2016年01月30日(土曜日)

 (15:02) 

「閑さや岩にしみ入蝉の声」

 なんですが、その句が芭蕉によって詠まれた冬のその寺を参拝制覇するのは結構大変でした。だって全面登り階段なんですが、雪で段差があるようでないようで。ところどころただの傾斜。滑ること限りない。二回滑った。危ない。下りがまた危ない。雪道の下り。

寺の入り口  蔵王でスキーをしている連中を残して、私は一足早く出て山形駅へ。そこから仙山線に乗って3駅。来ました来ました。ずっとこの辺に来る度に「一度は」と思っていた「宝珠山立石寺」に。

 知ってますよ.....上の句が詠まれたのは夏からせいぜい秋にかけてだと。しかし「冬の山寺もいいだろう」というのが私の読み。そりゃ滑るだろう。人も少ないだろ。「それがええじゃない」というわけ。雪をいただいた山と、雪に埋もれる静かな寺。

チベットを思い出しました  予想通り、良いお寺、良い景色、そして良い経験でした。登りながらチベットやブータンの山寺を思い出し、一方で比叡山の延暦寺を思っていた。だって繋がりがありますよ。全部。仏教が結ぶ縁です。お寺になにげなくかかっている旗のようなものまで「あ、ブータンで見た」というようなものが。

 108段を上ったところに本堂や根本中堂があって。でもそこからが山寺らしさ。階段は最初数えていたのですが、分からない。でサイトで調べたら1070段と。そうかな。でもね、冬の大雪の後なので所々手すりは付いているが、それに沿って歩くと段が消えているので逆に危ない。つるんつるん。結構大変でした。滑る人数知れず。

 で私は独自の方法を編み出しました。「かに歩き。かつかかとを一度雪に刺す。そして上がる。そして下がる。」これは有効でした。雪で踏み固められているので、雪の傾斜をこわごわ歩くと逆に危ない。がしゃっとかかとを踏み込んで雪に刺す。それで動くのが良いと。他の人にも教えました。

直ぐ比叡山延暦寺を思い出しました  それはさておき、芭蕉が句を詠んだといわれるその地は、「岩」というか巨大な岩の壁、絶壁もあるような急峻な場所です。百丈岩というような大きな岩もあるし、それよりも小さいが岩だらけの山です。そこに修行のお寺をいくつも作った。

 江戸時代にはもっともっと多くの院があったそうです。うーん、夏は涼しそうだな。しかしどう考えても芭蕉が「閑さや」と詠んだ気持ちが分かる。静かな心静まる場所です。昨日の黒田バズーカとその後の喧噪も全て忘れました。ははは。

そのものの名前が面白い  それにしてもここに寺を作った人は偉い。寺があったから芭蕉が句を詠めたのだし、修行僧が集まったり芭蕉の句の場所を一目見たいから人々が集まり、そして旅館やお店が出来て、なので「山寺駅」も作られた。仙山線の「快速」も止まります。

 冬の東北は今まではもっぱら温泉と雪でしたが、レパートリーに「山寺」も加わりました。ナイス。うーん、多分足は壊していない。随分雪に刺しましたが。多分走れる。


2016年01月29日(金曜日)

 (15:02)まだ黒田さんの記者会見までは相当時間がありますが、後場寄り前後に発表された日銀決定(マイナス金利付き質的・量的金融緩和策)に対する私の全体的印象を書くと、「そして、黒田さんの気力だけが残った」というものかな。

 発表直後に日経平均は500円ほど上がった。だって「マイナス金利」と聞いただけで「日銀もそこまで踏み切ったのか」と誰もが思う。出たのは買い戻しです。ずっと「絶対無い」と言っていたのに。

 しかしその後株価は急激に下げて一時は200円安が見えるような所まで。それはやはり発表が複雑だったからだと思う。発表本文には「日本銀行当座預金を3段階の階層構造に分割し、それぞれの階層に応じてプラス金利、ゼロ金利、マイナス金利を適用する」とある。これはちょっと分かりにくいし、「あれ、マイナス金利が課されるのは一部か」と誰もが思う。政策の効果に対する疑念が惹起された。

 しかしこの疑問に答えたのが、「本日の決定のポイント」のQ&Aの「Q4.”階層構造”で、一部にしかマイナス金利を適用しないのでは、効果がない のではないか?」という問いに対する答えです。

 「A.金融取引の価格(金利・株価・為替相場など)は、ある新しい取引を行うこ とに伴う限界的な損益によって決まる。マイナス金利が当座預金残高の全体に かからなくても、限界的な増加部分にかかれば、新しい取引によって当座預金 が増えることに伴うコストは▲0.1%である。金融市場ではそれを前提として 金利や相場形成がなされる。」

 と。なるほどと。しかし欧州でも、日銀が手本としてスイスでも実施されているマイナス金利は、既にかなりの実施期間に達しているにも関わらず、景気低迷を含めてそれぞれの抱える問題を解消していないし、経済がとってもうまく回っている兆しはない。まだ問題だらけです。

 そもそもお金を借りる借りないを決める条件の中で、「金利」は諸要因の一つに過ぎない。「借りて起業なり何かを買おうと言う気持ちがなければ、資金は要らない。要らなければ金利が低かろうが、銀行が焦ろうが関係ない」とも言える。だとすると、銀行の中銀預け預金の一部に対する金利をマイナスにしても、「そもそも景気が良くなると考えられるのか?」という疑問が沸く。

 その疑問は残したままで、「しかし黒田さんの気力には押されるな.....」とマーケット、いやマーケット参加者は思ったのではないか。それが引けにかけての日経平均を再び大きく上げたのではないか、と思う。

 黒田さんの決意はいろいろなところに出ている。「金融機関が保有する日本銀行当座預金に▲0.1%のマイナス金利を適用する。 今後、必要な場合、さらに金利を引き下げる。」や『 「量」・「質」に「マイナス金利」を加えた3つの次元で追加緩和が可能なス キームとし、イールドカーブの起点を引き下げ、大規模な長期国債買入れとあわせて、金利全般により強い下押し圧力を加えていく。』「3つの次元の緩和手段を駆使して、2%の早期実現を図る」と一連の文書は語る。

 「そこまでおっしゃるのなら.....」というのが今日の月末・週末の東京市場の引け(日経平均で476.85円高)だと思う。しかし際どいですよ。今回の措置、つまり「マイナス金利付き」の部分は5対4。一人反対に回れば執行部提案が通らなかった。反対者の意見には聞くべき事が多い。  

 白井委員は、「量的・質的金融緩和」の補完措置導入直後のマイナ ス金利の導入は資産買入れの限界と誤解される惧れがあるほか、複雑な仕組みが混乱を招 く惧れがあるとして、石田委員は、これ以上の国債のイールドカーブの低下が実体経済に 大きな効果をもたらすとは判断されないとして、佐藤委員は、マイナス金利の導入はマネ タリーベースの増加ペースの縮小とあわせて実施すべきであるとして、木内委員は、マイ ナス金利の導入は長期国債買入れの安定性を低下させることから危機時の対応策として のみ妥当であるとして反対した。
 「未踏の領域」に入った日本の金融政策。「経済・物価情勢の展望(2016年1月)」と合わせて読みながら、「2%の物価上昇を目標とする」こと、賛否が限りなく接近したことを含めて、「やや無理筋の領域に入りつつある」と思いました。

 うーん、黒田さんの頭の中には少し「アベノミクスの一方の旗頭である甘利さんが去ったし」という気持ちがあったかも知れない。これは推測ですが。


2016年01月29日(金曜日)

 (11:40)また政治とカネの問題ですか。政治ってお金がかかるんでしょうね。安倍内閣では柱の、どちらかと言えば慎重で、あまり大きな失敗はしそうにない方に見えたのに。

 ところで、以下のメールは私の所に送られてきた米大統領選立候補の民主党ヒラリー陣営から送られてきたメールです。サイトに名前を登録していたら、最近は毎日いろいろな形で送ってくる。

 このメールは見ての通り、「アイオワとニューハンプシャーでの戦いは厳しくなっている。相手陣営は私たちより多くの資金をテレビで使っている。対抗してコマーシャルを打たなければ負ける可能性がある。だから1ドル献金して....」というもの。

 うーん、こういう薄い集め方もあるな.....と。

yoichi --

It’s been my privilege to fight for this team and the things we believe in -- and I’m going to keep fighting for every single vote in these final days before the primaries begin.

The polls are getting tighter in Iowa and New Hampshire. Our opponent has been outspending us on TV, and there’s a real possibility we could lose those contests if this team doesn’t step up to close the gap.

In every pivotal moment of this campaign, I’ve turned to you for help, and you’ve never let me down.

Stand with me today, yoichi. Chip in $1, and say you’re ready to fight by my side: yoichi, donate $1

Thank you,

Hillary

 「yoichi, donate $1」の部分は赤ボタンになっていて、それを進むと実際にはそれ以上の3ドルから250ドルまでのいくつかの段階の献金を選ぶパネルが出てくる。それを選んでさらに進むと、多分クレジットカード入力画面が出てくるのでしょう。なるほどね。

 うーん、私は日本では誰の選挙にも荷担したことがないので、こういうのがあるのかどうか知りませんが、薄く広くのなかなかのアイデアだと思いました。


2016年01月28日(木曜日)

 (05:40)目を覚まして2回声明文に目を通して思ったことは、「文章的にも中味的にもとっても素直に読めて、違和感のない声明だな」ということです。一人の反対者も出なかった。この声明では反対者は出ないでしょう。

 にも関わらず昨日寝るときには多少上がっていたニューヨークの株価は結構大きく下げている。それは多分、声明を受けたウォール・ストリート・ジャーナルの見出しが「Fed Flags Worry on Global Tumult, Doesn’t Rule Out March Rate Hike」となっていたりして、「FOMCの声明がマーケットの期待に添わなかった」ような事を書いているからだと思う。

 しかし少し考えてみれば、それが無理筋の願いであることは明らかです。中央銀行が2ヶ月弱先にある金融政策の決定に関し、「(3月中旬のFOMCでは)利上げはしないですよ」なんて言うわけがない。

 例えばですよ、昨年の10月から3ヶ月連続で5.0%に落ち着いているアメリカの失業率が、例えば1月分や2月分の今後出てくる統計で4.8%になったらFRBはどうするか。それはもう「次の利上げ」を用意するでしょう。3月にも。だからウォール・ストリート・ジャーナルが見出しで言っているような「Ruling Out March Rate Hike」など今から出来るわけがない。そんなことは分かっている筈なのに、この新聞も面白い見出しを付けたものだ。

 だから要するにFOMCが言えるのは、「ちゃんと国際情勢とそれがアメリカの成長と雇用に与える影響を見ていますよ」ということだけ。ちゃんと言っている。「The Committee is closely monitoring global economic and financial developments and is assessing their implications for the labor market and inflation, and for the balance of risks to the outlook.」と。

 で全体的に私が感じた印象は、「(FOMCとしてはここまでしか書けないが)3月利上げの確率は客観的に見て下がった」と見ているのではないかというものです。それは一つにはこの声明が過去ずっと指摘してきた通り、アメリカのインフレ率がちっとも上がってこない、ということにある。

 加えて、「(そこにまで責任があるとは言わないが)そうは言っても中国と石油市場情勢を背景とするグローバルなマーケットの混乱がアメリカ経済に与える影響に関しては、当たり前だが注視せざるを得ない」という認識があるからです。

 今回私は初めて発見したのだが、ウォール・ストリート・ジャーナルには「Fed Statement Tracker」という面白いツールがある。これは直前のFOMC声明に比較して今回の声明のどこが違っているのかをコンピューター的に処理したもの。とっても便利です。

 赤が前回で緑が今回。で、これに目を通すと次のような印象が浮かび上がる。

  1. FOMCはアメリカの景況感がちょっと一旦高台に達したかな、という印象を持ったようだ
  2. インフレ率の低い状態は前回に見ていたよりちょっと長引きそうだ
  3. グローバルなマーケットの混乱には今まで以上に注視の目を注がなければいけない
 と思っていることが見えてきている。私にはそう思える。これは私の見方と一致している。だから違和感がない。例えば「3」に関しては前回は第二パラの最後は「monitor closely」の対象は「inflation developments」だったが、先ほども取り上げたが今回の文章は「The Committee is closely monitoring global economic and financial developments and is assessing their implications for the labor market and inflation, and for the balance of risks to the outlook.」となっている。これはどう考えても「FRBは今の海外市場の動揺をとっても気にしているな」と読める。

 この文章を書いているうちにニューヨークの株式市場はクローズ。結局ダウは222ドルほど下げて終わった。ゾロ目。しかし一時は250ドル近く下げていたので、それからは反発。為替はドル・円が118円の60銭前後。ユーロが比較的しっかり。

 このTrackerを最後まで見ると、「ああ、今回からメンバーが大きく変わったんだ」と分かる。5人も(多分 Daniel K. Tarulloが消されて入っている)入れ替わっている。あまり知らない人も多い。これから注目されるのでしょう。

Release Date: January 27, 2016

For release at 2:00 p.m. EST

Information received since the Federal Open Market Committee met in December suggests that labor market conditions improved further even as economic growth slowed late last year. Household spending and business fixed investment have been increasing at moderate rates in recent months, and the housing sector has improved further; however, net exports have been soft and inventory investment slowed. A range of recent labor market indicators, including strong job gains, points to some additional decline in underutilization of labor resources. Inflation has continued to run below the Committee's 2 percent longer-run objective, partly reflecting declines in energy prices and in prices of non-energy imports. Market-based measures of inflation compensation declined further; survey-based measures of longer-term inflation expectations are little changed, on balance, in recent months.

Consistent with its statutory mandate, the Committee seeks to foster maximum employment and price stability. The Committee currently expects that, with gradual adjustments in the stance of monetary policy, economic activity will expand at a moderate pace and labor market indicators will continue to strengthen. Inflation is expected to remain low in the near term, in part because of the further declines in energy prices, but to rise to 2 percent over the medium term as the transitory effects of declines in energy and import prices dissipate and the labor market strengthens further. The Committee is closely monitoring global economic and financial developments and is assessing their implications for the labor market and inflation, and for the balance of risks to the outlook.

Given the economic outlook, the Committee decided to maintain the target range for the federal funds rate at 1/4 to 1/2 percent. The stance of monetary policy remains accommodative, thereby supporting further improvement in labor market conditions and a return to 2 percent inflation.

In determining the timing and size of future adjustments to the target range for the federal funds rate, the Committee will assess realized and expected economic conditions relative to its objectives of maximum employment and 2 percent inflation. This assessment will take into account a wide range of information, including measures of labor market conditions, indicators of inflation pressures and inflation expectations, and readings on financial and international developments. In light of the current shortfall of inflation from 2 percent, the Committee will carefully monitor actual and expected progress toward its inflation goal. The Committee expects that economic conditions will evolve in a manner that will warrant only gradual increases in the federal funds rate; the federal funds rate is likely to remain, for some time, below levels that are expected to prevail in the longer run. However, the actual path of the federal funds rate will depend on the economic outlook as informed by incoming data.

The Committee is maintaining its existing policy of reinvesting principal payments from its holdings of agency debt and agency mortgage-backed securities in agency mortgage-backed securities and of rolling over maturing Treasury securities at auction, and it anticipates doing so until normalization of the level of the federal funds rate is well under way. This policy, by keeping the Committee's holdings of longer-term securities at sizable levels, should help maintain accommodative financial conditions.

Voting for the FOMC monetary policy action were: Janet L. Yellen, Chair; William C. Dudley, Vice Chairman; Lael Brainard; James Bullard; Stanley Fischer; Esther L. George; Loretta J. Mester; Jerome H. Powell; Eric Rosengren; and Daniel K. Tarullo.


2016年01月27日(水曜日)

 (16:40)昨日でしたが、「俺ってこれ、幸村トレイル」と思いました。だって月曜日に真田信繁(幸村)が武勲を立てて「天下一の兵」と呼ばれるようになった大阪に行き、翌日の火曜日は彼の生まれ故郷である上田にお邪魔しましたから。

侵害寺の表門 出丸城と明確に書いてある  上田市は盛り上がっていましたね。駅なども「赤揃え」となって、「六文銭の氾濫」状態。「地元は力が入っている」と実感しました。普段は軽井沢と善光寺のある長野に挟まれてあまり話題のない上田。「このチャンス」と意気込んでいる。

 なので上田での講演会にいらっした方々には、私が真田丸があったであろうとされる大阪・心眼寺(大阪城の南の空堀町の近く)とか、彼が力尽きて死んだ「志紀長吉神社」(大阪平野区)の写真をお見せして、「是非大阪にも足を」とお勧めしました。

 当然ですが、全国での視聴率が20%前後であるのに対して、長野県の「真田丸」に対する視聴率は30%を超えており、多分上田城のある上田近辺では40%を超えているのでは、という話しも聞きました。

幸村が死んだとされる志紀長吉神社  であるからして、名古屋からは彼が通ったであろう道沿いの中央線に乗りたかったのですが、雪が心配でやはり東京経由。後で考えて、「ちょっと惜しかったな」と。ネットナビでちょっと調べたら、上田城から大阪城までは452キロある。彼等はそこを歩いたわけです。凄まじい。今はとてもそんなことは出来ない。

 ところで、明日の朝4時はFOMCの声明発表。今日の東京の株は上海が続落したにも関わらず大幅アップ。日経平均は455円も上がった。ずっと外に居たので何があったか知りませんが、「中国ファクターは消化」とも理解できる。上海の2000台の指数はスタート台。そこに戻ればもうあまり材料視はされないとも思える。

 今朝読んだブルームバーグだったかな、少し長めの米FOMC政策展望を掲載していて、それが面白かったので、備忘の為もあり残しておきます。うーん、確かに「5」は可能性があるな。今のところ「1」「2」くらいでしょうが。So where does that leave the path of policy? I see five likely scenarios:

  1. The economy slips into recession, and the December rate hike is yet another in a long line of central banks’ failed efforts to pull up from the zero-bound.

  2. Financial market conditions stabilize, and the economy slows to a sustainable path of activity such that the unemployment rate stabilizes while inflation remains moderate. This limits the Fed to just one or two more rate hikes later in the year.

  3. Financial market conditions stabilize, economic activity remains sufficient to push the unemployment rate down further, and inflation remains moderate. This would be similar to the Fed’s baseline scenario in which it hikes rates in four 25-basis-point increments this year.

  4. Financial market conditions stabilize, economic activity remains sufficient to push the unemployment rate down further, and inflation begins to accelerate. This would push the Fed toward more than 100 basis points in rate hikes this year.

  5. Financial markets remain choppy in the first half of the year, pushing the Fed into “risk management” mode despite solid labor market activity. The Fed skips the March and April meetings. Officials’ delayed response calms markets and prevents a slowdown in activity, but they feel behind the curve and try to catch up with a steeper pace of hikes late in the year.


2016年01月27日(水曜日)

 (00:40)なんとなんと劇的な。対イラク。1対1で90分が終わってアディショナル・タイム。4分だったかな。それも3分が過ぎて「延長30分」が見えたとき。原川がドスンと決めてくれた。

 よくあのエリアが空いていたな、という印象。結構遠くからだったが。イラクの選手は見守るしかなかった。あのシュートが入るのを見た人間(私など)も、「え、入ったんだ」と。イランを延長撃破し、イラクをうっちゃって。こうなったら優勝でしょう。

 でもね、見ていて一番面白かったのは勝利後のインタビュー。監督のそれについては特に言うことはないが、選手達(原川から始まった)のインタビューでの一言一言の知的なこと、そしてその見事なまでの非冗長さ。彼等は必要な事を端的に語った。

 冗談ではなく、聞いていてほれぼれするほどインテリジェントだった。アナウンサー達の「諦めない姿勢」などの決まり文句が陳腐に聞こえた。これが同じ日本人か、と思いました。

 というのはプロ野球の選手達の勝利インタビューを聞く度に、「この国は大丈夫か」と思う。なぜか。それに反して、今回の若き日本のサッカー選手のインタビューは非常に研ぎ澄まされていて、頭の良さが見えるものだった。

 だってプロ野球選手のインタビューって「どこか抜けてる」じゃないですか。へんな間があって。多分それは球場全体を相手にしているからだと思う。インタビュー・アナウンサーも「球場の受け」を狙って球場に向かって意味のないことを質問し、選手も観客に沸き立ってもらいたいために敢えて陳腐な繰り返しの言葉を使って応答する。観客もそれを喜ぶ。

 同じ野球でもMLBの試合後のインタビューは絶対球場に対してしない。あくまでも放送に対して。だから微妙なことを聞き、選手も微妙に答えている。ストレートに。ま理屈はどうでも、日本のプロ野球のインタビューは「聞くに値しない」といつも思う。

 しかしサッカーのインタビューはいいね。アナウンサーも選手も。特に今回のドーハに派遣された選手達のインタビューは聞くに値する。対イランの後のそれも聞きましたが。「格上」に見えた。

 もしかしたら、日本の男子もワールドカップの優勝をものにした女子にもうちょっと近付けるのか.........ま、あのインタビューの中味にも関わらず、ちょっとそれには時間がかかりそうだが。


2016年01月26日(火曜日)

 (15:00)ははは、ちょっと笑える。私と一緒の車両(11時50分発)で新大阪から新幹線で東京まで移動してきた人が、また私と同じ「はくたか567号」の同じ車両に乗っている。どこまでいくんやろ。ま、金沢と言うことはない。

 新幹線は依然として豊橋と京都の間の一部で「スピードを落として運転」ということで、名古屋着が3分の遅れ。しかし東京駅には予定通り14時23分には着して、名古屋で降り乗り換える人以外はあたふたする必要が無かった。ナイス。

 それにしても駅は混んでいる。なんでやろ。正月休みは終わって今日は平日だというのに。冬休み ? それに観光客が相変わらず多い。中国の景気悪化は中国社会科学院も認めるものとなったが、彼の国からの観光客は減っていないように見える。欧米人も多いな。この時期オーストラリアなどの方々が多いのかな。

 それにしても、今日は株が一転して402円前後の反落。ニューヨークのテレビ番組を見ていたら、同市場で一日の値幅もそうですが、引値がおとなしい感じ(例えば50ドル以下のアップダウン)で終わったのは今年に入って数えるほどしかないらしい。大きく動いて上がるか、下がるか。むろん下がった方が多い。

 材料を織り込めきれないからでしょうね。中国経済はそもそも外に居る人間には実体が掴みにくい。時々出る数字も、「どういじられているのか」「ストレートか」を見極める必要がある。これじゃ織り込めない。

 原油価格は私は20ドル台は反発のベースだと思うが、台でも30ドルに近い。専門家の中には10ドル台もあると言っている。しかし例えば20ドルフラット近くの原油相場が続けば、産油業者に破綻が続くので、時間の経過と共に供給は萎んでくると思える。しかし「では2ヶ月先の原油相場は ?」と聞かれれば、それは「今よりは高いかも」くらいしか言えない。織り込めない相場は不安定です。

 今週は日米で金融政策結締会合がある。まず今日からFOMC。 日本時間の木曜日午前4時に出る今年初めての FOMC 声明は結構注目される。声明が今の市場環境をどう解説し、コメントするか。今回は追加利上げはない。ポイントは昨年末から再燃 した「海外リスク」に声明で再び触れるのか、それとも触れないのか。

 触れないなら3月再利上げの可能性が出てくる。つまりそれは FRB が今年に入ってからの市場動揺を、 「大きな動き」「アメリカ経済の先行きを怪しくするようなものではない」と判断していることを意味している。むろんアメリカ経済に関しての記述も重要だ。しかしアメリカでは雇用が強かっただけに、「順調に推移している」との見立てだろう。

 それを受けて28日から開かれるのが日銀の金融政策決定会合となる。「2%の物価上昇の実現」は大きくずれている。今の石油価格の下落の中で実現の展望も見えない。加えて「金融政策の限界」という問題もある。

 黒田さんのバズーカ1とバズー カ2のどちらに効果があったかというのは俄には比べられないが、最近の日本経済を見ると徐々に「金融政策の限界」が見えてきた。非伝統的な金融政策をこれだけ発動しても、成長率は高まら ない。水準維持がやっと。「落ち込みを防いだ」という議論は当然あるが、政策の目的ではない。すくなくとも国民の認識レベルでは。

 今週金曜日の日銀発表が下手に小規模であったり、「現状で様子見」とすると、マーケットが大きく反応する危険性がある。その危険性は黒田さんも十分承知でしょう。とすると彼はどうするのか。

 先進各国では雇用の問題には明るさが出てきているが、 「物価」については中銀の目標には遠い。「もう大丈夫だろう」と FRB のように利上げすると、世界中の資本の動きの乱れが惹起され、途上国から巨額の資本が流れ出す状況が生まれている。

 やはり長く続いた状況は、それを変えるために周到に準備して も、実際にそれが始まるとマーケットの動きは時に暴力的になることが今回証明された。今では「Talk of Fed ‘policy error’ grows」という記事も目立つ。

 だとしたら、ECB や日銀の「出口戦略」も同様に難しいと予測できる。 筆者は「2%の物価上昇」を目標にすること事態を問うべき時代に入っていると 思うが、各国の中銀総裁はそれは言わない。

 正念場です。黒田さ んは決断の時期を迎えている。何もしないか、ドラギ式に「強く示唆する」のか、それ とも具体的に動くのか。いずれにせよ私には「2%近傍のインフレ率達成」の旗を降 ろさないドラギ、黒田の両総裁には苦しい時期が続くと思う。


2016年01月25日(月曜日)

 (12:40)いや、まだ乱れてますよ。新幹線。今日、明日はこんな調子かな。ちょっと気を付けないと。

 夕方の講演の為に11時10分の27号に乗ろうと思ったら、「到着がかなり遅れ」とかいう看板が東京駅で目に入った。到着が遅れると言うことは通常で考えると発車も遅れると言うことです。新幹線の大部分の車両は折り返しなので。

大雪後とあって雪が厚めにフレッシュです  うーん困ったな、と思って指定番線に行ったら予定通り列車が入っている。ラッキー。でも乗り込んだら「遅れております.....○○番線の列車が発車した後。信号待ちです....」と。結局出たのが7分遅れ。

 案内に注意していると、「豊橋と新大阪駅の間で減速運転していて、約45分の遅れが...」と。ということは7+45で一時間ちょい。ま、しょうがないですね。あれだけの雪が降りましたから。新幹線が米原の地上を通ると決まった段階で「雪の遅れ」は覚悟した訳ですから。

 でも予定がタイトで、明日はまた夕方上田で講演を引き受けている。一端は面白いので名古屋で乗り換えて信州を北上するライン(中央線 ?)に明日乗ろうかと思ったが、ちょっと危険。なのでしょうが無いので一度東京に戻って、そこから北陸新幹線に乗る予定。

 この日本縦断というのが結構時間がかかる。ま縦横には高速鉄道は敷けませんからしょうが無い。でもね、めちゃ山々が綺麗なのです。今日は。関東地方の空はとっても綺麗。右手に見えてきた富士山を見ながらのんびり行きますわ。

 さすがに富士山はしっかりと冠雪していて、雪は多分昨日の分。なので白くて、ちょっとふんわり厚めで、普段見れない富士山の上半身になっている。多分河口湖から見るとめちゃ綺麗だと思う。


2016年01月24日(日曜日)

 (10:40)「良い空気」という名前の街からのメールを見たときに、「ここはミャンマー状態だな」と思いました。日本の製品はそのまま世界中で使われ続けている、と。

懐かしい。私もよく乗っていた丸ノ内線の車両  「良い空気」とはブエノスアイレスです。スペイン語で。メールをくれたのは今同地に滞在している小林君。彼は彼方此方に仕事の関係で行くのですが、しばしばそれぞれの土地の「面白い写真」を送ってくれる。今回の写真は笑えた。

 メールに添付されていた写真の一枚目を一目見た瞬間に、懐かしい感情が。だって一頃毎日乗っていましたから。そう丸ノ内線。彼はメールで「これ、見覚えありませんか?ちょっとくたびれてきてますが、まだまだ現役です!」と。

 彼の送ってくれた何枚かの写真には、日本語の表記(例えば非常ドアの開け方とか)がそのまま残っているものがある。なぜ私がミャンマーを思い出したかというと、同国にはまだ地下鉄はないのですが、走っている車(バスを含めて)がほとんど日本車。

 私が行った2011年から正月過ぎまでのミャンマーでは、日本車比率が90%を越えていた。そしてその中古日本車の100%が「1992年以前に作られたもの」となっていた。今は変わったと思うが。

 乗用車にはそもそも表記が少ないのですが、バスがそのままです。「東急バス」とか「西武バス」とか。あまりにそのままなので、見た瞬間は「ここは日本か」と思いました。しばらく違和感があった。

 それは日本人にとっても懐かしい。実にカラフルなのです。だって近鉄バスの後ろを東急バスが走ると言った印象。日本であり得ない。ブエノスアイレスの地下鉄の写真でも同じ雰囲気を感じたのです。特徴的なのは「日本語表記を消さない」ということ。

 なぜ消さないのか。ミャンマーの人達は「それがカッコいい」と言うのです。これは驚いた。だって安全維持に関する表記とかあるわけだから、多分日本では「書き換え」が義務です。しかしミャンマーの人達はそれさえしない。

 ブエノスアイレスの人達が中古品に着いてある日本語表記を「かっこいい」と思っているかどうかは不明です。ま、アメリカ人もTシャツの背中や前に漢字を表記し悦に入っている時代ですから、もしかしたらそうかもしれない。というより書き換えるのが面倒なのかな ?

社内も超懐かしい  世界各地を歩くと、突然昔の日本製品を大量に見掛けるところがある。ミャンマーはその代表ですが、インドもそうかな。つまり我々が知らないうちに日本での使用期限切れ、または世代交代のモノが海外に渡り、その後も長く使われるのです。

 その手の特徴を持つ国は断トツで日本です。ドイツ、韓国や中国も製造業の国として世界で注目されるのですが、「中古品」の世界シェアでは圧倒的に日本。その存在感は際立っている。それは多分、

  「日本製品は頑丈に作られていて、そもそも壊れない」
  「日本ではモノは大切に使われ、保守もしっかりしている」

日本語表記が残るのはミャンマーと同じ  ということは関連していると思う。中国、韓国の比ではない。

 彼のメールには「ブエノスアイレスの地下鉄はスベイン語圏ではスペインも含めもっども早く1913年に開通。銀座線を作る時に視察団が来たそうです。当時は先進国だったんですよね‥‥」という一文が。

 なので、ちょっと興味を持って調べたら世界で初めて地下鉄を営業運転させたのはロンドンで1863年1月10日らしい。アメリカではボストンが1898年とか。ニューヨークのそれは1904年頃。日本の本格的地下旅客運搬用地下鉄は1927年の銀座線。とうことは今世界は地下鉄開業から150年ちょいということになる。

 日本がブエノスアイレスの地下鉄を参考にした ? これは知らなかった。日本の地下鉄はロンドンのそれを参考にしたのではと思っていましたが。彼のメールには「日本海海戦で活躍した巡洋艦日進と春日はアルゼンチン海軍から譲渡されたものだったそうです」とも。アルゼンチンは当時は進んだ、豊かな国だったんですね。
 南米アルゼンチンの首都の地下を走る「丸ノ内線の旧車両」。うーん、見たくなったな。カナダを含め世界で事件、テロに巻き込まれる国が増える中で(隣のブラジルもそう)、相対的にアルゼンチンは安全な国に見えるようになっているし........。


2016年01月23日(土曜日)

 (22:40)あやや、琴奨菊が勝って白鵬が負けたんだ。ということは.........

 それにしても白鵬の取り組みを今見ましたが、全然踏み込んでいないですね。いや、踏み込めていない。体調でも悪いんじゃ。先日も書きましたが、ちょっとここ数場所の白鵬はおかしい。体力が持たないというか、千秋楽が接近するとまともに取り組めていない。

 さすがの白鵬も徐々に体力低下 ?なのかな、というのが私の考え方ですが、今の琴奨菊は3横綱を撃破ということで「実力」と考えて良い。昨日の豊ノ島は知らなかったのですが「小学生から知っている仲」とか。でも負けて控え室に戻ったときの悔しがり方を聞いて、今日からまた行けるかなと思ったら、今日は勝ち。

 明日の豪栄道戦次第。それに負けても白鵬と豊ノ島との決定戦には勝てるように思う。なにせ式を控えて気力充実ですから。明日が楽しみ。それにしても、昨日は遅くまでサッカーを見た甲斐があった。豊川のヘッドも、中島の2発も素晴らしい。今朝NHKがBSで再放送したので、また見ちゃいました。

 それにしても、日本もアメリカもニュースのトップは寒波。日本は西日本が希有なこともあって「積雪、風などに警戒」だそうですが、アメリカ、その東部は積雪そのものは珍しくはないが、問題なのはその規模。ワシントンでは36時間で80センチと。そして強風。

 大都会で80センチの積雪は、普段それが通常のモスクワなどなら別ですが、やはり「生命が危険」な事態でしょう。だから市民は「買いだめ」に走り、新聞は「モスクははいつも積雪とどう付き合っているのか」という記事を流している。

 日本でも去年の台風の時は「命を守る行動を取って下さい」とテレビが流して、「それって何 ?」と思ったのですが、今のアメリカ東部の人達は「外出せず家にとどまれ」と警告されている。

 「外出を避け」は今の日本でもそうですが、「夕方から雪」という予想があって、街は閑散でした。午後銀座に行ったのですが、銀座中央通りはホコ天で人がいたが、その途中の人の数がまばら。明日もこんな感じかな。

 それにしても極端な天候が世界中で続いている。困ったモノです。


2016年01月22日(金曜日)

 (14:40)昨日の東京の引け後からの世界の株価の反発(特に今日の東京はでかい)を見ながら、「また中銀頼みか」とちょっとがっかり。いいですよ、世界の株価が上がるのは。下がるよりは世界経済や我々の生活にとってナイス。しかし言ってみれば「一本足」で立つようなもの。

 最初に出たのがドラギ発言。FTによれば彼は「The ECB has “the power, the willingness, the determination to act, and the fact that there are no limits to our action” to bring inflation up to its target of just below 2 per cent」と実に力強い発言。2%近傍のインフレ率は何としても達成する、と。その政策手段には限界はないし、ECBは政策を実現する力、意欲、そして決意(彼の表現では the power, the willingness, the determination to act)を持っている、と。

 そして「現在の政策が効果があるかどうかを早ければ3月に再評価する」と。ま、普通に読めば「3月に再緩和」と読む。マーケットは間違っていない。加えて今朝「出た出た」と思った記事が日経の「日銀に追加緩和論」。これは当然そうです。

 日銀の次の金融政策決定会合は来週の28日スタートの二日。その日銀が直面している状況としては、「物価目標に黄信号」(日経)ということで、あと「資産価格の上昇を経由する消費需要の盛り上がり」も黄信号。

 「このような状況では、日銀が何かしないのはおかしい」「(何もしなければ)まるで目標達成を諦めたように映る」となる。その黒田総裁はかねて「必要な時には躊躇、逡巡なく動く」と繰り返し言明。

 でもですよ、財政政策も繰り返し使っていたら効果が切れて、その過程で各国の財政赤字の制約が出てきて今はどの国も発動できない状況になっている。黒田さんのバズーカ1とバズーカ2のどちらに効果があったかというのは俄には比べられないが、「財政政策と金融政策を同時発動する」という経済政策の理想型から、今は一本に絞られている中で、徐々に「金融政策の限界」も見えてきていることは確か。そこは黒田さんにも「悩みの種」になっていると思う。

 28日はもう直ぐで、いずれにせよ黒田さんは決断の時期を迎える。その時は何もしないか、ドラギ式に「強く示唆する」のか、それとも具体的に動くのか。いずれにせよ私には「2%近傍のインフレ率達成」の旗を降ろさない両総裁は「不自由な状況だな」と思える。

 ところで、昨日ですが「韓国の2015年の対日輸出額」と「韓国を訪れた日本人数」が発表になった。前者は1965年の国交正常化以降初めて(韓国の)輸出総額に占める対日輸出額の割合が5%を下回り、過去最低の割合となったそうな。

 また韓国を訪れた日本人は12年の351万人から3年で半減して2015年は183万人(14年比19.4%減)になったという。これは著しい不均衡でしょう。去年日本に来た韓国人は日本側の統計だと400万人強。

 韓国を訪れる日本人の数の減少については、「歴史問題でのイメージ悪化や中東呼吸器症候群(MERS)の感染拡大、ウォン高が重なり韓国離れが進んだと分析する」(韓国観光公社)という解説が当たっている。

 しかし一方で、昨年一年間で対前年比で45.3%も増えて400万2100人になった韓国の訪日旅行者の数をどう考えるか。「歴史問題でのイメージ悪化」(相手に対する)は、日本では言えるが、韓国では「あまりなかった」とも言える。ま、その辺は来週韓国の方と食事をしますから聞いてみます。


2016年01月21日(木曜日)

 (16:40)何という変化の激しさか、と思う。米大統領選挙。民主党はもう決まりとばかりに混戦の共和党に目をやっていたら、あっという間に「クリントンが危ない」となった。自ら「社会主義者」と言うサンダース候補が俄然勢いを増している。

 民主党が「社会主義者」に傾くのと正反対に、共和党は保守でもやや極端な保守の候補者に決まりそうな雰囲気。トランプとクルーズ。どちらかと言えばクルーズの方が先行きを見通せる。トランプは大統領になっても何をするか分からない。

 クリントンとトランプの対決なら「クリントンが圧勝」というのがアメリカの政治専門家の見方だが、これがまた怪しい。多分彼等は「有権者」が大きく変わっていることを見逃している。

 つまり以前は「中産階級」所属が有権者には多かった。アメリカはそうは言っても「厚い中間層」を持つ国で、それが安定した「二大政党制」のベースになっていた。しかし今進行しているのは「中間層の瓦解」。良くない傾向です。

 瓦解と言うことは、「もう自分は中間層ではない」と考える人が多いと言うことですから、大統領に「今までの大統領が示さなかった解決策、自分達も参加できる解決策」を求める。多分、それが共和党の右派、民主党の左派への人気沸騰を招いている。

 その証拠にトランプもサンダースも主な支持層は階層的には重なる。薄くなった中間層の下でもがいている人々です。解決策を「どちらに求めるのか」に違いがあるだけの気がする。では、「トランプ対サンダース」の選挙戦になったらどちらが勝つか ? この設問をアメリカのメディアで見たことはない。いずれにせよ日本にとっては「何が起きるか不安」という状況が生まれる。

 動きが速いと言えば、株式市場もそう。今日の午前中は久しぶりに260円ほど上がってNHKがニュースのトップで扱ったと思ったら、終値では400円近い(日経平均)下げ。上がったら直ぐに売り逃げしたい人が多い、ということでしょう。

 相場が落ち着かないのは、要するに材料が消化されていないということです。「原油安」と「中国を初めとする途上国の景況悪化」。原油安は昨日一日で7%も下がった。その前日FTか何かで「原油市場は溺れるだろう」(有力機関の見方)とかいうニュースを見て、「原油は下がるだろうな」と思ったらその通りに。それを嫌気してまた株価が下げ。

 中国問題のたちが悪いのは、「何が起きているか」を当局が最後のところは隠している、それが言い過ぎなら「彼等も実は分かっていない」ということ。強まるのは中国の当局に対する不信感で、これがマーケットでは一番響く。

 ま、経済活動が概ね変わらずに行われているという状況では、相場はゼロになることはない。今の上海市場を見ると、2880.48で、100ポイント弱の下げ。下げの目安はスタート前の2500と見ていますが、かなり接近した。

 その他でもいろいろ変化が。白鵬の衰えも徐々に早まっているような気がする。先場所は白鵬は終盤に連敗していた。今回はどうか。


2016年01月21日(木曜日)

 (09:40)「人間やれば出来る」「いざというときには、不思議な力が出る」.....と、昨日は強く思いました。一晩たっても昨日の午後6時前の数分間の相撲の「凄さ」が強く印象として残っている。

 白鵬と琴奨菊の取り組みです。今までの対戦成績は圧倒的に白鵬が有利。そして今場所の白鵬は体調も良さそう。今場所の琴奨菊はとっても結婚式を控えてとっても頑張っていることは分かっていても、「どうかな。勝てるかな」という気持ちで見たら、もう全然心配要らずだった。

 火曜日の取り組みのコピーのように、琴奨菊は低くまっ過ぎに当たって白鵬を最初から押し込み、体が入れ替わってもとにかく琴奨菊はがぶりで押す....押す....押す。白鵬はなにも出来ずに、ただ押されるのを我慢していたが、直ぐに土俵際に立たされて、そしてどんと割って落ちた。

 「凄いな、こんなことが琴奨菊に出来るんだ.....」と。直ぐに思ったのは「じゃ、なぜ今までこれをしなかったのか....」と言うこと。この昨日最後の取り組みを見て直ぐに出て、この番組の新年会(祝・森本さん復帰!)に行ったのですが、当然この取り組みが話題に。

 初田啓介アナが、「彼は今場所は自分のためじゃなくて、とにかく嫁さん、嫁さんのお父さん、両親の為に相撲を取っている.....」と解説してくれた。「やはりな」と。そりゃ結婚式を控えて力が入る。それにしても、今場所出している琴奨菊の力は従来のそれと比べて2ランク上がった印象。今日が対日馬富士の取り組みですか。これも見よう。

 「人間、やれば出来る」をまた見れるかも知れない。ま、大枠の印象としては相撲も白鵬中心に回ってきた長い時代からちょっと「その後」に向かっている印象がしました。あと4日。俄然面白くなってきた。


2016年01月19日(火曜日)

 (09:40)今朝一番に注目されるニュースは2015 年 過去最高の 1,973 万 7 千人!! 45 年ぶりに訪日外客数と出国日本人数が逆転でしょう。政府観光局の今朝の発表。つまり「ほぼほぼ2000万人の外国人が去年一年で日本に来た」ということです。

 「45 年ぶりに訪日外客数と出国日本人数が逆転」というファクトも面白い。サイトの数字を見ると昨年の場合、9月以外は2014年に比べて2015年の日本人の海外への月別出国数はほぼ毎月減少している。そして減少幅が上半期の方が大きい。円相場のイニシャル・インパクトですかね。

 そりゃ旅行収支は大きく黒転する。私がそうですが、最近の日本人は海外に行ってもあまりモノは買わない。日本の方に良いモノがある。私の今回のオーストラリアもそうだった。現地ツアーなどのサービスは買いますが。対して中国の方々は爆買いです。

 ではなぜそれほど海外から日本に人が来たのか。確か2013年は1036万人くらいだった。それが2014年は1341万人に。その推移はここ で見られるのですが、それが去年は前年比 47.1%増の 1973 万 7 千人。政府観光局は理由を

  1. 主な要因は、クルーズ船の寄港増加、航空路線の拡大、燃油サーチャージの値下がりによる航空運賃の低下

  2. これまでの継続的な訪日旅行プロモーションによる訪日旅行需要の拡大

  3. 円安による割安感の定着、ビザの大幅緩和、消費税免税制度の拡充等
 と分析している。「2」はちょっと手前味噌? 数字を見ていくと結構面白くて、「国・地域別」で去年一年間で日本に来た外国人の増減を見ると、減ったのはロシア一国。政府予算の一律10%カットというほど景気が悪いですから。

 対して訪日で一番増加率が大きかったのは誰もが予想できる中国本土。実に107.3%の増加で4,993,800人に。倍増でほぼほぼ500万人です。2014年は中国本土の方で日本にいらっしたのは240万に過ぎなかった。

  一番驚いたのは韓国です。政治の分野での日韓関係はずっと悪かったのに、2015年には実に4,002,100人の韓国の人が日本に来て、それは45.32%の増加に相当すると。だって韓国って、つい最近人口5000万になったと言って喜んでいた国ですよ。

 その国から人口の約1割に相当する人が日本に来ている。実はどのくら日本が好きかって言うことです。恐らく人口比でもっともよく日本に旅行者を送り出しているのは台湾ですが、韓国はその次に来る。2014年は2,755,313 人だったので、中国人ほど目立たなかったけど韓国から日本に来る人は去年劇的に増えた、ということ。

 私は去年の中頃まで「中国本土と韓国から日本に来る人は年間250万前後」と覚えていて、先日のテレビでこの数字を使ったのですが、これからは「韓国400万、中国本土500万」と覚えないと。

 仮に台湾と香港を「中国圏」と考えると、台湾が3,677,100人(人口は2300万人程度なので、これは凄い比率です)、香港が1,524,300人で、それに中国本土の4,993,800 人を足すと1019万5200人となる。つまり「中国圏 1000万人」とくくれる。覚えやすい。韓国400万、中国本土500万、中華圏1000万、全体2000万人。

 その他去年40%以上訪日客を増やした国を見ると、フィリピンとベトナムが。うーん、そうかな。確かに。最近は日本のあちこちでその手の方々をお見かけする。言葉でもうっすらと分かって「あの国かな」と考えたりするのですが。

 私的実感では「イタリアとスペインが増えている」と思ったら、やはり20%台の後半。アメリカは10%台の後半で伸び率は低いが、それでも年間100万人がアメリカから日本に来ている。

 ま最近では頭の数字を入れ替える必要が大きい一連の統計でした。繰り返しますが、特に韓国の400万には私は驚いた。そう言えば日曜日の「いま世界は」で、金慶珠さんが日韓慰安婦合意が成立した日の韓国のネット検索トップは「実はSMAPだった」と言っていた。これは面白かった。


2016年01月19日(火曜日)

 (08:40)今日はちょっとびっくりしたな。ニューヨーク・タイムズの「ASIA PACIFIC」のセクションなんですが、「Japanese Pop Group SMAP Denies Rumors It Will Split」という記事が。

 SMAPの根強いファンがいるのはまず日本、その次に台湾、韓国、中国が来るエリア、つまり台湾を含む北東アジアだと思っていたので、「ASIA PACIFIC」セクションでニューヨーク・タイムズが取り上げるのはある意味当然なのですが、「SMAP」という単語をこの新聞で見るとは....と。

 ま、これはニューヨーク・タイムズの方がネット時代(世界中の人が読むという意味で)にあって各地域セクションでそれぞれの話題を取り上げなければならない、なので今回のSMAP騒動も当然入れたと言うことでしょう。だから日本の報道番組が「イギリスでも、アメリカでも」と解説しているのはちょっと違う気がする。だって基本的には本国の人向けではない。

 なので、今日は非常に珍しいことですが、「この番組はやるだろう」と思って特ダネを見たのですが、頭の部分を見て印象に残ったのは草薙剛さんの「今回ジャニーさんに謝る機会を木村君に作ってもらってここに立てています」という言葉かな。これが唯一具体的な発言だった。

 ということは、「機会がキムタクの努力で作られなければ、再び5人が一緒にテレビに映ることはなかった」と読める。聞いてはいたが、この事務所の力は強い。立ち位置、発言順序もキムタクが中央で、発言は彼に始まり、彼に終わった。ということは、これからはSMAPはキムタクのグループになる ? ま、今までも人気ではそうでしたが。

 印象として残ったのはキムタク「以外の4人のお顔が暗かったこと、目も死んでいたこと」「(空中分解しないことは分かって、それは恐らく存続なのだろうが)じゃ、これから今まで通りの活動をするのか」「(前に前にという発言は分かるが)どこに向かって」などなどでしょうか。

 うーん、ああいう謝り方はあまり好きじゃないな。全員で笑い顔で歌でも歌いながら曲の間にラップ調で「心配させたぜ ! でも俺たち今まで通りだぜ」といった意表を突く発表の仕方もあったかな、と。ネクタイは個性がちょっと出ていたが、5人が真っ黒の上下。犯罪者の懺悔記者会見のようだった。

 5人のマネジメントは話題になって退社された(る)女性ではなくなり、彼女と対立していた会社側の方になるらしいのですが、「4人はうまくやっていけるのかな」「なにかといじめられないかな」とかどうでもいい興味は沸きますね。10年後の彼等がどうなっているかもちょっと想像しました。

 うーん、ちょっと興味があるのは昨日のフジテレビの当該番組の視聴率かな。それは人気とか人々の興味のバロメーターで、昨日は大雪で早く家に帰った人も多そう。昨日は午後6時半から芝(近くて良かった)で講演会があり講師をしていて、その後街を歩いたのですが、ほとんど全てのレストランが開いていてもガラガラだった。「かえっちゃったんだ」と思いました。

 なので通常考えれば視聴率は非常に高い筈です。ちょっと調べたら、同番組はメンバーの稲垣吾郎が道交法違反などで逮捕された後に約5カ月ぶりの復帰となった2002年1月14日放送回が34.2%を記録(当時の最高視聴率 当時フジ日曜夜10時からのEZテレビに出ていたのでよく事件を覚えています)したそうな。

 次に公然わいせつ容疑で逮捕された草なぎ剛の復帰回(09年6月1日放送)は22.0%をマークしている(ともに数字は関東地区、ビデオリサーチ調べ)らしい。ま、この視聴率もニュースになるんでしょうね。日本では。


2016年01月18日(月曜日)

 (10:40)へえ、この先暫くの天気を見たら、当面(一週間くらい)最高温度が10度を超える日がないんですね。暖かかった冬も、本格的に寒くなったというわけですか。ちょっと身構えないと。着るものとか、雪のある間は車を運転しないとか。

少し離れたところから見た橋  今見たら気温が2度。これじゃ雨が降っても夕べ積もった雪が直ぐに消える、ということはない。暫く残るということでしょう。今冬初めて短長靴を使ってます。

 ところで二日違ったら大変なことになったのですが、箱根に居たので土曜日に「箱根西麓・三島大吊橋(愛称:三島スカイウォーク)」を歩きに行きました。「全長はなんと400m!人道吊り橋としては日本一の長さ」というスケール。

 実際に歩いてみると長いし高い。かつ人が多かったのか凄く揺れるのです。風が吹いてお揺れるらしい。結構スリリングでした。「人道吊り橋」ということは、人が渡るための....ということです。当然ながら対岸に渡りましたが、素晴らしい富士山が見えた。「素晴らしい富士山」がウリなので、ちょっと雲が多い日は残念かも知れない。

 土曜日は富士山には下の方が雲がかかっていて、雪をうっすらとかぶった頂上部分が見えたのですが、綺麗でしたね。空気も澄んでいた。でも「人道」ということは、自転車が通るくらいの狭さで(実際には禁止だと思う 傘を差すことも御法度なので)、とても「国や県が作る道路」といった類いではない。

綺麗な橋です  静岡新聞によれば、この橋はエンターテインメントなどを事業中核とするフジコーという地元企業が整備したと。要するに「民間が作った橋」ということでしょう。だから無論無料ではありません。駐車場は無料ですが、橋を渡るについては1000円の入場料が必要。

 でも損した気持ちにはなりませんね。綺麗な富士山を眺め、綺麗な空気を吸い、そしてその他施設も結構楽しめる。売店も一つの建物に綺麗に収められていて、それがガーデンになっている。良い発想だと思う。

 でもまだ新しい橋なのでナビの設定先がないなど、いろいろ問題はある。しかしそれに関してはここに書いてありますので、それを参考に。


2016年01月18日(月曜日)

 (09:40)台湾の総統・議会選挙で民進党が大きく躍進したのは、台湾の住民、特に若者の懸念を受けた結果でしょう。このまま国民党に政権をまかせておいたら「台湾が台湾でなくなってしまう」と。選挙で政権が変わる民主制に慣れた台湾の人々は体質的に中国の独裁体制に嫌悪感を持っていると考えるのが自然で、その通りの結果が出たと言える。

 台湾の人達の対中警戒感が如実に示されたのは2014年春。「ヒマワリ運動」という旋風が巻き起こったが、これは国民党が中国との「サービス貿易協定」(2013年6月調印)を立法院(一院制国会に相当)の内政委員会で審議終了・本会議送付を強行したことを受けたもの。

 これに抗議する学生達(自らの就職機会への脅威と考えた)は、立法院本会議場に突入、議場占拠を続けた。占拠が終わったのは「両岸(中台)協議監督法令制定前にサービス貿易協定審議についての政党間協議を招集しない」との王金平立法院長(国会議長に相当)の調停があったため。この運動の終わり方も「台湾が成熟した民主国家」だとの印象を与えた。

 民進党の勝利は圧倒的だった。初の女性総統として蔡英文さんが圧倒的な得票率で選ばれ、民進党は議会でも国民党が獲得した35議席の約倍の68議席を得た。国民党の朱立倫総裁候補をして「歴史的敗北」と言わせしめた。同候補は国民党の代表を辞任した。

 通常民進党を紹介するときに「独立志向の強い」という表現が使われるが、同党として最初に台湾総統になった陳水扁氏の時(16年前)と今回はかなり違う。国民党の8年間で台湾と中国の間の経済関係は大きく進展した。貿易量も大幅に増え、中国からの観光客も台湾に大量に入ってきている。

 ある意味台湾にとって以前敵対していた中国は、既に経済活動に欠かせない存在となっている。それを推し進めたのは国民党。にもかかわらず同党が今回の選挙で大敗したのは、国民党が中国にあまりにも譲歩し過ぎると映ったからだ。

 これを一番心配したのが「香港で起きている事」(中国の体制に批判的な本屋の経営者もいなくなっている)を見ていた若者達だ。肌合いが合うはずがない。若者達は対中経済関係の恩恵にも浴していない。台湾の若者の失業率は10%を超えるとの統計もある。

 蔡英文新総統は中国との関係について今のところ「現状維持」と言っている。当面は賢い対処だと思う。対して中国も陳水扁氏が初めて民進党から総裁になったときよりは融和的な姿勢だ。

 無論台湾の独立には「幻想に過ぎない」と警告を発しているが、まずは双方が「相手の出方を見よう」という事だと思われる。台湾経済の課題としては、中国経済が減速する中で再び「多極化」を試みる中で、過去の発展モデルからいかに脱するか。

 将来台湾が独立に向かうのか、それとも香港の道を歩むのかは分からないし、逆に中国も変化の可能性がある。「(民進党の政権奪取で)台中関係は不安定化する」と言われているが、それが許容できる範囲であれば別に心配することはないと思う。「蔡英文新総統に期待」といったところだ。


2016年01月15日(金曜日)

 (13:40)今見たらウォール・ストリート・ジャーナルの記事で「China’s Haier Nears Deal to Buy GE Appliance Business」と。GEが家電がらみの事業をハイアールに売却する方向と。

 GEに関しては今朝、「40年以上にもわたりコネティカット州フェアフィールドに置いていた本社をマサチューセッツ州のボストンに移転する」というニュースを見たばかり。

 ウォール・ストリート・ジャーナルの報道は「according to people familiar with the matter」という例の表記で、むろん確定ではない。しかし同紙の記事はかなり「そうなる確度」が高いので、ほぼその方向かなと思う。

 金融各部門の売却もそうですが、とにかくGEが改革のターゲットに置いているのは「完全なるデジタル化」。しかも徹底した。本社のボストンへの移転も「ハーバード大学やマサチューセッツ工科大学など世界トップクラスの大学と連携を深めることで、デジタル技術を活用した変革を加速したい」という考えによる。

 ここまで徹底し、かつ動きが速いとつい拍手したくなりますね。従業員が3年で入れ替わるアメリカ企業だからこそできる事ではあるが、やはり経営者の決意でしょう。日本の企業はなかなか難しい。これだけ事業の入れ替えをすると、人も出たり入ったりでしょう。それでもやる。

 「移転は2018年までに完了させる。フェアフィールドやニューヨーク中心部ロックフェラーセンターにあるオフィスは売却する」と。切っ掛けはデジタル化以外にもあったようで、「本社移転はコネティカット州で昨年夏に法人に対する課税を強化する動きが出たのを契機に検討が始まり」と。地方自治体も企業に選ばれる立場だとよく分かる。GEは私にとってしばらくは「気になり続ける会社」だ。

 ところで今朝ですが、「そう言えばフェースブックの新機能を試してみよう」と思ってスマホでやっても何も変わらない。「いいね!」の上に指を置いても。「超いいね!」「酷いね」などのフェイスマークは出ず。

 でTBSの若手ので見たらちゃんと出ている。バージョンは最新で変わらないのに。なので、「じゃ、PCと同じだからリブート」と思ったら、例の各種フェースマークが「いいね!」の上に出現。

 PCではカーソルを「「いいね!」の上に置くとフェースマークが展開します。私が最初出来なかったので、同じような方がいるかなと思って。参考情報です。


2016年01月14日(木曜日)

 (23:40)久しぶりに良いニュース。「エボラ熱の完全終息、WHO宣言 引き続き警戒促す」と日経。もっとも、この病気の最長潜伏期間は一般的に21日と考えられているのだが、ケースによっては菌が9ヶ月も患者の体内で生き残っていたという例もあるそうな。だから「引き続き警戒」と。

 対してなかなか収まらないのがIS。この二つ、以前から似ていると思っているのです。構成員(エボラの場合は取り付いた患者)を殺してしまうので(ISの場合は自爆)、「いずれ勢力は衰える」と考えたのです。しかしISの構成員、戦闘員のなり手はまだまだ一杯いるように見える。

 14日にはジャカルタでテロ事件が発生して、それもISの仕業と見られているという。ジャカルタには親族もいるので直ぐに安否をチェックしましたが、イスラム教徒の数が世界一大きな国(2億人ですか)で、その一派(ISはイスラム教を口実にしているだけの政治勢力と見る方が良い)が大きなテロ事件を起こすという不可思議な現象の連続。トルコもそうですが、終結は容易ではない。

 話は変わりますが、今日は午後実に久しぶりな人(達)に会いました。西新橋から虎ノ門に歩いていたら、反対側から「あれ!」と思える顔が。向こうも「あれ」と見ている。二人で同時に「あーーーー」と。

 それは川之江(今は四国中央市)の戸田汽船の戸田社長。そしてその息子さん達。新年のご挨拶に東京に ? 「まだ頑張っております」と社長。加えて「円高で難渋しています」と。

 私は早速「金利は低いままじゃないですか」と。外航船を運航している四国、瀬戸内海の会社の業績は、「ドル高、低金利」の時に良い。運賃はドル建てですし、借金して船を作りますから、金利は低い方が良い。ということは、今までは我が世の春。ははは。

 戸田社長に誘われて大型船の落としタイプの進水式に出た事を思い出して、「何時だったかな」と思って調べたら2001年の夏。どえらい昔。

 当時は良く四国とか尾道に行っていたんですよ。面白い会社が多いし、面白い経営者が多い。古くから様々な業が盛んで、海賊業(水先案内の面もある)転じた海運業など。加えて、あの辺は企業が良くスタートアップする。

 うーん、奇遇だったな。皆さんお元気そうで良かった。


2016年01月14日(木曜日)

 (15:40)最近思うんですが、日本もこれまでの「気温」に加えて「体感温度」を発表してくれないかな。多くの国がそれを既に実施しているとか。

 最近ちょっとまともになって寒い。寒いのは好きでそれは良いのですが、家のテレビでちらっと見た温度やスマホ上の温度を信じて外に出ると、とっても実感が違うことが多い。風が強くて、体感温度が発表気温とかなり乖離しているためです。

 通常風速1メートルで体感温度は1度下がるという。このところ朝家を出た時に風があるケースが多く、「あれ、思ったより寒いな」ということがある。最初から「今の○○は風速何メートルなので、体感温度は何度です」と小さく表示してくれれば助かる。

 日本でも気象予報士が乖離のある場合はそれを言っているように思う。しかしいろいろなケースでテレビの音を消しているケースもある。その場合は「体感温度」は決して視聴者に伝わらない。多分スマホの温度も体感ではないような。

 私が聞いた範囲では、温度と体感温度の両方を既に発表している国はアメリカ、隣の韓国など多数。先日アメフトの試合を見ていたら、「マイナス20度を下回る気温の中での試合です」とか言っていて、それは体感温度だったらしい。

 難しいとは思う。風は捕捉が難しいし、最近はビル風もあって一概には言えないとも思える。しかしやはり「風が全般に強い日」というのはあるわけで、それの方が天気情報を欲する人には親切かな、と思います。


2016年01月14日(木曜日)

 (00:40)貿易には相手が必要。中国の輸出は相手国では輸入と計上され、中国の輸入は相手国では輸出と計上される。比較すればその齟齬が直ぐに分かる。だから国内統計よりもはるかに”実体”(中国経済の)が出る。

 そしてその去年一年分の統計が13日に発表になって 中国政府の目標が「年間6%の伸び」だったのに対して、2015年の種出と輸入を合わせた貿易総額がドルベースで3兆9586億ドル(約470兆円)と前年に比べ8.0%減った。人民元ベースでは前年比7・0%減の24兆5900億元(約440兆円)だった。

 中国の貿易総額が前年比でマイナスとなるのは6年ぶり。内訳は輸出が2.8%減、輸入が14.1%減だった。輸出の落ち込みは人件費の上昇などで中国の輸出競争力は低下したことと、欧州などでの中国製品に対する需要減のため。

 輸出より大きな落ち込みとなった輸入は、原油など資源価格が安くなって代金支払いが落ちたのと、輸出減を見越して輸入が減ったこと。輸出の伸びの落ち込みが輸入のそれより小さかったことから、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支の黒字は5945億ドルとなり、過去最高を記録した。

 収支が大幅黒字になったからといって、これは中国としては喜べない。なぜなら輸出の減少は「中国のこれまでの成長パターン」が明らかに終わりつつある事を示しているからだ。筆者は金融そもそも講座で去年の10月から「中国経済特集」を連載しているのですが、その最新号に「中国経済が抱える一番の問題は、過去の成長パターンが通じ難くなっているのに、新しい成長モデルへの移行ができていない、ということだと思う」と書いた。それが去年の貿易統計ではっきり裏打ちされた。

 20ドルの大台を見た原油価格やその他資源価格が、今後さらに大幅に落ちることはまずないと考えられる。なぜなら20ドル台の原油相場では、アメリカでもそうだが生産者の倒産が続発し、その結果生産量が抑制される可能性が高い。それは他の資源でも同じ事だ。ということは、中国の輸入額の推移は加工のための資源輸入と、消費の為の製品輸入の動向が今後を左右することになる。

 前者を決するのは主に「輸出」だ。輸出が多ければ、中国は原材料をより多く輸入しなければならない。にも関わらず輸出は去年2.8%減少した。そう言われてみると、身の周りの「Made in China」の数が一時よりは減っているように思う。

 中国製製品の競争力が落ちているためだ。その最大の原因は最新号でも書いたが人件費の高騰。最近の報道によると中国の企業でさえ、「この程度の製品を中国で作っていたは競争力がない」と海外(ベトナム、バングラデシュなど)に工場を作るケースも出てきているという。

 一番良いのは「高騰した賃金に見合う製品を中国国内作れる産業構造の達成」だが、これはなかなか難しい。そこには創意工夫が必要だが、今の中国の政治体制はそれを一番嫌がる。汚職撲滅で役人も企業幹部も戦々恐々の日々。積極的には動かない。としたら経済構造の脱皮も難しい。では賃金の増加を抑えられのか。無理でしょう。

 興味深かったのは、この中国経済の苦境を示す2015年の貿易統計が出た日に、日本の株が「中国の事はもう結構」とばかりに大幅反発したこと。そりゃそうでしょう。いくら中国の景気が悪いといっても、日本企業の価値が下がり続けるのはおかしい。やっと市場もそれに気が付いた。

 しかし事実として残るのは、中国経済の減速傾向は今後も続く可能性が高いということで、経済政策、金融政策を調整する新しい部局を作っても、またオフショアの人民元市場)CNHと呼ばれる)で長続きしそうもない買い上げをしても、「根本問題が残る限り弥縫策に過ぎない」ということでしょう。あとはマーケットのそれへの注目度次第。


2016年01月13日(水曜日)

 (12:40)今日は雨が降っていた昨日に増して寒かった(起きた時の気温表示は+1度でした)からか、テレビ局のクルーが3人一組で結構数多く街に出ていました。番組構成で必要なんでしょうね。私が見ただけで皇居回りで二つ、溜池で一つ。カメラ、音声、リポーター。

 溜池のは局が分かりませんでしたが、皇居回りで午前7時20分過ぎと8時前に見たのはフジとテレ朝だった。フジのクルーとはちょうど桔梗口交番にもうちょっとで差し掛かるという場所で、何を思ったか私にマイクを向けてきた。

 多分、防寒帽をかぶっていたり、手袋もいつもよりはしっかりした風よけのものをしていたので、彼等の狙いに合致していたのでしょう。「街聞く」のマイクは今まで何回も断ってきたのですが(だって長くなる)、早朝ランはいいだろうと思って応じたら、予想通り「今日は寒いですが.....何かいつもとは違うことをしていますか....」的な。

 ははは、笑いましたね。にやにやしてインタビューに30秒ほど応じて。番組名は聞きませんでしたから、使ったかどうか。多分使わなかったでしょう。走っている時は汗が出ない。しかし止まると出る。眼鏡が曇って困ったな。

 まあでも寒い日が数日続いた方がいいですよ。桜も春に気持ち良く咲けるというもので、その時期にそれらしい気候になることが一番良い。ユニクロのヒート何とかも売れるだろうし。お堀に氷は張っているかは「ないだろう」と思って行きましたが、それでも確かめたらなかった。

 しかしお堀回りの舗装歩道の水たまりは、多分放射熱の影響でしょう、しっかり氷っていました。そこに足を掛けたら大変なことになるので、写真を撮るだけにしました。でもなんか走る人が増えてきたような。東京マラソン準備 ?

 2周したのですが、頭の中で「42.195 42.195 」とか「sustainability sustainability」と反復しながら。月曜日に個人コーチを受けたばっかりなので、その時に聞いたことを思い出しながら。

 「これだったらかなり長く走っても行けそう」というスピードは確かにある。牧野さんは「それでスタートして下さい」と。そりゃそうだ。「27キロからキロを計算しましょう」とも。ま、のんびり準備します。

 ぁ、それから年末・年始のオーストラリアの旅を一つの文章にしました。興味ある方はお読み下さい。


2016年01月12日(火曜日)

 (23:40)夜外を歩きながら、「この寒さが10日続いたら、冬物衣料が売れるだろうな」と思いました。本当に久しぶりに「気持ち良く寒い」。今日はたまたま撮影で新潮社の屋上に上がりましたが、風もあってそれはそれは寒かった。

 へえ、と思ったのは新潮社の屋上からは東京ドームの屋根が見え、その直線上にスカイツリーが見える。そういう位置にあのビルは存在するんですね。矢来町は高台にあるので、思った以上に景色が良かった。

 写真撮影をしたのは、今年の2月ごろには同社から出す本の為。やはり最新の写真じゃなきゃ失礼でしょう。編集長の後藤さんも、「新しく撮り直しましょう」と。ちょっと久しぶりの本の出版なので楽しみです。

 ところでイスタンブールは一昨年に行ったばかりですから、「ああ、あそこだ」と思えるほどテロ事件現場が蘇る。本当に世界中から来た観光客がぞろぞろ歩いている場所で(私も何度も歩きました)、今回のテロ事件の死者も全員がドイツ人とか外国人だったという。

2014年の正月に行ったイスタンブール  トルコ当局は、「ISによるテロ」と断定。犯人も「1988年生まれのシリア人」とまで言い切っている。「そんなことが良く分かるものだ」と思うのですが、イスタンブールという街は紀元前から何月何日にどこの船が入港したのかという記録が残っているという世界でも特別の街。様々な記録の収集が出来ているのかも知れない。

 それにしても今回も自爆だと。よく自爆者の供給が続くものだと思う。それだけISはリクルートがうまいと言うことでしょう。自らを殺してしまうエボラは世界、というかアフリカ各国で「克服」が宣言されていますが、ISは勢力が弱まってもまだまだ望ましくない存在感がある。

 エボラ以上にISはその影響力を減じるのに時間がかかる可能性がある。世界にとって依然として危険な存在です。


2016年01月11日(月曜日)

 (09:40)そうだそうだこの人だ....。

 ある人の勧めで今朝8時ちょうどにFM東京前(半蔵門)待ち合わせて1時間プロの「走り方準備・実施教室」の授業を受けたのです。今まで言ってみれば自己流でしたが、靴の履き方から始まって。

 「牧野さん」というのは知っていましたが、それがどんな人か分からなかった。1時間かけて皇居一周のコーチングを終え、家に帰って「牧野 ランニング」で検索したら、牧野さんのフェースブックのサイトも出てきて、動画もあまた。

 朝一ですが、私のに比べてどえらく良い靴を彼が履いていたので、「その靴は良い靴ですね」と言ったら、「メーカーが送ってくるケースもありますし....」と。私は「.....なるほど。ITアナリストが事前にiPhoneをチェックできるようなものですね....」と。私の所には本が時々。その時から「ただ者ではない...」印象。

 確かに教え方は上手だった。ご自身ではフルマラソン3時間を切ったことはないらしいし、私よりもかなり厚着の方でしたが、「ああ、そうなんだ」と気が付くことが一杯あった。

 うーん、靴の履き方から、ストレッチの重要性、走っている時の姿勢、深呼吸の仕方、リズムの取り方などなど。あと「歩くように走り始める」というのも役立った。驚いたのは本番では「トイレの前に人がかなり並ぶ」「場合によっては30分もかかる」だったかな。それは予想していなかった。

 あとはペットボトルの持ち込み禁止かな。去年はそうだったらしい。今年の要項は今月末くらいに送られてくるらしい。なんでもそうですが、他人の意見を聞くというのは役立つ。朝の1時間に付き合ってくれた彼に感謝。


2016年01月10日(日曜日)

 (10:40)夕べかな、撮りだめビデオの中に「歴史秘話ヒストリア 真田丸の謎」があってそれを見ましたが、これは面白かったですね。

 何よりも良いのは、この番組は一本作るために徹底的に自ら調べ、黒田さんを含めて番組関係者が何度も現地に足を運び、そして地中の過去歴や仕掛けを調べる最新兵器も使っていることなど。大阪城の周辺は、私も大阪に行くたびに回る当たりですから、とっても興味深かった。

 面白かったのは

  1. 今まであまり学術的には注目されていなかった大阪城南の天王寺区餌差町の心眼寺(城の北東の角部分に相当)のある一帯にあったと確定できたこと(レーダーを使い、米軍撮影の過去の地図を使いなどとっても面白い手法だと思う)

  2. 真田丸は大阪城とは離れた別個の場所に、完全なる堅固な出城として建設され、その中にはお寺が六つもあって、その一つが心眼寺だった(寺は確かに一つの陣地とも言える)

  3. 今まで想定されていたように真田丸の周囲は草地が広がっていたわけではなく、その前には街が広がっていて徳川軍が自由には動けない場所にあった(だから城は徳川軍に大打撃を与えて)
 といった点かな。番組が自ら動いて事実を解き明かしたところが良かったと思う。それはNHKが評判の悪かった昨年の大河からのばん回を狙ったので力が入ったと言うことがあるのでしょうが、あそこまで調べたのは良かったと思う。

 といって大河嫌いの私が今年の大河を見ることはないでしょうが、久しぶりに良い番組を見た気がしました。広島城に残っていた真田丸の地図が世間に出たことも良いと思うし、当時の戦いの様子もうまく再現されていた。ナイス。


2016年01月08日(金曜日)

 (23:40)ま、そりゃそうだ。GDP世界第2位の中国経済に問題があっても、1位のアメリカがしっかりしていれば「世界経済への懸念」は多少は減少させることが出来る。だから、昨年12月分のとっても強い米雇用統計発表後のマーケットはまずは「一安心」で反応。株先物は上げ、ドルはまずはしっかり。

 それにしても強い。昨年秋に弱い数字が出たことがあったが、あれは一時的だったことが明らかになった。12月の非農業部門就業者数は29万2000人の増加。重要なのは10月、11月の就業者増加数が5万人上方改訂されたこと。つまり米雇用者数は去年の第4・四半期ももの凄く伸びた。

 失業率は5%で変わらずで、これは今のアメリカでは「ほぼ完全雇用」とされる良い状態。リーマンショック後に米失業率が一時10%になっていたことを考えると、半分になっている。5%という失業率そのものは7年半ぶりの低い率。

 となれば「3月のFOMCでの再利上げ」の確率は高まったとも言えるが、その辺はまだ安易に結論に達することは出来ない。今年1、2月分の雇用統計がその間に挟まるし、今の世界経済の動きは激しい。

 マーケットも良く分かっているようで、統計発表後も気迷いが見られる。統計発表直後はドル・円は118円台の後半に上昇したが、その後は一端円高になって117円台後半もあった。数時間後の引けがどこになるのかは予測不可。中東情勢を受けて石油価格の動きが激しい(下げ方向での)という事情もある。

 株は発表直後の先物取引段階ではダウが200ドル以上上げる場面もあったが、ニューヨーク時間午前9時半の実際の寄りは100ドル高に満たない。その後は一時マイナスも。最近はボラが高い。今現在のVIX指数を見ると24.99で、これは最近ではとっても高い水準。

 去年の中国ショック後に40を超えるレベルがあったことから見るとまだ低いが、それでも地政学的リスクを含め今の世界は「何が起きるか予測がつかない」状態。なかなか投資家として気が抜けない2016年だ。

 その中で面白いニュースを伝えているのはCNBC。中国人民銀行が金曜日にウエブサイトに載せた声明を引用して次のように伝えている。

 China's central bank said it would further liberalize interest rates, according to a statement posted on the People's Bank of China website on Friday.

 The central bank also said it would make the yuan more international, keep the currency basically stable, further improve the currency formation mechanism and deepen reforms of the foreign exchange management system and financial institutions.

 The central bank will use medium-term loans, and pledged supplementary loans and credit policies to support key areas of the economy.The central bank also said it would maintain prudent monetary policy and flexibly use monetary policy tools to keep adequate liquidity in the banking system.

 つまり「金利の自由化をさらに進め、人民元をさらに国際化する」と。しかし一方で「基本的には人民元を安定した状態に保ち......」とやや理解に苦しむ混在声明。同銀行は声明を頻繁に出すが、実際にやっていることを見ると「人民元の急落を容認したり、逆にちょっと止めたり」で一貫性がない。

 証券行政も酷い。サーキットブレーカー制度の実施期間は僅か4日だった。中国は政治や外交ではこんなことは絶対しない。「権威」と「面子」を重んじる国だから。国内の権力闘争が激化しても、習近平は「腐敗撲滅」を続けている。

 しかし経済では政策を出したり入れたり。少なくとも経済政策を見る限り、「中国では共産党が全てを思い通りに動かしている」というのは昔の話しだと分かる。世界は「中国は経済政策では何をするのか分からない。マーケットが中国に振り回されている」と考えているようだ。

 しかし私に言わせれば、今は中国がマーケットに振り回されている。中国の政策当局者は、「本当にマーケットは手に負えない」と考えているのだろう。それでも前提条件を付けながら「金利を自由化し、人民元を国際化する」としている。ナイス。

 しかしそこには常に不徹底さが残る。共産党は「何でも出来る筈だ、いや出来なければならない」と考えている。その信念を最後の所は変えられないから、マーケットにもいらぬところで容喙を試みる。しかし跳ね返されている。その結果がサーキットブレーカーシステムのたった4日での断念。実に実に危なっかしい。そんなのが今後も暫く続く。

 困ったことだ。中途半端な成功体験と自信。対マーケットでは中国が捨てなければならない二つのものの筈なのに。


2016年01月07日(木曜日)

 (21:40)その名前を見た時に、「しっかりチャンスを掴む会社だな.....」と思いました。

 丸の内の仲通り。真新しいブランドショップが行列を作っているところですが、そこに「Isetan Salone」の文字。中央郵便局からの帰りにぶらぶら歩いていて見つけた。「あれ、いつできたんだろう....」と

 ミッドタウンのそれは出来たのが去年だったと思った。夏頃かな。ちょっと前でした。しかしそれ以外は「Isetan Salone」(イセタンサローネ)の存在は知らなかった。聞いたら去年の12月12日にオープンと。つい最近。私が知らないのは無理がない。

去年の12月12日にオープンだそうです  ミッドタウンの「Isetan Salone」は、出来た瞬間から「興味なし」でした。大体が女性ものしか置いてない。男には全く興味の持てない店なのです。一回入ったが、その後は行ってない。しかし丸の内仲通りの"target="other">「Isetan Salone」は「Men's」となっていた。

 そもそも「丸の内の仲通り」に店を作るという発想が良い。だって古くからの銀座にはいろいろ問題がある。銀座の中央通りは、「ここは日本か」と思うくらい海外の、特に中国語の方々が多い。歩き方・立ち止まり方の習慣が違うのか、とにかくあの通りはスムーズに歩けない。大勢の方にいらっしてもらえるのは良いのですが、いろいろ問題もある。

 といって並木通りはちょっとダウン。私の感覚として有楽町、銀座、東京駅の周辺で「一番安心してゆっくり買い物が出来るのは丸の内仲通り」です。実際には置いてある商品類が限られているので限界があるのですが、それでもあそこはゆっくり歩くのが面白いと思う。

 そういう観点から見ると、丸の内仲通りは「rising」です。そこに私が知る限りデパート系として初めて伊勢丹が店を持った。ということは当たり前ですが、伊勢丹はデパートとしての存在を大事にしながらも、「ブランドショップ」により顔を突っ込もうとしているように思う。

で、買っちゃいました。  丸の内は昔は単なるビジネス街で面白くなかったが、最近は仲通りが出来たので人の流れも徐々に違ってきていて、銀座に店を持つ人の中でも丸の内仲通りに「危機感」を持つ人が出てきている。そこに真っ先に店を出すわけだから、「(チャンスを)指を咥えて見てはいない会社」だと思う。

 店の中にも当然入りました。新宿のメンズ館をぎゅうっとワンフロアに持ち込んだ印象。商品は「このエリアで訴求力の高いもの」という発想で選んでいるのでしょう。新宿のメンズ館は細長いビルで、ワンフロアを見ると直ぐに上とか下に移動しなくてはいけない。

 しかし丸の内仲通りの「Isetan Salone」はワンフロアで歩きやすい。笑えたのは「がま口」かな。本当に「がま」の形をしている。あと奥のシューズコーナーが気になったので(足を動かすことが好きなので)見ていたら、チェックしたくなった靴が。裏がちょっと面白い。

 ま、あの辺に行く機会がある方は、立ち寄るのも一興かなと思います。


2016年01月07日(木曜日)

 (01:40)今頃国連の安保理が開かれて厳しい北朝鮮非難、そして制裁強化の声明が討議されているのでしょう。しかし問題なのは「何が語られ、何が文章化されるのか」ではなく、「各国が、特に中国とアメリカが何を実際にするのか」が問題です

 相変わらずおどろおどろしく北朝鮮は「水爆実験に成功した」と発表。金正恩の誕生日の二日前。例のアナウンサー(大分良いお年になりました)は声のトーンを目一杯に上げて。中東でサウジとイラクが国交断絶になって緊張が高まっているこの時期に、「北東アジアの自分も見てね」とばかりに。

 「水爆」という響きはおどろおどろしいが、要するに兵器としての重要性は「小型化が可能になって運搬手段の正確性が高まったかどうか」という点にある。搭載される兵器が原爆であろうが、水爆であろうが。

 ともに爆弾としての威力は通常兵器のそれを遙かに上回る。確かに水爆の方が原爆より威力は何十倍、何百倍だが、世界の主要核保有国は既に水爆を持たない。抑止力がさらに高まるというものではないからだ。もっとも水爆は確かに小型化できるので、その点では北朝鮮の核戦力の能力は向上したと言える。主張通りなら。

 しかしウォール・ストリート・ジャーナルには「Nuclear experts and South Korean officials said the size of the latest explosion, similar to that of North Korea’s last nuclear test in 2013, means it is unlikely it was caused by a typical hydrogen bomb. 」との疑念が提示されている。つまり今回のそれは過去3回の実験と震度が同じ。通常なら水爆実験では「もっと震度が大きくなるはず」と。

 韓国の一部には、「水爆実験をわざと小さく抑えて実施したのでは」との見方もあるらしい。あの小さな国で大きな水爆実験をすれば、国内に被害が生ずる危険性がある。だとしたらそれはそれで技術が進んでいるとも言える。しかしこれは調査待ちでしょう。

 もっとも原爆であろうと水爆であろうと「核実験に成功した」という事実は残るので、北朝鮮の脅威度は増したと言える。国民は「飼われている牛状態」(私の韓国の友人の言葉 絶対文句を言わないという意味で)であって、国力を全て「体制の維持」「そのための核兵器開発」に注いでいる国。しかも指導者がsomewhat ........なので、ちょっと危ない。

 しかし原爆にしろ水爆にしろ、使えない兵器であることは確か。使ったらその国も終わる。それは常識だが、金正恩がそう考えているのかは分からない。かつての集団指導体制の見通しはとっくになく、言ってみれば独裁。独裁者は何をするのか分からない。

 様々な人が「中国が重要」と言う。その通りだが、何を言うかは既に分かっている。「不満」であり、「困った奴だ」と思っているに違いない。その核戦力は「自分達に向かう可能性がある」とも中国は考えているでしょう。報道官は既に強烈な不満を北朝鮮に対して表明。

 はっきりしているのは、にもかかわらず今の北朝鮮の体制を支えているのは依然として中国だ、という点。そこが重要です。石油が出ない北朝鮮の石油がどこから来ているのかと言えば、それは中国。つまり中国が石油を止めれば北朝鮮は行き詰まる筈です。

 しかしそうならないのは、中国が北朝鮮に石油を供給し続けているからで、その論理は「窮鼠猫を噛む」です。確かにそういう面はあるが、もうそろそろ中国にとっても北朝鮮の今の体制・指導者は危ないでしょう。だから「中国が何を言うのかではなく、北朝鮮に対して中国が実際に何をするのか」が重要です。

 アメリカの出方も重要。なぜなら北朝鮮は何とか体制維持をアメリカに約束してもらいたくてあがいている。ここまで戦力を持つと、「その国の体制はその国の国民が決める」と綺麗事をいつまでも言っていられる事態ではない。いろいろな見方はあるが、北朝鮮の脅威度はアメリカにとっても上がっている。

 ではどうするのか。潰すのか、それとも何らかの形で現状を追認するのか。後者は好ましくない。金正恩という指導者の「自己顕示欲」は相当強く、それがどこで満足するのかは不明。もしかしたら「世界の指導者になれるかも」と思っているのかも知れない。他の国の指導者がそうは言っても代わるのに対して、彼には「任期」がない。

 だから任期あと一年になったオバマ大統領は、「本気で取り組むべきか、それとも次の大統領に考えてもらうのか」を検討している筈です。むろん私の意見では「直ぐに取りかかってもらわねば」ですが。今回はオバマ政権も動くような気もする。国内のオバマ批判も高まる可能性があるからだ。

 までも、実際の北朝鮮に対する影響力は中国が勝る。何せ長い国境線がある。だから「強く非難」は分かっているとして、例えば「国境封鎖」のような措置を中国が取るかどうか。それが問題です。それを見るには時間が必要。


2016年01月06日(水曜日)

 (17:40)今朝は笑えたな。帰国して初めての朝なので自然に原宿に足が向いたのですが、明治神宮の参宮橋門から入った瞬間に「あ、白っぽい参道の色が変わってしまった小さい砂利が少なくなっている。参道がところどころはげて茶色だ」と思いました。多分年末年始で道の様相が変わってしまったんだろうな、と。人が大勢通過したせいで。

 皇居前の玉砂利と違って、明治神宮の参道の砂利は小さい。しかし昨年末はそれが薄くばらまかれていて、どちらかと言えば「白い道」が出来ていた。しかし今朝は砂利が両サイドに飛んでいたり、下の土にのめり込んでいて、参道全体がところどころ茶色になっていた。それだけ大勢の人が歩いたためでしょう。参拝客は日本一でしたっけ。明治神宮は。

明治天皇 皇后の歌も別のものに  昨日書いた堆積岩の話を思い出しながら、「人間が大勢10日ほど歩いただけで小石などが下の土にのめり込む堆積圧力が生ずるとしたら、大地が海の中で強い、そして厚い海水の圧力を受けたらそりゃ岩になるわなと思いました。この季節が過ぎたらまた綺麗に砂利がまかれるのでしょうが。

 やはり新年の神宮、神社は普段と違う。段差は危ないので、階段を含めてそれを消す努力が払われている。それを見ただけで正月だなと思う。何よりも、全体的に言えば華やいでいる。華やかさの一番手は本殿正面の門(南神門)かな。写真の通りで、右向き、左向きの親申が。全体的に「ここを通りなさいよ」と語りかけているよう。

正面の門も綺麗でした

 また神宮正面に向かう最後の曲がり角に掲げられている明治天皇と皇后のお歌も新しいものに代えられていた。多分毎年代えられているのでしょう。階段などはいつ元に戻すのか。小正月 ? 

 明治神宮に行ったのはまだ朝早かったので人は少なかったが、「多分31日の夜から数日間はこの神社に相当な人が参拝に訪れたんだろうな」と思いました。今朝でもまだ参宮橋サイドから車は神宮に入れないようにしていた。車が入れるのは北参道口だけだった。

 お昼の約束が赤坂見附だったので、昼には日枝神社に。こちらは昼間だったので人が多かったですね。「正月ももう6日なのに」と思いましたが、家族連れ、会社の部課単位での黒装束の方々のお参りと様々。

日枝神社には昼に行ったので人が多かった  あ、明治神宮でも日枝神社でもお賽銭箱が別途大きく長く設置されているのが、普段との一番の違いかな。それと各種の縁起物の売れ行きが良いこと。ははは、二つの神社に行ったことで、私もやっと正月気分になれました。


2016年01月05日(火曜日)

 (17:40)オーストラリアが地形的・地理的に一番面白いのは、そこが海底の隆起によって出来た陸地、大陸だということかな。概ね。

 日本は言ってみれば「火山がぼこぼこあちこちで爆発を繰り返して出来た列島」ということが出来る。概ね。だから日本には急峻な山が一杯ある。よって日本にある岩は火山がもたらしたものが多い。しかしオーストラリアを移動して気が付くのは、存在する岩の殆どが「堆積岩」であるということです。(あれ、オーストラリアに火山ってあったかな。あっても数えられるほど ?)

 堆積岩なので、砂や大きさの違う岩が固まって出来ている。基本的には柔らかい。なので成分が多様で、砂に周りを囲まれて収まっていた岩は、何らかの拍子で外れて、高い所にあると落ちる。それはカタジュタでもウルルでも顕著でした。カタジュタやウルルにある下に落ちていた岩はそれはそれは大きい。

テーブルが一杯  先日書きましたが、そもそもカタジュタもウルル(エアズロック)も、非常に長い堆積岩の、実は両サイドです。それが雨などの浸蝕によってあの綺麗な形になっている。だから山肌(岩肌)が日本のそれとは全く違う。火山岩であのウルルのような綺麗な山肌(岩肌)は出来ない。堆積岩なので比較的短時間で綺麗になる。

 シドニーから車で西に一時間ちょっとの所に「ブルーマウンテン」という景勝地がある。その「ブルー」は一面ユーカリの木が生えていて、その葉っぱから出る蒸気が独特の淡いブルー色で、エリア全体がその色に染まる(晴れた日に顕著です)ことから出ているらしいのですが、特徴は「”マウンテン”と名前は付いているものの、それらは日本で言う”山”ではない」という点です。それは私に言わせれば”台地”で、それがいくつもあって、ずっと向こうまで続いているという景観。

パンダはころ良い大きさだな  その台地と台地の間は時に激しく落ち込む谷になっているのですが、それは浸食作用の結果と思われる。一番の特徴は、残っている台地の高さがピッタリ揃っていると言うこと。それは日本人から見れば奇妙です。日本ではそこかしこにある山の高さは全部違う。しかしオーストラリアの”マウンテン”の高さは、それが基本的には台地出身なので綺麗に高さが揃っている。

 平らな土地そのものが海から上がったり下がったりして堆積岩を作った後、最後に上がったが、その固いところは同じ高さで台地として残り、柔らかいところが浸食されて今のユーカリの木が生える谷になったと考えられる。

 しばらくして思い出したものがある。それは南アフリカのケープタウンにある「テーブルマウンテン」です。それはテーブルのように見える単独台地で結構標高がある。なので、そこにはいつも気流の関係で白い雲がかかっている。それが「テーブルクロス」と呼ばれているのですが、オーストラリアのブルーマウンテンにはテーブルは単独ではなく一杯ある。そこかしこにです。ただし標高の関係からか白いテーブルクロスはかかっていない。ユーカリの葉っぱのおかげで薄いブルーのクロスがかかっている。

 でも海底がそのまま隆起したって、それは火山よりも大きな力で押し上がったのでしょうね。どうしてそうなったのかは知りませんが、もしかしたら南半球にはそうい台地が多いのかも知れない。多分ケープタウンのテーブルマウンテンもそうして出来たと考えられる。私の勝手な想像ですが。

三姉妹は奇岩です  堆積物が多い土地なので、「相変わらずオーストラリアは石炭の国」と土地の人々は言う。「CO2が多く出る石炭だが、それが生命線なので中国にはばんばん売る。自然エネルギーにはあまり関心が無い.....。オーストラリア人は甘い....」とガイド。そう言えば発電用の風車は一台も見なかったな。どこかにあるのでしょうが。

 あのでかい土地に人口が2300万とか。そりゃのんびりしちゃう。ほっておけば。しかし広い土地の割りには「人口の集積度」が高い。シドニーに600万。つまり25%、四分の一が地球儀で言えば右下の湾が入り組んだ狭い土地に住む。海の移動も結構繰り返しましたが、本当にイスタンブールに似ている。海の交通はスムーズです。

 しかし陸地、街中では結構な渋滞。600万人集まっているのにまだ集まっている。住宅地が郊外に延びる。しかし移動手段はもっぱら車。そりゃ渋滞する。日本のように「そこら中に駐車場がある」国なんて少ない。オーストラリアもそうです。青空が圧倒で、ビルの下に有る駐車場なんて少ない。公共交通機関は限られている。

 シドニーの街も歩いて思ったが大分年老いてきている。デパートとか古い。デービッド・ジョーンズとかマイアーとか。海底が隆起してできた大地、国もそろそろ生まれ変わりが必要か。シンガポールと比べるとそう思う。サンフランシスコのような坂の多い良い街ですが。


2016年01月04日(月曜日)

 (23:40)日経新聞の「スンニ派とシーア派、なぜ対立(Q&A) 」という記事を見ても、それこそ「なぜ国交断絶」にまで最終的に発展するのかが分かりません。しかし実際にそのような事態は起きた。

 宗教の考え方の違いに起因する諸国の争いは歴史を見ても長期・過激化することが多いから、世界のマーケットが「今までに無い事態」と考えてこれを材料視して下げたのには理由があるように思う。

金比羅様の前で  問題はともに長い歴史を持つイラン(シーア派勢力)とサウジアラビア(スンニ派勢力)が「どの程度本気でどの場面で、どの程度対立する意思があるのか」だと思う。それがなかなか読めない。中東の中の、コップの中の嵐で終わるのか、それとも石油などの資源価格の大変動を呼ぶ動きになるのか。

 マーケットが一番嫌うのは「将来の不確定性」だから、それが見えてこないと「安定しようが無い」とも言える。もう一方の「中国の景気悪化」は年初早々に出た統計が「またしても悪かった」ということが要因として大きいと思う。

 中国に関しては以前から「景気悪化」が言われており、材料としてはそれほど新しくはない。しかし中国の投資家としてはあちこちで問題(年明け早々にも)を起こしている習近平主席の政治・外交の方向性にあまり良い印象を持っていないことは確かだろうし、我々が知らないところで中国の投資家が「(中国の)景気の一段悪化」の見通しを具体的に持っているとも考えられる。

 富士通総研・主席研究員の柯隆さんを迎えた元旦の番組は、こうした問題を考える上で非常に役立つと思う。彼との会話はいつも楽しいが、今回も是非聞き直して頂きたい。

 それにしても去年の末から「今年は荒れるぞ」と思っていたら、その通りの展開。ま、世界的に4日が取引最初の日という珍しい年としての2016年。いろいろ頭を使うには面白い年かも知れない。


2016年01月04日(月曜日)

 (13:40)国の成り立ちがアメリカよりもさらに最近なのでやむを得ないこともありますし「それが良さ」と言っても良いが、オーストラリアには特に気が付いたような「食文化」といったものはなかったですね。残念ながら。「特に美味しい」「微妙な味わいがある」といったものはない。

シドニーの老舗デービッド・ジョーンズの地下  そりゃそうなんですよ。アメリカだってニューヨークなどの大都市はまだましで、田舎に行ってイタリア料理店でスパゲッティを頼む時に「アルデンテ」と強く言い、さらに「not so soft」と言っても、まるで饂飩にようなスパが出てくるところもある。まだまだです。といってステーキだって日本の方がうまい。

 結構シドニーでは有名なある魚介類のレストランに言って「魚介のビスク」を頼んで出てきたものを一口スプーンで口に入れたとたんに、さっと手が胡椒に伸びました。何せほとんど味がしない。多分本当に魚介は煮込んでいるのでしょうが。

 中華街で中華を食べても納得は出来ない。「これはこれで食べられる」という類い。ま、日本以外で食べる中華のレベルはそんなものですが。その他も押して知るべし。ただし日本への進出がかなったビルズの本店で食べたリコッタチーズのパンケーキは、六本木のローダーデールのものとはもちろん違っていて美味しい。

景勝地 ブルーマウンテンの三姉妹  しかし良いものもある。果物はチェリーが今が季節で美味しかったし、果物は多種類で見ていても、食べても美味しい。実は街をいろいろ歩いていて一番面白かったのは老舗デパートであるデービッド・ジョーンズの地下街でした。海外のデパートしては珍しく食品があり、簡単な食事も出来るようになっている。回転寿司もありました。

 そこの野菜を見た時に、「オーストラリアも同じ病気か」と思いました。野菜がキュウリから何から綺麗に揃っている。大きさも色も。全てにおおざっぱなオーストラリアで「野菜が揃っている」というのが面白かった。

 シドニーの人口は600万。東京の約半分で、ボンダイビーチに行く以外は有名な観光地で「ここに行こう」と思うところには全てその気になれば歩いて行けることが良い。私も結構歩きました。うーん、次の予定はないがまた来たい街だな。


2016年01月02日(土曜日)

 (23:40)全くもって面白い年明けです。日本人にとっては正月の1日、2日、3日の三日は「三が日」でお休みは当然ですが、日本以外の国の多くの人にとっては2日からは普段は普通に仕事に復帰する日。しかし今年は2日から土日に入ると言いことで、言ってみれば結果的に「世界中が3連休状態」

シドニーのハイドパークにあるアボリジニの人々を顕彰する碑  見ているとここシドニーでも「ラッキー」と思ってこの夏の三日間を実にゆったり過ごしている。どこに行っても凄い人出です。世界中そうなんでしょうね。海外の連中にとって「お正月で帰省」といったことはないので、日本のように渋滞は起きていないようです。

 2日はあちこちに行きましたが、面白かったのは「Sydney Fish Market」かな。日本のマーケットは基本は業者向けですが、海外は「消費者向け」が多く、ここもそうです。ナマ一匹というよりは切り身で最初から売っている。そのマーケットの中に日本の築地で言う「場外」が入っている印象。

 そこで買って、海岸の席で食べるのですが、もう椅子の取り合いのような状況で、人出が多い。日本ほど繊細な魚料理は食べられません。オーストラリア全体に言えるのですが、国がまた新しいと言うこともあって、どの料理を食べても「耐えられる。しかし特に美味しくはない」というレベル。しかしそれはそれで面白い。

 ここに暫くいて感じるのは、「物価が高い」ということ。日本人が海外で「ここは物価が高い」と感じるのはそうは多くはない。ポンド高だったときのロンドンのホテルの高さには閉口したことがあるが、それ以外は今までは「ここは安い」と思うケースが多かった。

シドニーには路面電車もあります。3両編成で大勢の人が利用  しかし今は円安もあって違います。オーストラリアの物価高は知ってはいましたが、「これでは庶民は大変だろうな」と思う。気候も良いし皆呑気に生活しているようでいて、日本にもいますがショッピングバックで生活している人も多い。

 「政治」に対する不満は非常に強いようです。年末のオペラハウスでのコンサートでも、司会者が「今年もまた新しい首相をオーストラリアは迎えました......」と政治をいじっていた。会場が沸くこと。

 タクシーの運転手の中には、「ターンブル(今の首相)はゴールドマン出身で、俺たちにとって何も良いことはない。炭素税が突然2倍になる。けしからん....」と怒っている人がいました。「ここのやつらはシープ(羊 多分国民の事)だ。全く.....」と容赦なかった。

シドニーの魚市場。大勢の人が買い物と食事に訪れていました。ま主に消費市場ですね  その時は空港に向かう時だったのですが、「8年間で6人目や.....」と言ったりもして、ちょっと辟易したので静かに相づちをうってやっていたら空港着。料金が43ドルくらいだったかな。45を出したら、「Have a good day」とか言って、5ドル札を返してくれた。釣りがなかったのか、話を聞いてあげた成果なのか。ちょっと笑ったな。

 明日もこの人混みかと思うとウンザリしますが、海外の年始3連休は珍しいので、それはそれで楽しい。


2016年01月01日(金曜日)

 (11:40)エアズロックから31日の午後に帰ってきてシャワーを浴びただけでオペラハウスに。年末恒例の「New Year's Opera Concert+花火」というコースで、日本よりも早い時間(2時間)の年末年始を初めて体験。

はなから凄い人出でした  コンサートはオペラといっても一流どころが4人最初に次々に出てきて歌い、その後男子ペア、そして女子ペアが共演・競演、最後は盛り上げ.....という例のパターン。当然ですが劇はなし。でも司会者がとってもユーモア溢れていて面白かったし、歌も年納めには良すぎるほど良かった。

オペラハウスの内部  でもとにかく警備が厳重で、オペラハウスには手前4キロくらいからどちらからも一般車が近づけない仕組みになっていて、歩きも規制の対象。初めての私たちの身にはちょっとうろうろ。チケットもネット予約の交換式なので、引き替え所に行くのが人をかき分け一苦労。花火だけのお客さんも多いので。

 圧巻だったのはやはり花火でしょうか。オペラハウスの左手にはハーバーブリッジがあって、ある意味視界を遮っている。なので、その橋を実にうまく使うのです。

 アーチ式の花火は橋のアーチを使って、下部の車道・歩道は下にナイアガラを作ったり、光のページェントに使ったり。そう言えば同じ制服を着た作業員が私が渡っている最中(二日ほど前)も盛んに上がったり、下がったりしていた。花火の仕掛けを作っていたんだと今から思う。

ゼロになると花火が始まる  むろん橋以外にもいろいろな場所を打ち上げに使っている。プランも毎年違えているのでしょうが、結構大変だと思う。オペラハウスの左がメーン会場ですが、突然左サイドで上がったりする。大阪の天神祭りの花火ほどには拠点が割れていないが(帝国の前と天神橋 ?)、全部見るには位置取りに工夫がいる。この船が一番カラフルで綺麗やった

 オペラハウスと橋の間も、その前後も海が入り込んでいますから、綺麗に全身(マストの上まで)を白くイリュミネートされた各種の船が花火が始まる前は海の上をこれ見よがしに移動し、始まると花火鑑賞に邪魔にならないようにアウトサイドに散って。

 雰囲気がやっぱり日本のそれとは違う。私たちは花火鑑賞券付きのオペラ観劇だったので、午後8時前から元旦午前1時前までずっとオペラハウスの中にいました。シャンパンと簡単な食べ物は用意されていて、もうカウントダウンが始まる前からかなりの盛り上がり。シャンパン、食べ物すべてインクルード。

 「0」を指したその瞬間から花火が橋メインで始まるのです。写真は「4秒前」のものですが、これがゼロ担ったときがシドニーのニューイヤー。オーストラリアは時差のある国なので、西に行くほど後ずれする。

花火は日本のものと違って、また綺麗でした  年末年始は世界各地で経験していますが、一番の喧噪はニューデリー、その次がイタリア、その次がシドニー、そしてスペイン、トルコ(イスタンブール)かな。その時にどこにいるのかで違ってきますが。ニューデリーはディスコの中でしたから。

 その場所でせっかく新年を迎えるのだから、なるびく人々の中で新年を祝うようにしています。あ、忘れていた。ずっと以前にニューヨークのタイムズスクエアで新年を迎えたことは当然あります。駐在したので。あれも楽しい喧噪だったな。

 誰とでもキスするというのは嘘で、まあ知り合い中心です。今回はオペラハウスの中は上品でしたが、外は夏ですから寒くもなく、一部は大ディスコ大会。あそこにいればちょっと様子が違ったと思う。

 それぞれの方がそれどれの形で新年を迎えたと思います。今年一年が皆様にとって本当に良い一年でありますように。私もなるべく多くの場所に出没したいと思っています。


 
海の上を動き回るヨットなどの船。一番綺麗だったのが左側の大きな船

左上が書けているのはオペラハウスの天井が入ってしまうため

オーストラリアでも花火の最後の〆はナイアガラの滝でした



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