2016年12月31日(土曜日)

 (18:15)あ、そうだ。ローソンで買ったアレッポの石鹸はちょっと大きすぎました。あれをシリアや中東の人達はどうしているんだろう。片手でやっと持てる程大きい。なのでシャワーの時に使おうと思っても、なかなか思い通りに扱えない。

 用途としては昔の洗濯板で使うのが一番良い印象ですが、あれはそういう用途では作られていないのでしょう。なので切って今度使ってみようと思います。うまく切れるかどうかは分かりませんが。

 泡立ちは独特で、日本の石鹸がやたら泡が立つのとは対照的で、それはそれで面白いと思っています。なので、扱いにくさが克服できたら、良い石鹸の印象が強まるのではないか、と。

 iPhone6Sのバッテリー交換は非常に成功でした。まだの方もいると思いますが、使っていて分かったのはバッテリーの持ちが1.3倍になった印象。なので、対象シリアルナンバーのマシンをお持ちの方は持ち込まれた方が良いのかな、と。むろん個人の自由ですが。

 今日が晦日ですか。珍しく31日に東京にいるので、ちょっといつもは出来ない事をしようかなと思っています。皆様には良い年末・年始をお過ごし下さい。


2016年12月30日(金曜日)

 (18:15)変な曜日並びですね。今年の年末・年始は。改めてですが。30日の今日が金曜日。土日が年末31日・年始の1日。あんまり最近はなかった。なんかとっても損している感じ。

 東京の街もぐっと空いてきて、車もスイスイ。出かけるのも楽です。これこれで放送も今日が最後だし、海外には年明けから出かけるので、時間を見て映画を見たり、本を読んだり。操作したのかどうか忘れましたが、私のVTRにNHKのプレミアムシネマが録画メニューに入り始めて、結構見たい映画が自動で録画されている。

年末なので(?) 再訪  アンジェリーナ・ジョリーの「ソルト」を見たり、古いところでは「第三の男」を見たり。どちらもスリリングで面白かった。映画は劇場で最近では東映のヒット映画 2日本を見た程度ですが、今はいろいろなチャネルで見れる。次は「ナバロン要塞」かな。ナイス。

 ところで今日は本を一冊紹介します。新潮社の「爆発的進化論 1%の奇跡がヒトを作った」は面白かったな。あっという間に読めるが、なぜか頭に残る。

 この本は文章がとってもうまい。例えも興味深いところを突いている。一番の 山は「カンブリア爆発が何故起きたのか」の部分。それを「ある生き物による別の生き物の補食の開始ではないか」と記述している点。

 読んでいてそりゃそうだな、と思いました。他の静物から生を脅かされるとなれば、捕食される方は必死で現状況から脱出しようとする。要するに進化を足早にしないと他の静物の格好の餌になってしまう。

 カンブリア紀までの地球は平和だったと言うことです。お互いに互いを危険にさらすこともなく。そう考えると、「うーん、世の中今もカンブリア爆発の継続形か」とも思う。この本はお勧めです。新潮新書全体に言えることですが、あっという間に読めて勉強になる。

 同新書にはまだ読んでおきたい本が結構ある。今年も明日一日有るので。今日はこれから今年最後の飯会です。


2016年12月28日(水曜日)

 (17:15)とっても優秀でした。予約よりちょっと遅れて午後3時35分くらいに持ち込んで、最初長い所用時間を言われて仰天したが、事情を話したら「では午後5時には」ということで。実際にそれで完了。一時間半かからなかったし、データもそのまま。拍手。

 戻ってきても電池些少で充電の必要があるし、「iPhoneを探す」をオンにし、そしてパスコードを入れ直して.....。ただ電池を替えただけなのに、やることはいくつか。しかし印象ですが、やや動作がキビキビしたような。新電池効果 ?

 一つ賢く。トラブルがあると賢くなる。今回バックアップをMacで取ろうとして「あれ」と思ったのは、「容量一杯.....」云々アナウンスが出たこと。「結構いいマシンなのに、もう一杯 ?」と思ったが、考えたら多分古いバックアップが残っている。「5」とか「5S」とかの。

 「そうだ、あれを削除したら空くな....」と。「Mac バックアップの削除」で検索したら、直ぐ出てきた。itunes を開いて「環境設定→デバイス」といって、もう必要ないバックアップを消した。そしたらバックアップは完遂。これでPCもスッキリ。


2016年12月28日(水曜日)

 (16:15)もともとノマド的な働き方をしている人間なので、iPhone6Sのバッテリー交換に来たApple Store の席で、このコーナーの文章を書き始めちゃいました。これやあれやしていると丁度1時間ちょっとの所要時間で「6S」が戻ってくるはず。

すっごい混んでいる  それにしても凄い人。年末で混んでいると言うこともあるのかも知れないが、やはり私の前の人も後ろの人も「6Sのバッテリーの話」をしている。中には調べてこずに、「これどうですか」という御仁も。

 バックアップは一応とって来ましたが、今までのデータが消えるのか消えないのか。一番大きなデータの問題はLINEかな。残らないので。後の写真などは残っている。ま、LINEと言っても少数ですが。

 ところで今朝は「一体、都会の気温ってなんなんだ」と思いました。デバイス的には今朝の温度はプラス7度だったかな。私が外に出たとき。しかしとっても寒い。磐梯山の麓のマイナス2〜3度よりも。

東京の全てを計測している北の丸観測所  なぜかと考えたら、風とビルによる日光の遮断。都市はそれが多い。今日は皇居コースだったのですが、皇居の二重橋→行幸通り→丸の内→大手町のサイドはとっても寒い。要するに陽の光が来るサイド(東)には高いビルの行列。なので、体感的には北風もあってマイナス3〜4度ほど。

 で考えたのです。「一体東京の温度として発表されているものはどこで採取されているんだ」と。それは多分北の丸公園の吉田茂さん銅像の隣だろうと思って調べたらやっぱりそうだった

 しかしあそこがどういう場所かというと、北の丸公園の中なので周りは比較的背丈が低い木です。周りは陽の光が通過する木立。つまりビルの影より素早く日の光が当たる。だって竹橋を過ぎて北の丸公園の中に入ると突然背中などに陽の光があたってぬくくなる。

 おまけに今日は北風が非常に強かった。皇居の東サイドを反時計回りに回ると、北風は顔の正面から。寒いわけです。だから最近は朝の早い時間にはあまり行かないが、丸の内、大手町勤務の人は「朝はとっても寒い」に違いない。

北の丸公園のお堀は過去に例が無いほど低い  逆に「千鳥ヶ淵緑道→千鳥ヶ淵公園→半蔵門から国会下の手前」までは非常に温かい。同じ東京とは思えない。左サイドは皇居なので高いビルが無くお日様がしっかりエリアを温めてくれる。かつ北風も背中から吹くので、これがまたあまり寒さを感じない。

 だから思ったのです。デバイスで表示される温度は同じものでも、どこをどちらの方向に歩くか、どのくらいの距離を歩くかで全く違ってくる、と。だから寒い日でも、お日様が出ていれば、皇居周りなら青山方面からだったら国会下から半蔵門→千鳥ヶ淵から靖国神社に抜け、帰りは竹橋、大手町、丸の内ルートを避け、再び半蔵門ルートを取ることが賢明だと。

 もっとも皇居周回は反時計回りが基本的ルールですから、イギリス大使館サイド、国立劇場サイドを通るのが良いのでは、と。信号にはひっかかるが、たまには良いのでは。

 ところで、北の丸公園周りのお堀は、今は「乾燥しつつある水たまり」みたいになっていますよ。工事中なので。あれだけ水位が下がっているのも珍しい。


2016年12月27日(火曜日)

 (20:55)「試金石」の由来も分かったし、1000円札の表にも裏にもカタカナ表記で「ニ」「ホ」「ン」の文字がちゃんと記されていたとは。ビックリ。

 今日は午後1時半を目標に「日本銀行金融研究所貨幣博物館」に。先日「野口英世記念館」で1000円札の「000002」を見た後だったので、「今年中に000001」を見ておきたかった(その事に特に意味はないのですが)のと、大阪の「造幣博物館」には「桜の通り抜け」の関係でよく行ったのですが、新装(約1年前)なった本石町の日銀本店の「貨幣博物館」は見ていなかったため。

独自の藩札を作って見ました。3回の重ね刷り  午後1時半からの一般説明会に2分遅れでジョイン。少人数でしたが、ビックリしたのは説明に当たっていた日銀の方を存じ上げていたこと。為替をやっていた頃に。その方も私の顔を見て、「伊藤さんですよね」と。

 まず「ニ」「ホ」「ン」です。1000円札の裏。右上。1000の文字の左側に桜花が三つ。よく見ると時計回りで「ニホン」がある。確かに。まず一番左の花の左上向きの弁の先に小さく「ニ」があり、その右の花の中で真ん中下を向いた弁の先端に「ホ」があり、その下の花の右上向き花弁の端っこに「ン」がある。

 実は1000円札の表にも「ニホン」が記されているが、これを文章で説明するのは難しいし、改めて今見ても探せない。しかし「ン」が野口英世の右肩下の辺にあったと記憶している。ルーペのある人は探してみて下さい。裏面の「ニホン」は分かるが、表の「ニホン」はかなり難しい。

 実は日本では江戸時代の藩札に既に「すかし」などの高い技術が使われていたようで、それは和紙をすくときの技術に依拠していたらしい。特定の場所が薄くなるように。その道具も展示してあった。勉強になったし、面白かった。

 では「試金石」はどうか。文字通り「金ベースの銭貨(せんか)」(ゴールドコイン 日本の大判・小判など)の微妙に違う金含有量を、特殊な石に銭貨を擦りつけることによって、出た色で「純度」を調べたのだそうだ。つまり「金(貨)を試した石」を指す。だから試金石

 多分「小判」の金の含有量が低下すると、それは「銀」が増えることを意味するので、試金石に刻される色は白くなる。その色具合で職人達は正確に当該金銭貨の金含有量に基づく価値を判断したそうな。

 「下馬評」は江戸城の大手門発らしいのですが、「試金石」は金座周りの職人が使っていた「石」から来たとは。ははは。昔から使われた言葉には、ちゃんと背景がある。「試金石」は初めて知ったな。

 あ、日本の紙幣では「ニ」「ホ」「ン」が刻印されているのは1000円札の裏表だけではない。万札や5000円札の表裏にもよく探すとちゃんと刻印されている。一生懸命探しました。ただし私が見た範囲では1000円札の裏側のそれが一番分かりやすい。唯一私は裸眼でも分かる。

 まだの方は一度日本橋本石町の日銀南館の2階にどうぞ。「貨幣博物館」はなかなか面白い。あ、カメラ禁止です。入場は無料。私が見学している間に20人ほどの小学生がどやどやと。宿題がらみかな。先生も来ていました。


2016年12月27日(火曜日)

 (19:55)安倍首相はハワイに到着、いよいよ明日オバマ大統領とともにアリゾナ記念館での式典・その後の日米首脳会談に臨むのですが、この関連ニュースはなにかすっきりしない。訪ハワイ・会談の意義は非常に深いと思うし、一連の行事の場所がハワイ・真珠湾であることも歴史的意義があると思う。

 しかしずっと気になっているのは、この訪ハワイ・訪真珠湾に関する報道の経緯です。第一報のニュースとしてのウリは、「現職首相の真珠湾訪問は初めて」(共同通信 12月5日夜)、「現職の総理大臣が真珠湾を訪れて犠牲者を慰霊するのは初めて」( NHK 同日夜ニュース)だった。つまり「初」が強調されていた。

  確認しなかったこちらも悪いが、「戦後歴代首相初の真珠湾訪問か......」「プーチン大統領と会談して10日もしないうちにオバマ大統領と安倍さんは会談するのか....」と思ったことを思い出す。

 しかし前者はその後「真実ではない」と分かる。徐々に「戦後の歴代首相で真珠湾を訪れた人が居た」ことが明らかになったため。その時点で、「アリゾナ記念館を訪れるの....異例をするのは初めて....」などにポイントが移った。

 私が思うのは、たった過去70年間余の歴史的事実についても我々は簡単に間違えるんだ、ということ。誰も直ぐには調べなかったんでしょうか。ハワイの新聞には何年何月に日本の首相の誰それが来た、という記述があったそうな。だから「戦後歴代の日本の首相で初めて....」の部分は検証が全く不足していた、ということでしょう。

 もしかしたら安倍首相サイドが記者の方に、「戦後の歴代首相で真珠湾に行くのは安倍さんが初めて.....」と説明したのかも知れない。それを急いで打電して、報道した ?。しかしみっともない話には間違いない。「調べなかったの」と言われてしまう。日本の新聞にも日本の首相の真珠湾訪問の記事も後に見つかったという。

 今の報道によれば、どうやら安倍首相は戦後歴代首相4人目のハワイ真珠湾訪問らしい。最初は1951年9月に吉田茂首相が、鳩山首相が1956年10月29日に、そして岸首相がアイゼンハワー大統領との会談で訪米した際の57年6月28日にそれぞれ真珠湾を訪れていたと言う。22日付の米国「ハワイ報知」新聞などが伝えている。

 「戦後歴代首相として初めて安倍首相が真珠湾......」の報道に乗ってしまったメディアの多くは、「実は4人目」の顛末に関してあまり検証していないように見える。

 「それにしても」と私は思う。情報化がかなり進んだ戦後70年の歴史で、こんな簡単なこと(調べれば分かる)まで間違えて情報が拡散してしまう。人間の社会の、そして歴史的記述の不完全性たるや....と思う。

 たった70年余の歴史でもこんなことが起こるなら、今は歴史的事実として記述されている事も疑わしい部分がかなりある筈だ....と思う。多分そうなんでしょう。当然ですが、歴史の検証は難しい作業。

 残念なことだが、「声高に主張し、頻繁に記述されたことが歴史になる」みたいな面もある。ま、今回はほどなく「安倍首相は戦後歴代首相の中では4人目」が定着しましたが。それにしても明日の安倍・オバマ会談は実り多きものになって欲しい。


2016年12月26日(月曜日)

 (08:55)週末は「マイナス圏の温度」を結構楽しみました。といってもマイナス2度、3度。その辺は子供の頃やニューヨークの記憶で、「まず楽しめる寒さ」だと知っている。

 それにしても、「雪が少ない」のは関連する産業の人にとって実に大変なことなのだな、と思いました。一晩はここに投宿したのですが、ホテルの隣接塔屋に大きなリゾート・センターがある。その前はスキー場、スノボ場。リゾート・センターそのものも大きい。

 しかしそこには殆ど人はいない。朝から。というのも、ホテルの眼前のスキー、スノボ場は閉鎖中。だって地肌がまだところどころ出ていて使えない。私たちは別にスキーの為に行ったのではなく途中経由で泊まったので、具体的不都合はなかった。しかし「冬遊び」を当て込んで早くから予約した人にはショックでしょう。

 しかしその辺はホテルは分かっていて、直前に「今年は雪がまだなのですが.....」と予約確認が来た。スキー、スノボをするためには、別にバスで40分ほど移動しないといけない。開場している冬遊び施設は、ホテルの周辺にも北とか標高が高いところにいくつかあるらしい。しかしそこまで行くという二重手間が残る。

 もっとも閑散のリゾート・センターの一二階を私は体を動かすことに使わせて貰った。施設の方々には気の毒だったが、人っ子一人いなくて(それでも暖房はして、必要な最低限のマンニングしていた)、私には柔軟体操をしたり、階段を駆け上がったり、そして歩いたり。十分使えた。施設の人は「あんなことのために作ったんじゃないのに」と思っていたかも。失礼しました。

 でもちょっと長めに考えて、「このまま温暖化が進んだらどうなるの......?」と。企業も戦略を変えないと。年末・年始には雪が降りますように。雪乞い......。


2016年12月24日(土曜日)

 (09:55)街周りの警察官と当該店の整理担当者の二人日本人なんて少ないのにから、「ご迷惑をおかけしています...」と謝られちゃいましたよ。そんな必要な無いんですが、私が話しかけたからか「こいつ迷惑だと感じてるんと違うか....」と思われたのかも。

 ちっとも迷惑じゃ無いですよ。午前の9時半に表参道の交差点周り、そこから延びて原宿駅方面に長い、ちょっと異様な行列が出来ていたら、「なんや これは」と思うのが自然でしょう。

だって列はヒルズからオモサン交差点だけでなく、渋谷にも向かって出来ていますからね  二人の説明を合体させると錯綜する。一人(整理係)の説明は明確だった。直ぐに紙を見せてくれた。a bathing apeは知っている。彼とも話をした。最後は「ご迷惑.....」だった。

 理解できなかったが「最初面白くて、途中でもういいや」と思ったのは警察官の話。「なんかですね、表参道ヒルズのもっと駅側なんですが、靴屋さんがあって...」と。「そこにある国の俳優さんが履いている靴が売り出されて......」と。

 それから先が面白かった。「で、その国の方々が大量に来て.....なにかその国の人達は執着心が強いらしくて.....」

 ははは、国だか地域だか知りませんよ。もしかしたら、一挙に彼等にとってのレアものが二つ売り出されているのかも知れない。二つの店で。そう考えると分かる。しかし確かめた訳では無い。

 見ると、「中国系」では片づかない人々の群れもあったた。とにかく列は長い。説明員に「転売目的の人もいるんじゃない」と言ったら、「そうなんですよね....」と。それにしても最近表参道を通ると必ずと言って良いほど長い列に出くわす。なんなのこれは。

 列の類いは原宿駅から代々木公園に向かうところの横断陸橋を渡ったところにも大集団(こちらは若い女性)があって、それは「超特急」待ちで、原宿駅を出てオモサンに向かいかけると、そこにも行列が。なんなんだろうね、他にもあったな。あの街は。

超特急待ち  多分10時前の表参道の歩道にいる人の7割は外国の人達。多分「これは伊勢丹で買った」とか言うのでは無く(海外の人にとっても)、「この銘柄だから買った」という空気なんでしょうね。今は。ネットは微細ですから。


2016年12月24日(土曜日)

 (06:55)毎月2回の新聞社向けエッセイを書きながら「なにこれ!」と思いました。資料数字として必要な今年11月までの訪日外国人数の統計を改めて眺めながら。

 だって凄いですよ。人口2300万人ちょいの台湾から、今年1月から11月までの間に388万8800人もの人が来ている。「どんだけ来ているんや」(歓迎の意)と思いました。「8」が四つも並ぶのも笑える。ラッキーナンバー。推計ですがね(統計作った人が遊んだ ?)。

 この数字を11で割ると「35万3527人」で、それを足すと今年は424万2327人。2300万人の台湾から日本に一年で来る人424万人。18.43%。トレンドが変わらなければ毎年ですからね。リピーターが多数存在しなければあり得ない数字です。だって海外に出られないお年寄りも人口の中には含まれる。

 「どんだけ好き ?」と思うし、「ありがたいことや」「優しくしよう」とも思う。銀座・新宿のデパートや台場での爆買いは終わっても、明治神宮に行けば早朝から非日本語が多数聞こえる。午前8時からの太鼓の時間では、彼等は日本人と同じように頭を垂れる。良いことだと思う。

 政府観光局(JNTO)の推計値を見ながら、台湾を含めほぼ全ての地区からの訪日客が二桁増えているのに気づいた。11月までの総数は21,988,400。これを11で割って、その数字を足すと2398万7345人。つまり今年の訪日外国人数はほぼほぼ2400万人。

 つい最近までは「いつ1000万人に到達するか」と言っていたことを思い起こせば、これは劇的な変化。彼等は爆買いしなくても、神社、公園、コト消費を楽しんでいる。ほぼほぼナイス。

 統計で笑えるのは、「その他」を含めて全部二桁増なのに、ロシアだけ今年11月までの訪日客が50500人と去年の同期間の50452人(実数)から0.1%の増加にとどまると見られる点。安倍・プーチンの共同記者会見の前の仰々しい合意文書交換を思い出しながら、つい笑ってしまいました。「関係 うす」と。

 ま、最近でこそ石油価格は上がってきましたが、今年はロシア経済は厳しかった。汚職撲滅のポーズをプーチンもとっていますから。ロシアの人々は「目立たぬように」だったかもしれないし、実際にお財布はちょっと薄くなったのかも知れない。だから「3000億円」は嬉しいに違いない。

 それはそうと、昨日は午前中全部がTBS、夕方からはテレビ東京の新社屋で2時間弱の収録だったのですが、両方とも面白かった。年末はあれやこれはで忙しいが、印象に残ったのは神谷町から六本木下(溜池より、坂を下るという意味です)に出来た新しいテレ東の新社屋。

 移ってまだ一ヶ月だそうですが、「ここまでモノトーンにしなくてもいいだろう」と思いました。白です。だって私を案内してくれた人が迷いましたからね。NHKの西館もとっても意図的に「分からぬように」つくってありますが、テレ東の新社屋もそうだな。

 テレ東は今まで在京テレビ局の中で一番「よくここまで使いました...ね」という感じだったが、今度は「よくここまでモノトーンで綺麗に...」という感じ。私が知っているだけでテレ東は3回動いている。東京タワー下、神谷町、そして六本木。六本木にはテレ朝もあるしな。

 でもね、テレビ局って直ぐに廊下が汚くなるんですよ。モノがはみ出して。TBSもフジも日テレもそう。関西のテレビ局は比較的廊下は綺麗。うーん、在京ではNHKの廊下は綺麗だったな。きついお達しがある ?


2016年12月22日(木曜日)

 (21:55)冬至の前後だというのに、まるで今日は「春一番」のような温かい強風が東京でも吹いていましたが、糸魚川とか平塚では大きな火事。特に糸魚川では10時間も燃え続けたと。ちょっと信じられないような大きな火災でした。

 まだ詳細は分かりませんが、今までの報道だと人的被害が少なかったのが救いでしょうか。しかし家を失った方々はこれからが大変だと思う。今速報で「糸魚川の火災は鎮圧」と出ましたが、それは良かったとして、問題はこれからですね。

 ところで今このブルームバーグの記事を読んでいるのですが、日本の田んぼ風景とアップルの新しいiPhoneが一緒に登場する面白い記事。

 なんだろうと読み始めたら面白かった。映像も。ネットを調べたらIT用語辞典に「OLEDは液晶などに比べ薄型軽量で低消費電力、高速応答、高コントラストなどの特徴があり、照明やテレビ、ディスプレイ装置への応用が期待されている。OLEDを利用したディスプレイやテレビを「有機ELテレビ」「有機ELディスプレイ」(OELD:Organic Electro-Luminescence Display)あるいは「OLEDテレビ」「OLEDディスプレイ」という」とある。そりゃアップルも欲しい。

 「Tokki」って漢字でどうかくんだ......と思って見たら「キヤノントッキ」だった。しかし社長さんの挨拶の中に「キヤノントッキの『トッキ』は“特機”、すなわち「特別な機械」や「特殊機器」を意味します」とある。サイトを見たら地味にいろいろ書いてある。日本には「a single supplier」が結構あるのが強味。それがたまたま新潟の田んぼの中というのがこのニュースのミソ。

 「sharp, vibrant displays that use less energy」とか「sharper screens, fingerprint identification, pressure-sensitive displays and custom-designed chips」ならアップルに限らず、世界中のスクリーン使用機器のメーカーは欲しいはず。私もちょっと勉強します。


2016年12月22日(木曜日)

 (05:55)ちょっとショックやな。自分が1年以上使っているiPhoneの「6S」がリコール対象だと分かった。

 つい先日のことです。街を歩いていて何気なしに「6S」を見て「ああ、まだバッテリーが半分あるな」と思った直後です。突然ドスンと落ちた。画面はブラック。ビックリです。なんでだろう、と思った。その時はリブートし、その後はドスンと落ちていない。

 ずっと「あれは何だったんだ」と思っていた。しかし金曜日の番組の打ち合わせで今日TBSの若手とメール交換していて分かったことがある。それは「一部の6Sに欠陥、特にバッテリー関連の欠陥が見つかった」ということ。

 アップルは症状を次のように記している。自分のシリアル番号が対象かどうかが分かるページにこう書いてある。「ごく一部の iPhone 6s が突然シャットダウンする (電源がオフになる) 場合があることが判明しました」と。私のマシンに起きたことと一緒。

 アップルは続けて「これは安全性に関わる問題ではありません。この問題の影響が確認されているのは、2015 年 9 月から 10 月までの間に製造され、シリアル番号が特定の範囲内にある iPhone 6s のみです。」と。

 アップルはさらに「お使いの iPhone 6s にこの問題が発生したことがある場合は、下のボックスにシリアル番号を入力し」と。私の場合は症状が一回起きたので入れたら、「入力された iPhone 6s のシリアル番号は本プログラムの適用対象です。以下のいずれかのオプションをお選びください。」ときた。

 つまりリコール対象だ、ということです。私のiPhone6Sは。シリアル番号は「設定→一般→情報」と進んで上から12番目くらいにあります。「バッテリー交換サービスを受ける」方法については選択肢があり、私は「直営店に持ち込む」を選びました。しかしややこしいですよ。

 自分で「お使いの iPhone 6s をバッテリー交換サービスに出す前に、あらかじめ下記の準備をしておいていただきますようお願いいたします」と。

  1. iTunes または iCloud にデータをバックアップする
  2. 「iPhone を探す」をオフにする
  3. 「設定」>「一般」>「リセット」>「すべてのコンテンツと設定を消去」の順にタップして、データと設定をすべて消去する
 とっても面倒だな。時間もかかる。持ち込み修理は約一週間後に設定した。当日の前の晩くらいにします。これって時間かかりまっせ。までも考えれば、1年ちょっと使ったiPhoneの電池を代えて貰える、それもタダで、というのは良い。ははは。

 皆さんも「6S」を使っていて、かつパワーがドスンと落ちる経験が一度でもあったらシリアル番号を入れて対象か否か要チェック。多分製造初期の製品。私は出て一週間くらいして買った。その当たりに店頭に並んでいたものかな。


2016年12月21日(水曜日)

 (19:55)最近強く思うのです。「昔からこの街はある意味、職人や建設現場を担う人々の街だ」と。そう江戸の時代から、明治、そして大正・昭和を経て今の平成の東京まで。この街が凄く変わる、いつも変わっていると言うことは職人達が活躍していることになる。

 朝7時頃には「run and walk」で街に出ていることが多い私が最初に出会う人達は、サラリーマンやOLではない。朝の工事現場に行く職人さん達の集団です。つまり建設現場に行く人々。着ているものや雰囲気が全く違うので直ぐに分かる。彼等を朝一番多く見掛けるのは7時台。まだお勤め(?)の人が少ない時間帯です。

 建設現場の彼等は恐らく皆早く現場集合して、8時過ぎには朝礼をしている。今日はどういう工事をするかとか、どんな資材が入るから気を付けようとか。多分今のように冬の夕暮れの早い時期には、明るいうちに仕事を終えようと思ったら早く仕事を始める必要がある。暗くなってからの工事は危ない。

 また一般の通勤時間と重なると電車が混むからということもあるだろうし、朝の道路が空いているうちに車で資材を運び込んでおきたいということもあると思う。兎に角彼等は朝が早いのです。見ていてそう思う。

 そして私は静かに工事現場に向かう人の群れを見ながら、「これは江戸の昔から変わらない風景なのかもしれない」と最近強く思う。。ほぼ何も無い平原に徳川が幕府を置いたのは1600年。それから400年の間、お江戸、そして東京はずっと工事を続けているようなものだ。明治、大正を通して。

 荒野に都を築き、江戸時代には火事が多く火災の度に街を作り直し、そして激動の明治から大正、そして昭和と東京は変わり続けている。山ほど工事があって、今でも東京は日本の都市の中で一番工事が多い。大阪はハルカスの建設が終えたら大きな工事はもうない。

 今恐らく日本中の工事業者が東京に集まっている。日当がちょっと腕のある、例えば左官屋さんなどなら一日4万取れる時代になったらしいので、そりゃ人が集まる。いいことではないでしょうか。多様な人がいるので、街が彩り溢れる。

 考えてみれば、お江戸をスタートとする握り寿司、天ぷら、そして蕎麦は言ってみれば「職人飯」です。ちょこっと口に放り込んで次の現場に行くための。そして重要なのは、その職人飯、そして海辺の「漁師飯」こそ、とってもうまかったのではないか思われる点。じゃなかったら残らない。

 一般に考えられているほどには、公家や武家が食べていたものは美味しくなかったと思う。位が上がるほど何人もの毒味役の前を通って食事が提供される。そんな冷めた食事がうまいわけがない。目黒の秋刀魚の話が残っていること自体、殿様はまずい飯を食べていた証拠だ。

 多分本当に昔の日本で美味しい食事をしていたのは、忙しく働いている商人や新鮮なものを食べていた海辺の漁師、それに羽振りの良かった職人だと思う。美味いし、理にかなっているから寿司、天ぷら、蕎麦は残った。そういう意味では、寿司屋で何時間も粘る人は本末転倒と言える。さっと食べて、さっと行くのが礼儀。

 話が変な方向に行ってしまったが、食べるものを含めて我々は職人さん達に大いに世話になっている、ということです。ナイス。


2016年12月20日(火曜日)

 (20:55)調べたら「なあんだ.....」という簡単な事でした。ずっと以前から気になっていた問題を今日改めて調べて。やっぱはっきりさせないとあかん。

 何かというとVICSの時間です。車に乗ったときに何時も気になっていた。「遅れているじゃん」と。「なんで、いまどき」と。だって私の周りにある時計は、手巻き腕時計以外は本当にぴったしになった。しかしVICSの時間は違う。

 いつも3〜5分遅れる。「どこがやっているか知らないが、時間も正確なものを示せないなんて、テクひく.....」と思っていた。なので今日は車の「設定」をいじったのです。どこかで直せる筈だ、と思って。

 しかしダメ。もう一つ表示されている時間は変えられたが、VICSの時間はどうやっても無理。しょうがない、調べるかとネットを見たら簡単に解決。要するにVICSの時間は情報をナビに伝えた時刻を指し示している。「今何時ですよ」という時間ではない

 「なんだ早くそう言ってくれれば良いのに..............」と。そりゃそうだ。情報が毎分送信されるわけはない。電波状態がジャミングになってしまう。そりゃ3分とか5分の間隔を置かないと。置けば遅れる....という仕組み。

 だから車に乗っている時、これからはVICSの時間は見ないことにします。見てもしょうがないので。ははは。あまり遅れたら、「この情報は昔のやつ...」ということで。


2016年12月20日(火曜日)

 (20:45)今日はちょっと「日銀」が私にとって興味の対象でした。あまり気にする人はいませんでしたが。

 それは株高・円安が進行する中で、今年最後の政策決定会合で日銀が景気の現状や今後の政策運営についてどのような判断を下すのか、という点だった。むろん「政策の継続性」の観点から大きな変更は出来そうもない。しかし今後を展望した布石を打つかも知れない、と思っていたのです。

 終わってみれば日銀は景気判断をやや上方改定しただけ。どう変えたかというと、景気判断をやや歯切れ良くして、「穏やかな回復基調」のレベルを上げた。11月初めの日銀による日本経済に対する見立ては「わが国の景気は、新興国経済の減速の影響などから輸出・生産面に鈍さがみられるものの、基調としては緩やかな回復を続けている 」と。どうみても歯切れが悪かった。

 それが今回は「わが国の景気は、緩やかな回復基調を続けている」となった。これは明らかに上を向いている。問題は政策運営ですが、景気判断は上げたが政策は変えず。短期金利については「日本銀行当座預金のうち政策金利残高に▲0.1%のマイナス金利を 適用する」とし、長期金利に関しては「10 年物国債金利がゼロ%程度で推移するよう、長期国債の買入れを 行う。買入れ額については、概ね現状程度の買入れペース(保有残高の増 加額年間約 80 兆円)をめどとしつつ、金利操作方針を実現するよう運営する」とした。

 つまり日本の長期金利は「ゼロ近傍から動かさない」ということで変えなかった。他の国、特にアメリカの金利が上昇を続けている中で、日本だけが「イールドカーブコントロール」といって長期金利を抑えているとどうなるのか。一段と円安が進む。

 それは日本経済にとっても総じて良いことかも知れないが、世界の国々にとっては「面白くない」とする向きもある。特にアメリカのラストベルトの人々(トランプ当選の原動力になった)は面白くない。

 恐らくトランプは暫くはドル高については何も言わないでしょう。「強いアメリカ」をある意味象徴する。しかしそのうち何か言い出す。「日本は操作している....」とか。日銀のイールドカーブコントロールは格好のターゲットになりかねない

 だから私は日本の場合も長期金利の動きは自由にしておいた方が良いと思うのです。「操作していないよ」と言えるためにも。しかし今回日銀はそれをしなかった。「「10 年物国債金利がゼロ%程度で推移するよう、長期国債の買入れを 行う」という日銀の声明文は、読みようによっては「操作してますよ」とも読める

 日銀の発表文によれば現政策に関しては「賛成7反対2」で、その「2」は佐藤委員、木内委員。佐藤委員は、短期政策金利を▲0.1%、10 年金利の目標をゼロ%程度とすることは期間 10 年までの金利をマイナス圏で固定することにつながりかねず、金融仲介機能に悪影響を及ぼすとして、木内委員は、国債市場や金融仲介機能の安定の観点から、短期政策金利は+0.1%が妥当であり、長期金利操作目標は国債買入れペ ースの一段の拡大を強いられるリスクがある、として反対したという。

 二人ともインターナショナル・ファクターに触れていない。私には「世界の目線」の方が気になる。あまり短期ばかりで無く長期金利まで操作しているとろくなことにならない、と思う。アメリカ、特にトランプがそのうち言うことは目に見えているので。だから私は先手を打って日銀が何か政策運営スタンスを変えるのかと思った。が、変えなかった。ちょっと驚きかな。

 それにしても今FXテーブルを見たらドル・円は118円に再び接近。そりゃそうでしょう。アメリカの長期金利はもっと上がる。しかし日本の長期金利は上がっても0.1%とか。金利差は開く。

 ドル高は対ユーロで一段と進んでいますよ。1ユーロが今は1.0377ドル。等価は直ぐ目の前で、ドルとユーロが等価と言うことは対円が同じになると言うことですが、今のレートはドル・円が117円90銭、ユーロ・円が122円35銭。その差は5円を切って4円50銭程度しかない。近い。

 ま、計算しやすくて良いが。でも一体いくらでクロスするかが重要。


2016年12月19日(月曜日)

 (22:45)そうですか、明日は20日とな。20日と聞くと「あやや、もう暮れだ」という印象がする。確かに。20日を過ぎれば直ぐに年末が来てしまう。ははは。

赤坂見附の綺麗なイリュミネーション  ところで、この番組の収録を終えて、都内某所を歩いていたら、某局某番組の知り合いの若い記者が探し物をしている風情で歩いていた。向こうも気がついて、「あれ、奇遇ですね。こんなところで」と。

 「何しているの、こんなところで」と聞いたら、ASKAが釈放された後、この近くに来ているので......と。釈放されたのは知っていましたが、私の行動範囲に滞在しているとは。もちろん見掛けなかった。

 それにしても、今回の逮捕劇、釈放劇はなんというか、お粗末ですね。「証拠が十分でなかった」と。最初ニュースを聞いたときに「どうしたんだろう」と。この手の捜査が難しいのは分かりますが、それにしても「証拠不十分」とは。

 韓国ではチェ・スンシル被告が法廷に初めて姿を現し、全ての容疑を否認した。朴大統領も否認の方向で、容疑を認めているのは一人の元大統領秘書。韓国に行っても取材できるわけではないのでソウルからのニュースを見ているだけですが、どう決着するかとんと分からない。

 それにしても、次の政権を担いそうな人物像が実に不安定。左派にしろ、韓国のトランプにしろ。今までの国家間の約束も反故にしかねない。そのうち次の韓国のトップ候補について調べようと思っています。


2016年12月17日(土曜日)

 (07:45)昨日の夜、「あ、今日の夜が今年の忘年会のピークなんだ」と思いました。人の出がむちゃ多くて、お店はどこも混んでいた。来週の金曜日は祝日、その次の週はもう30日。金曜日に日程を組む人は「この日しか無い」と16日を選んだ。多分22日の街も混む。

 夕べは食事は大学の同級生3人と神楽坂。午後7時スタートだったのですが、あの上り坂を実に多くの人が上がっていく。ビックリしました。終わった後は赤坂に移動しましたが、そこがまた人の波。

 加えて多くのロシア人が。プーチンさんは帰ったが、その他経済活動訴求のためだったり、交渉関係で来た多くのロシアの方々が、赤坂などのホテルに残っていたのでしょう。23日が祝日になったのは随分前ですが、すっかり年末風景は変わった印象。今年はまた23日が金曜日に当たったので。

 ところで、2日間におよぶ日ソ首脳会談に対する私の見方はこの番組で述べておきましたが、「出口を期待した向きもあったが、やっぱり入り口だった。それも前進したかといえば、よく言って0.25歩」という評価です。

 日本が出すお金としては3000億円規模と報じられていますが、これはこの数年間にロシア政府が北方四島のインフラ整備などで使ったと言われる330億円前後の10倍近い。巨額なお金です。

 むろん「共同経済活動」はレシプロで、日本の産業界の一方的な持ち出しではなく、日本の企業も利益を受ける。しかし今は経済活動が低迷しているロシアのプーチンさんにとっては「良い国内宣伝材料」になったと言える。

 オバマ大統領は民主党本部のコンピューターハッキングなどに関連して「プーチンやロシアへの報復」を口にした。今朝の話です。それは米露関係の話ですが、国際的にはロシアは苦しい局面が続く。いろいろやり過ぎるからでしょう。

 安倍首相の言う「特別な制度」がどういう形になるかも、今後「交渉」なので分からない。元島民の北方四島の自由往来も今後「交渉」。共同経済活動は信頼醸成の出発点という安倍さんの受け取り方なのでしょうが、実際にそうなる保証は無い。

 経済関係では「成果はあった」と言えるかも知れないが、日本にとっては「関心に十分応えた」交渉ではなかった印象が強い。


2016年12月16日(金曜日)

 (14:45)ホワイトハウスが「民主党本部のコンピューターのハッキングではプーチン大統領が主導的役割を果たした」と示唆し、欧州が対ロ制裁の継続を決める中での日ロ首脳会談。今さっき第二日目の首脳会談が首相官邸で始まりましたが、先行きは長い。日本側の期待が実るのには。

 世論を見ても日本での「4島一括返還論」は後退しつつある。時間が経過しすぎましたから。今は歯舞、色丹の2島先行返還論が高まっているが、1956年の共同宣言があるにもかかわらず、ロシアは「4島に対する主権」を直ちには見直す意向はないようだ。

 安倍首相が言う「特別な制度」が具体的に何を指すのか。そこが今回の首脳会談のポイントでしょう。毎日新聞は「ロシアの法律を尊重しつつも例外的に日本人の法的立場を保護する特例措置の導入」と書いているが、そうなるのか。今の段階では不明。

 多分安倍首相としては、「経済分野での実績を積み重ねた上での領土返還交渉」という意向なのだが思う。中ソは信頼醸成に40年かかった。しかしこの時間のかかるプロセスは、それ故にその間の国際情勢に大きく左右される。

 例えばロシアによるクリミア併合のような西側諸国が一斉に反発する事件が起きたときに、日本の立ち位置は難しいものになる。プーチン大統領は同問題に関連する日本の対ロ制裁(現在も実施中)に非常に苛立っていたと言われる。

 今首相官邸の首脳会談の冒頭が放送されていましたが、交渉が領土にまで行き着くには相当時間がかかる。しかしプーチン大統領が言ったことで賛成できるのは「日ソの経済は相互補完的で、競争関係はほどんどない」という点。

 これが領土問題での日ソ間の最終的解決に繋がれば良いのですが。一つ言えるのは、プーチンは欧米が批判を強める中で、極東に友達がいたと国内世論に示せることか。日本にとってそれが良いのか悪いのかは議論が分かれる。


2016年12月15日(木曜日)

 (05:45)FOMCはFF金利の目標を0.25%ポイント引き上げ、ターゲットレンジを昨年12月に設定した0.25〜0.5%から、0.5〜0.75%にしました。それは予想通り。

 しかし声明を読んで最初に私が感じた事は、「(株価のある種陶酔状態を横目に)落ち着いた、抑制気味のものになっている」というものです。声明には陶酔感はない。当然ですが。今回はFOMC声明を見て強く反応したのはドルであり、株価は寧ろ利食いや金利の上昇を嫌気して下がっている。ドル・円はこの文章を書いている時点では116円台の後半から117円台。ダウは100ドル以上の下げ。

 今週月曜日の段階で、私のFOMC声明に対する予想は以下のようなものでした。このサイトに残っています。

 FOMC 声明で筆者がまず注目するのは、第一パラの景気認識だ。何よりも前回の 「unemployment rate is little changed in recent months」という表現は大きく変更さ れざるを得ない。なぜなら大きく下がったからだ。「business fixed investment has remained soft」という部分は変えられるのだろうか、などと考えている。この作業は結構 楽しい。FOMC が最近の石油価格の上昇をどう捉えるかも今後を予想するポイントだ。今ま では「partly reflecting earlier declines in energy prices and in prices of non-energy imports.」とインフレ率が上がってこない理由の一つにしていた。しかし OPEC の減産合意 以降、石油価格の上昇傾向が続いているし、この週末には OPEC とロシアなど非 OPEC 加盟国 の減産協調(合計日量180万バレル)も合意された。

 第二パラで一番注目されるのは「Near-term risks to the economic outlook appear roughly balanced.」の部分だ。ここで「バランスが崩れてきた」とのニュアンスに変わる のなら、ドル高には拍車がかかることになる。つまり「拡大とインフレ率上昇」の方に傾け ば、傾いた分だけ2017年の利上げ回数が増えるからだ。第三パラの冒頭は大きく書き換えられる。恐らくここで FOMC は「0.25%利上げした」と表記する。新しい FF 金利の レンジは0.5〜0.75%になった、と。0.75という数字を見ると、「これは金利だ」 という印象がする。次はゼロコンマの金利ではなく「1」という整数が登場するからだ。 多分これは、「アメリカは日本や欧州とは違う」という印象を与える。「アメリカには金利 がある」と。

 恐らく利上げは「全員一致」のそれになると思う。既に前回11月02日の FOMC で Esther L. George と Loretta J. Mester の二人は、0.5〜0.75%への利上げを主張していた。 FOMC にとっては一年ぶりの、そして過去10年で2回目の利上げだ。

 改めて前回声明と比較しながら読むと、FOMCの景気認識は明らかに改善している。前回「growth of economic activity has picked up from the modest pace seen in the first half of this year. Although the unemployment rate is little changed in recent months, job gains have been solid. 」となっていた部分は、今回「 economic activity has been expanding at a moderate pace since mid-year. Job gains have been solid in recent months and the unemployment rate has declined. 」となった。「has picked up」という完了形と、「expanding」という現在進行形とではニュアンスが全く違う。

 しかし次に続く「Household spending has been rising moderately but business fixed investment has remained soft.」と「business fixed investment has remained soft. Inflation has increased somewhat since earlier this year but is still below the Committee's 2 percent longer-run objective, partly reflecting earlier declines in energy prices and in prices of non-energy imports. 」は前回と全く同じ文章だ。アメリカ経済に問題は残っているというイメージをFOMCは残したかったのだと思う。読む人の高揚感はある程度ここで消える。その次のインフレに関する文章も同じだ。

 私が月曜日の段階で注目した第2パラの「 Near-term risks to the economic outlook appear roughly balanced. 」という表現もそのまま残った。第3パラグラフでは「利上げ」の部分以外では、当然11月に「 but decided, for the time being, to wait for some further evidence of continued progress toward its objectives.」となっていた部分は消えた。しかし第4、第5パラグラフはちらっと見た限り全く文章で変化なし。

 最後のパラでは予想通り「全員一致」での引き上げとなったいる。誰も反対しなかった。前回11月02日の FOMC で Esther L. George と Loretta J. Mester の二人が「据え置き決定に対して異議」を唱えた。今回は0.5%の利上げを主張した人はいなかった。

 声明の言葉として一番重要なのは恐らく第3パラ、つまり利上げを記した文章の頭に「In view of realized and expected labor market conditions and inflation」という部分と、新しいFF金利目標を記したあとの「The stance of monetary policy remains accommodative, thereby supporting some further strengthening in labor market conditions and a return to 2 percent inflation.」だろう。つまりこれは、「利上げしてもまだ緩和的」であり「それは雇用とインフレ率(2%)への接近を意味する」と。つまり接近のプロセスの中で「remains accommodative」な政策を徐々に戻すと言っている。「realized and expected」という「実現部分」と「予想部分」の案分は微妙だが、少なくともFRBは失業率に関しては「realized」が多いと思っているのではないか。

 ではどんなペースで。声明は「gradual adjustments in the stance of monetary policy」としか言っていないが、イエレン議長は声明発表後の記者会見や附属資料で3回と示唆した。これは従来の「2回」という予想より多いし、多分アメリカ経済がトランプ経済政策もあって加速すれば4回ということもあり得るという事だ。

 ニューヨークの株価がFOMCの声明発表後に上下はあっても前日引値を下回って推移し、引けは119ドルほど安くなったのは、「来年の利上げペースは速くなる」ということを投資家が再評価したものだと考えられる。当然今まで勢いよく上げてきて、14日も高値19966.43ドルまで行ったこともあって(つまり2万ドルに絡んだ)、一斉に利食いが出たということもある。

 逆にドルは急騰。日本時間の午前6時現在では117円20円前後。今気付いたがProjections Materialsを見ると、FRBの当局者はFF金利の推移を2016年末0.6%、2017年末 1.4%、2018年末 2.1%、2019年末 2.9%と、結構スティープな利上げが続くと見ていることが分かる。

 むろん予想だ。その間に経済危機が起きればFF金利の水準はどんとまた下がる。しかし今の予想ではアメリカの金利は短いところもこれだけ上がるとFRBは見ていることになる。その予想をベースに、では14日の引けで2.57%になっている米指標10年債の利回りが、例えば2017年末、さらには2018年末に何%になっているかを考えるのは結構スリリングだ

 なお米長期金利はFOMC声明発表後に大きく上昇した。これも株価の利食いを促したと思われる。レンジは低い所(声明発表前)が2.422%で、一番高い所は2.582%。ウォール・ストリート・ジャーナルによる引けは2.574%。チャートを見ると過去1年で一番高い。これで為替が117円台なのは理解できる。


2016年12月14日(水曜日)

 (20:45)改めて思ったのは、「別にクルマだけでは無い。世の中あれもこれも connected な世界に入ってきつつある」ゴープロよりはるかに綺麗ですでした。技術的に、です。それをどう使うかが人間と社会の知恵。

 午前11時から2時間以上、北の丸公園の科学技術館 で今日から明日15日まで開かれる「ELMO テクニカルソリューションフェア 2016 in 東京」を見て回りました。越智ちゃんに誘われて一緒に。

 ELMOさんは今まで仕事ではあまり縁のない会社でした。テレビの番組で取材したことも無い。以前は18ミリなどの映写機を作っていたそうですが、その後は業務用の器機が主で、Sonyのようにはあまりコンシューマー周りのものは作っていなかった。しかしそこら中に眼(カメラの)が出現する中で、今非常に身近な存在になりつつある。

 そもそもELMOとは「ELECTRICITY LIGHT MACHINE ORGANIZATION」の頭文字を取ったそうで、社員は300人、工場はタイにあるだけという規模的には小さな会社ですが、「面白い」と思いました。何が面白かったかと言って 360度の撮影

  1. 映像をクラウド収納する「監視・遠隔カメラ」
  2. ゴープロより遙かに画像鮮明な「超広角デジタルムービーカメラ」
  3. バインダーカメラ
  4. 業務用途向けボイスレコーダー
  5. サーマル・カメラ(実に良く見えました)
  6. 空中結合ディスプレー(空中に浮かぶ絵を押すと、それがキーボード代わりに)
 など。2番目の「超広角デジタルムービーカメラ」の中でも写真に掲げた四方カメラ結合のごつい奴は、例えばクルマの上に付けて映像を撮っても面白い、と思いました。だって運転手は結局前方140度くらいしか見えない。景色だって他の視点の方が良いモノがあるかも知れない。

映像は実に綺麗でした  デモではドローンに乗せて空中(千葉マリンスタジアム周辺)から撮った絵が覗き込みで見れましたが、これはリアルで面白かった。綺麗です。とっても。うーん、あれは面白いな。

 大部分の映像は直ぐに4Gなどの回線で飛ばされる。そしてクラウドに収納される。だから車載カメラ映像でも監視カメラ映像でも、後で検証が可能です。同社の今回のウリのワードは「CONNECTING MIND」です。進行形。まあそうですね。

 日本のメーカーの中でもトヨタなどが「connected car」を言い始めた。それは多分「connected 」に良い訳語が無いからです。それはドイツの自動車メーカーでも同じで、BMWなども「connected」と盛んに使う。分かり易いから良いでしょう。

 繋がるのは機能であり、人であり、社会であり、そして情報です。むろん良い面も悪い面もある。最近は家に置く暖房器具の中にスマホコントロールのものが出てきているそうな。つまり家に着く前に家の中を「暖」にしておくために。

 まだ入り口なんでしょうね。「connected 」な社会は。それを各人、各企業が、そしてそれぞれの社会がどう生かすか。おもしろいっちゃあ面白い。15日もやってます。地下鉄九段駅から遠くない。ご覧になって面白いと思います。


2016年12月14日(水曜日)

 (08:45)昨日の日経夕刊の2面にあった「歩きスマホ 万国共通」という記事は面白かったな。つい先日歩きスマホをやって向こうから歩いてきたコーカシアン系外国人とぶつかりそうになったので。

 記事では、子供を連れていながらスマホに気を取られていた母親から子供が離れ、子供が自動車事故に遭って死んだ中国の話。ドイツで死亡者が出た交通事故のうち一割が歩行者の「不適切な行動」が原因、と。そのかなりはスマホ歩きでしょう。

 日本でもスマホを見ながら横断歩道以外で道を横断しようとしている人がけっこういる。これは車を運転していると非常に危ない。日本では自転車も時にとんでもない行動をしますが、そこでもスマホが絡んでいるケースが多い。

 各国ともいろいろやっているらしい。オーストラリアでは「路面に赤信号」と。アメリカの大学では「スマホ専用レーン」があるという。逆にそのレーンではぶつかりが頻発しているのでは。

 あまりスマホに集中して歩いている人には近づかないようにしているのですが、「ウン」とかちょっと小声で言うとちらっと目をこちらに目を向けるケースが多い。しかしやはり歩きながらのスマホはほんの「ちら」にし、本格的に見るときには歩道の人の流れあら外れて利用するのが良いと思う。

 ところで、買ったWindows PCが送られてきたので、昨日の夜時間を見ながら使える状態にもっていきましたが、結構時間がかかったな。同OSのマシンの最初からの立ち上げはとにかく7〜8年ぶりなのでいろいろ忘れていることがあるし、やっぱりマシンとしてMacとは違う。キーバードからして。

 一番びっくりしたのは、Mac純正の外付けDVDディスクドライブをずっと使っていたのでそれで筆まめを入れようとしたら、ディスクが入らない。はねかえされるのです。以前はWindowsマシンでも使えたのに。多分Windows10になって相性が悪くなったのだと思う。Macでは今でも使えるので。

 なのでディスクの中味を記憶デバイスに入れてUSB化してソフトウエアを入れようと思ったら、今度はその記憶デバイスが一杯になったのかコンピューターに認識されなくなった。ついさっきまでMac、Windowsの両方で認識されていたのに。

 コンピューターが認識しなくなった記憶デバイスは初期化も出来ないし、どうしたものか。結局処分するしか無いんでしょうか ? ま、ユーザー辞書も入れたので、一応は使えるようになりましたが、Macに比べてWindowsはアタックも多い。ウイルス対策をしっかりやらないと。

 どのソフトウエアも両方で使えるようにして欲しいな。までも、いろいろやっていると思い出すこと、それに新たな気付きも多い。それが慰みか。


2016年12月12日(月曜日)

 (22:45)実物を見て、「でっかい」と思いました。実に素朴な感じ。使うとどうなんだろう。

 モノは「アレッポの石鹸」です。毎日ニュースでその悲惨な戦いが報じられているアレッポ。でもどこで買ったと思います。日本のナチュラル・ローソンです。

分厚く、大きい   「アレッポの石鹸」の話は、何人かの人から聞いていました。とっても良いと。とにかく肌に優しいと。この色を見るとそうとも思えない面もあるのですが、実際に日本の代表的コンビニの店頭に置いてある。それだけ良さが知られているのでしょう。業界でも。だから多分良いのだと思う。

 でも全てのナチュラル・ローソンにあるわけではない。私も探し始めてから結構時間がかかった。今夜やっと見付けた次第。使ってみてまた報告します。


2016年12月11日(日曜日)

 (19:45)2日ほど東京を留守にしていて見れていなかったNHKスペシャルの「ボブ・ディラン」を帰ってきて見ました。2回も。もう数回見るかも知れないな。

 知らないことも一杯あったし、とにかく貴重な映像が一杯。街の看板を見ながらあれほど生き生きと言葉を吐き出し、陽気に振る舞って体を動かしているディランがいたんだ。代読されたノーベル賞授賞式でのディランの言葉はスウェーデン王立科学アカデミーのこのサイトにありますが、良い文章です。これも2回読みました。

 この文章を読むとノーベル賞を与えてくれた同王立科学アカデミーに本当に彼は感謝しているし、予想外だったことが分かる。「知らせを聞いて数分考えたと」。傲慢などという批判は的外れだった。

 シェークスピアを直ぐに思い浮かべているのが面白い。確かに彼は劇作家が本業で、頭を使っていたのはそちらでしょう。彼も日常の平凡なあれこれで手一杯だって、「月に立っているようだ」と。とっても真摯な文章です。

 でもこの文章を読むと、彼が授賞式に行かなかったのには別の理由(最初のそれは「先約がある」だった)もあると思う。この彼が書いた文章には「But there's one thing I must say. As a performer I've played for 50,000 people and I've played for 50 people and I can tell you that it is harder to play for 50 people. 50,000 people have a singular persona, not so with 50. Each person has an individual, separate identity, a world unto themselves. 」とある。そりゃそうだ。それに加えての「公共の場に出ない」という彼の哲学。

  この文章で彼が小さい頃に親しんだ作家の名前が出てくる。「Kipling、 Shaw、 Thomas Mann、 Pearl Buck、 Albert Camus、 Hemingway」と。「小さい頃から本に親しみ....」と。当然ですが、文学少年だったんだ。しかもとっても感受性の強い。

 NHKの特番の中で一番迫力があるのは、デビューから3年。ギターをエレキに切り替えて曲想を変えたディランに対して、演奏会場の観客が「ユダ!(裏切り者)」と叫ぶ。それに対してディランが、「俺はお前らを信じない」「おまえらは嘘つきだ」と言い返す。「もっと音を上げようぜ」とバンドの連中に声を掛けて。歌ったのは「Like a rolling stone」でした。

 アル・クーパーという人のインタビューは面白かったな。ディランはとっても「詩の作成」に時間を掛ける。いつまでも書き換える。だからレコーディングの時は「詩待ち」になって、周囲の人間はその間はテレビを見たりピンポンをして時間を過ごしたと。

 2001年の9.11から約2ヶ月後の11.19日にディランがマジソン・スクエア・ガーデンでやったコンサートの映像は衝撃的です。初めて見た。「俺の音楽はニューヨーク生まれだ」と観客隠し撮りの映像が伝える。「輝く光を待とう」と。この部分はニューヨークに対する彼の愛情が感じられる。珍しく「自分」を出した瞬間か。「今でもこの街でレコーディングをしているんだ....」と。

 それにしても、彼は日常どうやって移動し、どうやっていろいろな活動をしているのか。だってあれだけ顔が知れた人なら、どこにいたって見掛けられてしまうのではないかと思うのですが。

 でもこのマジソン・スクエア・ガーデンでの2001年11月19日のコンサートの模様は全部見たいな。「風に吹かれて」の一部だけでは物足りない。それにしても歌い方の変え方の激しいこと ! どうとも歌えるんだな、と思う。それがまた絵になる。

 あとあのディラン資料館も面白そうだ。彼が自宅にある舞台衣装を含めて、作詞に使ったあらゆるノート類を自宅から持ち出してこの資料館に出していると言うことは、何か(多分自分の死)に備えているとも思える。この資料館も見たい。むろん、特別には見せて貰えないんでしょうが。

 ボブ・ディランのオフィシャル・サイトを見たら2017年は5月にツアーが組まれている。13日発売だそうです。行きます ?

 それからもう一つたまっていたビデオを見ました。アナザー・ストーリーで「そして田中角栄は首相になった」かな。これも面白かった。そもそも田中の金は理化学研究所のカネだった、というところがミソ。


2016年12月09日(金曜日)

 (14:45)「これは結構トップを維持できるかも知れないな....」と実際に乗ってみて思いました。「いいとこ取り」が出来ている。

 番組と番組の間に時間がちょっと出来たので、「そうだ、新しいノートのe-powerを試してみよう。もうそろそろ販売店にも来ているだろう」と思って、九段の日産自動車販売に電話したのです。

はっきりとロゴが  「乗れますか ?」と聞いたら「ハイ」ということなので、行って話を聞くと同時に、実際に皇居を一周走ってみた。良い感じでしたね。回生ブレーキがよく効くので、ブレーキはほとんど使わない。

 エンジンがあるので音はするし、加速するときに小型車特有の震えるような振動はする。しかし基本的にはそれは電気を発生する部分で、稼働は電気モーターですから、電気自動車特有のダッシュが凄く効く。乗り心地よし、です。回生ブレーキの効き具合も良い。

選択可  思ったのは「街乗りに良いのではないか」、ということ。もっともこのクルマのガソリンタンクを一杯にすると1000キロも走れるという。それはディーゼルの大型SUVに等しい。だからむろん遠出も出来る。

 でもちょっとスタイルがなあ。あのたれ目たれ尻的な。ちょっとスタイルを従来のノートから変更すれば良かったのに、そのまま。後ろと横に「e-power」のロゴ、前に水色のライナーがあるだけ。知らない人はこれは「e-power」だとは気がつかない。

 バックミラーも従来型と映像型を選べるし、値段は結構なオプションを付けて267なにがしだった。ハダカだと220程度とか。ナイストライではないでしょうか。一緒に皇居一周してくれた日産の人が、「うちがまさか、それもノートが一位になるとは」と。

希望 スタイル改善  ノートが年間販売台数一位になった一つの要因はこの「e-power」にあるらしい。「ほんとうにうちのクルマが一番になるのは久しぶりなんですよ」と彼も嬉しそう。「いいとこ取り」と書いたのは、「充電に時間を取られない」「従来のGSが使える」の2点です。すごく便利。

 いろいろなクルマが出てくるのは良いこと。消費者が用途に応じて選べる。ちょっと納得出来るクルマでした。


2016年12月09日(金曜日)

 (05:45)うーん、いくら考えてもようわからんのです。非論理的な動きのような気がする。韓国の今日午後の朴槿恵弾劾の動きです。

 だって弾劾のあとは最高裁の審議が待っていて、9人のうち6人が「弾劾に相当する」と判断しなければ朴槿恵大統領は職務復帰する。そのプロセスは長いし、最高裁の判断がどう出るかも分からない。朴さんが選んだ人も多いので。

 なので、朴さんを確実に政権の座から早期に引きずり下ろしたいのなら、セヌリ党が主張する「4月退陣、6月総選挙」が時期的に妥当かどうかは別として、与野党で合意すれば良い筈です。しかし野党は与党と話しもせずに「弾劾、弾劾」と叫ぶ。自ら朴槿恵生き残りの道を残しているように動いているとも思える。

 そもそもなぜ弾劾するのか、という点については、「大統領が自らの権限を少なくともチェ・スンシルに使わせることによって、財閥各社に70億円の資金を出させ、市場経済を乱した」からだそうだ。今朝のNHKはそう報じていた。

 しかし客観的に考えて「朴槿恵の法的犯罪」が確定していない現状で、「市場経済を乱した」という理由も、「それ?」と思う。罪を問うのなら裁判所の判断を待つ方が当然であると私は思うし、「70億円で市場経済が乱れた」というのもどうだろう。

 結局今思っているのは、「韓国の野党も、その背中を押している世論も、要するに”弾劾した”という事実が欲しいのだな」という点。朴槿恵の生き残り、任期満了の可能性を残すという意味では非論理的だが、「そうなんじゃないか」と思う。だから世論も、野党も、そしてそれに押されたセヌリ党の一部も「弾劾」に突き進む。

 よく報道されている通り、与党のセヌリ党から28人が賛成に回らないと弾劾案は可決されない。そこは実は微妙だ。決議案に空白の7時間に関することが理由として挙がっているからだ。そこまで弾劾の理由を広げるのにはセヌリ党の反朴派の中には抵抗感がある人がいそうだ。投票は無記名だから、もしかしたら「フタを開けたら三分の二に届かず否決」というケースもあり得る。

 そしたら野党議員は全員が議員辞職するらしい。そしたら総選挙でしょう。国会が。大統領は残り、議員達が辞める。それって逆じゃないと思う。まあいろいろ分からない事が多いのです。

 しかし確実に「そうなる」と言えるのは、朴槿恵大統領は再来年の2月、つまり1年と3ヶ月後にはその座から降り、韓国には新しい大統領が誕生する。その人が誰で、どんな政策をとるかの方が韓国にとっても、周囲の国にとっても重要だ、という点。

 朴槿恵は私にとってはもう過去の人であって、その命運にはあまり関心がない。そのあまり関心のない人に関して「弾劾だ」とか騒いでいるのが不思議なのです。もちろん韓国の人達の怒り、憤りは分かる。特にチェ・スンシルの娘の件、高校、大学と権力を利用して学歴を上げたことは「ふざけんじゃない」と思っている筈だ。

 今の韓国の混乱は「次の韓国」に繋がるのか。うーん、それが分からん。困ったものだ。


2016年12月08日(木曜日)

 (10:45)おお、これか表参道から青3の方向に長くなにせ朝の8時前から行列が出来ていて、このサイトによれば「開店は正午」というのだから尋常ではない(よく待てるな...)。私が9時前後に再び通りかかったら、行列は表参道の交差点から「青3」に向かって勢いよく伸びていた。

 非常に特徴的なのは、行列している人の半分以上は非日本人のように見えること。言葉もそうで、それを小耳に聞けば、中国、韓国、タイ等々。むろん日本人もいますが、感じとしては「少数」。なのに警告看板は日本語のみ。笑える。

 よく見ると数世代前のiPhoneの発売時に似ている。つまり「転売目的のアルバイトか....」という人も多い。つまりここの商品はそれぞれの母国ではより高く売れる...ということになる。一日だけの店

 しかしちょっと店の人と会話したなかで、「触らして...」と触ったら、それほど「触っただけで直ぐに凄いと分かる」という代物ではない。最後の写真の男の子が着ているパーカーです。ちょっと薄め。着てはいないので分からないが、それほど特徴があるようには見えなかった。

日本語のみの警告  しかしお値段は19000円と。それにこの凄い列。人気はあるんだ。最初の文章に戻ると、「ロスと東京で一日だけ路面店で売る....」となっている。「一日だけ」ね。そこがミソ ? 

 じゃ普段はどこで売っているかというとネットのみ、と最初に紹介したサイトは言う。ネット経由だけで人気が出るアパレル。ある意味面白い。

 最近は伊勢丹などのアパレルが強いデパートまでも、「やや不振」らしい。もしかしたら本当に「売れるものはネットで生まれる.....」という状況が生じているのかも知れない。としたら、国境なきネット。そもそも国境の壁が外されていることになる。

矛盾的な名前だな  面白いから、昼頃ちょっと見に行ってくるか。抽選らしいので、チャンスがあったら。ははは。


2016年12月07日(水曜日)

 (20:45)ところで、昨日は一つ嬉しいニュースが。このような5段階の手続きを経て、フランス外務省関連の機関が世界のレストランランキング(Best 1000)を発表。おそらく二回目。

 このリストは去年から作成されているようで、英国の業界誌レストラン・マガジンが選ぶ「世界のベストレストラン50」に対抗し、フランス外務省が観光客誘致も狙って格付けに乗りだした。

 全リストはここにあって、国別でも都市別でも調べられるのですが、日本は世界トップ10に3店舗入っている。ジョエル・ロブションを「日本のレストラン」と言えるのかどうかは別にして。

 フランスが作っているリストなので、さすがにフランスは上位に多い。しかしその他の国の中では日本は数が多いし、ベスト1000に入っているレストラン数はどうやら世界で一番多いという。知っているレストラン、和食屋さんも結構ある。ということは、日本はフランスと並ぶ「世界一のグルメ国」ということか。

 ミシュランなどの星は全く信用していない私ですが、このフランスの外務省のランキングの方法はアルゴリズム的に世界のレストランを客の評価まで含めて数値化しており、よりまともな印象がする。

 ミシュランなんてそれほど数が多いとも思えない、また味もよく分からないだろう調査員を二回ほど各店に行かせ、「去年と何が違うか」を聞いて、それで身勝手に星を付けている。その酷さは業界の方からよく聞いていた。

 レストランの味の評価方法は多種多様。いろいろな問題があるし、最後はその人その人の評価です。しかし私の印象では、ミシュラン・ガイドなどよりはこのリストの方が「ましかな」と思う。このリストの上位に入っているレストランでも、ミシュランのランキングには全く登場しない店もある。断っているので。

 このリストに入ったお店の方々には、「おめでとうさん」と申し上げたい。ミシュランの星ほど騒がれないが、それより遙かに価値があると思う。


2016年12月07日(水曜日)

 (18:45)実に実に久しぶりにWindows PCを新たなに買いました。補完的PC(オフィスなどを入れない)として、ちょっと安いやつを。

 理由は二つ。今まで使っていたWindows PCが既に容量的に全くワークしないまでに古くなったこと。耐えられないほど遅くなってしまった。機敏にワークしないのです。加えてWindows マシンでしか動かないソフトウエアが二つあって、それは今後も機能させたい。

 有楽町を通りかかったのでBIGで買ったのですが、「my sony」で調べてもらったら、私が最後にWindows PCを買ったのは2009年だった。つまり7年も前。その間はWindows PCを買っていなかった。買って使っていたのはMac ProとかAirだった。

 二つのソフトが私のPCの完全Apple化を拒んでいる。それは「秀丸」と「筆まめ」です。この二つはAppleのマシンでは機能しない。どうしてもこの二つのソフトが時として必要になるのです。秀丸はテキストエディタとして、筆まめは長く使っている住所録として。

 買ったのはVAIO のOWNER-MADEなので直ぐには家に持って来れませんでしたが、スマホと同様にクローンは作らない方針。最初からコンフィグするので楽しみ。オフィスは入れません。「10」のあとWindows がどう進化するか知れませんが、この新たなマシンがあれば、あと数回のOS変更にも耐えられそう。

 今日はIT関連の出来事が多い日で、BIG に寄る前に銀座のアップルストアに。「PC⇔スマホ⇔Apple ウォッチ」の同期が時に遅れる問題について、「なんとかならないか」という相談に。特に「スマホ→Watch」のカレンダー情報の送信が遅れる。特に一台のスマホ(iPhone)に二台のwatchをぶら下げているケースで。

 私が欲しかったのは、iPhoneのスケジューラーを変更したときに、強制的にwatchのカレンダー情報を変える仕組みです。もしかしたらそれがあるかと思って相談に。しかしないそうです。時間の経過の中で変わるのを待つしか無いらしい。今は。

 しかしwatchを first look のメインデバイスとして使っている身としては、それは「ほぼ瞬時」でなければならない。ところが実際にはしばしば大きく遅れる。だから「強制情報書き換え機能」が欲しい。

 一つ方法があります。それは siri を使ってwatchからスケジューラーに書き込むことです。予定を。それは瞬時にiPhoneのスケジューラーに書き込まれる。いろいろやってみたが、この方法が一番瞬時で、期待度が高い。

 しかし毎回Siriを使うのはどうかと。いろいろ使っていると、いろいろ問題があります。


2016年12月06日(火曜日)

 (18:45)うーん、今ようやく青3の事故のビデオをまじまじと見ましたが、突然事故に巻き込まれた方々には本当にお気の毒です。通りかかっただけなのに。その一方で、「ちょっと油断すると事故が起こる場所だな」と改めて思いました。

 千駄ヶ谷駅横を通過する外苑西通りは、246とクロスするときは下り坂です。西麻布に向かって。3車線なんですが、一車線ずつ方向が決まっている。一番左の車線は左折のみ(溜池方向)、真ん中が直進のみ(西麻布方向)、そして右車線が右折のみ(表参道駅方向)。

 あの交差点でしばしば問題なのは、左折車と右折車が詰まっているとき。直進用の中央車線は実は非常に狭い。左右にバストかトラックがいる場合は特に。しかしその狭いところを下り坂ということもあって直進車がかなりスピードを出して通過する。いつも危ないな、と思っていました。

 今回の事故の背景については、まだいろいろな説があるらしい。タクシーの運転手の心筋梗塞という説(事故直後の説かな)も見たし、客を降ろしたタクシーが右の直進車線、さらには右折車線に移ろうとしたときに、下り坂を下ってきた直進車とぶつかって、タクシーは左の歩道に飛ばされた、という説もあるらしい。

 もしそうだとしたら、その時は交差点は外苑西通り方向が緑で、直進車線の車は下り坂もあって中央車線をかなりのスピードで走ってきたとも推定できる。タクシーも急いで右車線に移ろうとしたのではないか。

 タクシーはどういう状況・判断で右折車線に行こうとしたのか。余裕はあったのか。それは多分カメラに写っている。あの辺はカメラが多い。目撃者もいっぱいいるようだ。これからの検証でしょう。

 それまでは原因は特定出来ないが、この件と関係なく私がいつも経験している都内の交通状況から一つ思っているのは、「けっこう無理な運転をしているタクシーが多い」ということ。もうちょっとプロらしい運転をしてくれても良いのではないか、と思うことも。

 それにしてもタクシーのみならず、車の性能が上がったことによって都内でもスピードを出して走る車がある。今の車は直ぐに加速しますから。しかしその一方で、多分高齢化の影響か常にゆっくり走る車も増えている。つまり「都内の通行状況も二極化している」と思う。

 それにしてもややこしい時代だ。歩道を歩いていても病院のロビーにいても突然車が突入してくる危険性がある。最近の事故例はそう言っている。気を付けきれない面もありますよね。分かっていても。


2016年12月06日(火曜日)

 (05:45)最初に思ったのは、「ちょっと寄って集ってもかなわないかな」というのと、「抜群のタイミング」ということでした。安倍首相のハワイ訪問、オバマ大統領との首脳会談、死者を悼む献花です。

 多分ずっと「オバマ大統領がハワイに滞在するのはいつか」ということを官邸周りや外務省が気にして調べていたんでしょうね。オバマ大統領はあと一ヶ月余で退任する。今年5月に広島に来た同大統領への事実上の返礼としても、今年中の訪問が好ましかった。それが暮れも押し迫った、1年が終わろうとする12月の26、27日に実現する。それで新年を迎えるわけです。

 重要なのはロシアのプーチン大統領を12月中旬に日本に招いて首脳会談をしてから10日もしないうちにオバマ大統領と会談する、共に献花するということです。しかも75年前に日本による真珠湾攻撃があったハワイで。バランスが良く取れている。

 これは日本の過去の首相ではなかなか真似が出来なかったことだと思う。プーチン・ロシア大統領や習近平・中国国家主席へのメッセージにもなる。また当然、トランプ次期米大統領へのメッセージにもなる。「一歩前へ」という。

 ハワイでは当然、日米間の歴史にのこったしこりを解す努力を、献花以外でも前に進めることが出来るのだと思う。多分アメリカ側の出席者も多いだろう。良い事だし歓迎です。

 「地球儀を俯瞰する外交」が安倍さんの一つのウリですが、それが今年の12月に大きな成果を生む形だ。これで中国の李克強首相が来日すれば、それは日本の歴史においても過去にあまり例のない事だと思う。一ヶ月の間に米露中のトップとの首相による首脳会談外交。

 時間がないのであまり長くは書けないのですが、今でも日本の政界にはドメ感覚の人が多いが、ちょっと抜けちゃったかなという感じ。また支持率が上がるでしょう。対抗できる野党のトップはちょっと見当たらない。

 安倍さんには「解釈改憲」など容認できないこともあるが、この外交感覚は非常に優れていると思う。


2016年12月05日(月曜日)

 (08:45)今朝はニュースが多いな....。松山が追い上げられたものの出場試合連続優勝を続けたし、畑岡選手が米ツアー出場権を獲得したり。フランスでは商店の日曜営業(通常は禁止)が開始されたり。

 注目されたイタリアの国民投票は、正式な結果発表が昼頃と聞いていたのですが、日本時間の午前8時過ぎにレンツィ首相が記者会見して、「負けました。今日で首相を辞めます」と言ってしまった

 外国為替市場を見ると午前8時40分頃にドル・円は113円台の前半でやや円高レベル。対してユーロ・円は119円の半ば。確か先週末は121円台があったので、こちらはクリアな円高・ユーロ安。株式市場はまだ開いていない。

 レンツィの敗北はほぼ予想通り。珍しく2週間も前の世論調査が当たった。オーストリアの大統領選挙では予想が外れて親EU派のファンデアベレン候補(72)が勝利したので、「世論調査は何連敗するんだ」と思っていたが、それらは僅差勝負。しかしレンツィはかなり明確に負けたようで、41対59程度の差があったらしい。

 やや円高になっていますが、そのまま外国為替市場が大きな変動に見舞われるのかどうかは不明だ。為替の動きを子細に見ると、レンツィ敗北報道の直後には112円台もあったようだが、その後は円が再び安くなる傾向が見える。

 これは一つには、「予想されたことが起きている」面がある。レンツィ首相は事前に「負けたら首相を辞任する」と公言しており、「その可能性が高い」と見られていた。なのでマーケットでは「織り込み済み」と受け取られる可能性が高い。マーケットが一番嫌がるのは「予想外なこと」です。

 むろん「事は重大な」との見方もあり、今後のイタリア政局の混乱予想からマーケットがしばらくの間は激しく反応するのではないか、との見方もある。この点に関連して、週末にフォレックス各社は顧客に相場の急変動を警告したくらいだ。しかし今は平静だ。

 多分レンツィ首相はやや軽率だった。国民に真剣さを訴えたかったのか「負けたら首相を辞める」とまで言ってしまった。国民投票はもともと議会上院の権限を縮小し、原則として下院の承認だけで政策を進められるように憲法改正することの是非を問うもの。

 彼の言いたいことは分かる。イタリアは戦後の70年の間に政権が60回も変わった。それは議会の上院と下院に同様の権限が与えられているからで、それを変えなければイタリアの政治は安定しないという考え方。

 しかしそれを見てグリッロ党首率いる極右の五つ星運動など全野党が、「この国民投票を信任投票にしてしまえ」という形で選挙戦を展開した。レンツィ首相は孤軍奮闘状態だった。全野党が、政府の権限強化を狙ったものだとして強く反対したのだ。

 もっとも、レンツィが負けから直ぐにイタリアが政治的大混乱に陥るとは言えない。なぜなら一旦レンツィが辞めても、セルジョ・マッタレッラ大統領からもう一度「組閣を試みてくれ」と言われる可能性があるし、他のレンツィ内閣の閣僚などに大統領は組閣を依頼すると思われている。今回の国民投票では議会の勢力図は変わらないからだ。

 今後の懸念される事態としては、大統領による新たな組閣の試みが何回やってもうまくいかない場合。2018年に予定されている総選挙の前倒しが決まり、そこには例えば「五つ星運動」のような極右・反EU政党が政権を取る可能性がある。

 ユーロに不参加だったイギリスのEU離脱でもあれだけのマーケットの混乱があったのだから、もし仮にユーロ参加国のイタリアのEU離脱といった事態になれば確かに大事だ。しかし今回の国民投票結果でそこまで予想するのは時期尚早かも知れない

 なぜならレンツィの憲法改正案に対しては「ノー」を言っても、イタリア国民は「EU離脱」の主張には多くの人が耳を貸さないかも知れないからだ。ましてや「ユーロ離脱」になれば抵抗は強いと思われる。今イタリアで使われている全貨幣はユーロだ。またあの弱いリラを欲しいと思う人は少ないだろう。

 イギリスよりははるかにイタリアはEUとの関わりが深いし、「我々は欧州の一部」と考えている筈だ。

 オーストリアの大統領選挙結果は一つのヒントになる。イタリアが今回の国民投票結果で直ぐに欧州全体を揺らす....と考えるのは無理がある。心配なのはイタリアの弱い銀行組織だが、ECBがしっかり監視するとも思える。これは希望的観測だが。


2016年12月05日(月曜日)

 (05:45)イタリアの憲法改正(議会制度の改革)を巡る国民投票の結果が分かるのは日本時間の5日昼頃だそうですが、オーストリアの大統領選挙の結果は日本時間の早朝に判明。予想を覆してリベラル・緑の党のファンデアベレン候補(72)が勝利しました。

 優勢と伝えられていた対立候補の極右・自由党のホーファー候補(45)は4日夕に自身のFBに「皆さんが支持してくれたのに、それがうまくいかず非常に残念。ファンデアベレン氏の勝利を祝福する」と敗北を認めたそうな。

 オーストリアの大統領選挙は今年5月の選挙のやり直し選挙。同じ2人の候補者が5月の大統領決選投票(上位2者による)で大接戦となり、ファンデアベレン氏がわずか0・7ポイントの差で勝ったと当初判定された。

 しかし開票作業に不正行為が見つかって今回選挙がやり直しになった経緯があった。事前の世論調査などでは、EUが進める統合深化に反発し、難民の受け入れ制限などを掲げたホーファー氏が優勢ではないか、欧州で初の極右出身の大統領が出現するのではないか、との見方が欧米メディアでは強かった。アメリカで見られたトランプ現象の再現を予想する向きもあった。

 しかしフタを開けてみれば、またまた事前の大方の予想を覆す結果。トランプ現象には「作用と反作用があるだろう」との見方は強かった。今回の結果を見ると、「ああなってはいけない」というトランプ現象の反作用が出た可能性がある。

 しかしそれ以上に、オーストリア国民がホーファー候補の掲げる政策や候補そのものに信頼を置かなかったとも考えられる。前回のフランスの選挙では第一回投票ではルペン氏率いる右派勢力が勢力を伸ばしたが、決戦投票では右派の勢力の伸びがむしろ抑制された経緯もある。

 詳しい投票パターンを解析しないと分からないが、「欧州の有権者は一度は現状と現政権にノーを突きつけるが、二度目は考え直して余りにも右に偏った勢力の台頭に懸念を強める判断を下す」傾向があるとも考えられる。

 今回のオーストリアの大統領選挙でも、いったんはオーストリア国民は世論調査に出るような形でホーファー氏に傾いたが、イギリスの欧州離脱の結果やアメリカの大統領選挙結果をよくよく見て、「やはり親EUでいこう」と考えた可能性がある。いずれにせよ両候補の票差は非常に小さいと見られる。

 つまり非常に僅かな民意の揺れで、結果が左右されている。「選挙における事前の予想の難しさ」が今回も浮き彫りになったと言える。


2016年12月04日(日曜日)

 (23:45)これから数時間後に結果が分かる欧州での二つの選挙は、今後の欧州の行方にやはり大きな影響を与えるんだと思う。作用、反作用の両方で。選挙を行うのはイタリアとオーストリア。イタリアは国民投票、オーストリアは大統領選挙。

 もう世論調査をあまり信用しないことにしているのですが、イタリアの国民投票では議会制度改革を進めているレンツィ首相が負けを喫し、オーストリアの大統領選挙では極右政党出身のホーファー氏が勝ちそうな雰囲気。ともにEUの将来にとっては危険状態発生です。

 レンツィ・イタリア首相には戦略ミスがあるように思う。国民に真剣さを訴えたかったのかも知れないが、「負けたら辞める」と言ってしまった。それを見て全野党が「じゃ、この国民投票を信任投票にしてしまえ」という形で選挙戦を展開し、レンツィ首相は孤軍奮闘。

 もっとも直ぐにイタリアが政治的段混乱になるとは言えない。なぜなら一旦レンツィは辞めても、大統領からもう一度「組閣を試みてくれ」と言われる可能性があるし、他の候補者にも大統領は組閣を頼むかも知れない。

 可能性があるのは、そうした新たな組閣の試みがうまくいかない場合に、総選挙の前倒しが決まり、そこで例えば「五ツ星運動」のような極右・反EU政党が政権を取る可能性がある、という点。しかしFX各社がこの週末に警告しているように、為替相場などが大きく動く可能性がある。

 オーストリアも問題です。ホーファーが当選すれば戦後の欧州で初めて「極右出身の大統領」が誕生する。敵を設定してそれにノーを突きつけるポピュリズムの動きには「その先」がないのが特徴だが、それが気づかれにくい。そこが問題で、この問題は日曜日の夜の「いま世界は」でも議論になりました。今後この問題は、日本の我々にとっても悩ましい問題となりそうです。

 この番組に関連するのですが、前回私が番組でやった「OPECに関する考察」のコーナーは、コーナー視聴率も良く、多くの方に見ていただいたようです。TKS。


2016年12月03日(土曜日)

 (22:45)うーん、「行動が予測できない大統領」というよりも、どうやら「思い付きで行動する大統領」になる気がするな。「思考の枠組み」とか「遠大な理想」とかいうものはなくて。

 トランプ次期アメリカ大統領のことです。キアリア(ユナイテッド・テクノロジー社の空調個子会社)に対する露骨なプレッシャーもそうだし、台湾の蔡英文総統との電話会談もそう。

 普通、今までのアメリカの政策を引き継ぐ、継続性に配慮する大統領であったらする筈の無いことです。良い悪いの問題は別にして。そういう枠破りなところが彼を大統領に押し上げたのだと思うが、今後を考えると色々な軋轢が生まれるような気がする。

 蔡英文総統との電話会談について中国が何を言うかと思ったら、「台湾側の小細工」(王毅外相)と軽く一蹴、加えて、「米政府が長年堅持してきた"一つの中国"政策を変えることはできない」と述べたそうな。

 珍しく温和しい、大人の反応。トランプのすることに一々鋭く反応していたら今後もたない、と中国も控えめな反応を示したのだと思う。その意味では賢明だ。実際の所、トランプという人は今後も、つまり大統領になっても「思いもよらないこと」を行い、そして夜中に思いもしないことをツイートするだろう。

 何をするか分からない、どう反応するか分からない人に対して、つい周りの人が忖度してしまうものだ。それが怖い。例えばキアリアと同じように「工場の海外移転」を計画している企業があるとして、「二の舞」を恐れて真っ当な決断を下さないかも知れない。

 そもそもアメリカの製造業の職が減っているのは海外流出というより、むしろ様々な生産性を上げる米企業のシステムの導入・変更などが主因である事をトランプが知らない可能性もある。

 失業率が4.6%に下がったアメリカで、それでもなお従業員を集めようとしたら、むしろコストは大幅に上がってしまう。それは企業減税をしても同じ事です。完全雇用に近いと言うことはそういうことです。

 ということは、今後時間の経過とともにトランプ政権の政策は各所でいろいろな行き違いを生み出すことになる。軋轢よりも政策自体の矛盾してくることが懸念される。その時は「敵」をどこに見いだすのか。それは心配かな。


2016年12月01日(木曜日)

 (23:45)築地ついでに言うと、最近「築地ワンダーランド」という映画を見ました。築地の良いところばかりを並べた映画ではあるが、見る価値はあったし、面白い映画だった。「ああ、そうなっているのか」と。

 何よりも知っている人が何人も出てくる。寿司屋の親父とか、和食屋の若いご主人など。築地の心意気が伝わってくる映画だが、築地というのは要するに「繋がりがもたらす信用と、目利きの情報が全て」というメッセージは「そうだろうな」と思いました。

 ここ数年言われていたのは、「築地を経由せずに漁港、漁船から魚を取り寄せていスーパー、大口需要家などが増えている」という見方。しかし良く考えてみると、やはり「目利き」を通さない魚はいろいろ問題があるのだと思う。

 魚を特定の漁港、特定の漁船に絞るのも、考えれば危険です。その点築地に出荷する漁港と漁船は実に多様で世界に広がっている。そういう意味では確かに「築地経由」の方が「質」と「量」が揃うのかも知れない、と思った次第。つまり「目利きの目」と「魚情報の限りない交錯」が築地の命だと。

 多分この映画は、築地マーケットへのレクイエムとして作られたのだと思う。しかし予想に反して築地は動かず。昨日も取り上げた「築地魚河岸」が今の築地の地での賑わいを伝承すると期待されているが、今の予定だと「豊洲」がいずれ魚と青果の新しいマーケットになる。

 豊洲がどんな新しい文化を育てるのか。ちょっと時間がかかるんでしょうが。



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