2016年06月30日(木曜日)

 (11:25)ここ数日で気になったニュースは、「VWは排気量2000ccの不正車の買い戻し費用や罰金、集団訴訟の和解金などに約100億ドルを支払う。該当する不正車は47万5000台あり、所有者には5100〜1万ドルの補償金を支払う。」というやつかな。アメリカ発の。

 これはフォルクスワーゲンによるディーゼル車の排ガス不正問題で、同社と米当局が総額147億ドル(約1.5兆円)を支払うことで成立した和解の一環。5100〜1万ドルと言えば50万円強〜100万円ちょいでちょっと大きい。

 私がこのニュースを見て思ったのは、「日本にもフォルクスワーゲン(アウディも..)の対象車を持っている人は多少はいるはず。彼等はどうなるのだろう」という点。VWのアメリカでの合意は、多分アメリカ国内での合意ということで、同社は各国で所有者と話し合いをするのだと思う。

 なぜVW系の車をもっていないのに関心があるかというと、一人の消費者としてあまり思い出したくない記憶があるからです。それは「NIKE+ FUELBAND SE」。買ってあまり時間がたたずに同社が「販売中止」として製品ラインを打ち切ってしまった。

 買って半年もしないうちに故障し、直しに行ったら「販売中止」と判明。調べたらアメリカでも販売中止になって大騒ぎになり、どうやら所有者には一律で損害賠償が行われたらしい。

 車よりは安いですよ。確か1万円ちょっと。しかしナイキという名前の通った会社が一旦売り出した商品を「はい、やめ」と言って良いのか、と思ってちょっといらっとしたのです。でアメリカでその措置が取られたのだったら日本は......と思った。

 ナイキに電話したのかな。それか原宿の店に行った。そしたら、領収書をもってきていただければお返しします....といった話しだった。しかしそんな半年も前の領収書なんて探してもなかった。

 けしからんな........と思っているうちに時間がたって、そのまま。なので、今でもナイキの店を見ると「しょうもない」と思ってナイキ製品は買っていない。その時思ったのは、「アメリカは消費者の母体は大きいし、集団訴訟という手もある。消費者が強いが、日本はどうもな.....」という点。で、VWのケースはどうなんだろう、と思ったのです。

 VW、VW系の対象車を持っている人は日本でどうするか知りませんが、全体的に言うと「日本も消費者のパワーをもっと強くしないと」と考えているのです。


2016年06月29日(水曜日)

 (10:25)今朝ですが、毎度の明治神宮に立ち寄りながら、「日本には白神社と赤神社があるんだ」と思うに至りました。今まであまり考えたことがなかったので、自分では勝手に「面白い」と。

空が暗かったせいか白が目立った明治神宮  というのは、今朝の明治神宮は「白」がとっても目立った。多分雨模様で空が暗かったせいです。写真の通りです。この白は木の切り口に対する防腐の役割も果たしているらしい(守衛さんに聞きました)のですが、色彩感覚としても綺麗です。明治神宮はとっても「白」が目立つ神社です。綺麗に並んで。灯籠にも施してある。

 そこから思いついたのは、「そう言えば明治神宮には”朱”がないな」という点。今更ながらですが、明治神宮の朱に近い色は宝物館の屋根ぐらい。しかし普通の神社に使われている朱の鮮やかさではない。

 神社の中にはもっぱら朱がウリになっている神社も多い。魔除けの色です。平安神宮もそうだし、伏見稲荷大社を初めとする全国のお稲荷さんは基調赤です。考えてみると、京都の神社には「朱」が多い。そこで、この神社の色の違いはなぜ生じているのかをちょっと調べても面白いかも、と思ったのです。

 神社の場合、「朱」は「朱」ですが、「白」の範囲は広い。「木材を使用した鳥居で、かつ木の皮をはいだ鳥居の色」も「白」と分類するらしい。本殿もそうでしょう。ということは、私がその印象を強く持った白の明治神宮は、全体的には「白の神社」と言えるし、その論法で言うと出雲大社も、そして伊勢神宮も「白の神社」と言える。鳥居も本殿も朱がない。そういう意味では靖国神社も、諏訪大社もそうです。

 対して目立つという意味では、先ほど書いたように京都や関西を中心に「朱」を前面に押し出した神社が思い浮かぶ。お稲荷さんは全国にもある。赤が記憶に残る神社の特徴は、鳥居から本殿まで赤で目立つことかな。平安神宮とか。

 一方で、鳥居は白で本殿だけが朱色に近いものがある。例えば青山の熊野神社。鳥居は白で、本殿は朱。熊野本宮大社はどうなんだろう。行ったことはあるが、思い出せない。いずれにせよ、いろいろな組み合わせがある。

 調べたら、名前に「赤白」の二文字が入っている神社があった。白赤稲荷神社で、読み方は「はくせき」というらしい。名前の由来は知りませんし、行ったこともないのですが、住所は「横須賀市安浦町2丁目12番地」とある。名前だけでちょっとおめでたい印象もする。

 赤神社と白神社のどちらが古いかなどは調べてないので知りません。多分「白神社」が古い。なぜなら「赤神社」ほどに赤の色を揃えるのはなかなか太古の昔では難しかったのではないか、と勝手に思う。時の流れの中で赤にした、それとも赤の入手が可能になったあとで最初から、とも思える。人々を驚かすため ?

 現段階では勝手な想像です。調べないと。同じように「神社」といっても、日本は多様です。これも行ったことはないが、京都には野宮神社という鳥居が黒い神社があるそうな。行ってみたい気もする。


2016年06月28日(火曜日)

 (10:25)何か考える素材が不足しているな....と思ったら、英国ポンドとユーロの最近の値動きが分かっていないことに気がついた。普通見ていないでしょう。なのでiPhoneの「株価」に「GBPEUR」と入れて、今まで私が見ていなかったこの通貨関係を入れて、iPhoneを横にしてみると....

2016年06月28日日本時間午前9:55

 となった。つまりEU離脱でイギリスもピンチ、EUもピンチという報道が多いが、通貨関係で見ると今は「イギリスがやばい」とマーケットは見ていることが分かる。ポンドの対ユーロ購買力が低下。

 今朝で主要格付け”会社”のイギリスへの格下げが揃った。ムーディとフィッチが1ノッチ、SPが2ノッチ。SPは果断です。「In our opinion, this outcome is a seminal event, and will lead to a less predictable, stable, and effective policy framework in the U.K. We have reassessed our view of the U.K.'s institutional assessment and now no longer consider it a strength in our assessment of the rating」 seminal とはこの場合「インパクトが大きい」といった意味です。

 国に対して格付け会社が2段階一気に引き下げるというのは、私の記憶にはあまり無い。途上国のクーデター(ま、そんなもんか)後とか。格付け会社は英以外のユーロ圏の国々対しては格下げをしていないので、格付け会社の判断と為替市場の相場の動きは軌を一にしていることになる。

 これは1ヶ月チャートですが、過去10年にチャートを動かしてみると、ポンドは今の1ポンド=1.2ユーロ以上に弱かった時期もあったので、今の相場は直近に比べると急落はしているが、それほど異常な相場ではない。しかし下げが続けばイギリスの輸入物価は上昇し(貿易関係が深いので)、相場に底入れが見えないと、EU諸国(のみでなくて、世界からもですが)からの対英投資は低迷する。

 次にポンドとドル、それに円に対する相場の動きを同じターム(一ヶ月)で見て見る。

2016年06月28日日本時間午前9:55

2016年06月28日日本時間午前9:55

 円は民主党時代にとびっきり高かった時期があったので、今の130円台の半ばはそれほど驚くポンド安ではない。しかしこのチャートでも直近だけでポンドは対円で20円も値を失っていることが分かる。こりゃ危機の直前に日本への旅行を計画し、そして今日本に来ているイギリスの人達は大変だ。クレジット払いにすると、旅行費用が恐らく全体で1割ほど値上がりする。

 もっと衝撃的なのは、ポンド・ドルです。直近でもポンドが対ドルで値を失っていることは明確だが、iPhoneのチャートは10年まで。しかし英ポンド・ドルは伝えられているとおり1985年以来のポンド安・ドル高。アメリカ人がイギリスに殺到する ? 使用前のイギリスの最後を見に ?

 つまりこうです。今のままポンドが急落するようなら、英国は最悪こうなる

  1. 英国は途上国並の輸入インフレの国になる。それは金利の上昇を余儀なくし、国内景気の悪化を招来する。失業率が上昇する

  2. 次の首相が決められない事態が続き、かつ次に生まれる首相・内閣が弱くて、今既に増えている移民に対する嫌がらせなど犯罪が増えれば、それは英国の政治情勢と社会情勢の同時悪化を招く

  3. その場合には、本当にスコットランドが連合王国(英国)から離脱する可能性が出てくる。多分選ぶ通貨はポンドではない
 といったことが危険性として見えてくる。そのリスクを知っているオズボーンは「ここにいるよ」と英通貨当局として声明をマーケットに対して出した。しかし27日の世界のマーケットは聞く耳を持たなかった。

 多分、EUとG7の助けがなければ、英国は独力では今の危機にうまく対処できない。ロシアや中国は当面は静観だろう。中国はチベットと新疆ウイグル自治区を抱える。ロシアはフランス、ドイツを見る。

 アメリカやEU、それに日本の「支えますよ」といった声明は絶対に必要だ。だから、英保守党も労働党も「分断」を乗り越えてまずEUとの交渉のテーブルにつかないといけないが、ボリス・ジョンソンはのんびりしている。

 離脱交渉開始がキャメロンの言う「10月」だとすると、ちょっと時間が空きすぎている感じがする。マーケットは週に5日も開く。マーケットは自律調整するから、ポンドは近く反発する。しかしそれはポジション調整だ。本当にポンドを買うには、

  1. イギリスが連合王国であり続けること(スコットランドと北アイルランドが抜ければ、イギリスは本当にちっちゃな国になってしまう)

  2. EUとの関係が決定的には壊れないこと。特に自由貿易の枠組みが必要だ

  3. イギリス経済もある程度の健全性が保たれ、社会が概ね平穏でて、諸外国の対英投資もある程度続くこと
 が必要だ。「健闘を祈る !」って感じかな。おかげで「株価」のリストが三つも長くなった。


2016年06月27日(月曜日)

 (13:50)ポデモスは、予想されたほどには伸びなかったのか。もしかしたらそれは「失われた330兆円への条件反射」とも言えるかも知れない。スペインの総選挙(半年で2回目)で、反EU的緊縮財政勢力は、議席を僅かに伸ばしただけで予想された第2党にはならずに、第3党にとどまった。

 330兆円とは、24日一日の世界の株式マーケット失われた時価総額の規模です。少し前の日本のGDPが失われた感じ。そして世界的な混乱。もしかしたら、「反EU勢力を勝たせると、世界は大変な事になる」とスペインの方々は考えたのかも知れない。

 「なんなんだこれは」と今日も思うのは、「出口調査ではポデモス躍進」と伝えられていたのに、結局票が伸びなかったこと。結末はこうなった。イギリスの国民投票でも「残留派52% 対 48%離脱派」と伝えた世論調査は、「事後世論調査」で実際には出口調査に近い。「それって出口調査だったの」と思う。本当に欧州の世論調査は信頼できない。

 おまけに「なんなの君たち」と思うのは、英国民、EU離脱で戸惑い 「投票を後悔」続出という今朝の日経の記事。「一部はそうでは」と思っていたが、かなりの連中がそうらしい。

 しかし後の後悔先に立たず。今朝の新聞には「英金融大手HSBCは、ロンドンで勤務する従業員のうち、最大1000人をパリに異動させる検討に入った」とBBC。そりゃそうだ。現実は着々と進む。

 おっちょこちょいのファラージュとかボリス・ジョンソンが今後何を描くのか楽しみ。ファラージュはテレビ番組で、EUに払ってきた拠出金を国営医療制度(NHS)に充てる公約を「間違いだった」と撤回したそうな。この公約は離脱派のキャンペーンの目玉だった。国民も唖然だろう

 無責任が過ぎる。しかし Damage has been done ! 今朝の東京株式市場は金曜日の下げに比べると小幅高。でもごく一部を取り戻しただけ。イギリス国民が「あれは間違いだった」と言い始めたら、世界の投資家の間には「損害賠償の訴え」、特にアメリカでの集団訴訟の動きが出るのではないかとも思う。

 世の中既に「イギリスはEU離脱」で動き出している。時既に遅しか。今朝長い文章を書きました。欧州情勢とマーケットに興味のある人はどうぞ。


2016年06月27日(月曜日)

 (10:50)昨日NHKスペシャル「古代史ミステリー 御柱」を見ていて一番ビックリしたのは、私が好きな「五平餅」は実は神道、それも御柱祭と関係があるんだ、と思いが飛んだこと。

 あの棒に平たく潰したご飯を串焼きにしたもので、高速道路などの売店などで見付けるとほぼ100%買って「ここのは美味しいのか」とチェックする。あの味噌味と焦げたところが好きなんですよ。最近は大部分が安直に作っているが、時々とても美味しいものがある。

 ところがこの番組には御柱の移動(祭り)の先頭に立つ「御幣持ち」(今年の本宮一のそれは北澤さん)という人物が紹介されていた。その人が持つ「御弊」を見たら、確かに五平餅の形をしている。私はこれまでずっと不明なことに「五平さんが最初に作って食べたから」と思っていた。

 調べたら通常は「五平餅」と書くのですが、「御幣餅」とも書くらしい。「御幣持ち」そのものじゃないですか。発音が。調べたら

 「神道において神に捧げる「御幣」の形をしていることからこの名がついたとするのが一般的である。実際、「御幣餅」と表記して販売しているところもある。また五平、あるいは五兵衛という人物(樵であったり猟師であったり、また大工とするものもある)が飯を潰して味噌をつけて焼いて食べたのが始まりとする伝承も各地に形を変えて存在する。」
 とwikiにある。多分これまで私がぼやーと考えていた後者の説ではない。多分神道と関係しているな、と。それは私の直感です。御柱祭には少なくとも子供の頃に2回は祖父や親父に連れられて引き手として参加しているし、毎回見学には行き、今年も上社の木落としと川越えを見に行ったので、とっても親近感がある。

 「守矢」家の話しは面白かったな。祖父や親父が「守矢文書」を調べていて、その件に関して話をしてくれたりしたので。諏訪の縄文の神「モレヤ」ね。それは知らなかった。本当かどうかも含めて。「モレヤ→守屋」と。それに「ミシャグジ」。

 なかなか良く出来た番組だと思いました。最初に星空をもってきて、そこに木遣りを入れたのが良かった。うーん、でも番組を見ていて、下社の方々はちょっと不満かも知れないな、と。冒頭の一部と最後しか下社の御柱祭と関連が出てこない。

 最後は本宮一の建て御柱で番組は終わり。最近はこの段階で問題が起きている。次回はどんな御柱になるのか。多分また行きます。でも「諏訪で縄文遺跡900」とか「諏訪が最後の縄文王国」とか。面白かった。今年の御柱祭で撮った私の写真はここなどにあります。


2016年06月26日(日曜日)

 (00:50)解き放たれちゃったのは「巨大な、しかも数多くの遠心力」かな。むろん欧州がそうだが、世界でも。その中で中ロは3日間で二回もプーチンと習近平で首脳会談。中味は伴わないものの(貿易関係は希薄)、「俺たちはとりあえず一緒でいよう」と言っているように見える。

 遠心力 ! 対する言葉は求心力。むろん強まる遠心力の中で、求心力を求める力も働いている。例えばオランドはルペンと会談した。ルペンの先走りを警告するためだろ。しかしオランドが大統領として一右翼政党のポピュリスト党首と会談した、という事実がフランスでも働き始めた大きな遠心力を際立たせている。であるが故に、オランドはルペンを引き寄せようとしている。遠心力を弱めようと。

 遠心力をまずイギリス国内で見る。今BBCには「200万人が投票のやり直しを請願」とある。「投票のやり直し」ね。仮にそうなったら、イギリスの分断は決定的になる。多分できない。しかし「(イギリスがEUから出ていくなんて)許せない」という人々は多いはずだ。多分、この動きは続く。勝利した離脱派は反発する。

 イギリスは「次の舵取り」をする人を探すのに苦労している。キャメロンは10月に辞めると言ったが、「じゃ、次は誰だ」ということになる。しかし離脱で目立った動きをした人ほど残留派から指弾される。ボリス・ジョンソンが良い例だ。再投票を請願する人々のポスターには「No Boris」と書いてある。じゃ、誰が....? 次の首相が決まらなければ、EUとの離脱交渉も出来ない。

 スコットランドは連合王国政府(ロンドン)を差し置いてEUと交渉を始めた。「EUにおけるスコットランドの地位を守るため...」という理由だ。そりゃそうだ。スコットランドでは62%が「残留」を支持した。スタージョン行政府首相は「スコットランド独立の再投票の可能性が極めて高い」と言っている。

 北アイルランド(連合王国を形成する一つ)では、今は国境もないアイルランドとの「合体」を求める声が出始めている。スコットランドほど具体的ではない。しかし北アイルランドの人にとって見れば、今は全くフリーなアイルランド(独立国)との間に国境検問所ができるようなら、それは大きな衝撃だろう。

 もしイギリスがスコットランドと北アイルランドが抜けた連合王国(イングランドとウエールズ)になったらどうなるか。スコットランドは人口530万人、面積80080平方キロ。北アイルランドは人口181万人、面積13840平方キロ。

 今のイギリス連合王国は人口6410人、244820平方キロだから、その二つが連合王国から離脱すれば、イギリスは人口の11%、国土面積の38%を失う。それはイギリスが日本と比べて人口が半分以下、そして面積は約4割の国になることを意味する。そうなれば代価の高い”独立”だ。シティがフランクやアムスにその地位を奪われれば、イギリスは何がウリになるのか。

 一方のEU。フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、ベルギー、ルクセンブルクなどEUオリジナルの6加盟国で外相会談を開いた。「どう対処するか」で。そしたら、エストニアだったかな、外相から「なぜ全加盟国の外相会談を先にやらないのだ」とクレームが付いた。そりゃそうだろう。

 ユンケルやEUサイドには「次の離脱」を避けるために「イギリスがキャメロンの言う離脱交渉担当者としての次の首相を決めるのを待たずに、直ちに離脱交渉すべし」という厳しい意見が強い。しかし「急くべきではない」と言っているのがメルケルだ。じゃ、EUは急ぐのか、それとも少し時間をイギリスに与えるのか。ここでも意見が割れる。

 オランダやフランスでは反EU政党や勢力が、「イギリスと同じような国民投票をやれ」という発言力を強めている。理屈は「究極の民主主義」でその通りだのだが、危ない。欧州各国ますます、国内と外交関係で遠心力を高める可能性がある。ま、オランドとメルケルの個人的関係では求心力は残りそうだ。しかし来年ドイツ国民は再びメルケルを選ぶだろうか。オランドはどうだろう。支持率は低い。

 トランプが「(英国のEUからの離脱は)イギリスはEUから独立し、彼らの政治や国境、経済を取り戻した。英国で起きたことは米国でも11月に起きる。11月の大統領選で米国民は再び米国が独立を宣言し、世界のエリートによる今日の支配を拒否する機会を得るだろう」と語ったことは日本でも報じられている。

 これに対しクリントン前国務長官(68)は同じ日、「英国民が下した選択を尊重する。こうした不確かな時代だからこそ、米国民の家計と生活を守り、同盟・友好国を支援して敵に立ち向かい、米国の利益を守るため、ホワイトハウスには冷静で安定し、経験のある指導力が必要だ」と述べたとも伝えられる。

 しかし彼女はそれとは別に自分の選挙運動にメールアドレスを登録した支持者に対して以下のような危機感溢れる文章を送っている。私はクリントンの支持者ではないが、おもしろ半分に登録したので送られてくる。それには

 We all woke up to the news that the United Kingdom is leaving the European Union.Now, David Cameron is resigning as the UK's prime minister, the pound is plummeting, and stock markets the world over are dealing with massive levels of uncertainty.

 Right up until the moment the outcome of the vote was announced, political observers and financial analysts were confident that the referendum to leave the EU would fail. They never actually processed the possibility of a different result.

 We can't make the same mistake.

 No matter what the collective wisdom of our political punditry has to say between now and November, Donald Trump has a real chance of winning this election. Together, we have to wrap our minds around that fact -- and resolve to act on it.

(後略)

 このメールの最後は「だから献金して下さい」となっているのだが、気になりますよね。「Donald Trump has a real chance of winning this election」という文章。支持者に「油断するな」と言いたいのでしょう。しかしいかにイギリスのEU離脱がクリントン氏にとって衝撃だったのかは分かる。

 イギリスがEUから離脱すると国民投票で決めたリパーカッションは、世界のあらゆるところに届いている。「そんなことが起きるんだ....」と。遠方にも。かつビッグに。あちこちで見える遠心力の渦(言葉の矛盾ですが)。でももう眠いので寝ます......。


2016年06月24日(金曜日)

 (13:50)「イギリスによるEUからの離脱」は、欧州だけではなく、世界も不確実性の海に乗り出す、ということを意味する

 まだ最終結果は出ていない。しかしBBCなどはこれまでの票を出方で、「離脱派52% 対 48%残留派」と予想している。離脱派は6月23日を「独立の日」にしようと言っている。

 対して、スコットランドでは再び独立を求める声が強まり、他の欧州諸国でも「EU離脱」を進める勢力が勢いを増すだろう。マーケットは大荒れ。今の状況で、ドル・円は100.80円ほど。どのくらい正しいかは別にして、ある相場表を見ると高値は98.195。ただし一瞬でしょう。東京の株価は1200円ほど安い。安値はもっとあった。

 今改めて思うのはEU官僚達の罪ですが、無論彼等だけが悪いわけではない。アメリカではトランプ、サンダース現象が生じている世界的状況もある。

 EUの場合は「離脱手続き」は基本条約の第50条で決まっている。ギリシャで取り沙汰された「参加国のユーロ離脱」に規定がないのとは違う。50条は「加盟国は自国の憲法上の要件に従い連合からの脱退を決定できる」と定める。

 決定後の手続きは、離脱を希望する国が加盟国首脳で構成する欧州理事会に脱退の意思を通知することによって始まる。キャメロン首相は離脱派勝利の場合すぐに通告する意向を表明しているが、国民投票後の28、29日に開かれるEU首脳会議で伝えるかは分からない。

 当然だが、イギリス国民による「離脱」の選択は、極めて長い時間を要する不安定な、枠組みが定まらない期間が生ずると言うことを意味する。離脱のプロセスそのものがマーケットの嫌がる「不安定」と「枠組み不在」の時期の始まりを意味するのだ。

 イギリスとEUの新たな関係の見本になるかもしれないのはノルウェーやスイス、それにカナダとの関係。ノルウェーはアイスランドなどとEU非加盟の欧州諸国でつくる「欧州経済領域」(EEA)に所属している。

 これは欧州自由貿易連合(EFTA)加盟国が欧州連合(EU)に加盟することなくEUの単一市場に参加することができるように、1994年1月1日にEFTAとEUとの間で発効した協定に基づく枠組み。

 しかしスイスではEEAの参加の是非に関して国民投票をした。結果が「ノー」だったので、スイスはEUと個々の分野について100以上の協定を締結。その結果、単一市場へのアクセスを確保している。

 つまりイギリスが「離脱」を決めた場合には、次にはEUとのその後の関係についてEEAにするのかスイスの歩やり方を踏襲するのか、それとも独自の枠組みを作り直すのかを決めなければならない。時間のかかるプロセスだ。

 ノルウェーとスイスは同時にEUの規制のほか、EUが単一市場で重視する「人の移動の自由」を受け入れ、EU への拠出金も支払っている。「人の自由」に関しては、イギリスは「離脱」を選んだ場合どうするのだろう。

 なぜなら今回の国民投票の争点の一つだからだ。またイギリスの場合、ロンドンのシティがあるが故に、EUの通貨・金融に関する機関はロンドンに置いているケースがある。「離脱」となればそれらは欧大陸のどこかの都市に移ることになる。そのプロセスも決めなければならない。

 カナダとEUの自由貿易協定(FTA)を、イギリスのEU離脱モデルに想定する意見も出ている。しかしFTA交渉が成立すれば、関税関係において「残留」に近い貿易上の地位をイギリスは対EUで確保出来るかも知れない。

 しかし過去の例を見るとFTA交渉には長い時間がかかる。貿易に関してFTA協定を結べなければ、WTO(世界貿易機関)のルールが適用されることになるが、これだとイギリス、EUの双方にとって関税が上がるのは必至だ。

 通常一般の人々の離婚手続きも簡単にはいかない。双方の主張がぶつかり、双方が疲労困憊するまで続き、感情の高まりが生じ、複雑な取り決め・手続きが必要だ。それと同様に、イギリスのEU離脱には、複雑な手続きとお互いの譲歩が必要だが、その間はずっと世界のマーケットは「新しい枠組み」を不安に見つめ続けなければならないことになる。

 その手続きだけで2020年、ないしそれ以上かかるとの見方がある。思わぬ資金の移動も起きるだろう。市場にとってのとてつもない「予測不可能性」の発生だ。今のマーケットはそれを象徴している。


2016年06月24日(金曜日)

 (05:20)まだ投票が締め切られていないのに、マーケットは「確信的に残留派の勝利」を見てリスクテーク」に入っていますね。

 ニューヨークのダウは14分前に引けとなって230.24ドル高の18011.07ドル。引値での18,000ドル台は今年に入っても珍しくはない。ただし今までは「その後は反落」が多かったが、今回はどうか。確かニューヨーク株の引値での史上最高値は18312ドル程度だったと思った。

 ダウの上げ幅は1.29%。%で見た上げ幅はSPとNasdaqの方が大きく、SP500は1.34%アップの2113.32(27.87上昇)、Nasdaqは1.59%上昇の4910.04(76.72上昇)。史上最高値には%的に見るとダウよりSP500の方が近い。

 下げマークがあるのは国債の相場や金相場。よって利回りは上昇。指標10年債の利回りは1.742%。6月の中旬には1.5%台もあったから、大きな利回り上昇。ドル・円はドルの高値が昨夜のニューヨークで106.08で、今も106円台。103円台の半ばがあったことを考えると、大幅な円安。ポンドやユーロが激高。

 で、マスコミ的に見てマーケットほどに「残留」に確信があるかと言えば「ノー」です。直近の世論調査では「残留派がモメンタムを強めていたものもある」、という程度で、もしかしたら「出口調査」をしない英マスコミの代わりに、マーケット関係の機関がそれに近いことをしたのかも知れない。

 また投票率が高いと思われることから推測したのかも知れない。兎に角有権者登録の状況(4649万人でしたっけ)から見ると、投票率は高くなる。英国の一部での悪天候にも関わらず。

 スコットランドとロンドン地区での「残留派」の勢いが強いことを指摘する向きもある。しかしそれはあと6時間ほどすれば分かる。 ま、我々はそれを待ちましょう。


2016年06月23日(木曜日)

 (08:20)イギリスの国民投票の結果がどう出ようと、一つはっきりしていることがある。それはブリュッセルのEU官僚群のやや性急な、時に強引な統合プロセスの進め方が、イギリスを初め加盟各国での「反EU感情」を高めていると言うことだ。

 彼等の進め方は、多分「理想」に一部基づき、そしてそれを旗印にしている。しかし恐らく「EUの統治力の上昇、そして領域の拡大は自分達に有利」との時に有意識の、そして時に無意識の認識、時に心理的モメンタムがある。

 恐らく今回国民投票を行うイギリスの国民のかなりの部分は、「なんだ、イギリス政府よりEUの官僚達の方が我々の日々の生活をコントロールしているの、しようとしているのではないか」と思っているに違いない。残留派の中でも。

 EUの官僚群が作り出す複雑な規則、規制は日本の企業にとっても悩みの種の一つなのだから、イギリス国民や企業がそれをうっとうしく感じていることは確実だ。そしてそれが例えばローマの市長選でも出たし、その他の国でも「反EU感情」の高まりとなっている。それは良く分かる。

 欧州各国は、それぞれの国の国民が比較的身近に政治家を感じ、そして選挙で選んでいる。しかしごく一部のEUのトップを除いて、EUの官僚達は加盟国の有権者によっては選出されてはいない。選んでいるにしても多くの国の人にとって「遠く、親密感」のない人々だ。

 そんな人々と、そしてその下の官僚達に「ああせい、こうせい」と言われるのは、誇り高いヨーロッパの有権者には「うざい」と写っている筈だ。建国前後、アメリカが州中心に成り立っていた頃、連邦政府に対してもたれた疑念のかなりの部分に相当する。

 ではいつかヨーロッパはアメリカ合衆国のようになれるか。それは無理だ。アメリカの最初の13州は確かに異なる個性を持っていた。しかし皆生まれたばかりだったし、お互いに違いを認識できない程度。かつ言葉はほぼ同じだった。

 ヨーロッパは違う。それぞれの国が文化、異なった歴史を持ち、互いに何回も戦い、そして領土を入り組ませてきた。だから将来もEUがヨーロッパ合衆国になる可能性は少ない。特に短時間では。

 ところが、EUの統合の理想には経済的現実が伴っている。経済規模が大きくなった(5億人以上の消費市場)故に、ロシアにもアメリカにもそして日本にとっても、「EU市場は無視し難い市場」であり、故にEUの言うことには関心を払わざるを得ない。その意味では、ヨーロッパはEUに固まることによって全体的には発言力を高めている。だから大企業は皆「残留派」だ。

 しかしその高まった発言権の恩恵を実際に受けられる、時に受けたとの幻想を持てる人・企業の割合はそれほど多くはない。後者の人々は幻想が冷めれば「なんなんだ、EUとは」となる危険性がある。そしてヨーロッパの多くの人は、EUを縁遠い、理想ばかりかざし、自分達の生活を少しも良くしてくれないうざい存在と見ている。移民の急増もそうだ。

 だからブリュッセルのEU官僚達は、もっとそれぞれの国の国民を身近に感じながら政策を進める必要がある。しかし恐らく階級社会であるヨーロッパでは、ブリュッセルに集っているような連中は、比較的狭い、国境を越えた汎欧州的なアッパーソサエティの中で生きている。

 しかし決して忘れてはいけないのは、それぞれの個人が持つ社会的影響力とは全く関係なく、選挙は「一人一人が同じ価値の票を持つ」ということだ。そこに「実際の国民の声の割合」が出るし、それはしばしば世の「理想」や「常識」とは違ったものになる。それらはしばしばアッパーソサエティが決めている。しかし民主主義は国民が下した異なる意見を受け入れなければならない。

 ニュースを見ていると、ドイツのショイブレ蔵相などかなり多くの人が今までのEU本部のやり方、そのスピード感に強い違和感をもっているようだ。それは良いことだ。政治的理想に基づくメルケルの移民政策も、ドイツの多くの人々に違和感を持たれるに至った。

 恐らくそれは、直ぐ隣に言葉が分からない移民が入ってくることに対する民衆の違和感、嫌悪感だ。「そんなものは持つべきではない」とは言える。しかし人間は理想だけでは生きられない感情の動物だ。

 「急いては事をし損じる」という言葉が日本にはある。イギリスの国民投票がどのような結果になろうと、「接戦だった」という事実が、EUの事の進め方には大きな反省となるだろう。それが今後の政策にどう反映されるのかを見たい、と思う。


2016年06月22日(水曜日)

 (10:20)完全にシステムが目詰まりを起こしている.....もしかしてFacebookも終わったかな......と思いました。

facebookは18時間遅れでアップ  兎に角最近のFacebook は写真のアップに時間がかかりすぎる。例えばこの写真です。実はこの写真は昨日の朝6時前に表参道の交差点、スマホの位置情報では「南青山五丁目」で撮った。そして直ぐにFacebookに投げた。写真は一瞬を切り取るものだから、時間の要素が非常に重要なわけです。

 この写真を朝撮りした時、「うーん、このシチュエーションは朝だから面白い....」と思ったのです。周辺には朝までやっているクラブがある。多分そこで飲んでいたのでしょう。

 飲んでいた女子が、地上に出て歩き始めたら滑ったか何かで力が入って.....抜けてしまった。鼻緒が。多分直せる見込みがないから、そのまま捨てて行ってしまった。まあそれは許しましょう。

 場面を見た時、「あああ、可愛そうに。これを履いていた子はどうしたんだろう」と思ったのです。裸足のまま暫く歩いたのか、それともタクシーに乗って帰ったのか。それを写真を見た人にも感じてもらいたい....と思って写真を撮った。そしてFacebookにアップした。朝だから面白かった。

 実は最近ずっと、フェースブックで写真を上げてもちっともタイムラインに表示されないことが多かった。数時間かかることもある。なので「今回はいつになるんだい ?」と思って見ていたのです。ところがとんと載ってこない。

 驚くことに、Facebookのタイムラインに載ったのは、日付が変わる頃。つまり18時間もたったころ。その頃になって「40分前にアップロード」の表示だった。冗談じゃない。それだと「夜の出来事」になってしまう。この写真はだいたい昼間だし。それじゃ写真の意味合いが違ってしまう。

 「40分前にアップロード」って、と。驚き桃の木です。「それは君たちのシステムが目詰まりしていただけだろう......」と怒り心頭。ありえない。

 表示通りなら私がまるで夜になって明るいとき(時間は不明)の写真を遅れてアップしたように見える。フェアじゃない。こんなにアップが遅れ、それがまるで上げた人間が遅らせたように出るのならFBの新鮮度は劇的に落ちる

 アップが早いのは今はインスタグラムです。「insta...」の綴り通り。インスタ経由の共有もトライしたが、やはり遅い。ということは、フェースブックそのものがシステムスローの状態になっている ?

 ブログのシェアとか内外の新聞記事のシェアなどは今もフェースブックは速い。写真は重いから時間がかかっているのかも知れないが、それにしても早朝にアップした写真がその日の真夜中のタイムライン登場になるって....そりゃ改善しないと。

 ツイッターは使わなくなって久しいのでいいのですが、フェースブックにはまだ終わって欲しくない。しかし...と思う。それとも自分で広告でも出したら早くなる ?


2016年06月22日(水曜日)

 (00:20)神谷町のテレビ局から帰ってきてしばらくしたら、ラジオ日経の土肥君から「英国の国民投票に関する投票方法や即日開票の進め方」に関するロイター電がgoogle docsで送られてきて、「ああ、これこれ。欲しかったのは....」と思いました。

 皆さんにも参考になると思うので、ちょっと引用しますね。まず投票用紙には次の二つの選択肢が記載されているようです。

 「欧州連合のメンバーにとどまる」

 「欧州連合を離脱する」

 投票者はいずれかに印をつける。投票所は23日0600GMT(日本時間午後3時)に開場し、同2100GMT(日本時間24日午前6時)に閉場。

 一番重要なのは開票の手順と進捗具合。それが日本の何時になるのか。ロイターによれば、開票は投票締め切りの2100GMT(日本時間24日午前6時)直後から始まるそうです。手作業で。

 まず全国382の選挙区がそれぞれ投票用紙を集計し、無効票や郵送投票を含めた投票総数を発表する。当日2230GMT(日本時間24日午前7時半)から翌24日0130GMT(同午前10時半)に大半の選挙区が発表し、0400GMT(同午後1時)ごろに終了する見通し。この段階では投票総数発表で、結果は分からない。

 重要なのは次で、総数確認が終わった後に「残留」票と「離脱」票を集計し、各選挙区が結果を発表するという。24日0100GMT(日本時間24日午前10時)から0300GMT(同午後0時)ごろに大半が判明し、0600GMT(同午後3時)ごろにはすべて判明する見通し。  私が関心のあったマスコミの「出口調査」については、「今のところ英マスコミ各社は出口調査を計画していない」とのことで、結局「選管の発表を待つ」ということになりそう。ということは、私の今週金曜日の毅郎スタンバイの出番の時間帯(午前7時から8時半まで)は、ごく初期段階の途中経過しか分からないということだ。ちょっと残念。

 一方で日本では明日が参議院選挙の公示です。7月10日に投開票。今日はそれでNikkei plus 10に午後10時から特集で出てきました。神谷町のスタジオに行くのは久しぶり。小谷さんも元気そうで良かった。

 番組でも言ったのですが、私としても今回の選挙には結構興味がある。アベノミクスは安倍さんが誇っているほどには成果は出ていないか、息切れ状態。では有権者は「野党にやらせてみよう」と考えるているのかどうか。専兼選択の選挙ではないにしても、最終的にはそう考える。

参議院選挙公示を前にして日経プラス10に出演  野党が共産党まで一本化して候補者を絞っているのはむしろ有権者に怪しまれるのではないかとか、民進党は名前まで変えて挑戦しているが、岡田体制は成果を出せるのか、など。今回の選挙で厳しい立場に立たされるのは安倍さんの方ではなく、岡田さんの方だと思う。

 「複数区で民進党がどの程度議席を取れるのかに注目している」という大石記者の話は「そうだな」と思った。今のところ自公では改選121の過半数61は固いと思われる。

 前の仕事の関係でMIRAIで行ったのですが、驚いたのはテレ東の駐車場が社用車で一杯で、結局局の建物の前に車を駐めた。他のゲストの方もそうなのだそうだ。番組が終わって送ってくれるときに皆さんビルから出てきて、「これがMIRAIか」とか言うことになったのですが、驚いたことがあった。

 なんと小谷さんがとっとと運転を開始。ははは。局の回りだけですよ。「この人は車が、そして運転が好きなんだ」と分かったのは、トランクを開けて、ボンネットを開けて、と。ははは私はプリウスの時からボンネットは開けないことにしている。見たって分からない。

 しかし彼女は違った。女性であれだけ車に興味を示した人は初めてだな。それが面白かった。


2016年06月21日(火曜日)

 (18:20)今日は見付けた時、暫く目が離れなくなったものを。伊勢丹の8階で。逸品であり、一品です。他にない。木を丁寧に彫って出来ている。かわいいでしょ。でも私の手元には置けないのです。残念。

今日の逸品

 ところで、最近フェースブックに写真をアップする作業をしてもなかなかアップロードされない。なので、私の思い通りになるブログにアップします。なんであんなにアップ時間がずれるのかな。


2016年06月19日(日曜日)

 (18:20)昨日と今日の日経がそうですが、最近の日本の新聞は「中国人による爆買い」の終了や大きな購買品目の入れ替えで日本での販売総額が落ちたと報じている。しかし私は「爆買い」は終わったが、新たに始まったものがある。それは”爆訪”だ」と思っている。

 先日明治神宮の御苑の花菖蒲との比較をしようと思って、清澄庭園に行ってたのです。奥の方に花菖蒲田がある。御苑のそれの方が綺麗かな。

 しかし驚きました。清澄庭園は日本人の間でもそれほどメジャーな庭園ではないと思っていたのに、そこには中国からの観光客がひとりでだったり、家族でだったりしてたくさん来ているのです。日曜日の朝に行った高尾山でもそう。

 清澄庭園や高尾山だけでなく、私はメジャーとは言えない場所で中国からの観光客を数多く見ます。台湾の人だったり、中国本土の人だったり。逆にデパートなどではあまり見かけなくなった。先日の伊勢丹もそうだった。

 思うのですが、彼らは訪日の目的を変えているのです。今朝の日経にも上海での訪日のビザ発給数は増えていると報じられている。つまり日本に行きたい人の数は増えているのです。もちろん「爆買いから爆訪へ」となれば、中国の人たちが落とすお金の金額は少なくなります。

 例えば清澄庭園は入園料がわずかに150円です。高尾山は入山そのものはタダ。電車賃くらいです。これだったら伊勢丹で買い物をしてもらったほうがはるかに日本経済のためにはなるような気がする。

 しかし私は例えば清澄庭園を見た中国の人たちの顔が総じて高揚しているのを、そして驚愕し、楽しんでいるのを見ているが故に、「彼らは実際の訪日」によって日本の良さをはっきりと認識しているのではないかと考えています。

 つまり物の良さでではなく、中国の人たちがより多くの日本の場所を訪問することによって、中国では失われた東洋の景観の美しさ、文化の奥深さに恐らく感嘆しているのだと思う。(ここが欲しい...と思われるのは行き過ぎですが)

 それを一番思うのは明治神宮ですが、他のところでも彼等はとっても満足しているように見える。文化大革命で多くのものが失われた中国。日本にはかなりの部分、それが残っているし、日本人は綺麗好きですからどこも綺麗。

 日本に来る中国人は、中国人全体13億人のごく一部であるにしても、ゆっくりゆっくり中国の日本に対する印象を変えていくのではないかと思っているのです。あの政府はどうしようもありませんが、反日ドラマで育った人々も変わりうる。

 もちろん日本の綺麗な名所・観光地が中国語だらけになるのは嫌です。しかしゆっくり品の良い人達が増えるなら賛成だな。


2016年06月18日(土曜日)

 (11:20)こういう暑い日に遊びに行きたかったなぁ....あそこには、という感じです。そこが青木ヶ原樹海。5月の末に行ったのですが、そこはとっても涼しかった。今もそうだろうな。

緑と不思議が一杯  もしかしたら「あ、そこは...で有名な」という悪いイメージがあるのかもしれませんが、歩いているととっても気持ちよいし、「緑の力」を感じる事が出来る場所です。フィトンチッドでしたっけ。木々の、そして植物たちの息づかいのような風を感じることが出来ます。自然がいっぱい。

風洞は突然出現  凄いのは放置された自然かな。要するにあの辺は富士山がはき出した熔岩の上に自然が広がっている。なので地面が続いているように見えて、岩の裂け目、岩と岩の間の空洞など落とし穴が一杯ある。だから整備された歩道を外れることは凄く危険です。

 下が岩なので、木の根が空中に出てそれが異様な景観を作る。見ていて楽しい。明治神宮でも見れない自然の力を見ることができる。加えて涼しい。涼しいと言えば、富岳風穴は涼しかったな。いまはどうかしりませんが、少し入るとぐぐっと気温が下がる。

 風洞内の移動は、結構厳しい。なぜなら観光洞窟と違ってここには灯りがない。なのでかそれぞれの参加者がヘッドライトを付けて、ガイドさんの先導で進みます。というのも、足場が氷で滑りやすいし、頭の上は岩石で、転んだりすると怪我をする危険性がある。

後ろに光りをやると  結構深い。そしてその中には宮殿と呼ばれる氷柱が集団で発生している場所もあり、また昔の人々がお蚕さんを勘違いさせた場所の名残もある。だってここに入れると「冬」と勘違いし、そこから出すと「春」と間違える。

下が岩なので木の根っ子は上に→根上がり  先導してくれたオジさんは面白かったな。乗っている車のナンバーが「富士山 3776」ですからね。富士山の標高。詳しかったですよ。話しもうまかった。青木ヶ原樹海には確かに自ら入るのは良くない。だって本当に玄武岩の岩は磁石を狂わす。この目で見ました。

 ところで、今日は朝ランニングしたのですが、ちょっと時間が遅かったのでテーマは「いかにして木陰を走るか」でした。すぐ思い出したのは明治神宮です。しかしあそこは走ることができない。というか禁じられている。

 次に思いついたのは北の丸公園です。皇居も丸の内側は日陰が少ないが半蔵門サイドは結構木陰が多い。東京は面白い街で日陰を探そうと思ったらいくらでもある。お日様が低い朝は。なぜなら高いビルが続いているので、どっちかのサイドには必ず日陰ができる。

 しかし木陰とビルの日陰では全く心地が違う。圧倒的に木陰が良い


2016年06月17日(金曜日)

 (13:20)とっても便利な「デバイスの壁を超える」アプリを発見しました。私と同じように、あちこちの場所で、いくつかのPCやデバイス(スマホなど)を使って文章を作る人間、それにドキュメントを他の人々と共有する必要性がある人には最適です。実はこの文章は主にそのアプリを使って作成しています。

 紹介するのはGoogle Docsです。私は先日の高校後輩達との話しの中で、「Mac上のワードはよくクラッシュする」と文句を言ったら、「これが便利ですよ」と紹介してもらっていて、今朝試して納得した。

 APP Storeでもアンドロイド携帯のアプリストアでも簡単に見つけることができる。iOSでもAndroidでもダウンロードすると、スクリーン上のアプリ名としては「ドキュメント」と表示される。PC上ではGoogle上でググってもらうとすぐに出てきます。あえてリンク先を書くとこうなります。

 今までドキュメントの共有は、私の場合主にDropboxを使っていましたが、それはドロップボックスを開き、そこからドキュメントを持ってくる、またはそのまま開く必要があった。しかしこのGoogle Docsではその必要がない。直ちに共有化され、保存される。同じIDを使っていればグーグルが瞬時にデバイスを超えて共有化。

 私は今までセキュリティの関係や重さの関係から手元デバイス(スマホ)にはドロップボックスは入れてこなかった。なので例えばここに掲載している文章を書くときにはPCの前に座る必要があった。

 しかしこのアプリを使うと、それも必要なくなる。例えば今のこの文章は風呂の中で雛形の上に音声入力して作っています。簡単です。SIRIで音声入力しているので超長い録音はできませんが、ちょうど頭を作り直すのに良い時間が出来る。

 このアプリが良いのは、文字数の確認が出来ることです。テキスト作成ソフトにはその機能がないものもある。しかしこのアプリでは簡単に文字数が確認出来る。右上のプルダウンの中に。文字数が確認出来るのは私のように「文字数は何字」と決まっている原稿が結構多い人間には便利です

 使い方は例えばこの文章を書くに当たっては、雛形として

<P><img src="../image/colorsqu.gif" border=0><br> <B>2016年06月17日(金曜日)</B>

 <FONT COLOR=#FF0033>(05:20)</FONT>

<P>

<P>

<br> (無論<>マークはhtmlが認識しないものに変えてあります)

 といったものをいくつか上げておいて、そこに適当な長さの文章を音声入力していく方法です。これだとどこに居ても文章を作り上げることが出来る。IDが同じ場合なら「共有化」はそのままで出来るし、そこで作った文章を他の人にメールで転送することも可能。

 例えば私の場合は、放送局の若手と簡単に文章の送受信が出来ると言うことになる。興味のある方は使ってみて下さい。あ、文章の作成は右下のペンマークに毎回タッチすること、新規ドキュメントを作るときは「+」マークを押下ことなどにお気をつけを。


2016年06月17日(金曜日)

 (05:20)悲惨な事件だな........と思う。まだ起きたときの状況、背後に何があるのか、そして犯人の男の思想、背後関係などは、はっきり分からない。しかし「対立を煽った政治家にも責任の一端があるのかもしれない」と思った

 イギリスでEU残留派の最大野党・労働党の女性下院議員ジョー・コックス氏(41)が路上で男に襲われ、そして死亡した事件だ。地元警察は、52歳の男の身柄を拘束したという。

 まだ調査が行われている状態で、詳しい動機などは分かっていない。地元警察は「単独犯とみている」という。この下院議員は、23日に迫った国民投票で欧州連合(EU)への残留支持派として活動していたという。

 いえね、ずっと心配していたんですよ。イギリスではEUからの離脱、EUへの残留を巡る国民投票を一週間後に控えて、テムズ川で互いが接近戦を繰り広げるなど一種の「宗教論争」のような風景を呈し始めていた

 同じ土俵(英国)に乗っていながら、政治家同士が相手を激しく非難し、相手の主張に沿った結果になると「英国も終わる」「相手の言っていることは嘘だ」とか「英国経済に大打撃」とか「移民が支配する国になる」といった品のない誹謗・中傷が飛び交っていた。人々の神経は逆立っていたと思う。

 スコットランドの独立の是非を巡る投票の際、激しい意見の対立があったが、その後その対立は収まった。「成熟した国民だ」と思っていた。しかし今回はそうはいかなかった。報道によると男はコックス氏を大型の刃物で襲い、取り出した銃で複数回撃ったという。確信的であり、強い敵意を感じる。一部メディアは、男が国粋主義的な言葉、「恐らく”英国第一”のような」言葉を発したと伝えている。

 私がずっと心配していたのは、アメリカのトランプ集会での不慮の事故です。もう既に何回も暴力沙汰が起きている。親トランプ、反トランプ。激しくののしりあい、時に殴り合いを行う。もっとフェイタルな事件が起きてもおかしくない状況にある。

 感覚的に言えば、「政治家が品のない激しい言葉でお互いの陣営を非難すること」は、社会の雰囲気を変える。だから今年のイギリスでのEU離脱・残留を巡る「宗教論争」も、戦後もっとも醜悪になることが確実な米大統領選挙も私は心配していた。

 心配していたことがイギリスでまず起きたことは衝撃です。そういう方向にはない国に見えていたので。まずはこの拘束された男が何者かの調べが第一でしょうが、「相手への敵意」をウリにする政治、政治家の危険性が顕在化した、との認識が必要だと思う。


2016年06月16日(木曜日)

 (07:20)およよ、イチローさん大コングラですね。並んだ上に、第五打席ではライトに見事なクリーンヒット。二塁打。4257本。日米通算。世界新記録。

 イチローが9回2アウト1塁で打席に入った時から、スタジアムは大騒ぎ。イチローへの歓声が飛ぶ。ピッチャーはロドニー。確か4球目だったと思った。今日初めて芯に当たった球が一塁手の頭を鋭く抜いてライト線に。ナイス。

 球場中が沸いた。チームメイトからもコングラ。相手チームのメンバーからもコングラ。イチローもヘルメットをとって、球場全体に挨拶。だから野球を見るのをやめられない。

 イチローの今日。第一打席はピッチャー横の一塁線へのぼてぼてのゴロ。切れそうで切れなくて、それをキャッチャーが拾った。キャッチャーは一塁に投げたが、送球もそれて内野安打という展開。それで4256本のピート・ローズと並んだ。ははは、イチローらしい。彼も苦笑い。

 この時面白かったのは、先攻のマーリンズですから休場は敵側(パドレス)。しかしイチローの日米通算のヒット数がピートと並んだとスタジアムの電光掲示板に表示されると、大きな拍手が球場全体を包んだ。

 よく見ると、イチローを横にして一塁手も拍手している。控えめだが。「アメリカのファンに好かれているな....イチローは」と思いました。パドレス球場はあまり観客は入っていなかったが、それはデーの関係もあるし、チームの調子があまり良くない(27勝40敗)ですから。

 でも見ていて「イチローも人の子」だと思ったのは、第四打席までは明らかに振りがおかしい。体全体が動いている。軸がない。明らかに記録を意識し、記録を「一気に抜きたい」という気持ちが出ている。もしかしたら新記録達成をホームランで狙っていた ? 「珍しいな」と思いました。

 体が前のめりにぶれているので、バットが球を芯でとらえられる筈がない。だからなんとラッキーにもヒットになった第一打席の他に、第二、第四打席でぼてぼてのピッチャーゴロ。一度も「良い当たり」がない。バットでの球捕らえが良いのがイチローの真骨頂なのに。第三打席は外角に逃げる球をチップ三振。しっかし振れたのが第五打席だった。

 日本ではピート・ローズのトランプ並みの暴言、悪態がよく伝えられる。しかしあんなのは気にする必要がない。「日本では高校時代のヒットも数えるんだろう」とか。あほらしい。はっきり言えばピート・ローズを尊敬するアメリカ人はもういない。鼻つまみです

 だから、大リーグ4256の最多安打記録にイチローが並び、そして抜いたことにはとっても価値がある。例え「内野安打が27%だろ」というローズの発言が真実だとしても。

 明日は休み(移動日)で今日はラッキーな先発。そこで新記録達成。やはり「出来る男は違う」と思う。「大リーグ3000本にあと21本」ですから、当面イチローの心落ち着かぬ日々は続くんでしょうが。


2016年06月16日(木曜日)

 (04:20)予想通り「政策金利の据え置き」が決まったFOMCでした。全員一致で。反対者なし。直近2回のFOMCではEsther L. George(カンザスシティ連銀総裁)が「0.25%の利上げ」を要求していたが、今回は彼も利上げを求めなかった。全員一致は1月のFOMC以来。つまり認識が1月に戻ったということ。

 声明発表からイエレン議長記者会見(ちらっとしか見てないが)を通じて感じる事は、「アメリカがたった0.25%の利上げをするのに半年以上の時間がかかっている」という驚きであり、それは「経済の形が変わったのではないか」ということだ。

 私の記憶では、アメリカは一回利上げを始めると過去においてはどちらかと言えば「矢継ぎ早」の利上げをしてきた。もうそうではない。イエレン議長が言う。「(多分5月の雇用統計に関連して)労働市場の悪化を理解するのは難しい」と。

 これは実に素直な意見表明だ。つまり、FRBも今のアメリカ経済に戸惑っている。当然政策運営は慎重になる。彼女はこうも言った。「アメリカの生産性の伸びは、長きにわたって低いままかも知れない」と。これもコナンドラムだ。

 今後のFOMCの政策運営見通し(今回発表の最新バージョン)を見ると、全体値で見ると「年内利上げは2回」と見ている人が依然として多いものの(よって年末のFF金利予想値は0.875%)、「もう年内の利上げは一回」と見るメンバーの数は大幅に増加した。

 3月見通しの時は「年内一回」は一人のみだったのが、今回は6人に上った。17人の中で。つまり大勢としてはFRBメンバーの中に「なかなか利上げは難しい」との見方が増えている、ということになる。

 3月にはFF金利の引き上げについては「(年内)三回ないしそれ以上」と見たメンバーの数は7人もいたが、今回は2人のみ。その結果、2017年末のFF金利予測の中心値は1.625%、2018年末は2.375%と、いずれも0.25%引き下げられた。つまり利上げ時期が先延ばしになっているということになる。

 理由は「利上げ理由が揃うのが遅れている」に尽きる。今回の声明全文は添付したが、のっけから「the pace of improvement in the labor market has slowed while growth in economic activity appears to have picked up. Although the unemployment rate has declined, job gains have diminished.」(経済活動の伸びは加速しているように見えるのに、労働市場改善のペースは鈍化した。失業率は低下したのに、職の伸びは減少した)と最近3ヶ月、特に5月の非農業部門就業者数の増加幅の大幅縮小(3万8000人のみ)に触れた。

 この部分の4月の声明がどうだったかというと、「 labor market conditions have improved further even as growth in economic activity appears to have slowed」となっていた。つまり4月と6月では、労働市場と経済活動の立ち位置が入れ替わったように見える。

 その後もアメリカ経済の現状認識に関しては「the drag from net exports appears to have lessened, but business fixed investment has been soft」などと強弱の材料が並ぶ。つまり「強弱入り交じっているのが今のアメリカ経済だ」という認識。これはマーケットの見方に近い。

 前回と実は微妙に大きく表現を変えたのはインフレに関する記述。4月は「Market-based measures of inflation compensation remain low」と「持続」を意味する remainを使っていたのに、今回は「Market-based measures of inflation compensation declined」と「低下した」という動詞を使った。

 つまり労働市場は悪化し、inflation compensationのマーケット指標は鈍化したとした。二つのマンデートで目標から遠ざかった。これでは利上げは出来ないし、声明から感じられる臭いでは「7月も難しい。となると次の利上げはあっても9月だろう」ということになる。しかし9月(September 20-21*)と言えば米大統領選挙を2ヶ月以内に控えている。

 としたら、「もしかしたら、次の利上げは大統領選挙後の12月(December 13-14*)になるかもしれない」と思わせられるものだ。その間には11月のFOMCがある。しかし11月のFOMCはそれこそ大統領選挙の投票日である11月08日のごく直前である「November 1-2」だから、そこで利上げがあると見るのは無理だ。

 むろんイエレン議長は記者会見で「大統領選挙は考慮しない」と言っているが、「FRBは利上げするな」と言っているトランプが共和党の大統領候補だ。そんな時期に上げたらうるさい。ということは、「年内一回の利上げの可能性」が高まっているということであって、実際にその通りになるかも知れない。

 通常大統領選挙の前に利上げするには、「それなりきの十分な理由」が必要だ。しかし今のアメリカ経済のまだら模様の中では、それを見いだすのはなかなか難しい。なお、FOMCの3月以来の新規経済見通しに関してはこのページにあって、GDPの伸びなどを微妙に引き下げているのが分かる。

 文章を書いているうちにニューヨークのマーケットが引けて、FOMC発表直後には上げ幅を積み増したものの、ラッセルを除いてダウなど株価指標は引け際30分で「小幅安」になった。ドルは対円で見るとずっと106円台のローだったが、今は105円台のハイ。来週Brexit投票を控えていますから、そうは上がれない。

 さて、日銀さんはどうするんだろう。FOMCの今回の声明全文は次の通り。

Release Date: June 15, 2016

For release at 2:00 p.m. EDT

Information received since the Federal Open Market Committee met in April indicates that the pace of improvement in the labor market has slowed while growth in economic activity appears to have picked up. Although the unemployment rate has declined, job gains have diminished. Growth in household spending has strengthened. Since the beginning of the year, the housing sector has continued to improve and the drag from net exports appears to have lessened, but business fixed investment has been soft. Inflation has continued to run below the Committee's 2 percent longer-run objective, partly reflecting earlier declines in energy prices and in prices of non-energy imports. Market-based measures of inflation compensation declined; most survey-based measures of longer-term inflation expectations are little changed, on balance, in recent months.

Consistent with its statutory mandate, the Committee seeks to foster maximum employment and price stability. The Committee currently expects that, with gradual adjustments in the stance of monetary policy, economic activity will expand at a moderate pace and labor market indicators will strengthen. Inflation is expected to remain low in the near term, in part because of earlier declines in energy prices, but to rise to 2 percent over the medium term as the transitory effects of past declines in energy and import prices dissipate and the labor market strengthens further. The Committee continues to closely monitor inflation indicators and global economic and financial developments.

Against this backdrop, the Committee decided to maintain the target range for the federal funds rate at 1/4 to 1/2 percent. The stance of monetary policy remains accommodative, thereby supporting further improvement in labor market conditions and a return to 2 percent inflation.

In determining the timing and size of future adjustments to the target range for the federal funds rate, the Committee will assess realized and expected economic conditions relative to its objectives of maximum employment and 2 percent inflation. This assessment will take into account a wide range of information, including measures of labor market conditions, indicators of inflation pressures and inflation expectations, and readings on financial and international developments. In light of the current shortfall of inflation from 2 percent, the Committee will carefully monitor actual and expected progress toward its inflation goal. The Committee expects that economic conditions will evolve in a manner that will warrant only gradual increases in the federal funds rate; the federal funds rate is likely to remain, for some time, below levels that are expected to prevail in the longer run. However, the actual path of the federal funds rate will depend on the economic outlook as informed by incoming data.

The Committee is maintaining its existing policy of reinvesting principal payments from its holdings of agency debt and agency mortgage-backed securities in agency mortgage-backed securities and of rolling over maturing Treasury securities at auction, and it anticipates doing so until normalization of the level of the federal funds rate is well under way. This policy, by keeping the Committee's holdings of longer-term securities at sizable levels, should help maintain accommodative financial conditions.

Voting for the FOMC monetary policy action were: Janet L. Yellen, Chair; William C. Dudley, Vice Chairman; Lael Brainard; James Bullard; Stanley Fischer; Esther L. George; Loretta J. Mester; Jerome H. Powell; Eric Rosengren; and Daniel K. Tarullo.


2016年06月15日(水曜日)

 (23:20)今日はちょっとマニアックかも知れないが、スマホに関して二つほど賢くなった。一つは「アンテナマークで分かりにくいiPhoneの電波強度を数字に変えるフィールドテストモード」、もう一つは「中断なく音声入力を続けられるアプリ=keep」君。

 出身高校の後輩達からお誘いがあって5人ほどで新橋で飲み会。会社立ち上げ中のITに詳しい、頼りになる後輩が多く、AIなどに関して話していてとっても面白かったのですが、その彼等が教えてくれた。

 「アンテナマークで分かりにくいiPhoneの電波強度を数字に変えるフィールドテストモード」は、左の写真を見て頂きたい。LTEの電波強度が「−101」になっていることが分かるでしょうか。「温泉検索」アプリの上です。

 普通電波強度はiPhoneでもその他でも「アンテナマーク」で表示される。しかしそれはとってもアバウトで、場所によって「これで....」と思うことがある。それを細かい数字で表したらこうなった、という例です。写真は。

 「0」に近い方が電波が強い。新橋の地下の店で計ったときに「−110前後」、外に出て大通りを歩いているときは「−70〜75」。エレベーターの中、ビルの中は「−120」程度。お部屋で使うと写真の通り。それぞれの場所で電波強度が分かる。ちょっとスマホ画面の景色を変えられるのが良い。

 あそうだ、アンテナマークを数値表示に変える方法は、ここにあります。「*3001#12345#*」を掴んで、電話発信画面の上にドロップして......あとは固定化と案外簡単です。

 次に「中断なく音声入力を続けられるアプリ=keep」君。アンドロイド・スマホのアプリ名で、私も試したがこのアプリを使うと何の中断もなく音声入力をそのまま録音すると同時に、文字興ししてくれる。これはとっても便利です。今までそういうのは出来なかった。クラウドサイドの限界だと思うのだが、Siriでも中断が入った。しかしこのアプリには中断なし。

 実はiPhoneには「Google keep」という名前でiOS用の同じ機能のアプリがある。写真の右サイドです。しかしiPhoneサイドに入る「Google keep」は使えない。なぜなら多分アップルが悪さをしていて、録音・文字興し時間は5秒程度。

 しかし心配は無用です。ともにグーグルのアプリですから、実はアンドロイド・スマホで入力するとほぼ同時にどんなに長くてもiPhoneのアプリに転送・コピーされるようになっている。同じグーグル・アカウントを使っていれば、です。

 ちょっと変化球の使い方ですが、アンドロイドで録音し、それを両方のOSでチェックするという方法。他の音声入力ソフトと同様、長く息継ぎをしているとマシンは「録音終了」と判断する。なので、長く録音しようと思ったら喋り続ける必要がある。ま二つとも、楽しめれば面白い機能です。なので紹介しました。

 それから5人で食事をしたのは新橋の店ですが、名前は「有薫酒蔵 新橋店 (ゆうくんさかぐら)」という店。3000近い日本中の高校の別々のノートがあって、面白かった。いつも一杯の店だそうです。セブンの下。


2016年06月15日(水曜日)

 (10:20)今株式市場を見たら東京はやっと少し反発の気配ですか。週初から昨日まで大幅安の連続でしたから、若干の押し目買いが入っている可能性がある。しかし底意は不安定です。午後3時の引値がどうなるかは不明。

 一番の不安定要素はイギリスのEU離脱・残留を巡る国民投票の行方が、「離脱に向いているのではないか」との見方が強まっている点。このことに関しては、既に6月11日に書いた通りで、若干「離脱」に傾いた結果が出る世論調査のようですが、それでもマーケットは不安感を強めた。

 この問題に関する全体的な私の見方はこの文章を読んで頂ければ良いのですが、アメリカでもイギリスでもマグマがたまっている印象はする。それがどの程度吹き出るかです。

 ところで、昨日まで「リオ・オリンピックが終わるまでは辞めない」と言っていた舛添知事。しかしどうやら辞職の意向を固めたようです。NHKを先頭にメディアがそう伝えている。もっとも、「辞めます」と舛添さんが自らの口でメディアに対して正式に言ったわけではない。

 NHKなどは「全会派が不信任決議案を出すことになって、追い込まれたから」と言っていますが、どうでしょうか。私は最後は家族の説得が決め手になったのだと思う。奥さんなのか、二人の子供さんなのか。もちろんその背景には舛添さんを取り巻く厳しい環境がある。ご家族はそれが舛添さん以上に分かっていた、とも思える。

 なぜそう思うかというと、ご家族が一番、様々な問題について行っていた舛添さんのこれまで説明の真偽を知っているからだ。例えば正月に竜宮城スパホテル三日月にやってきたという出版社の社長さんは誰だったのか、そういう人は本当に居たのかいなかったのか。

 また東京ドームに舛添一家を誘ったとされる人物がいたのか、いなかったのか。もしそれらが本当に知事の言う通りだったらご家族も「頑張りなさい」ということになったと思う。しかしそうはならなかったし、舛添さんも今の今まで詳しい説明を避けた。

 「真偽」を繰り返し問われるのは自然だし、真実を知っているご家族も耐えられなくなった可能性があるとも思える。それにしても参議院選挙と相前後して東京都はまた選挙ですから。2020年のオリンピック直前も知事選挙。忙しいことです。


2016年06月13日(月曜日)

 (08:40)フロリダのオーランドでの大きなテロ事件は複雑な様相を呈しているのですが、はっきりしているのは、テロリストは”ソフトターゲット”として「会場が暗く、人々が狭い所に集まっていて、かつ出口が少ない場所」を狙う、と言うことです。

 テロリストはどんな動機にしろ「なるべく多くの人を殺す」のが目的(許しがたいことですが)ですから、当然そういう場所を狙うようになる。それはコンサート場であり、ナイトクラブです。発砲と同時に直ちに大混乱が起きるし、出口は少ない。フランスでの事件もそうだし、今回もその手の会場だった。

 事件の背景としては二つの要因が指摘されている。それはこのパルスという名前のクラブがアメリカのテレビの表現を借りれば「LGBTクラブ」だったという点。犯人(イスラム過激組織ISに感化していたと言われる Omar Mateen。両親がアフガニスタン人との報道も)の父親は息子について、「男同士がキスをしているのを見て激怒していた」と述べている。つまり同性愛嫌いという側面がある。

 しかし一方で、犯人自身が「ISに忠誠を誓う」という911(アメリカでの緊急通報番号)通報をしていた、しかも犯行の直前か最中に....という報道もある。ISは事件後に「ISの兵士によって起こされた」とSNSに書き込んでいる。つまり犯行には二つの側面があり、それらがからみあっていたということ。

 それとの関連で『車に武器、ロスで逮捕「性的マイノリティーパレードへ」』というニュースもある。これはロサンゼルスで開かれている性的マイノリティーのパレードに関連していて、「このパレードを狙ってテロを起こそうとしたいたのではないか」との見方がある。多分オーランドの事件とは関係ない。しかし「LGBT嫌い」は共通している。

 それにしてもオーランドではつい先日、NBCのオーディション番組「ザ・ボイス(The Voice)」に出演して有名になった若手人気歌手クリスティーナ・グリミー(Christina Grimmie)さんがコンサート会場で銃撃され、まもなく死亡する事件があった。グリミーさんを撃った男は銃で自殺。

 アメリカのメディアのニュースによると、グリミーさんはオーランドにある「プラザ・ライブ(Plaza Live)」で、音楽バンド「ビフォー・ユー・エグジット(Before You Exit)」と共演した後、サインに応じるために会場に残っていたところ、男が歩み寄ってきて撃たれたという。

 オーランドと言えば、ディズニーワールドなど日本人にも関係ある観光施設がある。


2016年06月12日(日曜日)

 (23:40)今さっと世界のニュースを眺めて思ったのは、「かなり荒れ模様」ということ。恐らく「lone wolf」 (一匹狼)と思われる人物によるテロがフロリダと上海で二件。フロリダでのテロによる死者については今BBCが、「少なくとも50人」と報じている。負傷者は53人と。

 多分州単位だと思うが「a state of emergency」が宣言され、事件そのものは「the worst mass shooting in US history」と。確かに大事件です。上海のそれは負傷が4人と。恐らく動機はかなり違う。前者はイスラム過激思想に感化していた人物(名前は Omar Mateenとのこと)の犯行との見方も。射殺された。後者は犯人は死んではいないので、動機がいずれ判明する可能性がある。

 と思うと始まったユーロ2016では各地でファン同士、地元住民との衝突が頻発。一番大きなのは「ロシアのフーリガン達がイングランドのファンを襲った」とされる事件。最初逆かと思ったが、イングランドの彼等の中でもっとも危険な連中はフランスへの渡航を差し止められているらしい。試合は1−1で引き分け。

 逆に「ロシアのサッカーフーリガン」はあまり聞いたことがない。多分フランスの警備当局も情報がなかったのか。で今回はどうやらロシア側がイギリスのファンに喧嘩を売った、という展開らしい。試合前日からマルセイユの街で衝突していたとの報道もある。

 日本ではユーロ2016はなかなか見れない。テレ朝がやっているらしいが、試合数が少ない。のであまりニュースにもならないが、今の世界ではロシア対イングランドのファンの衝突が大きなニュース。UEFAはどうやら「ロシアを調査」とのこと。ロシアはリオのオリンピックでも「でれる、でれない」で問題を抱える。

 その前には、10時08分に熊本で地震。最大震度5ということで、NHKはスポーツ番組を突然中断して中継。「5」が分かれ道のようです。ま、今週は日米の金融政策決定会合があって、特に日銀が何を決めるのか注目だし、来週はいよいよイギリスのEU離脱か残留かの国民投票。不安定要素は多い。


2016年06月11日(土曜日)

 (10:40)普段は読まない新聞なのですが、英国民投票に関する興味深い世論調査結果を載せているというので覗いてみたら、見出しが「EU Referendum: Massive swing to Brexitーwith just 12 days to go」ですか。massive ね。

 中味を読んでみると、「These figures are weighted to take account of people’s likelihood to vote.」(実際に投票に行くかどうかを勘案)という前提で、離脱派(The Leave Camp というらしい)が55%の支持を集め、残留派(The Remain Camp)の45%を10パーセンテージポイントも上回ったと。「weighted to take .....」しなくても、離脱派が53%、残留派が47%だそうな。

 ORB というのは英調査会社で、一年前から同紙の為にこの問題での調査を開始。対象は2000人。ちょうど一年前に実施したときには離脱派は45%で、残留派が55%。つまり今回の調査ではそれがちょうどひっくり返ったと述べている。だから「massive」だと。

 ちょうど一ヶ月前にも同様の調査をしていて、その時は離脱派51%、残留派49%で拮抗していたという。だから離脱派が劇的に増えたと言えるが、そもそも「離脱派の数字が大きく出やすい調査」だとも言える。他の調査では拮抗が多い。

 前回の英総選挙の際の世論調査は「予測大外れ」で散々だったのですが、今回はどうでしょうか。また他の調査はこれからどうなるのか。いずれにせよ、今回のインディペンデントの調査ほど「離脱派が優位に立った」とする調査は初めてだと思う。これでは世界のマーケットでポンドとユーロが急落して、リスク回避通貨、例えば円などが上がるのは理解できる。

 しかもドイツのショイブレ蔵相はこの調査とは関係なく、「イギリスがEU離脱すれば、他の加盟国の中にもEU離脱を考える国も出てくる」と言ったので、ドドドと関連通貨が売られた。ニューヨーク市場を見ると、ポンド・円は高値155円05銭だったのが、安値は151円48銭。ユーロ・円の安値は119円90銭。120円割れは2013年の春以来。

 要するに「リスク回避」の動きが広まったということで、リスク回避は世界的な債券相場の上昇をももたらしている。それが今朝の日経一面のトップ記事です。私は少し前に「ニアゼロ経済成長の時代」という概念を提示しましたが、それと裏表です。

 今朝の日経には7面に「疲弊する地方 離脱の波」という記事があって、これが参考になる。日本に伝えられてくるイギリスと、伝えられてこないイギリス。伝えられるアメリカと、伝えられないアメリカの民衆の生活。いろいろです。

 それにしても、この記事にも出ているが「煩雑なEUの規制、規則」は、「自由」を重んじるアングロ・サクソンの国では評判が悪いし、グリムズビーの話しは先日NHKもやっていましたが、EUにとってはイギリスが例え残留しても大きな教訓になると思う。


2016年06月10日(金曜日)

 (12:40)今日読んだ記事の中で一番「そうだそうだ」と思ったのは「舛添都知事、せめてリオ五輪は欠席してください」という日経の編集委員である北川和徳さんの記事かな。

 何を言っているかというと、「リオ大会の閉会式で五輪旗は恒例に従い次のホストシティー東京に引き渡されるが、今の状況だと次回大会の代表としてオリンピック旗を受け取るセレモニーには舛添知事がなりそうだ。しかしそれで良いのか。知事は登場するつもりだろうか ? 是非それだけはご勘弁を」という内容。

 この記事は私もかねて「おかしい」と思っていた千葉県木更津市のホテル宿泊の際の会議の相手が、当初の「事務所関係者」から「元新聞記者の出版社社長」に代わっていたことを指摘しつつ、

 税金が含まれる政治資金を、家族旅行でも家族での食事でも、自分の趣味にでも、「政治活動に関係がある」ことにして平気で使ってしまう人間の品性が問われている。
 とバッサリ。その上で「すぐ選挙となれば、次の選挙が2020年のオリンピック開催とかぶるなど悩ましいところがある」としたうえで、『組織委の森喜朗会長でも安倍晋三首相でも都議会議長でも構わない。誰か知事に「リオ五輪は諦めなさい」と引導を渡してもらえないでしょうか。』と結ぶ。

 気づかなかったが、非常に重要な点を北川さんは指摘していると思う。確かに、舛添さんには五輪旗を受け取って欲しくはないと私も思う。それにしても「元新聞記者の出版社社長」なんて、そんなに多くはないはず。本当に居るんだったら出てきて、「何を話したか」を公表してもらいたいものだ。


2016年06月09日(木曜日)

 (07:40)けっこう海外のニュースに気を配るタイプの人間ですが最近思うのは、「世界ではほんとうに気象に関するニュースが多い」ということです。欧州でもアメリカでも、そしてアジアでも。

 それが異常かどうかは断言できません。地球の長い歴史の中にはそういう時期も、それほど珍しくなくあったかもしれない。いやきっとあった、と思う。人類が生まれたのはそもそも地球の歴史から見ればごく最近。大陸が移動した後ですから。

 またそれが世界のメディアが使う技術の著しい変化・進歩、それとグローバル化、しかも心理的グローバル化の進展によるものかもしれない。「グローバル化」「心理的グローバル化」に関しては、例えばBBCは田野岡大和君の「事件とその後」をずっと追っていた。

 その関心の払い方が、「日本のメディアと同じくらいかな」と思うほどだ。報道内容も正確で、「おもしろな」とずっと思っていた。また最近は、海外の交通事故まで日本のネットとかテレビが伝える。最近では特にバス事故が印象的。

 しかし、私の感覚から言うと、アメリカの例えばABCニュースが大統領選挙に関するニュースを後回しにして、「まず激しい気象に関するニュースからお伝えします....」という形でニュースを始めるのを、最近数多く見ているように思う。

 印象で言うならば、アメリカのニュースのかなりの部分は最近は「気象」によって占められている。テキサスの洪水、中西部の嵐、カリフォルニアなどの山火事、そしてメキシコ湾で発生したハリケーン.....とにかく多い。

 実は欧州もこのところ気象ニュースが多い。今はフランス、ドイツ、イタリアに繋がる大きな地域が雷雨に襲われているそうで、BBCのサイトでそのニュースを見ると「これは凄い」と言える雷マークが欧州の広い地域を覆っている。

 そう言えば東南アジアでも「早魃」が大きな問題です。ベトナムやタイが大きな影響を受けていて、インドでも大きな地域で早魃が起きている。幅広く見ていると、今の世界で気象に関して大きな”異常”がないのは日本くらいに思える。

 ロシアのテレビを見ていたら、プーチン大統領が「山火事対策」を語っていた。日本の首相が「山火事対策」を語ることはまずない。ロシアの大統領はあれからこれまで本当に幅広い問題を扱う。その意味では大変です。

 むろんニュースとはそもそも「際だって異常なこと」を取り上げるもので、今日本から見ているフランスの洪水ニュースも、パリ近郊で起きているからことさら大きく報じられ、フランスの他の多くの地域では「あれは一部のこと」と考えられているかもしれない。

 しかし洪水にしろ早魃にしろ、ちょっと世界はいわゆる「天候問題」を抱えすぎていると思う。シリア問題のそもそものスタートは、同国の北部を襲った「早魃だった」というのが定説で、その意味では「人々が食べられなくなる」「それを国家がコントロールできない」というのは大きな問題です。

 その意味では一時的に終わる洪水よりも、開発途上国における「早魃」が一番大きな問題だと思う。じわりじわりとその地域に住む人を痛めつけるので。人々はそれからの脱出を試みる。


2016年06月08日(水曜日)

 (19:40)アメリカのメディアが一斉に、「最大の代議員数を持つカリフォルニア州の予備選挙でヒラリー・クリントンが勝った」と速報を出し始めました。これで決まりですね。サンダースがいくら粘ってももうひっくり返ることはない。

 既に報じられているように、特別代議員を含めてクリントン候補は全代議員の半数以上を確保、7日に選挙本部のあるブルックリンで「勝利集会」を行っており、カリフォルニアでの勝利は「いよいよクリントン対トランプの直接対決となる本選挙」に向かって「勢いが付く」という形

 トランプの勢いが今まで良かったので、「もしかしたら....彼が勝つのでは」という人もいる。しかし私はどうみても今後の「二人直接対決」では、クリントンが大きく有利だと思う。

 なぜならトランプはどう見ても「一人転びの男」だ、と私には思われる。勝手に思うことを言って、それが最後の最後にアメリカ国民から「やっぱり彼では駄目だ」と思われるのではないか、と予想する。

 既に彼から離れている票は、女性票でありヒスパニック票で、今後も予想外の荒っぽい発言で、多くのアメリカ国民が「やはり駄目」と思うシーンが多くなると思う。良い悪いは別にして、「思ったことを後先考えずに直ぐ言う」「それが政治的にどう跳ね返ってくるかに関して、政治的直感がない」「今まではテレビのトーク番組をやっていた」のが彼だと思うので。

 むろん予想外の展開だってあり得る。しかし「本戦」は今までの「エンタメ」とは違う。そこで勝てば世界最大の大国のトップです。そのトップにトランプはどうみても相応しくない、と私は思う。

 もちろん選挙権もない外野の人間の意見に過ぎませんが、私もアメリカに4年住んで、最後はアメリカの人達の多くの方々もそう思うのではないか、と思う。しかし今回の米大統領選挙の候補者選びが残した問題は多い。

 つまり分かったのは、「従来のアメリカの政治で拾えてこれなかった人々が実に沢山いて、彼等が今までの政治に強い不満を持っていたことが分かった」ということだと思う。サンダース現象もそれです。クリントンがトランプを大差で破っても、それは残る問題です。

 それをどう拾い、建国の理念とどう調和させるか。これが非常に大きな問題だと思う。でないと、先進国のどの国でも生じうる「政治的不安定」が、大国であるアメリカで最初に生じる可能性がある。そう私は思う。


2016年06月07日(火曜日)

 (10:40)昨日です。マラソンの猛者もこけるんや....しかも階段の下りで.....と。

 昨日は夜に大手町でヴェリタス・トークの収録があったのですが、ヴェリタスの坂本編集長が打ち合わせルームに入ってきたのを見てびっくり。ぎしがしと体を締めている。右手はがしがしで使えそうもない。

 「どうしたの ?」と聞いたら、「出張先の芦屋で階段の下り、あと4〜5段のところでこけて、気づいたら地面が目の前で.....」と。おやおや。なにか上の空か、別事を考えていたのか....

 結果は悲惨だったそうな。「鎖骨が折れた....」と。そして「今週中には手術」と。大事ですがな。立ったので何をするかと思ったら、「このままでは出られないので、外します....」といって締め具を外した。

 そして手伝ってもらってジャケットを身につけて....。口は大丈夫。ははは。多分その番組ビデオは今日の日中ぐらいには日経のネットサイトからのリンクで動画で見れる。締め具は外したが動けない。多分見た人には分かる。

 彼は猛者です。「フルマラソンを31回は走った」と先日聞いた。もう直ぐの函館のマラソンも計画中だった。駄目になりましたが。「マラソンの猛者」ということは、凄く体を鍛えている。普通そういう人は階段を踏み外したりしない.....とさんざんいじりました。

 まあでも、事故はいつでも起きる。収録中に私の電話が鳴り出したり。100キロマラソンに挑戦したこともある坂本編集長ですが、階段はくれぐれもお気を付けて。直ぐの快癒を祈ります。

 あそうそう、今週のヴェリタスの「家電新御三家」は面白い記事で、タイトルも良いと思う。今まで日本の家電は寂しいな....と思っていたら、確かに「新御三家」の登場。良いと思う。村田製作所、キーエンス、そして三菱電機です。


2016年06月07日(火曜日)

 (05:40)ちょっと早起きしてちょこっとイエレンFRB議長のフィラデルフィア講演を読んで思ったのは二つです。

  1. 5月の雇用統計(予想外に弱かった)で不安になったマーケットを見事に favorableに納得させている。これじゃ月曜日のニューヨークの株価は大きく上げざるを得ない

  2. それにしてもFRB、イエレン議長はマーケットとの対話がうまい。どこかの国の中銀のようにマーケットを驚かすのではなく、うまく説明し、今後に展望を与え、打ち出す政策の予測可能性を高めている

  3. これだと市場関係者は政策決定会合(アメリカの場合はFOMC)を直近に控えても、身構えなくて済む。なぜなら彼女は実際上「6月の利上げはないですよ」と言い切っているので....
 いえね、他の国の中銀ばかり褒めたくない。でも今回のイエレン議長の講演(火曜日からFOMC前のブラックアウトに入るので、その直前)ほど、中銀サイドから「今後何しますよ....」「それについてはこう考えていますよ...」という明確な説明を聞いた印象を聞いた記憶がない。それほど読み終えて、「ああそうか」と明確さが残った。

 ニューヨークのダウは終えたばかりですが、ダウで113ドル27セント上がって、引値は1790ドル33セント。あの弱い雇用統計後がこの引値ですからね。18000に接近。トーンは明るいと言える。NasdaqもSPも0.5%前後上昇。

 トーンが明るいのは、イエレン議長が講演の冒頭で「My message will be largely favorable....」と言い切っているからです。そう言われのでそういう気持ちで講演を読むと、「なるほどな」と納得出来る。

 彼女はマーケットが一番関心がある5月の雇用統計に触れて、「たった一ヶ月の統計に振り回されては駄目よ」という趣旨のことを言い、「全体的にはアメリカの労働市場は良くなっている」という見解を示した後で、「でもよく分からない事がはっきりするまで”利上げ”は待つわね」と明言。彼女は前回の講演で使った「the coming months」(今後数ヶ月に利上げ)の部分を落とした。ということは少なくとも「6月はない」ということです。

 しかし彼女の講演を全体的に読むと、「彼女はとってもアメリカ経済の先行きに楽観的、好意的なんだな」と分かる流れ、構成になっている。これじゃアメリカ経済にマーケット関係者も強気にならざるを得ない。だからドルも強くて、対円は107円台の半ばのニューヨークの引け。

 なぜ強気か。一方のFRBのマンデートである労働市場に関しては、5月の雇用統計の数字にも関わらず、「改善している」と明言。むろん課題はあるが「5.0%を下回った失業率は評価できる」というスタンス。

 ではもう一方のマンデートである「インフレ」はどうか。「適切なインフレ率を実現する」というマンデートです。「まだ達成(2%目標)はできていない。しかし私は達成できると思っている」と彼女。弱かった雇用統計でも「賃金は上がっている」と強気論。でもより明確な兆候を待って利上げは直ぐにはしない.....というのだから、マーケットはfavorable になる。

 彼女の楽観論の極めつきは、「But speaking for myself, although the economy recently has been affected by a mix of countervailing forces, I see good reasons to expect that the positive forces supporting employment growth and higher inflation will continue to outweigh the negative ones. As a result, I expect the economic expansion to continue, with the labor market improving further and GDP growing moderately. And as I just noted, I expect to see inflation moving up to 2 percent over the next couple of years.」

  はっきり言ってこれは「あたしゃ、こう思う」という部分で、次回のFOMCでもこう発言します....と言っているに等しい。ということは、FOMCの6月発表の経済見通しは悪くはならないとも言える。

 リスクヘッジが好きなエコノミストをちくっと刺しながら、「私も on the other hand を言ってみるわね」と聴衆をにやっとさせながら(現場にいたわけではないが、そこに居合わせた人からはちょっと笑いが漏れたと思う)、マーケットが抱える「不安定要素」にも触れている。

 「Will the economic situation in Europe or China take a turn for the worse or exceed expectations? Will U.S. productivity growth pick up and allow stronger growth of gross domestic product (GDP) and incomes or instead continue to stagnate? What will happen with the price of oil? The uncertainties are sizable, and progress toward our goals and, by implication, the appropriate stance of monetary policy will depend on how these uncertainties evolve」

 と自問自答。賢いことにイギリスのEU離脱問題になど触れていませんが、しかしこれらの不安項目については講演の後の方で、「かなり解消してきているわよ....」といったトーンで話している。私が注目したのはドルに二回ほど触れている点。つまり「ドルは一時高くてアメリカ企業には重荷だったが(円が120円台の時を指すと思う)、今は改善している」と述べている点。このスタンスは政府(オバマ率いる)のそれと一致している。

 印象に残ったのは「some important uncertainties」の項目のところで、アメリカの消費の行方、アメリカ経済の抵抗力に関して「大丈夫だと思う」としながらも、「I continue to think that the answer to that question is yes, but the weak investment performance in recent months is concerning, and Friday's employment report provides another reminder that the question is still relevant.」と「weak investment」には懸念を表明していることかな。

 でも最後の「conclusion」の冒頭が「To summarize, I have explained why I expect the U.S. economy will continue to improve ......」で始まりますから、マーケットは強気になれる。

 彼女の講演のエンドは「What is certain is that monetary policy is not on a preset course, and that the Committee will respond to new data and reassess risks so as to best achieve our goals.」で、ここでは「certain」という単語をまず登場させた。

 「不安定なマーケットにもcertain なことはあるわよ.....」と言っているようで、「monetary policy is not on a preset course」とは誰もが納得。そして、恐らく5月の雇用統計を思い浮かべながら、「FOMCは新しい統計にも対応するわよ....」と。

 そう言えばどこかの国の中銀のように、「基本的には」とか「基調的には」とか「総じて」とか丸める表現がないな。個々の統計にきちんと対応している気がした。これはうらやましい。


2016年06月06日(月曜日)

 (16:40)田野岡大和君の事件に関してはその後いろいろな情報が出てきている。ざっくり言うと、「田野岡君の強い体力、それに地頭(じあたま)の良さが目に付くが、何よりも数々の偶然が奇跡を生んだ」というのが正しそうです。

 情報が出てきたのは、本人が時間の経過とともに喋れるようになってきたため。そこで先日私が疑問に思っていたことも明らかになってきている。

  1. やはり大和君は車が走り去ったのとは逆の方向(北の駒ヶ岳の方向)に走り、その後そのまま歩いた。逆の方向に走ったのは気が動転したためで、どうやらお姉さんはちらっとそれを見ていた

  2. 置き去りにされた場所から自衛隊の演習場の施設は直線距離で5ないし6キロと言われたが、道は直線ではなく、実際には10キロ以上を5時間ほど歩いたらしい。よって午後5時に置き去りにされ、自衛隊の施設にたどり着いたのは実に夜10時頃となる

  3. その間、大和君は林道を外れることなく林・森には入り込むことなく、夜行性の動物に会うこともなく、多分月明かりで自衛隊の施設を見付け、そこに鍵の開いたドアを発見し、「寒いので寝ようと思ってその中に入った」

  4. その後はそこから動かず、おなかが空いても野外にあった水道を飲む以外には外に出ず、「誰かがいつか見付けにきてくれる」と考えて、自衛隊員がたまたま施設を開けるまでそこに留まった
 という展開らしい。大和君が賢かったのは、「林道を外れなかったこと」「施設を見付けて、その中に入ったこと」(体力温存が出来た)「そこから動かなかったこと」などだと思う。それらは賢かったのだし、落ち着いていたのだと思う。地頭が良い。また「5時間の山道」を歩けたということも、7才としては上出来だったと思う。体力があった、ということになる。

 しかし超ラッキーが重なったことも確かだ。そもそも加害的動物に会わなかったことがラッキーだったし、自衛隊の施設が大和君の目の前に出てきたのは偶然だし、その中にマットレスがあったのもそうだし、風が防げたこともそうだし、水道が使えたこともラッキーだ。

 更に言えば、施錠が当然だった施設の入り口の一つが解錠していたのもラッキーだ。今回は本当に良かったが、本当は「実に危ない状況だった」というのが正しいと思う。自衛隊員が施設に入ったのは実は偶然だった。良い条件が重なったということです。

 話しは変わりますが、今舛添知事の記者会見が始まって、舛添サイドの言うところの「第三者委員会」の弁護士が延々と説明していますが、このままでは「1時間の予定」が直ぐに過ぎてしまう。このまままじゃ、記者は質問する時間がないでしょう。

 それにしてもどえらいことですね。「政治資金の使途に制限はない」という論理で、いわゆる「第三者委員会」は「違法性はない」「倫理性には問題あり」という結論らしい。そもそもこんな記者会見を開かざるを得ないこと自体が極めて恥ずかしいことでしょう。

 正月にあの三日月ホテル(金塊の風呂で有名な)に家族で泊まることを政治資金で処理することが違法でない.......としたら、政治家はほぼ何にでも集めたお金を使えることになる。「弁護士も不適切」と言っているが、それでも違法ではない、と。

 そもそも自ら指名し、自らがお金を払った弁護士2人(舛添さんが支払った料金を弁護士は言わなかった)が「第三者委員会」って、おかしいでしょう。用事があるのでもう外出しますが、まだまだ今回の問題は幕引きにならないと思う。三日月で会った雑誌社の社長の名前、弁護士も舛添知事もは結局言わなかった。まだまだ新しい事実がいろいろ出てくるのでは。

 今テレビに出ている弁護士先生(私は二人とも知りません)が「不適切」「適切だとは認められない」という言葉を何回使うのか。「不適切だが、違法ではない」というエリアが随分広い


2016年06月06日(月曜日)

 (07:50)ちょっと頭の体操なんですが、「月30万円のベーシック・インカムを保障されたらどうするかな ?」とこの週末に考えていたんですよ。うーん、何歳の時にその制度がスタートするかにもよるが、多分2年くらいは海外、特に今まで行けていない南米なんかに行くんだろうな....」と。

 「でも働くことはやめないだろうな........自己表現の一つの手段なので.....」とか。それって貧乏性 ? でもま、好きなことにより多くの時間を注ぎ込むことは確かだな.....とも。ははは。他の人はどうだろう ?

 むろん、スイスの国民投票に関連してです。この週末ですが、スイスですべての住民に対して無条件に毎月一定額(30万円)を支給する「最低所得保障」(ベーシック・インカム)の導入をめぐる国民投票が行われた

 暫定の開票結果によると、反対が76・9%で賛成23・1%を大きく上回り否決された。しかし賛成派は「そもそも四人に一人が賛成を投じたことは評価されるべきだ」との立場で、めげていない。

 スイスでは「国民10万人の支持表明で簡単に国民投票が行われる」という事情がある。しかし欧州では新たな社会福祉のあり方の一つとして議論が広がっており、オランダなどの地方自治体では「試験運用」を決める所も出てきている。

 人口動態が世界的に変化し、そしてAIの機能向上でさまざまなところで「代替」が生ずるとの予想の中で、「労働」とか「雇用」に関する考え方が世界的に大きく変化しているのでしょう。そんな中でのスイスでの国民投票。

 「面白い」と思う。むろん日本やアメリカではこれより高い割合で「反対」が出そうな状況だが、実際に「労働」や「仕事」をどう考えるのかは難しい問題です。AIが将来の人々の従来の雇用のかなりの部分を奪うかもしれない、と予想されるなかで。

 むろん、それとは逆に生まれる雇用もある。今テレビでたくさん見る「お笑い芸人」なんてのは、昔は「職」ではなかった。今では立派な職の一分野です。しかし「ベーシック・インカム」制度が仮に導入されると、「職」とか「雇用」への考え方がさらに大きく変化する可能性がある。それは予測できない。

 スイスの国民投票にかけられた「月30万」という金額は、日本の我々からすると「法外」と写るかも知れないが、フラン高・物価高のスイスでは、購買力からして日本円では「15万円くらい」の感覚らしい。それでも相当な額です。

 面白いし、頭の体操にはなるのですが、国レベルでこの制度が導入されるのは相当先でしょうね。だって「その国に住んで国民になれば毎月30万円もらえる」となれば、直ちに発生するのが移民の問題でしょう。そんな国に行きたい人は多い。

 移民を制限しても、「働く意欲」の問題は残る。「人間とは何かしたい動物だ」と私も思うのですが、そう考えない人もいるかもしれない。そういう人が多くなれば、経済は回るのかという懸念が出るのももっともだ。

 だって給与と職という社会的地位がかかっているから、世の中回っている面がある。電車がきっちり走り、宅急便も届く。ベーシック・インカム制だと、その辺がどうなるのか。案外うまく機能するかも知れないが、「全ての人にベーシック・インカム」となって「何をしても食べられる」となれば、抑制が効かなくなる可能性がある。

 その一方で、ナノテクとかAIの技術の変化の中で、人間の社会は今まで想像もしなかった段階に進むかも知れないとも思う。その辺が面白い。


2016年06月05日(日曜日)

 (06:50)昨日は結構野球漬けの一日で、朝はダルの復帰2戦目を見ていて、「今日は復帰第一戦とちょっとモードを変えて投げているな...」と思ったりしていたのですが、味方が着々と加点し、かつ救援投手も珍しく抑えて勝ち。

 復帰2戦で2勝とナイス。体重が7とか8キロ増えたと。今後が楽しみ。なにせレンジャースとマリナーズが「地区首位争い」というから、ちょっと様相が違う。マリナーズもカノー、クルーズと取れば強くなる。そりゃそうだ。クルーズが抜けたレンジャースも結構強い。ダルが復帰したのでもっと強くなる。

 午後からは珍しく東京ドームに。交流戦なので見に行ったのですが、これが結構面白い試合だった。チケットを取ったときは、「もしかしたら大谷が投げるかも」と思ったが、残念今日の日曜日の投球。見たかった

 面白かったのは、最近の巨人が「かつて出ていました」人を次々に出すこと。西村も懐かしかったし、最近は内海も勝った。安倍が出てきたのもそう。日経の『「僕らもいるぞ」セ奪取』は昨日の試合を見ていただけに笑えた。本当にそう。

 この記事が面白いのは、現場で試合を見ていては分からない事が書いてあること。西村は確か満塁の3−2の場面に2回直面。大丈夫かよ、ピンチだよ.....と言っていたのですが、それを二回とも切り抜けた。

 陽岱鋼に投げた死球で彼の持ち玉のシュートが投げられなくなったそうな。近づいたのは一塁を守っていた阿倍。キャッチャー目線で「シュートはおまえの持ち玉なんだから、投げなきゃしょうがないだろう」と言ったそうな。ははは。

 小林も先輩が一塁にいてやりにくいだろうが、阿倍はある意味偉大な先輩。その阿倍のホームランで巨人は2勝している。戦略的にはあまり強くない巨人が交流戦5連勝だから、ちょっと笑える。

 見ていて分かったのは高橋監督は「マシソンと澤村を使わない」と決めていた、と思う。その言って見れば「負けてもしょうがない」試合で勝ったのだから、今の巨人には「静かな強さ」がある。なぜだか。

 うーん、早く「ソフトバンクー巨人」というカードを見たいな。今年はセリーグはまずまず頑張っている。これからどうなるのか。


2016年06月05日(日曜日)

 (06:30)皆ほとんど忘れかけているはずなのに、その名前を聞くと俄然心かき乱される存在、という人はいるもので、亡くなったモハメド・アリもそうかな。合掌。

 子供の頃、初めてその人の名前を聞いたときは「カシアス・クレイ」だったと思った。テニスの「クレイ・コート」の「クレイ」と同じ綴りなので、「凄い名前だな」と思っていたら改名。「蝶のように舞い、蜂のように刺す」は彼についてよく使われる表現ですが、確かにその印象はした。つまり俊敏だった。

 むろんあの巨体ですから「蝶」には直ちには見えない。かつ、あの「口」(big mouth)ですから、「蝶の割にはうるさいな」とずっと思っていたのですが、彼が「口だけではなかった」ことも確かだ。あの時期にあれほど覚悟をもって「政府と対立した人」もいない。

 アメリカにいる間にも結局この目で試合を見る機会はなかったが、一度見たかったと今でも思う。美しさと偉大さを常に気にしていた人で、それが何回も口に出ていた。最後は聖火台での聖火を掲げた姿をテレビで見た。

 パーキンソン病で確か左手が痙攣していた。当然だけれども、すっかり”すごみ”は抜けて、「凄い時代と人生を生き抜いてきた人」という印象が今でも強い。ごちゃごちゃ言わずにもう一度合掌かな。


2016年06月03日(金曜日)

 (12:30)本当に良かったと思う一方で、「狐に鼻をつままれたような話」とも思う。北海道の函館の北、七飯町で起きた児童行方不明事件です。

  1. なぜ田野岡大和君は置き去りにされた後北に向かったのか。多分車が走り去った方向とは違うと思う。過去にその辺を散策したことがあるのか
  2. 彼が置き去りにされたとされる場所と、発見された場所の距離は直線でも7キロあるらしいが、しかし彼が直線で歩けたわけはなく、いったい何キロを何時間かけて歩いたのか
  3. 陸上自衛隊駒ケ岳演習場の宿泊施設を多分大和君は知らなかったと思えるが、だとすると施設が見つからなかったらどうなっていたのか。なぜ偶然施錠されていなかったのか
  4. 大和君を見つけ出したのは救助隊ではなく、たまたま3日から演習場を使う予定だった自衛隊の隊員が雨を避けるために施設に入ったから。だとしたら、その日に雨が降らないなど隊員が施設に入らなかったら、どうなったのか
  5. ヘリコプターが上空を飛んだはずだが、大和君は施設から出て手を振るなりしなかったのか
 などです。でも多分この子は強い子です。体力もあった。でなかったら6日間を水だけで過ごせるはずがない。見つかったときも受け答えはしっかりしていたという。ナイス。

 多分非常に希有な状況が重なった上での救出劇だったと思う。それにしても、動員された警察犬が一歩も動かなかったというのも不思議だ。ま、これから徐々に何があったのか、何が起こったのかが判明するでしょう。

 それにしても、BBCやCNNが今朝の段階でこのニュースを「Breaking News」で流したのはビックリしたな。「7才の子供が誘拐もされずに水だけ飲んでサバイブした.....」のが驚きだったのでしょう。ちょっと日本らしい。


2016年06月02日(木曜日)

 (12:30)あらら、ってなもんですね。気分転換と同時にうまいパンケーキでもと思ってローダーデールへ。9時半過ぎに。午後にしか用事がなかったので。

 気分が良いので陽の当たる窓際に陣取って日経さんの原稿を仕上げて送り、そしてマー君の対ブルージェイズ戦を消音で見ていた。ちょっとしたらPCが「出力低下.....」とかなんとか警告。「あ、そうだ」と思いました。PCにもスマホにも陽が当たっていた。スマホやPCは高温には弱い。直ぐに警告がくる。

 しょうがないのでMLBのHPを閉じて視聴をやめたのですが、その直前です。センターのエルスベリーが平凡なセンターフライをポロリ。これが致命傷でジェイズに2点目が入った。確かその時点でヤンキースはエラー2。

 マー君は前回良かった。今回はその時点で6本のヒットを打たれていたので、それほど良くはなかったのでしょう。しかし1点で抑えていたのだから好投です。しかし味方はと言えばヒット5本でゼロ点。これじゃマーク君は勝てない。

 入ったチームを間違ったのかも知れない彼は、と思いました。最近のヤンキースはとにかく勝てない。打てないのが主因で、かつての力強いチームの印象はゼロ。松井のいたころのヤンキースが「強いヤンキース」の最後だったのかも。補強もなんとなく、「やってますよ」程度。

 それと今朝も可愛そうな方がいました。ローダーデールは朝10時までに入らないと、ウリのパンケーキを作ってはくれない。しかし10時を過ぎて「パンケーキを下さい」と注文し、「もう時間が過ぎましたので....」と言われて呆然とする客が多い。

 今日もお一人、10時過ぎに入ってきて「もう終わりましたが.....」と店員にすまなさそうに言われて、もの凄く考えて、そして結局席を立って帰られた方が。そりゃあの店ではパンケーキを食べたいですよね。しかし平日は午前10時までです。

 あそれはそうと、日なたでのPCやスマホは危険ですが、一つ発見した。それは「珈琲は冷めない」ということ。むろんホットコーヒーの話しです。普通、珈琲って直ぐに冷めるじゃないですか。しかし陽当たりが良いと、なかなか冷めない。これは発見だった。

 くだらない知恵ですが、長く美味しい珈琲を楽しみたいなら、オープンカフェの陽の当たる場所に珈琲を置いておくのがよろしいようで.....。


2016年06月02日(木曜日)

 (07:30)ははは、はっきり言ってあたしゃ半分チェーサーです。追っ掛け人。でも英タイムスの記事もろくに読めずに、お馬鹿な質問をした某政党の幹事長代理(?)の粗雑な態度に気を取られより、よほど精神的に良い。

 移動(任意、仕事など)が多いので、あちこちで綺麗な花に出会いもするのです。日本はちょっと目を動かせばそこら中が花が。圧倒的な緑の中で綺麗です。今朝の一番手は紫陽花かな。白と紫の。紫は北の丸公園に、白は千鳥ヶ淵の緑道にありました。ツツジもあちこちで綺麗。




 最近見たもので、「これは皆さんにも推薦できる」と思うのは、先ず千葉のマザー牧場の「桃色吐息」かな。岡(山 ?)の東南向きの斜面を綺麗に区切って。ペチュニアを改良品種であるこの「歌の題名のような花」を綺麗に区域分けして植えてある。

 正面から見ると左側にある「見晴台」(大きな木があって、それが日陰を作っている)から見たのが下の写真です。今が見頃ですから、もうすぐピークが過ぎますかね。急ぐ必要がある。



 東京の都心に近いところでは、明治神宮が良い。入場に少額のお金がかかりますが御苑のスイレンと花菖蒲は今でも綺麗なのですが、神社の方によれば「これからが良い」ということです。確かに花菖蒲はそうだと思う。花菖蒲を見に行ったのに、スイレンに吸い込まれました。


 うーん、ちょっと前ですが、函館の五稜郭の桜は綺麗でしたが、私はもうちょっとのびのびしたのが良いな。例えば六義園の一本桜みたいな。「伸び伸び成長したらこうなった」というような。

 五稜郭の桜の木は皆上部がちょん切られている。なので、桜の木の群としてのフォーメーションは良いが(城がそういう形になっていますから)、一本一本は寂しい。ま見方で、タワーに登れば綺麗という人もいるが、私は城の土塁から見た桜が一番綺麗だと思った。





2016年06月01日(水曜日)

 (07:30)昨日はセパ交流戦の初日で、セパの勝敗で「何対何」になるかに興味があったのですが、それは「3勝3敗」でトレンドは出ず。まだ初日ですからね。セは今年は頑張るんでしょうが、力の差が大きいからな。兎に角ソフトバンクは強い。社長に80億円以上出す会社が後ろについていますから。

 興味を持ったのは、中日の小笠原、楽天のオコエなど新人が活躍したことかな。つい先日まで高校野球の華だった連中が。オコエは一気に2安打ですか。走りと打つことは良いそうですが、問題は「守備」と聞いた。

 試合を細かく見ていないので知りませんが、「2安打」したら梨田さんはまた使うでしょう。楽しみ。小笠原には勝利を与えてやれば良いのに。ま、リリーフも負けようと思ってやっているわけではないが。とにかく今の日本のプロ野球が活性化するには新人が出てこないと。ま、昨日の安倍は面白かった。かつての振りが戻って....。

 将棋でも新人が活躍。最後の一局では挑戦者で後手の佐藤天彦八段(28)が100手で羽生善治名人(45)を破ったと。あの天童市で対戦したそうな。将棋の駒の里....と言われているが、天童がそうなったのは江戸時代の終わりから明治にかけて。それまでは浅草が将棋の駒の産地だった。対局が行われたこと自体を吉田さんに感謝しないと。

 それはそうと、羽生さんは「詰み手を見逃した」と聞いた。集中力をどこかで失っていたんでしょうね。この対戦全体を通じて。若さに押された ? 対戦成績4勝1敗というのは大きな差。集中力の一時的な喪失ではちょっと説明できない。

 北海道の児童不明は心配ですね。7才。両親が一番憔悴しているでしょうから何も書きませんが、それにしても3日はちょっと時間が過ぎすぎ。どこかにいてくれれば良いのですが。

 フランスが大荒れ。国鉄は無期限ストに。日経ヴェリタスによれば、新しい労働法の内容は

  1. 業績が悪いときに従業員を解雇できる条件を緩和
  2. 現在の週35時間労働制を労使との協議で合意すれば最大限46時間に出来る
  3. 残業の給与への上乗せ分を減らすこと
 らしい。これを出したらフランスの働く人達は「冗談じゃない」と当然反発する。アメリカから「今夏の欧州は危ない」との警告もフランスを含む欧州全体に出た。世界の航空需要が頭打ちとのIATAの警告で出ているし、世界の景色もちょっと変わったかな。サミットを無事終えた日本への観光需要は増える、と思う。

 ところで、昨日書いたスケジューラーの問題は、多分以下のような簡単な手順でその後の混乱を避けることが出来るのではないか、と思います。

 今海外に実際に居るのではないので確実には言えないのですが、多分海外でスマホ経由でスケジュールを入れるときは、「タイムゾーン」が表示されるはずです。普段日本でスマホ経由でスケジュールを入れるときは、その項目さえない。

 なぜならiPhoneは「この人は普段日本で利用し、日本の予定を入れているから」と考える。しかし例えば今回のように普段日本で使っている人(今回の場合は私)がカレンダー(iPhoneの呼び方)に海外で入力する場合は、スマホは「どちらの時間なんだろう」と考える筈です。

 だからきっと「タイムゾーン」のラインを出して、「入力者は選んで下さい」と一応聞いている筈です。多分それはほっておくと「ハノイ ベトナム」時間になる。それを「東京 日本」とか「大阪 日本」に変えないといけない

 でないと、「ベトナム時間での予定」と理解する。だってそうでしょう。旅行先での予定を立てるときには現地時間で予定を入れますから。スマホは多分そちらを優先する。スマホそのものが現地時間で駆動していますから。

 それを何もしないでほっておいて帰国すると、月曜日の私のように本来は午後2時だった予定が「午後4時だ」とスケジューラーには日本時間に換算して表示される。確かにベトナムの午後2時は日本の午後4時です。よく調べたら、来月のゴルフの予定も時間がずれていた。それも「ハノイ ベトナム」にタイムゾーンがなっていた。多分日本からのメールでダナンに居たときに入力した。

 ちょっと面倒かな。でもしょうがない。スマホは中途半端に賢い分だけ、利用者が選択しなければならないことはある。スケジューラーは「その予定がベトナムのものか、日本のものか」は判断できない。我々は当然頭の中で「日本の予定」「ベトナムの予定」を区別していますが。

 それはコンピューターでは無理。多分、海外では(旅行ベース)PC経由でしか予定を入れない....というのも一つの手かな。



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