」になるので、備忘の為に残しておこう。実は私もずっとマイナス金利政策の非効果性、インフレターゲット2%目標(世界の中銀が目指す)は「大いに疑問」と思っている人間なので。

 まず笑えるのは「Banks look for cheap way to store cash piles as rates go negative」 という記事です。何せ書き出しが

 The idea of keeping piles of cash in high security vaults may sound like something from an old movie plot, but some banks and insurers have recently started considering the idea as interest rates sink below zero across much of Europe.

 Europe’s highways are not yet jammed with heavily guarded trucks transporting money to top-secret locations, but if it becomes financially sensible for banks to hoard cash as rates are cut even further, the practice could undermine central banks’ ability to use negative rates to boost growth.

 という二つのセンテンスで始まる。特に2番目の文章が面白いでしょう。現金満載・警備厳重で欧州の道を走り回る膨大な数のトラック..倉庫・保管庫に向けて...映画に出てきそうな。しかし中銀に預けて課徴金(マイナス金利)を払うよりもそれの方が「割安」だとしたら、その道を選ぶ金融機関が出てきてもおかしくない。個人の間でも金庫が売れている.....

 なぜそんなことが必要になるのか。それは中銀が高すぎるインフレ目標を持っていて、「それを達成しなければ」ということで、「ほんじゃ、商業銀行の中銀預けにマイナスの金利を課して、商業銀行の市中貸し出しを増やせば.......」と考えているから。そうかな。

 今の日本もそうだが、マイナス金利故に金融の形は凄く歪んでいる。主要な参加者まで怒り心頭。しかしそもそも「2%というインフレ目標がおかしくないかい...」という発想がやっと出てきた。

 その記事がこれです。タイトルは「San Francisco Fed president calls for inflation policy rethink」。つまり「2%のインフレ目標を考え直したら....」と。言っているのはサンフランシスコ連銀のジョン・ウィリアムズ総裁。「2% target not suitable」と明快です。何故か。「the current 2 per cent inflation target is not well suited to an economy with a depressed natural interest rate ― the rate consistent with an economy operating on an even keel.

 オリンピックも見なきゃなのでこれ以上詳しく書いていられないのですが、日本もちょっと考えて欲しいな。いつもまでも「2%の物価目標」と言い、その手段として「マイナス金利」を続ける知恵は妥当かどうか。私は間違っていると思う。


2016年08月16日(火曜日)

 (15:09)最近朝刊を読むとおかしくてしょうがない。「あれ、これって昨日だっけ」と。特にオリンピック関連は「一昨日のことじゃなかった、これ」という記事が並ぶ。

 それでも解説記事の面白そうなのは読みますよ。しかし事実はさっと眺めるだけ。だってテレビで見、ネットで見て、既に既視感、デジャブ感が満載。今の情報提供システムの複層化が、オリンピック報道で改めて鮮明に。

 そのことで「新聞の将来」を直ちに論じるつもりはありません。しかし雑誌も懸命の生き残り策を探っている中で、新聞も今のままではちょっと難しいのではないか、とも思う。しかし客観的事実を拾った上で....ということなので、特にコストがかかる紙出しはなかなか難しい。

 それはそうと、同じスタジアムなのに甲子園はいつ見ても一杯、なのにリオ・オリンピックのメーンスタジアム(今は陸上競技に使用)を見ると、本当に空席が目立つ。「あれじゃ、採算割れだろうな」と思う。

 これまでの日本はお盆の夏休み期間で、ブラジルでは陸上競技はあまり人気がない...というのは分かります。しかし日本でオリンピックをやった場合に、メーンスタジアムにあんなに空きが出来るだろうか...と考えると、それはないだろうと。

 三段跳びにしろ幅跳び、棒高跳びにしろ陸上の選手はスタートの前に観客に注目と歓声を要求する。しかしあれだけガラガラだとそれに応じる観客も少ない。さすがにブラジルの選手の場合は拍手・歓声は聞こえるが、他の国の選手ではあまり聞こえない。あれじゃ選手もやりがいがないだろうに。

 チケットがあまり売れていない、というのは聞いていた。しかしメーンスタジアムだけではなく、あちこちの会場で観客席の空席が目立つと現地からの報道は伝えている。まだ半分終わった段階ですが、成功でしたか、失敗でしたかというと「失敗」の要素はあまたあるように思う。

 アメリカの競泳の金メダリストが仲間4人と街の中心でタクシーに乗っていたら強盗に遭ったと。タクシーの運転手はグル ?。だって街の真ん中で、乗客は男4人。「銃をもっていたように見えた」ということなので、敢えて抵抗しなかったのかも知れない。しかしそれにしても物騒な街です。

 プールの色が緑になったり。うーんやっぱり行かなくて良かったかな。選手達、記者の皆さんも気を使うでしょう。リオのケースはあまり東京には参考にはならないことが多いのでしょうが、反面教師にはなる。


2016年08月14日(日曜日)

 (09:09)「こりゃ、うるさいわけだ」と思いました。ちょっと動いて疲れたので都内の公園を歩いていたら、蝉の抜け殻が一杯。あれが全部成虫となって木にとまって合唱している。

議事堂前公園で  それにしても、抜け殻と実際の蝉の大きさを比べて「凄いな。3〜4倍に膨れるんだ」と思いました。だって抜け殻は本当に小さい。ここから出てき羽根が伸び、胴体が大きくなって7日間ほど頑張る。なんと不思議な。

 SMAPに関しては関心はありません。しかし今朝起きて「お、これがトップか」と。その段階では「誰が解散を主張したのか」分からなかった。解散そのものには興味はないが、「誰が解散を主張したか」には興味がある。スタジオで一緒だったこともあるし、歌も知っているので。

 どうやら香取、草薙君らしい。なんでだろう。キムタクだけ結婚が許されているようないびつなシステムが嫌だったのか。中居君が解散を「想定外」としていたとの話は面白い。

 今朝はもう一つ興味深い記事があった。「宇都宮健児氏が都知事選出馬を断念した内幕」というタイトルで、これを読むといわゆる野党連合と、それが押した候補者のひどさが鮮明に明らかになっている。

 宇都宮さんに「やめろ」というメールを送った人々がいたのも明らかにされ、「酷い内情だったんだ」と改めて思う。松原さんが中心の都連が押した候補者を代えたのは民進党の岡田代表でしょう。野党連合の他の政党も追随。検証なしで。ありえない。しかし選挙投票日を直前に岡田さんは「代表を降りる」と。

 所詮は「野合」なんですよ。野党連合とかいうものは。「それによる政権は目指さない」という選挙のためだけの連合なんて国民が欺されるはずがない。それは国民を甘く見ているということです。

 民進党の代表戦も見応えはなさそう。やる気があるのかないのか不明。もっとまともな野党が欲しい。


2016年08月12日(金曜日)

 (11:09)凄いな、今日の日本のメダル、日本の4位は。今7人制ラグビーの選手がNHKに出ているが、皆嬉しそう。そりゃそうだ。「日本にラグビーあり」を明確に、そして改めて世界に示した

 南アフリカ戦の前に泣いていた選手がいたとは知らなかった。今回は4位。南アフリカは二度は日本に望外の喜びを与えてはくれないだろう...しかし、もしかしてと思っていたが。でもニュージーランドを破り、フランスを破り。もう大金星ですよ。素晴らしい。

 愛ちゃんの4位も凄いな。「メダル以外価値なし」とか言っていたけど、そんなことはない。堅牢な中国の選手に跳ね返されたけど、最後の2戦までの戦いは神がかっていた。石川選手とともに同じ北朝鮮の選手にやられたが、東京のオリンピックまでにはカッター対策、北朝鮮対策が必要かな。兎に角情報が出てこない国なので。

 男子卓球個人戦での水谷隼の銅も素晴らしい。「卓球始めたときからの夢」らしいが、その夢が実った。女子が個人でメダルを取れなかったのに、見事にリベンジしてくれた。団体は男女とも期待できる。

 今朝スタンバイを終えてTBSの玄関を出ようとしたら、そこには特設スタジオが出来ていて通れず。その際岩崎恭子さんがエレベーターの方から歩いてこられて、最初の印象は「ちっちゃい」でした。スタイル良く、白のアタイアだった。

 その時彼女が14才の時に語った言葉がスーと頭に。その彼女のバルセロナの予想外の、ボナンザのような素晴らしい金メダルに続いて、今日は金藤選手が十分に想定された「ゴールド」。まさに金藤劇場だった。彼女が予言したとおり。素晴らしい。ご自身「最後のレース」と宣言した上での「金」。なかなか出来ないでしょう。

 萩野は二つ目のメダル。もう金があるから銀も良いかも知れない。海外のニュースサイトは軒並み「またフェルプスが金」と報じている。22個目。そりゃそうだ。世界のニュースとしては。

 しかし今回フェルプルの金に追いすがった日本選手が二人。坂井と萩野。これは「この次」の世代は彼等が作ることを意味する....と思う。柔道もなかなか日本は重いクラスでは成績が思うようには上げられないことが続いた。世界のレベルが上がっていますから。でも今回は良くやっている。

 柔道で一つ思うのは、もう銀でも銅でも喜んで良い時代なんじゃないのかな....という事。金以外の日本の柔道選手の顔が総じて暗い。「金で当たり前」の意識が自分も周囲もあるのかも知れない。しかし柔道は十分国際化した。今回のメダリストを見ていて思った。アメリカの女子が2連勝ですからね。

 カヌー羽根田も凄かったし、ま何と言っても内村のあの最後のフィニッシュでの見事な演技。あの足がピタリと動かなかった見事さ。まだまだ楽しめそう。


2016年08月11日(木曜日)

 (23:09)うーん、結局ね「参加型デジタル・ペット・システム」かな。「ポケモンGO」は。

 ダウンロード数ではもう一位の座を譲ったらしい。しかしそれは恐らく非常に多くの人が一気にダウンロードして、故にその後ダウンロード数が減ったのではないかと見ている。実際には街で見ていても、それこそ「ポケモン止まり」をしている人間や「ポケモン駐車」をしている車がたくさん。

 どこにいるかというと、日比谷公園であったり、代々木公園であったり。ミッドタウンの檜町公園も多いな。噂では新宿御苑も凄いらしい。特に今日日比谷を通りかかったので公園を見たら、もの凄い数。

 つまりとっても「動員力のあるゲーム」なのです。ではなぜそれほど人々が熱心になるのか。それを考えて私が下した結論は、それはこのゲームが「参加型デジタル・ペット・システムだからだ」というもの。

 ポケモンは要するに多くの人にとってのペットなんですよ。そう思う。捕獲し、成長させ、化身させ、そして成長したら戦わせる。ペットは人々に話題を提供する。北の丸公園の朝は犬を連れた人達の犬人会議が盛んです。「この子はどうの....」と。

 今日思ったのです。ポケモンは私のアプリでは147個(種類)もあって、ちょっと種類が多すぎるペットだが、ペットと同じように人々に話題を提供していると思う。公園で見ていると、カップルは嬉しそうにスマホ画面をお互いに覗き込み、そして話している。

 一人で来ている人は、多分翌日に職場とか学校で日々進捗具合を開示して喜んでいるのだろう。「これは昨日あそこで捕った」「レベルが18になった」「まだピカチュウが取れない」とか。それも話の種だ。

 何かに役立たなければ、これだけの人を動かさない。私はそう思う。今日は特に予想外の休日で、田舎に帰る人、遊びに出かける人でない場合は、「ポケGOを前進させるか」と思った人が多いのではないか。だからあの日比谷公園の人出になる。

 代々木公園などで見ていると面白い。犬の散歩をしている人でポケモンGOをしている人は少ない。多分実物のペットがそこにいて、彼等は彼等で我が儘だから、ゲームなんてしている暇がない。いつ落とし物をするかも知れない。手一杯なのだ。

 対してペットを連れていない人のかなりの部分は、特に歩いている人は手にスマホを持っている。いやスマホを持って歩いている。止まったり、また歩いたり。あれはペットの捕獲をしているのだと思う。指を上に弾くので。

 もし仮にポケモンGOのポケモン(モンスター)がデジタル・ペットだとすると、ペットブームが続いているのと同様に、息の長いゲームになるかも知れない。歩いて捕獲し、スマホにしまいこみ、そして時に進化させ、時に化身させ、そして戦わせる。

 なかなか良く出来ている。ははは。私も「なぜ人々がそれほど熱心になるのか」を見たいと思ってレベル21にまで来て、そして今日ピカチュウをゲットして、ちょっと一段落かな。「捕まえた数:78 みつけた数:80」。二つ取り逃がしている。タクシーが急に発信して。その間に要らないポケモンを博士に送り、容量をアップしと、結構忙しい。

 多分実物のペットを飼っている人はもっと忙しいんだろうな。デジタル・ペットは餌をやらないでも生きているし、排泄もない。それぞれの面白みはあるのでしょうが。


2016年08月10日(水曜日)

 (23:09)日本のオリンピック・メダリストの演技ほどに切れ味鋭く、かつ勉強になって、加えて楽しい本を紹介します。「爆買いと反日」というタイトルの本です。

 だってこの二つは矛盾しているように見る。しかしこの本を書いた柯隆さんは「この二つは矛盾しない」として、中国、それに中国人の内なる論理を紹介してくれる。話しが具体的で分かりやすい

 柯隆さんは私の金曜日のラウンドアップの「中国特集」でのゲストです。この本の副題は「中国では、指導者から草の根まで誰一人安心していない」という部分が非常に面白いし、具体的に述べられる。

 彼は「中国社会は昔から異常に上昇志向が強く、誰もが科挙を通って官吏(役人)になろうとした上昇志向が強い、常に不安定な社会だったし、それ故に技術や、それに資本の集積がなかった」と述べる。

 具体的には「江戸時代までの日本では鍛冶屋の子は鍛冶屋、醸造家の息子は醸造家」と職業の継続が決まっていたが、その結果は資本と技術の集積が進んだと。確かに。今でも日本は「父親の職業を継ぐことは、美しいこと」との見方がある。それにより、特に技術の深掘りと継承が出来た、と。

 対して中国は、「鍛冶屋の子も科挙を目指した」として、中国が各産業で技術の集積がないのは、この職業の非継承性で説明が出来る、と述べる。確かに。今でも中国では誰もが良い大学にいって役人を目指している面がある。

 しかし日本では「親の職業への回帰」志向がプロ的な仕事の分野では強いし、大学への憧れもそれほど強い訳ではない。カズやカヌースラロームの羽根田のように最初から大学など狙わずに「自分がやりたいこと」に集中する連中がいる。素晴らしい。なかなか出来ない。

 ちょっと焦点がずれましたが、この本は今の中国を理解する上で非常に役立つ。私も今日の午後読んでいて「良い本だな」と思いました。推薦です。


2016年08月09日(火曜日)

 (19:09)夕方になって初めてゆっくりと今日の二つの金メダルを見ましたが、なんなんでしょうね。この美しさは

 準決勝、決勝と大野は一本。両方とも一本で決めた選手ってあまり記憶にない。野村選手にありましたっけ。素晴らしい。やっぱし柔道の花は一本でしょう。大野選手の挨拶も深く気持ちが良かった。素晴らしい。

 体操男子団体は山室選手が最初落ちて確か6位からのスタート。そこから何と素晴らしい演技が続いたことか。あれではロシアや中国の選手がいくら頑張っても追いつかない。彼等も呆然としていた。特に中国。

 予選の時にバタバタだったので心配していたのですが、本番は強かった。実力の積み重ねが厚いのでしょうね。体操はまだ種目別、個人総合などいろいろある。楽しみです。午後7時半からのNHKでもゆっくり見よう。

 それにしても確かに暑いのですが、でもね今日思ったのですが、風は少し秋が入り始めたような。水を飲みながら草刈りをしていたら、そう思いました。むろん警戒は必要ですが。

 それにしてもリオでオリンピックをやっているというのに、尖閣回りの中国の動きは五月蝿い。北京の北300キロの避暑地で要人が集まっているようなので、習近平としては「日本に厳しく当たっていますよ」とアリバイ作りをしているように思う。

 今週金曜日のラウンドアップは「中国特集」で、この辺を掘り下げますから、お楽しみに。


2016年08月08日(月曜日)

 (16:09)元チームメートのヤンキース主砲アレックス・ロドリゲス(A-Rod)が事実上の引退を41才で発表したその日に、イチローは42才と290日で3000本のメルクマールに到達。米球史上30人目。普通の選手が20〜22年かかる偉業を16年で。

 彼に関する素晴らしい記録は数多く列挙できる。しかしイチローが凄いのは、記録に出来ない部分だ。29人のすべての選手を知っているわけではないが、とにかくイチローは故障が極端に少ない。歳を重ねても。DLに入ったことも数えるほどだと記憶している。

 普通の人より短時間で記録に到達するということは、つまりその間の積み重ねが厚かったと言うこと。具体的には年間安打の数。それには休んでいては駄目で、体を壊してもならない。それは一つ一つの儀式として、野球に愛着を持って体をほぐし、鍛え、そして動けるようにする。それをやり遂げるのだから、野球発祥の国・アメリカでも賞賛され、尊敬されるのは当然だと思う。

 松井には会ったことがあるが、イチローにはない。しかし彼にインタビューするのは相当な覚悟がいると思う。発する最初の質問で記者の知識、問題意識、野球に対する造詣など全て洗いざらいバレそうだ。そのくらい常人を越えていると思う。

 何よりも嬉しかったのは3塁に到達したこともあって、チームの全員、スタントンもイエリッチも、そして確かオスーナもベンチから出てきてイチローをハグしていたこと。そして球場全体を包むスタンディング・オベーションの迫力。野球を愛し、野球を理想の形で実践した男に対する当然のリワードだと思う。

 イチローはベンチに帰って泣いていたように見えた。大粒の涙で。3000本に苦しみながら到達したそのこともあるが、チームメートが、そして球場のファンがあれほど喜んでくれたことに感動していたのだと思う。記者会見でもそれを言っていた。

 また本拠地の球場に戻ったとき、彼を万雷の拍手とスタンディングが迎えるだろう。それは彼に相応しい。松井はワールド・シリーズでMVPになったその次の年にはもうヤンキースを去った。イチローはそうならないで欲しい。あと最低1年はいて欲しい。

 多分そうなるが、それはファンにとっても、そして「彼を見ているのは楽しい」というマッティングリー監督にとっても、そしてチームメートにとっても良い事だと思う。A-Rodについては、「今年引退しても、来年の年俸は2600万ドル貰える」とかのマネーの話しがつきまとう。

 しかし今のイチローに年俸の話はない。誰もしない。皆それには関心がないのだ。彼自身もそうだと思う。純粋に野球を楽しんでいるし、今後もそうであって欲しい。

 MLBのサイトのイチロー3000本の記事を残しておきます。米各紙は大きく報道。それらにはまだ全部目を通してないが、楽しみな文章が連なっていると思う。


2016年08月07日(日曜日)

 (13:30)室外の猛烈な暑さと、室内のテレビが盛んにやっているオリンピック番組をちらちら見ながら、「ちょっとちょっと.......」と思っているのです。「この暑さの中でオリンピックやるのか」と。

 だってね、今のブラジルは一応冬ですよ。日差しも強く、晴れの日が多いらしい。しかし冬です。しかし4年後の東京オリンピックは正に今の時期です。このクソ熱い中での、そして炎天下でのオリンピック。

 そして驚くことにメイン・スタジアムには屋根がない。「高温注意報 外出は避けましょう」とテレビは言う。しかしオリンピックの時期にそんなことを言えるんでしょうかね。私はずっとメーンスタジアムはお金がかかっても屋根をつけよ....という意見でした。

 だって、この暑さじゃ、倒れる人が続出するでしょう。東京オリンピックは思い出せば体育の日が開幕式。つまり10月です。「コンパクトに....」という概念には賛成です。しかしIOCから「8月開催」を前提とされている以上、「暑さ対策」が絶対必要だと思う。

 だって気温が33度、34度ということは、照り返しのある場所(道路の白線の上やスタジアムの中など)は、想像を超える暑さ(60度以上)になる。本当に心配.....ひょとして2020年の場合、テロより怖い東京の暑さ......とならないか。


2016年08月07日(日曜日)

 (10:30)なになに、初日これまでで萩野の400メートル個人メドレーでの金と瀬戸の銅、そして女子重量挙げの三宅が銅、柔道で二つの銅。合計5個のメダルね。ははは、良いのか悪いのか、でもまあ最初の日に金が出て良かった.........。

 とは思っているんですよ。でも私は高校野球を中心に見ています。というのも、スポーツって「その瞬間、そしてそれがファイナル」だと思っている人間なので、1年後とか数年後に「ドーピングで失格」という事態が生じかねない今回のオリンピックは「どうもな」と思っているのです。

 多分日本の選手が「後に失格」となるような事はないと思う。だから、「繰り上がって金」のような果報もあるかも知れない。しかしその場で喜びたいので、そもそもそんな杞憂がないようなイベントにして欲しいんですよ。オリンピックは。

 でも名誉と富と、それに加えて「国の権威」が一緒に付いてくる国際競技の場、その代表としてのオリンピック。なくならないでしょうね。何としてでも勝ちたいという個人と国は。

 でも高校野球はいつでも「瞬間・ファイナル」ですよ。ずっと記憶として残して間違いない。「実は日本選手が金でした」といった順位のズレがない方がよく、その中で日本選手にはなるべく多くのメダルを取って欲しいと。


2016年08月06日(土曜日)

 (23:50)スポーツ大好き人間なんですが、報道がそればっかりになるのもな......と思っています。特にNHK。今日の夜なんて地上デジタルもBS1も皆オリンピック。明日から高校野球が始まったらEテレも.......。

 ま、そうは言っても2週間以上、4週間未満はそうなんでしょうね。朝の涼しいうちに体を動かして帰ってきて暫くしたら開幕式。でも好感を持ったな。あの長たらしい選手入場や役員の挨拶には付き合えないのでMLBを見ていたのだが、聖火入場と、聖火台とその聖火台のその後の動きは良かった。聖火台そのものが動くって、あまり記憶にない。斬新だと。

 ペレが体調不良で駄目と言うことで、アテネ・オリンピックのマラソン3位のデリマさんが出てきた時は「この人は誰?」と思いましたが、解説で「あのアテネのオリンピックでマラソントップを走っていたのに、36キロ地点で暴漢に行く手を阻まれ....」と聞いて思い出しました。

 五輪旗を運んできた人もほとんどが偉い人や金メダリスト。それをわざわざ銅メダルのデリマさんを選んだブラジルに拍手。そしてあの小型(開幕式そのものも北京に比べて小型で良かった)で、しかし上に上がっていって太陽を思わせる仕掛け(これがまた綺麗でした)の中に入った聖火台に拍手。

 しかし今回のオリンピックが直面する問題は大きい。ロシアの選手団は100人以上減ったが、まだ271人も。今はアンチ・ドーピング検査が進んでいて検体を残しておけば2〜3大会前の選手のものでもチェック可能。

 そういう意味ではロシアだけでなく、いろいろな国の選手が今後引っかかってくるかも知れない。しかし「国ぐるみ」が認定された国の選手が堂々と出てくるのはどうかな、と思う。それに式場の周囲も引き続き騒がしいようだし、私の知っている限りでも、日本や世界の報道陣や観光客で強盗の被害に遭った人も。

 オリンピック報道ばかりが多いけれども、世の中いろいろ起こっている。尖閣の接続水域に海警局の船7隻を含む230とか240隻の漁船(といっても一種の軍船だと思う)中心の船団が入った問題は、尖閣を巡る情勢が一歩緊迫度を増したことを示しているし、忘れてはならない。

 とにかく酷い国だ。原爆が広島に落ちた日に、そしてオリンピックの開始の日に。日本は断固とした姿勢を取ると同時に、数に負けないようにしないといけない。南シナ海でも「とにかく数を出す」は中国の常套手段ですから。

 それにしても、明日からは「何を見て、何を後回しにし、そして何を見ないか...という選択」をしないと


2016年08月05日(金曜日)

 (12:00)サッカーからリオ・オリンピックも開幕式前に実際には開始。朝のブラジル対南アフリカの戦いを少しと午前の日本対ナイジェリアを見ましたが、ブラジルは引き分けで誤算、日本もナイジェリアに負けて誤算。

 日本の敗戦は4−5で接戦のように見えて、中味は大敗とも言えるもの。守備が甘い。失点5したら勝てないでしょう。ちょっと先行きが心配ですが、修正はあるでしょう。監督の手腕に期待したい。

もっと晴れていれば良かったのですが  ところで今朝聞いた一番面白いニュースは、「オーストラリア大陸が毎年7センチ北に移動している。そのために同国のGPS情報が狂ってきている」というものでした。フランスのテレビ局が伝えていた。

 ネットで調べたらオーストラリアは真北に向かって動いているそうで、長い長い将来には韓国とか日本にぶつかる.....いやその前にインドネシアとか、フィリピンとか、八重山諸島に突き当たるのでしょうが。いずれも遠大な話しです。アフリカ大陸も北に移動しているらしい。ということは地中海がなくなる ?

よく金鉱山を見付けたと思う  大陸移動説というのを昔習ったときに「どえらいムーブメントだ」と思ったのですが、今でもその動きが続いているというわけです。地球の壮大なドラマを一人の人間がその人生の中で全部見ることはとうていできないが、今も生きた地球の上に住んでいるという実感が沸く話しだ。

 昨日までいた佐渡も、「生きている地球」を実感できる島でした。全島ジオパークがウリのようで、正に火山の島。金や銀が多く産出されると言うことは、想像できないほどの高熱が異質な金属を生み出した原動力。

岩の淡緑色が印象的  その証拠は海岸線が複雑に入り組んだ火山岩で出来ている長手岬の隆起波食台などは、地球の過去の活動を特に感じる場所です。ゆっくり散策しましたが、非常に面白かった。岩からはガスが抜けた穴が一杯あって、これらが出てきた時はどうだったんだろう、と思わせる。

 全島ジオパークという通り、本当に自然豊かな島です。見ていて飽きない。島の西の端の相川の海岸から見た夕陽も綺麗でした。ちょっと雲が多かったのが残念ですが。それに屋久島と同じで雨が多いと言うことで、木々の緑が強い。

うまかったですよ  それにしても思ったのは、日本は狭いようで広い、広いようで狭いということ。「広い」という意味は、私はかなり動いている人間なのに「知らない場所が一杯ある」ということ。当たり前ですが、佐渡を歩きながらそう思った。

 その一方で「狭い」と思うのは、朝の8時に相川のホテルを出て両津港からフェリーに乗り2時間40分かけて新潟港に移動し、そこから車で関越を走って、もう夕方には東京に着ける、という狭さ。日本海側から太平洋側への移動には案外時間がかからない。

 そんなに狭い、短いんだったら、もっと今まで行ったことがないところに行こうと思いました。


2016年08月03日(水曜日)

 (14:30)一生懸命「島興し」を運動する若い人達の努力と、それと対照的に進む島のあちこちで進む活力低下........それが私の佐渡に関する第一印象でしょうか。

笑えるキャラクターでした  生まれて初めてです。この島に来たのは。何と言っても私の記憶の中にある島としての印象はかつての「金山の存在」と拉致被害者の曽我さんですが、実際に来て持った印象は、

 ☆思ったよりとっても大きな、存在感のある島(淡路島の1.4倍、南北にも東西にも長い)
 ☆簡単には一周できない島周り(道路で200キロ近く、島の外周は262キロほど)
 ☆しかし5万ちょっとと希薄な人口と、島を有名にした旧産業(鉱山や漁業、農業)の衰退
 ☆新しい産業としての観光の力不足、商店街のパワー減退

 などかな。「島興し」を運動する若い人達の活躍ぶりは、新潟港から乗った佐渡汽船のフェリーの中で明確でした。本当に真剣に「観光・佐渡」「佐渡を世界遺産に」と運動していた。頭が下がるな、と思った。

センターで仲良くしていました  登場したのは「サドッキー」。佐渡とトキをかけたのでしょう。うーん、知らなかったな。フェリーの所要時間は2時間半と長いので、その間に大きなフェリーのイベント広場ではいろいろな催しが行われていた。なかなか面白い企画もあった。

 しかし島に入って暫く走ると、ちょっと寂しい印象がする。街並みに元気がないのです。もっともそれは別に佐渡に限ったことではなく、日本の各地で進行していることですが、佐渡はもうちょっとやりようがある気がした。なにせ自然はとっても豊かだし、海は綺麗で、良い海岸は一杯ある。

なかなか良いカフェーでした。食事も美味しい  ちょっとはなからあれっと思ったのは、フェリーの「車」の代金が高いこと。片道1万5000円ちょい。往復だと30000万円以上。「これはいかんだろう」と思いました。乗っている車を見ると8割以上が関東の車で、地元の車は少ない。なかなか気軽には乗れない値段だなと思いました。この料金が下げられたら.......

はんぎり  トキはふれあいセンターで見ました。一時よりは相当増えたそうで、トキのニュースは全国ニュースとしてもしばしば流れますから、実物を見れたことが良かった。地元の人が「はんぎり」と呼ぶ「たらい舟」も体験したが、あれはなかなか難しい。

 そもそもあの舟が出来た理由は、入り組んだ海岸線を持つ佐渡(火山島)では、漁船が入れない複雑な海岸線の凸凹が多い。そこで漁をしようと思ったら、舟を半分に切ったようなあのたらいが便利だったという理由のようです。

 島を巡るとあちこちに「たらい舟」の案内がある。大きさも違うし、たらいのそこの一部が透視型になっているものもある。しかし大部分は「湾内観光」として存在し、外海には出ません。だからあの舟の不安定さを湾内で楽しめば十分。

 島で一番有名な寿司屋が休業したり、他にも良い外食屋があまりないなどいろいろな改善点はありますが、しゃれた店もありました。大正時代の街並みが残る宿根木の古い家屋を使った「やました」はテーブルがたらいの底で、色も黒と赤が基調。「ナイス」と思いました。

 あとは「佐渡金山」を見て帰ります。


2016年08月03日(水曜日)

 (07:30)アメリカの大統領選挙は、一つ大きなコーナーを曲がったかも知れません。共和党のニューヨーク州選出の下院議員であるリチャード・ハンナ議員が、11月の大統領選挙本戦では「民主党のクリントン候補に投票する」と明言したのだ。

 「トランプ候補に投票するのを躊躇う。もしかしたら第三党の候補に投票するかも」という見方を表明していた共和党の党関係者は少なからずいた。しかし「クリントン候補に投票する」と明言した共和党所属の連邦議会議員はこれまでいなかった

 彼はトランプに関して単純に「unfit to serve」と述べた。具体的には民主党大会でトランプ候補を非難(イスラム教徒の全面入国禁止策に対して)したイスラム教徒のカーン夫妻(イラク戦争で息子を失ったGold Star Families)に対する攻撃を理由に挙げた。この夫妻に対するトランプの攻撃に対しては、マケイン共和党上院議員も激しく反発。

 同じ趣旨の発言をしたのは、オバマ大統領その人だ。シンガポールの首相を伴った記者会見の席でトランプの最近の発言について聞かれて「enough」と一言言った後、「Donald Trump is unfit to be president」と述べた後に、「why his party still supports the New York billionaire's candidacy」と述べた。

 これは強烈でしょう。オバマ大統領はトランプがロシアによるクリミア併合を容認するかのような発言をしていることでも彼を非難し、「彼はヨーロッパも、中東も、そしてアジアも理解していない」と語った。

 これには記者会見場で隣で聞いていたリー・シェンロン首相もビックリだったのではないか。加えてABCニュースが行った最新の世論調査結果では、「Hillary Clinton Opens 9-Point Lead on Trump in New National Poll, Gains Among Independents, Sanders Supporters」と出ている。民主党大会を受けた時点。クリントンが9ポイントという最近ではもっとも大きなリードをトランプに対して持つに至ったという。

 私は別に投票権もないし、クリントン支持ではない。「またその名前か」とデジャブで「飽き飽きした」という印象も有る。しかし「トランプじゃ危ない」「彼よりはクリントンの方がまし」とも思う。

 まだまだ先の米大統領選。クリントン候補に不利な情報をアンサンジやロシアが握っているとの見方もあるが、米大統領選挙は向かうべき方向に向いてきたような気がする。


2016年08月01日(月曜日)

 (07:30)「こちらには組織がある」と候補者に思い込ませ、自分達もそれを頼りにした二つの大きな選挙組織にとって、呆然とするような結果ではなかったかと思う。何せ誰が勝ったという以上に票差が大きい。

 小池百合子  291万2628票
 増田 寛也  179万3453票
 鳥越俊太郎  134万6103票

 東京の日曜日の知事選です。参議院選、知事選と選挙が続いている割には投票率は高くて、59.73パーセント。平成では二番目に高い都知事選投票率だったという。そしてその投票率を高めたかなりの部分人のが、投票所で「小池百合子」と書いたのでは、と思わされる。

 改めて思ったのは、日本の選挙では「組織票」などと言って見ても実に頼りない。要するに圧倒的に「無党派層が支配する選挙であるし、組織のタガも緩んでいて、選挙は候補者次第の時代に入ってきている」ということでしょうか。多分これは「東京だから」ではない。日本全国全部がそうだと思う。

 ご存じの通り、2位と3位はいわゆる「組織選挙」を戦った。1位はあとの二人に比べれば組織らしい組織はなし。皆言って見れば手弁当での支援。それがこの大差での2位、3位の敗北。

 特に3位の候補は与党分裂選挙にもかかわらずの惨敗。野党4党の統一候補といういわゆる「組織の力」は全く機能しなかったのではないか、とも思える。または、野党連合の基礎票はその程度かという感じがする。支援した組織にとって打撃が大きい。存在感を問われる。

 それは第2位の候補にも言える。聞こえてくるところによると、厳しい締め付けをしても、この結果だ。よって思うのは、有権者の判断が組織になどそもそも縛られない時代に入っているのではないか、ということだ。これは今後の日本の選挙を考える上で興味深い。

 もちろん候補者それぞれの個人的魅力や、その候補が立った経緯に対する有権者の見方もあった。なので「組織の有効性」はもっと違った観点から見る必要があるが、「そもそも組織が機能しない時代が始まっている」という印象がする。そういう意味で、今回の都知事選挙は興味深かった。



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